(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】月経カップを洗浄及び滅菌するための容器
(51)【国際特許分類】
A61F 5/455 20060101AFI20220112BHJP
H05B 6/64 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61F5/455
H05B6/64 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539327
(86)(22)【出願日】2018-09-18
(85)【翻訳文提出日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 PL2018050048
(87)【国際公開番号】W WO2020060424
(87)【国際公開日】2020-03-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521113117
【氏名又は名称】シー イズ ルーシッド スポルカ ジー オグラニクゾナ オドパウイエドジアルノシア
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】ルケ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】スウォヴィック,イガ
【テーマコード(参考)】
3K090
4C098
【Fターム(参考)】
3K090AB16
4C098AA09
4C098CC31
4C098CC37
4C098CD03
4C098EE05
(57)【要約】
本発明は、月経カップを洗浄及び滅菌するための容器に関する。この容器は、底部(8)を有する開放上部を備えた器(1)と、洗浄液を保持し、弾性材料で形成され、月経を収集するためのベル形状部分と把持手段とを有する月経カップを受け入れるための内部空洞(25)を規定する側壁と、前記開放上部を閉じる蓋(5)とを備えている。器(1)及び蓋(5)は、マイクロ波放射への曝露に適した材料で構成されている。蓋(5)は、月経カップを把持手段で蓋(5)に接続するための保持手段(16)を含んでいる。蓋(5)は、2つの取付位置で開放上部に取り付けることができるように、リバーシブルである。第1の取付位置では、保持手段(16)は、月経カップが蓋(5)に装着されたときに月経カップが内部空洞(25)の中へと少なくとも部分的に突出するように、内部空洞(25)の方に向けられる。第2の取付位置では、蓋(5)は、月経カップが蓋(5)に装着されたときに月経カップが外側へと突出するように、蓋(5)が逆にされて保持手段(16)が内部空洞(25)から離れるように向けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経カップを洗浄及び滅菌するための容器であって、
底部(8)を有する開放上部を備えた器(1)と;
洗浄液を保持し、把持手段(28)を有する月経カップを受け入れるための内部空洞(25)を規定する側壁と;
前記開放上部を閉じる蓋(5)と;
を具備し、
前記容器は、マイクロ波照射への曝露に適した材料で構成されており、
前記蓋(5)は、前記月経カップを前記蓋(5)に前記把持手段(28)を用いて接続するための保持手段(16)を具備し、前記蓋(5)は、前記月経カップが前記蓋(5)に装着されたときに前記月経カップが前記内部空洞(25)中へと少なくとも部分的に突出するように、第1の取付位置で前記内部空洞(25)に向けられた前記保持手段(16)と共に前記開放上部にフィット可能であることを特徴とする、容器。
【請求項2】
前記蓋(5)は、前記月経カップが前記蓋(5)に装着されたときに前記月経カップが外側へと突出するように、前記蓋(5)が逆にされて前記保持手段(16)が前記内部空洞(25)から離れるように向けられる第2の取付位置でフィット可能である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
弾性材料によって構成されている、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記弾性材料は、シリコーン、若しくはポリマー、若しくはコポリマープラスチック材料、又はそれらの組み合わせである、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記保持手段(16)は、前記把持手段(28)を挟む凸部の形態であり、前記月経カップを所定の位置にしっかりと保持する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の容器。
【請求項6】
中央リング(3)が前記器(1)と蓋(2)との間に提供され、前記中央リング(3)は、前記器(1)の上方部分を包囲し、前記蓋(5)と共に緊密な接続を形成する、請求項1乃至5の何れか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記保持手段(16)を少なくとも部分的に包囲する部分を有するクランプリング(4)がねじによって前記蓋(5)に装着され、それにより、前記クランプリング(4)が前記蓋(5)にねじ込まれるにつれて、前記部分が前記把持手段(28)を締め上げて、前記月経カップを所定の位置にしっかりと保持する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記器(1)の前記内部空洞(25)中に配置されたブラシ(26)を具備し、前記ブラシ(26)は、前記蓋(5)がそれに装着された前記月経カップと共に前記第1の取付位置にあるときに、前記月経カップのベル形状部分(27)の中へと延びて前記部分に接触又は近接する、請求項1乃至7の何れか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記器(1)には、洗浄プロセス後に洗浄液及び月経を排出することを可能にし、滅菌中に蒸気を排出することを可能にする排出手段が設けられている、請求項1乃至8の何れか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記排出手段は、前記器(1)の外側に配置されたボトルネック(9)と、注ぎ口(10)と、前記注ぎ口(10)に入ってそれをしっかりと閉じるロッド(12)を有するキャップ(2)とを備えている、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記ボトルネック(9)には、前記キャップ(2)を開けてアンロックする働きをする凹部(21)が設けられている、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記器(1)の外側であって前記ボトルネック(9)の近傍に、ピンチ(24)を有する突出ストライプ(14)が提供され、前記ピンチ(24)は、キャップ(2)の一部の開口部(13)に入り、前記キャップ(2)を前記器(1)に対して押して、それにより、前記キャップ(1)が前記注ぎ口(10)にフィットして固定される、請求項10又は11に記載の容器。
【請求項13】
前記蓋(5)は、前記保持手段(16)を有する側とは反対側に突出部分(20)を有し、前記突出部分(20)は、前記蓋(5)を第2の取付位置に保持することを可能にする、請求項1乃至12の何れか1項に記載の容器。
【請求項14】
突出部分(20)は、その周囲に、器(1)から空気を放出し、気密シールを確実にする機能を果たす凹凸部(22)を有している、請求項1乃至13の何れか1項に記載の容器。
【請求項15】
ユーザの手による安全且つ容易な操作を提供する可撓性ストリング(6)を備えている、請求項1乃至14の何れか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性衛生の分野に関し、より具体的には、月経カップを洗浄及び滅菌するための携帯型容器に関する。このような容器は、マイクロ波と共に使用するのに適した材料で構成されるが、月経衛生管理における医療接触にも適した材料で構成される。
【背景技術】
【0002】
月経カップは、パッド及びタンポンの代替として、生理を管理するための環境に優しく再利用可能な解決策としてこの分野ではよく知られている。典型的には、月経カップは、医療用グレードのシリコーンで作られており、月経を集めるための先細りの底部を有するベル型の部分と、この部分の底部に位置する月経周期中に挿入及び除去するためのステムなどの把持手段とを含んでいる。
【0003】
既知の月経カップは、例えば、EP3323392A1、WO2014056258A1、WO2011013954A2に開示されている。
【0004】
月経カップは、長期間使用するのは容易だが、8~12時間ごとに空にして、その後再利用する前に洗浄する必要がある。これらの操作では、月経カップを安全に取り扱って、月経カップに溜まった血液や異物を完全に取り除くことが重要である。
【0005】
現在の技術では、使い捨てのウェットティッシュを使用するか、シンクやトイレ上の水で月経カップを手洗いする必要がある。これは、廃棄物を生じたり、シンクやトイレの周りに血液がこぼれたり、両手や環境を汚染する可能性がある。それに加えて、自宅で行わない場合、女性は、プライバシーの欠如や、月経カップを乾かすための清潔な水や清潔な布やトイレットペーパーにアクセスできない等の心理的圧力や物理的障害を経験することがある。さらに、取り扱い中に月経カップを床に落としてしまう高リスクの原因となったり、不潔であり得る環境による汚染のリスクの原因となったりする可能性がある。
【0006】
月経周期が終了し、次の月経周期が始まる前に、月経カップは、水中に沈めて、例えば、限定された期間、電子レンジに置くこと等によってマイクロ波放射線に曝すことによって、滅菌しなければならない。そのようにするために、月経カップは、水で満たされた閉じた容器に入れられる。この方法の1つの問題は、月経カップを手で操作しなければならないことであり、即ち、それは、水ですすがれ、容器内に置かれ、滅菌後に除去される。これは、水が容易に流出する可能性があり、容器を閉じることが困難な可能性があり、月経カップが水の中に自由に浮遊し、完全には出てこないという更なる欠点を有する。
【0007】
そのような状況にも拘わらず、女性が月経カップを安全に洗浄及び滅菌することを可能にする装置は存在しない。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記の欠点を解消し、即ち、使用者の手との接触を最小限に制限して、月経カップの洗浄及び滅菌の安全なプロセスを可能にする、携帯型で再使用可能な洗浄及び滅菌容器を提供することである。
【0009】
本発明によると、月経カップを洗浄及び滅菌するための容器であって、底部を有する開放上部を備えた器と、洗浄液を保持し、弾性材料で形成され、月経を収集するためのベル形状部分と、好ましくはステム形態であり月経周期中に挿入及び除去をするための把持手段とを有する月経カップを受け入れるための内部空洞(25)を規定する側壁と、開放上部を閉じる蓋とを具備し、前記器及び蓋は、マイクロ波照射への曝露に適した材料で構成されており、前記蓋は、前記月経カップを前記蓋に前記把持手段を用いて接続するための保持手段を具備し、前記蓋は、前記月経カップが前記蓋に装着されたときに前記月経カップが前記内部空洞中へと少なくとも部分的に突出するように、第1の取付位置で前記内部空洞に向けられた前記保持手段と共に前記開放上部にフィット可能である容器が提供される。
【0010】
蓋は、月経カップが蓋に装着されたときに月経カップが外側へと突出するように、蓋が逆にされて保持手段が内部空洞から離れるように向けられる、第2の取付位置で取り付けられてもよい。
【0011】
容器は、シリコーン、若しくはポリマー、若しくはコポリマープラスチック材料、又はそれらの組み合わせなどの弾性材料で構成されていてもよい。
【0012】
保持手段は、把持手段を挟んで月経カップを所定の位置にしっかりと保持する凸部の形態を有することができる。
【0013】
好ましくは、中央リングが器と蓋との間に設けられ、中央リングが器の上部を囲み、蓋と共に緊密な接続を形成する。
【0014】
好ましくは、前記保持手段を少なくとも部分的に包囲する部分を有するクランプリングがねじによって前記蓋に装着され、それにより、前記クランプリングが前記蓋にねじ込まれるにつれて、前記部分が前記把持手段を締め上げて、前記月経カップが所定の位置にしっかりと保持される。
【0015】
有利な形態では、容器は、器の内部空洞中に配置されたブラシを具備し、前記ブラシは、前記蓋がそれに装着された前記月経カップと共に前記第1の取付位置にあるときに、前記ベル形状部分の中へと延びて前記部分に接触又は近接している。
【0016】
更に有利な形態では、器には、洗浄プロセス後に洗浄液及び月経を排出することを可能にし、滅菌中に蒸気が逃げることを可能にする排出手段が設けられている。前記排出手段は、前記器の外側に配置されたボトルネックと、注ぎ口と、前記注ぎ口に入ってそれをしっかりと閉じるロッドを有するキャップとを備えている。ボトルネックには、キャップをこじ開けてロックを解除するための凹部が設けられている。前記器の外側であって前記ボトルネックの近傍に、ピンチを有する突出ストライプが提供され、前記ピンチは、キャップの一部の開口部に入り、前記キャップを前記器に対して押して、それにより、前記キャップが前記注ぎ口にフィットして固定されている。
【0017】
一実施形態では、前記蓋は、前記保持手段を有する側とは反対側に突出部分を有し、前記突出部分は、前記蓋を第2の取付位置に保持することを可能にしている。突出部分は、その周囲に、器から空気を放出し、気密シールを確実にする機能を果たす凹凸部を有している。
【0018】
好ましくは、ユーザの手で安全且つ容易に操作するために、可撓性のストリングが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を例示的に説明する。
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態による容器の等角図である。
【
図9】
図9は、月経カップを蓋に取り付けるプロセスを示している。
【
図10】
図10は、蓋が第2の取付位置で取付けられつつあるときに各部品が互いにどのように相互作用するか示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、月経カップを洗浄及び滅菌するための容器を等角図で示している。
【0021】
容器は、
図9及び10に示される月経カップなどの女性衛生製品の洗浄及び滅菌に適しており、これは、弾性材料で構成されており、月経を収集するためのベル形状部分27と、ベル形状部分27の先細りの底部に位置し、月経周期中の挿入及び取り外しのための好ましくはステムの形態である把持手段28とを有している。
【0022】
本発明の好ましい実施形態による容器は、蓋5でしっかりと閉じられた開放上部を有する器1を含んでいる。器1は、底部8と、洗浄液を保持し、月経カップを受け入れるための内部空洞25を規定する側壁とを有している。
【0023】
容器は、医療接触に適したシリコーン、ポリマー、又はコポリマープラスチック材料などの弾性材料で構成されており、電子レンジ(microwave oven)で熱に曝される。全ての容器は、弾性及び可撓性の材料で構成することもできるし、又は、容器は部分的に弾性であり、部分的に剛性であってもよい。
【0024】
容器を分解図及び断面図でそれぞれ示す
図2及び
図8を参照すると、容器は、器1、排出手段、空洞25内に配置されたブラシ26、可撓性ストリング6、中央リング3、クランプリング4、保持手段16を有する蓋5、並びに、触覚及び/又は可視マーカー7を含むことができる。
【0025】
蓋5は、2つの取付位置で開放上部に取り付けることができるように可逆的であり、把持手段28を有する月経カップと接続するための保持手段16を更に備えている。第1の取付位置は、保持手段16と共に、月経カップが蓋5に装着されたときに月経カップが内部空洞25の中へと少なくとも部分的に突出するように、内部空洞25の方に向けられる。第2の取付位置は、蓋5と共に、月経カップが外側へと突出するように、蓋5が逆にされて保持手段16が内部空洞25から離れるように向けられる。
【0026】
保持手段16は、3つの凸部の形態をとることができる。ステム28は、前記凸部の間に挟まれ、その結果、月経カップが所定の位置にしっかりと保持される。
【0027】
保持手段16を少なくとも部分的に包囲する部分を有するクランプリング4がねじによって蓋5に装着され、それにより、クランプリング4が蓋5にねじ込まれるにつれて、上記部分がステム28を締め上げて、月経カップが所定の位置にしっかりと保持される。クランプリング4の上部は、ユーザがクランプリング4を蓋5にねじ込み、クランプリング4を保持手段16に固定することを可能にする溝及び凹部を備えている。蓋5の壁の外側及びクランプリング4の底部の内側には、これらの2つの部分が互いに接続することを可能にする嵌合ねじ18が設けられている。
【0028】
蓋5の内側及び中央リング3の外側には、これらの2つの要素を共に接続及びシールするための嵌合ねじ17が設けられている。各ねじ17の先端には適合する面取り部が設けられており、各要素の位置決め及びねじ込みの開始を容易にすることができる。蓋5内に配置された円形のバルジは、バルジと蓋5のねじ17との間にスロットを形成し、器1のリム15及び中央リング3がスロットインすることができる。これは、蓋5を中央リング3にねじ込みながら、器1の密封プロセスが完了することを意味している。クランプリング4は、蓋5及び保持手段16の周りを時計回りにねじ込むことによって接続される。ねじ込みにより、クランプリング4の内壁が保持手段16の外壁に接触し、それにより、保持手段16の中心で利用可能な空間の直径が減少し、更に、
図9に見られるように、月経カップをしっかりと保持するために、保持手段16の間でステム28がクランプされる。
【0029】
蓋5は、保持手段16が設けられた側とは反対側に突出部分20を有している。前記突出部分20は、蓋5を第2の取付位置に保持することを可能にする。突出部分20の周囲には、器1から空気を逃がす機能を果たす凹凸部22が設けられており、使用者が意図せずに器1を押圧した場合に蓋5が射出されないようにする気密シールを確保している。容器が開けられ、蓋5が反転されると(
図10参照)、第2の取付位置での圧力及び回転によって蓋5が差し込まれ、月経カップが取り付けられた容器を容易に操作することが可能となる(
図9参照)。バンプ22は、可撓性容器1に圧力を発生させ、蓋5を締める。
図7に見られるように、「飲用不適」という目に見えるマーカー23は、細菌学的汚染のために、容器を飲用容器として使用してはならないことを示している。これにより、容器を見つけた偶発的な通行人等による誤用を防ぐことができる。
【0030】
図3に見られるように、目に見えるマーカー19が中央リング3の外側に提供されており、これは、容器を開くための適切な回転方向を示している。
【0031】
器1の上部は、器1を中央リング3に接続するリム15で覆われている。円形リム15は、器1及び中央リング3を所定の位置にしっかりと保持し、リム15に圧力を加え、蓋5で容器を閉じるときにそれをシールするために、リム15上の追加の膨らみによって完全に達成される防水シールを形成するためにも役立っている。また、それは漸進的な圧力をもたらすため、ロックされたという感覚を与える。蓋5及び中央リング3は、漏れを防止するために、ねじ込みによって互いに接続されている。
【0032】
器1は、洗浄プロセス後に洗浄液及び月経を排出することを可能にする排出手段を有している。排出手段は、器1の外側に配置されたボトルネック9と、注ぎ口10と、注ぎ口10に入ってそれをしっかりと閉じるロッド12を有するキャップ2と、を備えている。ボトルネック9は、キャップ2で防水シールを形成する。注ぎ口10は、洗浄後に水及び濃い有機物を排出することを可能にする。キャップ2は、ロッド12が注ぎ口10に入ることにより、ボトルネック9で可撓性容器を閉じるために設けられている。前記ロッド12の基部に位置する円形部品と、ボトルネック9に設けられた溝11とは、それらを一緒にロックする助けになる。更に、ロッド12の先端の角度及びボトルネックのより狭い内壁(詳細断面A-A;
図8参照)は、一旦ロッドが上記のより狭い壁を通過した後、それが外側に引っ張られてキャップ2を解放し、それによって注ぎ口10を解放することができるように、ロッド12を内側に維持することを可能にする。器1の柔軟性により、キャップは、小さな圧力でボトルネック9に入ることができる。キャップ2の望ましくない偶発的なロック解除を防ぐために、追加の固定手段が提供され得る。この目的のために、ボトルネック9の近くに、ピンチ24を備えた突出ストライプ14が提供される。ピンチ24は、キャップ2の一部の開口部13に入り、キャップ2を器1に押し付け、それによって、注ぎ口10に取り付けられたキャップ1を固定する。
【0033】
ブラシ26は、底部8の先端にある器1の内部空洞25に配置されている。ブラシ26は、蓋5がそれに装着された月経カップと共に第1の取付位置にあるときに、ベル形状部分27の中へと延びて上記部分に接触又は近接している。
【0034】
器1は、ブラシ26の助けを借りて月経カップを洗浄するために指を用いて器1のどの場所を絞るかを示す、
図5に示されるような可視及び/又は触覚マーカー、例えば2つの円形マーカー7を含むことができる。圧搾されると、ブラシ26は、ベル形状部分27の内壁に接触して、月経カップを洗浄する。器1の底部8の外側には、ブラシ26がベル形状部分27に接触して洗浄することができるように、指で押す位置を示す追加のマーカーを設けてもよい。
【0035】
可撓性ストリング6は、ボトルネック9のキャップ2とは反対側の中央リング3に形成された開口を介して中央リング3に接続されている。開口部はスロット形状だが、他の形状であってもよい。上記可撓性ストリング6は、ユーザが、洗浄及び滅菌の過程で容器をしっかりと保持及び操作することを可能にする。
【0036】
図面に示された本発明の実施形態は、中央リング、クランプリング、ブラシ等の追加の要素を含んでいるが、これらの要素は、本発明が目的とする技術的課題を解決するために必要ではなく、添付の特許請求の範囲に記載された保護の範囲を限定するものではないことは当業者にとって明らかであろう。
【0037】
洗浄工程において、容器は、蓋5に取り付けられた月経カップを、水などの洗浄液と共に収容する。月経カップは、マーカー7を指で絞ったり、手で振ったり、押したりすることによって洗浄される。
【0038】
滅菌は、電子レンジで行われる。円滑且つ効果的な洗浄に必要な水位は、洗浄ブラシ26の先端によって示され、通常は60mlを超えない。滅菌の場合、月経カップを完全に沈めるために、水位を高くすることもできる。
【0039】
洗浄のために、ある量の水が器1の空洞25にブラシ26のレベルまで導入される。次に、蓋5を、第2の取付位置にある中央リング3に、上下逆にして差し込む(
図10参照)。その後、空になった月経カップは、凸部の間にステム28を挟むことによって、保持手段16に取り付けられる。次に、ユーザは、月経カップがしっかりと保持されるまでクランプリング4を時計回りに回転させることによって、ステム28を締める。クランプリング4をねじ込むことにより、凸部が内側に曲がり、ステム28に対して押圧される。続いて、蓋5を逆さにして、月経カップを器1の内側に頭を下にして挿入し、水中に沈めた状態で、第1の取付位置に取り付ける。蓋5は、防水シールを形成するために中央リング3にねじ込まれている。操作中、ユーザは、円形マーカー7を押したり、親指で底部8を押してベル形状部分27の内部をブラシ26で清掃したり、単に容器を振ったりして、可撓性容器1を操作する。
【0040】
洗浄手順が完了した後、注ぎ口10を閉じるキャップ2は、使用者が指又は爪でキャップ2のロックを解除できるようにするために、ボトルネック9に形成された凹部21(
図5参照)によって持ち上げられ、外側に引っ張られなければならない。事前に、開いた注ぎ口10から使用済みの水が漏れないように、容器をキャップ2を上にして保持する必要がある。月経を含む洗浄液は、注ぎ口10から排出する必要がある。内容物及び残りの濃い有機物の排出を加速するために、可撓性容器1に圧力を加えることができる。容器が空になると、キャップ2を注ぎ口10に再び取り付けることができ、蓋5を逆さまにして、第2の取付位置に置くことができる。ユーザは、月経カップを手で持つ必要なしに、それを安全に乾かすことができる(
図10を参照)。
【0041】
滅菌の場合もプロセスは同じであり、器1に水を充填し、月経カップを蓋5に接続し、蓋5を第1の取付位置にして容器を閉じ、容器を電子レンジに入れる工程が含まれる。蒸気又は沸騰水が注ぎ口10を通って排出できるように、キャップ2を引き抜く必要がある。マイクロ波プロセス中、容器内の水の蒸発によって生成された蒸気は、注ぎ口10を通過し、月経カップ上を通過する。マイクロ波サイクルが完了すると、容器を反転又は部分的に反転させて液滴を流出させることにより、容器内に存在する残留水を簡単に除去することができる。更に、乾いた清潔な布を使用して、残っている液体又は有機物を吸収することができる。また、クランプリング4を完全に開いて緩め、保持手段16とクランプリング4との間の空隙を洗浄して乾燥させることが推奨される。
【国際調査報告】