(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】スキーリゾート管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220112BHJP
G16Y 10/65 20200101ALI20220112BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y10/65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542293
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(85)【翻訳文提出日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 IB2019058233
(87)【国際公開番号】W WO2020065607
(87)【国際公開日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】102018000008982
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521129255
【氏名又は名称】スカディー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チンケル グンター
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
スキーリゾート(1)の、リフトシステム(2)、造雪機(20)、および圧雪車(7)の遠隔測定システム(15、26、43)からデータを受信するデータ取得システム(52)と、処理ステーション(73)と、データ取得システム(52)によって供給されるシステムデータベース(60)を含む大容量記憶ユニット(58、59)と、オペレータ端末(76)からアクセス可能な表示インタフェース(75)とを備えるスキーリゾート管理システム。データ取得システム(52)が、リフトシステム(2)と、造雪機(20)と、圧雪車(7)とからのデータおよび信号をシステムデータベース(60)に格納する。処理ステーション(73)によって、各リフトシステム(2)、各造雪機(20)もしくは各圧雪車(7)に関連するデータを代替的に表示し、またはすべてのリフトシステム(2)、すべての造雪機(20)、およびすべての圧雪車(7)に関連するデータを集約された形式で表示する、表示インタフェース(75)のモードを設定することが可能になる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキーリゾート管理システムであって、前記スキーリゾートが、複数のゲレンデ(3)と、複数のリフトシステム(2)と、複数の造雪機(20)を備える少なくとも1つの人工造雪システム(5)と、複数の圧雪車(7)とを備え、
前記管理システムが、
前記リフトシステム(2)、前記人工造雪システム(5)、および前記圧雪車(7)の対応する遠隔測定システム(15、26、43)から、データおよび信号を受信するように構成されたデータ取得システム(52)と、
処理ステーション(73)と、
前記データ取得システム(52)によって供給されるシステムデータベース(60)を含む大容量記憶ユニット(58、59)と、
それぞれの表示装置を備えた複数のオペレータ端末(76)と、
前記オペレータ端末(76)からアクセス可能な表示インタフェース(75)とを備え、
前記データ取得システム(52)が、前記リフトシステム(2)からの第1のデータおよび信号と、前記人工造雪システム(5)からの第2のデータおよび信号と、前記圧雪車(7)からの第3のデータおよび信号とを、前記システムデータベース(60)に格納するように構成されており、
前記処理ステーション(73)が、前記リフトシステム(2)の中から選択された1つに関連する前記第1のデータ、前記造雪機(20)の中から選択された1台に関連する前記第2のデータ、または前記圧雪車(7)の中から選択された1台に関連する前記第3のデータを代替的に表示する第1のモードと、すべての前記リフトシステム(2)に関連する第1のデータ、すべての前記造雪機(20)に関連する第2のデータ、すべての前記圧雪車(7)に関連する第3のデータを、集約された形式で代替的に表示する第2のモードと、前記第1のデータ、前記第2のデータ、および前記第3のデータを、集約された形式で表示する第3のモードとのうちから、前記表示インタフェース(75)の表示モードを設定するように構成されているセレクタ(80)を備える、スキーリゾート管理システム。
【請求項2】
前記スキーリゾートが、複数の自動車両(9)および複数のスノーモービル(8)と、複数の気象ステーション(28)を備える気象検出システム(6)とを備え、
前記データ取得システム(52)が、前記ゲレンデ(3)に沿った交通量検出システム(17)と前記圧雪車(7)とからの第4のデータおよび信号、および/または前記気象検出システム(6)からの第5のデータおよび信号、および/または前記自動車両(9)およびスノーモービル(8)と、前記気象検出システム(6)の対応する遠隔測定システム(29、46)と、前記自動車両(9)およびスノーモービル(8)の対応する遠隔測定システム(29、46)とからの第6のデータおよび信号を、前記システムデータベース(60)に格納するように構成されており、
前記表示インタフェース(75)が、前記第1の表示モードで、前記ゲレンデ(3)の中から選択された1つに関連する前記第4のデータ、前記気象ステーション(28)の中から選択された1つに関連する第5のデータ、または前記自動車両(9)およびスノーモービル(8)の中から選択された1つに関連する第6のデータを代替的に表示し、前記第2の表示モードで、すべての前記ゲレンデ(3)に関連する第4のデータ、すべての前記気象ステーション(28)に関連する第5のデータ、すべての前記自動車両(9)およびスノーモービル(8)に関連する第6のデータを、集約された形式で代替的に表示し、前記第3の表示モードで、前記第4のデータ、前記第5のデータ、および前記第6のデータを、前記第1のデータ、前記第2のデータ、および前記第3のデータとともに、集約された形式で代替的に表示するように構成されている、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
管理センター(50)と、ローカル制御ステーション(51.1~51.6)と、データ取得システム(52)とを備え、これらがローカル通信ネットワーク(53)および/または広域通信ネットワーク(55)を介して通信して接続し、前記ローカル制御ステーション(51.1~51.6)が、前記リフトシステム(2)の少なくともいくつかと、少なくとも人工造雪システム(5)および前記圧雪車(7)とのうちに分散されている請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記ローカル制御ステーション(51.1~51.6)が、それぞれのリフトシステム(2)の動作を監視するように構成された第1のローカル制御ステーション(51.1)と、それぞれの造雪機(20)の動作を監視するように構成されたそれぞれの第2のローカル制御ステーション(51.3)と、それぞれの圧雪車(7)の動作を監視するように構成された第3のローカル制御ステーション(51.5)とを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムデータベース(60)が、すべての前記リフトシステム(2)に関連し、前記第1のデータを含むリフトシステムデータベース(62.1)を含み、
前記第1のデータが、それぞれの前記リフトシステム(2)に対する識別子と、それぞれの前記リフトシステム(2)の状態信号と、それぞれの前記リフトシステム(2)の動作条件を表すデータとを含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記システムデータベース(60)が、すべての前記人工造雪システム(5)に関連し、前記第2のデータを含む人工造雪システムデータベース(62.3)を含み、
前記第2のデータが、それぞれの前記人工造雪システム(5)に対する識別子と、それぞれの前記人工造雪システム(5)の状態信号と、それぞれの前記人工造雪システム(5)の動作条件を表すデータと、気象条件に関連するデータとを含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記システムデータベース(60)が、前記複数の圧雪車(7)に関連し、前記第3のデータを含む圧雪車データベース(62.5)を含み、
前記第3のデータが、それぞれの前記圧雪車(7)に対する識別子と、それぞれの前記圧雪車(7)の3次元座標(LG、LT、H)と、それぞれの前記圧雪車(7)の状態信号と、それぞれの前記圧雪車(7)の動作条件を表すデータとを含む、請求項2~6のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記システムデータベース(60)が、
すべての前記ゲレンデ(3)に関連し、第4のデータを含むゲレンデデータベース(62.2)と、前記第5のデータを含む気象データベース(62.4)とを含み、
前記第4のデータが、それぞれの前記ゲレンデ(3)に対する識別子と、それぞれの前記ゲレンデ(3)の前記特性に関連するデータと、それぞれの前記ゲレンデ(3)に沿った積雪の厚さと、前記交通量検出システム(17)によって検出された通過数とを含み、
前記第5のデータが、前記気象ステーション(28)のそれぞれの気象センサに対する識別子と、前記気象ステーション(28)のそれぞれの前記気象センサの設置場所での気象データと、測定された降雪量と、必要に応じて、前記スキーリゾートがある地理的領域(1)の実際の日射量および天気図とを含む、請求項5に記載の管理システム。
【請求項9】
前記処理ステーション(73)が、前記ゲレンデデータベース(62.2)に含まれる、前記ゲレンデ(3)に沿った前記積雪の厚さ、および前記気象データベース(62.4)に含まれる気象データに応じて、前記人工造雪システム(5)に対する人工造雪スケジュールを定義して実行するように構成された人工造雪制御モジュール(77.4)を備え、
前記人工造雪スケジュールが、前記人工造雪システム(5)の前記造雪機(20)に割り当てられたタスクによって定義され、その結果として、前記割り当てられたタスクが、生産時間、および/または生産量目標、および/または水消費量目標によって定義される、請求項8に記載の管理システム。
【請求項10】
前記システムデータベース(60)が、すべての前記ゲレンデ(3)に関連し、前記第4のデータを含むゲレンデデータベース(62.2)と、
第4のデータが、それぞれの前記ゲレンデ(3)に対する識別子と、始点の高さ、終点の高さ、長さ、基準経路の座標、技術的難易度、平均勾配、勾配の均一な区画、季節に応じた太陽への露出、向き、他のゲレンデ(3)との接続、およびサービス提供するリフトシステム(2)のうちから選択されたそれぞれの前記ゲレンデ(3)の特性に関連するデータと、前記積雪の厚さと、前記交通量検出システム(17)によって検出された前記通過数とを含む、請求項2~9のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
処理ステーション(73)が、前記ゲレンデ(3)に対する準備スケジュールを定義し、前記ゲレンデ(3)のそれぞれの前記準備スケジュールに基づいて、それぞれのタスクを少なくとも1つのグループの圧雪車(7)に割り当て、前記圧雪車(7)の前記タスクの実行を連携するように定義されている圧雪車作業スケジューリングモジュール(77.5)を備える、請求項10に記載の管理システム。
【請求項12】
前記ゲレンデ(3)に対する各準備スケジュールが、前記ゲレンデデータベース(62.2)に含まれる前記第4のデータ、および前記圧雪車(7)の位置の情報に基づいて、各圧雪車(7)に割り当てられた、ゲレンデ(3)のリスト、および/または前記ゲレンデ(3)の一部を含む、請求項11に記載の管理システム。
【請求項13】
前記圧雪車作業スケジューリングモジュール(77.5)が、
前記スキーリゾート(1)で実行される作業の地理的分布を定義し(500)、
前記ゲレンデ(3)に対する前記準備スケジュールを定義し(502)、
前記圧雪車(7)の移動を最小化するために、前記圧雪車(7)の位置の前記情報に基づいて、動作中の前記圧雪車(7)に割り当てられる前記タスクを定義する(504)ように構成された、請求項11または12に記載の管理システム。
【請求項14】
前記地理的分布が、前記ゲレンデ(3)同士の間の直接接続および可能な間接接続を定義する前記ゲレンデ(3)の接続マトリックス(M)によって表され、前記圧雪車作業スケジューリングモジュール(77.5)が、前記接続マトリックス(M)に基づく経路最小化アルゴリズムによって、前記圧雪車(7)に割り当てられる経路を算出するように構成された、請求項13に記載の管理システム。
【請求項15】
前記処理ステーション(73)が、前記リフトシステム(2)、前記少なくとも1つの人工造雪システム(5)、および/または前記システムデータベース(60)からの、水消費量および電力消費量に関連するデータを受信するように構成されているプラント管理モジュール(77.2)を備え、前記処理されたデータが、一時点の消費量情報または時系列の消費量情報を表示するために利用可能にされる、請求項2~14のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項16】
前記プラント管理モジュール(77.2)が、前記システムデータベース(60)の内容に応じて、前記リフトシステム(2)と、前記少なくとも1つの人工造雪システム(5)および前記圧雪車(7)とに対する保守プログラムを決定し、起動条件に応じて保守作業を起動するように構成された、請求項15に記載の管理システム。
【請求項17】
前記処理ステーション(73)が、前記システムデータベース(60)に含まれる情報であって、
前記ゲレンデ(3)の経路に沿った、前回測定または推定された積雪の厚さと、
前記ゲレンデ(3)に応じた、技術的難易度、平均勾配、勾配の均一な区画、季節に応じた太陽への露出、風への向きおよび露出、および前記交通量検出システム(17)によって検出された通過数と、
気温、気圧、湿度、風速および風向、降雪の持続時間および強さ、日照時間、および雲量のレベルとのうちから選択された情報に基づいて、前記ゲレンデ(3)の前記積雪の厚さを推定する積雪厚推定モジュール(77.3)を備える、請求項2~16のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項18】
前記積雪厚推定モジュール(77.3)が、
雲量のレベルの関数として重み付けされた、前記積雪の厚さの最後の測定値または最後の推定値からの毎日の日照時間と前記季節に応じた前記太陽への露出とを組み合わせることによって得られる、実際の太陽への露出と、風向に応じた、風速、風向、および前記ゲレンデ(3)の向きとに基づいて、前記積雪の融解速度を計算し(302)、
記録されている降雪量の強さに基づいて、積雪の増加速度を計算し(302)、
前記算出された増加速度および融解速度に基づいて、前記積雪厚さの前記前回の推定値または測定値を更新する(304)ように構成された、請求項17に記載の管理システム。
【請求項19】
前記システムデータベース(60)が、前記第6のデータを含むスノーモービルおよび自動車両データベース(62.3)を含み、各自動車両(9)およびスノーモービル(8)に対して、前記第6のデータが、それぞれの前記自動車両(9)またはそれぞれの前記スノーモービル(8)に対する識別子と、それぞれの前記自動車両(9)またはそれぞれの前記スノーモービル(8)の3次元座標と、それぞれの前記自動車両(9)またはそれぞれの前記スノーモービル(8)の状態信号と、プログラムされた保守作業に関連するデータとを含む、請求項2~18のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項20】
複数のゲレンデ(3)と、複数のリフトシステム(2)と、複数の造雪機(20)を備える少なくとも1つの人工造雪システム(5)と、複数の圧雪車(7)と、請求項1~19のいずれか1項に記載の管理システムとを備える、スキーリゾート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年9月27日に提出されたイタリア特許出願第102018000008982号明細書の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、スキーリゾート管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
スキーリゾートは通常、複数のゲレンデにサービスを提供するリフトシステム、人工造雪システム、および複数の圧雪車、ならびにスノーモービル、およびオフロード車両またはピックアップトラックなどの自動車両を備える。リフトシステムは、おおむねケーブル駆動である様々なタイプの輸送システムを含んでもよく、麓側ステーションからそれぞれの山側ステーションに人々を運ぶために使用される。代わりに、人工造雪システムおよび圧雪車を使用して、ゲレンデの表面を準備する。より具体的には、人工造雪システムは、計画された量の雪を生成することにより、自然雪の不足を補うこと、または必要に応じて、特に雪面が急速に融解する傾向がある場合に一定の品質の雪面を確保することができ、さらにはますます普及しているスノーパークやファンパークでのジャンプ、こぶ、ハーフパイプなどの人工構造物を準備することもできる。
【0004】
スキーリゾートの施設を効率的に管理するには、リソースの利用と、ゲレンデに対する保守作業の計画との両方に関して、相当な量の情報を使用する必要がある。しかしながら、情報がタイムリーに入手できないこと、または不正確であることがよくある。例えば、人工造雪の作業または圧雪車を用いた準備の作業を決定するために不可欠な積雪の厚さの測定値は、スキーリゾートのいくつかの地点でしか取得されない。したがって、スキーリゾートのより重要な部分で対象を絞った作業をプログラムすることは事実上不可能であり、このことにより、必要以上にプラントおよび設備を使用すること(したがってより多くの消費量)、またはユーザの期待値に対して質的に劣る条件、もしくは危険でさえある条件を許容することにつながる。さらに、情報は断片化された状態でのみ利用可能であり、この側面も最適なリソース管理を妨げる可能性がある。リフトシステムおよび人工造雪システムは通常自律的であり、電力の供給および水の供給がニーズに対して十分であるか否かを常に確認することが可能とは限らない。同様に、大規模なスキーリゾートでは特に、複数の圧雪車を効率的に連携することが難しい場合がある。
【0005】
基本的に、スキーリゾートのオペレータは、スキーリゾートを効率的に管理することに役立つ手段を欠いている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上述の制限を克服すること、または少なくとも軽減することを可能にするスキーリゾート管理システムを提供することである。
【0007】
したがって、本発明によれば、実質的に請求項1に定義されるように、スキーリゾート管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のさらなる特性および利点は、添付の図面の図を参照して、いくつかの非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【
図2】
図1のスキーリゾートの管理システムの簡略化されたブロック図である。
【
図3】
図1のスキーリゾートの一部のより詳細な図である。
【
図4】
図1のスキーリゾートのリフトシステムに関する簡略化されたブロック図である。
【
図5】
図1のスキーリゾートの人工造雪システムに関する簡略化されたブロック図である。
【
図6】
図2の管理システムに接続された、スキーリゾート1の構成要素に関する簡略化されたブロック図である。
【
図7】
図1のスキーリゾートの圧雪車に関する簡略化されたブロック図である。
【
図8】
図1のスキーリゾートのゲレンデで動作中の
図7の圧雪車を示す図である。
【
図9】
図1のスキーリゾートの、スノーモービルおよび自動車両を概略的に示す図である。
【
図10】
図2の管理システムのより詳細なブロック図である。
【
図11】
図2の管理システムで使用されるデータベースに関するブロック図である。
【
図12】
図2の管理システムの構成要素のより詳細なブロック図である。
【
図13】
図11の構成要素によって実行される手順に関するフローチャートである。
【
図14】
図11の構成要素によって実行される手順に関するフローチャートである。
【
図15】
図11の構成要素によって実行される手順に関するフローチャートである。
【
図16】
図11の構成要素によって実行される手順に関するフローチャートである。
【
図17】
図11の構成要素によって実行される手順に関するフローチャートである。
【
図18a】一動作モードでの、
図12の構成要素の表示セレクタの概略図である。
【
図18b】他の動作モードでの、
図12の構成要素の表示セレクタの概略図である。
【
図18c】さらに他の動作モードでの、
図12の構成要素の表示セレクタの概略図である。
【
図19】第1の動作モードでの、
図2の管理システムの表示インタフェースの側面を示す図である。
【
図20a】一設定に応じた、第2の動作モードでの
図19の表示インタフェースの態様を示す図である。
【
図20b】他の設定に応じた、第2の動作モードでの
図19の表示インタフェースの態様を示す図である。
【
図20c】さらに他の設定に応じた、第2の動作モードでの
図19の表示インタフェースの態様を示す図である。
【
図21a】一設定に応じた、第3の動作モードでの
図19の表示インタフェースの態様を示す図である。
【
図21b】他の設定に応じた、第3の動作モードでの
図19の表示インタフェースの態様を示す図である。
【
図21c】さらに他の設定に応じた、第3の動作モードでの
図19の表示インタフェースの態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図3を参照すると、全体として符号1で示されるスキーリゾートは、地理的領域に広がり、複数のリフトシステム2と、複数のゲレンデ3と、人工造雪システム5と、気象検出システム6と、複数の圧雪車7と、複数のスノーモービル8と、複数の自動車両9とを含む。さらに、スキーリゾート1は、符号10で示されるスキーリゾート管理システムによって管理されており、便宜上、以下、単に「管理システム」と呼ぶ。
【0010】
図3は、例として、リフトシステム2の1つを示している。簡易化するために、本明細書および以下では、リフトシステムは、ケーブル駆動の輸送システム(例えば、ケーブルウェイ、ゴンドラケーブルウェイ、テレミックス、チェアリフト、スキーリフト、ケーブルカー)と、ケーブル駆動ではない鉄道輸送システム(例えば、ラックレールシステムを備えるもの)と、勾配および実質的に水平面の両方で動作するコンベヤベルト(例えば、経路で相互に接続されていない下流ステーションを接続するための)とを少なくとも含むが、これらは排他的ではないことが理解される。各リフトシステム2は、それぞれのルートに沿って、おおむね勾配を伴って広がり、第1のターミナルステーション11または下流ステーション11と、第2のターミナルステーション12または上流ステーション12とを有する。さらに、
図2の例のようなリフトシステム2のいくつかは、中間ステーション13を有する場合がある。
【0011】
リフトシステム2は、管理システム10と通信して接続された、検出装置14(
図4)および遠隔測定システム15を備えている。検出装置14は、様々なタイプのセンサおよびゲージを備えることができ、それぞれのリフトシステム2の状態および動作条件に関連する量を検出するように構成されている。例えば、検出装置14を使用して、ケーブル駆動システムの駆動プーリーに加えられたトルク、駆動プーリーの角速度、吸収された総電力、およびそれぞれのリフトシステム2のルートの1つ以上の地点での風速および風向などの環境条件を検出することができる。さらに、リフトシステム2は、それぞれの制御システム16を備えており、それぞれの制御システム16は、とりわけ、システムの各部の動作条件に関連する状態信号を提供し、ターンスタイルゲートを通った通過数のデータをカウントする。
【0012】
ゲレンデ3は、地理的領域の斜面に広がっており(
図1および
図3)、それぞれのリフトシステム2によってサービスが提供されるが、必ずしも1対1で対応している必要はない。
【0013】
一実施形態では、交通量検出システム17は、ゲレンデ3に沿って配置され、ゲレンデ、またはゲレンデの区画に沿った実際の通過数をカウントする。例えば、交通量検出システム17は、ゲレンデ3の始点および分岐点に設置してもよく、ビデオカメラ、RFIDリーダ(RFIDタグを備えた個人チケットで使用可能)、またはモーションセンサを含んでもよい。
【0014】
人工造雪システム5は、スキーリゾート1のゲレンデ3の少なくとも一部に沿って広がり(
図3)、自然または人工の、貯水池または水路である給水源19から供給されるポンプステーション18と、パイプ21によってそれぞれのポンプステーション18に接続された複数の造雪機20とを備える。造雪機20は、任意の既知のタイプ、例えば、固定式または可動式の人工降雪機またはスティック型スノーガンであってもよい。人工造雪システム5は、それぞれの制御システム23(
図5)を備えており、これらの制御システム23は、中央制御ユニット24および局所制御ユニット25を含んでもよく、中央制御ユニット24および局所制御ユニット25は、それぞれの造雪機20に配置され、それぞれの中央制御ユニット24と通信して接続される。各制御システム23は、それぞれの人工造雪システム5の各部の動作条件、特にポンプの状態、バルブの状態、および個々の造雪機20およびそれぞれの人工造雪システム5全体の、水消費量および電力消費量に関連する状態信号を提供するように構成されている。さらに、造雪機20の少なくともいくつかは、気象センサ27、特に気温センサ、気圧センサ、湿度センサ、および必要に応じて、風速および風向を測定するための風速計を備えてもよい。
【0015】
遠隔測定システム26は、管理システム10と通信して接続されて、人工造雪システム5によって生成された、測定データおよび信号を送信する。
【0016】
気象検出システム6(
図6)は、複数の気象ステーション28を備え、この複数の気象ステーション28は、スキーリゾート1が占める領域に分散され、複数の気象ステーション28の各々がそれぞれの気象センサ30、特に気温センサ、気圧センサ、湿度センサ、雨量計、積雪計、および風速および風向を測定するための風速計を備える。さらに、一実施形態では、気象検出システム6は、リフトシステム2の気象センサおよび人工造雪システム5の気象センサからのデータを使用するように構成されている。実際には、リフトシステム2の気象センサおよび人工造雪システム5の気象センサは、気象検出システム6に組み込まれ、気象検出システム6は、遠隔測定システム29を介して、管理システム10と通信して接続される。
【0017】
一般的な圧雪車7(
図7)は、運転室32と、動力ユニット33、例えば、内燃機関とを収容するシャーシ31を備える。圧雪車7はまた、一対のキャタピラ35と、前部でシャーシ31によって支持されるブレード36、シャーシ31の後部で支持されるティラー38、およびウインチユニット39を含む、動力アタッチメントとを備えている。動力伝達装置40は、圧雪車7および動力アタッチメントの動作に必要な動力を提供する動力ユニット33に動作可能に接続されている。動力伝達装置40は、油圧式もしくは電気式、または油圧式と電気式との組み合わせであってもよい。
【0018】
ユーザインタフェースは、運転室32内に設置され、これにより、オペレータは、圧雪車7の移動および動力アタッチメントの動作を制御することが可能になる。
【0019】
圧雪車7は、衛星追跡装置41と、制御システム42と、遠隔測定システム43とを備えている。
【0020】
衛星追跡装置41、例えば、GPS(「全地球測位システム」)装置またはGNSS(「全地球航法衛星システム」)装置は、センチメートルのオーダーの精度で、衛星追跡装置41の3次元位置を算出し、その結果、圧雪車7の3次元位置を算出するように構成されている。実際には、衛星追跡装置41によって、経度LG、緯度LT、および地面からの高さHを算出することが可能になる(
図8)。地面からの高さHは、衛星追跡装置41の座標における積雪の厚さ、および圧雪車7の厚さに対応する。特に、地面からの高さHは、衛星追跡装置41によって検出された高度と、対応する経度LGおよび緯度LTで地図によって定義された地表面との間の差によって算出することができる。地図は、雪がないときに、ゲレンデ3の既知の位置に配置されたアンテナを含む検出システムを使用し、複数の圧雪車7および/または複数の自動車両9の、衛星追跡装置41を使用することによって作成することができる。このようにして構築された地図は、管理システム10に格納される。地面からの高さHの計算は、圧雪車7に搭載された衛星追跡装置41によって提供される3次元座標に基づいて、管理システム10によって便宜的に実行されてもよい。
【0021】
代替的に、圧雪車は、レーダ距離検出器44を備えていてもよく、レーダ距離検出器44は、シャーシ31に対して固定位置にあり、下向きであることで、地面からの高さHを検出することができる。この場合、管理システム10は、経度LGおよび緯度LTを受け取り、積雪の厚さに対応する、地面からの高さHを圧雪車から直接受け取る。
【0022】
制御システム42は、例えば、網羅的ではないが、動力ユニットによって供給された動力、動力アタッチメントの各々によって吸収された動力、ティラーの位置、および圧雪車7の前進速度などの、圧雪車7の動作パラメータを測定する。
【0023】
制御システム42は、例えば、携帯電話ネットワークおよびインターネット接続を介した、無線接続機能を備えている。
【0024】
スノーモービル8および自動車両9は、スキーリゾート1が占める地理的領域にわたって、特に、ゲレンデ3に沿って、または図示していない側道に沿って、人および物資を輸送するために使用される。本明細書および以下では、「自動車両」という用語は、オフロード車両、ピックアップトラック、バギー車など、特に山岳地帯で、でこぼこの多いルートを走行するのに適した車およびその他の車輪付き車両を総称するために使用する。季節に応じて、スノーモービル8および自動車両9は、例えば、山岳避難所およびスキーリゾート1の食事場所への観光客の輸送、山岳避難所およびスキーリゾート1の食事場所からの観光客の輸送、および保守作業または安全管理のためのゲレンデ技術者および従業員の輸送と、ゲレンデで事故が発生した場合の救助作業とのために役立てることができる。
【0025】
圧雪車7と同様に、スノーモービル8および自動車両9は、例えばGNSSタイプのそれぞれの衛星追跡装置45と、位置データを管理システム10に送信するためのそれぞれの遠隔測定システム46とを備えている。
【0026】
図10~
図17を参照すると、管理システム10は、フィールドデータの取得および処理に適合された分散システムである。管理システム10は、SCADAシステム(監視制御データ取得システム)に基づいており、管理センター50と、ローカル制御ステーション51.1~51.6と、データ取得システム52とを備え、これらは、ローカル通信ネットワーク53、および/または例えばインターネットなどの広域通信ネットワーク55を介して通信するように接続することができる。特に、管理センター50は、スキーリゾート1の地理的領域に対して離れた場所にあってもよい。この場合、例えば、管理センター50との接続は、広域通信ネットワーク55を介して達成されてもよく、一方、ローカル制御ステーション51.1~51.6およびデータ取得システム52は、ローカル通信ネットワーク53を介して接続されてもよい。
【0027】
管理システム10はまた、データ取得システム52(
図11)によって供給されるシステムデータベース60を備える。システムデータベース60は、管理センター50の大容量記憶ユニット58内にすべて存在してもよく、または管理センター50とローカル制御ステーション51.1~51.5との間に分散されてもよい。さらに、システムデータベース60は、全体的または部分的にクラウドシステム59内に存在し、広域通信ネットワーク55を介してアクセス可能であってもよい。より具体的には、本明細書および以下では、システムデータベース60の任意の部分が、管理センター50の大容量記憶ユニット58、ローカル制御ステーション51.1~51.6、またはクラウドシステム59のうちのどこに存在してもよいことが理解される。システムデータベース60の各部の実際の位置は、設計上の好みに応じて便宜的に選択することができる。さらに、スキーリゾート1のすべての個々のユニット(リフトシステム2、ゲレンデ3、人工造雪システム5、気象検出システム6、圧雪車7、スノーモービル8、および自動車両9)が、設計上の好みに応じて、システムデータベース60と直接的または間接的に通信するために必要な、接続機能および通信機能を備えていることが理解される。例えば、これが限定的であると見なされることなく、圧雪車7、スノーモービル8、および自動車両9からのデータと、圧雪車7、スノーモービル8、および自動車両9のためのデータとは、クラウドシステム59に存在するシステムデータベース60の一部と直接交換されてもよく、一方、リフトシステム2、ゲレンデ3、人工造雪システム5、および気象検出システム6からのデータと、リフトシステム2、ゲレンデ3、人工造雪システム5、および気象検出システム6のためのデータとは、ローカル通信ネットワーク53および/または広域通信ネットワーク55を介して、管理センター50の大容量記憶ユニット58に存在するシステムデータベース60の一部と交換されてもよい。一実施形態では、リフトシステム2、ゲレンデ3、人工造雪システム5、および気象検出システム6からのデータと、リフトシステム2、ゲレンデ3、人工造雪システム5、および気象検出システム6のためのデータとは、ローカル通信ネットワーク53および/または広域通信ネットワーク55、または、いずれの場合でも、SCADAシステムの通信構造を介して管理センター50と交換されてもよい。その後、管理センター50は、クラウドシステム59にすべて存在してもよいシステムデータベース60との通信を処理することができる。
【0028】
ローカル制御ステーション51.1~51.6は、それぞれのユニット(リフトシステム2、造雪機20、圧雪車7、または気象ステーション28)の動作を監視するように構成されている。
【0029】
データ取得システム52は、専用のセンサおよび専用のゲージを含み、ならびにリフトシステム2、複数のゲレンデ3、人工造雪システム5、気象検出システム6、および圧雪車7の、センサおよびゲージを使用することができる。したがって、すべてのセンサおよびすべてのゲージは、データ取得システム52、ならびにリフトシステム2、人工造雪システム5、および圧雪車7の遠隔測定システムにも属すると見なすことができる。
【0030】
管理システム10は、階層的に編成され、サブシステムに分割され、サブシステムの各々は、以下で詳細に説明するように、データ取得システム52の少なくとも一部、システムデータベース60の一部、および必要に応じて制御ステーション51を含む。
【0031】
第1の階層編成レベルはスキーリゾートレベルであり、スキーリゾート1全体に関連するグローバルデータを収集して編成する。第2の階層編成レベルはサブシステムレベルであり、以下で識別するサブシステムの各々(リフトシステム2、ゲレンデ3、人工造雪システム5、気象検出システム6、および複数の圧雪車7)に関連するデータを収集して編成する。第3の階層編成レベルはユニットレベルであり、各サブシステムユニット(個々のリフトシステム2、個々のゲレンデ3、個々の人工造雪システム5、気象検出システム6の個々の制御ユニット、および個々の圧雪車7)に関連するデータを収集して編成する。
【0032】
第1のサブシステムまたはリフトシステムサブシステム10.1は、スキーリゾート1のすべてのリフトシステム2に関連付けられており、1つ以上の第1のローカル制御ステーション51.1を備える。より具体的には、第1のローカル制御ステーション51.1は、個々のリフトシステム2の制御システム16と、必要に応じて、さらなるセンサ、およびさらなるデータ処理装置および/またはさらなるメモリ装置とを含んでもよい。
【0033】
第2のサブシステムまたはゲレンデサブシステム10.2は、スキーリゾート1のすべてのゲレンデ3に関連付けられており、1つ以上の第2のローカル制御ステーション51.2を含んでもよい。
【0034】
第3のサブシステムまたは人工造雪システムサブシステム10.3は、すべての人工造雪システム5に関連付けられており、1つ以上の第3のローカル制御ステーション51.3を備える。より具体的には、第3のローカル制御ステーション51.3は、個々の人工造雪システム5の制御システム23と、必要に応じて、さらなるセンサ、およびさらなるデータ処理装置および/またはさらなるメモリ装置とを含んでもよい。
【0035】
第4のサブシステムまたは気象観測サブシステム10.4は、気象検出システム6に関連付けられており、1つ以上の第4のローカル制御ステーション51.4を備える。
【0036】
第5のサブシステムまたは圧雪車サブシステム10.5は、複数の圧雪車7に関連付けられており、1つ以上の第5のローカル制御ステーション51.5を含む。より具体的には、第5のローカル制御ステーション51.5は、個々の圧雪車7の衛星追跡装置41および制御システム42と、必要に応じて、さらなるセンサ、およびさらなるデータ処理装置および/またはさらなるメモリ装置とを含んでもよい。
【0037】
第6のサブシステムまたはスノーモービルおよび自動車両サブシステム10.6は、複数のスノーモービル8および複数の自動車両9に関連付けられており、1つ以上の第6のローカル制御ステーション51.6を備える。より具体的には、第6のローカル制御ステーション51.6は、個々の圧雪車7の、衛星追跡装置41および制御システム42と、必要に応じて、さらなるセンサ、およびさらなるデータ処理装置および/またはさらなるメモリ装置とを含んでもよい。
【0038】
したがって(
図11)、システムデータベース60は、中央データベース61および複数のサブシステムデータベース62を備えてもよく、中央データベース61および複数のサブシステムデータベース62は、部分的に管理センター50、部分的にクラウドシステム59、および部分的にスキーリゾート1、例えば、リフトシステム2のターミナルステーション11、12のいくつかにある大容量記憶ユニットに存在してもよい。特に、中央データベース61は、
スキーリゾート1のすべてのリフトシステム2に関連付けられた、第1のサブシステムデータベースまたはリフトシステムデータベース62.1と、
スキーリゾート1のすべてのゲレンデ3に関連付けられた、第2のサブシステムデータベースまたはゲレンデデータベース62.2と、
すべての人工造雪システム5に関連付けられた、第3のサブシステムデータベースまたは人工造雪システムデータベース62.3と、
気象検出システム6に関連付けられた、第4のサブシステムデータベースまたは気象データベース62.4と、
複数の圧雪車7に関連付けられた、第5のサブシステムデータベースまたは圧雪車データベース62.5と、
複数のスノーモービル8および複数の自動車両9に関連付けられた、第6のサブシステムデータベースまたはスノーモービルおよび自動車両データベース62.6とを含む。
【0039】
各サブシステムデータベース62は、例えば、管理センター50に存在する単一のファイル、もしくはローカル制御ステーション51.1~51.6の1つに存在する単一のファイル、管理センター50に存在するいくつかのファイル、またはローカル制御ステーション51.1~51.6の1つ以上のファイルに編成されてもよい。さらに、サブシステムデータベース62は、ローカルで利用可能なスペアパーツのリストなどの補助情報を含んでもよい。
【0040】
リフトシステムサブシステム10.1に関して、データ取得システム52、特に検出装置14を介して収集されたデータは、第1のローカル制御ステーション51.1によってリフトシステムデータベース62.1に格納され、各リフトシステム2に対して、非限定的な例として、
それぞれのリフトシステム2の識別子と、
リフトシステム2の構成要素の誤動作の発生に応じて、または危険な条件がある状態での(必要に応じて、オペレータによって設定された)警報値に設定された、サービス時間数、および警報信号を含む状態信号と、
駆動プーリーに加えられたトルクおよびトルクの角速度、吸収された総電力、およびそれぞれのリフトシステム2のルートの1つ以上の地点での気象データ(気温、風速、風向)を含む、リフトシステム2の動作条件を表すデータと、
ターンスタイルゲートを通った通過数とを含む。
【0041】
このようにして、リフトシステムデータベース62.1は、各リフトシステム2およびリフトシステム2全体に関連する最近および過去のデータを含み、リフトシステムデータベース62.1によって、これらのデータを編成して処理することが可能になる。
【0042】
ゲレンデサブシステム10.2に関して、データ取得システム52を介して収集されたデータは、第2のローカル制御ステーション51.2および/または管理センター50によって、ゲレンデデータベース62.2に格納される。限定的ではないが、データは、ゲレンデ3に沿って配置された交通量検出システム17、および圧雪車7の衛星追跡装置41によって収集されてもよい。さらに、ゲレンデ3の特性に関連するデータは、手動で、または事前に記入されたテーブルからゲレンデデータベース62.2に入力することができる。
【0043】
非限定的な例として、ゲレンデデータベース62.2のデータは、
それぞれのゲレンデ3の識別子と、
始点の高さ、終点の高さ、長さ、基準経路の座標、技術的難易度、平均勾配、勾配の均一な区画、季節に応じた太陽への露出、向き、他のゲレンデ3との接続、およびサービス提供するリフトシステム2を含む、ゲレンデの特性に関連するデータと、
圧雪車7の衛星追跡装置41を介して測定された積雪の厚さと、
交通量検出システム17によって登録された通過数とを含む。
【0044】
このようにして、ゲレンデデータベース62.2は、各ゲレンデ3およびゲレンデ3全体に関連する最近および過去のデータを含み、ゲレンデデータベース62.2によって、これらのデータを編成して処理することが可能になる。
【0045】
人工造雪システムサブシステム10.3に関して、データ取得システム52を介して収集されたデータは、第3のローカル制御ステーション51.3によって人工造雪システムデータベース62.3に格納され、各人工造雪システム5に対して、非限定的な例として、
それぞれの人工造雪システム5の識別子と、
人工造雪システム5の構成要素の誤動作の発生に応じて、または危険な条件がある状態での(必要に応じて、オペレータによって設定された)警報値に設定された、サービス時間数、個々の造雪機20または造雪機20のグループに関連付けられたバルブおよびポンプの動作信号、および警報信号を含む状態信号と、
各造雪機20の水消費量および電力消費量を含む、人工造雪システム5の動作条件を表すデータと、
気温、気圧、湿度、風速、風向などの気象条件に関連するデータとを含む。
【0046】
このようにして、人工造雪システムデータベース62.2は、各造雪機20、各人工造雪システム5、および人工造雪システム5全体に関連する最近および過去のデータを含み、人工造雪システムデータベース62.2によって、これらの造雪機データを編成して処理することが可能になる。
【0047】
気象観測サブシステム10.4に関して、データ取得システム52を介して収集されたデータ、特に、造雪機20の気象センサ27、および気象ステーション28の気象センサ30によって収集されたデータは、第4のローカル制御ステーション51.4によって気象データベース62.4に格納される。気象データ処理センターからさらなるデータを取得し、気象データベース62.4に格納してもよい。
【0048】
非限定的な例として、気象データベース62.4のデータは、
スキーリゾート1の気象センサの識別子と、
スキーリゾート1の気象センサが設置されている場所の気温、湿球温度、気圧、湿度、風速、および風向に関するデータと、
測定された降雪量に関連するデータと、
実際の日射量に関連するデータと、
スキーリゾート1が広がる地理的領域の天気図とを含む。
【0049】
このようにして、気象データベース62.4は、スキーリゾート1の様々なエリアの気象条件に関連する現在および過去のデータを含み、気象データベース62.4によって、これらのデータを編成して処理することが可能になる。特に、気象データベース62.4の内容により、スキーリゾート1のゲレンデ3の雪の条件に対する気象条件(特に気温、太陽への露出、降雪量、風)の影響を算出することができる。
【0050】
圧雪車サブシステム10.5に関して、データ取得システム52を介して収集されたデータは、遠隔測定システム26を介して管理センター50に送信され、圧雪車データベース62.5に格納され、各圧雪車7に対して、非限定的な例として、
それぞれの圧雪車7の識別子と、
圧雪車7の3次元座標(経度LG、緯度LT、および地面からの高さH)と、
圧雪車7の構成要素の誤動作の発生に応じて、または危険な条件がある状態での(必要に応じて、オペレータによって設定された)警報値に設定された、サービス時間数、および警報信号を含む状態信号と、
動力ユニット33によって供給された総動力、牽引のために供給された動力、個々の動力アタッチメントによって吸収された動力、およびツール(ブレード36、ティラー38およびウインチ39)の状態を含む、圧雪車7の動作条件を表すデータとを含む。
【0051】
このようにして、圧雪車データベース62.5は、各圧雪車7および圧雪車7全体に関連する最近および過去のデータを含み、圧雪車データベース62.5によって、これらのデータを編成して処理することが可能になる。
【0052】
スノーモービルおよび自動車両サブシステム10.6に関して、データ取得システム52を介して収集されたデータは、遠隔測定システム46を介して管理センター50に送信され、スノーモービルおよび自動車両データベース62.6に格納され、各スノーモービル8および各自動車両9に対して、非限定的な例として、
それぞれのスノーモービル8の識別子およびそれぞれの自動車両9の識別子と、
スノーモービル8または自動車両9の3次元座標(経度LG、緯度LTおよび地面からの高さH。一実施形態では、経度LGおよび緯度LTのみが供給されてもよい)と、
スノーモービル8および自動車両9の構成要素の誤動作の発生に応じて、または危険な条件がある状態での警報値に設定された、サービス時間数、および警報信号を含む状態信号と、
プログラムされた保守作業に関連するデータとを含む。
【0053】
このようにして、スノーモービルおよび自動車両データベース62.6は、各スノーモービル8および各自動車両9と、スノーモービル8および自動車両9全体とに関連する最近および過去のデータを含み、スノーモービルおよび自動車両データベース62.6によって、これらのデータを編成して処理することが可能になる。
【0054】
大容量記憶ユニット58に加えて、管理センター50は、変換インタフェース70と、遠隔測定システム72と、処理ステーション73と、それぞれの表示装置を備えた複数のオペレータ端末76によってアクセス可能な表示インタフェース75とを備える。オペレータ端末76は、情報を処理してグラフ形式および/またはテキスト形式で表示する機能と、有線接続または無線接続を介して処理ステーション73および表示インタフェース75に接続する機能とを備えた任意のタイプの装置を含んでもよい。特に、オペレータ端末76は、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、タブレット、またはスマートフォンであってもよい。
【0055】
変換インタフェース70は、サブシステムデータベース62からデータを受信および/または抽出し、受信したデータを中央データベース61によって使用されるフォーマットおよび構造に変換し、変換したデータを中央データベース61にロードするように構成されている。変換インタフェース70は必ず必要というわけではなく、サブシステムデータベース62は中央データベース61と直接通信することができる。しかしながら、変換インタフェース70を使用することにより、サブシステムデータベース62同士が互いにすべて均質ではない構造を有する場合においても、中央データベース61をサブシステムデータベース62と整合させることが可能になるという追加の利点が提供される。実際には、一旦構成されると、変換インタフェース70は、サブシステムデータベース62の構造を中央データベース61に対して透過的にする。したがって、互いに整合性のない、フォーマットまたはデータ構造を使用する可能性がある、異なるメーカのシステムの管理を統合することが可能である。
【0056】
遠隔測定システム72は、リフトシステム2と、人工造雪システム5と、圧雪車7と、スノーモービル8および自動車両9との遠隔測定システム15、26、43、46とそれぞれ通信して接続されており、遠隔測定システム15、26、43、46からのデータおよび信号を受信するように構成されている。受信したデータおよび信号は、以下で説明するように、処理ステーション73によって使用される。
【0057】
処理ステーション73は、複数の処理モジュール77を備え、複数の処理モジュール77は非限定的な例として、
データベース管理モジュール77.1と、
プラント管理モジュール77.2と、
積雪厚推定モジュール77.3と、
人工造雪制御モジュール77.4と、
圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5と、
スノーモービルおよび自動車両監視モジュール77.6と、
シーズンチケット管理モジュール77.7と、
統計モジュール77.8とを含む。
【0058】
処理ステーション73はまた、以下でさらに説明するように、表示インタフェース75の表示モードを制御するように構成されたセレクタ80を備える。
【0059】
データベース管理モジュール77.1(
図13)は、プログラムされた手順に応じて(ブロック100)、またはオペレータ端末76の1つでオペレータによって与えられたコマンドに応じて(ブロック102)、中央データベース61およびサブシステムデータベース62を照会して変更するように構成されている。
【0060】
さらに、データベース管理モジュール77.1は、中央データベース61の内容をサブシステムデータベース62の内容と整合させた状態を保つように構成されている(ブロック104)。特に、データベース管理モジュール77.1は、プログラムされた頻度で、必要に応じてフォーマット変換のための変換インタフェース70を使用して、サブシステムデータベース62から中央データベース61に最近のデータを定期的に転送する。
【0061】
整合させることにより、サブシステムデータベース62内の対象となるすべてのデータが、中央データベース61で、複製されて利用可能にされることを確実にすることができる。データベース管理モジュール77.1は、スキーリゾートレベル、サブシステムレベル、およびユニットレベルでデータの編成階層を維持するように構成されている。
【0062】
また、データベース管理モジュール77.1によって、さらなる取得システムを介して収集され、サブシステムの1つが直接追跡できない、スキーリゾート1全体に関連するグローバルデータを入力することが可能になる(ブロック104)。
【0063】
プラント管理モジュール77.2は、リフトシステム2および人工造雪システム5の、個々の電力消費量および水消費量と、全体的な電力消費量および水消費量とを監視し、保守作業を計画するように構成されている。
【0064】
プラント管理モジュール77.2(
図14)は、リフトシステム2および人工造雪システム5から直接、電力消費量および水消費量に関連するデータを受信してもよく(ブロック200)、または、代替的にデータベース62、特にリフトシステムデータベース62.1および人工造雪システムデータベース62.2から検索してもよい(ブロック202)。処理されたデータは、以下で説明するように、一時点の消費量情報または時系列の消費量情報を表示するために利用可能にされる。
【0065】
さらに、サブシステムデータベース62の内容に基づいて、プラント管理モジュール77.2は、スキーリゾート1の装置および車両(圧雪車、スノーモービル、および自動車両)の保守プログラムを決定し、保守プログラムの実行を監視し、保守プログラムの実行に関するレポートを作成する(ブロック204)。例えば、プラント管理モジュール77.2は、起動条件に応じて保守作業をトリガするように構成されており、起動条件はとりわけ、プログラムされた作業の期限と、構成要素の使用時間と、摩耗状態を示す信号値とを含んでもよい。
【0066】
積雪厚推定モジュール77.3(
図15)は、中央データベース61および/またはサブシステムデータベース62に含まれるデータを使用して、スキーリゾート1のゲレンデ3の積雪の厚さを推定する。特に、積雪厚推定モジュール77.3は、複数のデータおよびパラメータに基づいて積雪の厚さを算出するように構成されており(ブロック300)、この複数のデータおよびパラメータは、非限定的な例として、
ゲレンデデータベース62.2から検索されたデータであって、ゲレンデ3のルートに沿って前回測定または推定された積雪、ゲレンデ3の特性(技術的難易度、平均勾配、勾配の均一な区画、季節に応じた太陽への露出、風への向きおよび露出)、および交通量検出システム17によって検出された通過数に関連するデータと、
気象データベース62.4から検索された気象データ(気温、気圧、湿度、風速および風向、降雪の持続時間および強さ、日照時間、雲量のレベル)とを含む。
【0067】
特に、積雪厚推定モジュール77.3は、積雪の融解速度および増加速度を計算するように構成されている(ブロック302)。一実施形態では、積雪の融解速度は、
雲量のレベルの関数として重み付けされた、積雪の厚さの最後の測定値または最後の推定値からの毎日の日照時間と季節に応じた太陽への露出とを組み合わせることによって得られる実際の太陽への露出と、
平均勾配および勾配の均一な区画(一般に、勾配が大きいほど、横滑り、および速度を制御するためのスキッドテクニックの使用による融解効果が大きくなる)と、
ゲレンデ3の露出に基づく風速と風向(風向に応じた向き)とに基づいて計算される。
【0068】
積雪の増加速度は、気象データベース62.4に記録されている降雪の強さに基づいて、積雪厚推定モジュール77.3によって計算される。
【0069】
その後、ゲレンデデータベース62.2から検索されたデータと、算出された融解の速度および増加の速度とに基づいて、積雪の厚さの前回の推定値が更新される(ブロック304)。
【0070】
積雪厚推定モジュール77.3の機能は、積雪の厚さを測定するための高密度グリッドが利用できず、これらの測定値を頻繁に更新できない場合に特に役立つ。
【0071】
人工造雪制御モジュール77.4(
図16)は、ゲレンデデータベース62.2に含まれる、ゲレンデ3に沿った積雪の厚さと気象条件とに基づいて、人工造雪システム5の人工造雪スケジュールを定義して実行するように構成されている(ブロック400~402)。人工造雪スケジュールは、個々の造雪機20に割り当てられるタスク、または1つ以上の人工造雪システム5の造雪機20の連携するグループに割り当てられるタスクによって定義される。次に、割り当てられるタスクは、例えば、生産時間、または生産量の目標もしくは水消費量の目標で定義することができる。ゲレンデデータベース62.2の積雪の厚さは、利用可能な場合に取得された最新の測定値で更新され、または必要に応じて、前述のパラメータに基づいて積雪厚推定モジュール77.3によって提供される推定値で更新される。気象条件には、気象データベース62.4に含まれる過去および現在のデータ、例えば、気温、湿球温度、気圧、湿度、風速および風向に関連するデータ、測定された降雪量に関連するデータ、実際の日射量に関連するデータ、およびスキーリゾート1が広がる地理的領域の天気図が含まれてもよい。さらに、割り当てられるタスクは、気温、気圧、湿度、風の強さ、風向、および、例えば、24時間または48時間などの定義された期間に予想される降雪量の条件に基づいて算出される。予想される条件は、気象センターから提供される詳細な天気予報情報から導き出されてもよい。割り当てられるタスクは、人工造雪システムデータベース62.3に含まれる水消費量に関連付けられた情報と、給水源19の利用可能な水位の測定値および/または給水源19の流量の測定値に関連する情報とに基づいてさらに算出してもよい。
【0072】
一実施形態では、割り当てられたタスクを実行することは、例えば、造雪機20のポンプおよびバルブの動作状態と、プログラムされた有効期間内の、気温、気圧、湿度、および風の強さの永続性とに関連する有効化条件(ブロック404で「はい」の出口、ブロック406)に従属する。例えば、
気温:T<T0[℃]
気圧:P>P0[mbar]
相対湿度:RH0<RH<RH1[%]
風の強さ:V<V0[km/h]。
【0073】
有効化は、人工造雪スケジュールに関係する造雪機20に送信される制御信号を介して得られる。受信した制御信号に基づいて、造雪機20が起動され、人工造雪制御モジュール77.4によって割り当てられたタスクを実行する。したがって、人工造雪制御モジュール77.4は、完全に自動化された方法で人工造雪スケジュールを定義して実行することができる。
【0074】
造雪機20、造雪機20の連携されたグループ、または人工造雪システム5全体に対して、有効化条件の少なくとも1つが満たされない場合、対応する割り当てられたタスクの実行は保留されてもよく、またはキャンセルされてもよい(ブロック404で「いいえ」の出口、ブロック408)。
【0075】
人工造雪制御モジュール77.4によって、環境条件に応じて、スキーリゾート1の実際のニーズに対応するように人工造雪システム5の動作を最適化することが可能になる。特に、中央データベース61およびサブシステムデータベース62に収集された情報に基づく自動管理によって、スキーリゾート1の担当者による直接の制御なしに、積雪が十分である場合の不必要な動作を回避することが可能になる。さらに、水資源の利用および電力の消費量を監視して最小限に抑えることができ、生成される雪の質を高く保つことができる。測定され、処理され、収集されたすべてのデータは、雪の状態のリアルタイム分析のため、ならびに過去のデータおよび統計データの、グラフ形式および表形式のレポートを生成するために、表示インタフェース75を介してオペレータに利用可能にされてもよい。
【0076】
圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5は、ゲレンデ3の準備スケジュールに応じて圧雪車7の少なくとも1つのグループにそれぞれのタスクを割り当て、準備作業の実行を連携するように構成されている。準備スケジュールは、稼働中の各圧雪車7に割り当てられた、ゲレンデ3および/またはゲレンデ3の一部のリストを含み、中央データベース61の内容およびサブシステムデータベース62の内容に基づいて柔軟な方法で定義することができる。特に、ゲレンデ3に対する準備スケジュールおよび圧雪車7に割り当てられるタスクを定義するために、圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5は、とりわけ、ゲレンデデータベース62.2から検索された情報であって、ゲレンデ3またはゲレンデ3の区画に沿った積雪の深さ、ゲレンデ3の勾配、および交通量検出システム17によって検出された通過数に関連する情報を使用してもよい。しかしながら、圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5は、ゲレンデ3に関連する地理的情報、および圧雪車7の位置情報を主に使用し、圧雪車7の位置情報は、衛星追跡装置41によって検出され、圧雪車7の遠隔測定システム43を介して利用可能にされる。実際には(
図17)、圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5は、スキーリゾート1で実行する作業の地理的分布を定義し(ブロック500)、準備スケジュールを定義した後(ブロック502)、測位データおよび必要な準備のタイプに基づいて、サービス中の圧雪車7に割り当てられるタスクを定義することで(ブロック504)、圧雪車7の移動を最小限に抑える。例えば、地理的分布は、直接接続を定義するゲレンデの接続マトリックスMによって表されてもよく、接続マトリックスMは直接接続を定義し、その結果、ゲレンデ3同士の間の可能な間接経路を定義する。圧雪車7に割り当てられる経路は、接続マトリックスMに基づく経路最小化アルゴリズムを使用することにより、圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5によって算出されてもよい。地理的分布(接続マトリックスMによって表される)は、有利に、ゲレンデデータベース62.2に格納されてもよい。
【0077】
さらに、割り当てられたタスクは、圧雪車7のグループによってフォーメーションを組んで実行される準備ステップを提供することができる。この場合、圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5は、準備作業を正しく実行することを連携して監視することができる(ブロック506)。
【0078】
圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5の機能によって、ゲレンデ3の毎日の保守作業を最適化することが可能になり、この最適化は、稼働中の圧雪車7の移動および動作を最適化して、作業の始めにスキーリゾート1のエリア全体での分布も考慮に入れることにより可能になる。特に、経路の最適化により、大規模なスキーリゾートでは特に、時間と燃料消費量との両方で大幅な節減が可能になる。
【0079】
スノーモービルおよび自動車両監視モジュール77.6は、スキーリゾート1における複数のスノーモービル8および複数の自動車両9の分布、およびプログラムされた保守作業の実行を監視するように構成されている。
【0080】
複数のスノーモービル8および複数の自動車両9の分布の監視は、スノーモービルおよび自動車両データベース62.6内の、スノーモービル8および自動車両9の座標に基づいて、スノーモービルおよび自動車両監視モジュール77.6によって実行される。
【0081】
在庫のスペアパーツの存在および分布に関する情報は、中央データベース61の区画に含まれてもよい。スノーモービル8および自動車両9の保守スケジュールで定義された、プログラムされた保守作業を考慮して、スノーモービルおよび自動車両監視モジュール77.6は、スキーリゾート1におけるスペアパーツの在庫の存在およびこれらの分布を確認し、保管場所から使用場所へのスペアパーツの輸送を編成し、サプライヤへの注文を自動的に記入することで倉庫に補充する。さらに、スノーモービルおよび自動車両監視モジュール77.6は、プログラムされた作業の実行を確認し、スノーモービル8および自動車両9の保守スケジュールを更新する。
【0082】
シーズンチケット管理モジュール77.7によって、スキーリゾート1のチケットオフィスから中央データベース61にチケットデータをロードすることが可能になり、このデータは、発行された各チケットの数、タイプ、および発行チケットオフィス(物理的またはオンライン)を含む。特に、シーズンチケット管理モジュール77.7は、以下の動作、
スキーリゾート1のチケットオフィスでシーズンチケットの発行を登録することと、
Web接続を介して直接シーズンチケットを発行することと、
発行されたシーズンチケットとチケット所有者に提供されたメディア(磁気メディアまたは光学メディア、スマートカード、RFIDタグ)との関連付けを管理することと、
スキーリゾート1の施設の使用状況に基づいて、従量制のシーズンチケットに適用する料金を計算し、対応する料金を請求することと、
ターンスタイルゲートを通った通過数を確認することとを実行するように構成されている。
【0083】
統計モジュール77.8は、データベース62に含まれる情報に基づく統計レポートを生成するように構成されている。例えば、統計モジュール77.8は、スキーリゾート1への訪問者数の日次、週次、月次、季節毎、および期間(ハイシーズン/ローシーズン)の統計を生成する。特に、統計モジュール77.8は、販売されたシーズンチケットの数およびタイプと、スキーリゾートのチケットオフィスおよびオンライン販売の利用と、個々のリフトシステム2の利用と、ゲレンデ3の利用と、スキーリゾート1の顧客が好むルートとに関連するデータを処理する。
【0084】
さらに、統計モジュール77.8は、リフトシステム2および人工造雪システム5の動作に関連して、レポートおよび統計を生成し、特に電力消費量、水消費量および施設の動作時間に関して、施設個別の形式と、スキーリゾート1のレベルでの集約された形式との両方で、レポートおよび統計を生成する。
【0085】
表示インタフェース75は、システムデータベース60内にある、もしくは処理モジュール77による処理後にシステムデータベース60内から取得可能である情報、またはデータ取得システム52を介して直接受信した情報を、処理ステーション73に接続されたオペレータ端末76上に表示するように構成されている。特に、情報は、いくつかの表示モード、スキーリゾート1全体のレベル、サブシステム10.1~10.5のレベル、またはサブシステム10.1~10.5に属する各ユニットのレベル(リフトシステム、ゲレンデ、人工造雪システム、気象観測ユニット、圧雪車)に応じて編成され集約されてもよい。
【0086】
セレクタ80(
図18a~
図18c)によって、表示インタフェース75の複数の表示モードのうちの1つを設定することが可能になる。表示モードによって、スキーリゾート全体に選択的に関連する集約された形式のデータ(
図18a)、サブシステム10.1~10.5の1つに選択的に関連する集約された形式のデータ(
図18b)、およびサブシステム10.1~10.5の1つの単一ユニットに選択的に関連するデータ(
図18c)を示すことが可能になる。セレクタ80は、オペレータ端末76上の、メニューまたは選択ウィンドウの形式で定義してもよく、表示インタフェース75は、非限定的な例として、以下の表示モードを有する。
【0087】
1.スキーリゾート表示
表示インタフェース75(
図19)は、全体的な電力消費量に関連する集約された情報、およびスキーリゾート1のすべての動作ユニットに対してプログラムされた保守スケジュールに関連する集約された情報を、オペレータ端末76上に示す。スキーリゾート表示モードは、消費量と、保守に必要なスペアパーツとの両方に関して、リソースの調達および利用を最適化するために特に有利である。これに関して、例えば、表示インタフェース75は、所定の期間に連携して実行するための作業のスケジュールをオペレータに利用可能にすることができるだけでなく、スキーリゾート1におけるスペアパーツの、利用可能性および位置も示すことができる。このようにして、実行される作業の分布を考慮に入れることにより、注文および配送を最適化することが可能である。例えば、オペレータは、表示モードに示される情報を使用して、同じゲレンデ3にサービスを提供し、したがって地理的に近いリフトシステム2および人工造雪システム5のためのスペアパーツを単一の配達にグループ化することができる。
【0088】
2.サブシステム表示
このモードでは、表示インタフェース75は、管理システム10のサブシステムの1つの全体またはその一部に選択的に関連付けられた集約された情報を、オペレータ端末76上に示す。
【0089】
2.1.リフトシステムサブシステム10.1(
図20a)
表示インタフェース75は、スキーリゾート1のすべてのリフトシステム2に関連する集約された情報、または必要に応じて、スキーリゾート2の一部(例えば、1つの谷または1つの斜面)にサービスを提供するリフトシステム2のグループに関連する集約された情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、全体的な電力消費量と、リフトシステム2の動作状態(例えば、「稼働中」、「営業時間外」、「営業中」、「保守中」、および「停止中」から選択される状態)と、リフトシステム2の利用に関連する統計(ターンスタイルゲートを通った通過数に関連する比較データ)とに関連する情報を示す。
【0090】
2.2.ゲレンデサブシステム10.2
表示インタフェース75は、すべてのゲレンデ3に関連する集約された情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、営業中のゲレンデ3の全体的な拡張部分の割合と、ゲレンデ3に対する準備スケジュールの完了率(人工造雪および積雪の準備)と、スキーリゾート1全体のゲレンデ3の通過数の統計(この統計によりスキーリゾート1の様々なエリアの使用状況を比較することが可能になる)とに関連する情報を示す。
【0091】
2.3.人工造雪システムサブシステム10.3(
図20b)
表示インタフェース75は、人工造雪システム5全体に関連する集約された情報、またはスキーリゾート1の地理的領域に対する集約された情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、動作状態と、全体的な水消費量および電力消費量に関連する情報を示し、スキーリゾート1の全体的な人工造雪スケジュールの完了率に関連する情報も示すことで、スキーリゾート1のニーズに応じて、リソース、特に水の利用可能性を監視することができる。さらに、表示インタフェース75は、ポンプステーション18の動作条件および給水源19の水位に関連する情報を示す。
【0092】
2.4.気象観測サブシステム10.4
表示インタフェース75は、スキーリゾート1の地理的領域に対する、地域の気象条件および天気予報に関連する情報を、オペレータ端末76上に示す。気象条件に関連する情報は、気象検出システム6によって受信されてもよい。
【0093】
2.5.圧雪車サブシステム10.5(
図20c)
表示インタフェース75は、複数の圧雪車7に関する全体的な情報を、集約された方法でオペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、複数の圧雪車7のユニットの位置、およびゲレンデ3に対する準備スケジュールの全体的な完了率に関連する情報を示す。
【0094】
2.6.スノーモービルおよび自動車両サブシステム10.6
表示インタフェース75は、複数のスノーモービル8および複数の自動車両9に関して、集約された方法でオペレータ端末76上に全体的な情報を示す。特に、表示インタフェース75は、スキーリゾート1における複数のスノーモービル8および複数の自動車両9のユニットの位置に関連する情報を示す。
【0095】
3.ユニット表示
このモードでは、表示インタフェース75は、管理システム10のサブシステムのうちの1つのユニットのうちの1つに選択的に関連付けられた情報を、オペレータ端末76上に示す。
【0096】
3.1.リフトシステム2(
図21a)
表示インタフェース75は、スキーリゾート1のリフトシステム2のうちの1つに選択的に関連付けられた情報を、オペレータ端末76に示す。特に、表示インタフェース75は、
動作状態(例えば、「稼働中」、「営業時間外」、「営業中」、「保守中」、または「停止中」のいずれかの状態)と、
動作パラメータ(例えば、駆動プーリーに加えられるトルク、および角速度)と、
吸収された動力と、
リフトシステム2のルートに沿った気温の条件および風の条件と、
警報信号とを示す。
【0097】
3.2.ゲレンデ3
表示インタフェース75は、スキーリゾート1のゲレンデ3のうちの1つに選択的に関連付けられた情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、
ゲレンデ3の選択された状態(例えば、「営業中」、「営業時間外」、「準備中」)と、
ゲレンデ3に沿った積雪の厚さと、
ゲレンデ3の準備の状態、および準備スケジュールの完了率と、
ゲレンデ3の通過数と、
ローカル気象データ(気温、気圧、相対湿度、風の強さ、風向)と、
ビデオカメラとを示す。
【0098】
3.3.造雪機20(
図21b)
表示インタフェース75は、スキーリゾート1の造雪機20のうちの1つに選択的に関連付けられた情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、
瞬間的な水消費量および累計の水消費量(使用された水量)と、
吸収された動力と、
バルブの状態と、
ポンプの状態と、
ローカル気象データ(気温、気圧、相対湿度、風の強さ、風向)と、
警報信号とを示す。
【0099】
3.4.圧雪車7(
図21c)
表示インタフェース75は、スキーリゾート1の圧雪車7の1つに選択的に関連付けられた情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、
遠隔測定データ(動力ユニットによって供給された動力、動力アタッチメントの各々によって吸収された動力、ティラーの位置、前進速度、走行距離、および動作時間)と、
衛星測位データ(地理的座標および地面からの高さ、すなわち積雪の厚さ)と、
圧雪車作業スケジューリングモジュール77.5によって定義された、ゲレンデ3の準備スケジュールに応じて割り当てられたタスク(準備するゲレンデ3のルート、および割り当てられたタスクの完了率)と、
警報信号と、
圧雪車7のデータ(例えば、識別コード、メーカ、モデル、サービス開始年、サービス時間の合計)とを示す。
【0100】
3.5.スノーモービル8および自動車両9
表示インタフェース75は、スキーリゾート1の複数のスノーモービル8のうちの1台または複数の自動車両9のうちの1台に選択的に関連付けられた情報を、オペレータ端末76上に示す。特に、表示インタフェース75は、
衛星測位データ(地理的座標および地面からの高さ、すなわち積雪の厚さ)と、
スノーモービル8または自動車両9のデータ(例えば、識別コード、メーカ、モデル、サービス開始年、およびサービス時間の合計)と、
プログラムされた保守スケジュール(実行状態に加えて、次の計画された作業、実行された作業、実行されていない計画された作業、および必要なスペアパーツ)とを示す。
【0101】
スキーリゾート1全体に関連する情報の統合、およびその情報を表示する柔軟性により、施設および個々のユニットを計画して監視することに関するオペレータによる管理、およびスキーリゾート1の営業期間中および営業外期間中の決定プロセスが大幅に容易になる。実際、掌の上で、オペレータは利用可能な情報を必要に応じて表示することについて最大限の自由を有する。特に、情報を、スキーリゾート1全体のレベルで、サブシステム10.1~10.5のレベルで、またはサブシステム10.1~10.5のユニットについて個別に、凝縮され集約された形式で利用可能にすることができる。システムデータベース60に収集されて格納された情報は、統合して処理することができ、このような処理の結果およびレポートは、同様にオペレータに利用可能である。
【0102】
一方で、すべての情報は、遠隔集中型の方法で管理センター50に対して利用可能であり、管理センター50は、特別に設計され、場合によっては、いくつかのスキーリゾート間で共有されてもよい。したがって、管理および監視タスクのために特別に訓練されたオペレータのスキルと、実行される作業に利用可能な計算能力とを同時に組み合わせることがより簡単になる。
【0103】
まず、柔軟な方法で情報に簡単にアクセスできるので、対象を絞った作業計画により、リソースの利用を最適化することができる。最適化は、人工造雪作業をスケジュールすることおよびゲレンデの準備に関して特に効率的である可能性がある。圧雪車7を介して直接作成された、積雪の厚さの地点測定値を、気象条件および環境条件に関連する情報と統合することにより、効果的に役立つ場合にのみ作業を計画し、複数の圧雪車7を連携することが可能になり、対応する距離および動作時間を最小化することができる。
【0104】
最後に、添付の特許請求の範囲で定義された範囲から逸脱することなく、本明細書で説明し、請求した管理システムに関して、変更および変形を行うことができることは明らかである。
【国際調査報告】