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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】一般的な道路気象状況の検出
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220112BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G08G1/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531304
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 US2019062985
(87)【国際公開番号】W WO2020123132
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】16/217,235
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】シルバー,デイビッド,ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】グートマン,ジェンズ-ステフェン,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,マイケル
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181EE12
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC27
(57)【要約】
本技術は、車両の周囲の道路に影響を与える一般的な気象状況の決定、および自律モードにおいて動作しているときにそのような状況が車両の運転およびルート計画にどのように影響するかを決定することに関する。例えば、車載センサシステムは、路面の特定の部分の小さな流氷原とは対照的に、道路が全体的に凍結しているかどうかを検出することができる(1702)。システムは、車両および/または他の近くの車両(1704、1706、1708、1710)によってとられた特定の運転処置を評価することもできる。そのような情報に基づいて、車両の制御システムは、結果として得られた情報を使用して、適切な制動レベルまたは制動戦略を選択することができる(1714)。その結果、システムは、異なるレベルの有害な気象状況を検出し、これに対応することができる。車載コンピュータシステムは、道路状況情報を近くの車両(1612、1614)および遠隔支援装置(1604)と共有し、その結果、より広範なフリート計画動作と共に用いられ得る。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律運転モードにおいて動作する車両の周囲の環境における気象または道路状況を決定する方法であって、前記方法が、
前記車両の1つ以上のプロセッサによって、前記車両の1つ以上のセンサから前記車両の周囲の前記環境のセンサデータを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記車両のサブシステムに、前記自律運転モードにおける動作中に前記サブシステムの1つ以上の構成要素を作動させることと、
前記サブシステムの前記1つ以上の構成要素の前記作動中に前記車両の姿勢情報を取得することと、
前記車両の1つ以上のプロセッサによって、前記取得された姿勢情報に従って前記車両の実際の姿勢を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記車両の前記実際の姿勢を前記車両の予想された姿勢と比較することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記比較に基づいて前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との差を決定することと、
前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との間の差または前記外部環境の前記受信されたセンサデータのうちの少なくとも一方に基づいて、前記車両の周囲の前記環境において有害な気象または道路状況があることを決定することと、
前記車両の周囲の前記環境における前記有害な気象または道路状況を決定することに応答して処置を実行することと、を含む、方法。
【請求項2】
有害な気象または道路状況があることを決定することは、前記車両が動作している道路の領域が凍結している、濡れている、または少なくとも部分的に雪で覆われていることを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両の前記サブシステムに前記1つ以上の構成要素を作動させることが、道路の特定の部分を、前記道路の前記特定の部分に対して選択された速度および選択された位置方位において運転することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記道路の特定の部分に対して異なる選択された速度または異なる選択された位置方位において前記道路の前記特定の部分を運転するように、別の車両に命令することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
他の車両が、第1の車両であり、前記車両が、前記第1の車両に続く第2の車両であり、前記方法は、前記第2の車両が、前記第1の車両が前記道路の前記特定の部分を運転した結果を観察することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択された速度および前記選択された位置方位において前記道路の特定の部分を運転することが、前記道路の前記特定の部分に沿った牽引力の量を検出するために行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記姿勢情報を取得することが、前記車両の前記1つ以上のセンサからセンサデータを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記車両の前記1つ以上のセンサによって、前記車両の周囲の前記環境における1つ以上の他の車両による運転処置を検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の他の車両による前記運転処置の検出に応答して、前記1つ以上のプロセッサが、道路の選択された部分に沿って特定の気象または道路状況を決定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特定の気象または道路状況が、前記道路の前記選択された部分に沿った水たまり、流氷原、または積雪のうちの1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記道路の選択された部分に沿った前記特定の気象または道路状況を決定することに応答して、前記車両の1つ以上のセンサによって取得されたデータのセットから疑似センサ信号をフィルタリングすることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
是正運転処置、ルート再計画処置、または行動予測の前記修正に関する情報を、別の車両またはフリート管理システムのうちの少なくとも一方に送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の構成要素の所与の1つが、制動構成要素であり、前記サブシステムが、減速システムであるか、
前記1つ以上の構成要素のうちの前記所与の1つが、加速構成要素であり、前記サブシステムが加速システムであるか、
前記1つ以上の構成要素のうちの前記所与の1つが、ステアリング構成要素であり、前記サブシステムが、ステアリングシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記処置を実行することが、是正運転処置を実行すること、ルート再計画処置を実施すること、前記環境内の物体の行動予測において修正を引き起こすこと、別の車両に通知を提供すること、またはバックエンドシステムに通知を提供すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
自律運転モードにおいて動作するように構成された車両であって、前記車両が、
前記自律運転モードにおいて前記車両の運転を制御するためのステアリングサブシステム、加速サブシステム、および減速サブシステムを含む運転システムと、
前記車両の外部環境にある物体を検出するように構成された1つ以上のセンサを含む知覚システムと、
前記車両の現在位置を決定するように構成された測位システムと、
1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、を備え、前記制御システムが、前記運転システム、前記知覚システム、および前記測位システムに動作可能に連結されており、前記制御システムが、
前記1つ以上のセンサから前記車両の周囲の前記環境のセンサデータを受信することと、
前記車両のサブシステムに、前記自律運転モードにおける動作中に前記サブシステムの1つ以上の構成要素を作動させることと、
前記サブシステムの前記1つ以上の構成要素の前記作動中に前記車両の姿勢情報を取得することと、
前記取得された前記姿勢情報に従って、前記車両の実際の姿勢を決定することと、
前記車両の前記実際の姿勢を前記車両の予想された姿勢と比較することと、
前記比較に基づいて、前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との間の差を決定することと、
前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との間の差または前記外部環境の前記受信されたセンサデータのうちの少なくとも一方に基づいて、前記車両の周囲の前記環境において有害な気象または道路状況があることを決定することと、
前記車両の周囲の前記環境における前記有害な気象または道路状況を決定することに応答して処置を実行することと、行うように構成されている、車両。
【請求項16】
有害な気象または道路状況があるという決定は、前記車両が動作している道路の領域が氷結している、濡れている、または少なくとも部分的に雪で覆われていることを決定することを含む、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記制御システムが、前記車両の前記サブシステムに、道路の特定の部分を、前記道路の前記特定の部分に対して選択された速度および選択された位置方位において運転することによって、前記1つ以上の構成要素を作動させることを行わせるように構成されている、請求項15に記載の車両。
【請求項18】
少なくとも1つの他の車両と通信するように構成された通信システムをさらに備え、前記制御システムが、前記道路の特定の部分を、前記道路の前記特定の部分に対して異なる選択された速度または異なる選択された位置方位において運転するように、前記少なくとも1つの他の車両に前記通信システムを介して命令するようにさらに構成されている、請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記少なくとも1つの他の車両が、第1の車両であり、前記車両が、前記第1の車両に続く第2の車両であり、前記知覚システムの前記1つ以上のセンサは、前記第1の車両が前記道路の前記特定の部分を運転した結果を観察するように構成されている、請求項18に記載の車両。
【請求項20】
前記1つ以上のセンサが、前記車両の周囲の前記環境における1つ以上の他の車両による運転処置を検出するように構成されており、
前記1つ以上の他の車両による前記運転処置を検出することに応答して、前記制御システムが、
道路の選択された部分に沿った特定の気象または道路状況を決定すること、または
前記車両の1つ以上のセンサによって取得されたデータのセットから、疑似センサ信号をフィルタリングすること、を行うように構成されている、請求項15に記載の車両。
【請求項21】
前記是正運転処置、前記ルート再計画処置、または前記行動予測の前記修正に関する情報を、別の車両またはフリート管理システムのうちの少なくとも一方に送信するように構成された通信システムをさらに備える、請求項15に記載の車両。
【請求項22】
前記制御システムが、是正運転処置を開始すること、ルート再計画処置を実施すること、前記環境内の物体の行動予測において修正を引き起こすこと、別の車両に通知を提供すること、またはバックエンドシステムに通知を提供すること、のうちの少なくとも1つによって前記処置を実行するように構成されている、請求項15に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月12日に出願の米国特許出願第16/217,235号の利益を主張するものであり、2018年12月12日に出願の、「Determining Wheel Slippage on Self-Driving Vehicle」と題する米国特許出願第16/217,531号(弁護士整理番号第XSDV3.0F-2078号)に関連しており、これらの全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の運転者を必要としない車両などの自律型車両を、ある場所から別の場所への乗客または貨物の輸送を支援するために使用することができる。このような車両は、完全に自律的なモードで動作する場合と、人が何らかの運転入力を提供し得る、部分的に自律的なモードで動作する場合がある。自律モードで動作するために、車両は様々な車載センサを使用して外部環境の特徴を検出し、受信されたセンサ情報を使用して様々な運転動作を実行することができる。ただし、車両周辺の気象状況は、道路に沿った車両の運転能力に悪影響を与える可能性がある。環境内の物体を検出するように配置されたセンサ自体は、システムがそのような気象状況が車両の動作に与える潜在的な影響を適切に評価するために必要な精度を達成できないか、またはその精度が不足している可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本技術は、車両の周囲の道路に影響を与える一般的な気象状況の決定と、自律運転モードにおいて動作しているときに車両の運転にどのように影響するかに関する。これは、例えば、路面の特定の部分の流氷原ではなく、道路が全体的に凍結しているかどうかを決定することを含み得る。車両の知覚システムは、様々なセンサを介して、接近しつつあるエリアに沿った状態を検出することができるが、車両は、スリップ、アンチロックブレーキ、温度測定、および他のデータに関する情報を収集することもできる。この集約された情報は車載システムによって分析され、運転動作の修正および/または車両のルート変更に使用される。
【0004】
本技術の態様によれば、自律運転モードで動作する車両の周囲の環境における気象または道路状況を決定する方法が提供される。この方法は、車両の1つ以上のプロセッサによって、車両の1つ以上のセンサから車両の周囲の環境のセンサデータを受信することと1つ以上のプロセッサによって、車両のサブシステムに、自律運転モードにおける動作中にサブシステムの1つ以上の構成要素を作動させることと、サブシステムの1つ以上の構成要素の作動中に車両の姿勢情報を取得することと、車両の1つ以上のプロセッサによって、取得された姿勢情報に従って車両の実際の姿勢を決定することと、1つ以上のプロセッサによって、車両の実際の姿勢を車両の予想された姿勢と比較することと、1つ以上のプロセッサによって、比較に基づいて実際の姿勢と予想された姿勢との差を決定することと、実際の姿勢と予想された姿勢との間の差または外部環境の受信されたセンサデータのうちの少なくとも一方に基づいて、車両の周囲の環境において有害な気象または道路状況があることを決定することと、車両の周囲の環境における有害な気象または道路状況を決定することに応答して処置を実行することと、を含む。
【0005】
有害な気象または道路状況があることを決定することは、車両が動作している道路の領域が凍結している、濡れている、または少なくとも部分的に雪で覆われていることを決定することを含み得る。
【0006】
車両のサブシステムに1つ以上の構成要素を作動させることは、道路の特定の部分を、道路の特定の部分に対して選択された速度および選択された位置方位において運転することを含み得る。このアプローチは、道路の特定の部分に対して異なる選択された速度または異なる選択された位置方位において道路の特定の部分を運転するように、別の車両に命令することをさらに含み得る。このシナリオでは、他の車両は、第1の車両であり得、この車両は、第1の車両に続く第2の車両であってもよく、方法は、第2の車両が、第1の車両が道路の特定の部分を運転した結果を観察することを含む。選択された速度および選択された位置方位において道路の特定の部分を運転することは、道路の特定の部分に沿った牽引力の量を検出するために行われてもよい。
【0007】
姿勢情報を取得することは、車両の1つ以上のセンサからセンサデータを受信することを含み得る。
【0008】
この方法は、車両の1つ以上のセンサによって、車両の周囲の環境における1つ以上の他の車両による運転処置を検出することをさらに含み得る。これは、1つ以上の他の車両による運転処置の検出に応答して、1つ以上のプロセッサが、道路の選択された部分に沿った特定の気象または道路状況を決定することをさらに含み得る。特定の気象または道路状況は、道路の選択された部分に沿った水たまり、流氷原、または積雪のうちの1つであってもよい。このアプローチは、道路の選択された部分に沿った特定の気象または道路状況を決定することに応答して、車両の1つ以上のセンサによって取得されたデータのセットから疑似センサ信号をフィルタリングすることをさらに含み得る。
【0009】
この方法はまた、是正運転処置、ルート再計画処置、または行動予測の修正に関する情報を、別の車両またはフリート管理システムのうちの少なくとも一方に送信することも含み得る。
【0010】
一例では、1つ以上の構成要素のうちの所与の1つは制動構成要素であり、サブシステムは減速システムであり得る。別の例では、1つ以上の構成要素のうちの所与の1つは加速構成要素であり、サブシステムは加速システムであり得る。または、さらなる例では、1つ以上の構成要素のうちの所与の1つはステアリング構成要素であり、サブシステムはステアリングシステムであり得る。
【0011】
処置を実行することは、是正運転処置を実行すること、ルート再計画処置を実施すること、環境内の物体の行動予測において修正を引き起こすこと、別の車両に通知を提供すること、またはバックエンドシステムに通知を提供すること、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0012】
本技術の他の態様によれば、車両は自律運転モードで動作するように構成されている。車両は、運転システム、知覚システム、測位システム、および制御システムを備える。運転システムは、自律運転モードにおいて車両の運転を制御するためのステアリングサブシステム、加速サブシステム、および減速サブシステムを含む。知覚システムは、車両の外部環境にある物体を検出するように構成された1つ以上のセンサを含む。測位システムは、車両の現在位置を決定するように構成されている。制御システムは、1つ以上のプロセッサを含む。制御システムは、運転システム、知覚システム、および測位システムに動作可能に連結されている。制御システムは、1つ以上のセンサから車両の周囲の環境のセンサデータを受信することと、車両のサブシステムに、自律運転モードにおける動作中にサブシステムの1つ以上の構成要素を作動させることと、サブシステムの1つ以上の構成要素の作動中に車両の姿勢情報を取得することと、取得された姿勢情報に従って、車両の実際の姿勢を決定することと、車両の実際の姿勢を車両の予想された姿勢と比較することと、比較に基づいて、実際の姿勢と予想された姿勢との間の差を決定することと、実際の姿勢と予想された姿勢との間の差または外部環境の受信されたセンサデータのうちの少なくとも一方に従って、車両の周囲の環境において有害な気象または道路状況があることを決定することと、を行わせるように構成される。制御システムはさらに、車両の周囲の環境における有害な気象または道路状況を決定することに応答して処置を実行するように構成される。
【0013】
有害な気象または道路状況があるという決定は、車両が動作している道路の領域が氷結している、濡れている、または少なくとも部分的に雪で覆われていることを決定することを含み得る。
【0014】
制御システムは、車両のサブシステムに、道路の特定の部分を、道路の特定の部分に対して選択された速度および選択された位置方位において運転することによって、1つ以上の構成要素を作動させることを行わせるようにさらに構成されてもよい。
【0015】
一例では、車両は、少なくとも1つの他の車両と通信するように構成された通信システムをさらに備える。ここで、制御システムは、道路の特定の部分を、道路の特定の部分に対して異なる選択された速度または異なる選択された位置方位において運転するように、少なくとも1つの他の車両に通信システムを介して命令するようにさらに構成される。1つのシナリオによると、少なくとも1つの他の車両は、第1の車両であってもよく、車両は、第1の車両に続く第2の車両であってもよく、知覚システムの1つ以上のセンサは、第1の車両が道路の特定の部分を運転した結果を観察するように構成される。
【0016】
さらなる例では、1つ以上のセンサは、車両の周囲の環境における1つ以上の他の車両による運転処置を検出するように構成されている。1つ以上の他の車両による運転処置の検出に応じて、制御システムは、道路の選択された部分に沿った特定の気象または道路状況を決定し、および/または車両の1つ以上のセンサによって取得されたデータのセットから疑似センサ信号をフィルタリングするように構成される。
【0017】
車両は、是正運転処置、ルート再計画処置、または行動予測の修正に関する情報を、別の車両またはフリート管理システムのうちの少なくとも一方に送信するように構成された通信システムをさらに備えてもよい。
【0018】
制御システムはまた、是正運転処置を開始すること、ルート再計画処置を実施すること、環境内の物体の行動予測において修正を引き起こすこと、別の車両に通知を提供すること、またはバックエンドシステムに通知を提供すること、のうちの少なくとも1つによって処置を実行するようにも構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A-1B】本技術の態様で使用するために構成された例示的な乗客型車両を示す。
図1C-1D】本技術の態様で使用するために構成された例示的な貨物型車両を示す。
図2】本技術の態様による例示的な乗客型車両のシステムのブロック図である。
図3A-3B】本技術の態様による例示的な貨物型車両のシステムのブロック図である。
図4】本技術の態様によるセンサ視野内の物体を検出する例を示す。
図5】本開示の態様による乗客型車両の例示的なセンサ視野を示す。
図6A-6B】本開示の態様による貨物型車両の例示的なセンサ視野を示す。
図7A-7D】本技術の態様による例示的な制動シナリオを示す。
図8A-8D】本技術の態様による例示的な加速シナリオを示す。
図9A-9B】本技術の態様による例示的な方向転換シナリオを示す。
図10】本技術の態様に従って牽引力状態を決定する能動的試験の例を示す。
図11A-11C】本技術の態様によるルート計画変更の例を示す。
図11D-11E】本技術の態様によるルート再計画の例を示す。
図12A-12B】本技術の態様による、分析された道路気象状況に基づいて検出された物体の行動予測を修正する例を示す。
図13】本技術の態様による物体分析の例を示す。
図14A-14B】本技術の態様による横方向のオフセット試験の例を示す。
図15A-10B】本技術の態様による制動プロファイルまたは所望の停止点の調整の例を示す。
図15C】本技術の態様による対比速度プロファイルの例を示す。
図16A-16B】本技術の態様による例示的なシステムを示す。
図17】本技術の態様による例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
技術の態様は、車載センサから、ならびに車両および/または他の近くの車両によってとられた特定の運転処置の評価から情報を収集する。車載コンピュータシステムが道路のどの部分(複数可)が道路の他の部分よりも濡れている、凍結している、または他の場合にスリップしやすい(例えば、牽引力が低下している)のかを推定するために、情報が集約および分析される。その結果、コンピュータシステムのプランナーまたは他のサブシステムは、特定の行動、応答、および/または動作モデルを識別することができる。1つのシナリオでは、これは、一般的な道路状況に対処するためにある程度の制動力を確保することを含み、車両の軌道を計画するときにこれを使用することができる。その結果、システムは、車線ラインを覆う少量の雪、または車線を効果的に狭めるか、もしくは車線または路肩を閉鎖する数インチ(またはそれ超)の雪を含む、異なるレベルの有害な気象状況を検出し、これに対応することができる(以前に取得されたエリアの地図に示されるものとは対照的である)。ここで、システムは、これらの状況が有害な気象状況に起因する一時的な変更であるかどうかを決定し、それに応じて計画を調整することができる。
【0021】
例示的な車両システム
図1Aは、ミニバン、スポーツユーティリティビークル(SUV)、または他の車両などの例示的な乗客用車両100の斜視図を示す。図1Bは、乗客用車両100の上から見た図を示す。乗客用車両100は、車両の外部環境に関する情報を取得するための様々なセンサを含むことができる。例えば、屋上ハウジング102は、Lidarセンサ、ならびに様々なカメラ、レーダーユニット、赤外線および/または音響センサを含むことができる。車両100の前端部に位置付けられたハウジング104、ならびに車両の運転者側および乗客側のハウジング106a、106bは、各々、Lidar、レーダー、カメラおよび/または他のセンサを組み込むことができる。例えば、ハウジング106aは、車両のクォーターパネルに沿って運転席サイドドアの前に位置付けられてもよい。図示されるように、乗客用車両100はまた、レーダーユニット、Lidar、および/または車両の後方屋根部分にも向かって位置付けられている、カメラのためのハウジング108a、108bも含む。追加のLidar、レーダーユニット、および/またはカメラ(図示せず)は、車両100に沿った他の場所に位置付けられてもよい。例えば、矢印110は、センサユニット(図1Bの112)が、車両100の後方に沿って、例えば、バンパー上またはバンパーに隣接して位置決めされてもよいことを示す。そして、矢印114は、車両の前方を向いた方向に沿って配置された一連のセンサユニット116を示す。いくつかの例では、乗客用車両100はまた、車両の内部空間(図示せず)に関する情報を取得するための様々なセンサも含むことができる。
【0022】
図1C図1Dは、トラクタトレーラトラックなどの貨物車両150の例を示す。トラックは、例えば、シングル、ダブル、またはトリプルのトレーラを含むことができ、または商用重量クラス4~8などの別の中型または大型トラックであり得る。図示するように、トラックは、トラクタユニット152と、単一の貨物ユニットまたはトレーラ154と、を含む。トレーラ154は、輸送する貨物のタイプに応じて、完全に密閉されるか、フラットベッドのように開くか、または部分的に開くことができる。この例では、トラクタユニット152は、エンジンおよびステアリングシステム(図示せず)と、運転者および任意の乗客のための運転室156と、を含む。完全に自律的な配置では人が必要ない場合があるので、運転室156は、座席または手動運転構成要素を備えなくてもよい。
【0023】
トレーラ154は、キングピンとして知られるヒッチングポイント158を含む。キングピン158は、通常、中実のスチールシャフトとして形成され、トラクタユニット152に旋回可能に取り付けられるように構成される。特に、キングピン158は、運転室の後方に装着された第5車輪として知られるトレーラ連結部160に取り付ける。ダブルまたはトリプルトラクタトレーラの場合、第2のおよび/または第3のトレーラは、先頭のトレーラへの単純なヒッチ接続を有してもよい。または代替的に、各トレーラは、独自のキングピンを有してもよい。この場合、少なくとも第1および第2のトレーラは、次のトレーラに連結するように配置された第5輪タイプの構造を含むことができる。
【0024】
図示するように、トラクタは、トラクタに沿って配設された1つ以上のセンサユニット162、164を有してもよい。例えば、1つ以上のセンサユニット162を運転室156の屋根または頂部部分に配設することができ、1つ以上の側方センサユニット164を運転室156の左側および/または右側に配設することができる。センサユニットは、運転室106の他の領域に沿って、例えば、前方バンパーまたはボンネットエリアに沿って、運転室の後方に、第5輪に隣接して、シャーシの下などに位置付けられてもよい。トレーラ154はまた、例えば、トレーラに沿って、例えば、トレーラ154の側方パネル、前方、後方、屋根、および/またはアンダーキャリッジに沿って、1つ以上のセンサユニット166を配設することもできる。
【0025】
例として、各センサユニットは、1つ以上のセンサ、例えば、Lidar、レーダー、カメラ(例えば、光学もしくは赤外線)、音響センサ(例えば、マイクロフォンもしくはソナータイプセンサ)、慣性センサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、など)、または他のセンサ(例えば、GPSセンサなどの測位センサ)を含んでもよい。本開示のある態様は、特定のタイプの車両に関連して特に有用であるが、車両は、乗用車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション用車両などを含むがこれらに限定されない任意のタイプの車両であってもよい。
【0026】
部分的または完全な自律運転モードで動作する車両では、異なる程度の自律性が発生する可能性がある。U.S.National Highway Traffic Safety Administration and the Society of Automotive Engineersは、どれだけ多く、またはどれだけ少なく、車両が運転を制御するかを示すために、様々なレベルを特定した。例えば、レベル0は自動化されておらず、運転手は、運転に関連するすべての決定を行う。最も低い半自律モードであるレベル1は、クルーズコントロールなど、何らかのドライブ支援を含む。レベル2は、特定の運転動作の部分的な自動化を有し、レベル3は、必要に応じて運転者席の人が制御することが可能であり得る条件付きの自動化を伴う。対照的に、レベル4は、車両が選んだ条件で支援なしで運転することができる高度な自動化レベルである。対照的に、レベル5は、車両があらゆる状況下で支援なしで運転することができる完全な自動化レベルである。本明細書に記載のアーキテクチャ、構成要素、システム、および方法は、本明細書で自律運転モードと呼ばれる、例えば、レベル1~5の半自律モードまたは完全自律モードのいずれかで機能することができる。したがって、自律運転モードへの言及には、部分的自律性と完全自律性の両方が含まれる。
【0027】
図2は、自律運転モードで動作するための、乗客用車両100などの例示的な車両の様々な構成要素およびシステムを有するブロック図200を示す。図示するように、ブロック図200は、1つ以上のプロセッサ204、メモリ206、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を含む、コンピューティングデバイスなどの1つ以上のコンピューティングデバイス202を含む。メモリ206は、1つ以上のプロセッサ204によってアクセス可能な情報を記憶し、その情報には、プロセッサ(複数可)204によって実行されるかまたは他の方法で使用され得る命令208およびデータ210が含まれる。コンピューティングシステムは、自律運転モードで動作するとき、車両の全体的な動作を制御することができる。
【0028】
メモリ206は、プロセッサ204によって実行されるかまたは他の方法で使用され得る命令208およびデータ210を含む、プロセッサ204によってアクセス可能な情報を記憶する。メモリ206は、コンピューティングデバイス可読媒体を含む、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる任意のタイプのものであり得る。メモリは、ハードドライブ、メモリカード、光ディスク、ソリッドステートなどの非一過性の媒体である。システムは、前述の異なる組み合わせを含むことができ、それにより、命令およびデータの異なる部分が異なるタイプの媒体に記憶される。
【0029】
命令208は、プロセッサによって直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の命令のセットであってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」、「モジュール」、および「プログラム」という用語は、本明細書では区別なく使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためのオブジェクトコード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされる、スクリプトもしくは独立したソースコードモジュールのコレクションを含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。データ210は、命令208に従って、1つ以上のプロセッサ204によって検索、記憶、または修正され得る。一例では、メモリ206の一部または全部は、車両診断および/または検出されたセンサデータを記憶するように構成されたイベントデータレコーダまたは他のセキュアデータストレージシステムであってもよく、実装に応じて、車両に搭載されてもよく、または遠隔地にあってもよい。
【0030】
プロセッサ204は、市販されているCPUなどの、任意の従来のプロセッサであってもよい。代替的に、各プロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。図2は、コンピューティングデバイス202のプロセッサ、メモリ、および他の要素が同じブロック内にあることを機能的に示すが、そのようなデバイスは、実際には、同じ物理的ハウジング内に格納されてもされなくてもよい複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含んでもよい。同様に、メモリ206は、プロセッサ(複数可)204のものとは異なるハウジング内に位置するハードドライブまたは他のストレージ媒体であり得る。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並行に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことが理解されよう。
【0031】
一例では、コンピューティングデバイス202は、車両100に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムを形成し得る。自律運転コンピューティングシステムは、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、コンピューティングデバイス202は、(車両の制動を制御するための)減速システム212、(車両の加速を制御するための)加速システム214、(車輪の向きおよび車両の方向を制御するための)ステアリングシステム216、(方向指示器を制御するための)合図システム218、(車両をある場所にまたは物体の周りにナビゲートするための)ナビゲーションシステム220、および(例えば、車両の姿勢を含む、車両の位置を決定するための)測位システム222を含む、運転システムを含む、車両の様々なシステムと通信可能であってもよい。自律運転コンピューティングシステムは、ナビゲーションシステム220、測位システム222、および/またはシステムの他の構成要素に従って、例えば、出発点から目的地までのルートを決定するため、または現在のもしくは予想された牽引力状態を考慮して様々な運転の態様に修正を加えるために、プランナーモジュール223を使用してもよい。
【0032】
コンピューティングデバイス202はまた、車両の乗客からの連続的または定期的な入力を要求しないかまたは必要としない自律運転モードで、メモリ206の命令208に従って、車両の動き、速度などを制御するために、(車両の環境内の物体を検出するための)知覚システム224、電力システム226(例えば、バッテリおよび/またはガソリンもしくはディーゼル動力エンジン)、ならびにトランスミッションシステム230に動作可能に連結される。車輪/タイヤ228は、トランスミッションシステム230に連結され、コンピューティングデバイス202は、自律モードでの運転に影響を与え得るタイヤ空気圧、バランス、および他の要因に関する情報を受信することが可能であり得る。
【0033】
コンピューティングデバイス202は、様々な構成要素を制御することによって、例えば、プランナーモジュール223を介して、車両の方向および速度を制御してもよい。例として、コンピューティングデバイス202は、地図情報およびナビゲーションシステム220からのデータを使用して、車両を目的地に完全に自律的にナビゲートし得る。コンピューティングデバイス202は、測位システム222を使用して車両の場所を判断し、その場所に安全に到着する必要があるとき、知覚システム224を使用して、物体を検出し、物体に応答することができる。そうするために、コンピューティングデバイス202は、車両を(例えば、加速システム214によってエンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって)加速し、(例えば、エンジンに供給される燃料を低減し、ギヤを切り替え、および/または減速システム212によって制動をかけることによって)減速し、(例えば、ステアリングシステム216によって、車両100の前輪または他の車輪の方向を転換することによって)方向を変更し、(例えば、合図システム218の方向指示器を点灯することによって)そのような変更を合図し得る。したがって、加速システム214および減速システム212は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置または他のタイプのトランスミッションシステム230の一部であり得る。この場合も、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス202はまた、車両を自律的に操縦するために、車両のトランスミッションシステム230を制御することができる。
【0034】
ナビゲーションシステム220は、ある場所までのルートを決定し、たどるために、コンピューティングデバイス202によって使用され得る。この点について、ナビゲーションシステム220および/またはメモリ206は、地図情報、例えば、コンピューティングデバイス202が車両をナビゲートまたは制御するために使用することができる非常に詳細な地図を記憶し得る。一例として、これらの地図は、車道、区画線、交差点、横断歩道、速度制限、交通信号機、建物、標識、リアルタイムの交通情報、植生、または他のそのような物体ならびに情報の形状および標高を識別し得る。区画線は、実線または破線の、二重または単一の車線境界線、実線または破線の車線境界線、反射板などの特徴を含み得る。所与の車線は、車線の境界を画定する、左および/または右の車線境界線または他の区画線と関連付けられ得る。このため、ほとんどの車線は、1つの車線境界線の左端と別の車線境界線の右端によって境界付けられ得る。
【0035】
知覚システム224は、車両の外部の物体を検出するためのセンサ232を含む。検出された物体は、他の車両、道路上の障害物、交通信号機、標識、樹木などであり得る。センサメイ232はまた、雪、雨、水しぶき、または道路上の水たまり、氷、または他の物体などの、気象状況の特定の態様を検出することもできる。
【0036】
単なる例として、知覚システム224は、1つ以上の光検出および測距(Lidar)センサ、レーダーユニット、カメラ(例えば、中性密度フィルタ(ND)フィルタの有無にかかわらず、光学イメージングデバイス)、測位センサ(例えば、ジャイロスコープ、加速度計、ならびに/またはその他の慣性構成要素)、赤外線センサ、音響センサ(例えば、マイクロフォンまたはソナートランスデューサ)、および/もしくはコンピューティングデバイス202によって処理され得るデータを記録する他の任意の検出デバイスを含み得る。知覚システム224のそのようなセンサは、車両の外部の物体、およびそれらの特徴、例えば、場所、向き、サイズ、形状、タイプ(例えば、車両、歩行者、自転車運転者など)、進行方向、車両に対する移動速度を検出することができる。知覚システム224はまた、車両内の他のセンサを含み、客室内などの車両内の物体および状態を検出することもできる。例えば、そのようなセンサは、例えば、1人以上の人、ペット、荷物など、ならびに車内および/または車外の温度、湿度などの状態を検出することができる。知覚システム224のさらに別のセンサ232は、車輪228の回転速度、減速システム312による制動の量またはタイプ、および車両自体の装備と関連付けられる他の要因を測定することができる。
【0037】
センサからの生データおよび前述の特性は、知覚システム224によって処理され、および/またはデータが知覚システム224によって生成されるときに、周期的または連続的にコンピューティングデバイス202に、さらなる処理のために送信され得る。コンピューティングデバイス202は、測位システム222を使用して車両の場所を決定し、その場所に安全に到着する必要があるとき、知覚システム224を使用して、例えばプランナーモジュール223によって行われる調整を介して、物体を検出し、物体に応答することができる。加えて、コンピューティングデバイス202は、個々のセンサ、特定のセンサアセンブリ内のすべてのセンサ、または異なるセンサアセンブリもしくは他の物理的ハウジング内のセンサ間の較正を実行してもよい。
【0038】
図1A図1Bに示すように、知覚システム224の特定のセンサは、1つ以上のセンサアセンブリまたはハウジングに組み込まれ得る。一例では、これらは車両のサイドビューミラーに組み込まれてもよい。別の例では、他のセンサは、屋上ハウジング102、または他のセンサハウジングもしくはユニット106a、b、108a、b、112、および/または116の一部であり得る。コンピューティングデバイス202は、車両上に位置付けられた、または他の方法で車両に沿って分散されたセンサアセンブリと通信することができる。各アセンブリは、上述したもののような1つ以上のタイプのセンサを有することができる。
【0039】
図2に戻ると、コンピューティングデバイス202は、上述のプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザインターフェースサブシステム234などのコンピューティングデバイスに関連して通常使用されるすべての構成要素を含むことができる。ユーザインターフェースサブシステム234は、1つ以上のユーザ入力236(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、および/またはマイクロフォン)、ならびに1つ以上の表示デバイス238(例えば、画面を有するモニタ、または情報を表示するように動作可能な他の任意の電気デバイス)を含んでもよい。この点について、内部の電子ディスプレイは、車両の車内(図示せず)に位置付けられてもよく、車両内の乗客に情報を提供するためにコンピューティングデバイス202によって使用されてもよい。スピーカ(複数可)240などの他の出力デバイスも、乗客用車両内に位置付けられてもよい。
【0040】
乗客用車両はまた、通信システム242も含む。例えば、通信システム242はまた、他のコンピューティングデバイス、例えば、車両内の乗客コンピューティングデバイス、道路上の別の近くの車両内などの車両外部のコンピューティングデバイス、および/または遠隔サーバシステムとの通信を容易にするために、1つ以上の無線構成を含むこともできる。無線ネットワーク接続は、Bluetooth(商標)、Bluetooth(商標)ローエネルギー(LE)、携帯電話接続、ならびにインターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業独自の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFiおよびHTTP、ならびに前述の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む、様々な構成およびプロトコルを含み得る。
【0041】
図3Aは、車両、例えば図1Cの車両150の様々な構成要素およびシステムを有するブロック図300を示す。一例として、車両は、1つ以上の自律動作モードで動作するように構成されたトラック、農機具、または建設機械であり得る。ブロック図300に示すように、車両は、1つ以上のコンピューティングデバイスの制御システム、例えば、1つ以上のプロセッサ304、メモリ306、ならびに図2に関して上で考察された構成要素202、204、および206に類似または同等の他の構成要素を含むコンピューティングデバイス302を含む。制御システムは、貨物車両のトラクタユニットの電子制御ユニット(ECU)を構成することができる。命令208と同様に、命令308は、プロセッサによって直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の命令のセットであってもよい。同様に、データ310は、命令308に従って、1つ以上のプロセッサ304によって検索、記憶、または修正され得る。
【0042】
一例では、コンピューティングデバイス302は、車両150に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムを形成し得る。図2に関して上で考察された配置と同様に、ブロック図300の自律運転コンピューティングシステムは、ルート計画および運転動作を実行するために、車両の様々な構成要素と通信することができる。例えば、コンピューティングデバイス302は、減速システム312、加速システム314、ステアリングシステム316、合図システム318、ナビゲーションシステム320、および測位システム322を含む運転システムなど、車両の様々なシステムと通信することができ、これらは各々、図2に関して上で考察されたように機能することができる。
【0043】
コンピューティングデバイス302はまた、知覚システム324、電力システム326、およびトランスミッションシステム330にも動作可能に連結される。車輪/タイヤ228は、トランスミッションシステム230に連結され、コンピューティングデバイス202は、自律モードでの運転に影響を与え得るタイヤ空気圧、バランス、回転率、および他の要因に関する情報を受信することが可能であり得る。コンピューティングデバイス202と共に、コンピューティングデバイス302は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御してもよい。例として、コンピューティングデバイス302は、地図情報およびナビゲーションシステム320からのデータを使用して、車両を目的地に完全に自律的にナビゲートし得る。コンピューティングデバイス302は、図2について上述した様式と同様に、測位システム322、知覚システム324、および他のサブシステムと連携してプランナーモジュール323を使用して、安全にその場所に到達する必要があるときに、物体を検出してそれに応答することができる。
【0044】
知覚システム224と同様に、知覚システム324はまた、車両外部の物体、車両内部の物体または状態、および/または、車輪および減速システム312などの特定の車両機器の動作を検出するための、上述したような1つ以上のセンサまたは他の構成要素も含む。例えば、図3Aに示すように、知覚システム324は、1つ以上のセンサアセンブリ332を含む。各センサアセンブリ232は、1つ以上のセンサを含む。一例では、センサアセンブリ332は、トラック、農機具、建設機械などのサイドビューミラーに組み込まれたセンサタワーとして配置されてもよい。センサアセンブリ332はまた、図1C図1Dに関して上述したように、トラクタユニット152またはトレーラ154上の異なる場所に位置決めすることもできる。コンピューティングデバイス302は、トラクタユニット152およびトレーラ154の両方に位置付けられるセンサアセンブリと通信することができる。各アセンブリは、上述したもののような1つ以上のタイプのセンサを有することができる。
【0045】
また、図3Aには、トラクタユニットとトレーラとの間の接続のための連結システム334が示される。連結システム334は、1つ以上の動力および/または空気圧接続(図示せず)、ならびにトレーラのキングピンに接続するためのトラクタユニットの第5輪336を含むことができる。通信システム242に相当する通信システム338も、車両システム300の一部として示される。
【0046】
図3Bは、図1C図1Dのトレーラ154などのトレーラのシステムの例示的なブロック図340を示す。図示するように、システムは、1つ以上のプロセッサ344、メモリ346、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を含む、コンピューティングデバイスなどの1つ以上のコンピューティングデバイスのECU342を含む。メモリ346は、1つ以上のプロセッサ344によってアクセス可能な情報を記憶し、その情報には、プロセッサ(複数可)344によって実行されるかまたは他の方法で使用され得る命令348およびデータ350が含まれる。図2および3Aのプロセッサ、メモリ、命令、およびデータの説明は、図3Bのこれらの要素に適用される。
【0047】
ECU342は、トレーラユニットから情報および制御信号を受信するように構成される。ECU342の車載プロセッサ344は、減速システム352、合図システム254、および測位システム356を含む、トレーラの様々なシステムと通信することができる。ECU342はまた、トレーラの環境内の物体を検出するための1つ以上のセンサを備えた知覚システム358、およびローカルの構成要素に電力を供給する電力システム260(例えば、バッテリ電源)に動作可能に連結することもできる。トレーラの車輪/タイヤ362の一部または全部は、減速システム352に連結され、プロセッサ344は、タイヤ空気圧、バランス、車輪速度、および自律モードでの運転に影響を与える可能性のある他の要因に関する情報を受信し、その情報をトラクタユニットの処理システムに中継することができる。減速システム352、合図システム354、測位システム356、知覚システム358、動力システム360、および車輪/タイヤ362は、図2および図3Aに関して上述したような様式で動作することができる。
【0048】
トレーラはまた、着陸装置のセット366、および連結システム368も含む。着陸装置は、トラクタユニットから切り離されたときに、トレーラの支持構造を提供する。連結システム334の一部である連結システム368は、トレーラとトラクタユニットとの間の接続を提供する。したがって、連結システム368は、接続区分370(例えば、動力および/または空気圧リンク用)を含むことができる。連結システムは、トラクタユニットの第5車輪と接続するように構成されたキングピン372も含む。
例示的な実装形態
【0049】
上述され、図に示された構造および構成を考慮して、様々な態様を、技術の態様に従って次に説明する。
【0050】
図4は、車両400がセンサ402および404を使用して別の車両406の存在を検出するシナリオを示す。図示するように、センサ402および404は、車両400の前方の物体を検出するために、それぞれの視野(FOV)408および410を有する。この例では、センサ402および404は、例えば、Lidar、レーダー、画像および/または音響センサであり得る。
【0051】
外部環境の異なる部分からデータを収集するために、様々なセンサを車両の周りの異なる場所に位置付けることができる(図1A図1Dを参照)。特定のセンサは、車両の周囲のそれらの配置、および収集するように設計される情報のタイプに応じて、異なる視野を有することがある。例えば、異なるLidarセンサは、車両に隣接する(例えば、2~10メートル未満)物体の近距離(短距離)検出に使用されてもよく、他のセンサは、車両の前方100メートル(またはそれ超もしくは未満)の物体の遠距離(長距離)検出に使用されてもよい。中距離Lidarを使用することもできる。長距離の物体検出のために、複数のレーダーユニットを車両の前方または後方に位置決めすることができる。また、車両の周囲がよく見えるようにカメラを配置することもできる。構成に応じて、特定のタイプのセンサには、視野が重複している複数の個別のセンサが含まれてもよい。代替的に、他のセンサが冗長な360°の視野を提供してもよい。
【0052】
図5は、図1Bに示されるセンサに関連するセンサ視野の一例500を提供する。ここで、屋上ハウジング102がLidarセンサ、ならびに様々なカメラ、レーダーユニット、赤外線および/または音響センサを含む場合、これらのセンサの各々は異なる視野を有してもよい。したがって、図示するように、Lidarセンサは360°FOV502を提供することができ、ハウジング102内に配置されたカメラは個別のFOV504を有することができる。車両の前端のハウジング104内のセンサは前方を向いたFOV506を有し、ハウジング112内の後端のセンサは後方を向いたFOV508を有する。車両の運転席側および乗客側のハウジング106a、106bは各々、Lidar、レーダー、カメラ、および/または他のセンサを組み込んでもよい。例えば、ハウジング106aおよび106b内のLidarは、それぞれのFOV510aまたは510bを有することができ、一方、ハウジング106aおよび106b内のレーダーユニットまたは他のセンサは、それぞれのFOV511aまたは511bを有することができる。同様に、車両の後部屋根部分に向かって位置付けられたハウジング108a、108b内のセンサは各々、それぞれのFOVを有する。例えば、ハウジング108aおよび108b内のLidarは、それぞれのFOV512aまたは512bを有することができ、一方、ハウジング108aおよび108b内のレーダーユニットまたは他のセンサは、それぞれのFOV513aまたは513bを有することができる。そして、車両の前方を向いた方向に沿って配置された一連のセンサユニット116は、それぞれのFOV514、516、および518を有することができる。これらの視野の各々は、単なる例示であり、カバレッジ範囲に関して正確な縮尺ではない。
【0053】
貨物型車両(例えば、図1C図1Dの車両150)のLidar、カメラ、およびレーダーセンサ、ならびにそれらの視野の例が、図6Aおよび図6Bに示される。図6Aの例600では、1つ以上のLidarユニットが屋上センサハウジング602に位置付けられ、他のLidarユニットが側方センサハウジング604に位置付けられてもよい。特に、屋上センサハウジング602は、360°FOVを提供するように構成され得る。一対のセンサハウジング604は、トラクタユニットの運転室のいずれかの側に位置付けることができ、例えば、サイドビューミラーアセンブリに組み込まれるか、または運転室のサイドドアまたはクォーターパネルに沿って組み込まれる。1つのシナリオでは、長距離Lidarは、センサハウジング602および604の頂部または上部エリアに沿って位置付けられる。長距離Lidarは、車両のボンネット越しに見えるように構成することができる。また、短距離Lidarは、センサハウジング602および604の他の部分に位置付けることができる。近距離Lidarは、別の車両、歩行者、自転車運転者などの物体が車両の前方または側方にあるかどうかを決定するために知覚システムによって使用され、運転または方向転換の方法を決定する際にその情報を考慮に入れることができる。両方のタイプのLidarは、例えば、共通の垂直軸に沿って並べて、ハウジング内に同じ場所に位置付けることができる。
【0054】
図6Aに示すように、屋上センサハウジング602内のLidarはFOV606を有することができる。ここで、領域608によって示されるように、トレーラまたは車両の他の関節部分は、信号リターンを提供することができ、外部環境の後方視界を部分的または完全に遮断することができる。トラクタユニットの左側と右側の長距離Lidarは、FOV610を有する。これらは、車両の側方および前方に沿った重要なエリアを含む場合がある。図示するように、車両の前方にそれらの視野の重複領域612があってもよい。重複領域612は、追加の情報またはトラクタユニットのすぐ前方にある非常に重要な領域に関する情報を知覚システムに提供する。この冗長性は、安全面にも影響する。長距離Lidarセンサのうちの1つで性能低下に見舞われた場合でも、冗長性により自律モードでの動作が可能になる。左側と右側の短距離Lidarは、FOV614が小さくなっている。図面を見やすくするために、異なる視野の間に空間が示されるが、実際には、カバレッジが途切れない場合がある。センサアセンブリの特定の配置および視野は単に例示的なものである、例えば、車両のタイプ、車両のサイズ、FOV要件などによって異なる場合がある。
【0055】
図6Bは、図1C図1Dの車両150のなどの、屋上ハウジングおよびトラクタトレーラの両側にあるレーダーおよびカメラセンサのいずれか(または両方)の例示的な構成620を示す。ここで、図6Aのセンサハウジング602および604の各々に複数のレーダーおよび/またはカメラセンサがあってもよい。図示するように、前方FOV622、側方FOV624、および後方FOV626を備える屋上ハウジング内にセンサがあってもよい。領域608と同様に、トレーラは、車両の後ろの物体を検出するセンサの能力に影響を与える可能性がある。センサハウジング604内のセンサは、前方を向いたFOV628(ならびに側方および/または後方視野)を有することができる。図6Aに関して上で考察されたLidarと同様に、図6Bのセンサは、重複領域630によって示すように、隣接する視野が重複するように配置されてもよい。ここでの重複領域も同様に冗長性を提供することができ、1つのセンサが性能低下に見舞われた場合でも同じ利点を有する。
【0056】
例示的なシナリオ
本技術の態様によれば、車両の周囲の一般的な道路気象状況を決定することは、自律運転中に車両が1つ以上の制動および/または加速動作を実行することを含むことができる。このような動作は、Lidar、レーダー、カメラ、または外部環境内の物体を検出するように構成されたその他のセンサからデータを収集することと併せて実行することができる。一般的な気象状況の情報が決定されると、この情報を現在の運転動作を管理または変更するために使用することができる。また、ルートの接近しつつある部分を修正または再計画するために使用することもできる。
【0057】
制動操作および加速操作は、異なる方法で行うことができる。例えば、以下で考察されるように、車両は、道路の特定の部分に沿った1つ以上の制動および/または加速動作を含み得る、事前定義されたシナリオの中で特定の様式で動作するように制御されてもよい。これは、能動的な試験アプローチと考えることができる。または能動的アプローチに代えて、もしくはこれに関連して、システムは、例えば進行中の運転イベント(例えば、カーブの周囲での制動、停止からの加速など)の一部として、異なる運転活動中に気象状況情報を収集することができる。これは、受動的な試験アプローチと考えることができる。
【0058】
例として、車両が直線経路またはそれ以外の一定の軌道に沿って運転しており、近くに他の車両または他の物体がない場合の1つの能動的試験シナリオでは、システムは、減速システム(例えば、ABS制動構成要素)からのフィードバックが、車輪が路面との牽引力を損失し始めていることを示すまで、制動を開始するか、または制動レベルを増加させることができる。これには、選択された時間期間(例えば、0.1~2.0秒、またはそれ超もしくはそれ未満)に1回以上制動をかけることが含まれる。牽引力の損失は、路面の氷、雪、水たまりなど、様々な環境状態に起因する可能性がある。また、グリースもしくは他のオイルなどの液体または道路上にあるがれきに起因する場合もある。
【0059】
このタイプの能動的試験シナリオでは、近くの車両または他の物体に関する制限は、車両の背後にある物体に焦点を当てることができる。例えば、システムは、制動試験を開始する前に、後続車両との最小量の車間距離(現在の速度に基づく、車両と任意の後続車両との間の時間)を必要としてもよい。この場合、最小量の時間は、例えば、3~5秒以上であり得る。代替的に、システムは、例えば、30~80メートル以上の最小距離閾値を設定することができる。
【0060】
別の能動的試験シナリオでは、車両は、停止状態からの加速量を選択してもよい。これは、例として、一時停止標識または停止信号で発生する可能性がある。システムは、第1の速度から第2の速度(例えば、20mph~25mphまで)への加速を開始することもできる。車両が停止状態から加速するか、または速度を上げ始めると、システムはタイヤが空転しているかどうかを検出することができる。状態に応じて、このタイプの状況は、最初の能動的試験シナリオに比べて、スリップが発生した場合に制御を回復するのが容易または困難である可能性がある。
【0061】
受動的試験シナリオの1つの例は、赤信号または接近しつつある一時停止の標識で制動をかけるなど、典型的な運転手順中に車両が減速したときに発生する。受動的試験シナリオの別の例は、方向転換動作中の速度低下である。いずれの場合でも、システムは、本明細書に記載された技術を使用して、受動的試験シナリオ中にタイヤの性能(例えば、スリップ、完全停止までの時間または距離、通常の回転速度での方向転換中の軌道に密接に追従する能力)を検出することができる。
【0062】
能動的または受動的シナリオのいずれにおいても、1つ以上の制動および/または加速処置を実行することができる。一般的な道路の気象状況に関するより多くの情報を収集するために、必要に応じてこのプロセスを繰り返すことができる。
【0063】
自律運転モードでの車両の運転制御を変更するために、車載コンピュータシステムは、予想されたものとは異なる車輪のスリップまたは車両動作もしくは測位のその他の変動を使用することができる。例えば、車両のプランナーモジュールは、この情報を使用して、現在および将来の制動を調整し、他の運転操縦に対して、ルートを選択することができる。
【0064】
一連の車載センサから取得したセンサデータは、プランナーシステムを支援することができる。例えば、様々なセンサ(例えば、慣性およびジャイロスコープ、Lidarなどから取得された情報は、車両の姿勢を推定するために使用することができ、ここで、姿勢は、例えば、位置、向き、曲率、曲率の変化、縦方向および横方向の加速度、速度などを含むことができる。加速度情報は、道路状況に直接関係するため、特に有用である。一例として、乾いた道路では、車両は約8m/sの減速度で制動することができると仮定することができる。濡れた道路では、減速は5m/s程度など、はるかに少ない場合がある。雪道では、2~3m/s程度、氷上では0.5 m/s程度のさらに控えめな減速になる可能性がある。
【0065】
道路上の車両の実際の(測定された)姿勢は、以前の姿勢および取得されたセンサデータから導出される。プランナーモジュールまたは車載コンピュータシステムの別の部分は、実際の姿勢を道路上の計画された(または予想された)姿勢と比較することができる。能動的または受動的試験動作中に、これらの姿勢が一致しない場合、またはデータに検出可能な不一致もしくはその他の変動がある場合、システムは車両が牽引力を失ったことを決定することができる。このような1つの不一致は、報告された車輪速度と車両の姿勢との間に発生する可能性がある。予想された位置、向き、および/または速度からの逸脱で、他の不一致が発生する可能性がある。単なる例として、システムは、実際の縦方向の位置と予想された縦方向の位置との間に少なくとも50cmの差がある場合、縦方向の位置の不一致にフラグを報告することができる。同様に、実際の横位置と予想された横位置との間に少なくとも30cmの差がある場合、システムは横位置の不一致を報告することができる。別の例では、車両の向きが約1度超ずれている場合、これは向きの不一致を示す可能性がある。さらに別の例では、速度が約1m/s超異なる場合、これも不一致として報告することができる。このような不一致は単なる例示的なものである。
【0066】
図7A図Bは、制動シナリオにおける予想された車両姿勢と実際の車両姿勢とを比較する一例を示す。例えば、図7A図700に示すように、車両が赤信号に接近するにつれて、減速システム(例えば、図2の212)が制動を作動させて車両を停止させる。車載システムは、車両が特定の時点において実線702で示されるような予想された姿勢をとることを期待することができる。ただし、システムは、予想された姿勢とは異なる実際の姿勢を検出する場合がある。これは、点線712によって図7Bのビュー710に示される。これには、例えば、横方向および/または縦方向の位置決めの差、および/または前端がより道路の右または左の方を向くような車両のヨーの変化を含んでもよい。例えば、点線の矢印714は横方向の変動を示し、破線の矢印716は図7Aで予想されたものからの縦方向の変動を示す。図7C図7Dは、それぞれ、予想されたシーンおよび実際のシーンのイーグルアイビューを示す。
【0067】
図8A図8Dは、加速シナリオにおける実際の車両姿勢と予想された車両姿勢とを比較する例800を示す。例えば、図8Aは、信号が赤であるときに交差点で停止している車両を示す(802)。停止信号が緑色に変わると(804)、加速システム(例えば、図2の214)が作動し、車輪を回転させ、図8Bに示すように車両が前進する。図8C図8Dは、予想されたシーンおよび実際のシーンのイーグルアイビューを示す。特に、図8Cは、特定の時点での加速に応じた車両の予想された姿勢を示す予想されたシーン810を示す。ここで、点線812は、車両がたどると予想された直線経路を示す。しかし、図8Dは、特定の時点における車両の実際の姿勢を示す実際のシーン820を示す。この場合、点線の矢印822は横方向の不一致を示し、点線の矢印824は縦方向の不一致を示し、円弧状の矢印826は車両の左へのヨーを示す。これらの情報の各々は、加速プロセス中に車輪が牽引力を損失したことを車載システムに示すことができる。
【0068】
図9A図9Bは、方向転換の例900を示す。ここでは、例えば、車両がT字型の交差点で右折している。この例では、停止標識がなく、見通しがよく、車両は、完全な停止から方向転換を開始するのではなく速度を落として方向転換をすることができる。図9Aでは、破線矢印902は、計画された方向転換経路を示す。しかし、図9Bに示すように、一点鎖線矢印912は、車載センサ(例えば、Lidar、レーダー、カメラ、および/または慣性センサ)から検出された実際の方向転換経路を示す。図9Bに見られるように、車両の後方区分が左に振れ、方向転換経路が幹線道路に沿って二重線に近づくように移動している。この場合に検出された情報は、車載システムに、前輪および/または後輪が方向転換のために減速しているときに牽引力を損失したことを示してもよい。
【0069】
図7図9の例は、計画された姿勢および観察された姿勢の全体的な不一致が測定される比較的極端なケースを示す。実際には、様々な道路状況に起因して、車両がスリップしていることを検出するために、このような不一致ははるかに小さい(または大きい)場合がある。
【0070】
図10は、別の例1000を示しており、システムは、道路の接近しつつあるエリアにおける差を検出し、牽引力状態を決定するための能動的試験を実行することを決定することができる。例えば、車両のセンサのうちの1つ以上が、道路の複数の車線を覆うエリア1002を検出することがある。この場合、別の車線に変更するか、または他の方法で車両の経路を変更するのに十分な時間がない可能性がある。この例では、車載システムは、エリア1002を運転中に制動動作または加速動作の一方または両方を実行することができる。動作(複数可)は、例えば、横方向の不一致、縦方向の不一致、および/またはヨーの不一致を検出することにより、道路の別の区分に対する牽引力の減少を示してもよい。もちろん、安全であることが決定された場合には、そのような状態での試験が行われる。このことは、車両に乗客がいない場合、所定の距離(例えば、250~400m以上またはそれ以下)内に周囲の車両がない場合、および/またはセンサデータに基づいて、牽引力またはステアリング制御を損失する可能性が非常に低く、この様式で車両を動作させることが安全であることが決定された状況に試験を制限することを含み得る。
【0071】
システムは、センサデータに基づいて、ルートに沿った接近しつつある区分のスリップの可能性を予測することもできる。このような予測はまた、受信された気象データ、測定された温度および/または湿度情報、車載マップからの地形データなどの他の情報、ならびに他の車両が道路の特定の直線コースを通ってどのように運転したか、またはそれに沿ってどのように運転したかを考慮することもできる。この例は、図11A図11Bに示される。特に、図11Aは、高速道路の車線に沿って運転する、図1Cのトラクタトレーラ150などの車両を示す。プランナーモジュールは、車両が直線矢印1102で示すように車線に留まるように計画した可能性がある。ただし、この例では、車両のセンサが検出するか、車載コンピュータシステムが別の車両または外部システムから、前方の車線に氷またはその他の何らかのスリップしやすい物質1104があるという情報を受信する場合がある。この場合、図11Bに示すように、プランナーモジュールは、角度付き矢印1112で示すように経路を変更し、車両の運転システムに車線を変更させる。
【0072】
図11Cは、別の状況1120を示しており、車線または車線1122の区分が「消失した」か、またはそれ以外の場合には通過するのに好適でないことをセンサが検出する。例えば、センサは、区画線、道路の標高情報、他の車両の予期せぬ行動(例えば、予想された車線の境界線/外形内で運転しなくなった)などを検出できない(または、ある場所では検出できるが、他の場所では検出できない)可能性がある。これは、例えば、積雪、道路の一区分の洪水、石、枝、葉などの破片による閉塞、または他の状況に起因する場合がある。この場合、プランナーモジュールまたは車載コンピュータシステムの他の部分は、車両に車線を変更させて、区分1122を回避することができる。
【0073】
図11D図11Eは、スリップしやすい状態に起因するルート再計画の例を示す。図11D図1130に示すように、車両は、計画されたルート1132に沿った氷または他の何らかのスリップしやすいエリア1134を検出するか、またはそれを通知されてもよい。この例では、別の車両1136の動作を観察するなどの追加の情報が、エリア1134がスリップしやすいという決定を裏付けることができる。例えば、図示するように、車両1126のピッチは、予想されたものとは異なる場合がある。このような情報に基づいて、図11Eの例1140に示すように、システムはスリップしやすいエリアを回避するための代替ルート1142を計画する。
【0074】
プランナーモジュールまたは車載コンピュータシステムの他の部分は、分析された道路気象状況に基づいて、検出された物体の行動予測を修正することができる。例えば、図12Aおよび12Bは、環境内の近くの車両または他の物体に関連する実際のまたは差し迫った状態を考慮した他のシナリオを示す。特に、図12Aは、道路上に複数の車両があり、路面の一部分に検出された物体1202がある状況を示す。第1の時点において、車両100は、検出された物体1202が何であるかを決定することができない場合がある。しかし、第2の時点において、車両100のセンサは、物体1202に隣接するか、または他の場合は近くにある新しい物体1204を検出することができる。この場合、反対方向に進行するトラックなどの別の車両が物体1202の一部分を通過すると、新しい物体1204が検出され得る。そのような検出された情報に基づいて、車両100の車載システムは、物体1204が物体1202からの水しぶきであると決定し、さらに物体1202が水たまりであることを示すことができる。この状況では、車両100は、水たまりを含む車線を運転し続ける可能性がある。または、点線矢印1206で示すように、車両100は、水たまりおよび水たまりを通って運転する他の車両によって引き起こされる可能性のあるさらなる水しぶきを回避するために、車線を変更することができる。
【0075】
図12Bは、車載システムが気象状況を考慮して別の物体の処置を予測することができる異なるの状況1210を示す。この例では、車両100は、自転車専用レーン1212を含む道路に沿って運転している。この場合、車両100は、道路上の物体1214を検出し、自転車レーン1212内の自転車運転者1216も検出する。車両100は、物体1214が水たまりまたは他の障害物であると決定することができる。自転車運転者1216がまだいかなる是正処置もとっていなくても、車両100の車載システムは、点線の矢印1218で示すように、自転車に運転者1216が、例えば、自分の進路を変更することによって、物体1214を回避するであろうと予測する可能性がある。この予測に基づいて、車両100は、自転車運転者1216が物体1214の周囲でペダルを踏む時間を確保するように減速するなどの是正処置をとることができる。この場合、車両100は、例えば、図2の合図システム218を介して、または単に減速することによって、車両100が自転車運転者1216を認識しており、この自転車運転者が物体1214の周囲を通過する空間を与えていることを、自転車1216に合図することができる。
【0076】
特定のタイプの物体も、道路の気象状況に関する分析に影響を与える可能性がある。例えば、車線に隣接するトラフィックコーンは、くぼみまたは水たまりを示す場合がある。建設標識またはその他の建設物品は、雪、雨、または氷の影響を受ける可能性のある路面の変化またはその問題を示す場合もある(例えば、再舗装する前の道路の再舗装)。さらに、水たまりは、新たに形成されたくぼみの結果である可能性がある。ここで、プランナーモジュールによって用いられる標高マップは、くぼみの存在を示さない可能性があるが、最近の雨により水たまりが発生した可能性がある。
【0077】
この例は、図13に示される。ここでは、シーン1300は交差点に隣接する道路の一部分を示す。車両のセンサは、標高マップが何も示していない物体1302を検出する場合がある。ただし、車両のセンサは、建設物品1304、1306、および1308も検出する場合がある。物体1302の周囲または他の場合は近くに配置されたこれらの物体に基づいて、システムは、物体1302がくぼみを覆う水である可能性があると推測し、その物体と建設物品を回避するようにルートを変更することができる。
【0078】
車両のセンサを使用して、一般的な道路の気象状況の検出を検証することができる。これは、例えば、車線変更、加速、減速などの試験操縦を実行し、慣性センサ、制動センサ、Lidarもしくは撮像センサなどのデータを評価することを伴うことができる。代替的に(または追加的に)、これは、他の車両または物体による処置を観察することを伴うことができる。例えば、Lidarまたは他のセンサによって検出された自転車の動きは、道路上の水たまりの存在を示す可能性がある。ここで、(可能性のある)水たまりに関する情報を使用して、疑似センサ信号をフィルタリングすることができる。
【0079】
試験操縦の1つのタイプは、1つ以上の車両が同じ(予想された)水たまりを異なる速度または位置オフセットで運転させることである。例えば、Lidar、レーダー、カメラ、および/または音響センサ(複数可)によって検出された水しぶきの指示は、別の車両のプランナーモジュールが、その車両が水たまりの中または周囲を運転する必要があるかどうかを決定するのに役立ち得る。そのような情報は、以下で考察されるように、他の近くの車両と共有され、および/または遠隔支援システムに通信されてもよい。水しぶきが取得されたセンサデータにどのように影響するかは、ルート計画およびその他のシステム動作に組み込むこともできる。
【0080】
別の例示的な試験操縦は、複数の車両が雪の降るルートに沿って異なる横方向のオフセットを試すことである。これは、道路上の最良の(最高の)摩擦を決定するために行うことができる。雪の深さおよび/または「質」(例えば、粉雪、半解け、圧縮雪)は、その中を運転し、制動および/または加速動作を実行するかどうかにかかわらず、車両がどのように応答するかを評価することによって決定することができる。センサデータ(例えば、Lidarからの)は、これと組み合わせて使用することができる。この例は、図14A図14Bに示される。例えば、図14Aは、先頭車両1402の後ろの車線を運転する車両100を示す。この例では、車両100のセンサは、道路上の物体1404を検出し、これは、雪、流氷原、あられ、水たまり、区画線の検出を困難にするが、システムが他の車両の軌道を追跡することができる他の物体であってもよい。先頭車両1402は、車両100と同じフリートの一部であり得、または他の場合は、フリート管理システムもしくは他のバックエンドシステムを介して、直接または間接的のいずれかで車両100と通信することができる。Lidarセンサまたはカメラなどの車両100のセンサは、先頭車両1402からの軌道1406を検出することができる。これを考慮して、図14Bに示すように、車両100は、わずかに操縦するか、またはその他の方法で軌道1406からオフセットするようにその車輪を配置して、その独自の軌道1412を作成することができる。車両100および1402の一方または両方が物体1404(例えば、雪)の中を運転するときに取得される情報は、その物体の深さおよび/または品質を決定するのに役立ち得る。この情報は、車両100または道路に沿った他の車両が、同様の検出された物体で道路の他の部分に沿って操縦するときに役立ち得る。情報は、車両から車両へ、または車両からフリートへの管理、または他のバックエンドシステムと通信することができる。1つのシナリオでは、情報は、フリートで使用されるマップを更新するために使用され、車両のプランナーへの入力として、および/または、エリア内の車両への警告として直接通信される。
【0081】
車両の自律運転システムは、雪に関連する他の問題に対処することができる。これには、道路の脇に雪の塊があるかどうか(図11Cを参照)、1つ以上の車線が除雪されているが他の車線が除雪されていないことがないかどうか、氷の上に雪があるかどうかなどを決定することが含まれる。例えば、現在検出された状態は新雪を示す可能性があるが、システムは(例えば、取得した気象レポートまたは遠隔支援サービスから)前日も雪が降っていたことを知っている場合がある。このことは現在の運転状態に影響を与える可能性があり、車載システムは、この情報を近くの車両または遠隔支援サービスと共有することができる。さらに、コンピュータシステムのプランナーモジュールまたは他の部分は、ルート計画の一部として、運転中に予想される積雪を考慮に入れることができる。
【0082】
システムの他の態様は、即時の是正処置およびルートの再計画を含んでもよい。即時の是正処置は、スキッドを回避するため、またはスキッドから抜け出すための特定の制動技術またはパターンを含んでもよい。また、プランナーモジュールはルートを調整して、スリップの可能性を回避または最小化することができる。例えば、車両は、図11Bに示すように、接近しつつある流氷原を回避するために車線を変更するか、接近しつつある流氷原の手前で急激に制動して速度を低下させ、一定の速度で流氷原の上を運転するか、または道路の坂道の部分を回避するために別のルートをとることができる。他の例では、ルートの再計画は、高速道路のより近いまたは遠い出口を取ること、目的地(例えば、降車地点)を変更することなどを含むことができる。またさらに、車両は、制限速度よりも5~10mph以上低い速度で運転するなど、道路状況に応じて速度が変化する場合には、よりゆっくりと運転することができる。さらに別の例では、どの車輪がスリップしているのかを知ることは、スリップしやすいエリアをマッピングするのに役立つ。ここで、制御システム(例えば、プランナーモジュール)は、車両がスリップしやすいかもしくはスリップする、またはスリップしくい車線の側により多く移動するように、調整を行うようステアリングシステムに命令することができる。
【0083】
他の車両が現在、車両の前または周囲をどのように運転しているかを観察することも、分析に組み込むことができる。図12Aおよび図12Bに関して上で考察された水たまりの例とは別に、車両は、他の車両が一般的にどのように動作しているかを検出することができ、周囲の車両に対してスリップまたはスキッドプロファイルを発生させることができる。これは、一般的な道路状況を示すこともある。したがって、システムは、近くの車両の行動予測モデルを修正することができ、車両の運転動作を調整することもできる。一例として、道路が時速45mphのゾーンにあり、前方の車が約35mphで運転しているが、新たに観察された車が後方から50mphで運転してくる場合、システムは、スリップ/スキッドプロファイルと関係する速度を考慮して、その車の行動モデルを評価してもよい。
【0084】
特定の道路の気象状況および車両のタイプに応じて、姿勢の絶対位置がゆっくりと(例えば、数秒以上を超える)発散し始めることがある。ただし、システムは、高次の項の変化または不一致を検出できる場合がある。例えば、車両の車輪がロックされている場合(例えば、車両にABS制動がないか、制動が故障している)、減速システムは、車両が現在0mphまたはm/sで進行していることを報告する。それにもかかわらず、姿勢速度はゼロではなく、潜在的にはるかに高くなる。同様に、方向転換中の測定されたヨーレートと予想されたヨーレートの差は、絶対的な車両の向きよりも潜在的に有益な可能性がある。
【0085】
このような決定の結果は、プランナーモジュールまたは車両の制御システムの別の部分にフィードバックすることができ、様々な方式でこれを使用することができる。例えば、決定された牽引力損失の量に応じて、システムは、ルートの所与の部分に沿った軌道生成に使用される許容可能な減速(または加速)の量を調整することができる。自動車またはその他の物体が(例えば、Lidar、レーダー、カメラ、またはその他のセンサを介して)車両の前方または後方で検出された場合、追加の車間距離が運転計画に組み込まれてもよい。衝突状況の可能性を回避するために、先制制動を実行することもできる。上記の情報に基づいて、制動プロファイルおよび/または所望の停止点を選択することもできる。
【0086】
この一例が、図15A図15Bに示される。特に、図15Aは、交差点に接近している車両100を示す。プランナーモジュールは、点線の経路1502で示されるデフォルトの制動プロファイルに従って車両が制動し、矢印1504で示される所望の停止点に車両を到着させるための初期計画を有してもよい。しかしながら、上で考察されたように、検出、観察、または予想された牽引力の減少を考慮して、プランナーモジュールは修正された計画に変更することができる。例えば、図15Bに示すように、点線経路1512で示される二次制動プロファイルを使用して、所望の停止点1504よりも交差点から遠い矢印1514で示される早い停止点に車両を到着させることができる。
【0087】
図15Cは、対照的な速度プロファイルの例1520を示す。ここでは、両方の速度プロファイルが同じ停止点に到達するように選択される。最初の速度プロファイルは破線1522で示される。ここで、最初の時間期間、車両の速度はほぼ一定である。その後、車両が停止点に接近すると、デフォルトの制動プロファイルを使用して車両を完全に停止させることができる。第2の速度プロファイルは、一点鎖線1524で示される。第1の速度プロファイルと同様に、第1の時間期間中の速度もほぼ一定である。しかしながら、矢印1526で示されるようなスリップしやすい道路状況が検出されると、システムは、能動的または受動的減速を開始することができる。その後、点1528において、システムは、停止点において完全に停止するために、速度をさらに徐々に低下させてもよい。後者の第2の速度プロファイルのアプローチでは、制動が少ないか、または道路がスリップしやすい場所で事前に制動してもよい。
【0088】
上記のように、この技術は、乗用車、バス、RV、トラック、またはその他の貨物を運ぶ車両など、様々なタイプの車輪付き車両に適用可能である。
【0089】
車両の動作に車輪のスリップ情報を使用することに加えて、この情報は、フリートの一部である車両などの他の車両と共有することもできる。この情報は、リアルタイムのマップ更新に使用することができ、フリート車両と共有することもできる。
【0090】
この一例が、図16Aおよび16Bに示される。特に、図16Aおよび図16Bは、それぞれ、ネットワーク1616を介して接続された複数のコンピューティングデバイス1602、1604、1606、1608、およびストレージシステム1610を含む例示的なシステム1600の絵図および機能図である。システム1600はまた、車両1612および1614も含み、これらは、それぞれ、図1A図1Bおよび図1C図1Dの車両100および150と同じまたは同様に構成され得る。車両1612および/または車両1614は、車両のフリートの一部であり得る。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示するが、通常のシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。
【0091】
図16Bに示すように、コンピューティングデバイス1602、1604、1606、および1608の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含むことができる。そのようなプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、図2に関して上で説明したものと同様に構成することができる。
【0092】
様々なコンピューティングデバイスおよび車両は、ネットワーク1616などの1つ以上のネットワークを介して通信することができる。ネットワーク1616、および介在するノードは、Bluetooth(商標)、Bluetooth LE(商標)、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業独自の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFiおよびHTTP、ならびに前述の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む、様々な構成およびプロトコルを含み得る。そのような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを送信することができる任意のデバイスによって容易に行われ得る。
【0093】
一例では、1つ以上のコンピューティングデバイス1602は、複数のコンピューティングデバイス、例えば、負荷分散サーバファームを有する1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含み得、このサーバコンピューティングデバイスは、他のコンピューティングデバイスとの間でのデータの受信、処理、および送信の目的のためにネットワークの異なるノードと情報を交換する。例えば、コンピューティングデバイス1602は、ネットワーク1616を介して、車両1612および/または1614のコンピューティングデバイス、ならびにコンピューティングデバイス1604、1606、および1608と通信することができる1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含むことができる。例えば、車両1612および/または1614は、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に配車され得る車両のフリートの一部であり得る。この点において、サーバコンピューティングデバイス1602は、乗客を乗車および降車させるために、または貨物を収集および配送するために、車両を異なる場所に配車するために使用することができる配車サーバコンピューティングシステムとして機能してもよい。さらに、サーバコンピューティングデバイス1602は、ネットワーク1616を使用して、他のコンピューティングデバイスのうちの1つのユーザまたは車両の乗客に情報を送信および提示することができる。この点において、コンピューティングデバイス1604、1606、および1608は、クライアントコンピューティングデバイスと考えることができる。
【0094】
図16Aに示すように、各クライアントコンピューティングデバイス1604、1606、および1608は、それぞれのユーザ1618による使用を意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであり得、パーソナルコンピューティングデバイスに接続して通常使用される構成要素のすべてを有しており、これらには、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU))、データおよび命令を記憶するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ(例えば、スクリーンを有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能なスマートウォッチディスプレイなどの他のデバイス)、ならびにユーザ入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフォン)が含まれる。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。
【0095】
クライアントコンピューティングデバイスは各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを含み得るが、これらはインターネットなどのネットワークを介してサーバと無線でデータを交換することができるモバイルコンピューティングデバイスを代替的に含み得る。単なる例として、クライアントコンピューティングデバイス1606および1608は、携帯電話、もしくはワイヤレス対応のPDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ)、もしくはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックなどのデバイスであってもよい。
【0096】
いくつかの例では、クライアントコンピューティングデバイス1604は、管理者またはオペレータが配車された車両の乗客と通信するために使用する遠隔アシスタンスワークステーションであり得る。図16A図16Bには単一の遠隔支援ワークステーション1604のみが示されるが、所与のシステムには、任意の数のそのようなワークステーションを含めることができる。さらに、動作ワークステーションはデスクトップコンピュータとして図示されるが、動作ワークステーションは、ラップトップ、ネットブック、タブレットコンピュータなどの様々なタイプのパーソナルコンピューティングデバイスを含み得る。
【0097】
ストレージシステム1610は、サーバコンピューティングデバイス1602によってアクセス可能な情報を記憶することができる、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、フラッシュドライブおよび/またはテープドライブなどの任意のタイプのコンピュータ化されたストレージを有し得る。さらに、ストレージシステム1610は、分散型ストレージシステムを含み得、そこではデータが複数の異なるストレージデバイスに記憶されており、これらは同一の、または異なる地理的場所に物理的に位置付けられてもよい。ストレージシステム1610は、図16A図16Bに示すようにネットワーク1616を介してコンピューティングデバイスに接続され得、および/またはコンピューティングデバイスのいずれかに直接接続されるかまたは組み込まれ得る。
【0098】
ストレージシステム1610は、様々なタイプの情報を記憶し得る。例えば、ストレージシステム1610は、車両1612または1614などの車両によって使用され、そのような車両を自律運転モードで動作させる自律車両制御ソフトウェアも記憶することができる。ストレージシステム1610は、地図情報、ルート情報、車両1612および1614の制動および/または加速プロファイル、気象情報などを記憶することができる。この情報は、例えば、車載コンピュータシステム(複数可)によるリアルタイムの経路計画および牽引力分析を支援するために、車両1612および1614と共有されてもよい。遠隔支援ワークステーション1204は、記憶された情報にアクセスし、それを使用して、単一の車両または車両のフリートの動作を支援することができる。例として、先頭車両は、図11Aのスリップしやすい物質1104などのスリップしやすい状態を検出し、スリップしやすい状態に関する情報を遠隔支援ワークステーション1604に送信することができる。次に、遠隔支援ワークステーション1604は、フリート内の他の車両に情報を広めることができ、その結果、車両はそれらのルートを変更することができる(例えば、図11Bの角度付き矢印1112を参照)。
【0099】
遠隔支援装置は、例えば別の車両による以前の検出を確認または検証するために、所与の道路の直線コースに沿って1台以上の車両に受動的および/または能動的牽引力試験を実行するように要求することもできる。したがって、道路状況が改善した場合(例えば、道路上の氷もしくは雪を溶かす気温の上昇に起因する)または悪化した場合(例えば、雪もしくは氷雨が積もることに起因する)に、遠隔支援装置は、それに応じてフリートの他の車両に通知することができる。
【0100】
乗客がいる状況では、車両または遠隔支援装置は、乗客のクライアントコンピューティングデバイスと直接または間接的に通信することができる。ここでは、例えば、現在の運転動作、状況に応じたルートへの変更などに関する情報を乗客に提供することができる。
【0101】
図17は、上の考察による例示的な動作方法1700を示す。例えば、ブロック1702において、車載処理システムは、車両の1つ以上のセンサから車両の周囲の環境のセンサデータを受信する。ブロック1704において、車両の1つ以上のプロセッサによって、自律運転モード中に、車両のサブシステムがサブシステムの1つ以上の構成要素を作動させる。これには、例として、減速システム(例えば、図2の212)、加速システム(例えば、図2の214)、ステアリングシステム(例えば、図2の216)、またはこれらの組み合わせの一部を作動させることが含まれ得る。ブロック1706において、1つ以上の構成要素の作動中に車両の姿勢情報が取得される。
【0102】
この姿勢情報に基づいて、ブロック1708において、システムは車両の実際の姿勢を決定する。ブロック1710において、実際の姿勢情報が予想された姿勢と比較される。予想された姿勢は、例えば、車両のプランナーモジュールによって生成されてもよい。これを考慮して、ブロック1712において、システムは実際の姿勢と予想された姿勢との間の差を決定する。例えば、差は、別の物体までの相対距離、方位(例えば、ヨー)、進行方向などの分散(デルタ)を反映することができる。ブロック1714において、姿勢差または受信されたセンサデータに基づいて、システムは、車両の外部環境において有害な気象または道路状況があることを決定する。一例では、有害な気象または道路状況が存在することをシステムが決定する前に、差が閾値を超える必要があり得る。この場合、閾値は、例えば、予想されたベースラインからのパーセント変動(例えば、2~5%超またはそれ未満)、物理的距離デルタ(例えば、0.2~0.5m超)、またはその他の要因であってもよい。したがって、有害な気象または道路状況を決定する方法の1つは、差が閾値を超えることである。差は、有害な気象または道路状況に相関する固定された差分値を有するルックアップテーブルなど、他の方法でも使用することができる。他の態様では、機械学習アプローチまたは他のモデルを使用して、その差が有害な気象または道路状況の存在を示すことを決定することができる。
【0103】
次に、ブロック1716において、システムは、決定された有害な気象または道路状況に応じて処置を実行する。処置は、是正運転処置、ルート再計画処置、環境内の物体の行動予測における修正、別の車両(車両の近傍内の他の車両など)またはフリート管理システムもしくは他の車両に情報を広めたり、他の車両のためにルートを計画もしくは再計画することができる他のバックエンドシステムへの通知の提供に関する。いくつかの例では、ルートの再計画は、車両が回避する(そこから離れる)ための地図上のエリアまたはゾーンを指定することを含むことができる。
【0104】
特段の記述がない限り、前述の代替的な例は、相互に排他的ではないが、独自の有益点を達成するために様々な組み合わせで実施され得る。上で考察された特徴のこれらおよび他の変形および組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用することができるので、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題の限定としてではなく、例示としてみなされるべきである。加えて、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、実施例は、多くの可能な実施形態のうちの1つだけを例示することが意図される。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を特定することができる。プロセスまたは他の動作は、本明細書で特に明記しない限り、異なる順序で、または同時に実行されてもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図17
【手続補正書】
【提出日】2021-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律運転モードにおいて動作する車両の周囲の環境における気象または道路状況を決定する方法であって、前記方法が、
前記車両の1つ以上のプロセッサによって、前記車両の1つ以上のセンサから前記車両の周囲の前記環境のセンサデータを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記車両のサブシステムに、前記自律運転モードにおける動作中に前記サブシステムの1つ以上の構成要素を作動させることと、
前記サブシステムの前記1つ以上の構成要素の前記作動中に前記車両の姿勢情報を取得することと、
前記車両の1つ以上のプロセッサによって、前記取得された姿勢情報に従って道路に沿った前記車両の実際の姿勢を決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記車両の前記実際の姿勢を前記道路に沿った前記車両の予想された姿勢と比較することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記比較に基づいて前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との差を決定することと、
(i)前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との間の差または(ii)前記環境の前記受信されたセンサデータのうちの少なくとも一方に基づいて、前記車両の周囲の前記環境において有害な気象または道路状況があることを決定することと、
前記車両の周囲の前記環境における前記有害な気象または道路状況を決定することに応答して処置を実行することと、を含む、方法。
【請求項2】
有害な気象または道路状況があることを決定することは、前記車両が動作している道路の領域が凍結している、濡れている、または少なくとも部分的に雪で覆われていることを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両の前記サブシステムに前記1つ以上の構成要素を作動させることが、道路の特定の部分を、前記道路の前記特定の部分に対して選択された速度および選択された位置方位において運転することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記道路の特定の部分に対して異なる選択された速度または異なる選択された位置方位において前記道路の前記特定の部分を運転するように、別の車両に命令することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
他の車両が、第1の車両であり、前記車両が、前記第1の車両に続く第2の車両であり、前記方法は、前記第2の車両が、前記第1の車両が前記道路の前記特定の部分を運転した結果を観察することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択された速度および前記選択された位置方位において前記道路の特定の部分を運転することが、前記道路の前記特定の部分に沿った牽引力の量を検出するために行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記姿勢情報を取得することが、前記車両の前記1つ以上のセンサからセンサデータを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記車両の前記1つ以上のセンサによって、前記車両の周囲の前記環境における1つ以上の他の車両による運転処置を検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の他の車両による前記運転処置の検出に応答して、前記1つ以上のプロセッサが、道路の選択された部分に沿って特定の気象または道路状況を決定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特定の気象または道路状況が、前記道路の前記選択された部分に沿った水たまり、流氷原、または積雪のうちの1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記道路の選択された部分に沿った前記特定の気象または道路状況を決定することに応答して、前記車両の1つ以上のセンサによって取得されたデータのセットから疑似センサ信号をフィルタリングすることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
是正運転処置、ルート再計画処置、または行動予測の修正に関する情報を、別の車両またはフリート管理システムのうちの少なくとも一方に送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の構成要素の所与の1つが、制動構成要素であり、前記サブシステムが、減速システムであるか、
前記1つ以上の構成要素のうちの前記所与の1つが、加速構成要素であり、前記サブシステムが加速システムであるか、
前記1つ以上の構成要素のうちの前記所与の1つが、ステアリング構成要素であり、前記サブシステムが、ステアリングシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記処置を実行することが、是正運転処置を実行すること、ルート再計画処置を実施すること、前記環境内の物体の行動予測において修正を引き起こすこと、別の車両に通知を提供すること、またはバックエンドシステムに通知を提供すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
自律運転モードにおいて動作するように構成された車両であって、前記車両が、
前記自律運転モードにおいて前記車両の運転を制御するためのステアリングサブシステム、加速サブシステム、および減速サブシステムを含む運転システムと、
前記車両の周囲の環境にある物体を検出するように構成された1つ以上のセンサを含む知覚システムと、
前記車両の現在位置を決定するように構成された測位システムと、
1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、を備え、前記制御システムが、前記運転システム、前記知覚システム、および前記測位システムに動作可能に連結されており、前記制御システムが、
前記1つ以上のセンサから前記車両の周囲の前記環境のセンサデータを受信することと、
前記車両のサブシステムに、前記自律運転モードにおける動作中に前記サブシステムの1つ以上の構成要素を作動させることと、
前記サブシステムの前記1つ以上の構成要素の前記作動中に前記車両の姿勢情報を取得することと、
前記取得された前記姿勢情報に従って、道路に沿った前記車両の実際の姿勢を決定することと、
前記車両の前記実際の姿勢を前記道路に沿った前記車両の予想された姿勢と比較することと、
前記比較に基づいて、前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との間の差を決定することと、
(i)前記実際の姿勢と前記予想された姿勢との間の差または(ii)前記環境の前記受信されたセンサデータのうちの少なくとも一方に基づいて、前記車両の周囲の前記環境において有害な気象または道路状況があることを決定することと、
前記車両の周囲の前記環境における前記有害な気象または道路状況を決定することに応答して処置を実行することと、行うように構成されている、車両。
【請求項16】
有害な気象または道路状況があるという決定は、前記車両が動作している道路の領域が氷結している、濡れている、または少なくとも部分的に雪で覆われていることを決定することを含む、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記制御システムが、前記車両の前記サブシステムに、道路の特定の部分を、前記道路の前記特定の部分に対して選択された速度および選択された位置方位において運転することによって、前記1つ以上の構成要素を作動させることを行わせるように構成されている、請求項15に記載の車両。
【請求項18】
少なくとも1つの他の車両と通信するように構成された通信システムをさらに備え、前記制御システムが、前記道路の特定の部分を、前記道路の前記特定の部分に対して異なる選択された速度または異なる選択された位置方位において運転するように、前記少なくとも1つの他の車両に前記通信システムを介して命令するようにさらに構成されている、請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記少なくとも1つの他の車両が、第1の車両であり、前記車両が、前記第1の車両に続く第2の車両であり、前記知覚システムの前記1つ以上のセンサは、前記第1の車両が前記道路の前記特定の部分を運転した結果を観察するように構成されている、請求項18に記載の車両。
【請求項20】
前記1つ以上のセンサが、前記車両の周囲の前記環境における1つ以上の他の車両による運転処置を検出するように構成されており、
前記1つ以上の他の車両による前記運転処置を検出することに応答して、前記制御システムが、
道路の選択された部分に沿った特定の気象または道路状況を決定すること、または
前記車両の1つ以上のセンサによって取得されたデータのセットから、疑似センサ信号をフィルタリングすること、を行うように構成されている、請求項15に記載の車両。
【請求項21】
是正運転処置、ルート再計画処置、または行動予測の修正に関する情報を、別の車両またはフリート管理システムのうちの少なくとも一方に送信するように構成された通信システムをさらに備える、請求項15に記載の車両。
【請求項22】
前記制御システムが、是正運転処置を開始すること、ルート再計画処置を実施すること、前記環境内の物体の行動予測において修正を引き起こすこと、別の車両に通知を提供すること、またはバックエンドシステムに通知を提供すること、のうちの少なくとも1つによって前記処置を実行するように構成されている、請求項15に記載の車両。
【国際調査報告】