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特表2022-508266腫瘍を治療及び/又は予防するための物質、並びにその設計方法及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】腫瘍を治療及び/又は予防するための物質、並びにその設計方法及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20220112BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220112BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220112BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20220112BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530134
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2019120739
(87)【国際公開番号】W WO2020108456
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】201910787172.0
(32)【優先日】2019-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811437559.5
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520278376
【氏名又は名称】董福田
(74)【代理人】
【識別番号】100118924
【弁理士】
【氏名又は名称】廣幸 正樹
(72)【発明者】
【氏名】董福田
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
【Fターム(参考)】
4B018MD69
4B018ME08
4B018MF04
4B018MF14
4C084AA17
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC411
4C084ZC412
(57)【要約】
【課題】本発明は、腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、腫瘍を治療及び/又は予防するための物質並びにその設計方法及び製造方法を開示した。
【解決手段】疾患の本質は、生物の構造システムのアンバランスである。生物の構造システムにおける物質が構造的にアンバランスになると、前記物質に関連する疾患が発症する。本発明の開示は、生物の生体が前記物質に対応する安定性関連構造を認識することにより、その自身の構造システムの自己適応性や自己組織化などの機能によって、その遺伝子又は遺伝子発現を調節し、前記生物の構造システムにおける物質の構造的バランスを取り戻し、前記腫瘍に関連する疾患を予防及び/又は治療する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項2】
前記腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項1に記載の方法:
(1)生物の腫瘍病症を引き起こす物質、又は腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項3】
請求項1~2のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項4】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される
ことを特徴とする、請求項3に記載の腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項5】
上皮組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項6】
前記上皮組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項5に記載の方法:
(1)生物の上皮組織腫瘍病症を引き起こす物質、又は上皮組織腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)上皮組織腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)上皮組織腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項7】
請求項5~6のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項8】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される
ことを特徴とする、請求項7に記載の上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項9】
胃腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項10】
前記胃腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項9に記載の方法:
(1)生物の胃腫瘍病症を引き起こす物質、又は胃腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)胃腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)胃腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項11】
請求項9~10のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項12】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される
ことを特徴とする、請求項11に記載の胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項13】
肝腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項14】
前記肝腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項13に記載の方法:
(1)生物の肝腫瘍病症を引き起こす物質、又は肝腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)肝腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)肝腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項15】
請求項13~14のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項16】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される
ことを特徴とする、請求項15に記載の肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項17】
肺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項18】
前記肺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項17に記載の方法:
(1)生物の肺腫瘍病症を引き起こす物質、又は肺腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)肺腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)肺腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項19】
請求項17~18のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項20】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製されることを特徴とする、請求項19に記載の肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項21】
膀胱腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項22】
前記膀胱腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項21に記載の方法:
(1)生物の膀胱腫瘍病症を引き起こす物質、又は膀胱腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)膀胱腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)膀胱腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項23】
請求項21~22のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項24】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製されることを特徴とする、請求項23に記載の膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項25】
前立腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項26】
前記前立腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項25に記載の方法:
(1)生物の前立腺腫瘍病症を引き起こす物質、又は前立腺腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)前立腺腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)前立腺腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項27】
請求項25~26のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項28】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製されることを特徴とする、請求項27に記載の前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項29】
間葉組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項30】
前記間葉組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項29に記載の方法:
(1)生物の間葉組織腫瘍病症を引き起こす物質、又は間葉組織腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)間葉組織腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)間葉組織腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項31】
請求項29~30のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項32】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製されることを特徴とする、請求項31に記載の間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項33】
神経外胚葉性腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項34】
前記神経外胚葉性腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項33に記載の方法:
(1)生物の神経外胚葉性腫瘍病症を引き起こす物質、又は神経外胚葉性腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)神経外胚葉性腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)神経外胚葉性腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項35】
請求項33~34のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項36】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製されることを特徴とする、請求項35に記載の神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項37】
白血病関連物質に対応する安定性関連構造を、白血病を治療及び/又は予防するための物質とする;
前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す;
ことを特徴とする、白血病を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【請求項38】
前記白血病関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする、請求項37に記載の方法:
(1)生物の白血病病症を引き起こす物質、又は白血病病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)白血病が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)白血病の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【請求項39】
請求項37~38のいずれかに記載の方法により設計して得られる、前記白血病を治療及び/又は予防するための物質。
【請求項40】
前記物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製されることを特徴とする、請求項39に記載の白血病を治療及び/又は予防するための物質の製造方法。
【請求項41】
請求項3、7、11、15、19、23、27、31、35、39のいずれかに記載の物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、健康食品、食品添加物などの分野に属し、具体的には、腫瘍を予防及び/又は治療するための物質、並びにその設計方法及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍とは、生体内のさまざまな腫瘍発生要因の作用で、局所の組織細胞が増殖することによって形成される新生物を指す。腫瘍は、人体への被害の大きさとその成長特性によって、良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられる。脂肪腫、血管腫、腺腫、嚢胞などの良性腫瘍は、成長速度が遅く、膨張性に増殖し、表面に完全な被膜がよくあり、局所症状を除いて全身症状が少なく、周囲の組織に浸潤したり全身に転移したりすることがなく、外科的切除後に再発しにくく、生体への被害が小さい。肝癌、肺癌、白血病、骨肉腫などの悪性腫瘍は、成長速度が速く、成長時によく周囲の組織に浸潤し、表面に被膜が殆どなく、全身転移がよく発生し、病理学的検査で異常な核分裂が見られ、局所症状に加えて全身症状が明らかであり、後期に進行した患者はしばしばカシェキシアを発症し、外科的切除後の再発率が高く、生体への被害が大きい。現在、腫瘍は死因順位で第1位を取り、健康に対する重大な脅威となっている。
【0003】
悪性腫瘍の伝統的な治療法は主に、手術、放射線療法、及び化学医薬品療法という3つの従来の手段がある。手術療法は悪性腫瘍を治療するための最も重要な手段であり、特に初期及び中期の悪性腫瘍にとって、ベストな手段として選択すべきである。放射線療法及び化学医薬品療法(化学療法)は主に、中期・後期に進行した癌の包括的な治療に適する。しかし、上記の3つの従来の治療法にはいずれも一定の制限があり、患者の体に一定の損傷を与え、特に放射線療法と化学療法は、正常な免疫系に対しても異なる程度で阻害作用を有し、且つ治癒率は高くなかった。
【0004】
本発明は新規な医学モデルである構造情報医学により、構造システムの観点から生命を認識し、生体に具体的な構造情報を認識させることで、生体の構造システムの自己適応性や自己組織化などの機能を利用し、構造システムの動的バランスを取り戻し、疾患の予防と治療の目的を達成する。
【0005】
1、漢方医学と西洋医学の医学モデル
既存の医学システムは主に西洋医学と漢方医学を含み、西洋医学は微視的で局所的な物質構造に基づくもので、物事の調査に強いが、真実の調査に弱い。漢方医学は主に巨視的で全体的な機能システムに基づくもので、真実の調査が得意であるが、物事の調査が苦手である。両者の利点は相互補完的であるが、理論システムと研究方法は互いに対立している。西洋医学は主に科学実験に依存するもので、解剖生理学、生化学、分子学及び臨床試験などの基礎的な研究手段を用い、セグメンテーションと復元の理論を通じて疾患の本質を物質的に分析する。そのため、西洋医学は病症の構造物質のほうに着目し、具体的な構造の変化を分析した上で、化学医薬品、手術、放射線などの手段を利用し、局所的な物質構造のレベルで、余剰分を減らして不足分を補う。例えば、H2受容体拮抗薬による過酸症の治療や、ホルモン補充療法などが挙げられる。このような治療法は、効果が早く出てきて、一部の急性疾患、外科的疾患、感染症において非常に効果的である。しかし、西洋医学は生体を全体的に認識しておらず、このような治療手段は局所構造の問題を一時的に解決するだけであり、長期に適用すると、生体の他の構造に悪影響を及ぼし、生体のバランスを崩してしまう。実際、2010年以降、世界中の疾患の3分の1は医薬品誘発性疾患であり、これらの疾患はいずれも医薬品の不可避な副作用によって引き起こされる。さらに、西洋医学は、例えば心・脳血管疾患、多発性硬化症、老人性認知症などの、病原性因子が複雑で且つ複数の要因によって影響される慢性変性疾患に効果が殆どなく、上昇しつつあるそれらの罹患率及び死亡率を低下させることは困難である。
【0006】
漢方医学は、生命を全体として扱い、人々を社会、心理、環境と統合し、症候群の分別に基づく治療を中核として、大自然と人、健康と疾患の客観的な法則を反映している。漢方医学で言われる健康とは、主観的/客観的な環境において生体が陰と陽の相互的なバランスを取り、調和的な秩序を保つ状態、即ち機能システムのバランスを強調している。このバランスが崩れると、人体の秩序や安定状態が乱されて破壊され、即ち人体の機能システムのバランスが崩れ、疾患が発症する。漢方医学は、機能システムの情報を大量に調査して疾患の性質を診断し、そして薬物や鍼灸、マッサージなどの手段で生体の機能システムを動かし、全体的に余剰分を減らして不足分を補う、正気を補強して病邪を排除し、生体の安定状態を取り戻す。漢方医学治療法は、効果が遅く出てくるが、補充療法や拮抗薬の適用による毒・副作用を軽減することができ、疾患の予防と治療や、摂生とリハビリテーションなどにおいて非常に効果的です。
【0007】
とにかく、西洋医学は微視的な構造のバランスのほうに着目するが、漢方医学は巨視的な機能システムのバランスのほうに着目し、両者は異なるレベルで生体のアンバランス状態を修正することを目的とする。しかし、両者は、疾患と健康に対する認識論と方法論で完全に異なり、これらの2つの医学モデルを相互に補完し合うためには、両者をより包括的な視点と理論で統合し、より効果的な疾患治療物質を開発し、人間の健康に対してより顕著な貢献をする必要がある。
【0008】
2、構造情報医学
(1)構造システムにより西洋医学と漢方医学の基礎理論を統合する
ビッグバンの後、正と負の電荷が現れ、両者が相互作用して水素という単純な構造を形成し、次に構造同士が相互作用してより複雑な構造を形成し、最終的に生物界全体を含む巨視的な物質を形成したので、宇宙のすべてが構造によって統合されている。宇宙のすべてを構成する物質、エネルギー、情報も構造によって統合されている。まず、異なる構造は異なる物質を構成し、物質は具体的な構造でありながら、機能を実現するための基礎でもあり、生命システムの構造と機能は連係しており、どのような具体的な構造を有すれば、どのような具体的な機能を奏し、具体的な構造の変化も当然、相応のシステムの具体的な機能に影響を与える。次に、構造同士の相互作用である結合エネルギーは比較的に抽象的な構造であり、構造の安定性を示し、エネルギーは構造同士を連係するための内部駆動力である。最後に、構造同士の関係と秩序は情報であり、情報は三者の中で最も抽象的な構造であり、物質とエネルギーを組み合わせて制御する作用を奏し、構造の内部法則と本質を反映しており、例えば生物の本質は、その抽象的な構造である遺伝子によって決定される。従って、構造は物質、エネルギー、情報を統合したもの、即ち具体的な構造と抽象的な構造を統合したものである。
【0009】
生物は連係的なシステムであり、本質的には抽象的な構造によって支配される連係的な構造システムである。構造システムは、いくつかの要素同士の比較的に安定した連係モードと、組織の秩序と、それらの時空間的関係とから構成され、ある機能を備えた連係的な構造全体である。あらゆる要素自身も構造システムであり、元のシステムを構成するサブシステムであり、サブシステムもまた当然、二次的サブシステムで構成される……生物の構造システムは、例えば免疫系や胃腸系などの異なるレベルの構造サブシステムで構成されており、生物自身もまた、より大きな構造システムのサブシステムであり、例えば、生物は大自然というより大きな構造システムのサブシステムであり、大自然との物質、エネルギー、情報の絶え間ない交換によって、自身の存在と繁衍を維持する。
【0010】
DNAは生物の遺伝物質として、成長、発育、老化、死亡などを含む生命活動プロセスにおけるすべての情報を保存している。ロジャー・ウィリアムズ博士は、生化学的個別化理論において、人体の生化学的組成の違いは、遺伝子と遺伝子発現の違い、即ち遺伝子発現の分子の空間的構造の違いに起因することを判明した。ノーベル生理学・医学賞受賞者の利根川進博士は、外傷を除くすべての疾患は遺伝子に関連していることを判明した。疾患発症の原因は主に2つの面がある。その1つは、体を構成する構造が構造環境によって破壊又は変化されたことであり、もう1つは、不適切な遺伝子発現であるが、構造的アンバランスの根本的な原因は抽象的な構造の変化、即ち異常なヒストンのアセチル化とメチル化や、異常な遺伝子メチル化などの遺伝子発現の変化にある。具体的な構造が変化した場合、その構造に関連する遺伝子さえ正常に発現できれば、生体の代謝により、病症が発生した構造は徐々に正常な構造に置き換えられ、これで生体は健康状態に戻ることができる。従って、生物の健康の中核は、遺伝子及び遺伝子発現にある。
【0011】
西洋医学は、具体的な構造の変化を研究し、疾患をモデルとし、モデルで疾患を治療する。西洋医学は、構造システムにおける局所的な組織と機能の研究に焦点を当てており、デバイスにより、具体的で微視的な物質構造まで検出することもでき、人体の具体的な物質構造と形態の存在形式を重視及び強調し、例えば解剖学、分子生物学、細胞学、組織発生学などの学科はいずれも、構造システムにおける具体的な構造をあらゆる角度から実験的に研究及び観察するが、抽象的な思考では不十分であり、構造システムとしての生体の全体性を無視する。そのゆえ、理解や実践に制限が生じやすくなり、西洋医学は主に、具体的な構造に直接介入し、薬物を使って生体の局所構造を変化させて影響を与えることで、新しいバランスを達成し、遺伝子の研究を含むが、遺伝子又は遺伝子発現を直接的に変化させる傾向もある。漢方医学は人間をモデルとし、ホリズムに基づく思想の指導の下で、生体の各器官の機能及び機能同士の相互関係と作用を研究する。漢方医学は具体的な物質構造を検出することなく、機能的なパフォーマンスや外部の情報などを通じて疾患を診断する。しかし、機能は構造によって決定され、機能システムの本質は構造システムであり、機能的サブシステム同士の相生・相剋は本質的に、構造サブシステム同士の相互促進と相互制限である。漢方医学は、生体の機能の秩序と強さを調節することによって全体的なバランスを達成し、その本質は、構造システムの動的なバランスを取り戻すことであるが、生体の具体的な構造に対する深い認識に欠けているため、大きな制限もある。西洋医学は主に微視的な構造の観点から疾患モデルを確立するが、漢方医学は巨視的な機能の観点から生命モデルを確立する。西洋医学における微視的な構造によって、漢方医学でいう症候群の物質的な基礎が発見された。つまり、漢方医学でいう症候群はいずれも、遺伝子発現によって物質的に(即ち構造的に)サポートされており、本質的には微視的な構造的アンバランスである。構造システムでは、微視的と巨視的、局所と全体、具体と抽象のこのような統合に基づき、局所的で微視的で具体的な構造を利用し、具体的な構造に対する生体の認識を通じて、具体的な構造を抽象的な構造情報に変換し、生体が備える自己適応性と自己組織化機能を励起することで、遺伝子又は遺伝子発現を調整し、構造システムのバランスを取り戻す。
【0012】
システムとしての構造システムは、システムの全体性、開放性、安定性、自己組織化などの基本的な特性を備える。環境に比べて、システムは閉鎖性と開放性の統一であり、構造システムにおける構造同士の相互作用は、構造と環境との間の相互作用を前提とし、構造の外部環境を条件とするものである。同様に、構造システムの進化は外部構造に依存する。外部構造の変化に伴う遺伝子発現の適切な変化と調整は、環境に適応し、生存を維持し、自身の健康を維持するための生物の基本的な機能であり、この機能が欠如してしまうと、一般的には淘汰される。人体の構造システム自身は、このような強力な自己健康機能を持っており、構造情報医学は、具体的な構造の構造情報を通じて、構造システムにおける遺伝子、分子、細胞、組織、器官などを含む異なるレベルのサブシステムから構成され、比較的複雑で、高度に秩序化され、自己調節される作用機序を動かして調節することにより、生体の構造的バランスを取り戻し、疾患の予防と治療の目的を達成するものであり、それは、具体的な構造と機能を研究対象とする西洋医学の理論を統合しただけでなく、バランスを取り戻すために生体自身を調節する漢方医学の理論も統合した。
【0013】
(2)構造情報医学で解決する課題
生命体は環境から独立して存在するわけがなく、外部の構造環境は、構造(即ち物質、エネルギー及び情報)を通じて生体の構造システムと相互作用し、各個体はそれぞれ、遺伝子と環境の相互作用から生じるユニークな構造システムである。構造情報医学は、生物内部の構造システム、並びにそれと外部の構造環境との動的バランスを強調しており、このような動的バランスこそが、生命のプロセスを演繹できる。構造情報医学は、生体自身の構造システムの動的バランスを取り戻し、生体の抵抗力を増強されることに加えて、共生と共進に焦点を当てている。共生とは、生体が盲目的に外部構造を抵抗したり防御したりするのではなく、常に外部構造情報を内在化し、生物の生体自身の自己適応性や自己組織化などの機能によって、生物の生体の構造システムと外部構造のバランスを達成し、敵を味方に変える、ひいては敵を自分のために働くようにすることを意味する。共進とは、生物の生体の構造システムが、構造情報を通じて、他の生物の生体中の健康、生存及び繁衍に有利な構造特性を取得することを意味する。本発明は、確立された構造情報医学の理論的システムに基づき、物質に対応する安定性関連構造を利用し、生物自身の構造システムの自己適応性や自己組織化などの機能によって、その遺伝子又は遺伝子発現を調節し、前記物質に関連する疾患を治療するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術の上記の欠陥に対して、腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法を提供することである。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、該方法によって設計される物質を提供することである。
【0016】
本発明のさらに一つの目的は、該物質の製造方法及び使用を提供することである。
【0017】
生物の構造システムは、安定性と適応性を統合した連係的な構造システムであり、環境に適応し、それ自身と外部環境との間の動的バランスを維持し、それで自身のより良い生存と繁衍を実現できる。生物の構造システムの適応性は、生物の構造の安定性を前提とするものであり、安定性関連構造は、肝心な役割を果たす支配的な構造である。
【0018】
生物の構造システムは、具体的な構造と抽象的な構造からなる中核構造のスパイラル発展によって形成される連係的で巨大なシステムである。生物の構造システムの中核構造、即ち核酸-タンパク質構造システムにおける具体的な構造と抽象的な構造を統合した複合体は、遺伝情報の担体及び発現システムとして、生物の構造システムの機能において支配的な役割を果たすが、中核構造において支配的な役割を果たすのは、安定性関連構造である。原子レベルでは、中核構造における抽象的な構造であるDNAと、具体的な構造であるタンパク質は、いずれも炭素元素を有機物質の基礎とする生体高分子である。炭素原子の最外層には4つの電子があり、電子を失うことも、電子を獲得することも容易ではなく、このような構造は、炭素原子が4つの共有結合を形成するのに有利である。共有結合は安定性が高く、有機分子同士の最も強い相互作用であり、主に炭素原子によって形成される単結合共有結合は、約300~500KJ/moLであり、熱分解温度は500~800℃である。
【0019】
DNAの一次構造は、塩基の水素結合相互作用や塩基のスタッキング力などの作用によってDNAの二重らせん二次構造を決定し、つまり、安定性のある一次構造は適応性のある二次構造を決定し、遺伝情報の核心は安定性関連構造にある。DNAは転写によって遺伝情報をRNAに伝達し、最終的にRNAは翻訳によって遺伝情報をタンパク質として発現し、これはすべての細胞生物が従う法則である。セントラルドグマの確立により、DNAからRNAへ、そしてタンパク質への情報伝達経路が解明され、遺伝情報担体は、DNAの一次構造の塩基配列からRNAの一次構造の塩基配列へ、そしてタンパク質の一次構造のアミノ酸配列へ、相補的な塩基ペアリング及びトリプレットコドンを通じて、情報を1つずつ線形的に機能情報担体のアミノ酸へ相応に伝達する。従って、この情報伝達経路は、これらの生体高分子の安定性関連構造に基づくものであり、抽象的な構造の安定性関連構造から具体的な構造の安定性関連構造に伝達される。
【0020】
タンパク質の一次構造の共有結合主鎖には、自由に回転できる何百もの単結合が含まれているが、一次構造におけるペプチド結合の剛直な平面性や、親水性・疎水性アミノ酸及び酸性・塩基性アミノ酸の数と位置などの要因により、各単結合の回転の自由度が制限され、最終的に最も熱力学的に安定した三次元構造を形成する。従って、実際には、タンパク質の最終構造の制御要素であるアミノ酸配列は非常に早期に形成されており、タンパク質の立体配座を支配するこれらの安定性関連構造はフレームワークを形成しており、ポリペプチド鎖の折りたたみにおいて、タンパク質は該フレームワークに従って最終的な形態に組み立てられる。タンパク質のアミノ酸配列には、その三次元構造を決定するためのすべての情報が含まれており、且つタンパク質の構造はタンパク質の機能を決定する。従って、遺伝情報と一致して、機能情報の本質も、安定性関連構造が適応性関連構造を決定するということである。
【0021】
システムの観点から見ると、生物の構造システムの安定性は、構造相互作用によって構成される連係的な構造システムの自己安定化能力であり、構造システムにおける各構造はいずれも、それを促進する構造も、それを阻害する構造も有し、相互作用で動的バランスを形成し、つまり、不足になることも、過剰になることもなく、環境の変化に応じて所定の範囲内で自己調節できるため、元の秩序状態を維持する及び取り戻すこと、即ちアンバランス状態下で自身の秩序性を維持することができ、ただし、安定性関連構造同士の相互作用は支配的な役割を果たす。例えば、構造情報の認識において、動植物の自然免疫系は、パターン認識受容体(PRR)を介して病原体の構造的特徴を認識することができ、これらの特徴は、さまざまな種類の病原体の間で共有される突然変異しにくい安定性のある分子構造にある(例えばすべての細菌は、LPSからなる細胞壁を有する)。例えば食物アレルギーの場合、たとえアレルゲンを含む食品を高温で蒸したとしても、依然としてアレルギーを引き起こし、その免疫認識もアレルゲンの安定性関連構造を認識する。さらに、神経伝達物質のオピオイドペプチドを例にとると、立体配座が異なるオピオイドペプチドは、細胞膜受容体に対する選択性が異なり、エンドルフィン-1は、今まで知られているμ受容体に対して最も高い親和性と選択性を持つ生物学的に活性なペプチドである。適応性関連構造は、シグナル分子が受容体に結合するための分子的な基礎であるが、その安定性関連構造におけるアミノ酸の変化の観点から見ると、エンドモルフィン-1は他のオピオイドペプチドに比べて、主に3つのアミノ酸で異なっている。アミノ酸残基の変化により、適切な空間レイアウトが形成され、三次元立体配座が変化され、このような神経伝達物質を受容体と結合させるために正確に位置決めするという役割を果たす。安定性関連構造の相互作用は、適応性関連構造に顕著な変化を引き起こし、情報認識において大きな役割を果たすことができる。情報伝達プロセスにおいて、細胞膜における受容体は情報を細胞核まで運ぶ必要があり、それは主にタンパク質の修飾に依存する。タンパク質修飾の基礎は、一次構造におけるアミノ酸残基の化学反応活性であり、酵素の作用により、タンパク質の安定性関連構造を調整することで、タンパク質の高次構造を具体的な時空間的条件下での機能的要件をより満たし、可逆性及び機能多様性を持つものとし、例えばタンパク質のリン酸化や脱リン酸化などがある。細胞核に伝達された情報について、細胞は最終的に遺伝子発現の変化を通じて相応のフィードバックを行い、且つ再びシグナル経路を介して指令を伝達する。従って、安定性関連構造の相互作用又は構造の調整は、適応性関連構造の変化を決定するが、適応性関連構造も勿論、安定性関連構造に反作用することができる。
【0022】
生物の構造システムの中で、「孤立」された構造は存在せず、構造同士、サブ構造システム同士の相互作用、相互制限及び相互依存は、生物の連携的な構造システムを構成する。すべての生物は細胞で構成されており、細胞は生体という大きな構造システムのサブ構造システムであり、生物体はその複雑さによって、数百、数万、ひいては数億の、各種の特定の機能を奏する細胞で構成されており、各種の細胞は分業して協力し合い、秩序的で制御可能な細胞社会となり、このような社会性の維持は、細胞の物質代謝やエネルギー代謝だけでなく、細胞同士のコミュニケーションやシグナル調節にも依存し、これで細胞の成長、分裂、分化、アポトーシス、及びその他のさまざまな生理学的機能などの細胞の行為を調和し、多細胞生物体の完全な生命活動プロセスを実現する。細胞同士のコミュニケーション及びシグナル調節の本質も、構造と機能の分化、位置決め、及び生と死の決定などの細胞の行為と運命を決定するための構造同士の相互作用である。細胞の形態学的構造、生命活動及び生体内の位置決めはいずれも、生体、局所組織、周囲の細胞及び細胞外のシグナル分子によって調節・制御されており、例えば、神経細胞、免疫細胞及び内分泌細胞は、社会的に繋がり、連係して生体の安定状態のバランスに寄与してそれを維持する。生物の構造システムにおける構造の相互作用により、細胞は自分自身を異質なものと区別付ける能力を有し、同種細胞と異種の相同細胞を区別付けることができる。細胞同士が互いに認識・同定し、並びに自分自身と異質な物質分子を認識する現象は、細胞認識と呼ばれる。細胞は認識に基づいて、互いに付着すること、若しくは所定の形態学的構造を持つ安定な連結を確立することで、互いに影響を及ぼし、相互作用する。多くの重要な生命活動は、細胞の認識能力に関連しており、細胞認識は、細胞の発育と分化プロセスにおいてもキーポイントであり、細胞は、認識と付着によってさまざまな種類の組織を形成する。生体の免疫もまた、実際には細胞の認識現象であり、血液中の白血球は、侵入した細菌を認識して飲み込むことができるが、血液中の自分自身の正常な細胞を飲み込まなく、これは、異種間の細胞の認識である。臨床上で同種異系組織移植を行う場合、生体は移植された同種異系組織に拒絶反応を起こし、これは、同種異系細胞同士の細胞認識によって引き起こされる。さらに、血液凝固、炎症反応、血栓形成、病原性微生物の感染、ひいては腫瘍細胞の転移などの多くの生理学的及び病理学的プロセスはいずれも、同種又は異種同士の複雑な相互認識と付着、及びそれらで誘発される効果に関連している。構造の認識は、構造同士の相互作用に基づくものであり、構造同士の相互作用は、生物によって形成される自己適応性と自己組織化の連係的な構造システムの基礎である。
【0023】
構造システムの開放性は、具体的な構造の開放性だけでなく、関係の開放性でもある。構造システムの自己適応・自己組織化能力は、主に外部環境の刺激下でのシステムの安定性維持によって反映される。生体の構造システムは、情報の伝達と処理を通じて、自己調整と自己組織化を行い、構造システムの不確実性を絶え間なく克服し、動的バランスを維持する。構造システムとその環境との間の交換も、物質の交換だけでなく、主にエネルギーや情報の交換である。生物が常に変化している環境で内部環境の安定性を維持するために、その細胞はこれらの変化を感知し且つ応答する能力を必要とする。細胞が情報を受信して伝達し、且つ指令を実行する能力は、生物が内部及び外部環境の変化に応答するための基礎である。タンパク質は、細胞内のさまざまな生理学的活動(例えば化学反応の触媒作用や遺伝子発現の調節など)の実行者であり、タンパク質自身の状態の変化につれて、その機能的状態も変化する。従って、生物は細胞が持つタンパク質分子を利用してシグナル伝達システムを構築する。タンパク質分子の形状が変化可能なので、タンパク質分子の形状に密接に関連する機能もそれに応じて変化し、一つのタンパク質の状態が変化すると、下流のタンパク質分子との相互作用により下流の分子の状態を変化させ、下流の分子もまた、さらに下流の分子の状態を変化させることができ、このような異なるレベルでの状態の順次変化は、細胞内の情報伝達の手段である。さらに、タンパク質は、生物学的機能を持つ分子であり、状態変化後にシグナルに対して最終的に応答し、エフェクター分子となる。情報伝達連鎖の終末にあるエフェクター分子の多くは転写因子であり、遺伝子の発現を調節することによってシグナルに応答する。
【0024】
免疫系を例にとると、人体に入った外部構造はいずれも、免疫系によって認識され、評価される。例えば、細菌やウイルスが人体に侵入すると、免疫細胞は外来構造と相互作用してその構造情報を認識し、その後、構造情報の相違によって、さまざまなサイトカインを分泌して情報をBリンパ球に伝達し、B細胞の遺伝子発現を調節してIgG抗体を合成させ、抗原構造に結合して複合体を形成し、最終的にマクロファージによって除去することにより、外来物の侵入に抵抗する。寄生病原体が侵入すると、免疫細胞は外来構造と相互作用し、認識された構造情報でB細胞を活性化し、遺伝子発現を調節してIgE抗体を合成させ、この種類の抗体はマスト細胞や好塩基球に結合して毒性作用を有する顆粒タンパク質などの物質を放出させることで、寄生虫を死滅させる。
【0025】
この免疫応答プロセスでは、認識された構造が生体の具体的なフィードバック効果を決定する。構造との相互作用によって、具体的な構造は抽象的な構造-構造情報に変換され、生体は構造情報の識別に応じて、免疫系における複数の細胞を動かし、協力して機能を奏し、遺伝子発現を調節し、異なる活性物質を放出させることで、外来物に適切性関連作用を与え、安定で調和的な新しい構造システムを実現する。同時に、免疫系は他のシステムと相互作用し、物質、エネルギー及び情報を交換し、構造システムにおけるさまざまなサブシステム同士の調和を実現する。それから分かるように、生体の構造システムには、構造情報を認識して自己調節し、構造システムのバランスを取り戻し、ひいては外部構造との新規構造を確立するというバランス取り機序が存在する。
【0026】
疾患は、特定の病原性因子の作用による自己安定化調節障害という原因で発生する異常な生命活動プロセスであり、且つ代謝、機能及び構造の一連の変化を引き起こし、症状、徴候及び行為の異常として現れる。疾患は、特定の条件下で病原性因子による損傷を受けた後、自己安定化調節障害によって発生する異常な生命活動プロセスである。構造の観点から見ると、生物の疾患は、以下を含む生物の構造システムのアンバランスによって引き起こされる:(1)生物の構造システム内部の構造的アンバランス;(2)生物の構造システムと外部構造との間の構造的アンバランス、即ち生物の構造システムに外部構造を阻害する物質が不足している。従って、疾患関連物質には、疾患を引き起こす物質、疾患に関連する生物自身の物質、疾患を引き起こす構造を阻害する物質が含まれる。前記疾患を引き起こす構造を阻害する物質とは、疾患を引き起こす構造との構造的バランスを確立できる物質を指す。疾患は非常に複雑なプロセスであり、多くの場合、健康から疾患へのプロセスは、量的変化から質的変化へのものであり、一部の疾患は、生物の構造システムにおける複数のシステムの構造的アンバランスに関する。漢方医学は、「症候群」によって疾患の本質を反映しており、「症候群」を分別して治療を行い、「症候群」とは、西洋医学でいう疾患や病症でもないし、疾患の単一の要因や線形的な因果関係に対する概括でもない。それは、漢方医学のユニークな理論と方法により、疾患の特定の段階での病原性因子、病巣、発病機序、病理学的性質、邪正闘争などのさまざまな生理学的及び病理学的関係を、生体の反応状態に対する理解と概括として示す。それは人体の正気と病邪の矛盾という対立物の統一に着目している。従って、「病邪を払いのけるために正気を補強する」こと、及び「正気を増やすために病邪を払いのける」ことは、人体の陰と陽を調整し、その相対的なバランス及び正気と病邪の調和的で秩序的な安定状態を取り戻し、それこそが漢方医学の基本的原則である。
【0027】
西洋医学は、具体的で微視的な観点から構造と機能の関係を研究し、それによって健康と疾患を研究するが、漢方医学は、抽象的で巨視的な観点から、人体の機能システム同士の相生、相剋、制約、転化という多次元的かつ双方向的な調節関係を研究し、それによって健康と疾患を研究する。構造の観点から見ると、生物の本質は、生体の構造同士の相互作用によって形成され、動的バランスを取っており、調和的で秩序的であり、自己適応性及び自己組織化を有する連係的な構造システムである。構造情報医学は、構造によって漢方医学と西洋医学の基礎的理論を統合し、構造システムの観点から生命を認識し、生体に具体的な構造情報を認識させることで、生体の構造システムの自己適応性や自己組織化などの機能を利用し、構造システムの動的バランスを取り戻し、疾患の予防と治療の目的を達成する。
【0028】
同じ器官の異なる病症によって異なる疾患が生じるので、異なる個体の同じ疾患の症状も完全に同じわけではなく、しかも同じ疾患は生物の構造システムにおける複数の異なる器官又は組織の病症に関する可能性があり、同じ疾患を有する異なる個体の病症の構造も完全に同じわけではない。従って、本発明は、西洋医学によって研究された具体的な構造と、漢方医学によって確立された巨視的な理論を組み合わせて、構造情報の観点から疾患を治療及び/又は予防し、生物の疾患については、疾患関連物質と、疾患関連物質が存在する具体的な発症細胞、発症組織又は発症器官とを特定するだけで十分であり、疾患が引き起こされるメカニズム、疾患の具体的な症状、或いは疾患関連物質が存在するシステムを解明する必要はない。特に、病症の具体的な構造が特定できない場合や、病症の構造を分離することが容易ではない場合、西洋医学と漢方医学のどちらで分けても、システムの観点から見ると、人と人は同じであり、ひいては人とブタ、ウシ、ヒツジ、霊長類も基本的に同じであるので、疾患の治療及び/又は予防のために、この病症の構造(即ちアンバランス構造)を含む細胞、組織又は器官などに対応する安定性関連構造を適用する方は、汎用性がより広く、入手と調製がより容易である。従って、本発明に開示された疾患を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法において、疾患関連物質に対応する安定性関連構造を外部構造として生物の構造システムに作用させると、生物の構造システムにより、生物体は構造に応じて、自己適応性と自己組織化によって外部物質の構造との間のバランスを確立し、或いは生物の構造システム内部の構造的アンバランスを回復し、それにより疾患を解消・緩和し、或いは疾患の発生を防止することができる。例えばブタの肺に対応する安定性関連構造を利用し、肺関連疾患である喘息、或いは肺の構造と相互作用する鼻の疾患であるアレルギー性鼻炎を治療及び/又は予防する。本発明にかかる疾患を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法は主に、病邪で正気を補強することと、正気で正気を補強することと、を含む。
【0029】
生物の構造システムのアンバランスには、生物の構造システムとそれ自身以外の構造との間のアンバランスが含まれる。本発明において、生物の構造システム自身は「正気」と呼ばれ、生物の構造システムのアンバランスの原因となる外部構造は「外部病邪」と呼ばれる。「外部病邪」とは、生物に関連するものであり、例えば疾患を治す細菌やウイルスなど、健康な生物に有害な物質を含みながら、健康な生物に無害であるが、特定の生物にとって、この物質と接触しないと疾患が発症しないが、接触すると発症してしまう物質も含む。例えば、ある物質は健康な生物にとって無害であり、ひいては有益であり、即ちこの物質の構造と生物の構造との間のバランスが取れているが、生体の構造のバランスが崩れると、前記物質と生物の構造との間のバランスもこれで崩れることになり、しかも異なるアンバランスは、前記物質に対するアレルギーや不耐症など、例えば牛乳アレルギーや牛乳不耐症などのさまざまな疾患を引き起こす。生物の構造システムが備える自己適応性と自己組織化によって構造の安定性を維持するための機能は、外部構造の作用下で、前記外部構造に対する阻害性や促進性などの相互作用を持つ構造を発生し、それにより前記生物の構造システムと前記外部構造との間のバランスを確立し、即ち「外部病邪」で「正気」を補強する。
【0030】
生物の構造システムの内部構造の病症は、構造の相互作用のアンバランスである場合が多く、例えば、生物の構造システムのある構造では、それを制限するための構造の遺伝子の発現の不足になると、或いはそれを促進するための構造の遺伝子の発現が過剰になると、構造同士のバランスが崩れる。例えば、癌抑制遺伝子と癌原遺伝子は互いに制限し合い、正と負の調節シグナルの相対的な安定性を維持する。このような遺伝子が変異、欠失又は不活性化すると、構造同士の相互作用のバランスが崩れ、細胞の悪性形質転換を引き起こし、そして腫瘍の発生を引き起こす。本発明において、生物の構造システムにおけるアンバランスになった構造は「内部病邪」と呼ばれ、生物の構造システムは「正気」と呼ばれる。本発明の開示によれば、生物の内部の構造的アンバランスの物質に対応する安定性関連構造を外部構造として生物の構造システムに作用させると、前記生物の構造システムが備える自己適応性、自己組織化や自己安定化などの機能により、前記生物の構造システムは、前記外部構造における構造情報に応じて、それと相互作用する構造の遺伝子発現を調節することで、前記外部構造との間のバランスを達成し、これで生物の構造システム内部のアンバランスになった構造のバランスを取り戻し、疾患を治し、即ち「内部病邪」で「正気」を補強する。
【0031】
生物の構造システムにおけるすべての正常な構造は、それと相互作用する構造、即ちバランス構造を有する。本発明において、前記バランス構造及び生物の構造システムは両方とも「正気」と呼ばれる。前記組成システムにおける病症のない正常な物質に対応する安定性関連構造を外部構造として生物の構造システムに作用させると、前記生物の構造システムが備える自己適応性、自己組織化や自己安定化などの機能により、前記生物の構造システムは、前記外部構造における各構造の構造情報に応じて、それと相互作用する構造の遺伝子発現を正常なレベルに調節するので、前記アンバランスになった構造は自然にバランスを取り戻す。腫瘍は遺伝子変異又は異常な遺伝子発現であり、本質的には抽象的な構造と具体的な構造によって確立された構造システムのアンバランスである。例えば、癌細胞の細胞核を正常な受精卵に移植すると、遺伝子は正常でバランスの取れた構造環境にあるため、遺伝子の発現は正常に戻り、健康な生物個体に発育することができる。従って、正常な外部構造の作用により、癌遺伝子の正常な発現を取り戻すことができ、腫瘍細胞はこれで正常な細胞に発育することができる。本発明の開示によれば、腫瘍病症のない物質に対応する安定性関連構造を、前記腫瘍病症のない物質と同一又は類似の物質の病症によって引き起こされる疾患を治療又は予防するための物質として使用し、即ち「正気」で「正気」を補強し、例えば健康なブタの肺に対応する安定性関連構造を、肺がんを治療及び/又は予防するために使用する。
【0032】
生物の構造システムのバランス、特に生物の構造システムとそれが存在する環境の構造との間のバランスは動的であり、例えば疾患を引き起こせる物質はある生物に対して疾患を引き起こせない場合、前記生物の構造システムは、前記疾患を引き起こせる物質の構造と相互作用する時に、バランスを取ることができ、即ち、前記生物の前記疾患に関連する構造には、前記疾患を引き起こせる物質の構造と相互作用できるが前記生物に前記疾患を発症できない構造が存在し、しかもこれらの構造は、前記生物の構造システムで孤立されておらず、即ちそれらと相互作用してバランスを形成する構造が存在している。前記生物における前記疾患関連物質に対応する安定性関連構造を外部構造として前記疾患を治療する必要がある生物の構造システムに作用させると、前記生物の構造システムが備える自己適応性、自己組織化や自己安定化などの機構により、前記生物の構造システムは、前記外部構造における各構造の構造情報に応じて、それと相互作用する構造の遺伝子又は遺伝子発現を調節することで、前記生物の構造システムと前記疾患を引き起こせる物質の構造との間のバランスを達成し、即ち「正気」で「正気」を補強する。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、確立された構造情報医学の理論的システムに基づき、物質に対応する安定性関連構造を生物の構造システムに作用させ、生物自身の構造システムの自己適応性や自己組織化などの機能によって、その遺伝子又は遺伝子発現を調節し、前記物質に関連する疾患を治療することを特徴とする。
【0034】
それに鑑みて、本発明は、腫瘍を治療及び/又は予防するための物質、並びにその設計方法及び製造方法を提供し、その具体的な方案は以下のようである:
腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0035】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0036】
好ましくは、前記腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の腫瘍病症を引き起こす物質、又は腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0037】
前記方法により設計して得られる、前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0038】
前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0039】
前記腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0040】
上皮組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0041】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0042】
好ましくは、前記上皮組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の上皮組織腫瘍病症を引き起こす物質、又は上皮組織腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)上皮組織腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)上皮組織腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0043】
前記生物の上皮組織は、皮膚、消化器、気道、乳腺、泌尿器、生殖器、リンパ管、内分泌器を含む。
【0044】
前記方法により設計して得られる、前記上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0045】
前記上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記上皮組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0046】
前記上皮組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0047】
皮膚腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0048】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0049】
好ましくは、前記皮膚腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の皮膚腫瘍病症を引き起こす物質、又は皮膚腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)皮膚腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)皮膚腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0050】
前記方法により設計して得られる、前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0051】
前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記皮膚腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0052】
前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0053】
胃腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0054】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0055】
好ましくは、前記胃腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の胃腫瘍病症を引き起こす物質、又は胃腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)胃腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)胃腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0056】
生物学的胃腫瘍は主に胃で発生し、本発明は、類似の生物種の健康な胃を疾患関連物質とすることが好ましい。
【0057】
前記方法により設計して得られる、前記胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0058】
前記胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記胃腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0059】
前記胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0060】
食道腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記食道腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、食道腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0061】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0062】
好ましくは、前記食道腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の食道腫瘍病症を引き起こす物質、又は食道腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)食道腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)食道腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0063】
前記方法により設計して得られる、前記食道腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0064】
前記食道腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記食道腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0065】
前記食道腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0066】
結腸・直腸腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記結腸・直腸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、結腸・直腸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0067】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0068】
好ましくは、前記結腸・直腸腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の結腸・直腸腫瘍病症を引き起こす物質、又は結腸・直腸腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)結腸・直腸腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)結腸・直腸腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0069】
前記方法により設計して得られる、前記結腸・直腸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0070】
前記結腸・直腸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記結腸・直腸腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0071】
前記結腸・直腸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0072】
肝腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0073】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0074】
好ましくは、前記肝腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の肝腫瘍病症を引き起こす物質、又は肝腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)肝腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)肝腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0075】
前記方法により設計して得られる、前記肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0076】
前記肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記肝腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0077】
前記肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0078】
肺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0079】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0080】
好ましくは、前記肺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の肺腫瘍病症を引き起こす物質、又は肺腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)肺腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)肺腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0081】
前記方法により設計して得られる、前記肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0082】
前記肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記肺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0083】
前記肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0084】
上咽頭腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記上咽頭腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、上咽頭腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0085】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0086】
好ましくは、前記上咽頭腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の上咽頭腫瘍病症を引き起こす物質、又は上咽頭腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)上咽頭腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)上咽頭腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0087】
前記方法により設計して得られる、前記上咽頭腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0088】
前記上咽頭腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記上咽頭腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0089】
前記上咽頭腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0090】
乳腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記乳腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、乳腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0091】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0092】
好ましくは、前記乳腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の乳腺腫瘍病症を引き起こす物質、又は乳腺腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)乳腺腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)乳腺腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0093】
前記方法により設計して得られる、前記乳腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0094】
前記乳腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記乳腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0095】
前記乳腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0096】
膀胱腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0097】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0098】
好ましくは、前記膀胱腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の膀胱腫瘍病症を引き起こす物質、又は膀胱腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)膀胱腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)膀胱腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0099】
前記方法により設計して得られる、前記膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0100】
前記膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記膀胱腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0101】
前記膀胱腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0102】
腎盂腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記腎盂腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、腎盂腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0103】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0104】
好ましくは、前記腎盂腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の腎盂腫瘍病症を引き起こす物質、又は腎盂腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)腎盂腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)腎盂腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0105】
前記方法により設計して得られる、前記腎盂腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0106】
前記腎盂腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記腎盂腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0107】
前記腎盂腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0108】
子宮頸腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記子宮頸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、子宮頸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0109】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0110】
好ましくは、前記子宮頸腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の子宮頸腫瘍病症を引き起こす物質、又は子宮頸腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)子宮頸腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)子宮頸腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0111】
前記方法により設計して得られる、前記子宮頸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0112】
前記子宮頸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記子宮頸腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0113】
前記子宮頸腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0114】
子宮腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記子宮腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、子宮腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0115】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0116】
好ましくは、前記子宮腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の子宮腫瘍病症を引き起こす物質、又は子宮腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)子宮腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)子宮腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0117】
前記方法により設計して得られる、前記子宮腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0118】
前記子宮腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記子宮腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0119】
前記子宮腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0120】
前立腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0121】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0122】
好ましくは、前記前立腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の前立腺腫瘍病症を引き起こす物質、又は前立腺腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)前立腺腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)前立腺腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0123】
前記方法により設計して得られる、前記前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0124】
前記前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記前立腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0125】
前記前立腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0126】
卵巣腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記卵巣腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、卵巣腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0127】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0128】
好ましくは、前記卵巣腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の卵巣腫瘍病症を引き起こす物質、又は卵巣腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)卵巣腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)卵巣腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0129】
前記方法により設計して得られる、前記卵巣腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0130】
前記卵巣腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記卵巣腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0131】
前記卵巣腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0132】
リンパ腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記リンパ腫を治療及び/又は予防するための物質とする、リンパ腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0133】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0134】
好ましくは、前記リンパ腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物のリンパ腫病症を引き起こす物質、又はリンパ腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)リンパ腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)リンパ腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0135】
前記方法により設計して得られる、前記リンパ腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0136】
前記リンパ腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記リンパ腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0137】
前記リンパ腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0138】
皮膚腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0139】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0140】
好ましくは、前記皮膚腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の皮膚腫瘍病症を引き起こす物質、又は皮膚腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)皮膚腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)皮膚腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0141】
前記方法により設計して得られる、前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0142】
前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記皮膚腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0143】
前記皮膚腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0144】
甲状腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記甲状腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、甲状腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0145】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0146】
好ましくは、前記甲状腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の甲状腺腫瘍病症を引き起こす物質、又は甲状腺腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)甲状腺腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)甲状腺腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0147】
前記方法により設計して得られる、前記甲状腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0148】
前記甲状腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記甲状腺腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0149】
前記甲状腺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0150】
間葉組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0151】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0152】
好ましくは、前記間葉組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の間葉組織腫瘍病症を引き起こす物質、又は間葉組織腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)間葉組織腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)間葉組織腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0153】
前記方法により設計して得られる、前記間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0154】
前記間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記間葉組織腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0155】
前記間葉組織腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0156】
横紋筋肉腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記横紋筋肉腫を治療及び/又は予防するための物質とする、横紋筋肉腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0157】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0158】
好ましくは、前記横紋筋肉腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の横紋筋肉腫病症を引き起こす物質、又は横紋筋肉腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)横紋筋肉腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)横紋筋肉腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0159】
前記方法により設計して得られる、前記横紋筋肉腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0160】
前記横紋筋肉腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記横紋筋肉腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0161】
前記横紋筋肉腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0162】
脂肪腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記脂肪腫を治療及び/又は予防するための物質とする、脂肪腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0163】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0164】
好ましくは、前記脂肪腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の脂肪腫病症を引き起こす物質、又は脂肪腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)脂肪腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)脂肪腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0165】
前記方法により設計して得られる、前記脂肪腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0166】
前記脂肪腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記脂肪腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0167】
前記脂肪腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0168】
骨肉腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記骨肉腫を治療及び/又は予防するための物質とする、骨肉腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0169】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0170】
好ましくは、前記骨肉腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の骨肉腫病症を引き起こす物質、又は骨肉腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)骨肉腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)骨肉腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0171】
前記方法により設計して得られる、前記骨肉腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0172】
前記骨肉腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記骨肉腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0173】
前記骨肉腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0174】
血管腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記血管腫を治療及び/又は予防するための物質とする、血管腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0175】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0176】
好ましくは、前記血管腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の血管腫病症を引き起こす物質、又は血管腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)血管腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)血管腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0177】
前記方法により設計して得られる、前記血管腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0178】
前記血管腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記血管腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0179】
前記血管腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0180】
リンパ管腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記リンパ管腫を治療及び/又は予防するための物質とする、リンパ管腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0181】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0182】
好ましくは、前記リンパ管腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物のリンパ管腫病症を引き起こす物質、又はリンパ管腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)リンパ管腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)リンパ管腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0183】
前記方法により設計して得られる、前記リンパ管腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0184】
前記リンパ管腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記リンパ管腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0185】
前記リンパ管腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0186】
腸壁平滑筋腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記腸壁平滑筋腫を治療及び/又は予防するための物質とする、腸壁平滑筋腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0187】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0188】
好ましくは、前記腸壁平滑筋腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の腸壁平滑筋腫病症を引き起こす物質、又は腸壁平滑筋腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)腸壁平滑筋腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)腸壁平滑筋腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0189】
前記方法により設計して得られる、前記腸壁平滑筋腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0190】
前記腸壁平滑筋腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記腸壁平滑筋腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0191】
前記腸壁平滑筋腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0192】
骨膜性軟骨腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記骨膜性軟骨腫を治療及び/又は予防するための物質とする、骨膜性軟骨腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0193】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0194】
好ましくは、前記骨膜性軟骨腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の骨膜性軟骨腫病症を引き起こす物質、又は骨膜性軟骨腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)骨膜性軟骨腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)骨膜性軟骨腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0195】
前記方法により設計して得られる、前記骨膜性軟骨腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0196】
前記骨膜性軟骨腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記骨膜性軟骨腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0197】
前記骨膜性軟骨腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0198】
神経外胚葉性腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0199】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0200】
好ましくは、前記神経外胚葉性腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の神経外胚葉性腫瘍病症を引き起こす物質、又は神経外胚葉性腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)神経外胚葉性腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)神経外胚葉性腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0201】
前記方法により設計して得られる、前記神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0202】
前記神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記神経外胚葉性腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0203】
前記神経外胚葉性腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0204】
頭蓋内腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造を、前記頭蓋内腫瘍を治療及び/又は予防するための物質とする、頭蓋内腫瘍を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0205】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0206】
好ましくは、前記頭蓋内腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の頭蓋内腫瘍病症を引き起こす物質、又は頭蓋内腫瘍病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)頭蓋内腫瘍が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)頭蓋内腫瘍の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0207】
前記方法により設計して得られる、前記頭蓋内腫瘍を治療及び/又は予防するための物質。
【0208】
前記頭蓋内腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記頭蓋内腫瘍関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0209】
前記頭蓋内腫瘍を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0210】
神経鞘腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記神経鞘腫を治療及び/又は予防するための物質とする、神経鞘腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0211】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0212】
好ましくは、前記神経鞘腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の神経鞘腫病症を引き起こす物質、又は神経鞘腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)神経鞘腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)神経鞘腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0213】
前記方法により設計して得られる、前記神経鞘腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0214】
前記神経鞘腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記神経鞘腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0215】
前記神経鞘腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0216】
神経線維腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記神経線維腫を治療及び/又は予防するための物質とする、神経線維腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0217】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0218】
好ましくは、前記神経線維腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の神経線維腫病症を引き起こす物質、又は神経線維腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)神経線維腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)神経線維腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0219】
前記方法により設計して得られる、前記神経線維腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0220】
前記神経線維腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記神経線維腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0221】
前記神経線維腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0222】
網膜芽細胞腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記網膜芽細胞腫を治療及び/又は予防するための物質とする、網膜芽細胞腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0223】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0224】
好ましくは、前記網膜芽細胞腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の網膜芽細胞腫病症を引き起こす物質、又は網膜芽細胞腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)網膜芽細胞腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)網膜芽細胞腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0225】
前記方法により設計して得られる、前記網膜芽細胞腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0226】
前記網膜芽細胞腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記網膜芽細胞腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0227】
前記網膜芽細胞腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0228】
悪性黒色腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記悪性黒色腫を治療及び/又は予防するための物質とする、悪性黒色腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0229】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0230】
好ましくは、前記悪性黒色腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の悪性黒色腫病症を引き起こす物質、又は悪性黒色腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)悪性黒色腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)悪性黒色腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0231】
前記方法により設計して得られる、前記悪性黒色腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0232】
前記悪性黒色腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記悪性黒色腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0233】
前記悪性黒色腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0234】
白血病関連物質に対応する安定性関連構造を、前記白血病を治療及び/又は予防するための物質とする、白血病を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0235】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0236】
好ましくは、前記白血病関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の白血病病症を引き起こす物質、又は白血病病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)白血病が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)白血病の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0237】
前記方法により設計して得られる、前記白血病を治療及び/又は予防するための物質。
【0238】
前記白血病を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記白血病関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0239】
前記白血病を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0240】
精上皮腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記精上皮腫を治療及び/又は予防するための物質とする、精上皮腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0241】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0242】
好ましくは、前記精上皮腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の精上皮腫病症を引き起こす物質、又は精上皮腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)精上皮腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)精上皮腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0243】
前記方法により設計して得られる、前記精上皮腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0244】
前記精上皮腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記精上皮腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0245】
前記精上皮腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0246】
顆粒細胞腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記顆粒細胞腫を治療及び/又は予防するための物質とする、顆粒細胞腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0247】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0248】
好ましくは、前記顆粒細胞腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物の顆粒細胞腫病症を引き起こす物質、又は顆粒細胞腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)顆粒細胞腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)顆粒細胞腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0249】
前記方法により設計して得られる、前記顆粒細胞腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0250】
前記顆粒細胞腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記顆粒細胞腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0251】
前記顆粒細胞腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0252】
ユーイング肉腫関連物質に対応する安定性関連構造を、前記ユーイング肉腫を治療及び/又は予防するための物質とする、ユーイング肉腫を治療及び/又は予防するための物質を設計する方法。
【0253】
好ましくは、前記物質に対応する安定性関連構造とは、前記物質が500℃以上の高温条件下で固体として存在する物質の構造を指す。
【0254】
好ましくは、前記ユーイング肉腫関連物質に対応する安定性関連構造は、以下のものから選ばれる1種又は複数種である:
(1)生物のユーイング肉腫病症を引き起こす物質、又はユーイング肉腫病症を引き起こさない相応の物質に対応する安定性関連構造;
(2)ユーイング肉腫が発症した細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(3)ユーイング肉腫の原発巣に対応する健康な細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造;
(4)前記(1)~(3)のいずれかの物質を含む物質に対応する安定性関連構造。
【0255】
前記方法により設計して得られる、前記ユーイング肉腫を治療及び/又は予防するための物質。
【0256】
前記ユーイング肉腫を治療及び/又は予防するための物質の製造方法:
前記ユーイング肉腫関連物質に対応する安定性関連構造は、高温炭化の方法によって調製される。
【0257】
前記ユーイング肉腫を治療及び/又は予防するための物質の、医薬品、健康食品、食品、食品添加物の調製における使用。
【0258】
健康の本質は、構造システムの動的バランスであり、このような動的バランスは、構造システムにおける構造同士の相互作用の結果であり、最も基本的な相互作用は、促進作用と制限作用である。生物の構造システムにおいて、構造はそれを促進する構造を欠いている場合、この構造が不足となり、それを制限する構造を欠いている場合、この構造が過剰となり、どちらも構造システムのアンバランスを引き起こす。疾患の本質は、生物の構造システムのアンバランスである。上記の技術的方案から分かるように、本発明に開示された疾患を治療又は予防するための方法は、疾患関連物質の安定性関連構造を外部構造として(経口投与などで)生物の構造システムに作用させ、生物の構造システムは、前記外部構造の構造情報に対する認識と伝達、自身の自己適応性や自己組織化などの機能によって、遺伝子又は遺伝子発現を調節し、前記物質に関連する疾患を治療又は予防する。
【0259】
上記の技術的方案から分かるように、本発明に開示された疾患を治療及び/又は予防するための物質、並びにその設計方法及び製造方法の有益な効果は:
1、本発明にかかる疾患を治療及び/又は予防するための物質の設計方法及び製造方法の要旨は、疾患を引き起こす物質の具体的な構造でもないし、疾患が引き起こされるメカニズムでもなく、疾患を引き起こす外部物質又は生体内の同一又は類似の物質に対応する安定性関連構造を外部構造として生物の構造システムに作用させることにあり、この外部構造により、生物体は構造に応じて、自己適応性と自己組織化によって、疾患を解消・緩和し、或いは疾患の発生を防止することができるため、汎用性がある。
【0260】
2、本発明は、西洋医学によって研究された具体的な構造と、漢方医学によって確立された巨視的な理論を組み合わせて、生物システムの観点から疾患を治療及び/又は予防する。相対的に言えば、システムは有限であるが、疾患は無限である。同じ器官の異なる病症によって異なる疾患が生じるので、異なる個体の同じ疾患の症状も完全に同じわけではなく、しかも西洋医学と漢方医学のどちらで分けても、システムの観点から見ると、人と人は同じであり、ひいては人とブタ、ウシ、ヒツジ、霊長類も基本的に同じである。従って、システムに応じて疾患を治療及び/又は予防する物質を設計すると、生物内部の病症によって引き起こされる疾患については、具体的な発症細胞、発症組織又は発症器官を特定するだけで十分であり、疾患が引き起こされるメカニズム及び疾患の具体的な症状を解明する必要はなく、疾患関連物質が存在するシステム或いはシステムにおける細胞、組織又は器官に対応する安定性関連構造を外部構造として生物の構造システムに作用させるだけで、生物の構造システムにより、生物体は構造に応じて、自己適応性と自己組織化によって外部物質の構造との間のバランスを確立し、或いは生物の構造システム内部の構造的アンバランスを回復し、それにより疾患を解消・緩和し、或いは疾患の発生を防止することができる。
【0261】
3、本発明にかかる疾患を治療及び/又は予防するための物質、並びにその設計方法及び製造方法は、疾患のメカニズムに関する研究を避けて、時間、人的資源、物的資源及び財的資源の投資を大幅に節約できる。医薬品の研究・開発の期間及び疾患の治療コストを大幅に削減し、医薬品の研究・開発、疾患の診断・治療を究極的に簡素化できる。
ことを含む。
【発明を実施するための形態】
【0262】
本発明は、腫瘍を治療及び/又は予防するための物質、並びにその設計方法及び製造方法を開示した。当業者は、本文の内容から学ぶことができ、異なる物質を使用することができ、プロセスの実現又はその他の類似のプロセスによる調製を改良することができ、それらはすべて本発明に含まれると見なされる。特に、すべての類似の置換又は改良は当業者にとって自明なものであり、それらはすべて本発明に含まれると見なされる。本発明の方法及び製品は、好ましい実施例を通じて説明されていたが、関係者にとって明らかなように、本発明の内容、精神及び範囲から逸脱することなく、本文に記載の方法に改良又は適切な変更及び組み合わせを行うことで、本発明の技術を実現・応用できる。
【0263】
本発明をさらに理解するために、本発明の実施例に基づいて、本発明の実施例における技術的方案を以下のように明瞭で且つ完全に説明するが、説明される実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働なしで得られる他の実施例はすべて、本発明の保護範囲に含まれる。それらの具体的な実現手段は以下の通りである。
【実施例
【0264】
実施例1:肺腫瘍を治療及び/又は予防するための物質及びその製造方法
腫瘍は遺伝子変異又は異常な遺伝子発現であり、本質的には抽象的な構造と具体的な構造によって確立された構造システムのアンバランスである。例えば、癌細胞の細胞核を正常な受精卵に移植すると、遺伝子は正常でバランスの取れた構造環境にあるため、遺伝子の発現は正常に戻り、健康な生物個体に発育することができる。従って、正常な外部構造の作用により、癌遺伝子の正常な発現を取り戻すことができ、腫瘍細胞はこれで正常な細胞に発育することができる。正常な肺細胞のすべての構造には、それと相互作用する構造があり、相互作用によって動的バランスに達成するが、肺癌細胞では、この動的バランスが崩れた。正常な肺細胞に対応する安定性関連構造を外部構造として生物の構造システムに作用させると、前記生物の構造システムが備える自己適応性、自己組織化や自己安定化などの機構により、前記生物の構造システムは、前記外部構造における各構造の構造情報に応じて、それと相互作用する構造の遺伝子発現を正常なレベルに調節し、即ち正常な肺細胞の構造環境を肺癌細胞の遺伝子発現に作用させ、構造の動的バランスを取り戻す。本実施例では、健康なブタの肺を高温炭化することで、肺腫瘍を治療及び予防するための物質を得た。
【0265】
実施例2:実施例1で調製された物質で肺癌を治療する臨床応用試験
本発明は、上記の実施例1で調製された物質を使用して、治療効果を検証した具体的な 実例は以下の通りであった。
【0266】
1、臨床資料:本発明は、年齢45~79歳の男性12名及び女性12名を含む合計24名の肺癌患者を収集し、自己前後対照研究を行った。
【0267】
2、診断基準:「現代腫瘍学」に記載の肺癌の診断と病期分類の基準を参照した。
【0268】
3、治療方法:実施例1で調製された物質を3g/回、1回/日で患者に経口投与し、治療を10日間続けた。
【0269】
4、治療効果評価基準:完全な緩和とは、生体内のすべての病巣が完全に消失し、且つ維持期間≧4週間であることを指す。部分的な緩和とは、病巣の最長径の合計の減少≧30%、且つ維持期間≧4週間であることを指す。安定した疾患とは、元の病巣が顕著に変化せず、且つ新たな病巣が現れないことを指す。進行した疾患とは、病巣の最長径の合計の増加≧20%、且つ絶対値の増加>5mmであること、或いは新たな病巣が現れたことを指す。合計有効率=(完全な緩和+部分的な緩和)/合計症例数×100%。
【0270】
5、治療結果:治療後の患者のうち、完全な緩和は18名で、部分的な緩和は2名で、安定した疾患は4名であり、合計有効率は83.33%であった。
【0271】
実施例3:肝腫瘍を治療及び/又は予防するための物質及びその製造方法
本実施例では、健康なブタの肝を高温炭化することで、肝腫瘍を治療及び予防するための物質を得た。
【0272】
実施例4:実施例3で調製された物質で肝癌を治療する臨床応用試験
本発明は、上記の実施例3で調製された物質を使用して、治療効果を検証した具体的な実例は以下の通りであった。
【0273】
1、臨床資料:本発明は、年齢31~80歳の合計10名の肝癌患者を収集し、自己前後対照研究を行った。
【0274】
2、診断基準:(1)活動性肝疾患、妊娠、生殖系胚細胞腫瘍及び転移性肝癌を除外し、且つ触診で硬いしこりのある肝臓が見られ、或いは画像検査で肝癌の特徴的な空間占有病巣が見られた者;(2)2つの画像検査で肝癌の特徴的な空間占有病巣が見られ、或いは2つの肝癌マーカーが陽性で且つ1つの画像検査で肝癌の特徴的な空間占有病巣が見られた者。
【0275】
3、治療方法:実施例3で調製された物質を3g/回、1回/日で患者に経口投与し、治療を10日間続けた。
【0276】
4、治療効果評価基準:完全な緩和とは、ベースライン病巣が消失し、且つ維持期間≧4週間であることを指す。部分的な緩和とは、ベースライン病巣の長径の合計の減少≧30%、且つ維持期間≧4週間であることを指す。安定した疾患とは、ベースライン病巣の長径の合計の減少が上記のレベルに達していないこと、或いはその増加が「進行した疾患」のレベルに達していないことを指す。進行した疾患とは、ベースライン病巣の長径の合計の増加≧20%であること、或いは新たな病巣が現れたことを指す。合計有効率=(完全な緩和+部分的な緩和)/合計症例数×100%。
【0277】
5、治療結果:患者のうち、完全な緩和は6名で、部分的な緩和は3名で、安定した疾患は1名であり、合計有効率は90.00%であった。
【0278】
実施例5:胃腫瘍を治療及び/又は予防するための物質及びその製造方法
健康なブタの胃を高温炭化することで、胃腫瘍を治療及び予防するための物質を得た。
【0279】
実施例6:実施例5で調製された物質で胃癌を治療する臨床応用試験
本発明は、上記の実施例5で調製された物質を使用して、治療効果を検証した具体的な実例は以下の通りであった。
【0280】
1、臨床資料:本発明は、年齢28~70歳の合計11名の胃癌患者を収集し、自己前後対照研究を行った。
【0281】
2、診断基準:「中華人民共和国健康産業基準:胃癌診断基準(WS 316-2010)」に記載の胃癌診断基準を参照した。
【0282】
3、治療方法:治療期間において、実施例5で調製された物質を3g/回、1回/日で経口投与し、治療を10日間続け、1週間継続した。
【0283】
4、治療効果評価基準:完全な緩和とは、病巣が消失し、且つ少なくとも4週間以上維持したことを指す。部分的な緩和とは、腫瘍の標的病巣の最大直径の合計の減少が50%以上に達し、且つ新たな病巣が現れることなく、少なくとも4週間以上維持したことを指す。安定した疾患とは、化学療法で治療する前に比べて、病巣が顕著に変化せず、且つ新たな病巣が現れないことを指す。進行した疾患とは、腫瘍の標的病巣の最大直径の合計の増加が25%以上に達すること、或いは新たな病巣が現れて悪化したことを指す。合計有効率=(完全な緩和+部分的な緩和)/合計症例数×100%。
【0284】
5、治療結果:治療後の患者のうち、完全な緩和は6名で、部分的な緩和は3名で、安定した疾患は2名であり、合計有効率は81.82%であった。