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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】血液循環を改善するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A43B 7/00 20060101AFI20220112BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A43B7/00
A43B17/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021545337
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(85)【翻訳文提出日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 GB2019052887
(87)【国際公開番号】W WO2020074910
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】1816667.8
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】521154202
【氏名又は名称】ティンカー デザイン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TINKER DESIGN LIMITED
【住所又は居所原語表記】8 West End Court,West End Avenue,Pinner,Middlesex HA5 1BP United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】特許業務法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モラー,クリストファー ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】サブリーン,トゥシャラ
(72)【発明者】
【氏名】ミッコネン,ユッシ ヴィレ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA02
4F050BA25
4F050EA01
4F050GA30
4F050JA30
4F050LA01
4F050LA09
(57)【要約】
血液循環を改善するためのシステムであって、システムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、少なくとも1つのフットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するために少なくとも1つのフットウェア物品へ統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、システムはさらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える、システム。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液循環を改善するためのシステムであって、
前記システムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、
少なくとも1つの前記フットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、前記制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、可撓性ウェアラブル素材と、を備え、
前記可撓性ウェアラブル素材は、1つ以上の導電性パスと、前記制御部に測定信号を提供するための前記ウェアラブル素材へ統合されかつ前記プロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、
前記システムはさらに、1つ以上の前記導電性パスにより1つ以上の前記センサに電力を供給するための電源を備える、
システム。
【請求項2】
前記フットウェア物品はさらに剛性ベースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記剛性ベースは、1つ以上の前記アクチュエータおよび/または1つ以上のベースセンサを収容するための1つ以上の凹部を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記可撓性ウェアラブル素材は、足囲周りに圧力を与えるための少なくとも1つの弾性繊維を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウェアラブル素材に統合された1つ以上の前記センサは、血圧を測定するための圧力センサを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御部は、所定の条件を満たす、1つ以上の前記センサから受信した測定信号に応じて1つ以上の前記アクチュエータを起動するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記可撓性ウェアラブル素材は編または織生地を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
1つ以上の前記導電性パスは前記生地内の導電性糸から形成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
1つ以上の前記センサは前記導電性糸に取り付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記フットウェア物品は3Dプリント素材を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記電源は電池を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記電源は、他の場所から電力を受けることを可能にする入力部を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
1つ以上の前記センサは、圧力センサ、温度センサ、バイオセンサ、湿度センサ、加速度計、および傾斜計を含む群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
1つ以上の前記アクチュエータは1つ以上のモータを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
1つ以上の前記モータは、振動/マッサージ機能を提供するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
1つ以上の前記アクチュエータは1つ以上の加熱要素を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの前記フットウェア物品はマッサージ靴である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの前記フットウェア物品はスリッパである、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの前記フットウェア物品は、ソックス、または、肢を覆うために両端が開いた管状物品、または、肢を覆うために一端が開いた管状物品である、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの前記フットウェア物品は、動物の足(foot)/蹄/足(paw)用の、ブーツ、ソックス、またはパッドである、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも1つの前記フットウェア物品は第1のフットウェア物品と第2のフットウェア物品とを含み、前記第1のフットウェア物品は靴であり、前記第2のフットウェア物品はソックスである、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記ソックスは1つ以上の前記センサを備える前記可撓性ウェアラブル素材を備え、前記靴は1つ以上の前記アクチュエータを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
少なくとも1つの前記フットウェア物品の少なくとも1つは、インソールを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記インソールは、少なくとも1つの導電性箔を備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも1つの前記導電性箔は、少なくとも1つのデータ信号と多重化した電力を受信および/または分配するように配されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記インソールは、少なくとも1つのボタンを収容する少なくとも1つの凹部を備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記インソールはさらに、少なくとも1つのセンサボタンおよび/または少なくとも1つのアクチュエータボタンを備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの前記凹部は円形である、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
少なくとも1つの前記フットウェア物品の少なくとも1つは、前記インソールと前記可撓性ウェアラブル素材との間に配置されているクッション層を備える、請求項23~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記振動/マッサージ機能は、個別に合わせたマッサージを含む、請求項15~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記個別に合わせたマッサージは、ユーザの足の裏の領域に局在させた振動/マッサージを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御部は、1つ以上の前記センサから受信した前記測定信号から高ストレス点を識別するように構成されている、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記ユーザの足の裏の領域は高ストレス点を含む、請求項31に従属する場合の請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記システムはさらに、前記高ストレス点を表示するように構成されているモバイルアプリケーションを備える、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記モバイルアプリケーションはさらに、ユーザから指示を受けて前記ユーザの足の裏の特定の点をマッサージするように構成されている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記システムは、可動性を改善し、筋肉回復を助け、膝、足、もしくは腰の痛みを低減し、かつ/またはユーザの快適性を高めるように構成されている、請求項1~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記システムは、膝の痛み、足の痛み、および/または腰の痛みのうちの少なくとも1つの治療に使用するためのものである、請求項1~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記システムは、予防的ケアのための治療を事前に決定するように構成される、請求項1~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記導電性パス、導電性糸、または導電性箔のうちの少なくとも1つは、グラフェンを含む、請求項1~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
血液循環を改善するためのシステムであって、
前記システムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、
少なくとも1つの前記フットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、前記制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、1つ以上の導電性パスと、前記制御部に測定信号を提供するための少なくとも1つの前記フットウェア物品に統合されかつ前記プロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、
前記システムはさらに、1つ以上の前記導電性パスにより1つ以上の前記センサに電力を供給するための電源を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機能を有する少なくとも1つのフットウェア物品を備える、血液循環を改善するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機能を有するフットウェア物品が開発されている。より高い機能を達成し新たな用途を実現するために、これらの物品を改良することが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、血液循環を改善するための以下のシステムが提供される。このシステムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、少なくとも1つのフットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、可撓性ウェアラブル素材とを備え、可撓性ウェアラブル素材は、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するためのウェアラブル素材へ統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、システムはさらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える。
【0004】
任意で、フットウェア物品はさらに剛性ベースを備える。
【0005】
任意で、剛性ベースは、アクチュエータおよび/または1つ以上のベースセンサの1つ以上を収容するための1つ以上の凹部を備える。
【0006】
任意で、可撓性ウェアラブル素材は、足囲周りに圧力を与えるための少なくとも1つの弾性繊維を備える。
【0007】
任意で、ウェアラブル素材に統合された1つ以上のセンサは、血圧を測定するための圧力センサを含む。
【0008】
任意で、制御部は、所定の条件を満たす、1つ以上のセンサから受信した測定信号に応じて1つ以上のアクチュエータを起動するように構成される。
【0009】
任意で、可撓性ウェアラブル素材は編または織生地を備える。
【0010】
任意で、1つ以上の導電性パスは生地内の導電性糸から形成される。
【0011】
任意で、1つ以上のセンサは導電性糸に取り付けられる。
【0012】
任意で、フットウェア物品は3Dプリント素材を備える。
【0013】
任意で、電源は電池を備える。
【0014】
任意で、電源は、他の場所から電力を受けることを可能にする入力部を備える。
【0015】
任意で、1つ以上のセンサは、圧力センサ、温度センサ、バイオセンサ、湿度センサ、加速度計、および傾斜計を含む群から選択される。
【0016】
任意で、1つ以上のアクチュエータは1つ以上のモータ(例えば、偏心モータ)を含む。
【0017】
任意で、1つ以上のモータは、振動/マッサージ機能を提供するように構成される。
【0018】
任意で、1つ以上のアクチュエータは1つ以上の加熱要素を含む。
【0019】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品はマッサージ靴である。
【0020】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品はスリッパである。
【0021】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品は、ソックス、または、肢を覆うために両端が開いた管状物品、または、肢を覆うために一端が開いた管状物品である。
【0022】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品は、動物の足(foot)/蹄/足(paw)用の、ブーツ、ソックス、またはパッドである。
【0023】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品は第1のフットウェア物品と第2のフットウェア物品とを含み、第1のフットウェア物品は靴であり、第2のフットウェア物品はソックスである。
【0024】
任意で、ソックスは1つ以上のセンサを備える可撓性ウェアラブル素材を備え、靴は1つ以上のアクチュエータを備える。
【0025】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品の少なくとも1つは、インソールを含む。
【0026】
任意で、インソールは、導電性パスを提供するための少なくとも1つの導電性箔を備える。
【0027】
任意で、少なくとも1つの導電性箔は、少なくとも1つのデータ信号と多重化した電力を受信および/または分配するように配されている。
【0028】
任意で、インソールは、少なくとも1つのボタンを収容する少なくとも1つの凹部を備える。
【0029】
任意で、インソールはさらに、少なくとも1つのセンサボタンおよび/または少なくとも1つのアクチュエータボタンを備える。
【0030】
任意で、少なくとも1つの凹部は円形である。
【0031】
任意で、少なくとも1つのフットウェア物品の少なくとも1つは、インソールと可撓性ウェアラブル素材との間に配置されているクッション層を備える。
【0032】
任意で、振動/マッサージ機能は、個別に合わせたマッサージを含む。
【0033】
任意で、個別に合わせたマッサージは、ユーザの足の裏の領域に局在させた振動/マッサージを含む。
【0034】
任意で、制御部は、1つ以上のセンサから受信した測定信号から高ストレス点を識別するように構成される。
【0035】
任意で、ユーザの足の裏の領域は高ストレス点を含む。
【0036】
任意で、システムはさらに、高ストレス点を表示するように構成されたモバイルアプリケーションを備える。
【0037】
任意で、モバイルアプリケーションはさらに、ユーザから指示を受けてユーザの足の裏の特定の点をマッサージするように構成される。
【0038】
任意で、システムは、可動性を改善し、筋肉回復を助け、膝、足、もしくは腰の痛みを低減し、かつ/またはユーザの快適性を高めるように構成される。
【0039】
任意で、システムは、膝の痛み、足の痛み、および/または腰の痛みのうちの少なくとも1つの治療に使用するためのものである。
【0040】
任意で、システムは、予防的ケアのための治療を事前に決定するように構成される。
【0041】
任意で、導電性パス、導電性糸、または導電性箔のうちの少なくとも1つは、グラフェンを含む。
【0042】
本発明の第2の態様によれば、血液循環を改善するための以下のシステムが提供される。このシステムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、少なくとも1つのフットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するための少なくとも1つのフットウェア物品に統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、システムはさらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える。
【0043】
本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、広く解釈されるべきであり、汎用プロセッサ、特定用途集積回路のプロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械などを含む。「プロセッサ」という用語は、複数のそのような処理装置を組合せたものを指してもよい。
【0044】
さらに一般的には、いくつかの実施形態では、電源は電池を備えてよい。あるいは、または加えて、電源は、他の場所から(例えば電源ケーブルにより)電力を受けることを可能にする入力部を備えてよい。
【0045】
1つ以上のセンサは、圧力センサ、温度センサ、バイオセンサ、湿度センサ、加速度計、および傾斜計を含む群から選択されてよい。当業者ならば理解するように、他のタイプのセンサもまた使用可能である。
【0046】
1つ以上のアクチュエータは、1つ以上のモータおよび/または1つ以上の加熱要素を含んでよい。有利には、1つ以上のモータは、振動/マッサージ機能を提供するように構成され得る。当業者ならば理解するように、他のタイプのアクチュエータを設けてもよい。
【0047】
本明細書に記載するように、そして当業者ならば理解するように、他の実施形態および用途もまた可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の実施形態は、例として、図面を参照して説明される。
図1】複数のセンサを取り付けた導電性糸を示す。
図2】センサを取り付けた図1に示されているような複数の長さの糸を組み込んだ生地(例えば、いわゆる「スマート素材」。編まれていても織られていてもよい。)の一片を示す。
図3】制御モジュール、電源モジュール、および分析モジュールが適切な回路により連結されている、図2に示されているようなスマート素材の一片を備える装置を模式的に示す。
図4】制御モジュール、電源モジュール、分析モジュール、および複数のアクチュエータが適切な回路により連結されている、図2に示されているようなスマート素材の一片を備える装置を模式的に示す。
図5図4に示されているような装置を組み込んだ靴を示す。
図6図5に示されているような靴に関する、靴の層および接続を示す。
図7】スマート素材を組み込んだ他の靴構造を示す。
図8】本発明を具現化し得る他の可能な靴構造を、靴の製造方法(折りたたむ順序)とともに示す。
図9】1つ以上のマッサージ付与アクチュエータを有し、センサを備えるスマート素材を組み込んだ、ウェアラブルデバイス(例えば、靴)の使用に関する動作フローを示す。
図10】どちらが靴に挿入されても本発明を具現化し得る、2つのインソールを示す。
図11図10に示されているようなインソールの電気回路の第1の例を模式的に示す。
図12図10に示されているようなインソールの電気回路の第2の例を模式的に示す。
図13図13aは、アクチュエータボタンの断面の第1の例を模式的に示す。図13bは、アクチュエータボタンの断面の第2の例を模式的に示す。
図14】本発明を具現化し得るスリッパを示す。
図15】本発明を具現化し得る、可能なスリッパまたはソックスの構造を示す。
図16】本発明の実施形態において使用され得る(例えば、スマートフォン上の)モバイルアプリケーション用の可能なグラフィカルユーザインターフェースを示す。
図17】圧力センサに電力、接続、および制御を提供するための装置を模式的に示す。
【0049】
図全体を通して、同様の要素は同様の参照番号で示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
<概要>
本研究は、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを含む、血液循環を改善するためのシステムを提供する。少なくとも1つのフットウェア物品は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、可撓性ウェアラブル素材とを備える。可撓性ウェアラブル素材は、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するためのウェアラブル素材に統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサとを備える。システムはさらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える。
【0051】
本研究はまた、血液循環を改善するための以下のシステムを提供する。このシステムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備える。少なくとも1つのフットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するための少なくとも1つのフットウェア物品に統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備える。システムは、さらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える。
【0052】
本研究のシステムは、単一のフットウェア物品またはともに動作する数個の物品を含んでよく、したがって、「システム」という用語は、ともに動作する1つ以上の装置を広く意味すると解釈されるべきである。
【0053】
システムの1つ以上のフットウェア物品の部品は、単一のフットウェア物品の部品であってもよく、数個のフットウェア物品のそれぞれの部品であってもよく、数個のフットウェア物品の間で共有される部品であってもよい。
【0054】
本研究はまた、可撓性ウェアラブル素材(好ましくは、編または織生地、あるいは可撓性3Dプリント素材を備える)を提供する。可撓性ウェアラブル素材は、導電性の部分またはパス(例えば、導電性糸)および非導電性の部分またはパス(例えば、非導電性糸)と、プロセッサと、電源(例えば、電池、または他の場所から電力を受けることを可能にする入力部)と、1つ以上のセンサ(生地に統合された)と、1つ以上のアクチュエータ(例えば、マッサージ機能を提供するための、または触覚の目的のための)と、を含む。生地は、例えば、(a)肢を覆うことを意図したオープン形状、(b)肢を覆うことを意図した両端が開いた管状、(c)肢を覆うことを意図した一端のみが開いた管状に、編まれていてもよく、また、織られていてもよい。
【0055】
生地は、異なるタイプの糸、フィラメント、または他の適切な繊維素材から作られた、1つ以上の導電性および非導電性の領域またはパスを有してよい。生地はまた、他の電気活性素材および/または他の電気部品もしくは電子部品を備えてもよい。
【0056】
ウェアラブル素材は、ヘルスケアにおける使用を含む、様々な用途を有する。例えば、本発明の一実施形態による織または編構造は、リアルタイム分析のために使用でき、例えば、無線データ転送を介してスマートフォンまたは他のシステムへの接続を提供できる。人工知能を使用して、センサからの測定値を解釈し、アクチュエータの動作を制御してもよい。実施形態は、独立して動作するように提供されてもよいし、接続状態で動作するように提供されてもよい。
【0057】
有利には、ウェアラブル素材は、着用者の動作を阻害せずかつ電子機能(センシング機能、および好ましくは作動機能を含む)を提供しながら、(例えば靴、あるいは、歩行動作のために着用される何らかの他の構造の形で)肢に取り付けることができる。
【0058】
<取り付けられたセンサを有する導電性糸>
図1は、番号10で示すように、「スマート素材」生地を製造するために使用され得る複数のセンサ14が取り付けられた導電性糸12を示す。図示した例では、複数のセンサ14が導電性糸12に取り付けられているが、代替例では、1つのセンサ14が糸12に取り付けられてよい。適切な導電性糸は、Supreme Corporation (325 Spencer Road, Conover, NC 28613, USA)によって供給される、いわゆる「Volt Smart Yarns」を含む。
【0059】
導電性糸12は、好ましくは銅ベースであり、伸縮可能で可撓性である。上記1つのまたは各センサ14は、載置機を使用して導電性糸12に取り付けられてよい。そしてその糸上にセンサ14を密閉するためにカプセル化される。導電性糸12は、非導電性コーティング(例えば、プラスチックコーティング)を備えていてもよい。
【0060】
1つのまたは各センサ14は、例えば、圧力センサ、温度センサ、または湿度センサであってよいが、バイオセンサ(例えば、心拍測定のための)、加速度計、および傾斜計などの、他のタイプのセンサであってもよい。以下に、異なるタイプの可能なセンサの機能および代表的用途をさらに詳しく説明する。
【0061】
以下により詳細に述べるように、1つのまたは各センサ14は、導電性糸12を介して電力を受ける。図1に示すように、複数のセンサ14は、その全てが、同じ長さの糸によって電力を受けるように、導電性糸12に沿って直列に配線されてよい。1つのまたは各センサ14はまた、その測定値(例えば、圧力測定値、温度測定値、湿度測定値)を、導電性糸を介して送ってよい。複数の異なるタイプのセンサを、導電性糸の所与の長さに沿って設けてもよい。
【0062】
<「スマート素材」生地>
図2は、複数の長さの糸10を組み込んだ、可撓性の編または織生地300(いわゆる「スマート素材」生地)の一片を示す。各長さの糸10は、導電性であり、例えば図1を参照して上述したように、1つ以上のセンサ14が取り付けられている。図示した例では複数の長さのそのような糸10が示されているが、代替例では、単一の長さの糸10が生地300に組み込まれていてもよい。しかし、好ましくは、複数の長さのそのような糸10を使用して、例えば生地にセンサの二次元配列を作ることができる。
【0063】
導電性でありかつ1つ以上のセンサ14を取り付けた一定の長さ(複数の長さ)の糸10が、他の非導電性の複数の長さの糸の間で生地300へ編み込まれるか、あるいは織り込まれる。この複数の長さの非導電性の糸は、例えば、ウール、コットン、または合成繊維であってよい。
【実施例
【0064】
図3は、一片の(例えば、図2を参照して上述したような)スマート素材300を備える装置を模式的に示す。このスマート素材300には、制御モジュール101と、電源モジュール102と、分析モジュール103とが適切な回路により連結されている。制御モジュール101と電源モジュール102と分析モジュール103とが合わさって制御部100を構成している。
【0065】
制御モジュール101はプロセッサを含み、電源モジュール102と分析モジュール103とを制御するように構成される。制御モジュール101はまた、動作判断およびトップレベルの分析を行うように構成されていてもよい。
【0066】
電源モジュール102(プロセッサを備えていてもよい)は、導電性糸/繊維/編物201によりスマート素材300に(特にそのセンサに)電力を供給するように構成される。電源モジュール102は、例えば電源ケーブルにより、電池または他の場所から電力を受けてよい。例えばいくつかの実施形態では、プラグインしたUSBケーブルなどを介して、例えば500mA~5A程度の電流を引き出すことが特に考えられる。
【0067】
分析モジュール103(プロセッサを備えてもよい)は、導電性糸/繊維/編物202によりスマート素材300のセンサ(複数可)から測定信号を受信し、それらを分析して、例えば、圧力または温度などの定量測定値を求めるように構成される。しかし、センサのタイプおよび意図される用途によっては、特定のセンサからの出力は、定量的またはバイナリ(例えば、湿度センサの場合は、湿度があるかないかなど)のものであってもよい。スマート素材300が複数のセンサを備える場合、分析モジュールが位置特異的測定値を求めることができるように、分析モジュールに個々のセンサの位置が知らされていることが好ましい。例えば、センサはアドレス可能であってよい。
【0068】
スマート素材300は、例えば靴のインソールであってよいが、多くの他の用途もまた可能である。有利には、スマート素材300は交換可能であってよく、測定システムは、異なる体重、異なる圧力構成、異なる湿度レベルなどを有するユーザに対応するように、ユーザアジャスタブルであってよい。
【0069】
図3に基づく実施例では、制御部100およびセンサの数はいくつでもよいが、最低、1つずつ備える。制御部100は、モジュール101、102、および103を備えてよいが、これらは別個のモジュールである必要はない。装置全体のいかなる部分も、電源(例えば、電池もしくは他の電子部品、または他の場所から電力を受ける入力部)を含んでよい。
【0070】
他の実施例として、図4は、一片のスマート素材300(例えば図2を参照して上述したような)を備える装置を模式的に示す。このスマート素材300には、制御モジュール101と、電源モジュール102と、分析モジュール103と、複数のアクチュエータ302とが、適切な回路により連結されている。スマート素材300は、例えば靴のインソールであってよいが、多くの他の用途もまた可能である。図示した実施例では複数のアクチュエータ302が設けられているが、代替の実施例では、1つのアクチュエータ302が設けられてもよい。制御モジュール101と電源モジュール102と分析モジュール103とが合わさって、制御部100を構成している。図示したように、スマート素材300はまた、スマート素材を含む部品全体(例えば靴の特定のインソール)を識別するための任意のモジュール301を含んでもよい。モジュール301は、メモリ、および/または部品(例えばインソール)の性質を制御するためのプロセッサを含んでもよい(しかしこれは必須ではない)。
【0071】
制御モジュール101はプロセッサを含み、電源モジュール102と分析モジュール103とを制御するように構成される。インソールであるスマート素材を含む部品全体の場合、制御モジュール101は、何にインソールが埋め込まれているかを分析してよく、また、インソールの摩耗を分析してもよい。
【0072】
上述したように、電源モジュール102は、導電性糸/繊維/編物201により、スマート素材300に(特に、そのセンサに)電力を供給するように構成される。電源モジュール102は、例えば電源ケーブルにより、電池または他の場所から電力を受けてよい。
【0073】
また上述したように、分析モジュール103(プロセッサを備えてもよい)は、導電性糸/繊維/編物202によりスマート素材300のセンサ(複数可)から測定信号を受信し、それらを分析して、例えば、圧力または温度などの定量測定値を求めるように構成される。しかし、センサのタイプおよび意図される用途によっては、特定のセンサからの出力は、定量的またはバイナリ(例えば、湿度センサの場合は、湿度があるかないかなど)のものであってもよい。スマート素材300が複数のセンサを備える場合、分析モジュールが位置特異的測定値を求めることができるように、分析モジュールに個々のセンサの位置が知らされていることが好ましい。例えば、センサはアドレス可能であってよい。
【0074】
アクチュエータ302は、モジュール301を介して制御部100の制御下で起動され得るモータ(例えば振動/マッサージを与える目的の)または加熱要素などの電気制御デバイスである。フットウェア物品において使用される場合、そのようなモータは、足のキーとなる圧点(つぼ点)に一致するように位置づけられて、それらの特定の点に振動/マッサージを与えることができる。可能なアクチュエータの異なるタイプの機能および代表的用途を以下により詳細に説明する。
【0075】
制御部100は、所定の条件を満たす、スマート素材300においてセンサから受信した測定信号に応じて、アクチュエータ302(例えばモータなど)を起動するように構成され得る。所定の条件とは、例えば、測定された圧力が所定の閾値(例えば、足における比較的高レベルの圧力を示す)を超えていること、または足における測定された圧力差が所定の閾値(例えば、足が比較的に不均衡であることを示す)を超えていること、である。
【0076】
アクチュエータ302は、素材(例えば、ポリマー、導電性素材、合金、またはこれらの組合せを含むがこれに限定されない)、アクティブ部品、または他のデバイスに、包まれていてもよい。
【0077】
図5および6は、図4に示されている装置を組み込んだ靴500を示す。
【0078】
より具体的には、靴500は、スマート素材インソール300(例えば、上述したような)と、任意の適切な素材(複数可)を備えてよいアウトソール400とを含む。アウトソール400はまた、インソール300と同様の「スマート」特性および構成要素(例えば、センサおよびアクチュエータ)を有してよい。番号200は、靴を構成する編または織生地を指し、編または織生地は任意の数の導電性糸/繊維/編物201および202から構成されていてよい。靴500はまた、上述したような制御部100を含んでよく、また図示するように、上述したような任意のモジュール301を含んでよい。
【0079】
図7は、スマート素材インソール300(例えば、上述したような)とアウトソール400とを組み込んだ、靴500’の他の実施形態を示す。番号200は、靴を構成する編みまたは織りの包み生地を指し、この生地は任意の数の導電性糸/繊維/編物201および202からなってもよい。靴500はまた、上述したような要素101~103を含み得る制御部100を含んでよい。これらは、複数の部分に分かれていてよく、この場合は、包み生地200が折りたたまれる際に2つの別個のユニットが合わせられるように、設けられる。
【0080】
図7の靴500’は、あるいは図8に示すように形成され得る。図8は、ステージ1~4として、包み生地を折りたたんで靴を作成する順序を示す。センサと任意のアクチュエータとを備える上述のスマート素材は、図示した素材の任意の部分(例えば、インソールおよび/またはアウトソール)を形成してよい。
【0081】
代替実施例では、靴(センサおよび導電性線路を含む)は、積層造形法(3Dプリンティング)を使用して作成され得る。
【0082】
図9は、1つ以上のマッサージ付与アクチュエータを有し、センサを備えるスマート素材を組み込んだ、ウェアラブルデバイス(例えば、靴)の使用に関する動作フロー図である。
【0083】
<センサのタイプおよび代表的用途>
例として、以下のタイプのセンサが、本発明の実施形態(例えば、靴、しかしこれに限定されない)において使用可能である。
・圧力センサ(例えば、着用者の足の下側にわたって異なる点で圧力を測定するため、および/または着用者の体重を測定するため)。
・温度センサ(例えば、着用者の足の下側の温度を測定するため)。
・バイオセンサ(例えば、着用者の心拍を測定するため)。
・湿度センサ(例えば、運動の結果などとしての汗の存在を検出するため)。
・加速度計および傾斜計(例えば、着用者の姿勢、歩き方、または動作の速度を検出するため)。
【0084】
<アクチュエータのタイプおよび代表的用途>
例として、以下のタイプのアクチュエータが、本発明の実施形態(例えば、靴、しかしこれに限定されない)において使用可能である。
・モータ(例えば、着用者の体(例えば足)に振動またはマッサージを与えるため、または着用者に触覚によるフィードバックを提供するため)。
・加熱要素(例えば、着用者の体(例えば足)に熱を与えるため)。
【0085】
<靴/ソックス実施例>
編または織靴の1つの実施例は、抗菌および吸汗速乾特性を有する動的適応編構造を組み込んだ、テキスタイル・バイオエンジニアリング・コンピューティングプラットフォーム(テキスタイル・バイオインフォマティクス)を提供する。編構造内の回路は、以下のセンサおよびアクチュエータの任意のものまたは全てのものを備えてよい。
・編み込み温度センサ。
・加熱要素(例えば、着用者の足が冷たいことを検知したとき靴を加熱するため)。
・圧力センサ(例えば、着用者の足における日々の圧力をリアルタイム情報で理解するため)。
・振動/マッサージ治療のためのアクチュエータ(インソールに埋設されている)
・バイオメトリックセンシング―水分補給/バイオメトリックインピーダンス分析(例えば、体の水分摂取レベルおよびどのように汗が水分補給に影響するかを監視して、体の水分量を判断するため。この情報は、体の水分補給レベル(全体内水分)および脂肪パーセンテージに対する有用な洞察を提供する。)
【0086】
編または織靴は、病気から体を守る機能、病気の予防、診断、および治療の機能を有することで、健康で上質のライフスタイルを実現するために、そして、健康を向上させる目的で開発される。
【0087】
靴の構造は、さらなるサポートとクッション性とを与えて個々のフットベッドの快適性を増大させるために、人の足を3Dスキャンすることを介してカスタマイズされ得る。
【0088】
好ましくは、靴は、無線充電可能な再充電式電池(例えばナノジェネレーション/可撓性スーパーキャパシタを使用して)を収容する。
【0089】
ブルートゥース(登録商標。以下、同様。)(BT)または他の近距離低電力無線トランスミッタ(例えば、無線周波数識別、RFID)を靴に組み込んで、他のデバイス(例えば、アプリを動かしているスマートフォン)に対して情報を直接送信したり/交換したりしてもよい。ここで、ユーザの挙動について、例えばその姿勢を改善することに関して、注意喚起するために拡張知能を使用してもよい。
【0090】
警告は、足にかかる圧力を緩和するために、いつ着用者の足をマッサージすべきかを識別するのを助け得る(例えば、末梢神経障害を治療するために)。
【0091】
循環およびバランスを改善する助けとしてマッサージ/振動治療を使用してもよい(典型的には血液流が悪いためにおこる足の冷えにより感覚を失うことがあるため)。靴は、足の健康のよりよい意識を生み出すことができる(悪い血液循環は、高血圧、肥満、および糖尿病などの慢性的な健康状態に関連づけられているため)。
【0092】
着用者の足にかかる日々の圧力を理解することは、不可逆的障害を回避するために重要である。靴は、この管理を可能にするリアルタイム情報を提供してもよい。
【0093】
靴から医師へバイオメトリックデータを提供することによって(例えば、無線クラウドベースのプラットフォームを介して)、医師は、着用者のバイオメトリックデータを着用者が来る前に手元に持っておくことができ、このデータを将来の病気を予測したり現在の病気をより良く治療したりするために使用することができる。例えば、これにより、糖尿病による創傷や切断を予防できる可能性がある。
【0094】
テキスタイル・コンピューティングプラットフォームを組み込んだ靴は、ユーザをモノのインターネット(「IoT」)へ接続することができる。着用者を医師/保健サービスへ接続するために使用してもよい。全人的幸福の促進ならびにリハビリテーション、治療、および予防的ケアの管理のために、人工知能アルゴリズムを使用してもよい。
【0095】
<インソール実施例>
図10に示すように、本発明は、靴、スリッパ、またはいくつかの他のフットウェア物品に載置するまたは組み込むのに適切なインソールとして具現化され得る。図10は、インソールの2つの例、すなわち第1のインソール1001および第2のインソール1002を示す。インソール1001、1002はともに、センサボタン1101(図11および12に示すような)またはアクチュエータボタン1202(図12、13a、および13bに示すような)を収容するのに適切な、そして収容するように形作られた、多数のボタン凹部1003を含む。
【0096】
本実施形態において、センサボタンはまた、ユーザの足(使用中)に対するそれらの位置のおかげで、ベースセンサとしても知られる。すなわち、使用中、これらセンサボタンはユーザの足のベースのところに配置される。
【0097】
第1のインソール1001の場合、アクチュエータ/センサボタン1101、1202は、上側箔1102および/または底側箔1103によって互いにそして電源に接続されてよい(図11および12に示すように)。上側箔1102および底側箔1103は、第1のインソール1001の上および底にそれぞれ配置される。
【0098】
第2のインソール1002の場合、アクチュエータ/センサボタン1202、1101は、接続凹部1004に埋設された導電性ワイヤ(図示せず)を介して、互いにそして電源に接続されてよい。
【0099】
ボタン凹部1003は、その周囲のインソール体1005へのユーザからの重量(使用中の場合)が周方向に均等に移動するように、好ましくは円形である。ボタン凹部1003の円形形状はまた、ボタン凹部の構造上の強度を増大し、したがって、インソール使用中にその中に設けられたボタンをユーザの体重から保護するのに役立つ。
【0100】
第1のインソール1001を構築することは、製造上の複雑さを低く抑えるのに好ましく、したがって、大量生産により適している。
【0101】
第2のインソール1002を構築することは、接続凹部1004を設けることにより、ボタン1101、1202間の電気接続を保護するのに好ましい。したがって、この構築は、より高い耐久性のために好ましい。
【0102】
インソール体1005は、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性ポリマーのような剛性素材からできていることが好ましい。剛性素材から製造されることの利点は、センサボタン1101などのインソールにおける脆弱部品が使用中にユーザの体重の圧縮力から保護され得るという点である。
【0103】
図15に示すように、フットウェア物品はクッション層1501を備えていることが好ましく、クッション層1501は剛性インソール1002と生地トップ1502との間に配置されることがより好ましい。この配置の利点は、剛性インソール1002からユーザへ快適性が提供されることである。この配置のさらなる利点は、(使用中に)ユーザの体重の圧縮力から剛性インソール1002の電子部品が保護されることである。
【0104】
ボタン凹部1003は、その位置がユーザの足の裏の血管の大まかな位置に対応するように、インソール体1005上に位置付けられてよい。ボタン凹部1003は、その位置がユーザの足の裏のつぼ点にほぼ対応するように、インソール体1005上に位置付けられてよい。ボタン凹部1003は、その位置がユーザの足の裏の圧点にほぼ対応するように、インソール体1005上に位置付けられてよい。
【0105】
インソールは、3Dプリンティングなどの積層造形法を使用して製造され得る。これは、インソールの大きさおよび形状をユーザの足に一致させるため、そして、対象のユーザに対してインソール体1005上のボタン凹部1003位置をカスタマイズするために、特に有利である。
【0106】
本開示のインソールの製造方法は、ユーザの足をスキャンするステップと、インソールを3Dプリンティングするステップとを含んでよく、それによって、ボタン凹部1003の大きさ、形状、および位置がユーザならびにユーザのつぼ点および/または血管位置に一致するようにしてよい。
【0107】
図11および12を参照して、第1のインソール1001または第2のインソール1002はさらに、ボタン1101、1202の間の電気接続を提供するための、上側箔1102と底側箔1103とを備えてよい。上側箔および底側箔は導電性である。
【0108】
図11および12に示すように、センサボタン1101およびアクチュエータボタン1202は、上側箔1102と底側箔1103との間に挟まれている。2つの箔1102、1103は、ワイヤによってコントローラ1104および電池1105へ延びていてもよい。コントローラ1104および電池1105は、図11に示すように、インソール1001、1002のうち一方のボタン凹部1003内に位置していてもよい。あるいは、コントローラ1104および電池1105は、図12に示すように、ユーザの体の他の場所、好ましくはユーザのフットウェアの他の場所に位置していてもよい(図15に示すように)。
【0109】
上側箔および底側箔1102、1103は、電池1105からの電力をボタン1102、1201およびコントローラ1104へ分配する役割を果たす。上側箔1102および底側箔1103はまた、コントローラ1104とボタンとの間の双方向デジタル通信を提供してもよい。これは、上側箔1102および底側箔1103の形であってもよい電力線にデータを多重通信するマルチプレクサによって達成され得る。
【0110】
システムは、リモートコントローラ(図示せず)によって制御され得る。リモートコントローラは、ブルートゥースによりコントローラ1104と通信してよい。したがって、コントローラ1104は、ブルートゥーストランスミッタ/レシーバ1107へ接続され得るブルートゥースアンテナ1106を備えてよい。リモートコントローラは、ブルートゥース機能を有する携帯電話、スマートウォッチ、またはフィットネスデバイスであってよい。
【0111】
電池1105は、再充電式であってよく、コントローラ1104および/または電池1105に電気接続したUSBインターフェース(図示せず)により再充電されてよい。
【0112】
図11および12に示すように、センサボタン1101は、加速度計1108と、圧力センサ1109と、センサマイクロプロセッサ1110と、センサフラッシュメモリ1111と、センサシグナリングインターフェース1112とを備えてよい。
【0113】
図11および12に示すように、コントローラ1104は、電池1105と、ブルートゥーストランスミッタ/レシーバ1107と、ブルートゥースアンテナ1106と、コントローラシグナリングインターフェース1113と、コントローラマイクロプロセッサ1114とを備えてよい。
【0114】
図12に示すように、アクチュエータボタン1202は、アクチュエータ1203と、アクチュエータシグナリングインターフェース1204と、アクチュエータマイクロプロセッサ1205と、アクチュエータフラッシュメモリ1206とを備えてよい。
【0115】
図13aおよび13bに示すように、アクチュエータボタン1202のアクチュエータは、オフセットおもり1301を有するモータ(例えば、偏心モータ)の形であってよい。あるいは、アクチュエータは、電磁石1302およびコイル1303の形であってよい。
【0116】
上述したこれらの部品は、足の裏にかかる単一の圧力またはいくつかの圧力を検出して、導出した圧力データをコントローラへ送り、その中にあるプロセッサによって処理する、またはコントローラに接続されたモバイルアプリケーションによってユーザへ提示するように、配置されてよい。一旦処理された圧力データは、アクチュエータへ指示を送ることにより、足の裏をマッサージするように作動プログラムを開始してよい。
【0117】
<スリッパ実施例>
図14および15を参照して、一実施形態において、フットウェア物品は、剛性ソール1401と生地トップ1502とを備えるスリッパであってよい。より好ましくは、生地トップ1502は、足囲周りに弾性張力を与えるための少なくとも1つの弾性繊維を備える。より好ましくは、生地トップ1502は、足の血圧を測定するための圧力センサを備える。より好ましくは、圧力センサは、足囲周りに位置するストレッチセンサを備える。
【0118】
本発明のこの実施形態の利点は、収縮期血圧および拡張期血圧が測定できることである。
【0119】
足囲は、土踏まずの周りであってもよい。あるいは、足囲は、足首の周りであってもよい。
【0120】
図14および15に示す実施形態では、生地トップ1502および剛性ソール1401はスリッパの形である。代替実施形態(図示せず)では、生地トップはソックスの形であってよく、剛性ソールは靴などのフットウェアの他のアイテムの部品であってもよい。そのような実施形態では、好ましくは、ソックスは、ソックスの電気部品を剛性ソールの電気部品へ電気的に接続する手段を備える。そのような電気接続手段は、ソックスの生地にプリントされた電気回路、ならびに図11および12に示す上側箔1102などの剛性ソールの対応する表面接続であってよい。あるいは、ソックスと剛性ソールの両方が、剛性ソール内に好ましく位置し得る共通のコントローラへ接続するための無線接続手段を備えてよい。
【0121】
図16は、上述したシステムを制御する際に使用するためのモバイルアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェース1601の例を示す。このインターフェースは、モバイルデバイスのタッチスクリーン上にユーザの足1602の図を含んでよい。ユーザは、このモバイルデバイスにタッチして、作動して欲しいと思う足の裏の場所を示すことができる。モバイルアプリケーションは、ユーザの携帯電話1603(またはタブレットコンピュータなどの他のモバイル通信デバイス)上で実行することができる。ユーザの携帯電話1603は、上述したように、図11および12に示す実施形態のコントローラ1104とブルートゥース通信してよい。
【0122】
図17は、図10、11、12および15に示されている制御システムの概要を示す。
【0123】
上記実施形態は図9に示されている動作を実行するように構成され得る。
【0124】
そのような動作は、システムの電源オンと構成指示を待つこととを含んでよい。システムが初めて使用される場合、新たな構成がブルートゥースを介して適用され、そうでない場合は、システムは、自動的に古い構成を使用する。
【0125】
そして、システムは、状況を識別して電力管理手順を決定する。フットウェア物品が装着されていない場合、システムは電力を維持するためにスリープに入る。USBケーブルが接続されている場合、システムは充電手順を行ってもよい。バッテリーが少ない場合、システムはスリープに入ってよい。フットウェア物品が装着されている場合、システムは、歪および圧力測定手順を実行してよい。マッサージがブルートゥースを介して開始されると、マッサージが起動されてよい。アクティブマッサージ中、バッテリーが極端に少ない場合、システムはスリープに入ってよく、マッサージがブルートゥースを介してまたは経過時間に基づいて終了される場合、システムは、歪および圧力の測定の状態に復帰してもよい。
【0126】
状況識別手順は、USBケーブルが抜かれること、フットウェア物品が取り外されること、またはシステムが電源オンされることによって開始されてよい。
【0127】
<本研究のさらなる局面>
フットウェア物品は、ユーザの足の裏の高圧点を検出し、それらキー領域に目的のマッサージを行う、インタラクティブスマート靴であってよい。そのようなマッサージは7000もの神経終末を刺激し得る。これは、足の疲労を和らげ、血液循環を改善し、冷たい足の痛みを緩和する助けになるという利点を提供し得る。これは、ベースセンサによるキーストレス/圧点の検出とアクチュエータによるキーストレス/圧点のマッサージとにより実現され得る。
【0128】
ベースセンサは、鋭圧力のセンサであってよく、アクチュエータがマイクロコントローラによって制御されて、圧点マッサージに影響を与え得る。
【0129】
システムの電池は無線充電によって再充電され得る。これは、フットウェア物品の表面に(汚れや水の進入に対して脆弱となり得る)充電ポートを必要としない点において、有利である。
【0130】
上述した埋設されたセンサに加え、インタラクティブスマート靴はさらに触覚モータを備えてよい。
【0131】
キーストレス/圧点は、付随のモバイルアプリケーション上に示されてよい。モバイルアプリケーションの例については上述した通りである。モバイルアプリケーションは、足圧力分析を実施し、マッサージを起動して足の神経を刺激してよい。
【0132】
例として、フットウェア物品は、9つのアクチュエータと、9つの圧力センサと、加速度計と、ブルートゥーストランスミッタ/レシーバと、無線充電器と、USB充電設備と、当該物品のかかとに位置し、かかとをカチッと鳴らすことにより起動されるオン/オフスイッチと、リチウムイオン電池と、プリント回路基板と、ファームウェア-ソフトウェア統合物と、を備えてよい。
【0133】
例として、上記物品は以下の特定の特徴を有してよい。
・1日30分の使用
・5日間持続する電池(電池消耗が非常に少ない)
・モバイルアプリケーション上の電池寿命ゲージ/ディスレイおよびLEDインジケータ
・オン/オフかかと起動スイッチ(手動)
・カスタマイズされたマッサージ強度:高/中/低の異なるレベル
・モバイルアプリケーション統合および応答時間
・ソフトウェア統合-フィードバックループ
・耐荷重150kg
・通常の靴として着用できる防水性/耐水性
・(共有される)最大及び最小インソールの寸法での電子部品ユニット長さおよび3mmのケーシングを含む深さ
・iOSおよびAndroidとの互換性
・データ記憶
・日々の屋外使用に適切:通常使用/摩耗に耐える-通常の靴として着用される靴
・最高の快適性および継ぎ目のないエレクトロニクスの統合
・カスタマイズされたマッサージ強度:高/中/低の異なるレベル
・足の圧力ストレス点マッピング
【0134】
<可能な用途>
・例えば、足の圧力を測定して着用者の足にマッサージ/振動治療を提供することにより、ストレスを軽減して健康および幸福を促進するフットウェアまたはソックス。
・飛行機の乗客の足をマッサージして深部静脈血栓を予防するのに役立つフットウェアまたはソックス(そのような物品は飛行機の電源にUSBリード線などを介してプラグインできる、あるいは電池により電力を受けることができる)。
・ウェアラブルズ(例えば、フットウェアまたはソックス)は、全人的幸福を促進する(反射/迷走神経をターゲットとし、リラクゼーションを促進する)。このデバイスは、全人的幸福の目的のために1つ以上の磁石を組み込むこともできる。
・状況の自覚を促進するウェアラブルズ(例えば、フットウェアまたはソックス)。
・疲労を予防する学習ソール。
・スポーツをする人用のフットウェアまたはソックス: 例えば、
-アスリート(例えば、ランニングやジャンプをする際に足にかかる圧力を監視する)。
-サッカープレイヤー(例えば、サッカーボールをける際に足にかかる圧力を監視して、足のどの部分が使用されているかを判断し、プレイヤーの技術の改善に役立てる)。
-カーレーサー(例えば、アクセルペダル/靴相互作用を監視する。ペダルからのフィードバック)。
-探検家。
-兵士(軍靴)。
-ウォータースポーツシューズ(例えば、サーフィン、ダイビング用。セーフティ/GPS/ナビゲーション機能の組み込み可能)。
-野外活動用靴(例えば、ハイキング、登山用。足の裏を休めること/足の裏の回復を提供可能。)
・感覚的タッチ/触覚によるフィードバック用ウェアラブルズ(例えば、仮想現実用途)。
・車両座席用生地(例えば、圧力を測定して運転者または乗客の背中にマッサージ/振動療法を提供することにより、ストレスを軽減し、健康、幸福、覚醒を促進する)。
・接触を介してメッセージを送るための触覚によるフィードバックを含む、開発者/カスタマイズ用プラットフォームの一部としての用途(例えば、「ハグシャツ」、または距離を超えて(ハグ感覚などの)人と人とのつながりや感覚的タッチコミュニケーションを提供する他のウェアラブル。)。
・高齢者の独立した生活を補助するウェアラブルズ(例えば、フットウェアまたは手袋)。例えば、低握力または筋肉量低下を早めに知らせるインジケータを提供し、転倒のリスクを予測し、バイタルサイン(脱水症状や低心拍数など)を監視する。
・より高い解像度の健康ケア用医療用途(例えば、パーソナライゼーション、適応化、監視及び通知。これらは、特に稀な臨床所見において病気のパターンが見えにくい場合、発見につながる鍵となる)。
・ケアプラニングとの統合。
・リモート監視。
・長期的評価。
・判断サポート。
・早期の警告および介入。
・治療用途:パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性神経障害(バランスを助け、感覚障害のある人の転倒を低減するための可動性補助)、アルツハイマー病、1型糖尿病のサイン(つま先および足の指の付け根のふくらみの感覚喪失)の早期発見、リハビリテーション、脳性麻痺、義肢。
・ヘルスケアにおけるIoT:例えば、健康パラメータを効率的に監視するリモート監視。医師は、患者の状態を容易に追跡でき、重要な洞察が可能となり、より進んだ診断プロセスにつながる。これにより、病院において時間と資源の両方を節約でき、リアルタイムのデータを医師に届けることができる。このデバイスは医師のスマートウォッチまたはスマートフォンに警告を送ることができ、さらなる集中ケアを促進できる。さらに、この技術は、義肢および他のサポートデバイスに組み込むことができる。セーフティ用途には、リアルタイムでGPSトラッキングを行って効率的に位置を検出すること、女性や子供の安全に取り組むこと、認知症の親を助けることが含まれる。
・動物の足(feet)/蹄/足(paws)用のブーツ、ソックスまたはパッド:例えば、蹄鉄、馬場馬術リカバリーブーツ、スポーツブーツ、ならびに調馬、ジャンピング、ライディング、および総合馬術用のセンサリーラップ。特に問題となるのが、馬については、圧倒的多数の蹄割れが、蹄バランスが悪いことから生じることである。これは、身構えまたは動作中に、蹄壁のある部分に過度または不均衡な負荷がかかることに起因することが多い。これにより、蹄壁内の管状角構造に損傷が起き、強度が下がり裂けることになる。本発明の馬ブーツ実施形態を使用して馬の蹄にかかる圧力を監視することにより、疲労/傷害予防に繋げることができる。100%バランスが取れている足の馬はいない。したがって、我々は徐々に変化をもたらして、個々の馬のために可能な限りのバランスを達成するように努力するしかない。足を置かせることで、衝撃のかかる場所や、蹄壁にかかり得る力に対する洞察を得ることができるであろう。様々な実施形態により、訓練中や競技中における馬蹄に起こり得る痛みや歪の治療を提供し、予防的理学療法を提供することもできる。
・パーソナライズされた幸福:本研究はまた、パーソナライズされた測定および作動により幸福を促進することに使用され得る。用途例は以下を含み得る:姿勢を整えること;ユーザの体重にあった調整;人工知能とともに本研究を使用して集めたデータを介したヘルスケア用途での使用;ウェルネス測定;診断ツールとしての使用;局所疼痛管理。
【0135】
当業者ならば理解するように他の用途もまた可能である。
【0136】
<可能な変形例および代替例>
以上、詳しい実施形態といくつかの可能な代替例を説明してきた。当業者ならば理解するように、上記実施形態に対して多くの変形例とさらなる代替例が可能であるが、それらは具現化された発明から恩恵を受けるものに変わりはない。したがって、本発明は、上述した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲における当業者にとって明らかな変形例を包含するものである。
【0137】
例えば、図3を参照して上述した実施例について、ある変形例では、電源モジュール102は、「電流供給モジュール」(CFM)と称されてもよく、分析モジュール103は、「電流センシングモジュール」または「電流ソーシングモジュール」(CSM)と称されてもよい。CFM102は、電流(その特性は既知である)を生ずるように構成され、CSM103によって引き起こされた変化を分析するように構成される。CSM103は、CFM102により供給された電流をソースとし、結果を修正および分析するように構成される。
【0138】
さらに、図4を参照して上述した実施例について、ある変形例(例えば、インソールに適応され得る)では、電源モジュール102は、「電流供給モジュール」(CFM)と称されてもよく、分析モジュール103は、「電流センシングモジュール」または「電流ソーシングモジュール」(CSM)と称されてもよい。CFM102は、特性を読み取ることに加えて、例えばインソールに識別信号を送るように構成される。CSM103は、識別信号をソースとし、CFM制御に従って動作するように構成される。CSM103は、CFM102に対して電気的な比較を提供できる。
【0139】
<まとめ>
とりわけ、本研究は、編または織構造を提供する。前記構造は、導電性部分および非導電性部分と、計算構造と、電源構造と、センシング構造と、作動構造とを備える。前記構造は、異なるタイプの糸、フィラメント、または他の適切なテキスタイル素材でできた、導電性および非導電性領域を有し、肢を包むことを意図したオープン形状、または、肢を覆うことを意図した両端が開いた管状、または、肢を覆うことを意図した一端が開いた管状に、編まれていても織られていてもよく、電気活性素材または電気部品もしくは電子部品を備えてもよく、マイクロプロセッサ、センサ、アクチュエータ、電源、および電池を含むがこれに限定されない。
【0140】
本研究において記述したシステムは、第一に、ヘルスケアを意図している。これには、リアルタイム分析の可能性によりこの使用をサポートする編または織構造と、無線データ転送を介したスマートフォンまたは人工知能などの他のシステムへの接続とが用いられる。説明した本システムは、独立して動作可能であり、また接続状態での動作も可能である。
【0141】
本研究は、肢への取り付けに適切なケーシング内の編または織構造に計算構造を配置または製造するという課題を解決する。当該編または織構造の例としては、靴または歩行動作のために着用する構造などがあげられるがこれらに限定されない。この構造は、編または織構造内に電子機能を提供しつつ着用者の動作を阻害しない。
【0142】
本研究はまた、血液循環を改善するためのシステムを提供する。このシステムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、少なくとも1つのフットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、可撓性ウェアラブル素材とを備え、可撓性ウェアラブル素材は、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するためのウェアラブル素材へ統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、システムはさらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える。
【0143】
本研究はまた、血液循環を改善するための以下のシステムを提供する。このシステムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、少なくとも1つのフットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、1つ以上の導電性パスと、制御部に測定信号を提供するための少なくとも1つのフットウェア物品に統合されかつプロセッサに連結された1つ以上のセンサと、を備え、システムはさらに、1つ以上の導電性パスにより1つ以上のセンサに電力を供給するための電源を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2020-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液循環を改善するためのシステムであって、
前記システムは、プロセッサを備える制御部と、少なくとも1つのフットウェア物品とを備え、
少なくとも1つの前記フットウェア物品の1つ以上は、組合せてまたは単独で、前記制御部に連結されかつ制御される1つ以上のアクチュエータと、1つ以上の導電性パスと、前記制御部に測定信号を提供するために前記プロセッサに連結され、少なくとも1つの前記フットウェア物品に統合された1つ以上のセンサと、を備え、
前記システムはさらに、1つ以上の前記導電性パスにより1つ以上の前記センサに電力を供給するための電源を備え、
1つ以上の前記アクチュエータは、高ストレス点を含むユーザの足の裏の領域に局在させた個別に合わせたマッサージを含む振動/マッサージ機能を提供するように構成されている1つ以上のモータを備え、
前記制御部は、1つ以上の前記センサから受信した前記測定信号から前記高ストレス点を識別するように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記フットウェア物品はさらに剛性ベースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記剛性ベースは、1つ以上の前記アクチュエータおよび/または1つ以上のベースセンサを収容するための1つ以上の凹部を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
足囲周りに圧力を与えるための少なくとも1つの弾性繊維を備える可撓性ウェアラブル素材をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウェアラブル素材に統合された1つ以上の前記センサは、血圧を測定するための圧力センサを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御部は、所定の条件を満たす、1つ以上の前記センサから受信した測定信号に応じて1つ以上の前記アクチュエータを起動するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記可撓性ウェアラブル素材は編または織生地を備える、請求項4に従属する場合の請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
1つ以上の前記導電性パスは前記生地内の導電性糸から形成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
1つ以上の前記センサは前記導電性糸に取り付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記フットウェア物品は3Dプリント素材を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記電源は電池を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記電源は、他の場所から電力を受けることを可能にする入力部を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
1つ以上の前記センサは、圧力センサ、温度センサ、バイオセンサ、湿度センサ、加速度計、および傾斜計を含む群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
1つ以上の前記アクチュエータは1つ以上の加熱要素を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの前記フットウェア物品はマッサージ靴である、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1つの前記フットウェア物品はスリッパである、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの前記フットウェア物品は、ソックス、または、肢を覆うために両端が開いた管状物品、または、肢を覆うために一端が開いた管状物品である、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの前記フットウェア物品は、動物の足(foot)/蹄/足(paw)用の、ブーツ、ソックス、またはパッドである、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの前記フットウェア物品は第1のフットウェア物品と第2のフットウェア物品とを含み、前記第1のフットウェア物品は靴であり、前記第2のフットウェア物品はソックスである、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記ソックスは1つ以上の前記センサを備える前記可撓性ウェアラブル素材を備え、前記靴は1つ以上の前記アクチュエータを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも1つの前記フットウェア物品の少なくとも1つは、インソールを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記インソールは、少なくとも1つの導電性箔を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
少なくとも1つの前記導電性箔は、少なくとも1つのデータ信号と多重化した電力を受信および/または分配するように配されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記インソールは、少なくとも1つのボタンを収容する少なくとも1つの凹部を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記インソールはさらに、少なくとも1つのセンサボタンおよび/または少なくとも1つのアクチュエータボタンを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの前記凹部は円形である、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
少なくとも1つの前記フットウェア物品の少なくとも1つは、前記インソールと前記可撓性ウェアラブル素材との間に配置されているクッション層を備える、請求項4に従属する場合の請求項21~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記システムはさらに、前記高ストレス点を表示するように構成されているモバイルアプリケーションを備える、請求項1~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記モバイルアプリケーションはさらに、ユーザから指示を受けて前記ユーザの足の裏の特定の点をマッサージするように構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記導電性パス、導電性糸、または導電性箔のうちの少なくとも1つは、グラフェンを含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】