(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】飲用ストロー
(51)【国際特許分類】
A47G 21/18 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
A47G21/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542277
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(85)【翻訳文提出日】2021-04-20
(86)【国際出願番号】 FI2019050696
(87)【国際公開番号】W WO2020065137
(87)【国際公開日】2020-04-02
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521132093
【氏名又は名称】ストロー2ネイチャー オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン、マッティ
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA14
3B115BA19
3B115DA09
3B115DA17
3B115EA03
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの細長い吸引キャビティ(1)と、長手方向に少なくとも1つの継ぎ目とを有する飲用ストロー(10)に関する。本発明はまた、飲用ストローを製造するための方法及びシステムに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い吸引キャビティ(1)を備え、
長手方向に少なくとも1つの継ぎ目を有することを特徴とする、
飲用ストロー(10)。
【請求項2】
前記ストリップは、少なくとも50重量%の板紙又は紙を含み、好ましくは、前記ストリップは、板紙又は紙からなる、
請求項1に記載の飲用ストロー。
【請求項3】
前記ストリップ(2、3)が、生分解性プラスチックによって接合されている、 請求項1又は請求項2に記載の飲用ストロー。
【請求項4】
長手方向の前記少なくとも1つの継ぎ目がヒートシールされている、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の飲用ストロー。
【請求項5】
実質的に平坦な形状を有する、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の飲用ストロー。
【請求項6】
長手方向に2つの継ぎ目を備える、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の飲用ストロー。
【請求項7】
第1ストリップ及び第2ストリップの2つのストリップを含む、
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の飲用ストロー。
【請求項8】
前記第1ストリップ及び前記第2ストリップは、幅の狭い方のストリップの幅が、有利には幅の広い方のストリップの幅よりも少なくとも10%小さくなるように、異なった幅を有する、
請求項7に記載の飲用ストロー。
【請求項9】
前記吸引キャビティ(1)が、各々の端部(2a、2b、3a、3b)で接合された細長い2つのストリップ(2、3)の間に形成される、
請求項7又は8に記載の飲用ストロー。
【請求項10】
前記2つのストリップ(2、3)の少なくとも1つが、当該ストリップの長さ方向に延在し、反対側のストリップの中央部分に対向し、前記中央部分と共に前記吸引キャビティ(1)を形成するトラフ(3c)を含む、
請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の飲用ストロー。
【請求項11】
前記反対側のストリップ(2、3)は、更に、当該ストリップの長手方向にトラフ(2c)を含む、
請求項10に記載の飲用ストロー。
【請求項12】
前記反対側のストリップが、当該ストリップの長手方向にトラフを含まない、
請求項10に記載の飲用ストロー。
【請求項13】
前記トラフ(2c、3c)は、前記ストリップ(2、3)を曲げて、前記ストリップの中央部分を湾曲させることによって形成されている、
請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の飲用ストロー。
【請求項14】
飲用ストローを製造するための方法であって、
材料(11、12)を供給すること、
前記材料を切断して少なくとも1つのストリップを形成すること、
前記少なくとも1つのストリップを成形すること、及び、
成形された前記少なくとも1つのストリップの少なくとも1つの端部をシールして飲用ストローを形成すること、
を含む方法。
【請求項15】
丁度1つのストリップがシールされて飲用ストローを形成する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
2つのストリップがシールされて前記飲用ストローを形成する、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
飲用ストローを形成するために、
少なくとも2つのストリップが異なる幅を有するように、材料を切断して前記少なくとも2つのストリップを形成すること、及び、
異なる幅の前記少なくとも2つのストリップを一緒にシールして、前記飲用ストローを形成すること、
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
飲用ストローを形成するために、
前記シールは、前記シール中に形成される吸引キャビティ内に配置されるバー(19)に対して行われる、
請求項14から請求項17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
飲用ストローを製造するためのシステムであって、
材料(11、12)の少なくとも1つのストリップを形成するための切断手段(15a、15b)と、
形成された前記少なくとも1つのストリップを成形するための成形手段(14)と、
成形された前記少なくとも1つのストリップをシールして、前記飲用ストローを形成するシール手段と、
を含むシステム。
【請求項20】
前記シール手段がバーを含む、
請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用ストローに関する。本発明はまた、飲用ストローを製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲用ストローは、通常、プラスチック製で円形断面を有する管状の物体である。その一方の端部は、飲もうとする飲み物中に入れられるように意図され、その反対側の端部は、飲み物を飲む人の唇の間に置かれる。それにより、人は、口腔内に負圧を発生させて、自分の口の中に飲み物を吸い込むことができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、飲用ストローに関する。飲用ストローは管状の物体であり、その細長い中心部は通常、飲用ストローの吸引キャビティを構成する。吸引キャビティは、例えば、飲用ストローを使用して、飲み物を食器から人の口内に吸引するために使用することができる。飲用ストローの吸引キャビティは、円形断面を有していてもよく、又はその断面形状が円形から外れていてもよい。
【0004】
有利には、細長い吸引キャビティを有する飲用ストローは、少なくとも1つの長手方向の継ぎ目を有する。好ましくは、飲用ストローは、2つの長手方向の継ぎ目を含む。少なくとも1つの長手方向の継ぎ目、好ましくは2つの長手方向の継ぎ目を有する飲用ストローは、特に費用対効果が高く迅速な方法で製造することができる。
【0005】
飲用ストローは、1つ又は複数のストリップ(strip)で構成することができる。好ましくは、飲用ストローは2つのストリップを含む。好ましくは、前記少なくとも1つのストリップは、少なくとも50重量%の板紙又は紙を含み、好ましくは、前記1つのストリップ又は複数のストリップは、板紙又は紙で構成される。板紙又は紙を含む飲用ストローは、特に環境に優しい場合がある。
【0006】
好ましくは、飲用ストローの吸引キャビティは、それらの端部で接合された2つの細長いストリップの間に形成される。このような飲用ストローは、特に費用対効果の高い方法で製造することができる。さらに、そのような飲用ストローは、ユーザフレンドリであり得る。
【0007】
有利には、飲用ストローは、中央で湾曲するようにストリップを曲げることによって形成されたトラフ(trough)を備える。
【0008】
有利には、少なくとも1つのストリップは、ストリップの長手方向に延びるトラフを備えており、このトラフは反対側のストリップの同様のトラフに面し、このトラフで前記吸引キャビティを形成する。
【0009】
飲用ストローが2つのストリップを含む場合、飲用ストローは、トラフを有するストリップと、前記トラフを有さないストリップの両方を含むことができる。好ましくは、飲用ストローの吸引キャビティは、トラフ(複数可)によって形成される。飲用ストローが2つのストリップ(1つはトラフを有し、1つはトラフを有しない)を含む場合、飲用ストローは、吸引キャビティの所望の形状をより良好に維持することができる。
【0010】
有利には、少なくとも1つのストリップは、ストリップの長手方向にトラフを備え、このトラフは、反対側のストリップの中央部分に面し、反対側のストリップの中央部分と共に前記吸引キャビティを形成する。前記反対側のストリップは、トラフを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。好ましくは、前記反対側のストリップは、トラフを含まない。そのような形状は、吸引キャビティの形状を維持するために特に有利であるだけでなく、使用するのに特に快適であり得る。
【0011】
有利には、少なくとも1つのストリップの少なくとも1つの継ぎ目、好ましくは全てのストリップの継ぎ目は、生分解性プラスチックによって接合されており、飲用ストローは、完全に堆肥化可能であり得る。
【0012】
好ましくは、飲用ストローの長手方向の少なくとも1つの継ぎ目が、ヒートシールされている。換言すれば、飲用ストローは、長手方向に少なくとも1つのヒートシールされた継ぎ目を含むことができる。好ましくは、飲用ストローは、長手方向に2つのヒートシールされた継ぎ目を含む。これに加えて、又はこれに代えて、飲用ストローは、接着された少なくとも1つの長手方向の継ぎ目を含むことができる。接着剤としては、例えば、デンプン系の接着剤を使用することができる。
【0013】
好ましくは、飲用ストローは、打ち抜き加工されている、即ち、打ち抜き加工によって所望の形状に切断されている。好ましくは、打ち抜き加工(stamping)は、ヒートシールなどのシール加工後に行われる。有利には、飲用ストローは、実質的に平坦な形状を有する。換言すれば、飲用ストローの幅は、好ましくは、飲用ストローの厚さよりも実質的に大きい。
【0014】
飲用ストローの幅は、例えば、飲用ストローの厚さの少なくとも2倍、好ましくは、飲用ストローの厚さの少なくとも4倍であってもよい。好ましくは、飲用ストローの幅は、飲用ストローの厚さの少なくとも5倍、例えば5~20倍である。幅の広いストローは、製造がより容易であり得、それによって製造コストが削減され得る。さらに、幅の広いストローは、口内での感触が良いかもしれない。さらに、幅の広いストローは、ストローとしてだけでなく、飲み物を混ぜるためのスプーン又はミキサーとしても使用することができる。
【0015】
飲用ストロー、特に平坦な飲用ストローは、例えば、広告目的で便利に使用することができ、この場合、好適なパターン及び/又は図形が、飲用ストロー上で切断及び/又は印刷される。
【0016】
本発明によれば、材料は堆肥化可能であることが好ましい。飲用ストローの材料は、有利には、紙、板紙(paperboard)及び/又は厚紙(cardboard)を含み、好ましくは紙及び/又は板紙を含む。従って、本発明による材料は、有害なプラスチック廃棄物の生成を低減するという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下において、本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1a】
図1aは、飲用ストローのいくつかの実施例を示す。
【
図1b】
図1bは、飲用ストローのいくつかの実施例を示す。
【
図1c】
図1cは、飲用ストローのいくつかの実施例を示す。
【
図2】
図2は、飲用ストローの断面のいくつかの実施例を示す。
【
図3】
図3は、飲用ストローの断面のいくつかの実施例を示す。
【
図4】
図4は、飲用ストローの断面のいくつかの実施例を示す。
【
図5】
図5a~
図5pは、飲用ストローの断面のいくつかの実施例を示す。
【
図6a】
図6aは、飲用ストローの製造方法のいくつかの実施例を示す。
【
図6b】
図6bは、飲用ストローの製造方法のいくつかの実施例を示す。
【
図6c】
図6cは、飲用ストローの製造方法のいくつかの実施例を示す。
【
図6d】
図6dは、飲用ストローの製造方法のいくつかの実施例を示す。
【
図6e】
図6eは、飲用ストローの製造方法のいくつかの実施例を示す。
【
図7】
図7は、別の飲用ストロー又は缶に接続され得る飲用ストローの延長部を示す。
【
図8a】
図8aは、飲用ストローの断面のいくつかの実施例を示す。
【
図8b】
図8bは、飲用ストローの断面のいくつかの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願では、以下の参照番号が使用される:
10 飲用ストロー、
10a 飲用ストロー用のプリフォーム
1 飲用ストローの吸引キャビティ
2 飲用ストローの第1ストリップ
2a 飲用ストローの第1ストリップの第1の長手方向の端部
2a 飲用ストローの第1ストリップの第2の長手方向の端部
2c 飲用ストローの第1ストリップの長手方向のトラフ。
3 飲用ストローの第2ストリップ
3a 飲用ストローの第2ストリップの第1の端部
3b 飲用ストローの第2ストリップの第2の端部
3c 飲用ストローの第2ストリップの長手方向のトラフ。
11 第1材料のロール、
12 第2材料のロール、
13 飲用ストローをシールするための手段。
14 シール前に飲用ストロー用プリフォームを成形するための手段。
15a、15b 1つ又は複数の刃先などのストリップを形成するための切断手段 16 切断成形手段
17 シール前にストリップをプレス成形するための案内手段、
18 第1ホイールなどのストリップを搬送するための手段
19 バー
20 型(mould)
【0019】
本出願では、「細長いトラフ」という用語が使用される。これは、飲用ストローの吸引キャビティの少なくとも一部を構成することができる飲用ストローの表面を意味する。典型的には、細長いトラフは、湾曲した形状及び/又は角のある形状を含む。
【0020】
図1a~
図1cは、飲用ストロー10の全体図を示す。
図2~
図5p並びに
図8a~
図8bは、飲用ストロー10の吸引キャビティ1が見える、飲用ストローの様々な実施形態の断面図を示す。
図6a~
図6eは、飲用ストロー10の製造方法を示す。
【0021】
図2~
図4、
図5a~
図5p、及び
図8a~
図8bは、飲用ストローをその長手方向(吸い込み方向)と直交する断面図で示している。
図5b~
図5m及び
図8a~
図8bは、分かり易くするために、第1ストリップと第2ストリップとを少し離して示している。完成した飲用ストローでは、これらの実施形態による2つのストリップは、それらの間に吸引キャビティを形成することができるように、自然に互いに接合される。
【0022】
第1ストリップ2及び/又は第2ストリップ3は、それらの両端部2a、2bと両端部3a、3bにおいて、十分に広い端部領域で接合されてもよい。本出願では、「端部(edges)」は、吸引キャビティを画定する端部を指す。ストリップ2、3は、それらの全端部領域2a、2b、3a、3b上で一緒に接合されていない可能性がある。費用対効果の高い製造と口内での良好な感触を達成するために、ストリップ2、3は、好ましくは、吸引キャビティを画定する端部(edge)からストローの外側端部(outer edge)まで、それらの端部領域全体で一緒に接合される。第2ストリップ3は、第1ストリップ2の真直ぐな中央部分と共に飲用ストローの吸引キャビティ1を形成する細長いトラフ3cを含むことができる。
図2に示すように、吸引キャビティは、異なる幅を有する2つのストリップから形成されている、このような実施形態は、製造技術の観点から特に有利である。さらに、この実施形態は、吸引キャビティ1の好適な形状を維持するのに特に効率的である。
【0023】
図3は、第1ストリップ2にも細長いトラフ2cが設けられている第2の実施形態を示している。ストリップ2、3両方のトラフ2c、トラフ3cの内面が互いに対向するように配置することにより、その断面形状が楕円又はシャトル(shuttle)に近い吸引キャビティ1が生成されよう。
【0024】
図4は、接合されたストリップの両方にトラフが設けられているが、第1ストリップ2のトラフ2cの裏側が第2ストリップ3のトラフ3c内に配置されている第3の実施形態を示している。この場合も、2つのストリップの中央部分の間に吸引キャビティ1が形成されるが、第1ストリップ2cのトラフ2cの曲率半径が、第2ストリップ3のトラフ3cの曲率半径よりも大きいことを条件としている。曲率半径が異なるために、この実施形態は、吸引キャビティ1の好適な形状を効率的に維持することができる。
【0025】
飲用ストローは、異なる幅を有する2つのストリップ2、3(例えば、
図2、
図4、
図5d、
図5e、
図5g、
図5j、
図5mに示す)を含むことができる。異なる幅の2つのストリップ2、3を備えるこの特に有利な実施形態のおかげで、飲用ストローは、費用対効果が高い方法で製造することができる。
【0026】
2つのストリップ間の幅の適当な差は、製造される製品の幅に依存するであろう。前記ストリップ間の幅の差は、好ましくは少なくとも10%、例えば10~30%である。換言すれば、幅が狭い方のストリップの幅は、幅が広い方のストリップの幅よりも少なくとも10%小さいことが好ましい。さらに別の利点は、異なる幅の2つのストリップが(例えば、
図2、
図4、
図5d、
図5e、
図5g、
図5j、
図5mにおけるように)互いに接合される場合、飲用ストローは通常は、使用時に開いた状態をより良好に維持することができ、換言すれば、飲用ストローの吸引キャビティは、その形状を良好に維持することができることである。
【0027】
追加的に又は代替的に、
図8a及び
図8bに示されるように、飲用ストローは、第1ストリップが第2ストリップの幅の一部のみをカバーするように、異なる幅の2つのストリップを備えていてもよい。この場合、前記ストリップ間の幅の差は、有利には少なくとも20%、より有利には少なくとも30%である。例えば、幅が狭い方のストリップの幅は、幅が広い方のストリップの幅よりも20%~50%狭くてもよい。従って、飲用ストローの製造コストを大幅に削減することができる。
【0028】
飲用ストローの吸引キャビティ1は、互いに接合された2つのストリップを含むことができ、ストリップの一方は、吸引キャビティを形成する壁の表面積のより大きい部分を形成し、他方は、より小さい部分を形成する(例えば、
図2、
図4、
図5d、
図5e、
図5g、
図5j、
図5m、
図8a、
図8bに示される)。従って、ストリップ2、3の一方は、好適には吸引キャビティの壁面積の少なくとも60%、より好適には少なくとも70%を構成する。他方のストリップ2、3は、好適には吸引キャビティの壁面積の10%~40%、より好適には20%~30%を構成することができる。この特に有利な実施形態のおかげで、飲用ストローの吸引キャビティは、所望の形状をより良好に維持することができる。さらに、このような飲用ストローは、特に費用対効果の高い方法で製造することができる。
【0029】
このように、飲用ストローは、互いに接合された異なる幅を有する2つのストリップを備えることができ、一方は、飲用ストローの吸引キャビティの湾曲部分を形成し、他方は、飲用ストローの吸引キャビティの実質的に真直ぐな部分を形成する。
【0030】
飲用ストロー及び/又はその切り口は、撥水性コーティングで処理されてもよく、及び/又は撥水性材料でコーティングされてもよい。このようにして、飲用ストローは、使用時にその剛性をより長く維持することができる。
【0031】
ストリップ2、3、又は単一のストリップが、水中での安定性を高めるためにコーティングが施された紙又は板紙で構成されている場合、コーティングは、ヒートシール材料としても機能するように有利に選択することができる。
【0032】
実際には、飲用ストロー10は、上述のように成形された板紙又は紙ストリップのようなストリップを、それらの外側端部が接合されるように一緒に走らせ、これらの外側端部の間に1つ又は複数の吸引キャビティを残すことによって、有利に製造することができる。このような方法は、特に費用対効果が高く、多数のストローを同時に製造するために適用することができる。ストリップは、複数の飲用ストロー分の長さを有する場合があり、例えば、成形後に、好適な長さの飲用ストロー10に切断することができる。
【0033】
ストリップ2、3の対向面に生分解性プラスチックのコーティングが施されている場合、ストリップは通常、それらの外側端部で一緒にヒートシールすることができる。飲用ストローは、任意の好適な材料で作ることができる。飲用ストローは、堆肥化可能な材料で作られていることが好ましい。堆肥化可能な材料は、特に環境に優しい材料である可能性がある。
【0034】
飲用ストロー10は、例えば、全体的に又は部分的にプラスチックであるラミネート材料又は別の材料で作ることができる。
【0035】
好ましくは、ストローは、紙、板紙及び/又は厚紙を含むか、又は前記の紙、板紙及び/又は厚紙からなる。有利には、紙、板紙及び/又は厚紙の含有量、好ましくは板紙及び/又は厚紙の含有量は、乾燥重量で、ストロー全体の少なくとも50%又は少なくとも60%、より有利には少なくとも70%又は少なくとも80%、最も有利には少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%である。前記材料は、特に環境に優しい材料であってもよい。さらに、前記材料は、特に優れた印刷基材であってもよい。本出願において、紙、板紙及び厚紙は、好適には堆肥化可能であり、リサイクル可能である天然繊維ベースの材料を指す。
【0036】
飲用ストローを製造するために使用される材料は、液体がそれを通して吸い込まれたときに飲用ストローがその剛性を維持するように、水密性又は実質的に水密性の高い紙又は薄い板紙であることが好ましい。材料の坪量(grammage)は、有利には60gsm~260gsmである。より有利には、材料の坪量は、240gsm未満、又は220gsm未満、好ましくは200gsm未満である。材料の坪量をより低くすると、材料コスト及び輸送コストを節約することができる。厚紙、又は厚い防水紙は、飲用ストローを好適な剛性にすることができるので、特に好適な材料である。
【0037】
飲用ストローは、生分解性フィルムを含むことができる。
【0038】
一実施形態では、第1ストリップ2で作られた飲用ストローの半分の一方は、板紙又は他の剛性材料からなり、飲用ストローの他方の半分は、明らかにより薄いラミネート又は例えば生分解性プラスチックなどのかなり薄い材料で構成されている。これにより、飲用ストローの品質を著しく損なうことなく、製造コストを大幅に削減することができる。
【0039】
飲用ストローが2つのストリップを含み、一方のストリップが他方のストリップよりもかなり剛性の高い材料からなる場合、より剛性の高いストリップが、吸引キャビティを形成する壁領域のより大きな部分を構成することが好ましい。
【0040】
飲用ストローは、例えば、1つのストリップ又は2つのストリップから形成されてもよい。吸引キャビティ1は、飲用ストロー10の外側端部の内側に形成される。
【0041】
飲用ストロー10は、単一のストリップ2、3から形成することができる。この場合、単一のストリップ2は、有利には、ストリップの第1の長手方向の端部を、ストリップの第2の長手方向の端部に取り付けるように巻かれる。換言すれば、飲用ストロー10を形成するために、ストリップ2の第1の長手方向の端部2aを、当該ストリップの第2の長手方向の端部2bに固定する、即ち、飲用ストロー10の吸引キャビティ1は、
図5nに示すようにその端部が接合された単一の細長いストリップ2内に形成される。
【0042】
このようにして形成された固定スリップ(ストリップの接合された長手方向の端部)は、
図5oに示すように、円形部にさらに取り付けることができる。換言すれば、固定スリップ(fastening slip)を、円形の外面と平行に折り畳んで、円形の外面に取り付けることができる。
図5pに示される一実施形態において、ストリップは、半円形状を有するように折り畳まれている。
【0043】
あるいは、飲用ストロー10は、2つのストリップ2、3から形成されてもよい。この場合、第1ストリップ2の第1の長手方向の端部は、第2ストリップ3の第2の長手方向の端部に取り付けられ、第1ストリップ2の第2の長手方向の端部は、第2ストリップ3の第1の長手方向の端部に取り付けられる。換言すれば、飲用ストロー10の吸引キャビティ1は、それらの端部で接合された2つの細長いストリップ2、3の間に形成される。
【0044】
飲用ストロー10が2つのストリップ2、3を含むか、又は2つのストリップからなる場合、第1ストリップの材料は、第2ストリップの材料よりも明らかに薄くてもよい。この場合、第1ストリップの材料の坪量は、例えば、第2ストリップの材料の坪量よりも少なくとも20%、より有利には少なくとも30%又は少なくとも40%、最も有利には少なくとも50%低くてもよい。このようにして、機能的な飲用ストロー10を作製すると同時に、材料コストを節約することができる。さらに、この代替物は、特に環境に優しいものであり得る。
【0045】
このように、飲用ストロー10は、1つ、2つ、3つ、又は4つのストリップなど、少なくとも1つのストリップを備える。好ましくは、飲用ストロー10は、1つ又は2つのストリップ2、3を含む。
【0046】
1つ又は2つのストリップで作られた上述の飲用ストロー10は、特に高い費用対効果で製造することができる。さらに、特に、2つのストリップを含む飲用ストローは、非常に効率的な方法で製造することができ、印刷及び/又は広告に特に適している。
【0047】
飲用ストロー10は、液体を飲むのに使用するために防水性でなければならない。ポリエチレン(PE)フィルム又はポリラクチド(PLA)フィルムなどの食品用のプラスチックフィルムを、紙の上にラミネートしてもよい。好ましくは、前記食品用のプラスチックフィルムは、PLAなどのバイオベースのプラスチック、又は糖-エタノール-エチレン経路を介して製造されたポリエチレンからなる。有利なことに、前記食品用のプラスチックフィルムは生分解性である。
【0048】
また、十分な水密性を提供するために、紙の表面に食品用ワックスを塗布してもよい。一例として、飲用ストローは、サトウキビで作られたコーティングを備えている。このようにして、ストローに十分な水密性を提供することができる。飲用ストローは、例えばコートされた紙及び/又は板紙を含む飲用ストローのように、例えば15重量%~30重量%のコーティング含量を有していてもよい。
【0049】
飲用ストローのコーティングの一例として、いわゆるコロンビア・バイオバリア(Colombier Bio-Barrier)がある。
【0050】
一実施形態では、プラスチックで別途コーティングされていないヒートシール可能な板紙が、材料として使用される。
【0051】
少なくとも1つのストリップで作られた飲用ストロー10の細長い側部、好ましくは2つのストリップからなる飲用ストロー10の両方の細長い側部が閉じられて、水密性のある吸引トラフ1が形成される。
【0052】
飲用ストローの1つ又は複数の長手方向の側部の継ぎ目は、好ましくは、ヒートシールによってシールされる。この方法では、ストローの製造に特定の接着剤は必要ない。ヒートシール性は、ストリップの少なくとも一方の側部を、ヒートシール可能な生分解性プラスチックなどのヒートシール可能な材料で、部分的に又は全体的にコーティングすることによって達成することができる。このようにして、好ましくは、少なくとも長手方向の端部は、ヒートシール可能な材料でコーティングされる。よって、ヒートシールされる内側の継ぎ目の両側に前記ヒートシール可能な材料が提供されるような方法で、ヒートシール可能な材料を塗布してもよい。
【0053】
飲用ストローが単一のストリップで作られる場合、ストリップは、好ましくは、型20及びプレスによって円形及び/又は螺旋形に巻かれ、その後、形成された長手方向の継ぎ目が閉じられる(
図6d~
図6eに示される)。継ぎ目を閉じること、即ち、シールは、好ましくは、バー19に対して行われる。好ましくは、シールは、ヒートシールによって行われる。これを
図6dに示す。
図6dはまた、接合ツールと、板紙を前方に搬送し、シール中に接合ツールにカウンターウェイトを提供するロールと、を示している。
【0054】
飲用ストローの製造にバー19が使用される場合、バーの形状は、飲用ストローの形状に応じて選択される。飲用ストローのシール中に形成される吸引キャビティ内に配置されるバーは、円形であってもよいし、円形とは異なる形状を有していてもよい。バーは、例えば、円形、半円形、正方形、又は多角形であってもよい。
【0055】
飲用ストローの1つ又は複数の長手方向の側部の継ぎ目は、食品用の接着剤を塗布することによってシールされてもよい。あるいは、飲用ストローの1つ又は複数の側部の継ぎ目は、食品用の接着テープを貼ることによって閉じられてもよい。好ましくは、ストローの1つ又は複数の長手方向の側部の継ぎ目は、ヒートシールによって閉じられる。
【0056】
ストローは、例えば、紙、板紙又は厚紙のロールのような材料ロールの全幅にわたって同時に複数のストローを作ることによって、作製することができる。
【0057】
有利には、前記材料ロールは、所望の幅のスリップ、即ち、ストリップ2、3に切断される。前記スリップ、即ち、ストリップ2、3の幅は、例えば、1cm~8cmとすることができ、有利には、各ストリップの幅は、少なくとも2cmである。さらに、各ストリップの幅は、有利には6cm以下である。板紙の幅を調節したり、型の数を変えたりすることによって、必要に応じて生産量を簡単に調節することができる。このようにして製造された前記1つ又は複数の単一ストリップは、型及びプレスを介して適切に案内されて、飲用ストローの所望の形状を得ることができる。このようにして、飲用ストローは、特に費用対効果が高く、環境に優しい方法で製造することができる。
【0058】
打ち抜き加工によって、飲用ストロー10は、様々な外形を備えることができる。好ましくは、飲用ストロー10は、ストローの外表面上にパターンを提供するように打ち抜き加工される。例えば、ストローは、波形パターン、穿孔パターン、及び/又は鋸歯状パターンを備えることができる。
【0059】
図6a~
図6eは、飲用ストローを製造する方法の例を示す。有利には、材料11、12が切断ステーションに導入され、所望のサイズのストリップ2、3に切断される。
【0060】
有利には、材料11、12はロールの形態である。従って、飲用ストローの製造を、容易かつ費用対効果の高い方法で実施することができる。有利には、材料11、12の1つ又は2つのロールが設けられる。
【0061】
図6bは、第1材料ロール11及び第2材料ロール12を示す。第1及び/又は第2の材料ロールは、有利には、紙、板紙、及び/又は厚紙からなる。
【0062】
図6cは、飲用ストローの製造方法の一例を示す。この図は、飲用ストローをシールするための手段13、シール前に飲用ストロー用のプリフォームを成形するための手段14、ストリップを形成するための切断手段15、例えば飲用ストローを打ち抜くための切断成形手段16、シール前にストリップをプレス成形するためのガイド17、ホイール等のストリップを搬送するための手段18を示している。
【0063】
材料11、12は、好ましくは、材料をストリップ2、3に切断するための切断手段15a、15bに供給される。
【0064】
材料のストリップ2、3を形成した後、ストリップは所望の形状に成形される。好ましくは、ストリップ2、3は、飲用ストロー用のプリフォームを成形するための手段14に導入される。この成形は、例えば、前記手段14によって、前記ストリップ2、3を所望の形状に曲げて、飲用ストロー用のプリフォームを構成することによって行うことができる。
【0065】
この後、飲用ストロー用のプリフォームをシールして、長手方向に少なくとも1つの継ぎ目を有する飲用ストロー10を形成することが好ましい。このために、成形されたストリップ2、3は、好ましくは、飲用ストローをシールするための手段13に搬送される。シールは、例えば、ヒートシールによって行うことができる。
【0066】
飲用ストロー10の製造において、単一のストリップは、好ましくは、少なくとも中央部で湾曲した断面を有するように曲げられる。このようにして、飲用ストローの中央部分にトラフが形成される。前記トラフの内面は、別のストリップに対して配置することができ、それによって、飲用ストローの吸引キャビティは、トラフの内面と反対側のストリップの中央部分との間に形成される。前記他のストリップは、真直ぐ(曲げられていない)であってもよく、又は、その中央部分にトラフを形成するように対応する方法で曲げられていてもよい。
図5a~
図5pは、トラフのいくつかの可能な形状を示す。
【0067】
飲用ストロー10は、この方法により効率的に製造することができる。この製造方法のおかげで、各製造ラインにおいて、毎分少なくとも100本のストロー、好ましくは毎分少なくとも300本のストローを製造することができる。この方法の効率は、とりわけ、大きくて幅の広いロールを使用することができるという事実に基づいている。従って、製造に必要な機械の省スペース化は、製造に関してかなりの効果を期待できる。
【0068】
この方法は、例えば、薄い紙リボンをねじって管状ストローを形成することで紙ストローを作成する場合と比較して、製造がかなり迅速であるという利点を有する。さらに、薄い紙リボンで作られたストローは、より厚い紙材料、板紙、又はラミネート材料で作られたストローよりも耐水性が劣る可能性がある。
【0069】
有利には、ストローは広告基材である。即ち、所望のパターン及び/又は広告及び/又は他の情報がストロー上に印刷され得る。好ましくは、飲用ストロー10は、その上に印刷されたパターンを有する。
【0070】
飲用ストロー10の外形は、例えば、前記プレス及び打ち抜き加工により変化し得る。
図2~
図5pは、飲用ストローの様々な可能な断面を示す。図示したように、非常に異なる形状が可能である。
【0071】
飲用ストロー10は、実質的に平坦な形状に作製することができる。従って、飲用ストロー10の断面の第1の寸法は、飲用ストローの断面の第2の寸法よりも実質的に小さくてもよい。飲用ストロー10のこの実質的に平坦な形状は、例えば、飲み物を混ぜるために使用することもできるという利点をもたらす。
【0072】
飲用ストロー10は、正方形の断面を有する形状に製造することもできる。このような場合、正方形の断面を有する飲用ストローは、例えば、保管及び/又は輸送のために、又は前記正方形のストローを用いて飲み物を混ぜるために、平らにすることができる。正方形のストローは、平らにすることができるだけでなく、端部を絞ることによって再び開くこともできる。
【0073】
飲用ストロー10は、円形断面を有する形状に製造することもできる。従って、円形断面を有する形状に作製された飲用ストローは、好ましくは、例えば、飲用ストローの保管及び/又は輸送のために、又は前記円形断面を有するストローで飲み物を混ぜるために、平らにすることができる。このようなストローは、例えば、端部を絞ることによって開くことができる。一部のユーザは、飲用ストローの鋭い形状よりも湾曲した形状の方が快適だと感じる可能性がある。
【国際調査報告】