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特表2022-508564腫瘍の処置におけるオゾン化油を含む調剤物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】腫瘍の処置におけるオゾン化油を含む調剤物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20220112BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220112BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220112BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20220112BHJP
   A23L 33/115 20160101ALI20220112BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P35/00
A61K33/00
A61K36/28
A61K47/44
A61P35/02
A61K9/08
A61K9/06
A61K9/107
A61K9/48
A61P35/04
A23L33/115
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542298
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 IB2019058298
(87)【国際公開番号】W WO2020070623
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】102018000009063
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521129451
【氏名又は名称】プロジェクト アンド コミュニケーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PROJECT & COMMUNICATIONS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181847
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカルロ カロッチ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C084
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE02
4B018LE05
4B018MD09
4B018MD14
4B018MD28
4B018ME08
4B018MF02
4B018MF14
4C076AA09
4C076AA14
4C076AA17
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB22
4C076BB25
4C076BB27
4C076CC27
4C076DD07
4C076EE58
4C084AA17
4C084MA16
4C084MA22
4C084MA23
4C084MA27
4C084MA52
4C084MA57
4C084MA59
4C084MA66
4C084NA06
4C084ZB26
4C084ZB27
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA08
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA52
4C086MA57
4C086MA59
4C086NA06
4C086ZB26
4C086ZB27
4C088AB26
4C088AC04
4C088BA18
4C088MA06
4C088MA16
4C088MA22
4C088MA23
4C088MA37
4C088MA52
4C088MA57
4C088MA59
4C088NA06
4C088ZB26
4C088ZB27
(57)【要約】
腫瘍、なるべくなら悪性腫瘍の防止および/または処置における使用のための少なくとも一のオゾン化油を含む調剤物を記載する。調剤物は経口、局所、注入による、およびそれらの組合せから選ばれる施与による使用のためのものである。腫瘍は固形腫瘍;皮膚に関する腫瘍;粘膜腫瘍;および液性腫瘍から選ばれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍、なるべくなら悪性腫瘍の防止および/または処置における使用のための少なくとも一のオゾン化油を含む、調剤物。
【請求項2】
前記調剤物は経口、局所、注入による、吸入による、およびそれらの組合せから選ばれる施与による使用のためのものである、請求項1に従う調剤物。
【請求項3】
前記少なくとも一のオゾン化油は500から1500meq O2/kgまで、なるべくなら600から1400meq O2/kgまで、より一層なるべくなら700から1300meq O2/kgまでのオゾン化物の含量を有する、請求項1または2に従う調剤物。
【請求項4】
前記オゾン化油はオゾン化するプロセスを受けた植物油であり、なるべくなら、次の:ヒマワリ油、オリーブ油、ピーナッツ油、アルガン油、ブドウ種子油、ホホバ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム油、綿実油、ナタネ油、ココナッツ油、ひまし油、亜麻仁油、ボリジ油、イブニングプリムローズ油、およびそれらの混合物、なるべくなら、ヒマワリ油から選ばれる、請求項1ないし3のいずれか一項に従う調剤物。
【請求項5】
前記腫瘍は固形腫瘍;皮膚に関する腫瘍;粘膜腫瘍;および液状腫瘍から選ばれる、請求項1ないし4のいずれか一項に従う調剤物。
【請求項6】
局所施与による使用のための、なるべくなら、調剤物の合計重量に関して重量パーセントにおいて、前記少なくとも一のオゾン化油の1から50%まで、より一層なるべくなら、2から20%まで、さらにより一層なるべくなら、3から15%までを含む、請求項1ないし5のいずれか一項に従う調剤物。
【請求項7】
油、ゲル、およびエマルション、なるべくなら、油から選ばれる形態における、請求項6に従う調剤物。
【請求項8】
経口投与による使用のための、なるべくなら、調剤物の合計重量に関して重量パーセントにおいて、前記少なくとも一のオゾン化油の1から5%まで、より一層なるべくなら2から3%までを含む、請求項1ないし5のいずれか一項に従う調剤物。
【請求項9】
前記少なくとも一のオゾン化油と適合性のあるビヒクルの、なるべくなら、調剤物の合計重量に関して重量パーセントにおいて、95から99%までの量で、より一層なるべくなら97から98%までを含む、請求項8に従う調剤物。
【請求項10】
前記ビヒクルは少なくとも一の甘味料および水を包含する、請求項8または9に従う調剤物。
【請求項11】
カプセルおよび飲料、なるべくなら、飲料、より一層なるべくなら、シロップから選ばれる形態における、請求項10に従う調剤物。
【請求項12】
注入によっての施与による使用のための、なるべくなら、前記少なくとも一のオゾン化油からなる、請求項1ないし5のいずれか一項に従う調剤物。
【請求項13】
吸入施与による使用のための、なるべくなら、前記調剤物が少なくとも一の非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1ないし5のいずれか一項に従う調剤物。
【請求項14】
腫瘍の処置には、ペイシェントの血液における抗酸化性種(U Cor)および酸化性種(U Carr)間で達せられるU Cor/U Carr比が4および12間に含まれ、なるべくなら、5および10間に含まれ、より一層なるべくなら、6および8間に含まれるまで前記調剤物の施与が含まれる、請求項1ないし13のいずれか一項に従う調剤物。
【発明の詳細な説明】
【出願の分野】
【0001】
本発明は、腫瘍、特に悪性腫瘍(ガン)の防止および/または処置におけるオゾン化油を含む調剤物の使用に関する。
先行技術
【背景技術】
【0002】
新生物性細胞は、ミトコンドリア機能のブロックが含まれる多くの観点で正常なものとは異なり、それはガンの発生の根本的な障害となるアポトーシス(自発的細胞死)の抑制を目的とする。新生物性細胞において発生するミトコンドリアのブロックはヴァルブルク(Warburg)効果として知られる。
【0003】
最近の実験的研究は新生物性細胞がそれらの増殖において抗酸化分子によって味方されるが、酸化促進状況によって対照をなすことを示す。特に、ガン幹細胞は、化学/放射線療法への耐性および再発を引き起こし、還元性環境によって特徴付けられ、および従って、酸化的損傷の細胞毒性効果に非常に敏感である(Zhou(チョウ)ら、Reactive oxygen species in normal and tumour stem cells(正常および腫瘍幹細胞における活性酸素種)。Adv Cancer Res.(アドバンシーズ・イン・キャンサー・リサーチ)2014;122:1-67)。ミトコンドリアは酸化性分子の主な内因性供給源である。
【0004】
したがって、現在、酸化的損傷における増加はガン治療の戦略を表す(Liu(リュー)ら、2015、Increased Oxidative Stress as a Selective Anticancer Therapy(選択的抗ガン療法としての増加した酸化ストレス)。Oxid Med Cell Longev.(オキシデーティブ・メディシン・アンド・セルラー・ロンジェビティー)Article(記事)ID294303)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガン治療における酸化性種の供給源としてオゾンを使用するいくらかの試みがなされてきた。特に、オゾンがガスとして(Rossmann(ロスマン)ら、Intraperitoneal oxidative stress in rabbits with papillomavirus-associated head and neck cancer induces tumoricidal immune response that is adoptively transferable(パピローマウイルス関連の頭頸部ガンによるウサギにおける腹腔内酸化ストレスは、養子伝達性である殺腫瘍性免疫応答を誘発する)。Clin Cancer Res.(クリニカル・キャンサー・リサーチ)2014;20(16):4289-4301))または注入によるオゾン化水溶液として(Kuroda(クロダ)ら、The Safety and Anti-Tumor Effects of Ozonated Water in Vivo(インビボでのオゾン化水の安全性および抗腫瘍効果)。Int J Mol Sci.(インターナショナル・ジャーナル・オブ・モレキュラー・サイエンシーズ)2015;16(10):25108-25120))使用された。これらの研究は健康な組織への損傷の不存在下での新生物性組織に対する特定の細胞毒性効果を示した。しかしながら、得られる治療上の効果は有意であるものの一過性であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、当部門では、腫瘍、特に悪性腫瘍(ガン)の防止および/または処置のためのオゾン化する種に基づく調剤物を提供する必要性が感じられ、それは先行技術の調剤物の欠点および限界を克服する。
【0007】
よって、本発明の根底にある技術的問題はオゾン化する種を含む調剤物を提供することのそれであり、それは腫瘍、特に悪性腫瘍(ガン)の防止および/または処置に有効であり、それは経時的に長期にわたる治療上の効果を有する。
【0008】
悪性腫瘍は、固形腫瘍、例えば、前立腺、肝臓、肺、胸部、結腸直腸、膵臓または脳の腫瘍;皮膚に関する(皮膚)腫瘍;粘膜腫瘍、例えば、口、鼻、肛門、外陰部または膣のもの;または液状腫瘍、例えば、造血性腫瘍などのようなものであることができる。
【0009】
特に、本発明の根底にある技術的問題はそのような調剤物を提供することのそれであり、それは治療の終わりから少なくとも六か月の時間、なるべくなら、少なくとも5年の間治療上の効果を有する。
【0010】
本発明の根底にあるさらなる技術的問題はそのような調剤物を提供することのそれであり、それは転移の形成を防止するのに有効である。
【0011】
本発明の根底にあるさらなる技術的問題はそのような調剤物を提供することのそれであり、それは上記の先行技術の酸化性調剤物よりも高含量のオゾン化物(30meq O2/kg)を有し、特に100meq O2/kgを超え、さらに特に500meq O2/kgを超える。
【0012】
本発明の根底にあるさらなる技術的問題はそのような調剤物を提供することのそれであり、それは高度な許容性を有し、すなわち、目下の使用されている療法に関して望ましくない副作用の数および強度がより一層小さい。
【0013】
特に、調剤物は非新生物性細胞、すなわち、健康なものに損傷を与えることなく、抗ガン効果を発揮することが可能でなければならない。
【0014】
本発明の根底にあるさらなる技術的問題はそのような調剤物を提供することのそれであり、それは用量の容易な個別化を可能にする。
本発明の概略
【0015】
同様の問題は腫瘍、なるべくなら、悪性腫瘍の防止および/または処置において使用するための少なくとも一のオゾン化油を含む調剤物によって本発明に従って解決された。
【0016】
なるべくなら、そのような調剤物は経口、局所、注入による(例えば、浸潤による)、吸入による(例えば、エアロゾルの形態において)、およびそれらの組合わせから選ばれる施与による使用のためのものである。
【0017】
なるべくなら、そのような調剤物は局所施与および/または注入による施与(例えば、浸潤による)による使用のためのものである。
【0018】
なるべくなら、オゾン化油は、500から1500meq O2/kgまで、より一層なるべくなら、600から1400meq O2/kgまで、さらにより一層なるべくなら、700から1300meq O2/kgまでのオゾン化物の含量を有する。
【0019】
好適な実施態様では、オゾン化油は、800を超えおよび1500meq O2/kg未満、より一層なるべくなら、900を超えおよび1400meq O2/kg未満、さらにより一層なるべくなら、1000を超えおよび1300meq O2/kg未満、最もなるべくなら、1100を超えおよび1200meq O2/kg未満のオゾン化物の含量を有する。
【0020】
オゾン化物の含量は本分野において知られる技術に従って、例えば、オリーブ油およびオリーブ残留油の特性に関する1991年7月11日のRegulation(規則)(EEC)No.2568/91に記載される過酸化物の数を決定するための方法および関連する分析の方法、Annex(付録)IIIによって測定することができる。
【0021】
なるべくなら、オゾン化油は、オゾン化するプロセスを受けた植物油であり、より一層なるべくなら、次の:ヒマワリ油、オリーブ油、ピーナッツ油、アルガン油、ブドウ種子油、ホホバ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム油、綿実油、ナタネ油、ココナッツ油、ひまし油、亜麻仁油、ボリジ油、イブニングプリムローズ油、およびそれらの混合物から選ばれる。
【0022】
特に好適な実施態様によれば、オゾン化油はヒマワリ種子油(以下ではまた「ヒマワリ油」)、ピーナッツ種子油(以下ではまた「ピーナッツ油」)、またはそれらの混合物である。実際、任意の固有の抗酸化性活性を実質含まない油を使用することが好ましい。
【0023】
なるべくなら、オゾン化油は抗酸化剤を実質含まない。
【0024】
好適な実施態様によれば、オゾン化油は、次の:ヒマワリ油、ピーナッツ油、アルガン油、ブドウ種子油、ホホバ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム油、綿実油、ナタネ油、ココナッツ油、ひまし油、亜麻仁油、ボリジ油(borage oil、ボラージオイル、ルリヂサオイルとも言う)、イブニングプリムローズ油(evening primrose oil、マツヨイグサ油とも言う)、およびそれらの混合物、より一層なるべくなら、ヒマワリ油および/またはピーナッツ油から選ばれる。
【0025】
なるべくなら、オゾン化油は酸素の導入のために高度に精製されたガス状酸素を使用するオゾン化プロセス(ozonisation process)を通して得られる。
【0026】
なるべくなら、調剤物は腫瘍、より一層なるべくなら、悪性腫瘍に罹患している動物またはヒト哺乳動物に施与される。
【0027】
なるべくなら、腫瘍は、固形腫瘍、例えば、前立腺、肝臓、肺、胸部(乳房も包含される)、結腸直腸、膵臓、または脳の腫瘍;皮膚に関する(皮膚)腫瘍;粘膜腫瘍、例えば、口、鼻、肛門、外陰部または膣のもの;および液状腫瘍、例えば、造血性腫瘍などのようなものから選ばれる。
【0028】
なるべくなら、前述の調剤物はミトコンドリア膜の酸化によって新生物性細胞に作用する。
【0029】
好適な実施態様によれば、前述の調剤物は局所施与による使用のためのものである。
【0030】
本発明の局所使用目的のための調剤物は前述の少なくとも一のオゾン化油からなることができ、またはそれは調剤物の合計重量に関してなるべくなら濃度にて、重量パーセントにおいて、1から50%まで、さらにより一層なるべくなら2から20%まで、最もなるべくなら3から15%まで前述の少なくとも一のオゾン化油を含むことができる。
【0031】
好適な実施態様では、本発明の局所使用のための調剤物はオゾン化油と適合性のある薬学的に許容可能なビヒクルをさらに含む。
【0032】
なるべくなら、本発明の局所使用のための調剤物は油、ゲル、およびエマルション、より一層なるべくなら油から選ばれる形態である。
【0033】
ゲルはヒドロゲルまたはリポゲルであることができる。
【0034】
なるべくなら、ヒドロゲルはヒドロゲルの合計重量に対する重量パーセントにおいて、3から30%まで、より一層なるべくなら5から20%まで、最もなるべくなら8から15%までの少なくとも一のオゾン化油を含む。
【0035】
ここでの「ヒドロゲル」という用語は調剤物がゲル化された親水性溶液の形態であることを意味し、そこでオゾン化油は水性媒体において分散される。
【0036】
ここでの「リポゲル(lipogel)」という用語は調剤物がゲル化された親油性溶液の形態であることを意味し、そこでオゾン化油は脂質媒体に分散される。
【0037】
本発明の好適な態様によれば、腫瘍の防止および/または処置のための局所使用は罹患組織への調剤物の局所適用によって、なるべくなら三日より長くおよび六十日未満、より一層なるべくなら十から三十日までの期間で実行される。
【0038】
なるべくなら、調剤物の局所適用は一日一回または二回、より一層なるべくなら一日二回実行される。
【0039】
なるべくなら、局所適用は調剤物のある量を罹患組織に適用することによって実行され、それは新生物性病変を覆うのに十分、より一層なるべくなら新生物性病変および病変部周囲の皮膚の少なくとも一部分を覆うのに十分である。
【0040】
病変部周囲の皮膚は皮膚に関する表面として規定され、それは病変の端から伸びそれから最大で一センチメートルまでである。
【0041】
本発明の好適な態様によれば、局所使用のための調剤物はオゾン化油を含み、それは800を超えおよび1500meq O2/kg未満、より一層なるべくなら900を超えおよび1400meq O2/kg未満、さらにより一層なるべくなら1000を超えおよび1300meq O2/kg未満、最もなるべくなら1100を超えおよび1200meq O2/kg未満であるオゾン化物の含量を有する。
【0042】
局所使用のための調剤物は皮膚に関する腫瘍、例えば、悪性黒色腫、基底細胞類表皮カルシノマ(basal cell epidermoid carcinoma)、および扁平上皮類表皮カルシノマ(spinocellular epidermoid carcinoma)などのようなものの防止および/または処置における使用のために特に指し示される。
【0043】
さらに、局所使用のための調剤物は、粘膜腫瘍、例えば、口、鼻、肛門、外陰部または膣のものの防止および/または処置における使用のために特に指し示される。
【0044】
かわりの好適な実施態様によれば、前述の調剤物は経口投与による使用のためのものである。
【0045】
本発明の経口使用のための調剤物は特に放射線抵抗性の対象において、転移の形成を防止するのに有効であることがさらに見出された。
【0046】
したがって、本発明は転移の形成の防止における使用のための、より一層なるべくなら、放射線抵抗性のヒトまたは動物の哺乳動物における本発明の経口使用のための調剤物にさらに関する。
【0047】
本発明の経口使用目的のための調剤物は前述の少なくとも一のオゾン化油からなることができ、またはそれは調剤物の合計重量に関してなるべくなら濃度において、重量パーセントにおいて、1から5%まで、さらにより一層なるべくなら2から3%までの前述の少なくとも一のオゾン化油を含むことができる。
【0048】
好適な態様によれば、本発明の調剤物はビヒクルで、オゾン化油と適合性のあるものをなるべくなら95重量%から99重量%まで、より一層なるべくなら97重量%から98重量%までの量において含み、そこでパーセンテージは調剤物の合計重量に言及する。
【0049】
好適な実施態様によれば、前記ビヒクルには、少なくとも一の甘味料および水が含まれる。
【0050】
なるべくなら、甘味料は少なくとも一の糖類から選ばれ、より一層なるべくなら、フルクトース、グルコース、スクロース、およびそれらの混合物から選ばれ;少なくとも一のフルーツ濃縮物;少なくとも一のポリオール;および少なくとも一の植物抽出物、より一層なるべくなら、ステビ;およびそれらの混合物である。
【0051】
好適な実施態様では、ビヒクルはシロップおよび/または蜂蜜を包含する。
【0052】
なるべくなら、シロップはフルクトースシロップである。
【0053】
なるべくなら、蜂蜜は生の未処理の蜂蜜である。
【0054】
ビヒクルはレモン精油、酸性化剤、クエン酸一水和物、保存剤、乳酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、アラビアゴム、キサンタンガム、自然または人工香料(例えば、チェリー風味料)、乳化剤(ポリソルベート80)およびそれらの混合物から選ばれる一またはそれよりも多く(一以上とも言う)のさらなる原料をさらに含み得る。
【0055】
ビヒクルはまた浸透水を包含することができる。
【0056】
ビヒクルは少なくとも一の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに包含することができる。
【0057】
なるべくなら、本発明の経口使用のための調剤物はカプセルおよび飲料、より一層なるべくなら飲料、さらにより一層なるべくならシロップから選ばれる形態である。
【0058】
ここでの「シロップ」という用語は少なくとも一の甘味料(sweetener)を含む水性調製物を意味する。シロップは容易に投薬可能な(dosable)流体形態であり、およびコーティング、特に耐胃性(gastro-resistant)コーティングの使用を必要としない。
【0059】
なるべくなら、ビヒクルはリポソーム画分をさらに含む。前記リポソーム画分はオゾン化油の吸収レベルを増加させるために有利に使用することができ、それはそれが生物学的利用能に有利であり、および活性成分のより一層長期でおよび漸進的な放出(gradual release)を得ることができるからである。
【0060】
なるべくなら、本発明の経口使用のための調剤物は、例えば、シリカベースのコーティングを有する耐胃性カプセルの形態である。
【0061】
実際、シリカはオゾン化油に対して吸着作用を行い、ボーラスの形態において残るのではなく、胃のバリアを通過した後、腸管に沿って制御された放出が可能にされる。
【0062】
実際、オゾン化油は強酸性においてそれらの作用における大部分が中和される傾向があり、および従って胃の環境が還元される。
【0063】
有利なことに、本発明のオゾン化油を含む経口使用のための調剤物は高度な生物学的利用能を有し、従って、それは体循環に到達すること、および従って悪性腫瘍に関して治療上の活性を発揮することが可能である。実際に、本発明に従う経口使用のための特定の調剤物は、例えば、シロップの形態において消化管の非常に初期の部分、そこでの口腔および舌下粘膜を含むものから開始して、摂取直後の生物学的利用能および吸収に有利に働く。このため、本発明の経口使用のための調剤物は耐胃性コーティングの不存在によって特徴付けられ、それは急速な全身吸収を妨げるであろう。
【0064】
さらに、本発明に従う経口使用のための調剤物は、それが消化管の初期の管にすでにある急速吸収調剤物であり、保存目的のための抗酸化物質(および従って還元)添加物の使用を不要にする。実際、これらの抗酸化物質添加物は有効成分(active principle)(オゾン、酸化体)と相互作用し、それゆえ調剤物の治療特性およびその全身的な吸収の可能性に影響が及ぶ。したがって、前述の独特の特徴は本発明に従う調剤物を全身性の、および局所治癒効果だけでない誘導に特に適するようにさせる。
【0065】
本発明の好ましい態様によれば、腫瘍の処置のための経口使用は、調剤物の経口投与によって、なるべくなら三日を超えおよび六十日未満、より一層なるべくなら十から三十日までの間実行される。
【0066】
なるべくなら、調剤物の経口投与は一日に一回または二回、より一層なるべくなら一日二回実行される。
【0067】
本発明のさらに好適な態様によれば、腫瘍の、防止のため、特に再発の防止のための経口使用は、なるべくなら三日を超えおよび六十日未満、より一層なるべくなら十から三十日までの期間、調剤物の経口投与によって実行される。
【0068】
再発の防止の場合、調剤物の施与は、なるべくなら幹細胞に向けられ、それらは特に再発の発生に関連する。実際、これらの細胞は非常に還元性の細胞内環境(very reducing intracellular environment)によって特徴付けられ、それはそれらが化学/放射線療法に抵抗することを可能にする。本発明の調剤物はこの環境を酸化力のあるものに修飾する能力を有する。
【0069】
なるべくなら、調剤物の経口投与は一日に一回または二回、さらにより一層なるべくなら一日二回実行される。
【0070】
本発明のさらに好適な態様によれば、転移の形成を防止するための経口使用は調剤物の経口投与によって、なるべくなら三日を超えおよび六十日未満、さらにより一層なるべくなら十から三十日までの期間実行される。
【0071】
なるべくなら、調剤物の経口投与は一日に一回または二回、さらにより一層なるべくなら一日二回実行される。
【0072】
なるべくなら、経口投与は対象の体重1キログラムあたり1日に0.1から0.5mlまでの量のオゾン化油を投与することによって実行される。これは、例えば、70kgの体重のペイシェント(人間で言う患者)における1日あたり7-35mlのオゾン化オイルの投薬量に対応する。
【0073】
より一層なるべくなら、経口投与は0.2から0.4mlまでの量のオゾン化油、さらにより一層なるべくなら対象の体重1キログラムあたり1日に0.25から0.35mlまでを投与することによって実行される。
【0074】
経口使用のための調剤物は液状腫瘍、例えば、造血性腫瘍(hematopoietic tumour、造血器腫瘍などとも言う)の防止および/または処置における使用のために特に指示される。
【0075】
さらに、経口使用のための調剤物は内部器官、例えば、結腸、肝臓、膵臓、肺、胸部、前立腺、および血液-脳バリアによって保護される器官(中枢神経系の他の器官、例えば、脳などのようなもの、および精巣を含む)に影響を与える腫瘍の防止および/または処置における使用のために特に指示される。代わりの好適な実施態様によれば、前述の調剤物は注入による施与によって使用するためのものである。
【0076】
本発明の注入による調剤物は前述の少なくとも一のオゾン化油からなることができ、またはそれは濃度におおいて、調剤物の合計重量に関して重量パーセントにおいて少なくとも90%、なるべくなら少なくとも95%、最もなるべくなら99%の前述の少なくとも一のオゾン化油を含むことができる。
【0077】
好適な実施態様では、本発明の注入対象物(injection object)による調剤物は薬学的に許容可能なビヒクルを含み、オゾン化油と適合性がある。
【0078】
なるべくなら、本発明の注入による調剤物は油の形態にある。
【0079】
好適な実施態様では、本発明の注入による調剤物は少なくとも一の非イオン性界面活性剤をさらに含む。
【0080】
なるべくなら、界面活性剤はポリソルベート(ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル)またはSPAN(ソルビタンアルキルエステル)である。
【0081】
なるべくなら、界面活性剤は次の:ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート)、ポリソルベート20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート)、ポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート)、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアラート)、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノパルミタート、ソルビタンモノステアラート、ソルビタントリステアラートおよびソルビタンモノオレアートならびにそれらの混合物、より一層なるべくならポリソルベート80から選ばれる。
【0082】
この方策のおかげで、オゾン化油を水分散性にすることが可能であり、それゆえ筋肉内または静脈内経路によるオゾン化油の注入が、例えば、肺または脳塞栓症などのような合併症につながる可能性を防ぐ。
【0083】
好適な実施態様では、注入による本発明の調剤物はアクア、ポリソルベート80、オゾン化ピーナッツ油またはヒマワリ油、塩化ナトリウムを含む。
【0084】
なるべくなら、注入は浸潤、静脈注射(phleboclysis)、静脈内、筋肉内によって、またはポーター(ポート・ア・キャス)による施与によってさえである。
【0085】
本発明の好適な態様によれば、腫瘍の処置における注入による使用は、罹患組織への調剤物の注入によって、なるべくなら三日を超えおよび六十日未満、より一層なるべくなら十から三十日までの期間について実行される。
【0086】
なるべくなら、調剤物の注入は一日に一回または二回、さらにより一層なるべくなら一日二回実行される。
【0087】
なるべくなら、注入による施与は新生物性腫瘤1cm3あたり一日に0.5から5mlまで、より一層なるべくなら0.7から4mlまで、さらにより一層なるべくなら1から3mlまでの量のオゾン化油を注入することによって実行される。
【0088】
注入による調剤物は固形腫瘍、例えば、前立腺、肝臓、肺、胸部または結腸直腸腫瘍などのようなものの処置における使用のために、特に腫瘍が進行した段階にある場合に、特に指示される。
【0089】
本発明に従う注入による調剤物は少なくとも一の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含むことができる。
【0090】
さらに好適な態様によれば、本発明の調剤物は吸入施与、例えば、エアロゾルの形態におけるものによる使用のためのものである。
【0091】
本発明の吸入使用のための調剤物は前述の少なくとも一のオゾン化油からなることができ、またはそれはなるべくなら濃度において、調剤物の合計重量に関して重量パーセントにおいて1から50%まで、さらにより一層なるべくなら2から20%まで、最もなるべくなら3から15%まで前述の少なくとも一のオゾン化油を含むことができる。
【0092】
好適な実施態様では、本発明の吸入使用目的のための調剤物は薬学的に許容可能なビヒクルをさらに含み、オゾン化油と適合性がある。
【0093】
なるべくなら、吸入施与のための調剤物は上記のように、少なくとも一の非イオン性界面活性剤をさらに含む。
【0094】
この方策のおかげで、オゾン化油を水分散性にすることが可能である。
【0095】
好適な実施態様では、吸入使用のための本発明の調剤物はアクア、ポリソルベート80、オゾン化ピーナッツ油またはヒマワリ油、塩化ナトリウムを含む。
【0096】
吸入のための調剤物は肺(肺カルシノマ)または呼吸器系の近位部分(気管支、喉頭、咽頭)に影響を与える腫瘍の防止および/または処置における使用のために特に指示される。
【0097】
なるべくなら、本発明での防止および/または処置は局所施与、経口投与、吸入経路による施与、および前述の調剤物の注入による施与のうちの一以上を含む。
【0098】
すなわち、例えば、経口投与を局所施与および/または注入による施与と関連付けることが可能である。
【0099】
また、局所施与を注入および/または経口投与による施与と関連付けることも可能である。
【0100】
最後に、注入による施与を経口投与および/または局所施与と関連付けることが可能である。
【0101】
施与の前述の方法を適切に関連付けることにより、例えば、腫瘍の寛解および転移の防止の双方を得ることが可能である。
【0102】
経口使用のための、局所使用のための、および注入による前述の調剤物は腫瘍の防止および/または処置、および/または転移、および/または再発の形成の防止において、同時にまたは逐次的に使用することができる。
【0103】
なるべくなら、調剤物は外科的介入、より一層なるべくなら腫瘍を除去することを目的とした凍結手術介入と組み合わせて、または凍結手術介入と組み合わせて施与される。
【0104】
すなわち、調剤物は、経口経路によって、吸入経路によって、局所的に適用され、注入され、またはそれらの組合せによって施与されることができ、外科的または寒冷療法介入の前の特定の日から始まり、およびその後の特定の日までである。あるいはまた、経口経路によって、吸入経路によって、局所的に適用され、注入され、またはそれらの組合せによって施与することができ、外科的介入の日から始まり、およびその後の特定の日まで、または外科的または寒冷療法介入の後の特定の日から始まる。
【0105】
なるべくなら、経口使用のための調剤物は腫瘍を処置することを目的とした放射線療法セッションに関連して、より一層なるべくなら放射線耐性のヒト哺乳動物または動物において施与される。
【0106】
経口使用のための調剤物はラジオセラピー(放射線療法のこと)セッションの前の特定の日から始まり、およびその後の特定の日まで、より一層なるべくならラジオセラピーセッションの前の特定の日から始まり、およびその開始日まで、さらにより一層なるべくなら少なくともラジオセラピーセッションの20日前に始まって施与することができる。
【0107】
実際、放射線療法の前に開始する調剤物の経口投与は、放射線抵抗性の対象における転移の形成を抑制することが見出された。
【0108】
なるべくなら、本発明に従う腫瘍の処置は、抗酸化性種(U Cor)および酸化性種(U Carr)間でU Cor/U Carr比がペイシェントの血液において4および12間に含まれ、より一層なるべくなら5および10間に含まれ、最もなるべくなら6および8間に含まれるまでに達せられるまで、本発明の調剤物の施与が含まれる。
【0109】
4未満の値は、実際、長期間持続する場合、調剤物の過量投薬を示し、および従って酸化的損傷がペイシェントの健康な細胞に引き起こされ、その結果、心血管疾患、例えば、心臓発作および脳卒中などのようなもののペイシェントについてリスクが高まることがあるため、避けられるべきである。代わりに、12を超える値はあまり効果的でなく、または完了しない処置を指示する。
【0110】
なるべくなら、本発明に従う腫瘍の処置は、抗酸化性種(U Cor)および酸化性種(U Carr)間でU Cor/U Carr比がペイシェントの血液において7未満、より一層なるべくなら6未満、さらにより一層なるべくなら5未満に達せられるまで本発明の調剤物の施与が含まれる。
【0111】
なるべくなら、前述の比は4に等しく、またはそれを超える。
【0112】
実際、有害新生物(malign neoplasm)を患うペイシェントの場合、特に攻撃的および/または大きな寸法の場合、前述のU Cor/U Carr比は健康な個体に関して変動することが観察されており、そのものでの正常値は7±1である。腫瘍学でのペイシェント(oncological patient)では、この値は健康な個体の値をはるかに上回り、および46±7の値が典型的に見出される。
【0113】
このパラメータの開始値はペイシェントの間で変動し、および食餌、齢、ライフスタイル、他の疾患、などを含めて、腫瘍の存在に加え、多くの要因に依存する。したがって、処置前およびその間にこのパラメータを監視することは、ペイシェントに合わせた個別化した療法を設定することが可能にされ、それは新生物の減少をより一層効果的に達成することが可能にさせる一方、調剤物の過量投薬が回避される。
【0114】
酸化的状態の評価、即ち前述のU Cor/U Carr比の決定は、当分野において既知の任意の方法、例えば、検査の下での血液サンプルとの反応後の505nmでの吸光度の定量的読取りを伴う鉄(II)基材の酸化還元反応に基づくFRASテストを使って実行することができる。FRASテストは(a)Benedetti(ベネデッティ)らの、Clin. Lab(クリニカル・ラボラトリー)59;1091-1097、2013に記載される方法による抗酸化性種の評価のために;(b)Iannitti(イアンニッティ)ら、J. Oral Path.(ジャーナル・オブ・オーラル・パソロジー)Medicine(メディシン)、doi:10.1111/j.1600-0714.2012.01143.x、2012)に記載される方法による酸化性種の評価のために実行することができる。
【0115】
テストは次の:(a)過酸化水素分子の等価物における合計酸化性種(1U Carr=100mlあたり0.08mg H2O2);および(b)アスコルビン酸分子の等価物における合計抗酸化性種(1U Cor=マイクロモル/アスコルビン酸の1リットル)の定量化を与える。テストは非侵襲的であり、および遠位指皮膚(distal digital skin)の微小穿刺によって微量(50-100ul)の末梢静脈血を採取することによって行われる。FRASと同様なテストを使用することが可能であり、それらは適切に検証され、およびそれと比較される条件の下である。
【0116】
なるべくなら、処置は時間の経過とともに前述の望ましい値の安定まで、特定の時間の間隔で配置された一以上の処置セッションを包含する。
【0117】
この特定の時間の期間は1および6か月の間、なるべくなら1および3か月の間であることができる。
【0118】
値は少なくとも六か月、より一層なるべくなら少なくとも一年、さらにより一層なるべくなら少なくとも二年、最もなるべくなら少なくとも三年の間実質一定のままであるとき、経時的に安定であると考えられる。
【0119】
事前に確立された標的を達成するために、罹患するものから特定の腫瘍学的病理学(oncological pathology)を参照してペイシェントの臨床評価に基づいて、処置の投薬量および期間、ならびに一以上のセッションへのその可能な細分を調節することは、当技術における熟練した者の能力の範囲内である。
【0120】
本発明はまた、腫瘍、なるべくなら、悪性腫瘍の防止および/または処置のための方法にも言及し、それはそれを必要とするヒトまたは動物の哺乳動物における本発明の調剤物の施与を含む。
【0121】
本発明はまた、転移および/または再発の形成を防止するための方法に言及し、それはそれを必要とするヒトまたは動物の哺乳動物、なるべくなら、放射線耐性のヒトまたは動物の哺乳動物における本発明の経口使用のための調剤物の施与を含む。
【0122】
オゾン化油の局所使用は皮膚に関する(cutaneous、皮膚性の)疾患および/または病変の処置のために目下既知である。特に、オゾン化油の使用は皮膚に関する領域の慢性感染に関しても、皮膚病および感染の処置において特に適する。オゾン化油は前述の腫瘍、特に悪性腫瘍(malignant tumours)の防止および処置に効果的であることが今や驚くべきことに見出された。
【0123】
いかなる理論にもそれによって拘束されることを望まないが、先行技術のオゾン化する種に基づくガス状または水性調製物は、腫瘍、特に悪性なものの防止および/または処置において本発明の調剤物よりも効果が低いと仮定され、それはガス状または水性の形態が細胞外環境:新生物性細胞は実際、ガスまたは水の直接の侵入を防ぐ親油性膜によって囲まれることに対する酸化性効果の作用を制限するからである。
【0124】
それとは反対に、本発明の調剤物では、オゾン化油を含み、効果的および長期的な結果が得られる。
【0125】
実際、油は新生物性細胞のミトコンドリア膜中に浸透することによって、酸化によるアポトーシスを活性化することが可能であり、およびそれゆえ新生物性細胞の死が引き起こされる。
【0126】
インビトロテストは実際、本発明の調剤物が細胞のレベルにて強力な抗ガン効果を発揮することが可能であり、および本発明の調剤物の作用機序を解明したことを示し、それは細胞を外部環境から区切る原形質膜を含め、細胞膜を酸化するその能力のために、オゾン化油の細胞質中への浸透に基づく。細胞質中に浸透すると、オゾン化油は短時間液胞において閉じ込められる。しかしながら、これらの液胞の膜はオゾン化された油によって急速に酸化され、および次いで油が細胞質中に拡散し、それゆえにその作用を発揮する。
【0127】
したがって、本発明の調剤物は、新生物性細胞の内部に浸透する独特の能力によって特徴付けられ、それが外部細胞膜にも誘発する損傷の結果である。オゾン化油の、および結果として本発明の調剤物の純度(すなわち、高濃度のオゾン化物)および高い安定性を考えると、浸透は酸化促進能力を弱めることはなく、それは次いで細胞内部位において直接発現される。この側面はオゾン化する(ozonizing)種の他の調剤物がこの効果を発揮できないという点で独特であり、それはそれらが細胞外または細胞内環境において抗酸化剤によって中和されるからであり、どちらも抗酸化剤の防御において、特に新生物性幹細胞において著しく豊富である。
【0128】
ガンは体の全身性疾患である。新生物性腫瘤はそれ自体の発達のために適切な栄養支持構造を無関係に発達させることはできない。したがって、カルシノマ(carcinoma)の特徴は炎症性マクロファージ細胞の顕著な浸潤の存在であり、それは新生物性増殖をコントラスティングするのに(contrasting)まったく無能力であり、酸素、代謝物および新生血管を供給することによってそれを支持する。これらの細胞は腫瘍に関連するマクロファージ(Macrophages Associated with Tumours)として規定される。現在、炎症の程度は新生物の不吉な発達の最も予測的な予後指標を表す。したがって、ガンは炎症を全身的にコントラスティングする能力がある経口調剤物の包含とより一層効果的にコントラストされる。
【0129】
本発明の調剤物はインビトロおよびインビボテストによって実証されるように、免疫抑制を誘発することなく抗炎症効果を発揮することが可能であると観察された。
【0130】
いかなる理論にも拘束されることを望まないが、この現象の根底にあるメカニズムはマクロファージの酸化的バーストの抑制であると仮定される。マクロファージは、非特異的な細胞媒介性組織免疫の原因となり、存在する場合、細菌を中和することが可能な反応性酸素種および炎症性サイトカインを組織環境において放出することによって作動する;しかしながら、それがない場合、炎症性の現象はガンの場合のように、病原性の関連を想定するマクロファージ活性化の後に発生する。本発明の調剤物は負のフィードバックを通してマクロファージの酸化的バーストを抑制する;実際、すでにオゾン酸化種が豊富な細胞外環境の存在は、マクロファージによるさらなる酸化性種の放出をブロックし、それゆえに活性化およびその結果としての炎症が抑制される。
【0131】
通常の分化細胞ではなく新生物性細胞を殺す、高含量のオゾン化物を有する本発明のオゾン化油の選択的効果は、新生物性細胞のミトコンドリアが、代謝の観点から、および細胞質におけるチトクロームおよびカルシウムの放出による固有の(intrinsic、内因性とも言われる)経路によるプログラムされた細胞死(アポトーシス)の活性化の観点からの双方で不活性であるという事実によるものであるともまた考えられる。この特徴は新生物性細胞を異常でない細胞から区別する。
【0132】
ミトコンドリア膜は主にリン脂質で構成されており、その中で最も重要なのはカルジオリピンであり、それは二つの分子の疎水性テールを組み合わせること、および親水性ヘッドをミトコンドリアの外側の細胞質親水性環境へおよびミトコンドリア内のマトリックスの親水性環境へ突出させることによって外部ミトコンドリア膜の典型的な脂質二重層を形成するために配置される。しかしながら、カルジオリピンの構造はシトクロムc、酸化的リン酸化の基本的な活性成分(active component)とのその結合に大きく依存する。特に、カルジオリピンは、機能するシトクロムcとの結合の存在下で、すなわち、健康な組織において、上記のように配置される。カルジオリピンによって形成される二重層は、この場合、厚く、タイトおよび対称的であり、ならびに親水性ヘッドの連続性を有する。この配置は本発明のオゾン化油によって運ばれるペルオキシダントフリーラジカルの疎水性テールへのアクセスを妨げる。したがって、健康な細胞は本発明のオゾン化油の細胞破壊的効果に耐性がある(図1aを参照)。
【0133】
逆に、新生物性細胞では、カルジオリピンは機能するシトクロムcがない場合に見出される。これにより、疎水性テールの分岐(divarication)がもたらされ、薄い膜および親水性ヘッド間にギャップが生じる。この状況では、本発明のオゾン化油によって運ばれるペルオキシダントフリーラジカルは疎水性テールにアクセスされ、および細胞は本発明のオゾン化油の細胞破壊的効果に敏感である(図1bを参照)。
【0134】
本発明の調剤物の有効性はまた、他の要因、例えば、その純度、抗酸化剤の不存在、およびその高い生物学的利用能などのようなものに依存し得る。
【0135】
特に、経口使用のための調剤物および注入によっての使用のための調剤物の関連を含む本発明の実施態様の場合、この関連は新生物性腫瘤における浸潤によって直接的な細胞傷害性効果、および従って向上した有効性が得られることを可能にすると見出された。
【0136】
上記のように、本発明の経口使用のための調剤物は実際、全身経路によって急速に吸収される。この態様は市場にて存在する低オゾン化物オゾン化油に関して絶対的な独自性(peculiarity)を表し、それらは全身に吸収されることが可能でなく、またはそれらはそれらの薬理学的効果に影響を与える安定化および保存の目的のために抗酸化剤との複合体化することさえ時々ある。
【0137】
好適な実施態様では、油においてオゾン化物の含量は先行技術においてこれまでに到達したレベル(10-30meq O2/油の1kg)よりも多い。この油は特に新生物性細胞の細胞内環境において著しく安定、および強力に酸化性である。
【0138】
したがって、本発明の調剤物は親油性複合体における非常に大量のオゾン性酸化性種(オゾン化物)を安定化するのを可能にし、それを新生物性細胞内に浸透させ、およびこの部位において周囲の健康な組織を損なうことなく自律的細胞死(アポトーシス)のメカニズムを活性化させるのを可能にする。
【0139】
本発明の調剤物は、少なくとも六か月、なるべくなら少なくとも一年、より一層なるべくなら少なくとも二年、さらにより一層なるべくなら少なくとも三年、最もなるべくなら少なくとも五年の治療上の効果の持続期間によって特徴付けられる。
【0140】
本発明の経口使用のための調剤物は転移および/または再発の形成の防止において特定の用途を見出す。
【0141】
特に、調剤物の経口投与が放射線抵抗性の対象における放射線療法と関係する場合、調剤物が転移の形成を防止するのに有効であることが観察される。実際、低酸素利用可能性(低酸素症(hypoxia))は原発部位からの腫瘍細胞の移動(転移)を引き起こす主なメカニズムである。ここに提示する本発明は原発性腫瘍の部位にて酸素の利用可能性を増加させることによって転移プロセスの活性化を抑制する。
【0142】
オゾン化物の高含量はまた治療用量の個別化(personalisation)の基礎でもある。実際、処置される対象、および既存の新生物性病理(existing neoplastic pathology)のタイプに基づいて薬物用量は個別化しなければならない。調剤物が可能にする幅広いオゾン化物により、これまでに到達されなかった精度と共に治療上の用量を個別化することが可能になる。この個別化は、上記に例示するように、処置対象の血しょうにおける酸化性(oxidizing)および抗酸化性(anti-oxidizing)種間の比率の定量的評価に基づいて行われる。最後に、本発明の調剤物は、望ましくない副作用の高い忍容性および希少性によって特徴付けられ、ガン細胞を殺す能力がある薬物にとって非常に特異な状況である。この特徴は、正常および新生物性細胞間でそれらの酸化的損傷を対比する能力において、特に細胞内(intracellular)環境において発生したときに存在する大きな違いによる。
【0143】
本発明のさらなる特徴および利益は以下の詳細な記載から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図1】正常細胞(図1a)および新生物性細胞(図1b)におけるカルジオリピンの構造を示す。
図2】A549ガン細胞系に対する本発明のオゾン化ヒマワリ種子油の抗ガン効果を決定するためのインビトロ細胞アッセイの結果を示す。図2aは、本発明のオゾン化ヒマワリ種子油への60分、24時間、48時間および72時間の曝露後の細胞系の光学顕微鏡画像である。非オゾン化ヒマワリ種子油を比較コントロールとして使用した。図2bはTrypan blue(トリパンブルー)による選択的細胞染色を示す光学顕微鏡画像、死細胞だけの選択的着色である。
図3】新生物性細胞における細胞内レベルでの作用機序を決定するために、正常な細胞下(sub-cellular)およびトリクローム蛍光顕微鏡を使用したインビトロ細胞アッセイの結果を示す。図3aはDulbecco Modified Eagle Medium(ダルベッコ改変イーグル培地)(DMEM)において10%v/vの濃度での本発明のオゾン化ヒマワリ種子油への二時間の曝露に続いてのA549細胞系の細胞の光学顕微鏡スキャンを示す:細胞質部位へのオゾン化油の細胞内浸透が検出される(クリア反射性液胞(clear reflective vacuoles))。非オゾン化ヒマワリ種子油を比較コントロールとして使用した。図3bは染色を伴う本発明のオゾン化ヒマワリ種子油への0、30分および60分間の曝露に続いてのA549細胞系の細胞のトリクローム蛍光顕微鏡画像を示す。非オゾン化ヒマワリ種子油を比較コントロールとして使用した。染色は次の:(a)レッド:オゾン化油;(b)ブルー:核;(c)グリーン:細胞質構造および特にミトコンドリアを指し示す。細胞質部位への油の浸透を確認する。
図4】コントロールヒマワリ油およびオゾン化ヒマワリ油の10%および80%を含む油に曝露したA549細胞系の細胞のさらなる蛍光顕微鏡画像を示し、スーパーインポーズド(重ね合わされた)チャネルを伴うトリクローム染色(マージング)による。イエロー着色はレッドおよびグリーン間のスーパーインポジション(重なりのこと)を指し示す。このスーパーインポジションはオゾン化油により処理された細胞においてだけ発生し、およびコントロールではそうでなく;油(レッド)が到達し、およびミトコンドリアを損傷する(グリーン)ことを指し示す(例3)。
図5】例4による異なる油での処理に続いてのA549細胞における細胞生存率値間の比較を示す。
図6】本発明の調剤物の抗炎症力を定めるためのインビボ細胞アッセイの結果を示す。グラフは、本発明のシロップにより処置した二体の対象におけるHLAdrマクロファージ活性化マーカーの減少を示し、シトフルオロメトリー(citofluorimetry)によって測定される。
図7】本発明の調剤物による処置に続いての扁平上皮細胞類表皮鼻カルシノマに罹患しているネコの治癒の進行を示す一連の写真である。特に、図は処置前(図7a)、介入後24時間(図7b)、介入後72時間(図7c)、介入後7日(図7d)、介入後10日(図7e)、および介入後三週間(図7f)(restitutio ad integrum(原状回復))のネコの状態を示す。
図8】本発明の調剤物による処置および寒冷療法介入に続いての、介入前(図8a-d)、介入後7日(図8e)、介入後10日(図8f)、介入後四週間(図8g)(restitutio ad integrum)、および介入後七か月(図8h)(restitutio ad integrumの持続性)の潰瘍性扁平上皮直腸カルシノマに罹患しているウサギの治癒の進行を示す一連の写真である。
図9】700(「OOAO 700」)または1100(「OOAO 1100」)オゾン化物での本発明のオゾン化油への曝露、放射線療法(2Gy)の前(「PRE」)または後「POST」)に続いてのA549腫瘍細胞の生存率テストの結果を示す。OOAOは新生物性細胞を殺すために放射線の能力を7から14倍までに増加させる。OOAO1100によるポスト処置は最も効果的な治療上の状況である。
【発明を実施するための形態】
【0145】
本発明の詳細な記載
【0146】
ここで、本発明を以下に示すようないくらかの実施態様の例を使ってさらに例示する。
【実施例
【0147】
例1
シロップの形態における調剤物の調製
【0148】
次の調剤物はシロップの形態において調製した:
【0149】
700meq(700ミリ当量のこと)O2/kgに等しいオゾン化物(ozonides、オゾニドとも言う)の含量を有する2.5%のオゾン化ヒマワリ種子油、および残りの97.5%はフルクトース、酸性化剤、クエン酸一水和物、保存剤、乳酸ナトリウム、浸透水、ソルビン酸カリウム、チェリー風味料(cherry flavour)、乳化剤(ポリソルベート80)の水溶液が含まれ;そこで前記パーセンテージは調剤物の合計重量を指す。
【0150】
例2
カルシノマ細胞のインビトロアッセイ
【0151】
700meq O2/kgに等しいオゾン化物の含量を有するオゾン化ヒマワリ種子油を高度に未分化および攻撃的なヒト肺カルシノマ細胞(A549細胞系)にてアッセイした。非オゾン化ヒマワリ種子油を比較コントロールとして使用した。処置は細胞を油と二時間接触させ、次いで洗浄することからなった。実験は四重に繰り返した。処理しない、または非オゾン化ヒマワリ種子油で処理する細胞は急速に増殖し、72時間後に増殖板(growth plate)においてコンフルエンスに達する。本発明の油で処理した細胞は最初の24時間において増殖での困難性を示し、その後それらは細胞増殖床の消失および上澄みにおける死細胞および拡散アポトーシス体のわずかな存在を伴い72時間で最高点に達する細胞死を急速に受けた。図2aは実験において得られる結果を示す。
【0152】
オゾン化油(ozonized oil)により処理する細胞の死はまたセクターにおいて標準プロトコルに従ってTrypan blueにより選択的に染色することによっても実証した(図2b)。
【0153】
特に、A549系統の細胞は細胞培養のために75cm2のフラスコにおいて播種し、およびDMEMにおける10%v/vの濃度にてオゾン化ヒマワリ油(General Service, Spain(ジェネラル・サービス、スペイン)により処理した。コントロールは75cm2のフラスコにおいてA549を同じ濃度のヒマワリ油(EMI)により処理することによって行った。処理の4時間後、Strober(ストローバー)らによって報告されるように、細胞のアリコートを各フラスコから採取し、顕微鏡スライド上に置き、およびトリパンブルーで染色した(Strober W.、Trypan Blue Exclusion Test of Cell Viability(細胞生存率のトリパンブルー排除テスト)。Curr Protoc Immunol.(カレント・プロトコルズ・イン・イムノロジー)。2015年11月2日;111:A3.B.1-3)。
【0154】
例3
新生物性(neoplastic、腫瘍性と言うこともある)細胞における細胞内レベルでの作用機序
【0155】
本発明の生産物がガン細胞死を誘発する動態は正常な細胞内およびトリクローム蛍光顕微鏡法を使って調べ、そこで核をブルーに、ミトコンドリアおよび細胞膜をグリーンに、ヒマワリ種子油およびオゾン化油をレッドに染色した。
【0156】
A549系統の8×104細胞を顕微鏡カバースリップ(20×20mm)に播種した。翌日、細胞をオゾン化ヒマワリ油(700meq O2/kgに等しいオゾン化物の含量)(General Service, Spain)により異なる濃度(DMEMにおいて10%および80%v/v)にて二時間処理した。コントロールは非オゾン化ヒマワリ油(EMI Supermercati, Italy(EMIスーペルメルカーティ、イタリア))を使用して、処理と同じ濃度および同じ時間の期間行った。図3aは10%v/vオゾン化油(クリア反射性液胞)の細胞質部位への細胞内浸透を示す。
【0157】
油を除去するために、24時間後、細胞をPBS(Phosphate Buffer Saline(リン酸緩衝塩類溶液)、Euroclone(ユーロクローン)、Milan(ミラノ)、Italy)において0.1%のNonidet(ノニデット)P-40(Sigma-Aldrich(シグマ-アルドリッチ)、Milan、Italy)を含む溶液にて、および続いてPBS単独で洗浄した。洗浄後、細胞を4%のParaformaldehyde(パラホルムアルデヒド)により37℃にて10分間固定し、およびChen(チェン)ら、Tarnowski(タルノフスキー)ら、Koning(コニング)ら、Johnson(ジョンソン)ら、(Chen Wら、A high throughput Nile red method for quantitative measurement of neutral lipids in microalgae(微細藻類における中性脂質の定量的測定のためのハイスループットナイルレッド法)。J Microbiol Methods(ジャーナル・オブ・マイクロバイオロジカル・メソッズ)。2009年四月;77(1):41-7;Tarnowski BIら、DAPI as a useful stain for nuclear quantitation(核定量のための有用な染色剤としてのDAPI)。Biotech Histochem.(バイオテクニック&ヒストケミストリー)1991;66(6):297-302.;Koning AJら、DiOC6 staining reveals organelle structure and dynamics in living yeast cells(DiOC6染色は生きている酵母細胞における細胞小器官の構造およびダイナミクスを明らかにする)。Cell Motil Cytoskeleton(セル・モーティリティー・アンド・ザ・サイトスケルトン)。1993;25(2):111-28;Johnson LVら、Localization of mitochondria in living cells with rhodamine 123(ローダミン123による生細胞内のミトコンドリアの局在)。Proc Natl Acad Sci USA.(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)1980年二月;77(2):990-4)によって報告されるように、DIoC6、Nile Red(ナイルレッド)、Rhodamine(ローダミン)およびDAPIにより最終的に染色した。
【0158】
非オゾン化ヒマワリ種子油は細胞(細胞質)中に最小限しか浸透しておらず、そこでそれは小さな明確に規定する液胞に区画化されていたことが観察された。逆に、オゾン化油はおそらく細胞を外部環境から区切る原形質膜を含め、細胞膜を酸化するその独特の(peculiar)能力のために細胞質中に十二分に浸透した。それが細胞質中に浸透すると、オゾン化油は液胞において初期にトラップされ;しかし、これらの液胞の膜は急速に酸化され、および膜のグリーンおよび細胞内小器官(ミトコンドリア)にスーパーインポーズしたレッドハローを生成することによって油が細胞質において拡散した。10%v/vオゾン化油に関する結果を図3bに報告する。
【0159】
これらの事象は24時間で最高度に達し、および次いで本発明の油により処理された細胞が死滅した。したがって、本発明のオゾン化油が新生物性細胞の内部に浸透し、そこでそれが細胞質の酸化的損傷を生成することは明らかである。この事象に最も敏感な細胞小器官はミトコンドリアである。新生物性細胞のミトコンドリア膜の酸化はアポトーシス、および従って新生物性細胞の死を活性化することが可能である。
【0160】
次に、オゾン化油により処理した細胞のミトコンドリア機能の状態はミトコンドリア損傷の直接的な指標として赤色蛍光色素(ローダミン2)を使用してミトコンドリアによるカルシウムの放出を評価することによって分析した。
【0161】
エンドポイントはヒマワリ油(コントロール)によりまたは培地に関して10%v/vおよび80%v/vの用量のオゾン化油により処理したA549新生物性細胞において測定した。使用したオゾン化油の量に依存する単一用量における細胞質内カルシウムの放出での増加が検出された。
【0162】
次いで、ミトコンドリア膜の選択的染色は緑色染色(DiOC6)を使って実行し、オゾン化油により処理した細胞に関するコントロールにおけるシグナル強度の変動が確認された。細胞質(そこでミトコンドリアが位置する)におけるシグナル強度の著しい低下はオゾン化油により処理した細胞において観察した;この結果はオゾン化油による処理によって誘発されたミトコンドリア膜の損傷を指示する。大きな細胞質脂質液胞もまた、処理された細胞において観察された。これらの液胞には、細胞によって異化されない酸化脂質が含まれ、従ってそれは高レベルのミトコンドリア損傷のために脂質を異化することができない細胞を特徴付ける"フォーミング細胞(foaming cell)"があるように見えてくる。したがって、オゾン化油により処理された細胞におけるそのような液胞の存在は本発明の調剤物の作用がミトコンドリア膜に優先的および直接作用することのさらなる証拠である。
【0163】
次いで、細胞内カルシウムの放出およびミトコンドリア膜の損傷を分析する画像のデジタルスーパーインポジションを実行した(図4)。画像はレッドおよびグリーンのほぼ完全なスーパーインポジションに由来するイエロー着色を帯びる。この結果は細胞内カルシウム(レッド)がオゾン化油によって損傷を受けたミトコンドリア(グリーン)膜によって正確に放出されることを指し示す。実際、このスーパーインポジション(イエロー着色)はミトコンドリア膜が損傷しておらず、および従ってグリーンに染色され、およびミトコンドリアによってカルシウムが放出されないコントロール細胞においては存在しない。
【0164】
この結果は本発明の調剤物の治療上作用のメカニズムが固有の細胞アポトーシスの結果としての活性化を伴うミトコンドリア損傷の細胞内誘導のどのような状態であるかを実証する。
【0165】
例4
細胞生存率に関する様々な油の比較テスト
【0166】
他のオゾン化油に関して本発明の調剤物の油の効果の独自性を評価するために、比較実験を実行した。
【0167】
A549退形成性(A549 anaplastic、A549未分化とも言う)カルシノマ細胞は種々の低オゾン化物オゾン化油または本発明の油の存在下で、700(「OOAO 700」)および1100meq O2/kg(「OOAO 1100」)にて増殖させた;細胞死を誘発するそれらの能力は以下のプロトコルに従ってクリスタルバイオレットによる生体染色によって評価した。
【0168】
A549系統の細胞を96マイクロウェル平底プレートに100μLのDMEM培地(Sigma-Aldrich、Milan、Italy)においてウェルあたり6×103細胞の密度で播種した。翌日、10μlのオゾン化ヒマワリ油(General Service、Spain)を各ウェルに添加し、および細胞をCO2インキュベーターにおいて37℃で24時間インキュベーションした。コントロールは処理と同じ濃度および同じ時間の期間にてヒマワリ油(EMI Supermercati、Italy)を使用して行った。インキュベーション後、細胞はPBS(Euroclone、Milan、Italy)において0.1%のNonidet(ノニデット)P-40(Sigma-Aldrich、Milan、Italy)を含む溶液により初期に、および続いてPBSにより洗浄した。細胞生存率はFeoktistovaら、Crystal Violet Assay for Determining Viability of Cultured Cells(培養細胞の生存率を決定するためのクリスタルバイオレットアッセイ)。Cold Spring Harb Protoc.(コールド・スプリング・ハーバー・プロトコルズ);2016(4):pdb. prot087379]によって報告されるようにクリスタルバイオレットにより染色することによって評価した。結果は、マイクロプレート光度計(Multiskan(マルチスキャン)FC、Thermo Scientific(サーモフィッシャー・サイエンティフィック))において570nmの波長にて読み取った。
【0169】
以下の調製物は、処理されない、または非オゾン化ヒマワリ油:VO3活性スプレー(Benedetti & Co Biosolutions Srl(ベネデッティ&コ・バイオソリューションズ有限責任会社)、Brescia(ブレシア)、Italy)、オゾン化オリーブオイル(Vegetal Progress(ベジタル・プログレス)Srl、Turin(トリノ)、Italy)、EMIヒマワリ油(EMI Supermercati、Italy)、Cream oil Ozone Elite(クリーム・オイル・オゾン・エリート)(ECS Elitegroup(ECSエリートグループ))、Cream oil Ozonia 10(クリーム・オイル・オゾニア10)(Innovares(イノベアーズ)Srl、Italy)、Olive oil 03 Tu Piel(オリーブオイル03ト・ピール(Qualified naturopath(クオリファイド・ナチュロパス)、UK(英国))、Oil Ozofarm(オイル・オゾファーム)(Ozofarm、Parma(パルマ)、Italy)、本発明の油によりOOAO 700およびOOAO 1100にて処理されるコントロールに関して評価した。
【0170】
得られた結果を図5において報告し、各調製物について、処理後もまだ生存可能な細胞の量(未処理のコントロールに対するパーセンテージ、100%の生存率)が指し示される。すべての実験は8回繰り返した。
【0171】
得られた結果はコントロールに関してオゾン化油の存在下で細胞の生存が減少することを指し示す。しかしながら、先行技術のオゾン化油調製物のいずれも、生存細胞のパーセンテージを20%未満に低下させることが可能でない。この結果を達成させる能力がある調製物はOOAO 700およびOOAO 1100だけである。実際、生き残った細胞のパーセンテージはOAOO 700では6.78%に過ぎず、OOAO 1100の場合、最小観察値は2.7%低下する。
【0172】
例5
油ベースのオゾン化シロップの抗炎症力の測定
【0173】
例1の油ベースの(oil-based、油性)オゾン化シロップの抗炎症力は、T0(本発明の調剤物の投与前)およびT1(研究の終了にて)の時点でフローシトフルオロメトリーによる二体の処置されたボランティアにおけるリンパ球亜集団の比較様式において評価することによってインビボで評価した。対象(健康で重量70kg、54年齢)は食物の間に一日二回の12mlの用量にて1週間2.5%オゾン化シロップにより処置した。マクロファージおよびリンパ球の炎症促進性活性化はシトフルオロメトリー(citofluorimetry)によって処置の前後に末梢血において評価した。得られた結果を図6において報告し、それはCD38(白血球マーカー、縦軸)によりおよびHLAdr(マクロファージ活性化のマーカー、横軸)によるマーキングに従い白血球分布の散布図を示す。図はマクロファージ活性化マーカー(HLAdr)のT0に関してT1の著しい減少を指し示し(矢印);代わりに防御免疫の原因となるリンパ球亜集団において変化は観察されなかった。
【0174】
これらの結果は当調剤物が免疫抑制を誘発することなく抗炎症効果を発揮することが可能であることを指し示す。
【0175】
例6
分化したヒトケラチン形成細胞の処理
【0176】
当調剤物の安全性および健康な細胞における細胞変性効果を誘発することのその無力を評価するために、ヒト分化ケラチン形成細胞を例2および3に既に記載された実験プロトコルに従ってオゾン化ヒマワリ種子油(700meq O2/kg)で処理した。結果は細胞生存率の何らかの変更または細胞変性効果の何らかの存在を検出することなく48時間および72時間にて調べた。
【0177】
調剤物の安全性はまた、シロップで処理された二体のボランティア(例5のもの)において伝統的な血液化学パラメータを分析して、インビボで評価した:基礎生理学的状態の変化の不存在が観察された。
【0178】
例7
インビボ臨床例
【0179】
次いで、これまでに説明した実験モデルにおいて観察された治療上の効果がインビボの状況に移行可能であったかどうかを検証するために、インビボ実験を動物において行った。特別な配慮により認められた処置は認められた有効性を伴う治療法がない深刻な自然発生腫瘍学的疾患に苦しむ動物において獣医学的コントロール下で行った。得られた結果のいくらかの例を以下に報告する。
【0180】
症例1.組織学的に確認された扁平上皮類表皮鼻カルシノマ(squamous cell epidermoid nasal carcinoma)の8年齢の雄性ネコ(図7a)。このカルシノマは、その攻撃性およびこの動物でのその急速な発達について既知であり、そのものの迅速な安楽死が通常必要となるためである。病気の急速な進展について、局所的および全身的な副作用ならびに放射線療法の費用について、「慣習的な」手術の「デモリション(demolition)」効果について知らされ、オーナーは、浸潤によって、経口経路によって、およびオゾン化油の局所適用によっての施与を選んだ。
この臨床例で従うプロトコルは次のとおりであった:
患部(affected part)への、20日間の新生物性腫瘤(neoplastic mass)における多重の(multiple)局所的注入(セッションあたり6)でのOOAO 700(700meq O2/kg)、セッションあたり1ml(4セッション、合計4セッションについて5日ごとに1セッション)の浸潤。最初の浸透の同じ日から開始して、オゾン化ヒマワリ油(700meq O2/kg、「OOAO 700」)の朝での、および夕方での5滴の投薬量にて、湿性食物においての経口投与で、そこでは対象は通常21日間給餌された(成ネコ用のウェットフードの缶またはバッグ)。病変によって影響を受けた部分に局所的に、豊富な量のOOAO700ヒマワリ油で、最初の浸潤の同じ日から開始して、病変部周囲の(perilesional)皮膚を含めて、それを十分に覆うのに足りるものの一日二回を適用し、適用は21日について繰り返した。
【0181】
処置の開始後24時間で、新生物が存在する領域の壊死の発生が認められた(図7b)。
【0182】
72時間後、痂皮(eschar)は柔らかくなり、およびオーナーによって簡単に取り除くことができた(図7c)。
【0183】
七日後、痂皮は十分に排除された。プローブと鼻の皮膚との接触点にて大きな潰瘍が残った(図7d)。
【0184】
10日後、潰瘍のほぼ十分な治癒が鼻の先端全体の新生上皮化(neo-epithelialization)を伴って注目された(図7e)。
【0185】
第三週の終わりに、鼻の先端の表面の十分な「restitutio ad integrum」を行った。オーナーは対象の健全性(well-being)明らかな状態を考慮して、すべての治療を中止することを決定した(図7f)。
【0186】
それゆえ、治療は中断され、動物は新生物性疾患の再発を見出すことなく8か月間観察下に置かれ、それは従って根絶された。これまで、10か月よりも長期の後、対象は優れた健康状態にあり、および腫瘍の再増殖の兆候は見られない。オーナーは何らか嗅覚欠損なしに通常の生活に十分に戻ったことを報告する。
【0187】
例8
第二のインビボ臨床症例
【0188】
症例2.組織学的に確認された扁平上皮潰瘍性直腸カルシノマを有する年齢5のウサギ(図8a)。病変は非常に悪性で、炎症を起こし、および出血していた。
【0189】
その領域の繊細さおよび便失禁の外科的リスクを考慮して、オゾン化油による健康な領域の保護的使用により凍結手術(cryosurgery)を行うことが決定された。
【0190】
介入前に、朝および夕の5滴のオゾン化ヒマワリ油(OOAO 700、700meq O2/kg)の7日の経口摂取を開始し、それは寒冷療法(cryotherapy)後10日まで継続した。介入の日に、対象の準備は、病変部周囲の皮膚(perilesional skin)を含め、罹患領域(affected area)を十分に覆うように、罹患領域全体に非常に注意深く油を塗ることによって行った(図8b)。浸潤はまた、罹患領域への介入(OOAO 700、例1においてすでに説明したように、新生物性腫瘤における多重の局所的注入でのセッションあたり1ml)の後に実行した。図8cは手術の手法(execution)を示し、その一方で図8dは新形成(neoformation、新生物とも言う)の十分な凍結を示す。局所適用および経口投与は介入後10日まで続けた。介入後7日目でも、壊死物質の存在が注目され、およびその領域は充血しているように見えた(図8e)。介入の十日後、壊死物質はなく、およびその部分の浮腫および周囲の血管新生した炎症性ハローは目に見えて減少した(図8f)。介入後二十八日目に、新生物によって影響を受けた領域の十分なrestitutio ad integrumが観察された(図8g)。
【0191】
いままでのところ(11か月後)、局所的な再増殖または転移の兆候は存在せず、および対象は排便または排尿の間に何ら問題を示さない(図8h)。
【0192】
例9
CASO 3
人間の臨床例
【0193】
組織病理学的に確認された悪性有棘細胞(malignant spino-cell)類表皮カルシノマ(epidermoid carcinoma)の年齢93の女性患者。新生物は頭頂葉における頭皮に位置し、および極端な侵襲性と最初からの急速な進行の特徴を示した。実際、脳の症例はわずか数週間において侵入し、その結果として頭頂骨溶解が生じた。新生物はすぐにその進行を続け、頭蓋骨の内部に浸透し、およびくも膜に近づく。これらのデータはコンピューター断層撮影によって実証した。新生物はかなりの大きさを除いて現れ、頭蓋円蓋(cranial vault)全体を覆い、内部に向けて増殖する(頭蓋骨の内側)だけでなく、外方に増殖する(新生物性腫瘤の頭蓋骨の外側の突出部)増殖も顕著に伴う。新生物は高レベルの退形成、急速な進行、著しい大きさの新生物性潰瘍の存在、病変部周囲縁(perilesional margins)の顕著な炎症、および新生物性潰瘍の周囲の領域における肉芽腫組織からの修復の現象の総体的不存在によって特徴付けられる高度に悪性であると思われた。患者は苦しみ、および熱っぽかった。
【0194】
新生物性腫瘤の拡大および対象の老齢のために外科的に介入することが可能でなかったため、それぞれ2Gyの8つのセッションにより局所の緩和放射線療法に介入することを決定した。このタイプのガンは放射線療法にほとんどわずかにしか反応しないため、直接の経験から、このアプローチは関係する放射線療法士によって純粋に緩和的であると予想された。したがって、カルシノマに関する潰瘍への局所的適用によってオゾン化ヒマワリ油を1100オゾン化物(「OAOO 1100」)にて使用することが決定された。
【0195】
したがって、放射線療法に関するOAOO 1100の適用の瞬間の問題、すなわち、生産物がガンマ放射線による処置の前または後に適用されなければならないかどうかという問題が生じた。この目的のために、退形成性A549カルシノマ細胞をOOAO 1100およびOOAO 700(700オゾン化物でのオゾン化ヒマワリ油)による前処理および後処理条件下の双方で電離放射線(2Gy)に曝露するインビトロ実験を実行した。したがって、細胞の生存は放射線に曝されたがオゾン化ヒマワリ油により処理されていないコントロール細胞に関してクリスタルバイオレットテストを使って比較評価した。実験はマルチプレートにおいて16回、合計48の実験が繰り返された(3つの実験条件×16回の繰り返し)。得られた結果を図9に報告する。
【0196】
得られた結果はOOAO 700およびさらに多くのOOAO 1100の強力な放射線増感効果を指し示した。見出された最大の効果はガンマ線への曝露後に施与されたときのOOAO 1100のものであった。メカニズムの観点から、この効果は遺伝子毒性の放射線損傷を受けた細胞におけるオゾン化油によって活性化された内因性ミトコンドリアアポトーシスの活性化と一致する。したがって、処置後のレジームにおいて、即ち、各放射線療法セッションの終わりにOOAO 1100を使用することが決定された。したがって、第一の放射線療法セッションの終わりに4℃にてゲル化したOOAO 1100はガラス沈殿器を使って新生物性病変上に配置し、ならびにガーゼおよび疎水性包帯によりコーティングした。
【0197】
処置は各々のそれらの間の間隔を2日として合計8回の連続的なセッションで継続した。OOAO 1100による投薬は各セッションの終わりに更新した。したがって、OOAO 1100はセッション間の間隔期間中に48時間動作するように配置したままであった。
【0198】
肉眼的分析はその広さ(amplitude)およびその深さの双方の観点から新生物性腫瘤のサイズの強い減少を明らかに示した。病変の縁での修復肉芽組織の形成も注目された。
【0199】
次いで、放射線療法を停止し、およびOOAO 1100による局所的な処置だけを継続した。その後、新生物は増殖を再開しなかったが、その退行を続けた。
【0200】
これらのデータは放射線処置がない場合でも、腫瘍に対するOOAO 1100の特異的な抑制効果を証明する。フォローアップの終わりに、新生物性組織の共同壊死に起因する滲出性物質の柔らかい痂皮だけが持続した。
【0201】
OOAO 1100の局所的な適用が酸化的なバランスに及ぼす全身的影響を有したかどうかを検証するために、OOAO 1100による処置の開始前(T0)およびその終り(T1)にてFras(Free Radical Analysis(フリー・ラジカル・アナリシス、Fras 4 Evolvo(エボルボ)、H&D、Parma Italy(パルマ・イタリー))を使用してフリーラジカル分析を血しょうで実行した。T0では、パラメータは特に低い酸化性種の値、すなわち、38 U carr(正常範囲250-280)により劇的に変化した。並行して、抗酸化物質は8318 U cor(正常範囲2200-2800)の値により強く増加した。したがって、酸化防止剤/酸化剤のバランス(U cor/U carr比)は219(正常範囲7-10)であった。これらの結果はかなりの大きさの新生物性腫瘤の存在が全身の酸化的損傷のレベルでの大幅な低下を意味することを実証する。T1では、値は次のように変化し:201 U carr、7544 U cor、37 U cor/U carr。したがって、酸化性種の530%の増加、酸化防止剤の13%の減少、U cor/U carr比の583%の減少が観察された。これらの値は新生物性腫瘤の退行がOOAOによる処置によって誘発される酸化的バランスの変動に関連することを指し示す。
【0202】
処置の終わりに、患者の健康状態は良好であり、およびもはや苦しみまたは熱っぽさはなかった。OOAO 1100による処置または放射線療法への曝露に関連することができる主観的および客観的の双方の望ましくない影響は処置の間には決して見出せなかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a)】
図7b)】
図7c)】
図7d)】
図7e)】
図7f)】
図8a)】
図8b)】
図8c)】
図8d)】
図8e)】
図8f)】
図8g)】
図8h)】
図9
【国際調査報告】