(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ
(51)【国際特許分類】
A61M 16/04 20060101AFI20220112BHJP
A61B 1/267 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61M16/04 Z
A61B1/267
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527841
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 US2019062109
(87)【国際公開番号】W WO2020106666
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517307577
【氏名又は名称】グレン・ピー・ガードナー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ピー・ガードナー
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA07
4C161BB01
4C161CC06
4C161DD03
4C161GG24
4C161LL02
(57)【要約】
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが、遠位端、声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネック、およびそこを貫通するように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定する声門上ボウルを有する。声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、挿管導管がネックの近位端からボウル表面内の開口部まで延在し、挿管導管が挿管導管を通して挿入される気管内チューブを有するように構成される。少なくとも1つの流体流れチャネルが、近位端から声門上ボウル内のボウル表面まで、挿管導管に並んで、声門上エアウェイの壁を通るように長手方向に形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイであって、前記挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが
声門上ボウルであって、遠位端と、前記声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネックと、前記声門上ボウルを通るように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定する声門上ボウルであって、前記声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、前記挿管導管が前記ネックの前記近位端から前記ボウル表面内の開口部まで延在し、前記挿管導管が前記挿管導管を通して挿入される気管内チューブ(ETT)を有するように構成される、声門上ボウルと;
前記近位端から前記声門上ボウル内の前記ボウル表面まで、前記挿管導管に並んで、前記声門上エアウェイの壁を通るように長手方向に形成される少なくとも1つの流体流れチャネルと
を備える
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項2】
挿管導管閉塞構造部をさらに有する、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項3】
前記挿管導管の全長に沿って延在する封止可能間隙をさらに有し、前記封止可能間隙が、前記ネック、前記カフ、および前記ボウル表面を通って延在する、請求項2に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項4】
前記ネックの前記近位端に取り付けられるプラグをさらに有し、前記プラグが前記ネックの前記近位端のところで前記挿管導管の中に挿入され液密シールを画定するように構成される、請求項2に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項5】
前記プラグは、前記プラグが前記挿管導管内に押圧され前記挿管導管内の任意の所望の位置に配置されるのを可能にするように構成される長手方向に延在する細長いステムを有する、請求項4に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項6】
前記挿管導管の中にある通常は閉じている一方向弁をさらに有し、前記一方向弁が、前記ETTおよび前記ETTを取り付けることができる導入スタイレットのうちの一方を前記挿管導管を通して遠位側に通過させるのを可能にするように構成され、さらに前記肺換気チャネルを介した肺換気中に前記挿管導管を閉塞するように構成され、前記通常は閉じている一方向弁が、前記挿管導管の遠位端、前記挿管導管の近位端、および前記挿管導管の前記遠位端と前記近位端との中間の位置、のうちの1つに形成される、請求項2に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項7】
前記ネックの前記近位端に取り付けられるキャップをさらに有し、前記キャップが、本体を貫通するように形成されるアパーチャを有する前記本体、および前記本体の前記アパーチャを閉じるように構成される前記本体に移動可能に取り付けられる閉鎖部材を有する、請求項2に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項8】
前記アパーチャが、前記アパーチャを通して挿入されることになる、前記ETT、および前記ETTを取り付けることが可能である導入スタイレット、のうちの一方の外径よりわずかに小さい直径を有し、拡大可能であり、拡大可能な前記アパーチャが、前記流体流れチャネルを介した肺換気中のガスの漏洩を防止するために、前記アパーチャを通して挿入される前記ETTおよび導入スタイレットのうちの前記一方と係合し、その周りで気密シールを維持するように構成される、請求項7に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項9】
前記キャップが、封止可能間隙を有し、前記キャップの前記封止可能間隙は、前記声門上エアウェイの前記封止可能間隙に位置合わせされる、請求項8に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項10】
前記挿管導管内に小径部分をさらに有し、前記小径部分が、前記小径部分を通して挿入されることになる前記ETTおよび前記ETTを取り付けることができる導入スタイレット、のうちの一方の外径よりわずかに小さい直径を有し、前記挿管導管内に拡大可能なアパーチャを画定し、前記拡大可能なアパーチャが前記流体流れチャネルを介する空気の肺換気中に、前記拡大可能なアパーチャの内壁が前記ETTおよび前記導入スタイレットのうちの前記一方に係合されてその周りに気密シールを維持しながら前記拡大可能なアパーチャが伸長して開くように構成される、請求項2に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項11】
前記挿管導管の中にある可撓性を有する拡張可能なカラーを有する封止アパーチャをさらに有し、前記可撓性を有する拡張可能なカラーが前記ETTおよび前記ETTを取り付けることができる導入スタイレットのうちの一方を前記挿管導管を介して遠位側に通過させるのを可能にするように構成され、さらに前記肺換気チャネルを介する肺換気中に前記挿管導管を閉塞するように構成され、前記可撓性を有する拡張可能なカラーが、前記挿管導管の遠位端、前記挿管導管の近位端、および前記挿管導管の前記遠位端と前記近位端との間の中間の位置、のうちの1つに形成される、請求項2に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの流体流れチャネルが、前記近位端から前記声門上ボウルまでの空気の流れのための肺換気チャネルとして構成される、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項13】
前記ネック内で前記挿管導管の長さに沿う第1の部分と、前記ボウル表面内で前記挿管導管の長さに沿う第2の部分とを有する封止可能間隙をさらに有し、前記封止可能間隙が前記カフの中に形成されない、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項14】
前記カフが拡張可能かつ伸長可能な材料から形成される、請求項13に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項15】
前記声門上エアウェイが、前記肺換気チャネルの中で接続される流体流れチューブと、前記流体流れチューブの近位端のところにある15mmコネクタとをさらに有する、請求項12に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項16】
前記ネックの前記近位端から前記ボウルの前記カフの遠位端まで、前記声門上エアウェイの前記壁を通って長手方向に形成される胃吸引チャネルをさらに有する、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項17】
前記挿管導管の全長に沿って延在する分割可能構造部をさらに有し、前記分割可能構造部が、前記ネック、前記カフ、および前記ボウル表面を通って延在し、前記分割可能構造部が、間隙のための位置を画定する線に沿う1つまたは複数の切り込みをさらに有し、前記切り込みが前記声門上エアウェイの壁の厚さの一部分のみを通り、前記分割可能構造部が、前記間隙を画定するために使用者によって押圧されて開けられるまで、気密かつ未開封となる、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項18】
前記封止可能間隙がその長さに沿って気密閉鎖部を有する、請求項3に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項19】
前記気密閉鎖部が、重なり合う、重なり合って咬合する、重なり合ってかみ合う、または、重なり合って咬合してかみ合う、のうちのいずれかである、請求項18に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項20】
前記ネックの前記近位端から前記ボウル表面まで、前記声門上エアウェイの前記壁を通るように長手方向に形成されるビデオ画像化チャネルをさらに有し、前記ビデオ画像化チャネルが、中に設置されるビデオ画像化デバイスを有する、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項21】
前記ビデオ画像化チャネルの一部分が前記ボウル表面から外側に出て前記声門上ボウルの中まで延在する、請求項20に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項22】
前記ボウル表面から外側に出て前記声門上ボウルの中まで延在する前記ビデオ画像化チャネルの前記一部分が、関節式であるか、または可鍛性を有する材料から形成されるかのいずれか一方となるように構成される、請求項21に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項23】
前記声門上エアウェイが前記ボウル表面に形成される傾斜部材を有し、前記傾斜部材が前記ETTの前進を前側に逸らすように構成される、請求項1に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項24】
前記傾斜部材が、拡張可能であるか、関節式であるか、または昇降式であるか、のいずれか1つである、請求項23に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項25】
前記ETTおよび前記ETTを取り付けることができる導入スタイレットのうちの一方に前記流体流れチューブを解除可能に接続するように構成されるコネクタをさらに有する、請求項15に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項26】
前記コネクタが、前記使用者が第2の流体流れチューブと前記ETTとの間の相対的な距離を変化させるのを可能にするように構成される、剛性を有するコネクタ、固定されるコネクタ、入れ子式のコネクタ、折畳可能なコネクタ、およびヒンジ式のコネクタ、のうちの1つとして構成される、請求項25に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項27】
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイであって、前記挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが:
声門上ボウルであって、遠位端、前記声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネック、および前記声門上ボウルを通るように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定し、前記声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、前記挿管導管が前記ネックの前記近位端から前記ボウル表面内の開口部まで延在し、前記挿管導管が前記挿管導管を通して挿入される気管内チューブ(ETT)を有するように構成され、複数の流体流れチャネルが、前記近位端から前記声門上ボウル内の前記ボウル表面まで、前記声門上エアウェイの壁を通るように長手方向に形成され、
前記流体流れチャネルのうちの1つまたは複数の流体流れチャネルが、患者の挿管と同時におよび患者の挿管とは独立して患者の肺換気を可能にする肺換気チャネルとして構成される、声門上ボウルと;
挿管導管閉塞構造部と;
細長い気密閉鎖部を有する封止可能間隙と;
前記声門上エアウェイの前記近位端から外側に延在するチューブ組立体であって、前記チューブ組立体が複数の第1の流体流れチューブを有し、前記複数の第1の流体流れチューブの遠位端が前記流体流れチャネル内で接続され、前記複数の第1の流体流れチューブの前記近位端が結合して単一の第2の流体流れチューブを形成し、前記チューブ組立体が前記第2の流体流れチューブの前記近位端のところに15mmコネクタを有する、チューブ組立体と;
前記第2の流体流れチューブを前記ETTに解除可能に接続するように構成されるコネクタと
を備える、
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項28】
前記挿管導管閉塞構造部が、前記ネックの前記近位端のところで前記挿管導管の中に挿入され液密シールを画定するように構成される、前記ネックの前記近位端に取り付けられるプラグ;貫通して形成されるアパーチャを有する本体および前記本体に移動可能に取り付けられて前記本体の前記アパーチャを閉じるように構成される閉鎖部を有する、前記ネックの前記近位端に取り付けられるキャップ;前記挿管導管の中にある小径部分であって、前記小径部分が前記ETTおよび前記導入スタイレットのうちの一方の外径よりわずかに小さい直径を有し、前記小径部分が前記挿管導管の中に拡大可能なアパーチャを画定する、小径部分;前記挿管導管の中にある通常は閉じている一方向弁であって、前記一方向弁が前記ETTおよび前記ETTを取り付けることができる導入スタイレットのうちの一方を前記挿管導管を通して遠位側に通過させるのを可能にするように構成される、通常は閉じている一方向弁;及び、前記挿管導管の中に可撓性を有する拡張可能なカラーを有する封止アパーチャであって、前記可撓性を有する拡張可能なカラーが前記ETTおよび前記ETTを上に設置することができる前記導入スタイレットのうちの一方を前記挿管導管を通して遠位側に通過させるのを可能にするように構成される、封止アパーチャ、のうちの1つである、請求項27に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項29】
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイであって、前記挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが:
声門上ボウルであって、遠位端、前記声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネック、および前記声門上ボウルを通るように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定し、前記声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、前記挿管導管が前記ネックの前記近位端から前記ボウル表面内の開口部まで延在し、前記挿管導管が前記挿管導管を通して挿入される気管内チューブ(ETT)を有するように構成される、声門上ボウルと;
前記近位端から前記声門上ボウル内の前記ボウル表面まで、前記声門上エアウェイの壁を通って長手方向に形成される複数の肺換気チャネルと;
前記挿管導管の全長に沿って延在する封止可能間隙であって、前記封止可能間隙が、前記ネック、前記カフ、および前記ボウル表面を通って延在する、封止可能間隙と;
前記封止可能間隙の長さに沿う気密閉鎖部と;
前記ネックの前記近位端から前記ボウルの前記カフの遠位端まで、前記声門上エアウェイの前記壁を通って長手方向に形成される胃吸引チャネルと;
前記ネックの前記近位端から前記ボウル表面まで、前記声門上エアウェイの前記壁を通って長手方向に形成されるビデオ画像化チャネルであって、前記ビデオ画像化チャネルが、中に設置されるビデオ画像化デバイスを有し、前記ビデオ画像化チャネルの開口部が通常は閉じている一方向弁を有する、ビデオ画像化チャネルと
を備える、
挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【請求項30】
前記気密閉鎖部が、重なり合う、重なり合って咬合する、重なり合ってかみ合う、または重なり合って咬合してかみ合う、のうちのいずれかであり、前記声門上エアウェイが:
前記声門上エアウェイの前記近位端から外側に延在するチューブ組立体であって、前記チューブ組立体が複数の第1の流体流れチューブを有し、前記複数の第1の流体流れチューブの前記近位端が結合して単一の第2の流体流れチューブを形成し、前記チューブ組立体が前記第2の流体流れチューブの前記近位端のところに15mmコネクタを有する、チューブ組立体と;
前記声門上エアウェイの前記近位端のところで前記ビデオ画像化チャネルから外側に延在する、ビデオ画像化デバイスに接続されるビデオ配線と;
前記第2の流体流れチューブを前記ETTに解除可能に接続するように構成されるコネクタと
をさらに有する、
請求項29に記載の挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して、患者に対して同時に肺換気および挿管を安全に行うためのデバイスに関する。本発明は、詳細には、肺換気を行うようにおよびその中で運ばれる気管内チューブ(ETT:endotracheal tube)を有するように構成される、改善された挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイ(supraglottic airway)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来の声門上エアウェイ(SGA:supraglottic airway)およびラリンジアルマスクエアウェイ(LMA:laryngeal mask airway)は、気管を介して肺に酸素、空気、または他のガスを送達することを目的として、クリアーであり、開いており、障害物のない、導管およびチャネルを提供するための、患者の喉頭の中に配置される経口挿入エアウェイデバイスである。従来のSGAおよびLMAは、標準的な麻酔回路またはバッグバルブマスクシステムに対しての封止接続部を提供する従来の15mmコネクタをその遠位端のところに有する。シールをエアウェイ内に作り出すように、または食道の代わりに気管にガスの流れを誘導するように設計されるボウルがSGAおよびLMAの遠位端のところに存在する。したがって、15mmコネクタをボウルに接続する導管またはチャネルが、気管まで障害物のない状態で酸素、空気、または他のガスを通過させるのを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]ボウル構造部を備えるこの導管またはチャネルはさらに、気管内挿管のための通路を提供する。従来のSGAのこの構造部は、可撓性を有するビデオスコープまたは光ファイバスコープと組み合わされることによりさらに改善され得る。不幸にして、SGAまたはLMAを使用して気管内挿管が実施された後、SGAを取り出すのを可能にするために気管内チューブ(ETT)が分解され、固定され、再び組み立てられなければならない。
【0004】
[0004]また、このプロセスは、使用者が患者に対して肺換気を行うことが可能となる前の段階において、ETTのETT15mmコネクタを取り出して保管する間において、ETT回収スティックをETTシャフトの上に配置する間において、ETTを定位置で支持しながらSGAを取り出す間において、回収スティックを取り出す間において、および最後に15mmコネクタを交換する間において、肺換気を中断することを必要とする。別法として、SGAまたはLMAおよびETTがまとめて定位置に残されてもよいが、このような構成では、患者の中でETTを定位置で直接に固定するための能力が阻害される。
【0005】
[0005]1つの知られているタイプのSGAが、SGAのチューブ部分を長手方向において分割するのを可能にするように構成される。このような分割式のSGA(split SGA)の1つの例が、Kinsingerの米国特許第5,623,921号、Muhammed Nasirの欧州特許第1528944(B1号)、Vikas Sharmaの英国特許出願GB2472063、およびFang Yafeiの中国特許出願CN209137662Uで説明されている。これらの分割式SGAデバイスは、その中にある長手方向エアウェイチャネルを介して気管内挿管を可能にし、SGAデバイスを取り出すことを目的としてETTを分解する必要を排除する。不幸にして、それでも、使用者が肺換気のためにおよび挿管のために同じエアウェイチャネルを使用しなければならず、したがって挿管を実施するためには肺換気を中断しなければならない。Simonの米国特許出願公開第2014/0276178(A1)号が、2つのチャネルを有するマルチルーメン呼吸チューブデバイスを開示しており、これらの2つのチャネルの両方が肺換気のために設計されている。したがって、患者に対して同時に肺換気および挿管を安全に行うためのデバイスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明は、患者に対して同時に肺換気および挿管を行うのを可能にするために、肺換気を行うようにおよびその中で運ばれる気管内チューブ(ETT)を有するように構成される改善された声門上エアウェイに関連する。
【0007】
[0007]第1の実施形態で、挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが肺換気を行うようにおよびその中で運ばれるETTを有するように構成され、遠位端、声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネック、および声門上ボウルを通るように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定する声門上ボウルを有する。声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、挿管導管がネックの近位端からボウル表面内の開口部まで延在し、挿管導管が挿管導管を通して挿入される気管内チューブを有するように構成される。少なくとも1つの流体流れチャネルが、近位端から声門上ボウル内のボウル表面まで、挿管導管に並んで、声門上エアウェイの壁を通るように長手方向に形成される。
【0008】
[0008]第2の実施形態で、挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが、遠位端、声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネック、および声門上ボウルを通るように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定する声門上ボウルを有する。声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、挿管導管がネックの近位端からボウル表面内の開口部まで延在し、挿管導管が挿管導管を通して挿入される気管内チューブ(ETT)を有するように構成される。複数の流体流れチャネルが、近位端から声門上ボウル内のボウル表面まで、声門上エアウェイの壁を通って長手方向に形成される。流体流れチャネルのうちの1つまたは複数の流体流れチャネルが、患者の挿管と同時におよび患者の挿管と無関係に患者の肺換気を可能にする肺換気チャネルとして構成される。声門上エアウェイが、挿管導管閉塞構造部と、細長い気密閉鎖部を有する封止可能間隙とをさらに有する。チューブ組立体が声門上エアウェイの近位端から外側に延在し、チューブ組立体が複数の第1の流体流れチューブを有し、複数の第1の流体流れチューブの遠位端が流体流れチャネル内で接続され、複数の第1の流体流れチューブの近位端が結合して単一の第2の流体流れチューブを形成し、チューブ組立体が第2の流体流れチューブの近位端のところに15mmコネクタを有する。コネクタが第2の流体流れチューブをETTに取り外し可能に接続するように構成される。
【0009】
[0009]第3の実施形態で、挿管用/肺換気用の二機能声門上エアウェイが、遠位端、声門上ボウルの外側へ延在して近位端を画定するネック、および声門上ボウルを通るように形成される長手方向に延在する挿管導管を画定する声門上ボウルを有する。声門上ボウルがカフを有し、ボウル表面を画定し、挿管導管がネックの近位端からボウル表面内の開口部まで延在し、挿管導管が挿管導管を通して挿入される気管内チューブ(ETT)を有するように構成される。複数の肺換気チャネルが、近位端から声門上ボウル内のボウル表面まで、声門上エアウェイの壁を通って長手方向に形成される。封止可能間隙が挿管導管の全長に沿って延在し、封止可能間隙が、ネック、カフ、およびボウル表面を通って延在し、気密閉鎖部が封止可能間隙の長さに沿って延在する。胃吸引チャネル(gastric suction channel)が、ネックの近位端からボウルのカフの遠位端まで、声門上エアウェイの壁を通って長手方向に形成される。ビデオ画像化チャネルが、ネックの近位端からボウル表面まで、声門上エアウェイの壁を通って長手方向に形成され、ビデオ画像化チャネルが、中に設置されるビデオ画像化デバイスを有し、ビデオ画像化チャネルの開口部が通常は閉じている一方向弁を有する。
【0010】
[0010]添付図面に照らして読まれる好適な実施形態の以下の詳細な実施形態から、当業者には本発明の種々の態様が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]本発明による改善された声門上エアウェイ組立体の第1の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】[0012]
図1の線2-2に沿う拡大断面図である。
【
図3】[0013]傾斜部材を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態を示す斜視図である。
【
図4】[0014]突出するビデオ画像化デバイスまたはビデオ画像化チャネルを示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態を示す斜視図である。
【
図5】[0015]
図2に示されるSGAの代替の実施形態を示す拡大断面図である。
【
図6】[0016]導入スタイレットおよび中にある気管内チューブを示す、
図5に示されるSGAを示す拡大断面図である。
【
図7】[0017]封止可能間隙の一実施形態および肺換気チャネルの第1の代替の実施形態を示す、SGAのネックの代替の実施形態を示す拡大断面図である。
【
図8】[0018]封止可能間隙の第2の実施形態、一方向弁の第2の実施形態、肺換気チャネルの第2の代替の実施形態を示す、SGAのネックの代替の実施形態を示す拡大断面図である。
【
図9】[0019]封止可能間隙の第3の実施形態を示す、SGAの一部分を示す斜視図である。
【
図9A】[0020]
図9に示されるプラグの代替の実施形態を示す斜視図である。
【
図10】[0021]突出するビデオ画像化デバイスまたはビデオ画像化チャネル、封止可能間隙の第4の実施形態、および肺換気チャネルの第3の代替の実施形態を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図11】[0022]
図8に示される封止可能間隙、細長い弓形の肺換気チャネルを示す、SGAのネックの代替の実施形態を示す拡大断面図である。
【
図12】[0023]封止可能間隙の第5の実施形態および肺換気チャネルの第4の代替の実施形態を示す、SGAのネックの代替の実施形態を示す拡大断面図である。
【
図13】[0024]キャップを示す斜視図である。
【
図14】[0025]肺換気チャネルの第5の代替の実施形態を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図15】[0026]肺換気チャネルの第6の代替の実施形態を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図16】[0027]肺換気チャネルの第7の代替の実施形態を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図17】[0028]挿管導管の代替の実施形態および肺換気チャネルの第8の代替の実施形態を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図18】[0029]閉位置にある一方向弁ドア(one-way valve door)の第1の実施形態を示す、
図17に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図19】[0030]突出するビデオ画像化デバイスまたはビデオ画像化チャネル、肺換気チャネルの第9の代替の実施形態、明瞭さのために完全な開位置にある一方向弁ドアの第2の実施形態を示す、
図1に示されるSGAの代替の実施形態の一部分を示す上面図である。
【
図20】[0031]
図1に示される改善された声門上エアウェイ組立体の第2の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0032]次に、本発明の特定の実施形態を時折参照して本発明を説明する。しかし、本発明は多様な形態で具体化され得、本明細書に記載される実施形態のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を徹底的で完全なものとするように、および当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように、提供されるものである。
【0013】
[0033]次に図面を参照すると、改善された声門上エアウェイ組立体の第1の実施形態が
図1で10のところに示される。声門上エアウェイ組立体10が、声門上エアウェイ組立体10を通って延在し、上に設置される気管内チューブ(ETT)92を備える導入スタイレット90を有して示されている。したがって、声門上エアウェイ組立体10が、肺換気を行うようにおよび運ばれるETT92を有するように構成され、その結果、患者の肺換気および挿管が同時に行われ得る。声門上エアウェイ組立体10は、声門エアウェイ((SGA)12を有し、SGA12が、第1の端部つまり遠位端12A、第2の端部つまり近位端12B、SGA12を通るように形成される長手方向に延在する挿管導管14を有する。導入スタイレット90およびその上に設置されるETT92が、2019年11月1日出願のGlenn P. Gardnerの米国特許出願第16/671,474号で説明される導入スタイレットおよびETT92と実質的に同じである。
【0014】
[0034]
図1に示されるように、ハンドル94が導入スタイレット90の近位端に取り付けられる。取り付け部材96が、導入スタイレット90の近位端をETT92の15mmコネクタ68に解除可能に取り付けるように構成される。ハンドル94がハンドル94に取り付けられるビデオモニタ98を有することができる。導入スタイレット90の連結ジョイント(図示せず)を制御するためのおよびひいては導入スタイレット90の遠位端を動かすための機構が、ハンドル94に動作可能に取り付けられる制御レバー95を用いるなどして、任意の所望の機構によって制御され得る。
【0015】
[0035]SGA12が、その近位端12Bのところに形成される細長い本体またはネック16と、その遠位端12Aのところに形成されてネック16から延在する声門上ボウル18とを有する。声門上ボウル18が、カフ20と、カフ20内にあるボウル表面24を有する。挿管導管14が、近位端12Bから、遠位端12Aのところにある声門上ボウル18のボウル表面24の中の開口部まで延在する。SGA12が、任意の所望の長さのネック16を有するように形成され得る。別法として、SGA12がネック16を有さないように形成されてもよい。
【0016】
[0036]示される挿管導管14が概略楕円の断面形状を有するが、挿管導管14が、概略円形、および概略長方形などの、任意の所望の断面形状を有してもよい。挿管導管14が任意の所望の直径または断面サイズを有することができる。しかし、挿管導管14が、好適には、挿管導管14を通して挿入されることになるETT92の外径より少なくともわずかに大きい直径または断面サイズを有することが理解されよう。例えば、挿管導管14が、約3.0mmの外径を有する小児用ETT、約12.0mmの外径を有する大型の成人用ETT、または任意の他の外径を有するETTを含めた、任意のサイズのETT92を挿入するように構成される直径を有することができる。
【0017】
[0037]複数の流体流れチャネル26がネック16を通ってボウル表面24まで長手方向に形成され得る。
図1では、5つのこのような流体流れチャネル26が示されているが、任意の所望の数の流体流れチャネル26がSGA12内に形成され得る。流体流れチャネル26のうちの1つまたは複数の流体流れチャネル26が肺換気チャネルとして構成され得る。流体流れチャネル26のうちの1つまたは複数の流体流れチャネル26が肺換気チャネルとして構成される場合、SGA12が、有利には、患者の挿管と同時におよび患者の挿管と独立して患者の肺換気を可能にする。
【0018】
[0038]加えて、流体流れチャネルのうちの1つの流体流れチャネルが、
図1の27のところに示されるような、ビデオ画像化チャネルとして構成されてもよい。画像化チャネル27が、恒久的に据え付けられるビデオカメラ構成要素またはビデオカメラデバイス40を包囲してよいか、または使い捨ての可撓性を有する気管支鏡などの外部から入手して挿入される可撓性を有するビデオカメラのための受動的なチャネルであってもよい。
図4を参照すると、SGAの代替の実施形態の斜視図が106のところに示されており、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、封止可能間隙30(後で詳細に説明される)と、挿管導管(図示せず)とを有する。SGA106が、ビデオ画像化チャネル27の遠位端の中に形成または設置され得るビデオ画像化デバイス40をさらに有し、その結果、電線(図示せず)などの任意の必要なコネクタがビデオ画像化チャネル27を通ってその近位端から外側に長手方向に延在することができる。
図1に示されるように、画像化デバイス40が導入スタイレット90の遠位端の中に形成または設置され得る。導入スタイレット90が画像化デバイス40を有する形でもまたは有さない形でも形成され得ることが理解されよう。
【0019】
[0039]ビデオ画像化デバイス40が、相補型金属酸化膜シリコン(CMOS:Complementary Metal Oxide Silicon)カメラ、電荷結合素子(CCD:Charge-Coupled Device)、光ファイバカメラ、ビデオチップ、および広角レンズ、通常のレンズ、または狭角レンズを備える任意の他の直接的なまたは間接的な画像化デバイスなどの、任意の所望のビデオ画像化デバイスであってよい。ビデオ画像化デバイス(
図4、10、および19に示される)が、例えば、有線接続または無線接続により、ビデオモニタ98などのモニタに動作可能に接続される。ビデオ画像化デバイス40またはビデオ画像化チャネル27の一部分が、
図10に示されるように、ボウル表面24から外側に出て声門上ボウル18の中まで延在することができる、ことが理解されよう。この突出するビデオ画像化デバイス40が関節式であるように構成され得るかまたは可鍛性を有する材料から形成され得る。本明細書で使用される可鍛性は、形状記憶合金を有する、破損したり亀裂を発生させることなく曲げられ得るかあるいは他の形で成形および再成形され得る任意の材料として定義され、ここでは、可鍛性を有する材料が曲げられたときの形状は、再び曲げられたりまたは成形されたりするまで維持される。
【0020】
[0040]加えて、胃吸引チャネル28が、
図1に最も良好に示されるように、ネック16を通って声門上ボウル18のカフ20の遠位端12Aまで長手方向に形成され得る。
[0041]所望される場合、流体流れチャネルのうちの1つの流体流れチャネルが、
図1の29のところに示されるような、声門吸引チャネル(glottic suction channel)として構成され得る。このように構成される場合、声門吸引チャネル29の近位端が後で説明するチューブ組立体62の中まで延在せず、またチューブ組立体62の一部分でもない。任意の所望の数の流体流れチャネル26がSGA12の中に形成され得、ボウル表面24内のまたはカフ20内の任意の所望の位置のところで終端してよい、ことが理解されよう。例えば、後で説明される
図10および14から19は、流体流れチャネル26の代替の構成を有するSGA12の代替の実施形態を示す。
【0021】
[0042]チューブ組立体62がSGA12の近位端12Bから外側に延在し、複数の第1の流体流れチューブ64を有し、複数の第1の流体流れチューブ64の近位端が結合して単一の第2の流体流れチューブ66を形成する。従来の15mmコネクタ68が第2の流体流れチューブ66の近位端に取り付けられるかまたはその上に形成される。各々の複数の第1の流体流れチューブ64の遠位端が流体流れチャネル26のうちの1つの流体流れチャネル26の中で接続される。従来の15mmコネクタ68が、知られている手法で、酸素または空気の供給源に取り付けられるように構成される。第2の流体流れチューブ66が、第2の流体流れチューブ66を選択的に長手方向に拡張するかまたは伸長させるのを可能にするように、および第2の流体流れチューブ66を接続するところである酸素または空気の供給源に対して第2の流体流れチューブ66を複数の角度のところに配置するのを可能にするように、構成される波形の拡張可能な部分67を有することができる。別法として、第2の流体流れチューブ66が、第2の流体流れチューブ66を選択的に長手方向に拡張するかまたは伸長させるのを可能にするための、および酸素または空気の供給源に対して複数の角度のところに第2の流体流れチューブを配置するための、他の種類の、可撓性を有する材料、伸縮可能な材料、または拡張可能である材料を有してもよい。
【0022】
[0043]好適には、コネクタが、第2の流体流れチューブ66を取り付け部材96またはETT92に解除可能に接続する。
図1では、コネクタの代替の実施形態が70および71のところに概略的に示される。コネクタ70または71が、支持ブラケット、クランプ、およびレールなどとして構成され得る。コネクタ70または71が、使用者が第2の流体流れチューブ66と取り付け部材96またはETT92との間の相対的な距離を変化させるのを可能にするように、剛性を有してよく、固定されていてもよく、入れ子式であってもよく、ヒンジ式であってもよく、または折畳可能であってもよい。
【0023】
[0044]封止可能間隙30が、ネック16の近位端12Bから声門上ボウル18のボウル表面24内の挿管導管14の開口部まで、さらには継続してボウル表面24およびカフ20を貫通するように、挿管導管14の全長に沿って形成される。好適には、封止可能間隙30がその長さに沿って細長い気密閉鎖部32を有し、その結果、気密閉鎖部32が開いているときに間隙30が画定される。間隙30が後で詳細に説明するように導入スタイレットおよびETT92を取り出すのを容易にする。間隙および閉鎖部のための代替の位置の1つの例がそれぞれ30’および32’のところに示される。しかし、SGA12が封止可能間隙30およびそれに付随する細長い気密閉鎖部32を有さないように形成されてもよいことが理解されよう。
【0024】
[0045]別法として、ネック16と、カフ20と、声門上ボウル18のボウル表面24とを含めた、SGA12が分割可能であってもよい。例えば、間隙30のための所望の位置が、SGA12の壁の厚さの一部分のみを通る切り込みを用いるなどして刻まれ得、その結果、刻まれた間隙30が使用者により弱い力で分離されるまで、間隙30が気密かつ未開封となる。
【0025】
[0046]間隙30がまた、Ziploc(登録商標)閉鎖部などの、互いに押し付けられて容易に再開封され得る、間隙30に沿う2部品からなるストリップなどを用いて、再封止可能閉鎖部によって閉じられ得る。
【0026】
[0047]所望される場合、間隙30がネック16内のみに形成され得、声門上ボウル18内に形成されなくてよい。加えて、声門上ボウル18の声門上カフ20またはその一部分が、間隙30の代わりに、声門上ボウル18の中において間隙30を必要とすることなく声門上ボウル18を拡張し、ETT92およびその15mmコネクタ68の周りから取り除くことを可能にするような拡張可能な材料または伸長可能材料から形成されてもよい。したがって、
図17に示されるように、間隙30が、声門上ボウル18の声門上カフ20の中ではなく、ネック16およびボウル表面24の中に形成され得る。したがって、声門上カフ20またはその一部分が上述した拡張可能な材料または伸長可能材料から形成される場合、声門上ボウル18の声門上カフ20の中において間隙30を必要とすることなく、声門上ボウル18がETT92およびその15mmコネクタ68の周りにおいて拡張され得、およびそこから取り除かれ得る。
【0027】
[0048]
図2は、間隙30’および閉鎖部32’ならびに後で説明する従来の空気拡張チューブ34のための代替の位置を示す、SGA102の代替の実施形態のネック16の拡大断面図である。
図5は、他の点においてSGA102と同じであるSGAのネック142の代替の実施形態の拡大断面図である。
図5に示されるように、この実施形態のSGA102が、複数の楕円形状の流体流れチャネル144およびビデオ画像化チャネル27を有する。
図6は、他の点においてSGA102と同じであるSGAのネック146の別の代替の実施形態である。
図6に示されるように、この実施形態のSGA102が複数の楕円形状の流体流れチャネル144を有し、封止可能間隙148の代替の位置が開いた状態で示されている。
図6は、挿管導管14の中に位置する、ETT92の中に配置される導入スタイレット150の代替の実施形態を有するETT92をさらに含む。導入スタイレット150が長手方向に延在する導管152を有する。導管152が、吸引チューブ154、光源156、およびビデオイメージデバイス158として構成されるかまたはそれらを中に設置するように構成される。
【0028】
[0049]声門上ボウル18が、Intersurgical Ltdによって製造されるi-gel(登録商標)の声門上エアウェイなどの非拡張可能カフ20を有することができる。非拡張可能な声門上カフ20が、喉頭口上での解剖学的な押し込む形での嵌め込み(anatomical, impression fit)を実現するように設計される任意のゲル状の材料または他の実質的に軟質材料である材料で形成され得る。好適には、声門上カフ20の形状、柔らかさ、および外形が喉頭周囲の解剖学的構造と正確に鏡像をなす。別法として、声門上カフ20、あるいはその任意の1つまたは複数の部分が拡張可能であってよく、したがって、
図2に示されるように、従来の空気拡張チューブ34を有することができる。空気拡張チューブ34が声門上ボウル18に取り付けられ得、シリンジなどの空気の供給源に取り付けられるように構成され得る。1つの位置で示されるが、空気拡張チューブ34が任意の所望の位置において声門上ボウル18に取り付けられ得る。声門上ボウル18が、使用者にとっての声帯の視界を最適化するように喉頭蓋構造または喉頭構造を配置するように構成される形状を含めた、任意の所望の形状を有することができることが理解されよう。有利には、拡張可能な声門上カフ20が、使用者が喉頭蓋などの喉頭構造をより容易に配置するのを可能にする。
【0029】
[0050]
図3を参照すると、SGAの代替の実施形態の斜視図が104のところに示されており、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、封止可能間隙30と、挿管導管14とを有する。SGA104のボウル表面24が、ETT92の前進をより前側(anteriorly)(換言すれば、身体の前側)に逸らすようにするための傾斜部材36を有することができる。傾斜部材36が、ETT92を気管の方に前方に前進させながらETT92を正中線(midline)に配置するのを改善するのを補助するための側壁38をさらに有することができる。傾斜部材36およびその壁38が固いものであってよいか、または声門上ボウル18に関して上述したように拡張可能であってもよい。従来のラリンジアルマスク、声門上エアウェイ、およびフェイスマスクで知られているように、SGA12の全体またはその任意の部分が、近位側パイロットカフ(図示せず)または拡張弁ポート(図示せず)を介して拡張可能であってもよい、ことが理解されよう。傾斜部材36およびその側壁38が関節式であってよいか、あるいは近位側レバー(図示せず)または遠隔制御機構(図示せず)を介する昇降式であってよい。拡張可能である場合、パイロットカフ(図示せず)または拡張弁ポート(図示せず)が近位端12B上でアクセスされる。
【0030】
[0051]
図10および14から19は、流体流れチャネル26の代替の構成を有するSGA12の代替の実施形態を示す。例えば、
図10は、SGA110の代替の実施形態の上面図である。SGA110が、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、挿管導管14とを有する。SGA110が、ビデオ画像化デバイス40、重なり合う気密閉鎖部128を有する拡張可能間隙126の代替の実施形態と、ボウル表面24内にある概略楕円形状の拡大肺換気チャネル124とをさらに有する。
【0031】
[0052]
図14は、SGA112の代替の実施形態の上面図である。SGA112が、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、挿管導管14と、封止可能間隙30と、気密閉鎖部32および胃吸引チャネル28とを有する。SGA112が肺換気チャネル26の代替の実施形態をさらに有し、肺換気チャネル26がボウル表面24の中で挿管導管14の開口部の円周周りに形成される。ボウル表面24内で任意の構成である、任意の数の肺換気チャネル26が提供され得ることが理解されよう。示されるSGA112が、細長いビデオ画像化デバイス(図示せず)を受けるように構成されてチャネル26を覆う通常は閉じている一方向弁113をさらに有し、チャネル26は、チャネル26を通って延在させられ得る細長いビデオ画像化デバイス(図示せず)を前方または遠位側に通過させるのを可能にする。ビデオ画像化デバイス(図示せず)の非使用時、肺換気中の一方向弁113の遠位側表面(気管表面(tracheal surface))にかかる陽圧により、一方向弁113が閉塞されるかまたは閉じられる。
【0032】
[0053]
図15は、SGA114の代替の実施形態の上面図である。SGA114が
図14に示されるSGA112と実質的に同じであり、ボウル表面24の中の挿管導管14の開口部の円周周りに形成される複数の肺換気チャネルをさらに有する。しかし、SGA114では、肺換気チャネルが、ネック16の壁を通ってその近位端まで延在する円形の肺換気チャネル26および概略楕円形状の肺換気チャネル30を有する。ボウル表面24内で任意の構成である、任意の数および組み合わせの肺換気チャネル26および130が提供され得ることが理解されよう。
【0033】
[0054]
図16は、SGA116の代替の実施形態の平面図である。SGA116が
図10に示されるSGA110に類似し、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、挿管導管14と、重なり合う気密閉鎖部128の構成を有する封止可能間隙126とを有する。SGA116が、ネック16の壁を通ってその近位端まで延在する、ボウル表面24内にある概略三日月形状の肺換気チャネル132をさらに有する。SGA116が、可撓性を有する拡張可能なカラー(換言すれば、筒状部)119を有する遠位側封止アパーチャ117をさらに有する。可撓性を有する拡張可能なカラー119のアパーチャ117が、拡張可能なカラー119を通して挿入されるETT92または導入スタイレット90の外径よりわずかに小さい直径を有し、ボウル表面24内に拡大可能なアパーチャを画定する。したがって、アパーチャ117を通して押圧される場合、拡張可能なカラー119のアパーチャ117の内壁がETT92または導入スタイレット90の周りの気密シールに係合されて気密シールを維持することにより、ETT92または導入スタイレット90が拡張可能なカラー119を広げて開き、それにより肺換気チャネル132などの流体流れチャネルを介した肺換気中のガスの漏洩を防止する。SGA116内に形成される間隙126などの任意の封止可能間隙が拡張可能なカラー119の中にも形成され得ることが理解されよう。
【0034】
[0055]
図17は、SGA118の代替の実施形態の平面図である。SGA118が、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、封止可能間隙30および気密閉鎖部32とを有する。SGA118が、挿管導管および肺換気チャネルの代替の実施形態をさらに有する。
図17に示されるように、挿管導管133および肺換気チャネル134が平行となるようにつまり並ぶように構成され、壁135によって分離され、ネック16の近位端からボウル表面内の開口部までSGA118を通って長手方向に延在する。
【0035】
[0056]
図18は、SGA120の代替の実施形態の上面図である。SGA120が
図17に示されるSGA118に類似するが、閉位置で示されている、挿管導管133の開口部を覆う通常は閉じている一方向ドアまたは一方向弁138の第1の実施形態をさらに有する。
【0036】
[0057]
図19は、SGA122の代替の実施形態の上面図である。SGA122が、ネック16と、声門上ボウル18と、カフ20と、ボウル表面24と、挿管導管14とを有する。SGA124が、ビデオ画像化デバイス40と、代替の間隙30’および閉鎖部32’と、ボウル表面24内にある概略楕円形状の拡大肺換気チャネル136とをさらに有する。SGA122が、明瞭さのために完全な開位置で示されている、挿管導管14を覆う通常は閉じている一方向ドアまたは一方向弁140の第2の実施形態をさらに有する。
【0037】
[0058]
図1の閉鎖部32および32’、
図6の閉鎖部14、
図9の閉鎖部109、ならびに
図10および16の閉鎖部128に加えて、他の種類の再封止可能閉鎖部が使用されてもよい。例えば、本明細書で開示されるSGAの種々の実施形態が、
図7のネック160の代替の実施形態で示されるような咬合してかみ合う閉鎖部162を有することができる。ネック160が、他の点においてSGA102と同じであるSGAの構成要素である。
図7に示されるように、SGA102のこの実施形態が細長い弓形の肺換気チャネル163をさらに有する。その形状およびサイズ以外の点では、肺換気チャネル163は本明細書で上述される肺換気チャネル26と同じである。本明細書で説明されるSGAの実施形態のうちの任意の実施形態が、肺換気チャネル163を含めて、本明細書で説明される肺換気チャネルのうちの任意の1つまたは複数の肺換気チャネルを有することができることが理解されよう。
【0038】
[0059]重なり合って咬合してかみ合う閉鎖部166が
図8のネック164および
図11のネック165の代替の実施形態で示される。
図8のネック164が、他の点においてSGA102と同じであるSGAの構成要素である。
図8に示されるように、この実施形態のSGA102が、その目的が後で説明される3つの重なり合うリーフ(換言すれば、小葉部)169を有する一方向弁168の実施形態、および2つの細長い肺換気チャネル161をさらに有する。一方向弁168が、好適には、挿管導管14の遠位端のところに配置され、挿管導管14内の任意の所望の位置に配置され得る。
図11のネック165が、他の点においてSGA102と同じであるSGAの構成要素である。
図11に示されるように、この実施形態のSGA102が肺換気チャネル163をさらに有する。
【0039】
[0060]
図9は、重なり合ってかみ合う閉鎖部109および2つの細長い肺換気チャネル161を有するSGA108の別の実施形態を示す。さらに
図9にはプラグ(換言すれば、差込部材)186が示される。プラグ186が可撓性を有するコネクタ188によりネック16に取り付けられ得る。プラグ186が、SGA108の近位端12Bのところで挿管導管14の中に挿入されるようにおよびその中に液密シールを画定するように構成される。したがって、プラグ186が、所望される場合に挿管導管14の中に挿入されて挿管導管14を閉じることができる。
図9Aに示されるように、プラグ186が、使用者が、挿管導管14の遠位端、挿管導管14の近位端、および挿管導管14の近位端と遠位端との間の任意の中間位置を含めて、挿管導管14内の任意の所望の位置のところにプラグ186を配置するのを補助するための長手方向に延在する細長いステム190を有することができる。
【0040】
[0061]重なり合って咬合する閉鎖部172が
図12のネック170の代替の実施形態で示される。
図12のネック170が、他の点においてSGA102と同じであるSGAの構成要素である。
図12に示されるように、この実施形態のSGA102が、複数の肺換気チャネル26、および複数の楕円形状の流体流れチャネル173をさらに有する。本明細書で説明されるSGAの実施形態のうちの任意の実施形態が、本明細書で説明される閉鎖部の実施形態のうちの任意の1つの実施形態を有することができることが理解されよう。
【0041】
[0062]加えて、声門上ボウル18のカフ20に分割線が形成されてよく、その結果、分割線のところで、2つのカフ表面が接線上で接触することができ、それにより分割部の一時的な閉塞を改善する。分割部を閉塞するために他のインターロック閉鎖構造部またはスナップ嵌合閉鎖構造部が設けられてもよい。間隙30が、開いているとき、ETT92を気管の中に配置した後でETT92の周りからSGA12を取り出すのを可能にするが、声門上ボウル18のカフ20により肺換気のための緊密なカフシールを維持するのを可能にする。
【0042】
[0063]声門上ボウル18が、食道の中に入ったりするのではなくまたは漏洩して大気に戻ったりするのではなく、空気、ガス、または酸素のすべての流れを気管の中に入れるのを保証するために舌周囲部を封止するように構成される。
【0043】
[0064]挿管導管14が、挿管導管14および一方向弁を通してETT92を気管に向かう前方または遠位側に通過させるのを可能にする通常は閉じている一方向弁を有するように形成され得るが、流体流れチャネル26を通して肺換気を行うとき、肺換気中の一方向弁の遠位側表面(気管表面)にかかる陽圧により、閉塞されるかまたは閉じられる。このような一方向弁の1つの例が、大動脈弁に類似する
図8に示される一方向弁168である。一方向弁の別の例が
図19に示される通常は閉じている一方向弁140である。一方向弁の追加の例が
図18に示される通常は閉じている一方向弁138である。一方向弁138、140、および168が、挿管導管14の近位端、挿管導管14の遠位端、または挿管導管14内の任意の他の所望の位置に形成され得ることが理解されよう。
【0044】
[0065]所望される場合、挿管導管14が、挿管導管14の長さに沿う1つまたは複数の小径部分(図示せず)を有するように形成され得る。この小径部分が、小径部分を通して挿入されることになるETT92または導入スタイレット90の外径よりわずかに小さい直径を有し、挿管導管14の中に拡大可能なアパーチャを画定する。したがって、小径部分を通して押圧される場合、拡大可能なアパーチャの内壁がETT92または導入スタイレット90の周りに係合されて気密シールを維持することにより、ETT92または導入スタイレット90が拡大可能なアパーチャを広げて開き、それにより肺換気チャネルとして構成される流体流れチャネル26などの流体流れチャネルを介した肺換気中のガス漏洩を防止する。SGA12内に形成される任意の封止可能間隙30が小径部分内にも形成され得ることが理解されよう。
【0045】
[0066]SGA12の近位端12Bが
図13に示されるようにそれに取り付けられるキャップ174を有することができる。示されるキャップ174が、そこを貫通するように形成されるアパーチャ178を有する本体176と、本体176に移動可能に取り付けられる閉鎖部材180とを有し、本体176がSGA12の近位端12Bに取り付けられるかまたはその上に形成されるように構成される。上述の挿管導管14の小径部分と同様に、アパーチャ178が、そこを通して挿入されることになるETT92の外径よりわずかに小さい直径を有することができ、拡大可能である。したがって、アパーチャ178を通して押圧される場合、アパーチャ178の内壁がETT92の周りに係合されて気密シールを維持することにより、ETT92がアパーチャ178を広げて開き、それにより肺換気チャネルとして構成される流体流れチャネル26を介した肺換気中のガスの漏洩を防止する。閉鎖部材180が、近位端12Bを閉じることが所望される場合、アパーチャ178の中に挿入されてアパーチャ178を閉じるように構成される突出部または閉鎖プラグ182を有する。キャップ174が取り外し可能であってよいか、または中に形成される封止可能間隙184を有することができ、封止可能間隙184が封止可能間隙30に類似し、好適には封止可能間隙30に位置合わせされる。
【0046】
[0067]SGA12が、拡張可能なカラー119、通常は閉じている一方向弁138、140、および168、プラグ186、キャップ174、および/または肺換気チャネル26を介する肺換気中に通過する空気または流体の逆行を防止するように構成される拡大可能なアパーチャを画定する小径部分、のうちの1つまたは複数の任意の組み合わせを有するように形成され得る、ことが理解されよう。本明細書で使用される場合のこれらの構造部(つまり、拡張可能なカラー119、通常は閉じている一方向弁138、140、および168、プラグ186、キャップ174、ならびに、拡大可能なアパーチャを画定する小径部分)が、まとめて、挿管導管閉塞構造部と称され得る。
【0047】
[0068]患者の中にETT92を導入するように構成されるものとして長手方向に延在する挿管導管14を本明細書で説明してきたが、所望される場合、導管14が、限定しないが、気管支鏡検査、喉頭鏡検査、声帯検査、および声帯手技などを含めた、種々の医療手技に関連する器具のための作業チャネルとして機能することができることが理解されよう。
【0048】
[0069]
図20は、
図1に示されて概して210のところに示される改善されたSGA組立体の第2の実施形態の斜視図である。SGA組立体210が導入スタイレット90(
図20に示されない)を有し、導入スタイレット90の上に設置されるETT92がSGA組立体210を通って延在する。SGA組立体10と同様に、SGA組立体210が、肺換気を行うようにおよび中で運ばれるETT92を有するように構成され、その結果、患者の肺換気および挿管が同時に行われ得る。SGA組立体210が、SGA212を有し、SGA212は、遠位端212Aと、近位端212Bと、SGA212を通るように形成される長手方向に延在する挿管導管214とを有する。
【0049】
[0070]SGA212が、その近位端212Bのところに形成される細長いネック216と、その遠位端212Aのところに形成されてネック216から延在する声門上ボウル218とを有する。声門上ボウル218がカフ220を有し、ボウル表面224を画定する。複数の流体流れチャネル226がネック216を通ってボウル表面224まで長手方向に形成され得る。
図20では、4つのこのような流体流れチャネル226が示されるが、任意の所望の数の流体流れチャネル226がSGA212の中に形成され得る。流体流れチャネル226のうちの1つまたは複数の流体流れチャネルが、有利には、患者の挿管と同時におよび患者の挿管と独立して患者の肺換気を可能にする肺換気チャネルとして構成される。
【0050】
[0071]加えて、流体チャネルのうちの1つの流体チャネルがビデオ画像化チャネル227として構成され得、その開口部が上述した通常は閉じている一方向弁113を有することができる。さらに、SGA212が、ネック216を通ってボウル218のカフ220の遠位端212Aまで長手方向に形成される胃吸引チャネル228を有することができる。SGA組立体210が、細長い気密閉鎖部232を有する封止可能間隙230をさらに有する。封止可能間隙30と同様に、封止可能間隙230が、ネック216の近位端212Bからボウル表面224内の挿管導管214の開口部まで、さらには継続して声門上ボウル218のボウル表面224およびカフ220を貫通するように、挿管導管214の全長に沿って形成される。
【0051】
[0072]チューブ組立体62がSGA212の近位端212Bから外側に延在し、複数の第1の流体流れチューブ64を有し、複数の第1の流体流れチューブの近位端が結合して単一の第2の流体流れチューブ66を形成する。従来の15mmコネクタ68が第2の流体流れチューブ66の近位端に取り付けられる。ビデオライン(換言すれば、配線)234がビデオ画像化デバイス(図示せず)に接続され得、SGA212の近位端212Bのところでビデオ画像化チャネル227から外側に延在し、例えば無線接続または有線接続によりビデオモニタ98などのモニタに動作可能に接続され得る。胃吸引チューブ236がSGA212の近位端212Bのところで胃吸引チャネル228から外側に延在し、吸引力源(図示せず)に動作可能に接続され得る。
【0052】
[0073]本発明の原理および動作形態をその好適な実施形態において説明して示してきた。しかし、本発明が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、具体的に説明されて示された形以外の形でも実施され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】