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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】エスカレータの手すりの洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
B66B31/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543316
(86)(22)【出願日】2019-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 KR2019006377
(87)【国際公開番号】W WO2020111415
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0150203
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521325639
【氏名又は名称】ソウアイティー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SWIT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B-1611, 70, Dusan-ro Geumcheon-gu Seoul 08584 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク キョンホ
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321GA31
3F321HA10
3F321HA23
3F321HA26
(57)【要約】
一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置は、エスカレータの手すりと洗浄部を収容するケースと、前記ケースの内部に配置されて前記エスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる自家発電部と、前記エスカレータの手すりの動作状態に対する情報を管制センターに伝達するための通信部と、を含み、前記洗浄部は複数個のローラを含む。少なくとも一つのローラは、前記エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって前記エスカレータの手すりの予め設定された回転方向の逆方向である第1方向に無動力回転されるが、前記少なくとも一つのローラの回転力によって他のローラが回転され、前記他のローラは回転しながら前記エスカレータの手すりを消毒または洗浄する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータの手すりと洗浄部を収容するケースと、
前記ケースの内部に配置されて前記エスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる自家発電部と、
エスカレータの手すりを洗浄する洗浄部と、
前記エスカレータの手すりを制御する制御部と、
を含み、
前記洗浄部は複数個のローラを含み、
少なくとも一つのローラは、前記エスカレータの手すりの表面を接触して発生する摩擦力によって前記エスカレータの手すりの予め設定された回転方向の逆方向である第1方向に無動力回転され、
前記少なくとも一つのローラの回転力によって他のローラが回転されるが、前記他のローラは回転しながら前記エスカレータの手すりを消毒または洗浄し、
前記少なくとも一つのローラの一側には前記少なくとも一つのローラの回転方向を感知する第1センサ要素が配置され、
前記制御部は、前記第1センサ要素によって前記少なくとも一つのローラが第1方向に回転することを感知したらエスカレータの作動を正常と判断し、前記第1センサ要素によって前記少なくとも一つのローラが回転しないことを感知したらエスカレータの作動が停止したと判断し、前記第1センサ要素によって前記少なくとも一つのローラが前記第1方向に逆方向である第2方向に回転していることを感知したらエスカレータの作動が異常であると判断する、エスカレータの手すりの洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄部は、
前記エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって前記第1方向に無動力回転する第1ローラと、
前記第1ローラの回転力によって前記第1方向の逆方向である第2方向に回転し、表面に噴射された消毒液を利用して手すりの異物を除去し消毒する第2ローラと、
前記第1ローラの回転力によって前記第1方向に回転し、前記手すりの表面についている消毒液を洗浄する第3ローラと、
前記第1ローラの回転力によって前記第2方向に回転し、前記手すりの表面に残存する消毒液を再度洗浄する第4ローラと、
を含み、
前記第1ローラの一側に前記第1センサ要素が配置される、請求項1に記載のエスカレータの手すりの洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄部は、
前記第1ローラ乃至前記第4ローラを収容するフレーム、
を更に含み、
前記フレームの両側面にはそれぞれ複数個の孔が順次に形成されるが、前記第1ローラ乃至前記第4ローラは、それぞれローラを貫通する回転軸によって前記フレームの両側面に形成されている孔にそれぞれ脱着される、請求項2に記載のエスカレータの手すりの洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄部のフレームの下側に配置されて前記フレームと連結される弾性要素、
を更に含み、
前記弾性要素によって前記洗浄部は弾力的に上側または下側に移動されることで、前記第1ローラ乃至前記第4ローラは前記エスカレータの手すりの表面と接触する、請求項3に記載のエスカレータの手すりの洗浄装置。
【請求項5】
第1ローラが配置される部分のフレームの上に連結される第1弾性要素と、
第2ローラ乃至第4ローラが配置される部分のフレームの上に連結される第2弾性要素と、
を更に含み、
前記制御部は、前記第1弾性要素の弾性力が前記第1ローラと前記エスカレータの手すりの表面が密着するように設定された第1既設定圧力に対応するように前記第1弾性要素を制御し、
前記制御部は、前記第2弾性要素の弾性力が前記第2ローラ乃至第4ローラと前記エスカレータの手すりの表面が当たるように設定された第2既設定圧力に対応するように前記第2弾性要素を制御する、請求項4に記載のエスカレータの手すりの洗浄装置。
【請求項6】
前記第1ローラの表面の一部には前記第2ローラの表面に残存する消毒液の濃度を感知する第2センサ要素が配置されるが、
前記制御部は、前記第2ローラの表面に噴射される消毒液の量を制御し、
前記第2センサ要素によって感知される消毒液の濃度に基づいて、前記制御部は前記第2ローラの表面に噴射される消毒液の量を制御する、請求項5に記載のエスカレータの手すりの洗浄装置。
【請求項7】
前記自家発電部は、
前記エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって回転しながら前記エスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる発電要素と、
前記発電要素によって生成された電気エネルギーを貯蔵する充電要素と、
前記発電要素が前記エスカレータの手すりの表面と接触するように前記発電要素の位置を移動させる移動要素と、
を含み、
前記移動要素によって前記発電要素は一軸を中心に回転される、請求項6に記載のエスカレータの手すりの洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記実施例は、エスカレータの手すりの洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エスカレータ(escalator)はエレベータ(elevator)と共に代表的な上下運送手段であり、このようなエスカレータはエレベータより輸送能力(6,000~9,000人/hr、エレベータの約10倍)が優秀で短時間に多くの乗客を移動させることができるため、デパート、大型ビル、ホテル、地下鉄、空港など人々の通行が頻繁なところに主に設置されるが、特に、最近は大型ディスカウントストアが急激に増加するにつれ、エスカレータも急激な増加傾向にある。
【0003】
前記のようなエスカレータは階段が動いて人々を移動させるものであって、搭乗者の安全のために必ず手すりを持って乗るべきであるが、このようなエスカレータの手すりは安全上の理由で搭乗と共に持っているべきである。
【0004】
通常のエスカレータは一定な軌道を循環しながら乗客を輸送するステップと、前記ステップの両側に設置されて取っ手の役割をする手すりと、前記ステップ及び手すりを駆動する駆動装置と、を含んで構成される。
【0005】
このように構成されるエスカレータは、駆動装置を作動したらステップ及び手すりが一定軌道に沿って一定速度で循環しながら乗客を運ぶようになる。よって、エスカレータに登場した乗客は手すりさえ持っていれば安全に目的地まで移動することができる。
【0006】
一方、エスカレータに設けられている手すりは、エスカレータを利用する際に発生し得る安全事故を予防するための手段であって、多くの乗客の手との接触が不可避である。よって、衛生上、以下に述べる問題点を持っている。第一に、乗客の手から分泌された汗などの各種異物によって手すりの表面が容易に汚くなって美観上好ましくない。第二に、上述したように多くの乗客の手と接触するようになるため、細菌による汚染が深刻である。
【0007】
ちなみに、手すりとトイレの便器を比べる際、トイレの便器がより汚染されているという一般的な考えとは異なって、手すりでより多くの細菌が検出されたという調査結果をみるとその深刻性が分かるはずである。
【0008】
このような問題点を解決しようと多様な方法が講じられてきたが、現在最も多く移用されている方法のうち一つは、作業者が洗剤と布などを利用して手すりを直接拭く方法である。
【0009】
しかし、このような方法は手作業によって行われるため効率が落ちるしかなく、作業者の目が届かないところは見逃しやすい。また、このような方法は単に異物を除去する程度の作業に過ぎないため、殺菌効果を全く期待することができず、そのため肉眼で見たら清潔に見えるかもしれないが、細菌はそのまま残っているという問題点がある。
特許文献1には、エスカレータの手すりのクリーナについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許 第2009-0080655号(公開日:2009年8月28日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一実施例による目的は、エスカレータの手すりが回転する場合、前記手すりとの摩擦力によって無動力で動作するエスカレータの手すりの洗浄装置を提供することである。
【0012】
一実施例による目的は、エスカレータの手すりを洗浄すると共に手すりの逆回転を感知するセンサを介して、手すりの逆回転が感知されたらそのような情報を管制センターに伝達することで安全事故を予防し得るエスカレータの手すりの洗浄装置を提供することである。
【0013】
一実施例による目的は、弾性要素によって弾力的に位置が調整されることで、多様な種類のエスカレータの手すりに対して円滑な洗浄を行うことができるエスカレータの手すりの洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置は、エスカレータの手すりと洗浄部を収容するケースと、前記ケースの内部に配置されて前記エスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる自家発電部と、エスカレータの手すりを洗浄する洗浄部と、前記エスカレータの手すりを制御する制御部と、前記エスカレータの手すりの動作状態に対する情報を管制センターに伝達するための通信部と、を含み、前記洗浄部は複数個のローラを含む。
【0015】
少なくとも一つのローラは、前記エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって前記エスカレータの手すりの予め設定された回転方向の逆方向である第1方向に無動力回転されるが、前記少なくとも一つのローラの回転力によって他のローラが回転され、前記他のローラは回転しながら前記エスカレータの手すりを消毒または洗浄する。
【0016】
前記少なくとも一つのローラの一側には前記少なくとも一つのローラの回転方向を感知する第1センサ要素が配置されるが、前記制御部は、前記第1センサ要素によって前記少なくとも一つのローラが第1方向に回転することを感知したらエスカレータの作動を正常と判断し、前記第1センサ要素によって前記少なくとも一つのローラが回転しないことを感知したらエスカレータの作動が停止したと判断し、前記第1センサ要素によって前記少なくとも一つのローラが前記第1方向に逆方向である第2方向に回転していることを感知したらエスカレータの作動が異常であると判断する。
【0017】
また、前記制御部によってエスカレータの作動が異常と判断されたら、自体的に警告音を発生する。または、このような場合、前記通信部が前記管制センターに前記エスカレータの手すりが予め設定された回転方向に対して逆方向に回転されていることを警告する。
【0018】
前記洗浄部は、前記エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって前記第1方向に無動力回転する第1ローラと、前記第1ローラの回転力によって前記第1方向の逆方向である第2方向に回転し、表面に噴射された消毒液を利用して手すりの異物を除去し消毒する第2ローラと、前記第1ローラの回転力によって前記第1方向に回転し、前記手すりの表面についている消毒液を洗浄する第3ローラと、前記第1ローラの回転力によって前記第2方向に回転し、前記手すりの表面に残存する消毒液を再度洗浄する第4ローラと、を含み、前記第1ローラの一側に前記第1センサ要素が配置される。
【0019】
前記洗浄部は、前記第1ローラ乃至前記第4ローラを収容するフレームを更に含み、前記フレームの両側面にはそれぞれ複数個の孔が順次に形成されるが、前記第1ローラ乃至前記第4ローラは、それぞれローラを貫通する回転軸によって前記フレームの両側面に形成されている孔にそれぞれ脱着される。
【0020】
前記エスカレータの手すりの洗浄装置は、前記洗浄部のフレームの下側に配置されて前記フレームと連結される弾性要素を更に含み、前記弾性要素によって前記洗浄部は弾力的に上側または下側に移動されることで、前記第1ローラ乃至前記第4ローラは前記エスカレータの手すりの表面と接触する。
【0021】
前記エスカレータの手すりの洗浄装置は、第1ローラが配置される部分のフレームの上に連結される第1弾性要素と、第2ローラ乃至第4ローラが配置される部分のフレームの上に連結される第2弾性要素と、を更に含む。
【0022】
前記制御部は、前記第1弾性要素の弾性力が前記第1ローラと前記エスカレータの手すりの表面が密着するように設定された第1既設定圧力に対応するように前記第1弾性要素を制御する。
【0023】
また、前記制御部は、前記第2弾性要素の弾性力が前記第2ローラ乃至第4ローラと前記エスカレータの手すりの表面が当たるように設定された第2既設定圧力に対応するように前記第2弾性要素を制御する。
【0024】
前記第1ローラの表面の一部には前記第2ローラの表面に残存する消毒液の濃度を感知する第2センサ要素が配置されるが、前記制御部は、前記第2ローラの表面に噴射される消毒液の量を制御し、前記第2センサ要素によって感知される消毒液の濃度に基づいて、前記制御部は前記第2ローラの表面に噴射される消毒液の量を制御する。
【0025】
前記自家発電部は、前記エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって回転しながら前記エスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる発電要素と、前記発電要素によって生成された電気エネルギーを貯蔵する充電要素と、前記発電要素が前記エスカレータの手すりの表面と接触するように前記発電要素の位置を移動させる移動要素と、を含み、前記移動要素によって前記発電要素は一軸を中心に回転される。
【0026】
前記第2ローラの表面に噴射される消毒液は、アルコールまたは二酸化塩素であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置は、エスカレータの手すりが回転する場合、前記手すりとの摩擦力によって無動力で動作する。
【0028】
一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置は、エスカレータの手すりを洗浄すると共に手すりの逆回転を感知するセンサを介して、手すりの逆回転が感知されたらそのような情報を管制センターに伝達することで安全事故を予防する。
【0029】
一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置は、弾性要素によって弾力的に位置が調整されることで、多様な種類のエスカレータの手すりに対して円滑な洗浄を行う。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】通常のエスカレータを概略的に示す図である。
図2】一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の斜視図である。
図3】一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の側面に対する透視図である。
図4】一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の洗浄部の側面に対する透視図である。
図5】一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置がエスカレータに取り付けられている状態を示す図である。
図6】一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の作動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は、実施例の多様な様態(aspects)のうち一つであり、下記記述(description)は実施例に関する詳細な記述(detailed description)の一部を成す。
【0032】
但し、一実施例を説明するに当たって、公知の機能或いは構成に関する具体的な説明は本発明の要旨を明瞭にするために省略する。
【0033】
また、本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語や単語は通常的であるか辞書的な意味で解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るとの原則に立脚して、一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の技術的思想に符合する意味と概念で解釈すべきである。
【0034】
よって、本明細書に記載の実施例と図面に示した構成は、一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の最も好ましい実施例に過ぎず、一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願時点において、これらを代替し得る多様な均等物と変形例が存在し得るということを理解すべきである。
【0035】
図1は、通常のエスカレータを概略的に示す図である。図2は、一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の斜視図である。図3は一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の側面に対する透視図であり、図4は一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の洗浄部の側面に対する透視図である。図5は一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置がエスカレータに取り付けられている状態を示す図であり、図6は一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置の作動状態を示す図である。
【0036】
図1を参照すると、通常のエスカレータは一定な軌道を循環しながら乗客を輸送するステップ1と、前記ステップ1の両側に設置されて取っ手の役割をする手すり2と、前記ステップ1及び手すり2を駆動する駆動装置3と、を含む。
【0037】
この際、一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置は、前記エスカレータの一側に配置されて前記手すりの表面を洗浄し消毒するためのものである。
【0038】
図2を参照すると、一実施例によるエスカレータの手すりの洗浄装置10は、エスカレータの手すりと洗浄部300を収容するケース100と、ケース100の内部に配置されて前記エスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる自家発電部200と、エスカレータの手すりを洗浄する洗浄部300と、前記エスカレータの手すりの洗浄装置10を制御する制御部(図示せず)と、エスカレータの手すりの動作状態に対する情報を管制センターに伝達するための通信部(図示せず)と、を含み、洗浄部300は複数個のローラを含む。
【0039】
この際、少なくとも一つのローラは、エスカレータの手すりの表面を接触して発生する摩擦力によってエスカレータの手すりの予め設定された回転方向の逆方向である第1方向に無動力回転される。また、前記少なくとも一つのローラの回転力によって他のローラが回転されるが、前記他のローラは回転しながらエスカレータの手すりを消毒または洗浄する。
【0040】
詳しくは、洗浄部300は、エスカレータの手すりの表面と接触してエスカレータの手すりから駆動力を伝達されて回転する摩擦ローラ310と、摩擦ローラ310から駆動力を伝達されて回転する少なくとも一つの洗浄ローラ320、330と、を含む。
【0041】
摩擦ローラ310の外周面はエスカレータの手すりの表面と接触した状態で手すりの表面から駆動力を伝達されるように手すりの表面との摩擦力が高い材質からなることが好ましく、摩擦ローラ310の外周面はゴムなどのような樹脂材質からなる。
【0042】
併せて、摩擦ローラ310の外周面はエスカレータの手すりの表面との摩擦力を上げるように多数の凹凸または摩擦突起を含み、摩擦ローラ310の回転軸と並行する多数の凹凸山を含む。
【0043】
少なくとも一つの洗浄ローラ320も同じくエスカレータの手すりの表面と接触した状態で回転するが、それによってエスカレータの手すりの表面に対する洗浄を行う。
【0044】
但し、洗浄ローラ320はエスカレータの手すりの洗浄を円滑に行うように、手すりの表面との摩擦力が摩擦ローラ310の摩擦力より小さく設定されることが好ましい。
【0045】
上述したように、少なくとも一つの洗浄ローラ320、330は摩擦ローラ310から駆動力を伝達されて回転するが、洗浄ローラ320、330の回転軸と摩擦ローラ310の回転軸はギヤ、プーリーなどのような動力伝達部材を介して連結されることで、摩擦ローラ310の回転によって洗浄ローラ320、330が共に回転する。
【0046】
このように、洗浄部330自体は別途の電源供給なしに無動力で動作する。
【0047】
併せて、洗浄ローラ320に洗浄液を噴射する噴射部は前記摩擦ローラ310の駆動力によって作動する。つまり、洗浄液を噴射する噴射部も別途の電源なしに無動力で動作する。
【0048】
また、少なくとも一つのローラの一側には少なくとも一つのローラの回転方向を感知する第1センサ要素410が配置される。つまり、摩擦ローラ310の一側には摩擦ローラ310の回転方向を感知する第1センサ要素410が配置される。
【0049】
制御部は、前記第1センサ要素410によって前記少なくとも一つのローラ310が第1方向に回転することを感知したらエスカレータの作動を正常と判断し、前記第1センサ要素410によって前記少なくとも一つのローラ310が回転しないことを感知したらエスカレータの作動が停止したと判断し、前記第1センサ要素410によって前記少なくとも一つのローラ310が前記第1方向に逆方向である第2方向に回転していることを感知したらエスカレータの作動が異常であると判断する。
【0050】
また、前記制御部によってエスカレータの作動が異常と判断されたら、自体的に警告音を発生する。または、このような場合、前記通信部が前記管制センターに前記エスカレータの手すりが予め設定された回転方向に対して逆方向に回転されていることを警告する。
【0051】
つまり、手すりが正常的に運行されるために予め設定された回転方向に反対する方向に回転する場合、前記少なくとも一つのローラも従来の回転方向である第1方向ではなく第2方向に回転するようになる。この際、第1センサ要素410によってこのような状況が即刻的に認知され、通信部は乗客の安全を守るためにこのような情報を管制センターに迅速に伝達し、管制センターはエスカレータの手すりの運行を停止する。
【0052】
一例として、洗浄部300は、エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって第1方向に無動力回転する第1ローラと310(摩擦ローラ)と、第1ローラの回転力によって第1方向の逆方向である第2方向に回転し、表面に噴射された消毒液を利用して手すりの異物を除去し消毒する第2ローラ320(洗浄ローラ)と、第1ローラ310の回転力によって第1方向に回転し、手すりの表面についている消毒液を洗浄する第3ローラ330(洗浄ローラ)と、第1ローラ310の回転力によって第2方向に回転し、手すりの表面に残存する消毒液を再度洗浄する第4ローラ340(洗浄ローラ)と、を含み、第1ローラ310の一側に第1センサ要素410が配置される。
【0053】
また、第1ローラ310の表面の一部には第2ローラ320の表面に残存する消毒液の濃度を感知する第2センサ要素420が配置される。また、制御部は第2ローラ320の表面に噴射される消毒液の量を制御する。よって、第2センサ要素420によって感知される消毒液の濃度に基づいて、制御部は第2ローラ320の表面に噴射される消毒液の量を制御する。
【0054】
併せて、自家発電部200は、エスカレータの手すりの表面と接触して発生する摩擦力によって回転しながらエスカレータの手すりの運動エネルギーを電気エネルギーに変化させる発電要素210と、発電要素210によって生成された電気エネルギーを貯蔵する充電要素220と、発電要素210がエスカレータの手すりの表面と接触するよう前記発電要素の位置を移動させる移動要素230と、を含み、移動要素230によって発電要素210は一軸を中心に回転される。
【0055】
図3及び図4を参照すると、洗浄部300は、第1ローラ乃至前記第4ローラを収容するフレーム350を更に含むが、フレームの両側面にはそれぞれ複数個の孔351が順次に形成される。また、第1ローラ乃至前記第4ローラは、それぞれローラを貫通する回転軸352によってフレームの両側面に形成される孔351にそれぞれ脱着される。
【0056】
また、エスカレータの手すりの洗浄装置10は、洗浄部300のフレーム350の下側に配置されてフレームと連結される弾性要素500を更に含むが、弾性要素500によって洗浄部300は弾力的に上側または下側に移動されることで、第1ローラ乃至第4ローラは前記エスカレータの手すりの表面と接触する。
【0057】
併せて、第2ローラ320の表面に噴射される消毒液は、効果的で安全な消毒及び洗浄のためにアルコールまたは二酸化塩素である。但し、これに限らず、当業界で通常の知識を有する者の立場で極めて容易に導出される材料が消毒液として使用可能であることは自明である。
【0058】
図5を参照すると、エスカレータの手すりの洗浄装置10がエスカレータの手すり2に取り付けられて動作する。この際、手すり2が回転したら、洗浄部300は手すり2の回転によって無動力で作動しながら手すり2を洗浄する。また、自家発電部200の発電要素210も手すり2が回転する際に摩擦力によって回転しながら電気エネルギーを発生し、それを充電要素220に貯蔵する。
【0059】
併せて、図6のように、取り付けられるエスカレータの手すり2の種類に関わらず、洗浄部300は弾性要素500によって移動しながらエスカレータの手すり2を消毒及び洗浄するための最適の位置に配置される。
【0060】
詳しくは、前記エスカレータの手すりの洗浄装置は、第1ローラが配置される部分のフレームの上に連結される第1弾性要素と、第2ローラ乃至第4ローラが配置される部分のフレームの上に連結される第2弾性要素と、を更に含む。
【0061】
併せて、前記制御部は、前記第1弾性要素の弾性力が前記第1ローラと前記エスカレータの手すりの表面が密着するように設定された第1既設定圧力に対応するように前記第1弾性要素を制御する。
【0062】
また、制御部は、前記第2弾性要素の弾性力が前記第2ローラ乃至第4ローラと前記エスカレータの手すりの表面が当たるように設定された第2既設定圧力に対応するように前記第2弾性要素を制御する。
【0063】
上述した第1及び第2弾性要素は、第1及び第2既設定圧力で第1乃至第4ローラがエスカレータの手すりの表面に密着するように別途の駆動部を含むが、例えば、第1及び第2弾性要素はピストンまたはソレノイドのような構成要素を含み、ピストンまたはソレノイドの動作を介して第1乃至第4ローラが第1及び第2既設定圧力でエスカレータの手すりの表面に密着するように弾性力が操作される。
【0064】
前記のような構成を含むエスカレータの手すりの洗浄装置は、エスカレータの手すりが回転する際、手すりとの摩擦力によって無動力で動作する。
【0065】
また、前記エスカレータの手すりの洗浄装置は、エスカレータの手すりを洗浄すると共に手すりの逆回転を感知するセンサを介して、手すりの逆回転が感知されたらそのような情報を管制センターに伝達することで安全事故を予防する。
【0066】
併せて、エスカレータの手すりの洗浄装置は、弾性要素によって弾力的に位置が調整されることで、多様な種類のエスカレータの手すりに対して円滑な洗浄を行う。
【0067】
以上のように、実施例では具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例及び図面によって実施例を説明したが、これは全般的な理解を助けるために提供されたものである。また、本発明は上述した実施例に限らず、本発明が属する分野の通常的な知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変更が可能である。よって、本発明の思想は上述した実施例に限って決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等であるか等価的な変形がある全てのものは本発明思想の範疇に属するといえる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】