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特表2022-508718大動脈ステントグラフトと、このような2つのステントグラフトから形成されるアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】大動脈ステントグラフトと、このような2つのステントグラフトから形成されるアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/07 20130101AFI20220112BHJP
【FI】
A61F2/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545310
(86)(22)【出願日】2019-10-09
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2019077390
(87)【国際公開番号】W WO2020074598
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】1871165
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521151647
【氏名又は名称】カノー ルドヴィック
(71)【出願人】
【識別番号】521151658
【氏名又は名称】ガンデット トマス
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】カノー ルドヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ガンデット トマス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA15
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC12
(57)【要約】
このステントグラフトは、大動脈パーツ(2)と、大動脈弓部に通じる3つの動脈のうちの第1の動脈内に配置されるように構成されたブランチ(3)とを含み、これらは、互いに組立可能な2個の別々のサブアセンブリから形成される。この大動脈パーツ(2)は、上記ブランチ(3)を受容可能な第1の開口部(10)と、この第1の開口部(10)が左鎖骨下動脈の出口に向かい合うとき他の2つの動脈の出口にほぼ向かい合うように配置された第2の開口部(11)とを有する。この第2の開口部(11)は、この開口部を画定するメンブレン(9)の縁が、下にあるジグザグ線のリング(7)のセグメントに沿うような特殊な形状をしている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大動脈パーツ(2)と、左鎖骨下動脈内に配置されるように構成されたブランチ(3)とを含み、前記大動脈パーツ(2)が、金属ワイヤからなる展開式フレーム(5、6、7、8)と、このフレームを覆うメンブレン(9)とを含む、大動脈ステントグラフト(1)において、
前記展開式フレームが、互いに独立していて前記メンブレン(9)だけを用いて互いに接続されるリング(7)を含み、前記リングの各々がジグザグ線の金属ワイヤから形成され、そのため、各リングがクランクにより分離された直線セグメントを有し、2個の連続セグメントと、これらのセグメントの間に延在する1個のクランクとが「V」字形構造を画定し、前記フレームが、前記大動脈パーツ(2)の近位端から数えて第1番目、第2番目、第3番目および第4番目のリング(7)を含み、
前記大動脈パーツ(2)と前記ブランチ(3)が、互いに組立可能な2個の別々のサブアセンブリから形成され、
前記ブランチ(3)が、収縮状態で左鎖骨下動脈に係合可能で拡張状態で左鎖骨下動脈の壁に当接可能な展開式フレームから形成され、
前記大動脈パーツ(2)が、前記メンブレン(9)を介して設けられた第1の開口部(10)を有し、この第1の開口部は、前記ブランチ(3)が左鎖骨下動脈内でのその展開状態で有する横断面に少なくとも等しいかまたはそれに満たない面積を有するように寸法決定されており、前記大動脈パーツ(2)がさらに、前記メンブレン(9)を介して設けられた第2の開口部(11)を有し、この第2の開口部は、前記第1の開口部(10)と関連付けて配置され、前記第1の開口部(10)が前記左鎖骨下動脈の出口にほぼ向かい合うとき左総頚動脈の出口にほぼ向かい合うように寸法決定され、
-前記第1の開口部(10)の中心が、前記第3のリング(7)から形成される第1のV字形構造の対称軸線上に配置され、この第1のV字形構造が、前記大動脈パーツ(2)の近位端に向かって分岐する2個のセグメントを有し、前記第1の開口部が、この第1の開口部(10)の周辺全体に延在する補強部(15)を備えた縁により画定され、
-前記第2の開口部(11)が、前記第2のリング(7)から形成される第2のV字形構造の上に設けられた近位部分を含み、この第2のV字形構造が、前記大動脈パーツ(2)の近位端に向かって分岐する2個のセグメントを有し、かつ前記対称軸線上に配置され、前記第2の開口部(11)がその長手方向で
-前記対称軸線上で前記第1のリング(7)の第3のV字形構造が形成する遠位クランク位置に配置された、横方向の近位縁と、
-前記第2のV字形構造を形成するセグメントに続くセグメントに沿って延在し、遠位方向に分岐する第1の側方縁と、
-前記第1のV字形構造のセグメントに沿って延在し、遠位方向に収束する第2の側方縁と、
-前記第1のV字形構造から形成される遠位クランクと、
の間に延在し、
前記第1番目から第4番目のリング(7)が互いに連続し、あるいは互いにすぐ近くで連続し、
そのため前記第2の開口部(11)は、ステントグラフトの設置後、腕頭動脈の出口と左総頸動脈の出口とにほぼ向かい合うように寸法決定され、
前記第2の開口部(11)を画定するメンブレン(9)の縁が、前記大動脈パーツ(2)の近位側から遠位側に向かって、前記第3のV字形構造から形成される遠位クランクと、前記第2のV字形構造を形成するセグメントに続く前記セグメントと、前記第1のV字形構造を形成する前記セグメントと、この第1のV字形構造から形成される前記遠位クランクとに連続して接続される、
ことを特徴とする大動脈ステントグラフト。
【請求項2】
前記補強部(15)が、エックス線不透過性かつ可撓性であり、前記第1の開口部(10)が、前記第3のリング(7)から形成される前記第1のV字形構造の遠位クランクの付近に配置されることを特徴とする請求項1に記載のステントグラフト(1)。
【請求項3】
前記第1から第3のリング(7)のうちの1つのリングの遠位クランクが、遠位方向に隣接するリング(7)の近位クランクを通る前記大動脈パーツ(2)の横断面から0~10mmの距離のところに配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のステントグラフト(1)。
【請求項4】
前記第1から第4のリングの展開状態での直径が、展開状態でのメンブレンの直径よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のステントグラフト(1)。
【請求項5】
前記リングの展開状態での直径が、前記メンブレンの展開状態での直径よりも1~30%大きく、好ましくは、約20%大きいことを特徴とする請求項4に記載のステントグラフト(1)。
【請求項6】
前記第1の開口部(10)を介して係合されるように構成された前記ブランチ(3)の端部が、前記ブランチ(3)の展開状態で前記第1の開口部(10)よりも大きい直径を有するカラーまたは広がり形状の部分(3a)を有し、そのため、前記カラーまたは広がり形状の部分(3a)が、前記大動脈パーツの内面位置で、この大動脈パーツ(2)に当接可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のステントグラフト(1)。
【請求項7】
前記第1の開口部(10)の直径が5~11mmであり、好ましくは8mmであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のステントグラフト(1)。
【請求項8】
前記第2の開口部(11)が前記大動脈パーツ(2)の長手方向に20~40mmの寸法を有し、前記大動脈パーツ(2)の周方向に20~40mmの寸法を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のステントグラフト(1)。
【請求項9】
前記大動脈パーツ(2)が、前記第2の開口部(11)の付近に配置された1つまたは複数のエックス線不透過性マーカ(16)を含み、これらのマーカは、医療用映像装置の画像にこの第2の開口部(11)の面をディスプレイできるように構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のステントグラフト(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の2個の大動脈ステントグラフトから形成されるアセンブリであって、
-前記第2の開口部(11)の隣接縁の側に向けられた前記第1の開口部(10)の縁が、この隣接縁から4~8mm、好ましくは5mmの距離のところにある第1のステントグラフト(1)と、
-前記第2の開口部(11)の隣接縁の側に向けられた前記第1の開口部(10)の縁が、この隣接縁から8~12mm、好ましくは10mmの距離のところにある第2のステントグラフト(1)と、
を含むことを特徴とするアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大動脈ステントグラフトに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、大動脈は心臓から出てすぐに180°にわたって湾曲し、大動脈「弓部」すなわち大動脈の湾曲部の頂上部と、いわゆる「上行」大動脈すなわち心臓と大動脈弓部との間に配置されるこの湾曲部の一部と、いわゆる「下行」大動脈すなわち大動脈弓部と湾曲部の末端との間に配置されるこの湾曲部の一部とが区別される。この大動脈弓部から腕頭大動脈、左総頸動脈および左鎖骨下動脈が枝分かれし、脳の位置まで血液を供給することができる。
【0003】
大動脈弓部には、大動脈の直径が正常直径より少なくとも2倍大きくなることからなる変性大動脈瘤、大動脈の壁の厚さに応じて大動脈の壁が破れることからなる大動脈解離、外傷性の大動脈弓部破裂、大動脈の穿通性アテローム潰瘍といった複数のタイプの重篤な病変が存在する。これらのすべてのタイプの病変によって生じるリスクは、大動脈弓部の破裂であり、その結果として内出血が生じてしまうと死が避けられない。これらの全ての病変は、大動脈の直径が5.5cmを超えるかあるいは症状によって明らかになる場合、外科的適応を構成する。
【0004】
金属ワイヤからなる展開式フレームとこのフレームを覆うメンブレンとを含む大動脈ステントグラフトを用いて、この種の病変を処置することが知られている。こうした治療のために現在用いられているステントグラフトは、実際は、下行大動脈または胸部大動脈(下行大動脈を含めて)の疾患の治療用に設計されたステントグラフトであり、長さは最低でも10センチメートルである。シース内で収縮状態に置かれているステントグラフトは、エンドバスキュラ経路により大動脈弓部位置まで導かれ、大動脈病巣部を覆うように展開される。前もって上記動脈の迂回を行うことが必要であり、大動脈内におけるそれらの動脈の出口がステントグラフトにより被覆されることになる。こうした迂回はバイパス手術の形式で行われ、その実施には胸郭を開き、大動脈内の血液循環の部分的な停止が必要になる。これらの手術は時間がかかる複雑なものであり、こうした手術を実施する必要性は、このステントグラフトの大きな欠点である。
【0005】
他のステントグラフトもオーダーで開発されている。こうしたタイプのステントグラフトは、2個のブランチが接続された大動脈部分を有する。これらのブランチは、脳に向かう上記動脈のうちの2つの動脈に設置されるように構成される。この3つの動脈のうちの最後の動脈内における血流の維持は外科的なバイパス手術によって実施される。この技術は、ほぼ完全にエンドバスキュラで行われる治療を可能にする。しかし、こうした技術には多数の不都合がある。第1に、この大動脈ステントグラフトでは2つのブランチしか使用できないので、上記の3つの動脈の潅流を維持するためにバイパス手術が必要である。第2に、ブランチは脳の動脈のうちの2個の動脈の出口から挿入されるが、これは、脳潅流を一時的に停止してこれらの動脈を操作(manipulation)することを意味し、高い比率で脳動脈管事故の原因となっている。第3に、このようなステントグラフトをオーダーで製作するのに必要な時間は著しい制約となり、切迫した状況や、症状が明らかではないが破裂リスクが高い大きな大動脈病巣を有する患者に対しては、こうしたステントグラフトを使用することができない。
【0006】
さらに、特許文献1は、添付の請求項1の前提特徴部分により定義される特徴を有するステントグラフトを記載している。この先行文献に記載されたステントグラフトは、上記の不都合のごく一部を解消しているに過ぎない。なぜなら、大動脈の上行部分の位置と大動脈弓部の近位部分の位置とに存在しうるかなりの数の疾患を処置することができないからである。しかも、この先行文献に記載されたステントグラフトは、TABC(Tronc arteriel branchio-cephalique:腕頭動脈)から順方向に設置されるように特に構成されており、そのため、近位スロットを有する。この近位スロットはステントグラフトに対し、腕頭動脈の出口と左総頸動脈の出口の位置で必要とされる密封性を付与せず、TABCと左総頸動脈を最適条件で潅流することができない。ステントグラフトの定着についても同様に改善の余地がありうる。さらに、左鎖骨下動脈に対するステントグラフトの大動脈パーツの位置決めも不正確である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3017790A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、これらの欠点全体を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
当該ステントグラフトは、それ自体知られているように、大動脈パーツと、左鎖骨下動脈内に配置されるように構成されたブランチとを含む。この大動脈パーツが、金属ワイヤからなる展開式フレームと、このフレームを覆うメンブレンとを含む。
展開式フレームは、互いに独立していて上記メンブレンだけを用いて互いに接続されるリングを含み、これらのリングの各々がジグザグ線の金属ワイヤから形成され、そのため、各リングがクランクにより分離された直線セグメントを有し、2個の連続セグメントと、これらのセグメントとの間に延在する1個のクランクとが「V」字形構造を画定する。フレームは、大動脈パーツの近位端から数えて第1番目、第2番目、第3番目および第4番目のリングを含む。
大動脈パーツとブランチは、互いに組立可能な2個の別々のサブアセンブリから形成され、
上記ブランチは、収縮状態で左鎖骨下動脈に係合可能で拡張状態で左鎖骨下動脈の壁に当接可能な展開式フレームから形成され、
上記大動脈パーツは、上記メンブレンを介して設けられた第1の開口部を有し、この第1の開口部は、上記ブランチが左鎖骨下動脈内でのその展開状態で有する横断面に少なくとも等しいかまたはそれに満たない面積を有するように寸法決定されており、上記大動脈パーツはさらに、上記メンブレンを介して設けられた第2の開口部を有し、この第2の開口部は、上記第1の開口部と関連付けて配置され、上記第1の開口部が上記左鎖骨下動脈の出口にほぼ向かい合うとき左総頚動脈の出口にほぼ向かい合うように寸法決定される。
【0010】
本発明によれば、
-上記第1の開口部の中心が、上記第3のリングから形成される第1のV字形構造の対称軸線上に配置され、この第1のV字形構造が上記大動脈パーツの近位端に向かって分岐する2個のセグメントを有し、上記第1の開口部が、この第1の開口部の周辺全体に延在する補強部を備えた縁により画定され、
-上記第2の開口部が、上記第2のリングから形成される第2のV字形構造の上に設けられた近位部分を含み、この第2のV字形構造が上記大動脈パーツの近位端に向かって分岐する2個のセグメントを有し、かつ上記対称軸線上に配置され、上記第2の開口部は、その長手方向で
-上記対称軸線上で上記第1のリングの第3のV字形構造が形成する遠位クランク位置に配置された、横方向の近位縁と、
-上記第2のV字形構造を形成するセグメントに続くセグメントに沿って延在し、遠位方向に分岐する第1の側方縁と、
-上記第1のV字形構造のセグメントに沿って延在し、遠位方向に収束する第2の側方縁と、
-上記第1のV字形構造から形成される遠位クランクと、
の間に延在し、
上記第1番目から第4番目のリングが互いに連続し、あるいは互いにすぐ近くで連続し、
そのため上記第2の開口部は、ステントグラフトの設置後、腕頭動脈の出口と左総頸動脈の出口とにほぼ向かい合うように寸法決定され、
上記第2の開口部を画定するメンブレンの縁が、上記大動脈パーツの近位側から遠位側に向かって、上記第3のV字形構造から形成される遠位クランクと、上記第2のV字形構造を形成するセグメントに続く上記セグメントと、上記第1のV字形構造を形成する上記セグメントと、この第1のV字形構造から形成される上記遠位クランクとに連続して接続される。
【0011】
実際には、大動脈パーツは収縮した状態で大動脈内に係合され、この大動脈パーツに存在する1つまたは複数のエックス線不透過性マーカが上記第1の動脈の出口にほぼ向かい合うように位置決めされる。その場合、大動脈パーツは、上記第1の開口部を含む部分まで大動脈内で部分的に展開される。ブランチは、そのとき収縮状態にあるが、左鎖骨下動脈内に係合され、その後、第1の開口部を介して係合され、この第1の開口部内、次いで左鎖骨下動脈内で展開され、この展開によって、ステントグラフトの大動脈パーツと左鎖骨下動脈とに当該ブランチを結合することができる。第1の開口部を画定する上記メンブレンの縁は補強部を備えているので、この補強部により、縁は、メンブレンを破るリスクなしに上記ブランチの展開に起因する応力に耐えることができる。このようにして、ステントグラフトは大動脈内で長手方向と角方向に同時に位置決めされる。上記大動脈パーツの残りの部分が展開され、ステントグラフトの設置が完了する。そうすると、上記第2の開口部は、左鎖骨下動脈以外の2つの動脈の出口に向かい合って完全に位置決めされ、大動脈パーツは、この第2の開口部を画定するメンブレンの縁の大部分に沿って各V字形構造の上記セグメントの存在を考慮しながら、これらの出口の周囲に完璧に取り付けられる。その結果、TABC(腕頭動脈)と左総頸動脈の潅流を最適条件で実施することができる。さらに、メンブレン全体から解放されている第2のV字形構造がTABC内で展開されて、ステントグラフトをよりよく定着させるとともに上記第2の開口部のなじみ性(conformabilite)を向上させることができる。その上、上記大動脈パーツは、この大動脈パーツが第2の開口部を形成しているので、その結果、大動脈弓部の近位部分の位置だけでなく当該大動脈の上行部分内にも同様に延在可能な近位部分を有し、これによって、本発明によるステントグラフトは、これらの場所に延在する病巣も同様に治療することができる。
【0012】
そのため、本発明によるステントグラフトは、2個の別々のサブアセンブリを形成する大動脈パーツとブランチとを有するように、また、ブランチが展開状態にあるときにブランチを大動脈パーツに結合するのに適した寸法を有する第1の開口部を備えるように設計されている。こうした結合により、大動脈内に大動脈パーツを正確に位置決めすることができ、したがって、左鎖骨下動脈以外の2つの動脈の出口に第2の開口部がほぼ向かい合うように位置決めすることができる。そのため、このステントグラフトは、いったん設置されると上記の3つの動脈の出口を全く被覆しないので、1つまたは複数のバイパス手術を実施する必要が一切ない。しかも、このステントグラフトの設置は左鎖骨下動脈または他の2つの上記動脈の一方および/または他方を操作する必要がないので、脳動脈管事故のリスクがなくなる。加えて、このステントグラフの製造に要する時間はそれほどかからないので、この観点からも著しい制約とはならない。
【0013】
好ましくは、上記補強部がエックス線不透過性かつ可撓性であり、上記第1の開口部は、第3のリングから形成される第1のV字形構造の遠位クランクの付近に配置される。
【0014】
したがって、第1の開口部(10)は、第4のリングの隣接V字形構造のセグメントの間に配置される。展開式フレームの収縮状態では、これらのセグメントが接近し、互いの間に延在するメンブレン部分を収縮しているので、第1の開口部の補強部を収縮状態にしている。補強部は、こうした収縮状態では医療用映像装置の画像において細長い目印を形成し、そのため、大動脈パーツの向きを探知する確かな見当合わせ要素を構成する。これにより、大動脈パーツに沿って第1の開口部の場所を正確に決定することができる。
【0015】
好ましくは、第1から第3のリングのうちの1つのリングの遠位クランクが、遠位方向に隣接するリングの近位クランクを通る大動脈パーツの横断面から0~10mmの距離のところに配置される。
【0016】
第1から第4のリングは、展開状態において、メンブレンが展開状態で有する直径に等しい直径を有することができる。しかしながら、好ましくは、これらのリングは展開状態において、メンブレンが展開状態で有する直径よりも大きい直径を有する。
【0017】
メンブレンを形成する繊維(tissu)は、第2の開口部を画定する縁の位置で適切に引き伸ばされ、しわにならないようにされる。メンブレンは、上記の2つの動脈の周囲に良好に付着され、リークが回避される。
【0018】
好ましくは、リングは、展開状態において、メンブレンが展開状態で有する直径よりも1~30%大きい直径を有し、好ましくはこの直径よりも約20%大きい直径を有する。
【0019】
上記ブランチは、第1の開口部を画定する補強部にこのブランチを当接させるだけで大動脈パーツに接続可能である。しかしながら、好ましくは、第1の開口部を介して係合されるように構成されたブランチの端部が、このブランチの展開状態において、第1の開口部の直径よりも大きい直径を有するカラーまたは広がり形状の部分を有し、そのため、このカラーまたは広がり形状の部分が、ステントグラフトの大動脈パーツの内面位置で、この大動脈パーツに当接可能である。
【0020】
このようにして、ブランチと大動脈パーツとが確実に結合される。
【0021】
第1の開口部は5~11mmの直径を有することができる。この直径は、好ましくは8mmである。
【0022】
第2の開口部は、大動脈パーツの長手方向に20~40mmの寸法を有し、この大動脈パーツの周方向に20~40mmの寸法を有することができる。
【0023】
上記大動脈パーツは、有利には、第2の開口部の付近に配置された1つまたは複数のエックス線不透過性マーカを含み、これらのマーカは、医療用映像装置の画像にこの第2の開口部の面をディスプレイできるように構成される。
【0024】
そのため、これらのマーカは、この第2の開口部の位置決めも同様にディスプレイ可能である。
【0025】
本発明は、さらに、上記のようなステントタイプの2個の大動脈ステントグラフトから形成されたアセンブリに関し、このアセンブリは、
-第2の開口部の隣接縁の側に向けられた第1の開口部の縁が、この隣接縁から4~8mm、好ましくは5mmの距離のところにある第1のステントグラフトと、
-第2の開口部の隣接縁の側に向けられた第1の開口部の縁が、この隣接縁から8~12mm、好ましくは10mmの距離のところにある第2のステントグラフトと、
を含む。
【0026】
第1のステントグラフトは、約80%の患者を治療することができるように思われる。第2のステントグラフトは、残りの20%の患者の治療に適している。
【0027】
本発明は、当該ステントグラフトの好ましい実施形態を限定的ではなく例として示す添付図面を参照すれば、いっそう理解され、発明の他の長所および特徴が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ステントグラフトの大動脈パーツを第1の方向から見た側面図である。
図2】上記大動脈パーツを、上記第1の方向にほぼ垂直な第2の方向から見た側面図である。
図3】大動脈と、この大動脈内に大動脈パーツを設置する第1の工程の最中に収縮状態にある大動脈パーツとを示す断面図である。
図4】大動脈パーツが部分的に展開され、大動脈パーツと共にステントグラフトを構成するステント形状の側面ブランチが左鎖骨下動脈を介して収縮状態で係合されたところを示す図3と同様の図である。
図5】ステントプラントが設置され、大動脈パーツとブランチとが完全に展開されたところを示す図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図3から図5は、大動脈100と、この大動脈100に通じていて脳の位置に血液を供給可能な腕頭動脈101、左総頸動脈102、左鎖骨下動脈103とを非常に概略的に示す断面図である。
【0030】
図5は、図1および図2に示された大動脈パーツ2と、左鎖骨下動脈103内で展開されたブランチ3とから形成された、本発明による大動脈ステントグラフト1を示している。この大動脈パーツ2とブランチ3は、互いに組立可能な別々の2個のサブアセンブリを形成する。
【0031】
図1図2から特に分かるように、大動脈パーツ2はステントタイプであり、すなわち、金属ワイヤからなる展開式フレーム5、6、7、8と、このフレームを覆うメンブレン9とを含む。
【0032】
図を分かりやすくするために、メンブレン9は部分的に示すにとどめる。しかし、メンブレンが備える2個の開口部10と11の周囲では、これらの2つの開口部を目立たせるためにメンブレンをほぼ完全に示している。フレームを構成する各要素5、6、7、8を目立たせるために、メンブレン9を仮に透明なものとして示しているが、その一方で、同様に図を分かりやすくするために、図の背景にある大動脈パーツ2の周辺の半分に配置される上記要素5、6、7、8の部分は省略されている。
【0033】
図示された例では、フレーム5、6、7、8がその近位端から遠位端に向けて一連のリング5~8から形成されており、各リングがジグザグ線の金属ワイヤから形成されている。ごく一般的に、近位-遠位方向は、大動脈100を介して血液が流れる方向で考慮される。
【0034】
このようなジグザグ構造はそれ自体よく知られており、この構造によって、大動脈パーツ2の挿入設置用のカテーテル200が含むシース201内に大動脈パーツ2が配置されたとき、大動脈パーツ2は図3に示した収縮状態をとることができる。このようなジグザグ構造により、同様に大動脈パーツ2は、形状記憶によって、あるいはバルーンを用いた展開によって、大動脈パーツ2が大動脈100の壁に接する図5に示した拡張状態をとることができる。さらに、リング5~8は互いに独立しており、メンブレン9を用いるだけで互いに接続されるので、大動脈パーツ2は十分に横方向に変形して大動脈100の湾曲に従うことができる。
【0035】
フレーム5、6、7、8は、特にニッケル合金やチタン合金で製造可能であり、メンブレン9は特にポリエステル繊維または発砲ポリテトラフルオロエタンとすることができる。
【0036】
図示された例では、端部の近位リング5が、このリングを形成するジグザグ線がなすクランクの間に、端部の第2の近位リング6が有する同等セグメントの長さよりも長いセグメントを有している。リング5のこれらのセグメントの長さは、リング7のセグメントの長さよりも短い。フレームは、近位リング6とほぼ同じ長さか、それよりもやや長いセグメントを有する端部の遠位リング8によって完全なものにされている。
【0037】
以下、リング7については、端部リング5、6、8と区別するために大動脈パーツの「中央リング」または「本体リング」という。
【0038】
リング5は、ごく一部がメンブレン9によって覆われているだけであるので、大動脈100内への大動脈パーツ2の挿入用カテーテル200が備えるワイヤガイド203により支持された展開式の保持用近位部品202を用いて大動脈パーツ2を設置する間、大動脈パーツ2の近位端を保持することができる。このような挿入用カテーテルはそれ自体よく知られた従来型のものであるので特に詳しくは説明しない。リング5は、また、このリングの周囲にメンブレン9がないので、大動脈100への大動脈パーツ2の近位端の定着を強化することができる。図2が示すように、このリングが形成する逆V字形構造は、大動脈100の壁へのこのリング5の定着を促すために半径方向外側にややそらされている。
【0039】
リング6は、展開位置でメンブレン9の近位端をしっかり保持することができる。
【0040】
中央リング7は、メンブレン9を展開して大動脈100の壁に当接保持することができる。中央リングは、大動脈100内で大動脈パーツ2を長手方向に保持することに貢献する。これらの中央リング7の各々はジグザグ線の金属ワイヤで形成されているので、クランクにより分離された複数の直線セグメントを有する。2個の連続セグメントと、これらのセグメントの間に延在する1個のクランクとが、以下「V字形構造」と呼ぶ構造を決定する。各リング7が5個または6個のV字形構造を形成する。これらの中央リング7は、後述する説明の中で互いに区別され、大動脈パーツ2の近位端から大動脈パーツの遠位端に向かって(したがって図1図2の上部から下部に下がる方向に)、それぞれ第1番目、第2番目、第3番目、第4番目のリングと呼ばれ、以下同様に呼ばれる。
【0041】
リング7は互いに連続しており、あるいは互いにすぐ近くで連続している。これは、第1から第3のリング7のうちの1つのリングの遠位クランクが、これらの遠位クランクを隣接リング7の近位クランクから隔てる大動脈パーツ2の横断面から所定の距離のところに配置されるという意味においてであり、図示された例ではこの距離は0mmであり、あるいは、そうでない場合は1~10mmとすることができる。
【0042】
リング8は、展開位置でメンブレン9の遠位端を保持できる。
【0043】
2個の開口部10、11は、大動脈パーツ2の片側にメンブレン9を介して前後して設けられているが互いにつながっているわけではない。
【0044】
開口部10は円形であり、メンブレン9に縫い合わされた周辺補強部15により画定されている。この補強部15は、開口部10の周辺全体を補強する一方で可撓性であり、すなわち、大動脈パーツ2の収縮状態でメンブレンが半径方向に収縮されたとき開口部10の収縮を妨げない。補強部15は、さらに、医療用映像装置の画像で補強部を見ることができるエックス線不透過性の物質を含んでいる。
【0045】
開口部10の内径は8mmであり、ブランチ3が左鎖骨下動脈103内での展開状態で有する横断面よりもやや小さい。
【0046】
図示された例では、開口部10は、第3のリング7により大動脈パーツ2の近位端を起点として形成される第1のV字形構造の遠位クランク付近に配置され、このV字形構造は、大動脈パーツ2の近位端に向かって分岐する2個のセグメントを有する。開口部10の中心は、この第1のV字形構造の対称軸線上にほぼ配置される。この中心は、メンブレン9からほぼ半分の長さのところに配置される。
【0047】
図示された例では、開口部11は、第2のリング7により大動脈パーツ2の近位端を起点として形成される第2のV字形構造の上に設けられ、この第2のV字形構造は、大動脈パーツ2の近位端に向かって分岐する2個のセグメントを有し、かつ上記対称軸線上に配置される。第2の開口部11は、その長手方向で
-第1のリング7により対称軸線上に形成された第3のV字形構造が形成する遠位クランク位置に配置された、横方向の近位縁と、
-第2のV字形構造を形成するセグメントの両側に配置され、したがって第2のリング7の周辺でこれらのセグメントに続くセグメントの間に延在し、遠位方向に分岐する第1の側方縁と、
-第3のリング7の第1のV字形構造のセグメントに沿って延在し、遠位方向に収束する第2の側方縁と、
-第1のV字形構造から形成される遠位クランクと、
の間に延在する。
【0048】
そのため、開口部11は、「梨」型の形状を呈し、最も広幅の部分が近位端側に向けられ、先端部が遠位端側に向けられる。
【0049】
開口部11を画定するメンブレン9の縁は、大動脈パーツ2の近位側から遠位側に向かって、第3のV字形構造により形成される遠位クランクと、第2のV字形構造の外側にあるセグメントと、第1のV字形構造のセグメントと、この第1のV字形構造から形成される遠位クランクとに接続される。そのため、メンブレン9のこれらの縁は、当該リング7に完全に接続されるので、したがって、これらのリングにより完璧に補強かつ保持される。
【0050】
メンブレン9は、さらに、エックス線不透過性材料からなるインサート16を含み、図示された例では、その一方が第3のV字形構造の遠位クランク位置に固定され、他方が第1のV字形構造の遠位クランク位置に固定されている。これらのインサート16は、医療用映像装置の画像に開口部11の位置をディスプレイすることができる。
【0051】
ブランチ3はステントタイプであり、展開式フレームから形成される。図4から分かるように、このブランチ3は収縮状態でカテーテル205により左鎖骨下動脈103内に係合可能である。図5に示すように、ブランチ3は拡張状態で開口部10を介して係合されて左鎖骨下動脈103の壁に当接可能である。
【0052】
開口部10を介して係合されるように構成されたブランチ3の端部は、このブランチ3の展開状態で、開口部10の直径よりも大きい直径のカラーまたは広がり形状の部分3aを有する。そのため、このカラーまたは広がり形状部分3aは、図5に示したようにメンブレン9の内面位置と補強部(anneau)15の位置でメンブレンに当接可能である。
【0053】
図3から図5は、大動脈パーツ2とブランチ3とからなるステントグラフト1を設置する3つの連続工程を示している。
【0054】
実際、シース201により収縮状態に保持される大動脈パーツ2は、エンドバスキュラ経路でワイヤガイド203によりガイドされながら大動脈100内に係合される。図3から分かるように、大動脈パーツは、補強部15が左鎖骨下動脈103の出口にほぼ向かい合って配置されるように位置決めされる。この補強部15は、メンブレンが収縮状態にあるとき医療用映像装置で可視化されるようにエックス線不透過性の細長い目印を形成し、この目印が大動脈パーツ2の向きを探知する確かな見当合わせ要素を構成し、大動脈パーツ2に沿って開口部10の場所を正確に決定することができる。
【0055】
大動脈パーツ2は、開口部10を含む部分まで大動脈100内で部分的に展開され、それにより、開口部11は、腕頭動脈101の出口と左総頸動脈102の出口にほぼ向かい合って位置決めされる。この大動脈パーツは、この大動脈パーツが上記開口部11を形成することから、その結果、大動脈弓部の近位部分の位置に延在するだけではなくこの大動脈の上行部分内にも同様に延在可能な近位部分を有し、それによって、これらの場所に延在する病巣を治療することを可能にする。
【0056】
開口部11は、この位置において、2個の動脈101、102の出口に完全に向かい合って位置決めされ、大動脈パーツ2は、当該開口部11を画定するメンブレン9の縁の大部分に沿ってV字形構造のセグメントが存在する点を考慮すると、これらの出口の周囲に完全に取り付けられる。その結果、TABC(腕頭動脈)と左総頸動脈の潅流を最適条件で実施可能である。さらに、メンブレン全体から解放されている第2のV字形構造がTABC内で展開されて、ステントグラフトをよりよく定着させるとともに上記開口部11のなじみ性を向上させることができる。
【0057】
図4が示すように、ワイヤガイド206は、左鎖骨下動脈103内に導入され、次いで開口部10を介して大動脈パーツ2の内部まで挿入され、その後、シースにより収縮状態に保持されるブランチ3を含むカテーテル205が用いられて、このワイヤガイド206での滑動により左鎖骨下動脈103を介してブランチ3を導く。
【0058】
このブランチ3は、その近位部分が第1の開口部10を介して係合されるまで前進し、次いで、カテーテル205のシースが後退し、ブランチ3の展開を開始する。そのため、ブランチ3の端部のカラーまたは広がり形状の部分3aが大動脈パーツ2の内部で展開され、補強部15の位置でメンブレン9の内面に当接し、ブランチ3を大動脈パーツ2に結合する。この補強部15によって、メンブレン9は、このメンブレンを破るリスクなしにブランチ3の展開に起因する応力に耐えることができる。
【0059】
ブランチ3の展開は、左鎖骨下動脈103の壁にこのブランチ3が当接するまで続けられ、その後、カテーテル205が引き抜かれる。
【0060】
そのため、ステントグラフト1は、左鎖骨下動脈103内でのブランチ3の展開と大動脈パーツ2へのこのブランチ3の結合とによって大動脈100内で長手方向と角方向に同時に位置決めされ、この位置に完全に保持される。
【0061】
その後、図5が示すように、近位リング5が保持用部品202によって解放され、ステントグラフト1が移動するリスクなしに下行大動脈内で大動脈パーツ2の残りの部分が展開される。
【0062】
以上、本発明は、従来技術の同等ステントグラフトの不都合を解消した大動脈ステントグラフトを提供し、このステントグラフトは、大動脈内に正確に位置決めされ、また、壁を貫通する開口部または窓を腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の出口に向かい合って正確に位置決め可能であり、したがって、バイパス手術を行う必要性がない。こうしたステントグラフトの設置は、上記の様々な動脈の操作を不要とし、したがって脳動脈管事故のリスクが回避される。加えて、このステントグラフの製造に要する時間はそれほどかからないので、この観点からも著しい制約とはならない。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】