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特表2022-508622ハイブリッドロボットピッキングデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ハイブリッドロボットピッキングデバイス
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20220112BHJP
   B25J 15/10 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B25J15/06 A
B25J15/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543985
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(85)【翻訳文提出日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 US2019054560
(87)【国際公開番号】W WO2020072815
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】62/740,763
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/818,363
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521138361
【氏名又は名称】ペイトン, ニコラス
(71)【出願人】
【識別番号】521149046
【氏名又は名称】オドナー, ラエル
(71)【出願人】
【識別番号】521138372
【氏名又は名称】ディンゲル, パトリック
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ペイトン, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】オドナー, ラエル
(72)【発明者】
【氏名】ディンゲル, パトリック
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS10
3C707DS03
3C707ES04
3C707FS01
3C707FT15
3C707HS27
3C707HT20
3C707MT05
(57)【要約】
ピッキング動作を実施するためのロボットピッキングデバイスおよび方法。ロボットピッキングデバイスは、アイテムへの初期把持を取得するように構成された吸引デバイスと、吸引デバイスと動作可能に接続し、吸引デバイスを拡張させ、少なくともアイテムへの初期把持を取得することにおいて補助するように構成された送りねじとを含む。一実施形態において、ロボットピッキングデバイスは、吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得すると、アイテムを安定させるように構成された少なくとも1つのフィンガ部分をさらに備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング動作を実施する方法であって、前記方法は、
ピッキングされるべきアイテムに対してロボットピッキングデバイスを位置付けることであって、前記ロボットピッキングデバイスは、吸引デバイスと、前記吸引デバイスと動作可能に接続している送りねじとを含む、ことと、
前記送りねじを使用して、前記ピッキングされるべきアイテムに向かって前記吸引デバイスを拡張させることと、
前記吸引デバイスを動作させ、前記アイテムに対して吸引力を発生させ、前記アイテムへの初期把持を取得することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ピッキングデバイスは、少なくとも1つのフィンガ部分をさらに含み、前記方法は、前記少なくとも1つのフィンガ部分を使用して、前記アイテムを安定させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピッキングデバイスは、前記アイテムに接触し、前記アイテムを安定させるために、少なくとも3つのフィンガ部分を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも3つのフィンガ部分は、前記吸引デバイスの周りに位置付けられている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記吸引デバイスが前記アイテムへの前記初期把持を取得すると、前記送りねじを使用して、前記吸引デバイスを後退させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記送りねじは、モータによって駆動される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記送りねじの駆動端における軸受を使用して、少なくとも部分的に前記送りねじの運動を拘束することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記吸引デバイスを拡張させることは、前記送りねじを使用して、管部分を拡張させることを含み、前記管部分は、少なくとも部分的に少なくとも1つのブッシングによって拘束されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
排気力を発生させ、前記吸引デバイスから前記アイテムを解放することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ピッキング動作を実施するためのロボットピッキングデバイスであって、前記ロボットピッキングデバイスは、
吸引デバイスと、
前記吸引デバイスと動作可能に接続し、前記吸引デバイスを拡張させ、少なくともアイテムへの初期把持を取得することにおいて補助するように構成された送りねじと
を備えている、ロボットピッキングデバイス。
【請求項11】
前記吸引デバイスが前記アイテムへの前記初期把持を取得すると、前記アイテムを安定させるように構成された少なくとも1つのフィンガ部分をさらに備えている、請求項10に記載のピッキングデバイス。
【請求項12】
前記ピッキングデバイスは、前記アイテムに接触し、前記アイテムを安定させるために、少なくとも3つのフィンガ部分を含む、請求項11に記載のピッキングデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも3つのフィンガ部分は、前記吸引デバイスの周りに位置付けられている、請求項12に記載のピッキングデバイス。
【請求項14】
前記送りねじは、前記吸引デバイスが前記アイテムへの前記初期把持を取得すると、前記吸引デバイスを後退させるようにさらに構成されている、請求項10に記載のピッキングデバイス。
【請求項15】
前記送りねじは、モータによって駆動される、請求項10に記載のピッキングデバイス。
【請求項16】
少なくとも部分的に前記送りねじの運動を拘束するために、前記送りねじの駆動端における軸受をさらに備えている、請求項10に記載のピッキングデバイス。
【請求項17】
前記送りねじを格納している管部分と、
少なくとも部分的に前記送りねじの運動を拘束するように構成された少なくとも1つのブッシングと
をさらに備えている、請求項10に記載のピッキングデバイス。
【請求項18】
前記管部分に沿ってスライドするように構成された割れリングシールをさらに備えている、請求項17に記載のピッキングデバイス。
【請求項19】
前記吸引デバイスは、排気力を発生させ、前記吸引デバイスから前記アイテムを解放するようにさらに構成されている、請求項10に記載のピッキングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、それらのそれぞれの全開示が本明細書にその全体として記載される場合と同様に参照することによって組み込まれる2018年10月3日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/740,763号および2019年3月14日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/818,363号の利益および優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本明細書に説明される実施形態は、概して、ロボットデバイスおよび方法に関し、より具体的に、排他的ではないが、ピッキング動作を実施するためのロボットデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
倉庫環境におけるそれら等の物流動作は、多くの場合、第1の場所(例えば、コンテナ)からアイテムを集め、第2の場所に(例えば、ベルトコンベヤ上に)アイテムを設置するためのロボットピッキングデバイスを含む。これらのロボット解決策は、典型的に、非常に狭いクラスのピックアイテムに合うようにされる。
【0004】
例えば、特定のピッキングデバイスは、特定のサイズ、形状、重量、材料、表面等を有するアイテムのみを握持するように構成され得る。故に、これは、異なるタイプのアイテムを伴うピッキング動作における単一ピッキングデバイスの価値を限定する。
【0005】
製造業者は、エンドユーザがそれらのピッキングデバイスを修正することを可能にすることによって、これらの限定を克服または別様に軽減することを試みている。例えば、製造業者は、異なるサイズまたは形状のフィンガを受け取るようにアクチュエータを構成することによって、ある程度のモジュール性を提供し得る。故に、これは、エンドユーザが、特定のアイテムセットに合致するように標準的ピッキングデバイスをカスタマイズすることを可能にする。
【0006】
しかしながら、これらの再構成プロセスは、通常、手動プロセスである。これらのプロセスは、したがって、時間およびリソースを消費する。加えて、部品の交換は、ピッキングデバイスが一時的に使用停止にされることも要求し、それによって、中断時間を増加させる。
【0007】
これらのカスタマイズ能力を用いても、いくつかのアイテムは、それにもかかわらず、それらの小さいサイズに起因して、把持することが困難であり得る。例えば、小さいアイテムは、使用され得る吸引カップの数およびサイズを限定する小さい吸引部位を有する(ロボットピッキングデバイスが、アイテムを把持するために吸引ベースの技法に依拠する場合)。
【0008】
一方、より大きいまたはより重いアイテムは、急速に移動させられると、揺れ動き、あるいは、吸引デバイスから外れる傾向がある。吸引ベースのグリッパが使用される場合、これらのより大きいまたはより重いアイテムは、大きい吸引カップおよび/または複数の広く間隔を置かれた吸引部位を要求し得る。これは、特定の吸引ベースのピッキングデバイスが取り扱い得るアイテムの範囲を限定する。
【0009】
したがって、既存の技法の不利点を克服するロボットデバイスおよび方法の必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の概要は、発明を実施するための形態の節において下でさらに説明される一連の概念を簡略化形態において導入するために提供される。本発明の概要は、請求される主題の重要な特徴または不可欠な特徴を識別または除外することを意図しておらず、それは、請求される主題の範囲を決定することにおける支援として使用されることも意図していない。
【0011】
一側面において、実施形態は、ピッキング動作を実施する方法に関する。方法は、ピッキングされるべきアイテムに対してロボットピッキングデバイスを位置付けることであって、ロボットピッキングデバイスは、吸引デバイスと、吸引デバイスと動作可能に接続している送りねじとを含む、ことと、送りねじを使用して、ピッキングされるべきアイテムに向かって吸引デバイスを拡張させることと、吸引デバイスを動作させ、アイテムに対して吸引力を発生させ、アイテムへの初期把持を取得することとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、ピッキングデバイスは、少なくとも1つのフィンガ部分をさらに含み、方法は、少なくとも1つのフィンガ部分を使用して、アイテムを安定させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、ピッキングデバイスは、アイテムに接触し、アイテムを安定させるために、少なくとも3つのフィンガ部分を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも3つのフィンガ部分は、吸引デバイスの周りに位置付けられる。
【0013】
いくつかの実施形態において、方法は、吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得すると、送りねじを使用して、吸引デバイスを後退させることをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、送りねじは、モータによって駆動される。
【0015】
いくつかの実施形態において、方法は、送りねじの駆動端における軸受を使用して、少なくとも部分的に送りねじの運動を拘束することをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、吸引デバイスを拡張させることは、送りねじを使用して、管部分を拡張させることを含み、管部分は、少なくとも部分的に少なくとも1つのブッシングによって拘束される。
【0017】
いくつかの実施形態において、方法は、排気力を発生させ、吸引デバイスからアイテムを解放することをさらに含む。
【0018】
別の側面によると、実施形態は、ピッキング動作を実施するためのロボットピッキングデバイスに関する。ロボットピッキングデバイスは、吸引デバイスと、吸引デバイスと動作可能に接続し、吸引デバイスを拡張させ、少なくともアイテムへの初期把持を取得することにおいて補助するように構成された送りねじとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、ロボットピッキングデバイスは、吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得すると、アイテムを安定させるように構成された少なくとも1つのフィンガ部分をさらに含む。いくつかの実施形態において、ピッキングデバイスは、アイテムに接触し、アイテムを安定させるために、少なくとも3つのフィンガ部分を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも3つのフィンガ部分は、吸引デバイスの周りに位置付けられる。
【0020】
いくつかの実施形態において、送りねじは、吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得すると、吸引デバイスを後退させるようにさらに構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、送りねじは、モータによって駆動される。
【0022】
いくつかの実施形態において、ピッキングデバイスは、少なくとも部分的に送りねじの運動を拘束するために、送りねじの駆動端における軸受をさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、ピッキングデバイスは、送りねじを格納している管部分と、少なくとも部分的に送りねじの運動を拘束するように構成された少なくとも1つのブッシングとをさらに含む。いくつかの実施形態において、ピッキングデバイスはさらに、管部分に沿ってスライドするように構成された割れリングシールを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、吸引デバイスはさらに、排気力を発生させ、吸引デバイスからアイテムを解放するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の非限定的かつ非網羅的実施形態が、同様の参照番号が、別様に規定されない限り、種々の図全体を通して同様の部分を指す以下の図を参照して説明される。
【0026】
図1図1は、一実施形態による、倉庫環境を図示する。
【0027】
図2図2は、別の実施形態による、倉庫環境を図示する。
【0028】
図3図3AおよびBは、一実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタを図示する。
【0029】
図4図4は、一実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタの例示的アーキテクチャを描写する。
【0030】
図5図5は、一実施形態による、図4の後退可能アセンブリ406の例示的アーキテクチャを描写する。
【0031】
図6図6は、一実施形態による、後退可能アセンブリを図示する。
【0032】
図7図7は、一実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタの一部として構成される、図6の後退可能アセンブリを図示する。
【0033】
図8図8は、別の実施形態による、後退可能アセンブリを図示する。
【0034】
図9図9は、一実施形態による、図4のフィンガ部分アセンブリ408の例示的アーキテクチャを描写する。
【0035】
図10図10AおよびBは、一実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパームを図示する。
【0036】
図11図11AおよびBは、別の実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパームを図示する。
【0037】
図12図12AおよびBは、別の実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパームを図示する。
【0038】
図13図13AおよびBは、別の実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパームを図示する。
【0039】
図14A図14AおよびBは、一実施形態による、図4のマニホールドアセンブリ410の例示的アーキテクチャを描写する。
図14B図14AおよびBは、一実施形態による、図4のマニホールドアセンブリ410の例示的アーキテクチャを描写する。
【0040】
図15図15は、一実施形態による、ピッキング動作を実施する方法のフローチャートを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
種々の実施形態が、本明細書の一部を形成し、具体的例示的実施形態を示す付随の図面を参照して下でより完全に説明される。しかしながら、本開示の概念は、多くの異なる形態において実装され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示の概念、技法、および実装の範囲を当業者に完全に伝えるために、徹底的かつ完全な開示の一部として提供される。実施形態は、方法、システム、またはデバイスとして実践され得る。故に、実施形態は、ハードウェア実装、完全なソフトウェア実装、またはソフトウェアおよびハードウェア側面を組み合わせる実装の形態をとり得る。以下の発明を実施するための形態は、したがって、限定的な意味でとられるものではない。
【0042】
本明細書における「一実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示による少なくとも1つの例示的実装または技法に含まれることを意味する。本明細書の種々の場所における語句「一実施形態では」の表出は、必ずしも、全てが同一の実施形態を指すわけではない。本明細書の種々の場所における語句「いくつかの実施形態では」の表出は、必ずしも、全てが同一の実施形態を指すわけではない。
【0043】
続く説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内に記憶される非過渡信号に対する動作の記号表現の観点から提示される。これらの説明および表現は、データ処理技術における当業者によって、その作業の本質を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される。そのような動作は、典型的に、物理量の物理的操作を要求する。通常、必ずしもそうではないが、これらの量は、記憶され、転送され、組み合わせられ、比較され、別様に操作されることが可能な電気、磁気、または光学信号の形態をとる。随時、主として、共通使用の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等と称することが、便利である。さらに、随時、一般性を失うことなく、物理量の物理的操作を要求するステップのある配置をモジュールまたはコードデバイスと称することも、便利である。
【0044】
しかしながら、これらおよび類似する用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるものであり、単に、これらの量に適用される便利な標識である。以下の議論から明白であるように、別様に具体的に記載されない限り、説明全体を通して、「処理する」、または「算出する」、または「計算する」、または「決定する」、または「表示する」等の用語を利用する議論は、コンピュータシステムメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報記憶、伝送、または表示デバイス内の物理(電子)量として表されるデータを操作および変換するコンピュータシステムまたは類似する電子コンピューティングデバイスのアクションおよびプロセスを指すことを理解されたい。本開示の一部は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアにおいて具現化され得、ソフトウェアにおいて具現化されるとき、種々のオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォーム上に常駐し、それから動作させられるようにダウンロードされ得るプロセスおよび命令を含む。
【0045】
本開示は、本明細書の動作を実施するための装置にも関する。装置は、要求される目的のために特別に構築され得るか、または、それは、コンピュータ内に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされ、または再構成される汎用コンピュータを備え得る。そのようなコンピュータプログラムは、限定ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光学ディスク、CD-ROM、磁気光学ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光学カード、特定用途向け集積回路(ASIC)、または電子命令を記憶するために好適な任意のタイプの媒体等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体内に記憶され得、それぞれ、コンピュータシステムバスに結合され得る。さらに、本明細書に言及されるコンピュータは、単一のプロセッサを含み得るか、または、増加させられた算出能力のために複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであり得る。
【0046】
本明細書に提示されるプロセスおよびディスプレイは、本質的に、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関連しない。種々の汎用システムも、本明細書の教示によるプログラムとともに使用され得るか、または、1つ以上のステップを実施するために、より特殊化された装置を構築することが便利であることが、証明され得る。種々のこれらのシステムに関する構造が、下記の説明に議論される。加えて、本開示の技法および実装を達成するために十分である任意の特定のプログラミング言語が、使用され得る。種々のプログラミング言語が、本明細書に議論されるような本開示を実装するために使用され得る。
【0047】
加えて、本明細書に使用される言語は、主として、読み取り可能な性および教育目的のために選択されており、開示される主題を描写または制限するために選択されていないこともある。故に、本開示は、本明細書に議論される概念の範囲の限定ではなく、例証であることを意図している。
【0048】
本明細書に説明されるロボットデバイスおよび方法は、広い範囲のアイテムをピッキングすることが可能な単一のハイブリッドグリッパまたはエンドエフェクタ(簡単のために、「エンドエフェクタ」)を提供する。具体的に、ハイブリッドエンドエフェクタは、アイテムへの初期把持を取得するための少なくとも1つの吸引デバイスを使用し、次いで、アイテムを安定させるための少なくとも1つのフィンガ部分を使用する。これは、ロボットピッキング解決策の利用の増加を可能にし、オペレータがアイテムの限定された組をピッキングステーションに経路指定すること、またはロボットピッキングステーションを手動で再構成することを行う必要性を低減させる。
【0049】
2つのグリッパ型式の組み合わせは、互いに補完する。吸引ベースのグリッパは、アイテムの精密な初期把持を達成し、次いで、フィンガベースの部分は、把持を安定させ、ロボットピッキングデバイスがアイテムを移動させることを可能にする。本明細書に説明される種々の実施形態によると、吸引デバイスは、フィンガ部分に対して吸引デバイスを拡張させるために、線形拡張部材で構成される。これは、ハイブリッドエンドエフェクタ、具体的に、吸引デバイスが、小さいまたは狭い空間の中に到達し、アイテム(小さいまたは限定された吸引部位を伴うアイテムおよび密集した群からのそれらを含む)を把持し、アイテムを改善された位置に引き戻し、アイテムの安定した把持を達成することを可能にする。これらの実施形態は、したがって、1つ以上の吸引デバイスが、アイテムへの初期把持を取得することにより、またはピッキングされるべきアイテムに応じて、主要な把持方法としての機能を果たすことを可能にする。
【0050】
加えて、全範囲の異なるアイテムを取り扱うための単一の吸引デバイスが、常に可能であるわけではない。故に、重いまたは大きいアイテム等のアイテムを安定させるために、または把持するために、1つ以上のフィンガ部分を追加することが、有益である。フィンガ部分は、吸引デバイスがフィンガ部分により近くに後退させられると、アイテムに係合することができ、その場合、フィンガ部分は、作動させられる必要はない。代替として、フィンガ部分は、アイテムに接触するように作動し得る。
【0051】
本明細書に説明されるデバイスおよび方法は、いくつかの環境において実装され、いくつかの用途のために実装され得る。図1は、1つ以上のロボットピッキングデバイス102が、ピッキングおよび設置動作を実施するタスクを課され得る倉庫環境100を図示する。例えば、ロボットピッキングデバイス102は、アーム部分(例えば、複数のアームセグメントまたはリンクから形成される)と、エンドエフェクタとを備え得、棚ユニット104からアイテムをピッキングし、次いで、アイテムをコンテナ106内に設置するタスクを課され得る。コンテナ106は、ベルトコンベヤ108上にあり得、ベルトコンベヤ108は、ロボットピッキングデバイス102に、およびそれからコンテナ106を移動させるように構成される。加えて、または代替として、ロボットデバイス102は、コンテナ106からアイテムをピッキングし、棚ユニット104、プットウォール、保管場所、別の箱またはコンテナ等の中にアイテムを設置するタスクを課され得る。
【0052】
図2は、ロボットピッキングデバイス202が、1つ以上のコンテナ204からアイテムをピッキングし、装填ステーション206にアイテムを設置するタスクを課され得る倉庫環境200における別の例示的用途を図示する。これらのアイテムは、次いで、さらなる出荷、分類、または処理のために出荷コンテナ208内に設置され得る。
【0053】
これらのピッキング動作を実施するために、ロボットピッキングデバイスは、図3AおよびBに示され、上で説明されるハイブリッドエンドエフェクタ300等のエンドエフェクタで構成され得る。本明細書に説明される実施形態によるエンドエフェクタ300は、1つ以上の吸引デバイス302と、1つ以上のフィンガ部分304とを含み得る。
【0054】
図3Aは、後退位置における吸引デバイス302を図示する。吸引デバイス302は、それがピッキングされるべきアイテムへの初期把持を取得するために必要とされるまで、この後退位置に留まり得る。
【0055】
その時点で、吸引デバイス302に動作可能に接続される線形拡張部材306が、図3Bに示されるように拡張し得る。すなわち、線形拡張部材306は、吸引デバイス302をピッキングされるべきアイテム(図3AまたはBに図示せず)により近くにもたらすために拡張し得る。線形拡張部材306は、2つの管状部分で図3Bに図示されるが、これは、一例示的実施形態にすぎず、下で議論されるように、線形拡張部材306は、種々の方法で構成され得る。
【0056】
吸引デバイス302は、吸引力を発生させるために、真空システム(図3AまたはBに図示せず)と動作可能に連通し得る。ピッキングされるべきアイテムに十分に近接すると、吸引力は、吸引デバイス302がアイテムへの初期把持を取得することを可能にし得る。すなわち、吸引力は、吸引デバイス302と接触し、それと接触したままであるようにアイテムを引っ張り得る。線形拡張部材306は、次いで、エンドエフェクタ300の残りの部分、すなわち、フィンガ部分304にアイテムをより近くにもたらすように後退し得る。
【0057】
1つ以上のフィンガ部分304は、吸引デバイス302がアイテムへの初期把持を取得したとき、またはその後、アイテムを安定させ得る。例えば、線形拡張部材306が(吸引デバイス302がアイテムのその把持を維持したまま)後退した後、1つ以上のフィンガ部分304は、アイテムに接触し、したがって、それを安定させるように作動し得る。単にアイテムを安定させることに加えて、1つ以上のフィンガ部分304は、アイテムが吸引デバイス302から外れないことを確実にするために、アイテムの十分な把持または支持レベルを確実にし得る。
【0058】
吸引デバイス302が、アイテムへの初期把持を取得し、1つ以上のフィンガ部分304が、アイテムを安定させると、ロボットデバイスは、アイテムを操縦し、アイテムを指定された場所に設置し得る。アイテムをある場所に設置するために、またはアイテムを解放するために、1つ以上のフィンガ部分304は、該当する場合、アイテムに接触しないように作動し得、吸引力は、アイテムを解放するために停止させられ得る。代替として、線形拡張部材306は、フィンガ部分304との接触からアイテムを除去するように拡張し得、吸引が、中止され、アイテムに落下させ得る。
【0059】
フィンガ部分304に対して吸引デバイス302を拡張させることは、いくつかの利点を提供する。例えば、それは、吸引デバイス302が、フィンガ部分304を収容するには狭すぎる空間の中に拡張することを可能にする。それは、より多くのアプローチ角度も可能にし、吸引デバイス302とフィンガ部分304との間の間隔がピッキングされるべきアイテムのサイズ、形状、および構成に従って調節されることも可能にする。
【0060】
図4は、一実施形態による、ピッキングデバイスの例示的アーキテクチャ400を図示する。アーキテクチャ400は、グリッパ制御基板402と、ステーションコントローラ404と、後退可能アセンブリ406と、フィンガ部分アセンブリ408と、マニホールドアセンブリ410とを含む。
【0061】
グリッパ制御基板402は、任意の適切な処理デバイスとして構成され得る。グリッパ制御基板402は、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または、別の類似するデバイス(現在利用可能であるか、今後発明されるかを問わず)上で実行されるソフトウェアとして実装され得る。
【0062】
実施形態に応じて、ピッキングデバイスは、多くのオンボードの電子機器を有し得る。これらは、通信および任意の要求されるオンボードデータ処理タスクを取り扱うための中央処理ユニット、フィンガ部分または他の構成要素を作動させるための駆動装置、および、ピッキングデバイスの環境およびピッキングされるべきアイテムに関するセンサによって集められた画像を処理するための任意の電子機器を含み得る。
【0063】
ステーションコントローラ404は、グリッパ制御基板402と動作可能に通信し得、ピッキングデバイスの環境に関連する構成要素を制御し得る。例えば、ステーションコントローラ404は、ピッキングデバイスに、およびそれからアイテムを保管するコンテナを移動させるために、ベルトコンベヤ等の他の外部システムにコマンドを発行し得る。ステーションコントローラ404は、ピッキングデバイスおよびその構成要素にもコマンドを発行し得る。例えば、ステーションコントローラ404は、電力がピッキングデバイスに供給されるかどうかを制御し得る。
【0064】
図5は、一実施形態による、図4の後退可能アセンブリ406の例示的アーキテクチャを描写する。後退可能アセンブリ406は、図3AおよびBの線形拡張部材306等の線形拡張部材の運動を制御するタスクを課され得る。
【0065】
図5に見られるように、後退可能アセンブリ406は、ギヤ列504を駆動するために、サーボモータ502を含み得る。サーボモータ502は、機械加工されたフレームを伴う既製のモータ(例えば、Dynamixel XM 430 W210)であり得る。駆動ギヤ列504は、線形拡張部材506(例えば、図3AおよびBの線形拡張部材306)と動作可能に連通する一連のギヤを含み得る。サーボモータ502およびギヤ列504が、線形拡張部材506を駆動すると、それらは、線形拡張部材506への吸引カップ/フィルタの接続によって、吸引カップ/フィルタ(簡単のために、「吸引デバイス」)508も駆動し得る。
【0066】
サーボモータ502に依拠する実施形態において、回転運動を線形運動に変換する任意の手段が、使用され得る。一例示的技法は、ラックピニオン駆動の使用であり、ギヤラックが線形拡張部材506の中に取り付けられ、または機械加工され、ピニオンギヤによって駆動される。
【0067】
図6は、例えば、一実施形態による、後退可能アセンブリ600を図示する。後退可能アセンブリ600は、吸引デバイス604と動作可能に接続する線形拡張部材602を含み得る。本実施形態において、線形拡張部材602は、拡張および後退するために、駆動可能ピニオン608に動作可能に係合するラック606を含み得る。線形拡張部材602は、線形拡張部材602の回転を防止するために、円筒形ブッシング612に係合する複数の溝付き部分610を含み得る。
【0068】
図6は、いくつかの実施形態による、アイテムへの初期把持を取得するために要求される吸引力を発生させるために使用される構成要素も図示する。下でより詳細に議論されるが、これらの構成要素は、空気リザーバ616と動作可能に接続するベンチュリ真空発生器614を含み得る。空気リザーバ616は、圧縮空気入口620への3方向/2位置弁618と接続し得る。ベンチュリ真空発生器614は、線形拡張部材602を通して伸びている空気ライン622とも連通し得る。線形拡張部材602は、ベンチュリ真空発生器614によって発生させられる吸引力のいかなる漏出も防止するために、内部シール624をさらに含むか、またはそれと接続し得る。
【0069】
ベンチュリ真空発生器614が望ましくない量の騒音を発生させ得ることに留意されたい。故に、図6に示される実施形態は、生成される騒音の量を低減させるために、マフラ626と、吸音材料628とをさらに含み得る。
【0070】
図7は、別の実施形態による、ピッキングデバイスのハイブリッドエンドエフェクタ700を図示する。図7のエンドエフェクタ700は、図3AおよびBのエンドエフェクタ300に類似し得る。しかしながら、図7に見られるように、エンドエフェクタ700は、後退可能アセンブリ600、より具体的に、図6の線形拡張部材602で構成される。
【0071】
線形拡張部材506を制御するための他の例示的技法は、線形拡張部材506に固定されるナットを駆動する回転ねじまたは線形拡張部材506に固定されるねじを駆動する回転ナットを伴い得る。これらの実施形態において、使用されるねじのタイプは、そのような目的のために利用可能である多数のアクメねじ、ローラねじ、送りねじ、またはボールねじのうちのいずれか1つであり得る。
【0072】
例えば、図8は、線形拡張部材802が、その中の送りねじ804によって駆動される別の実施形態による、後退可能アセンブリ800を図示する。具体的に、モータ806が、送りねじ804を回転させるようにギヤ列808を駆動し得る。図8に見られるように、送りねじ804は、ギヤ列808によって駆動されると、線形拡張部材802に拡張させる(または後退させる)、軸受810および送りナット812で構成され得る。
【0073】
後退可能アセンブリ800は、送りねじ804に平行である空気管814も含み、空気管814は、線形拡張部材802の回転を防止し、管814を通して空気流を送給し、吸引力を発生させる。平行空気管814は、管814からの空気のいかなる漏出も防止するために、1つ以上のガイドブッシング816および外部シール818で構成され得る。図8に示されないが、吸引デバイスが、図3AおよびBの構成と同様に、空気管814に取り付けられ得る。
【0074】
送りねじ804は、軸受810によって駆動端から支持される。この軸受810は、軸方向および半径方向荷重の両方を支持するように設計されるべきである。軸受810は、例えば、二列角度接触玉軸受であり得る。軸受810は、送りねじ804の運動に対するさらなる拘束を提供し得る。送りねじ804の非駆動端は、概して、支持されないが、しかしながら、ブッシング(図8に標識化せず)が、追加の支持を提供するために、線形拡張部材802の内面に沿ってスライドするように構成され得る。これは、送りねじ804が曲がることを防止するが、その機能的移動を拘束しない。
【0075】
故に、再び図5を参照すると、(実施形態にかかわらず)線形拡張部材506の運動は、多数の方法で拘束されることができる。例えば、線形拡張部材506は、突起付き部分、溝付き部分、正方形部分のうちの少なくとも1つで構成されるか、またはそれを含むか、または、非円形外部で構成され得る。線形拡張部材506およびその構成要素の厳密な構成は、種々の実施形態の特徴が、遂行され得る限り、変動し得る。
【0076】
吸引デバイス508は、線形拡張部材506に動作可能に接続され、着目アイテムに対して吸引力を発生させるために、空気圧システムとさらに接続し得る。吸引デバイス508は、用途またはピッキングされるべきアイテムに依存し得る種々のサイズおよび構成であり得る。これらは、限定ではないが、単一吸引カップ構成、吸引カップアレイ、発泡体吸引パッド、ガスケットパッド、ジャミンググリッパ、または任意の他のタイプの吸引ベースの握持デバイス(現在利用可能であるか、または今後発明されるかを問わず)を含み得る。
【0077】
アレイが使用される場合、通気エアヒューズが、把持されたアイテムに完全に係合しない区分への空気流を遮断し、それによって、アレイの他の区分が最適な圧力に到達することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、ベローズが、吸引デバイスとピッキングされるべきアイテム上の吸引部位との間のいかなる生成された垂直および/または角度不整列も補償するために、ピッキングデバイスで構成され得る。
【0078】
図5は、サーボモータ502を図示するが、後退可能アセンブリ406は、多数の方法で駆動され得る。例えば、空気圧ピストンが、一方の方向において線形拡張部材506を拡張または後退させ、他方の方向において運動または力を提供するために戻しばねを使用することができる。または、他の実施形態において、二段作用ピストンが、線形拡張部材506が両方の方向に移動することを可能にすることができる。別の例示的実施形態は、線形拡張部材506が、歯車または滑車間を線形に進行するベルトまたはチェーン上の歯またはリンクに接続されるベルトまたはチェーン駆動装置の使用を伴い得る。
【0079】
図9は、一実施形態による、フィンガ部分アセンブリ408の例示的アーキテクチャを描写する。フィンガ部分アセンブリ408は、1つ以上のフィンガ駆動列904を駆動するように構成される1つ以上のサーボモータ902を含み得る。サーボモータ902は、例えば、機械加工されたフレームを伴う既製のモータ(例えば、Dynamixel XM 430 W210)であり得る。駆動列904は、トルクをサーボモータ902から1つ以上のフィンガアセンブリ906のフィンガ部分の回転軸に伝達するための一連のギヤを含み得る。より高いまたはより低いトルク、より小さいサイズ、より速いフィンガ部分作動、または他の望ましい特性をもたらし得るモータおよびギヤ設計に対する多くの変形例が、存在する。故に、フィンガ部分の偏向の量は、トルクを監視することによっても決定され得る。これらの構成要素の厳密なサイズまたは構成は、本明細書に説明される実施形態の特徴が、遂行され得る限り、変動し得る。
【0080】
1つ以上のフィンガアセンブリ906は、フィンガコア908において駆動列904から電力を受け取り得る。フィンガ部分は、ヒンジによって分離される複数の連結部を形成するように成型される固体ポリウレタンゴムから形成され得る。これらのヒンジは、応従性のみならず、フィンガ部分を中立位置に戻すために、可撓性およびばね力の両方を提供し得る。フィンガコア908は、ワイヤを含み得、ワイヤは、ガスケットを通過してフィンガコアの車軸の中心に入る。
【0081】
他の実施形態において、空気圧アクチュエータが、対向する方向における運動を提供するために、戻しばねを用いてフィンガ部分を閉鎖または開放し得る。同様に、二段作用空気圧アクチュエータが、両方の方向においてフィンガ部分を駆動するために使用され得る。
【0082】
各フィンガ部分は、連結部内に埋め込まれた磁石910を有し得、磁石910は、磁気センサ印刷回路基板(PCB)912上に成型されたホール効果センサに対応する。この構成において、フィンガ部分の偏向は、磁石910に磁気センサPCB912に対してシフトさせる。結果として生じる信号は、関連付けられたフィンガ部分が経験している偏向の量を決定することに役立ち得る。加えて、これらの信号は、荷重の方向に関するデータを提供し得る。
【0083】
フィンガ部分は、作動させられると、それらが、把持されたアイテムに形状適合するように、応従性であるように構成され得る。作動させられると、それらがアイテム取り囲むような方法でアイテムに向かって湾曲するようにフィンガ部分を成形することによって、把持は、さらに改良されることができる。
【0084】
図9に見られるように、フィンガ部分の動作に関するデータが、図4のグリッパ制御基板402に通信され得る。このデータは、ハイブリッドエンドエフェクタ400に関連付けられる他の構成要素またはシステムにも通信され得る。例えば、フィンガ部分の位置に関するデータが、1つ以上のフィンガ部分に直接連結されたエンコーダ(図9に図示せず)を介して監視され得る。または、エンコーダが、モータ902に同様に接続され得る。
【0085】
空気圧作動がフィンガ部分を作動させるために使用される場合、フィンガ部分に対する力が、圧力を監視することによって測定され得る。電気作動が使用される場合、フィンガ部分に対する力は、電流を監視することによって測定されることができる。フィンガ部分に対する力(アイテムが把持されているかどうかを示し得る)は、直列ばねまたは荷重計の偏向を測定することによってより精密に決定されることができる。フィンガ部分が、応従性である場合、力は、フィンガ部分自体の偏向を測定することによって監視されることができる。
【0086】
アイテムおよび把持の品質についてのフィードバックが、触覚を介して取得されることができる。フィンガ部分自体の中に設置されたセンサが、アイテムが接触されているかどうか、アイテムに加えられている圧力の量、およびアイテムが接触しているフィンガ部分上の場所を検出するために使用されることができる。例えば、MEMS気圧計が、表面圧力を検出および測定するために、フィンガ部分の成型ゴムコア908内に埋め込まれ得る。フィンガ部分の偏向を測定または別様に監視する上で説明される技法は、単に、例示的であり、現在利用可能であるか、または今後発明されるかを問わず、他の技法も、使用され得る。
【0087】
図3AおよびBおよび図7のエンドエフェクタは、3つのフィンガ部分を含むものとして図示されるが、本明細書に説明される種々の実施形態によるハイブリッドエンドエフェクタは、3つを上回るまたは下回るフィンガ部分を含み得る。例えば、下で議論されるように、エンドエフェクタは、吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得すると、アイテムを「つまむ」2つのみのフィンガ部分(例えば、吸引デバイスの対向する側に位置付けられる)を含み得る。
【0088】
または、いくつかの実施形態において、エンドエフェクタは、1つのみのフィンガ部分を含み得る。この場合、単一のフィンガ部分は、アイテムが吸引デバイスによって把持されるとき、単一のフィンガ部分上に置かれるように、吸引デバイスの下方に動作可能に位置付けられ得る。これは、重力が、アイテムが吸引デバイスから外れることを引き起こすであろう可能性を減少させる。
【0089】
他の実施形態において、ハイブリッドエンドエフェクタは、3つを上回るフィンガ部分を含み得る。実際に、フィンガ部分の数は、サイズ、電力、および費用制約によってのみ限定される。故に、フィンガ部分の数、サイズ、および構成は、本明細書に説明されるデバイスおよび方法の種々の実施形態の特徴が、遂行され得る限り、変動し得る。
【0090】
3つ以上のフィンガ部分が、使用される場合、それらは、複数の側からアイテムを支持するために、アイテムの周囲に対称または非対称に配置されることができる。長く細いアイテムが、把持され得るように、フィンガ部分を対向する群に配置することが、有益であり得る。いくつかの実施形態において、それらが互いに交差しないように、フィンガ部分のうちの1つ以上をオフセットさせることが、有益であり得る。
【0091】
図10AおよびBは、一実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパーム1000の正面図を図示する。本実施形態において、パーム1000は、2つのフィンガ部分1002a-bを含み、2つのフィンガ部分は、吸引デバイス1004の反対側で互いに対向している。具体的に、図10Aは、それらが、アイテム(図10AおよびBに図示せず)に近接および接触するように作動させられる「閉鎖」位置におけるフィンガ部分1002a-bを図示する。図10Aは、互いに接触するフィンガ部分1002a-bを図示するが、それらは、それらの間に把持されたアイテムにそれらが接触している可能性が高いであろうから、動作中に閉鎖位置において互いに直接接触していない可能性が高いであろう。
【0092】
一方、図10Bは、「開放」位置におけるフィンガ部分1002a-bを図示する。フィンガ部分1002a-bは、アイテムを把持する前、およびアイテムを解放するために、開放位置にあり得る。
【0093】
図11AおよびBは、別の実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパーム1100の正面図を図示する。本実施形態において、パーム1100は、吸引デバイス1104の周りに位置付けられた3つのフィンガ部分1102a-cを含む。具体的に、図11Aは、それらが、アイテム(図11AおよびBに図示せず)に近接および接触するように作動させられる「閉鎖」位置におけるフィンガ部分1102a-cを図示する。図11Aは、互いに接触するフィンガ部分1102a-cを図示するが、それらは、それらの間に把持されたアイテムにそれらが接触している可能性が高いであろうから、動作中に閉鎖位置において互いに直接接触しない可能性が高いであろう。
【0094】
一方、図11Bは、「開放」位置におけるフィンガ部分1102a-cを図示する。フィンガ部分1102a-cは、アイテムを把持する前、およびアイテムを解放するために、開放位置にあり得る。
【0095】
図12AおよびBは、別の実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパーム1200の正面図を図示する。本実施形態において、パーム1200は、吸引デバイス1204の周りに位置付けられる3つのフィンガ部分1202a-cを含む。具体的に、図12Aは、それらが、アイテム(図12AおよびBに図示せず)に近接および接触するように作動させられる「閉鎖」位置におけるフィンガ部分1202a-cを図示する。
【0096】
しかしながら、図11AおよびBと対照的に、フィンガ部分1202a-cは、互いに等しい距離に位置付けられていない。むしろ、フィンガ部分1202aおよび1202bは、互いに平行であり、フィンガ部分1202cから吸引デバイス1204の反対側に位置付けられている。故に、フィンガ部分1202a-cは、作動中に互いに交差せず、または、接触しないであろう。
【0097】
図12Bは、「開放」位置におけるフィンガ部分1202a-cを図示する。フィンガ部分1202a-cは、アイテムを把持する前、およびアイテムを解放するために、開放位置にあり得る。
【0098】
図13AおよびBは、別の実施形態による、ハイブリッドエンドエフェクタのパーム1300の正面図を図示する。本実施形態において、パーム1300は、吸引デバイス1304の周りに位置付けられる3つのフィンガ部分1302a-cを含む。具体的に、図13Aは、それらがアイテム(図13AおよびBに図示せず)に近接および接触するように作動させられる「閉鎖」位置におけるフィンガ部分1302a-cを図示する。
【0099】
しかしながら、図11AおよびBと対照的に、フィンガ部分1302a-cは、互いに等しい距離に位置付けられていない。むしろ、フィンガ部分1302aおよび1302bは、フィンガ部分1302cから吸引デバイス1304の反対側に位置付けられている。故に、フィンガ部分1302a-cは、作動中に互いに交差しない、または、接触しないであろう。しかしながら、図12AおよびBの構成と異なり、フィンガ部分1302aおよび1302bは、互いに平行ではない。
【0100】
図13Bは、「開放」位置におけるフィンガ部分1302a-cを図示する。フィンガ部分1302a-cは、アイテムを把持する前、およびアイテムを解放するために、開放位置にあり得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、フィンガ部分は、それらがアイテムを安定させるために作動させられない点において、静的であり得る。例えば、把持されたアイテムが、上で議論されるような単一の静的フィンガ部分上に置か得る。これらの実施形態において、サーボモータ902およびギヤ列904等のフィンガ部分アセンブリ408に関連付けられる上で説明される構成要素は、必要ではないであろう。
【0102】
フィンガ部分は、種々の方法で把持されたアイテムに接触するように作動させられ得る。例えば、フィンガ部分は、テンドンまたは連結部列を介して、線形に移動し、基部の周囲で回転し、または丸められ得る。使用される作動技法のタイプは、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴が遂行され得る限り、変動し得る。
【0103】
再び図4を参照すると、マニホールドアセンブリ410は、着目アイテムへの初期把持を取得するための吸引力を提供するタスクを課され得る。本明細書に説明される吸引デバイスがその要求される機能を実施するために、空気が線形拡張部材の端部に送給されなければならない。要求される空気送給を達成するための例示的構成は、スライドシール、可撓性管、ベローズ管等を含み得る。スライドシールは、内部にあり(例えば、図6のシール624のように)、管の内側でスライドするOリングまたはワイパを含むことができ、または、スライドシールは、外部にあり(図8のシール818のように)、シャフトの外側でスライドするOリングまたはワイパを伴うことができる。両方の構成において、シールは、吸引デバイスによって不注意に集められ得るいかなる細片または汚染にも耐性がある必要があり得る。
【0104】
スライドシールは、いくつかの方法で作製されることができる。それらは、シールとシールがスライドする表面との間のクリアランスを最小化し、したがって、漏出を最小化するために、若干可撓性でなければならない。いくつかの実施形態において、このシールは、接触を維持するために、スライド面と溝との間に圧縮されるOリング等の可撓性ゴムから形成され得る。いくつかの実施形態において、シールは、フランジが形成される可撓性材料から作製されることができる。この場合、フープ応力または曲げ応力が、この接触を維持するであろう。
【0105】
いくつかの実施形態において、シールは、可撓性ストリップまたはピストンリングから成ることができ、それは、スライド面の周囲で進路の大部分を包むが、それは、その端部間にギャップを有し、それによって、それが撓曲することを可能にする。この場合、曲げ応力が、シールとスライド面との間の初期接触を維持するために使用されることができる。圧力が加えられると、圧力差は、シールを定位置に保持する力を追加するために使用されることができる。そのような割れリングシールは、圧縮またはフランジベースのシールより堅い材料から作製されることができる。しかしながら、それらは、常に、リング内の割れ目を通してある程度のわずかな漏出を有するであろう。シールの構造にかかわらず、スライド面に付着するいかなる細片も捕らえ、そぎ落とすことに役立つような鋭い前縁を有することが、有益であり得る。
【0106】
同様に、ベローズまたは可撓性管(使用される場合)は、細片を取り除くこと、または、別様にそれを収集することを回避することが可能でなければならない。これらの構成要素は、捩れまたは他のタイプの不整列を防止するようにも支持されなければならない。
【0107】
スライドシールまたはベローズを使用する実施形態において、使用される作動技法または構成は、吸引デバイスが係合されると、空気圧差によって発生させられるいかなる線形力も支援するように格付けされなければならない。線形拡張部材がアイテムへの初期把持を取得した後に後退し、真空圧が線形拡張部材を横断して印加される場合、結果として生じる圧力差は、この運動を支援し得る。
【0108】
吸引力は、限定ではないが、ポンプ、送風機、ベンチュリ真空発生器等を含む種々の方法で発生させられ得る。これらのデバイスは、ピッキングデバイスとは別個に位置し、空気は、可撓性管を介して送給されるか、または、これらのデバイスは、ピッキングデバイス内に位置し、空気は、線形拡張部材内のチャネルを介して吸引デバイスに送給されるか、または、前述で議論されるような吸引デバイスへの直接の接続を通して線形拡張部材の端部に位置し得る。例えば、ベンチュリ真空発生器が、エンドエフェクタの中に機械加工され、またはそれと統合され得る。
【0109】
真空発生器の位置を選択することにおいて考慮すべきいくつかのトレードオフが、存在し得る。それが吸引デバイスから遠くに設置されるほど、真空発生器と吸引デバイスとの間の空気体積は、大きくなる。これは、吸引デバイスが係合または係脱解除され得る速度を減速させ、より強力な真空発生器の使用を要求し得る。しかしながら、真空発生器は、特にマフラが使用される場合、中程度に大きくなる傾向がある。故に、吸引デバイスが、狭い空間の中に収まることを要求される場合、吸引デバイスから離れるように真空発生器を移動させることが、必要であり得る。
【0110】
吸引力を発生させるために使用される方法にかかわらず、細片で吸引発生デバイスを損傷または閉塞させることを回避するように注意すべきである。これを達成するために、フィルタが、吸引デバイスと吸引力を発生させるために使用されるデバイスとの間に設置されることができる。
【0111】
吸引力を発生させるために使用される方法にかかわらず、排気が、大気に排出されなければならない。真空発生器が、大音量である場合、上で議論されるような生成される騒音を消音すること、または減衰させることが、望ましくあり得る。これは、空気が真空発生器から出ると、空気をフェルト、発泡体、または焼結プラスチック等の吸音材料(図6の628のような)に通すことによって達成されることができる。空気が、この材料を直接通過する場合、材料は、経時的に細片で閉塞し得る。これを回避するために、トンネルが、吸音材料(図6のマフラ626のような)を通して設けられることができる。
【0112】
図14AおよびBは、図4のマニホールドアセンブリ410の例示的アーキテクチャをより詳細に描写する。具体的に、図14Aは、一実施形態による、吸引段階中のマニホールドアセンブリ410を図示する。圧縮空気(例えば、100PSIにおける)が、エンドエフェクタアセンブリの基部においてマニホールドアセンブリ410に進入し得、ライン圧力は、ライン圧力センサ1402によって測定され得る。ライン圧力センサ1402は、グリッパ制御基板402と動作可能に通信し、それから電力を受け取り、それとデータを通信し得る。
【0113】
吸引段階中、圧縮空気は、高圧において3方向/2位置弁1404を通して空気リザーバ1406に通過し得る。空気は、リザーバ1406から単段のベンチュリ真空発生器カートリッジ1408に向けられ得、単段のベンチュリ真空発生器カートリッジ1408は、順に、後退可能吸引アセンブリ406(図5参照)の吸引デバイス508を通して空気を引き込む。ベンチュリ真空発生器カートリッジ1408は、ロボットピッキングデバイスにオンボードであるか、または、ロボットピッキングデバイスとは別個の場所にあり得る。同様に、任意の他の要求される送風機および/またはポンプが、ロボットピッキングデバイスから分離される場合であっても、ロボットデバイスに動作可能に接続され得る。
【0114】
図14Aに見られるように、真空圧センサ1410が、(例えば、吸引デバイス508が、アイテムへの初期把持を取得したかどうかを決定するために)真空ラインにおける圧力を測定し得る。加圧空気は、排気マフラ1412を通してエンドエフェクタアセンブリから退出し得る。
【0115】
真空発生器カートリッジ1408が、無効化されるとき、それと吸引デバイスとの間の空気体積は、依然として、小さいであろう。この体積の大きさの程度、および存在する場合、吸引デバイスまたは真空発生器が漏出する量に応じて、吸引デバイスは、ピッキングされているアイテムから完全に係脱解除するために、望ましくなく長い時間がかかり得る。
【0116】
したがって、真空発生器と吸引デバイスとの間の体積に空気を追加することが、有益であり得る。これは、弁を大気に開放すること、または圧縮空気の源に開放することによって行われ得る。圧縮空気が、使用される場合、これは、吸引デバイスを細片がない状態に保つことにさらに役立ち得る。
【0117】
ベンチュリ真空発生器が使用される場合(図14Aのように)、発生器を制御する弁に関連付けられるノズルとの間に、ある体積の圧縮空気が、存在するであろう。3方向弁が、使用される場合、空気の体積は、排気ポートを真空発生器と吸引デバイスとの間の体積に接続することによって、追加の弁の必要性を伴わずに排気力を提供するために使用されることができる。しかしながら、吸引デバイスによって拾い上げられている細片が弁を汚染することを防止するように注意すべきである。これは、空気が、必ず弁のこのポートから離れるようにのみ進行するであろうから、フィルタを用いて、またはラビリンスを用いて行われることができる。
【0118】
図14Bは、一実施形態による、排気段階中のマニホールドアセンブリ410を図示する。図14Bに見られるように、弁1404は、(1)空気入力からの圧縮空気を遮断するため、(2)空気を空気リザーバ1406から図5の線形拡張部材506(図14Bに図示せず)に向けるためのスイッチ位置を有する。すなわち、リザーバ1406は、線形拡張部材506への真空ラインの中に直接排気する。これは、迅速に真空を解放し、吸引デバイス508から外に加圧空気のパフを吹く。これは、アイテムを解放するのみならず、それは、真空ラインを清浄に保つ。
【0119】
排気中、リザーバ1406からの一部の空気も、排気マフラ1412から退出する。マニホールドアセンブリ410の内部圧縮は、各経路を通して流動する空気の量を制御し得る。例えば、マニホールドアセンブリ410は、システムを清浄に保つために、それらを過剰に急速に射出することによってアイテムを損傷させることなく、排気力を最適化するように機械加工され得る。同様に、排気力の強さは、アイテム設置の全体的速度または範囲を増加させるように選定され得る。
【0120】
吸引構成要素およびそれらの動作に関するデータが、いくつかの方法で集められ得る。吸引デバイス上に搭載される触覚センサまたは偏向センサは、把持されたアイテムまたは把持の品質についての情報を提供することができる。真空発生器と吸引デバイスとの間のライン内の空気圧の尺度が、吸引デバイスが、アイテムと係合されているかどうかを決定するために使用されることができる。真空レベルも、その把持の品質を評価するために使用されることができる。吸引デバイスが、既知のアイテムと係合されている場合、真空レベルは、吸引デバイスの損傷をチェックするために使用されることができる。真空発生器が、オンであり、吸引デバイスが、いかなるものとも係合されていない場合、測定された真空レベルは、吸引デバイスまたは使用される任意のフィルタ内の閉塞をチェックするために使用されることができる。
【0121】
マニホールドアセンブリ410は、アルミニウムから形成され得、要求される線形拡張部材、空気圧、および電子機器を保持し得る。空気送給は、例えば、面ミルドスロットを介して遂行され得る。
【0122】
ハイブリッドエンドエフェクタ全体を通した接続に関して、高圧空気のためのコネクタと、コマンドを受信するためにグリッパ制御基板402へのデータおよび電力の両方の接続を取り扱う電気コネクタとの両方を有するピッグテールケーブルが、一方の端部上の歪み緩和ブーツを介してハイブリッドエンドエフェクタに固定され得る。これらの接続は、ロボットピッキングデバイスのアームに搭載されるケーブルハーネスにプラグ接続し得る。ハイブリッドエンドエフェクタを保持するアームは、ピッキングの間にケーブルを絡合させる、またはそれに応力をかけることなく、ロボットピッキングデバイスの任意の手首またはアームジョイントの完全回転を可能にするために、サービスループを含み得る。
【0123】
ロゴまたはある他の印が、較正のためにハイブリッドエンドエフェクタ外側シェルの側上に印刷され得る。ロゴは、繰り返し可能である既知のサイズおよび形状を有し得、撮像センサと、アーム座標系と、ハイブリッドエンドエフェクタ上の関連する特徴の位置との間の相対的位置の自動的較正を可能にする。本較正は、センサの視野内のいくつかの点を通してロゴを移動させ、ロゴの観察された位置をアーム座標系に基づいて予期される位置に位置合わせすることによって達成され得る。較正手順はまた、(例えば、深度およびRBG画像の両方を使用して)センサ出力における非線形性の補償を可能にする。
【0124】
所与の実施形態における要素を通して直接取得されるフィードバックとともに、追加のセンサデバイスが、ピッキングされるべきアイテムを見つけること、すでに把持されているアイテムについての情報を取得すること等に役立つように使用されることができる。特定の実施形態が使用されるこれらの要素に応じて、ピッキングデバイスは、上で議論されるような重要なオンボード電子機器を有し得る。ピッキングデバイスは、限定ではないが、ピッキングデバイス上に搭載される白黒カメラ、可視光カメラ、カラーカメラ、赤外線カメラ、立体深度カメラ、ドットプロジェクタ深度カメラ、超音波距離計、飛行時間距離計、飛行時間深度カメラ、および触覚センサ等のセンサも含むか、または、それに依拠し得る。
【0125】
任意の好適な画像処理技法が、受信された画像を分析するために使用され得る。加えて、この画像分析は、そのピッキングタスクを実施するために、ピッキングデバイスが辿るべきである適切な経路を計画するために使用され得る。
【0126】
ピッキングデバイスは、多くの場合、その中のアイテムに手を伸ばすとき、その作業空間に不注意に圧力を加え得る。これは、いくつかの理由から起こり得る:アイテムの位置を不正確に推定することに起因してアイテムを通り越すことによって;吸引デバイスがアイテムに対する十分なシールを取得することに役立つようにアイテムを意図的に通り越すことによって;密集したアイテムの間にフィンガ部分を押下することによって;または、不注意にアイテムまたは構造に衝突することによって等。したがって、アイテムまたはピッキングデバイス自体の損傷を防止するために、ピッキングデバイスにおいてある程度の応従性を有することが、有益であり得る。故に、いくつかの実施形態において、サスペンション機構が、ピッキングデバイスとピッキングデバイスが搭載されるアームまたは他の装置との間に追加され得る。ピッキングデバイスは、殆ど常に、同一の方向に進行しながらその作業空間に進入するので、このサスペンションは、線形サスペンション機構であり得る。
【0127】
ばねが、いかなる不注意な移動も防止するために、ピッキングデバイスを拡張位置に保つために、サスペンション機構に追加されることができる。ピッキングデバイスが衝突し、サスペンション機構の全力が使用される場合に衝撃荷重を防止するために、非線形ばね、またはダンパも、同様に据え付けられることができる。減衰効果を提供することに加え、またはその代わりに、これらのタイプのサスペンション機構は、ピッキングデバイスをある位置または向きて、中心に置くこと、または整列させることにも役立ち得る。
【0128】
サスペンションの位置を測定することは、ロボットピッキングデバイスの状態についてのフィードバックを提供することができる。この情報は、限定ではないが、フィンガ部分がアイテムまたはアイテムの群を押している強さの程度、ピッキングデバイスが衝突しているかどうか、およびどの程度の力で衝突しているか等を含むことができる。ピッキングデバイスが、無荷重のグリッパが、サスペンションの中間で「浮遊する」ように、二段作用ばねを含む場合、変位を測定することは、グリッパが保持している任意のアイテムの重量についてのフィードバックも同様に提供することができる。
【0129】
図15は、一実施形態による、ピッキング動作を実施する方法1500のフローチャートを描写する。図4のハイブリッドエンドエフェクタまたはその構成要素は、方法1500のステップを実施し得る。
【0130】
ステップ1502は、ピッキングされるべきアイテムに対してロボットピッキングデバイスを位置付けることを伴い、ロボットピッキングデバイスは、吸引デバイスと、少なくとも1つのフィンガ部分とを含む。ロボットピッキングデバイスは、図1または2に示されるもの等の環境内でピッキングおよび設置動作を実施するタスクを課され得る。故に、ステップ1502は、それが着目アイテムにアクセスすること、またはそれをピッキングできるような場所にピッキングデバイスを位置付けることを伴う。このステップは、例えば、図5の線形拡張部材506等の線形拡張部材を作動させ、アイテムにより近接して吸引デバイスを位置付けることを伴い得る。
【0131】
ステップ1504は、吸引デバイスを動作させ、アイテムに対して吸引力を発生させ、アイテムへの初期把持を取得することを伴う。ロボットピッキングデバイスは、発生させられた吸引力が、吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得することを可能にするように、着目アイテムに十分に近接して位置付けられ得る。
【0132】
ステップ1506は、吸引デバイスが、アイテムへの初期把持を取得した後、線形拡張部材を後退させることを伴う。吸引デバイスが、(例えば、図14Aの真空圧センサ1410等の圧力センサによって測定される圧力の変化によって決定されるように)アイテムへの初期把持を取得すると、線形拡張部材は、吸引デバイスをエンドエフェクタ、すなわち、フィンガ部分により近接させるように後退し得る。
【0133】
ステップ1508は、少なくとも1つのフィンガ部分を作動させ、アイテムを安定させることを伴う。吸引デバイスは、アイテムへの初期把持を取得する。吸引デバイスがアイテムへの初期把持を取得すると、ロボットピッキングデバイスは、アイテムを別の場所に移動させる必要があり得る。しかしながら、この移動は、(例えば、発生させられた吸引力が十分に強力ではない場合)アイテムに吸引デバイスから外れさせ得る。
【0134】
故に、ロボットピッキングデバイスは、さらなる支持を提供するために、少なくとも1つのフィンガ部分を作動させ、アイテムを安定させ得る。例えば、ロボットピッキングデバイスは、アイテムに接触するように(例えば、アイテムの周囲に「近接」するように)作動させられる少なくとも1つのフィンガ部分を含み得る。
【0135】
いくつかの実施形態において、ロボットピッキングデバイスは、1つのみのフィンガ部分を含み得る。この場合、単一のフィンガ部分は、アイテムが、吸引デバイスによって最初に把持されると、フィンガ部分上に置かれるように、吸引デバイスの下方に位置付けられ得る。これらの実施形態において、フィンガ部分は、アイテムに接触するように作動させられ得るか、または、アイテムが、フィンガ部分上に引っ張られ、その上に置かれるように、静的であり得る。
【0136】
ステップ1510は、排気力を発生させ、吸引デバイスからアイテムを解放することを伴う。ロボットピッキングデバイスが、その「設置」場所の近傍にアイテムを動作可能に位置付けると、ロボットピッキングデバイスは、弁を作動させ、空気を向け、「パフ」力を発生させ、吸引デバイスからアイテムを解放し得る。アイテムは、次いで、さらなる処理または出荷のために、箱または他の場所等のその目的地の中に落下し得る。
【0137】
上で議論される方法、システム、およびデバイスは、例である。種々の構成は、適宜、種々の手順または構成要素を省略、代用、または追加し得る。例えば、代替構成において、方法は、説明されるものと異なる順序で実施され得、その種々のステップは、追加され、省略され、または組み合わせられ得る。ある構成に関して説明される特徴も、種々の他の構成において組み合わせられ得る。構成の異なる側面および要素が、類似する様式で組み合わせられ得る。技術も進歩し、したがって、要素のうちの多くは、例であり、本開示または請求項の範囲を限定しない。
【0138】
例えば、本開示の実施形態は、本開示の実施形態による、方法、システム、およびコンピュータプログラム製品のブロック図および/または動作図を参照して上で説明される。ブロック内に記述される機能/行為は、任意のフローチャートに示されるような順序以外で行われ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際に、実質的に並行して実行され得るか、または、ブロックは、時として、関与する機能性/行為に応じて、逆の順序で実行され得る。加えて、または代替として、任意のフローチャートに示されるブロックの全てが、実施および/または実行される必要があるわけではない。例えば、所与のフローチャートが、機能/行為を含有する5つのブロックを有する場合、5つのブロックのうちの3つのみが、実施および/または実施される場合があり得る。この例において、5つのブロックのうちの3つのうちのいずれかが、実施および/または実行され得る。
【0139】
ある値が第1の閾値を超える(またはそれを上回る)という記述は、その値が第1の閾値をわずかに上回る第2の閾値を満たす、または超えるという記述と同等であり、例えば、第2の閾値は、関連するシステムの分解能において第1の閾値より1つ高い値である。ある値が第1の閾値を下回る(またはそれ以内である)という記述は、その値が第1の閾値よりわずかに低い第2の閾値を下回る、またはそれに等しいという記述と同等であり、例えば、第2の閾値は、関連するシステムの分解能において第1の閾値より1つ低い値である。
【0140】
具体的詳細が、例示的構成(実装を含む)の徹底的な理解を提供するために説明において与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的詳細を伴わずに実践され得る。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成を不明瞭にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。本説明は、例示的構成のみを提供し、請求項の範囲、適用性、または構成を限定しない。むしろ、構成の先述の説明は、当業者に、説明される技法を実装するための有効な説明を提供するであろう。種々の変更が、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において行われ得る。
【0141】
いくつかの例示的構成を説明したが、種々の修正、代替構造、および均等物が、本開示の精神から逸脱することなく使用され得る。例えば、上記の要素は、より大きいシステムの構成要素であり得、他のルールが、本開示の種々の実装または技法の適用に優先し、または、それを修正し得る。いくつかのステップも、上記の要素が考慮される前、その間、またはその後に行われ得る。
【0142】
本願の説明および例証を提供されたが、当業者は、以下の請求項の範囲から逸脱しない、本願に議論される一般的な発明的概念内に該当する変形例、修正、および代替実施形態を想定し得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】