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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】発光ダイオード及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/40 20100101AFI20220112BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20220112BHJP
   H01L 33/42 20100101ALI20220112BHJP
   H01L 33/10 20100101ALI20220112BHJP
【FI】
H01L33/40
H01L33/38
H01L33/42
H01L33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546032
(86)(22)【出願日】2018-12-24
(85)【翻訳文提出日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2018123265
(87)【国際公開番号】W WO2020132843
(87)【国際公開日】2020-07-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520374807
【氏名又は名称】泉州三安半導体科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 晶
(72)【発明者】
【氏名】郭 桓邵
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊毅
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA03
5F241CA35
5F241CA37
5F241CA40
5F241CA73
5F241CA77
5F241CA85
5F241CA88
5F241CA92
5F241CA93
5F241CB15
(57)【要約】
上から下へと第1の半導体層(110)と発光層(120)と第2の半導体層(130)とを順番に有する発光エピタキシャル層と、少なくとも第2の半導体層(130)の上に形成され、プラットフォーム(210)と一連の開口(220)を有する透明絶縁層(200)と、を含み、透明絶縁層(200)の開口(220)内にオーミック接触層(310)を有し、オーミック接触層(310)と第2の半導体層(130)との間に中間層(320)を有し、中間層(320)は熱拡散率がオーミック接触層(310)より低い発光ダイオード及びその制作方法を提供し、オーミック接触エリアの材料を選択する難題を解決し、開口の面積を効果的に制御し、オーミック接触エリアの光の吸収を減らすことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の半導体層と第2の半導体層と兩者の間にある発光層とを有する発光エピタキシャル層と、少なくとも発光エピタキシャル層の第2の半導体層の一側に形成され、プラットフォームと一連の開口を有し、開口から発光エピタキシャル層が露出する透明絶縁層と、を含み、透明絶縁層の開口内にオーミック接触層を有する発光ダイオードであって、オーミック接触層と発光エピタキシャル層との間に中間層を有し、中間層は熱拡散率がオーミック接触層より低い材料を用いることを特徴とする発光ダイオード。
【請求項2】
開口から露出する発光エピタキシャル層は第1の半導体層もしくは第2の半導体層であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
中間層は導電酸化物層であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
中間層はITO、IZO、GZO、もしくはAZOであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
中間層は金属酸化物もしくは金属窒化物であり、且つ、フィルム状もしくは粒状であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項6】
中間層はTiNもしくはAlNであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項7】
中間層の厚さは10オングストローム以上で200オングストローム以下であることを特徴とする請求項3~請求項6のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
【請求項8】
中間層の厚さは20オングストローム以上で50オングストローム以下であることを特徴とする請求項3~請求項6のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
【請求項9】
中間層はオーミック接触層と第2の半導体層との間の電気的接続を阻止しないことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項10】
中間層の電気抵抗率はオーミック接触層より高いことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項11】
オーミック接触層の材料はAuBe、AuGe、もしくはAuGeNiであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項12】
オーミック接触層材料の厚さは200オングストローム以下であることを特徴とする請求項11に記載の発光ダイオード。
【請求項13】
オーミック接触層の材料はITO、IZO、GZO、もしくはAZOであることを特徴とする請求項11に記載の発光ダイオード。
【請求項14】
開口の口径は1.5μm以上で2.5μm以下、もしくは2.5μmより大きく且つ10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項15】
開口の面積の透明絶縁層の総面積に占める比率は3%以上で8%以下、もしくは8%より大きく且つ15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項16】
透明絶縁層の材料はフッ化マグネシウムもしくは二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項17】
プラットフォームとオーミック接触層の発光エピタキシャル層から離れた側に反射層を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項18】
反射層はAg、AuもしくはDBRであることを特徴とする請求項17に記載の発光ダイオード。
【請求項19】
プラットフォームと反射層との間に中間層を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項20】
発光エピタキシャル層は窒化ガリウム基もしくはGaAs基であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項21】
第2の半導体はリン化ガリウムを含み、リン化ガリウムは中間層に接触することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項22】
(1)基板に第1の半導体層と発光層と第2の半導体層とを順番に作製する工程と、(2)第2の半導体の上に、プラットフォームと一連の開口を有する透明絶縁層を作製する工程と、(3)プラットフォームの上に犠牲層を作製する工程と、(4)犠牲層と開口の箇所に透明導電フィルムを積層する工程と、(5)透明導電フィルムの上に合金フィルムを積層する工程と、(6)犧牲層及び犧牲層の上にある透明導電フィルム及び合金フィルムを除去してプラットフォームを露出させる工程と、(7)プラットフォームと合金金属フィルムの上に金属反射層を作製する工程と、(8)金属反射層の表面に支持基板をボンディングして、支持基板を直接に第2の電極とし、もしくは第2の電極の支持体とする工程と、(9)基板を剥離させることにより発光エピタキシャル層を露出させてから、露出する発光エピタキシャル層の上に第1の電極を作製する工程と、が含まれる発光ダイオードの製作方法。
【請求項23】
合金フィルムの厚さは200オングストローム以下であることを特徴とする請求項22に記載の発光ダイオードの製作方法。
【請求項24】
(1)基板に第1の半導体層と発光層と第2の半導体層とを順番に作製する工程と、(2)第2の半導体層の上に、プラットフォームと一連の開口を有する透明絶縁層を作製する工程と、(3)プラットフォームと開口の箇所に透明導電フィルムを積層する工程と、(4)開口の箇所における透明導電フィルムに合金フィルムを積層する工程と、(5)プラットフォームと合金金属フィルムの上に金属反射層を作製する工程と、(6)金属反射層の表面に支持基板をボンディングして、支持基板を直接に第2の電極とし、もしくは第2の電極の支持体とする工程と、(7)基板を剥離させることにより発光エピタキシャル層を露出させてから、露出する発光エピタキシャル層の上に第1の電極を作製する工程と、が含まれる発光ダイオードの製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスに関し、特に、発光ダイオード及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDチップは常により高い明るさが求められており、明るさを高める際、鏡面反射率を上げることは一般的な方法の1つである。MQWから射出される光は大部分が光の射出面と反対する方向に射出される。この部分の光は一部が吸収され一部が反射される。従って、吸収を抑えて反射量を増やすことは、鏡面反射率を高める有効な方法である。
【0003】
鏡面システムの鏡面反射率を高めることは明るさを高めるために常用される方法である。しかし鏡面の一側は同時にオーミック接触する必要がある。図1を参照すると、RS製品を例として、鏡面側のオーミック接触では例えばAuZnなどの合金金属でGaPに接触し、融合を行うとAuZnがGaPの中に拡散することでオーミック接触を達成する方法が常用される。この過程では、AuZnがGaPの中に拡散するので、接触面の平坦性が損なわれ、図2に示されるように、オーミック接触箇所における不平坦により光の吸収量が高まるため顕微鏡で観察すると比較的に色が深いことが示される。もう1つの方法は例えばITOなどの透明導電層を用いてオーミック接触にするが、ITO自身の屈折率が高い一方で光の透過性は一般的に過ぎず、従って、鏡面にした場合に鏡面反射率がある程度下がることになる。他にITOでGaPとオーミック接触をすると、AuZnオーミックと同じ電圧に到達するには、ITOオーミックの面積を広める必要があり、そうするとITOによる光の吸収で同じく明るさにある程度のロスが生じる。
【発明の概要】
【0004】
上記従来技術に記載される問題点を解決できる発光ダイオードとして、本発明は熱拡散率が低い材料を拡散防止絶縁フィルムとし、オーミック接触材料が拡散してオーミック接触の発光エピタキシャル層のウィンドウに進入することを防止し、オーミック接触材料の発光エピタキシャル層内への進入が深すぎることにより引き起こされた不平坦もしくは光の吸収を防止し、且つ、開口の面積が広すぎないように制限することで、反射面積の減少もしくは開口辺りに発生する光の吸収を回避する。
【0005】
一種の発光ダイオードは、第1の半導体層と第2の半導体層と兩者の間にある発光層とを有する発光エピタキシャル層と、少なくとも発光エピタキシャル層の第2の半導体層の一側に形成され、プラットフォームと一連の開口を有し、開口から発光エピタキシャル層が露出する透明絶縁層と、を含み、透明絶縁層の開口内にオーミック接触層を有し、オーミック接触層と発光エピタキシャル層との間に中間層を有し、中間層は熱拡散率がオーミック接触層より低い材料を用いる。
【0006】
本発明に基づき、開口から露出する発光エピタキシャル層は第1の半導体層もしくは第2の半導体層であることが好ましい。
【0007】
第1の種類の実施例において、中間層は導電酸化物層であることが好ましい。
【0008】
該種類の実施例において、中間層はITO、IZO、GZO、もしくはAZOであることが好ましい。
【0009】
第2の種類の実施例において、中間層は金属酸化物もしくは金属窒化物のフィルムであり、且つ、フィルム状もしくは粒状であることが好ましい。
【0010】
該種類の実施例において、中間層はTiNもしくはAlNであることが好ましい。
【0011】
第1の種類と第2の種類の実施例において、中間層の厚さは10オングストローム以上で200オングストローム以下であることが好ましい。
【0012】
前記2種類の実施例において、中間層の厚さは20オングストローム以上で50オングストローム以下であることが好ましい。
【0013】
本発明に基づき、中間層はオーミック接触層と第2の半導体層との間の電気的接続を阻止しないことが好ましい。
【0014】
本発明に基づき、中間層の電気抵抗率はオーミック接触層より高いことが好ましい。
【0015】
本発明に基づき、オーミック接触層の材料はAuBe、AuGe、もしくはAuGeNiであることが好ましい。
【0016】
第3の種類の実施例において、オーミック接触層の材料はITO、IZO、GZO、もしくはAZOであることが好ましい。
【0017】
本発明に基づき、開口の口径は1.5μm以上で2.5μm以下、もしくは2.5μmより大きく且つ10μm以下であることが好ましい。
【0018】
本発明に基づき、開口の面積の透明絶縁層の総面積に占める比率は3%以上で8%以下、もしくは8%より大きく且つ15%以下であることが好ましい。
【0019】
本発明に基づき、透明絶縁層の材料はフッ化マグネシウムもしくは二酸化ケイ素であることが好ましい。
【0020】
第4の種類の実施例において、プラットフォームとオーミック接触層の発光エピタキシャル層から離れた側に反射層を有することが好ましい。
【0021】
該種類の実施例において、反射層はAg、AuもしくはDBRであることが好ましい。
【0022】
本発明に基づき、プラットフォームと反射層との間に中間層を有することがこのましい。
【0023】
明確に説明するために、一部の実施例では発光ダイオードを下方に向かって発光するものと定義するが、注意すべきなのはこれは位置関係を説明するための便宜に過ぎず、実際に使用される場合の使用方法を制限するものではない。
【0024】
本発明に基づき、発光エピタキシャル層は窒化ガリウム基もしくはGaAs基であることが好ましい。
【0025】
本発明に基づき、第2の半導体はリン化ガリウムを含み、リン化ガリウムは中間層に接触することが好ましい。
【0026】
上記発光ダイオード構造を実現すべく、本発明は発光ダイオードの製作方法をも提供する。該発光ダイオードの製作方法には、(1)基板に第1の半導体層と発光層と第2の半導体層とを順番に作製する工程と、(2)第2の半導体の上に、プラットフォームと一連の開口を有する透明絶縁層を作製する工程と、(3)プラットフォームの上に犠牲層を作製する工程と、(4)プラットフォームと開口の箇所に透明導電フィルムを積層する工程と、(5)透明導電フィルムの上に合金フィルムを積層する工程と、(6)犧牲層及び犧牲層の上にある透明導電フィルム及び合金フィルムを除去してプラットフォームを露出させる工程と、(7)プラットフォームと合金金属フィルムの上に金属反射層を作製する工程と、(8)金属反射層の表面に支持基板をボンディングして、該支持基板を直接に第2の電極とし、もしくは第2の電極の支持体とする工程と、(9)基板を剥離させることにより発光エピタキシャル層を露出させてから、露出する発光エピタキシャル層の上に第1の電極を作製する工程と、が含まれる。
【0027】
該製作方法において、合金フィルムの厚さは200オングストローム以下であることが好ましい。
【0028】
一部の実施例では、発光ダイオードの製作は更に単純化された製作方法を採用することができる。該単純化された製作方法には、(1)基板に第1の半導体層と発光層と第2の半導体層とを順番に作製する工程と、(2)第2の半導体層の上に、プラットフォームと一連の開口を有する透明絶縁層を作製する工程と、(3)プラットフォームと開口の箇所に透明導電フィルムを積層する工程と、(4)開口の箇所における透明導電フィルムに合金フィルムを積層する工程と、(5)プラットフォームと合金金属フィルムの上に金属反射層を作製する工程と、(6)金属反射層の表面に支持基板をボンディングして、支持基板を直接に第2の電極とし、もしくは第2の電極の支持体とする工程と、(7)基板を剥離させることにより発光エピタキシャル層を露出させてから、露出する発光エピタキシャル層の上に第1の電極を作製する工程と、が含まれる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は少なくとも以下の効果が得られる。
【0030】
接触絶縁孔の中に一層の中間層を配置することにより、オーミック接触の面積を変えず、電圧に大きな影響を与えずに、オーミックによる光吸収を減らしてインヴィジブルなオーミック構造を形成して明るさを高めることができる。
【0031】
本発明の他の特徴はまたは利点については、以下の詳しい説明において詳しく説明する。また、部分的に明細書から明らかになり、もしくは本発明を実施することを通して理解できるようになる。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付の図面において特別に示した構成により実現して得ることが出来る。
【0032】
以下では一部の例示的な実施例及び使用方法を用いて本発明を説明するが、本発明が所属する技術分野において通常の知識を有する者に、本発明をこれらの実施例に制限する意図がないことが理解されるべきである。逆に、その意図は添付される特許請求の範囲において定義される本発明の精神及び範囲内におけるすべての置き換え、補正及び同じ効果のものを含めることにある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
添付の図面は本発明に対する更なる理解の提供に用いられると共に、明細書の一部を構成し、本発明の実施例と共に本発明を解釈することに用いられるが、本発明に対する制限を構成しない。この他、添付の図面の資料は概要を描き、比例に従って画かれたものではない。
図1】従来技術の発光ダイオードの模式図である。
図2】従来技術のCB孔外観図である。
図3】本発明の第1の実施例のチップ断面説明図である。
図4】本発明の第1の実施例のチップ断面説明図である。
図5】本発明の第1の実施例のCB孔外観図である。
図6】本発明の第2の実施例のチップ断面説明図である。
図7】本発明の第3の実施例のチップ断面説明図である。
図8】本発明の第4の実施例のチップ断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を組み合わせて、本発明の実施例について詳細に説明し、これによって本発明においてどのように技術手段を応用して技術問題を解決するかについて、及び技術効果を得る実現過程について十分に理解され実施を可能とする。なお、矛盾が起きない限り、本発明の各実施例および各実施例における各特徴を互いに組み合わせることができ、本発明に係る特許請求の範囲は以下の実施例に関する記述及び説明に制限されない。
【0035】
理解すべきなのは、本発明に関して使用される用語は、具体的実施方法及び目的を説明するためにのみ用いられるものであり、本発明を制限するためのものではない。例えば本発明に用いられる単数形の「一」「一種」「前記」などの表現は、前後の文章に明確に表現されたものを除いて、複数形をも含む。更に理解すべきなのは、本発明に用いられる用語の「含む」「含み」「有する」は発明における特徴、全体、工程、操作、部材、及び/又は、パッケージの存在を表現するためのものであり、1つもしくは他の特徴、全体、工程、操作、部材、パッケージ及び/又はそれらの組み合わせの存在もしくは追加を排除するものではない。
【0036】
他に定義があるものを除いて、本発明に関して使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者が普通に理解する意味と同様の意味を持つものである。更に、本発明に関して用いられる用語は、本発明において明確に定義されたものを除いて、これらの用語がこの明細書における文脈及び関連する技術分野における意味と同様な意味を持つものとして解釈されるべきであり、本発明で明確に定義した場合を除いて、理想化又は正式すぎる意味で理解されるべきではない。
【0037】
本発明は主に絶縁孔を利用してオーミック接触を行う発光ダイオードチップ構造を公開し、絶縁孔に充填する材料を選択することを通じて発光ダイオード全体の発光を高め、絶縁誘電材は保護作用(PV層)と電流遮断(CB層)作用を含む。
【0038】
図3を参照すると、本発明の第1の実施例においては、GaAs基発光ダイオードに対して設計を行う。本実施例の発光ダイオードチップ構造において、励起発光に用いられる発光エピタキシャル層を有し、発光エピタキシャル層は下から上へと順に第1の半導体層110と、発光層120と、第2の半導体層130と、を含み、透明絶縁層200が少なくとも第2の半導体層130の上に形成されている。透明絶縁層200はプラットフォーム210と一連の開口220とを有し、ここで一連の開口220を有するとは、透明絶縁層200が多孔であることを指し、発開口220から発光エピタキシャル層が露出している。透明絶縁層の開口220の中にオーミック接触層310を有するが、該オーミック接触層310は発光エピタキシャル層と接触する金属層を特に指すのではなく、発光エピタキシャル層と間接的に接触する金属層も含み、オーミック接触層310と第2の半導体層130との間に中間層320を有する。中間層320の熱拡散率はオーミック接触層310より低く、高温アニーリングの際、中間層320は第2の半導体層130へ拡散しにくく、且つ、オーミック接触層310の材料が第2の半導体層130へ拡散しようとすることを阻止する。本実施例では、第1の半導体層110から離れた一側に成長基板400を有し、成長基板400は一時的基板であり、永久的な基板ではない。
【0039】
本実施例において、第2の半導体層130の中間層320に接触する一側はリン化ガリウムであり、中間層320は導電酸化物層であり、E-Beam電子ビーム蒸着のITOを選択的に用いることが効果的に好ましく、もしくは他の技術により作成されたITO、IZO、GZOもしくはAZOなど電気抵抗率がオーミック接触層より高い材料を用いることができる。絶縁開口内の中間層320の上にオーミック接触層310を製作し、AuBe、AuGeもしくはAuGeNiを選択的に用いることが効果的に好ましく、該絶縁開口320の誘電材料はフッ化マグネシウム(MgF)である。
【0040】
E-Beam ITOを例として、ITOの導電性が合金の導電性より低いため、オーミック接触層310の導電性を確保し且つ高め、そして外部量子効率を高め、光のロスを減らすべく、ITOはフィルム構造もしくは粒状構造に設計し、中間層320の厚さは10オングストローム以上200オングストローム以下であり、一部の実施例においては、中間層320の厚さは20オングストローム以上50オングストローム以下であることも可能であり、極薄いITOは電気的特性に著しい影響を与えることなく、且つ、アニーリング後のオーミック接触層310の不平坦により引き起こされる光吸収が高すぎて色が濃くなる状況を効果的に回避することができる。本実施例に基づいて製作された発光ダイオードチップ構造の開口220の孔徑は1.5μm以上2.5μm以下に制御することができ、もしくは2.5μmより大きく且つ10μm以下として、開口220の面積が透明絶縁層の總面積に占める比率を3%以上8%以下、もしくは8%より大きく且つ15%以下とし、即ち、極薄いITOと合金で製作するオーミック接触エリアは、電流の広がり性能を確保した上で、できるだけ開口の面積を少なくすることができる。開口の面積が小さければ、光の吸収も小さく、且つ反射光の射出する面積を増やし、光は主に透明絶縁層200から反射層500を経由して上へ射出される。
【0041】
プラットフォームとオーミック接触層の発光エピタキシャル層から離れた一側に反射層500を有し、該反射層500はAgもしくはAu等などの反射金属であることができる。該反射層500は主に広義的に反射効果を有する材料を指し、例えば大多数の金属である。
【0042】
本実施例において、上記チップは発光ダイオードチップの製作過程における過渡的構造として認識することができ、本実施例では更に製作を進める。図4を参照すると、理解しやすくするために図4図3とは逆になっており、即ち、この構成では光が上方へ射出され、矢印は光の進行経路である。反射層500の発光層120から離れた一面に支持基板600をボンディングすることができ、支持基板600を直接に第2の電極720とし、もしくは第2の電極720の支持体とすることができる。ボンディング後に、成長基板400を除去して発光エピタキシャル層を露出させ、発光エピタキシャル層の上に第1の電極710を作製する。図5を参照すると、本実施例では濃い色のCB孔の色の濃さを明らかに薄くし、光が射出する明るさを効果的に高めている。
【0043】
開口が露出する発光エピタキシャル層は第1の半導体層もしくは第2の半導体層であり、上記実施例において描かれたのは開口220から第2の半導体層までであるが、一部の実施例では開口200が第2の半導体層130及び発光層120を貫通して第1の半導体層110にまで開口する構成においても、同じ効果を得ることができる。
【0044】
本発明の第1の実施例の発光ダイオードチップ構造に基づき、以下の対応する製作工程を提供する。該製作工程は、(1)GaAs成長基板400に第1の半導体層110と、発光層120と、第2の半導体層130とを順番に作製する工程と、(2)第2の半導体120の上に、リソグラフィ技術を用いてプラットフォーム210と一連の開口220を有する透明絶縁層200を作製する工程と、(3)プラットフォーム210の上に犠牲層800を作製し、犧牲層800の材料は例えばフォトレジストもしくは他の除去しやすい樹脂材料を用いる工程と、(4)犠牲層800及び開口220のある箇所に透明導電フィルムを積層して中間層320とする工程と、(5)透明導電フィルムの上にオーミック接触層310となる合金フィルムを積層する工程と、(6)犧牲層800及び犧牲層800の上にある透明導電フィルム及び合金フィルムを除去してプラットフォーム210を露出させる工程と、(7)プラットフォーム210と合金金属フィルムの上に金属反射層500を作製する工程と、を含む。
【0045】
そして、更に後続の構造の製作として、(8)金属反射層500の表面に支持基板600をボンディングし、支持基板600は直接に第2の電極720とすることができ、もしくは第2の電極720の支持体とすることもでき、その後GaAs成長基板400を剥離させることにより発光エピタキシャル層を露出させてから、露出する発光エピタキシャル層の上に第1の電極710を作製する工程を含む。
【0046】
第1の実施例の一部の変形案では、合金フィルムの厚さを200オングストローム以下と設計し、蒸着する金属の厚さが200オングストローム以下である場合、金属フィルムは透明である。従って、透明導電ITO層+透明金属層のインビジブルオーミック構造を形成する。このような構成は更に反射層500のAg鏡製作工程を合わせると、オーミック位置の反射率を更に上げて、明るさを更に高められる。
【0047】
本発明の第2の実施例では、図6を参照すると、第1の実施例と同じなのはGaAs基でありところであり、第1の実施例と異なるのは、プラットフォーム210と反射層500との間に中間層320を有するところである。チップ構造に対応して、該実施例の構成に対応する製作方法を提供すると、該製作方法は、(1)GaAs成長基板400の上に第1の半導体層110と、発光層120と、第2の半導体層130とを順番に作製する工程と、(2)第2の半導体層130の上に、プラットフォーム210と一連の開口220とを有する透明絶縁層200を作製する工程と、(3)プラットフォーム210と開口220との箇所に透明導電フィルムを積層する工程と、(4)開口220の箇所の透明導電フィルムの上に合金フィルムを積層する工程と、(5)プラットフォーム210と合金金属フィルムの上に金属反射層500を作製する工程と、を含む。
【0048】
そして、更に後続の構造の製作として、(6)金属反射層500の表面に支持基板600をボンディングし、支持基板600は直接に第2の電極720とすることができ、もしくは第2の電極720の支持体とすることもできる工程と、(7)GaAs成長基板400を剥離させることにより発光エピタキシャル層を露出させてから、露出する発光エピタキシャル層の上に第1の電極710を作製する工程と、を含む。
【0049】
本発明の第3の実施例では、図7を参照すると、本実施例の第1の実施例との相違点は、反射層500がDBR分布ブラッグ反射層を有し、もしくはDBRと金属反射層とにより構成され、DBRは透明絶縁層200の開口220に対応する孔510を有し、孔510の中は例えば電気的接続に常用される金属材料の導電物質により充填される。
【0050】
本発明的第4の実施例では、図8を参照すると、本発明の設計は窒化ガリウム基のチップに応用しても良好な効果を得ることができる。例えば図中のチップ構成であり、この構成では、光はチップから上方へ射出し、第1の実施例の発光エピタキシャル層を有するが、ここでは重複を省く。図示のように、主な相違点は、支持基板600としてケイ素もしくは放熱セラミックを選択することができ、反射層500は金属層であり、外へ延伸して第2の階段520を形成し、第2の階段520の上に第2の電極720を作製し、反射層500と発光エピタキシャル層との間に透明絶縁層200を有し、透明絶縁層200に採用する材料としては、例えば二酸化ケイ素もしくは窒化ケイ素を採用することができ、透明絶縁層200はプラットフォーム210及び電気的導通に用いられる一連の開口220を有し、開口220の中に2種類の導電材料を有し、発光エピタキシャル層に接近する導電材料は中間層320であり、発光エピタキシャル層から離れた導電材料はオーミック接触層310であり、中間層320の熱拡散率はオーミック接触層310より低い。オーミック接触層310は金属もしくは合金であり、中間層320は熱拡散率がオーミック接触層310より小さい導電金属酸化物、極薄い金属窒化物、もしくは熱拡散率が比較的に低い金属であり、フィルム構造の中では金属酸化物もしくは窒化物はトンネル効果により電気的に接続し、上記窒化物は例えば窒化チタンもしくは窒化アルミニウムである。
【0051】
説明すべきは、上記の実施例は本発明を説明するために挙げたものであり、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱しない状況において、本発明に対しあらゆる修飾、変更を加えることができ、本発明の特許請求の範囲の範囲は、添付の特許請求の範囲の書類によって限定されるものである。
【符号の説明】
【0052】
110 第1の半導体層
120 発光層
130 第2の半導体層
200 透明絶縁層
210 プラットフォーム
220 開口
310 オーミック接触層
320 中間層
400 成長基板
500 反射層
510 孔洞
520 第2の階段
600 支持基板
710 第1の電極
720 第2の電極
800 犧牲層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】