(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】埋め込み型血管アクセスデバイスのための無線充電、位置特定、およびデータ通信
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220112BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20220112BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20220112BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20220112BHJP
【FI】
A61B5/00 B
A61B5/145
A61M37/00 560
G16H10/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528873
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 US2019062350
(87)【国際公開番号】W WO2020106804
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521216511
【氏名又は名称】オンコディスク, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル, ジェイムズ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, セオドア シー.
(72)【発明者】
【氏名】ソールソン, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】コーツ, ジェイミー オーミストン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
4C267
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KK03
4C038KK08
4C038KK10
4C038KL02
4C117XB01
4C117XB11
4C117XC19
4C117XC21
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4C117XE13
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4C117XL27
4C267AA74
4C267BB42
4C267CC05
4C267CC08
5L099AA21
(57)【要約】
埋め込み型血管アクセスデバイスは、流体リザーバと、リザーバの上を覆って配置された自己シールカバーと、カテーテルと嵌め合うように構成された出口ポートであって、出口ポートは、流体リザーバに流体的に結合されている、出口ポートとを含む。デバイスに結合された1つ以上のセンサは、デバイスが患者内に埋め込まれている間、生理学的データを捕捉するように構成されている。デバイスは、1つ以上のセンサから生理学的データを受信し、生理学的データを難読化し、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成されたデータ通信ユニットも含む。デバイスは、誘導的に給電され得、および/または、無線照会に応答して位置特定信号を放出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型血管アクセスデバイスであって、前記デバイスは、
流体リザーバと、
前記リザーバの上を覆って配置された自己シールカバーと、
カテーテルと嵌め合うように構成された出口ポートであって、前記出口ポートは、前記流体リザーバに流体的に結合されている、出口ポートと、
前記デバイスが患者内に埋め込まれている間、生理学的データを捕捉するように構成された1つ以上のセンサと、
データ通信ユニットと
を備え、
前記データ通信ユニットは、
前記1つ以上のセンサから生理学的データを受信することと、
前記生理学的データを難読化することと、
前記難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することと
を行うように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記生理学的データを難読化することは、
前記生理学的データを暗号化することと、
前記暗号化された生理学的データを解析しコンポーネントパケットにすることと
を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記コンポーネントパケットは、個別に理解が不可能である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記生理学的データを暗号化することは、対称鍵暗号化または非対称鍵暗号化のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記生理学的データを難読化することは、非生理学的データを含むフィラーパケットが点在したデータストリームの中に前記コンポーネントパケットを配置することをさらに含み、
前記難読化された生理学的データを伝送することは、前記データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、請求項2-4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記フィラーパケットは、所定のデータサイズを有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記フィラーパケットは、所定のパターンに従って、前記データストリームの中に点在させられている、請求項5または請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記生理学的データを難読化することは、
前記暗号化されたデータを解析しコンポーネントパケットにした後、前記コンポーネントパケットを並べ替えることと、
前記並べ替えられたコンポーネントパケットをデータストリームの中に配置することと
をさらに含み、
前記難読化された生理学的データを伝送することは、前記データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、請求項2-7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、第1の時間において第1のパケットを伝送し、所定の時間遅延後、第2の時間において第2のパケットを伝送することを含む、請求項2-8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記所定の時間遅延は、少なくとも60秒である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記所定の時間遅延は、少なくとも10分である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記所定の時間遅延は、少なくとも1時間である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記所定の時間遅延は、後続のパケットの伝送のための所定のパターンに対応する、請求項9-12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記データ通信ユニットは、前記パケットのうちの第1のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスに伝送し、前記パケットのうちの第2のものを前記第1の遠隔コンピューティングデバイスと異なる第2の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成されている、請求項2-13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記データ通信ユニットは、
第1の技法に従って、前記生理学的データを難読化することと、
前記難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することと、
前記1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスから応答を受信することと、
前記1つ以上のセンサから追加の生理学的データを受信することと、
前記1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスからの前記応答に基づいて、前記第1の技法と異なる第2の技法に従って、前記生理学的データを難読化することと
を行うように構成されている、請求項1-14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスは、ブロックチェーンネットワークに関連付けられている、請求項1-15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記データ通信ユニットは、短距離無線伝送を介して、前記難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成されている、請求項1-16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記短距離無線伝送は、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つ以上を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
伝導性コイルをさらに備え、前記難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、
周波数変調および/または振幅変調を介して、前記難読化された生理学的データをエンコードすることと、
前記エンコードされたデータに対応する電気エネルギーを用いて前記コイルを駆動し、それによって、前記エンコードされたデータを誘導結合された遠隔コンピューティングデバイスに伝送することと
を含む、請求項1-18のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上を備えている、請求項1-19のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上を備えている、請求項1-20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記出力ポートに流体的に結合されたカテーテルをさらに備えている、請求項1-21のいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際出願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2018年11月20日に出願された米国仮特許出願第62/769,698号の優先権を主張する。
(技術分野)
【0002】
本技術は、埋め込み型医療デバイスおよび関連付けられるシステムおよび使用方法に関する。特に、本技術は、血管アクセスデバイス等の埋め込み型医療デバイスのための無線充電、位置特定、およびデータ通信のためのデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0003】
埋め込み型デバイスは、多くの診断および療法目的のために医学の分野で使用される。電子コンポーネントの小型化、先進プロトタイピングおよび製造技法、およびデータ記憶および分析等の先進技術の出現により、埋め込み型医療デバイスの分野は、非常に成長してきた。この分野は、ペースメーカ、埋め込み型心臓除細動器(ICD)、深部脳刺激装置、インスリンポンプ、整形外科デバイス等のデバイス、および肺動脈圧モニタ等の監視デバイスを含む。
【0004】
血管アクセスデバイス(例えば、血管アクセスポート)が、埋め込まれた医療デバイスの分野内にある。これらのデバイスは、それらが血管アクセスの恒久的かつ無菌の手段を提供し、各薬剤注入中に静脈内カテーテルを設置する必要性を排除するので、薬剤の繰り返しの静脈内注入を要求する患者で頻繁に使用される。血管アクセスデバイスの最も一般的な使用は、癌患者における化学療法投与のためであるが、そのようなデバイスは、他の条件でも有用である。例えば、嚢胞性線維症の治療のため等に長期かつ繰り返しの静脈内抗生薬剤を要求する患者は、埋め込み型血管アクセスデバイスから利益を得ることができる。同様に、血管アクセスデバイスは、免疫抑制薬剤注入を要求する紅斑性狼瘡または関節リウマチのようなリウマチ性疾患がある患者で使用され得る。血管アクセスデバイスは、典型的に、カテーテルに取り付けられたリザーバを含む。ユニット全体は、低侵襲性外科的手技を使用して、患者の身体内に完全に設置される。殆どの場合、リザーバは、鎖骨のちょうど下方の上側胸壁に生成される小型ポケット内に設置され、カテーテルは、上大静脈または右心房内に置かれた先端を伴って内頸静脈または鎖骨下静脈の中に挿入される。しかしながら、血管アクセスデバイスは、身体の他の部分内に、および/または代替部位に位置付けられたカテーテルも伴って、設置されることができる。従来のデバイスでは、リザーバは、典型的に嵩張り、それによって、上を覆う皮膚は、突出し、臨床医が触診を使用し、薬剤注入または検査のための血液の吸引のために使用されることになるときのアクセスのためにデバイスを位置特定することを可能にする。自己シールカバー(例えば、厚いシリコーン膜)が、リザーバの上を覆って配置され、それをシールし、皮膚を通してポートの中に挿入される非コアリング(例えば、ヒューバー型)針を使用して、繰り返しのアクセスを可能にする。このアクセス手技は、針、血管アクセスデバイス、カテーテル、および血管空間の間に流体連通が存在し、それによって、経皮針を介した薬剤の注入または血液の吸引を可能にするシステムを確立する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術は、血管アクセスデバイス、およびそのようなデバイスのための位置特定、無線充電、および/またはデータ通信のための機構を対象とする。本技術は、例えば、
図1-9Bの参照を含む、下で説明される種々の側面に従って図示される。本技術の側面の種々の例が、便宜上、付番された付記(1、2、3等)として説明される。これらは、例として提供され、本技術を限定しない。
【0006】
付記1.埋め込み型血管アクセスデバイスであって、流体リザーバと、リザーバの上を覆って配置された自己シールカバーと、カテーテルと嵌め合うように構成された出口ポートであって、流体リザーバに流体的に結合されている、出口ポートと、デバイスが患者内に埋め込まれている間、生理学的データを捕捉するように構成された1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサから生理学的データを受信し、生理学的データを難読化し、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成されたデータ通信ユニットとを備えている、デバイス。
【0007】
付記2.生理学的データを難読化するステップは、生理学的データを暗号化するステップと、暗号化された生理学的データを解析しコンポーネントパケットにするステップとを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0008】
付記3.コンポーネントパケットは、個別に理解が不可能である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0009】
付記4.生理学的データを暗号化するステップは、対称鍵暗号化または非対称鍵暗号化のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0010】
付記5.生理学的データを難読化するステップはさらに、コンポーネントパケットを、非生理学的データを含むフィラーパケットが点在したデータストリームの中に配置するステップを含み、難読化された生理学的データを伝送するステップは、データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するステップを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0011】
付記6.フィラーパケットは、所定のデータサイズを有する、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0012】
付記7.フィラーパケットは、所定のパターンに従って、データストリームの中に点在させられている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0013】
付記8.生理学的データを難読化するステップはさらに、暗号化されたデータを解析しコンポーネントパケットにした後、コンポーネントパケットを並べ替えるステップと、並べ替えられたコンポーネントパケットをデータストリームの中に配置するステップとを含み、難読化された生理学的データを伝送するステップは、データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するステップを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0014】
付記9.難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するステップは、第1の時間において第1のパケットを伝送し、所定の時間遅延後、第2の時間において第2のパケットを伝送するステップを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0015】
付記10.所定の時間遅延は、少なくとも60秒である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0016】
付記11.所定の時間遅延は、少なくとも10分である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0017】
付記12.所定の時間遅延は、少なくとも1時間である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0018】
付記13.所定の時間遅延は、後続のパケットの伝送のための所定のパターンに対応する、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0019】
付記14.データ通信ユニットは、パケットのうちの第1のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように、かつパケットのうちの第2のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスと異なる第2の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0020】
付記15.データ通信ユニットは、第1の技法に従って、生理学的データを難読化し、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送し、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスから応答を受信し、1つ以上のセンサから追加の生理学的データを受信し、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスからの応答に基づいて、第1の技法と異なる第2の技法に従って、生理学的データを難読化するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0021】
付記16.1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスは、ブロックチェーンネットワークに関連付けられる、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0022】
付記17.データ通信ユニットは、短距離無線伝送を介して、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0023】
付記18.短距離無線伝送は、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0024】
付記19.伝導性コイルをさらに備え、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、周波数変調および/または振幅変調を介して、難読化された生理学的データをエンコードすることと、エンコードされたデータに対応する電気エネルギーを用いて伝導性コイルを駆動し、それによって、エンコードされたデータを誘導結合された遠隔コンピューティングデバイスに伝送することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0025】
付記20.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0026】
付記21.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0027】
付記22.出力ポートに流体的に結合されたカテーテルをさらに備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0028】
付記23.埋め込み型医療デバイスであって、生体適合性本体と、デバイス本体に結合される、1つ以上のセンサであって、デバイスが患者内に埋め込まれている間、生理学的データを捕捉するように構成される、センサと、1つ以上のセンサから生理学的データを受信し、生理学的データを難読化し、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成されたデータ通信ユニットとを備えている、デバイス。
【0029】
付記24.生理学的データを難読化することは、生理学的データを暗号化することと、暗号化された生理学的データを解析しコンポーネントパケットにすることとを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0030】
付記25.コンポーネントパケットは、個別に理解が不可能である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0031】
付記26.生理学的データを暗号化することは、対称鍵暗号化または非対称鍵暗号化のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0032】
付記27.生理学的データを難読化することはさらに、コンポーネントパケットを、非生理学的データを含むフィラーパケットが点在したデータストリームの中に配置することを含み、難読化された生理学的データを伝送することは、データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0033】
付記28.フィラーパケットは、所定のデータサイズを有する、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0034】
付記29.フィラーパケットは、所定のパターンに従って、データストリームの中に点在させられている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0035】
付記30.生理学的データを難読化することはさらに、暗号化されたデータを解析しコンポーネントパケットにした後、コンポーネントパケットを並べ替えることと、並べ替えられたコンポーネントパケットをデータストリームの中に配置することとを含み、難読化された生理学的データを伝送することは、データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0036】
付記31.難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、第1の時間において第1のパケットを伝送し、所定の時間遅延後、第2の時間において第2のパケットを伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0037】
付記32.所定の時間遅延は、少なくとも60秒である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0038】
付記33.所定の時間遅延は、少なくとも10分である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0039】
付記34.所定の時間遅延は、少なくとも1時間である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0040】
付記35.所定の時間遅延は、後続のパケットの伝送のための所定のパターンに対応する、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0041】
付記36.データ通信ユニットは、パケットのうちの第1のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように、かつパケットのうちの第2のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスと異なる第2の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0042】
付記37.データ通信ユニットは、第1の技法に従って、生理学的データを難読化し、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送し、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスから応答を受信し、1つ以上のセンサから追加の生理学的データを受信し、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスからの応答に基づいて、第1の技法と異なる第2の技法に従って、生理学的データを難読化するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0043】
付記38.1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスは、ブロックチェーンネットワークに関連付けられる、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0044】
付記39.データ通信ユニットは、短距離無線伝送を介して、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0045】
付記40.短距離無線伝送は、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0046】
付記41.伝導性コイルをさらに備え、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、周波数変調および/または振幅変調を介して、難読化された生理学的データをエンコードすることと、エンコードされたデータに対応する電気エネルギーを用いて伝導性コイルを駆動し、それによって、エンコードされたデータを誘導結合された遠隔コンピューティングデバイスに伝送することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0047】
付記42.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0048】
付記43.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0049】
付記44.本体の出力ポートに流体的に結合されたカテーテルをさらに備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0050】
付記45.埋め込み型血管アクセスデバイスと1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスとの間で患者データを通信するための方法であって、患者内に埋め込まれている間、埋め込み型血管アクセスデバイスの1つ以上のセンサから生理学的データを捕捉することと、埋め込み型血管アクセスデバイスを介して、生理学的データを難読化することと、埋め込み型血管アクセスデバイスを介して、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することとを含む、方法。
【0051】
付記46.生理学的データを難読化することは、生理学的データを暗号化することと、暗号化された生理学的データを解析しコンポーネントパケットにすることとを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
付記47.コンポーネントパケットは、個別に理解が不可能である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
付記48.生理学的データを暗号化することは、対称鍵暗号化または非対称鍵暗号化のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0054】
付記49.生理学的データを難読化することはさらに、コンポーネントパケットを、非生理学的データを含むフィラーパケットが点在したデータストリームの中に配置することを含み、難読化された生理学的データを伝送することは、データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0055】
付記50.フィラーパケットは、所定のデータサイズを有する、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0056】
付記51.フィラーパケットは、所定のパターンに従って、データストリームの中に点在させられている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0057】
付記52.生理学的データを難読化することはさらに、暗号化されたデータを解析しコンポーネントパケットにした後、コンポーネントパケットを並べ替えることと、並べ替えられたコンポーネントパケットをデータストリームの中に配置することとを含み、難読化された生理学的データを伝送することは、データストリームを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
付記53.難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、第1の時間において第1のパケットを伝送し、所定の時間遅延後、第2の時間において第2のパケットを伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
付記54.所定の時間遅延は、少なくとも60秒である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
付記55.所定の時間遅延は、少なくとも10分である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
付記56.所定の時間遅延は、少なくとも1時間である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
付記57.所定の時間遅延は、後続のパケットの伝送のための所定のパターンに対応する、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
付記58.データ通信ユニットは、パケットのうちの第1のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように、かつパケットのうちの第2のものを第1の遠隔コンピューティングデバイスと異なる第2の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
付記59.難読化することは、第1の技法に従って、生理学的データを難読化することを含み、本方法はさらに、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスから応答を受信することと、1つ以上のセンサから追加の生理学的データを捕捉することと、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスからの応答に基づいて、第1の技法と異なる第2の技法に従って、生理学的データを難読化することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
付記60.1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスは、ブロックチェーンネットワークに関連付けられる、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
付記61.伝送することは、短距離無線伝送を介して、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
付記62.短距離無線伝送は、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
付記63.伝導性コイルをさらに備え、難読化された生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送することは、周波数変調および/または振幅変調を介して、難読化された生理学的データをエンコードすることと、エンコードされたデータに対応する電気エネルギーを用いて伝導性コイルを駆動し、それによって、エンコードされたデータを誘導結合された遠隔コンピューティングデバイスに伝送することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
付記64.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
付記65.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
付記66.出力ポートに流体的に結合されたカテーテルをさらに備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
付記67.埋め込み型血管アクセスデバイスと1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスとの間で患者データを通信するための方法であって、埋め込み型血管アクセスデバイスから、埋め込み型血管アクセスデバイスのセンサを介して取得される生理学的データに基づく、難読化された生理学的データを受信することと、難読化された生理学的データを難読化解除することとを含む、方法。
【0073】
付記68.生理学的データを難読化解除することは、データのコンポーネントパケットを組み立て直すことと、生理学的データのコンポーネントパケットを解読することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
付記69.コンポーネントパケットは、個別に理解が不可能である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
付記70.生理学的データのコンポーネントパケットを解読することは、対称鍵暗号化または非対称鍵暗号化のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
付記71.コンポーネントパケットを組み立て直すことはさらに、コンポーネントパケットを再配置し、非生理学的データを含む、散在されたフィラーパケットを除去することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
付記72.フィラーパケットは、所定のデータサイズを有する、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
付記73.フィラーパケットは、所定のパターンに従って、データストリームの中に点在させられている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
付記74.コンポーネントパケットを組み立て直すことは、第1の時間において第1のパケットを受信し、所定の時間遅延後、第2の時間において第2のパケットを受信することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
付記75.所定の時間遅延は、少なくとも60秒である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
付記76.所定の時間遅延は、少なくとも10分である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0082】
付記77.所定の時間遅延は、少なくとも1時間である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
付記78.所定の時間遅延は、後続のパケットの受信のための所定のパターンに対応する、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
付記79.難読化解除することは、第1の技法に従って、生理学的データを難読化解除することを含み、本方法はさらに、応答を埋め込み型血管アクセスデバイスに伝送することと、埋め込み型血管アクセスデバイスから追加の難読化された生理学的データを受信することと、第1の技法と異なる第2の技法に従って、追加の難読化された生理学的データを難読化解除することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
付記80.受信することは、短距離無線伝送を介して、難読化された生理学的データを受信することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
付記81.短距離無線伝送は、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つ以上のものを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
付記82.伝導性コイルをさらに備え、難読化された生理学的データを受信することは、埋め込み型血管アクセスデバイスを介して、伝導性コイルにおいて誘導される電流を読み取ることを含み、難読化された生理学的データは、周波数変調および/または振幅変調を介して、電流にエンコードされる、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
付記83.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
付記84.埋め込み型血管アクセスデバイスであって、流体リザーバと、リザーバの上を覆って配置された自己シールカバーと、カテーテルと嵌め合うように構成された出口ポートであって、流体リザーバに流体的に結合されている、出口ポートと、照会デバイスと誘導結合するように構成されるアンテナと、アンテナに電気的に結合される、位置特定ユニットであって、位置特定ユニットは、アンテナから受電される電気エネルギーに応答して、位置特定信号を放出するように構成され、位置特定信号は、患者内に埋め込まれている間、デバイス位置の識別を支援するように構成された位置特定ユニットとを備えている、デバイス。
【0090】
付記85.デバイスは、バッテリを含まない、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0091】
付記86.位置特定ユニットは、アンテナが照会デバイスと誘導結合されている間のみ、位置特定信号を放出するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0092】
付記87.デバイスは、再充電可能バッテリを備え、アンテナは、照会デバイスの存在下で、電気エネルギーがバッテリに送達されるように、バッテリに電気的に結合される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0093】
付記88.位置特定ユニットは、光源を備え、位置特定信号は、光源から放出される光を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0094】
付記89.位置特定ユニットは、自己シールカバーの周囲の周辺に配置される複数の光源を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0095】
付記90.光源は、デバイスが皮下に埋め込まれるとき、患者の皮膚を透照する光を放出するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0096】
付記91.位置特定ユニットは、スピーカを備え、位置特定信号は、スピーカから放出される音を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0097】
付記92.位置特定ユニットは、伝導性コイルを備え、位置特定信号は、コイルによって誘導される磁場を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0098】
付記93.位置特定ユニットは、1つ以上の定常磁石を備え、位置特定信号は、1つ以上の定常磁石によって生成される磁場を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0099】
付記94.位置特定ユニットは、無線周波数エミッタを備え、位置特定信号は、放出される無線周波数信号を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0100】
付記95.位置特定ユニットは、アクチュエータを備え、位置特定信号は、アクチュエータを介した移動または振動を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0101】
付記96.位置特定ユニットは、アクチュエータを備え、位置特定信号は、デバイスの表面から上昇する突出部を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0102】
付記97.位置特定ユニットは、放射性同位体を備え、位置特定信号は、放射性同位体から放出される電磁放射線を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0103】
付記98.位置特定ユニットは、超音波トランスデューサを備え、位置特定信号は、超音波トランスデューサから放出される超音波ビームを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0104】
付記99.位置特定ユニットは、加熱要素を備え、位置特定信号は、加熱要素の温度の上昇を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0105】
付記100.位置特定信号は、照会デバイスに伝送される患者データを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0106】
付記101.生理学的データを捕捉するように構成された1つ以上のセンサをさらに備え、患者データは、捕捉された生理学的データを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0107】
付記102.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0108】
付記103.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0109】
付記104.出力ポートに流体的に結合されたカテーテルをさらに備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0110】
付記105.位置特定ユニットはさらに、誘導結合された照会デバイスの特性を検出し、特性に基づいて、位置特定信号の放出を終了または除外するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0111】
付記106.位置特定ユニットはさらに、特性が照会デバイスとペアリングするための非好適性を示す場合、位置特定信号の放出を除外し、特性が照会デバイスとペアリングするための好適性を示す場合、位置特定信号の放出を可能にするように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0112】
付記107.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの電界強度閾値である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0113】
付記108.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの周波数である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0114】
付記109.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの周波数シーケンスである、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0115】
付記110.埋め込み型医療デバイスであって、生体適合性筐体と、筐体内に受け取られ、照会デバイスと誘導結合するように構成される、導電性コイルと、筐体内の位置特定ユニットであって、コイルに電気的に結合され、コイルから受電される電気エネルギーに応答して位置特定信号を放出するように構成された位置特定ユニットとを備えている、デバイス。
【0116】
付記111.デバイスは、バッテリを含まない、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0117】
付記112.位置特定ユニットは、コイルが照会デバイスと誘導結合されている間のみ、位置特定信号を放出するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0118】
付記113.デバイスは、再充電可能バッテリを備え、コイルは、照会デバイスの存在下で、電気エネルギーがバッテリに送達されるように、バッテリに電気的に結合される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0119】
付記114.位置特定ユニットは、光源を備え、位置特定信号は、光源から放出される光を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0120】
付記115.位置特定ユニットは、筐体上に配置される複数の光源を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0121】
付記116.光源は、デバイスが皮下に埋め込まれるとき、患者の皮膚を透照する光を放出するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0122】
付記117.位置特定ユニットは、スピーカを備え、位置特定信号は、スピーカから放出される音を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0123】
付記118.位置特定ユニットは、伝導性コイルを備え、位置特定信号は、コイルによって誘導される磁場を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0124】
付記119.位置特定ユニットは、1つ以上の定常磁石を備え、位置特定信号は、1つ以上の定常磁石によって生成される磁場を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0125】
付記120.位置特定ユニットは、無線周波数エミッタを備え、位置特定信号は、放出される無線周波数信号を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0126】
付記121.位置特定ユニットは、アクチュエータを備え、位置特定信号は、アクチュエータを介した移動または振動を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0127】
付記122.位置特定ユニットは、アクチュエータを備え、位置特定信号は、デバイスの表面から上昇する突出部を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0128】
付記123.位置特定ユニットは、放射性同位体を備え、位置特定信号は、放射性同位体から放出される電磁放射線を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0129】
付記124.位置特定ユニットは、超音波トランスデューサを備え、位置特定信号は、超音波トランスデューサから放出される超音波ビームを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0130】
付記125.位置特定ユニットは、加熱要素を備え、位置特定信号は、加熱要素の温度の上昇を備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0131】
付記126.位置特定信号は、照会デバイスに伝送される患者データを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0132】
付記127.生理学的データを捕捉するように構成された1つ以上のセンサをさらに備え、患者データは、捕捉された生理学的データを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0133】
付記128.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0134】
付記129.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0135】
付記130.出口ポートに結合されるリザーバと、出力ポートに流体的に結合されたカテーテルとをさらに備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0136】
付記131.位置特定ユニットはさらに、誘導結合された照会デバイスの特性を検出し、特性に基づいて、位置特定信号の放出を終了または除外するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0137】
付記132.位置特定ユニットはさらに、特性が照会デバイスとペアリングするための非好適性を示す場合、位置特定信号の放出を除外し、特性が照会デバイスとペアリングするための好適性を示す場合、位置特定信号の放出を可能にするように構成される、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0138】
付記133.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの電界強度閾値である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0139】
付記134.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの周波数である、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0140】
付記135.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの周波数シーケンスである、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0141】
付記136.埋め込み型血管アクセスデバイスを位置特定するための方法であって、埋め込み型血管アクセスデバイスにおいて誘導電流を受け取ることと、誘導電流に応答して、患者内に埋め込まれている間、デバイス位置の識別を支援するように構成される位置特定信号をデバイスから放出することとを含む、方法。
【0142】
付記137.デバイスは、バッテリを含まない、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
付記138.電流が埋め込み型血管アクセスデバイスにおいて誘導されるときのみ、位置特定信号を放出することをさらに含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
付記139.デバイスは、再充電可能バッテリを備え、方法はさらに、伝導性コイルにおいて誘導電流を受信することと、電気エネルギーを伝導性コイルから再充電可能バッテリに伝送することとを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
付記140.位置特定信号を放出することは、光源から光を放出することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
付記141.位置特定信号を放出することは、デバイスの周囲に配置される複数の光源から光を放出することを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
付記142.放出された光は、デバイスが皮下に埋め込まれるとき、患者の皮膚を透照するように構成される、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
付記143.位置特定信号は、スピーカから放出される音を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
付記144.位置特定信号は、伝導性コイルによって誘導される磁場を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
付記145.位置特定信号は、1つ以上の定常磁石によって生成される磁場を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
付記146.位置特定信号は、無線周波数信号を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
付記147.位置特定信号は、アクチュエータを介した移動または振動を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
付記148.位置特定信号は、1つ以上のアクチュエータを介してデバイスの表面から隆起した突出部を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
付記149.位置特定信号は、放射性同位体から放出される電磁放射線を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
付記150.位置特定信号は、超音波トランスデューサから放出される超音波ビームを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
付記151.位置特定信号は、加熱要素の温度の上昇を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
付記152.位置特定信号は、照会デバイスに伝送される患者データを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
付記153.デバイスはさらに、生理学的データを捕捉するように構成された1つ以上のセンサを備え、患者データは、捕捉された生理学的データを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
付記154.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
付記155.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
付記156.誘導結合された照会デバイスの特性を検出することと、特性に基づいて、位置特定信号の放出を終了または除外することとをさらに含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
付記157.特性が照会デバイスとペアリングするための非好適性を示す場合、位置特定信号の放出を除外することと、特性が照会デバイスとペアリングするための好適性を示す場合、位置特定信号の放出を可能にすることとをさらに含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
付記158.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの電界強度閾値である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
付記159.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの周波数である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
付記160.特性は、照会デバイスから受電される電気エネルギーの周波数シーケンスである、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
付記170.埋め込み型血管アクセスデバイスを位置特定するための方法であって、誘導電流に応答して位置特定信号を放出するように構成された血管アクセスデバイスを提供することと、照会デバイスを血管アクセスデバイスと近接して設置することであって、照会デバイスは、伝導性コイルを含む、ことと、電流を伝導性コイルに印加し、それによって、血管アクセスデバイスにおいて電流を誘導し、血管アクセスデバイスに位置特定信号を放出させることとを含む、方法。
【0167】
付記171.少なくとも部分的に位置特定信号に基づいて、照会デバイスを血管アクセスデバイスと整合させることをさらに含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
付記172.照会デバイスはさらに、開口を画定する本体を備え、伝導性コイルは、本体内に配置され、照会デバイスを血管アクセスデバイスと整合させることは、開口を血管アクセスデバイスと整合させることを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
付記173.開口を血管アクセスデバイスと整合させることは、開口を血管アクセスデバイスのリザーバの自己シールカバーと整合させることを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
付記174.照会デバイスの開口を通して、リザーバの自己シールカバーを通して、血管アクセスデバイスのリザーバの中に針を通過させることをさらに含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0171】
付記175.針を通して血管アクセスデバイスのリザーバの中に流体を送達することをさらに含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0172】
付記176.開口は、膜を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
付記177.膜は、接着剤を備えている、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
付記178.照会デバイスを血管アクセスデバイスと近接して設置することは、照会デバイスを、埋め込まれた血管アクセスデバイスに近接する患者の皮膚に接触させることを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
付記179.照会デバイスは、接着剤を備え、照会デバイスを患者の皮膚に接触させることは、照会デバイスを患者の皮膚に接着させることを含む、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
付記180.接着剤は、抗菌性である、前記付記のいずれか1つに記載の方法。
【0177】
付記181.埋め込み型血管アクセスデバイスであって、流体リザーバと、リザーバの上を覆って配置された自己シールカバーと、カテーテルと嵌め合うように構成された出口ポートであって、流体リザーバに流体的に結合されている、出口ポートと、デバイスが患者内に埋め込まれている間、生理学的データを捕捉するように構成された1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサから生理学的データを受信し、生理学的データを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成されたデータ通信ユニットと、データ通信ユニットに電気的に結合されるバッテリと、バッテリに電気的に結合される、無線充電ユニットであって、無線電力伝送の存在下でバッテリを再充電するように構成された無線充電ユニットとを備えている、デバイス。
【0178】
付記182.無線充電ユニットは、交流磁場に応答して、電気エネルギーをバッテリに送達するように構成される、伝導性コイルを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0179】
付記183.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0180】
付記184.生理学的データは、EKG読み取り値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つ以上のものを備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【0181】
付記185.出力ポートに流体的に結合されたカテーテルをさらに備えている、前記付記のいずれか1つに記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0182】
本開示の多くの側面が、以下の図面を参照して、さらに理解されることができる。図面内のコンポーネントは、必ずしも一定の縮尺ではない。代わりに、本開示の原理を明確に図示することに重点が置かれている。
【0183】
【
図1】
図1は、本技術による、埋め込まれた医療デバイスを介して患者の健康を監視するためのシステムの概略表現である。
【0184】
【
図2】
図2は、
図1のシステムとの使用のために構成される血管アクセスデバイスの例を示す。
【0185】
【
図3】
図3は、患者の身体内に埋め込まれた
図2の血管アクセスデバイスを示す。
【0186】
【
図4】
図4は、本技術による、埋め込み型デバイス、照会デバイス、および1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスの間の通信のための環境の概略ブロック図である。
【0187】
【
図5】
図5A-5Cは、本技術による、例示的照会デバイス幾何学形状を図示する。
【0188】
【
図6】
図6A-6Cは、本技術による、照会デバイスとの無線通信のために位置付けられる血管アクセスデバイスを図示する。
【0189】
【
図7】
図7Aおよび7Bは、本技術による、照会デバイスの追加の例を図示する。
【0190】
【
図8】
図8Aおよび8Bは、本技術による、埋め込まれた血管アクセスデバイスを位置特定する方法を図示するフロー図である。
【0191】
【
図9】
図9Aおよび9Bは、埋め込まれた血管アクセスデバイスと1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスとの間のデータ通信の方法を図示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0192】
本技術は、血管アクセスデバイス等の埋め込み型医療デバイスおよび関連付けられるシステムおよび使用方法に関する。本技術のいくつかの実施形態は、例えば、そのような埋め込み型デバイスの無線充電および位置特定を対象とする。いくつかの実施形態は、埋め込み型デバイスと外部コンピューティングデバイスとの間のセキュアなデータ通信のための方法およびシステムを対象とする。本技術のいくつかの実施形態の具体的詳細が、
図1-9Bを参照して下で説明される。
【0193】
従来の血管アクセスデバイスは、臨床医が触診によってデバイスを位置特定することを可能にするための設計によって嵩張る。臨床医によって正確にアクセスされるために、血管アクセスデバイスは、皮膚の下で可視化されるか、または触診されるかのいずれかの必要がある。デバイスの外形および/または占有面積を縮小することは、患者快適性を改良し得る。しかしながら、この縮小は、デバイスを触診のみを使用して特定することを困難にし得る。加えて、従来の血管アクセスポートは、電子コンポーネントを有しておらず、内部電源を要求しない。
【0194】
先進血管アクセスデバイスは、遠隔患者監視技術のためのプラットフォームを提供するための電子コンポーネントを装備し得る。例えば、埋め込まれた血管アクセスデバイスは、患者の生理学的パラメータを監視し、早期警告システムを有効にし、療法による病気または合併症の危険性があるときに患者および医療チームに警告する、生理学的センサのアレイを含み得る。加えて、埋め込まれたデバイスは、生理学的パラメータを監視するだけではなく、患者の人口統計、診断、治療歴、およびPOLST(生命維持治療に関する医師の指示書)ステータスについての情報も含む、データ記憶および通信技術を含み得る。
【0195】
下でより詳細に説明されるように、生理学的センサおよび他の電子機器を装備する血管アクセスデバイスは、照会デバイスまたは他の遠隔コンピューティングデバイスとの無線通信のために構成され得る。照会デバイスとの通信に応答して、血管アクセスデバイスは、デバイスの場所の臨床医の識別を促進する位置特定信号を放出し得る。例えば、位置特定信号は、患者の皮膚を透照する、放出される光、振動要素、シグネチャ磁場を生成する磁石等であり得る。照会デバイスはまた、例えば、電磁誘導充電を介して、血管アクセスデバイスのバッテリを無線で再充電し得る。
【0196】
いくつかの実施形態において、血管アクセスデバイスは、患者データ(例えば、生理学的測定値、患者医療記録データ等)を照会デバイスまたは他の遠隔コンピューティングデバイスに伝送し得る。そのような機密患者データの記憶および伝送は、遠隔監視および通信を可能にしながら、データセキュリティを維持するための新しい技法を要求する。ペースメーカ、除細動器、および神経刺激装置を含む、現在利用可能な電子的に制御された埋め込み型デバイスが、存在する。これらのデバイスのうちのいくつかは、家庭用基地局を通して、または電話によって、データを医師に無線で通信し、患者データセキュリティの懸念を引き起こす。従来のウェアラブルモニタも、場所のトレーサビリティおよび個人の生理学的データに関連するプライバシーの懸念を引き起こす。ある場合には、これらのデータは、軍人にセキュリティの懸念を発生させている。次世代データセキュリティ革新が、これらのプライバシーおよびセキュリティの懸念に対抗するために必要である。故に、下でより詳細に説明されるように、血管アクセスデバイスは、(例えば、暗号化および他の関連技法の組み合わせを使用して)患者データを難読化し、データを照会デバイスに無線で伝送しながら、データのセキュリティを維持し得る。
(患者監視システム概観)
【0197】
図1は、本技術による、血管アクセスデバイス100(または「デバイス100」)を介して患者の健康を監視するためのシステム10の概略表現である。デバイス100は、患者の胸部の上側領域に沿った皮下場所等のヒト患者H内に埋め込まれるように構成される。
図1に示されるように、デバイス100は、患者の健康を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定するためにシステム10によって使用される、生理学的測定値を取得するように構成される感知要素110を含み得る。いくつかの実施形態において、システム10は、生理学的パラメータに基づいて病状(敗血症等)または関連付けられる症状を検出し、検出された状態の指示を患者、介護者、および/または医療処置チームに提供し得る。
【0198】
図1に図式的に示されるように、デバイス100は、例えば、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、特殊用途照会デバイス、または他の好適なデバイスであり得るローカルコンピューティングデバイス150と無線で通信するように構成され得る。デバイス100とローカルコンピューティングデバイス150との間の通信は、例えば、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、容量結合、または任意の他の好適な無線通信リンクによって仲介されることができる。デバイス100は、例えば、感知要素110を介して取得される生理学的測定値、患者医療記録、デバイス性能メトリック(例えば、バッテリレベル、エラーログ等)、またはデバイス100によって記憶された任意の他のそのようなデータを含む、データを伝送し得る。いくつかの実施形態において、伝送されたデータは、ローカルコンピューティングデバイス150への伝送の間にセキュリティを維持するように、暗号化または別様に難読化される。ローカルコンピューティングデバイス150はまた、例えば、感知要素110を介して、ある生理学的測定値を取得するため、位置特定信号を放出するため、または他の機能を実施するために、命令を血管アクセスデバイス100に提供し得る。いくつかの実施形態において、ローカルコンピューティングデバイス150は、例えば、電磁誘導充電を介して、デバイス100のバッテリを無線で再充電するように構成され得る。
【0199】
システム10はさらに、第1の遠隔コンピューティングデバイス160(またはサーバ)を含み得、ローカルコンピューティングデバイス150は、次に、有線または無線通信リンク(例えば、インターネット、公衆および私設イントラネット、ローカルまたは拡張Wi-Fiネットワーク、携帯電話の基地局、旧来の電話システム(POTS)等)を経由して、第1の遠隔コンピューティングデバイス160と通信し得る。第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、1つ以上の自身のプロセッサと、メモリとを含み得る。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成された有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。メモリはまた、遠隔データベースとして機能するように構成され得る、すなわち、メモリは、ローカルコンピューティングデバイス150から受信されるデータ(1つ以上の生理学的測定値またはパラメータおよび/または他の患者情報等)を恒久的または一時的に記憶するように構成され得る。
【0200】
いくつかの実施形態において、第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、加えて、または代替として、例えば、病院、医療提供者、医療記録データベース、保険会社、または患者データおよび/またはデバイスデータをセキュアに記憶する責任を負う他のエンティティに関連付けられるサーバコンピュータを含むことができる。遠隔場所170(例えば、病院、診療所、保険事務所、医療記録データベース、オペレータの自宅等)で、オペレータが、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、または他の好適なデバイスであり得る第2の遠隔コンピューティングデバイス172を介して、データにアクセスし得る。オペレータは、例えば、ウェブベースのアプリケーションを介して、データにアクセスし得る。いくつかの実施形態において、デバイス100によって提供される難読化されたデータは、遠隔場所170において難読化解除(例えば、非暗号化)されることができる。
【0201】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、ローカルコンピューティングデバイス150の仲介を伴わずに、遠隔コンピューティングデバイス160および/または170と通信し得る。例えば、血管アクセスデバイス100は、Wi-Fiまたは他の無線通信リンクを介して、インターネット等のネットワークに接続され得る。他の実施形態において、デバイス100は、次に、遠隔コンピューティングデバイス160および/または170と通信する、ローカルコンピューティングデバイス150のみと通信し得る。
【0202】
図2は、本技術のシステム10との使用のために構成される血管アクセスデバイス100(または「デバイス100」)の例を示す。
図2に示されるように、デバイス100は、ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体102と、筐体102内に含まれる流体リザーバ104と、リザーバ104に隣接し、(
図3に関して下記にさらに詳細に説明されるように)リザーバ104への療法薬の送達のためにそれを通して針を受け取るように構成される、自己シール隔壁106とを備えている。筐体102は、針の穿刺を防止するために十分な剛直性および強度を提供する生体適合性プラスチック、金属、セラミック、医療グレードシリコーン、または他の材料から作製され得る。自己シール隔壁106は、例えば、シリコーンまたは他の変形可能な自己シール生体適合性材料から作製される膜であり得る。いくつかの実施形態において、デバイス100は、筐体102から遠位に延び、リザーバ104と流体連通するカテーテル130を含み得る。例えば、カテーテル130は、返しコネクタまたは他の好適な機械的接続を介して、デバイス100の出口ポートと嵌め合うように構成されることができる。カテーテル130は、単一または多重管腔カテーテルであり得る。いくつかの実施形態において、デバイス100は、複数の別個のカテーテルを含む。
【0203】
図3に示されるように、動作時、デバイス100は、例えば、鎖骨のちょうど下方の上側胸壁に生成される小型ポケット内で、皮膚Sの下で患者に埋め込まれる。リザーバ104と流体連通するカテーテル130は、上大静脈または右心房内に置かれた先端を伴って、血管V、例えば、内頸静脈または鎖骨下静脈の中に挿入される。臨床医は、皮膚Sを通して、自己シール隔壁106を通して、流体リザーバ104の中に針N(例えば、非コアリングまたはヒューバー型針)を挿入する。流体(例えば、薬剤)を患者の血管Vの中に導入するために、臨床医は、針Nを通して流体を前進させ得、それは、次いで、リザーバ104、カテーテル130を通して、血管Vの中に流動するか、または、医師が、血管Vの中への延期された送達のために、針を通して流体を前進させ、リザーバを充填し得る。血管Vから流体を除去するために(例えば、検査のために血管Vから血液を吸引するために)、臨床医は、針Nを介して吸引力を印加し、それによって、血管Vからカテーテル130の中、流体リザーバ104の中、および針Nの中に流体(例えば、血液)を引き込むことができる。手技が完了したとき、臨床医は、針Nを除去し、自己シール隔壁106は、閉鎖構成を再開し、デバイス100は、患者の皮膚Sの下の定位置に留まり得る。
【0204】
前述で述べられたような
図2を再び参照すると、デバイス10は、筐体102に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素110を含む。単一の感知要素110が、明確にするために図示されるが、種々の実施形態において、デバイス100は、筐体102内に配置されるか、または、別様にそれに結合された複数の感知要素110を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のそのような感知要素110が、筐体102から分離される別個の構造コンポーネント上に配置され得る。本明細書で使用されるように、用語「感知要素」は、単一のセンサまたは複数の別々の別個のセンサを指し得る。
【0205】
デバイス100は、感知要素110に通信可能に結合された少なくとも1つのコントローラ112を含み得る。コントローラ112は、1つ以上のプロセッサと、ソフトウェアコンポーネントと、メモリ(図示せず)とを含み得る。いくつかの例において、1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶された命令に従って、感知要素110から受信される生理学的測定値を処理するように構成された1つ以上のコンピューティングコンポーネントを含む。メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成された有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。例えば、メモリは、ある機能を達成するように1つ以上のプロセッサによって実行可能なソフトウェアコンポーネントのうちの1つ以上のものをロードされ得るデータ記憶装置であり得る。いくつかの例において、機能は、感知要素110に患者から生理学的データを取得させることを伴い得る。別の例において、機能は、生理学的データを処理し、1つ以上の生理学的パラメータを決定する、および/または決定された生理学的パラメータに関連付けられる1つ以上の症状または病状の指示を患者および/または臨床医に提供することを伴い得る。
【0206】
コントローラ112はまた、デバイス100と外部コンピューティングデバイス(例えば、ローカルコンピューティングデバイス150、遠隔コンピューティングデバイス160、および170等)との間でデータをセキュアに伝送するように構成されたデータ通信ユニットを含み得る。いくつかの実施形態において、コントローラ112は、患者内に埋め込まれたとき、位置特定信号(例えば、患者の皮膚を透照する光、振動、磁場等)を放出し、デバイス100を位置特定する際に臨床医を支援するように構成された位置特定ユニットを含む。コントローラ112はまた、照会デバイス(例えば、ローカルデバイス150または別の好適なデバイス)の存在下にあるとき、デバイス100のバッテリ(図示せず)を再充電するように構成された無線充電ユニット105(コイル等)を含むこともできる。
【0207】
システム10は、デバイス100と通信する感知要素110を介して生理学的測定値を持続的および/または周期的に取得するように構成され得る。感知要素110は、筐体102および/またはカテーテル130によって保持され得る、および/または筐体102およびカテーテル130と別個であるが、筐体102および/またはカテーテル130に物理的または通信可能に結合された感知コンポーネントを含み得る。感知要素110は、デバイス100と同一の場所に、または異なる場所に埋め込まれ得る、または外部場所で患者上に(例えば、患者の皮膚上に)位置付けられ得る。感知要素110は、デバイス100に恒久的に結合され得る、またはデバイス100に一時的に結合するように構成され得る。
【0208】
いくつかの実施形態において、感知要素110は、デバイス100が埋め込まれるとき、感知要素110の一部のみが局所生理学的環境にさらされるように、筐体102に内蔵される。例えば、感知要素110は、筐体102の外部表面に位置付けられる外部部分と、筐体102内に位置付けられ、コントローラ112に配線される内部部分とを有する1つ以上の電極を備え得る。いくつかの実施形態において、感知要素110は、完全に筐体102内に含まれ得る。例えば、感知要素110は、筐体102によって封入され、それを通して、パルスオキシメータから放出される光が外部場所まで通過し得、それを通して戻るように、外部場所から反射される光がパルスオキシメータのフォトダイオードによる検出のために通過し得る筐体102内の窓に隣接して位置付けられたパルスオキシメータを備え得る。そのような実施形態において、窓は、例えば、筐体102の外壁内の定位置にろう付けされるサファイア窓であり得る。
【0209】
感知要素110は、筐体102によって完全に封入される少なくとも1つのセンサと、筐体102および/またはカテーテル130の直接上にあるか、または筐体102および/またはカテーテル130から分離されている(但し、例えば、有線接続を介して筐体102および/またはカテーテル130に依然として物理的に結合されている)かどうかにかかわらず、部分的または完全に外部場所に位置付けられた少なくとも1つのセンサとを備え得る。
【0210】
いくつかの実施形態において、感知要素110は、1つ以上のプロセッサおよび/またはソフトウェアコンポーネントを備えている、別個のコントローラ(図示せず)を含み得る。そのような実施形態において、感知要素110は、生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを処理し、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、次いで、(基礎的な生理学的データの有無を問わず)それらの生理学的パラメータをデバイス100のコントローラ112に伝送し得る。いくつかの例において、感知要素110は、データをコントローラ112に伝送する前に、生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを部分的にのみ処理し得る。そのような実施形態において、コントローラ112はさらに、受信された生理学的データを処理し、1つ以上の生理学的パラメータを決定し得る。ローカルコンピューティングデバイス150および/または遠隔コンピューティングデバイス160、170はまた、感知要素110によって取得される生理学的測定値、および/または感知要素110および/またはコントローラ112によって決定される生理学的パラメータのうちのいくつかまたは全てを処理し得る。
【0211】
本技術のいくつかの側面によると、感知要素110は、メモリを含み得る。メモリは、感知要素110によって取得される生理学的測定値を恒久的および/または一時的に記憶するように構成された非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。感知要素110が、その自身のプロセッサを含むそれらの実施形態において、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成された有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。
【0212】
いくつかの実施形態において、感知要素110および/またはコントローラ112は、電磁、音響、運動、光学、熱、または生化学感知要素または手段によって、患者情報を識別、監視、および通信し得る。感知要素110は、例えば、1つ以上の温度感知要素(例えば、1つ以上の熱電対、1つ以上のサーミスタ、または他のタイプの抵抗温度検出器等)、1つ以上のインピーダンス感知要素(例えば、1つ以上の電極)、1つ以上の圧力感知要素、1つ以上の光学感知要素、1つ以上の流量感知要素(例えば、ドップラ速度感知要素、超音波流量計等)、1つ以上の超音波感知要素、1つ以上のパルスオキシメータ、1つ以上の化学感知要素、1つ以上の移動感知要素(例えば、1つ以上の加速度計)、1つ以上のpH感知要素、心電図(「ECG」)ユニット、1つ以上の電気化学感知要素、1つ以上の血液動態感知要素、および/または他の好適な感知デバイスを含み得る。
【0213】
感知要素110は、ワイヤ、複数のワイヤ、ワイヤ束、磁気ノード、および/またはノードのアレイを用いて、例えば、インピーダンス、電圧、電流、または磁場感知能力を測定および/または検出するように構成された1つ以上の電磁感知要素を備え得る。感知要素110は、例えば、ヒト聴覚範囲内、またはヒト聴覚範囲の周波数を下回る、または上回る音声周波数、鼓動または脈拍パターン、音調ピッチメロディ、および/または楽曲を測定および/または検出するように構成された1つ以上の音響感知要素を備え得る。感知要素110は、例えば、振動、移動パルス、移動のパターンまたはリズム、移動の強度、および/または移動の速度を測定および/または検出するように構成された1つ以上の運動感知要素を備え得る。運動通信は、信号への認識可能な応答によって生じ得る。この応答は、振動、パルス、移動パターン、方向、加速度、または移動率によるものであり得る。運動通信はまた、応答の欠如によるものであり得、その場合、物理的信号、振動、または環境への衝突が、感知要素110の運動応答と区別され得る周辺組織内の運動応答を生じさせる。運動通信はまた、特徴的な入力信号および応答共振によるものであり得る。感知要素110は、例えば、照明光波長、光強度、オン/オフ光パルス周波数、オン/オフ光パルスパターン、UVまたは「ブラックライト」等の特殊な光で照明されたときの受動グローまたは能動グロー、または認識可能な形状または文字の表示を含み得る1つ以上の光学感知要素を備え得る。これはまた、分光法、干渉法、赤外線照明への応答、および/または光学コヒーレンストモグラフィによる特性評価も含む。感知要素110は、デバイス環境が外部手段によって加熱または冷却されたとき、例えば、周辺環境に対するデバイス100温度、デバイス100(またはその一部)の温度、デバイス100および/または感知要素110を包囲する環境の温度、または周辺に対する微分デバイス温度変化率を測定および/または検出するように構成された1つ以上の熱感知要素を備え得る。感知要素110は、例えば、マイクロアレイチップを用いた、タンパク質、RNA、DNA、抗原、および/またはウイルスの感知のための体液のマイクロ流体輸送を可能にするためのカテーテル、細管、吸い上げ紙、または吸い上げ繊維の使用を含み得る1つ以上の生化学デバイスを備え得る。
【0214】
本技術のいくつかの側面では、コントローラ112および/または感知要素110は、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、クレアチニン、血中尿素窒素、カルシウム、マグネシウム、およびリン等の血液成分の濃度を検出および/または測定するように構成され得る。システム10および/または感知要素110は、肝機能(例えば、AST、ALT、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、トロポニン等の評価および/または検出によって)、心臓機能(例えば、トロポニンの評価および/または検出によって)、凝固(例えば、プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(PTT)、および国際標準化比(INR)の決定を介して)、および/または血球数(例えば、ヘモグロビンまたはヘマトクリット、差を伴う白血球レベル、および血小板)を評価するように構成され得る。いくつかの実施形態において、システム10および/または感知要素110は、循環腫瘍細胞、循環腫瘍DNA、循環RNA、生殖細胞系または腫瘍DNAの多重遺伝子シークエンシング、サイトカイン、C反応性タンパク質、赤血球沈降率、腫瘍マーカ(PSA、ベータHCG、AFP、LDH、CA125、CA19-9、CEA等)、およびその他等の炎症のマーカを検出および/または測定するように構成され得る。
【0215】
前述で述べられたように、システム10は、生理学的測定値および/または1つ以上の他の生理学的パラメータに基づいて、1つ以上の生理学的パラメータを決定し得る。例えば、システム10は、心拍数、温度、血圧(例えば、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、血流率、血液速度、パルス波速度、体積流率、反射圧力波振幅、増大指数、血流予備能、抵抗予備能、抵抗指数、静電容量予備能、ヘマトクリット、心調律、心電図(ECG)トレーシング、体脂肪率、活動レベル、身体移動、転倒、歩行分析、発作活動、血糖レベル、薬物/薬剤レベル、血液ガス成分および血液ガスレベル(例えば、酸素、二酸化炭素等)、乳酸レベル、ホルモンレベル(コルチゾール、甲状腺ホルモン(T4、T3、遊離T4、遊離T3)、TSH、ACTH、副甲状腺ホルモン等)、および/または前述の測定値およびパラメータの任意の相関および/または導関数(例えば、電圧および/または他の直接測定される値を含む、未加工データ値)等の生理学的パラメータを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、生理学的測定値のうちの1つ以上のものは、システム10によるいずれの追加の処理も伴わずに、生理学的パラメータとして利用される、または特徴付けられることができる。
【0216】
システム10はまた、特定のパラメータの変化率、特定の時間枠にわたる特定のパラメータの変化等の前述の生理学的パラメータ(本明細書では「生理学的パラメータ」とも称される)のうちのいずれかの導関数を決定および/または監視し得る。ほんのいくつかの例として、システム10は、規定時間にわたる温度、最高温度、最高平均温度、最低温度、所定または計算された温度に対する所定または計算された時間における温度、規定時間にわたる平均温度、最大血流、最小血流、所定または計算された血流に対する所定または計算された時間における血流、経時的な平均血流、最大インピーダンス、最小インピーダンス、所定または計算されたインピーダンスに対する所定または計算された時間におけるインピーダンス、規定時間にわたるインピーダンスの変化、規定時間にわたる温度の変化に対するインピーダンスの変化、経時的な心拍数の変化、経時的な呼吸数の変化、規定時間にわたる、および/または規定日時における活動レベル、および他の好適な導関数として決定するように構成され得る。
【0217】
測定値が、1つ以上の所定の時間、時間の範囲、計算された時間、および/または測定された事象が生じるとき、またはそれに対する時間に、持続的または周期的に取得され得る。同様に、生理学的パラメータは、1つ以上の所定の時間、時間の範囲、計算された時間、および/または測定された事象が生じるとき、またはそれに対する時間に、持続的または周期的に決定され得る。
【0218】
決定された生理学的パラメータに基づいて、本技術のシステム10は、患者の健康の指示を患者および/または臨床医に提供するように構成される。例えば、コントローラ112は、生理学的パラメータのうちの1つ以上のものを所定の閾値または範囲と比較し、比較に基づいて、患者の健康の指示を提供し得る。例えば、決定された生理学的パラメータが、所定の閾値を上回る、または下回る、または所定の範囲外である場合、システム10は、患者が決定された生理学的パラメータに関連付けられる症状によって特徴付けられる病状の危険性がある、またはそれをすでに発症しているという指示を提供し得る。本明細書で使用されるように、「所定の範囲」は、値の設定された範囲を指し、「所定の範囲外」は、(a)所定の範囲に部分的にのみ重複する、または値の所定の範囲のいずれの部分にも重複しない、値の測定または計算された範囲を指す。本明細書で使用されるように、「所定の閾値」は、単一の値または値の範囲を指し、「所定の閾値」「外」であるパラメータは、パラメータが、(a)所定の値を超える、または満たすことができない、測定または計算された値、(b)値の所定の範囲外に該当する、測定または計算された値、(c)値の所定の範囲に部分的にのみ重複する、または値の所定の範囲のいずれの部分にも重複しない、値の測定または計算された範囲、または、(d)値のうちのいずれも所定の値と重複しない、値の測定または計算された範囲である状況を指す。
【0219】
所定のパラメータ閾値および/または範囲は、ルックアップテーブルを生成するように実験的に決定されることができる。ルックアップテーブル値は、例えば、臨床試験、および/または公知の健康または正常な値または値の範囲に基づいて、実験的に決定されることができる。所定の閾値は、加えて、または代替として、特定の患者のベースライン生理学的パラメータに基づき得る。
【0220】
システム10によって検出される、および/または示される病状は、例えば、敗血症、肺塞栓症、転移性脊髄圧迫、貧血、脱水症/体液量減少、嘔吐、肺炎、鬱血性心不全、パフォーマンスステータス、不整脈、好中球減少性発熱、急性心筋梗塞、疼痛、オピオイド毒性、ニコチンまたは他の薬物中毒または依存、高血糖性/糖尿病性ケトアシドーシス、低血糖症、高カリウム血症、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、1つ以上の脳転移、上大静脈症候群、消化管出血、免疫療法誘発型または放射線肺臓炎、免疫療法誘発型大腸炎、下痢、脳血管障害、脳卒中、病理学的骨折、喀血、吐血、薬剤誘発型QT延長、心臓ブロック、腫瘍溶解症候群、鎌状赤血球貧血クリーゼ、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群、血友病、嚢胞性線維症、慢性疼痛、および/または発作を含み得る。
【0221】
図4は、埋め込み型デバイス400、照会デバイス450、および1つ以上の遠隔コンピューティングデバイス470の間の通信のための環境の概略ブロック図である。埋め込み型デバイス400は、血管アクセスデバイス(例えば、
図1-3に関して上記に説明されるデバイス100)であり得る。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス400は、別の埋め込み型医療デバイス、例えば、ペースメーカ、埋め込み型心臓除細動器(ICD)、深部脳刺激装置、インスリンポンプ、注入ポート、整形外科デバイス、肺動脈圧モニタ、または電子感知コンポーネントを伴う任意の他の埋め込み型医療デバイスであり得る。
【0222】
照会デバイス450は、例えば、デバイス400が患者内に埋め込まれるとき、埋め込み型デバイス400と無線で通信するように構成されるハンドヘルドデバイスであり得る。本通信は、短距離接続(例えば、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合)または他の好適な無線通信リンクを使用して、実行されることができる。種々の実施形態において、埋め込み型デバイス400および/または照会デバイス450は、例えば、インターネット等のネットワーク接続を経由して、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイス470と通信することができる。
【0223】
図示される実施形態において、埋め込み型デバイス400は、バッテリ402(例えば、再充電可能バッテリまたは他の電源)と、メモリ404とを含むことができる。メモリ404は、例えば、本明細書に説明される種々のルーチンを実装する、デバイスコンポーネントを制御する、データおよび情報を遠隔コンピュータおよび他のデバイスと通信および交換するため等に要求される、実行可能アプリケーション、テストソフトウェア、データベース、および他のソフトウェアを記憶する、読み取り専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)、またはSSD等の他の記憶デバイスを含むことができる。埋め込み型デバイス400は、いくつかの電子要素(例えば、メモリ404、感知要素110、コイル408、位置特定ユニット410、および/またはデータ通信ユニット412)を含むことができる。これらの要素のうちのいくつかまたは全ては、1つ以上のプロセッサ、アナログ/デジタルコンバータ、データ記憶デバイス、無線通信アンテナ、および他の関連付けられる要素を含むことができる。これらの要素のうちのいくつかまたは全ては、プリント回路基板(例えば、剛性または可撓性PCB)または他の好適な基板に電子的に結合される、またはそれによって保持されることができる。いくつかの実施形態において、メモリ404内またはマイクロプロセッサユニット上に記憶されたソフトウェアまたはファームウェアは、データ収集、通信、位置特定、およびデバイス400のバッテリ寿命を最適化するように構成されることができる。
【0224】
埋め込み型デバイス400は、身体内に埋め込まれている間に1つ以上の生理学的測定値を取得するように構成された感知要素110を含む。
図1-3に関して上記に説明されるように、センサ要素110は、任意の数の異なる生理学的測定値および/または1つ以上の他の生理学的パラメータを取得するように構成されることができる。例に関して、センサ要素110は、心拍数、温度、血圧(例えば、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、血流率、血液速度、パルス波速度、体積流率、反射圧力波振幅、増大指数、血流予備能、抵抗予備能、抵抗指数、静電容量予備能、ヘマトクリット、心調律、心電図(ECG)トレーシング、体脂肪率、活動レベル、身体移動、転倒、歩行分析、発作活動、血糖レベル、薬物/薬剤レベル、血液ガス成分および血液ガスレベル(例えば、酸素、二酸化炭素等)、乳酸レベル、ホルモンレベル(コルチゾール、甲状腺ホルモン(T4、T3、遊離T4、遊離T3)、TSH、ACTH、副甲状腺ホルモン等)、および/または前述の測定値およびパラメータの任意の相関および/または導関数(例えば、電圧および/または他の直接測定される値を含む、未加工データ値)等の生理学的パラメータを決定するように構成され得る。
【0225】
デバイス400はまた、コイル408、例えば、円形コイルまたは他の形状を形成するように包被される、導電性ワイヤまたは他の材料の長さを含むこともできる。いくつかの実施形態において、コイル408は、デバイス400のリザーバ414を包囲する伝導性ワイヤであり得る。コイル408は、コイル408を介して受電される電気エネルギーが、バッテリ402を再充電するために使用され得るように、バッテリ402に電気的に結合されることができる。コイル408はまた、コイル408を介して受電される電気エネルギーが、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させるように、位置特定ユニット410に電気的に結合されることもできる。加えて、コイル408は、コイル408を介して受電される電気エネルギーが、データ通信ユニット412にあるアクションを実施させ、例えば、データを照会デバイス450にセキュアに伝送するように、データ通信ユニット412に電気的に結合されることができる。下でより詳細に説明されるように、コイル408は、コイル456から電気エネルギーを無線で受け取るように、照会デバイス450のコイル456に誘導結合されることができる。いくつかの実施形態において、無線エネルギーは、誘導結合ではなく、容量結合を介して伝送される。
【0226】
図4を継続して参照すると、埋め込み型デバイス400はさらに、位置特定ユニット410を含む。位置特定ユニット410は、好適な動作を実施する、またはマイクロプロセッサユニット上に記憶されたファームウェアに基づく動作を実施するように、メモリ404から命令を読み出す、コントローラ(例えば、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、または任意の他の論理処理ユニット)に加えて、位置特定信号を放出するように構成されるエミッタを含むことができる。位置特定ユニット410は、患者内に埋め込まれたとき、埋め込み型デバイス400から1つ以上の位置特定信号を放出し、デバイス400の場所を識別する際に臨床医を支援するように構成されることができる。前述で記述されたように、いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、照会デバイス450の存在を検出することに応答して、位置特定信号を放出するように構成される。例えば、照会デバイス450のコイル456は、2つのデバイスが相互に近接して保持されるとき、埋め込み型デバイス400のコイル408内で電流を誘導するために好適な交流電流を用いて駆動されることができる。埋め込み型デバイスのコイル408内の誘導電流は、次に、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させることができる。いくつかの実施形態において、照会デバイス450は、埋め込み型デバイス410の位置特定ユニット410によって放出される位置特定信号を読み取る、検出する、または別様に識別するように構成された位置特定リーダ466を含むことができる。他の実施形態において、位置特定リーダ466は、照会デバイス450から省略されることができ、臨床医が、位置特定ユニット450によって放出される位置特定信号を直接観察し得る。
【0227】
種々の実施形態において、位置特定ユニット410は、異なる位置特定信号を放出するように構成されるエミッタの異なる構成を有する、種々の形態をとることができ、照会デバイス450の対応する位置特定リーダ466は、位置特定ユニット410によって放出される特定の位置特定信号を読み取るように、または検出するように構成されることができる。以下の例のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態において、照会デバイス450は、位置特定リーダ466を含まないこともあり、代わりに、埋め込み型デバイス400の位置特定ユニット410から放出される位置特定信号が、臨床医によって直接、または別の好適な器具を使用することによって、読み取られる、観察される、または検出され得る。一例において、位置特定ユニット410は、デバイス100を中心として配置される1つ以上の光源を含むことができ、位置特定信号は、光源からの光の放出を含むことができる。放出された光は、皮膚を透照し、埋め込み型デバイス400の場所を臨床医に示すように構成されることができる。この事例において、位置特定リーダ466は、患者の皮膚を透照する光を識別するように構成される、光センサまたはセンサのアレイを含むことができる。
【0228】
さらなる例において、位置特定信号は、種々の他の形態をとってもよい。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、可聴音を位置特定信号として放出するように構成されるスピーカを含み、位置特定リーダ466は、放出された音を検出するように、かつその源を位置特定するように構成される、マイクロホンまたは他のデバイスを含む。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、1つ以上の磁石(例えば、永久磁石または電磁石)を含み、位置特定信号は、磁石によって発生される磁場を含む。例えば、複数の磁石が、埋め込み型デバイス400のリザーバの周囲に配置され得、これらの磁石によって発生される磁場は、埋め込み型デバイス400のリザーバまたは他の側面の場所を示す様式で、照会デバイス450の位置特定リーダ466によって検出され得る。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、無線周波数伝送機を含み、位置特定信号は、照会デバイス450によって検出され得る無線周波数信号を含む。この事例において、位置特定リーダ466は、照会デバイスによって放出されるシグネチャ無線周波数信号を検出するように、かつ信号源を位置特定するように構成される、アンテナまたは他のデバイスであり得る。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、位置特定信号としての役割を果たすために、ある要素を移動または振動させるように構成される、アクチュエータを含む。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、1つ以上の超音波トランスデューサを含み、放出された超音波は、照会デバイス450の位置特定リーダ466によって検出されるように位置特定信号としての役割を果たす。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、突出部が、デバイス400を位置特定するために臨床医によって触診され得るように、埋め込み型デバイスの上面から隆起する一時的突出部を生成し得る、少なくとも1つの可動部材を含む。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、放射性同位体を含み、位置特定信号は、放射性同位体によって放出される電磁放射線を備えている。例えば、位置特定ユニット410は、放射性同位体によって放出される放射線を吸収する、格納式遮蔽体を含み得る。位置特定信号を放出するために、位置特定ユニット410は、遮蔽体を後退させ、それによって、放射性同位体によって放出される放射線が、デバイス400から逃散し、照会デバイス450の位置特定リーダ466によって検出されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、加熱要素を含み、位置特定信号は、加熱要素から放射する熱シグネチャの増加である。温度の上昇は、熱カメラ、温度センサ、または位置特定リーダ466の他の好適な要素を介して、検出されることができる。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、位置特定信号としての役割を果たすように、データ通信ユニット412に患者データまたは他の識別データを送信させることができる。位置特定リーダ466は、その位置を三角測量し、デバイス400の場所を識別することによって、信号源を識別し得る。
【0229】
いくつかの実施形態において、位置特定ユニット410は、埋め込み型デバイス400のコイル408内で電流を誘導する照会デバイス450の特性に基づいて、位置特定信号を放出するかどうかを決定する。例えば、位置特定ユニット410は、照会デバイス450から受電される電気エネルギーの電界強度閾値、照会デバイス450から受電される電気エネルギーの周波数等の特性を査定し得る。これらの特性は、事前認可された照会デバイス450のみが、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させることができるように、信頼されている照会デバイス(すなわち、ペアリングのために好適な照会デバイス)と信頼されていない照会デバイス(すなわち、ペアリングのために不適切な照会デバイス)との間の区別を支援することができる。
【0230】
埋め込み型デバイス400はまた、(通信リンク460を介して)照会デバイス450と無線で通信するように構成されたデータ通信ユニット412も含む。データ通信ユニット412と照会デバイス450との間の通信は、例えば、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、容量結合、または任意の他の好適な無線通信リンクによって仲介されることができる。データ通信ユニット412は、例えば、感知要素110を介して取得される生理学的測定値、患者医療記録、デバイス性能メトリック(例えば、バッテリレベル、エラーログ等)、または埋め込み型デバイス400によって記憶された任意の他のそのようなデータを含む、データを伝送し得る。下でより詳細に説明されるように、データ通信ユニット412は、種々の技法を利用し、データを暗号化または別様に難読化し、照会デバイス450への伝送の間にセキュリティを維持することができる。データ通信ユニット412はまた、(通信リンク460を介して)照会デバイス450からデータを受信し得る。例えば、データ通信ユニット412は、感知要素110を介して、ある生理学的測定値を取得するため、位置特定ユニット410を介して、位置特定信号を放出するため、または他の機能を実施するために、命令を受信し得る。
【0231】
いくつかの実施形態において、データ通信ユニット412は、埋め込み型デバイス400のコイル408内で電流を誘導する照会デバイス450の特性に基づいて、位置特定信号を放出するかどうかを決定する。例えば、データ通信ユニット412は、照会デバイス450から受電される電気エネルギーの電界強度閾値、照会デバイス450から受電される電気エネルギーの周波数等の特性を査定し得る。これらの特性は、事前認可された照会デバイス450のみが、データ通信ユニット412にデータを照会デバイス450に伝送させることができるように、信頼されている照会デバイス(すなわち、ペアリングのために好適な照会デバイス)と信頼されていない照会デバイス(すなわち、ペアリングのために不適切な照会デバイス)との間の区別を支援することができる。
【0232】
いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス400はまた、無線通信リンク(例えば、インターネット、公衆および私設イントラネット、ローカルまたは拡張Wi-Fiネットワーク、携帯電話の基地局等)を経由して、第1の遠隔コンピューティングデバイス470と通信し得る。遠隔コンピューティングデバイス470は、例えば、病院、医療提供者、医療記録データベース、保険会社、または患者データおよび/またはデバイスデータをセキュアに記憶する責任を負う他のエンティティに関連付けられるサーバコンピュータであり得る。いくつかの実施形態において、データ通信ユニット412によって提供される難読化されたデータは、遠隔場所において難読化解除(例えば、非暗号化)されることができる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス400は、次に、遠隔コンピューティングデバイス470と通信する、照会デバイス450のみと直接通信し得る。
【0233】
埋め込み型デバイス400はまた、出口ポート416と流体連通するリザーバ414を含むこともできる。使用時、針420が、流体リザーバ414の中に除去可能に挿入されることができ、カテーテル430が、出口ポート416に流体的に結合され、それによって、流体(例えば、薬剤)の導入または流体の抜去(例えば、検査のための血液の吸引)のための針420とカテーテル430との間の流体経路を確立することができる。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス400は、例えば、流体の送達または抽出を要求しないペースメーカ、深部脳刺激装置、または他の埋め込み型デバイスの場合、リザーバまたは出口ポートを省略し得る。いくつかの実施形態において、埋め込み型デバイス400は、追加の機能を果たす他の要素を含み得、例えば、ペースメーカは、電流を心臓導線等に送達するように構成されるペースメイキングユニットを含むことができる。
【0234】
前述で記述されたように、埋め込み型デバイス400は、照会デバイス450と無線で通信するように構成される。照会デバイス450は、例えば、特殊用途照会デバイス、スマートフォン(伝導性コイル等の関連付けられる付属ハードウェアの有無を問わず)、または埋め込み型デバイス400と通信するように構成される他の好適なコンピューティングデバイスであり得る。照会デバイス450は、電源452(例えば、バッテリまたは外部電力のための有線接続)と、メモリ454と、プロセッサ458とを含むことができる。いくつかの実施形態において、照会デバイス450はまた、情報をユーザに視覚的に表示するように構成されるディスプレイ462(例えば、電子画面)と、ユーザ入力を受信するように構成される入力464(例えば、ボタン、タッチスクリーン画面入力等)とを含むことができる。
【0235】
上で記述されるように、照会デバイス450は、埋め込み型デバイスのコイル408と誘導結合するように構成されたコイル456も含む。例えば、埋め込み型デバイス400および照会デバイス450が、相互に近接して設置されるとき、照会デバイス450のコイル456を通して駆動される交流電流が、交流磁場を生成し、それは、次に、埋め込み型デバイスのコイル408内で電流を誘導する。コイル408内の本誘導電流は、バッテリ402を再充電するため、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させるため、および/またはデータ通信ユニット412にデータを照会デバイス450に伝送させる、またはそこからデータを受信させるために、使用されることができる。
【0236】
また、上で記述されるように、照会デバイス450は、埋め込み型デバイス400のデータ通信ユニット412と通信するように、および/または遠隔コンピューティングデバイス470と通信するように構成された通信リンク460を含む。通信リンク460は、有線接続(例えば、イーサネット(登録商標)ポート、ケーブルモデム、FireWireケーブル、Lightningコネクタ、USBポート等)または無線接続(例えば、Wi-Fiアクセスポイント、Bluetooth(登録商標)送受信機、近距離通信(NFC)デバイス、および/またはGSM(登録商標)、CDMA、3G、および/または4G技術を利用する無線モデムまたはセルラー無線を含む)を含むことができる。
【0237】
前述で議論されたように、照会デバイス450は、埋め込み型デバイス400の位置特定ユニット410を介して放出される位置特定信号を読み取るように、識別するように、または検出するように構成された位置特定リーダ466を含むことができる。種々の実施形態において、位置特定リーダ466は、光センサまたはアレイ、マイクロホンまたはマイクロホンのアレイ、磁場プローブ(例えば、ホール効果センサのアレイ)、アンテナまたは他の無線周波数受信機、超音波受信機、電磁センサ、温度センサ、または埋め込み型デバイス400の位置特定ユニット410を介して放出される位置特定信号を検出する、識別する、または読み取るように構成される、任意の他のトランスデューサまたはセンサを含むことができる。
(無線充電および位置特定)
【0238】
上で記述されるように、内蔵電子機器を有する血管アクセスデバイスの出現は、そのようなデバイスに給電するための機能、好ましくは、そのようなデバイスのバッテリを再充電するための機構を要求する。加えて、内蔵電子機器は、位置特定のために使用され得、それによって、患者の皮膚の触診を介して検出可能である嵩張る突出したデバイスの必要性を排除する。下でより詳細に説明されるように、コイルを含む照会デバイスが、位置特定信号もアクティブにしながら、埋め込まれた血管アクセスデバイスを無線で再充電するために使用されることができる。結果として、照会デバイスを埋め込まれた血管アクセスデバイスと近接させることは、針を血管アクセスデバイスの流体リザーバの中に正しく設置する際に臨床医を支援する位置特定信号を放出しながら、埋め込まれた血管アクセスデバイスを無線で再充電させる。
【0239】
図5A-7Bは、血管アクセスデバイス等の埋め込み型デバイス400との使用のための照会デバイス450の種々の実施形態を図示する。照会デバイス450は、中心開口504を画定する筐体502を含む。動作時、筐体502は、開口504がデバイス400と実質的に整合されるように、埋め込み型デバイス400に隣接する患者の皮膚に対して設置されることができる。臨床医が、次いで、定位置に照会デバイス450を保持し、またはそれを患者の皮膚に接着させ得、その後に、
図3に関して前述で説明されたように、患者の皮膚を通したデバイス400の中への針の挿入が続く。
【0240】
図5A-5Cを参照して、照会デバイス450の筐体502は、種々の実施形態において、一連の異なる幾何学形状を成すことができる。例えば、筐体502は、略円形の幾何学形状、長方形または正方形の幾何学形状、多角形の幾何学形状、または開口504を画定する任意の他の形状を画定することができる。照会デバイス450の一般的形状は、埋め込み型デバイス400の無線充電および医療用針を使用する埋め込み型デバイス400へのアクセスの両方を促進する。故に、照会デバイス450の筐体502は、ワイヤまたは他の導電性構造および他の関連付けられる電子コンポーネントを封入する、略平坦な幾何学形状を画定する。筐体502は、円形、卵形、長方形、多角形、または身体に共形化するように設計される任意の他の不規則な形状であり得る。いくつかの実施形態において、照会デバイス450は、患者の皮膚の外部輪郭に共形化するように可撓性であるが、少なくともいくつかの実施形態において、照会デバイス450は、剛体または半剛体であり、例えば、内側電気コンポーネントを保護するために、プラスチックまたは金属から、またはポリウレタンポリマーまたはシリコーンのような半剛体医療グレード材料から作製される。
【0241】
いくつかの実施形態において、中心開口504のサイズおよび形状は、針を用いて埋め込み型医療デバイス400のリザーバ414を正確に標的化する際にユーザを支援するように構成される。一実施形態において、本開口504は、針を埋め込み型医療デバイス400のリザーバ414の中心の中に物理的に誘導するためのトンネルとして作用するために十分に小さい。例えば、いくつかの実施形態において、開口504は、流体リザーバ414の断面サイズに実質的に類似するサイズを有する、面積を画定し得る。いくつかの実施形態において、開口504によって画定される面積は、流体リザーバ414の断面サイズよりも小さい。別の実施形態において、開口504は、ユーザが、リザーバ414の中心軸から少なくとも部分的にオフセットされる針軌道を用いてリザーバ414にアクセスすることを可能にするために、十分に大きくあり得る。
【0242】
図6A-6Cは、埋め込み型デバイス400に近接して位置付けられた照会デバイス450を図示する。デバイス400は、カテーテル430に流体的に結合されるリザーバ414を含む。筐体502の上側部分が除去される、
図6Cで最良に見られるように、筐体502は、電源452(例えば、バッテリまたは有線電源のための接続)と、通信リンク460(例えば、無線アンテナおよび関連付けられる電子機器)と、電源452に電気的に結合されるコイル456とを含む、照会デバイス450の電子コンポーネントを封入する。本明細書に図示されていないが、いくつかの実施形態において、筐体502はまた、位置特定リーダ466または任意の他の電子コンポーネントを含み得る。使用中であるとき、コイル456(または他の伝導性材料)は、交流電流を用いて駆動されることができ、それによって、中心開口504内にあり、患者の皮膚に略直交する(すなわち、開口504の平面に略直交する)軸に沿って整合される、交流磁場を誘導する。伝導材料のコイル(例えば、コイル408)を有する、埋め込まれた医療デバイス400にわたって位置付けられたとき、この交流磁場は、埋め込み型デバイス400のバッテリを再充電するために、または埋め込み型デバイス400を介して他の動作を実施するように獲得され得る、交流電流を埋め込み型デバイス400のコイル408内で誘導する。
【0243】
埋め込み型デバイス400のバッテリを再充電することに加えて、埋め込み型デバイス400のコイル内の誘導電流は、埋め込み型デバイス400に、誘導電流に応答して位置特定信号を放出させ得る。位置特定信号のこの遠隔アクティブ化は、医療専門家によるデバイスの正確な挿管を依然として可能にしながら、患者快適性およびデバイスへの満足感を改良する、デバイスへのより小型でより薄型の設計を可能にする。前述で記述されたように、埋め込み型デバイス400は、照会デバイス450を介して誘導される電流に応答して、位置特定信号を放出するように構成された位置特定ユニット410を含むことができる。位置特定信号は、例えば、視覚出力(例えば、光)、音、触覚刺激、振動、磁場、電磁放出、放射性同位体崩壊、超音波、またはその静止状態でポートデバイスの触診を要求しない位置特定の任意の他の手段を含む、いくつかの異なる形態をとることができる。一例において、複数のLEDが、埋め込み型デバイス400のリザーバ414の周囲に位置付けられる。照会デバイス450からの誘導電流に応答して、LEDは、患者の皮膚を透照し、臨床医が埋め込み型デバイス400を位置特定することを可能にする、光を放出する。
【0244】
図7Aおよび7Bは、膜702が筐体502によって画定される開口504にわたって延びている、照会デバイス450の別の実施形態を図示する。膜702は、照会デバイス702が患者の皮膚に接着され得るように、例えば、接着材料であり得る。いくつかの実施形態において、膜702は、TEGADERM等の半透明または透明医療用接着剤である。いくつかの実施形態において、膜702は、療法薬、例えば、手技の無菌性を維持し、細菌または真菌等の感染性病原体による埋め込み型デバイス400のコロニー形成を防止することを支援する、クロルヘキシジン等の抗菌剤を含浸されることができる。
【0245】
接着材料の添加は、埋め込み型デバイス400を介して療法を投与する際に臨床医を支援することができる。例えば、埋め込み型デバイス400が薄型である事例において、触診を介して位置特定することが困難または不可能であり得、故に、位置特定の追加の手段が、要求され得る。臨床医は、埋め込み型デバイス400の一般的な解剖学的場所を把握して、その解剖学的領域にわたって照会デバイス450を設置し得る。誘導アクティブ化および電力を通して、埋め込み型デバイス400は、例えば、皮膚を通して透照する単一のLEDまたはそのアレイをアクティブにすることによって、位置特定信号を放出し、埋め込み型デバイス400の精密な場所を臨床医に警告し得る。臨床医は、次いで、LEDが、依然として、可視化される(または他の位置特定信号が検出される)ように、中心開口504が埋め込み型デバイス400に直接わたる状態で患者の皮膚上に照会デバイス450を設置し得る。照会デバイス450は、患者の皮膚に静置し得る。膜702が、接着剤を含む場合、接着剤は、患者の皮膚上の定位置に照会デバイス450を固定し得る。
【0246】
照会デバイス450が患者の皮膚上に置かれる、またはそれに接着していると、臨床医は、アクセス手技のために自由に両手を使用する。中心開口504を通して、臨床医は、最初に、クロルヘキシジン等の局所消毒薬を使用して、皮膚の面積を滅菌し得る。いったん領域が滅菌されると、手袋をはめた手を使用して、臨床医は、正確な針設置のための視覚ガイドとしてLEDを使用して(または正確な針設置のためにリザーバの精密な場所を識別するための手段として別の好適な位置特定信号を使用して)、非コアリングヒューバー型針を埋め込み型デバイス400の中に挿入する。包帯、テープ、またはTEGADERM等の他の接着剤を使用して、針は、定位置に固定され、シリンジまたはIV管類に取り付けられ、次いで、血液の吸引または療法薬の注入のいずれかのために使用される。使用を容易にするために、照会デバイス450を含むアクセス手技のために要求される全てのコンポーネントが、単回使用キットの中にともにパッケージ化され得る。TEGADERM等の接着剤が、デバイス450の開口504の少なくとも一部を被覆する実施形態において、臨床医は、埋め込み型デバイス400に到達するように接着剤を通して針を前進させ得る。
【0247】
図8Aおよび8Bは、本技術による、埋め込まれた血管アクセスデバイスを位置特定する方法を図示するフロー図である。
図8Aに関して、方法800は、ブロック802において、埋め込まれた血管アクセスデバイス400において誘導電流を受け取ることから開始する。例えば、埋め込み型デバイス400は、照会デバイス450を埋め込み型デバイス400と近接して設置し、交流電流を照会デバイス450のコイル456に供給することへの応答として、誘導電流を受け取ることができる。方法800は、ブロック804において、誘導電流に応答して位置特定信号を放出することを進める。いくつかの実施形態において、誘導電流は、(例えば、埋め込み型デバイス400の位置特定ユニット410を介して)位置特定信号の放出に完全に給電するために十分である。いくつかの実施形態において、血管アクセスデバイスは、内蔵バッテリを有しておらず、位置特定信号は、照会デバイス450等の外部デバイスからの誘導電流を介して、完全に給電される。他の実施形態において、誘導電流は、制御信号として動作し、位置特定信号の放出を開始するが、位置特定ユニット410は、位置特定信号を放出するために、バッテリ402から追加の電力を引き出す。
【0248】
前に記述されたように、位置特定信号は、種々の形態をとることができる。例えば、位置特定信号は、1つ以上の光源から放出される光、1つ以上のスピーカから放出される音、1つ以上のトランスデューサから放出される超音波、1つ以上のアクチュエータによって引き起こされる振動または移動、電磁放射線、データ伝送、加熱要素から放出される熱、1つ以上の磁石によって発生される磁場、崩壊する放射性同位体から放出される放射線、または埋め込み型デバイス400を位置特定する際に臨床医および/または照会デバイス450を支援する任意の他の好適な信号であり得る。
【0249】
ここで
図8Bに目を向けると、方法850は、ブロック852において、誘導電流に応答して位置特定信号を放出するように構成された血管アクセスデバイスを提供することから開始する。例えば、埋め込み型医療デバイス400は、患者の胸部内等の標的部位において患者の皮膚の下に位置付けられることができる。ブロック854では、方法850は、照会デバイスを血管アクセスデバイスと近接して設置することを継続する。例えば、照会デバイス450は、患者の皮膚にわたって位置付けられ、埋め込まれた医療デバイス400と実質的に整合されることができる。ブロック856では、交流電流が、照会デバイスのコイルに印加され、それによって、血管アクセスデバイスにおいて電流を誘導する。これは、前述で説明されたように、血管アクセスデバイスに位置特定信号を放出させる。
(データ通信およびセキュリティ)
【0250】
電子的に装備された埋め込み型デバイス400を介した遠隔患者監視は、多くの利益を患者および臨床医に提供するが、データセキュリティ、プライバシー、およびデバイス動作のセキュリティへの危険性の全ては、そのようなデバイスの安全かつ効果的な動作に深刻な脅威を及ぼす。故に、本技術は、埋め込み型デバイス400と1つ以上の外部デバイスとの間で送信される、患者データ、デバイスデータ、制御命令、および任意の他の機密情報をセキュアに記憶、伝送、および受信するためのいくつかの技法を提供する。外部デバイスは、ローカル通信(例えば、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合)のための照会デバイス450、および/またはネットワーク接続(例えば、イントラネット、インターネット等)を経由してアクセスされる遠隔コンピューティングデバイスを含むことができる。本明細書に説明されるセキュアな通信技法は、患者個人情報の保護を可能にし、遠隔ハッキングおよびデバイス動作の奪取からの保護を確実にする。
【0251】
図9Aおよび9Bは、埋め込み型デバイス400等の埋め込まれた血管アクセスデバイスと1つ以上の遠隔コンピューティングデバイス(例えば、照会デバイス450または遠隔コンピューティングデバイス470)との間のデータ通信の方法を図示するフロー図である。
図9Aを参照すると、方法900は、患者内に埋め込まれた血管アクセスデバイス400のセンサ要素110から生理学的データを捕捉することから開始する。上で記述されるように、生理学的データは、例えば、心拍数、温度、血圧(例えば、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、血流率、血液速度、パルス波速度、体積流率、反射圧力波振幅、増大指数、血流予備能、抵抗予備能、抵抗指数、静電容量予備能、ヘマトクリット、心調律、心電図(ECG)トレーシング、体脂肪率、活動レベル、身体移動、転倒、歩行分析、発作活動、血糖レベル、薬物/薬剤レベル、血液ガス成分および血液ガスレベル(例えば、酸素、二酸化炭素等)、乳酸レベル、ホルモンレベル(コルチゾール、甲状腺ホルモン(T4、T3、遊離T4、遊離T3)、TSH、ACTH、副甲状腺ホルモン等)、および/または前述の測定値およびパラメータの任意の相関および/または導関数(例えば、電圧および/または他の直接測定される値を含む、未加工データ値)を含む多種多様な異なる測定値またはパラメータを含むことができる。
【0252】
方法900は、ブロック904において、生理学的データを難読化することを継続し、ブロック906において、難読化された生理学的データは、遠隔コンピューティングデバイスに伝送される。下でより詳細に説明されるように、この難読化は、いくつかの異なる形態をとることができる。この難読化は、例えば、データを暗号化し、暗号化されたデータをパケットに解析し、暗号化されたデータパケットを並べ替え、データを匿名化するステップ、ブロックチェーン技術の使用、または通信を意図された受信側以外の誰にも理解不可能にする他の方法を含むことができる。
【0253】
ここで
図9Bを参照すると、方法950は、埋め込まれた血管アクセスデバイスからのセンサデータに基づいて、難読化された生理学的データを受信することを含む。例えば、照会デバイス450または遠隔コンピューティングデバイス470は、埋め込み型デバイス400から難読化された生理学的データを受信し得る。これは、照会デバイス450の場合は短距離無線通信、または遠隔コンピューティングデバイス470の場合はネットワーク通信を経由して受信され得る。方法900は、ブロック954において、難読化された生理学的データを難読化解除することを継続する。下で説明されるように、いくつかの実施形態において、受信側デバイス(例えば、照会デバイス450または遠隔コンピューティングデバイス470)は、埋め込み型デバイス400と受信側デバイスとの間の伝送の間に難読化されたデータを傍受する任意の人物またはエンティティに難読化されたデータの理解不可能性およびアクセス不可能性を維持する様式で、データを難読化解除するためのアルゴリズムおよび技法を利用する。
【0254】
一例において、業界標準アルゴリズム(例えば、対称または非対称鍵暗号化)が、埋め込み型デバイス400のデータ通信ユニット412を介して、データを暗号化するために使用される。暗号化されたデータは、次いで、コンポーネントパケットが個別に理解が不可能であるように、コンポーネント部分に解析され得る。これらのコンポーネント部分は、次いで、データストリームに組み立てられ、意図された受信側のみに把握されている方式に従って送信され得る。少なくともいくつかの実施形態において、暗号化されていないデータが、コンポーネント部分に解析され、所定の方式に従って送信され得る。いくつかの実施形態において、コンポーネント部分は、別個の部分に解析された後に、別個に暗号化され得る。
【0255】
データが、多くの方法で解析されることができる。例えば、データは、個別化パケットに分離され、フィラーデータパケット(例えば、非生理学的データ、ランダムデータ、または他の好適なフィラーデータを含むパケット)が点在したストリームにコンパイルされることができる。この方式において、受信側は、データストリーム内のフィラーデータパケットを識別するための鍵を具備し得る。例えば、フィラーパケットのパターンは、事前決定され得る。例えば、再構築されたデータストリームは、以下の通り、すなわち、1Kbデータ、0.1Kbフィラー、1Kbデータ、0.3Kbフィラー、1Kbデータ、0.8Kbフィラーであり得る。このパターンは、解読目的のために、フィラーパケットのためのデータサイズのシーケンスを示す、0.1-0.3-0.8として識別され得る。フィラーパケットサイズも、所定のシーケンス、例えば、フィボナッチ数列または他のパターン化されたシーケンスによって定義され得る。いくつかの実施形態において、データストリームフィラーパケットサイズパターンが、生物系に関してDNAでエンコードされる開始および停止転写命令と同様に、ストリーム内の開始および停止点をエンコードするために使用される。例えば、パケットのシーケンスが、所定の「コード」に合致するファイルサイズパターンを有するとき、受信側は、後続のデータパケットを解読し始めるため、または他のアクションを講じるための命令としてシーケンスを識別し得る。フィラーパケットサイズまたはフィラーパケットサイズシーケンスはまた、読み取りを開始する、読み取りを停止する、スキップする、送信/受信アルゴリズムを変更する、既存のデータを上書きする、システムリセット、工場設定に戻す、新しいデバイスとペアリングする、デューティサイクルを変更する、シャットダウン等のメタ命令を通信するために使用され得る。
【0256】
いくつかの実施形態において、データは、暗号化され、コンポーネントパケットに分割される。これらのパケットは、次いで、並べ替えられ、伝送のためにデータストリームに組み立てられる。いくつかの実施形態において、受信側は、並べ替え方式(例えば、第1の1Kb、第3の1Kb、第2の1Kb等)の予備知識を有し得る。いくつかの実施形態において、データは、暗号化され、理解不可能な情報の不完全なブロックに分割され、受信側が暗号化されたデータパケットの再構築のために要求される時間遅延シーケンスの予備知識を有する状態で、時間遅延間隔において送信される。いくつかの実施形態において、盗聴システムが、時間遅延により、おそらく、データストリームの必要な部分を聞き逃すであろう、またはデータパケットが再構築のための識別マーカまたはパターンを有していないであろうため、そのような盗聴システムがデータストリームを解釈することができないであろうのいずれかであるため、この並べ替え方式は、基礎的データの初期暗号化を伴わずに使用され得る。デバイス使用要件に応じて、時間遅延は、数ピコ秒程度と短い、または数週間程度と長くあり得る。この伝送遅延は、患者が1日および1週間の全体を通して自宅および町を動き回るため、特に、埋め込み型デバイスでは、保護となり得る。したがって、盗聴観察デバイスまたはシステムが、観察側が時間遅延アルゴリズムを把握していた場合でさえも、それを構築するために十分なデータストリームを受信するように十分に近接近するであろう可能性は、ますます低くなる。
【0257】
伝送されたデータが、埋め込み型デバイス400から送信されるにつれて、データ伝送のタイミングも、患者の身体的または生理学的状態によって決められ得る。例えば、患者が、走っている、静止して立っている、眠っているような具体的な身体的状態である間、または患者が、低血糖、低素飽和度、低血球数のような特殊な生理学的事象を被っている間のみ、データを送信することが有利であり得る。前者の場合、データ伝送セキュリティが、患者の予測不可能な挙動に起因して、少なくとも部分的に改良され、伝送も、このように患者によって制御されることができる。例えば、患者は、数分間走り、データ伝送を開始することを選定してもよく、短距離通信(例えば、Bluetooth(登録商標) low energyは、約30フィートの伝送範囲を有する)に依拠する実施形態において、患者の移動が、任意の近傍の盗聴デバイスの範囲外に患者を出すことによってセキュリティを向上させるであろう。いくつかの実施形態において、生理学的にトリガされるデータ伝送は、例えば、患者が、埋め込み型デバイス400の内蔵感知要素によって検出されるような糖尿病、喘息、または外傷事象を被る場合、患者データの完全なセットを伝送することによって、追加の患者安全対策または緊急アラートとしての役割を果たすことができる。
【0258】
いくつかの実施形態において、追加のデータ難読化が、インターネットベースのブロックチェーンレジストリ(例えば、Ethereum)を通して、理解不可能な情報の不完全なブロックを散乱させることによって、達成されることができる。そうする際に、データは、遠隔受信機によって読み出され、所定の方式またはアルゴリズムで導出された解釈方法論に基づいて解釈され得る。いくつかの実施形態において、コンポーネントパケットは、連続的に、または並行して、異なる遠隔コンピューティングデバイスに送信されることができる。これらのコンポーネントパケットは、次いで、後に、再組立および解読のために、中央コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイスの群に再伝送され得る。
【0259】
データ解析方式およびデータストリーム再構築の解釈を管理するために、ペアリングされたデバイスは、解析されたデータパケットの開始および終了において認証ソフトウェアまたは認証コードを使用し得る。いくつかの実施形態において、人工知能が、送信デバイスが新しいデータ解析方式を自律的に生成するため、および着信データのための方式を解釈する方法を受信デバイスに教えるために、採用され得る。このように、繰り返しの往復通信を通して、ペアリングされた送信機および受信機は、これらのペアリングされたデバイスのみに把握されている一意の言語、または通信の「スラング」形態を進化させ、それによって、各連続通信をより曖昧にし、ペアリングされていないデバイス、リーダ、システム、またはオブザーバが解釈することをより困難にすることができる。例えば、そのような様式では、伝送デバイスは、第1の技法に従って(例えば、第1のパターンに従って、散在されたフィラーパケットを使用して)生理学的データを難読化し、難読化されたデータを遠隔コンピューティングデバイスに送信し得る。続いて、伝送デバイスは、第1の技法と異なる第2の技法に従って(例えば、第2のパターンに従って、散在されたフィラーパケットを使用して)さらなる生理学的データを難読化し、難読化解除のために難読化されたデータを遠隔コンピューティングデバイスに送信し得る。経時的に難読化技法を変動させることによって、傍受する当事者(例えば、中間者攻撃を使用するエンティティ)が難読化されたデータを解読することが困難である。
【0260】
通信セキュリティシステムを自律的に進化させることの例は、埋め込み型デバイス400および照会デバイス450を伴う。2つのデバイスは、同一の初期通信難読化方式を用いてプログラムされ得る。埋め込み型デバイス400および照会デバイス450をペアリングするプロセスは、2つのデバイスが、(例えば、フィラーパケットのパターン、時間遅延シーケンス、または難読化方式の他のそのようなパラメータを進化させることによって)それらの通信方式の自律的進化を開始するための命令を含む。通信進化は、ペアリングされたデバイスが、それらの言語を任意の他のデバイスと迅速に区別するために、迅速に反復するようにプログラムされ得る。一実施形態において、ペアリングされたデバイスはまた、ペアリングされていないデバイスとの通信のためにそれらの「ネイティブ」発信言語を留保する。いくつかの実施形態において、ペアリングされたデバイスは、それらのオリジナル言語を留保せず、ペアリングされていないデバイスがそれらと通信することを不可能にする。本実施形態において、ペアリングされたデバイスは、ハードリセットを実施し、全てのデータおよびデータ通信方式を消去することによってのみ、再プログラムされ得る。リセットに応じたデータ消去は、追加セキュリティ対策としての役割を果たすであろう。しかしながら、代替実施形態において、デバイスは、データ通信方式を消去することなく、および/または記憶されたデータを消去することなく、リセットされ得る。本実施形態は、初期デバイス研究および開発、およびより低いレベルのセキュリティが容認可能であるときのペアリングされたデバイスの使用を促進し得る。
【0261】
いくつかの実施形態において、セキュアなデータ伝送が、誘導結合等の埋め込み型デバイス400と照会デバイス450との間の直接無線通信を通して達成される。本超短距離通信は、例えば、はるかに長い範囲を有するBluetooth(登録商標)通信よりも意図されていない受信側によって傍受される可能性がはるかに低い。本実施形態において、埋め込み型デバイス400のコイル408は、照会デバイスのコイル456と誘導結合され、2つが超短距離直接無線通信を介して通信することを可能にする。本実施形態において、データは、振幅変調および/または周波数変調方式を利用して、埋め込み型デバイス400のコイル408を駆動する交流電流にエンコードされ得る。
結論
【0262】
実施形態の多くが、血管アクセスデバイスのための無線充電、位置特定、およびデータ通信のためのシステム、デバイス、および方法に関して上記に説明されるが、本技術は、他のタイプの埋め込み型医療デバイス(例えば、ペースメーカ、埋め込み型心臓除細動器(ICD)、深部脳刺激装置、インスリンポンプ、整形外科デバイス、および肺動脈圧モニタ等の監視デバイス)等の他の用途および/または他のアプローチに適用可能である。加えて、本技術は、他の無線充電、位置特定、またはセキュアなデータ通信技法に適用され得る。さらに、本明細書に説明されるものに加えた他の実施形態も、本技術の範囲内に該当する。加えて、本技術のいくつかの他の実施形態は、本明細書に説明されるものと異なる構成、コンポーネント、または手順を有することができる。当業者は、したがって、故に、本技術が、追加の要素を伴う他の実施形態を有し得ること、または本技術が、
図1-9Bを参照して上記に示され、説明される、いくつかの特徴を伴わずに他の実施形態を有し得ることを理解するであろう。
【0263】
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、包括的であること、または本技術を上記に開示される精密な形態に限定することを意図していない。文脈が許容する場合、単数形または複数形の用語はまた、それぞれ、複数形または単数形の用語も含み得る。本技術の具体的実施形態および例が、例証目的のために上記に説明されるが、当業者が認識するであろうように、種々の同等の修正が、本技術の範囲内で可能である。例えば、ステップが、所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを実施し得る。本明細書に説明される種々の実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するように組み合わせられ得る。
【0264】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別様に決定付けない限り、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値も、具体的に開示されることを理解されたい。記述される範囲内の任意の記述される値または介在値と、その記述される範囲内の任意の他の記述される値または介在値との間の各より小さい範囲が、本開示内に包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して範囲に含まれ、または除外され得、いずれか一方の限界がより小さい範囲に含まれる、いずれも含まれない、または両方が含まれる、各範囲も、記述される範囲内の任意の具体的に除外された限界を受けて、本開示内に包含される。記述される範囲が、限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか一方または両方を除外する範囲も、本開示に含まれる。
【0265】
さらに、用語「または」が、2つ以上の項目のリストを参照して、他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明示的に限定されない限り、次いで、そのようなリスト内の「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の項目の全て、または、(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されることになる。加えて、用語「~を備えている」は、任意のより多数の同一の特徴および/または追加のタイプの他の特徴が除外されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するために、全体を通して使用される。また、具体的実施形態が、例証の目的のために本明細書に説明されているが、種々の修正が、本技術から逸脱することなく行われ得ることも理解されたい。さらに、本技術のある実施形態に関連付けられる利点が、それらの実施形態との関連で説明されているが、他の実施形態はまた、そのような利点を呈し得、全ての実施形態が、必ずしも本技術の範囲内に該当するためにそのような利点を示す必要があるわけではない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明示的に示されない、または説明されない、他の実施形態を包含することができる。
【国際調査報告】