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特表2022-508721調整可能アーキテクチャを有するマトリックス光源
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  • 特表-調整可能アーキテクチャを有するマトリックス光源 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】調整可能アーキテクチャを有するマトリックス光源
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/15 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
H01L27/15 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545313
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(85)【翻訳文提出日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2019077502
(87)【国際公開番号】W WO2020078828
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】1859542
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル、ダルーサン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、バル
(72)【発明者】
【氏名】ズドラブコ、ゾジチェスキ
(57)【要約】
発明は、発光半導体素子を有する複数の基本光源と、マトリックスの基本光源に関する制御ロジックを含む集積回路と、を有するマトリックス光源に関する。光源のアーキテクチャは、製造中に、集積回路のサイズが、繰り返し可能構造を用いて様々なサイズのマトリックスを収容するように適応されうるという点で、調整可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(110、210)と、エレクトロルミネセント半導体素子ベースの基本光源のマトリックスアレイ(130)と、を備えるマトリックス光源(100、200)であって、前記集積回路は、前記基本光源への電力の供給を推進することが意図される少なくとも1つの電子回路(120)と、基板を有し且つ前記マトリックスアレイを受けることが意図される受け領域(112、212)と、を含み、前記集積回路は、主軸(101)に沿って少なくとも1回繰り返される、前記電子回路及び前記受け領域の一部を含む少なくとも1つの部分を含むことを特徴とする、マトリックス光源(100、200)。
【請求項2】
前記受け領域(112、212)の前記基板は、前記電子回路の少なくとも一部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記基本光源(131)は、前記受け領域(112)の範囲に対して垂直である接続によって、前記電子回路(120)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項2に記載の光源。
【請求項4】
前記基本光源のマトリックスアレイ(130)は、少なくとも2つの別個のマトリックス構成要素(130’、130’’)によって構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の光源。
【請求項5】
前記集積回路(110、210)は、前記受け領域(112、212)に隣り合う少なくとも1つの接続領域(213、214)を含み、前記接続領域は、前記電子回路を少なくとも1つの外部構成要素に接続することが意図されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の光源。
【請求項6】
前記接続領域は、前記主軸に従う前記集積回路の少なくとも1つのエッジに沿って延びることを特徴とする、請求項5に記載の光源。
【請求項7】
前記接続領域は、少なくとも1つの貫通開口を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の光源。
【請求項8】
前記接続領域は複数の接続パッドを含み、当該複数の接続パッドのそれぞれの領域は、それらが送ることを意図されている信号及び/又は電流の強さに依存することを特徴とする、請求項5~7のいずれか一項に記載の光源。
【請求項9】
前記接続領域は、電源への接続のための手段を含み、前記接続手段は金属層によって形成されることを特徴とする、請求項5~8のいずれか一項に記載の光源。
【請求項10】
動力車両のための照明モジュールであって、前記モジュールは、ヒートシンク要素、プリント回路基板及びマトリックス光源を含み、前記マトリックス光源は請求項1~9のいずれか一項に記載されているものであることを特徴とする照明モジュール。
【請求項11】
前記集積回路の前記基板は、前記ヒートシンク要素と熱的に接触していることを特徴とする、請求項10に記載の照明モジュール。
【請求項12】
前記マトリックス光源は、少なくとも1つのブリッジ接続を介して前記プリント回路基板に電気的に接続されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の照明モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、特に動力車両用の、エレクトロルミネセント半導体素子ベースのマトリックス光源に関する。発明は、特にマトリックス光源の調整可能なアーキテクチャに関する。
【発明の概要】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、そこに電流が流れると発光することができる半導体電子構成要素である。自動車分野において、LED技術が多くの光信号伝達ソリューションにますます使用されている。LEDは、日中走行用ライト、信号伝達灯などの照明機能を提供するのに使用される。LEDが発する明るさは、一般に、そこを流れる電流の強さに依存する。とりわけ、LEDは電流強度しきい値によって特徴付けられる。この最大順方向電流は、一般に、温度の上昇とともに低減する。同様に、LEDが発光すると、その端子間で順方向電圧又は公称電圧に等しい電圧降下が観察される。
【0003】
多数の基本的なエレクトロルミネセント光源を含むLEDのマトリックスアレイの使用は、多くの応用分野、特に動力車両のための照明及び信号伝達の分野においても有益である。LEDのマトリックスアレイは、例えば、ヘッドライト/道路照明又は日中走行ライトなどの照明機能に有益な光線形態を作るように使用されうる。さらに、単一のマトリックスアレイを使用して複数の異なる照明機能が作り出されてもよく、それにより動力車両照明の制限された空間における物理的なかさばりを低減することができる。
【0004】
知られているように、マトリックス光源、又は同等に、ピクセル化された光源は、光源から物理的に離れて且つ光源に電気的に接続される制御ユニットによって制御される。光源を駆動するために必要な電子回路の少なくともいくつかを、光源のマトリックスアレイが配置されるASIC(「特定用途向け集積回路」)集積回路に統合することが提案されている。しかしながら、光源のマトリックスアレイのサイズによっては、アプリケーション毎に既知の集積回路が再開発される必要がある。さらに、均質な特性を有する半導体素子ベースの基本光源のマトリックスアレイの製造収率は制限されたままである。特に、より多様なアプリケーションが実装されることを依然として可能にする大規模なマトリックスアレイの製造を利用することは困難である。
【0005】
発明の1つの目的は、従来技術によって提起された問題のうちの少なくとも1つを克服することである。
【0006】
発明の第1の態様によれば、提案されるものは、集積回路と、エレクトロルミネセント半導体素子ベースの基本光源のマトリックスアレイとを備えるマトリックス光源である。集積回路は、基本光源への電力の供給を推進することを意図された少なくとも1つの電子回路と、基板を有し且つ前記マトリックスアレイを受信することを意図された受け領域とを備える。集積回路が、主軸に沿って少なくとも1回繰り返される、受け領域及び電子回路の一部を含む少なくとも1つの部分を含むという点で、マトリックス光源は注目に値する。
【0007】
マトリックス構成要素間の距離は、好ましくは10μm未満でありうる。
【0008】
受け領域の基板は、好ましくは、電子回路の少なくとも一部を含みうる。
【0009】
基本光源は、好ましくは、受け領域の範囲に対して垂直である接続によって電子回路に電気的に接続されうる。
【0010】
基本光源のマトリックスアレイは、好ましくは、少なくとも2つの別個のマトリックス構成要素で構成されうる。
【0011】
マトリックス光源は、好ましくは、主軸に沿って延びることができる。
【0012】
集積回路は、好ましくは、受け領域に隣接する少なくとも1つの接続領域を含みうるものであり、接続領域は、電子回路を少なくとも1つの外部構成要素に接続することが意図されている。
【0013】
接続領域は、好ましくは、主軸に従う集積回路の少なくとも1つのエッジに沿って延びることができる。前記エッジは、好ましくは、主軸に平行でありうる。
【0014】
接続領域は、好ましくは、電源に接続するための手段を含みうるものであり、その接続手段は、金属層によって形成される。これは、好ましくは、良好な電気伝導を有する金属、例えば、銅Cu、アルミニウムAl、金Au又は銀Ag、を含む。
【0015】
接続領域は、好ましくは、複数の接続パッドを含みうるものであり、そのそれぞれの領域は、それらが送ることが意図されている信号及び/又は電流の強さに依存する。接続手段は、好ましくは、前記接続パッドを含みうる。
【0016】
接続領域は、好ましくは、場合によっては接続領域の複数の相互接続された部分にわたって分散される接続パッドを含みうるものであり、その領域は、少なくとも15Aの強さを有する電流を伝えることができる。
【0017】
接続領域は、好ましくは、少なくとも1つの貫通開口を含みうる。
【0018】
光源は、好ましくは、同様の寸法のマトリックス構成要素であって、同数の基本光源を含むマトリックス構成要素で構成されうる。
【0019】
光源は、好ましくは、7×11、14×11、28×22又は44×28の寸法の基本光源のうちの少なくとも1つのマトリックス構成要素を含みうる。光源は、好ましくは、これらのマトリックス構成要素の組み合わせを含みうる。
【0020】
発明の別の態様によれば、提案されるものは、動力車両のための照明モジュールである。そのモジュールは、ヒートシンク要素、プリント回路基板、及びマトリックス光源を備える。そのモジュールは、マトリックス光源が発明の一態様によるものであるという点で注目に値する。
【0021】
集積回路の基板は、好ましくは、ヒートシンク要素と熱的に接触していてもよい。マトリックス光源は、好ましくは、少なくとも1つのブリッジ接続を介してプリント回路基板に電気的に接続されうる。
【0022】
集積回路は、好ましくは、Si基板を含みうる。集積回路は、好ましくは、基本光源のマトリックスアレイに、例えば基本光源を支持する共通の基板に、はんだ付け又は接着結合される。集積回路は、好ましくは、例えば固定手段を介して、機械的に接触しており、基本光源の底層と電気的に接触している。
【0023】
ピクセル化された光源、又は同等に、マトリックス光源、又はマトリックス光源のマトリックス構成要素のうちの1つは、好ましくは、エレクトロルミネセンス要素の少なくとも1つのマトリックスアレイを含みうる-モノリシックアレイとも呼ばれる基本光源が少なくとも2列×少なくとも2行で配置される。エレクトロルミネセンス源は、好ましくは、モノリシックマトリックスアレイとも呼ばれる、エレクトロルミネセンス要素の少なくとも1つのモノリシックマトリックスアレイを含む。
【0024】
モノリシックマトリックスアレイにおいて、エレクトロルミネッセンス要素は、共通の基板から成長し、電気的に接続されて、選択的に、個別に、又はエレクトロルミネッセンス要素のサブセットによって作動されることができる。したがって、各エレクトロルミネセンス要素又はエレクトロルミネセンス要素のグループは、それらの材料に電気が供給された場合に発光することができる前記ピクセル化された光源の基本エミッタの1つを形成することができる。
【0025】
エレクトロルミネッセンス要素が共通の基板に実質的に垂直な伸長のそれらの主要な寸法の1つを有するという条件で、且つ、電気的に一緒にグループ化されている1つ又は複数のエレクトロルミネッセンス要素によって形成される基本エミッタ間の間隔が、プリント回路基板にはんだ付けされた平らな正方形のチップの既知の配置に課せられる間隔と比較して小さいという条件で、エレクトロルミネッセンス要素の様々な配置は、モノリシックマトリックスアレイのこの定めを満たしうる。
【0026】
モノリシック構成要素の基板は、主に半導体材料で作られうる。基板は、1つ又は複数の更なる材料、例えば非半導体材料、を含みうる。ミリメートル未満寸法のこれらのエレクトロルミネセンス素子は、例えば、六角形の断面のロッドを形成するように基板から突出するように配置される。エレクトロルミネセントロッドは、基板の第1の面を起点とする。このケースでは窒化ガリウム(GaN)を使用して形成される各エレクトロルミネッセンスロッドは、基板から突き出て垂直に又は実質的に垂直に延び、このケースではシリコンから、発明の状況から逸脱することなく使用されることができる炭化ケイ素などの他の材料とともに、製造される。例として、発光ロッドは、窒化アルミニウムと窒化ガリウムの合金から製造されうる(AlGaN)、又は、アルミニウム、インジウム、及びリン化ガリウムから製造されうる(AlInGaP)。各エレクトロルミネセントロッドは、その高さを定める伸長軸に沿って延在し、各ロッドの基部は、基板の上面の平面に配置される。
【0027】
1つの及び同じモノリシックマトリックスアレイのエレクトロルミネセントロッドは、有利には、同じ形状及び同じ寸法を有する。それらは各々、ロッドの伸長軸に沿って延びる周壁によって及び端面によって、区切られている。エレクトロルミネセントロッドがドープされ、分極(polarization)を受けると、半導体源の出力で得られる光は、主に周壁から発せられ、光線も端面から出る可能性があることが理解される。この結果、各エレクトロルミネッセンスロッドは単一の発光ダイオードとして働き、この光源の輝度は、第1に、存在するエレクトロルミネッセンスロッドの密度によって、第2に、周壁によって定められる照明面のサイズによって、改善され、したがってそれはロッドの全周及び全高にわたって延びる。ロッドの高さは2μm~10μm、好ましくは8μm、でありうる。ロッドの端面の最大寸法は2μm未満、好ましくは1μm以下、である。
【0028】
エレクトロルミネセントロッドを形成する場合、それを形成するロッドの平均高さが増大した場合に対応する領域の輝度を高めるように、ピクセル化された光源の領域毎に高さは変更されうることが理解される。したがって、エレクトロルミネッセンスロッドのグループは、エレクトロルミネッセンスロッドの別のグループとは異なる1つ又は複数の高さを有しうるものであり、これらの2つのグループは、ミリメートル未満寸法のエレクトロルミネッセンスロッドを含む同じ半導体光源を形成する。エレクトロルミネセントロッドの形状はまた、モノリシックマトリックスアレイ毎に、特にロッドの断面にわたって及び端面の形状にわたって、変化しうる。ロッドは概して円筒形の形状を有し、それらは特に多角形、より具体的には六角形、の断面を有しうる。光が周壁を通して放出されることができるためには、後者が多角形又は円形の形状を有することが重要であることが理解される。
【0029】
さらに、端面は、それが基板の上面に実質的に平行に延びるように、実質的に平面の且つ周壁に垂直な形状を有しうるか、あるいは、それは、この端面から出る光が放出される方向を増やすように、その中心で湾曲した又は尖った形状を有しうる。
【0030】
エレクトロルミネセントロッドは、好ましくは、二次元マトリックスアレイに配置されうる。この配置は、ロッドが五の目型(quincunx)に配置されるようにしうる。一般的に言えば、ロッドは基板上に一定の間隔で配置され、マトリックスアレイの各寸法において、2つのすぐに隣接するエレクトロルミネセントロッドを分離する距離は、少なくとも2μmに等しく、好ましくは3μm~10μmとすべきであり、その結果、各ロッドの周壁を通して放出された光がエレクトロルミネセントロッドのマトリックスアレイから出ることができる。さらに、隣接するロッドの2つの伸長軸の間で測定されるこれらの分離距離が100μmとなっている。
【0031】
代替として、モノリシックマトリックスアレイは、例えばサファイア又は炭化ケイ素によって作られる単一基板においてエピタキシャルエレクトロルミネセンス素子の層によって形成されたエレクトロルミネセンス素子、特にGaNの第1のnドープ層及びGaNの第2のpドープ層を含みうるものであり、それは(研削及び/又はアブレーション(ablation)により)スライスされて、それぞれが1つの同じ基板に由来する複数の基本エミッタを形成する。そのような設計の結果は、すべてが1つの同じ基板に由来し且つ互いに選択的に活性化されることができうるように電気的に接続された複数のエレクトロルミネセントブロックである。
【0032】
この他の実施形態による1つの例示的な実施形態において、モノリシックマトリックスアレイの基板は、5μm~800μmの厚さ、特に200μmに等しい厚さを有しうる;各ブロックの長さ及び幅の各々が50μm~500μmであり、好ましくは100μm~200μmでありうる。1つの変形では、その長さ及びその幅は等しい。各ブロックの高さは500μm未満、好ましくは300μm未満である。最後に、各ブロックの出口面は、エピタキシーの反対側において基板を介して形成されうる。2つの基本エミッタ間の分離距離。各隣接する基本エミッタ間の距離は、1mm未満、特に500μm未満でありうるものであり、好ましくは200μm未満である。
【0033】
代案として、上記のように、1つの同一の基板からそれぞれ突出して延びるエレクトロルミネセンスロッドと、1つの同一の基板上に重ねられたエレクトロルミネセンス層をスライスすることによって得られるエレクトロルミネセンスブロックと、の両方を備えたモノリシックマトリックスアレイは、さらに、エレクトロルミネセント要素が少なくとも部分的に埋め込まれているポリマー材料の層を含みうる。したがって、その層は、基板の全範囲にわたって又はエレクトロルミネセンス要素の所与のグループの周りにのみ、延在しうる。特にシリコーンベースとしうるポリマー材料は、光線の拡散を損なうことなくエレクトロルミネセンス要素を保護することを可能にする保護層を作り出す。さらに、ポリマー材料のこの層に、要素のうちの1つによって放出された光線の少なくとも一部を吸収することができ且つ前記吸収された励起光の少なくとも一部を励起光の波長とは異なる波長を有する放出光に変換することができる波長変換手段、例えば発光団、を、統合することが可能である。発光団が、区別なく、ポリマー材料の塊に埋め込まれるように或いはこのポリマー材料の層の表面に配置されるようになっている。
【0034】
ピクセル化された光源は、光線を光源の出口面に偏向させるような反射材料のコーティングをさらに含みうる。
【0035】
ミリメートル未満寸法のエレクトロルミネセント要素は、基板に実質的に平行な平面における所与の出口面を定める。この出口面の形状が、それを形成するエレクトロルミネセント要素の数及び配置に応じて定められることが理解されよう。したがって、放出面の実質的に長方形の形状を定めることが可能であり、後者が、発明の文脈から逸脱することなく、変わって任意の形状を採用しうることが理解される。
【0036】
本発明によって提案される手段を使用することにより、マトリックス光源の調整可能なアーキテクチャを提案することが可能になる。一方で、発明のいくつかの実施形態によれば、1つ又は複数の基本的なエレクトロルミネセント光源ベースのマトリックス構成要素を収容する集積回路のモジュールアーキテクチャは、マトリックス源の主軸に沿って集積回路モジュールの構造を省略せずに繰り返すことによって、複数のサイズを実装することを可能にする。他方、発明のいくつかの態様によるマトリックス光源は、集積回路のサイズを、利用可能な1つ又は複数のマトリックス構成要素のサイズに一致させることを可能にする。マトリックス光源は、複数のマトリックス構成要素をそこに設置することを可能にするので、大きなマトリックス光源は、小さいサイズの2つ以上のマトリックス構成要素を使用して作られうるものであり、それらの照明特性は類似し且つそれらの均一な製造がより大きなマトリックス構成要素のものに比べてより良く利用される。その結果、それによってマトリックス源の光学的均一性が向上される。さらに、すべてのマトリックス構成要素が同じ基板を共有し、当該基板は好ましくはヒートシンク要素に直接固定されるので、マトリックス源全体にわたる熱の放散は均質化される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の他の特徴及び利点は、例及び図面の説明の助けによってよりよく理解されるであろう:
図1図1は、発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源の平面図を概略的に示す。
図2図2は、発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源の断面を概略的に示す。
図3図3は、発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源の集積回路の平面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
別段の指定がない限り、ある所与の実施形態について詳細に説明される技術的特徴は、限定されることなく、例として説明される他の実施形態の文脈で説明される技術的特徴と組み合わせられうる。同様の参照番号が使用されて、発明の様々な実施形態にわたる同様の概念を説明する。例えば、参照100及び200は、発明によるマトリックス光源の2つの実施形態を示す。
【0039】
説明は、発明の態様に直接リンクされている動力車両の要素及び構成要素に焦点を合わせている。他のよく知られた要素については、詳細に説明されたり言及されたりすることはない。発明の態様による照明モジュールの例に関し、これは、例えば、限定されないが、光学レンズ又は反射器などの光学要素又は構成要素をそれらの意図された位置に保持するための様々な支持体を含む。
【0040】
図1における図は、発明の1つの好ましい実施形態によるピクセル化された光源又はマトリックス光源100を示す。光源100は、集積回路110及びマトリックスアレイ130を備え、当該マトリックスアレイ130は、複数のエレクトロルミネセント素子ベースの基本光源131を含む。集積回路は、好ましくは、周知のCMOS(「相補型金属酸化膜半導体」)技術を使用して製造され、それは、特に、基本光源131への電力の供給を推進することを意図された少なくとも1つの電子回路120を含む。限定することなく、電子回路120は、例えば、基本光源に電力を供給するのに適した大きさの電流を供給することができる電池又は変換器などのマトリックス源への外部の電源への接続のための手段を含みうる。電子回路はさらに例えばMOSFET電界効果トランジスタによって形成されるスイッチ要素を含みうるものであり、それにより、受信したコマンドに従って、個別に又はグループで基本源131に電力を選択的に供給することを可能にする。この目的のために、電子回路は、そのようなコマンドを受信するための回路を含みうるものであり、そのコマンドは、マトリックス源の外部の存在物によって生成される。
【0041】
集積回路110は、マトリックスアレイ130を収容することを意図された受け領域112を備える。受け領域は好ましくは長方形である。集積回路110の形状は、受け領域及びそこに統合される電子回路を含むその構造の少なくとも一部が、主軸101に沿って少なくとも1回繰り返されるという点で特別である。
【0042】
図1における図では、繰り返される集積回路の部分が、2本の垂直の破線の間に位置する。この構造の各繰り返しは、CMOS技術による集積回路の製造中に同一のマスクを使用して実行される。発明は、明らかに、構造の単一の繰り返しに限定されない。集積回路によって収容されることになるマトリックスアレイ130のサイズに応じて、マトリックスアレイ130のアドレス可能なピクセルの数を増やすために、集積回路を拡張するように、同じマスクを主軸101に沿って使用しうる。各繰り返し部分の電子回路120は、受け領域112の対応する繰り返し部分によって収容される基本光源311に対して電力を供給して当該基本光源311を制御するために必要な電子構成要素を含むので、そのアーキテクチャは、軸101に沿ったサイズに関して調整可能である。
【0043】
示される例において、2つのマトリックス構成要素130’及び130’’が、マトリックスアレイ130を形成するために使用される。マトリックス構成要素は、例えば、互いに独立して作られる。
【0044】
図2は、図1に示される軸A-Aに沿った断面を示す。それは受け領域112を示し、当該受け領域112は、好ましくは、集積回路の一般にシリコンSiで作られる基板における長方形のくぼみによって形成される。しかしながら、この幾何学的特性は発明を限定するものではない。電子回路120は受け領域112において接続を備えており、それは、特に、受け領域112の基板と接触しているそれらの下面を介して、基本光源131の各々と個別に電気的接触を行うことを可能にする。それによって集積回路に埋め込まれた要素により作られる垂直接続は、基本光源のための個々の配線を省くことを可能にする。
【0045】
マトリックス光源100は、エレクトロルミネセント半導体素子ベースの基本光源311のマトリックスアレイ130を含み、集積回路120と機械的及び電気的に接触して機能的に接続された、図示されていない、共通基板を含みうる。基本光源は典型的には、発光ダイオード(LEDs)である。
【0046】
マトリックス光源100は、好ましくは、ただしこれに限定されないが、モノリシックマトリックス構成要素を含み、当該モノリシックマトリックス構成要素において、基本光源311の半導体層は、例えば、共通基板上に配置される。基本光源130のマトリックスアレイは、好ましくは、複数のブランチの並列アセンブリを含み、各ブランチは、エレクトロルミネセント半導体光源131を含む。
【0047】
例として、限定されないが、基本光源130のマトリックスアレイは、基板の厚さに沿って且つ基本光源310の位置の反対側の端部で始まる、電気的絶縁基板上に堆積された第1の導電層を含む。これに、厚さが0.1~2μmのnドープ半導体層が続く。次の層は、約30nmの厚さを有する活性量子井戸層(active quantum well layer)であり、続いて電子ブロッキング層、そして最後にpドープ半導体層であり、後者は約300nmの厚さを有する。好ましくは、第1の層は(Al)GaN:Si層であり、第2の層はn-GaN:Si層であり、活性層は、GaNで作られたバリアと交互になっているInGaNで作られた量子井戸を含む。ブロッキング層は好ましくはAlGaN:Mgで作られ、pドープ層は好ましくはp-GaN:Mgで作られる。
【0048】
均一な厚さを有する半導体層を有する基本光源311を達成するために、モノリシック構成要素は、好ましくは、基板の表面の少なくとも一部にわたって均一且つ均質的に層を堆積してそれを覆うことによって、製造される。層は、例えば、金属酸化物化学蒸着(MOCVD)法を使用して堆積される。それらを実施するためのそのような方法及び反応器は、例えば特許文献WO2010/072380A1又はWO01/46498A1から、基板上に半導体層を堆積することに関して知られている。したがって、それらの実施に関する詳細は、本発明との関連では説明されない。そして、このように形成された層は、ピクセル化される。例として、限定されないが、層は、既知のリソグラフィー方法を使用して、続いて基板上の基本光源311間のスペースに対応する部位でエッチングすることによって、除去される。それによって、個々のピクセル毎に1平方ミリメートルよりも小さい表面積を有し且つ2平方ミリメートルを超える総表面積を有し、均一な厚さの半導体層を有し、したがって均一で高い内部直列抵抗を有する数十又は数百又は数千の複数のピクセル131が、マトリックス光源の基板上に作られることができる。一般的に言えば、各LEDピクセルのサイズが小さくなるほど、その直列抵抗がより大きくなり、より多くのこのピクセルが電圧源によって駆動されることができるようになる。代案として、基板の表面の少なくとも一部を覆うエピタキシャル層を含む基板は、カットされるか又は基本光源に分割され、基本光源の各々は、それらの内部直列抵抗に関して同様の特性を有する。
【0049】
発明はまた、半導体層の他の構成を含む半導体素子ベースの基本光源のタイプに関する。特に、基板、層の半導体材料、層の配置、それらの厚さ、及び層間の任意のビア(vias)は、ちょうど説明した例とは異なってもよい。
【0050】
集積回路110は、好ましくは、基板及び基本光源との機械的及び電気的な接触を確立するように、その上面に基本光源を収容するマトリックスアレイの下面にはんだ付けされる。基本光源が存在する基板と機械的及び電気的に接触する集積回路110を使用することにより、有線接続を省くことが可能になり、当該有線接続の数は、少なくともマトリックス光源のピクセル数に等しくなるであろう。好ましくは、モノリシック構成要素が製造される際に、電源回路が基板に組み込まれうる。
【0051】
図3における図は、発明の別の好ましい実施形態によるピクセル化された光源又はマトリックス光源200を示す。光源200は、集積回路210と、複数のエレクトロルミネセント素子ベースの基本光源で構成される図示されていないマトリックスアレイと、を備える。集積回路は、好ましくは、周知のCMOS(「相補型金属酸化膜半導体」)技術を使用して製造され、それは、基本光源への電力の供給を推進することを意図された少なくとも1つの電子回路を含む。集積回路の少なくとも1つの接続領域213、214は、電子回路を他の外部構成要素に接続することを可能にする。接続領域213、214は、集積回路の主軸に従うエッジに沿って延びる。図2の例では、接続領域213、214は、主軸に従う2つの対向するエッジにおいて提供される。
【0052】
接続領域の部分213は、特に、マトリックス光源200を外部電源に接続することを可能にする。集積回路のSi基板は、好ましくは、例えばアルミニウムブロックで構成されるヒートシンク要素に対し、直接はんだ付けされ又は熱接着剤を介して接着結合される。接続領域213は、集積回路210に設置された電子回路を様々な電位Vin、Gndにすることを、及び、好ましくはデジタル論理制御信号を直接ブリッジリンクを介して対応の電源を収容する外部プリント回路基板に接続することを、可能にする。この目的のために、接続領域は専用の接続パッドを備える。パッドVin、Gndは、例えば、高い強さの、例えば少なくとも15Aの、電流を伝えることを可能にする最大面積を有しうる。デジタルコマンドの送信用に提供される他の接続パッドは、より小さい面積を有しうる。したがって、ブリッジリンクも、適切な寸法を有するワイヤ又はリボンによって形成されうる。デジタル信号の伝送には、50又は125μmの直径を有するワイヤを使用しうる。例えば、400×100μmの大きさのリボン又は200μmの直径を有するワイヤを使用して、強い電流を伝えうる。接続領域は、好ましくは、集積回路の2つのエッジにわたって分散された、高い強さの電流を伝えることができる4つの接続を含みうる。
【0053】
集積回路のSi基板とヒートシンク要素との間の直接熱リンク及び外部回路への直接ブリッジリンクは、また、本発明の態様による他の特徴を含まない他のタイプの集積回路に適用されうる。
【0054】
この目的のために、「ワイヤボンディング」又は「リボンボンディング」又は「銅クリップ」として知られている技術を使用したブリッジ接続が使用される。このタイプの接続は、大電流の伝送及び論理信号の迅速な伝送を可能にする。その接続は、プリント回路基板上及び集積回路210の接続領域213における接続パッドと、2つの接続パッドを接続する導電性ワイヤとを含む。各接続パッドは、それぞれのプリント回路基板/集積回路の電子回路に、電気的に接続される。導電性ワイヤは、例えば超音波はんだ付けによって、2つの接続パッド間にはんだ付けされる。ワイヤの材質は、アルミニウム、金、銅、銀であり、その直径は75μm~250μmである。1つの好ましい実施形態によれば、接続パッドは、少なくともそれらの表面上に、はんだ付けステップを容易にするために、ワイヤを構成する同じ材料の層を含む。
【0055】
接続領域213、214は、好ましくは、金属層を含み、当該金属層の寸法は、例えば15Aを超える、高強さ電流を伝えるのに適している。具体的には、マトリックス光源は、それが収容しうる基本光源の数が多いことを考えると、高電流を管理できるべきである。
【0056】
集積回路210はさらに、接続領域213、214に隣接し且つ基本光源のマトリックスアレイを収容することを意図された受け領域212を備える。受け領域は好ましくは長方形である。集積回路210の形状は、受け領域及びそこに集積される電子回路を含むその構造の少なくとも一部が、主軸に沿って少なくとも1回繰り返されるという点で特別である。図3における図では、繰り返される集積回路の部分のみが示され、その繰り返しは示されていない。この構造は、CMOS技術による集積回路の製造中に同一のマスクを使用して実装される。その繰り返しは、繰り返される構造間のいかなるオフセットもなしで有利には実装されるが、マトリックス機能が変更されない限り、いくつかの変形がオフセットを有して実装されうる。集積回路210のサイズは、主軸に沿った集積回路のモジュールパターンの繰り返しの数に応じて大きくなりうるので、そこにおける機械的ストレスを低減するために、開口、好ましくは貫通開口、又は穴215が、集積回路210の接続領域213、214において提供されうる。この措置は、特に、集積回路210の基板における機械的応力のために、ブリッジリンクで使用される接続パッドが外れるリスクを低減する。
【0057】
言うまでもなく、集積回路は、マトリックス光源及び/又は基本光源に関連して他の機能に使用される他の電子回路及び/又はメモリ要素を含みうる。これは、基本光源によって短絡又は開回路障害を検知するための回路を含むが、当該回路には限定されない。
【0058】
保護の範囲は、特許請求の範囲によって定められる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】