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特表2022-508771炭素質材料を処理する方法およびそのための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】炭素質材料を処理する方法およびそのための装置
(51)【国際特許分類】
   C10B 49/16 20060101AFI20220112BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20220112BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20220112BHJP
   B01J 23/745 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
C10B49/16
B09B3/00 302E
B09B3/00 ZAB
B01J23/745 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021546021
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 AU2019051099
(87)【国際公開番号】W WO2020073092
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】2018903826
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2019901620
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521155841
【氏名又は名称】シータ ホールディングス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィンター、ジョン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マクファーレン、ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4D004
4G169
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AA03
4D004AA12
4D004AA41
4D004AC05
4D004BA03
4D004CA09
4D004CA12
4D004CA27
4D004CB02
4D004CB41
4D004CC09
4D004DA03
4D004DA06
4G169AA02
4G169AA10
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC50A
4G169BC50B
4G169BC66A
4G169BC66B
4G169CC40
4G169DA08
4G169EA01X
4G169EA01Y
(57)【要約】
炭素質材料を処理するための方法であって、炭素質材料を反応器に送る工程と、触媒を反応器に送る工程と、炭素質材料を反応器内で比較的低温で処理して、炭素質材料を基部化合物に分解する工程と、を含む、方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素質材料を処理するための方法であって、
前記炭素質材料を反応器へ送り、
前記反応器へ触媒を送り、
前記反応器内で比較的低い温度で前記炭素質材料を処理して、前記炭素質材料を基部化合物に分解する
方法。
【請求項2】
出力材料から前記触媒の少なくとも一部を回収し、再使用のために前記触媒を再生することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒が酸化鉄系触媒を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒がイルメナイトを含む請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
高温砂または他の固体媒体の砂の形態で前記触媒を送ることを含む請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒が、前記反応器の長さに沿って設けられた複数の入力部を通して送られる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒および前記炭素質材料が前記反応器中で機械的に混合される請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記炭素質材料が、汚染物質としてパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記炭素質材料が汚染された有機材料を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応器により処理された出力材料から合成ガスを回収する工程をさらに含む請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
バイオチャーを出力材料から分離することをさらに含む請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応器からの合成ガス出力を二次反応器に送ることをさらに含む請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記二次反応器が、高温砂の形態の触媒を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ハロゲン化物要素を含有する炭素質材料を処理する方法であって、
前記ハロゲン化物要素を含有する前記炭素質材料を反応器へ送り、
前記反応器へ触媒を送り、
前記炭素質材料を前記反応器内で比較的低温で処理して、前記炭素質材料を部分的に分解し、完全に揮発させ、前記ハロゲン化物要素を遊離させ、捕捉する
方法。
【請求項15】
炭素質材料を処理するための装置であって、
前記炭素質材料を処理するための反応器容器と、
バイオチャーおよび触媒を含有する出力材料を前記反応器容器から移動させるための前記反応器容器からの出口と、
前記バイオチャーと前記触媒の少なくとも一部とを分離するための分離容器と、
前記バイオチャーをバイオチャー容器に送るための少なくとも1つの出口と、
前記触媒の少なくとも一部および任意の代替材料を予熱器に送るための少なくとも1つの出口と、
前記触媒の少なくとも一部および任意の代替材料を受容するための流動床と、
前記触媒の少なくとも一部を反応器に送るための戻りと、
を含む装置。
【請求項16】
2種類以上の炭素質材料を処理するためのシステムであって、
第1の反応器および1つ以上の分離器を含む第1の反応器アセンブリと、
1つ以上の反応器および1つ以上の分離器を含む第2の反応器アセンブリと、
流動床と、を備え、
前記システムは第1のタイプの炭素質材料が少なくとも前記第1の反応器アセンブリを含む第1の処理流を通して処理され、第2のタイプの炭素質材料が少なくとも前記第2の反応器アセンブリを含む第2の処理流を通して処理されるように構成され、前記流動床は前記第1の処理流および前記第2の処理流の両方において利用される
システム。
【請求項17】
汚染物質が前記第1の処理流を通して処理される請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
バイオマスが前記第2の処理流を通して処理される請求項16または請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、炭素質材料、特にハロゲン化物要素を含有する材料を処理する方法に関し、より詳細には反応器および関連するシステムにおいて炭素質材料を処理する方法に関し、この方法は、その場でのまたは別個のステップでの接触部分酸化を伴う低温熱分解反応と、方法の生成物の少なくとも一部を回収する方法とを含む。
【背景技術】
【0002】
熱分解反応器は、酸素またはハロゲンの非存在下で、高温で有機材料の熱化学的分解を提供する。熱分解は化学組成および物理相の同時変化を伴い、不可逆的である。反応器の設計は熱化学変換のためのエネルギーを提供するために、2つの主要な熱伝達モードとして、直接、間接、または両方の組み合わせを用いることができる。間接加熱は金属伝熱面に依存し、これがこの種の装置を拡張する際の制限因子であり、その結果、合理的なプラントスループットを達成するために複数のユニットが並列運転される。この結果、資本コストが高く、保守コストが高く、運転コストが高く、熱効率が低い。この種の設備の例は、ロータリーキルン、ドラムキルン、レトルト(固定床)、オーガ、融除および真空反応器である。幾つかの新規な間接加熱方法は、電気(放射および/または伝導)、プラズマ、マイクロ波および太陽エネルギーを含む。これらの方法は、典型的には安価な電気および不活性キャリアガスを必要とする。さらに、これらの複雑な加熱方法は、高い運転コストおよび資本コストを有する。
【0003】
直接的な熱伝達は、高温の使用済み燃焼ガスの流れ又は不活性ガス(通常は合成ガス)の再循環を用いて達成することができる。高温の使用済み燃焼ガスを使用すると、合成ガスが二酸化炭素および窒素で著しく希釈され、その結果、非常に低カロリーの合成ガスが得られる。これは、一旦冷却されると自己燃焼に十分な燃料価値を有さないため、利用価値が薄い。合成ガスの再循環を使用することは、余分な再循環ガス体積を取り扱うためにオフガス洗浄システムをはるかに大きくする必要があり、ガスを再圧縮しなければならないという欠点を有する。さらに、熱分解オフガス(原合成ガス)は、タールおよび油を凝縮および除去するために湿式洗浄(冷却)されなければならない。従って、リサイクルガスは80℃程度から+800℃までサイクル毎に再圧縮・再加熱しなければならず、その結果、熱効率が低く、運転費が高くなる。さらに、再循環合成ガスは、間接熱交換器を使用して再加熱されなければならず、その結果、資本コストが高くなる。熱分解反応器を通る高いガス流は、バイオチャーの収率を低下させる。この技術の例は、固定床レトルト、多炉床炉、流体床および混入流反応器である。
【0004】
背景技術に対する上記の参照は、当該技術が当業者の共通の一般的知識の一部を形成することを承認するものではない。上記参照はまた、本明細書に開示されるようなアクチュエータ、アクチュエータの製造方法、およびその組成物への適用を限定することを意図していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は一般に、汚染された有機材料、PFAS、およびハロゲン化物要素を含有する他の廃棄材料を含む炭素質材料の処理に関する。また、開示された方法は、他の炭素質材料にも適用できることを理解されたい。
【0006】
幾つかの形態では、方法が有機材料原料を基材成分に分解するために熱分解を使用して有機材料を処理するために利用される。幾つかの形態では、方法は、炭素などの処理の生成物または出力の幾つかの回収を含む有機材料の低熱コスト処理である。この方法は、PFAS、PVC、亜炭、動物廃棄物、木材チップ、わら、バイオソリッドなどの多様な範囲の有機組成物を処理するために使用することができる。方法の幾つかの形態では、方法が廃棄物/汚染物質(PFAS、バイオソリッド、PVCなど)の処理、熱の回収、エネルギーの回収、清浄合成ガスの回収、バイオチャーの回収、水の回収、水素の回収、および土壌の回収をもたらす。
【0007】
しかし、この方法は、これらの応用または出力に限定されないことが理解されるであろう。この方法は供給原料の変動性を取り扱い、広範囲の条件にわたって適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、炭素質材料を処理するための方法が開示され、この方法は、炭素質材料を反応器に送る工程と、触媒を反応器に送る工程と、炭素質材料を反応器内で比較的低温で処理して、炭素質材料内の有機化合物を遊離および分解する工程とを含む。
【0009】
幾つかの形態では、本方法が高温砂の形態の触媒を送ることを含む。幾つかの形態では砂は緩いまたは細かい粒状物質を含む。幾つかの形態では、高温砂または触媒が反応器の長さに沿って複数の離間した点で送られる。幾つかの形態では、高温砂又は触媒が供給原料と機械的に混合される。
【0010】
幾つかの形態において、触媒は、酸化鉄ベースの触媒を含む。幾つかの形態では、触媒はイルメナイトを含む。この方法は、より安定な化合物を形成し、安全な廃棄を可能にする目的でハロゲン化物要素を捕捉するように調整された、熱伝達媒体触媒と共にその場での吸収剤の使用を含むことができる。この例は、気体塩素の存在下で反応して、非常に安定な固体塩化カルシウムを形成する酸化カルシウムである。
【0011】
幾つかの形態では、本方法が出力材料から触媒の少なくとも一部を回収すること、および本方法で再使用するために触媒を再生することを含む。
【0012】
幾つかの形態において、反応器方法は、出力材料を生じる。幾つかの形態では出力はバイオチャーを含み、幾つかの形態ではバイオチャーは出力材料から分離されてもよい。
【0013】
幾つかの形態では、方法が触媒の一部または全部、および炭素または燃料の一部または全部を反応チャンバに回復させるように構成される。
【0014】
幾つかの形態では、方法が合成ガスを二次反応器に送ることを含む。二次反応段階は、遊離したガス状有機化合物のさらなる分解を確実にするために提供され、それによって、第1段階からのオフガスが新鮮な再生触媒と接触される。これらの成分の部分酸化は時にはガス化と呼ばれ、第1段階の熱分解よりも高い温度で起こり得、清浄な非汚染合成ガス流を形成する。
【0015】
幾つかの形態では、単一の流動床を利用する並列方法で炭素質材料の複数の流れを処理する方法が開示される。
【0016】
記載されるような方法および装置の範囲内に入り得る任意の他の形態を排除することなく、特定の実施形態が、単なる例として、添付の図面を参照して、ここで記載される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態の処理システムの等角正面図を示す。
図2図1の実施形態の等角背面図を示す。
図3】本開示の一実施形態のフィーダアセンブリの等角図を示す。
図4】本開示の一実施形態の燃焼器ライザアセンブリの等角図を示す。
図5】本開示の一実施形態の分配器の等角正面図を示す。
図6図5の分配器の等角背面図である。
図7】本開示の一実施形態のエレベータアセンブリの等角図を示す。
図8】本開示の一実施形態の流動床アセンブリの等角図を示す。
図9】本開示の一実施形態のガス化反応器の等角図を示す。
図10】本開示の一実施形態の反応器アセンブリの等角図を示す。
図11】本開示の一実施形態のセパレータアセンブリを示す。
図12】本開示のさらなる実施形態のアセンブリの側面図を示す。
図13図12の装置の上面図を示す。
図14】本開示の一実施形態の装置の側面図を示す。
図15図14の装置の正面図を示す。
図16図14の装置の側面図を示す。
図17】本開示の一形態の反応器の実施形態の等角図を示す。
図18図17の反応器の上面図である。
図19図17の反応器の側面図を示す。
図20】本開示の一実施形態の方法の簡単なフローチャートを示す。
図21】本開示の第2の実施形態の方法のフローチャートを示す。
図22】本開示の方法の一実施形態のブロックフロー図を示す。
図23】本開示の一実施形態の砂分配システムおよび反応器のブロック図を示す。
図24】本開示の一実施形態のガス化システムのブロック図である。
図25】加熱用の流体ベッドの組み合わせのブロック図である。
図26】本方法のさらなる実施形態のブロックフロー図である。
図27】本方法のさらなる実施形態のブロックフロー図である。
図28】本方法のさらなる実施形態のブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の態様によれば、炭素質材料を処理するための方法が開示され、この方法は、炭素質材料を反応器に送る工程と、触媒を反応器に送る工程と、炭素質材料を反応器内で比較的低温で処理して、炭素質材料を基部化合物に分解する工程とを含む。
【0019】
幾つかの形態の方法は、高温固体を使用する直接熱伝達に基づく。幾つかの形態では、易流動性砂様材料を別々に加熱し、次いで熱分解反応器中でバイオマスまたは供給原料と一緒に混合する。この方法は、合成ガスを窒素または二酸化炭素で希釈することなく、熱源から間接的に(しかしバイオマスに直接的に)熱を供給するという利点を有し得る。
【0020】
幾つかの形態では、方法が出力材料から触媒の少なくとも一部を回収するステップと、方法で再使用するために触媒を再生するステップとをさらに含む。
【0021】
幾つかの形態では、出力材料はバイオチャーを含む。
【0022】
幾つかの形態において、触媒は、酸化鉄ベースの触媒を含む。幾つかの形態では、触媒はイルメナイトを含む。
【0023】
幾つかの形態では、触媒または伝熱媒体が反応成分または吸収剤を含有することができる。幾つかの形態では、吸収剤は酸化カルシウムを含む。
【0024】
幾つかの形態において、炭素質材料は、1およびポリ-フルオロアルキル化合物を含む。幾つかの形態において、炭素質材料は、ハロゲン化物またはハロゲン化化合物汚染有機材料を含む。
【0025】
幾つかの形態では、本方法が反応器処理の出力材料から合成ガスを回収する工程をさらに含む。
【0026】
また、炭素質材料を処理する方法が開示され、この方法は、鉄系触媒を用いて、炭素質材料を還元環境の低温反応器内で処理することを含む。
【0027】
さらに、炭素質材料を処理するための装置が開示され、この装置は、炭素質材料を処理するための反応器容器と、バイオチャーおよび触媒を含む出力材料を反応器容器から移動させるための反応器容器からの出口と、バイオチャーおよび触媒の少なくとも一部分を分離するための分離容器と、バイオチャーをバイオチャー容器に送るための少なくとも1つの出口と、触媒の少なくとも一部分および任意の代替材料を燃焼器に送るための少なくとも1つの出口と、触媒の少なくとも一部分および任意の代替材料を受け取るための流動床と、触媒の少なくとも一部分を反応器に送るための戻りとを含む。
【0028】
炭素質材料は例えば、GACなどの汚染有機材料、またはバイオマス、有機廃棄物、廃水処理からのバイオソリッド、食肉処理場または他の有機事業からの廃棄物流、汚染土壌および化石燃料廃棄物などの他の廃棄有機材料を含むことができる。幾つかの形態では、汚染物質はPFASである。
【0029】
幾つかの形態では、この方法が高温砂で加熱された別の容器中での熱分解から発生する油及びタールの二次ガス化を可能にする。これは、無駄な廃棄物流がない、または結果として「悪臭」がないという利点を有し得る。
【0030】
熱伝達は自由流動性の固形材料、すなわち、950℃または同様の温度の流動床と約500℃の流出温度で作動する熱分解ユニットとの間で再循環される砂状材料を使用して達成される。使用可能な伝熱媒体の例はイルメナイトである。
【0031】
この熱伝達方法を使用すると、大気中の窒素で希釈されないので、高カロリーの合成ガスを共生成することができる。熱分解からの原合成ガスは残留タールおよび油を分解(ガス化)するためにさらに高温砂を使用する別個の容器内で「過熱」され、または第1段階で遊離されたハロゲン化物有機化合物をさらに分解し、したがって、処分または処理するための通常のタール、油または危険な廃棄物を全く伴わずに清浄な合成ガスが生成される。これはまた、一般的な植物臭気および逃散性放出物を低下させる。合成ガスの約30%は、流動床を加熱するために使用され、過剰分は加熱または発電に利用可能である。
【0032】
流動床からの廃熱は、入力バイオマス供給原料を乾燥させるために使用され、それによって高い全体的な熱効率を達成する。最終オフガスは、粒子状物質および水溶性成分を除去するために湿式スクラビングされる。
【0033】
反応器は、複数の高温砂の注入点を含み得る。これは、チャー、合成ガスの改善された収率および汚染物質の除去のための最大温度制御を提供する制御された低速度自己熱分解を提供するという利点を有し得る。ある形態では高温砂分配アセンブリが使用され、このアセンブリは反応器内の一連の離間した入力部に高温砂を供給する。高温砂分配アセンブリは、単一の高温砂入力部と、ライザ室内の密度を減少させ、高温砂を複数の出力部内に移動させるために十分な流動化空気を加えることによって制御され得る複数の出力部とを含んでもよい。
【0034】
反応器は幾つかの形態では追加の生成物流を提供するために、触媒砂材料または鉱物の熱処理を使用することができる。
【0035】
幾つかの形態では、反応器を機械的に撹拌して、良好な混合、均一な温度、良好な滞留時間管理を達成し、閉塞を回避する。合成ガスの一部の再利用を伴う部分流動化は反応器を通る温度制御および材料移動を補助し、得られるバイオチャー特性を増強することができる。この方法は、熱分解反応器の拡張が熱伝達面積ではなく、機械的設計によってのみ制限されるという利点を有し得る。
【0036】
使用済み砂の再利用は砂を冷却する必要なしに、特別なエレベータまたは空気圧移送を使用して達成することができる。
【0037】
砂の再加熱からの廃棄エネルギーは幾つかの形態において、入力バイオマス供給物を乾燥させるために使用され得、これは、熱効率を最大にし、そして合成ガス品質を増加させる。
【0038】
この技術の利点は、以下を含み得る。
・すべての廃熱が供給バイオマスの予備乾燥および/または燃焼空気予備加熱に利用されるので、高いエネルギー効率を有する。
・好ましい反応器条件(低速度熱分解)によるバイオチャーの高収率を有する。
・バイオチャー特性の制御(異なる用途への販売を可能にするため)が可能である。
・いくらかの油およびタールは原合成ガス中に存在し、これは、別個のガス化反応器中で処理され、これはまた、高温砂を使用して、これらの油およびタールをより多くの合成ガスに変換し、したがって、副生成物および臭気に対応する必要がない。
・熱分解ガスは、いかなる不活性ガスまたは燃焼生成物によっても希釈されない。
・処理条件、温度、ホットスポットまたはコールドスポットを伴わない滞留時間の良好な定常状態制御が可能であり、したがって、より一貫した製品品質が得られる。
・ガスの流れを詰まらせたり、詰まったりする危険性がなく、幅広い原料の種類やサイズを処理することができる。
・簡単な起動と停止が可能である(プラントを急停止する必要がある場合、配管内のオイルとタールの結露が生じない)。
・設備がシンプルでありメンテナンスしやすい。
・触媒材料を使用して熱分解を助け、排出物を減らすことができる。
・生成物バイオチャーの一部は、(活性炭のように)合成ガスクリーニングのために利用され、次いで治療のためにシステムに戻されてもよい。
・安全運転、低漏洩排出が可能である。
・幾つかの形態では、システムが反応器内で5分の1または10分の1の長さを使用するという利点を有することができる。
・窒素がシステムに添加されないので、合成ガス出力を、清浄でありかつ窒素が除去された状態とすることができる。
【0039】
次に、図を参照すると、図1および図2は、開示の一実施形態の反応器アセンブリを示す。
【0040】
アセンブリ1において、送出シュート11およびスクリュー供給部12を含む材料供給器10は、アセンブリ1における処理のためにバイオマスまたは他の材料を送出する。スクリュー供給部12は一次熱分解反応器14内に延在し、反応器からの合成ガスの逆流を制限するためのガスシールを提供する。反応器は長手方向に延在する。材料は一次反応器14で処理され、処理された材料は一次熱分解反応器14から分離器15に移動される。
【0041】
使用済砂とバイオチャーは、分離器15によって分離され、使用済砂はエレベータ16を通って燃焼器ライザ17に移動し、流体床19に移動する。流体床19からのオフガスは、サイクロン22へ通過する。合成ガスは一次反応器14から、合成ガスサイクロン21を介して二次ガス化反応器20に移動される。
【0042】
一次及び二次反応器14及び20の両方は、イルメナイト又は砂分配システム23からの代替の細かい高温砂の形態で砂を供給される。
【0043】
次に図3を参照すると、材料供給器10は、材料を受け取るために配置された送出シュート11とスクリュー供給部12とを備える。送出シュート11は、摺動蓋を使用して、または任意の他の方法で閉じることができる。
【0044】
スクリュー供給部12は、上向きに延びる傾斜管を含む。図示の形態では、スクリュー供給部12が水平に対して約10度~45度の角度をなしている。これは、バイオマスの逆燃焼を回避するという利点を有し得る。チェーン駆動または他のシステムが、スクリュー供給部内に位置する回転ツインスクリュー13にモーターを接続する。回転スクリュー13は、制御された速度でバイオマスを反応器に送るために回転する。幾つかの形態では、反応器に平均出口温度を提供するために、速度を手動で制御することができる。スクリュー供給部の上端は、原合成ガスの逆流を制限するプラグ形成を可能にするためにスクリュー形状を含まない。バイオマスはスクリュー供給部12から一次反応器14に供給される。幾つかの形態では、冷砂又はイルメナイトもまた、補給の流動床レベリングウェイに基づいて必要に応じて材料供給器10に添加される。
【0045】
図4を参照すると、図示された形態の燃焼器ライザは、略円筒形の直立燃焼容器25と、複数の出口26とを備える。流動床19からの廃熱は戻り砂を予熱するために、または燃料をその場で燃焼させて、熱または代替物を提供するために利用することができる
【0046】
次に、図5および図6を参照すると、砂分配システム23は、単一の入力部と、非機械的バルブによって制御される複数の出力部27とを備える。代替の実施形態では、大規模機械弁を利用することができる。ある形態では、高温砂の送出が反応器の所与のゾーン内の熱に応じて手動で制御される。代替実施形態では、これは自動化することができる。出力部に移動する砂の制御は、所与の出力部への砂の移動をもたらす分布アセンブリの所与の領域に送られる流動化空気の量を通して作動される。高温砂は、必要に応じて、配水システム23から一次反応器14、二次反応器20、および燃焼器ライザに分配される(始動時のみ)。出力部は入力部を手動で制御することによって制御することができ、または出力部は、入力部を制御することによって自動化することができる。
【0047】
図7を参照すると、エレベータ16は、酸化システムと還元システムとの間にガスロックを備えたエレベータを備えている。流動床容器を図8に示す。
【0048】
図9を参照すると、二次反応器は、高温砂を入力合成ガスと混合することができる容器30を含む。図示の形態では、所定角度で出会う二重角度管31を有する。v字型漏斗状容器32をさらに有することで、混合を可能にする。高温砂および合成ガスが反応器内で混合され、反応器内部は、合成ガスから残留油およびタールをガス化するのに十分に高温である。これは、システムの詰まりを低減するという利点を有する。代替の実施形態では、一連のライザおよびサイクロンを使用することができる。その意図は、閉塞を引き起こす可能性がある領域を合成ガスに通過させないことである。合成ガスは、出口で850℃以上に加熱する必要がある。
【0049】
図10を参照すると、一次反応器は、供給器からの材料が反応器に供給される入力端51から延びる細長い容器50を備える。容器50は、図示された形態で高温砂分配システムからの高温砂の進入を可能にする複数の進入部53を通過して延在する。これは、反応器を反応ゾーンに分割する。反応容器50内に配置された二重軸パドルホイールオーガが回転し、供給装置から供給されたバイオマスを高温砂と混合する。
【0050】
ある形態では、温度を一定に測定することによって、高温砂やバイオマスの投入を制御することができる。幾つかの形態では、パドルの形状又は反応器の出口端部での回転速度を変えることによって滞留時間を許容する。次いで、反応器からの材料を分離器に移動させる。幾つかの形態では、反応段階は別個のミキサーであり、使用済み砂の独立した分離を含んでもよい。
【0051】
図11を参照すると、セパレータは、種々のタイプまたは開口の1つ以上のスクリーンを組み込んだセパレータ容器58を含んでもよい。磁気分離および物理的分離を使用してもよい。
【0052】
さらに、図12図16を参照すると、炭素質材料を処理するための装置のさらなる実施形態が開示されている。装置200は、炭素質材料を反応器202に進入させるためのインフィード201を含む。反応器は、熱分解反応器であってもよい。反応器202からの生成物は分離器203に移動され、そこで材料が分離される。この時点で補充用イルメナイトを追加してもよい。次いで、イルメナイトなどの触媒は燃焼器ライザ204に進み、そこで流動床205に上昇され、回収され、反応器に戻されて、反応器内でのさらなる反応を触媒することができる。バイオチャーはバイオチャービン206に分離される。燃焼器ライザ204は、円筒状の燃焼容器208と、流体床205と接続されたサイクロン210に至る上方に延びるパイプ209とを備える。分離の方法は反応器202からタールクラッカーに、次いで水急冷/スクラバーに合成ガスを除去することを含む。過剰の合成ガスは、スタック209を介してフレアされる。
【0053】
図17図19を参照すると、複数の混合ゾーンを含む反応容器が開示されている。混合ゾーンは、高温固体進入ポイントを介して配置され、設定される。ゾーンは温度制御を行う。反応容器は、流動化を改善するためのプラウをさらに含む。反応器202は、供給部284からオーガ285を通って排出部286まで延びている。インフィードは、材料を反応器本体270に導くための入口導管288およびオーガ285を含む。反応器本体270は、流れを補助または遅らせるために角度をつけることができるパドルを備えた二軸274の図示の形態で構成される機械的に補助される流動床/混合器273を含む。
【0054】
材料がインフィード284を通って入ると、原合成ガスは合成ガス排出口275から出ることができる。高温砂または代替材料は、複数の高温固体進入点277で注入される。これにより、反応器202内にゾーンが形成される。
【0055】
次に図20を参照すると、開示の一実施形態の簡単なフローチャートが示されている。炭素質材料302を処理する図示の方法301は、炭素質材料302を反応器303に送るステップを含む。
【0056】
この方法は、燃料306、空気307および触媒308を反応器に導入することをさらに含む。燃料は、任意の商業的に入手可能な清浄燃焼気体または液体炭化水素燃料、またはバイオマス、石炭または木炭のような固体燃料からなることができる。幾つかの形態では、燃料は合成ガスであってもよい。触媒は、例えばイルメナイトなどの酸化鉄触媒の形態であってもよい。燃料306の空気307および触媒308は、反応器303への出口を含む流動床311に送ることができる。燃焼排ガス309は流動床から除去される。有機材料302および高温触媒308は、反応器303内で合流する。
【0057】
反応器303は、幾つかの形態では加熱された固体媒体との接触によって有機材料を部分的に燃焼させるように作用する熱分解反応器を含むことができる。幾つかの形態では、加熱された固体媒体はイルメナイトを含む。幾つかの形態では、反応器が有機材料を幾つかの加熱ステップにかけるように形成されてもよい。図示の形態では、加熱ステップが500~900℃の比較的低い温度に維持される。
【0058】
反応器の生成物は反応器から分離チャンバ310に送られ、ここで、清浄な材料312および回収可能な材料は互いに分離され、清浄な材料312は出口を通って進み、一方、回収された材料は流動床311に送られ、そこで、反応器303に送られ得る。幾つかの形態では、回収された材料が使用済み触媒および燃料の少なくとも幾つかを含む。幾つかの形態では、分離器はスクリーニングを含む。使用済み触媒の一部は、触媒の完全性を維持するために破棄されてもよい。
【0059】
材料はさらに、反応器および流動床の両方から少なくとも1つのスクラバーに進む。図示の形態では、ガス状材料が、二次ガス化が起こる乾式スクラバー314を通って進み、湿式スクラバー315に至る。例えば、CaCO3のような中和剤317を湿式スクラバー315に添加することができる。清浄オフガス318および沈殿した固体319は、湿式スクラバーから除去される。
【0060】
この方法は汚染された有機材料、特に汚染されたハロゲン化物を比較的低い温度で処理し、したがって従来技術のシステムよりも低いエネルギー入力を必要とするという利点を有する。反応温度をほぼ900℃未満に保つことによって、温度は、1100℃を超える温度を必要とする他の系と比較して比較的低く保たれる。さらに、この方法は、熱伝達および触媒を提供する媒体としてイルメナイトを利用する。幾つかの形態の方法は約500℃での放出および約1000℃での揮発性汚染物質の破壊を可能にし、一方、幾つかの形態では炭素を回収し、再活性化することができる。幾つかの形態では、システムが触媒の少なくとも一部を再使用するために、触媒の回収を可能にすることができる。
【0061】
ここで図21を参照すると、炭素質材料の処理のための方法の第2の実施形態が開示されている。方法は、炭素質材料321を、乾燥機323を介して反応器322に送ることを含む。乾燥機は、幾つかの形態ではオフガスサイクロン325を含む標準的な処理装置を利用することができる。
【0062】
反応器322内で、材料は200℃を超える温度で加熱され、300℃を超える温度で焼き戻しを開始し、最後に500℃を超える温度で熱分解を開始する。幾つかの形態では、反応器の温度が800℃~900℃未満のままである。
【0063】
この方法はさらに、合成ガスの形態であってもよい燃料と、イルメナイトなどの酸化鉄触媒の形態であってもよい触媒とを、流動床327、一次スクラバー328(これは上記のドライスクラバーと同じである)、ライザ330、ならびにライザサイクロン331、流動床オフガスサイクロン332および合成ガスサイクロン333を含む複数のサイクロンを経由して反応器322に送ることを含んでもよい。
【0064】
反応器322で処理した後、材料は分離チャンバ335に送られる。分離チャンバは、幾つかの形態では回転スクリーンまたは代替の分離器を備えてもよい。分離チャンバからの材料は、嫌気性冷却器、およびバイオチャー336、幾つかの焙煎鉱物触媒337、および冷却水338を含む材料に送られる。鉱物/熱伝達媒体または触媒のような材料はライザ340を通ってライザサイクロン331に、そして流動床327に移動される。
【0065】
図22を参照すると、炭素質材料を処理する方法が開示されている。この方法は、バイオマス401、を二軸スクリュー供給器を含む供給器402に供給すること、およびバイオマスを一次反応器403に送ることを含む。図示の形態の一次反応器は、容器内に二重軸パドルホイールを備えている。反応器は、160℃~300℃~500℃までバイオマスの熱を増加させることができる。
【0066】
高温砂またはイルメナイトは、高温砂分配アセンブリ404から反応器403に送られる。高温砂は、反応器を異なる温度を有するゾーンに効果的に分割する複数の入力部で送られる。ダブルシャフトパドルホイールは、バイオマスと砂を混合する。定期的な温度測定により、高温砂流通アセンブリからの砂の管理された送ることが可能になる。
【0067】
幾つかの形態では、高温砂がイルメナイトまたは代替の鉄系触媒などの触媒である。
【0068】
原合成ガスは、一次反応器から放出され、合成ガス化のために二次反応器410に送られる。これは、排ガスを加熱し続け、タールおよび油をより小さい分子量の成分に分解して、油およびタールによる縮合および閉塞を減少させる。清浄な合成ガスは、圧縮機に放出され、燃料としてフレア状にされ、放出され、または再使用されてもよい。
【0069】
プラントの重要な目的は、合成ガス組成を決定することである。
【0070】
処理されたバイオマスは、バイオチャー生成物および焙煎砂を流れから分離するための複数のスクリーンを含み得る分離器に送られる。分離器から窒素をパージすることもできる。材料は分離器からオルズエレベータ406に続き、次に燃焼器ライザ407に入る。図示の形態の燃焼器ライザは、温度を750℃まで上昇させる。空気を噴射して上昇率を制御する。
【0071】
材料は、900℃より高くてもよい流動床411に移動される。複数のサイクロンが、さらなる処理のために材料からオフガスを分離するために使用される。
【0072】
図23を参照すると、一次反応器403における熱分解のより詳細が示されている。バイオマス供給物401は、一次反応器403に送られる。一次反応容器420内には、バイオマスを反応器内の高温砂触媒と混合する二重軸パドルホイール421がある。高温砂触媒は、反応器内の温度測定に応じて手動または自動のいずれかで作動する複数の非機械的バルブを備える高温砂触分配システム404から送り出される。
【0073】
高温砂触媒は、分配器アセンブリ404から一連の管423を介して反応器403の種々のゾーンに供給される。反応器は、幾つかのゾーンに緩く分割される。図示の形態では、ゾーンが加熱ゾーン、焼成ゾーン、熱分解ゾーン、および自生ゾーンを含む。これらは、高温砂の投入によって定義される。ゾーンの温度は、マルチ容器高温砂分配システム403から追加の高温砂が必要とされる時期を示す。幾つかの形態の高温砂分配システムは、単一の入力425及び複数の出力を有する。図示の形態では、複数の出力部が7つの出力部を含む。4つの出力部は高温砂を一次熱分解反応器403に送り、他の3つの出力部426は、高温砂を二次反応器および処理システムの残りの部分の流体床に送り出す。
【0074】
一次反応器からの材料は分離器405に送られ、分離されて反応器に戻り、バイオチャーまたは使用済み砂として放出される。
【0075】
図24を参照すると、二次反応器及び合成ガスのガス化のより詳細が示されている。一次反応器からの原合成ガス501は、二次反応器502に送られる。図示の形態の二次反応器は、角度をなして会合する二重角度管として成形されている。高温砂および合成ガスが反応器内で混合され、反応器内部は、合成ガスから残留油およびタールをガス化するのに十分に高温である。これは、システムの詰まりを低減するという利点を有する。反応器の二重管の会合点には、高温砂流の方向の変更を可能にするために、転向弁505が含まれる。材料は漏斗状容器506および合成ガスサイクロン507に進む。
【0076】
図25は、砂を加熱するための流体床の組み合わせのブロック図を示す。流動床は、第1の流動床515および第2の流動床516を含む。高温砂分配アセンブリからの高温砂は、第1の流体床515に送られる。流動空気、固体および燃料を添加し、流動床を約750℃に加熱する。第2流体層に物質が流れ、燃焼空気流動化空気と燃料が加わる。温度を約950℃に上昇させる。高温砂は燃焼オフガスが排出される間に、導管517を介して分配システムに送られる。
【0077】
(例)
表1はバイオチャーに対するパーセンテージ収率と共に、反応のための例示的な供給原料および温度を示す。
【表1】
【0078】
(例2)
滞留時間が15分であり、操作圧力が大気圧であるさらなる試験作業を完了した。
【0079】
幾つかの形態では、滞留時間は1時間までである。幾つかの形態では、熱分解の温度がほぼ600℃とほぼ900℃との間である。幾つかの形態では、最終的な分解工程(一次スクラバーまたは乾式スクラバーのいずれかにおいて)が約750~1000℃で操作することができる。幾つかの形態では、最終分解工程の温度がほぼ800℃である。
【0080】
表2に示すように、PFAS治療の固体結果は、低い操作温度でのPFAS化合物の除去を確認する。
【表2】
【0081】
表3は、オフガススクラバーからの水サンプルを示す。
【表3】
【0082】
これらの結果は、PFAS化合物が予想されたよりもはるかに低い温度で熱的に脱揮され、続いて汚染物質分のみの完全な熱分解が行われたことを示す。
【0083】
図26は、炭素質材料の2つ以上の型または流れを並行して処理するための方法のさらなる実施形態のフローチャート図を示す。このシステムは2つの別々の供給器および2つの別々の反応器を可能にするが、各反応器システムから採取できる高温砂の単一供給源を含む。図示された方法601では炭素質材料604の形態の汚染物質の第1の流れが、第1の反応器605に送られる。第1の反応器605からの処理された材料は、2つのチャネルで第1の反応器605から外向きに流れる。第1のものは、第1のスクリーン606でスクリーニングされ、処理された材料608として出力される。第1のスクリーン606でのスクリーニングの間、第1のスクリーン606によって妨害された材料は、さらなる処理のために共通の流動床613に送られる。
【0084】
材料の第2の流れは、第2の反応器611に送られ、反応され、スクラバー612に送られる。CaCO3の形態の追加の物質613は、スクラバー612に送られる。612の出力は、清浄オフガスとして放出点614で放出される。
【0085】
バイオマス615の形態の材料の第2の流れは、第3の反応器617に送られる。第3の反応器617から、材料は、第4の反応器619または第2のスクリーン622のいずれかに送られる。反応器の出力は、第2のスクリーン622でスクリーニングされ、処理された材料608として出力される。第2のスクリーン622でのスクリーニングの間、第2のスクリーン622によって妨害された材料は、バイオチャー燃料として共通の流動床613に送られる。
【0086】
第4の反応器619に供給された出力は、第2のスクラバー620を通って処理され、清浄な合成ガス燃料として共通の流動床に戻される。
【0087】
共通流体層は使用済燃焼オフガス625を出力し、高温砂を4つの反応器に流すことを可能にする。
【0088】
スクリーンは、磁気分離器、物理的スクリーン、または任意の他のスクリーンシステムの形態であってもよい。
【0089】
このシステムの技術的利点は、汚染物質処理およびバイオマス処理の両方のための共通の流動床を提供することである。バイオマスは、燃料用の合成ガスと、燃料または土壌添加剤または必要に応じたサイズの炭素隔離のためのバイオチャーとに変換される。異なる供給原料からのガス流は混合せず、清浄な合成ガスの供給を可能にする。
【0090】
システムのさらなる実施形態を図27に示す。バイオチャー701のような供給材料は混合および供給システム702に、そして一次反応器703に送られる。一次反応器は高温触媒砂のような高温媒体と混合することにより、500~700℃での熱分解で材料を処理する。反応器はまた、材料が移動する4つのゾーンまたはステージを含む。高温媒体は、導出システムを介して流動床705から反応器703に送られる。
【0091】
反応器703からの処理された材料は、1つ以上のスクリーンを含む分離器707に移動される。バイオチャー生成物は、戻り媒体が予熱器/上昇管708を介して流動床705に戻される間に放出される。
【0092】
反応器703からの原合成ガスは、揮発性炭化水素を約900℃でガス化するために二次反応器709に供給される。一旦ガス化され、サイクロンを通して分離されると、流出物は排ガス、温水、固体、使用済みバイオチャーが放出され得るように、一連のスクラバーおよび熱交換器を通って送られ得る。
【0093】
方法のさらなる実施形態を図28に示す。この実施形態では、汚染土壌901またはGACが500~700℃でのPFASの熱脱着のために、供給システム902を介して一次反応器に送られる。熱交換器903および嫌気性冷却器904は、熱を交換するために使用される。
【0094】
使用済砂および清浄土はスクリーンおよび磁気分離を通して分離器907によって分離され、使用済砂は燃焼器ライザ908を通って流体床909に移動する。清浄な土壌910は、流動床909からの生成物オフガスがサイクロン22を通過する際に放出される。一次反応器902および流動床909からの合成ガスは、900~1100℃でのPFASの熱分解のために二次反応器911に移動される。合成ガスサイクロン913は、二次反応器911におけるさらなる反応のために合成ガスを分離するか、または処理された合成ガスを湿式急冷914湿式スクラバー915および乾式スクラバー916システムに移動させ、そこから清浄オフガスおよび使用済みGACが放出される。
【0095】
図示されていない幾つかの形態では、本格的な商業プラントが排出土壌の冷却からの廃熱による供給物の予熱及び乾燥を含む。処理された土壌は、有利には磁気分離のために約80℃である。これは、再使用のためにイルメナイトまたは他の触媒を戻すことを可能にする。
【0096】
本明細書に開示される方法および装置の精神および範囲から逸脱することなく、多くの他の修正を行うことができることが、当業者には理解されるであろう。
【0097】
以下の特許請求の範囲および前述の説明において、文脈が明示的な言葉または必要な含意に起因して他の意味を必要とする場合を除いて、「備える」という語または「備える」という語の変形は包含的な意味で、すなわち、述べられた特徴の存在を指定するために使用されるが、本明細書で開示される方法および装置の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2021-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素質材料を処理するための方法であって、
前記炭素質材料を第1反応器へ送り、
前記第1反応器へ触媒を送り、
前記第1反応器内で比較的低い温度で前記炭素質材料を処理して、前記炭素質材料の少なくとも一部を分及び/又は脱揮し、
前記第1反応器の出力の一部を熱分解するために当該出力を前記第1反応器から第2反応器に送り、
前記第2反応器は前記第1反応器よりも高い温度を有する、
方法。
【請求項2】
前記第1反応器内の温度は500℃~700℃の間である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
出力材料から前記触媒の少なくとも一部を回収し、再使用のために前記触媒を再生することをさらに含む請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒が酸化鉄系触媒を含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒がイルメナイトを含む請求項または請求項に記載の方法。
【請求項6】
高温砂または他の固体媒体の砂の形態で前記触媒を送ることを含む請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が、前記反応器の長さに沿って間隔を開けて設けられた複数の入力部を通して送られる請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒を、間隔をあけて設けられた前記複数の入力部を通して送ることは、複数のバルブを介して制御される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のバルブは非機械的である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が、前記反応器の長さに沿った複数の点で送られることにより、前記反応器が反応器ゾーンに分割される請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
砂の形態の前記触媒は酸化鉄系物質である請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒は、前記反応器への複数の入力部を有する高温砂分配アセンブリを通して送られ、前記複数の入力部は、ライザ室内の密度を減少させ、前記高温砂を前記複数の入力部内に移動させるために、流動化空気を加えることによって制御される請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記炭素質材料が、汚染物質としてパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物を含む請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記炭素質材料が汚染された有機材料を含む請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2反応器に送られる前記出力は気体出力を含む請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
バイオチャーを出力材料から分離することをさらに含む請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記出力は、前記反応器からの合成ガス出力である請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2反応器が、高温砂の形態の触媒を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2反応器及び前記反応器が共通の再循環媒体を用いる請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2反応器に追加の触媒を送ることを含む請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
固体の炭素質材料を回収することをさらに含む請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ハロゲン化物要素を含有する炭素質材料を処理する方法であって、
前記ハロゲン化物要素を含有する前記炭素質材料を第1反応器へ送り、
前記第1反応器へ触媒を送り、
前記炭素質材料を前記第1反応器内で比較的低温で処理して、前記炭素質材料を部分的に分解し、完全に揮発させ、前記ハロゲン化物要素を遊離させ、捕捉し、
前記第1反応器の出力の一部を熱分解するために当該出力を前記第1反応器から第2反応器に送り、
前記第2反応器は前記第1反応器よりも高い温度を有する、
方法。
【請求項23】
炭素質材料を処理するための装置であって、
前記炭素質材料を処理するための反応器容器と、
バイオチャーおよび触媒を含有する出力材料を前記反応器容器から移動させるための前記反応器容器からの出口と、
前記バイオチャーと前記触媒の少なくとも一部とを分離するための分離容器と、
前記バイオチャーをバイオチャー容器に送るための少なくとも1つの出口と、
前記触媒の少なくとも一部および任意の代替材料を予熱器に送るための少なくとも1つの出口と、
前記触媒の少なくとも一部および任意の代替材料を受容するための流動床と、
前記触媒の少なくとも一部を反応器に送るための戻りと、
を含む装置。
【請求項24】
2種類以上の炭素質材料を処理するためのシステムであって、
第1の反応器および1つ以上の分離器を含む第1の反応器アセンブリと、
1つ以上の反応器および1つ以上の分離器を含む第2の反応器アセンブリと、
流動床と、を備え、
前記システムは第1のタイプの炭素質材料が少なくとも前記第1の反応器アセンブリを含む第1の処理流を通して処理され、第2のタイプの炭素質材料が少なくとも前記第2の反応器アセンブリを含む第2の処理流を通して処理されるように構成され、前記流動床は前記第1の処理流および前記第2の処理流の両方において利用される
システム。
【請求項25】
汚染物質が前記第1の処理流を通して処理される請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
バイオマスが前記第2の処理流を通して処理される請求項24または請求項25に記載のシステム。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素質材料を処理するための方法であって、
前記炭素質材料を第1反応器へ送り、
前記第1反応器へ触媒を送り、
前記第1反応器内で比較的低い温度で前記炭素質材料を処理して、前記炭素質材料の少なくとも一部を分解及び/又は脱揮し、
前記第1反応器の出力の一部を熱分解するために当該出力を前記第1反応器から第2反応器に送り、
前記第2反応器は前記第1反応器よりも高い温度を有する、
方法。
【請求項2】
前記第1反応器内の温度は500℃~700℃の間である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
出力材料から前記触媒の少なくとも一部を回収し、再使用のために前記触媒を再生することをさらに含む請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒が酸化鉄系触媒を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒がイルメナイトを含む請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
高温砂または他の固体媒体の砂の形態で前記触媒を送ることを含む請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が、前記第1反応器の長さに沿って間隔を開けて設けられた複数の入力部を通して送られる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒を、間隔をあけて設けられた前記複数の入力部を通して送ることは、複数のバルブを介して制御される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のバルブは非機械的である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が、前記第1反応器の長さに沿った複数の点で送られることにより、前記第1反応器が反応器ゾーンに分割される請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
砂の形態の前記触媒は酸化鉄系物質である請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒は、前記第1反応器への複数の入力部を有する高温砂分配アセンブリを通して送られ、前記複数の入力部は、ライザ室内の密度を減少させ、前記高温砂を前記複数の入力部内に移動させるために、流動化空気を加えることによって制御される請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記炭素質材料が、汚染物質としてパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物を含む請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記炭素質材料が汚染された有機材料を含む請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2反応器に送られる前記出力は気体出力を含む請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
バイオチャーを出力材料から分離することをさらに含む請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記出力は、前記第1反応器からの合成ガス出力である請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2反応器が、高温砂の形態の触媒を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2反応器及び前記第1反応器が共通の再循環媒体を用いる請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2反応器に追加の触媒を送ることを含む請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
固体の炭素質材料を回収することをさらに含む請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ハロゲン化物要素を含有する炭素質材料を処理する方法であって、
前記ハロゲン化物要素を含有する前記炭素質材料を第1反応器へ送り、
前記第1反応器へ触媒を送り、
前記炭素質材料を前記第1反応器内で比較的低温で処理して、前記炭素質材料を部分的に分解し、完全に揮発させ、前記ハロゲン化物要素を遊離させ、捕捉し、
前記第1反応器の出力の一部を熱分解するために当該出力を前記第1反応器から第2反応器に送り、
前記第2反応器は前記第1反応器よりも高い温度を有する、
方法。
【請求項23】
炭素質材料を処理するための装置であって、
前記炭素質材料を処理するための反応器容器と、
バイオチャーおよび触媒を含有する出力材料を前記反応器容器から移動させるための前記反応器容器からの出口と、
前記バイオチャーと前記触媒の少なくとも一部とを分離するための分離容器と、
前記バイオチャーをバイオチャー容器に送るための少なくとも1つの出口と、
前記触媒の少なくとも一部および任意の代替材料を予熱器に送るための少なくとも1つの出口と、
前記触媒の少なくとも一部および任意の代替材料を受容するための流動床と、
前記触媒の少なくとも一部を反応器に送るための戻りと、
を含む装置。
【請求項24】
2種類以上の炭素質材料を処理するためのシステムであって、
第1の反応器および1つ以上の分離器を含む第1の反応器アセンブリと、
1つ以上の反応器および1つ以上の分離器を含む第2の反応器アセンブリと、
流動床と、を備え、
前記システムは第1のタイプの炭素質材料が少なくとも前記第1の反応器アセンブリを含む第1の処理流を通して処理され、第2のタイプの炭素質材料が少なくとも前記第2の反応器アセンブリを含む第2の処理流を通して処理されるように構成され、前記流動床は前記第1の処理流および前記第2の処理流の両方において利用される
システム。
【請求項25】
汚染物質が前記第1の処理流を通して処理される請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
バイオマスが前記第2の処理流を通して処理される請求項24または請求項25に記載のシステム。
【国際調査報告】