(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ダイアフラム式電動インクポンプ装置および方法
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20220112BHJP
F04B 43/04 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F04B43/02 M
F04B43/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528458
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(85)【翻訳文提出日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019052989
(87)【国際公開番号】W WO2020069003
(87)【国際公開日】2020-04-02
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020207
【氏名又は名称】サン オートメーション インク.
【氏名又は名称原語表記】Sun Automation Inc.
【住所又は居所原語表記】12201 Long Green Pike, Glen Arm, MD 21057, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】フレム, サッド
(72)【発明者】
【氏名】シュロサウアー, アーロン
【テーマコード(参考)】
3H077
【Fターム(参考)】
3H077AA06
3H077CC02
3H077CC07
3H077CC17
3H077DD02
3H077DD12
3H077EE04
3H077FF12
3H077FF14
3H077FF38
(57)【要約】
段ボールシート供給システムにおける電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置(例えば、100、200、又は300)、および同期されたインクの加圧の方法は、第1および第2のダイアフラムまたはダイアフラム面に接続してそれを駆動する往復運動する電動クランク機構を含むダイアフラムポンプアセンブリを含み、ポンプハウジング(例えば、140、240または340)内に収納されるダイアフラムまたはダイアフラム面は、液体インクを段ボール仕上げ機10の印刷部に移送するように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有し、滑らかな往復運動および圧力脈動が低減されたより均一なインク流れを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低費用で高信頼性であり、粘性のインクを厚紙(例えば、段ボール)仕上げ機の印刷部に移送するように構成された、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置(例えば、100又は200)であって、
前記装置は、
第1および第2のダイアフラムに接続されて、それらを駆動する往復運動する電気駆動式クランク機構を含むダイアフラムポンプアセンブリを含み、
前記ダイアフラムの各々は、専用の第1および第2のポンプハウジング室内に収容され、
前記第1および第2のポンプハウジング室は、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に送出するように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有し、
前記ダイアフラムポンプアセンブリの第1および第2のダイアフラムは、クランク軸を含む往復運動をする電気駆動式クランク機構によって駆動され、前記第1のダイアフラムヘッドおよび第2のダイアフラムヘッドのそれぞれを押したり引いたりして、前記第1および第2のポンプハウジング室から液体インクを吸入および排出し、
前記クランクは、選択的に、前記第1のダイアフラムヘッド(例えば、219A)が液体インクを吸入しているときに、前記第2のダイアフラムヘッド(例えば、219B)が液体インクを排出するように、インクの流れの圧力脈動のタイミングを制御するために選択された角度(例えば、180度又は360度)ずらして動作するようにタイミングを合わせて配置され、
前記電気駆動式クランク機構220は、滑らかな往復運動を提供し、先行技術の空気駆動式のポンプと比較して、圧力脈動を低減したより均一なインク流れを提供する、
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項2】
液体インクを厚紙仕上げ機の印刷部に移送するように構成されたマニフォルドからの逆流を排除するために、前記インク入口およびインク出口通路と流体連通する前記ダイアフラムポンプアセンブリのポンプハウジング内に複数の逆止弁をさらに含む、
請求項1に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項3】
前記ダイアフラムポンプアセンブリのポンプハウジング内の逆止弁がダックビル逆止弁を含む、
請求項1に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項4】
段ボール仕上げ機の少なくとも1つの印刷部からのインク流れ制御信号に応答する電気モータコントローラをさらに含み、
前記電気モータコントローラは、モータ速度を変化させ、前記段ボール仕上げ機の少なくとも1つの印刷部への前記インクの流れを調整するように構成およびプログラムされている、
請求項1に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項5】
モータ(例えば、130又は230)が、ブラシレスDCサーボモータである、
請求項1に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項6】
モータ速度が、減速機250の出力軸において、25~200rpmで、50~170インチポンドのトルクを提供するように制御される、
請求項1に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項7】
4秒のポンプサイクル時間を必要とするインクポンプへの応用では、前記出力軸の速度は約15RPMに制御され、ダイアフラム1枚につき、1回転あたり約100ccの所望のインク流量を提供する、
請求項6に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項8】
低費用で高信頼性であり、粘性のインクを厚紙(例えば、段ボール)仕上げ機の印刷部に移送するように構成された、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置(例えば、300)であって、
前記装置は、
第1および第2のダイアフラム面に接続されて、それらを駆動する往復運動する電気駆動式クランク機構を含むダイアフラムポンプアセンブリを含み、
前記第1および第2のダイアフラム面の各々は、専用の第1および第2のポンプハウジング室(例えば、308A、308B)内に収容され、それを画定し、
前記第1および第2のポンプハウジング室は、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に送出するように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有し、
前記ダイアフラムポンプアセンブリの第1および第2のダイアフラム面は、クランク軸を含む往復運動をする電気駆動式クランク機構(例えば、320)によって駆動され、ダイアフラムのヘッドを押したり引いたりして、前記第1および第2のポンプハウジング室から液体インクを吸入および排出し、
前記クランクの往復運動は、選択的に、前記第1のダイアフラムヘッドの面が液体インクを吸入しているときに、前記第2のダイアフラムヘッドが液体インクを排出するように、インクの流れの圧力脈動のタイミングを制御するためにタイミングを合わせて配置され、
前記駆動のクランク機構220は、滑らかな往復運動を提供し、先行技術の空気圧駆動のポンプと比較して、圧力脈動を低減したより均一なインク流れを提供する、
装置。
【請求項9】
液体インクを厚紙仕上げ機の印刷部に移送するように構成されたマニフォルドからの逆流を排除するために、前記インク入口およびインク出口通路と流体連通する前記ダイアフラムポンプアセンブリポンプハウジング340内に複数の逆止弁をさらに含む、
請求項8に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項10】
前記ダイアフラムポンプアセンブリのポンプハウジング内の逆止弁がダックビル逆止弁を含む、
請求項8に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項11】
段ボール仕上げ機の少なくとも1つの印刷部からのインク流れ制御信号に応答する電気モータコントローラをさらに含み、
前記電気モータコントローラは、モータ速度を変化させ、前記段ボール仕上げ機の少なくとも1つの印刷部への前記インクの流れを調整するように構成およびプログラムされている、
請求項8に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項12】
モータ(例えば、130又は230)が、ブラシレスDCサーボモータである、
請求項8に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項13】
前記モータの速度が、減速機250の出力軸において、25~200rpmで、50~170インチポンドのトルクを提供するように制御される、
請求項8に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項14】
4秒のポンプサイクル時間を必要とするインクポンプへの応用では、出力軸の速度は約15RPMに制御され、ダイアフラム面のストロークごとに、1回転あたり約100ccの所望のインク流量を提供する、
請求項8に記載の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置。
【請求項15】
ダイアフラム式インクポンプ装置(例えば、100、200、又は300)を厚紙(例えば、段ボール)仕上げ機シートフィーダ(例えば、10)と同期させて駆動して制御する方法であって、その方法は、
(a)第1のダイアフラムおよび第2のダイアフラム(例えば、219A、219B)に接続されて駆動する往復運動する電気駆動式クランク機構を含むダイアフラム式インクポンプアセンブリ(例えば、100、200、又は300)を提供するステップを含み、
前記ダイアフラムはそれぞれ、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に送るように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有するポンプハウジング内に収容され、
ダイアフラムポンプアセンブリの前記第1および第2のダイアフラム(例えば、219A、219B)は、それぞれが専用のクランク軸211A、211Bによって駆動され、対向するダイアフラムヘッドとして構成され、ダイアフラムヘッドを押したり引いたりして、ダイアフラムヘッドから液体を吸入したり排出したりし、
前記方法はさらに、
(b)圧力パルスのタイミングを選択するために、180度または360度ずれて動作するように前記クランク軸のタイミングを合わせる、又は配置するステップを含み、前記第1のダイアフラムヘッドが液体インクを取り込んでいるときに、前記第2のダイアフラムヘッドが液体インクを排出しているように、選択的に180度のタイミングを選択し、
前記電気駆動式のクランク機構は、滑らかな往復運動により、空気圧駆動式ポンプ先行技術と比較して、圧力脈動が低減されたより均一なインク流れを提供する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年9月25日に出願され、「Electric Powered Diaphragm Ink Pump Apparatus and Method」と題された、関連し、共有される米国仮特許出願第62/736、377号に基づく優先権を主張し、その開示内容全体は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、粘性流体を移送する(pump)ための装置および方法に関し、特に厚紙(paperboard)印刷機または厚紙仕上げ機の印刷部に液体インクを移送するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の印刷部では、アニロックス(anilox)とドクターロールを用いて印刷プレートにインクの膜を形成していた。また、ドクターロールの代わりに様々な形状のドクターブレードをアニロックスロールと組み合わせて使用したり、場合によっては、同じ印刷部でドクターロールとドクターブレードの両方を交互に使用する。ドクターブレードを用いた印刷装置の一例は、Wellsらの米国特許第5,103,732号に示されており、その開示内容は、当技術分野で使用されている技術的背景や用語を説明する目的で参照により本明細書に組み込まれる。ダイアフラムポンプは、段ボール業界でインクを移送するために最も一般的に使用されるタイプである。このようなダイアフラムポンプは、通常、圧縮空気を動力源としており、流れの方向を制御する従来のダックビルバルブとともに、往復運動可能な弾力性のあるダイアフラムを利用して、液体インクをポンプの下部から吸い込み、上部から押し出す(またはその逆)。このようなダイアフラムポンプは、Aro Corporation(Aro Center, Bryan, Ohio 43506)などから入手可能であり、Aro Corp.のモデル666053-021が代表的である。
【0004】
厚紙(例えば、段ボール)仕上げ機をアップグレードする際、仕上げ機のオペレータは、インクポンプを動かすために大量の圧縮空気を生産するために必要な費用について懸念を示す。段ボール印刷工程におけるインクポンプの選定条件としては、自給式(self-priming)であること、移送式(positive displacement)であること、スクラップ片を通過させることができること、高粘度インクの移送ができること、メンテナンス費が少ないこと、が含まれるべきである。
【0005】
先行技術や従来の空気駆動式(air-powered)二重ダイアフラムインクポンプは、大きな操作上の利点を提供するため、空気駆動式二重ダイアフラムポンプの特性を提供しつつ、(高価な圧縮機や空気チューブ、バルブなどの)高資本が必要となる空気駆動システムのアップグレードを必要としないシステムが必要とされている。他のタイプの空気駆動式ポンプは、Wellsらの米国特許第6,041,709号で開示される蠕動ポンプなど、段ボール印刷工程でインクを移送するために使用されてきたが(この技術で使用される技術的背景と命名法を説明する目的で、この開示も参照により本明細書に援用される)、これらの先行技術文献は、空気駆動システムの高価なアップグレードに関連する問題を克服していない。また、商業的な段ボール印刷工程において、粘性のあるインクを大量に移送することは、例えば、デスクトップのインクジェットプリンタのプリントヘッドにインクの小さな液滴を移送することとは、全く異なる事案であるということにも留意する必要がある。
【0006】
そのため、空気駆動式二重ダイアフラムポンプの特性(自給式、移送式、高粘度インクを移動させながらスクラップを通過させる能力、低メンテナンス性)を保ちながら、(高価な圧縮機や空気チューブ、バルブなどの)高資本を要する空気駆動システムのアップグレードを必要としない、多様性があり安価かつ高信頼性のインクポンプシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、粘性インクおよび同様の流体のための、電動で低費用でメンテナンスの少ない二重ダイアフラムポンプを提供することによって、上述の問題点を克服することである。
【0008】
本発明によれば、電動式で低費用でメンテナンスの少ない(高価な圧縮機による空気駆動システムや空気チューブやバルブのアップグレードを必要としない)二重ダイアフラムポンプは、空気駆動の二重ダイアフラムポンプの特性(すなわち、自給式、移送式、高粘度のインクを移動させながらスクラップ片を通過させる能力)を提供する。
【0009】
本発明によれば、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置および方法は、従来の空気駆動ポンプに代わって、運用コストを削減する電動ダイアフラム式インク用ポンプを含む。電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置は、電気モータの回転運動を往復運動に変換して、ほぼ直線運動する往復運動クランクを利用して、ポンプ室内のダイアフラムを動かす。本発明のシステムおよび方法は、フレキソ(flexographic)印刷システムにおけるインク移送に特に適している。
【0010】
本発明の電動式で電子制御式ダイアフラムインクポンプは、ダイアフラムポンプの従来の利点を保持しているので、厚紙(例えば、仕上げ機における段ボール)への印刷に理想的であり、その理由は、ポンプは移送式であり、ポンプの入口、出口およびバルブに段ボール紙の断片を通過させることができ、粘性インクを移送するために十分なポンピング力を生成するからである。電動ポンプアセンブリ(例えば、ブラシレスDCサーボモータ)を提供する利点の中には、エンドユーザや仕上げ機のオペレータの電力消費量が少ないことが挙げられる。加えて、空気式ポンプに必要な空気配管やバルブも不要となる。本発明の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置におけるクランク機構のサイクル運動は、上述した先行技術の空圧式または空気駆動式ポンプの断続的なシフト運動よりも滑らかであり、その結果、移送された液体インクのサージング(surging)が少なく、より良いインクの流れを提供することができる。
【0011】
本発明の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置は、好ましくは、第1および第2の対向するダイアフラムヘッドを含む。これらの第1および第2の対向するダイアフラムヘッドは、それぞれ入口および出口を有し、特定の用途のために必要に応じて、より多くのインク流量を得るために、別々に使用したり、他のダイアフラムヘッドと一緒に配管したりすることができる。電気モータは、1つ以上の水平に対向する軸に接続されたクランク機構を回転させるように接続されている少なくとも1つの出力軸を駆動する減速機に動力を供給する。水平方向に対向した軸は、ベアリングによってガイドされ、ダイアフラムを押したり引いたりして、供給リザーバやヘッドから液体(インクなど)を吸い込んだり吐き出したりする。クランクは、一方のヘッドが液体を取り込み、他方のヘッドが液体を排出するように、選択された角度(例えば、180度または360度)だけタイミングを合わせて配置されていることが好ましい。クランク機構の滑らかな往復運動は、(空気駆動式ポンプアセンブリの急激な動きに比べて)液体の流れの脈動(pulsation)を抑えることができる。本発明の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置は、液体が一方向にのみ流れるように逆流を制御し排除するダックビル逆止弁(duckbill check valve)をヘッドに含むことが好ましい。電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置のモータの速度は、流量の微調整を可能にするように可変な速度を提供するように制御される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上記およびさらなる目的、特徴、および利点は、その具体的な実施形態に関する以下の詳細な説明を、特に添付の図面と併せて考慮すると明らかとなり、様々な図面において、類似した部品には類似した符号が使用される。
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係る電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置と関連して使用され得るドクターブレードヘッドを備えた2つの印刷部を有するタイプの容器ブランク処理機の簡略側面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の平面図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る
図2の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置のダイアフラムエッジの側面図および部分的断面図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る
図2および3の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置のダイアフラムエッジの側面図および部分的断面詳細図であり、ダイアフラムが伸びた状態を示す。
【
図5】
図5は、本発明に係る
図2-4の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置のダイアフラムの側面図および部分的断面図である。
【
図6】
図6は、本発明のシステムのインク移送システムの性能を、先行技術の空気圧駆動システムと比較して示す表である。
【
図7】
図7は、本発明に係る電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の二重ダイアフラムの実施形態の斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明に係る
図7の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の二重ダイアフラムの実施形態の側面図および部分的断面図である。
【
図9】
図9は、本発明に係る
図7および8の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の二重ダイアフラムの実施形態の平面図および(線A-Aに沿った)部分的断面図である。
【
図10】
図10は、本発明に係る
図7-9の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の二重ダイアフラムの実施形態の中央セクションの図および(線B-Bに沿った)部分的断面図である。
【
図11】
図11は、本発明に係る
図7-9の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の二重ダイアフラムの実施形態の(線C-Cに沿った)端面図である。
【
図12】
図12は、本発明のインクポンプモータコントローラへの制御信号の発信源および経路を示す、制御信号のフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明に係る電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置の一重ダイアフラムの複動式の実施形態の側面図および部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで
図1を参照すると、フレキソ印刷機10には、本発明の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100を取り付けることができる。フレキソ印刷機10(図示の例示的な実施形態では)は、容器ブランク(または段ボールシート)のスタックをプラットフォーム14上に支持し、ブランクをスタックの底部から機械の下流方向16に一度に1つずつ供給するための供給部12を有する。その後、各ブランクは(この図示目的の例では)、第1の印刷部18、第2の印刷部20、ダイカッター部22、およびヨーククリーサ(yoked creaser)およびスロッタ部24を連続して通過する。これらの各部の様々なロールは、矢印で示された方向に回転して容器ブランクを機械に送り、一対のフィードロール26が1つの部から次の部にブランクを送る。各印刷部18、20は、印刷プレートを搬送する印刷シリンダ30と協働するインプレッションロール28と、印刷プレートにインキ付けするためのアニロックスロール32と、アニロックスロール32の対向する側に設けられ、アニロックスロールでインクファウンテンを形成するためのワイプロール34とドクターブレードヘッド36とを有する。印刷部18、20では、各ワイプロール34は、それぞれのアニロックスロール32と係合して示されており、各ドクターブレードヘッド36は、それぞれのアニロックスロール32から短い距離を置いて示されている。このように、各印刷部18、20は、
図1において、ワイプロールインキングシステムが作動し、ドクターブレードインキングシステムが非係合状態で示されている。印刷部18、20のいずれかまたは両方を変更して、ワイプロールインキングシステムを動作停止にし、ドクターブレードインキングシステムを係合させることができる。この例示的な実施例では、それぞれが1つのワイプロール34、1つのドクターブレードヘッドアセンブリ36、および1つのアニロックスロール32を含む二重インキングシステムは、アニロックスロール32がワイプロール34とドクターブレードヘッド36との間にある状態で、それぞれの印刷シリンダ30の下方に配置されている。このようにして、アニロックスロールのいずれかの側にインクファウンテンを設けることができ、これは有利なことに、ワイプロールインキングシステムによる外部ファウンテン、またはドクターブレードヘッドインキングシステムによる内部ファウンテンのいずれかである。
【0015】
次に、
図2~5を参照すると、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100は、空気駆動の二重ダイアフラムポンプの特性(すなわち、自給式、移送式、高粘度のインクを移動させながらスクラップ片を通過させる能力)を提供する、電気的に駆動され、低費用で、低メンテナンスの二重ダイアフラムポンプアセンブリを含む。本発明によれば、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100は、印刷システム10にインクを供給する際の運用コストを削減するために、従来の空気で駆動されるポンプの代わりにインク用の電気的に駆動されるダイアフラム式ポンプを含む。電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100は、電気(例えば、ブラシレスDCサーボ)モータ130の回転軸からの回転運動を、(
図3に見られるように)往復のほぼまたは完全な直線運動に変換する往復クランク120を利用して、ポンプハウジング140のポンプ室内のダイアフラム(例えば、119)を動かす。本発明のシステム100および方法は、フレキソ印刷システム(例えば、
図1に示されている10)においてインクを低費用かつ高信頼性で移送することに特に適している。
【0016】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ100は、ダイアフラムポンプの従来の利点を保持しているので、ポンプが移送式であり、ポンプの入口、出口およびバルブに段ボール紙の断片を通過させることができ、粘性インクを移送するために十分なポンピング力を生成することができるので、段ボール紙への印刷に最適である。電動式のポンプアセンブリ100は、消費電力が少なく、エンドユーザや仕上げ機のオペレータにとって運用コストが低い。さらに、空気駆動のポンプに必要な空気の配管やバルブはもはや必要ではない。クランク機構120のサイクル運動は、上述した先行技術の空圧式または空気駆動式ポンプの断続的なシフト運動よりも滑らかであり、その結果、移送された液体インクのサージングが少なく、より良いインクの流れを提供することができる。
【0017】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100は、好ましくは、ハウジング140内に第1および第2の対向するダイアフラムヘッドを含み、第1および第2の対向するダイアフラムヘッドがそれぞれ入口および出口を有し、別々に使用したり、特定の用途への必要に応じて、より大きなインク流量を得るために、他のダイアフラムヘッド(図示せず)と一緒に配管したりすることができる。
【0018】
電気モータ130は、減速機150(例えば、25rpmで定格50インチポンドのトルクを提供する)を駆動し、偏心した(半径方向にオフセットした)接続部材150Eを介してクランク機構120を回転させる少なくとも1つの出力軸150Sを駆動し、その接続部を介して1つまたは複数の水平方向に対向する軸160に往復運動の力を伝達する。水平方向に対向する軸160は、ベアリング160Bにガイドされて、ポンプのダイアフラムを押したり引いたりして(例えば、
図3および
図4に見られるように横方向に)、供給リザーバまたはヘッド(図示せず)から液体(例えば、インク)を吸い込んだり吐き出したりする。複数のダイアフラムを備えたシステムでは、クランクのタイミングを360度ずらし、一方のヘッドが液体を取り込み、他方のヘッドが液体を吐き出すようにすることが望ましい。クランク機構(例えば、120、150E、および160)の滑らかな往復運動により、インクの流れの脈動を抑えることができる(空気で動くポンプアセンブリのより急激なポンピング動作と比較して)。
【0019】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100はまた、ヘッドにダックビル逆止弁を含み、液体が一方向にのみ流れるように逆流を制御し、排除することが好ましい。モータ130の速度は、インク流量の高信頼度の微調整を可能にするように可変な速度を提供するように制御される。
【0020】
図6は、本発明の電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプシステム100のインクポンプシステムの性能を、先行技術の空気圧駆動式システムと比較して示す情報の表である。
【0021】
本発明は、第1および第2のダイアフラムに接続されて、それらを駆動する往復運動する電気駆動クランク機構120を含むダイアフラムポンプアセンブリ100を利用可能にするものであり、ダイアフラムの各々は、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に送出するように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有するポンプハウジング140内に収容されていることは、当業者には明らかである。ダイアフラムポンプアセンブリの第1および第2のダイアフラムは、それぞれが専用のクランク軸によって駆動される対向するダイアフラムヘッドとして構成され、ダイアフラムヘッドを押したり引いたりして、各ダイアフラムヘッドから液体を吸入および排出するものであり、クランクは、第1のダイアフラムヘッドが液体インクを吸入しているときに、第2のダイアフラムヘッドが液体インクを排出するように、360度ずらして動作するようにタイミングを合わせて配置される。電気駆動のクランク機構120は、従来技術の空気駆動式のダイアフラムポンプと比較して、スムーズな往復運動により、圧力の脈動を抑えたより均一なインクの流れを提供する。
【0022】
また、電動式で電子制御式のダイアフラムインクポンプ装置110は、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に移送するように構成されたマニフォルドからの逆流を排除するために、インク入口およびインク出口通路または内腔と流体連通するダイアフラムポンプアセンブリポンプハウジング140に(
図3および
図4に最もよく見られるように)複数の逆止弁を含む。ダイアフラムポンプアセンブリのポンプハウジング140内の逆止弁は、「ダックビル」スタイルの逆止弁として構成されることが好ましい。
【0023】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置100は、段ボール仕上げ機の少なくとも1つの印刷部からのインク流れ制御信号に応答する電気モータコントローラを備えて構成された電気モータ130を含むことが好ましく、電気モータコントローラは、モータ130の速度および位置を変化させ、それによって段ボール仕上げ機の少なくとも1つの選択された印刷部へのインクの流れを調整するように構成およびプログラムされている。
【0024】
次に、
図7-11を参照すると、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200の二重ダイアフラムの実施形態のいくつかの図が示されている。電子制御式ダイアフラムインクポンプ装置200は、電動式で、低費用で、低メンテナンスの二重ダイアフラムポンプアセンブリを含み、空気式二重ダイアフラムポンプの多くの特性(すなわち、自給式、移送式、高粘度インクを移動させながらスクラップ片を通過させる能力)を提供するが、いくつかの驚くべき改良が加えられている。本発明によれば、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200は、印刷システム10にインクを供給する際の運用コストを削減するために、従来の空気で駆動されるポンプに代わる電気的に駆動されるインク用ダイアフラム式ポンプを含む。
【0025】
電動式で電子制御式のダイアフラムインクポンプ装置200は、電気モータ230の回転軸からの回転運動を(
図7~10に見られるように)往復のほぼまたは完全な直線運動に変換する往復クランク機構220を利用して、ポンプハウジング240の第1および第2のヘッドインクポンプ室208A、208B内で第1および第2のダイアフラム219A、219Bを動かすことができる。本発明のシステム200および方法は、フレキソ印刷システム(例えば、
図1に示されている10)においてインクを低費用かつ高信頼性で移送するのに特に適している。
【0026】
電動式で電子制御式の二重ダイアフラムインクポンプアセンブリ200は、空気圧式ダイアフラムポンプの従来の利点の多くを保持しており、ポンプが移送式であり、ポンプの入口、出口、およびバルブに段ボール紙の断片を通過させることができ、粘性インクを移送するのに十分なポンピング力を発生させることができるため、段ボール紙への印刷に最適である。しかし、電動ポンプアセンブリ200は、エンドユーザや仕上げ機のオペレータにとって、驚くほど電力効率が高く、運用コストがはるかに低いなど、いくつかの利点がある。さらに、空気駆動ポンプに必要な空気の配管やバルブはもはや必要ない。クランク機構220の動作中のサイクル運動は、上述した先行技術の空圧式または空気駆動式ポンプの断続的なシフト運動よりも滑らかであり、これにより、ポンプで移送された液体インクのサージングが少なく、より良いインクの流れが得られる。
【0027】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200は、ハウジング240内に第1および第2の対向するダイアフラムヘッド219A、219Bを含むことが好ましく、第1および第2の対向するダイアフラムヘッドはそれぞれ入口および出口を有し(例えば、
図11参照)、別々に使用したり、特定の用途に必要な場合には、より多くのインク流量を得るために、他のダイアフラムヘッド(図示せず)と一緒に配管したりすることが可能である。
【0028】
電気モータ230は、減速機250(例えば、10対1、25~200rpmで、定格50~170インチポンドのトルクを提供)に動力を与え、減速機は、偏心した(半径方向にオフセットした)接続部材209を介して接続された出力軸250Sを駆動してクランク機構220を回転させ、このクランク機構220は、第1および第2の水平対向軸211A、211Bそれぞれに、それらへの接続を介して往復力を伝達する。各水平対向軸211A、211Bは、好ましくはベアリングまたはブッシュ206によってガイドされ、ポンプのダイアフラム(例えば、219A、219B)を横方向に押したり引いたりして、供給リザーバやヘッド(図示せず)から液体(例えば、インク)を吸い込んだり吐き出したりする。
図7~11の二重ダイアフラムシステムでは、クランク211A、211Bは、好ましくは、インクポンプ圧力パルスのタイミングが特定のアプリケーションに最適化されるように、タイミングを合わせて(例えば、180度または360度)角度をずらして配置される。
図7~11の例示的な実施形態では、クランク211A、211Bは、一方のヘッド(例えば、219A)が液体を取り込み、他方のヘッド(例えば、219B)が排出するように、180度ずらしてタイミングを合わせて配置される。クランク機構(例えば、220)の滑らかな往復運動により、インクの流れの脈動を抑えることができる(空気駆動ポンプアセンブリのより急激なポンピング動作と比較して)。
【0029】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200はまた、ヘッド(例えば、208A、208B)にダックビル逆止弁アセンブリ(例えば、
図11に見られる201、202、203)を含み、液体が一方向にのみ流れるように逆流を制御し、排除するのが好ましい。モータ230の速度は、インクの流量の高信頼度の微調整を可能にするように、可変な速度を提供するように制御される。上述したように、モータの速度は、減速機250(クランク機構220およびポンプのダイアフラムを制御する)の出力軸において、25~200rpmで50~170インチポンドのトルクを提供するように制御され、4秒のポンプサイクル時間を必要とするインクポンプへの応用では、出力軸の速度は約15RPMに制御され、ダイアフラム1枚につき、1回転あたり約100ccの所望のインク流量を提供する。
【0030】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200は、
図7~11の例示的な実施形態に示されるように構成されてもよく、ダックビル逆止弁アセンブリ201は、Oリング204を用いてインクポンプ本体ハウジング205の上に取り付けられたスリーブ202およびネオプレンインサート204を含む。ハウジング240は、対向するヘッドインクポンプ部208A、208Bがそれぞれ偏心ハブ209との間でその軸に沿って整列し、対向するクランクダイアフラムポンプリンク210と、対向するダイアフラムポンプ軸211A、211B、ベアリング212、ブッシュ213、ピンピボットポンプクランク214およびリテーナベアリングポンプクランク215との間で、長手方向の軸に沿って整列した、駆動要素およびポンプ要素の配列として構成されることが好ましい。ポンプ本体ハウジング240は、ダイアフラムポンプワッシャ218を含む動作中の内部構造の検査を可能とする検査窓を含むことが好ましい。各ポンプダイアフラム(例えば、219A、219B)は、好ましくは、0.5mmの厚さのポリウレタン膜として構成される。電気モータ230は、好ましくは、ブラシレスDCサーボモータである。
【0031】
本発明は、第1および第2のダイアフラム(例えば、219A、219B)に接続され、これを駆動する電気的に駆動される往復運動クランク機構220を含むダイアフラムポンプアセンブリ200を利用可能にするものであり、前記ダイアフラムの各々は、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に移送するように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有するポンプハウジング240内に収容されていることは、当業者には明らかである。ダイアフラムポンプアセンブリの第1および第2のダイアフラム(例えば、219A、219B)は、それぞれが専用のクランク軸211A、211Bによって駆動される対向するダイアフラムヘッドとして構成され、ダイアフラムヘッドを押したり引いたりして、各ダイアフラムヘッドから液体を吸入したり排出したりし、クランクは、選択された圧力パルスのタイミングのために180度または360度ずれて動作するようにタイミングを合わせて配置される。したがって、例えば、第1のダイアフラムヘッド(例えば、219A)が液体インクを吸入しているときに、第2のダイアフラムヘッド(例えば、219B)が液体インクを排出するように、180度を選択してもよい。電気的に駆動されるクランク機構220は、滑らかな往復運動により、先行技術の空気圧駆動のダイアフラムポンプと比較して、圧力脈動を低減したより均一なインク流れを提供する。
【0032】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200はまた、液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に移送するように構成されたマニフォルドからの逆流を排除するために、インク入口およびインク出口通路または内腔と流体連通するダイアフラムポンプアセンブリポンプハウジング240(
図7および
図11に最もよく見られる)内に複数の逆止弁(例えば、
図11に見られる、ダックビル逆止弁アセンブリ201、202、203)を含む。ダイアフラムポンプアセンブリのポンプハウジング240の逆止弁は、「ダックビル」スタイルの逆止弁として構成されることが好ましい。
【0033】
電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置200は、段ボール仕上げ機(例えば、10)の少なくとも1つの印刷部からのインク流れ制御信号に応答する電気モータコントローラ(図示せず)で構成された電気(例えば、ブラシレスDCサーボ)モータ230を含むことが好ましく、(
図12の制御信号フローチャートに示されているように)電気モータコントローラは、ポンプオペレータ制御装置からの信号、または信号変換装置を介したホストマシン(例えば、10)の制御装置からの信号を受け入れて、ブラシレスDCサーボモータ230の速度および位置を変化させ、それによって、厚紙(例えば、段ボール)仕上げ機10の少なくとも1つの選択された印刷部へのインクの流れを調整するように構成およびプログラムされている。
【0034】
本出願人の最新の開発作業には、ポンプアセンブリ200(
図7~11に図示)よりもコンパクトな往復動式ダイアフラムポンプアセンブリ300を提供することを目的とした
図13に示された第3の代替構成が含まれており、(まだテストされていない)単一ダイアフラム複動式ポンプアセンブリ300は、2つのダイアフラムを必要とせず、2つのダイアフラムの実施形態のポンプアセンブリ(例えば、200)と比較して流量があまり劣らないと現在考えられている。単一ダイアフラム複動式ポンプアセンブリ300はまた、電気的に駆動され、低費用で低メンテナンスの複動式単一ダイアフラムポンプアセンブリを含む電子制御式ダイアフラムインクポンプ装置であり、空気駆動式の二重ダイアフラムポンプの多くの特性(すなわち、自給式、移送式、高粘度インクを移動させながらスクラップ片を通過させる能力)を提供するが、いくつかの驚くべき改良が加えられている。
【0035】
本発明によれば、電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置300は、印刷システム10にインクを供給する際の運用コストを削減するために、従来の空気駆動のポンプに代わる電気駆動式のダイアフラム式インク用ポンプを含む。電動式で電子制御式のダイアフラム式インクポンプ装置300は、電気モータ(例えば、230など)の回転軸からの回転運動を、往復するほぼまたは完全な直線運動に変換する往復クランク機構320を利用して、ポンプハウジング340の第1および第2のヘッドインクポンプ室308A、308B内でダイアフラム319の第1および第2の対向する面を動かす。逆止弁アセンブリ303の向きが、各ポンプ室308A、308B内のインクの流れの方向を制御し、その結果、各室の吸入および流出のタイミングを制御する。また、本発明のシステム300および方法は、フレキソ印刷システム(例えば、
図1に示される10)においてインクを低費用かつ高信頼性で移送するのに特に適していると考えられる。
【0036】
上述の実施形態と同様に、複動式ダイアフラムポンプアセンブリ300は制御された速度で駆動され、4秒のポンプサイクル時間を必要とするインクポンピングの応用の場合、出力軸速度は約15RPMに制御され、ダイアフラム面のストロークごとに、1回転あたり約100ccの所望のインク流量を提供する。
【0037】
本願発明の方法によれば、ダイアフラム式インクポンプ装置(例えば、100、200、又は300)を厚紙(例えば、段ボール)仕上げ機シートフィーダ(例えば、10)と同期させて駆動して制御する方法であって、その方法は、(a)液体インクを段ボール仕上げ機の印刷部に送るように構成されたマニフォルドと流体連通するインク入口およびインク出口を有するポンプハウジング内に収容されたダイアフラムアセンブリ(例えば、第1および第2のダイアフラム219A、219Bを備える)に接続されて駆動する電気駆動式の往復クランク機構を含むダイアフラム式インクポンプアセンブリ(例えば、100、200、又は300)を提供するステップを含み、ダイアフラムポンプアセンブリの第1および第2のダイアフラム(例えば、219A、219B)がそれぞれが専用のクランク軸(例えば、211A、211B)によって駆動され、対向するダイアフラムヘッドとして構成され、ダイアフラムヘッドを押したり引いたりして、ダイアフラムヘッドから液体を吸入したり排出したりする。本方法はさらに、(b)タイミングを制御するか、または圧力パルスのタイミングを選択するために180度または360度ずれて動作するように前記クランク軸を配置し、前記第1のダイアフラムヘッドが液体インクを取り込んでいるときに、前記第2のダイアフラムヘッドが液体インクを排出しているように、選択的に180度のタイミングを選択するステップを含み、前記電気駆動式クランク機構は、滑らかな往復運動により、空気圧駆動式ポンプ先行技術と比較して、圧力脈動が低減されたより均一なインク流れを提供する。
【0038】
新規かつ改良されたインクポンプシステムおよび方法の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載された教示に鑑みて、他の修正、変形および変更が当業者に示唆されると考えられる。したがって、そのようなすべての変形、修正、および変更は、本発明の範囲内に入ると考えられることを理解されたい。
【国際調査報告】