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特表2022-508811冷却剤分散によるバッテリの熱的管理
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  • 特表-冷却剤分散によるバッテリの熱的管理 図1
  • 特表-冷却剤分散によるバッテリの熱的管理 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】冷却剤分散によるバッテリの熱的管理
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/637 20140101AFI20220112BHJP
   H01M 50/30 20210101ALI20220112BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220112BHJP
   H01M 10/657 20140101ALI20220112BHJP
【FI】
H01M10/637
H01M50/30
H01M10/613
H01M10/657
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021546185
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 US2019054870
(87)【国際公開番号】W WO2020081266
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】62/745,737
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521162861
【氏名又は名称】エレクトリック パワー システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダン, ランディ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
【Fターム(参考)】
5H012BB08
5H012GG07
5H031KK00
(57)【要約】
電気化学セルのバッテリシステムおよび関連の動作方法が、熱的抑制構成を組み込むことに基づいて提供され、1つ以上のセルが、危険な熱的状態に達する場合、密閉容器内に配設された1つ以上のセルに直接分配され、そこに密接する非導電性のヒドロフルオロエーテルを供給することを含む。1つ以上のセルにより生成される余分な熱は、流体を沸騰させ、蒸気を生成し、その蒸気は、1つ以上のセルから熱を除去し、バルブを介して密閉容器の外側に排気される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリシステムであって、
密閉容器と、
前記密閉容器内の複数のキャビティであって、前記複数のキャビティのうちの各キャビティは、複数のセルを含み、前記複数のキャビティのうちの各キャビティは、前記複数のキャビティのうちのあらゆる他のキャビティから流体的に隔離されている、複数のキャビティと、
前記複数のキャビティに経路付けられた内部導管と、
複数の感熱バルブであって、前記複数の感熱バルブのうちの各感熱バルブは、前記内部導管と前記複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティとの間に密閉部を作成する、複数の感熱バルブと、を備える、バッテリシステム。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
複数の分配ポートをさらに備え、各分配ポートは、前記複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティ、および前記内部導管に流体的に結合されている、請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項4】
各感熱バルブは、前記複数の分配ポートのうちのそれぞれの分配ポートに配設されている、請求項3に記載のバッテリシステム。
【請求項5】
前記内部導管内に分配される熱伝達流体をさらに備え、前記熱伝達流体は、前記複数のキャビティのうちの1つのキャビティのみにおける熱的暴走事象を防止するようにサイズ決定および構成されている、請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項6】
前記内部導管に結合されたアクセスポートを有する加圧貯蔵部をさらに備え、前記加圧貯蔵部は、前記内部導管を介して前記複数のキャビティと流体連通している、請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項7】
前記加圧貯蔵部は、熱伝達流体を加圧し、熱的暴走事象中、前記内部導管を介した熱伝達流体の流れを増大するように構成されている、請求項6に記載のバッテリシステム。
【請求項8】
熱伝達流体の供給源をさらに備え、前記供給源および前記熱伝達流体は、非熱的暴走動作中、前記キャビティの外側に位置している、請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項9】
前記熱伝達流体は、熱的暴走を受けているセルを備える前記複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティにのみ提供されている、請求項8に記載のバッテリシステム。
【請求項10】
前記熱伝達流体は、前記複数のキャビティの総容積の1~10%の流体容積を有する、請求項9に記載のバッテリシステム。
【請求項11】
前記熱伝達流体は、前記熱伝達流体を有しない前記バッテリシステムの質量の1~10%の流体質量を有する、請求項9に記載のバッテリシステム。
【請求項12】
熱的暴走事象を防止するための方法であって、
セルが、前記セルの近傍の感熱バルブの起動点を上回る熱量を生成することにより、前記感熱バルブを溶融することであって、前記感熱バルブは、分配ポートに結合され、前記セルは、複数のキャビティのうちの1つのキャビティに配設されている、溶融することと、
前記感熱バルブの溶融により、前記分配ポートにおいて密閉部を破壊することと、
前記セルを冷却するために、前記分配ポートを介して前記キャビティ内に熱伝達流体を解放することであって、前記複数のキャビティのうちの各キャビティは、前記キャビティから流体的に隔離され、前記熱伝達流体は、前記キャビティ内にのみ解放される、解放することと、を含む方法。
【請求項13】
前記熱伝達流体は、前記感熱バルブの溶融に応答して、貯蔵部から解放される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱伝達流体を解放することは、前記熱伝達流体を加圧し、内部導管を介した熱伝達流体の流れを増大することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
排気ポートを介して、前記熱伝達流体の蒸気を排気することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
複数の排気ポートをさらに備え、前記複数の排気ポートのうちの各排気ポートは、前記複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティに結合されている、請求項1に記載のバッテリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月15日に出願された、「BATTERY THERMAL MANAGMEENT BY COOLANT DISPERSION」と題された米国仮出願第62/745,737号について優先権を主張し、その開示は、そのような開示が本開示と矛盾しない範囲まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、バッテリに関し、より具体的には、複数の電気化学セルまたは静電セルから構成される2次バッテリに関する。
【背景技術】
【0003】
背景の節で考察される主題は、単に背景の節における言及の結果にすぎず、先行技術であると仮定されるべきではない。同様に、背景の節で言及される、または背景の節の主題に関連する問題は、先行技術において既に認識されていると仮定されるべきではない。背景の節の主題は、本来独自で発明となり得る異なる手法を表現しているにすぎない。
【0004】
2次バッテリは、これ以降まとめて「セル」と称される1つ以上の電気化学セルまたは静電セルからなるデバイスであり、充電され、必要に応じて、電力または解放される電荷のための静電位を提供できる。セルは、少なくとも1つの正電極と少なくとも1つの負電極から基本的に構成されている。このようなセルの1つの共通形態は、円筒形の金属缶または角柱状のケースにパッケージ化された周知の2次バッテリである。このような2次セルで使用される化学物質の例には、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン、リチウム鉄リン酸塩、ニッケルカドミウム、ニッケル亜鉛、およびニッケル金属水素化物がある。他の種類のセルは、電解、タンタル、セラミック、磁気の形態を取ることができるコンデンサを含み、スーパーコンデンサおよびウルトラコンデンサのファミリーを含む。このようなセルは、携帯型電子機器用の低コストの再充電可能エネルギーを求める絶え間なく増大する消費市場により牽引されて、大量生産されている。エネルギー密度は、セルの質量に対するセルの利用可能な総エネルギーの尺度であり、通常、ワット時/キログラム、またはWh/kgで測定される。電力密度は、セルの質量に対するセルの電力送出の尺度であり、通常、ワット/キログラム、またはW/kgで測定される。エネルギー密度およびコストの両方が、Marcy Lowe、Saori Tokuoka、Tali TriggおよびGary Gereffiにより編集された「Lithium-ion Batteries for Hybrid and All-Electric Vehicles: the U.S.Value Chain」に記載されているトラクションバッテリの価値の重要な尺度であり、その教示は参照によりここに組み込まれる。
【0005】
所望の動作電圧レベルを達成するために、セルは、電気的に直列に接続され、セルのバッテリを形成し、これが通常、バッテリと称される。所望の電流レベルを達成するために、セルは電気的に並列に接続される。セルをバッテリに組み立てるとき、セルは、金属ストリップ、ストラップ、ワイヤー、バスバーなどを介して共に電気的に連結されることが多く、それらは、各セルに溶接、ハンダ付け、または別様に締結され、所望の構成にそれらを共に連結する。
【0006】
2次バッテリは、トラクションモーターを駆動し、電気車両を推進するために使用されることが多い。このような車両は、電動バイク、オートバイ、乗用車、バス、トラック、列車などを含む。このようなトラクションバッテリは、通常大きく、数百または数千個以上の別個のセルが内部で共に連結されていて、ケース内に設置され、組み立て型バッテリを形成している。
【0007】
このようなセルの故障モードは、熱的暴走としても知られる発熱事象を含む。この特徴により、このようなセルを、航空機内、車両、または医療用途など、特定の用途で使用するのは非常に危険である。熱的暴走の共通の原因は、過充電、外部短絡、または内部短絡を含む。過充電および外部短絡は、ヒューズおよび過電圧切断デバイスを使用することにより防止することができる。しかしながら、セル内部のアノードからカソードへのかなり大きな界面を横切る短絡を停止する実際的な方法はないため、そのようなデバイスは、内部短絡を防止するには効果的ではない。熱係数が正であるデバイスを、便宜上およびセキュリティ向上のためにセル内に設置することもあるが、熱係数が正であるデバイスであっても、その回路の外側に存在するので、アノードからカソードへの内部短絡を停止することはできない。回路遮断デバイスは、機械的または電子的にかかわらず、過充電に対して保護できるが、それらもアノードからカソードへの回路の外側にあるので、内部短絡に対して保護するために何もできない。
【0008】
各々が多数のセルを収容していることを考えると、熱的事象は、前述のトラクションバッテリにかなりの脅威を与える。熱的事象の確率は、バッテリ内の他のセルへの熱的事象の段階的伝達の可能性のため、セルの数と共に増大し、その事象が全体に影響する可能性を増大する。したがって、何らかの形の熱的暴走の緩和は、バッテリの全体的な安全性に有益である。
【0009】
非導電性のヒドロフルオロエーテル流体にセルを浸漬するという新規な解決策は、メンテナンスを必要とするまたは故障しやすいポンプまたは他の複雑な装置を必要とせずに、熱的暴走を緩和することが示されており、公開番号US2009/0176148A1で教示されている。この特許出願は、熱伝達流体で満たされ、かつ熱伝達流体で少なくとも部分的に満たされた熱交換器を収容している容器に、バッテリを浸漬させることを開示している。流体は、液体または気体であり、好ましくは、例えば、80℃未満、またはさらに50℃未満の低い沸点を有するヒドロフルオロエーテル(HFE)などの熱伝達流体である。この流体の蒸発は、浸漬させたバッテリからの熱除去に寄与する。
【0010】
HFEは、例えば、NOVEC Engineered Fluids(3M Company,St.Paul,Minnから入手可能)またはVERTREL Specialty Fluids(Dupoint,Wilmington,Del.から入手可能)の販売名で入手可能である。前述の特許内の実施形態に特に有用なHFEは、NOVEC 7100、NOVEC 7200、NOVEC71 IP A、NOVEC 71DE、NOVEC 71DA、NOVEC 72DE、およびNOVEC 72DAを含み、全て3Mから入手可能である。前述の特許出願で説明されているように、その流体内に浸漬させたセルは、流体の蒸発のために熱的暴走に陥らない。セルを流体に浸漬することは、セルの引火点よりかなり低い温度における熱除去に効果的である。このことは、このような事象を通常誘発することが知られている標準的な技法を使用して、短絡試行を繰り返したとしても当てはまることが実証されている。
【0011】
バッテリの安全性を改善するためのこの手法の不利点は、伝達流体としての気体および/または液体に頼っていることである。HFEは特に、非常に滑りやすい材料であり、バッテリパックケース内の気体または液体は、衝撃、または直接的な浸透などにより、ケース内に何らかの開口部が形成されると、漏れやすい。場合によっては、貯蔵部を追加して、長い間にケースから材料が損失することを緩和し得る。貯蔵部は、長い間に漏れる冷却剤にバックアップを提供する。また、このことは、必要に応じて、バッテリ内に追加の冷却剤を提供するという追加の利点を有する。
【0012】
これらの手法の両方の1つの不利点は、大規模なトラクションバッテリでそのような解決策を実施するために必要な材料の質量にある。バッテリ全体が冷却剤で一杯であるため、これらの設計を満たすために必要な流体の量はかなり多く、説明されている冷却剤プールにさらに多くの冷却剤質量が保持される。HFEは、非常に重く、通常は水の質量密度の2倍である。バッテリは通常、車両全体の質量の大部分を既に占めるため、これはトラクションバッテリにとって非常に不利である。前述のように、重量エネルギー密度は、トラクションバッテリの価値にとって重要な尺度である。
【0013】
非常に多くの材料を使用することによる別の不利点は、そのコストである。通常、HFEは、約60米国ドル/kgかかる。US2009/0176148は、比較例で使用される流体の量を具体的には開示していないが、セルを浸漬させることを主張している。セルの浸漬は、セル容積の少なくとも20%であると仮定される。実験で使用されるA123セルは、1.7kg/lの密度を有し、HFEは2kg/lの密度を有する。この評価に基づくと、A123セルを備えるエネルギー100kWhの大きなトラクションバッテリを単純にあふれさせると、951kgの質量を有し、223kgの冷却剤を必要とする。このことは、セルのみと比較して23%の質量オーバーヘッドである。冷却剤は、2018年の価格で13,425米国ドルさらにかかり、30,000米国ドルのセルコストに比べると、それはセルのみと比較して44%のコストオーバーヘッドとなる。前述のように、全体的なコストは、トラクションバッテリの価値にとって重要な尺度である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
以降では、本教示の1つ以上の実施形態のいくつかの態様を基本的に理解してもらうために、簡単な概要を提示する。本概要は、広範囲のあらましではなく、本教示の主要な要素または重要な要素を識別することも、本開示の範囲を線引きすることも意図していない。むしろ、その主な目的は、以降で提示される詳細な説明に対する前置きとして、簡単な形式で1つ以上の概念を単に提示することである。
【0015】
本教示の一実施形態では、バッテリシステムは、1つ以上の隔離された内部キャビティを有する密閉ハウジングを含むことができる。1つ以上のバッテリセルは、隔離された内部キャビティの各々の中に配設されている。連続的な内部導管は、1つ以上の隔離された内部キャビティの各々の中に供給し、かつ非導電性のヒドロフルオロエーテル(HFE)流体を収容している加圧貯蔵部に同時に接続されている密閉ハウジング全体を通っている。1つ以上の隔離された内部キャビティの各々は、1つ以上のバッテリセルへの熱的近傍内にある少なくとも1つの感熱アクチュエータを含む。1つ以上の隔離された内部キャビティの各々は、少なくとも1つの排気口を含む。1つの隔離された内部キャビティ内の1つ以上のセルのいずれかが十分に熱くなると、少なくとも1つの感熱アクチュエータが開き、それにより、連続的な内部導管および加圧貯蔵部内に収容された非導電性のHFE流体を解放し、その結果、隔離された内部キャビティ内のセルの周りに流体があふれる。HFEは、相変化、つまり蒸発により1つ以上のバッテリセルを冷却し、圧力を上昇させ、それにより、少なくとも1つの排気口を介して換気を強制し、熱的事象を解放または抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を図示し、その記述と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。図面において、同様の参照番号は同様の部品を表す。
図1】例示的な実施形態による組み立て型バッテリの平面図を示す。
図2】例示的な実施形態による熱的暴走事象を防止する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以降の説明は、様々な例示的な実施形態にすぎず、いずれにせよ、本開示の範囲、適用性、または構成を制限することは意図していない。むしろ、以降の説明は、最良の態様を含む様々な実施形態を実施するための簡便な例示を提供することを意図している。当然のことながら、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態で説明される要素の機能および配置に様々な変更を行い得る。例えば、方法またはプロセスの説明のいずれかに列挙されているステップは、任意の順序で実行してもよく、提示された順序には必ずしも限定されない。その上、製造機能またはステップの多くは、1つ以上のサードパーティに外注されてもよく、またはそれらにより実行されてもよい。さらに、単一のものへのいかなる言及も、複数の実施形態を含み、2つ以上の部品またはステップへのいかなる言及も、単一の実施形態またはステップを含み得る。また、取り付けられる、固定される、接続されるなどへのいかなる言及も、永続的、着脱的、一時的、部分的、全面的、および/または任意の他の可能な取り付けオプションを含み得る。本明細書で使用される場合、「結合される」、「結合している」という用語またはその任意の他の変形は、物理的接続、電気的接続、磁気的接続、光学的接続、通信接続、機能的接続、および/または任意の他の接続を網羅することが意図される。
【0018】
簡略化のために、機械的システムの構成、管理、動作、測定、最適化、および/または制御のための既存の技術、ならびに機械力伝達、変調、制御、および/または使用のための既存の技術は、本明細書で詳細に説明されていない場合がある。さらに、本明細書に包含される様々な図面に示される接続線は、様々な要素の間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表現することが意図される。多くの代替のもしくは追加の機能的関係、または物理的接続が、モジュラー構造に存在し得ることに留意すべきである。
【0019】
前述のことから、本開示の1つの重要かつ主要な目的は、電気化学セルまたはセルのグループの熱的暴走を防止するための新規な方法の提供にあることが、読者には明らかであろう。本開示には、セル温度に基づく自動応答機構を有するという利点があり、先行技術と比較して、質量および経済的影響を低減している。
【0020】
ここで図1を参照すると、提案されるバッテリ解決策は、1つ以上の内部キャビティ3を収容可能な密閉容器1を備え、それらは、液体または気体が、1つのキャビティから別のものに移動できないように互いに隔離されている。容器は、セルに機械的支持を提供し、完全に密閉する能力を有することができる多様な材料から作製され得る。アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む様々なプラスチック、ならびにアルミニウムおよび鉄鋼を含む金属は、密閉容器1にとって好適な材料である。
【0021】
また、密閉容器1は、その構造全体にわたる連続的な内部導管2を特徴とする。導管は、1つ以上の内部キャビティ3の各々に経路付けられている。導管は、少なくとも1つの分配ポート10を介して1つ以上の内部キャビティ3の各々に結合されている。導管は、その中に押し込まれる流体8が、緊急状態中、少なくとも1つの分配ポート10を介して、キャビティの全てに通るように構成されている。緊急状態は、バッテリセル11の温度がその動作温度を超えたときに発生し、熱的暴走事象が発生する可能性が高いことを示す。少なくとも1つの分配ポート10は、キャビティのサイズに対して十分な熱伝達流体8を通すことを可能にするようにサイズ決定されている。少なくとも1つの分配ポート10は、通常動作中、感熱バルブ5によりいかなる流体8の通過も防止するように密閉されている。
【0022】
1つの例示的な実施形態では、1つ以上の感熱バルブ5は、所望の温度で溶融する金属から作製された単純なプラグであり得る。好適な金属は、低い融点を備えた共融合金または溶融合金を含み、鉛、ビスマス、および錫の合金を含み、Wood’s Metal、Rose Metal、およびLipowitz’s Alloyのような名称により一般に知られている。このような金属は、火災用スプリンクラバルブ内で使用され、熱によりトリガされるまで、加圧水がパイプから出ることを防止し、トリガされた時点で、合金は十分に軟化し、密閉プラグを解放する。1つ以上の感熱バルブ5は、火災用スプリンクラバルブでも使用される感熱ガラス球を代替的に備え得る。合金と同様に、ガラス球は、熱くなると、熱膨張の結果として破壊するように設計され、それにより、冷却剤を制限する密閉部を開放する。その上、熱が指定されたレベルを上回って上昇することに応答して、流体の流れに対して開放する、任意の他の感熱バルブ5の構成を使用することができる。1つ以上の感熱バルブ5のサイズ、場所、および数は、内部キャビティ3の特有の幾何形状により決まり、内部キャビティの上部、底部、もしくは側部、またはそれらの任意の組み合わせに位置し得る。例示的な実施形態では、感熱バルブ5の溶融をトリガし得るセルの温度は、70℃を超えるセルであり、または別の実施形態では、90℃を超えるセルであろう。別の例示的な実施形態では、感熱バルブ5の溶融をトリガし得る感熱バルブ5の温度は、65℃を超えるバルブであり、または別の実施形態では、85℃を超えるバルブであろう。トリガ条件は、使用されるセルの種類に基づいて様々であり、したがって、設計の必要性、および要求される安全レベルに基づいて、広範囲の温度であり得る。
【0023】
例えば、80℃未満、またはさらに70℃未満の低い沸点を有するヒドロフルオロエーテル(HFE)などの熱伝達流体8を、連続的な導管内で分配し得る。代替的な実施形態では、熱伝達流体8は、緊急状態中に解放されることにより、密閉容器1から外部に供給され得る。例示的な実施形態では、冷却剤は、バッテリセル11の高い動作範囲に向かう温度で沸騰し始めるように構成されている。熱伝達流体8のための材料区分の例は、電子部品の洗浄で商業的に使用される高フッ素化化合物である。好適な冷却剤の商業的な例は、HFE-7100、HFE-7200、他の商品名で販売されている3M(商標)Novec(商標)Engineered Fluidsの製品ファミリーを含む。HFE-7100は、61℃の沸点を有し、65℃のピーク動作温度範囲を有する多くの市販の電気化学セルと非常に適合する。
【0024】
1つ以上の貯蔵部6は、1つ以上のアクセスポート9を介して導管に接続できる。これらの1つ以上の貯蔵部6は、追加の熱伝達流体8を収容し、連続的な導管内に分散させた冷却剤を補完できる。別の例示的な実施形態では、貯蔵部6は、熱伝達流体8の主要な供給源を含んでもよく、貯蔵部(複数可)は、緊急状態中、連続的な導管内に熱伝達流体8を解放し得る。また、1つ以上の貯蔵部6は、追加の加圧を提供し、導管を介した熱伝達流体8の流れを増大できる。そのような加圧貯蔵部6の例は、ばね荷重ピストンシリンダー7、弾性膨張型の袋、または単に重力供給である。
【0025】
1つ以上の内部キャビティ3は、1つ以上の排気ポート4を組み込んでいる。排気ポート4は、共融合金もしくは溶融合金の円板もしくはプレート、または感圧バースト円板もしくは同様の構成を備え得る。1つ以上の排気ポート4のサイズおよび場所は、内部キャビティ3の特有の幾何形状により決まり、内部キャビティの上部、底部、もしくは側部、またはそれらの任意の組み合わせに位置し得る。例示的な実施形態では、排気ポート4は、内部キャビティ3の上部に位置し、緊急状態中、蒸気を自然に逃すことができる。
【0026】
内部キャビティ3の各々の内部には、1つ以上のバッテリセル11が配設されている。図の例では、10個のパウチ型セルが示されている。代替的に、バッテリセル11は、角柱型または円筒型の構成であってもよく、全てが本開示に等しく準拠している。バッテリセル11は、直列もしくは並列、または直列および並列の組み合わせで接続できる。電気接続は、例示的な実施形態では、ハンダ付けおよび/または溶接により、ならびにアルミニウムもしくは銅、または当業者には周知の同様の金属のバッテリストラップまたはバスバーを使用して行われ得る。バッテリセル11への外部接続は、例えば、導電性フィードスルーにより内部キャビティの壁の1つを介して行われ得る。バッテリセル11は、感熱バルブ5の近傍にあるようにパッケージ化されている。これにより、熱的暴走事象中に生成される熱は、感熱バルブ5を開放することを可能にし、熱伝達流体8が内部キャビティ3に流入することを可能にする。例えば、バッテリパックの各セルは、単一のセルが感熱バルブ5と基本的に同じ温度になるように十分に密接し得る。別の例示的な実施形態では、感熱バルブ5は、内部キャビティ3のうちの1つの内部キャビティ内の最も遠いセルまでの距離を最小化する目的で、内部キャビティ3のうちの1つの内部キャビティの周りの複数の場所に位置し得る。
【0027】
本開示の動作は、1つ以上のバッテリセル11が、感熱バルブ5の起動点を超えて熱くなったときにトリガされる。これが発生すると、導管および任意選択的な貯蔵部内の加圧された熱伝達流体8が解放され、その所定の内部キャビティに流れ込み、他の内部キャビティ3は影響されないままである。熱伝達流体8がキャビティに流れ込む結果、熱伝達流体8の相変化蒸発により、バッテリセル11から熱を除去する。圧力および/または熱が上昇すると、排気ポートが開き、熱伝達流体8の蒸発から生じた気体を解放する。1つ以上のバッテリセル11の表面は、熱伝達流体8の蒸発温度に保持され、バッテリセルは引火温度点に到達できないので、熱的暴走は防止される。熱伝達流体8は、非導電性で、不燃性であり、引火点がない。とりわけ、様々なオイル、エチレングリコール、プロピレングリコールなど、水以外の多くの熱伝達流体は、バッテリセル11の熱的暴走温度より十分低い引火点を有するため、これは非常に重要な態様である。いったんバッテリセル11が熱的暴走温度に到達すると、そのような材料は、冷却剤の激しい燃焼を示し、したがって、事象の破壊力を増幅する。
【0028】
本開示が提供する利点は、必要な冷却剤の量が、バッテリシステムのほんの一部に対してサイズ決定されるため、かなりの質量の低減となる。このことは、バッテリシステム内の全てのセルを熱伝達流体であふれさせることと極めて対照的であり、その場合、質量オーバーヘッドを著しく増大させ、本開示より高い安全性を提供することはない。新規な手法は、2つ以上のセルが、大きなバッテリ内で常に潜在的な熱的事象をもたらす内部短絡を被る可能性は低いという利点を利用している。最新のセルの故障率は、0.1ppm、つまり10e-7である。これらの確率は、多数のバッテリセル11を有するバッテリシステムで長期間であれば、1つのセルは熱的事象を被り得るが、2つのこのようなセルが同時に熱的事象を被る場合、確率は10e-14まで低下することを示している。したがって、2つのセルが、このようなシステムで同時に同じ運命を被ることは実質的に不可能である。本開示は、事象の場所を特に標的とした非常にわずかな量の熱伝達流体8を使用して、単一のセルの熱的事象を抑える機能を有するので、著しい改善となる最適化された解決策を提供する。
【0029】
したがって、例示的な実施形態では、バッテリは、相変化蒸発流体により保護される熱的暴走抑制システムを備え、流体の総量は、内部キャビティの容積の0.2~1倍である。別の例示的な実施形態では、流体の総量は、10個~数百個のキャビティを有するシステムの場合、内部キャビティの容積の1~2倍である。別の例示的な実施形態では、流体の総量は、10個未満のキャビティを有するシステムの場合、2~3倍である。
【0030】
本開示の別の態様は、バッテリ容積を低減することである。バッテリセル11を分離することが、熱的伝播を緩和するための一般的な方法である。しかし、そのような分離は、確実にするのはささいなことではなく、より大きく重いバッテリをもたらす。また、本開示は、バッテリセル11の分離を非常に小さくできると言う点で、バッテリ容積および質量をさらに低減する。説明したように、各キャビティ内に2つ以上のセルを配置することもできる。1つのセルだけは熱的事象を被る可能性が高いが、他のセルは、共有キャビティ全体に分配した熱伝達流体8のために最低限しか影響されないであろう。
【0031】
したがって、例示的な実施形態では、バッテリは、相変化蒸発流体により保護される熱的暴走抑制システムを備え、バッテリを保護する熱伝達流体8の追加の容積は、バッテリの内部キャビティ3の総容積の1~10%である。より好ましくは、バッテリセル11を保護する熱伝達流体8の追加の容積は、バッテリの内部キャビティ3の総容積の1~5%である。別の例示的な実施形態では、バッテリセル11を保護する熱伝達流体8の追加の容積は、バッテリの内部キャビティ3の総容積の3~5%である。したがって、例示的な実施形態では、バッテリは、相変化蒸発流体により保護される熱的暴走抑制システムを備え、バッテリを保護する熱伝達流体8の追加の質量は、保護する熱伝達流体8がない場合のバッテリの質量の1~10%である。より好ましくは、バッテリセル11を保護する熱伝達流体8の追加の質量は、バッテリセル11を保護する熱伝達流体8がない場合のバッテリの質量の1~5%である。別の例示的な実施形態では、バッテリセル11を保護する熱伝達流体8の追加の質量は、バッテリセル11を保護する熱伝達流体8がない場合のバッテリの質量の3~5%である。数百の内部キャビティ3を備える大きなシステムでは、質量および容積の節約は最大になる。
【0032】
ここで図2を参照すると、例示的な実施形態による熱的暴走事象を防止する方法が示されている。この方法は、起動点を上回ってセルを加熱することを含む(ステップ202)。これは、本明細書で説明されるように、セルが熱的暴走に入る際に発生し得る。この方法は、セルが、起動点を上回る熱量を生成することに応答して、感熱バルブを溶融することをさらに含む(ステップ204)。この方法は、感熱バルブの溶融に応答して、分配ポートにおいて密閉部を破壊することをさらに含む(ステップ206)。この方法は、セルを冷却するために、キャビティ内に熱伝達流体を解放することをさらに含む(ステップ208)。例示的な実施形態では、熱伝達流体は、感熱バルブに結合された導管内に配設され得る。別の例示的な実施形態では、熱伝達流体は、導管の外側の貯蔵部内に配設されてもよく、熱伝達流体は、感熱バルブの溶融に応答して、導管内に解放され得る。例示的な実施形態では、熱伝達流体を加圧し、導管を介した熱伝達流体の流れを増大させ得る。この方法は、排気ポートを介して熱伝達流体の蒸気を排気することをさらに含み得る(ステップ210)。
【0033】
本明細書では、バッテリシステムを開示する。バッテリシステムは、複数のキャビティおよび共通の貯蔵部を備え得る。複数のキャビティのうちの各キャビティは、複数のセルを備え得る。複数のキャビティのうちの各キャビティは、感熱バルブと流体連通し得る。共通の貯蔵部は、それぞれの感熱バルブと流体連通している内部導管を介して、複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティに接続し得る。バッテリシステムは、蒸発冷却により、それぞれのキャビティにおける複数のセルのうちの1つのセル内で熱的暴走を冷却するように構成され得る。
【0034】
様々な実施形態において、各キャビティは、排気口をさらに備え得る。共通の貯蔵部は、受動型冷却システムを提供するように構成されてもよく、貯蔵部は、熱的暴走がそれぞれの複数のセルのうちの1つのセルで発生したときに加圧される。共通の貯蔵部は、十分な流体を収容し、複数のキャビティのうちのただ1つのキャビティで熱的暴走を防止し得る。
【0035】
本開示の原理は、様々な実施形態で示されているが、構造、配置、割合、要素、材料、および部品の(所定の環境および動作要件に特に適している)多くの修正が、本開示の原理および範囲から逸脱することなく使用され得る。これらのおよび他の変更または修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図され、以降の請求項において表現され得る。
【0036】
本開示は、様々な実施形態を参照しながら説明されてきた。しかしながら、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解している。したがって、本明細書は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるものとし、そのような全ての修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。同様に、利益、他の利点、および問題に対する解決策が、様々な実施形態について上で説明されている。
【0037】
しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、ならびに任意の利益、利点、もしくは解決策を発生させ得る、またはより顕著になり得る任意の要素(複数可)は、任意のまたは全ての請求項の重要な、必要な、または基本的な特徴または要素とは解釈されないものとする。本明細書で使用する際、「備える」、「備えている」という用語、またはその任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図され、その結果、一覧の要素を備えるプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されていない、またはこのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に本質的な他の要素を含み得る。
【0038】
「少なくとも1つのA、B、またはC」または「少なくとも1つのA、B、およびC」と同様の文言が、請求項または明細書で使用されるとき、その語句は、1:少なくとも1つのA、2:少なくとも1つのB、3:少なくとも1つのC、4:少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのB、5:少なくとも1つのBおよび少なくとも1つのC、6:少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのC、または7:少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、および少なくとも1つのCのいずれかを意味することが意図される。
(項目1)
バッテリシステムであって、
密閉容器と、
前記密閉容器内のキャビティであって、複数のセルを備える、キャビティと、
前記キャビティに経路付けられた内部導管であって、分配ポートを有する、内部導管と、
前記内部導管と前記キャビティの間に密閉部を作成する感熱バルブと、を備える、バッテリシステム。
(項目2)
複数のキャビティをさらに備え、前記複数のキャビティは、前記キャビティを含む、項目1に記載のバッテリシステム。
(項目3)
複数の分配ポートをさらに備え、前記複数の分配ポートは、前記分配ポートを含み、各分配ポートは、前記複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティおよび前記内部導管に流体的に結合されている、項目2に記載のバッテリシステム。
(項目4)
複数の感熱バルブをさらに備え、前記複数の感熱バルブは、前記感熱バルブを含み、各感熱バルブは、前記複数の分配ポートのうちのそれぞれの分配ポートに結合されている、項目3に記載のバッテリシステム。
(項目5)
前記内部導管内に分配される熱伝達流体をさらに備える、項目1に記載のバッテリシステム。
(項目6)
前記内部導管に結合されたアクセスポートを有する加圧貯蔵部をさらに備え、前記加圧貯蔵部は、前記内部導管を介して前記複数のキャビティと流体連通している、項目2に記載のバッテリシステム。
(項目7)
前記加圧貯蔵部は、熱伝達流体を加圧し、熱的暴走事象中、前記内部導管を介した熱伝達流体の流れを増大するように構成されている、項目6に記載のバッテリシステム。
(項目8)
熱伝達流体の供給源をさらに備え、前記供給源および前記熱伝達流体は、非熱的暴走動作中、前記キャビティの外側に位置している、項目2に記載のバッテリシステム。
(項目9)
前記熱伝達流体は、熱的暴走を受けているセルを備える前記複数のキャビティのうちのそれぞれのキャビティにのみ提供されている、項目8に記載のバッテリシステム。
(項目10)
前記熱伝達流体は、前記複数のキャビティの総容積の1~10%の流体容積を有する、項目9に記載のバッテリシステム。
(項目11)
前記熱伝達流体は、前記熱伝達流体を有しない前記バッテリシステムの質量の1~10%の流体質量を有する、項目9に記載のバッテリシステム。
(項目12)
熱的暴走事象を防止するための方法であって、
セルが、前記セルの近傍にある感熱バルブの起動点を上回る熱量を生成することにより、前記感熱バルブを溶融することであって、前記感熱バルブは、分配ポートに結合されている、溶融することと、
前記感熱バルブの溶融により、前記分配ポートにおいて密閉部を破壊することと、
前記セルを冷却するために、キャビティ内に熱伝達流体を解放することと、を含む、方法。
(項目13)
前記熱伝達流体は、前記感熱バルブの溶融に応答して、貯蔵部から解放される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記熱伝達流体を解放することは、前記熱伝達流体を加圧し、内部導管を介した熱伝達流体の流れを増大することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
排気ポートを介して、前記熱伝達流体の蒸気を排気することをさらに含む、項目12に記載の方法。
図1
図2
【国際調査報告】