(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】バルク試料容器のバーコードスキャン
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220112BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20220112BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220112BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20220112BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G01N35/02 C
G01N21/17 A
G06K7/10 372
G06K7/14 013
G06K7/14 017
G06K7/14 043
G01N1/28 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546052
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(85)【翻訳文提出日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 IB2019058915
(87)【国際公開番号】W WO2020079664
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521164647
【氏名又は名称】ダイアグノスティク・インスツルメンツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DIAGNOSTIC INSTRUMENTS, INC.
【住所又は居所原語表記】6540 Burroughs Ave., Sterling Heights, Michigan 48314, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】メルロ、フィリップ・ティー
(72)【発明者】
【氏名】トロンゴ、ジョン・ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ライス、マシュー・アンドルー
(72)【発明者】
【氏名】メルロ、パトリック・アロイシャス
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ、ラリー
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
2G059
【Fターム(参考)】
2G052DA07
2G052HB04
2G058GC02
2G058GC05
2G058GC06
2G059AA05
2G059EE02
2G059FF01
2G059KK04
2G059MM01
2G059MM09
2G059MM10
(57)【要約】
個別のバーコードで識別される組織試料などの複数のアイテムを収容するトレイ又は他の容器のバーコードをスキャン及び解読するための装置が提供される。装置は、イメージャ、照明システム及びプロセッサを含む。イメージャは、選択可能な視野内で画像を捕捉するように構成される。複数の試料/組織容器を移送するように構成されるバルク試料容器の少なくとも一部分は、視野内に位置決めされる。照明システムは、視野を均等に照明するように構成される。プロセッサは、イメージャから捕捉画像を受信するように構成される。プロセッサは、捕捉画像の第1の画像を分析し、且つ第1の画像に存在するバーコードを検出及び解読するようにさらに構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードをスキャン及び解読するための装置であって、
選択可能な視野内で画像を捕捉するように構成されたイメージャと、
複数の試料/組織容器を移送するように構成されたバルク試料容器を支持するように構成された試料撮像エリアであって、各試料/組織容器は、それぞれのバーコードを含み、前記バルク試料容器の少なくとも一部分は、複数の前記それぞれのバーコードが前記視野内にあるように前記視野内に位置決めされる、試料撮像エリアと、
前記視野に照射するように構成された照明システムと、
前記イメージャから捕捉画像を受信するように構成されたプロセッサと
を含み、
前記プロセッサは、前記捕捉画像の第1の画像を分析し、且つ前記第1の画像に存在する前記複数のそれぞれのバーコードの各々を検出及び解読するように構成される、装置。
【請求項2】
前記バルク試料容器は、各試料/組織容器上のそれぞれの各バーコードが、前記視野内にあるときに、見えるように位置決めされるように、前記複数の試料/組織容器を保持及び位置決めするように構成され、
それぞれの各バーコードは、一連の平行線を含む一次元バーコード及びデータマトリックスを含む二次元バーコードの1つである、さらに前記バルク試料容器との組み合わせにおける請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の試料/組織容器の第1の試料/組織容器は、組織生検カセット、顕微鏡スライド及び組織試料キャリアのいずれか1つを含む、さらに前記バルク試料容器及び前記複数の試料/組織容器との組み合わせにおける請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記バルク試料容器は、様々な異なる試料/組織容器を移送するように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記照明システムは、前記視野内のグリントを低減するように構成された偏光子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記イメージャは、バルク試料容器の少なくとも選択された部分をカバーするために前記視野の位置を調整するようにさらに構成され、
前記イメージャは、前記バルク試料容器に存在する前記バーコードのすべてを捕捉するため、前記バルク試料容器の複数の異なる部分をカバーするために、重複している対応する視野を有する複数の画像を捕捉するようにさらに構成され、
前記バルク試料容器は、単一の視野より大きい、さらに前記バルク試料容器との組み合わせにおける請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1の画像に存在するバーコードの場所を特定するために前記第1の画像をスキャンするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、分析前に前記第1の画像に画像処理を実行するように構成され、前記画像処理は、画像サイズ倍増、アンシャープマスクフィルタリング及び収縮フィルタリングの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記画像処理は、前記第1の画像の信号対雑音比を増加させるように構成される画像サイズ倍増を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記画像処理は、さらなる画像処理における特殊な切り捨て誤差を低減するために、高ステップ値のエッジ遷移を強調すること及び異なる色付きの容器から生じる輝度強度を正規化すること、の少なくとも1つを実行するように構成されるアンシャープマスクフィルタリングを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記画像処理は、予想されるバーコードドットの閾値サイズ未満の印刷ギャップを有する前記第1の画像のエリアを埋めるように構成される収縮フィルタリングを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
バーコードをスキャン及び解読するための方法であって、
選択可能な視野内において、複数の試料/組織容器を支持するバルク試料容器を位置決めすることであって、各試料/組織容器は、それぞれのバーコードを含む、位置決めすることと、
前記視野を偏光で照明することと、
前記視野内で画像を捕捉することであって、前記捕捉画像の第1の画像は、前記視野内における複数の前記それぞれのバーコードの描写を含む、捕捉することと、
前記第1の画像に存在する前記複数のそれぞれのバーコードの各々を検出及び解読するために前記第1の画像を分析することと
を含む方法。
【請求項13】
前記複数の試料/組織容器の第1の試料/組織容器は、組織生検カセット、顕微鏡スライド及び組織試料キャリアの1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バルク試料容器は、様々な異なるタイプの試料/組織容器を移送するように構成され、
前記バルク試料容器は、各試料/組織容器上のそれぞれの各バーコードが、前記視野内にあるときに、見えるように位置決めされるように、前記様々な異なるタイプの試料/組織容器を保持及び位置決めするように構成され、それぞれの各バーコードは、一連の平行線を含む一次元バーコード及びデータマトリックスを含む二次元バーコードの1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
バルク試料容器の少なくとも選択された部分をカバーするように前記視野を調整することと、
前記バルク試料容器に存在する前記バーコードのすべてを捕捉するために、前記バルク試料容器の複数の異なる部分をカバーするように、重複している対応する視野を有する複数の画像を捕捉することであって、前記バルク試料容器は、単一の視野より大きい、捕捉することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の画像に存在する前記バーコードの各々を検出することは、存在する各バーコードの場所を特定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の画像を分析する前に前記第1の画像を処理することをさらに含み、前記処理は、画像サイズ倍増、アンシャープマスクフィルタリング及び収縮フィルタリングの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記処理は、前記第1の画像の信号対雑音比を増加させることを含む画像サイズ倍増を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記処理は、さらなる画像処理における特殊な切り捨て誤差を低減するために、高ステップ値のエッジ遷移を強調すること及び異なる色付きの容器から生じる輝度強度を正規化すること、の1つを含むアンシャープマスクフィルタリングを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記処理は、予想されるバーコードドットの閾値サイズ未満の印刷ギャップを有する前記第1の画像のエリアを埋めることを含む収縮フィルタリングを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード、具体的には容器で一緒に移送される複数の製品のバーコードのスキャンを対象とする。
【背景技術】
【0002】
輸送及び保管の両方に対して使用される従来の組織/試料容器(例えば、組織生検カセット、顕微鏡スライド及び他の組織試料キャリア)は、一連の平行線である一次元バーコード及び二次元データマトリックスバーコード(例えば、QRバーコード)などの機械可読バーコードで個別に識別される。これらのバーコードは、バーコードリーダで読み取られるか、又はバーコードと関連付けられている、人間が読み取れる文字を使用してコンピュータシステムに手動で入力される。組織/試料容器は、多くの組織/試料容器を保持するように構成されたバルク試料容器に保持され得る。一方、個々の組織/試料容器上のバーコードの各々は、個別に読み取られて処理される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態は、組織生検カセット、顕微鏡スライド及び他の試料容器(本明細書では組織/試料容器としても知られる)並びに組織/試料容器を収容するバルク試料容器を撮像するための装置及び方法を提供する。画像で描写されるバーコードは、位置付けられ、スキャンされ、且つ解読され得る。本発明の態様では、バルク試料容器の単一の画像をスキャンして、バルク試料容器における組織/試料容器上に印刷されたバーコードの各々を位置付け及び解読することができる。このように、各組織/試料容器は、研究施設においてなど、ハンドリングのいかなる段階でも追跡され且つ明確に識別され得る。その上、格納された画像は、初期の組織切断と最終的な染色スライド画像との間の将来的な比較のためにインデックスを付けられ得る。
【0004】
本発明の態様では、バーコードをスキャン及び解読するための装置は、イメージャ、照明システム及びプロセッサを含む。イメージャは、選択可能な視野内で画像を捕捉するように構成される。試料/組織容器又は複数の試料/組織容器を移送するように構成されたバルク試料容器の少なくとも一部分は、視野内に位置決めされる。照明システムは、視野を均等に照明するように構成される。プロセッサは、イメージャから捕捉画像を受信するように構成される。プロセッサは、捕捉画像の第1の画像を分析し、且つ第1の画像に存在するバーコードを検出及び解読するようにさらに構成される。
【0005】
本発明のさらなる態様では、バーコードをスキャン及び解読するための方法は、選択可能な視野内において、試料/組織容器又は複数の試料/組織容器を移送するように構成されたバルク試料容器を位置決めすることを含む。視野は、偏光で均等に照明される。方法は、視野内で画像を捕捉することをさらに含む。捕捉画像の第1の画像は、少なくとも1つのバーコードの描写を含む。第1の画像は、第1の画像に存在する少なくとも1つのバーコードを検出及び解読するために分析される。
【0006】
従って、試料/組織容器及び(試料/組織容器を移送する)バルク試料容器は、試料/組織容器上に印刷されたバーコードが位置付けられ、スキャンされ、且つ解読され得るように撮像され得る。さらなる利益は、描写されるバーコードを改良するために単一の画像に対する画像処理ステップが行われた後、その画像において、バルク試料容器で移送される試料/組織容器上のバーコードが位置付けられ且つスキャンされ得ることである。
【0007】
図面と併せて以下の説明を検討することにより、本発明のこれら及び他の目的、利点、目標及び特徴が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明によるバーコードスキャン装置の斜視図である。
【
図1B】
図1Aのバーコードスキャン装置の正面立面図である。
【
図1C】
図1Aのバーコードスキャン装置の左側面立面図である。
【
図2】バーコード付きの例示的な組織/試料容器の概略図である。
【
図3】組織/試料容器、カセット及びスライドが配置された例示的なバルク試料容器の概略図である。
【
図4】本発明によるバーコードスキャン装置のブロック図であり、処理サブユニットを示す。
【
図5】本発明による画像強調及びバーコード検出のための方法を示すフロー図である。
【
図6A】本発明による1インチ×3インチの顕微鏡スライドの斜視図であり、バーコードの配置を示す。
【
図7A】本発明による2インチ×3インチの顕微鏡スライドの斜視図であり、バーコードの配置を示す。
【
図8A】本発明による小型カセットを上から見下ろした図である。
【
図8B】
図8Aの小型カセットの正面図であり、バーコードの配置を示す。
【
図9A】
図8Aの小型カセットの斜視図であり、小型カセット上に置かれたワックス内の標本を示す。
【
図9B】
図9Aの小型カセットの正面図であり、小型カセット上に置かれたワックス内の標本を示す。
【
図9C】
図9Aの小型カセットの側面図であり、小型カセット上に置かれたワックス内の標本を示す。
【
図10A】本発明による大型カセットの斜視図である。
【
図11A】
図10Aの大型カセットの斜視図であり、大型カセット上のワックスの配置を示す。
【
図11B】
図11Aの大型カセットの正面図であり、大型カセット上のワックスの配置及びバーコードの配置を示す。
【
図11C】
図11Aの大型カセットの側面図であり、大型カセット上のワックスの配置を示す。
【
図12A】カセットが入った引き出しの斜視図であり、バーコードの配置を示す。
【
図13A】本発明による、カバーを開けた状態の、顕微鏡スライドを保持するスライドホルダーの斜視図である。
【
図14A】本発明による、カセットを保持するカセットバスケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で描写される図面及び例示的な実施形態を参照すると、組織生検カセット、顕微鏡スライド及び他の組織容器などの組織/試料容器並びに複数の組織/試料容器を収容するバルク試料容器を撮像するための装置及び方法が提供されている。一連の平行線を含む一次元バーコード又は二次元マトリックスバーコード(例えば、QRコード)などのコードは、それぞれの個々の顕微鏡側面、組織カセット又は容器に貼付される。「バーコード」という用語は、本明細書では、任意のタイプの機械可読光学指標を説明するために使用される。画像で描写されるバーコードは、本明細書で説明される画像処理方法によって画像がスキャンされた際に位置付け及び解読され得る。本発明の態様では、バルク試料容器の単一の画像をスキャンして、バルク試料容器内の組織/試料容器上のバーコードの各々を位置付け及び解読することができる。例えば、
図2に示されるように、組織/試料容器(200a、200b、200c)は、それらのそれぞれのバーコード210を位置付け及び解読することができるように、個別に撮像され、次いでスキャンされ得る。
図2は、3つの例示的な組織/試料容器(200a~c)を示している。一方、追加のタイプの組織/試料容器も予測される。例えば、
図6A~6Cは、顕微鏡スライドの表面にバーコード210が位置決めされた例示的な1インチ×3インチの顕微鏡スライド602を描写する。一方、
図7A~7Cは、顕微鏡スライド702の表面にバーコード210が位置決めされた例示的な2インチ×3インチの顕微鏡スライド702を描写する。
図8A~8Cは、小型カセット802の正面804にバーコード210が位置決めされた例示的な小型カセット802を描写する。一方、
図10A~10Cは、大型カセット1002の正面1004にバーコード210が位置決めされた例示的な大型カセット1002を描写する。
図9A~9Cは、ワックス908に標本906が埋め込まれた状態の
図8A~8Cの小型カセット802を示す。一方、
図11A~11Cは、ワックス1108に標本1106が埋め込まれた状態の
図10A~10Cの大型カセット1002を示す。
【0010】
図3に示されるように、バルク試料容器300内に配置された組織/試料容器200の集合体は、単一の画像で撮像され得る。それらのそれぞれのバーコード210の各々は、その単一の画像をスキャンすることによって位置付け及び解読され得る。
図2及び3に示される組織/試料容器200及びバルク試料容器300は、本質的には、例示的なものである。他のサイズ及び形状が可能である。また、バルク試料容器300内の組織/試料容器200の他の配置も可能である。例えば、
図12A~12Cに示されるように、例示的な引き出し1202は、引き出し1202内に配置されたカセット(802、1002)の列を保持するように構成される。
図12Aには示されていないが、各カセット802、1002は、そのそれぞれのバーコード210(カセット802、1002の正面804、1004に位置決めされる)がスキャナの視野内で見えるように、引き出し1202内に直立して位置決めされる。
【0011】
図14Aに関して論じられるように、引き出し1202は、カセット802、1002が、引き出し1202と直角をなす垂直面からある角度(例えば、45度)で保持されるように構成され得る。
図12A及び12Cに示されるように、引き出し1202のためのバーコード210は、引き出し1202の側面にも位置決めされ得る。
図13A~13Cでは、例示的なスライドホルダー1302は、一連の1インチ×3インチのスライド(602)のそれぞれのバーコード210がスキャナの視野内で見えるように、一連の1インチ×3インチのスライド(602)を保持するように構成される。示されていないが、代替の実施形態では、スライドホルダー1302は、2インチ×3インチのスライド702を保持するように構成され得る。
図13Aに示されるように、スライドホルダー1302は、スライド602、702を表向きに(且つスキャナの視野で見えるように)保持するように構成される。
図14A~14Cは、カセット(802、1002)の列を保持するように構成された例示的なカセットバスケット1402を示す。
図14Aに示されるように、カセットバスケット1402は、各カセットのそれぞれのバーコード210がスキャナの視野内で見えるような位置に各カセット(802、1002)を保持するようにさらに構成される。カセットバスケット1402は、カセットバスケット1402と直角をなす垂直面からある角度(例えば、45度)で各カセット802、1002を保持するようにさらに構成され得る。任意選択的に、カセットバスケット1402は、それ自体の識別バーコードを貼付される。それにより、カセット802、1002は、カセット802、1002が保管又は輸送されている特定のカセットバスケットと容易に関連付けられ得る。カセットバスケットのバーコードは、カセットバーコード210がスキャンされるのと同時にスキャンされ得る。
【0012】
図1は、例示的なバーコードスキャン装置100を示し、バーコードスキャン装置100内又はバーコードスキャン装置100の下方に配置された容器上のバーコードを位置付け及び解読するように構成されている。バーコードスキャン装置100は、単一のバーコード付きの個々の容器の捕捉画像をスキャンするように、又はそれら自体のバーコードが各々に付けられた多くの容器を保持するバルク試料容器の捕捉画像をスキャンするように構成される。上記で記述されたように、バルク試料容器は、それらのそれぞれのバーコードがバーコードスキャン装置100の視野で見えるような角度でそれらの容器を位置決めする(及び場合により保持する)ように構成される。
【0013】
バーコードスキャン装置100は、凸凹の作業面においてバーコードスキャン装置100の水平調整を容易にする調整可能な足部102を含み得る。示される実施形態では、バーコードスキャン装置100は、個々の組織/試料容器200又は(複数の組織/試料容器200を収容する)バルク試料容器300を配置するためにオペレータが容易にアクセス可能な試料撮像エリア104を含む。それにより、組織/試料容器200上の(試料撮像エリア104内の)バーコード210は、バルク試料容器300内に位置決めされたカメラアセンブリ又はイメージャ130(以下ではカメラと呼ばれる)から見ることができる(
図4を参照されたい)。
【0014】
試料撮像エリア104は、照明システム106による照射を受ける。任意選択的に、照明システム106は、偏光を視野に照射するために使用される偏光子を含む。偏光を視野に照射することにより、交差偏光子が装着されたカメラ130の視野内のグリント又はグレアを低減することができる。それにより、撮像エリア104においてバーコードの鮮明な画像を得るためのカメラの能力が向上する。カメラ130の視野は、バルク試料容器300全体をカバーするか、又はバルク試料容器300の一部分のみをカバーすることができる。カメラの視野がバルク試料容器300の一部分のみをカバーする場合、カメラの視野は、視野が重複した状態で一連の複数の画像が捕捉されるように調整され得る。次いで、これらの重複画像を使用して、単一の視野より大きいバルク試料容器内に存在するすべてのバーコードを捕捉することができる。
【0015】
個々の組織/試料容器200又はバルク試料容器300(複数の組織/試料容器200が詰まったもの)は、カメラ130及びその関連するレンズ配置で撮像される。カメラ130及びその関連するレンズ配置は、(1)バルク試料容器300内のバーコードのすべて又は少なくとも多重露光捕捉に必要な関心領域を撮像するのに十分な視野、(2)4つ以上の画素を有する各二次元(2D)バーコードの正方形要素をカバーするのに十分な分解能、(3)カメラ画素サイズ以下の光回折錯乱円、(4)虹彩、焦点及び偏光の向きに対するカメラ設定を可能にするための(カメラ130の)レンズ系のロック可能な調整を提供するように選択される。一実施形態では、カメラ130は、モノクロカメラである。また、カラーイメージャ及び同様のものなど、他の実施形態も可能である。
【0016】
バーコードスキャン装置100は、捕捉画像のグリント又はグレアの除去又は少なくとも低減を可能にするために、照射偏光子に対する交差偏光を可能にするための向き調整機能を備えた分析器/画像プロセッサを含み得る。
図4に示されるように、バーコードスキャン装置100の分析器/画像プロセッサによって実行されるすべてのアルゴリズムプロセス(例えば、カメラ制御、スキャンプロセス、画像処理、バーコード位置付け/解読)は、コンピュータ120によって行われる。コンピュータ120は、高速画像処理及び分析を容易にするためのマルチコアマイクロ処理ユニット(CPU)124及びマルチコアグラフィックス処理ユニット(GPU)126を含み得る。コンピュータ120は、カメラ130の操作を制御し、且つカメラ130からデジタル画像データを受信して、受信したデジタル画像データを処理するためにカメラ130に通信可能に結合される。
【0017】
示される実施形態では、カメラ130には、視野のサイズを調整できるようにするための調整機能が搭載される。バーコードスキャン装置100は、バーコードスキャン装置100の高さを低く維持するために、(イメージャへの)光経路を反射できるようにするために45度で装着された鏡を含み得る。
【0018】
任意選択的に、カメラ130及びその関連するレンズは、粉塵、破片及び流体がカメラ130及びその関連する光学系を汚染することを防ぐために、窓及びアクセスカバーを有するハウジング内に密閉され得る。また、典型的な病理組織固定剤の存在下で使用する際にヒューム軽減を容易にするために、ハウジングの換気ポートを提供することもできる。バーコードスキャン装置100のハウジングは、コンピュータ/プロセッサ120を収納し、且つ換気を可能にするために使用され得る。また、ハウジングは、関連するケーブル配線が妨げられないようにすることもできる。
【0019】
図1に示されるように、バーコードスキャン装置100は、ユーザインタフェース(UI)を提示するための表示画面108を含む。表示画面108には、ユーザ快適性を得るために上方及び下方に傾ける機能が搭載される。表示画面108は、接触応答型又は非接触応答型であり得る。例えば、取り外し可能な表示画面108又はリモート表示画面108へのケーブル配線など、他の実施形態も利用可能である。
【0020】
任意選択的に、
図4に示されるように、バーコードスキャン装置100は、アクセサリ接続(例えば、マウス、キーボード、バーコードスキャナ及びサムドライブアクセス)を容易にするためにハウジングに配置された外部USBポート402を含む。また、機関のネットワークとの接続を可能にするために、外部LANポート404も提供することができる。外部電源スイッチは、照明システム106の電源のオン/オフを行うために配置され得る。同様に、バーコードスキャン装置100のハウジングには、コンピュータ/プロセッサ120及びカメラアセンブリ130のための主電源スイッチも配置され得る。
【0021】
バーコードスキャン装置100は、オペレータがバーコードスキャン装置100の操作を制御し、且つ表示画面108上に表示されたユーザインタフェース(UI)を介して撮像及び画像処理結果を表示することを可能にするようにさらに構成され得る。例えば、UIは、オペレータが表示画面108上に描写されるライブ画像表示を使用して、個々の組織/試料容器200又は(複数の組織/試料容器200を収容する)バルク試料容器300の迅速な位置合わせを容易に行うことができるようにし得る。また、UIは、UIに描写される制御ボタンを介した開始/停止機能性も含む。また、UIは、現在の動作状態(例えば、画像スキャン、画像処理及びバーコードスキャン)に関するオペレータへのフィードバックも提供する。
【0022】
以下で詳細に論じられるように、試料撮像エリア104に位置決めされた組織/試料容器200又はバルク試料容器300のスキャンプロセスの開始時、カメラ130は、試料撮像エリア104の組織/試料容器200又はバルク試料容器300の画像を捕捉するための露光を選択する。任意選択的に、カメラ130は、自動露光制御を介して画像を捕捉することができる。画像を生成した後、バーコードスキャン装置100のGPU 126を使用して、選択されたバーコードスキャナの印刷品質をターゲットとしたセットアップ基準に基づき、一連の低ビット深度二値画像を含む画像強調ステップ(
図5を参照されたい)を実行することができる。一連の低ビット深度二値画像を作成した後、アルゴリズムは、2Dバーコードに対する画像のサブセクションを検索する。
【0023】
スキャンプロセスを完了した後、(UI上で視覚化されるような)アルゴリズムは、各識別バーコードの周りに色分けされたグラフィックスボックス(例えば、緑色及び黄色のボックス、しかし、他の色も使用することができる)を置くことができる。すなわち、緑色のボックスは、一意の連番が付けられたバーコードに対して使用され得る。黄色のボックスは、検出された二重バーコードに対して使用され得る。赤色のボックス(例えば、長方形)は、バーコードが見つからなかったエリアに置かれ得る。しかし、バルク試料容器300における容器200の既知の間隔のため、又はバーコードが存在するが、読み取ることができないという検出アルゴリズムからのレベル確実性のため、アルゴリズムは、バーコードが存在し得るエリアを識別する(赤色のボックスによって識別される)。任意選択的に、できる限り速やかに完了することを保証するか、又は他の必要な理由のために後続ステップにおいて最初に処理すべき「スタット」の事例など、対象となる試料にフラグを付すために、他の色を使用することができる。
【0024】
UIは、バーコードを含む赤色のフラグが付されたエリアを、自動的に且つ/又はオペレータの相互作用下で、オペレータが「補正する」ためのツールを提供する。例えば、UIは、手動入力を提供する。それにより、オペレータは、ラベルエリアの、人間が認識できる文字を読み取り、キーボードインタフェースを介して適切な文字を入力する。人間が認識できる文字は、通常、試料/組織容器200のわずかに異なるエリアに別々に印刷され、バーコードに存在するデータを表す。また、UIは、ハンドヘルドバーコードスキャナ入力も提供することができる。オペレータがハンドヘルドバーコードスキャナを使用して表示画面108上で拡大画像をスキャンできるように、エリアの拡大画像が表示される。任意選択的に、対象の組織/試料容器200は、バルク試料容器300から取り出し、ハンドヘルドバーコードスキャナで直接スキャンすることができる。また、UIは、光学式文字認識も提供する。それにより、オペレータは、赤色の長方形エリアを選択し、入力のために人間が読み取れる文字に関してプロセッサに画像を分析させることができる。データを正しくフォーマットするため、構文解析エンジンが必要である場合がある。最後に、UIは、選択された赤色のエリアに対して追加の強調レベルで画像強調アルゴリズムを実行できるようにする「集中的な再スキャン」を提供することができる。次いで、これらの追加のレベルは、バーコード取得アルゴリズムを通して処理される。例示的な実施形態では、集中的な再スキャンは、選択されたサブエリア(選択された赤色のエリア)を取り入れ、画像エリアの20の調整レベルを生成し、これらのレベルをバーコード検出アルゴリズムに提示する。加えて、オペレータが試料容器バーコードを再度印刷させ、新しくバーコード作成された容器に試料を移すか、又は既存の容器に新しいバーコードラベルを貼付するかを選択するための対策が存在する。
【0025】
格納されたスキャンデータは、試料追跡及びソート機能を提供するために使用され得る。例えば、[1]ある場所を出る際に別の場所でチェックするための自動マニフェストペーパーワークプリントアウトを出荷物に含めること、[2]試料又は試料で満たされたバルク容器が、あるウェイポイントから別のウェイポイントに到着するまでの設定期間よりも遅れた際、それを検出するように設定され得、言及された警告又は警報は、電子メール、SMSテキストメッセージ又は他の電子手段を使用して、編集可能な警報連絡先リストで指定された個人に自動的に伝達され得る、自動遅延警告及び警報を出すこと[3]スキャンされた入手マニフェストから試料が紛失している際に指定リコンサイルウェイポイントで報告すること、[4][A]所定のケースのすべてのスライドがスライドホルダー内にあり、ケースがすべて揃っており、次のプロセスに進める準備が整っているかどうか、[B]ケース内のスライドが順に整理されているかどうか(例えば、レベル別又は染色技法別に)、[C]あるケースからのスライドが別のケースからのスライドと混ざっていないかどうかを判断するためにスライドフォルダ内のスライド場所をチェックすること、又は他の品質チェックを行うことなどが挙げられる。
【0026】
オペレータがスキャンに満足した時点で、オペレータは、UIを介してスキャンを承認することができる。バーコードスキャン装置100は、バーコードデータ及びその位置をアーカイブデータベース129に記録する。データベース129は、バーコードスキャン装置100の例えばメモリ128に位置するか、又は他のネットワーク接続ワークステーションへのアクセスのためにネットワークサーバ450の例えばメモリ458に位置し得る(
図4を参照されたい)。
【0027】
また、バーコードスキャン装置100は、データセキュリティを保証するために、HIPAA対応データ伝送及び暗号化を容易にするためのプロビジョン並びにバックアッププロトコルフィーチャも含み得る。そのようなステップは、伝送データの暗号化及びLAN停止中に使用するためにデータをローカルにキャッシュする階層型バッファデータベース構造に関連する。
【0028】
バーコードスキャン装置100によって捕捉されたスキャンデータ及び画像は、いくつかの異なる目的/動作、すなわち基本的なハンドスキャンエミュレーションソフトウェア、統合LISインタフェースソフトウェアモジューレション、組織の管理の連鎖及び試料アーカイビングのために処理され得る。その上、関連する画像エリアを使用して、スライドに組織を記録し、次いで他の品質保証(QA)タスクのために組織のそれらの画像を処理することができる。
【0029】
基本的なハンドスキャンエミュレーションソフトウェアモジュールは、ユーザログイン又は容器スキャン中にオペレータによって設定された宛先フラグによって、バーコードスキャン装置100における使用に対するフラグが付されたデータを探すネットワークデータベースリポジトリに問い合わせを行うアプリケーションとして実装され得る。アプリケーションがインストールされたワークステーションを対象とするデータをアプリケーションが位置付けると、アプリケーションは、新しいデータが利用可能であるという通知をオペレータ自身のデスクトップコンピュータ又は他のパーソナルコンピューティングデバイスに送信する。次いで、オペレータは、データをクリックし、データを一時的なメモリ(「クリップボード」)にコピーし、次いでデータを研究所情報システム追跡入力フィールドに転送する(「ペーストする」)ことができる。これにより、オペレータの時間を節約し、紛失容器に関連するエラーの発生を低減することができる。
【0030】
統合LISインタフェースソフトウェアモジュールは、例えば、HL7又は専有LIS/EMRデータインタフェースなどの病院のネットワークインタフェースメッセージ言語コールを使用して、プロセスワークフローの品質保証追跡のために使用される関連するフィールドにバーコードを解析する。どのような試料が前のプロセスウェイポイントを出発し、このウェイポイントに到着すべきかに関するマニフェスト情報が回収される。また、マニフェスト情報は、試料が前のウェイポイントスキャンから紛失したかどうか、このウェイポイントにおける容器の到着が過度に遅れているかどうか又はこのウェイポイントにおける試料の到着が過度に遅れているかどうかについての通知を提供するように設定され得る、容器及び試料の両方に対するタイマー機能も有する。インタフェースを介して、組織/試料容器200は、ワークフロープロセスから取り除くか又はルート変更することができる。試料/組織の順番の分析は、スライドインデックスの事例と同様に、試料/組織容器200内で提供され、すべてのケーススライドがスライドケースインデックスに含まれていること、他のケースからのスライドがこのケースに間違って置かれていないこと、並びに標本片、ブロック番号、染色及び切り込み深さレベルに対してスライドがプロトコル順に置かれていることが保証される。最後に、ウェイポイントは、画像及びスキャンされたデータフィールドを追跡するために、且つ、オペレータが設定した期間の経過後にデータベーススペースを確保するために自動パージアルゴリズムをさらに提供するために、データベース129に記録され得る。
【0031】
試料アーカイビングモジュールは、組織/試料アーカイブ管理フィーチャを提供するように構成される。例えば、特定の組織/試料容器200との個々の組織/試料の関連性を決定するための組織/試料容器200のバルクスキャン読み取りである。このモードにより、特大サイズの容器200の複数の画像を捕捉し、画像重複エリアの冗長スキャンを自動的に考慮することができる。これにより、「標準的」な非専有容器200の使用が可能になる。容器及び試料の取引日及び参照画像並びに保管場所をデータベース129に記録することができる。ユーザの連絡先データベース及び保管場所を維持することができる。また、試料アーカイビングモジュールは、試料出荷の準備を支援するために、出荷ラベルの印刷を提供する能力も含み得る。取引フォームフィーチャは、出荷ペーパーワーク通知及び追跡フォームの準備を支援するために使用され得る。電子メール通知システム又は電子注文履行インタフェースは、試料管理に関連する取引中に連絡先をターゲットとする自動通知メッセージを提供することができる。試料回収要求ワークフローは、規定の期間の経過後に試料の返却を求めるための試料の借り手に対する通知、取引ペーパーワーク及び試料追跡記録並びに延滞通告を自動的に生成するために使用され得る(出荷ラベル及びバーコード追跡ラベルが提供される)。リファイリングワークフローは、次の標準アーカイブ配信を有するストレージアーカイブへの試料の返却を可能にするために使用され得る。これにより、試料をそのオリジナルの場所にリファイリングする必要性及びコストが回避される。試料アーカイビングモジュールは、追跡のために新しい場所を自動的に記録する。長期保管から除去すべき且つ規定日以降に処分すべき試料に関して、オペレータに通知し、ペーパーワークを提供するパージフィーチャを提供することができる。また、試料アーカイビングモジュールは、追加の期間にわたり、これらの試料の追跡記録履歴の維持を継続することもできる。その時点で、データは、データベース129からパージされるように設定され得る。
【0032】
図5は、画像強調及びバーコード検出のための方法を示す。
図5のステップ502では、1つ若しくは複数の組織/試料容器200又は(複数の組織/試料容器200を収容する)バルク試料容器300が試料撮像エリア104に位置決めされた後、プロセスが開始する。また、組織/試料容器200又はバルク試料容器300を位置決めすることは、配置された組織/試料容器200又はバルク試料容器300を視野が適切にカバーすることを保証し、且つ照明システム106が所望の視野に均等に照射することを保証するために視野を調整することも含み得る。
【0033】
図5のステップ504では、カメラ130は、組織/試料容器200又はバルク試料容器300の画像を捕捉する。また、画像を捕捉することは、多くの12ビットモノクロ画像を捕捉することも含む。
図5のステップ504に示されるように、16の12ビットモノクロ画像が捕捉される。他の数のモノクロ画像を捕捉することもできる。その上、他のビット深度を使用することもできる。
【0034】
図5のステップ506では、捕捉画像は、単一の16ビットグレースケール画像にマージされる。そのようなマージ又は画像スタックは、効果的な「ウェルの深さ」及び収集シグナルを増加させる。それにより、捕捉画像における読み出しノイズ及びショットノイズの両方が低減される。従って、そのような画像スタックは、捕捉画像の信号対雑音比を増加させる。
【0035】
図5のステップ508では、プロセスは、二次プロセスを使用可能にするかどうかを判断する。
図5のステップ510では、ステップ508が二次プロセスを使用可能にすると判断した場合、16ビットグレースケール画像がクローンされる。そのようなクローニングは、オリジナル画像のコピーを作成する。二次又は並列プロセスにより、
図5のプロセスが複数のタイプの誤差を補正することが可能になる。例えば、
図5に示される2つのプロセス間の主な違いは、個々のステップ(例えば、アンシャープマスク)において使用されるパラメータであり得る。そのようなパラメータの違いは、例えば、特定の機関のバーコードプリンタ誤差を補正するために選択され得る。
【0036】
図5のステップ512a及び512bでは、オリジナル画像及びクローン画像は、それぞれオリジナルのサイズの2倍にサイズ変更される。そのような画像増倍は、エッジ細部の遷移をスムーズにし、
図5の後続ステップにおける特殊な切り捨て誤差の排除に役立つ。
【0037】
図5のステップ514a及び514bでは、サイズ変更されたオリジナル画像及びサイズ変更されたクローン画像にアンシャープマスクフィルタがそれぞれ適用される。第1のアンシャープフィルタでは、高ステップ値のエッジ遷移が強調される一方、幅広い低ステップ値の変化は、スムーズに保たれる。
【0038】
図5のステップ516a及び516bでは、サイズ変更されたオリジナル画像及びサイズ変更されたクローン画像に第2のアンシャープマスクフィルタがそれぞれ適用される。第2のアンシャープフィルタでは、輝度強度が正規化される。この輝度強度は、異なる色付きのカセット又は他の試料/組織容器200から生じる。
【0039】
図5のステップ518a及び518bでは、第1及び第2のアンシャープマスクフィルタが適用された後、オリジナル画像及びクローン画像に収縮フィルタがそれぞれ適用される。収縮フィルタは、予想されるバーコードドットの閾値サイズ未満の印刷ギャップを有する画像のエリアを埋める。この「埋めること」により、バーコードの不完全に印刷されたドットの部分が補正される。
【0040】
図5のステップ520a及び520bでは、サイズ変更及びフィルタリングされたオリジナル画像及びクローン画像がそれぞれオリジナルのサイズに縮小される。そのような画像縮小(オリジナルのサイズに戻ること)により、
図5のステップ522におけるバーコード検出ステップの処理時間が節約される。
【0041】
図5のステップ522では、オリジナル画像及びクローン画像がバーコード検出プロセスに提供される。オリジナル画像及びクローン画像は、バーコード識別及びスキャンのためにバーコード検出プロセスに個別に提供される。次いで、その結果がソートされ、二重スキャンが削除され、最終的なデータセットが残る。
図5のステップ524では、バーコード検出プロセス後、オリジナル画像及びクローン画像から検出及び解読された一意のバーコードが返される。
【0042】
図5に示されるように、ステップ512a/b、514a/b、516a/b、518a/b及び520a/bは、GPU 126において実行される。換言すれば、これらのステップは、GPU 126のグラフィックス処理ハードウェア上で起動しているソフトウェアによって実行される。
【0043】
従って、試料/組織容器200及び(試料/組織容器200を移送する)バルク試料容器300を撮像して、試料/組織容器200上に印刷されたバーコード210を位置付け、スキャンし、且つ解読することができる。本明細書に記述されるように、「バーコード」という用語は、一連の平行線を含む一次元バーコード及び二次元マトリックスコード(例えば、QRマトリックスコード)など、任意のタイプの機械可読光学指標を説明するために使用される。
図6~11に示されるように、標本を保持する顕微鏡スライド(602、702)及びカセット(802、1002)は、スライドホルダー1302若しくはカセットバスケット1402又はカセット引き出し1202にそれぞれ位置決め及び保持され得る。さらなる利益は、描写されるバーコードを改良するために単一の画像に対する画像処理ステップが行われた後、その画像において、バルク試料容器300で移送される試料/組織容器200上のバーコードが位置付けられ且つスキャンされ得ることである。
【0044】
具体的に説明される実施形態の変更形態及び修正形態は、均等論を含む特許法の原理に従って解釈される添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される本発明の原理から逸脱することなくなされ得る。
【国際調査報告】