(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】真皮再生用注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/178 20060101AFI20220112BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20220112BHJP
A61B 17/3209 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61M5/178
A61M5/31 530
A61B17/3209
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533127
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(85)【翻訳文提出日】2021-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2019007886
(87)【国際公開番号】W WO2020067631
(87)【国際公開日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0114978
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516231729
【氏名又は名称】チン, セ フーン
(71)【出願人】
【識別番号】516231718
【氏名又は名称】ジン, ジューング スク
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チン, セ フーン
(72)【発明者】
【氏名】ジン, ジューング スク
【テーマコード(参考)】
4C066
4C160
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC10
4C066DD08
4C066EE14
4C066GG06
4C066GG15
4C066JJ07
4C160FF10
4C160MM32
(57)【要約】
内部に液体またはガスが充填される第1空間を構成し、後端部が開放されて第1空間が外部と連通している注入部と、注入部の前端部に結合して内部が第1空間と連通している針と、一端部が注入部の後端部に分離可能に結合し、液体が充填された内部は第1空間と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストンが内部に挿入された液体供給部と、注入部の側壁を貫通して第1空間と連通することにより、ガスを第1空間に充填させるガス注入口と、を含んでなる、真皮再生用注射器が紹介される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体またはガスが充填される第1空間を構成し、後端部が開放されて第1空間が外部と連通している注入部と、
注入部の前端部に結合して内部が第1空間と連通している針と、
一端部が注入部の後端部に分離可能に結合し、液体が充填された内部は第1空間と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストンが内部に挿入された液体供給部と、
注入部の側壁を貫通して第1空間と連通することにより、ガスが第1空間に充填されるようにするガス注入口と、を含んでなる、真皮再生用注射器。
【請求項2】
ガス注入口は、第1空間の前方に位置した針の後端部に隣接するように注入部の側壁を貫通して第1空間と連通していることを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項3】
液体供給部が注入部に結合した状態で、ピストンが前進する場合には、液体供給部内の液体が第1空間を介して針から吐出され、ピストンが後進する場合には、第1空間に負圧が形成されてガス注入口を介してガスが第1空間に流入することを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項4】
ガス注入口にはチェックバルブが設けられることにより、ガス注入口を介してガスが第1空間に注入されるが、第1空間の液体またはガスはガス注入口を介して外部に流出しないことを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項5】
注入部には、ガス注入口と重ならない方向の側壁のうちの一部分に、前方に行くほど注入部の中心線に向かうように傾斜した傾斜面が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項6】
注入部の傾斜面は、互いに向かい合う形状に、注入部の側壁のうちの両側にそれぞれ形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の真皮再生用注射器。
【請求項7】
ガス注入口は、向かい合う両側の傾斜面の間に位置したことを特徴とする、請求項6に記載の真皮再生用注射器。
【請求項8】
注入部は、円筒状をし、注入部の前面における両側がそれぞれ外向きにカットされて傾斜面が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項9】
針の前端部には、一方向に傾斜するように切断された切断面が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項10】
針の前端部には、注入部の傾斜面と並んだ方向に傾斜するように切断された切断面が形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の真皮再生用注射器。
【請求項11】
注入部の後方に結合し、内筒の内部空間、及び内筒と外筒との間の空間をそれぞれ第2空間及び第3空間として構成する、内筒と外筒を含む二重管構造を持つシリンダーをさらに含み、
第2空間の内部には、第1空間と連通している液体供給部が位置し、
第3空間は、ガス注入口を介して第1空間と連通し、内部にガスが充填されたことを特徴とする、請求項1に記載の真皮再生用注射器。
【請求項12】
注入部の側壁には、内側に凹んでいる結合段が形成され、シリンダーは、第2空間が結合段によって密閉されるように結合したことを特徴とする、請求項11に記載の真皮再生用注射器。
【請求項13】
注入部には、ガス注入口と重ならない方向の側壁のうちの一部分に、前方に行くほど注入部の中心線に向かうように傾斜した傾斜面が形成され、
注入部の傾斜面と並んだ方向のシリンダーの外筒側壁には、複数の溝および突起が繰り返されたガイド部が形成されたことを特徴とする、請求項11に記載の真皮再生用注射器。
【請求項14】
内部に液体またはガスが充填される第1空間を構成し、後端部が開放されて第1空間が外部と連通している注入部と、
注入部の後方で注入部と一体に形成され、内筒の内部空間、及び内筒と外筒との間の空間をそれぞれ第2空間と第3空間として構成する、内筒と外筒を含む二重管構造を持つシリンダーと、
注入部の前端部に結合して内部が第1空間と連通している針と、
第2空間の内部に挿入されて一端部が注入部の後端部に分離可能に結合し、液体が充填された内部は第1空間と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストンが内部に挿入された液体供給部と、
注入部の側壁を貫通して第1空間と第3空間とを連通させることにより、第3空間のガスを第1空間に充填させるガス注入口と、を含む、真皮再生用注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素などの気体とヒアルロン酸などの治療液を選択的に注入することができるようにすることにより、皮膚内側の真皮を容易に再生することができる真皮再生用注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
今まで治療が難しかった陥没傷や深いシワの場合は、真皮層に施術者が所望する微量のガスを先に注入して真皮層を裂き、その裂かれた真皮層に正確に所望する微量の液体を注入して物理的・化学的・生物学的刺激を同時に起こし、多量のコラーゲン線維組織が所望の部位に生成されるように誘導することにより、治療が可能である。
【0003】
したがって、このような自己真皮再生術の実現のためには、一つの注射器が侵襲した状態でガスと液体を交互に注入する必要があり、そのために特殊な構造の注射器が求められた。
【0004】
【0005】
図1を参照すると、従来技術による注射器は、内部の流体が吐出される吐出部10に、針30との結合のために外側に突出した誘導管20が形成されるが、相当な容量の流体が誘導管20の内部に残存する。
【0006】
しかし、真皮再生用注射器は、針30が皮膚に侵襲した状態でピストン50を後進させてガス流入口40を介してガスを吐出部10の内部に流入させ、ピストン50を前進させて誘導管20を介してガスを注入させ、続いて液体を注入するものであって、ガスと液体が交互に注入されるべきである。
【0007】
但し、吐出部10の内部に流入したガスを注入する際に、誘導管20に残存した液体によって液体がガスよりも先に注入されるという問題があり、液体とガスの注入を細かくコントロールすることができないという問題があった。
【0008】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、この技術分野における通常の知識を有する者には既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け止められてはならないだろう。
これに関する従来技術としては、韓国登録特許第10-1440838号公報がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、注入部内へのガス注入の際に注入部の針側の内部に液体が残存する問題を防止することにより、針を通したガス注入の際に液体が先に注入されない真皮再生用注射器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係る真皮再生用注射器は、内部に液体またはガスが充填される第1空間を構成し、後端部が開放されて第1空間が外部と連通している注入部と;注入部の前端部に結合して内部が第1空間と連通している針と;一端部が注入部の後端部に分離可能に結合し、液体が充填された内部は第1空間と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストンが内部に挿入された液体供給部と;注入部の側壁を貫通して第1空間と連通することにより、ガスを第1空間に充填させるガス注入口と;を含んでなる。
【0011】
ガス注入口は、第1空間の前方に位置した針の後端部に隣接するように注入部の側壁を貫通して第1空間と連通することができる。
【0012】
液体供給部が注入部に結合した状態で、ピストンが前進する場合には、液体供給部内の液体が第1空間を介して針から吐出され、ピストンが後進する場合には、第1空間に負圧が形成されてガス注入口を介してガスが第1空間に流入することができる。
【0013】
ガス注入口にはチェックバルブが設けられることにより、ガス注入口を介してガスが第1空間に注入されるが、第1空間の液体またはガスはガス注入口を介して外部に流出しないようにすることができる。
【0014】
注入部には、ガス注入口と重ならない方向の側壁のうちの一部分に、前方に行くほど注入部の中心線に向かうように傾斜した傾斜面が形成できる。
【0015】
注入部の傾斜面は、互いに向かい合う形状に、注入部の側壁のうちの両側にそれぞれ形成できる。
【0016】
ガス注入口は、向かい合う両側の傾斜面の間に位置することができる。
【0017】
注入部は、円筒状をし、注入部の前面における両側がそれぞれ外向きにカットされて傾斜面が形成できる。
【0018】
針の前端部には、一方向に傾斜するように切断された切断面が形成できる。
【0019】
針の前端部には、注入部の傾斜面と並んだ方向に傾斜するように切断された切断面が形成できる。
【0020】
注入部の後方に結合し、内筒の内部空間、及び内筒と外筒との間の空間をそれぞれ第2空間及び第3空間として構成する、内筒と外筒を含む二重管構造を持つシリンダー;をさらに含み、第2空間の内部には、第1空間と連通している液体供給部が位置し、第3空間は、ガス注入口を介して第1空間と連通し、内部にガスが充填できる。
【0021】
注入部の側壁には、内側に凹んでいる結合段が形成され、シリンダーは、第2空間が結合段によって密閉されるように結合できる。
【0022】
注入部には、ガス注入口と重ならない方向の側壁のうちの一部分に、前方に行くほど注入部の中心線に向かうように傾斜した傾斜面が形成され、注入部の傾斜面と並んだ方向のシリンダーの外筒側壁には、複数の溝および突起が繰り返されたガイド部が形成できる。
【0023】
上記の目的を達成するための本発明に係る真皮再生用注射器は、内部に液体またはガスが充填される第1空間を構成し、後端部が開放されて第1空間が外部と連通している注入部;注入部の後方で注入部と一体に形成され、内筒の内部空間、及び内筒と外筒との間の空間をそれぞれ第2空間及び第3空間として構成する、内筒と外筒を含む二重管構造を持つシリンダー;注入部の前端部に結合して内部が第1空間と連通している針;第2空間の内部に挿入されて一端部が注入部の後端部に分離可能に結合し、液体が充填された内部は第1空間と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストンが内部に挿入された液体供給部;及び注入部の側壁を貫通して第1空間と第3空間とを連通させることにより、第3空間のガスを第1空間に充填させるガス注入口;を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の真皮再生用注射器によれば、ガス流入口を介してガスを充填した後に針を通してガスを注入するとき、残存液体が先に注入される問題を防止するという効果を持つ。
また、チェックバルブとは異なる方向の注入部に傾斜面が形成されることにより、相対的に長さが短い針でも皮膚に斜めに侵襲しやすいという効果を持つ。
また、針の注入口に、斜めに切断された切断面が形成されることにより、薬物が皮膚の内部で上向きに注入できるため、薬物注入の効果が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器の注入部を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器が皮膚に侵襲した状態を示す図である。
【
図5】本発明の別の実施形態に係る真皮再生用注射器を示す斜視図である。
【
図6-7】本発明の別の実施形態に係る真皮再生用注射器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書または出願に開示されている本発明の実施形態についての特定の構造的ないし機能的説明は、単に本発明に係る実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明に係る実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書または出願に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0027】
本発明に係る実施形態は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を持つことができるので、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書または出願に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に対して限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0028】
第1および/または第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、これらの構成要素は、上記の用語によって限定されてはならない。上記の用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで、例えば、本発明の概念に基づく権利の範囲から逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素とも命名でき、同様に第2の構成要素は第1の構成要素とも命名できる。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると言及された場合には、該他の構成要素に直接連結または接続されていることもあるが、それらの間に別の構成要素が介在することもあると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると言及された場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐ~の間に」または「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」なども同様に解釈されるべきである。
【0030】
本明細書で使用された用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0031】
別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。 一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において持つ意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は、同一の部材を示す。
【0032】
自己真皮再生術の場合は、まず、二酸化炭素などの気体を注入して表皮と真皮層を分離した後、空間を形成し、この空間にヒアルロン酸などの皮膚再生促進剤を投入して真皮の再生を促進させることにより、陥没傷やシワなどを治療するものであって、この過程では、2種類の互いに異なる気体を繰り返し/交互に注入することが必要である。したがって、このために、二つの注射器を備えて施術を施すことを考慮することができるが、この場合には、注射器を継続的に交換しなければならない煩わしさがあり、これを容易に実現するために本発明が開発されたものである。
【0033】
図2は本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器の注入部100を示す斜視図、
図3は本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器の斜視図、
図4は本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器が皮膚に侵襲した状態を示す図である。
【0034】
図2乃至
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る真皮再生用注射器は、内部に液体またはガスが充填される第1空間(図示せず)を構成し、後端部が開放されて第1空間(図示せず)が外部と連通している注入部100;注入部100の前端部に結合して内部が第1空間(図示せず)と連通している針200;一端部が注入部100の後端部に分離可能に結合し、液体が充填された内部が第1空間(図示せず)と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストン410が内部に挿入された液体供給部400;及び注入部100の側壁を貫通して第1空間(図示せず)と連通することにより、ガスを第1空間(図示せず)に充填させるガス注入口300;を含む。
【0035】
注入部100は、内部に空間が形成された円柱状であり得る。注入部100の内部には、液体またはガスが充填される第1空間(図示せず)が形成される。第1空間(図示せず)には、液体供給部400から供給された液体、またはガス注入口300から流入したガスが充填でき、液体供給部400のピストン410の前進時に第1空間(図示せず)の液体またはガスが針200を通して吐出できる。第1空間(図示せず)は、
図5及び
図6に示し、これについての説明は後述する。
【0036】
針200は、内部に空間が形成され、この内部空間が第1空間(図示せず)と連通するように注入部100の前端部に結合できる。つまり、針200の後端部は、注入部100の内部に挿入されて第1空間(図示せず)に連通することができる。
【0037】
液体供給部400は、針200を含んでいない一種の注射器であって、一端部は開放され、注入部100の開放された後端部を介して第1空間(図示せず)と連通することができ、他端部を介してピストン410が内部に挿入できる。
【0038】
液体供給部400は、注入部100の後端部に分離可能に結合できる。例えば、図示の如く、注入部100の後端部には、側壁の一部が円周方向(外方)に突出したフランジ110が形成され、液体供給部400の一端部には、ねじ山が切られた結合部が形成できる。これにより、注入部100の後端部に形成されたフランジ110が、液体供給部400の一端部に形成された結合部に挿入されて螺合できる。
【0039】
ガス注入口300は、注入部100の側壁を貫通して形成されたもので、第1空間(図示せず)を外部に連通させることができる。ガスは、ガス注入口300を介して第1空間(図示せず)に充填できる。ガス注入口300は、後述するシリンダー500などによってガスが供給されることも可能である。別のガス注入装置をガス注入口300に接続してガスを供給してもよい。
【0040】
これにより、本発明の真皮再生用注射器によれば、気体充填の際に、針200と直接連通している第1空間(図示せず)に液体が残存することを防止して、ガス注入の際に針200を通して液体が先に注入されることを防止することにより、液体とガスを交互に注入する真皮再生用注射器において液体とガスを独立してそれぞれ適切な量に調節することができるという効果を持つ。
【0041】
特に、ガス注入口300は、第1空間(図示せず)の前方に位置した針200の後端部に隣接するように注入部100の側壁を貫通して第1空間(図示せず)と連通することができる。つまり、ガス注入口300は、針200の後端部に隣接するように形成できる。例えば、ガス注入口300の中心軸が針200の後端部と直交するように形成できる。
【0042】
これにより、ガス注入口300を介して流入したガスは、針200の後端部に隣接するように充填され、ガス注入の際に針200を通してガスが先に吐出されることにより、残存液体が先に吐出される現象を最大限に防止することができるという効果を持つ。
【0043】
液体供給部400と注入部100とが結合した状態で、ピストン410が前進する場合には、液体供給部400内の液体が第1空間(図示せず)を介して針200を通して吐出され、ピストン410が後進する場合には、第1空間(図示せず)に負圧が形成されてガス注入口300を介してガスが第1空間(図示せず)に流入することができる。
【0044】
つまり、ピストン410が後進すると、第1空間(図示せず)に負圧が形成され、これによりガス注入口300を介してガスが第1空間(図示せず)に流入し、第1空間(図示せず)はガスが充填できる。第1空間(図示せず)がガスで充填された状態でピストン410が前進すると、針200を通して第1空間(図示せず)のガスが先に吐出され、第1空間(図示せず)には液体供給部400内の液体が充填され、続いてピストン410が前進すると、第1空間(図示せず)に充填された液体が順次針200を通して吐出され得る。
【0045】
したがって、ピストン410の後進に伴ってガスが第1空間(図示せず)に充填され、ピストン410の前進に伴って、針200を通してガスが先に注入された後に液体が順次注入されるので、一つのピストン410だけを前進及び後進させることによりガスと液体を順次注入することができる効果を持つ。
【0046】
ガス注入口300にはチェックバルブ310が設けられることにより、ガス注入口300を介してガスが第1空間(図示せず)に注入されるが、第1空間(図示せず)の液体またはガスがガス注入口300を介して外部に流出しないようにできる。
【0047】
チェックバルブ310は、流体が一方向にのみ流動するように許可し、反対側の方向には流動しないように遮断するバルブである。ガス注入口300に形成されたチェックバルブ310は、外部のガスが第1空間(図示せず)に注入されるように流動を許可し、第1空間(図示せず)内の液体またはガスは外部に流出しないように遮断することができる。
【0048】
これにより、ピストン410を後進させると、ガス注入口300を介してガスが第1空間(図示せず)に流入するが、ピストン410を前進させると、第1空間(図示せず)の液体または気体がガス注入口300を介して流出せずに針200を通して吐出されるという効果を持つ。
【0049】
注入部100には、ガス注入口100と重ならない方向の側壁のうちの一部分に、前方に行くほど注入部100の中心線に向かうように傾斜した傾斜面130が形成できる。傾斜面130は、前方に行くほど内向きに傾斜することができる。
【0050】
注入部100は、円筒状をし、注入部100の前面における両側がそれぞれ外向きにカットされて傾斜面130が形成できる。具体的には、注入部100の前面縁部における2つの点を結ぶ直線から外向きにそれぞれカットされて傾斜面130が形成できる。
【0051】
図4をさらに参照すると、真皮再生用注射器は、薬物注入の効果のために針200が皮膚に侵襲したとき、皮膚に垂直な方向ではなく、皮膚に対して45度以下の角度で挿入されるべきである。
【0052】
つまり、図示の如く、皮膚と針200との角度θは45度以下であり得る。このため、注入部100にも、上述のように側壁の一部分に傾斜面130が形成でき、注入部100の中心線に平行な直線方向と傾斜面130との傾斜角θは45度以下であり得る。
【0053】
これにより、針200が斜めに皮膚に侵襲したとき、傾斜面130が皮膚の上面に当接して支持でき、注入部100が皮膚によって干渉されないため、相対的に短い長さの針200で十分な深さに侵襲できるという効果を持つ。
【0054】
傾斜面130は、注入部100における、ガス注入口300と重ならない方向の側壁に形成できる。具体的には、注入部100の傾斜面130は、互いに向かい合う形状に注入部100の側壁のうちの両側にそれぞれ形成できる。
【0055】
特に、注入部100の傾斜面130は、ガス注入口300の両側に垂直な方向に互いに対称となるようにそれぞれ形成できる。つまり、傾斜面130は、ガス注入口300の両側に垂直な方向に注入部100の側壁に2つが互いに向かい合って形成できる。
【0056】
ガス注入口300は、互いに向かい合う両側の傾斜面130の間に位置することができる。特に、ガス注入口300は、両側の傾斜面130の中間部位に配置され、両側の傾斜面130から最大限離隔している位置に形成できる。
【0057】
これにより、チェックバルブ310などの別途の構成を含むか、或いは外部のガス注入装置に連結されるガス注入口300を最大限に回避するように傾斜面130が形成できる。また、ガス注入口300に連結された外部のガス注入装置の方向に応じて上下方向を変更可能であるため、皮膚に侵襲させることができるという効果を持つ。
【0058】
針200の前端部には、一方向に傾斜するように切断された切断面210が形成できる。針200は、皮膚に容易に侵襲できるように皮膚に挿入される前端部が一方向に傾斜するように切断された切断面210が形成できる。つまり、針200の前端部が斜めに切断されることにより、針200の前端部がさらに鋭くなり得るため侵襲が容易であり、斜めの切断面210によって広い開口部を有することにより、第1空間(図示せず)の液体またはガスの吐出が容易であり得る。
【0059】
特に、針200の前端部には、注入部100の傾斜面130と並んだ方向に傾斜するように切断された切断面210が形成できる。つまり、針200の前端部に形成された切断面210は、注入部100の傾斜面130と並んだ方向に傾斜することができる。
上述したように、傾斜面130は、注入部100の向かい合う方向に2つが形成でき、切断面210は、そのいずれか一方の傾斜面130と並んで形成できる。
【0060】
針200の前端部に形成された切断面210は、皮膚の内部に侵襲した状態で皮膚の上部に面することが好ましい。表皮と真皮との間に侵襲した針200の前端部は、液体またはガスが真皮の上部に注入されることが真皮の再生に効果的であるからである。したがって、針200の前端部に形成された切断面210は、傾斜面130と並んで形成されて皮膚の内部で上部に面する状態で第1空間(図示せず)内の液体またはガスを注入させることができる。
図5は本発明の別の実施形態に係る真皮再生用注射器の斜視図であり、
図6及び
図7は本発明の別の実施形態に係る真皮再生用注射器の断面図である。
【0061】
本発明の別の実施形態に係る真皮再生用注射器は、注入部100の後方に結合し、内筒510の内部空間、及び内筒510と外筒520との間の空間をそれぞれ第2空間530及び第3空間540として構成する、内筒510と外筒520を含む二重管構造を持つシリンダー500;をさらに含み、第2空間530の内部には、第1空間120と連通している液体供給部400が配置され、第3空間540は、ガス注入口300を介して第1空間120と連通し、内部にガスが充填できる。
【0062】
つまり、注入部の後方には、二重管構造を持つシリンダー500が結合できる。シリンダー500の内筒510内の第2空間530には液体供給部400が位置することができ、内筒510と外筒520との間の第3空間540にはガスが充填されることにより、ガス供給部を介して第1空間120へガスを供給することができる。
【0063】
これにより、分離可能な注射器タイプの液体供給部400だけを二重管の内部で結合及び分離して簡単に液体とガスを順次吐出させる真皮再生用注射器を実現することができるという効果を持つ。
【0064】
注入部100の側壁には、内側に凹んでいる結合段140が形成され、シリンダー500は、第2空間530が結合段140によって密閉されるように結合できる。
【0065】
特に、
図6に示されているように、ガス注入口300と並んだ方向に形成された結合段140は、外筒520及び内筒510によって囲まれて第2空間530を密閉するように形成できる。
【0066】
また、
図7に示されているように、傾斜面130と並んだ方向に形成された結合段140’は、内筒510及び外筒520の前方壁を囲むように形成され、第2空間530を密閉するように形成できる。
【0067】
さらに、注入部100の傾斜面130と並んだ方向のシリンダー500の外筒520の側壁には、複数の溝および突起が繰り返されたガイド部550が形成できる。ガイド部550は、液体供給部400の内部に挿入されるピストン410を駆動するアクチュエータ(図示せず)の位置をガイドするか、或いはアクチュエータ(図示せず)に連結された連結線をガイドするように形成できる。
【0068】
特に、ガイド部550は、皮膚から最大限離隔して針200の侵襲時に上部に位置するように、傾斜面130と並んだ方向のシリンダー500の外筒520の側壁に形成できる。
【0069】
本発明の別の実施形態に係る真皮再生用注射器は、内部に液体またはガスが充填される第1空間120を構成し、後端部が開放されて第1空間120が外部と連通している注入部100;注入部100の後方で注入部100と一体に形成され、内筒510の内部空間、及び内筒510と外筒520との間の空間をそれぞれ第2空間530及び第3空間540として構成する、内筒510と外筒520を含む二重管構造を持つシリンダー500;注入部100の前端部に結合して内部が第1空間120と連通している針200;第2空間530の内部に挿入されて一端部が注入部100の後端部に可能分離に結合し、液体が充填された内部は第1空間120と連通し、他端部を介して、前進または後進するピストン410が内部に挿入された液体供給部400;及び注入部100の側壁を貫通して第1空間120と第3空間540とを連通させることにより、第3空間540のガスを第1空間120に充填させるガス注入口300;を含む。
【0070】
つまり、別の実施形態として、注入部とシリンダー500が別途形成されて互いに結合した構造ではなく、注入部とシリンダー500とが一体に形成されてもよい。これにより、比較的簡単な構成で、ガスと液体の注入量を独立して調節しながら順次吐出することができるという効果を持つ。
【0071】
本発明の真皮再生用注射器によれば、二酸化炭素などの気体とヒアルロン酸などの治療液を選択的に注入することができるようにすることにより、皮膚内側の真皮を容易に再生することができ、比較的構成が簡単であって流通と使用が非常に便利になる。
【0072】
本発明の特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変化を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0073】
100 注入部
200 針
300 ガス注入口
400 液体供給部
500 シリンダー
【国際調査報告】