(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】連結型ねじれ固定器およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/62 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
A61B17/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543971
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 US2019053907
(87)【国際公開番号】W WO2020072392
(87)【国際公開日】2020-04-09
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513256479
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】University of Utah Research Foundation
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーター スティーヴンス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL70
(57)【要約】
無傷の骨の外的な前捻矯正のための装置および方法は、第1弧状セグメントと、第1弧状セグメントに回転可能に連結される第2弧状セグメントと、第1弧状セグメントから無傷の骨の近位セグメントに延びる第1ピンと、第2弧状セグメントから無傷の骨の遠位セグメントに延びる第2ピンと、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントに取り付けられる制御機構とを含むことができる。制御機構は、第2弧状セグメントに対して第1弧状セグメントを回転させて、無傷の骨の近位セグメントと遠位セグメントとの間で無傷の骨にねじり力を印加し、それによって無傷の骨の前捻を外的に低減させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無傷の大腿骨の外的な前捻矯正のための装置であって、前記無傷の大腿骨は、骨端軟骨の対向面に遠位大腿骨セグメントと近位大腿骨セグメントとを含み、前記装置は、連結型リングアセンブリと、第1固定ピンアセンブリと、第2固定ピンアセンブリと、ターンバックルアセンブリとを含み、
連結型リングアセンブリは、外側リングアセンブリおよび内側リング要素を含み、外側リングアセンブリは、第1外側リング要素と、第1外側リング要素と連結して外側リングアセンブリを形成するように構成される第2外側リング要素とを含み、内側リング要素は、外側リングアセンブリと同心的かつ回転可能に連結するように構成されており、
第1固定ピンアセンブリは、遠位大腿骨セグメントに固定可能な第1ピンと、外側リングアセンブリおよび第1ピンと連結するように構成される第1カプラーとを含み、
第2固定ピンアセンブリは、近位大腿骨セグメントに固定可能な第2ピンと、内側リング要素および第2ピンと連結するように構成される第2カプラーとを含み、
ターンバックルアセンブリは、外側リングアセンブリと連結するように構成される第1固定要素と、内側リング要素と連結するように構成される第2固定要素と、第1固定要素および第2固定要素と回転可能に連結するように構成される径間設定要素とを含み、
径間設定要素の回転が、内側リング要素に対する外側リングアセンブリの相対的回転を起こし、第2ピンに対する第1ピンの角度位置を制御し、無傷の大腿骨にねじり力を付与して、無傷の大腿骨の前捻を外的に低減させる
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
外側リングアセンブリは、複数の柱状通路を備え、
内側リング要素が、複数の内側リング開口部を含み、
前記複数の柱状通路は、第1固定ピンアセンブリを外側リングアセンブリに連結するように構成される第1ファスナーを受容するように構成されており、
前記複数の内側リング開口部は、第2固定ピンアセンブリを内側リング要素に連結するように構成される第2ファスナーを受容するように構成されており、
前記複数の柱状通路は、ターンバックルアセンブリを外側リングアセンブリに枢動可能に連結するための第1固定要素を受容するように構成されており
前記複数の内側リング開口部は、ターンバックルアセンブリを内側リング要素と枢動可能に連結するための第2固定要素を受容するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方が、連結型リングアセンブリの対向側に配置された2つの対向するカプラー間に固定された1つまたは複数のワイヤで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
外側リングアセンブリと内側リング要素の一方が、前捻の矯正範囲を示すように構成される複数の指標を有し、
外側リングアセンブリと内側リング要素のうちの他方は、前記複数の指標によって示される前捻の矯正範囲を参照して、選択された前捻矯正量を示すように構成されるポインターを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
ターンバックルアセンブリの第1固定要素は、第1ネジ切り部を含み、
ターンバックルアセンブリの第2固定要素は、第2ネジ切り部を含み、
ターンバックルアセンブリの径間設定要素が、第1固定要素の第1ネジ切り部に係合するように構成される第3ネジ切り部と、第2固定要素の第2ネジ切り部に係合するように構成される第4ネジ切り部とを含み、
径間設定要素を第1の方向に回転させることにより、第1固定要素および第2固定要素が互いから離れるように移動し、
径間設定要素を第2の方向に回転させることにより、第1固定要素および第2固定要素が互いに向かって移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1外側リング要素は、第1ノッチを含み、
第2外側リング要素は、第2ノッチを含み、
内側リング要素は、円形のフランジを有し、
第1外側リング要素および第2外側リング要素が組み合わされて外側リングアセンブリが形成される際に、内側リング要素の円形フランジが第1ノッチおよび第2ノッチ内に同心的に嵌合する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
無傷の骨に外部からのねじり力を加えるように構成される器具であって,前記器具は、
第1弧状セグメントと、
第1弧状セグメントに回転可能に連結される第2弧状セグメントと、
第1弧状セグメントから前記無傷の骨の近位セグメントまで延びる第1ピンと、
第2弧状セグメントから前記無傷の骨の遠位セグメントへと延びる第2ピンと、
第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントに取り付けられた制御機構と
を含み、
制御機構が、第1弧状セグメントに対する複数の配向のいずれかへの第2弧状セグメントの固定を可能とし、第2ピンに対する第1ピンの配向を制御して、近位セグメントと遠位セグメントとの間の前記無傷の骨にねじり力を作用させ、それによって前記無傷の骨の前捻を外的に低減させる
ことを特徴とする器具。
【請求項8】
第1弧状セグメントは、外側リングを含み、
第2弧状セグメントは、内側リングを含み、
内側リングは、外側リングと同心的かつ回転可能に連結されており、
前記器具は、
外側リングに取り付けられた第1ピン固定アセンブリであって、第1ピンが第1ピン固定アセンブリから延びる、第1ピン固定アセンブリと、
内側リングに取り付けられた第2ピン固定アセンブリであって、第2ピンが第2ピン固定アセンブリから延びる、第2ピン固定アセンブリと
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の器具。
【請求項9】
制御機構は、ターンバックルアセンブリを含み、
ターンバックルアセンブリは、
外側リングと枢動可能に連結するように構成される第1固定要素と、
内側リングと枢動可能に連結するように構成される第2固定要素と、
第1固定要素および第2固定要素に対して回転可能に連結するように構成される径間設定要素と
を含み、
径間設定要素の回転が、内側リングに対して外側リングを相対的に回転させ、第2ピンに対する第1ピンの角度位置を制御し、前記無傷の骨にねじり力を与えて、前記無傷の骨の前捻を外的に低減させる
を特徴とする請求項8に記載の器具。
【請求項10】
ターンバックルアセンブリの第1固定要素は、第1ネジ切り部を含み、
ターンバックルアセンブリの第2固定要素は、第2ネジ切り部を含み、
ターンバックルアセンブリの径間設定要素が、第1固定要素の第1ネジ切り部に係合するように構成される第3ネジ切り部と、第2固定要素の第2ネジ切り部に係合するように構成される第4ネジ切り部とを含み、
径間設定要素を第1の方向に回転させることにより、第1固定要素および第2固定要素が互いから離れるように移動し、
径間設定要素を第2の方向に回転させることにより、第1固定要素および第2固定要素が互いに向かって移動する
を特徴とする請求項9に記載の器具。
【請求項11】
外側リングおよび内側リングの一方は、前捻矯正の範囲を示すように構成される複数の指標を有し、
外側リングおよび内側リングの他方は、前記複数の指標によって示される前捻矯正範囲を参照して、選択された前捻矯正量を示すように構成されるポインターを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の器具。
【請求項12】
外側リングは、第1外側リング要素と、第1外側リング要素と連結されて外側リングを形成するように構成される第2外側リング要素を含むことを特徴とする請求項8に記載の器具。
【請求項13】
第1外側リング要素は、第1ノッチを含み、
第2外側リング要素は、第2ノッチを含み、
内側リングは、円形のフランジを含み、
第1外側リング要素および第2外側リング要素が組み合わされて外側リングが形成される際に、内側リングの円形フランジが第1ノッチおよび第2ノッチ内に同心的に嵌合する
ことを特徴とする請求項12に記載の器具。
【請求項14】
回転可能に連結される第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントと、第1弧状セグメントに連結される第1ピンと、第2弧状セグメントに連結される第2ピンと、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントに連結される制御機構とを含む装置を使用することによる、無傷の骨の外的な前捻矯正のための方法であって、前記方法は、
前記無傷の骨の遠位骨セグメントに、第1ピンを経皮的に固定する工程と、
第1ピンに対して選択された第1の角度で、前記無傷の骨の近位骨セグメントに、第2ピンを経皮的に固定する工程と
制御機構を作動させ、それによって、第2弧状セグメントに対して第1弧状セグメントを回転させ、第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、前記無傷の骨の前捻を低減させる工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
第1弧状セグメントは、外側リングを含み、
第2弧状セグメントは、内側リングを含み、
内側リングは、外側リングと同心的かつ回転可能に連結されている
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
制御機構を作動させる工程は、
一定期間にわたって、制御機構を漸増的に作動させ、それによって、外側リングに対して複数の異なる位置へと内側リングを回転させ、第1ピンに対して複数の異なる角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントを段階的にねじって、一定期間をかけて前記無傷の骨の前捻を低減させる工程
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
所望の前捻矯正量に達したときに、第1ピンおよび第2ピンを前記無傷の骨から除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
制御機構を作動させる工程は、
制御機構の少なくとも一部を回転させ、それによって、制御機構の長さを増大させ、外側リングに対して内側リングを回転させ、第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじることにより、前記無傷の骨の前捻を低減させる工程
を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
制御機構の少なくとも一部を第1の方向に回転させることは、制御機構の長さを増大させ、
制御機構の少なくとも一部を第2の方向に回転させることは、制御機構の長さが減少させる
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
制御機構が、ターンバックルアセンブリを含み、
ターンバックルアセンブリは、
外側リングと枢動可能に連結するように構成される第1固定要素と
内側リングと枢動可能に連結するように構成される第2固定要素と、
第1固定要素および第2固定要素と回転可能に連結するように構成される径間設定要素と
を含み、
制御機構を作動させる工程は、
径間設定要素を回転させ、それによって、制御機構の長さを増大させ、外側リングに対して内側リングを回転させ、第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、前記無傷の骨の前捻を低減させる工程
を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置、医療システム、および医療方法に関する。より具体的には、本開示は、無傷の骨の外的前捻矯正のための改良された医療装置、医療システム、および医療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの正常な発育において、大腿骨は、大腿骨の下端(たとえば、骨幹および大腿顆)に対して、大腿骨の上部(たとえば、大腿骨頸部および大腿骨頭)が約11°の前傾をしていることを特徴とする。
図1Aは、足を前方に向いた適切な歩行を可能にする、正常な解剖学的構造を有する大腿骨の下面図を示している。
【0003】
正常な大腿骨の発達とは対照的に、大腿骨の前捻は、
図1Bに示されるように、下部大腿骨に対する上部大腿骨の過度の前傾によって特徴づけられ、
図1Bは30度の前捻を有する大腿骨を例示する。大腿骨前捻により、膝が股関節に対して内側にねじられ、「内股」の足をもたらす。これは、患者に対して、股関節の損傷(上唇損傷など)および膝の損傷(膝蓋骨損傷、ACL損傷など)の素因を与える。前捻による持続的なねじれ変形は、装具および理学療法では矯正できない。
【0004】
前捻に対する1つの救済策として、大腿骨の回転骨切り術を行うことがある。これには通常、大きなプレートまたは髄内ロッドを用いた内的固定が必要であり、それらプレートまたはロッドは、術後に骨が治癒したら通常は除去される。伝統的な大腿骨の前捻の矯正法である大腿骨減捻骨切り術では、外科医が大腿骨を切断し、股関節窩内の大腿骨の球状部を正常な位置に回転させ、切断した骨部分を再結合させる。その後、切断した骨部分を正しい方向に固定するために、大きなプレートまたは髄内ロッドを埋め込む。しかし、この手術は極めて高度に侵襲的であり、多くの否定的特徴およびリスクを伴う。この手術に伴う否定的項目は、(1)大きな手術痕、(2)前捻の過剰矯正/矯正不足、(3)大きな痛み、(4)手術後の歩行の遅れ、(5)固定の喪失の可能性、(6)治癒の遅れ、(7)骨の癒着不良、(8)入院処置に伴う時間および費用などを含む。したがって、これらの否定的な特徴のいくつか、またはすべてを軽減することができる、改良された医療装置、医療システム、および医療方法が望まれるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の様々な医療装置、医療システム、および医療方法は、技術の現状に対応して開発されたものであり、特に、骨の前捻を矯正するための現在利用可能な医療装置、医療システム、および医療方法によってまだ完全には解決されていない技術上の問題およびニーズに対応して開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態によれば、骨端軟骨の対向面に遠位大腿骨セグメントと近位大腿骨セグメントとを含む無傷の大腿骨の外的(体外式(external))大腿骨前捻矯正のための装置は、一般的に、連結型リングアセンブリ、第1固定ピンアセンブリ、第2固定ピンアセンブリ、およびターンバックルアセンブリを含んでもよい。連結型リングアセンブリは、外側リングアセンブリと内側リング要素とを含んでもよい。外側リングアセンブリは、第1外側リング要素と、第1外側リング要素と連結して外側リングアセンブリを形成するように構成される第2外側リング要素とを含んでもよい。内側リング要素は、外側リングアセンブリと同心的かつ回転可能に連結するように構成されてもよい。第1固定ピンアセンブリは、遠位大腿骨セグメントに固定可能な第1ピンと、外側リングアセンブリおよび第1ピンと連結するように構成される第1カプラーとを含んでもよい。第2固定ピンアセンブリは、近位大腿骨セグメントに固定可能な第2ピンと、内側リング要素および第2ピンと連結するように構成される第2カプラーとを含んでもよい。ターンバックルアセンブリは、外側リングアセンブリと連結するように構成される第1固定要素と、内側リング要素と連結するように構成される第2固定要素と、第1固定要素および第2固定要素と回転可能に連結するように構成される径間設定要素(spanning element)とを含んでもよい。径間設定要素の回転は、(1)外側リングアセンブリを内側リング要素に対して回転させ、(2)第2ピンに対する第1ピンの角度位置を制御し、(3)無傷の大腿骨にねじり力を印加して、無傷の大腿骨の前捻を外的に低減させることができる。
【0007】
本装置のいくつかの実施形態では、外側リングアセンブリは、複数の柱状通路を含んでもよく、内側リング要素は、複数の開口部を含んでもよい。複数の柱状通路は、第1固定ピンアセンブリを外側リングアセンブリに連結するように構成される第1ファスナーを受容するように構成されてもよい。複数の開口部は、第2固定ピンアセンブリを内側リング要素に連結するように構成される第2ファスナーを受容するように構成されてもよい。複数の柱状通路は、ターンバックルアセンブリを外側リングアセンブリに枢動可能に連結するための第1固定要素を受容するように構成されてもよく、複数の開口部は、ターンバックルアセンブリを内側リング要素に枢動可能に連結するための第2固定要素を受容するようにも構成されてもよい。
【0008】
本装置のいくつかの実施形態において、第1ピンおよび第2ピンのうちの少なくとも一方は、連結型リングアセンブリの対向側に配置される2つの対向するカプラーの間に固定される1つまたは複数のワイヤを含んでもよい。
【0009】
本装置のいくつかの実施形態において、外側リングアセンブリおよび内側リング要素の一方は、前捻矯正の範囲を示すように構成される複数の指標を含み、外側リングアセンブリおよび内側リング要素の他方は、複数の指標によって示される前捻矯正の範囲を参照して、選択された前捻矯正の量を示すように構成されるポインターを含んでもよい。
【0010】
本装置のいくつかの実施形態において、ターンバックルアセンブリの第1固定要素は、第1ネジ切り部を含んでもよく、ターンバックルアセンブリの第2固定要素は、第2ネジ切り部を含んでもよい。ターンバックルアセンブリの径間設定要素は、第1固定要素の第1ネジ切り部に係合するように構成される第3ネジ切り部と、第2固定要素の第2ネジ切り部に係合するように構成される第4ネジ切り部とを含んでもよい。このように、径間設定要素を第1の方向に回転させると、第1固定要素および第2固定要素が互いから離れるように移動し、径間設定要素を第2の方向に回転させると、第1固定要素および第2固定要素が互いに向かって移動してもよい。
【0011】
本装置のいくつかの実施形態において、第1外側リング要素は、第1ノッチを含んでいてもよく、第2外側リング要素は、第2ノッチを含んでいてもよい。内側リング要素は、第1外側リング要素および第2外側リング要素を一緒に組み合せて外側リングアセンブリを形成する際に、第1ノッチおよび第2ノッチ内に同心的に嵌合し得る円形フランジを含んでもよい。
【0012】
他の実施形態では、無傷の骨に外的ねじり力を加えるように構成される装置は、第1弧状セグメントと、第1弧状セグメントに回転可能に連結される第2弧状セグメントと、第1弧状セグメントから無傷の骨の近位セグメントに延びる第1ピンと、第2弧状セグメントから無傷の骨の遠位セグメントに延びる第2ピンと、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントに取り付けられる制御機構とを含むことができる。制御機構は、第1弧状セグメントに対する複数の配向のいずれかに第2弧状セグメントを固定して、第2ピンに対する第1ピンの配向を制御し、近位セグメントと遠位セグメントとの間で無傷の骨にねじり力を印加して、無傷の骨の前捻を外的に(体外から)低減させることを可能にする。
【0013】
装置のいくつかの実施形態では、第1弧状セグメントは、外側リングを含んでもよく、第2弧状セグメントは、外側リングに同心的かつ回転可能に連結される内側リングを含んでもよい。また、本装置は、外側リングに取り付けられた第1ピン固定アセンブリであって、第1ピン固定アセンブリから延びている第1ピンを有する第1ピン固定アセンブリと、内側リングに取り付けられた第2ピン固定アセンブリであって、第2ピン固定アセンブリから延びている第2ピンを有する第2ピン固定アセンブリとを含んでもよい。
【0014】
本装置のいくつかの実施形態では、制御機構は、外側リングと連結するように構成される第1固定要素と、内側リングと連結するように構成される第2固定要素と、第1固定要素および第2固定要素と回転可能に連結するように構成される径間設定要素とを有するターンバックルアセンブリを含んでもよい。径間設定要素の回転は、(1)外側リングを内側リングに対して回転させ、(2)第2ピンに対する第1ピンの角度位置を制御し、(3)無傷の骨の前捻を外的に低減するために、無傷の骨にねじり力を付与してもよい。
【0015】
本装置のいくつかの実施形態では、ターンバックルアセンブリの第1固定要素は、第1ネジ切り部を含んでもよく、ターンバックルアセンブリの第2固定要素は、第2ネジ切り部を含んでもよい。ターンバックルアセンブリの径間設定要素は、第1固定要素の第1ネジ切り部に係合するように構成される第3ネジ切り部と、第2固定要素の第2ネジ切り部に係合するように構成される第4ネジ切り部とを含んでもよい。径間設定要素を第1の方向に回転させると、第1固定要素および第2固定要素が互いから離れるように移動してもよく、径間設定要素を第2の方向に回転させると、第1固定要素および第2固定要素が互いに向かって移動してもよい。
【0016】
本装置のいくつかの実施形態において、外側リングおよび内側リングの一方は、前捻矯正の範囲を示すように構成される複数の指標を含み、外側リングおよび内側リングの他方は、複数の指標によって示される前捻矯正の範囲を参照して、選択された前捻矯正の量を示すように構成されるポインターを含んでいてもよい。
【0017】
本装置のいくつかの実施形態では、外側リングは、第1外側リング要素と、第1外側リング要素と連結して外側リングを形成するように構成される第2外側リング要素とを含んでもよい。
【0018】
本装置のいくつかの実施形態では、第1外側リング要素は、第1ノッチを含んでもよく、第2外側リング要素は、第2ノッチを含んでもよく、内側リングは、円形フランジを含んでもよい。内側リングの円形フランジは、第1外側リング要素および第2外側リング要素を一緒に組み立てて外側リングを形成するときに、第1ノッチおよび第2ノッチ内に同心的に収容されてもよい。
【0019】
さらに他の実施形態では、無傷の骨の外的な前捻矯正のための方法は、無傷の骨の遠位骨セグメントに、第1ピンを経皮的に固定する工程と、第1ピンに対して選択された第1の角度で無傷の骨の近位骨セグメントに、第2ピンを経皮的に固定する工程を含んでもよい(回転可能に連結される第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントと、第1弧状セグメントに連結される第1ピンと、第2弧状セグメントに連結される第2ピンと、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントに連結される制御機構とを含む装置の使用による)。また、本方法は、制御機構を作動させ、それによって:第1弧状セグメントを第2弧状セグメントに対して回転させ;第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ;遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、無傷の骨の前捻を低減させることを含むことができる。
【0020】
本方法のいくつかの実施形態では、第1弧状セグメントは、外側リングを含んでもよく、第2弧状セグメントは、外側リングに同心的かつ回転可能に連結される内側リングを含んでもよい。
【0021】
本方法のいくつかの実施形態では、制御機構を作動させる工程は、一定期間にわたって制御機構を漸増的に作動させることをさらに含み、それによって、外側リングに対して複数の異なる位置へと内側リングを回転させ、第1ピンに対して複数の異なる角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントを段階的にねじって、一定期間をかけて無傷の骨の前捻を低減させることを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、無傷の骨の所望の前捻の矯正に達したときに、無傷の骨から第1および第2ピンを除去する工程も含むことができる。
【0023】
本方法のいくつかの実施形態では、制御機構を作動させる工程は、制御機構の少なくとも一部を回転させ、それによって、制御機構の長さを増大させ、外側リングに対して内側リングを回転させ、第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、無傷の骨の前捻を低減させることを含んでもよい。
【0024】
本方法のいくつかの実施形態では、制御機構の少なくとも一部を第1の方向に回転させることで、制御機構の長さを増大させ、制御機構の少なくとも一部を第2の方向に回転させることで、制御機構の長さを減少させることができる。
【0025】
本方法のいくつかの実施形態では、制御機構は、ターンバックルアセンブリを含んでもよい。ターンバックルアセンブリは、外側リングと枢動可能に連結するように構成される第1固定要素と、内側リングと枢動可能に連結するように構成される第2固定要素と、第1固定要素および第2固定要素と回転可能に連結するように構成される径間設定要素とを有する。制御機構を作動させる工程は、径間設定要素を回転させる工程を含み、それによって、制御機構の長さを増大させ、外側リングに対して内側リングを回転させ、第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、無傷の骨の前捻を低減させることができる。
【0026】
本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろうし、あるいは、以下に記載される装置、システム、および方法の実践によって知ることができるであろう。
【0027】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を組み合わせる以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より完全に明らかになるであろう。これらの図面は、例示的な実施形態のみを描画しており、したがって、添付の特許請求の範囲を限定するものとはみなされないことを理解した上で、本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を使用することによって、さらに具体的かつ詳細に説明される。
【0028】
図面は、本開示の概念を説明するためのものであり、一定の縮尺で描画されていない可能性があることを理解されたい。さらに、図面は例示的な実施形態を示すものであり、本開示の範囲に対する制限を示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1B】30度の前捻を有する大腿骨の下面図である。
【
図6A】
図2の前捻矯正装置の連結型リングアセンブリの分解図である。
【
図7】
図2の前捻矯正装置の例示的なピンアセンブリの側面図である。
【
図8】
図2の前捻矯正装置の例示的なターンバックルアセンブリの側面図である。
【
図9】骨端軟骨成長板の位置を示し、大腿骨の前捻を矯正するのに必要なトルクの方向を示す矢印を含む、大腿骨遠位端の前面図である。
【
図10】大腿骨の前捻を矯正する前の、大腿骨に固定された前捻矯正装置の代替実施形態を有する、大腿骨の下面図である。
【
図11】大腿骨および
図10の前捻矯正装置の、大腿骨の前捻の矯正中の下面図である。
【
図12】大腿骨および
図10の前捻矯正装置の、大腿骨の前捻の矯正後の前面図である。
【
図13A】本開示の別の実施形態による、例示的なターンバックルアセンブリの透視図である。
【
図13H】
図13Aのターンバックルアセンブリの第1固定要素ファスナーの側面図である
【
図13I】
図13Aのターンバックルアセンブリの第2固定要素ファスナーの側面図である。
【
図13J】
図13Aのターンバックルアセンブリとともに用いてもよい、アクチュエータツールの側面図である。
【
図14】本開示の1つの実施形態による、無傷の骨の外的前捻矯正方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の例示的な実施形態は、全体を通して同様の部品を同様の符号で指定している図面を参照することによって、最もよく理解されるであろう。本願の図面で一般的に記載および図示されているように、本開示の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、
図2~
図14に表される装置、システム、および方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、本願または本願の優先権を主張する他の出願で主張されるように、本開示の範囲を制限することを意図するものではなく、本開示の例示的な実施形態の代表的な例示に過ぎない。
【0031】
本明細書において、標準的な医学的な方向、基準面、および記述的な用語が採用されている。たとえば、前方とは、身体の前方向を意味する。後方とは、身体の後方向を意味する。上側は、頭の方向を意味する。下側とは、足の方向を意味する。内側とは、体の正中線に向かっていることを意味する。側方とは、体の正中線から離れることを意味する。向軸とは、体の中心軸に向かうことを意味する。遠軸とは、体の中心軸から離れることを意味する。同側とは、体の同じ側のことを意味する。反対側とは、体の反対側を意味する。矢状面は、体を右と左に分割する。正中矢状面は、体を左右対称の右半分と左半分に分割する。前頭面は、体を前部と後部に分割する。横断面は、体を上半身と下半身に分割する。これらの記述用語は、生物または無生物の体に適用することができる。
【0032】
「接続されている(connected to)」、「連結されている(coupled to)」、「係合している(engage with)」、および「連絡している(in communication with)」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体的、および熱的な相互作用を含む、2つ以上の実在物の間の任意の形態の相互作用を指す。2つの構成要素は、互いに直接接触していなくても、機能的に連結されていてもよい。「隣接する」という言葉は、物品が必ずしも一緒に取り付けられていなくても、互いに物理的に直接接触している物品を指す。「流体連絡」という言葉は、一方の特徴部内の流体が他方の特徴部内に通過できるように接続されている2つの特徴部を指す。
【0033】
本明細書で用いられる際に、用語「例示的」は、「例、例証、または例示として機能する」ことを意味する。本明細書で「例示的」と記載されているいかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。実施形態の様々な側面を図面に示しているが、図面は、特に示されない限り、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0034】
本明細書は、従来の矯正処置よりも低侵襲性であり、ねじれ変形の矯正をより迅速かつ確実に行うことができる、前捻矯正のための装置および方法を開示する。大腿骨減捻骨切り術に比べて、本明細書に開示された連結型ねじれ固定器を使用する利点は、(1)除去の容易さ(たとえば、外部フレームの除去に対する、内部プレートまたはIMロッドの除去)、(2)外来処置に対する、入院処置、(3)最小限の瘢痕(たとえば、ピン部位)、(4)調整可能性、(5)痛みの軽減、(6)処置後すぐに歩行可能できること、(7)確実な固定、および(8)骨の治癒を必要としないことを含み得る。骨が無傷のままであるため、本明細書に開示された矯正処置の後に完全な体重支持が可能である。
【0035】
本開示では、大腿骨に関する前捻矯正を説明している。しかしながら、本明細書に開示された装置、システム、および方法は、他の種類の骨の異常なねじれ配置を矯正し得ることも理解されよう。たとえば、内向きまたは外向きの脛骨のねじれを有する患者の上部脛骨のねじれを解くために、本明細書に開示された装置、システム、および方法を利用してもよい。
【0036】
図2~
図5は、無傷の骨の大腿骨の外的前捻矯正のための本開示の前捻矯正装置の1つの非限定的な例として、連結型ねじれ固定器100を示す。連結型ねじれ固定器100は、一般的に、連結型リングアセンブリ102、制御機構すなわちターンバックルアセンブリ104、第1固定ピンアセンブリ106、および第2固定ピンアセンブリ108を含むことができる。
【0037】
使用時に、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108は、たとえば、無傷の大腿骨の骨端軟骨または骨端軟骨成長板の対向面に遠位大腿骨セグメントおよび近位大腿骨セグメントを含む無傷の大腿骨のような、患者の無傷の骨に経皮的に固定されてもよい。次いで、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の間にねじれ矯正力を提供および維持するように、ターンバックルアセンブリ104を調整してもよい。第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の間のねじれ矯正力の大きさは、部分的または完全な前捻矯正が達成されるまで、段階的に調整することができる。
【0038】
図2~
図6Bに示すように、連結型リングアセンブリ102は、互いに連結するように構成される第1外側リング要素120および第2外側リング要素122を含む外側リングアセンブリ103と、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122の間に同心的に入れ子になっていて、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122と回転可能に連結してもよい内側リング要素124とを含んでもよい。リングアセンブリボア126は、内側リング要素124の内側表面によって画定されてもよい。固定器中心軸101は、リングアセンブリボア126の中心を通って延びていてもよい。
【0039】
少なくとも1つの実施形態では、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122は、連結型リングアセンブリ102を形成するために内側リング要素124と動作可能に組み合わされたときに、それらの相対的な配向のみが異なる、同一のものであってもよい。したがって、以下の説明が第2外側リング要素122にも適用され得ることを理解した上で、第1外側リング要素120を以下で説明する。
【0040】
少なくとも1つの実施形態では、
図6Bにおいて最もよく理解されるように、第1外側リング要素120は、上側表面132、下側表面134、外側表面136、および内側表面138を有する、完全な円として形成される外側リング本体130を含んでもよい。内側表面138は、内側リング要素124を同心的に嵌合させることができる段差またはノッチ140を含んでもよい。
【0041】
しかしながら、他の実施形態では、第1外側リング要素120が第1弧状セグメントを含んでもよく、内側リング要素124が第2弧状セグメントを含んでもよく、それぞれが完全な円を形成していなくてもよいことも理解されるであろう(たとえば、
図10および
図11参照)。これらの第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントは、同様に、互いに回転可能に連結されてもよい。
【0042】
図6Bに示すように、第1固定ピンアセンブリ106および/またはターンバックルアセンブリ104の少なくとも一部を受容するために、上側表面132および下側表面134の間に、複数の外側リング開口部142が、延在してもよい。
図2、
図3、
図4、および
図6Bに示されるように、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122が互いに対して動作可能に配向されるとき、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122に形成された外側リング開口部142が互いに垂直方向に整列して、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122に形成された外側リング開口部142を貫通して延在する複数の柱状通路144を形成してもよい。複数の柱状通路144は、第1ファスナー(
図7に示すボルト174のようなもの)を受容するように構成されてもよく、この第1ファスナーは、第1固定ピンアセンブリ106を外側リングアセンブリ103に連結するように構成されてもよい。また、以下でより詳細に説明するように、ターンバックルアセンブリ104と外側リングアセンブリ103とを枢動可能に連結させるために、複数の柱状通路144は、ターンバックルアセンブリ104の第1固定要素180を受容するように構成されてもよい。
【0043】
第1外側リング要素120および第2外側リング要素122(および/または内側リング要素124)は、前捻矯正を正確に指示、実行、および/または追跡できるように、前捻矯正の範囲を示す度数を示す指標146を含んでもよい。指標146は、中心点すなわちゼロ度指標147を含んでもよい。また、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122は、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122を互いに対して正しく方向付けることを支援するために、1つまたは複数の溝148あるいは他の特徴部を含んでもよい。
【0044】
少なくとも1つの実施形態において、内側リング要素124は、完全な円として形成され、上側表面152、下側表面154、外側表面156、および内側表面158を有する内側リング本体150を含んでもよい。円形フランジ160が、内側リング本体150から外側に突出していてもよい。円形フランジ160を、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122の間で内側リング要素124を同心的に入れ子にするために、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122に形成されたノッチ140の間に受容してもよい。
【0045】
図6Bに示すように、複数の内側リング開口部162が、内側リング要素124の上側表面152および下側表面154の間に延在してもよい。複数の内側リング開口部162は、第2固定ピンアセンブリ108を内側リング要素124に連結するように構成される第2ファスナー(
図7に示されるボルト174のようなもの)を受容するように構成されてもよい。また、複数の内側リング開口部162は、ターンバックルアセンブリ104を内側リング要素124と枢動可能に連結するために、ターンバックルアセンブリ104の第2固定要素182を受容するように構成されてもよい。
【0046】
少なくとも1つの実施形態では、その上側表面152および下側表面154の間の内側リング要素124の高さは、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122の合算高さに等しいか、または実質的に等しくてもよい。
【0047】
少なくとも1つの実施形態では、
図6Bに示すように、内側リング本体150の上側部分164(たとえば、円形フランジ160の上)は、内側リング本体150の下側部分166(たとえば、円形フランジ160の下)よりも大きな高さを有してもよい。したがって、
図3および
図6Bに見られるように、連結型リングアセンブリ102が動作可能に一緒に組み立てられたときに、内側リング要素124の一部は、第1外側リング要素120の上側表面132の上に突出してもよい。同様に、この実施形態では、内側リング要素124の下側表面154は、第2外側リング要素122の下側表面からわずかに凹んでいてもよい。外側リング要素と内側リング要素との間のこの高さの差は、連結型ねじれ固定器100を操作するのを補助してもよい。
【0048】
図2~
図5に示すように、動作可能に組み立てられたとき、内側リング要素124は、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122に対して、固定器中心軸101を中心に回転可能であってもよい。また、ポインター168、または別の指示器が、内側リング要素124の上側表面152および下側表面154のいずれかまたは両方に(および/または第1外側リング要素120および第2外側リング要素122のいずれかまたは両方に)存在して、前捻矯正の指示、測定、および追跡を容易にすることを補助してもよい。
【0049】
図2~
図5および
図7を参照すると、少なくとも1つの実施形態において、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108のそれぞれは、一般的に、ピン170、カプラー172、およびファスナーまたはボルト174を含んでもよい。ピン170は、患者の大腿骨に経皮的に固定するためのシャフト176および先端部178を含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態では、ピン170は、カニューレ化されていてもよく、および/またはセルフタッピングされていてもよい。先端部178は、骨内に貫通して固定するために当技術分野で知られている任意の適切な形態で構成されてもよいことが理解されるであろう。先端部の形態は、フルート、ファセット、鋭利化された点、セレーション、および当技術分野で知られている他の貫通要素を含むが、それらに限定されない、同様に、ピン170は、ワイヤ、ねじ、釘、ポスト、ロッド、剛直ケーブル、または他の長手方向に延びる剛直な要素で構成されてもよい。カプラー172は、シャフト176を受容するための少なくとも1つの通路(
図7には不図示)と、ボルト174を受容するためのネジ切りされた開口部(
図7には不図示)とを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、ピン170およびカプラー172は、一緒に連結することができる別個の部材であってもよい。しかし、他の実施形態では、ピン170およびカプラー172は、単一の一体成形体で構成されていてもよい。
【0050】
第1固定ピンアセンブリ106は、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122を貫通して形成される柱状通路144のうちの1つを通過するボルト174を介して、第1外側リング要素120および/または第2外側リング要素122に連結されてもよい(たとえば、
図3参照)。第1固定ピンアセンブリ106は、第2外側リング要素122から下方に突出していてもよい。同様に、第2固定ピンアセンブリ108は、内側リング要素124に形成された内側リング開口部162の1つを通過するボルト174を介して、内側リング要素124に連結されてもよい。第2固定ピンアセンブリ108は、第1外側リング要素120から上向きに突出してもよい。
図4および
図5に示すように、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の両方のピン170は、第2外側リング要素122の外側表面136に対して内側に突出してもよい。さらに、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の両方のピン170は、外側リングアセンブリ103が内側リング要素124に対して回転する際に、互いに対して任意の角度位置を取ってもよい。
【0051】
少なくとも1つの実施形態では、連結型ねじれ固定器100は、2つの固定ピンアセンブリを含んでもよい。しかし、他の実施形態(不図示)では、より少数またはより多数の固定ピンアセンブリが利用されてもよい。さらに、内側リングおよび外側リング上のピンアセンブリの相対的な配置は、本開示の真意または範囲から逸脱することなく変化し得ることが理解されるであろう。
【0052】
図2~
図5および
図8を参照すると、ターンバックルアセンブリ104は、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122に対する内側リング要素124の相対的な位置を制御するための制御機構として機能してもよい。ターンバックルアセンブリ104は、一般的に、第1固定要素180と、第2固定要素182と、第1固定要素180および第2固定要素182の間に延在する径間設定要素184とを含んでいてもよい。径間設定要素184は、径間設定要素184内および第1固定要素180および第2固定要素182上に形成されたネジ切り部を介して、第1固定要素180および第2固定要素182と回転可能に連結するように構成されてもよい。
【0053】
図2に示すように、第1固定要素180は、内側リング要素または外側リング要素の一方に取り付けられてもよく、第2固定要素182は、内側リング要素または外側リング要素の他方に取り付けられてもよい。したがって、第1固定要素180および第2固定要素182は、ターンバックルアセンブリ104を連結型リングアセンブリ102に枢動可能に連結するために、第1外側リング要素120および第2外側リング要素122の柱状通路144内、および/または内側リング要素124の内側リング開口部162内に受容されてもよい。
【0054】
ターンバックルアセンブリ104が連結型リングアセンブリ102に枢動可能に連結されたならば、内側リング要素および外側リング要素の相対的な回転並列状態(rotational juxtaposition)を調整して、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の間に正しいねじり力を提供および維持するために、(たとえば、径間設定要素184を第1の方向に回転させて、第1固定要素180および第2固定要素182を互いから遠ざけさせることによって)ターンバックルアセンブリ104の径間設定要素184の有効長を調整/増大させてもよい。しかしながら、本明細書において、アウトリガー機構、ロック機構、制御機構など(不図示)のような、外側リング要素および内側リング要素の互いに対する相対位置を調整するために、任意の数の異なる機構が想定されていることも理解されるであろう。同様に、内側リング要素および外側リング要素の互いに対する回転並列状態を調整し、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の間の矯正ねじり力を低減するために、(たとえば、径間設定要素184を第2の方向に回転させることにより、第1固定要素180および第2固定要素182を互いに向かって移動させることによって)ターンバックルアセンブリ104の径間設定要素184の有効長を調整/減少させてもよい。
【0055】
図13A~
図13Jは、本開示の別の実施形態によるターンバックルアセンブリ204を例示し、このターンバックルアセンブリを、本明細書に記載される連結型ねじれ固定器100、200とともに利用することもできる。具体的には、
図13Aは、ターンバックルアセンブリ204の透視図であり、
図13Bは、ターンバックルアセンブリ204の径間設定要素284の透視図であり、
図13Cは、径間設定要素284の側面図であり、
図13Dは、径間設定要素284の断面側面図であり、
図13Eは、ターンバックルアセンブリ204の第1固定要素280の前側面図であり、
図13Fは、第1固定要素280の右側面図であり、
図13Gは、第1固定要素280の下面図であり、
図13Hは、ターンバックルアセンブリ204の第1固定要素ファスナー221の側面図であり、
図13Iは、ターンバックルアセンブリ204の第2固定要素ファスナー222の側面図であり、
図13Jは、ターンバックルアセンブリ204の径間設定要素284を作動させるために利用され得るアクチュエータツール286の側面図である。
【0056】
ターンバックルアセンブリ204は、同様に、第2弧状セグメント(または内側リング要素124)に対する第1弧状セグメント(または第1外側リング要素120および第2外側リング要素122)の相対位置を制御するための制御機構として機能してもよい。ターンバックルアセンブリ204は、一般的に、第1固定要素280と、第2固定要素282と、第1固定要素280に連結される第1固定要素ファスナー221と、第2固定要素282に連結される第2固定要素ファスナー222と、第1固定要素ファスナー221および第2固定要素ファスナー222の間に延在する径間設定要素284とを含んでいてもよい。
【0057】
少なくとも1つの実施形態では、第1固定要素280および第2固定要素282は同一であってもよい。したがって、以下の説明が第2固定要素282にも適用され得ることを理解した上で、第1固定要素280を以下で説明する。
【0058】
図13E~
図13Gを参照すると、第1固定要素280は、一般的に、第1固定要素ヘッド220と、第1固定要素ヘッド220を貫通して形成された第1固定要素開口部224と、第1固定要素シャフト223と、第1固定要素ノッチ226とを含んでもよい。第1固定要素ノッチ226は、(たとえば、コッターピン(不図示)などを介して)第1固定要素280を連結型リングアセンブリ102に連結するために利用されてもよい。第1固定要素ファスナー221は、第1固定要素ヘッド220に形成された第1固定要素開口部224を介して第1固定要素280と連結されてもよい。しかし、他の実施形態では、第1固定要素280および第1固定要素ファスナー221は、単一の一体成形体で構成されてもよいことが理解されるであろう。
【0059】
径間設定要素284は、径間設定要素284内、ならびに第1固定要素ファスナー221および第2固定要素ファスナー222上に形成されたネジ切り部により、第1固定要素ファスナー221および第2固定要素ファスナー222と回転可能に連結するように構成されてもよい。具体的には、第1固定要素ファスナー221は、第1ネジ切り部211を含んでいてもよく、第2固定要素ファスナー222は、第2ネジ切り部212を含んでいてもよく、径間設定要素284は、第1固定要素ファスナー221の第1ネジ切り部211に係合するように構成される第3ネジ切り部213と、第2固定要素ファスナー222の第2ネジ切り部212に係合するように構成される第4ネジ切り部214とを含んでいてもよい。
【0060】
ターンバックルアセンブリ204が第1弧状セグメント(または第1外側リング要素120および第2外側リング要素122)および第2弧状セグメント(または内側リング要素124)に枢動可能に連結されたならば、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントの互いに対する回転並列状態を調整して、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の間に正しい矯正ねじり力を提供および維持するために、(たとえば、径間設定要素284を第1の方向に回転させることによって、第1固定要素280および第2固定要素282を互いに離間させることによって)ターンバックルアセンブリ204の径間設定要素284の有効長を調整/増大させてもよい。同様に、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントの互いに対する回転並列状態を調整して、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108の間の矯正ねじり力を低減するために、(たとえば、径間設定要素284を第2の方向に回転させて、第1固定要素280および第2固定要素282を互いに向かって移動させることにより)ターンバックルアセンブリ204の径間設定要素284の有効長を調整/減少させてもよい。径間設定要素284は、アクチュエータツール286のアクチュエータツール係合特徴部289を径間設定要素開口部288の1つに挿入し、次いで、アクチュエータツール286のハンドル287に力を加えることによって回転させて、径間設定要素284を第1の方向または第2の方向のいずれかに回転させることができる。このようにして、第2ピンに対する第1ピンの向きを制御して、無傷の骨の近位骨セグメントと遠位骨セグメントとの間で無傷の骨にねじり力を及ぼし、それによって無傷の骨の前捻を外的に低減するために、ターンバックルアセンブリ204(または他の制御機構)は、第1弧状セグメントに対する複数の配向の任意の配向に第2弧状セグメントを固定することを可能にする。
【0061】
ある使用方法では、連結型ねじれ固定器100は、前捻矯正を必要とする大腿骨2を一周するように配置されてもよい。連結型ねじれ固定器100を位置決めする前に、大腿骨2がリングアセンブリボア126を通過できるように、ピン170をそれぞれのカプラー172内で邪魔にならないように引き出すか、または完全に取り除いてもよい。
図9に示されるように、連結型ねじれ固定器100は、大腿骨2に対する所望の位置、たとえば大腿骨2の骨端軟骨6、すなわち骨端軟骨成長板のレベルに配置されてもよい。連結型ねじれ固定器100が所望の位置にある状態で、第1固定ピンアセンブリ106のピン170は、たとえば遠位大腿骨8における骨端軟骨6の下方など、骨端軟骨6の片側の大腿骨2に経皮的に固定されてもよい。第2固定ピンアセンブリ108のピン170は、たとえば大腿骨シャフト4における骨端軟骨6の上方など、骨端軟骨6の反対側の大腿骨2に経皮的に固定されてもよい。ピン170は、上側または下側の視点から、互いに相対的に選択された第1の角度で設置されてもよい。1つの実施形態において、所望の矯正量が30°である場合、第2固定アセンブリ108を、そのピン170を第1固定ピンアセンブリ106の第1ピン170に対して30°の角度に保持するように配置してもよい。この初期位置において、連結型リングアセンブリ102上のポインター168は、連結型リングアセンブリ102上の指標146に相対する位置を指して、前捻矯正量を示してもよい。
【0062】
連結型ねじれ固定器100を、ターンバックルアセンブリ104、204の作動によって段階的に調整して、時間の経過とともに前捻矯正を段階的に増加させることができる。径間設定要素184、284を回転させてターンバックルアセンブリ104、204の長さを調整し、その結果、第2弧状セグメントまたは内側リング要素124に対して、第1弧状セグメントまたは第1外側リング要素120および第2外側リング要素122を回転させることができる。また、これにより、第1固定ピンアセンブリ106および第2固定ピンアセンブリ108と、それらそれぞれのピン170との間の距離/角度が調整される。このようにして、遠位大腿骨8を大腿骨シャフト4に対して段階的にねじって、前捻を矯正することができる。
【0063】
本方法の1つの実施形態では、前捻の矯正速度は、1日あたり1度であってもよい。本方法の別の実施形態では、前捻矯正の速度は、1日あたり1度未満であってもよい。本方法のさらに別の実施形態では、速度は1日あたり1度より大きくてもよい。
【0064】
前捻矯正を達成するために、ターンバックルアセンブリ104、204を1日に2回以上作動させてもよい。1つの実施形態では、ターンバックルアセンブリ104、204を1日に3回作動させてもよい。他の実施形態では、実施される前捻矯正の速度を、日ごとに変化させてもよい。
【0065】
本方法のいくつかの実施形態では、ピン170の互いに対する初期角度は変化してもよく、ピン170は、減捻工程の完了時、または減捻工程中の任意の時点で、互いに平行である必要はない。少なくともいくつかの実施形態において、前捻矯正が進むにつれて、選択された第2の角度に達するまで、ピン170を互いに向かって段階的に移動させてもよい。1つの実施形態では、選択された第2の角度は、ピン170が上側または下側の視点から垂直に整列し、それらが互いに平行または実質的に平行になるように、0°であってもよい。この時点で、ポインター168は、指標146の0度の指標(複数可)を指していてもよい。前捻の矯正後、ねじれ固定器100は、患者から取り外されてもよい。
【0066】
図10~12を参照すると、本開示の代替的な実施形態では、第1および第2ピン170のうちの少なくとも1つは、連結型リングアセンブリ102の対向側に配置される2つの対向するカプラー192の間に固定される1つまたは複数のワイヤ190から構成されていてもよい。たとえば、2つの対向するカプラー192は、第1弧状セグメント(または内側リング要素124)の対向側に連結されてもよいし、第2弧状セグメント(または第1外側リング要素120および第2外側リング要素122)の対向側に連結されてもよいし、外側リングアセンブリ103の対向側に連結されてもよい。このようにして、1つまたは複数のワイヤ190は、連結型リングアセンブリ102に取り付けられている2つの対向するカプラー192の間で、連結型リングアセンブリ102を横断して延在してもよい。
【0067】
図10~12は、大腿骨2に固定される連結型ねじれ固定器200を含む、そのような代替的な実施形態の1つの例を示している。この例に示されているように、1つまたは複数のワイヤ190を、骨端軟骨より下の大腿骨2を貫通して延在させ、第2弧状セグメントまたは内側リング要素124に固定してもよい。また、ピン170を、骨端軟骨より上の大腿骨2に固定し、第1弧状セグメントまたは第1外側リング要素120に固定してもよい。ターンバックルアセンブリ104は、内側リング要素124と第1外側リング要素120との間の相対的な動きを制御してもよい。
図11では、約1度の矯正を残して前捻の矯正がほぼ完了している。
図12では、前捻の矯正が完了しており、ピン170がワイヤ190と平行に示されている。
【0068】
図14は、本開示の1つの実施形態による、無傷の骨の外的な前捻矯正のための方法300のフローチャートを示す。一般的に、方法300は、本明細書に記載された装置または装置構成要素のいずれかを、任意の組み合わせまたは構成で利用してもよい。1つの例では、方法300は、回転可能に連結される第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントと、第1弧状セグメントに連結される第1ピンと、第2弧状セグメントに連結される第2ピンと、第1弧状セグメントおよび第2弧状セグメントに連結される制御機構とを備える装置を利用してもよい。
【0069】
本方法は、第1ピンを無傷の骨の遠位骨セグメントに経皮的に固定する工程310から始まってもよい。また、第1ピンを、直接的に、または第1固定アセンブリを介して間接的に、第1弧状セグメントに連結してもよい。
【0070】
第1ピンが無傷の骨の遠位骨セグメントに経皮的に固定されたならば、方法300は工程320に進んでもよく、この工程では、第1ピンに対して選択された第1の角度で、無傷の骨の近位骨セグメントに第2ピンを経皮的に固定されてもよい。また、直接的に、または第2固定アセンブリを介して間接的に、第2弧状セグメントに第2ピンを結合してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1弧状セグメントは、外側リングを含んでいてもよく、第2弧状セグメントは、外側リングに同心的かつ回転可能に連結される内側リングを含んでいてもよい。
【0071】
第2ピンが無傷の骨の近位骨セグメントに経皮的に固定されたならば、方法300は工程330に進んでもよく、この工程では制御機構を作動させてもよく、それによって、(1)第2弧状セグメントに対して第1弧状セグメントを回転させ、(2)第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、そして(3)遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、無傷の骨の前捻を低減させてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、制御機構を作動させる工程は、一定期間にわたって制御機構を漸増的に作動させることをさらに含み、それによって、(1)外側リングに対して複数の異なる位置へと内側リングを回転させ、(2)第1ピンに対して複数の異なる角度へと第2ピンを移動させ、そして(3)遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントを段階的にねじって、一定期間をかけて無傷の骨の前捻を低減させてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、制御機構を作動させる工程は、制御機構の少なくとも一部を回転させることをさらに含み、それによって、(1)制御機構の長さを増大させ、(2)外側リングに対して内側リングを回転させ、(3)第1ピンに対して選択された第2の角度へと第2ピンを移動させ、そして(4)遠位骨セグメントに対して近位骨セグメントをねじって、無傷の骨の前捻を減少させてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、制御機構の少なくとも一部を第1の方向に回転させることで、制御機構の長さが増大し、制御機構の少なくとも一部を第2の方向に回転させることで、制御機構の長さが減少する。
【0075】
制御機構を作動させたならば、方法300は工程340に進んでもよく、所望の量の前捻矯正に達したときに、第1ピンおよび第2ピンを無傷の骨から除去してもよく、方法300は終了してもよい。
【0076】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を実行するための1つまたは複数の工程または動作を含む。本明細書に開示された任意の方法から、1つまたは複数の方法の工程および/または動作を省略してもよい。さらに、方法の工程および/または動作のいずれかを互いに交換してもよい。換言すれば、工程または動作の特定の順序が実施形態の適切な動作に必要でない限り、特定の工程および/または動作の順序および/または使用は変更されてもよい。
【0077】
本明細書を通じて「1つの実施形態」または「実施形態」との言及は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体に記載されているように、引用された記載、またはその変形は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0078】
同様に、上記の実施形態の説明では、開示を簡素化する目的で、様々な特徴を単一の実施形態、図、またはその説明にまとめていることがあることを理解されたい。しかし、この開示方法は、いずれの請求項も、その請求項に明示的に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲に反映されているように、発明概念は、任意の単一の前述に開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、明示的に詳細な説明に組み込まれ、各請求項は個別の実施形態として独立している。本開示には、独立請求項とその従属請求項のすべての組み合わせが含まれる。
【0079】
特許請求の範囲において、ある特徴または要素に関して「第1」という用語を用いることは、必ずしも第2または追加のそのような特徴または要素の存在を意味するものではない。ミーンズプラスファンクション形式で記載されている要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されることを意図している。本明細書に記載されている基本的な原理から逸脱することなしに上述の実施形態の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0080】
本明細書で定義される際に、「実質的に等しい」とは、「等しい」、または、互いに約+10%または-10%の相対変動の範囲内にあることを意味する。
【0081】
本開示の具体的な実施形態および応用例を図示および説明してきたが、添付の特許請求の範囲は、本明細書にまさに開示された構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。本明細書に開示されたシステム、方法、および装置の配置、動作、および詳細に対して、当業者にとって明らかな様々な修正、変更、および変形を行うことができる。
【国際調査報告】