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特表2022-508696車両に基づいたジオフェンシングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】車両に基づいたジオフェンシングシステム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20220112BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20220112BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220112BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20220112BHJP
   E05F 15/76 20150101ALI20220112BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H05B47/19
H05B47/105
H05B47/165
E05F15/76
E05B49/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545264
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 US2019055969
(87)【国際公開番号】W WO2020081400
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】16/160,512
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シー.エドワーズ
【テーマコード(参考)】
2E052
2E250
3K273
5K048
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052AA04
2E052AA05
2E052BA07
2E052GA07
2E052GB01
2E052KA26
2E250AA02
2E250AA11
2E250BB41
3K273PA01
3K273PA04
3K273PA07
3K273QA30
3K273RA08
3K273RA16
3K273SA17
3K273SA36
3K273SA46
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA63
3K273UA17
5K048AA05
5K048BA07
5K048BA08
5K048BA12
5K048BA42
5K048BA52
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB12
(57)【要約】
オートメーションシステムを制御するための方法及びシステム。オートメーションシステム用のジオフェンス内への権限者の立ち入りが検知される。権限者が登録車両でジオフェンスに入ったかどうかについての決定がなされる。オートメーションシステムは、権限者が登録車両でジオフェンスに入ったとの決定に応じ、第1の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される。オートメーションシステムは、権限者が登録車両でジオフェンスに入らなかったとの決定に応じ、第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
権限者がオートメーションシステム用のジオフェンスに入ったときにオートメーション制御システムにより検知することと、
前記権限者が登録車両で前記ジオフェンスに入ったかどうかを前記オートメーション制御システムにより決定することと、
前記権限者が前記登録車両で前記ジオフェンスに入ったとの決定に応じ、第1の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することと、
前記権限者が前記登録車両で前記ジオフェンスに入らなかったとの決定に応じ、第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することと、
を含む、オートメーションシステムを制御する方法。
【請求項2】
前記権限者が前記ジオフェンスに入ったときに前記オートメーション制御システムにより検知することは、前記オートメーションシステムに登録された前記権限者のモバイル端末の測位システムを使用して、前記権限者が前記ジオフェンスに入ったときに検知することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記権限者が前記ジオフェンスに入ったときに前記オートメーション制御システムにより検知することは、前記権限者により運転されている車両の測位システムを使用して、前記権限者が前記ジオフェンスに入ったときに検知することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記権限者が前記登録車両で前記ジオフェンスに入ったかどうかを前記オートメーション制御システムにより決定することは、モバイル端末が有線接続又は無線接続の少なくとも一方を介して前記車両に接続されているかどうかを、コントローラにより決定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オートメーションシステムは、ホームオートメーションシステムであり、
前記第1の操作のセットから前記少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、車庫ドアを開けること、屋内車庫ドアを開錠すること、車道ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、又は車庫内ライトをオンにすることの少なくとも一つを実行するように、前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オートメーションシステムは、ホームオートメーションシステムであり、
前記第2の操作のセットから前記少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、フロントポーチライトをオンにすること、フロントドアを開錠すること、フロント通路ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、家内部の玄関ライトをオンにすること、スプリンクラーシステムをオフにすること、又はスプリンクラーシステムのプログラムを一時的に停止すること、の少なくとも一つを実行するように、前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の操作のセットは、前記第2の操作のセットに含まれない少なくとも一つの操作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の操作のセットから前記少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記権限者が前記登録車両で前記ジオフェンスに入ったとの前記決定に応じ、複合体のゲートを開けるように前記オートメーションシステムを前記前記オートメーション制御システムにより制御することを含み、
前記複合体は、商業ビル又は共同住宅の一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記権限者が前記登録車両で前記ジオフェンスに入らなかったとの決定に応じ、エントリステーションに電話をかけるように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含み、
前記エントリステーションは、警備ステーション又は受付ステーションの一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の操作のセットから前記少なくとも一つの操作を実行するように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記権限者が前記登録車両で前記ジオフェンスに入ったとの前記決定に応じ、複数の車庫ドアから前記登録車両に対応する車庫ドアを開けるように前記オートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ジオフェンスは、家、共同住宅、又は商業ビルの一つの周りに定義されたエリアである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
権限者のモバイル端末がホームオートメーションシステムのジオフェンスに入ったときに検知することと、
前記モバイル端末が登録車両に接続されているかどうかを決定することと、
前記モバイル端末が前記登録車両に接続されているとの決定に応じ、第1のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを制御することと、
前記モバイル端末が前記登録車両に接続されていないとの決定に応じ、第2のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを制御することと、
を含む、ホームオートメーションシステムを制御する方法。
【請求項13】
前記第1のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記モバイル端末が前記登録車両に接続されているとの前記決定に応じ、車庫ドアを開けること、屋内車庫ドアを開錠すること、車道ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、又は車庫内ライトをオンにすることの少なくとも一つを実行するように、前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記モバイル端末が前記登録車両に接続されていないとの前記決定に応じ、フロントポーチライトをオンにすること、フロントドアを開錠すること、フロント通路ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、家内部の玄関ライトをオンにすること、スプリンクラーシステムをオフにすること、又は前記スプリンクラーシステムのプログラムを一時的に停止すること、の少なくとも一つを実行するように、前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記モバイル端末が前記登録車両に接続されているとの前記決定に応じ、複数の車庫ドアから前記登録車両に対応する車庫ドアを開けるように前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記ホームオートメーションシステムと前記モバイル端末との間に無線通信リンクを前記モバイル端末により確立することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のプログラムを実行するように前記ホームオートメーションシステムを前記オートメーション制御システムにより制御することは、前記モバイル端末が前記登録車両に接続されているとの前記決定に応じ、前記ホームオートメーションシステムと前記登録車両との間に無線通信リンクを前記登録車両により確立することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
オートメーションシステムとの通信リンクを確立する通信システムと、
測位情報を生成する測位システムと、
前記測位情報に基づき、権限者のモバイル端末が前記オートメーションシステムのジオフェンスに入ったときに検知するコントローラと、を含み、
前記モバイル端末が登録車両に接続されているかどうかを決定し、
前記モバイル端末が前記登録車両に接続されているとの決定に応じ、第1のプログラムを実行するように前記オートメーションシステムを制御し、
前記モバイル端末が前記登録車両に接続されていないとの決定に応じ、第2のプログラムを実行するように前記オートメーションシステムを制御する、オートメーションシステムを制御するシステム。
【請求項19】
前記通信システム及び前記測位システムは、モバイル端末の一部である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のプログラムは、車庫ドアを開けること、屋内車庫ドアを開錠すること、車道ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、又は車庫内ライトをオンにすることの少なくとも一つを実行するようにカスタマイズされ、
前記第2のプログラムは、フロントポーチライトをオンにすること、フロントドアを開錠すること、フロント通路ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、家内部の玄関ライトをオンにすること、スプリンクラーシステムをオフにすること、又は前記スプリンクラーシステムのプログラムを一時的に停止すること、の少なくとも一つを実行するようにカスタマイズされる、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してオートメーションシステムの制御、より具体的には、車両に基づいた、オートメーションシステムのカスタマイズされた制御を提供するためにジオフェンシングを使用する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ジオフェンシングは、ジオフェンスを使用して、デバイス、一般的にはモバイル端末(mobile device)が特定のエリアに出入りするときに特定の反応を引き起こす。ジオフェンスは、仮想上の地理的境界又は仮想上の境界線(perimeter)であり得る。場合によっては、特定のシステムのホームオートメーションは、モバイル端末又は車両を使用して制御することができる。例えば、車両が家の所定の範囲内に存在する場合、様々な家庭の機能は、実行され得る。これらの家庭の機能は、例えば、警備システム、娯楽システム、車庫ドアオープナー、又は暖房、換気及び空調(HVAC)システムの操作を含み得る。しかしながら、ホームオートメーションの制御は、家の所定の範囲内への到着の種類に基づいて実行可能なカスタマイズのレベルに限定されてしまうことがある。
【発明の概要】
【0003】
一つの例示の実施形態において、方法は、オートメーションシステムを制御するために提供される。方法は、権限者がオートメーションシステム用のジオフェンスに入ったときに検知することを含む。権限者が登録車両でジオフェンスに入ったかどうかについての決定がなされる。オートメーションシステムは、権限者が登録車両でジオフェンスに入ったとの決定に応じて、第1の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される。オートメーションシステムは、権限者が登録車両でジオフェンスに入らなかったとの決定に応じて、第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される。
【0004】
他の例示の実施形態において、方法は、ホームオートメーションシステムを制御するために提供される。方法は、権限者のモバイル端末がホームオートメーションシステムのジオフェンスに入ったときに検知することを含む。モバイル端末が登録車両に接続されているかどうかについて、決定がなされる。ホームオートメーションシステムは、モバイル端末が登録車両に接続されているとの決定に応じて第1のプログラムを実行するように制御される。ホームオートメーションシステムは、モバイル端末が登録車両に接続されていないとの決定に応じて第2のプログラムを実行するように制御される。
【0005】
さらに他の例示の実施形態において、オートメーションシステムを制御するためのシステムは、通信システム、測位システム、及びコントローラを含む。通信システムは、オートメーションシステムとの通信リンクを確立する。測位システムは、測位情報を生成する。コントローラは、測位情報に基づき、権限者のモバイル端末がオートメーションシステムのジオフェンスに入ったときに検知する。コントローラは、モバイル端末が登録車両に接続されているかどうかを決定する。コントローラは、モバイル端末が登録車両に接続されているとの決定に応じて第1のプログラムを実行するようにオートメーションシステムを制御する。コントローラは、モバイル端末が登録車両に接続されていないとの決定に応じて第2のプログラムを実行するようにオートメーションシステムを制御する。
【0006】
前述の概略的説明及び以下の詳細な説明の両方は、本質的に例示且つ説明のためのものであり、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を提供することを意図していることを理解すべきである。したがって、本開示の付加的な態様、特徴及び利点は以下の詳細な説明から当業者に明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の態様は、以下の詳細な説明が添付の図面と共に読まれる場合に最も良く理解される。なお、業界の標準的な慣行に従い、様々な特徴は、一定のスケールで描かれていない。実際、様々な特徴の寸法は、記載を明瞭にするために任意に拡大又は縮小される場合がある。更に、本開示では、参照番号又は符号は、様々な例の中で重複する場合がある。この重複は、簡潔性及び明瞭性を目的とするものであり、それ自体が記載される様々な実施形態及び/又は構造の間の関連を規定するものではない。
【0008】
図1】例示の実施形態に従うオートメーション制御システムを表すブロック図である。
図2】例示の実施形態に従う図1のオートメーションシステムによって制御可能なシステムのブロック図である。
図3】例示の実施形態に従うジオフェンスの上面図の説明である。
図4】例示の実施形態に従うジオフェンスの上面図の説明である。
図5】例示の実施形態に従うオートメーションシステムを制御する方法のフローチャートである。
図6】例示の実施形態に従うホームオートメーションシステムを制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の具体的実施形態及び関連の方法を以下に記載するが、それらは、特定の場所におけるオートメーションを制御するための、車両に基づいたジオフェンシングシステム用の1又はそれ以上の方法及びシステムに使用可能である。明瞭性のため、本明細書に実装又は方法の全ての特徴が記載されているとは限らない。そのような正確な実施形態の開発においては、開発者の特定の目標を達成するためにシステム関連及びビジネス関連の制約の遵守など、数多くの実装特有の決定がなされる必要があり、それらは実装毎に異なるということは勿論である。さらに、そのような開発の努力は複雑であり、時間を要するものであるが、この開示を利用できる当業者にとっては日常業務であることは当然のことである。様々な実施形態及び関連する方法の更なる態様及び利点は、以下の説明及び図面の考察から明らかとなる。
【0010】
ここに記載されるように、本開示の方法及びシステムは、ある場所におけるオートメーションをこの場所に対応するジオフェンス内への車両到着の種類に基づいてカスタマイズする手段を提供する。この場所は、例えば家であってもよい。一つの例示の実施形態において、オートメーション制御システムは、権限者が登録車両でジオフェンス内に到着したか否かに基づきカスタマイズされる、ある場所での特定の操作のオートメーションを制御するために使用される。登録車両は、権限者が所有する、権限者に登録されている、あるいは権限者に対応すると識別される車両であり得る。例えば、権限者のモバイル端末が車両に正常に接続されたならば、車両は、「登録車両」であると識別できる。登録されていない車両は、例えば、レンタル車両、友人の車両、相乗り車両、タクシー、又は他の種類の車両であり得る。
【0011】
一旦、権限者がジオフェンス内に入ったことが検知されると、権限者が登録車両でジオフェンスに入ったかどうかに関する決定をなすことができる。オートメーションシステムは、権限者が登録車両でジオフェンスに入ったとの決定に応じ、第1の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される。オートメーションシステムは、権限者が登録車両でジオフェンスに入らなかったとの決定に応じ、第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される。第1の操作のセットは、少なくとも一つの操作によって、第2の操作のセットから区別されてもよい。このように、実行される操作は、権限者が登録車両で到着したか又は他の車両で到着したかに基づいてカスタマイズ可能である。
【0012】
ここで図を参照すると、図1は、例示の実施形態に従うオートメーション制御システム100を表すブロック図である。オートメーション制御システム100は、場所104においてオートメーションシステム102を制御するために使用される。場所104は、家(例えば、家屋、マンション、アパート、又は他の種類の住宅)、共同住宅(apartment complex)、商業ビル(business complex)、又は他の種類の場所であり得る。場所104が家である場合、オートメーションシステム102は、ホームオートメーションシステムと呼ぶことができる。
【0013】
オートメーションシステム102は、システム106によって一般的に実行される様々な操作を自動化するために、場所104で又はその周囲で様々なシステム106に通信可能に結合されている。オートメーションシステム102により制御可能な異なる種類のシステム106の例は、より詳細に以下の図2に記載される。
【0014】
1又はそれ以上の例において、オートメーション制御システム100は、コントローラ108、モバイル端末110、そしてオプションとして車両112を含む。実装に応じ、コントローラ108は、モバイル端末110、車両112、又はその両方の内部に実装することが可能である。例えば、コントローラ108は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを使用し、モバイル端末110、車両112又はその両方に実装することが可能である。一部の例において、コントローラ108は、単一のプロセッサ又は互いに通信する複数のプロセッサを使用して実装可能である。複数のプロセッサが使用される場合、これらのプロセッサは、有線通信リンク又は無線通信リンクの少なくとも一方を使用することにより互いに通信可能である。ある場合において、コントローラ108は、有線、無線、又は光通信リンクの少なくとも一つを使用して互いに通信する様々なコンポーネントを含み得る。
【0015】
コントローラ108がモバイル端末110と車両112の両方を使用して実装される場合、コントローラ108のモバイル端末110上の部分は、コントローラ108の車両112上の部分と通信可能である。一つの例では、コントローラ108は、モバイル端末110にインストールされたアプリケーション又はプログラムにより実装される。さらに他の例では、コントローラ108は、モバイル端末110及び車両112と通信する任意の数のサーバ(例えば、物理サーバ、クラウドサーバ、又はその両方)を使用して実装可能である。
【0016】
モバイル端末110は、例えばスマートフォン、タブレット、ラップトップ、ハイブリッド型タブレット‐ラップトップ、又は他の種類のモバイル端末を含む、数多くの異なる形を取ることができる。モバイル端末110は、コントローラ108、通信システム114、及び測位システム116を含む。通信システム114は、モバイル端末110がブルートゥース、NFC、Wi-Fi、他の種類の無線通信、又はそれらの組み合わせを使用して通信することを可能にする。一部の例では、通信システム120は、オートメーションシステム102との無線通信リンクを確立するために使用される。測位システム116は、モバイル端末110用の測位情報を生成する。例えば、測位システム116は、GPS情報118を生成することができる。
【0017】
車両112は、数多くの異なる形を取ることが可能である。例えば、車両112は、乗用車、トラック、バン、SUV、スマートカー、オートバイ、電動自転車、又は他の種類の車両であり得る。車両112は、通信システム120及び測位システム122を含む。通信システム120は、車両112がブルートゥース、NFC、Wi-Fi、他の種類の無線通信、又はそれらの組み合わせを使用して通信することを可能にする。一部の例では、通信システム120は、オートメーションシステム102との無線通信リンクを確立するために使用可能である。測位システム122は、車両112用の測位情報を生成する。例えば、測位システム122は、GPS情報124を生成することができる。1又はそれ以上の例において、通信システム120及び測位システム116は、少なくとも部分的に一体化可能である。例えば、車両112は、少なくとも通信システム120の一部と少なくとも測位システム122の一部とを実装するために使用されるデータ通信モジュール(DCM)を含むことができる。
【0018】
オートメーション制御システム100は、権限者がジオフェンス126に入ったときに検知するために使用される。権限者は、場所104に入る又は近づくことが認められた人間であってもよい。例えば、場所104が家である場合、権限者は、住人、家族、又はその家のあらかじめ認められた客であってもよい。場所104が共同住宅である場合、権限者は、共同住宅内の一つのアパートの住人又は共同住宅の従業員であってもよい。場所104が商業ビルなどのビルである場合、権限者は、会社の従業員又は認められた訪問者又は顧客であってもよい。
【0019】
ある場合において、権限者は、オートメーションシステム102及びオートメーション制御システム100の両方に権限を有する人間であってもよい。人間は、数多くの異なる手段により「権限者」として認識され得る。1又はそれ以上の例では、ユーザをオートメーションシステム102に関する「権限者」として認証するために、モバイル端末110のユーザのログイン認証情報を使用することが可能である。一部の例では、コントローラ108が少なくとも部分的にモバイル端末110上に実装されている場合、コントローラ108とオートメーションシステム102とをリンクさせることは、モバイル端末110のユーザがオートメーションシステム102に関する「権限者」として認識されることを可能にする。このリンクは、異なる手段で実行できる。
【0020】
一つの具体例において、コントローラ108は、モバイル端末110上のアプリケーション、かつ、アプリケーションにコード又はログイン情報を入力することにより、オートメーションシステム102とリンクする又はオートメーションシステム102とともに使用するために登録されるアプリケーションとして、インストールされ得る。このコード又はログイン情報は、オートメーションシステム102専用のものであってもよい。一旦、コントローラ108及びオートメーションシステム102がこのようにリンクされると、モバイル端末110のユーザは、オートメーションシステム102に関し「権限者」であるとみなすことができる。他の具体例においては、コントローラ108及びオートメーションシステム102のそれぞれは、コントローラ108及びオートメーションシステム102がリンクされることを可能にする情報を、直接又は間接的に、ユーザ入力を介して受信することができる。
【0021】
ジオフェンス126は、場所104を囲む仮想上の境界又は境界線に対応する仮想空間である。ジオフェンス126は、多数の異なる形状、寸法又はその両方の何れかを有する定義されたエリアであり得る。例えばジオフェンス126は、円形、長方形、正方形、又は湾曲したあるいは多角形の他の種類の形状を有することができる。一つの例において、ジオフェンス126は、場所104の中心点を囲む円形の仮想上の境界として定義することができる。この中心点は、場所104におけるオートメーションシステム102の物理的位置に定義することができる。他の例では、中心点は、家屋、ビル、又は複合体(complex)の物理的中心点であり得る。更に他の例では、ジオフェンス126は、場所104におけるビル又は複合体の一部の周りの仮想上の境界として定義することができる。例えば、場所104が共同住宅の形を取る場合、ジオフェンス126は、共同住宅へのエントリゲートを含むエリアの周りの仮想上の境界であってもよい。
【0022】
権限者がジオフェンス126内で検知されると、オートメーション制御システム100は、権限者が到着した車両112の種類に基づき、システム106によって実行される操作の種類をカスタマイズするようにオートメーションシステム102を制御する。例えば、権限者が彼又は彼女の車両で到着する場合、特定の操作が実行可能であるが、権限者がレンタル車両、友人の車両、乗り合い車両、タクシー、又は他の種類の車両で到着する場合、他の操作が実行可能である。
【0023】
1又はそれ以上の例では、コントローラ108は、オートメーションシステム102を制御するために情報をオートメーションシステム102に送信する。この情報は、コマンド、メッセージ、命令、又は他の種類の情報の少なくとも一つを含み得る。ある場合において、この情報は、車両112の識別情報を含み得る。コントローラ108は、オートメーションシステム102と車両112との間に確立される1又はそれ以上の通信リンク、オートメーションシステム102とモバイル端末110との間に確立される1又はそれ以上の通信リンク、オートメーションシステム102とコントローラ108をホストする1又はそれ以上のサーバとの間に確立される1又はそれ以上の通信リンク、又はそれらの組み合わせを介して、この情報をオートメーションシステム102に送信することができる。
【0024】
これらの例では、コントローラ108とオートメーションシステム102との間の通信は、双方向として示される。しかしながら、他の例では、コントローラ108とオートメーションシステム102との間の通信は、一方向であり得る。これらの他の例において、コントローラ108は、オートメーションシステム102に情報を送信するのみであり、オートメーションシステム102は、オートメーションシステム102から情報を受信するのみであってよい。
【0025】
図2は、例示の実施形態に従う図1のオートメーションシステム102によって制御可能な図1のシステム106のブロック図である。オートメーションシステム102は、システム106による操作を自動化するために使用される。システム106は、限定されるものではないが、1又はそれ以上の屋外照明システム202、屋内照明システム204、車庫ドア206、車庫ライト208、サーモスタットシステム210、ドアロック212、スプリンクラーシステム214、及びエントリゲート216を含む。
【0026】
屋外照明システム202は、図1の場所104にある家、ビル、又は複合体の屋外に配置された1又はそれ以上の照明器具を含み得る。例えば、屋外照明システム202は、ポーチライト、エントリゲート付近のライト、車庫付近の屋外ライト、車道照明システム、構内照明システム、又は他の種類の屋外ライトの少なくとも1つを含み得る。これらの種類のライトは、屋外照明システム202の一部として説明されているが、他の例では、1又はそれ以上のこれらの照明器具又はシステムは、別の独立したシステムであり得る。オートメーションシステム102は、屋外照明システム202の様々なライトをオンにし、オフにするために使用することが可能である。
【0027】
屋内照明システム204は、図1の場所104にある家、ビル、又は複合体の屋内に配置された1又はそれ以上の照明器具を含み得る。例えば、屋内照明システム204は、屋内エントリライト、車庫内の照明システム、アパートライト、又は他の種類の屋内ライトを含み得る。これらの種類のライトは、屋内照明システム204の一部として説明されているが、他の例では、1又はそれ以上のこれらの照明器具又はシステムは、別の独立したシステムであり得る。オートメーションシステム102は、屋内照明システム204の様々なライトをオンにし、オフにするために使用することが可能である。
【0028】
一つの例では、サーモスタットシステム210は、図1の場所104にある家、ビル、又は複合体の屋内温度を制御する独立したシステムである。他の例では、屋内照明システム204はサーモスタットシステム210の一部として一体化可能である。オートメーションシステム102は、サーモスタットシステム210の温度設定を制御するために使用可能である。
【0029】
車庫ドア206は、家、共同住宅、又は他の種類のビルの車庫ドアであり得る。一部の例では、車庫ドア206及び車庫ライト208は、独立したシステムである。他の例では、車庫ドア206及び車庫ライト208は、一つのシステムとして一体化されている。車庫ライト208は、車庫の外部の1又はそれ以上のライト、車庫の内部の1又はそれ以上のライト、又はその両方を含み得る。オートメーションシステム102は、車庫ドア206の開閉及び車庫ライト208のオンオフを制御するために使用可能である。
【0030】
ドアロック212は、フロントドア、リアドア、車庫ドア又は他の種類のドアの少なくとも一つの施錠機構を含み得る。オートメーションシステム102は、これらの様々なドアの施錠及び開錠を制御するために使用可能である。スプリンクラーシステム214は、表庭スプリンクラー、側庭スプリンクラー、裏庭スプリンクラー、他の種類のスプリンクラー、又はそれらの組み合わせを含み得る。オートメーションシステム102は、これらのスプリンクラーのオンオフ、スプリンクラープログラムの一時停止、又はスプリンクラーシステム214によるスプリンクラープログラムの実行の遅延の少なくとも一つを制御するために使用可能である。このようにして、オートメーションシステム102は、権限者が車両112から出たときに権限者がスプリンクラーシステム214により濡れてしまうことを防ぐことができる。
【0031】
エントリゲート216は、例えば、共同住宅、商業ビル、又は他の種類のビル、駐車場、又は複合体にある車両エントリゲートであり得る。オートメーションシステム102は、エントリゲート216の開閉を制御するために使用可能である。
【0032】
図3は、例示の実施形態に従うジオフェンス300の上面図の説明である。ジオフェンス300は、図1におけるジオフェンス126の一つの実装の例である。ジオフェンス300は、家302の周囲の仮想上の境界である。家302は、図1における場所104の一つの実装の例である。図3に説明するように、モバイル端末304及び車両306は、ジオフェンス300に入っている。モバイル端末304及び車両306は、それぞれ図1におけるモバイル端末110及び車両112の実装の例である。この説明例において、オートメーション制御システム308は、コントローラ、モバイル端末304そしてオプションとして車両306を使用して実装される。コントローラは、モバイル端末304の一部として、また、オプションとしてモバイル端末304及び車両306の両方の一部として実装可能である。
【0033】
モバイル端末304は、車両306を運転している家302の住人のものである。オートメーション制御システム308は、例えば、モバイル端末304により生成されるGPS情報、車両306により生成されるGPS情報、又はその両方を使用して住人のジオフェンス300内への到着を検知する。
【0034】
一旦、住人のジオフェンス300内への到着が検知されると、オートメーション制御システム308は、モバイル端末304が車両306に接続されているかどうかを決定する。モバイル端末304は、ブルートゥース、Wi-Fi、USB、又は他の有線又は無線接続を介して車両306に接続され得る。図3において、モバイル端末304は、車両306に接続されている。オートメーション制御システム308は、そのため、車両306を登録車両として認識する。
【0035】
したがって、オートメーション制御システム308は、第1のプログラムを実行するように家302にあるオートメーションシステム310を制御する。例えば、モバイル端末304又は車両306は、オートメーションシステム310との無線通信リンクを確立することができる。オートメーション制御システム308は、次に、オートメーションシステム310に第1のプログラムを実行させるためにコード、コマンド、メッセージ、命令、又は他の種類の情報を送信する。
【0036】
第1のプログラムを実行することは、例えば、車庫ドア312を開けること、車庫ライト314をオンにすること、フロントポーチライト316をオンにすること、及びフロントドア318を開錠することを含んでよい。これらの操作は、車両306が登録車両であることに基づきカスタマイズされている。
【0037】
図4は、例示の実施形態に従う図3のジオフェンス300の上面図の説明である。この説明例においては、家302の住人は、図3の車両306とは異なる車両で到着する。具体的には、住人は、車両400を運転してジオフェンス300に入る。車両400は、例えば、友人の車両、乗り合い車両、タクシー、又は他の種類の車両であり得る。
【0038】
オートメーション制御システム308は、モバイル端末304により生成されたGPS情報を使用してジオフェンス300内への住人の到着を検知する。一旦、ジオフェンス300内への住人の到着が検知されると、オートメーション制御システム308は、モバイル端末304が車両400に接続されているかどうかを決定する。既に説明したように、モバイル端末304は、ブルートゥース、Wi-Fi、USB、又は他の有線又は無線接続を介して車両400に接続可能である。図4においては、モバイル端末304は、車両400に接続されていない。オートメーション制御システム308は、そのため、車両400を登録車両として認識しない。正確に言えば、オートメーション制御システム308は、車両400を未登録車両として認識する。
【0039】
したがって、オートメーション制御システム308は、第2のプログラムを実行するように家302にあるオートメーションシステム310を制御する。例えば、モバイル端末304は、オートメーションシステム310との無線通信リンクを確立してよい。オートメーション制御システム308は、次に、オートメーションシステム310に第2のプログラムを実行させるために、コード、コマンド、メッセージ、命令、又は他の種類の情報を送信してよい。第2のプログラムを実行することは、例えば、フロントポーチライト316をオンにすること、フロントドア318を開錠すること、及び屋内照明システム402をオンにすることを含んでよい。これらの操作は、登録車両ではない車両400に基づきカスタマイズされている。車両400は、登録車両ではないので、車庫ドア312は、開けられず、車庫ライト314は、オンにされない。
【0040】
図5は、例示の実施形態に従うオートメーションシステムを制御する方法500のフローチャートである。方法500は、一連の操作、すなわちステップ502からステップ508として示されており、引き続き図1及び2を参照しつつ説明される。示されているステップ502からステップ508の全てが、方法500の全ての実施形態において実行され得るとは限らない。また、図5に明確には示されていない1又はそれ以上のステップが、ステップ502からステップ508の前に、後に、間に、又は一部として含まれ得る。一部の実施形態においては、ステップ502からステップ508の1又はそれ以上は、少なくとも部分的に、1又はそれ以上のプロセッサにより実行されたときに、該1又はそれ以上のプロセッサに1又はそれ以上のプロセスを実行させる、非一時的、有形の機械可読媒体に格納された実行可能コードの形式で実装可能である。1又はそれ以上の実施形態において、ステップ502からステップ508は、図1のオートメーション制御システム100により実行可能である。さらに、502から508のプロセスの1又はそれ以上は、図1のオートメーション制御システム100のコントローラ108により実行可能である。
【0041】
方法500は、権限者がオートメーションシステム用のジオフェンスに入ったときにオートメーション制御システム100が検知したことにより開始してもよい(ステップ502)。ステップ502は、数多くの異なる手段で実行可能である。1又はそれ以上の例において、ステップ502は、権限者がジオフェンスに入ったときに測位システムを使用して検知する、図1のコントローラ108のようなコントローラを含む。具体的には、コントローラは、権限者がジオフェンスに入ったときに検知するために、測位システムにより生成される測位情報(例えばGPS情報)を使用する。
【0042】
測位システムは、権限者に帰属するモバイル端末の一部であってもよい。ある場合においては、モバイル端末がオートメーションシステムに登録されている場合、又はモバイル端末がオートメーションシステムに対応するモバイル端末にインストールされたアプリケーションを有している場合、モバイル端末は、権限者に帰属すると認識できる。モバイル端末の測位システムは、権限者がジオフェンスに入ったかどうかを決定するために使用されるGPS情報を提供する。ジオフェンスは、家、ビル、又は複合体の全体又は一部を囲んでよい。他の例では、ステップ502は、権限者により運転されている車両の測位システムを使用して、権限者がジオフェンスに入ったときに検知することを含む。例えば、測位システムは、権限者により運転されている車両からGPS情報を提供することができる。
【0043】
次に、権限者が登録車両でジオフェンスに入ったかどうかについて決定がなされる(ステップ504)。既に説明したように、「登録車両」は、権限者が所有する、権限者に登録されている、あるいは権限者に対応すると識別される車両である。1又はそれ以上の例において、ステップ504における決定は、権限者のモバイル端末が車両に接続されているかどうかを決定することによりなされる。モバイル端末は、有線又は無線接続を介して車両に接続可能である。例えば、モバイル端末は、ブルートゥース、Wi-Fi、USB、又は他の種類の接続を介して車両に接続可能である。権限者のモバイル端末が車両に接続されると、車両は、「登録車両」と決定され得る。他の説明例では、登録車両は、また、権限車両又は承認車両と呼ばれ得る。例えば、登録車両は、オートメーションシステムに登録された特定の車両であってもよい。車両は、オートメーションシステムにコード入力又はキー入力されることにより、オートメーションシステムに登録可能である。
【0044】
他の例では、車両が登録車両であることを決定するために、車両に対応するコード、車両の車両識別番号(VIN)、又は他の識別情報を使用することができる。例えば、権限者のモバイル端末が車両に接続されているかどうかを決定することに加え、ステップ504は、車両が「登録車両」(すなわち、オートメーションシステムにより権限を与えられた又は承認された)であることを示す車両から、モバイル端末がコード、キー、識別情報、車両VIN、又は他の情報を受信したかどうかを決定することを更に含んでもよい。
【0045】
ステップ504を参照すると、権限者が登録車両でジオフェンスに入ったとの決定がなされると、オートメーション制御システム100は、第1の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するようにオートメーションシステムを制御する(ステップ506)。しかしながら、ステップ504において、権限者が登録車両でジオフェンスに入らなかったとオートメーション制御システム100が決定すると、オートメーションシステムは、第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するように制御される(ステップ508)。
【0046】
ステップ506及び508におけるオートメーションシステムの制御は、数多くの異なる手段により実行可能である。1又はそれ以上の例において、モバイル端末は、オートメーションシステムとの無線通信リンクを確立することができる。モバイル端末は、次に、オートメーションシステムに命令を送信することにより、オートメーションシステムを制御することができる。他の例では、車両は、オートメーションシステムとの無線通信リンクを確立することができる。車両は、次に、オートメーションシステムに命令を送信することにより、オートメーションシステムを制御することができる。モバイル端末、車両、又はその両方によってオートメーションシステムに送信される命令は、オートメーションシステムにより操作される様々なシステムを制御するための命令を含み得る。ある場合においては、命令は、プログラムを起動するコードを含み得る。
【0047】
例えば、ステップ506において、モバイル端末又は車両は、第1の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するための第1のプログラムを起動するコード、メッセージ、コマンド、又は他の情報を、無線通信リンクを介してオートメーションシステムに送信することができる。ステップ508において、モバイル端末又は車両は、第2の操作のセットから少なくとも一つの操作を実行するための第2のプログラムを起動するコード、メッセージ、コマンド、又は他の情報を、無線通信リンクを介してオートメーションシステムに送信することができる。第2の操作のセットは、第1の操作のセットの操作とは異なる少なくとも一つの操作を含んでもよい。
【0048】
ステップ506に記載された第1の操作のセットは、例えば、車庫ドアを開けること、屋内車庫ドアを開錠すること、車道ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、又は車庫内ライトをオンにすることの少なくとも一つを含み得る。いくつかの例では、第1の操作のセットは、ビル又は複合体のエントリゲートを開けることを含み得る。
【0049】
ステップ508に記載された第2の操作のセットは、例えば、フロントポーチライトをオンにすること、フロントドアを開錠すること、フロント通路ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、家内部の玄関ライトをオンにすること、スプリンクラーシステムをオフにすること、又はスプリンクラーシステムのプログラムを一時中断することの少なくとも一つを含み得る。一部の例では、第1の操作のセットは、エントリステーションに電話をかけることを含み得る。エントリステーションは、例えば、警備ステーション、受付ステーション、又は他の種類のステーションであり得る。
【0050】
図6は、例示の実施形態に従うホームオートメーションシステムを制御する方法600のフローチャートである。方法600は、一連の操作、すなわちステップ602からステップ608として示されており、引き続き図1及び2を参照しつつ説明される。示されているステップ602からステップ608の全てが、方法600の全ての実施形態において実行され得るとは限らない。また、図6に明確には示されていない1又はそれ以上のステップが、ステップ602からステップ608の前に、後に、間に、又は一部として含まれ得る。一部の実施形態においては、ステップ602からステップ608の1又はそれ以上は、少なくとも部分的に、1又はそれ以上のプロセッサにより実行されたときに該1又はそれ以上のプロセッサに1又はそれ以上のプロセスを実行させる、非一時的、有形の機械可読媒体に格納された実行可能コードの形式で実装可能である。1又はそれ以上の実施形態において、ステップ602からステップ608は、図1のオートメーション制御システム100により実行可能である。さらに、602から608のプロセスの1又はそれ以上は、図1のオートメーション制御システム100のコントローラ108により実行可能である。
【0051】
方法600は、権限者のモバイル端末がホームオートメーションシステムのジオフェンスに入ったときに検知することにより開始してもよい(ステップ602)。ステップ602は、例えば、モバイル端末がジオフェンスに入ったときに検知するために、モバイル端末により提供されるGPS情報を使用することを含んでもよい。
【0052】
その後、モバイル端末が登録車両に接続されているかどうかについて決定がなされる(ステップ604)。モバイル端末は、ブルートゥース、USB、Wi-Fi、又は他の種類の有線又は無線接続を介して車両に接続可能である。モバイル端末が登録車両に接続されると、ホームオートメーションシステムは、第1のプログラムを実行するように制御される(ステップ606)。一方、モバイル端末が登録車両に接続されていないと、ホームオートメーションシステムは、第2のプログラムを実行するように制御される(ステップ608)。このように、権限者が権限車両(例えば、彼又は彼女自身の車両)でジオフェンス内に到着したときに、第1のプログラムは、ステップ606で実行され、そして権限者が権限を与えられていない他の車両(例えば、レンタル車両、友人の車両、乗り合い車両、タクシー、など)でジオフェンス内に到着したときに、第2のプログラムは、ステップ608で実行される。
【0053】
ステップ606は、ホームオートメーションシステムとモバイル端末又は車両との間に無線通信リンクを確立することを含み得る。ステップ606において、オートメーションシステムは、権限車両での権限者の到着に基づいてカスタマイズされた1又はそれ以上の操作を実行するために第1のプログラムを実行するように制御される。例えば、第1のプログラムは、車庫ドアを開けること、屋内車庫ドアを開錠すること、車道ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、車庫内ライトをオンにすること、又は他の種類の操作を実行することの少なくとも一つのために実行可能である。
【0054】
ある場合において、第1のプログラムを実行するようにオートメーションシステムを制御することは、複数の車庫ドアから登録車両に対応する車庫ドアを開けるようにオートメーションシステムを制御することを含む。例えば、オートメーション制御システムは、第1のプログラムを実行するための命令を、登録車両に対応する識別情報と共に送信することができる。識別情報は、名前、コード、キー、車両VIN、又は他の種類の識別情報であり得る。第1のプログラムを実行する際、オートメーションシステムは、登録車両の識別情報に基づき、複数の車庫ドアから登録車両に対応する車庫ドアを特定する。オートメーションシステムは、次に、特定された車庫ドアを開ける。一つの説明例として、家に二つの車庫ドアがあり、登録車両は左側車庫ドアのスペースに指定されている場合、登録車両の到着に応じて左側車庫ドアのみが開けられてもよい。
【0055】
ステップ608は、ホームオートメーションシステムとモバイル端末との間に無線通信リンクを確立することを含み得る。ステップ606において、オートメーションシステムは、権限を与えられていない車両での権限者の到着に基づきカスタマイズされた1又はそれ以上の操作を実行するために第2のプログラムを実行するように制御される。例えば、第2のプログラムは、フロントポーチライトをオンにすること、フロントドアを開錠すること、フロント通路ライトをオンにすること、サーモスタットのモードを変更すること、家内部の玄関ライトをオンにすること、スプリンクラーシステムをオフにすること、スプリンクラーシステムのプログラムを一時中断すること、又は他の種類の操作を実行することの少なくとも一つのために実行可能である。
【0056】
発明のいくつかの好ましい実施形態を説明し、添付の図面に示したが、これら実施形態は範囲が広い発明の単なる説明のためのものであって限定するものではなく、また、当業者は様々な他の変更を想到し得るものであるから、発明の実施形態は説明し記載した特定の構造及び配置に限定されないことを理解すべきである。発明は、特許請求の範囲により定義される開示の精神及び範囲内のあらゆる変更、均等物及び代替物を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】