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特表2022-508788植物由来のアントシアニジンの効果的な抽出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】植物由来のアントシアニジンの効果的な抽出方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/62 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
C07D311/62
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546039
(86)(22)【出願日】2019-10-12
(85)【翻訳文提出日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2019110906
(87)【国際公開番号】W WO2020078293
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201811247232.1
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521161233
【氏名又は名称】ゲン、ツァオシャン
(71)【出願人】
【識別番号】521421296
【氏名又は名称】リウ、ゾンヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲン、ツァオシャン
(57)【要約】
植物由来のアントシアニジンの効果的な抽出方法は、生物工程技術分野に関し、アントシアニンを加水分解するステップと、炭酸水素ナトリウムか炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3にて加水分解されたアントシアニンの水溶液をPH7に中和するステップと、そして塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液にてアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を塩析し、混濁して分離するステップと、塩酸水溶液にてアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と反応させてアントシアニジン水溶液をろ過及び分離するステップとを含み、天然植物由来のアントシアニジンの抽出に応用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来のアントシアニジンの効果的な抽出方法は
(一)天然植物アントシアニン水溶液をβ-グルコシダーゼで加水分解して、β-グルコシダーゼの活性を保護するために、L-システインを抗酸化に使用して、45℃~50℃の加水温度で、PH4.5-5、24~48時間で加水分解してアントシアニジン/アントシアニン/グルコースを含む水溶液を得て、酸性水溶液に分散した総表面積と吸着表面積が大きい油溶性の相対密度が1未満の脂肪酸や脂肪酸脂質不純物を含む;脂肪酸または脂肪酸脂質不純物はオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを指し、オレイン酸または/およびパルミチン酸の含有量が少ないアントシアニン水溶液に対してオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを適切な量を添加する必要があり、下記(三)においてアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩をアントシアニン/グルコースの水溶液から完全に懸濁及び分離させることができるようにするためであり;
(二)炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO/KHCOを使用して、上記(一)のアントシアニン加水分解水溶液をPH6.8~7に中和する同時に、アントシアニジンをそれのナトリウム塩またはカリウム塩を生成させる;
(三)上記(二)に塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclを加えて、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩/アントシアニン/グルコース水溶液を含む上記(2)の飽和塩水を調製する;具体的な調製方法は、エネルギーを節約するために、25℃~50℃の温度範囲で、そのうちのある温度下で塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclが水中における飽和溶解度を基準値として、その基準値の塩化ナトリウムかカリウムNacl/Kclをアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩/アントシアニン/グルコースを含む水溶液に加えて溶解させて、1~3分間放置して、過剰な微量の塩化ナトリウムか塩化カリウムをすぐに沈殿させ分離することができるようにする;次に、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩/アントシアニン/グルコース/塩化ナトリウムか塩化カリウムを含む水溶液を取り出して3~8時間放置して、アントシアニジンのナトリウム塩またはカリウム塩の結合物はその相対密度が塩化ナトリウムまたは塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液の相対密度より小さいため固体の水不溶性物質として密に懸濁し分離し、その水不溶性の結合物は脂肪酸や脂肪酸エステル不純物に取り込まれ、吸着され、物理的に結合されることによって、アントシアニンとグルコース及び塩化ナトリウムか塩化カリウムの水溶液から分離する;その後、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を成層してから取り出して、その中の水をろ過して、同時に、水溶性のアントシアニンとグルコース及び液体のオレイン酸のエステルもろ過され、よって、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩とパルミチン酸のエステルとの結合物を得た;
(四)室温で、わずかに過剰な塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸エステル中のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と攪拌して反応させ、強酸から弱酸になり水素H還元したアントシアニジンと塩化ナトリウムか塩化カリウムの塩酸水溶液を生成し、アントシアニジンを完全に塩酸Hcl水溶液に溶解させるようにする;パルミチン酸エステルは塩酸Hcl水溶液に不溶で、塩酸Hcl水溶液と反応しない;塩化ナトリウムか塩化カリウムは塩酸Hcl水溶液と反応しない;塩化ナトリウムか塩化カリウムはアントシアニジンと反応しない;弱酸アントシアニジンは強塩酸を生成できない;ここで、アントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液の酸性が強くて、その水溶液のPHは2以下で、人間に直接摂取できない;本発明は懸濁剤パルミチン酸または/およびオレイン酸のエステルは塩酸Hcl水溶液に不溶性のことと、塩酸Hcl水溶液と反応しないことという重要特性を選択及び利用して、アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩をアントシアニジンの塩酸水溶液に還元する;
(五)、パルミチン酸エステルはアモルファス物質であり、フィルターでろ過することができないため、上記(四)のパルミチン酸エステル含有のアントシアニジン塩酸水溶液を室温で高密度の耐酸工業用濾布で加圧ろ過または真空減圧ろ過することにより、パルミチン酸エステルを分離して、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を得た。次に、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3水溶液を使用して上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和してそのPHを3.5~4に調整する。ここで、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3水溶液にて上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和するときに、炭酸水素ナトリウムか炭酸水素カリウムをアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液の中に均一に分布できるため、量を限って加えてまたは複数回に分けて加える必要があり、加える同時に、300~500回転/分の速度で速く攪拌する;そして、適切な量のアスコルビン酸、即ちビタミンCを上記のPHが3.5~4であるアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液に加え、そのアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液のPH値を1~2に調整した後、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3水溶液で上記のPHが1~2であるアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液をPH3.5~4に中和する;塩酸は強酸であり、アスコルビン酸は弱酸で、ここで、塩酸がアスコルビン酸に対する競合反応を利用することにより、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液中の塩酸含有量を大幅に減少する。アスコルビン酸にて大部分の塩酸を代わることにより、少量の水溶性アスコルビン酸のナトリウム塩かカリウム塩というものがあっても、人間に影響を与えない;アントシアニジンは酸性水溶液にわずかに溶け、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸、即ちビタミンCの水溶液を得た;
(六)上記のステップ(五)において、微量のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩という物質を生成した場合、室温で、上記(五)のアントシアニジンのアスコルビン酸(ビタミンC)の水溶液を24~72時間で放置して、微量のアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩を凝集沈殿分離して、または、高密度の耐酸性工業用濾布で加圧ろかまたは真空減圧ろ過分離する;上記により得た微量のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を再び塩酸Hcl水溶液と反応させて、再利用して、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸即ちビタミンC水溶液を得、本発明に特別な説明がない場合、全て常温と常圧条件下である
ということを特徴とする。
【請求項2】
請求1の植物由来のアントシアニジンの効果的な抽出方法において、アントシアニジン生成物を検出するための固体サンプルの製造方法は、
(1)上記の技術方案1(三)のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を取り出して、その中の水をろ過し、水溶性アントシアニンとグルコースも同時にろ過される;そして、このアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物をその体積の10~20倍の食用軟水に加えて、アントシアニン加水分解の水溶液と比較して水の用量を大幅に減少、0℃~5℃で適量の塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclを加えて、または、その飽和水溶液濃度に達し、その水溶液の相対密度は1以上に達させる;そして、0℃~5℃で8~24時間放置して、脂肪酸または脂肪酸エステルの固体粒子を衝突させて凝集させ、脂肪酸または脂肪酸エステルの総表面積と吸着表面積は大幅に減少し、全体の固体油脂として密着懸濁分離する;ここで、アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩の固体粒子も大部分が衝突沈殿分離する;アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩の相対密度は1.8より大きく、塩化ナトリウム/塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液の相対密度より遥かに大きい;
(2)上記(1)のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩をろ過または成層化することにより取り出して、25℃~50℃で、そのアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を質量比が10%~30%である過剰量の塩酸Hcl水溶液と300~500回転/分の速度で攪拌して反応させ、アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を塩酸Hcl水溶液と十分に反応させることにより、水素H還元のアントシアニジン沈殿物と塩化ナトリウムか塩化カリウム水溶液を生成する;アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩の質量と塩酸Hcl水溶液の質量との質量比は1/10~20の範囲であり、ろ過または成層化によりアントシアニジン沈殿物を取り出して、1℃~25℃で、少量の食用水でその中の塩酸を洗浄し、アントシアニジンを沈殿及び分離させ、アントシアニジン固体物を得た;そして、凍結真空乾燥を行って、天然アントシアニジンと同じ化学構造のアントシアニジン固体製品を得、微量のアントシアニジンを含む塩酸水溶液をリサイクルする;アントシアニジンの相対密度は1.8である;。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物工程技術分野に関し、特に、植物由来のアントシアニジンを効果的に抽出する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天然植物由来のアントシアニジンの分離と抽出はずっと世界的に問題視されており、これまでのところ、高収率の分離及び抽出技術の方法はない。既存技術において、2012年11月25日に出願された出願番号が201210516999.6、2014年6月4日に公開された公開番号がCN103834702A、発明の名称が「カチオン性アントシアニジン・アグリコンの抽出法」である中国の発明特許において、アニオン系界面活性剤を酸性条件(PH≦3.5)下でカチオン性アントシアニジンと反応させることが開示されており、既存知識によれば、アントシアニジンの分子構造(C-C-C)の中央C環上の酸素原子上の塩素cl原子は水溶液がPH≦3.5の強酸下でのみ解離されてからアントシアニジンが陽イオン性になるため、このような強酸条件下(PH≦3.5)では、アニオン界面活性剤が最初にまたは同時に酸水溶液の水素イオンHと反応して非水溶性のアルキル酸または脂肪酸を生成、アニオン界面活性剤の損失が多すぎる問題がある。それに、アニオン界面活性剤とカチオンアントシアニジン(アントシアニジン分子からclが解離され)が化合した塩化合物において、殆どのアントシアニジン分子構造(シアニジンなど)には5つのヒドロキシル基が含まれ、そのヒドロキシ基が酸性水溶液に溶解でき、アントシアニジンとアニオン界面活性剤が化合した塩化合物を酸水溶性に示させ、よって、アントシアニジンが大量の水から分離することは困難で、また、β-グルコシダーゼから加水分解されたアントシアニジンの殆がまだ酸加水分解された水溶液に溶解してる。さらに深刻なのは、アントシアニジンとアニオン界面活性剤の塩化合物が酸性加水分解された水溶液中で同時にイオン化され、アニオン界面活性剤中のアニオン基がアントシアニジン分子から分離され、五つのヒドロキシル基が含まれたアントシアニジンを抽出できなくなるである。実験により、上記の特許出願の方法では、4つのヒドロキシル基を含むアントシアニジン(例えば、ペオニジン)しか抽出できずことが証明されてる。極めて貴重なアントシアニジン資源の浪費をもたらし、アントシアニジン抽出の生産量も厳しく制約している。
【0003】
上述の特許出願技術では、アントシアニジン活性アグリコンは塩酸水溶液にわずかしか溶けないため(溶解度は約0.1%)、塩酸でアニオン界面活性剤とアントシアニジン活性アグリコンの塩化合物との反応により生成されたアントシアニジン活性アグリコンは95%以上が脂肪酸またはアルキル(ベンゼン)酸の廃棄残留物に取り込まれており分離できない、少量のアントシアニジン活性アグリコン含有の塩酸水溶液にはまた約0.1~0.2%の脂肪酸またはアルキル(ベンゼン)酸も溶解しているし、アントシアニジン活性アグリコン含有の塩酸水溶液は酸性が強すぎ(アルカリが中和できない)、人々がそれを直接摂取することができない。少量のアントシアニジン活性アグリコンを含む塩酸水溶液は加熱脱水することができない、そうするとアントシアニジン活性アグリコンの分子構造が破壊されるから。また、凍結真空乾燥法(昇華)も、生産効率が非常に低く、エネルギー消費が多すぎ、脱水時間が長すぎるため、実験室でのマイクロ生産にしか適応できず、産業化することはできない。
【0004】
4つのヒドロキシル基を持つアントシアニジンの生物活性は、5つのヒドロキシル基を持つアントシアニジンの生物活性よりも低いです。
【0005】
アントシアニジンの抽出法には、大幅な改善、革新及び画期的な進歩が必要です。
【発明の概要】
【0006】
(発明の原理)
1、アントシアニジンはアントシアニンのアグリコンであり、グリコンを含まない。アントシアニジンはPH>7.5の強アルカリ水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムNaOH/KOH水溶液と反応できない、さもないと、アントシアニジンの分子構造が変化して無色のカルコンになる。塩化ナトリウムの相対密度は2.165、塩化カリウムの相対密度は1.98であり、相対密度の単位はg/cm3またはml、以下同じ。
【0007】
2、アントシアニジン分子において、もともとグリコシド結合によって結合されたヒドロキシル基上の水素原子はPH4~7.5の水溶液の中で水溶性の水素Hイオンを解離してから、その自体が水溶性アニオン基を呈する。天然植物には遊離型のアントシアニジン分子を含んでない、アントシアニジンの配糖体としてアントシアニンの形で存在。アントシアニンの水溶液は、β-グルコシダーゼの作用下で、40℃~50℃の温度で、PH4.5-5.5で加水分解され、糖および遊離のアントシアニジン分子を生成する。
【0008】
炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO/KHCOを使用してアントシアニンを加水分解する酸性水溶液を中和すると、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO/KHCOも同時にアントシアニジンと反応して、アントシアニジンのナトリウムまたはカリウム塩を生成し、二酸化炭素COを放出する。
【0009】
3、本発明のアントシアニジンはアントシアニジンの配糖体(即ち、アントシアニン)中のアグルコンであり、グルコンを含まなくて、つまり、活性アグルコンである。
【0010】
4、アントシアニジンは酸性水溶液にわずかに溶け、アントシアニジンはPHが7.5を超えるアルカリ性水溶液中で無色のカルコンを生成して構造が改変。
【0011】
5、アントシアニジン分子構造(C-C-C)のフラボノイド構造で、中央のC3環の酸素O原子上の塩素cl原子は、水溶液のPH値が3.5以下しかの場合に塩素clイオンを解離できず、PH4~7.5では解離できない。
【0012】
6、アントシアニジン/アントシアニジンのナトリウムまたはカリウム塩の塩析とアントシアニン/グルコース水溶液の分離の原理:β-グルコシダーゼによるアントシアニン水溶液の酵素加水分解では、アントシアニンを完全にアントシアニジンに加水分解できず、アントシアニジンをアントシアニン/グルコースから分離して、及びアントシアニジンをその質量の1000倍以上の水から分離する必要がある。
【0013】
アントシアニンには、水溶性の高いグルコン(例えば、グルコシル基、ガラクトシル基など)が含まれ、それに加えてアグリコン(即ち、アントシアニジン)構造に4~6個の親水性ヒドロキシル基(-OH)が含まれているため、アントシアニンは強い親水性と水溶性を持ち、一方、アントシアニンには4~6個のヒドロキシル基しか含まれてない、自然界で主に入手できるのが4~5個の親水性ヒドロキシル基(-OH)含有のアントシアニジンで、それで、アントシアニジンの親水性とアントシアニンの親水性とは大きく異なり、アントシアニンの水溶性はアントシアニジンより遥かに高い。
【0014】
塩化ナトリウム/塩化カリウムNacl/Kclは、アントシアニジン分子のヒドロキシル基と水分子との間の水素結合または極性引力を破壊し、アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩の水溶性を低下させる。塩化ナトリウム/塩化カリウムNacl/Kclの水に対する溶解度の増加に伴い、弱親水性アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩はPH6.8~7で徐々に水から分離し、水不溶性物質として凝集して沈殿し、よって、アントシアニン/グルコースの水溶液から分離する。
【0015】
アントシアニン/グルコースの親水性は塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの親水性より大きく、塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの親水性はアントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩より遥かに大きく、グルコースは塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclより水に溶けやすく親水性が強いため、水中のグルコース及びアントシアニンは塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの飽和溶解度を低下させ得る。アントシアニン/グルコースの水溶性はアントシアニジンの親水性より遥かに大きいため、大きなコントラストを形成し、アントシアニン/グルコースは塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの水溶液中で凝集及び分離できないで、それで、アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩はPH6.8~7及び0℃~50℃の塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液中でアントシアニン/グルコースから分離される。グルコースの親水性は塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclよりも強くて、塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液はグルコースを塩析及び沈殿させることができない。アントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩は中性水または塩化ナトリウム/塩化カリウム水溶液に不溶である。
【0016】
アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩を含むアントシアニンは加水分解の水溶液は温度が0℃~50℃で、中性で、塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの飽和溶解度水溶液を使って、アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩を含むアントシアニンの加水分解水溶液(グルコースを含む)に対して塩析を行い、アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩をアントシアニンの加水分解水溶液から凝集及び沈殿させ得る。塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの飽和溶解度は0℃~50℃のアントシアニンの加水分解の水溶液中での場合、アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩がアントシアニンの加水分解の水溶液から凝集及び沈殿する効果は最も優れである。
【0017】
7、天然植物中の油溶性脂肪酸や脂肪酸エステル(オレイン酸のエステル、パルミチン酸のエステル)不純物の相対密度はいずれも1未満で(水は1、g/cm3またはml)。オレイン酸の凝固点(℃)が13.2で、パルミチン酸の融点(℃)が63.1である。天然のアントシアニン含有植物または果実に主にパルミチン酸とオレイン酸のエステル(例えば黒米)を含み、パルミチン酸のエステル含有量が最も高く、パルミチン酸のエステル含有量はアントシアニンが加水分解されたアントシアニジンの5~10倍以上である。
【0018】
本発明は、パルミチン酸または/およびオレイン酸のエステルを使用して、アントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩をアントシアニン/グルコース水溶液から懸濁および分離させる。
【0019】
自然界に広く存在するパルミチン酸は、ヘキサデカン酸とも呼ばれ、ほとんどすべての油脂にパルミチン酸がさまざまな量で存在する。分子式:C16H32O2、構造式:CH3(CH2)14COOH。白色結晶で、多くのオイル及び脂肪にグリセリドの形で存在、水に溶けなく、冷アルコールや石油エーテルに溶けにくく、熱エタノール、エーテル、クロロホルムなどに溶ける。密度(g/mL、25/4℃):0.8527、相対密度(25℃、4℃):0.841480。
【0020】
オレイン酸は、他の脂肪酸と一緒に、グリセリドの形ですべての動植物の油脂に存在する。相対密度(g/mL、20/4℃):0.8935、相対密度(g/mL、25/4℃):0.845590、相対密(g/mL、90/4℃):0.8429。
【0021】
8、アントシアニジン及びアントシアニジンのナトリウム塩やカリウム塩はアントシアニン/グルコース水溶液中の塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液に不溶性である。
【0022】
9、水不溶性のアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルの組み合わせでは、主成分は脂肪酸または脂肪酸エステル(オレイン酸または/およびパルミチン酸のエステル)であるため、組み合わせの相対密度は1.1以下であり、一方、アントシアニン/グルコースと塩化ナトリウムや塩化カリウムNacl/Kclを含む飽和塩水の相対密度は1.1より大きくて、1.2以上に達し、したがって、アントシアニジンのナトリウムかカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルの組み合わせをアントシアニン/グルコースを含む塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kcl飽和水溶液から懸濁及び分離させ得る。
【0023】
10、質量比が10%~30%の塩酸Hcl水溶液をアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩を攪拌して複分解反応させて、アントシアニジンを沈殿及び回収する原理:アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩の質量と塩酸Hcl水溶液の質量との質量比は1/10~20の範囲であり、300~500回転/分の速度で偏心攪拌して、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩の粒子の形状とサイズを絶えずに変化させ、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩を塩酸Hclと十分的に接触及び反応させ、水素H還元のアントシアニジンと塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/kclとの塩酸Hclを含む水溶液を生成する。アントシアニジンは塩酸Hcl水溶液にわかずに溶けず、塩酸と塩化ナトリウムか塩化カリウムとの水溶性はアントシアニジンの水溶性より遥かに大きいため、塩酸と塩化ナトリウムか塩化カリウムともアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液中の溶解を抑制する。弱酸(アントシアニジン分子上のヒドロキシル基)が強塩酸を生成できないため、塩化ナトリウムか塩化カリウムはアントシアニジンと反応できず、徹底的な反応が進行と完了できる。絶対過剰のアントシアニジンは、それらの相対密度(1.8)が塩酸と塩化ナトリウムまたは塩化カリウム水溶液の相対密度よりはるかに大きくしか、凝集、沈殿、分離できない。
【0024】
11、既存の知識により、L-システインは還元剤であり、それはアントシアニンの加水分解において、β-グルコシダーゼの活性中心が酸化されることを防ぎ及びβ-グルコシダーゼの活性を回復させることに役立つ。L-システイン自体は酸化されてジスルフィド結合L-シスチンになり得る。L-シスチンは、水にわずかに溶け、希酸水溶液に溶け、等電点(PI)が4.6で、アントシアニジン加水分解された後の酸性水溶液のPH値をL-シスチンの等電点(PI)に調整することにより、L-シスチンを沈殿分離させることができる。アントシアニンのβ-グルコシダーゼ酵素加水分解産物としてアントシアニジンとグルコースがあり、グルコースは、酸化性と還元性を持つアルデヒド基を有し、β-グルコシダーゼの活性中心を酸化することができ、したがって、グルコースはβ-グルコシダーゼ酵素加水分解酸の典型的な阻害剤で、還元剤L-システインを入れて、β-グルコシダーゼの活性中心の酸化とβ-グルコシダーゼの活性の回復を防ぐことができる。
【0025】
シスチンは、L-シスチン、3,3’-ジチオジアラニンなども呼ばれ、CAS番号は56-89-3で、化学式はC12で、1810年に膀胱結石からウォラストン(Wollaston)によって発見されたものであり、1832年、ベルセリウス(Berzelius)はそれをシスチンと名付けた。それは硫黄含有アミノ酸であり、タンパク質に少量含まれ、主に髪の毛や手足の爪などのケラチンに含まれる。合成方法でも入手でき、医療、食品、化粧品、その他の業界で応用されてる。
【0026】
L-シスチン、水への溶解度:0.112g/L(25℃)、白色結晶の外観で、エタノールおよび他の有機溶媒に溶けず、希酸に溶けやすい。等電点がpI4.6である。
【0027】
12、アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)は、アスコルビン酸(ビタミンC)の溶液に炭酸水素ナトリウム、イソプロパノールを順次に加えて反応させることにより得られ、または、アスコルビン酸と炭酸ナトリウムとを加熱反応させてろ過することにより得られる。アスコルビン酸ナトリウムとアスコルビン酸は同じ生理機能を持って、経口でも静脈注射でも投与され得る。アントシアニジンは口から服用され、人間の小腸から血液に吸収される。アントシアニジンは天然に無毒で、人間の体内で容易に分解され、100%の生物学的利用能を持っている。アントシアニンは明らかな生物活性を示さなくて、色素としてのみ使用でき、人体での生物学的利用能はほぼゼロである。
【0028】
13、活性炭は、アントシアニン水溶液中のアントシアニンを吸着でき、脱色機能を有する。
【0029】
14、塩化ナトリウムNaclは水への溶解度(g/100g水):
0℃:35.7g、10℃:35.8g、20℃:36g、30℃:36.3g、40℃:36.6g、50℃:37g、60℃:37.3g、70℃:37.8g、80℃:38.4g、90℃:39g、100℃:39.8g。
【0030】
15、塩化カリウムKclは水への溶解度g/100g水):
0℃:28g、10℃:31.2g、20℃:34.2g、30℃:37.2g、40℃:40.1g、60℃:45.8g、70℃:48.8g、80℃:51.3g、90℃:53.9g、100℃:56.3g。
【課題を解決するための手段】
【0031】
1、(一)天然植物アントシアニン水溶液をβ-グルコシダーゼで加水分解して、β-グルコシダーゼの活性を保護するために、L-システインを抗酸化に使用して、加水分解の温度は45℃~50℃で、PH4.5-5、24~48時間で加水分解してアントシアニジン/アントシアニン/グルコースを含む水溶液を得て、酸性水溶液に分散した総表面積と吸着表面積が大きい油溶性の相対密度が1未満の脂肪酸や脂肪酸脂質不純物を含む。脂肪酸または脂肪酸脂質不純物はオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを指し、オレイン酸または/およびパルミチン酸の含有量が少ないアントシアニン水溶液に対してオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを適切な量を添加する必要があり、下記(三)においてアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩をアントシアニン/グルコースの水溶液から完全に懸濁及び分離させることができるようにするためである。
【0032】
(二)炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO/KHCOを使用して、上記(一)のアントシアニン加水分解水溶液をPH6.8~7に中和する同時に、アントシアニジンをそれのナトリウム塩またはカリウム塩を生成させる。
【0033】
(三)上記(二)に塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclを加えて、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩/アントシアニン/グルコース水溶液を含む上記(2)の飽和塩水を調製する。具体的な調製方法は、エネルギーを節約するために、25℃~50℃の温度範囲で、そのうちのある温度下で塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclが水中における飽和溶解度を基準値として、その基準値の塩化ナトリウムかカリウムNacl/Kclをアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩/アントシアニン/グルコースを含む水溶液に加えて溶解させて、1~3分間放置して、過剰な微量の塩化ナトリウムか塩化カリウムをすぐに沈殿させ分離することができるようにする。次に、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩/アントシアニン/グルコース/塩化ナトリウムか塩化カリウムを含む水溶液を取り出して3~8時間放置して、アントシアニジンのナトリウム塩またはカリウム塩の結合物はその相対密度が塩化ナトリウムまたは塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液の相対密度より小さいため固体の水不溶性物質として密に懸濁し分離し、その水不溶性の結合物は脂肪酸や脂肪酸エステル不純物に取り込まれ、吸着され、物理的に結合されることによって、アントシアニンとグルコース及び塩化ナトリウムか塩化カリウムの水溶液から分離する。その後、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を成層してから取り出して、その中の水をろ過して、同時に、水溶性のアントシアニンとグルコース及び液体のオレイン酸のエステルもろ過され、よって、アントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩とパルミチン酸のエステルとの結合物を得た。
【0034】
(四)室温で、わずかに過剰な塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸エステル中のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と攪拌して反応させ、強酸から弱酸になり水素H還元したアントシアニジンと塩化ナトリウムか塩化カリウムの塩酸水溶液を生成し、アントシアニジンを完全に塩酸Hcl水溶液に溶解させるようにする。パルミチン酸エステルは塩酸Hcl水溶液に不溶で、塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化ナトリウムか塩化カリウムは塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化ナトリウムか塩化カリウムはアントシアニジンと反応しない。弱酸アントシアニジンは強塩酸を生成できない。ここで、アントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液の酸性が強くて、その水溶液のPHは2以下で、人間に直接摂取できない。本発明は懸濁剤パルミチン酸または/およびオレイン酸のエステルは塩酸Hcl水溶液に不溶性のことと、塩酸Hcl水溶液と反応しないことという重要特性を選択及び利用して、アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩をアントシアニジンの塩酸水溶液に還元し、そうしないと、塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸のエステル中のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩との攪拌反応は無意味になり、適応価値を失う。
【0035】
(五)、パルミチン酸エステルはアモルファス物質であり、フィルターでろ過することができないため、上記(四)のパルミチン酸エステル含有のアントシアニジン塩酸水溶液を室温で高密度の耐酸工業用濾布で加圧ろ過または真空減圧ろ過することにより、パルミチン酸エステルを分離して、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を得た。次に、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3水溶液を使用して上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和してそのPHを3.5~4に調整する。ここで、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3水溶液にて上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和するときに、炭酸水素ナトリウムか炭酸水素カリウムをアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液の中に均一に分布できるため、量を限って加えてまたは複数回に分けて加える必要があり、加える同時に、300~500回転/分の速度で速く攪拌する。そして、適切な量のアスコルビン酸、即ちビタミンCを上記のPHが3.5~4であるアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液に加え、そのアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液のPH値を1~2に調整した後、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3水溶液で上記のPHが1~2であるアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液をPH3.5~4に中和する。塩酸は強酸であり、アスコルビン酸は弱酸で、ここで、塩酸がアスコルビン酸に対する競合反応を利用することにより、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液中の塩酸含有量を大幅に減少する。アスコルビン酸にて大部分の塩酸を代わることにより、少量の水溶性アスコルビン酸のナトリウム塩かカリウム塩というものがあっても、人間に影響を与えない。アントシアニジンは酸性水溶液にわずかに溶け、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸、即ちビタミンCの水溶液を得た。
【0036】
(六)上記のステップ(五)において、微量のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩という物質を生成した場合、室温で、上記(五)のアントシアニジンのアスコルビン酸(ビタミンC)の水溶液を24~72時間で放置して、微量のアントシアニジンのナトリウム塩かカリウム塩を凝集沈殿分離して、または、高密度の耐酸性工業用濾布で加圧ろかまたは真空減圧ろ過分離する。上記により得た微量のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を再び塩酸Hcl水溶液と反応させて、再利用して、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸即ちビタミンC水溶液を得る。
【0037】
2、本発明によるアントシアニジン生成物を検出するための固体サンプルの製造方法:
(1)上記の技術方案1(三)のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を取って、その中の水をろ過し、水溶性アントシアニンとグルコースも同時にろ過される。そして、このアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物をその体積の10~20倍の食用軟水に加えて、アントシアニン加水分解の水溶液と比較して水の用量を大幅に減少、0℃~5℃で適量の塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclを加えて、または、その飽和水溶液濃度に達し、その水溶液の相対密度は1以上に達させる。そして、0℃~5℃で8~24時間放置して、脂肪酸または脂肪酸エステルの固体粒子を衝突させて凝集させ、脂肪酸または脂肪酸エステルの総表面積と吸着表面積は大幅に減少し、全体の固体油脂として密着懸濁分離する。ここで、アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩の固体粒子も大部分が衝突沈殿分離する。アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩の相対密度は1.8より大きく、塩化ナトリウム/塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液の相対密度より遥かに大きい。
【0038】
(2)上記(1)のアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩をろ過または成層化することにより取り出して、25℃~50℃で、そのアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を質量比が10%~30%である過剰量の塩酸Hcl水溶液と300~500回転/分の速度で攪拌して反応させ、アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を塩酸Hcl水溶液と十分に反応させることにより、水素H還元のアントシアニジン沈殿物と塩化ナトリウムか塩化カリウム水溶液を生成する。アントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩の質量と塩酸Hcl水溶液の質量との質量比は1/10~20の範囲であり、ろ過または成層化によりアントシアニジン沈殿物を取り出して、1℃~25℃で、少量の食用水でその中の塩酸を洗浄し、アントシアニジンを沈殿及び分離させ、アントシアニジン固体物を得た。そして、凍結真空乾燥を行って、天然アントシアニジンと同じ化学構造のアントシアニジン固体製品を得、微量のアントシアニジンを含む塩酸水溶液をリサイクルする。アントシアニジンの相対密度は1.8である。
【0039】
本発明による技術案1において、アントシアニンを加水分解するステップと、NaHCO3/KHCO3にて加水分解されたアントシアニンの水溶液をPH7に中和するステップと、そして塩化ナトリウムか塩化カリウムNacl/Kclの飽和水溶液にてアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩を塩析し、混濁して分離するステップと、塩酸にてアントシアニジンナトリウム塩かカリウム塩と反応させてろ過するステップと、炭酸水素ナトリウムか炭酸水素カリウムNaHCO3/KHCO3にて塩酸酸性を中和してその酸度を低下させるステップと、アスコルビン酸(即ちビタミンC)にて塩酸を代わるステップとの組み合わせが本発明のコア技術(革新)に必要な技術的特徴である。
【発明の効果】
【0040】
1、本発明は、アントシアニジンの工業的生産性を大幅に改善し、β-グルコシダーゼが加水分解された後、4つのヒヒドロキシル基と5つのヒドロキシル基を含むアントシアニジン及び6つのヒドロキシル基のアントシアニジンを含むアントシアニジンを全て抽出できる。
【0041】
2、アントシアニジン資源の浪費を避けた。
【0042】
3、大量の水分を乾燥する必要がないため、エネルギーを大幅に節約し、アントシアニジンの工業的生産性を大幅に向上させた。
【0043】
4、本発明によるアントシアニジン水溶液製品は人が直接摂取することができ、使用簡単便利で、人体に完全かつ迅速に吸収される。
【0044】
5、本発明のアントシアニジンと酸との水溶液はアントシアニジン、微量の塩酸、ビタミンC(及びそのナトリウム塩またはカリウム塩)、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムのみを含み、アントシアニジンの純度は高く、水不溶性の化学成分や他の人体に有害な化学成分を含まないため、人間の血液注射剤として使用できる。
(本発明の好ましい技術案)
(一)天然黒米アントシアニン水溶液をβ-グルコシダーゼで加水分解して、β-グルコシダーゼの活性を保護するために、L-システインを抗酸化に使用して、50℃の加水分解の温度で、PH4.5、48時間で加水分解してアントシアニジン/アントシアニン/グルコースを含む水溶液を得て、酸性水溶液に分散した総表面積と吸着表面積が大きい油溶性の相対密度が1未満の脂肪酸や脂肪酸脂質不純物を含む。脂肪酸または脂肪酸エステル不純物はオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを指し、オレイン酸または/およびパルミチン酸の含有量が少ないアントシアニン水溶液に対してオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを適切な量を添加する必要があり、下記(三)においてアントシアニジンのナトリウム塩をアントシアニン/グルコースの水溶液から完全に懸濁及び分離させることができるようにするためである。
【0045】
(二)炭酸水素ナトリウムNaHCOを使用して、上記(一)のアントシアニン加水分解水溶液をPH6.8~7に中和する同時に、アントシアニジンをそれのナトリウム塩を生成させる。
【0046】
(三)上記(二)に塩化ナトリウムNaclを加えて、アントシアニジンのナトリウム塩/アントシアニン/グルコース水溶液を含む上記(2)の飽和塩水を調製する。具体的な調製方法は、エネルギーを節約するために、25℃~50℃の温度範囲で、そのうちのある温度下で塩化ナトリウムNaclが水中における飽和溶解度を基準値として、その基準値の塩化ナトリウムNaclをアントシアニジンのナトリウム塩/アントシアニン/グルコースを含む水溶液に加えて溶解させて、1~3分間放置して、過剰な微量の塩化ナトリウムをすぐに沈殿させ分離することができるようにする。次に、アントシアニジンのナトリウム塩/アントシアニン/グルコース/塩化ナトリウムを含む水溶液を取り出して8時間放置して、アントシアニジンのナトリウム塩の結合物はその相対密度が塩化ナトリウムNaclの飽和水溶液の相対密度より小さいため固体の水不溶性物質として密に懸濁し分離し、その水不溶性の結合物は脂肪酸や脂肪酸エステル不純物に取り込まれ、吸着され、物理的に結合されることによって、アントシアニンとグルコース及び塩化ナトリウムの水溶液から分離する。その後、アントシアニジンのナトリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を成層してから取り出して、その中の水をろ過して、同時に、水溶性のアントシアニンとグルコース及び液体のオレイン酸のエステルもろ過され、よって、アントシアニジンのナトリウム塩とパルミチン酸のエステルとの結合物を得た。
【0047】
(四)室温で、わずかに過剰な塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸エステル中のアントシアニジンナトリウム塩と攪拌して反応させ、強酸から弱酸になり、水素H還元したアントシアニジンと塩化ナトリウムの塩酸水溶液を生成し、アントシアニジンを完全に塩酸Hcl水溶液に溶解させるようにする。パルミチン酸エステルは塩酸Hcl水溶液に不溶で、塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化ナトリウムは塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化ナトリウムはアントシアニジンと反応しない。弱酸アントシアニジンは強塩酸を生成できない。ここで、アントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液の酸性が強くて、その水溶液のPHは2以下で、人間に直接摂取できない。本発明は懸濁剤とするパルミチン酸または/およびオレイン酸のエステルは塩酸Hcl水溶液に不溶性のことと、塩酸Hcl水溶液と反応しないことという重要特性を選択及び利用して、アントシアニジンナトリウム塩をアントシアニジンの塩酸水溶液に還元し、そうしないと、塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸のエステル中のアントシアニジンナトリウム塩との攪拌反応は無意味になり、適応価値を失う。
【0048】
(五)、パルミチン酸エステルはアモルファス物質であり、フィルターでろ過することができないため、上記(四)のパルミチン酸エステル含有のアントシアニジン塩酸Hcl水溶液を室温で高密度の耐酸工業用濾布で加圧ろ過または真空減圧ろ過することにより、パルミチン酸エステルを分離して、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を得た。次に、炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液を使用して上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和してそのPHを3.5~4に調整する。ここで、炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液にて上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和するときに、炭酸水素ナトリウムをアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液の中に均一に分布できるため、量を限って加えてまたは複数回に分けて加える必要があり、加える同時に、300~500回転/分の速度で速く攪拌する。そして、適切な量のアスコルビン酸、即ちビタミンCを上記のPHが3.5~4であるアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液に加え、そのアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液のPH値を1~2に調整した後、炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液で上記のPHが1~2であるアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液をPH3.5~4に中和する。塩酸は強酸であり、アスコルビン酸は弱酸で、ここで、塩酸がアスコルビン酸に対する競合反応を利用することにより、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液中の塩酸含有量を大幅に減少する。アスコルビン酸にて大部分の塩酸を代わることにより、少量の水溶性アスコルビン酸のナトリウム塩かカリウム塩というものがあっても、人間に影響を与えない。アントシアニジンは酸性水溶液にわずかに溶け、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸、即ちビタミンCの水溶液を得た。
【0049】
(六)上記のステップ(五)において、微量のアントシアニジンナトリウム塩という物質があれば、室温で、上記(五)のアントシアニジンのアスコルビン酸(ビタミンC)の水溶液を72時間で放置して、微量のアントシアニジンのナトリウム塩を凝集沈殿分離して、または、高密度の耐酸性工業用濾布で加圧ろかまたは真空減圧ろ過分離する。上記により得た微量のアントシアニジンナトリウム塩を再び塩酸Hcl水溶液と反応させて、再利用して、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸即ちビタミンC水溶液を得る。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(実施例1)
(一)天然黒米アントシアニン水溶液をβ-グルコシダーゼで加水分解して、β-グルコシダーゼの活性を保護するために、L-システインを抗酸化に使用して、45℃の加水分解の温度で、PH4.5、24~48時間で加水分解してアントシアニジン/アントシアニン/グルコースを含む水溶液を得て、酸性水溶液に分散した総表面積と吸着表面積が大きい油溶性の相対密度が1未満の脂肪酸や脂肪酸脂質不純物を含む。脂肪酸または脂肪酸エステル不純物はオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを指し、オレイン酸または/およびパルミチン酸の含有量が少ないアントシアニン水溶液に対してオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを適切な量を添加する必要があり、下記(三)においてアントシアニジンのナトリウム塩をアントシアニン/グルコースの水溶液から完全に懸濁及び分離させることができるようにするためである。
【0051】
(二)炭酸水素ナトリウムNaHCO3を使用して、上記(一)のアントシアニン加水分解水溶液をPH6.8~7に中和する同時に、アントシアニジンをそれのナトリウム塩を生成させる。
【0052】
(三)上記(二)に塩化ナトリウムNaclを加えて、アントシアニジンのナトリウム塩/アントシアニン/グルコース水溶液を含む上記(2)の飽和塩水を調製する。具体的な調製方法は、エネルギーを節約するために、25℃~50℃の温度範囲で、そのうちのある温度下で塩化ナトリウムNaclが水中における飽和溶解度を基準値として、その基準値の塩化ナトリウムNaclをアントシアニジンのナトリウム塩/アントシアニン/グルコースを含む水溶液に加えて溶解させて、1~3分間放置して、過剰な微量の塩化ナトリウムをすぐに沈殿させ分離することができるようにする。次に、アントシアニジンのナトリウム塩/アントシアニン/グルコース/塩化ナトリウムを含む水溶液を取り出して3~8時間放置して、アントシアニジンのナトリウム塩の結合物はその相対密度が塩化ナトリウムNaclの飽和水溶液の相対密度より小さいため固体の水不溶性物質として密に懸濁し分離し、その水不溶性の結合物は脂肪酸や脂肪酸エステル不純物に取り込まれ、吸着され、物理的に結合されることによって、アントシアニンとグルコース及び塩化ナトリウムの水溶液から分離する。その後、アントシアニジンのナトリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を成層してから取り出して、その中の水をろ過して、同時に、水溶性のアントシアニンとグルコース及び液体のオレイン酸のエステルもろ過され、よって、アントシアニジンのナトリウム塩とパルミチン酸のエステルとの結合物を得た。
【0053】
(四)室温で、わずかに過剰な塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸エステル中のアントシアニジンナトリウム塩と攪拌して反応させ、強酸から弱酸になり、水素H還元したアントシアニジンと塩化ナトリウムの塩酸水溶液を生成し、アントシアニジンを完全に塩酸Hcl水溶液に溶解させるようにする。パルミチン酸エステルは塩酸Hcl水溶液に不溶で、塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化ナトリウムは塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化ナトリウムはアントシアニジンと反応しない。弱酸アントシアニジンは強塩酸を生成できない。ここで、アントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液の酸性が強くて、その水溶液のPHは2以下で、人間に直接摂取できない。本発明は懸濁剤とするパルミチン酸または/およびオレイン酸のエステルは塩酸Hcl水溶液に不溶性のことと、塩酸Hcl水溶液と反応しないことという重要特性を選択及び利用して、アントシアニジンナトリウム塩をアントシアニジンの塩酸水溶液に還元し、そうしないと、塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸のエステル中のアントシアニジンナトリウム塩との攪拌反応は無意味になり、適応価値を失う。
【0054】
(五)、パルミチン酸エステルはアモルファス物質であり、フィルターでろ過することができないため、上記(四)のパルミチン酸エステル含有のアントシアニジン塩酸Hcl水溶液を室温で高密度の耐酸工業用濾布で加圧ろ過または真空減圧ろ過することにより、パルミチン酸エステルを分離して、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を得た。次に、炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液を使用して上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和してそのPHを3.5~4に調整する。ここで、炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液にて上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和するときに、炭酸水素ナトリウムをアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液の中に均一に分布できるため、量を限って加えてまたは複数回に分けて加える必要があり、加える同時に、300~500回転/分の速度で速く攪拌する。そして、適切な量のアスコルビン酸、即ちビタミンCを上記のPHが3.5~4であるアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液に加え、そのアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液のPH値を1~2に調整した後、炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液で上記のPHが1~2であるアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液をPH3.5~4に中和する。塩酸は強酸であり、アスコルビン酸は弱酸で、ここで、塩酸がアスコルビン酸に対する競合反応を利用することにより、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液中の塩酸含有量を大幅に減少する。アスコルビン酸にて大部分の塩酸を代わることにより、少量の水溶性アスコルビン酸、即ちビタミンCのナトリウム塩というものがあっても、人間に影響を与えない。アントシアニジンは酸性水溶液にわずかに溶ける。以上のことにより、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸、即ちビタミンCの水溶液を得た。
【0055】
(六)上記のステップ(五)において、微量のアントシアニジンナトリウム塩という物質があれば、室温で、上記(五)のアントシアニジンのアスコルビン酸(ビタミンC)の水溶液を24時間で放置して、微量のアントシアニジンのナトリウム塩を凝集沈殿分離して、または、高密度の耐酸性工業用濾布で加圧ろかまたは真空減圧ろ過分離する。上記により得た微量のアントシアニジンナトリウム塩を再び塩酸Hcl水溶液と反応させて、再利用して、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸即ちビタミンC水溶液を得る。
(実施例2)
(一)天然植物アントシアニン水溶液をβ-グルコシダーゼで加水分解して、β-グルコシダーゼの活性を保護するために、L-システインを抗酸化に使用して、45℃~50℃の加水分解の温度で、PH4.5~5、24~48時間で加水分解してアントシアニジン/アントシアニン/グルコースを含む水溶液を得て、酸性水溶液に分散した総表面積と吸着表面積が大きい油溶性の相対密度が1未満の脂肪酸や脂肪酸脂質不純物を含む。脂肪酸または脂肪酸エステル不純物はオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを指し、オレイン酸または/およびパルミチン酸の含有量が少ないアントシアニン水溶液に対してオレイン酸または/およびパルミチン酸のエステルを適切な量を添加する必要があり、下記(三)においてアントシアニジンのカリウム塩をアントシアニン/グルコースの水溶液から完全に懸濁及び分離させることができるようにするためである。
【0056】
(二)炭酸水素カリウムKHCOを使用して、上記(一)のアントシアニン加水分解水溶液をPH6.8~7に中和する同時に、アントシアニジンをそれのカリウム塩を生成させる。
【0057】
(三)上記(二)に塩化カリウムKclを加えて、アントシアニジンのカリウム塩/アントシアニン/グルコース水溶液を含む上記(2)の飽和塩水を調製する。具体的な調製方法は、エネルギーを節約するために、25℃~50℃の温度範囲で、そのうちのある温度下で塩化カリウムKclが水中における飽和溶解度を基準値として、その基準値の塩化カリウムKclをアントシアニジンのカリウム塩/アントシアニン/グルコースを含む水溶液に加えて溶解させて、1~3分間放置して、過剰な微量の塩化カリウムをすぐに沈殿させ分離することができるようにする。次に、アントシアニジンのカリウム塩/アントシアニン/グルコース/塩化ナトリウムを含む水溶液を取り出して3時間放置して、アントシアニジンのカリウム塩の結合物はその相対密度が塩化カリウムKclの飽和水溶液の相対密度より小さいため固体の水不溶性物質として密に懸濁し分離し、その水不溶性の結合物は脂肪酸や脂肪酸エステル不純物に取り込まれ、吸着され、物理的に結合されることによって、アントシアニンとグルコース及び塩化カリウムの水溶液から分離する。その後、アントシアニジンのカリウム塩と脂肪酸か脂肪酸エステルとの結合物を成層してから取り出して、その中の水をろ過して、同時に、水溶性のアントシアニンとグルコース及び液体のオレイン酸のエステルもろ過され、よって、アントシアニジンのカリウム塩とパルミチン酸のエステルとの結合物を得た。
【0058】
(四)室温で、わずかに過剰な塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸エステル中のアントシアニジンカリウム塩と攪拌して反応させ、強酸から弱酸になり、水素H還元したアントシアニジンと塩化カリウムの塩酸水溶液を生成し、アントシアニジンを完全に塩酸Hcl水溶液に溶解させるようにする。パルミチン酸エステルは塩酸Hcl水溶液に不溶で、塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化カリウムは塩酸Hcl水溶液と反応しない。塩化カリウムはアントシアニジンと反応しない。弱酸アントシアニジンは強塩酸を生成できない。ここで、アントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液の酸性が強くて、その水溶液のPHは2以下で、人間に直接摂取できない。本発明は懸濁剤とするパルミチン酸または/およびオレイン酸のエステルは塩酸Hcl水溶液に不溶性のことと、塩酸Hcl水溶液と反応しないことという重要特性を選択及び利用して、アントシアニジンカリウム塩をアントシアニジンの塩酸水溶液に還元し、そうしないと、塩酸Hcl水溶液で上記(三)のパルミチン酸のエステル中のアントシアニジンカリウム塩との攪拌反応は無意味になり、適応価値を失う。
【0059】
(五)、パルミチン酸エステルはアモルファス物質であり、フィルターでろ過することができないため、上記(四)のパルミチン酸エステル含有のアントシアニジン塩酸Hcl水溶液を室温で高密度の耐酸工業用濾布で加圧ろ過または真空減圧ろ過することにより、パルミチン酸エステルを分離して、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を得た。次に、炭酸水素カリウムKHCO3水溶液を使用して上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和してそのPHを3.5~4に調整する。ここで、炭酸水素カリウムKHCO3水溶液にて上記のアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液を中和するときに、炭酸水素カリウムをアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液の中に均一に分布できるため、量を限って加えてまたは複数回に分けて加える必要があり、加える同時に、300~500回転/分の速度で速く攪拌する。そして、適切な量のアスコルビン酸、即ちビタミンCを上記のPHが3.5~4であるアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液に加え、そのアントシアニジンを含む塩酸Hcl水溶液のPH値を1~2に調整した後、炭酸水素カリウムKHCO3水溶液で上記のPHが1~2であるアントシアニジンの塩酸Hcl水溶液をPH3.5~4に中和する。塩酸は強酸であり、アスコルビン酸は弱酸で、ここで、塩酸がアスコルビン酸に対する競合反応を利用することにより、アントシアニジンの塩酸Hcl水溶液中の塩酸含有量を大幅に減少する。アスコルビン酸にて大部分の塩酸を代わることにより、少量の水溶性アスコルビン酸のカリウム塩、即ちビタミンCのカリウム塩というものがあっても、人間に影響を与えない。アントシアニジンは酸性水溶液にわずかに溶ける。以上ということにより、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸、即ちビタミンCの水溶液を得た。
【0060】
(六)上記のステップ(五)において、微量のアントシアニジンナトリウム塩という物質があれば、室温で、上記(五)のアントシアニジンのアスコルビン酸(ビタミンC)の水溶液を72時間で放置して、微量のアントシアニジンのカリウム塩を凝集沈殿分離して、または、高密度の耐酸性工業用濾布で加圧ろかまたは真空減圧ろ過分離する。上記により得た微量のアントシアニジンカリウム塩を再び塩酸Hcl水溶液と反応させて、再利用して、赤いアントシアニジンのアスコルビン酸即ちビタミンC水溶液を得る。
【0061】
本発明に記載されてる特定のデータは全て発明の原理にしたがって実現できることで、データ範囲は当業者が発明の原理により選択して実現することができる。本発明において、特別な説明がない場合、それらは全て常温と常圧下にある。
【国際調査報告】