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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ガス充填弾性体とその使用
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/02 20060101AFI20220112BHJP
   F16F 9/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F16K7/02 Z
F16F9/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529484
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2019082641
(87)【国際公開番号】W WO2020109340
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】2022072
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509103532
【氏名又は名称】ディスペンシング・テクノロジーズ・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Dispensing Technologies B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パウロ・ナーヴォ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ヴァン・メリック
(72)【発明者】
【氏名】ドミニクス・ヤン・ヴァン・ヴェイク
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA09
3J069AA30
3J069AA69
(57)【要約】
ガス充填弾性体のさまざまな使用が開示されている。ガス充填弾性体は、バルブ部材、ばね、またはガス推進ディスペンサとして使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ部材としてのガス充填弾性体の使用。
【請求項2】
前記ガス充填弾性体は、前記ガス充填弾性体の変形時に開く常時閉型バルブの一部である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記ガス充填弾性体がバルブハウジング内に嵌合して配置され、前記ガス充填弾性体の変形が前記バルブハウジングの流入開口部と流出開口部との間の流路の遮断を解除する、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記ガス充填弾性体が、前記バルブを通して分注される流体の圧力の増加によって変形する、請求項2または3に記載の使用。
【請求項5】
前記ガス充填弾性体が操作部材によって機械的に変形される、請求項2~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
ばねとしてのガス充填弾性体の使用。
【請求項7】
前記ガス充填弾性体は、所定のばね特性を有するように構成される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
複数のガス充填体が組み合わされて、前記所定のばね特性を提供する、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記ガス充填弾性体は、前記所定のばね特性を提供するために組み合わされる複数のチャンバを含む、請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
ガス推進ディスペンサとしてのガスで部分的に満たされた弾性体の使用であって、前記弾性体は、ガスおよび分注される材料で満たされている使用。
【請求項11】
分注される材料が液体または粒子状材料である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記材料は、前記弾性体を貫通することによって分注される、請求項10または11に記載の使用。
【請求項13】
バルブハウジングおよびその中に嵌合して配置されたガス充填弾性体を含むバルブ。
【請求項14】
前記バルブハウジングは、流入開口部および流出開口部を有し、前記ガス充填弾性体は、前記流入開口部と前記流出開口部との間の流路を遮断するように配置される、請求項13に記載のバルブ。
【請求項15】
前記ガス充填弾性体と係合可能であり前記ガス充填弾性体を変形させて、前記流路が解放される作動部材をさらに備える、請求項14に記載のバルブ。
【請求項16】
前記バルブハウジングは、前記ガス充填弾性体に所定の圧力を加えるように可変である内部容積を有する、請求項13~15のいずれかに記載のバルブ。
【請求項17】
ばねハウジングと、当該ハウジングが膨張または収縮することを可能にするように当該ハウジングの中に配置されたガス充填弾性体と、を備えるばね。
【請求項18】
前記ガス充填弾性体は、所定のばね特性を有するように構成される、請求項17に記載のばね。
【請求項19】
前記所定のばね特性を提供するように前記ばねハウジング内に複数のガス充填体が配置されている、請求項18に記載のばね。
【請求項20】
前記ガス充填弾性体は、前記所定のばね特性を提供するように前記ばねハウジング内に配置された複数のチャンバを含む、請求項18または19に記載のばね。
【請求項21】
分注される液体を加圧するための手段と、手動で操作可能なバルブによって閉じられるアウトレット開口部と、ガス充填弾性体であって、当該加圧手段と当該アウトレットとの間の緩衝ハウジングに配置されて当該バルブが手動で開くまでガス充填弾力性体を圧縮することにより、ハウジング内の加圧された液体を緩衝するガス充填弾性体と、を含む急速作用分注装置。
【請求項22】
分注装置であって、アウトレット開口部を有するハウジングと、ガスで部分的に満たされ、部分的に分注される材料で満たされた弾性体と、当該材料がガスにより押し出されることを可能にするために弾性体を貫通するための貫通部材とを含み、前記貫通部材と前記弾性体が互いに対して可動である、分注装置。
【請求項23】
前記貫通部材がチューブ状であり、前記アウトレット開口部を介して延在する、請求項22に記載の分注装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性中空体であって、中空体内に内部ガス圧力を確立するために圧縮ガスで少なくとも部分的に充填された弾性中空体に関する。特に、本発明は、そのような弾性のあるガス充填体を使用する様々な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明で使用するための弾性のあるガス充填体は、チューブがガスで満たされた後に端部が閉じられた単層または多層の押出しチューブであり得る。或いは、弾性体は、単層の箔または箔ラミネートで製造することができる。弾性体は、射出成形またはブロー成形によっても製造することができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、ガス充填弾性体(ガスが充填された弾性体)がバルブ部材として使用される。充填されるガスの圧力に支えられたガス充填弾性体の弾性の結果として、そのようなバルブ部材は、負荷がかかっていないときは常に初期状態に戻る。このようにして、バルブ部材は、別個の戻り機構を必要とせずに使用され得る。さらに、ガス充填弾性体は、例えばPEまたはPPのような容易にリサイクルすることができるプラスチックで製造することができる。一方、従来のバルブは、多くの場合、POMなどのよりエキゾチックなプラスチックや金属で製造されている。これはリサイクルの問題を引き起こす。
【0004】
一実施形態では、ガス充填弾性体は、ガス充填弾性体の変形時に開く常時閉型バルブの一部であり得る。そのような常時閉型バルブは、例えば材料分注(材料ディスペンサ)のために特に有用である。
【0005】
さらなる発展において、ガス充填弾性体がバルブハウジング内に嵌合して配置され得、ガス充填弾性体の変形がバルブハウジングの流入開口部と流出開口部との間の流路の遮断を解除し得る。ガス充填弾性体は、例えば、バルブシート(弁座)から持ち上げるか、バルブハウジングの壁から離れるように促して、流入開口部と流出開口部の間の流体の流れを可能にする。
【0006】
一実施形態では、ガス充填弾性体は、バルブを通して分注される流体の圧力の増加によって変形され得る。この圧力上昇は、例えば分注操作における、流体の意識的な加圧によるものか、またはバルブが過圧バルブとして機能した場合における、望ましくないことであり得る。
【0007】
別の実施形態では、ガス充填弾性体が操作部材によって機械的に変形され得る。たとえば、ユーザーはボタンまたはレバーを操作してバルブを開くことができる。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、ガス充填弾性体はばねとして使用される。上述のように、弾性体は、充填されるガスの圧力によって支えられて、常に初期状態に戻ろうとし、これは、ばねとして機能するのに理想的である。
【0009】
ばねの一実施形態では、ガス充填弾性体は、所定のばね特性を有するように構成され得る。例えば、ガス充填弾性体は、円錐ばねが形成されるように、予想される荷重の方向に変化する断面積を有し得る。
【0010】
さらなる実施形態では、複数のガス充填体が組み合わされて、所定のばね特性を提供し得る。例えば、いくつかの多少の同一のガス充填体を積み重ねて、個々のガス充填弾性体よりも高いばね定数を有するばねを形成することができる。
【0011】
代替的または追加的に、ガス充填弾性体は、所定のばね特性を提供するために組み合わせることができる複数のチャンバを含み得る。例えば、一連の多少の同一のチャンバを有するガス充填弾性体は、折り畳まれて、チャンバのスタックを形成することができる。
【0012】
第3の態様によれば、本発明は、ガス推進ディスペンサとしての部分的にガスで満たされた弾性体の使用に関し、弾性体は、ガスおよび分注される材料で満たされている。このようにして、構造的に単純なディスペンサが得られ、これは低コストで製造することができる。さらに、そのようなディスペンサは、材料が分注されるときにベントを必要とせず、推進剤ガスは、分注される材料の均一な分布を保証する。
【0013】
一実施形態では、分注される材料は、液体または粒子状材料であり得る。このような材料は、弾性体内の加圧ガスによって弾性体から簡単に排出できる。
【0014】
さらなる実施形態では、材料は、前記弾性体を貫通することによって分注され得る。このように、ディスペンサはバルブを必要としないため、1回の使用に適している。
【0015】
本発明はさらに、バルブハウジングとその中に嵌合して配置されたガス充填弾性体とを備え得るバルブに関する。
【0016】
一実施形態では、バルブハウジングは、流入開口部および流出開口部を有し得、ガス充填弾性体は、流入開口部と流出開口部との間の流路を閉鎖するように配置され得る。
【0017】
さらなる実施形態では、バルブは、ガス充填弾性体と係合可能でありガス充填弾性体を変形させて、流路が解放される操作部材をさらに備え得る。
【0018】
さらに別の実施形態では、バルブハウジングは、ガス充填弾性体に所定の圧力を加えるように可変である内部容積を有し得る。このように弾性体の内部の圧力を調整することにより、バルブにプレテンションを加え(pre-tensioned)または付勢することができ、開くためにより高いまたはより低い圧力が必要になる。
【0019】
本発明はまた、ばねに関し、当該ばねは、ばねハウジングと、ハウジングが膨張または収縮することを可能にするように当該ばねハウジングの中に配置されたガス充填弾性体とを含み得る。ハウジングは、可撓性であり得るか、または、互いに対して移動可能である2つ以上の部品からなり得る。
【0020】
一実施形態では、ガス充填弾性体は、所定のばね特性を有するように構成することができる。
【0021】
さらなる発展において、複数のガス充填体を、所定のばね特性を提供するようにばねハウジング内に配置することができる。
【0022】
代替的または追加的に、ガス充填弾性体は、所定のばね特性を提供するようにばねハウジング内に配置され得る複数のチャンバを含み得る。
【0023】
本発明はさらに、急速作用分注装置に関し、急速作用分注装置は、分注される液体を加圧するための手段、手動で操作可能なバルブによって閉鎖されるアウトレット開口部、および加圧手段とアウトレットとの間の緩衝ハウジング内に配置されたガス充填弾性体を含み得、バルブが手動で開かれるまでガス充填弾性体を圧縮することにより、ハウジング内の加圧された液体を緩衝する。このような装置の緩衝としてガス充填弾性体を使用することにより、液体を加圧し、次に液体が分注される瞬間まで加圧下で保存することにより、液体を分注する準備を行うことができる。これは、分注中に液体を加圧する機会がない状況で、例えば液体を体内に注入する必要がある場合、有利であり得る。さらに、このようにして、液体が分注される圧力は、プランジャーを操作するユーザーによって液体が分注される通常の分注装置よりも一貫性があり、ユーザー依存性が少ない。
【0024】
本発明はまた、分注装置に関し、当該分注装置は、アウトレット開口部を有するハウジングと、ガスで部分的に充填され、分注される材料で部分的に充填された弾性体と、弾性体を貫通して材料がガスによって押出されるようにする貫通部材とを備え、貫通部材と弾性体が互いに対して可動である。分注される材料がその推進剤であるガスとともに弾性体に詰め込まれているこのような分注装置は、即座に使用できる状態になっている。さらに、そのような分注装置は、構造的に単純で低コストであり得る。ハウジングは、弾性体を囲むことができ、または弾性体の一部に接続することができる。貫通部材は可動であり、弾性体は静止していてもよく、またはその逆であってもよい。
【0025】
この分注装置の一実施形態では、貫通部材はチューブ状であり得るし、アウトレット開口部を通って延在することができる。貫通部材は、例えば、弾性体の反対側の端に鋭い先端を有することができる中空の針であり、体の皮膚を通して材料を注入するために使用することができる。
【0026】
上記の本発明のすべての実施形態において、ガス充填弾性体は、実質的に円筒形であり得るか、または、回転体であり得、例えば、環状体(toroid)(「ドーナツ」)またはレンズ状体である。いくつかの実施形態では、ガス充填弾性体は、実質的に円形の断面を有しながら、側面図で円錐形または「クリスマスツリー」形状であり得る。
【0027】
ここで、本発明は、添付の図面を参照して、いくつかの例示的な実施形態によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1Aおよび1Bは、本発明の実施形態による、チューブから作製されたガス充填弾性体の正面図および側面図をそれぞれ示す。
図2図2Aおよび2Bは、本発明の別の実施形態による、チューブから作製されたガス充填弾性体の正面図および側面図をそれぞれ示す。
図3図3Aおよび3Bは、本発明のさらに別の実施形態による、チューブから作製されたガス充填弾性体の正面図および側面図をそれぞれ示す。
図4図4A~4Cは、本発明の実施形態による、2層のシート材料から作製されたガス充填弾性体の垂直な方向からの側面図および上面図をそれぞれ示す。
図5図5A~5Cは、本発明の別の実施形態による2層のシート材料から作製されたガス充填弾性体の、図4A~4Cに対応する図を示す。
図6図6A~6Cは、2層のシート材料から作製されたガス充填弾性体のさらに別の実施形態の、図5A~5Cおよび図4A~4Cに対応する図を示す。
図7図7は、ブロー成形または液圧成形(ハイドロフォーミング)によって局所的に広げられた、実質的に円筒形のガス充填弾性体の側面図である。
図8図8は、本発明の実施形態による、図7のガス充填弾性体をバルブ部材として含む可変容積バルブの縦断面図である。
図9図9は、図8に対応する図であり、ガス弾性体の内部の圧力およびバルブの開放圧力を低減するためにその内部容積が増加された後のバルブを示す。
図10図10は、本発明の別の実施形態による、図3のガス充填弾性体をバルブ部材として含むバルブの縦断面図である。
図11図11は、本発明の実施形態による、図5のガス充填弾性体をバルブ部材として含む過圧バルブの縦断面図である。
図12図12は、図5と同じガス充填弾性体をバルブ部材として含む、本発明による別のバルブの縦断面図である。
図13図13Aおよび13Bは、本発明のさらに別の実施形態による予圧縮緩衝バルブの縦断面図であり、図3のガス充填弾性体をバルブ部材として含み、バルブがそれぞれ閉位置および開位置にあることを示している。
図14図14Aおよび14Bは、図3のガス充填弾性体に基づくアウトレットバルブを含む本発明の実施形態による分注装置の縦断面図であり、それぞれ、閉位置および開位置にあるバルブを示している。
図15図15Aおよび15Bは、バルブが開く圧力を調整するために可変容量を備えたバルブハウジングを有する図14の分注装置の変形例の縦断面図である。
図16図16Aおよび16Bは、本発明のさらに別の実施形態による、曲がった形状の図1のガス充填弾性体をバルブ部材として含むバルブの縦断面図であり、それぞれ、閉位置および開位置にあるバルブを示す。
図17図17A~17Cは、本発明の実施形態による、図3のガス充填弾性体を緩衝部材として有する急速作用分注装置の縦断面図であり、それぞれ、静止位置、緩衝部材を変形させる加圧液体を有する待機位置、および分注中を示す。
図18図18A~18Cは、本発明のさらに別の実施形態による、図5のガス充填弾性体をバルブ部材として含む計量過圧バルブの縦断面図であり、それぞれ、閉位置、バルブハウジングは液体で満たされている中間位置、過圧を緩和するために外部部材を操作した後のバルブを示す。
図19図19Aおよび19Bは、本発明の実施形態による、容器として機能する図3の部分的にガスで満たされた弾性体を含む分注装置の縦断面図であり、それぞれ、待機位置、および分注中の装置を示す。図19Cは、分注装置の代替の実施形態の図19Aおよび19Bに対応する図である。
図20図20Aおよび20Bは、分注装置のさらなる実施形態の図19Aおよび19Bに対応する図であり、図20Cは、分注装置の分解図である。
図21図21Aおよび21Bは、本発明の実施形態によるアプリケータの縦断面図である。
図22図22Aおよび22Bは、本発明の実施形態による、図4の複数のガス充填弾性体をチャンバとして有するばねについての縦断面図および折り畳み状態の側面図をそれぞれ示す。
図23図23Aおよび23Bは、ばねハウジング内の図22のばねの側面図であり、それぞれ、非圧縮状態および圧縮状態で示す。
図24図24Aおよび24Bは、ばねを形成するために曲げられた形状の図1のガス充填弾性体の側面図であり、2段階の曲げを示す。
図25図25Aおよび25Bは、曲がった形状のガス充填弾性体をばねとして含むトリガー噴霧器機構の側面図である。
図26図26は、Cばねを形成するために可撓性支持部材によって湾曲した形状に保持された図1のガス充填弾性体の側面図であり、圧縮されていない状態と圧縮された状態の両方で示される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
チューブ状のガス充填弾性体1(図1)は、プラスチック材料から作られたチューブ2を提供し、それを第1の端部3で密封し、チューブ2を加圧ガスで満たし、次にそれを第1の端部3と反対側の第2の端部3で密封することによって製造され得る。チューブ2は、任意の適当なプラスチック材料から作製され得、例えばPE、PP、EVOH、(官能化)ポリオレフィン、または適当な特性を有するその他の材料など、異なる材料から作製された複数の層を含み得る。当該適当な特性としては、バリア特性、強度、弾力性などである。チューブ2は、押出成形、射出成形、またはシート材料の圧延および接合によって作製することができる。射出成形を使用する場合、試験管のように、チューブ2は底が閉じた状態で形成できる。その場合、チューブ2はすぐに満たされる可能性があり、一端だけを密封する必要がある。チューブ2は、チューブ2のいくらか外側に延びる単純な横方向接合4によって密封することができる。
【0030】
チューブ2の直径を接合で超えてはならない用途では、特殊なV字型の接合4を形成することができる(図2)。これにより、接合4の内側に向けられた形状のために、ガス充填弾性体1の有効体積がわずかに減少する。
【0031】
接合4がチューブ2の外側に延在するのを防ぐ別の方法は、チューブ2の直径を大きくすることである(図3)。
【0032】
チューブ状である代わりに、ガス充填弾性体1はまた、比較的平坦な形状を有し得る。例えば、ガス充填弾性体1は枕形状であり得る(図4)。このような枕形状は、図に示すように、2枚の材料を重ねてそれらの端全体に沿ってシールするか、1枚のシートを折りたたんで離れている端4に沿ってシールすることによって形成できる。端4を密封した後、枕を膨張させるためにガスを注入することができる小さな開口部が維持される。次に、この開口部もシールされる。
【0033】
枕は、任意の所望の形状を有することができ、例えば円形である(図5)。そのような円形の枕は、2つの円形のシートをそれらの周囲に沿ってシールすることによって形成することができる。
【0034】
別の実施形態では、シートは、それらの周辺だけでなく、それらの中心でも同様にシールされる。シールする前にまたは後に、材料シートの中央に穴5を形成することができ、その結果、加圧ガスを注入した後のガス充填弾性体1の最終形状は環状体(toroidal)(「ドーナツ」)である。
【0035】
チューブ状のガス充填弾性体1が出発点として使用される場合、これは、例えば局所的な膨らみまたはショルダ6を有する形状など、より複雑な形状にさらに形成され得、これは、特定の用途により効果的であり得る。このさらなる成形は、例えばブローまたはハイドロフォーミングによって行われ得る。
【0036】
ショルダ6を有するガス充填弾性体1は、調整可能な圧力アウトレットバルブ7(図8)のバルブ部材として使用することができる。このバルブ7は、ガス充填弾性体1を収容することができる空洞9を画定するバルブハウジング8を含む。バルブハウジング8は、流入開口部10および流出開口部11を有する。静止位置において、バルブ部材またはガス充填弾性体1は、流入開口10と流出開口部11との間の流路を遮断する。流体Fが、流入開口部10の側面で、ガス充填弾性体1内のガス圧力よりも高い圧力に達するとき、流体は、ガス充填弾性体1の周りの空洞9を通って流出開口部11から流入開口部10に流入する。空洞9を通過し、ガス充填弾性体1の周りを通過する間に、流体はガス充填弾性体1を圧縮して、流入開口部10から流出開口部11への流路を解放する。流体圧力が内部ガス圧を下回ると、弾性体1内のガス圧は、弾性体1が空洞9の壁に到達して流路を遮断するまで、体を再び膨張させる。
【0037】
この実施形態では、バルブ7は、調整可能な開放圧力、「クラッキング圧力(cracking pressure)」を有する。開放圧力の調整は、空洞9の体積を変化させることによって達成され、したがって、弾性体1内部のガスに作用する圧力を変化させる。空洞の体積が増加すると(図9)、弾性体1は膨張し得、また、弾性体内部のガス圧が低下し、バルブ7の開放圧力も低下する。一方、空洞9の容積が減少すると、弾性体内部のガス圧が上昇し、したがって、バルブ7の開放圧力、すなわち「クラッキング」圧力が上昇する。空洞9の容積は、バルブハウジング8の固定部分13に対してバルブハウジング8の可動端部12を伸長または収縮させることによって変化させることができる。2つの部品12、13は、それぞれねじ切りされ、一緒にねじ止めされ得る。
【0038】
代替の実施形態では、一定の開放圧力を有するバルブ7が提供される(図10)。この実施形態では、バルブハウジング8は、一端に流入開口部10を有し、反対端にキャップ14によって閉じられているチューブによって形成されている。空洞9は円筒形である。流出開口部11は、チューブ状バルブハウジング8の側壁の2つの端のほぼ中間に配置されている。この実施形態では、図3のガス充填弾性体1がバルブ部材として使用されている。
【0039】
別の実施形態では、図5のレンズ形状または円形の枕形状のガス充填弾性体1は、過圧バルブ7のバルブ部材として使用され、ガス充填弾性体1は、緩衝としても機能する。この実施形態では、バルブハウジング8は、内側部分13および外側部分12を有し、ガス充填弾性体1は、2つの部分12、13の間にそのシールされた端4で固定されている(図11)。内側部分13は、ガス充填弾性体1が適合する湾曲した壁15を有し、一方、外側部分12は、ガス充填弾性体1によって係合される流出開口部11を取り囲むバルブシート16を有する。流入開口部10に作用する流体圧力が所定の閾値を下回ったままである限り、ガス充填弾性体1をバルブハウジング8の内部部分13の湾曲した壁15から離れるように強制するのに機能するだけであり、その結果、ガス充填弾性体1は緩衝として機能する。流入開口部10に作用する流体圧力が閾値を超えると、ガス充填弾性体1は、流体がガス充填弾性体1に沿って流入開口部10から流出開口部11に流れることができる程度に変形する。このようにして一定量の流体が逃げると、流入開口部に作用する流体圧力が閾値を下回り、ガス充填弾性体1が初期形状に戻り、流出開口部11を閉鎖する。
【0040】
別の実施形態では、図5のレンズ形状のガス充填弾性体1は、二部形式のバルブハウジング8(図12)を有するバルブ7のバルブ部材として再び使用される。この実施形態では、流入開口部10および流出開口部11は、バルブハウジング8の内側部分13に互いに隣接して配置されている。外側部分12は、キャップとして形作られている。キャップ12とガス充填弾性体1との間の空間17は、所定の圧力に保たれ得るか、或いは、周囲圧力がガス充填弾性体1に作用するように、周囲と流体連通し得る。この実施形態は、流入開口部10に作用する圧力がガス充填弾性体1内のガス圧力を超えると、ガス充填弾性体1が変形する通常のアウトレットバルブとして機能する。流体圧力がガス圧力を下回るとすぐに、弾性体1はその初期形態を再開し、再び流入開口部10を閉鎖する。
【0041】
さらに別の実施形態では、ガス充填弾性体1は、予圧縮緩衝バルブ(pre-compression buffer valve)7(図13)のバルブ部材として機能する。バルブ7は、一方側端が壁18によって閉じられ、反対側端がキャップ14によって閉鎖可能な開口部を有するチューブ状バルブハウジング8を含む。ガス充填弾性体1を収容する空洞9は円筒形である。流入開口部10および流出開口部11の両方が、バルブハウジング8の側壁に配置される。この実施形態では、流入開口部10および流出開口部11は、バルブハウジング8の向かい合う端に配置され、バルブハウジング8の長手方向にオフセットされている。ポンプ19は、流入開口部10と流体連通しており、ポンプ圧力で流体を提供する(図13B)。ポンプ19によって供給される流体圧力がガス充填弾性体1内のガス圧力よりも低い限り、バルブ7は閉じたままである(図13A)。流体圧力がガス圧力を超えると、ガス充填弾性体1が変形し始める。第1の段階では、ガス充填弾性体1の変形は、圧力下で流体を貯蔵するための空間を空洞9内に単に作製する。流体圧力が増加し続けると、ガス充填弾性体1は、最終的に、流入開口部10と流出開口部11との間の空洞9内に流路が確立される程度まで変形する(図13B)。これがバルブ7が開く瞬間である。
【0042】
さらなる実施形態では、ガス充填弾性体1は、容器21の首20に配置されたアウトレットバルブ7のバルブ部材として使用される(図14)。この実施形態では、バルブハウジング8は、バルブハウジング8の底部で開いており、当該底部は容器21の内部と流体連通している。一方、流出開口部11は、バルブハウジング8の上部に形成されており、上部は周囲と流体連通している。この実施形態では、バルブ部材として使用されるのは、図3のチューブ状のガス充填弾性体1である。可撓性の壁を有する容器21が圧迫されると、容器21内の流体圧力は、ガス充填弾性体1内のガス圧を超える。その結果、ガス充填弾性体1は変形し、流体はガス充填弾性体1に沿って流出開口部11に向けて流れる。可撓性の壁がもはや圧迫されなくなると、容器21はその初期形状に戻り、したがって流体を引き戻し、容器21内の流体圧力を低下させる。この圧力低下により、ガス充填弾性体1は、元の形状に戻り、バルブハウジング7を通る流路を閉鎖する。
【0043】
さらなる実施形態では、図14の圧迫ボトルは、調整可能な圧力アウトレットバルブ7(図15)を備えていてもよい。この調整可能な圧力アウトレットバルブ7は、図8および図9のバルブと同様の方法で構成されている。すなわち、それは、バルブハウジング8の内部容積を増加または減少させるために伸長または収縮され得る可動端部12を有する。内部容積が最大化されると(図15A)、ガス充填弾性体1は膨張し、ガス圧が低下し得る。あるいは、端12を内側に動かして内容積を減少させると、弾性体1内のガス圧が上昇し、バルブ7の開放圧力、つまり「クラッキング圧力」が上昇する。図8、9に示されるように、端12は、バルブハウジング8の固定部分13にねじ締めされ、またねじ緩みされ得る。
【0044】
ガス充填弾性部材1の圧迫によって流路を作成する代わりに、他の形式の変形を使用して、ガス充填弾性体1がバルブ7のバルブ部材として機能することを可能にすることも考えられる。例えば、バルブ部材として曲がったガス充填弾性体1を使用する場合(図16)、バルブ7は、ガス充填弾性体1をさらに曲げることによって開くことができる。そのために、曲がったガス充填弾性体1は、二部形式のバルブハウジング8に配置することができ、ここで、下部13は流入開口部10を含み、上部12は流出開口部11を含む。上部12は、曲がったガス充填弾性体1の一部をクランプするためのチャンバ22を画定する(図16A)。図1または図3に示す形式のガス充填弾性体1は、初期状態に戻ろうとするため、このガス充填弾性体1の右側部分は、流入開口部10を取り囲むバルブシート23に押し付けられる。流入開口部10に作用する流体圧力が十分に高い場合、ガス充填弾性体1はさらに曲がり、したがってバルブシート23から離れて移動し、流入開口部10と流出開口部11との間の流路の遮断を解除する(図16B)。流体圧力が低下すると、ガス充填弾性体1は元の位置に戻り、流入開口部10を閉じる。
【0045】
別の実施形態では、図3に示される形式のガス充填弾性体1が、事前装填可能な計量分注器または急速作用分注器24(図17)の緩衝として使用される。急速作用分注器24は、分注される流体で満たされたチャンバ25と、チャンバ25内にスライド可能に受け入れられるピストン26とを備える。ピストン26は、例えば、その端面27に力を加えることにより、手動で操作可能であり得る。流体で満たされたチャンバ25は、ガス充填弾性体1が収容される緩衝チャンバ28の下部を取り囲む。この実施形態では、緩衝チャンバはチューブ状であり、一端が壁29によって閉じられ、他端は、流出開口部11が配置されているキャップ14によって閉じられている。バルブ本体30は、流出開口部11に配置され、開口部を閉じる位置(図17A、17B)と開口部を開いているままにする位置(図17C)との間で移動可能である。バルブ本体30は、壊れやすい接続要素(図示せず)によってキャップ14に固定することができる。バルブ本体は中空針31を運ぶ。
【0046】
ピストン26が端面27に力Fを加えることによって緩衝ハウジング28に向かって押されると、流体は、チャンバ25から流入開口部10を通って緩衝チャンバ28に押し出される(図17B)。流体圧力の結果として、ガス充填弾性体1が圧縮され、その結果、流体圧力はガス緩衝1内に貯蔵される。この状況では、流体は加圧されるが、バルブ本体30がまだ所定の位置に固定されており、流出開口部11を密閉しているので、流体は分注され得ない。これは待機状態である。次に、分注器24が、中空針31の先端が例えば治療対象の皮膚によりかかって置かれるとき、壊れやすい接続が切断され、バルブ本体30が流出開口部11から押し出される。その結果、加圧流体が緩衝チャンバ28の内部から中空針31に流れ込み、また、液体が分注される皮膚の下の場所までに流れ込む。この急速作用分注器24は、流体を迅速かつ単発で分注しなければならない用途、例えば、治療物質を投与するために、特に適している。
【0047】
さらに別の実施形態では、ガス充填弾性体1は、可動部材32の操作によって過圧が解放される緩衝および過圧バルブとして使用することができる(図18)。この実施形態では、バルブ7は、二部形式のバルブハウジング8を有し、バルブハウジング8は、図14のバルブハウジングに非常に類似しているが、ガス充填弾性体1に圧力を加えるために流出開口部11内で移動可能な操作部材32をさらに含む。この実施形態では、ガス充填弾性体1内のガス圧を超え、流入開口部10(図18B)に作用する流体圧力は、ガス充填弾性体1を変形させて、それにより、それはバルブシート23から持ち上げられ、液体はガス充填弾性体1の周囲の空間に入れられる。次に、圧力が高すぎると判断されたとき、または分注されるのに十分な液体がチャンバ17に蓄積された場合、操作部材32は、流出開口部11を通して下方に動かされ得、ガス充填弾性体1を変形させ、それを上部バルブシート16から押しのける。これにより、流体がチャンバ17から流れ出て、流出開口部11およびそれに接続された口部33を通ってバルブを出ることができる(図18C)。
【0048】
さらに別の実施形態では、弾性体1は、ガスだけでなく、分注される液体または粒子状物質で満たされている。この実施形態では、弾性体1は、ディスペンサ34(図19A、19B)で使用するための加圧容器として機能する。ディスペンサ34は、閉じた端壁29とキャップ14によって閉じられた反対側の端とを有する円筒形ハウジング28を含むという意味で、図17の急速作用分注器の構造に類似した構造を有する。キャップ14は流出開口部11を再び有し、流出開口部11はバルブ本体30によって閉じられ、バルブ本体30は壊れやすい接続要素によってキャップに接続され、また、バルブ本体30は中空針31を運ぶ。この場合、中空針は端35を有し、端35は、ガス充填弾性体1の上端3に面し、貫通部材として機能する。ここでもまた、中空針31がその先端を例えば皮膚に向けて配置され、次に分注装置1が皮膚に向かってさらに押されたとき、針31およびそれが運ぶバルブ本体30が内側に押され、壊れやすい接続を壊し、流出開口部11の遮断を解除する。同時に、鋭い端35は、ガス充填弾性体の上端3を貫通する。次に、ガス充填弾性体1内のガス圧が周囲圧力に等しいレベルに低下するまで、ガス充填弾性体1の内容物は中空針31を通して空にされる。
【0049】
ディスペンサ34(図19C)の別の実施形態では、貫通部材35は静止しており、ガス充填弾性体1は、貫通するために貫通部材に向かって押すことができる。この実施形態では、ハウジング28の端壁29は、反対側の端部の流出開口部11の方向に移動可能である。端壁29は、スライド可能であるか、またはハウジング28にねじ込むことができる。ガス充填弾性体1は、端壁29が取り外された後、ハウジング28に導入することができる。次に、ガス充填弾性体1は、貫通部材35上に静止するようになる。端壁29が交換されると、ディスペンサ34は使用の準備が整う。端壁29に力を加えることにより、それをハウジング28にさらに押し込むかまたはねじ込むことによって、ガス充填弾性体1が貫通部材35に強制的に押し付けられ、破裂する。ここでも、ガス充填弾性体1内のガス圧が周囲圧力に等しいレベルに低下するまで、ガス充填弾性体1の内容物は中空針31を通して空にされる。この実施形態では、流出開口部11は、スプレーまたはミスト43の形態で液体を分注するためのスピナー57を備えている。この実施形態は、例えば、パーソナルケアまたは医薬目的のために、単回使用の噴霧器として機能することができる。
【0050】
図19Aおよび19Bの実施形態と同様の実施形態が図20に示され、分注装置34は、図19のディスペンサの1回の使用ではなく、繰り返しの使用を目的としている。
【0051】
この実施形態では、中空針31は、チューブ状要素36に固定的に配置され、チューブ状要素36は同様にスリーブ37内でスライド可能である。このスリーブ37は、ねじ付きコネクタ38にねじ込まれ、ねじ付きコネクタ38は同様にハウジング28のねじ状開口端にねじ込まれ得る。中空針31を運ぶスライド可能要素36は、コネクタ38に支持された圧縮ばね39によって、ハウジング28の内部から離れた静止位置で付勢される。この実施形態では、一方ではガスと、液体または他方では分注される特定の材料とは、分離されていることが示されている。ガスがガス充填弾性体1から逃げるのを回避するために、分注される材料の代わりに、分注装置34は、図示の向きで、すなわち、ガスが弾性体1の上部に留まるように中空針31が下向きに向けられて使用されなければならない。
【0052】
この実施形態のコネクタ、スリーブ、スライド可能要素および針はまた、そのバルブが貫通部材を備えていれば、図18のバルブ機構によって置き換えることができる。そのようにして、投与されたディスペンサが形成される。次に、流出開口部11に図19Cの実施形態のようなスピナーが設けられた場合、投与された噴霧器が得られるであろう。
【0053】
さらに別の実施形態では、ガスおよび分注される液体で満たされた弾性体1は、精密アプリケータ51の一部を形成することができる(図21)。アプリケータハウジング52は、弾性体1の一端3に接続することができる。図示の実施形態では、アプリケータハウジング52は、弾性体1の端3を収容する広い基底53から狭い流出開口部11まで先細りになっている。先端のバルブ54は、流出開口部11を閉鎖する。バルブ54は、ばね55によってその閉鎖位置に向かって付勢される。アプリケータ51はさらに、弾性体1に開口部が形成されてガスを液体を円錐形のアプリケータハウジング52に押し込むために、切断部材または貫通部材(図示せず)を有する。液体を表面に塗布するために、アプリケータ51は、先端のバルブ54を表面と接触させるように表面に向かって動かされる。次に、先端のバルブ54は、ばね55の付勢力に抗してアプリケータハウジング52に押し込まれ、したがって、流出開口部11を解放して、少量(液滴)の液体を表面に塗布することができる(図21B)。
【0054】
所定のばね特性を得るために、複数のチャンバ47を有するガス充填弾性体1を使用することができる(図22)。この実施形態では、各チャンバは、図4に示されるガス充填弾性体1のような枕形状を有する。これらの枕形状のチャンバは、ポート46を介して流体連通しており、2つの最も外側のチャンバ47のみが接合4によりそれらの外側に向く端で密封される。ポート46は、チャンバ47が一緒に折りたたまれてスタックを形成することを可能にするヒンジライン48に配置されている(図22B)。チャンバ47は単一のヒンジ48によって接続されているので、それらは相互に平行ではなく、それらが積み重ねられたときに角度を封入する。次に、得られたスタックが圧縮力Fを受けると、ガス充填弾性体1の折り畳まれたチャンバ47は、所定のばね特性を有するばね40を形成する。ばね特性は、スタック内のチャンバ47の数、内部ガス圧力、および/またはガス充填弾性体1が作られる材料の弾性を変えることによって調整することができる。
【0055】
ばねは、固定部分41および可動部分42を含む2つの部分からなるばねハウジング内に配置することができる(図23)。固定部分41および可動部分42の両方は、ばねが圧縮されたときに空気を逃がし(図23B)、ばねが解放されたときに空気が入る(図23A)ことを可能にする中央開口部44、45を含む。
【0056】
圧縮力に耐えるためにガス充填弾性体1の内部ガス圧および弾性を使用する代わりに、ガス充填弾性体1がばね40を形成しなければならないであろう曲げに対する抵抗を利用することも考えられる(図24)。ガス充填弾性体1の一端3が固定されている場合、この場合、例えば下端3は、反対側の自由端3が曲げ力Fを受ける可能性があり(図24A)、これは内部ガス圧とガス充填弾性体1の材料の固有の弾性に起因する反応力FRによって反応する(図24B)。この構成はまた、前の実施形態のばね40とは異なるばね特性を有するばね40をもたらす。
【0057】
そのようなばね40は、例えば、ノズル58を含むトリガー噴霧器機構56において、トリガー50が引っ張られてトリガー噴霧器56(図25B)を操作した後、その静止位置(図25A)に向けて、トリガー50を付勢するための戻りばねとして、使用することができる。ここで、ガス充填弾性体の下端3は、トリガー噴霧器機構56の前部に取り付けられた支持体57に固定されている。明らかに、これは、そのような曲がったばねが使用され得る方法の一例にすぎない。
【0058】
曲げ力を受けたときのガス充填弾性体1の制御されない変形を回避するために、ガス充填弾性体1は、湾曲した支持要素49に取り付けられるか、またはそれによって支持されて、Cばね40を形成し得る(図26)。このCばね40は、その静止位置と、荷重(プライム参照番号によって示される)を受けたときのそのさらなるたわみ位置の両方で示されている。
【0059】
上記のように、本発明は、ガス充填弾性体を様々な目的に使用することを可能にする。多数の例示的な実施形態が説明されてきたが、さらなる変形および修正が考えられる。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24A
図24B
図25A
図25B
図26
【国際調査報告】