(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】シャワー付き便器のスプレーノズルの自動的な消毒
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20220112BHJP
E03D 9/08 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
E03D9/00 C
E03D9/08 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528991
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2019080831
(87)【国際公開番号】W WO2020104229
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】102018129626.6
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アヒム ミールケ
(72)【発明者】
【氏名】オーラフ シュナイダー
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038JA05
2D038JC00
2D038ZA03
(57)【要約】
本発明は、シャワー付き便器(1)であって、本体空間(3)を取り囲む便器本体(2)と、本体空間(3)内に配置されるスプレーノズル(5)を有するスプレー装置(4)とを備え、スプレーノズル(5)は、休止位置(6)および使用位置(7)をとるように配置かつ構成されている、シャワー付き便器(1)に関する。本発明は、さらに、この便器を作動させるための方法と、このシャワー付き便器の使用とに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー付き便器(1)であって、便器構成要素として、
a.本体空間(3)を取り囲む便器本体(2)と、
b.前記本体空間(3)内に配置されるスプレーノズル(5)を有するスプレー装置(4)と、
を備え、
前記スプレーノズル(5)は、休止位置(6)および使用位置(7)をとるように配置かつ構成されており、
前記スプレー装置は、給水路(8)と消毒剤供給路(9)とを備え、
前記スプレーノズル(4)が休止位置(6)をとっている間、前記消毒剤供給路(9)を介して消毒剤が圧送可能である、
シャワー付き便器(1)。
【請求項2】
前記消毒剤供給路(9)は消毒剤圧送器(10)を有する、請求項1記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項3】
前記消毒剤圧送器(10)はポンプである、請求項2記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項4】
前記給水路(8)と前記消毒剤供給路(9)とは、混合器(11)を介して前記スプレーノズル(5)に接続されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項5】
前記消毒剤供給路(9)は、消毒剤出口(12)に開口しており、該消毒剤出口(12)は、前記スプレーノズル(5)に隣り合って配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項6】
前記給水路(8)または前記消毒剤供給路(9)または両者が、プラスチックホースを有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項7】
前記スプレーノズル(5)は、前記使用位置(7)において前記休止位置(6)よりも前記本体空間(3)内に突出している、請求項1から6までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項8】
前記消毒剤供給路(9)は、消毒剤タンク(13)に接続されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)。
【請求項9】
便器を作動させるための方法であって、
a.請求項1から8までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)を提供するステップと、
b.前記シャワー付き便器を建物内で作動させるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
衛生状態を改善するための、請求項1から8までのいずれか1項記載のシャワー付き便器(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー付き便器、便器を作動させるための方法ならびにシャワー付き便器の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデ機能を有する便器は以前から知られていて、使用されている。この場合、便器は、使用者の下腹部を洗浄するための少なくとも1つのシャワーを付加的に具備しており、このシャワーが、略してビデと呼ばれることがよくある。例えば、操作に関して云うと、ビデのモータ可動式のシャワーアームが本体空間内へと前進し、シャワー水噴流を上方に向け、機能後に後退することができる。多くの場合、このようなシャワー装置は更なる装置、例えば、ボイラまたはフローヒータといった温水供給器、送風装置、シャワーアーム洗浄装置等を具備している。
【0003】
通常、従来のシャワーアーム洗浄装置はフラッシング水ホースを有している。シャワーアームが後退した状態にある場合、このフラッシング水ホースによってフラッシング水がシャワーアームの端面に接線方向で適用され、これによって、シャワーアームが洗浄される。このような従来のシャワーアーム洗浄装置は、例えば独国実用新案第202012001170号明細書に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、本発明の課題は、先行技術から明らかである欠点を少なくとも部分的に克服することである。本発明の課題は、特に、洗浄機能を有するスプレーノズルを備えたシャワー付き便器において衛生状態を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも1つの課題の少なくとも部分的な実現には、独立請求項が寄与する。従属請求項は、少なくとも1つの課題の少なくとも部分的な実現に寄与する好ましい実施形態を提供する。
【0006】
本発明による少なくとも1つの課題の実現には、シャワー付き便器であって、便器構成要素として、
a.本体空間を取り囲む便器本体と、
b.本体空間内に配置されるスプレーノズルを有するスプレー装置と、
を備え、
スプレーノズルは、休止位置および使用位置をとるように配置かつ構成されており、好適には、スプレーノズルは、使用位置において休止位置よりも本体空間内に突出しており、
スプレー装置は、給水路と消毒剤供給路とを備え、
スプレーノズルが休止位置をとっている間、消毒剤供給路を介して消毒剤が圧送可能である
シャワー付き便器が寄与する。
【0007】
本発明によるシャワー付き便器は、先行技術に基づき公知の、シャワーアームの洗浄機能を有するシャワー付き便器に比べて、休止位置において、シャワーアーム(スプレーノズル)に清潔なフラッシング水だけでなく、付加的に消毒剤もスプレーされ、これによって、シャワーアームが洗浄される点で優れている。この理由から、スプレー装置は、先行技術に基づき公知の給水路に加えて、付加的に消毒剤供給路を備えており、スプレーノズルが休止位置をとっている間、消毒剤供給路を介して消毒剤を圧送することができる。
【0008】
基本的には、スプレーノズルを洗浄するために提供される水と、消毒剤とは、互いに別個に別々の出口を介してスプレーノズルの端面に適用されてよい。この場合、スプレー装置は、それぞれスプレーノズルの端面に隣り合って、別個の水出口と、別個の消毒剤出口とを有しており、これら両出口を介して両液体が、洗浄または消毒の目的のために、スプレーノズルに同時にまたは連続して送給される。これに対して、スプレーノズルを洗浄するために提供される水と、消毒剤とが、予め混合された後にスプレーノズルの端面に適用されることが好ましい。この場合、スプレー装置は、スプレーノズル端面に隣り合った1つの出口を有しており、この出口を介して、水と消毒剤とから成る混合物が、洗浄または消毒の目的のために送給される。
【0009】
本発明によるシャワー付き便器の好ましい実施形態によれば、消毒剤供給路が消毒剤圧送器を有している。この消毒剤圧送器は、例えばポンプである。このようなポンプによって、消毒剤を給水路と別個にスプレー装置に圧送し、次いで、有利には、別体の混合装置内での、スプレーノズルを洗浄するために適用される水との混合後、これら構成成分を混合物の形態でスプレーノズルの端面に外側から適用することが可能となる。したがって、本発明によるシャワー付き便器のこの特別な実施形態に関連して、給水路と消毒剤供給路とが、混合器を介してスプレーノズルに接続されていることが特に好ましい。
【0010】
消毒剤をスプレー装置に圧送する別体のポンプの使用のほかに、消毒剤は、サクションジェットによって給水路を介してスプレー装置に圧送されてもよい。この場合、スプレーノズルを洗浄するために適用される水を供給する管路は、サクションジェットポンプとして機能する。
【0011】
さらに、本発明によれば、消毒剤供給路が消毒剤タンクに接続されていることが好ましい。
【0012】
消毒剤を外側からスプレーノズルに適用するために、消毒剤供給路が消毒剤出口に開口しており、消毒剤出口が、好適には、スプレーノズルに隣り合って配置されている。前述したように、スプレーノズルを洗浄するために提供される水と、消毒剤とが、予め混合物としてスプレーノズルに適用される場合には、消毒剤出口が、水と消毒剤とから成る混合物を外側からスプレーノズルに適用する出口に相当している。
【0013】
さらに、本発明によれば、給水路または消毒剤供給路または両者がプラスチックホースを有していることが好ましい。
【0014】
本発明による少なくとも1つの課題の実現には、便器を作動させるための方法であって、
A.本発明によるシャワー付き便器を提供するステップと、
B.シャワー付き便器を建物内で作動させるステップと、
を含む方法も寄与する。
【0015】
本発明による少なくとも1つの課題の実現には、衛生状態を改善するための、本発明によるシャワー付き便器の使用も寄与する。
【0016】
本発明を以下に実施例および図面によってより詳細に説明する。なお、実施例および図面は本発明の限定を意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】スプレーノズル5が使用位置7にある本発明によるシャワー付き便器1を示す図(上図)およびスプレーノズル5が休止位置6にある本発明によるシャワー付き便器1を示す図(下図)である。
【
図2】シャワー付き便器から取り外された、洗浄機能を有するスプレー装置4の側面図である。
【
図3】
図2に示された洗浄機能を有するスプレー装置4を上方からスプレーノズル5の端面に向かって見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、スプレーノズル5が使用位置7にある本発明によるシャワー付き便器1(上図)と、スプレーノズル5が休止位置6にある本発明によるシャワー付き便器1(下図)とを示す。シャワー付き便器は、本体空間3を有する便器本体2を備えており、本体空間3内にスプレーノズル5が使用位置7で突出している(
図1上図)。休止位置6では、スプレーノズル5は便器本体3内にほぼ完全に引き込まれている(
図1下図)。このシャワー付き便器はその基本配置形態において、先行技術に基づき公知の洗浄機能を有するシャワー付き便器に相当している。
【0019】
図2は、シャワー付き便器から取り外された、洗浄機能を有するスプレー装置4の側面図を示す。このスプレー装置4は、休止位置7にある管状のかつ摺動可能に配置されたスプレーノズル5を備えている。給水路8を認めることができ、この給水路を介して水がスプレー装置4内に流入し、これによって、このスプレー装置4内でスプレーノズル5が端面において出口12(
図3参照)を介して洗浄される。消毒剤が、消毒剤タンク13から消毒剤供給路9を介してスプレー装置4内に供給される。
図2に示したように、フラッシング水の、サクションジェットポンプとして機能する管路を介した消毒剤の供給が行われる。こうして得られた、水と消毒剤とから成る混合物が、消毒剤出口12(
図3参照)を介してスプレーノズル5の端面に適用され、これによって、この端面が外側から洗浄され、特に消毒もされる。また、消毒剤を別体のポンプ(
図2には示さず)を介して圧送し、場合により別個の別の出口(同様に
図2には示さず)を介して水とは別々にスプレーノズル5の端面に適用することも可能である。さらに、スプレー装置4の本体空間3寄りの端部にカバー14が設けられていてよい。このカバー14は閉じられている。すなわち、カバー14は、スプレーノズル5が休止位置にある場合には、本体空間3と実質的に同一平面を成している。
【0020】
図3は、
図2中に太字で印刷された矢印でもってカバー14により閉じられたスプレー装置4の領域の平面図である。カバー14が閉じられている場合には、ノズル5のノズル出口16と、消毒剤出口12とを有するクリアランスチャンバ15が形成される。
【符号の説明】
【0021】
1 シャワー付き便器
2 便器本体
3 本体空間
4 スプレー装置
5 スプレーノズル
6 休止位置
7 使用位置
8 給水路
9 消毒剤供給路
10 消毒剤圧送器
11 混合器
12 消毒剤出口
13 消毒剤タンク
14 カバー
15 フラッシングチャンバ
16 ノズル出口
【国際調査報告】