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特表2022-508652リアクターグレードの樹脂製の結晶化可能な収縮性フィルムおよび熱成形性シート
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  • 特表-リアクターグレードの樹脂製の結晶化可能な収縮性フィルムおよび熱成形性シート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】リアクターグレードの樹脂製の結晶化可能な収縮性フィルムおよび熱成形性シート
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/672 20060101AFI20220112BHJP
   B29C 48/08 20190101ALI20220112BHJP
   B29C 55/02 20060101ALI20220112BHJP
   B29C 61/06 20060101ALI20220112BHJP
   B29C 61/02 20060101ALI20220112BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20220112BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
C08G63/672
B29C48/08
B29C55/02
B29C61/06
B29C61/02
B29C51/10
C08J5/18 CFD
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544107
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 US2019055089
(87)【国際公開番号】W WO2020076747
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】62/742,719
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/782,617
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】ピータース,マーク・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ナピエララ,ジェイコブ・イー
(72)【発明者】
【氏名】リトル,ロンデル・ポール,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ジェームズ・カール
【テーマコード(参考)】
4F071
4F207
4F208
4F210
4J029
【Fターム(参考)】
4F071AA44X
4F071AA46X
4F071AA84
4F071AA86
4F071AA87
4F071AA88
4F071AF11
4F071AF21
4F071AF61Y
4F071AG28
4F071AH04
4F071AH05
4F071AH06
4F071AH19
4F071BB07
4F071BC01
4F071BC12
4F207AA24
4F207AG01
4F207AH54
4F207KA01
4F207KA17
4F208AA24
4F208AC03
4F208AH58
4F208MA01
4F208MB01
4F208MC01
4F208MH06
4F210AA24
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4F210AH54
4F210AR04
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4F210RG67
4J029AA03
4J029AB01
4J029AC02
4J029AD01
4J029AD07
4J029AD08
4J029AE01
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4J029AE03
4J029AE04
4J029BA03
4J029BA10
4J029BD07A
4J029BF09
4J029CA02
4J029CA03
4J029CA04
4J029CA05
4J029CA06
4J029CB05A
4J029CB06A
4J029CB09A
4J029CB10A
4J029CC05A
4J029CC06A
4J029CD03
4J029GA11
4J029KB02
(57)【要約】
本開示は、再資源化性を含む特定の利点を有しかつ特性が改善される特定の組成範囲で、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、エチレングリコール(EG)、およびジエチレングリコール(DEG)の各残基を含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能な収縮性フィルムおよび熱成形性シートに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約10モル%未満の総ジエチレングリコール残基、のうちの1つ以上を含む約25モル%以下のその他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルム。
【請求項2】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
約80モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約5モル%未満の総ジエチレングリコール残基、のうちの1つ以上を含む約20モル%以下のその他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルム。
【請求項3】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
約76モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)ネオペンチルグリコール残基、
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基から選択される約24モル%以下の非晶質成分を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルム。
【請求項4】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
(i)約1~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約1~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1.5~6モル%のジエチレングリコール残基、を含み、ただし前記グリコール成分の残部は、
(iv)エチレングリコール残基、および
(v)0~20モル%の少なくとも1種の修飾グリコール残基を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、結晶化可能なフィルム。
【請求項5】
25oCで0.5g/dLの濃度の60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタン溶液で測定された前記ポリエステルの固有粘度は、、0.68~0.75dL/gであり、Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を用い20℃/分の走査速度で測定された前記ポリエステルのTgは、72℃~77℃である、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶化可能フィルム。
【請求項6】
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を形成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は5~24モル%であり、総ジオール含量は100モル%である、請求項3に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項7】
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を形成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は10~20モル%であり、総ジオール含量は100モル%である、請求項3に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項8】
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を形成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は15~20モル%であり、総ジオール含量は100モル%である、請求項3に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項9】
前記1,4-シクロヘキサンジメタノール残基は2~5モル%の量で存在し、前記ジエチレングリコール残基は5モル%以下の量で存在し、前記ネオペンチルグリコール残基は10~15モル%の量で存在し、かつ前記エチレングリコール残基は75モル%を超える量で存在する、請求項1、3、または4のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項10】
前記フィルムは少なくとも一方向に延伸されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項11】
前記フィルムは、少なくとも一方向に延伸されかつ配向されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項12】
前記フィルムはアニールされている、請求項1~9のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項13】
前記フィルムは、約75℃~約110℃の温度でアニールされている、請求項12に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項14】
前記フィルムは少なくとも一方向に延伸され、前記延伸されたフィルムは、200℃以上の歪み誘起結晶の融点を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項15】
前記フィルムは、85℃の水に10秒間浸漬された際に、主収縮方向に60%以上の収縮率を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項16】
前記フィルムは5MPa以上の収縮力を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項17】
少なくとも1種の空孔形成剤をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項18】
一つ以上の方向に配向されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項19】
前記フィルムは、95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向に50~90%の収縮率を有し、主収縮方向に直交する方向に10%以下の収縮率を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の結晶化可能なフィルム。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項の結晶化可能なフィルムを含む、蓋フィルム、押出ブロー成形容器、押出シート、熱成形シート、自立型袋用の可撓性包装フィルム。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項の結晶化可能なフィルムを含むラベルあるいはスリーブが貼付された、製造物品、成型物品、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、梱包材、電池、高温充填容器、または工業製品。
【請求項22】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
約75モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約10モル%未満の総ジエチレングリコール残基、のうちの1つ以上を含む約25モル%以下のその他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、熱成形シート。
【請求項23】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
約80モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約5モル%未満の総ジエチレングリコール残基、のうちの1つ以上を含む約20モル%以下のその他のグリコールを含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、熱成形シート。
【請求項24】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
約76モル%以上のエチレングリコール残基、および
(i)ネオペンチルグリコール残基、
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)最終ポリエステル組成物中のジエチレングリコール残基から選択される約24モル%以下の非晶質成分を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、熱成形シート。
【請求項25】
少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであって、前記少なくとも1種のポリエステルは、
以下を含む(a)ジカルボン酸成分
(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、ならびに
以下を含む(b)ジオール成分
(i)約1~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、
(ii)約1~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
(iii)約1.5~6モル%のジエチレングリコール残基、を含み、ただしグリコール成分の残部は、
(iv)エチレングリコール残基、および
(v)0~20モル%の少なくとも1種の修飾グリコール残基を含み、
前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、前記ジオール成分の総モル%は100モル%である、熱成形シート。
【請求項26】
Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を用い20℃/分の走査速度で測定された前記ポリエステルのTgは、65℃~90℃である、請求項22~25のいずれか一項に記載の熱成形シート。
【請求項27】
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を形成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は5~24モル%であり、総ジオール含量は100モル%である、請求項26に記載の熱成形シート。
【請求項28】
前記最終ポリエステル中に非晶質成分を形成できる1種以上のジオールモノマー成分のジオール含量の総計は15~20モル%であり、総ジオール含量は100モル%である、請求項27に記載の熱成形シート。
【請求項29】
前記1,4-シクロヘキサンジメタノール残基は2~5モル%の量で存在し、前記ジエチレングリコール残基は5モル%以下の量で存在し、前記ネオペンチルグリコール残基は10~15モル%の量で存在し、かつ前記エチレングリコール残基は75モル%を超える量で存在する、請求項24、26、または27に記載の熱成形シート。
【請求項30】
前記シートまたは熱成形物品は、190℃~225℃の結晶の融点を有する、請求項22~29のいずれか一項に記載の熱成形シート。
【請求項31】
請求項22~30のいずれか一項の熱成形シートから調製された形成物品または成型物品。
【請求項32】
前記物品は、医療機器梱包材、医療関連梱包材、健康管理用品梱包材、商業食品供給梱包材、トレイ、容器、食品皿、タンブラー、収納箱、ボトル、調理器具、ミキシングボウル、家庭用品、水ボトル、野菜庫トレイ、洗浄機部品、冷蔵庫部品、真空掃除機部品、眼科用レンズ、および枠組材または玩具から選択される、請求項31に記載の物品。
【請求項33】
少なくとも約0.1重量%の請求項1~19のいずれか一項に記載の再資源化された結晶化可能なフィルムおよび/または請求項22~25のいずれか一項に記載の再資源化された熱成形シートとともに混合された、再資源化されたポリエチレンテレフタレート薄片を含むポリエステル再資源化の流れ。
【請求項34】
少なくとも約0.1重量%の再資源化された結晶化可能な収縮フィルムまたは熱成形シートとともに混合された再資源化されたポリエチレンテレフタレート薄片を含み、前記流れは、2019年4月11日付けの「ラベルおよび封止を備える透明なPET物品のための重要な指示要綱」である文書番号PET-CG-02に合格している、請求項33に記載のポリエステル再資源化の流れ。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本開示は、特定の利点を有しかつ特性を改善する特定の組成範囲で、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、エチレングリコール(EG)、およびジエチレングリコール(DEG)の各残基を含むポリエステル組成物を含む結晶化可能な収縮性フィルムおよび熱成形性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]以下の望ましい収縮フィルムの特性、すなわち(1)低い収縮開始温度、(2)収縮が発生する温度範囲に亘って温度の上昇につれ徐々にかつ制御された方式で増加する収縮率、(3)基礎となる容器の潰れを防ぐのに十分な低い収縮力、(4)高い最大収縮率(最高温度での収縮率)、例えば95℃で主収縮方向に60%以上の収縮率、(5)高い収縮方向に直交する方向への低い収縮率、(6)製造中および収縮前後のフィルムの無益な破砕、破断、引き裂け、分裂、発泡、またはしわを防止するようなフィルムの高い靭性、および(7)再資源化性のうちの少なくとも1つを有する収縮フィルムに対して商業的な要求がある。
【0003】
[0003]優れた特性および再資源化性を有する熱成形性のポリエステルシートに対して商業的な要求がある。
【発明の要旨】
【0004】
[0004]収縮フィルム樹脂組成物中の特定の組合せのグリコールモノマーにより、優れた収縮フィルム性能を有するフィルムを製造でき、さらに再資源化中に同時に発生するPET薄片の再資源化に影響を及ぼさないように結晶化が可能であることが見出された。これらの結晶化可能な収縮フィルム樹脂は、PETボトルとともに処理でき、再資源化プロセスの終了後に再資源化可能なPET薄片の一成分となる。特定の組合せのグリコールモノマーの選択およびその量は、優れた収縮フィルム特性を有するフィルムを製造し、かつ結晶化可能なフィルムを製造するために重要であることが見出された。本開示の最適化されたポリエステル樹脂組成物は、非晶質ではあるが結晶化可能である。このように、これらの組成物は収縮フィルムを含むフィルム用途で優れた特性を示すが、これらの歪み誘起結晶は高い融点を有するので、再資源化プロセスに適合性を示す。本開示の収縮フィルムのラベルは、再資源化プロセス中に除去する必要はなく、この再資源化プロセスに影響を及ぼさない。
【0005】
[0005]熱収縮性フィルムは、本開示で使用されるためには、使用基準に対して様々な適合性を満たす必要がある。このフィルムは丈夫で、制御された方式で収縮し、内容物を押し潰さずにボトル表面にそれ自体を保持するのに十分な収縮力を提供する必要がある。さらに、これらのラベルをポリエステル容器またはボトルに貼付ける場合に、これらのポリエステル収縮フィルムラベルは、ポリエステル容器またはボトルの再資源化プロセスを妨害してはいけない。本開示の収縮フィルムは、ラベルがボトルまたは容器とともに再資源化できるので有利である。従って、ラベルを含む容器またはボトル全体を、追加の操作要件を必要とせず、あるいは新しい環境問題を発生させることなく、新規の製品に再資源化かつ変換することができる。熱収縮フィルムは、一定範囲の材料需要を満たすために、様々な原材料から作製されている。この開示は、収縮フィルム樹脂組成物に対して特定のモノマーの組合せによってもたらされる類のないかつ予想外の効果を説明している。
【0006】
[0006]ポリエステル収縮フィルム組成物は、食品、飲料、身の回り用品、家庭用品などの収縮フィルムラベルとして商業的に使用されてきた。多くの場合に、これらの収縮フィルムは、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)製のボトルまたは容器と組み合わせて使用されている。使用後に、製品全体(ボトルとラベル)が再資源化プロセスに入れられる。典型的な再資源化拠点では、類似した組成および密度のために、PETおよび収縮フィルム材料は、プロセスの最後に混在してしまう可能性がある。PET薄片の乾燥は、再資源化プロセス中にPETについている残留水の除去のために必要である。典型的には、PETは200℃を超える温度で乾燥される。これらの温度では、一般的なポリエステル収縮フィルム樹脂は、軟化して粘着性になり、PET薄片が凝集塊を形成することが多い。これらの凝集塊は、その後の処理の前に除去する必要がある。これらの凝集塊は、このプロセスによるPET薄片の収率を低減させるので、追加の操作工程が必要となってくる。
【0007】
[0007]本開示では、特定の組合せのグリコールモノマーを有するフィルムまたはシート樹脂組成物により、優れた性能特性を備えるフィルムまたはシートを製造でき、これらの組成物はまた、それらがPET薄片の再資源化に影響を及ぼさないように結晶化可能であることが見出された。これらの結晶化可能なフィルムまたはシート樹脂は、再資源化されるPETとともに処理でき、再資源化プロセスの終了後に再資源化可能なPET薄片の一成分となる。特定の組合せのグリコールモノマーの選択およびその量は、優れた性能特性を備えたフィルムまたはシートを製造し、かつ結晶化可能なフィルムまたはシートを製造するために重要であることが見出された。すなわち、本開示のポリエステル組成物は非晶質であるが、それらは、高い歪み誘起結晶の融点を有するという意味で「結晶化可能」である。従って、これら組成物は、収縮フィルムの用途で、形成、熱成形、または成型された部品および/または物品などのフィルムあるいはシート用途で優れた特性を示すが、これらはまた、高い歪み誘起結晶の融点を有するので、PETとともに再資源化できる。というのは、再資源化されるPET薄片が高温乾燥条件に供される場合に、本発明の結晶化可能なポリエステルは、(再資源化される)ポリエステルペレットにするその後のプロセスのために、粉砕し乾燥しかつ押出機へ薄片を供給する通常の機械的操作を妨げる凝集塊を形成しないからである。同様に、本開示のシートは、再資源化プロセス中に除去される必要がなく、従って、再資源化プロセスに悪影響を及ぼさない。(例えば、https://www.thebalancesmb.com/recycling-polyethylene-terephthalate-pet-2877869を参照)
[0008]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)~(iii)うちの1つ以上を含む約25モル%以下のその他のグリコールを含み、ここで(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約10モル%未満の総ジエチレングリコール残基であり、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0008】
[0009]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約80モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)~(iii)うちの1つ以上を含む約20モル%以下のその他のグリコールを含み、ここで(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約5モル%未満の総ジエチレングリコール残基であり、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0009】
[0010]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含む非晶質ポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約76モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)~(iii)から選択される約24モル%以下の非晶質成分を含み、ここで(i)ネオペンチルグリコール残基、(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中の総ジエチレングリコール残基であり、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0010】
[0011]本開示の一実施態様は、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含む結晶化可能なフィルムであり、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、(i)約1~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、(ii)約1~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1.5~6モル%のジエチレングリコール残基を含み、グリコール成分の残部は、(iv)エチレングリコール残基および(v)0~20モル%の少なくとも1種の修飾グリコール残基を含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0011】
[0012]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかの結晶化可能なフィルムであり、このフィルムは少なくとも一方向に延伸され、延伸されたフィルムは、190℃以上の歪み誘起結晶の融点を有する。本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかの結晶化可能なフィルムであり、このフィルムは少なくとも一方向に延伸され、延伸されたフィルムは、約190℃~約215℃の歪み誘起結晶の融点を有する。
【0012】
[0013]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかの結晶化可能なフィルムを含む、押し出されたフィルム、あるいはカレンダー処理されたフィルムである。
[0014]本開示の一実施態様は、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであり、このシートは、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含み、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約75モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)~(iii)うちの1つ以上を含む約25モル%以下のその他のグリコールを含み、ここで(i)約0.1~約24モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)0~約24モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約10モル%未満の総ジエチレングリコール残基であり、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0013】
[0015]本開示の一実施態様は、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであり、このシートは、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含み、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約80モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)~(iii)うちの1つ以上を含む約20モル%以下のその他のグリコールを含み、ここで(i)約5~約17モル%未満のネオペンチルグリコール残基、(ii)約2~約10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中の約1~約5モル%未満の総ジエチレングリコール残基であり、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0014】
[0016]本開示の一実施態様は、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであり、このシートは、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含み、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、約76モル%以上のエチレングリコール残基、ならびに(i)~(iii)から選択される約24モル%以下の非晶質成分を含み、ここで(i)ネオペンチルグリコール残基、(ii)シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)最終ポリエステル組成物中のジエチレングリコール残基であり、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0015】
[0017]本開示の一実施態様は、厚さが約0.25mm~約6.4mmである熱成形シートであり、このシートは、(a)ジカルボン酸成分および(b)ジオール成分を含む少なくとも1種のポリエステルを含むポリエステル組成物を含み、この(a)ジカルボン酸成分は、(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、ならびに(ii)最大20個の炭素原子を有する約0~約30モル%の芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基を含み、この(b)ジオール成分は、(i)約1~約30モル%のネオペンチルグリコール残基、(ii)約1~約30モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および(iii)約1.5~6モル%のジエチレングリコール残基を含み、グリコール成分の残部は、(iv)エチレングリコール残基、および(v)0~20モル%の少なくとも1種の修飾グリコール残基を含み、ここでジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0016】
[0018]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかのシートから調製された、またはそのシートを含む、形成、熱成形、または成型された物品である。
[0019]本開示の一実施態様では、熱成形シートは、約190℃~約225℃の結晶融点を有する。
【0017】
[0020]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかのシートから調製された、またはそのシートを含む、医療機器の梱包材、医療関連の梱包材、健康管理用品梱包材、商業食品供給梱包材、トレイ、容器、食品皿、タンブラー、収納箱、ボトル、調理器具、ミキシングボウル、家庭用品、水ボトル、野菜庫トレイ、洗浄機部品、冷蔵庫部品、真空掃除機部品、眼科用レンズ、および枠組材または玩具から選択される物品である。
【0018】
[0021]本開示の一実施態様は、前述の実施態様のいずれかのシートから形成または熱成形された物品または部品を作製する方法であり、この方法は、A)本開示のポリエステル組成物を含むシートを加熱すること、B)熱で軟化したシートに空気圧、真空、および/または物理的圧力を加えること、C)真空または加圧によってシートを型形状に適合させること、D)シートをそのTg未満の温度まで冷却すること、およびE)形成または熱成形された部品または物品を型から取り出すことを含む。
【0019】
[0022]本開示の一実施態様は、少なくとも約0.1重量%の本開示の結晶化可能な再資源化収縮フィルムまたは熱成形シートを共に混合させた再資源化ポリエチレンテレフタレート薄片を含むポリエステル再資源化処理の流れである。
【0020】
[0023]結果として、本開示の結晶化可能な組成物は、この組成物が追加の分離工程を必要とせずに、再資源化処理の流れ中でPETを伴わせることが可能な範囲で、PET再資源化処理の流れの有効な成分を提供する。従って、本開示の一実施態様では、少なくとも約0.1重量%の本開示の結晶化可能な組成物を共に混合させた再資源化ポリエチレンテレフタレート薄片を含むポリエステル再資源化処理の流れが提供される。別の実施態様では、前記処理の流れは、2019年4月11日付けの「ラベルおよび封止を備える透明なPET物品のための重要な指示要綱(Critical Guidance Protocol for Clear PET Articles with Labels and Closures)」である文書番号PET-CG-02に合格している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[0024]図1は、相対結晶化度に対するPET凝集率(%)を示す。三角形の点は、1%を超えるPETの凝集率を示している。円形の点は、1%未満のPET凝集率を示していて、従って2019年4月11日付けの「ラベルおよび封止を備える透明なPET物品のための重要な指示要綱」である文書番号PET-CG-02に合格している。
【発明の詳細な説明】
【0022】
[0025]本開示の特定の実施態様および実施例の以下の詳細な説明を参照して、本開示はより容易に理解される。本開示の目的に従って、本開示の特定の実施態様は、本発明の要旨に説明され、さらに本明細書に以下のように説明されている。また、本開示のその他の実施態様が本明細書に説明されている。
【0023】
[0026]熱収縮性プラスチックフィルムは、複数の物体を一緒に保持するための被覆材として、またボトル、缶、および他の種類の容器の外側の包装材として使用される。例えば、このフィルムは、製品のラベル貼付、保護、包装、または価値の向上、およびその他の理由を目的として、ボトルの蓋、首部、肩部、胴部、あるいはボトル全体の被覆に使用される。さらに、このフィルムは、箱、ボトル、板、棒、またはノートなどの物体を群として一緒に包装するための被覆材として使用でき、このフィルムはまた、包装材として密接に付着可能である。上述の使用では、フィルムの収縮性および内部収縮応力を活用している。
【0024】
[0027]歴史的に、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムは、収縮フィルム市場の主流であった。しかし、ポリエステルフィルムはPVCフィルムが関与する環境問題を抱えていないために、ポリエステルフィルムは有意な代替品となってきた。ポリエステル収縮フィルムは、理想的にPVCフィルムと非常に類似した特性を備えているので、ポリエステルフィルムは「落とし込み(drop-in)」方式の代替フィルムとして機能でき、既存の熱収縮トンネル装置で処理できる。複製品に対して望まれるPVCフィルムの特性には、(1)比較的低い収縮開始温度、(2)温度の上昇につれ徐々にかつ制御された方式で増加する総収縮率、(3)基礎となる容器の潰れを防ぐための低い収縮力、(4)高い総収縮率(例えば50%以上)、および(5)収縮の前後でのフィルムの無益な引き裂けおよび分裂を防ぐための固有のフィルム靭性が挙げられる。
【0025】
[0028]熱収縮性フィルムは、この用途で使用するためには、使用基準に対し様々な適合性を満たす必要がある。フィルムは丈夫であり、制御された方式で収縮し、内容物を潰すことなくボトル表面にそれ自体を保持するのに十分な収縮力を提供する必要がある。さらに、これらのラベルをポリエステル容器に貼付ける場合には、これらラベルがペットボトルの再資源化工程を阻害してはならない。実際のところ、ラベルもまた再資源化可能であり、追加の操作要件が発生せずに、あるいは新しい環境問題を発生することなく、ボトル全体が再資源化できて新規の製品に変換できるのであれば、有利なこととなる。熱収縮フィルムは、一定範囲の材料の需要を満たすために、様々な原材料から製造されている。この開示は、ポリエステル収縮フィルムからなるラベルの再資源化性を改善する特定のモノマーとの組合せによりもたらされた類のないかつ予想外の効果を説明している。
【0026】
[0029]ポリエステル収縮フィルム組成物は、食品、飲料、身の回り用品、家庭用品などの収縮フィルムラベルとして商業的に使用されている。多くの場合に、これらの収縮フィルムは、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルまたは容器と組み合わせて使用される。その後に、製品の全体(ボトルとラベル)は再資源化プロセスに入れられる。典型的な再資源化拠点では、組成と密度が類似することにより、PETおよび収縮フィルム材料は、プロセスの最後には混在されることがよくある。PET薄片の乾燥は、再資源化プロセス中にPETについている残留水を除去するために必要である。典型的には、再資源化プロセス中に、PETは200℃を超える温度で乾燥されるが、これらの温度では、典型的なポリエステル収縮フィルム樹脂は、軟化して粘着性になり、PET薄片とともに凝集塊を形成する場合が多い。これらの凝集塊は、その後の処理の前に除去する必要がある。これらの凝集塊は、このプロセスからのPET薄片の収率を低減させるので、追加の操作工程が必要となる。
【0027】
[0030]本開示では、収縮フィルム樹脂組成物中の特定の組合せのグリコールモノマーにより、優れた性能特性を有し、さらに再資源化プロセス中のPET薄片の再資源化に影響を及ぼさないように結晶化可能である収縮フィルムを生成できることが見出された。これらの結晶化可能な収縮フィルム樹脂は、PETボトルとともに処理でき、再資源化プロセスの終了後に再資源化可能なPET薄片の一成分となる。特定の組合せのグリコールモノマーの選択およびその量は、優れた収縮フィルム特性を備えるフィルム、および結晶化可能なフィルムを製造するのに重要であることが見出された。
【0028】
[0031]本明細書で使用される用語「ポリエステル」は、「共重合ポリエステル」を包含するように意図され、1種以上の二官能性カルボン酸および/または多官能性カルボン酸を1種以上の二官能性ヒドロキシル化合物および/または多官能性ヒドロキシル化合物、例えば分岐剤と反応させて調製される合成重合体を意味すると理解される。一般に、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は二価アルコール、例えばグリコールおよびジオールであってもよい。本明細書で使用される用語「グリコール」は、限定はされないが、ジオール、グリコール、および/または多官能性ヒドロキシル化合物、例えば分岐剤を包含する。あるいは、二官能性カルボン酸は、ヒドロキシカルボン酸、例えばp-ヒドロキシ安息香酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は、2個のヒドロキシル置換基を保持する芳香核を有していてもよく、例えばヒドロキノンであってよい。本明細書で使用される用語「残基」は、対応するモノマーからの重縮合および/またはエステル化反応によって重合体中に組み込まれた任意の有機構造を意味する。本明細書で使用される用語「繰り返し単位」は、エステル基を介して結合されたジカルボン酸残基およびジオール残基を有する有機構造を意味する。従って、例えばジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーまたはその関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、および/またはそれらの混合物に由来してもよい。さらに、本明細書で使用される用語「二酸」は、多官能性酸、例えば分岐剤を含む。従って、本明細書で使用される用語「ジカルボン酸」は、ジカルボン酸、ならびに関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、および/またはそれらの混合物など、ジオールと反応処理してポリエステルを得るのに有用な任意のジカルボン酸誘導体を包含するよう意図されている。本明細書で使用される用語「テレフタル酸」は、テレフタル酸自体とその残基、ならびに関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、および/またはそれらの混合物あるいはそれらの残基など、ジオールと反応処理してポリエステルを得るのに有用な任意のテレフタル酸誘導体を包含するよう意図されている。
【0029】
[0032]本開示で用いられるポリエステルは、典型的には、実質的に等しい割合で反応し、かつ対応する残基としてポリエステル重合体に組み込まれる、ジカルボン酸とジオールから調製できる。従って、本開示のポリエステルは、繰り返し単位の合計モルは100モル%に等しいように、実質的に等モル比の酸残基(100モル%)とジオール(および/または多官能性ヒドロキシル化合物)残基(100モル%)を含んでもよい。従って、本開示で示されるモル百分率は、酸残基の総モル、ジオール残基の総モル、または繰り返し単位の総モルに基づけばよい。例えば、総酸残基に基づいて10モル%のイソフタル酸を含むポリエステルは、そのポリエステルが合計100モル%の酸残基のうち10モル%のイソフタル酸残基を含むことを意味する。すなわち、それぞれの100モルの酸残基中に10モルのイソフタル酸残基が存在する。別の例では、総ジオール残基に基づいて25モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルは、そのポリエステルが合計100モル%のジオール残基のうち25モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むことを意味する。すなわち、それぞれの100モルのジオール残基中に25モルの1,4-シクロヘキサンジメタノール残基が存在する。
【0030】
[0033]特定の実施態様では、テレフタル酸またはそのエステル、例えば、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸残基とそのエステルとの混合物は、本開示で有用なポリエステルを形成するのに用いられるジカルボン酸成分の一部または全体を構成することができる。特定の実施態様では、テレフタル酸残基は、本開示で有用なポリエステルを形成するのに用いられるジカルボン酸成分の一部または全体を構成することができる。この開示の目的について、用語「テレフタル酸」および「テレフタル酸ジメチル」は、本明細書では互換的に使用される。一実施態様では、テレフタル酸ジメチルは、本開示で有用なポリエステルを作製するのに用いられるジカルボン酸成分の一部または全体である。いくつかの実施態様では、70~100モル%;または80~100モル%;または90~100モル%;または99~100モル%;または100モル%のテレフタル酸および/またはテレフタル酸ジメチルおよび/またはそれらの混合物を使用してもよい。
【0031】
[0034]テレフタル酸に加えて、本開示で有用なポリエステルのジカルボン酸成分は、最大30モル%、最大20モル%、最大10モル%、最大5モル%、または最大1モル%の1種以上の修飾芳香族ジカルボン酸を含んでもよい。さらに別の実施態様は、0モル%の修飾芳香族ジカルボン酸を含む。従って、存在する場合は、1種以上の修飾芳香族ジカルボン酸の量は、これらの上記の端点値の任意の範囲、例えば0.01~10モル%、0.01~5モル%、0.01~1モル%で変動してもよいと考えられる。一実施態様では、本開示で用いてもよい修飾芳香族ジカルボン酸として、限定はされないが、最大20個の炭素原子を有し、鎖状、パラ配向、または対称になり得るものが挙げられる。本開示で用いてもよい修飾芳香族ジカルボン酸の例としては、限定はされないが、イソフタル酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、1,4-、1,5-、2,6-、2,7-ナフタレンジカルボン酸、およびトランス-4,4’-スチルベンジカルボン酸、ならびにそれらのエステルが挙げられる。一実施態様では、修飾芳香族ジカルボン酸はイソフタル酸である。
【0032】
[0035]本開示で有用なポリエステルのカルボン酸成分はさらに、最大10モル%、例えば最大5モル%または最大1モル%の、2~16個の炭素原子を含む1種以上の脂肪族ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、および/またはドデカン二酸などのジカルボン酸でも修飾できる。また特定の実施態様では、0.01~10モル%、例えば0.1~10モル%、1あるいは10モル%、5~10モル%などの1種以上の修飾脂肪族ジカルボン酸も含んでもよい。さらに別の実施態様は、0モル%の修飾脂肪族ジカルボン酸を含む。ジカルボン酸成分の合計モル%は100モル%である。一実施態様では、アジピン酸および/またはグルタル酸は、ポリエステルの修飾脂肪族ジカルボン酸成分中に提供され、本開示では有用である。
【0033】
[0036]テレフタル酸のエステルならびにそれ以外の修飾ジカルボン酸またはそれらの対応するエステルおよび/もしくは塩を、ジカルボン酸の代わりに用いてもよい。ジカルボン酸エステルの好適な例としては、限定はされないが、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジイソプロピル、ジブチル、およびジフェニルエステルが挙げられる。一実施態様では、エステルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびフェニルの各エステルの少なくとも1種から選択される。
【0034】
[0037]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物およびポリエステル混合組成物のジオール成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを含んでもよい。別の実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノールおよび1,3-シクロヘキサンジメタノールを含む。シス/トランス1,4-シクロヘキサンジメタノールのモル比は、50/50~0/100、例えば40/60~20/80の範囲内で変動してもよい。
【0035】
[0038]本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分には、限定はされないが、最終ポリエステル組成物中の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基およびネオペンチルグリコール残基の合計が、1~30モル%、または1~25モル%、または1~20モル%、または1~15モル%、または1~10モル%、または2~30モル%、または2~25モル%、または2から20モル%、または2~15モル%、または2~10モル%、または3~30モル%、または3~25モル%、または3~20モル%、または3~15モル%、または3~10モル%、4~30モル%、または4~25モル%、4~20モル%、または4~15モル%、または4~10モル%、5~30モル%、または5~25モル%、5~20モル%、または5~15モル%、または5~10モル%、または6~30モル%、または6~25モル%、または6~20モル%、または6~15モル%、または6~10モル%、または7~30モル%、または7~25モル%、7~20モル%、または7~15モル%、または7~10モル%、または8~30モル%、または8~25モル%、または8~20モル%、または8~15モル%、または8~10モル%、または9~30モル%、または9~25モル%、または9~20モル%、または9~15モル%、または9~10モル%、または10~30モル%、または10~25モル%、または10~20モル%、または10~15モル%、または11~30モル%、または11~30モル%、または11~25モル%、または11~20モル%、または11~15モル%、または12~30モル%、または12~25モル%、または12~20モル%、または12~15モル%、または13~30モル%、または13~25モル%、または13~20モル%、または13~15モル%、または14~30モル%、または14~25モル%、または14~20モル%、または14~15モル%、または15~30モル%、または15~25モル%、または15~20モル%、または16~20モル%、または18~20モル%、または10~18モル%、または16~18モル%、または12~16モル%、または16~20モル%、または14~18モル%、または11~30モル%、または13~30モル%、または14~30モル%、または10~29モル%、または11~29モル%、または12~29モル%、または13~29モル%、または14~29モル%、または15~29モル%、または10~28モル%、または11~28モル%、または12~28モル%、または13~28モル%、または14~28モル%、または15~28モル%である組成物を含んでもよい。一実施態様では、最終ポリエステル組成物中の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基およびネオペンチルグリコール残基の合計は、1~16モル%、2~14モル%、4~15モル%、または2~21モル%、または2~20モル%未満、または4~20モル%、または5~18モル%、または10~21モル%、または12~21モル%であってもよく、ここでジオール成分の総モル%は100モル%である。
【0036】
[0039]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、1~30モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、1~25モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、1~17モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、5~20モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、10~20モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、10~15モル%のネオペンチルグリコールを含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、15~25モル%のネオペンチルグリコール残基を含んでもよい。
【0037】
[0040]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0.01~30モル%、または0.1~20モル%、または2~20モル%、または0.01~15モル%、または0.01~14モル%、または0.01~13モル%、または0.01~12モル%、または0.01~11モル%、または0.01~10モル%、または0.01~9モル%、または0.01~8モル%、または0.01~7モル%、または0.01~6モル%、または0.01~5モル%、または3~15モル%、または3~14モル%、または3~13モル%、または3~12モル%、または3~11モル%、または3~10モル%、または3~9モル%、または3~8モル%、または3~7モル%、または2~10モル%、または2~9モル%、または2~8モル%、または2~7モル%、または2~5モル%、または1~7モル%、または1~5モル%、または1~3モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。
【0038】
[0041]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0.01~15モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0~15モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0.01~10モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0~10モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0.01~5モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、0~5モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含んでもよい。
【0039】
[0042]いくつかのその他のジオール残基は、当然ではあるが、処理中にその場で生成されてもよい。一実施態様では、本開示に記載のポリエステル組成物のジオール成分は、任意の量で、処理中にその場で生成されるか、または意図的に添加されるか、あるいはその両方によるジエチレングリコール残基を含んでもよい。例えば、一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、1~15モル%、または2~12モル%、または2~11モル%、または2~10モル%、または2~9モル%、または3~12モル%、または3~11モル%、または3~10モル%、または3~9モル%、または4~12モル%、または4~11モル%、または4~10モル%、または4~9モル%、または、5~12モル%、または5~11モル%、または5~10モル%、または5~9モル%のジエチレングリコール残基を含んでもよい。
【0040】
[0043]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物中に存在するジエチレングリコール残基の総量は、処理中にその場で生成されるか、意図的に添加されるか、またはその両方であるかどうかに拘わらず、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、4モル%以下、または3.5モル%以下、または3.0モル%以下、または2.5モル%以下、または2.0モル%以下、または1.5モル%以下、または1.0モル%以下、または1~4モル%、または1~3モル%、または1~2モル%、または2~8モル%、または2~7モル%、または2~6モル%、または2~5モル%、または3~8モル%、または3~7モル%、または3~6モル%、または3~5モル%であってもよく、あるいは実施態様によっては、意図的に添加されたジエチレングリコール残基は存在しない。
【0041】
[0044]全ての実施態様では、ジオール成分の残部は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、任意の量でエチレングリコール残基を含んでもよい。一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のポリエステル部分は、100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、50モル%以上、または55モル%以上、または60モル%以上、または65モル%以上、または70モル%または以上、または75モル%以上、または80モル%以上、または85モル%以上、または90モル%以上、または95モル%以上、または50~85モル%、または50~80モル%、または55~80モル%、または60~80モル%、または50~75モル%、または55~75モル%、または60~75モル%、または65~75モル%、または70~80モル%、または75~85モル%のエチレングリコール残基を含んでもよい。
【0042】
[0045]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物のジオール成分は、最大20モル%、または最大19モル%、または最大18モル%、または最大17モル%、また最大16モル%、または最大15モル%、または最大14モル%、または最大13モル%、または最大12モル%、または最大11モル%、または最大10モル%、または最大9モル%、または最大8モル%、または最大7モル%、または最大6モル%、または最大5モル%、または最大4モル%、または最大3モル%、または最大2モル%、または最大1モル%の1種以上の修飾ジオール(修飾ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、または1,4-シクロヘキサンジメタノールではないジオールとして定義される)を含んでもよい。特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、10モル%以下の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい。特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、5モル%以下の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい。特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、3モル%以下の1種以上の修飾ジオールを含んでもよい。別の実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、0モル%の修飾ジオールを含んでもよい。しかしながら、いくつかのその他のジオール残基はその場で生成されてもよいので、その場で生成された残基の量もまた本開示の実施態様であると考えてもよい。
【0043】
[0046]いくつかの実施態様では、本明細書で定義されるポリエステル内に使用する修飾ジオールは、使用される場合には、2~16個の炭素原子を含む。修飾ジオールの例として、限定はされないが、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、およびそれらの混合物が挙げられる。一実施態様では、イソソルビドが修飾ジオールである。別の実施態様では、修飾ジオールとして、限定はされないが、1,3-プロパンジオールおよび1,4-ブタンジオールのうちの少なくとも1種が挙げられる。一実施態様では、1,3-プロパンジオールおよび/または1,4-ブタンジオールを除外してもよい。1,4-または1,3-ブタンジオールを使用する場合には、一実施態様では、4モル%超または5モル%超を提供してもよい。一実施態様では、少なくとも1種の修飾ジオールは、5~25モル%の量で存在する1,4-ブタンジオールである。特定の実施態様では、ポリエステル組成物には、修飾ジオールを添加しない。
【0044】
[0047]一実施態様では、さらに以下の構成を含むポリエステル組成物を含む収縮フィルムが提供される。100モル%であるジオール成分の総モル%に基づいて、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基が0.01~約10モル%の量で存在し、ジエチレングリコール残基が2~9モル%の量で存在し、ネオペンチルグリコール残基が5~30モル%の量で存在し、かつエチレングリコール残基が60モル%以上の量で存在する。
【0045】
[0048]一実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、少なくとも1種の鎖延長剤を含んでもよい。好適な連鎖延長剤として、限定はされないが、多官能性(限定はされないが、二官能性などの)イソシアナート、エポキシ化ノボラックなどの多官能性エポキシド、およびフェノキシ樹脂が挙げられる。特定の実施態様では、鎖延長剤は、重合処理の最後に、または重合処理の後に添加してもよい。重合処理後に添加される場合に、鎖延長剤は、配合するか、あるいは射出成形や押出成形などの転換過程中に添加して、組み込んでもよい。
【0046】
[0049]特定の実施態様では、用いられる鎖延長剤の量は、用いられる特定のモノマー組成および所望の物理特性に応じて変更してもよいが、一般には、ポリエステルの総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、例えば0.1重量%~5重量%である。
【0047】
[0050]本開示で有用なポリエステル組成物は、特に明記しない限り、本明細書に記載の固有粘度範囲のうちの少なくとも1種の範囲、かつ本明細書に記載のポリエステル組成物のモノマー範囲のうちの少なくとも1種の範囲を有してもよいと考えられる。本明細書で有用なポリエステル組成物はまた、特に明記しない限り、本明細書に記載のTg範囲のうちの少なくとも1種の範囲、かつ本明細書に記載のポリエステル組成物のモノマー範囲のうちの少なくとも1種の範囲を有してもよいと考えられる。本開示で有用なポリエステル組成物はまた、特に明記しない限り、本明細書に記載の固有粘度範囲のうちの少なくとも1種の範囲、本明細書に記載のTg範囲のうちの少なくとも1種の範囲、かつ本明細書に記載のポリエステル組成物のモノマー範囲のうちの少なくとも1種の範囲を有してもよいと考えられる。
【0048】
[0051]本開示の実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、25℃かつ0.5g/dLの濃度で、60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタン中で測定される以下の固有粘度値のうちの少なくとも1つを示してもよい。0.50~1.2dL/g;0.50~1.0dL/g;0.50~0.90dL/g;0.50~0.80dL/g;0.55~0.80dL/g;0.60~0.80dL/g;0.65~0.80dL/g;0.70~0.80dL/g;0.50~0.75dL/g;0.55~0.75dL/g;または0.60~0.75dL/g。
【0049】
[0052]ポリエステルのガラス転移温度および歪み誘起結晶の融点(それぞれTgおよびTm)を、Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を使用して、20℃/分の走査速度で測定する。延伸した試料の第1の加熱でTmを測定し、第2の加熱工程中にTgを測定した。さらに、試料を強制空気循環型オーブン中で170℃かつ2時間で結晶化して、その後DSCで分析することもできる。全ての試料で、結晶の融点は、20℃/分の加熱速度によるDSC走査の第2の加熱中に典型的には存在しない。
【0050】
[0053]特定の実施態様では、本開示の配向フィルム、収縮フィルム、または熱成形シートは、ポリエステルのTgが60~80℃、70~80℃、65~80℃、72~77℃、または65~75℃のポリエステル/ポリエステル組成物を含む。特定の実施態様では、25℃かつ0.5g/dLの濃度で、60/40(重量/重量)フェノール/テトラクロロエタン中で測定されるポリエステルの固有粘度は、0.68~0.75dL/gであり、Thermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を使用して、20℃/分の走査速度で測定されるこのポリエステルのTgは、72℃~77℃である。
【0051】
[0054]特定の実施態様では、重合中または押出し中または配合中に添加される少なくとも1種の可塑剤の有無に拘わらず、これらのTg範囲を満たすことができる。
[0055]本開示の実施態様では、本開示で有用なポリエステルおよび/またはポリエステル組成物を含む特定の配向フィルムおよび/または収縮性フィルムは、以下の全ての特性、すなわち優れた伸縮性、制御された収縮特性、特定の靭性、特定の固有粘度、特定のガラス転移温度(Tg)、特定の歪み誘起結晶の融点、特定の曲げ弾性率、特定の密度、特定の引張弾性率、特定の表面張力、優れた溶融粘度、優れた透明度、および優れた色調のうちの固有の組合せを有してもよい。
【0052】
[0056]一実施態様では、本開示で有用な特定のポリエステル組成物は、視覚的に透明であってもよい。用語「視覚的に透明」は、本明細書では、視覚的に検査をした際に、曇り、霞み、および/または濁りが明らかに無いこととして定義される。
【0053】
[0057]本開示で有用なポリエステル組成物のポリエステル部分は、文献からの既知の方法、例えば、均質溶液中での方法、溶融物でのエステル交換による方法、および二相界面による方法で作製してもよい。好適な方法としては、限定はされないが、1種以上のジカルボン酸を1種以上のジオールと100℃~315℃の温度かつ0.1~760mmHgの圧力で、ポリエステルを生成するのに十分な時間反応させる工程が挙げられる。ポリエステルの製造方法については、米国特許第3,772,405号を参照し、その方法に関する開示内容は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0054】
[0058]特定の実施態様では、ポリエステルは、不活性雰囲気中での縮合の過程では徐々に温度を上昇させて、触媒の存在下でジカルボン酸またはジカルボン酸エステルをジオールと縮合させて調製してもよく、また参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,720,507号にさらに詳細に説明されているように、縮合の後半部分は低圧で縮合させて調製してもよい。
【0055】
[0059]実施態様によっては、本開示で有用なポリエステルの製造プロセス中に、トナーまたは色素を含む溶融物に重合体を着色する特定の化学物質を添加してもよい。一実施態様では、得られるポリエステル重合体の溶融相生成物のbを低下させるために青味付けトナーを溶融物に添加する。そのような青味付け剤としては、青色の無機および有機のトナーおよび/または色素が挙げられる。また、赤色のトナーおよび/または色素を用いて、aの色調を調整してもよい。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,372,864号および第5,384,377号に説明されているトナーなどの有機トナー、例えば青色および赤色の有機トナーを使用してもよい。有機トナーは、予混合組成物として供給してもよい。予混合組成物は、赤色と青色の化合物の非希釈混合物であってもよく、あるいは組成物をポリエステルの原材料のうちの1種、例えばエチレングリコールに事前に溶解するかスラリー化してもよい。
【0056】
[0060]添加されるトナー成分の総量は、基材ポリエステル中の固有の黄色の量およびトナーの効力に依存する。一実施態様では、混合有機トナー成分を、約15ppmの最大濃度および約0.5ppmの最小濃度で使用してもよい。一実施態様では、青味付け添加剤の総量は0.5~10ppmの範囲であってもよい。一実施態様では、トナーをエステル化反応区域または重縮合反応区域に添加してもよい。好ましくは、トナーをエステル化反応区域に、または重縮合区域の初期段階に、例えば予備重合反応器に添加する。
【0057】
[0061]いくつかの実施態様では、ポリエステル組成物はまた、滑剤、粘着防止剤、離型剤、難燃剤、可塑剤、ガラスバブル、核剤、限定はされないがUV安定剤、熱安定剤などの安定剤、および/またはそれらの反応生成物、充填剤、および衝撃改質剤などの一般的な添加剤を、組成物全体の0.01~25重量%で含んでもよい。市販の衝撃改質剤の例として、限定はされないが、エチレン/プロピレン三元共重合体、アクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸グリシジルなどの官能化ポリオレフィン、スチレン系ブロック共重合体の各衝撃改質剤、および種々のアクリル系コア/シェル型の衝撃改質剤が挙げられる。それらの添加剤の残基もまた、ポリエステル組成物の一部として想定される。
【0058】
[0062]一実施態様では、本開示によるフィルムおよび収縮フィルムは、0.01~10重量%のポリエステル可塑剤、例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,329,393号に記載されている可塑剤を含んでもよい。一実施態様では、収縮フィルムは、本発明の共重合ポリエステル中に配合された0.01~10重量%のポリエステル可塑剤を含んでもよい。
【0059】
[0063]一側面では、本開示は、本開示のポリエステル組成物を含む収縮フィルム、押出シート、熱成形物品、および成形物品に関する。ポリエステル組成物をフィルムおよび/またはシートに成形する方法は、当技術分野で周知である。本開示で有用なシートの例として、限定はされないが、押出シート、圧縮成形フィルム、カレンダー加工フィルムおよび/またはシート、溶液キャストフィルムおよび/またはシートが挙げられる。一側面では、本開示の収縮フィルムを製造するのに有用なフィルムおよび/またはシートの製造方法として、限定はされないが、押出、圧縮成形、カレンダー処理、および溶液キャストが挙げられる。
【0060】
[0064]一実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、ポリエステルからフィルムを製造する当技術分野で既知の任意の方法、例えば、溶液キャスト、押出、圧縮成形、またはカレンダー処理を用いてフィルムに製造される。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,846,440号;第6,551,699号;第6,551,688号;および第6,068,910号を参照。
【0061】
[0065]一実施態様では、形成したままのフィルムは、続いて(例えば、一軸および/または二軸配向フィルムとして)1つ以上の方向に配向される。フィルムのこの配向は、標準的な配向条件を使用して、当技術分野で既知の任意の方法によって実施できる。例えば、本開示の配向フィルムは、約100~400μmの厚さを有するフィルム、例えば押出、キャスト、またはカレンダー加工したフィルムから製造してもよく、この配向フィルムは、TgからTg+55℃まで、または70℃~125℃の温度で5:1~3:1の比率に、例えば70℃~100℃の温度で5:1または3:1の比率に配向されてもよく、またこのフィルムは、20~80μmの厚さに配向されてもよい。一実施態様では、初期の予備収縮されたフィルムの配向は、これらの配向条件に従ってテンターフレーム(tenter frame)で実行してもよい。
【0062】
[0066]本開示の収縮フィルムは、約55~約80℃、または約55~約75℃、または約55~約70℃の収縮開始温度を有してもよい。収縮開始温度は、収縮の開始が起こる温度である。
【0063】
[0067]特定の実施態様では、本開示で有用なポリエステル組成物は、1.6g/cc以下、または1.5g/cc以下、または1.4g/cc以下、または1.1g/cc~1.5g/cc、または1.2g/cc~1.4g/cc、または1.2g/cc~1.35g/ccの密度を有してもよい。
【0064】
[0068]一実施態様では、フィルムまたは成型物品に多くの小さな空孔または穴を導入して、フィルムの密度を低下させる。このプロセスは「空孔形成(voiding)」と呼ばれ、「空洞形成(cavitating)」または「微細空孔形成(microvoiding)」と呼ばれることもある。これらの孔は、約1~約50重量%の小さな有機粒子または(ガラス製微小球を含む)無機粒子あるいは「介在物」(当技術分野では「空孔形成」剤または「空洞形成」剤と呼ばれる)を母材ポリマー中に組み込み、かつ少なくとも一方向に延伸してポリマーを配向させて得られる。延伸中に、空孔形成剤の周囲に小さな空洞または空孔が形成される。空孔がポリマーフィルム中に導入されると、得られた空孔付きフィルムは、空孔不含フィルムよりも密度が低いだけでなく、不透明になり紙のような表面が現れる。この表面はまた、印刷適性を向上する利点を有し、すなわち、表面は、空孔不含フィルムよりも実質的に大きな容量で多くのインクを受け入れることができる。空孔付きフィルムの典型的な例は、米国特許第3,426,754号;3,944,699号;4,138,459号;4,582,752号;4,632,869号;4,770,931号;5,176,954号;5,435,955号;5,843,578号;6,004,664号;6,287,680号;6,500,533号;6,720,085号;米国特許出願公開第2001/0036545号;2003/0068453号;2003/0165671号;2003/0170427号;日本特許出願公開第61-037827号;63-193822号;2004-181863号;欧州特許第0 581 970 B1号;欧州特許出願公開第0 214 859 A2号に記載されている。
【0065】
[0069]特定の実施態様では、押し出されたままのフィルムは、延伸中に配向される。本開示の配向フィルムまたは収縮性フィルムは、所望の最終用途に応じて任意の厚さを持つフィルムから作製できる。一実施態様では、望ましい条件は、配向フィルムおよび/または収縮性フィルムとして、ラベル、紙などの基板に接着し得る写真フィルムなどの用途のために、および/またはそれらフィルムが、ボトルまたは容器に有用で、かつそれらの外側を包囲するように収縮できるその他の用途のために、インクで印刷できることである。本開示で有用なポリエステルを、PETなどの別のポリマーと共押出して、フィルムを本開示の配向フィルムおよび/または収縮フィルムとして使用可能とすることが望ましい場合がある。後者の共押出を実施することの1つの利点としては、実施態様によっては、結合層(tie layer)を必要としなくてもよいことである。
【0066】
[0070]一実施態様では、本開示の一軸および二軸配向フィルムは、厚さが約100~400μmのフィルム、例えば押出し、キャスト、またはカレンダー加工されたフィルムから作製してもよく、このフィルムは、フィルムのTgからTg+55℃までの温度で6.5:1~3:1の比率で延伸してもよく、かつ20~80μmの厚さまで延伸してもよい。一実施態様では、初期の押し出しされたままのフィルムの配向は、これらの配向条件に従ってテンターフレームで実行してもよい。本開示の収縮フィルムは、本開示の配向フィルムから作製できる。
【0067】
[0071]特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、殆どあるいは全くしわが入らないように緩やかに収縮する。特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、5℃の温度上昇増分ごとに横断方向に40%以下の収縮率を有する。
【0068】
[0072]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、65℃の水に10秒間浸漬した際に、機械方向に10%以下、または5%以下、または3%以下、または2%以下の収縮率を有するか、あるいは収縮しない。本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、65℃の水に10秒間浸漬した際に、機械方向に-10%~10%、-5%~5%、または-5%~3%、または-5%~2%、または-4%~4%、または-3%~4%、または-2%~4%、または-2%~2.5%、または-2%~2%、または0~2%の収縮率を有するか、あるいは収縮しない。ここで機械方向の負の収縮率は、機械方向への膨張を示す。機械方向の正の収縮率は、機械方向への収縮を示す。
【0069】
[0073]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向に50%以上、または60%以上、または70%以上の収縮率を有する。
【0070】
[0074]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向に50~90%の収縮率を有し、かつ機械方向に10%以下または-10%~10%の収縮率を有する。
【0071】
[0075]一実施態様では、本開示で有用なポリエステルは、ポリエステルからフィルムを製造するための当技術分野で既知の任意の方法、例えば、溶液キャスト、押出、圧縮成形、またはカレンダー処理を用いてフィルムにされる。次に、押し出されたままの(または形成されたままの)フィルムは、1つ以上の方向に配向される(例えば、一軸および/または二軸配向されたフィルム)。フィルムのこの配向は、標準的な配向条件を使用して、当技術分野で既知の任意の方法によって実施してもよい。例えば、本開示の一軸配向フィルムは、厚さが約100~400μmのフィルム、例えば、押出、キャスト、またはカレンダー加工されたフィルムから作製してもよく、このフィルムは、フィルムのTgからTg+55℃までの温度で6.5:1~3:1の比率で延伸してもよく、かつ20~80μmの厚さまで延伸してもよい。一実施態様では、初期の押し出されたままのフィルムの配向は、これらの配向条件に従ってテンターフレームで実行してもよい。
【0072】
[0076]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ASTM法D882に従って、主収縮方向に直交する方向に500mm/分の延伸速度で200%を超える破断歪み率を有してもよい。
【0073】
[0077]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ASTM法D882に従って、主収縮方向に直交する方向に500mm/分の延伸速度で300%を超える破断歪み率を有してもよい。
【0074】
[0078]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ASTM法D882に従って測定して、20~400MPa、または40~260MPa、または42~260MPaの破断時の引張応力(破断応力)を有してもよい。
【0075】
[0079]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、延伸条件および所望の最終用途に応じて、ISO法14616によって測定して、4~18MPa、または4~15MPaの収縮力を有してもよい。例えば、LabThink FST-02熱収縮試験器を使用してISO法14616によって測定され、MPaの単位で記録される場合に、プラスチックボトル用に作製された特定のラベルは、4~8MPaの収縮力を有してもよく、ガラスボトル用に作製された特定のラベルは、10~14Mpaの収縮力を有してもよい。
【0076】
[0080]本開示の一実施態様では、ポリエステル組成物は、典型的にはリアクターグレードの組成物と呼ばれるポリエステルを製造するための既知の方法によって、モノマーを反応させて生成してもよい。
【0077】
[0081]成形品は、本明細書に開示されるポリエステル組成物のいずれかから製造でき、その組成物は、収縮フィルムからなってもよいしあるいは収縮フィルムを含んでいてもよく、かつこれらは本開示の範囲内に含まれる。
【0078】
[0082]一実施態様では、約100~400μmの予備配向された厚さを有し、続いてTgからTg+55℃までの温度かつ6.5:1~3:1の比率で約20~約80μmの厚さまでテンターフレームで配向される場合に、本開示の収縮フィルムは、以下の特性、すなわち(1)95℃の水に10秒間浸漬した際に、主収縮方向または横断方向に60%を超える(または70%を超える)量で収縮、かつ機械方向に10%以下(または-5%~4%)で収縮、(2)約55℃~約70℃の収縮開始温度、(3)ASTM法D882に従って、横断方向、機械方向、あるいは両方向に、500mm/分の延伸速度で200%超、または200~600%、または200~500%、または226~449%、または250~455%の破断歪み率、(4)5℃の温度上昇増分ごとに40%以下の収縮、および/または(5)200℃以上の歪み誘起結晶の融点、のうちの1つ以上を有してもよい。これらの特性の任意の組合せ、またはこれらの特性の全ては、本開示の収縮フィルムに存在してもよい。本開示の収縮フィルムは、上述の収縮フィルム特性のうちの2つ以上の組合せを有してもよい。本開示の収縮フィルムは、上記の収縮フィルム特性のうちの3つ以上の組合せを有してもよい。本開示の収縮フィルムは、上述の収縮フィルム特性のうちの4つ以上の組合せを有してもよい。特定の実施態様では、(1)~(2)の特性が存在する。特定の実施態様では、(1)~(5)の特性が存在する。特定の実施態様では、(1)~(3)などの特性が存在する。
【0079】
[0083]本明細書での収縮率は、TgからTg+55℃までの温度で6.5:1~3:1の比率で、例えば70℃~85℃の温度で5:1の比率でテンターフレームで配向された約20~80μmの厚さを有する初期の生成されたままのフィルムに基づいている。一実施態様では、本開示の収縮フィルムを作製するのに用いられる配向フィルムの収縮特性は、そのフィルムが配向された温度よりも高い温度でフィルムをアニールしても変動はなかった。
【0080】
[0084]本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムを作製するのに有用なフィルムの形状は、全く制限を受けない。例えば、その形状は、平坦なフィルム、あるいは管状に形成されたフィルムであってもよい。管状に形成されたフィルムは、縫合溶剤または縫合接着剤を用いて、収縮中にフィルムの端部を共に結合または保持できる。本開示で有用な収縮フィルムを製造するために、ポリエステルは、まず平坦なフィルムに形成され、次いで「一軸延伸」され、これは、ポリエステルフィルムを一方向に配向することを意味する。フィルムはまた、「二軸配向」してもよく、これは、ポリエステルフィルムを2つの異なる方向に配向することを意味し、例えば、フィルムは、機械方向と機械方向とは異なる方向の両方向に延伸される。典型的には2つの方向は実質的に垂直であるが、常にそうとは限らない。例えば、一実施態様では、2つの方向は、フィルムの長手方向または機械方向(「MD」)(フィルム製造機でフィルムが製造される方向)およびフィルムの横断方向(「TD」)(フィルムのMDに対し垂直な方向)である。二軸配向フィルムは、連続的に配向されてもよく、同時に配向されてもよく、あるいは同時および連続的な延伸の何らかの組合せによって配向されてもよい。
【0081】
[0085]フィルムは、ロール延伸法、長間隙延伸(long-gap stretching)法、テンターフレーム延伸法、および管状延伸法などの任意の通常の方法によって配向させてもよい。これらの方法のいずれかを使用して、連続二軸延伸、同時二軸延伸、一軸延伸、またはこれらの組合せを実施してもよい。上述の二軸延伸により、機械方向と横断方向の延伸を同時に実施してもよい。また延伸を、まず一方向に実施し、次に他の方向に実施して、効率的に二軸延伸をもたらすこともできる。一実施態様では、フィルムの延伸を、フィルムをそれらのガラス転移温度(Tg)よりも5℃~80℃高く予備的に加熱して実施する。一実施態様では、フィルムを、それらのTgより5℃~30℃高い温度で予備的に加熱してもよい。一実施態様では、延伸速度は、毎秒0.5~20インチ(1.27~50.8cm)である。次にフィルムを、例えば、機械方向、横断方向、または両方向のいずれかに、元の寸法の2~6倍に配向してもよい。フィルムは、単一フィルム層として配向させてもよく、あるいは多層フィルムとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)などの別のポリエステルと共押出しして、その後配向させてもよい。
【0082】
[0086]一実施態様では、本開示は、本開示の収縮フィルムの実施態様のうちのいずれかの収縮フィルムを含む製造物品または成形物品を含む。別の実施態様では、本開示は、本開示の配向フィルムの実施態様のうちのいずれかの配向フィルムを含む製造物品または成形物品を含む。
【0083】
[0087]特定の実施態様では、本開示は、限定はされないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、梱包材、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に適用される収縮フィルムを含む。一実施態様では、本開示は、限定されないが、容器、梱包材、プラスチックボトル、ガラスボトル、紙などの写真用基板、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に適用される配向フィルムを含む。
【0084】
[0088]本開示の特定の実施態様では、本開示の収縮フィルムは、ラベルまたはスリーブに形成してもよい。次にラベルまたはスリーブを、容器の壁、電池などの製造物品に、あるいはシートまたはフィルムの上に貼付してもよい。
【0085】
[0089]本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムは、管またはボトルなどの成型物品に貼付でき、様々な包装用途に一般的に使用される。例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)などのポリマーから製造されたフィルムおよびシートは、プラスチック飲料容器または食品容器用の収縮ラベルの製造に頻繁に使用される。例えば、本開示の収縮フィルムは、多くの包装用途で使用でき、この用途では、成型物品に貼付される収縮フィルムは、優れた印刷適性、優れた収縮力、優れた質感、高い収縮率、制御された収縮速度、高い剛性、および再資源化性などの特性を示す。
【0086】
[0090]収縮特性の改善ならびに再資源化性により、限定はされないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、梱包材、電池、高温充填容器、および/または工業製品または他の用途に貼付される収縮フィルムなどの新規の商業的な選択肢を提供できるはずである。
【0087】
[0091]本開示の一側面では、開示されたポリエステル組成物は、熱成形されたシート、および/または熱成形性シートとして有用である。本開示はまた、本開示の熱成形シートを組込んだ製造物品を対象とする。一実施態様では、本開示のポリエステル組成物は、成型または形成された物品または部品に容易に成形されるシートとして有用である。一実施態様では、本開示のフィルムおよび/またはシートは、熱成形によって成形物品または部品に加工できる。本開示のポリエステル組成物は、様々な成形および押出の用途で使用できる。
【0088】
[0092]さらに、一実施態様では、本開示の熱成形シートで有用なポリエステル組成物はまた、着色剤、粘着防止剤、滑剤、離型剤、難燃剤、可塑剤、核剤、限定はされないが、UV安定剤、熱安定剤などの安定剤、充填剤、および衝撃改質剤などの一般的な添加剤を、組成物全体の0.1~25重量%で含んでもよい。
【0089】
[0093]一実施態様では、補強材が、本開示のポリエステル組成物を含む熱成形シート中に含まれてもよい。例えば適切な補強材には、炭素繊維、ケイ酸塩、雲母、クレイ、タルク、二酸化チタン、ウォラストナイト、ガラス薄片、ガラスビーズおよび繊維、ポリマー繊維、およびそれらの組合せが含まれてもよい。
【0090】
[0094]一実施態様では、本開示の熱成形シートは、多層シートである。一実施態様では、多層シートの少なくとも一層は、発泡体層、あるいは発泡したポリマーまたはポリエステル層である。
【0091】
[0095]本開示の一側面は、熱成形を使用して形成または成型された部品および物品を製造する方法である。当業者に既知の任意の熱成形技術またはプロセスを使用して、本開示の形成または成型された物品および部品を製造できる。
【0092】
[0096]一実施態様では、熱成形プロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる"Technology of Thermoforming(熱成形の技術)"(Throne, James; Hanser Publishers; 1996; pp. 16-29を参照)で教示されているように、いくつかの手法で実施できる。実施態様によっては、そのプロセスは、軟化させたシートにガス圧または空気圧を加え、次にシートをバブルのように延伸かつ引き出し、雄型を内側からそのバブル内に入れる雄型熱成形プロセスである。次に真空を加えて、部品をさらに引き出して、雄型の表面に適合させる。この熱成形プロセスでは、軟化させたシートにガス圧または空気圧が加えられた際に、主に1回の工程で2軸延伸/配向が実行される。次に成形工程は、シートのTg未満に冷却し、真空および雄型を使用して、物理特性と外観特性の良好なバランスを取るために配向をシート内に固定して完了させる。他の実施態様では、そのプロセスは、真空または物理的プラグを熱軟化させたシートに適用し、シートをほぼ最終部品寸法まで延伸かつ引き出し、次に、内部からの正の空気圧または外部からのさらなる外側の真空引きによりシートを引き出し、外側の雌型に適合させる雌型プロセスであり、シートのTg未満に冷却して配向を固定して、シートを物品に成形する。
【0093】
[0097]実施態様によっては、バブルの生成は、さらにプラグ補助具を利用して形成されることがあり、これに続いて、上昇する雄型をシートで覆ってかつ成型し、次いで、角部およびスリーブガイドなどを真空を加えて型内に引き込む。実施形態によっては、型から取り外した後に、形成された部品または物品を、必要に応じて、切除し、穴開けし、角部を切り取ることができる。
【0094】
[0098]他の実施態様では、熱成形は、本開示のポリエステル組成物のシートが、それが変形できるのに十分な温度に加熱され、次いで加熱されたシートが、真空補助、空気圧補助、および嵌め合わせ型補助のような手段によって型の輪郭に適合させるプロセスである。別の実施態様では、加熱されたシートは型内に配置され、例えば、空気圧をかける、真空プラグ補助具を使用する、または嵌め合わせ型を使用することで、型の輪郭に合致するように強制される。実施形態によっては、熱成形により薄肉物品を製造する。実施形態によっては、熱成形により厚肉物品を製造する。
【0095】
[0099]一実施態様では、熱成形プロセスは、雄型を加熱されたシートに押し込むことによって、シートを所望の形状に成形する。特定の実施態様では、熱成形は、真空にした表面またはテーブルの間に支持された物品の雄型を有することを含む。これらの実施態様では、熱風送風機、熱ランプ、またはその他の放射熱源などの外部熱源からの熱をシートに向ける。これらの実施態様では、シートは軟化点まで加熱される。これらの実施態様では、次にテーブル、テーブルの下、かつ型の周りを真空にして、熱で軟化したシートをテーブルに向かって引き寄せて、軟化したシートを型表面と接触させるように配置する。これらの実施態様では、真空により、軟化したシートを型表面の輪郭と緊密に接触させて、それに合致するように引き寄せる。これにより、シートは型の形状となる。これらの実施態様では、シートが冷却された後に、シートは固化して、得られた物品または部品を型から取り除くことができる。
【0096】
[00100]一実施態様では、熱成形プロセスは、本開示のポリエステル組成物からシートを形成すること;シートが軟化するまで加熱し、そのシートを型の上に配置すること;予熱されたシートを加熱された型表面に引き寄せること;シートを冷却すること;次に形成された物品または部品を型の窪みから取り出すこと、あるいは、場合によっては、シートを部分的に結晶化するのに十分な時間で、加熱された型に対してシートを接触させ続けて成形シートを加熱固定することを含む。
【0097】
[00101]一実施態様では、熱成形プロセスは、本開示のポリエステル組成物からシートを形成すること;ポリエステルのTg以上の温度にシートを加熱すること;熱で軟化したシートにガス圧、真空、および/または物理的圧力を加えて、シートをほぼ最終部品寸法に延伸すること;真空または圧力によってシートを型の形状に適合させること;シートをポリエステルのTg未満の温度に冷却すること;次に熱成形された物品または部品を型から取り出すことを含む。
【0098】
[00102]熱成形プロセスで使用するシートは、当業者に既知の任意の従来の方法によって作製してもよい。一実施態様では、シートは押出しによって形成される。一実施態様では、シートはカレンダー処理によって形成される。一実施態様では、熱成形プロセス中に、シートはポリエステルのTg以上の温度に加熱される。一実施態様では、この温度は、ポリエステルのTgよりも約10℃~約60℃高い。一実施態様では、より短い成形時間を実現するために、熱成形型の上に配置する前にシートを加熱することが必要である。一実施態様では、シートをそのTgより高く、かつ型の窪みの上に配置中にシートが過度にたるむ温度よりも低く加熱する必要がある。一実施態様では、成形されたシートを型から取り出す前に、ポリエステルのTg未満の温度に冷却する。一実施態様では、熱成形方法には、真空補助具、空気補助具、機械的プラグ補助具、または嵌め合わせ型を含んでもよい。実施形態によっては、型をシートのTg以上の温度に加熱する。最適な型温度の選択は、熱成形装置の型、形成される物品の構造および肉厚、およびその他の因子に依存する。
【0099】
[00103]実施形態によっては、加熱されたシートを、真空を発生させ、かつ導入して延伸する。
[00104]一実施態様では、ヒートセットは、明らかな配向を存在させずに、ポリエステルシートの部分的な結晶化を熱的に誘発するプロセスである。一実施態様では、ヒートセットは、シートと加熱された型表面との接触を、完成部品に適切な物理的特性を付与する結晶化度の水準を達成するのに十分な時間で維持して達成される。特定の実施態様では、結晶化度(相対結晶化度)の水準を、8cal/gより大きくすべきである。
【0100】
[00105]一実施態様では、熱固定された部品は、取り出しのための既知の手段によって型の窪みから取り出してもよい。例えば、一実施態様では、吹き戻し(blowback)を使用し、それは圧縮空気を導入して、型と成形されたシートとの間に確立された真空を破ることを含む。実施形態によっては、形成された物品または部品の余分な部分を、その後切り取って、廃物は粉砕して再資源化する。
【0101】
[00106]実施形態によっては、核剤の添加により、熱成形中のより速い結晶化を提供し、従ってより速い成形を提供する。一実施態様では、微粒子サイズの無機材料または有機材料などの核剤を使用してもよい。例えば、一実施態様では、適切な核剤として、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、および非混和性ポリマーまたは架橋ポリマーが挙げられる。一実施態様では、核剤は、物品の重量に基づいて、約0.01%~約20%で変動する量で使用してもよい。一実施態様では、顔料、色素、可塑剤、亀裂防止剤、および安定剤などのその他の従来からの添加剤を、熱成形のために必要に応じて使用してもよい。実施形態によっては、亀裂防止剤は衝撃強度を改善し、核剤はより速い結晶化を提供する。実施形態によっては、結晶化は、高温安定性を達成するために必要である。
【0102】
[00107]一実施態様では、発泡ポリエステルシートは、本開示のポリエステル組成物を化学的および/または物理的な発泡剤で発泡させ、発泡ポリエステルをシートに押し出し、発泡ポリエステルシートを熱成形して作製される。発泡ポリエステルシートの特性を向上するための添加剤を、発泡前にポリエステルに添加してもよい。その添加剤の例として、滑剤、粘着防止剤、可塑剤、蛍光増白剤、および紫外線抑制剤が挙げられる。一実施態様では、発泡ポリエステルシートは、その特性を向上するために、従来の技術を使用して片面または両面に被覆された押出成形品または積層品であってもよい。一実施態様では、被覆材料は、発泡シート自体ではなく、製品のラベル付けを提供する印刷面であった方が良い。
【0103】
[00108]特定の実施態様では、本開示の組成物は、形成または成型されたプラスチック部品として、または固形プラスチック物品として有用である。実施形態によっては、本開示の組成物は、熱成形された部品または物品として有用である。実施形態によっては、本開示の組成物は、透明で硬質のプラスチックが必要とされる任意の用途での使用に適している。実施形態によっては、例えば、本開示の組成物は、使い捨てのナイフ、フォーク、スプーン、皿、カップ、ストロー、ならびに眼鏡フレーム、歯ブラシの柄、玩具、自動車装備品、工具の柄、カメラ部品、電子機器の部品、かみそり部品、インクペン軸、使い捨て注射器、ボトルなどの部品としての使用に適している。一実施態様では、本開示の組成物は、プラスチック、フィルム、繊維、およびシートとして有用である。
【0104】
[00109]一実施態様では、組成物は、ボトル、ボトル蓋、眼鏡フレーム、刃物類、使い捨て刃物類、刃物類の柄、棚、棚仕切り板、電子機器の筐体、電子機器ケース、コンピュータモニター、プリンター、キーボード、管、自動車部品、自動車内装部品、自動車装備品、看板、熱成形文字(thermoformed letters)、壁板(siding)、玩具、熱伝導性プラスチック、眼科用レンズ、工具、工具の柄、および家庭用品を製造するプラスチックとして有用である。別の実施態様では、本開示の組成物は、フィルム、シート、繊維、形成物品、成型物品、形成部品、成型部品、医療機器、歯科用トレイ、歯科用器具、容器、食品容器、輸送用容器、梱包材、ボトル、ボトル蓋、眼鏡フレーム、刃物類、使い捨て刃物類、刃物類の柄、棚、棚仕切り板、家具部品、電子機器筐体、電子機器ケース、コンピューターモニター、プリンター、キーボード、管、歯ブラシの柄、自動車部品、自動車内装部品、自動車装備品、看板、屋外看板、天窓、多壁層フィルム、多層フィルム、断熱部品、断熱物品、断熱容器、熱成形文字、壁板、玩具、玩具部品、トレイ、食品トレイ、歯科用トレイ、熱伝導性プラスチック、眼科用レンズおよび枠材、工具、工具の柄、および家庭用品、健康管理用品、市販の食品供給製品、箱、グラフィックアート用フィルム、プラスチックガラス積層板用プラスチックフィルム、購入ポイント表示部、天窓、排煙口、積層カード、窓割り(fenestration)、ガラス窓(glazing)、仕切り板、天井タイル、照明、機械防護板、グラフィックアート、レンズ、押出し積層シートまたはフィルム、装飾積層板、オフィス家具、フェイスシールド、医療用梱包材、表示棚の看板ホルダー、および棚の価格ホルダーとしての使用に適している。
【0105】
[00110]本熱成形されたシートまたは熱成形性シートは、フィルム、形成物品、形成部品、成型物品、成型部品、およびシートを形成するのに有用である。熱成形された組成物または熱成形性組成物を、フィルム、形成物品、形成部品、成型物品、成型部品、およびシートに製造する方法は、当技術分野で既知の任意の方法に従ってもよい。形成物品の例には、限定はされないが、医療機器、医療用梱包材、健康管理用品、トレイ、容器、食品皿、タンブラー、収納箱、ボトル、食品加工器、ミキシングボウルなどの市販の食品供給製品、家庭用品、水ボトル、野菜室トレイ、洗濯機部品、冷蔵庫部品、掃除機部品、眼科用レンズとフレーム、および玩具が含まれる。
【0106】
[00111]本開示はさらに、本明細書に記載のポリエステル組成物を含むシートを含む製造物品に関する。いくつかの実施態様では、本開示のシートは、意図された用途に必要とされる任意の厚さであってもよい。
【0107】
[00112]本開示はさらに、本明細書に説明のシートに関する。ポリエステル組成物をシートに形成する方法には、当技術分野で既知の任意の方法が含まれる。本開示のシートの例として、限定はされないが、押し出されたシート、カレンダー処理されたシート、圧縮成形されたシート、および溶液キャストされたシートが挙げられる。本開示のシートを作製する方法として、限定はされないが、押出し、カレンダー処理、圧縮成形、湿式ブロック加工、乾式ブロック加工、および溶液キャストが挙げられる。
【0108】
[00113]本開示はさらに、本明細書に説明の形成物品または成型物品に関する。ポリエステル組成物を形成物品または成型物品に成形する方法には、当技術分野で既知の任意の方法が含まれる。本開示の形成物品または成型物品の例として、限定はされないが、熱成形された物品または熱成形性物品、射出成形物品、押出成形物品、射出ブロー成形物品、射出延伸ブロー成形物品、および押出ブロー成形物品が挙げられる。形成物品の製造方法には、限定はされないが、熱成形、射出成形、押出、射出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、および押出ブロー成形が含まれる。本開示のプロセスは、当技術分野で既知の任意の熱成形プロセスを含んでもよい。本開示のプロセスには、限定はされないが、押出ブロー成形、押出延伸ブロー成形、射出ブロー成形、および射出延伸ブロー成形を含む、当技術分野で既知の任意のブロー成形プロセスを含んでもよい。
【0109】
[00114]本開示は、当技術分野で既知の任意の射出ブロー成形製造プロセスを含む。限定はされないが、射出ブロー成形(IBM)製造プロセスの典型的な説明として、1)往復スクリュー押出機中で組成物を溶融すること、2)溶融組成物を射出成形金型に注入して、一端を閉じた部分的に冷却された管(すなわち予備成形物)を形成すること、3)予備成形物を、予備成形物の周りに所望の最終形状を有するブロー金型内に移動して、予備成形物の周りのブロー金型を閉じること、4)予備成形物に空気を吹き込み、予備成形物を延伸・膨張させて金型を満たすこと、5)成形物品を冷却すること、および6)金型から物品を取り出すことを含む。
【0110】
[00115]本開示は、当技術分野で既知の任意の射出延伸ブロー成形製造プロセスを含む。限定はされないが、射出延伸ブロー成形(ISBM)製造プロセスの典型的な説明として、1)往復スクリュー押出機中で組成物を溶融すること、2)溶融組成物を射出金型中に注入して、一端を閉じた部分的に冷却された管(すなわち予備成形物)を形成すること、3)予備成形物を、予備成形物の周りに所望の最終形状を有するブロー金型に移動して、予備成形物の周りのブロー金型を閉じること、4)内部延伸ロッドを使用して予備成形物を延伸し、予備成形物に空気を吹き込み、予備成形物を延伸・膨張させて金型を満たすこと、5)成形物品を冷却すること、および6)金型から物品を取り出すことを含む。
【0111】
[00116]本開示は、当技術分野で既知の任意の押出ブロー成形製造プロセスを含む。限定はされないが、押出ブロー成形製造プロセスの典型的な説明として、1)押出機中で組成物を溶融すること、2)溶融組成物を口金を通して押し出して、溶融ポリマーの管(すなわち溶融予備成形物)を形成すること、3)溶融予備成形物の周りに、所望の最終形状を有する金型を固定すること、4)溶融予備成形物内に空気を吹き込んで、押出物を延伸・膨張させて金型を満たすこと、5)成形物品を冷却すること、6)金型から物品を取り出すこと、および7)物品から余剰のプラスチック(一般にバリと呼ばれる)を取り除くことを含む。
【0112】
[00117]以下の実施例は、どのように本開示のポリエステルが製造され、かつ評価できるかをさらに示し、かつこれらの実施例は、純粋に例示的であり、その範囲を限定することを意図していない。特に明記されていない限り、部は重量部であり、温度は℃(摂氏)であり、または室温であり、かつ圧力は大気圧またはそれに近い雰囲気である。
【実施例
【0113】
[00118]共重合ポリエステル樹脂試料を、本明細書に説明の手順を用いて作製した。全ての場合で、樹脂試料を押出し前に乾燥した。
[00119]試験用フィルム試料を、2.5インチのDavis and Standard社製の単軸スクリュー押出機を使用して、樹脂試料を10ミル(250μm)のフィルムに押し出して作製した。これらの10ミルのフィルムを切断し、Bruckner社製のKaro 4テンターフレームで、押し出されたフィルムのガラス転移温度(Tg)より5~15℃高い温度かつ約5:1の延伸比で、50μmの最終厚さまで延伸した。
【0114】
[00120]テンターフレームによるフィルム試料は、樹脂試料を押し出し、かつ(Parkinson Technologies社の一部門であるMarshall and Williamsに配置された)市販のテンターフレームで延伸して作製した。ここでフィルムをA-B-Cの口金からの3層を用いて押し出し、B層を2.5インチの単軸スクリュー押出機から押し出し、A層とC層を別々の1.25インチの単軸スクリュー衛星押出機から押し出す。このフィルムは約10ミル(250μm)の厚さでキャストされ、その後5:1の延伸比で50μmの厚さに延伸される。一般に、成形厚さは250μmで、最終的な膜厚は50μmである。ライン速度は45fpmであった。
【0115】
[00121]押し出されたフィルム組成物のグリコール含量を、NMRによって測定した。全てのNMRスペクトルは、ロック用に重水素化クロロホルムを添加したポリマーに対し、いずれもクロロホルム-トリフルオロ酢酸(70-30:体積/体積)を用いて、JEOL社製のEclipse Plus 600 MHz核磁気共鳴分光計により記録した。本明細書での実施例に使用された混合ポリマーの酸成分は、100モル%のテレフタル酸であった。グリコール成分の総モル%は100モル%に等しく、酸成分の総モル%は100モル%に等しかった。
【0116】
[00122]本明細書でのポリエステルの固有粘度を、25℃かつ0.5g/dLの濃度で60/40(重量/重量)のフェノール/テトラクロロエタン中で測定した。その値をdL/gで示す。
【0117】
[00123]収縮率を、本明細書では、50mm×50mmの正方形のフィルム試料を65℃~95℃の間の5℃刻みの温度で水中に配置して測定する。フィルムをいずれの方向にも収縮を制限せずに10秒間水中に浸漬し、フィルム試料の収縮(または膨張)を測定する。収縮率を次の式で計算する。
収縮率(%)=[(50mm-収縮後の長さ)/50mm]×100%
[00124]収縮を、主収縮方向に直交する方向(機械方向:MD)で測定し、また主収縮方向(横断方向:TD)でも測定した。
【0118】
[00125]収縮力を、LabThink社製のFST-02熱収縮試験機を用いて、本明細書の実施例について、フィルムを延伸するのに用いるのと同一の温度で、MPaの単位で測定した。
[00126]引張フィルム特性を、ASTM法D882を用いて、本明細書の実施例について測定した。複数のフィルム延伸速度(300mm/分および500mm/分)を用いて、フィルムの靭性を評価した。
【0119】
[00127]ポリエステルのガラス転移温度および歪み誘起結晶の融点(それぞれTgおよびTm)を、20℃/分の走査速度でThermal Analyst Instrument社製のTA DSC 2920を用いて測定した。延伸された試料の第1の加熱でTmを測定し、第2の加熱工程でTgを測定した。さらに、試料を強制空気循環オーブン中で165℃かつ30分間で結晶化し、その後DSCで分析することもできる。全ての試料について、結晶融点は、20℃/分の加熱速度でのDSC走査の第2の加熱中には、通常は存在しなかった。
【0120】
[00128]再資源化プロセスへの材料の適合性は、プラスチック再資源化業者協会(APR:the Association for Plastic Recyclers)によって公開された手順に規定されている。PETG樹脂の場合に、PETの凝集は本発明により対処された主要な問題である。この業界標準を模倣するように、実験室プロセスを開発した。実験的な凝集試験のパラメータは以下の通りである。
・582gのPET薄片に、18gの収縮薄片フィルム(PET薄片に対し3%のフィルム)をその収縮状態で組み合わせる(フィルムは、85℃の水に10秒間浸漬して組合せ前に収縮させた)
・PET薄片+フィルムをアルミニウム皿に入れて、1.5インチの深さとした。
・薄片の入った皿を208℃の強制空気循環オーブン内に1.5時間配置した。
・次に薄片を0.5インチの篩いを通して慎重に注ぎ出して、皿に残った、あるいは篩いを通過できなかった薄片の量を計測し、凝集率(%)を出発重量の百分率として計算した。
【0121】
[00129]プラスチック再資源化業者協会(APR)は、材料が現状の再資源化プロセス(2019年4月11日に改訂または制定のラベルおよび封止を備える透明なPET物品のための重要な指示要綱;PET-CG-02)に適合しているかを測定するための試験を確立した。この方法は、PETの凝集を測定する方法(2018年11月16日に改訂のPET薄片凝集評価;PET-S-08)を参照としている。この試験の詳細は以下の通りである。
・ラベル(最小重量:3重量%、85℃で10秒間予備収縮済み)およびボトルを、1/4~1/2インチの薄片寸法に粉砕して、ラベル付きボトル薄片を作製する。
・ラベル付きボトル薄片を、ラベルのない参照ボトル薄片と50:50で混合する。
・次に1.2%以下のPETがラベル付きで持ち越されることを許可する条件で、試料を湿式分級した。
・次に薄片を、0.3%のTriton X-100および1.0%の苛性アルカリで、88℃かつ15分間洗浄する。
・次に薄片を、全ての浮遊物質を取り除いた後に水で洗浄し、次いで濾過して余分な水を除去する。
・薄片を前回と同様に再度湿式分級する。
・(ラベルを含む)2ポンドの洗浄済み薄片を、洗浄済みの試料ごとにテフロン加工の焼成皿に入れ、この薄片を1.5インチの層の厚さまで追加する。
・薄片が入っている皿を、208℃の循環オーブン内に1時間半載置する。
・薄片を冷却して、0.0625インチの開口部を備える篩いを通過させる。材料が篩いを通過するのなら、この材料は凝集しておらず、すなわち大きくなり過ぎて篩いを通過できないということではない。
・この試験に続いて、薄片の品質を確認するための押出/ペレット化および成形工程を実施した。
【0122】
[00130]変調型示差走査熱量測定(MDSC)は、時間および温度の関数として、試料と不活性な参照試料との間の熱流の差を測定する技術である。さらに、従来のDSCで使用されるものと同一の熱流束セル設計が使用される。但しMDSCでは、異なる加熱形態(温度状態)を試料および参照試料に適用する。具体的には、正弦波変調(振幅)が従来の線形加熱または冷却の勾配に重ねられ、平均試料温度が時間とともに連続的に変化するが線形には変化しない形態が生成される。このより複雑な加熱形態を試料に加えることの正味の効果は、まるで2つの試験、すなわち1つは従来の線形の(平均的な)加熱速度での試験、もう1つは正弦波の(瞬間的な)加熱速度での実験が、材料に対して同時に実行されたのと同じようになることである。これら2つの同時試験の実際の速度は、操作者が選択可能な3種の変数に依存する。
・基盤となる加熱速度(3℃/分)
・変調の周期(60秒)
・変調の温度振幅(±1℃)
[00131]反転熱流を使用して、ガラス転移温度および溶融ピークの面積を分析した。加熱時の融解熱(Hf)を、積分された反転熱流信号として測定した。加熱時の結晶化熱(Hc)を、総熱流信号から積分した。試料の相対結晶化度(C)を、加熱時の結晶化熱(Hc)から融解熱(Hf)を差し引いて測定した。
実施例1~4
[00132]異なるグリコール組成物を有する共重合ポリエステル樹脂を作製し、実験用フィルムプロセスを用いて収縮性フィルムに転換し、対応する収縮性フィルムの特性を測定した。フィルム試料をまた、実験的な凝集試験を用いて、PET薄片との凝集について試験した。主要な性能特性を以下に示す。樹脂の実施例1および2で作製されたフィルムでは、PET薄片の凝集率は1%未満であった。樹脂の実施例1、3、および4で作製されたフィルムは、優れた収縮性フィルム特性を有していた。樹脂の実施例1で作製されたフィルムのみが、優れた収縮性フィルム特性と1%未満の凝集率を有していた。
【0123】
【表1】
【0124】
実施例5~7
[00133]樹脂の実施例5~7を作製し、市販のテンターフレームで収縮性フィルムに転換し、PETの再資源化への適合性についてAPR試験手順を使用して試験した。
【0125】
【表2】
【0126】
実施例8~11
[00134]実施例8~11に基づく樹脂を収縮性フィルム試料に転換し、収縮性フィルム特性について試験し、かつ実験的な凝集試験を使用してPET薄片との凝集について試験した。
【0127】
【表3】
【0128】
実施例12~16
[00135]多層フィルムを、市販のテンターフレームプロセスを使用して作製し、実験的な凝集試験を用いてPET薄片との凝集について試験した。これらのフィルムは、実施例4をコア層として、実施例1をキャップ層として作製した。
【0129】
【表4】
【0130】
熱成形シートの実施例
[00136]実施例A、B、およびCを、2.5インチのDavis and Standard社製の押出機で、30ミル(750μm)の厚さのシート材料に押し出した。次にシート試料を、形状全体への真空引きを可能とするように設計されたアルミニウム製の雌型を用いて、基本とするトレイ形状(寸法:169mm×136mm×44mm)に熱成形した。この成形体をHydrotrim社製の実験室用熱成形機に取り付けた。オーブン温度および金型温度を、それぞれ260℃および42℃で一定に保った。シート試料を異なる滞留時間でオーブン内に置き、オーブンから取り出し、直ぐにトレイに成形し、冷却した後に金型から取り出した。シートの温度を、熱成形機の一部である赤外線温度センサーを用いて測定し、かつ携帯型の赤外線温度計で確認した。
【0131】
[00137]滞留時間を変更して、15秒から開始しその後毎回2秒ずつ増加させて、高品質の部品が作製できる熱成形の条件範囲を確認した。滞留時間を変更して、成形前に試料が異なる温度に加熱されるようにした。滞留時間が29秒に達した後は試験を中止したが、その理由は、実施例Cでは非常に濁りが出て製品にできるトレイとは見做せなかったからである。部品の品質および結晶化の指標として、各試料のヘイズを測定した。
【0132】
[00138]実施例Cから作製されたトレイは、23秒の滞留時間で僅かな濁りを示し始めた。このことは、実施例AおよびBでは、この範囲の滞留時間にわたって濁度の増大を示さなかったので、実施例AおよびBと比較して実施例Cの熱成形の範囲が小さいことを示している。熱成形部品の品質を、許容可能な品質を示す「+」、あるいは品質が劣ることを示す「-」で表示している。これらの品質評価は、熱成形後のヘイズと部品精度の組合せに基づいている。
【0133】
[00139]押出しシートおよび熱成形部品の試料を、実験的な凝集手順を用いて、PET再資源化への適合性について評価した。さらに、PETの凝集に関するAPR選別試験で説明されるような予備結晶化工程を使用した。この凝集試験の結果を以下に示す。
【0134】
[00140]実施例Bは、望ましくかつ格差のある特性を示し、すなわち処理をより容易にするようなより広い熱成形の条件範囲を有し、かつ再資源化プロセスでの結晶化を可能として、PET再資源化プロセスへの適合性を有する。
【0135】
【表5】
【0136】
【表6】
【0137】
【表7】
【0138】
射出成形試料
[00141]試料A、B、C、ならびに実施例1および実施例3を射出成形し、当業者に周知の射出成形の通常の手順を用いて、それらの機械的特性について試験した。試験部品を、ASTM法D638、ASTM法D3763、ASTM法D256、ASTM法D4812、およびASTM法D64の各試験法に従って試験した。これらのリアクターグレードの樹脂で作製された射出成形部品の機械的特性を表8に示す。
【0139】
【表8】
【0140】
[00142]本開示を、その好ましい実施態様を特に参照して詳細に説明してきたが、本開示の趣旨および範囲内で複数の変更および修正を実施できることは当然である。
図1
【国際調査報告】