(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】工場を分析するコンピューティングシステム及び工場を管理するためにコンピューティングシステムを利用する方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20220112BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20220112BHJP
G16Y 10/25 20200101ALI20220112BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20220112BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20220112BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
G16Y10/25
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544082
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2019013031
(87)【国際公開番号】W WO2020076012
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0119847
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521143170
【氏名又は名称】チェ,サン ス
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サン ス
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA34
3C100AA38
3C100AA47
3C100AA59
3C100BB05
3C100BB12
3C100BB15
3C100BB21
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC03
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】実際の工場の状況を分析するコンピューティングシステムを利用して実際の工場を管理する方法を提供する。
【解決手段】データベースはモデリングデータを保存する。仮想工場構築モジュールは、一つ以上の設備の外部にある第1位置から監視される第1部分に製品が位置したら出力される第1信号と、一つ以上の設備の外部にある第2位置から監視される第2部分に製品が位置したら出力される第2信号と、に基づいて計算される第1信号が出力された時刻と第2信号が出力された時刻の間の時間差と、モデリングデータと、に基づいて第1部分から第2部分まで行われる作業の進行状況が表示される仮想工場を構築する。第1位置は第2位置と離隔され、第1部分は第2部分と離隔される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想工場を構築するためのコンピューティングシステムにおいて、
モデリングデータを保存するデータベースと、
実際の工場で利用される一つ以上の設備の外部にある第1位置から監視される前記一つ以上の設備上の第1部分に製品が位置したら出力される第1信号と、前記一つ以上の設備の前記外部にある第2位置から監視される前記一つ以上の設備上の第2部分に前記製品が位置したら出力される第2信号とに基づいて計算される前記第1信号が出力された時刻と前記第2信号が出力された時刻の間の時間差と前記モデリングデータに基づいて前記第1部分から前記第2部分まで行われる作業の進行状況が表示される前記仮想工場を構築する仮想工場構築モジュールと、を含み、
前記第1位置は前記第2位置と離隔され、
前記第1部分は前記第2部分と離隔されることを特徴とするコンピューティングシステム。
【請求項2】
前記第1信号は、前記製品が前記第1部分に位置したら前記第1位置から前記第1部分が撮影された映像に関する情報を含み、
前記第2信号は、前記製品が前記第2部分に位置したら前記第2位置から前記第2部分が撮影された映像に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記仮想工場構築モジュールは、前記実際の工場から収集されるデータ及び前記モデリングデータに基づいて前記実際の工場の状況が反映された前記仮想工場を構築するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記時間差に基づいて前記作業の前記進行状況を分析するデータ分析モジュールを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項5】
実際の工場の状況を分析するためにコンピューティングシステムを利用する方法において、
前記実際の工場で製品を生産するために利用される一つ以上の設備上の第1部分に前記製品が位置したら、前記一つ以上の設備の外部にある第1位置から前記第1部分を監視する第1モニタリング装置によって第1信号を出力するステップと、
前記第1部分とは異なる前記一つ以上の設備上の第2部分に前記製品が位置したら、前記一つ以上の設備の前記外部にある第2位置から前記第2部分を監視する第2モニタリング装置によって第2信号を出力するステップと、
データ処理モジュールによって、前記第1信号及び前記第2信号に基づいて前記製品が前記第1部分に位置した時刻と前記製品が前記第2部分に位置した時刻の間の時間差を計算するステップと、
前記コンピューティングシステムによって、前記時間差に基づいて前記第1部分から前記第2部分まで行われる第1作業の進行状況を分析するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記第1作業の進行状況を分析した分析結果をディスプレイパネルに視覚化された形状で表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピューティングシステムによって前記時間差に基づいて第2作業の進行状況を予測するステップを更に含み、
前記第2作業は、前記第1作業が行われた後に前記第1部分から前記第2部分までに行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1部分及び前記第2部分が前記一つ以上の設備のうちの一つの設備に位置したら、前記コンピューティングシステムによって前記時間差に基づいて前記一つの設備の動作状態に対して分析するステップを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記時間差は前記一つの設備の作業時間(Processing Time)であり、
前記コンピューティングシステムによって前記作業時間に基づいて前記一つの設備の平均故障修理時間(Mean Time To Repair、MTTR)、及び平均故障間隔(Mean Time Between Failure、MTBF)を計算するステップを更に含み、
前記一つの設備の前記動作状態に対して分析するステップは、前記コンピューティングシステムによって前記作業時間、前記平均故障修理時間、及び前記平均故障間隔に基づいて前記一つの設備の前記動作状態を分析することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記製品が前記一つ以上の設備のうち第1設備から始まって前記一つ以上の設備のうち第2設備で完了される工程を介して生産され、前記第1部分が前記第1設備の上に位置し、前記第2部分が前記第2設備の上に位置したら、前記コンピューティングシステムによって前記時間差に基づいて前記工程の進行状況に対して分析するステップを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピューティングシステムに係り、より詳しくは、工場を分析するコンピューティングシステム及び工場を管理するためにコンピューティングシステムを利用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場自動化は、ロボット、コンピュータなどを利用して、製品を生産する工場の制御、管理、運用の全般的な過程を自動化することである。最近IT(Information Technology)技術が発展するにつれ、工場自動化を超えてスマート工場が導入されている。スマート工場は、工場で行われる全般的な工程に情報通信技術を適用して工場の生産性及び製品の品質などを向上させる知能型工場である。
【0003】
スマート工場で使用される技術のうちの一つは、仮想工場を構築することである。仮想工場は、実際の工場がモデリングされて仮想環境で具現されたものである。実際の工場で行われる工程もモデリングされて、仮想環境で具現された工場モデルとして表現される。よって、仮想工場が利用されれば、実際の工場で実際に製品が生産されなくても、製品を生産する過程が仮想環境でシミュレーションを介して仮想で再演されるか模写される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、実際の工場の状況を反映する仮想工場を構築し、実際の工場の状況を分析するコンピューティングシステム及びそのコンピューティングシステムを利用して実際の工場を管理する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例によるコンピューティングシステムは、データベース及び仮想工場構築モジュールを含む。データベースはモデリングデータを保存する。仮想工場構築モジュールは、実際の工場で利用される一つ以上の設備の外部にある第1位置から監視される一つ以上の設備上の第1部分に製品が位置したら出力される第1信号と、一つ以上の設備の外部にある第2位置から監視される一つ以上の設備上の第2部分に製品が位置したら出力される第2信号とに基づいて計算される第1信号が出力された時刻と第2信号が出力された時刻の間の時間差と、モデリングデータと、に基づいて第1部分から第2部分まで行われる作業の進行状況が表示される仮想工場を構築する。第1位置は第2位置と離隔され、第1部分は第2部分と離隔される。
【0006】
本発明の一実施例によるコンピューティングシステムを利用する方法は、実際の工場で製品を生産するために利用される一つ以上の設備上の第1部分に製品が位置したら、一つ以上の設備の外部にある第1位置から第1部分を監視する第1モニタリング装置によって第1信号を出力するステップと、第1製品が第1部分とは異なる一つ以上の設備上の第2部分に製品が位置したら、一つ以上の設備の外部にある第2位置から第2部分を監視する第2モニタリング装置によって第2信号を出力するステップと、データ処理モジュールによって第1信号及び第2信号に基づいて製品が第1部分に位置した時刻と製品が第2部分に位置した時刻の間の時間差を計算するステップと、コンピューティングシステムによって時間差に基づいて第1部分から第2部分まで行われる第1作業の進行状況を分析するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、実際の工場に関するデータを実際の工場から収集することができる。本発明の実施例によると、モニタリング装置は設備上に設置されて設備に関するデータを収集することができる。また、モニタリング装置は、設備と隣接した周辺領域に設置されて、設備だけでなく工程に関するデータも収集することができる。
【0008】
本発明は、実際の工場から収集されたデータを利用して実際の工場の状況をリアルタイムで分析し予測することができる。
【0009】
本発明の実施例によると、実際の工場の状況がリアルタイムで分析され予測されるため、ユーザは分析結果及び予測結果を参照して工場の生産性を上げる生産計画をリアルタイム立てることができる。また、ユーザは分析結果及び予測結果に基づいて工場で行われる作業及び工場で生産される製品を最適の状態で管理することができる。
【0010】
本発明は、実際の工場から収集されたデータを利用して実際の工場の状況をリアルタイムで反映する仮想工場を構築することができる。よって、実際の工場の状況がリアルタイムに一目で表示される。
【0011】
また、本発明はクラウド(cloud)上に仮想工場を構築して実際の工場を状況を分析することができる。よって、本発明の実施例によると、ユーザは複数のサーバを介して工場にアクセスし、実際の工場の状況を分析した結果を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実際の工場及び本発明のディスプレイパネルに表示される映像を示す概念図である。
【
図2】
図1の実際の工場を管理するために利用される装置及びシステムを示すブロック図である。
【
図3】
図2のデータ処理モジュールの動作を説明するための概念図である。
【
図4】
図1の実際の工場からデータを収集するデータ収集装置を示す概念図である。
【
図5】
図4の工場データ収集装置によって撮影された映像を示す概念図である。
【
図6】
図4のモニタリング装置によってデータを収集する例示的な方法を示す概念図である。
【
図7】
図4のモニタリング装置によってデータを収集する例示的な方法を示す概念図である。
【
図8】
図2の仮想工場構築モジュールの動作を説明するための概念図である。
【
図9】
図2のディスプレイパネルに表示される仮想工場を示す概念図である。
【
図10】
図2のデータ分析モジュールの動作を説明するための概念図である。
【
図11】
図2のディスプレイパネルに表示される実際の工場を分析した分析結果を示す概念図である。
【
図12】
図2のディスプレイパネルに実際の工場の状況を分析した結果及び仮想工場を表示するための方法を説明するフローチャートである。
【
図13】
図2の仮想工場構築モジュールにおいて、仮想工場を構築する方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施し得る程度に、本発明の実施例を明確で詳細に記載する。
【0014】
図1は、実際の工場及び本発明のディスプレイパネルに表示される映像を示す概念図である。
実際の工場1000は、ある物または製品を生産、加工、及び/または包装するために利用される物理的な作業空間である。そのために、例えば、実際の工場1000は、設備311、312、313、輸送装置325、製品331a、332a、333a、334a、輸送容器331、332、333、334、及び作業者341、342を含む。
【0015】
但し、実際の工場1000は本発明の理解を助けるために例示的に示したものであって、本発明はこれに限定されない。実際の工場1000は、一つ以上の設備、一つ以上の輸送装置、一つ以上の輸送容器、及び一人以上の作業者を含むが、実際の工場1000を運用するための構成要素を更に含んでもよい。
【0016】
実際の工場1000において、製品331a、332a、333a、334aは、作業者341、342、設備311、312、313、輸送装置325、輸送容器331、332、333、334によって生産され管理される。例えば、製品331aは設備311、312、333によって生産されてもよい。他の例として、製品331a、332a、333a、334aは輸送容器331、332、333、334に入れられたまま保管されるか移動されてもよい。
【0017】
本明細書で使用する「作業」という用語は、実際の工場1000で作業者341、342、設備311、312、313、及び輸送装置325によって行われる動作を意味する。例えば、一つの作業は輸送装置325によって製品332aを移動させることであってもよい。
本明細書で使用する「工程」という用語は、一つの製品を生産するために行われる一連の作業を意味する。例えば、一つの工程は製品332aを設備311、312、313によって生産する作業、製品332aを輸送容器332に入れる作業、及び製品332aを輸送装置325によって運送する作業のうち一つ以上の作業からなる。
【0018】
本明細書で使用する「実際の工場に関するデータ」という用語は、実際の工場1000から収集されるデータを意味する。実際の工場に関するデータは、設備311、312、313、輸送装置325、製品331a、332a、333a、334a、輸送容器331、332、333、334、及び作業者341、342から測定または観測されるデータを含む。
本明細書で使用する「実際の工場の状況」という用語は、「実際の工場の構造」及び「実際の工場で行われる作業の進行状況」を意味する。実際の工場の構造は、実際の工場1000において設備311、312、313、輸送装置325、輸送容器331、332、333、334、及び作業者341、342がどこに位置するのかなどを意味する。実際の工場で行われる作業の進行状況は、設備311、312、313が正常に運行されているのか、製品の生産量がどれぐらいなのかを意味する。
【0019】
本発明は、実際の工場1000から実際の工場1000に関するデータを収集し、実際の工場1000に関するデータを利用して実際の工場1000の状況が反映された仮想工場を構築する。また、本発明は、実際の工場1000に関するデータを利用して実際の工場1000の状況を分析する。
【0020】
本発明は、ディスプレイパネル2000に、実際の工場1000の状況を分析した分析結果2200及び仮想工場2100を2次元映像及び/または3次元映像で表示する。よって、ユーザは、ディスプレイパネル2000に表示された仮想工場2100及び分析結果2200を参照して実際の工場1000を管理することができる。ユーザは仮想工場2100及び分析結果2200を参照して、実際の工場1000の生産性を上げる生産計画を立てることができる。
【0021】
実際の工場1000、仮想工場2100、及び分析結果2200については、
図2乃至
図13を参照してより詳しく説明する。
図2は、
図1の実際の工場を管理するために利用される装置及びシステムを示すブロック図である。
【0022】
データ収集装置100は、設備データ収集装置110、輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、作業者データ収集装置140、及び工場データ収集装置150を含む。データ収集装置100の設備データ収集装置110、輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、作業者データ収集装置140、工場データ収集装置150は、実際の工場1000から実際の工場1000に関するデータd01、d02、d03、d04、d05を収集する。データ収集装置100の設備データ収集装置110、輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、作業者データ収集装置140、工場データ収集装置150及びデータd01、d02、d03、d04、d05は、
図4乃至
図6を参照して詳しく説明する。
【0023】
データ収集装置100の設備データ収集装置110、輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、作業者データ収集装置140、工場データ収集装置150は、それぞれインタフェース111、121、131、141、151を介してデータd01、d02、d03、d04、d05をミドルウェアシステム(middleware system)200に出力する。以下では装置及びモジュールがデータを出力及び/または受信すると表現するが、これは本発明の理解を助けるためのものであって、実際の装置及びモジュールはデータを含む信号を出力及び/または受信してもよい。
【0024】
本発明において、「モジュール」は、与えられた及び/または再構成可能な(reconfigurable)動作及び機能を行うように構成されるハードウェア回路(例えば、アナログ回路、論理回路など)で具現される。または、「モジュール」は、与えられた及び/またはプログラム可能な(programmable)動作及び機能を行うように構成されるソフトウェアのプログラムコードで具現され、プログラムコードの命令語の集合は演算処理装置(例えば、CPU(central processing unit)、GPU(graphic processing unit)など)によって実行される。いくつかの場合、「モジュール」はハードウェアとソフトウェアのハイブリッドの形態で具現される。
【0025】
ミドルウェアシステム200は、インタフェース210、230及びデータ処理モジュール220を含む。データ収集装置100とコンピューティングシステム300はミドルウェアシステム200を介して通信する。ミドルウェアシステム200は、TCP/IP(trasmission control protocol/internet protocol)、データベースアクセスミドルウェア、DCOM(Dstributed Component Object Model)、CORBA(Common Object Request Broker Architecture)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth:登録商標)、3G、4G、5G、及びWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの通信技術を利用する。
【0026】
ミドルウェアシステム200は、インタフェース210を介してデータd01、d02、d03、d04、d05を受信する。データ処理モジュール220は、インタフェース210からデータd01、d02、d03、d04、d05を受信する。データ処理モジュール220は、データd01、d02、d03、d04、d05を処理してデータd1を生成する。
【0027】
データd1は、実際の工場1000を分析するための情報を含む。例えば、データd1は、設備データ収集装置110によって撮影された映像に関する情報を含んでもよい。データ処理モジュール220はデータd1を利用し、実際の工場1000で作業を行うのに所要される作業時間を計算する。データd1は作業時間に関する情報を含む。データd01、d02、d03、d04、d05及びデータd1に関しては、
図3乃至
図6を参照して詳しく説明する。
【0028】
データ処理モジュール220でデータを処理することで、コンピューティングシステム300に伝達されるデータの量が減り、コンピューティングシステム300で処理されるデータの量が減少する。また、コンピューティングシステム300で処理されるデータの量が減少することで、コンピューティングシステム300がデータを処理する速度が速くなる。
【0029】
データ処理モジュール220は、データd1をインタフェース230に出力する。ミドルウェアシステム200は、インタフェース230を介してデータd1をコンピューティングシステム300に出力する。
【0030】
コンピューティングシステム300は、インタフェース310、データベース320、モデリングモジュール330、仮想工場構築モジュール340、ディスプレイ装置350、及びデータ分析モジュール360を含む。いくつかの実施例において、コンピューティングシステム300は、ソフトウェアで具現された一部の動作及び機能のプログラムコードの命令語の集合を実行するように構成される演算処理装置、及び演算処理装置によって利用されるデータを保存するためのメモリを更に含む。以下で説明するいくつかのモジュールはプログラムコードで具現され、演算処理装置によって実行される。
【0031】
コンピューティングシステム300は、データd1をインタフェース310を介して受信する。コンピューティングシステム300は、データd1を利用して実際の工場1000の状況が反映された仮想工場2100を構築し、実際の工場1000の状況を分析する。
【0032】
例えば、コンピューティングシステム300は、近距離ネットワークまたは遠距離ネットワークを介してデータ収集装置100に連結される。ミドルウェアシステム200は、ネットワーク上でデータ収集装置100とコンピューティングシステム300の間の通信を仲介し、データ処理モジュール220を利用してコンピューティングシステム300のための適切なデータ処理を行う。
【0033】
例えば、コンピューティングシステム300は実際の工場1000の内部に具現されて、実際の工場1000にいるユーザによって直接アクセスされてもよい。または、コンピューティングシステム300の構成要素の一部または全部は実際の工場1000から分離されて、実際の工場1000にいるユーザによって遠隔にアクセスされてもよい。ミドルウェアシステム200は、コンピューティングシステム300と分離されて実際の工場1000の内部または外部で具現されてもよい。
【0034】
例えば、コンピューティングシステム300はグラウド環境で駆動される仮想工場2100を構築し、実際の工場1000の状況を分析してもよい。例えば、コンピューティングシステム300は、AWS(Amazon Web Service(登録商標))、Microsoft Azure(登録商標)などを利用してもよく、自体的にクラウドサーバまたはウェブサーバを構築して利用してもよい。よって、ユーザは一つ以上のサーバを介して仮想工場2100にアクセスし、仮想工場2100にアクセスすることで実際の工場1000の状況を分析した結果を確認することができる。
【0035】
ディスプレイ装置350は、
図1に示したように、ディスプレイパネル2000に実際の工場1000の状況を分析した分析結果2200及び仮想工場2100を2次元映像及び/または3次元映像で表示する。
【0036】
データベース320は、設備それぞれの位置及びサイズ、作業者の数、及び工場で行われる工程の種類などのデータを貯蔵する。データベース320は、予めユーザによって入力されるデータを保存する。例えば、ユーザは仮想工場を構築するためにコンピューティングシステムを動作させる前にデータベース320にデータを入力してもよい。他の例として、ユーザはデータ収集装置100が実際の工場1000からデータd01、d02、d03、d04、d05を収集する前にデータベース320にデータを入力してもよい。
また、データベース320は実際の工場1000の状況を示すデータを保存する。例えば、データベース320はインタフェース310からデータd2を受信してデータd2を保存する。
【0037】
モデリングモジュール330は、データベース320に保存されたデータを利用してモデリングデータを生成する。例えば、モデリングモジュール330は、オートキャド(Auto CAD(登録商標))、3Dマックス(3Ds MAX(登録商標))、プロ-E(Pro-E)などの2D、3Dモデリングプログラム、及びクエスト(QUEST(登録商標))、eM-プラント(eM-Plant)、アリーナ(ARENA)などのシミュレーションプログラムなどを含んでもよい。
【0038】
モデリングモジュール330は、設備、輸送装置、輸送容器、製品、及び作業者の3Dキャド(Computer Aided Design、CAD)情報を利用して、設備、輸送装置、製品、作業者、工程、及び工場それぞれに関するモデリングデータを生成する。モデリングデータは、モデリングデータに対応する構成をディスプレイパネル2000に2次元及び/または3次元形態のモデルで表示するための情報を含む。例えば、コンピューティングシステム300は、設備モデリングデータを利用してディスプレイパネル2000に2次元及び/または3次元形態の設備モデルを表示してもよい。データベース320は生成されたモデリングデータを保存する。
【0039】
仮想工場構築モジュール340はインタフェース310からデータd2を受信する。データd2は、データd1に含まれた情報のうち一部を含む。例えば、データd2は、設備それぞれのサイズ及び位置、輸送装置の速度、輸送容器の速度、作業者の数、及び工程の種類と数などに関する情報を含んでもよい。
【0040】
仮想工場構築モジュール340は、データd2を利用して実際の工場1000の状況が反映された仮想工場2100を構築する。仮想工場構築モジュール340は、データd2に対応するモデリングデータをデータベース320から検出する。データベース320がデータd2を利用してリアルタイムでモデリングデータを生成する場合については
図13を参照して詳細に説明する。
【0041】
仮想工場構築モジュール340は、データd2及びモデリングデータを利用してデータd3を生成する。データd3は、実際の工場1000の状況が反映された仮想工場2100に関する情報を含む。仮想工場構築モジュール340はデータd3をディスプレイ装置350に出力する。
【0042】
ディスプレイ装置350はデータd3を受信する。ディスプレイ装置350はデータd3を利用して、
図1に示したように、ディスプレイパネル2000に仮想工場2100を2次元及び/または3次元映像で表示する。
【0043】
データ分析モジュール360はインタフェース310からデータd4を受信する。データd4は、データd1に含まれた情報のうち一部を含む。例えば、データd4は、作業時間(Processing Time)、MTTR(Mean Time To Repair)、及びMTBF(Mean Time Between Failure)などに関する情報を含む。
【0044】
データ分析モジュール360はデータd4を利用してデータd5を生成する。データd5は、実際の工場1000の現在の状況を分析した結果及び/または実際の工場1000の未来の状況を予測した結果に関する情報を含む。データ分析モジュール360はデータd5をディスプレイ装置350に出力する。
【0045】
ディスプレイ装置350はデータd5を受信する。ディスプレイ装置350はデータd5を利用して、
図1に示したように、ディスプレイパネル2000に実際の工場1000の現在の状況及び/または実際の工場1000の未来の状況に対して分析及び予測した分析結果2200を表示する。
【0046】
図3は、
図2のデータ処理モジュールの動作を説明するための概念図である。
データ処理モジュール220は、データd01、d02、d03、d04、d05を利用してデータd1を生成する。データ処理モジュール220は、データd01、d02、d03、d04、d05に含まれた一部の情報を処理してデータd1を生成する。よって、データd1は、データd01、d02、d03、d04、d05に含まれた情報の一部と同じ情報を含み、データd01、d02、d03、d04、d05に含まれた情報の一部を変換して得られる情報を含む。
図3は
図4乃至
図6と共に説明する。
【0047】
図4は、
図1の実際の工場からデータを収集するデータ収集装置を示す概念図である。
データ収集装置100は、設備データ収集装置110、輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、作業者データ収集装置140、及び工場データ収集装置150を含む。
輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、及び作業者データ収集装置140は多様なセンサを含む。輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、及び作業者データ収集装置140は、磁石または接着物を利用して輸送装置325、輸送容器331、332、333、334、及び作業者341、342に取り付けられる。輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、及び作業者データ収集装置140は、外部電源、または輸送装置データ収集装置120、輸送容器データ収集装置130、及び作業者データ収集装置140それぞれに含まれたバッテリから電源を供給されて動作する。
【0048】
輸送装置データ収集装置120は、センサを介して輸送装置325の位置、速度、加速度、移動方向、及び輸送装置325があるところの騒音の強度、振動の強度、温度、照度、湿度などに対するデータd02を収集する。
【0049】
輸送容器データ収集装置130は、センサを介して輸送容器331、332、333、334それぞれの位置、及び輸送容器331、332、333、334があるところそれぞれの騒音の強度、振動の強度、温度、照度、湿度などに対するデータd03を収集する。
【0050】
作業者データ収集装置140は、センサを介して作業者341、342それぞれの血圧、体温、作業者341、342それぞれの位置、及び作業者341、342がいるところそれぞれの騒音の強度、振動の強度、温度、照度、湿度などに対するデータd04を収集する。
【0051】
図3を参照すると、データ処理モジュール220は、作業者341、342の血圧に関する情報を利用して作業者341、342の数を計算する。データd1は作業者341、342の数に関する情報を含み、輸送装置325及び輸送容器331、332、333、334の速度に関する情報を含む。
【0052】
設備データ収集装置110は複数のモニタリング装置110a、110bを含む。モニタリング装置110a、110bは、設備311、313の外部から設備311、313の一部分を監視する。設備311、313は工程を行うのに利用される。設備311、313は工程に含まれる作業を行うのに利用される。モニタリング装置110a、110bは、設備311、313の一部分を監視するために実際の工場1000及び実際の工場1000に含まれる構成要素に設置される。例えば、モニタリング装置110a、110bはそれぞれ設備311、313に設置されてもよい。他の例として、設備データ収集装置110は設備と隣接した周辺領域に設置されてもよい。設備データ収集装置110が設備と隣接した周辺領域に設置される場合については
図7を参照して詳しく説明する。
【0053】
例えば、モニタリング装置110a、110bはそれぞれ設備311、313の一部分を撮影することで、設備311、313の一部分及び/または工程の作業を監視してもよい。この場合、モニタリング装置110a、110bはデジタルカメラ(digital camera)などのような撮影装置である。
【0054】
他の例として、モニタリング装置110a、110bは、それぞれ設備311、313の一部分に製品が位置したら製品を監視することで設備311、313の一部分及び/または工程の作業を監視してもよい。この場合、モニタリング装置110a、110bは物体を認識する深さセンサ(depth sensor)やビジョンセンサ(vision sensor)などのセンサである。
【0055】
モニタリング装置110a、110bは、輸送容器データ収集装置130及び/または製品331aを認識する。モニタリング装置110aは製品331aが位置P1に位置したら、輸送容器331に取り付けられている輸送容器データ収集装置130及び/または製品331aを認識する。モニタリング装置110aは、製品331aが位置P1に位置することを認識したら信号を出力する。例えば、信号は製品331aが位置P1で感知されたことを示す情報を含んでもよい。他の例として、信号は、製品331aが位置P1に位置したらモニタリング装置110aによって撮影された映像に関する情報を含んでもよい。
【0056】
モニタリング装置110bは製品331aが位置P1から位置P2に移動されて位置P2に位置したら、輸送容器331に取り付けられている輸送容器データ収集装置130及び/または製品331aを認識する。モニタリング装置110bは、製品331aが位置P2に位置したら信号を出力する。例えば、信号は製品331aが位置P2で感知されたことを示す情報を含んでもよい。他の例として、信号は、製品331aが位置P2に位置したらモニタリング装置110aによって撮影された映像に関する情報を含んでもよい。
【0057】
モニタリング装置110a、110bから出力された信号は、信号それぞれが出力された時刻に関する時刻情報を含む。データ処理モジュール220は、信号に含まれた時刻情報を利用して、モニタリング装置100aによって信号が出力された時刻とモニタリング装置110bによって信号が出力された時刻の間の時間差を計算する。よって、データ処理モジュール220は、製品331aが位置P1から位置P2まで移動するのにかかる時間を計算する。
【0058】
但し、本発明はこれに限らず、モニタリング装置100a、110bはそれぞれ連続して位置P1、P2を撮影してもよい。モニタリング装置110a、110bは、位置P1、P2を撮影した映像に関する情報を含む信号をデータ処理モジュール220にリアルタイムで伝送する。信号は映像が撮影された時刻に関する情報を含む。データ処理モジュール220は、信号を処理して位置P1、P2で製品331aが撮影された時刻に関する時刻情報を獲得する。
【0059】
モニタリング装置110a、110bは一つの設備の両端に設置されるか、一つの工程が始まる位置と完了する位置に設置されるが、これについては
図6を参照して詳しく説明する。
【0060】
但し、本発明はこれに限らず、設備データ収集装置110はセンサを含んでもよい。この場合、センサは設備311、312、313に取り付けられて、設備311、312、313があるところそれぞれの騒音の強度、振動の強度、温度、照度、湿度などに対するデータを収集する。
【0061】
工場データ収集装置150は、実際の工場1000の全体的な構造及び実際の工場1000の全般的な状況に関するデータを収集する。工場データ収集装置150は実際の工場1000の全体的な様子をモニタリングする。工場データ収集装置150は、実際の工場1000の全体的な様子をモニタリングするために実際の工場1000の内壁に設置される。工場データ収集装置150は、デジタルカメラ、深さセンサ、及びビジョンセンサなどのような装置のうち一つである。
【0062】
データ処理モジュール220は、工場データ収集装置150によって撮影された映像及び/または工場データ収集装置150から出力された信号を利用して設備331、312、313それぞれのサイズ及び位置を計算する。データ処理モジュール220は、工場データ収集装置150によって撮影された映像及び/または工場データ収集装置150から出力された信号を利用して工場の種類、数、規模を計算する。
【0063】
図5は、
図4の工場データ収集装置によって撮影された映像を示す概念図である。
工場データ収集装置150は実際の工場1000の全体的な様子を撮影する。工場データ収集装置150によって撮影された映像3000は、実際の工場1000の構造及び実際の工場1000の全般的な状況に関する情報を含む。例えば、映像3000は、設備311、312、313、314、315及び事務室351、352それぞれのサイズ及び位置に関する情報を含んでもよい。
【0064】
図3を参照すると、データ処理モジュール220は、映像3000を利用して設備311、312、313、314、315それぞれのサイズ及び位置を計算する。データd1は、映像3000の代わりに設備311、312、313、314、315それぞれのサイズ及び位置に関する情報を含む。データ処理モジュール220は、映像3000に関する情報を設備311、312、313、314、315それぞれのサイズ及び位置に関する情報に変換することで、データ処理モジュール220から出力されるデータd1の量を減少させる。
【0065】
図6は、
図4のモニタリング装置によってデータを収集する例示的な方法を示す概念図である。
設備データ収集装置110は、モニタリング装置111a、111b、111c、111dを利用して設備311、312、313、314、315の一部分をモニタリングする。設備311、312、313、314、315が一つの工程に利用される場合、設備データ収集装置110はモニタリング装置111a、111b、111c、111dを利用して工程の作業をモニタリングする。
図3を参照すると、データ処理モジュール220は、設備データ収集装置から出力された信号を利用して作業時間(Processing Time)、平均故障修理時間(Mean Time To Repair、MTTR)、及び平均故障間隔(Mean Time Between Failure、MTBF)を計算する。データ処理モジュール220は、信号に含まれた情報を作業時間、平均故障修理時間、及び平均故障間隔に関する情報に変換することで、データ処理モジュール220から出力されるデータd1の量を減少させる。
【0066】
モニタリング装置111a、111bは一つの設備311の両端P11、P12に設置される。設備311は、輸送容器331が位置P11から位置P12に移動される間に一つの作業を行う。データ処理モジュール220は、モニタリング装置111a、111bから出力された信号を利用して、設備311で作業が行われるのに所要される作業時間、設備311の平均故障修理時間、設備311の平均故障間隔を計算する。
【0067】
モニタリング装置111a、111cは、
図4を参照して説明したように、設備311、313の端P11、P13に設置される。設備311、312、313は、輸送容器331が位置P11から位置P13に移動される間に一つの作業を行う。データ処理モジュール220は、モニタリング装置111a、111cから出力された信号を利用して設備311、312、313で作業が行われるのに所要される作業時間を計算する。
【0068】
モニタリング装置111a、111dは、それぞれ設備311、315のP11、P14に設置される。設備311~315は、輸送容器331が位置P11から位置P14に移動される間に一つの工程を行う。データ処理モジュール220は、モニタリング装置111a、111dから出力された信号を利用して設備311~315で工程が行われるのに所要される作業時間を計算する。
【0069】
設備データ収集装置110は、時間に応じて移動される製品を監視するために複数のモニタリング装置を含む。本発明の実施例によると、複数のモニタリング装置は容易に設備に取り付けられるか設置される。よって、実際の工場1000で自体的に作業時間などを測定できない設備を利用する場合でも、本発明は複数のモニタリング装置を利用して容易に設備の作業時間などに関するデータを収集することができる。
【0070】
図7は、
図4のモニタリング装置によってデータを収集する例示的な方法を示す概念図である。
図7に示した工場1000aで一つの工程1500aが行われる。工程1500aを行うのに設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314b、作業者343、344、及び輸送装置326、327が必要である。工程1500aは一連の作業を含む。作業それぞれは設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314bによって行われる。但し、本発明はこれに限らず、工場1000aで複数の工程が行われ、工程1500aは一つ以上の設備、一人以上の作業者、一つ以上の輸送装置、一つ以上の輸送容器によって行われてもよい。
【0071】
設備データ収集装置110は、モニタリング装置111e、111f、111g、111hを利移用して工程1500a及び/または設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314bで行われる作業をモニタリングする。
【0072】
工程1500aは設備311aで始まって設備314bで完了される。設備311a、314aは、それぞれロード装置319a及びアンロード装置319bを含む。但し、本発明はこれに限らず、ロード装置319a及びアンロード装置319bは設備311a、314bと独立した装置であってもよい。ロード装置319aは製品331aを設備311aに投入するのに利用される。アンロード装置319bは製品331aを設備311bから出荷するために利用される。
【0073】
モニタリング装置111e、111fは、それぞれ工程1500aが始まる部分と工程1500aが完了される部分をモニタリングする。詳しくは、モニタリング装置111e、111fは、ロード装置319a及びアンロード装置319bをモニタリングする。例えば、モニタリング装置111e、111fは設備311a、314bと隣接した周辺領域に設置されてもよい。他の例として、モニタリング装置111e、111fは、ロード装置319aとアンロード装置319bと隣接した周辺領域に設置されてもよい。
【0074】
データ処理モジュール220は、モニタリング装置111e、111fから出力された信号を利用してタクトタイム(Tact Time)、ネックタイム(Neck Time)、各工程のサイクルタイム(cycle time)、各工程のネットサイクルタイム(net cycle time)などを計算する。モニタリング装置111g、111hは、
図4に示したモニタリング装置110a、110bに対応する。モニタリング装置111g、111hは設備311a、311bと隣接した周辺領域に設置される。以下、重複する説明は省略する。
【0075】
つまり、設備データ収集装置110は、設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314bに関するデータだけでなく、工程1500aに関するデータも収集する。本発明は設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314bとは独立して工程1500aに関するデータを収集することで、工程1500a及び工場1000aに対して信頼性の高い分析結果を獲得することができる。
【0076】
また、設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314b及びロード装置319a、アンロード装置319b自体に設置されるだけでなく、設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314b及びロード装置319a、アンロード装置319bと隣接した周辺領域にも容易に設置される。よって、本発明は、設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314bのうち一部が故障した場合でも設備311a、312a、313a、314a、311b、312b、313b、314b及び工程1500aに対して信頼性の高いデータを収集することができる。
【0077】
図8は、
図2の仮想工場構築モジュールの動作を説明するための概念図である。
図9は、
図2のディスプレイパネルに表示される仮想工場を示す概念図である。本発明の理解を助けるために、
図1、
図8、及び
図9が共に参照される。
【0078】
図8を参照すると、仮想工場構築モジュール340はインタフェース310からデータd2を受信する。
図2を参照して説明したように、データd2は、データd1に含まれた情報のうち一部を含む。データd2は、データd1に含まれた情報のうち仮想工場2100を構築するのに必要な情報のみを含む。例えば、データd2は、設備それぞれのサイズ及び位置、作業時間、輸送装置の速度、輸送容器の速度、及び作業者の数などに関する情報を含んでもよい。
【0079】
仮想工場構築モジュール340は、データd2を利用して実際の工場1000の構造及び作業状況が反映された仮想工場2100を構築する。例えば、仮想工場構築モジュール340は、データd2に含まれた設備それぞれの位置に関する情報を利用して設備モデルを仮想工場2100に配置することで仮想工場2100を構築してもよい。
【0080】
データベース320は、データd2及び/または構築された仮想工場2100に関する情報を保存する。モデリングモジュール330は、データベース320に保存されている情報に基づいて仮想工場2100の視覚化を支援する。
図9を参照すると、ディスプレイ装置350は、ディスプレイパネル2000を介して仮想工場2100の視覚化された形状をユーザに提供する。
【0081】
図10は、
図2のデータ分析モジュールの動作を説明するための概念図である。
図11は、
図2のディスプレイパネルに表示される実際の工場を分析した分析結果を示す概念図である。本発明の理解を助けるために、
図1、
図10、及び
図11が共に参照される。
【0082】
図10を参照すると、データ分析モジュール360はインタフェース310からデータd4を受信する。データd4は、データd1に含まれた情報のうち一部を含む。データd4は、データd1に含まれた情報のうち実際の工場1000の現在の状況を分析して、実際の工場1000の未来の状況を予測するために必要な情報のみを含む。例えば、データd4は、作業時間、平均故障修理時間、平均故障間隔、輸送装置の速度、輸送容器の速度、及び作業者の数などに関する情報を含んでもよい。
【0083】
データ分析モジュール360はデータd4を利用してデータd5を生成する。データd5は、ユーザが実際の工場に対する意思決定をするのに役に立つ情報を含む。
例えば、データd5は工場の主なKPI(Key Performance Indicator)などに関する情報を含んでもよい。
【0084】
他の例として、データd5は、実際の工場1000の現在の状況を分析した結果及び/または実際の工場1000の未来の状況を予測した結果に関する情報を含んでもよい。
図6を参照すると、モニタリング装置111a、111cから出力される信号に基づいて、データ分析モジュール360は、輸送容器311が位置P11から位置P13に移動される間に行われる第1作業の進行状況を分析する。第1作業が行われてから設備311で第2作業が始まる。第2作業は設備311、312、333によって行われる。データ分析モジュール360は、モニタリング装置111a、111cから出力される信号に基づいて第2作業の進行状況を予測する。
【0085】
他の例として、データd5は、製品の生産量、設備の動作状態、工程の進行状況などに関する情報を含む。詳しくは、データd5は製品の現在のリードタイム(lead time)、製品の予測されるリートタイム、製品の現在の生産量、製品の予測される生産量、製品生産量の推移、製品の現在の在庫量、製品の予測される在庫量、製品在庫量の推移、タクトタイム、ネックタイム、各工程のサイクルタイム、各工程のネットサイクルタイム、各工程の現在の稼働率、各工程の予測される稼働率、各工程の現在の仕掛品の在庫、各工程の予測される仕掛品の在庫、各設備の現在の稼働率、各設備の予測される稼働、停滞、待機、及び故障、各輸送装置の現在の稼働率、各輸送装置の予測される稼働、停滞、待機、及び故障、現在工程の停滞区間、各ネック工程の強度に関する情報を含む。
【0086】
データd5に含まれた情報はディスプレイパネル2000に表示される。
図11を参照すると、ディスプレイ装置350は、ディスプレイパネル2000を介して実際の工場1000の現在の状況及び実際の工場1000の未来の状況に対する分析結果2200aをグラフ、図表などの形態で表示する。例えば、分析結果2200aは、現在の製品生産量、実際の工場1000の予測される製品生産量、設備の現在の稼働率、及び設備の予測される稼働率を表示してもよい。
【0087】
ユーザは、ディスプレイパネル2000に表示された分析結果2200aを参照して、実際の工場1000の現在の状況及び予測される状況を把握する。ユーザは分析結果2200aに基づいて、実際の工場1000を最適に維持する生産計画を立てる。
【0088】
図12は、
図2のディスプレイパネルに実際の工場の状況を分析した結果及び仮想工場を表示するための方法を説明するフローチャートである。本発明の理解を助けるために、
図2が共に参照される。
【0089】
S410動作において、データ収集装置100は、実際の工場1000に関するデータd01、d02、d03、d04、d05を収集する。
S420動作において、データ収集装置100は、収集されたデータd01、d02、d03、d04、d05をミドルウェアシステム200に伝送する。
【0090】
S430動作において、ミドルウェアシステム200は、収集されたデータd01、d02、d03、d04、d05を受信する。ミドルウェアシステム200は、収集されたデータd01、d02、d03、d04、d05データ処理モジュール220によって処理してデータd1を生成する。
S440動作において、ミドルウェアシステム200はデータd1をコンピューティングシステム300に伝送する。コンピューティングシステム300はデータd1を受信する。
【0091】
S450動作において、仮想工場構築モジュール340はデータd2を受信する。仮想工場構築モジュール340はデータd2を利用してデータd3を生成する。データd3は仮想工場に関する情報を含む。仮想工場構築モジュール340はデータd3をディスプレイ装置350に出力する。S450動作は
図13を参照して詳しく説明する。
【0092】
S460動作において、データ分析モジュール360はデータd4を受信する。データ分析モジュール360はデータd4を利用してデータd5を生成する。データd5は実際の工場の状況を分析した分析結果に関する情報を含む。データ分析モジュール360はデータd5をディスプレイ装置350に出力する。
【0093】
S470動作において、ディスプレイ装置470はデータd3、d5を受信する。ディスプレイ装置350は、データd3、d5を利用してディスプレイパネル2000仮想工場2100及び実際の工場1000の状況を分析した分析結果2200を2次元映像及び/または3次元映像で表示する。
【0094】
図13は、
図2の仮想工場構築モジュールにおいて、仮想工場を構築する方法を説明するフローチャートである。
図13に示した動作S515~S560は、
図12を参照して説明したS450動作に当たる。
【0095】
S510動作において、インタフェース310はミドルウェアシステム200からデータd1を受信する。
S515動作において、インタフェース310は受信されたデータd1に基づいてデータd2を仮想工場構築モジュール340に伝送する。
【0096】
S520動作において、仮想工場構築モジュール340はデータd2をデータベース320に伝送する。
S525動作において、データベース320はデータd2を保存する。
【0097】
S530動作において、データベース320はデータd2モデリングモジュール330に伝送する。
S535動作において、モデリングモジュール330はデータd2を利用してデータd2に対応するモデリングデータを生成する。
【0098】
S540動作において、モデリングモジュール330はモデリングデータをデータベース320に伝送する。
S545動作において、データベース320はモデリングデータを保存する。データベース320は、モデリングデータとデータd2の間の対応関係に関する情報を保存する。S525動作乃至S545動作を介して、データベース320は、モデリングデータ、データd2、及びモデリングデータとデータd2の間の対応関係に関する情報を保存する。データベース320にモデリングデータ、データd2、及びモデリングデータとデータd2の間の対応関係に関する情報が保存されていれば、仮想工場構築モジュール340はデータベース320からデータd2に対応するモデリングデータを検出する。
【0099】
S550動作において、データベース320はモデリングデータを仮想工場構築モジュール340に伝送する。
S555動作において、仮想工場構築モジュール340はデータd2及びモデリングデータを利用してデータd3を生成する。データd3は、実際の工場1000の状況が反映された仮想工場2100に関する情報を含む。
【0100】
S560動作において、仮想工場構築モジュール340はデータd3をディスプレイ装置350に伝送する。
S565動作において、ディスプレイ装置350は、データd3に基づいてディスプレイパネル2000を介して仮想工場2100の視覚化された形状を出力する。
【0101】
上述した内容な本発明を実施するための具体的な実施例である。本発明は上述した実施例だけでなく、単に設計が変形されるか容易に変形可能な実施例も含む。また、本発明には実施例を利用して容易に変形して実施可能な技術も含まれる。よって、本発明の範囲は上述した実施例に限って決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この発明の特許請求の範囲と均等なものによって決められるべきである。
【符号の説明】
【0102】
100 データ収集装置
110 設備データ収集装置
110a、110b モニタリング装置
111、121、131、141、151、210、230、310 インタフェース
111a、111b、111c、111d、111e、111f、111g、111h モニタリング装置
120 輸送装置データ収集装置
130 輸送容器データ収集装置
140 作業者データ収集装置
150 工場データ収集装置
200 ミドルウェアシステム
220 データ処理モジュール
300 コンピューティングシステム
311、311a、312、312a、313、313a、314、314a、311b、312b、313b、315 設備
319a ロード装置
319b アンロード装置
320 データベース
325、326、327 輸送装置
330 モデリングモジュール
331、332、333、334 輸送容器
331a、332a、333a、334a 製品
340 仮想工場構築モジュール
341、342、343、344 作業者
350 ディスプレイ装置
351、352 事務室
360 データ分析モジュール
1000 実際の工場
1000a 工場
1500a 工程
2000 ディスプレイパネル
2100 仮想工場
2200、2200a 分析結果
3000 映像
【国際調査報告】