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特表2022-508821ハンドヘルド電気外科用器具に取り付けるための照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ハンドヘルド電気外科用器具に取り付けるための照明装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/30 20160101AFI20220112BHJP
【FI】
A61B90/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546195
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 US2019056344
(87)【国際公開番号】W WO2020081570
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】16/653,065
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/746,933
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521164670
【氏名又は名称】パシー メディカル, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パシー ヴィノッド ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】シルバー ミキヤ
(72)【発明者】
【氏名】クレイマン ゲナディー
(57)【要約】
ハンドヘルド電気外科用器具の遠位端部に取り外し可能に設置されるように構成されたコードレスのバッテリ駆動式照明装置が開示され、この照明装置が器具の遠位端部に設置されると、光が自動的に、照明装置から外科用器具の長手方向軸に沿って発せられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド外科用器具に取り付けるための照明装置であって、
a)前記外科用器具の遠位端部を収容するための第1の凹部を画定する第1の内側本体部を含む第1の外側本体部であって、その遠位端に円弧状に離して設けられた第1の組のLED光源を有する第1の外側本体部と、
b)前記外科用器具の前記遠位端部を収容するための第2の凹部を画定する第2の内側本体部を含む第2の外側本体部と、
を備え、前記第2の外側本体部は、その遠位端に円弧状に離して設けられた第2の組の光源を有し、前記第1および第2の本体部は、互いにヒンジ接続され、前記外科用器具の前記遠位端部を受け入れるための開位置と、前記外科用器具の前記遠位端部を係合させるための閉位置との間で移動するように構成される、照明装置。
【請求項2】
前記第1および第2の外側本体部はそれぞれ、略半円筒形の構成を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1および第2の凹部は、略半円錐台形の構成を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1および第2の外側本体部はそれぞれ、対応付けられた前記光源に電力を供給するためのバッテリを収容するそれぞれの内部空洞を画定する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
各外側本体部の前記光源は、それぞれのPCBに動作可能に対応付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源は、可視光、またはUV-C光を含むUV光を生成するように適合および構成されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1および第2の本体部が閉位置へと移動したときに、前記第2の外側本体部上のタブを係合させるために、可撓性ラッチが前記第1の外側本体部に動作可能に対応付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記装置を前記閉位置に維持するために、磁気または接着ストリップが前記第1および第2の外側本体部に動作可能に対応付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1および前記第2の本体部が閉位置へと移動したときに、対応付けられた前記光源を作動させるために、スイッチが各外側本体部の前記凹部に動作可能に対応付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
各本体部の遠位端において、半環状レンズが前記円弧状に離して設けられた光源に対応付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
ハンドヘルド外科用器具に取り付けるための照明装置であって、
a)内部空洞を画定する略半円筒形の外側本体と、
b)前記外側本体の前記内部空洞を囲み、前記外科用器具の遠位端部を収容するための略半円錐台形凹部を画定する内側本体と、
c)前記外側本体の前記内部空洞の遠位端に配置された円弧状に離して設けられた一組の光源と、
を備える照明装置。
【請求項12】
前記外科用器具の前記遠位端部を弾性的に係合させるために、前記半円錐台形凹部内に弾性くさび形部が載置される、請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
対応付けられた前記光源に電力を供給するために、前記内部空洞内にバッテリが収容される、請求項11に記載の照明装置。
【請求項14】
前記光源は、PCBに動作可能に対応付けられている、請求項11に記載の照明装置。
【請求項15】
前記光源は、可視光、またはUV-C光を含むUV光を生成するように適合および構成されている、請求項11に記載の照明装置。
【請求項16】
対応付けられた前記光源を作動させるために、スイッチが前記凹部に動作可能に対応付けられている、請求項11に記載の照明装置。
【請求項17】
前記本体部の遠位端において、半環状レンズが前記円弧状に離して設けられた光源に対応付けられている、請求項11に記載の照明装置。
【請求項18】
ハンドヘルド外科用器具に取り付けるための照明装置であって、
a)前記外科用器具の遠位端部を収容するための略円錐台形凹部を画定する内側本体部を含む略円筒形の外側本体部であって、その遠位端に円周方向に離して設けられた一組の光源を有する、外側本体部と、
b)前記略円錐台形凹部内に受け入れられると、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外し可能に係合させるための手動作動係合アセンブリと、
を備える照明装置。
【請求項19】
前記外側本体は、対応付けられた前記光源に電力を供給するためのバッテリを収容する、請求項18に記載の照明装置。
【請求項20】
前記光源は、PCBに動作可能に対応付けられている、請求項18に記載の照明装置。
【請求項21】
前記光源は、可視光、またはUVC光を含むUV光を生成するように適合および構成されている、請求項18に記載の照明装置。
【請求項22】
前記略円錐台形凹部内に前記外科用器具が受け入れられると、対応付けられた前記光源を作動させるために、スイッチが前記凹部に動作可能に対応付けられている、請求項18に記載の照明装置。
【請求項23】
前記外側本体部の遠位端において、環状レンズが前記離して設けられた光源に対応付けられている、請求項18に記載の照明装置。
【請求項24】
前記手動作動係合アセンブリは、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外し可能に係合させるための複数の係合歯をそれぞれ有する、一対の直径方向に対向する環状係合バンドを含む、請求項18に記載の照明装置。
【請求項25】
前記手動作動係合アセンブリは、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外し可能に係合させるための弾性係合部材をそれぞれ有する、一対の直径方向に対向する環状係合バンドを含む、請求項18に記載の照明装置。
【請求項26】
前記対向する環状係合バンドのそれぞれは、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外すために、対応付けられた圧縮性タブを有する、請求項25に記載の照明装置。
【請求項27】
a)ハンドヘルド外科用器具と、
a)前記ハンドヘルド外科用器具に取り付けるためのバッテリ駆動式照明装置と、
c)前記外科用器具および前記照明装置を収容するパッケージング容器と、
を備えるキット。
【請求項28】
前記ハンドヘルド外科用器具は電気外科用ペンシルである、請求項27に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年10月17日に出願された米国仮特許出願第62/746,933号および2019年10月15日に出願された米国特許出願第16/653,065号の利益を主張する。その開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、外科用器具類に関し、より詳細には、ハンドヘルド電気外科用器具に取り付けるためのバッテリ駆動式照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
照明装置は、一般的に、オペレータが、照明により視野が確保される空間または領域を照らし、これによってより正確にこの空間または領域を制御および強調することを可能にするために使用される。多くの状況において、照明装置を使用して、通常では光が当たらないか、当たったとしても十分な量ではない閉鎖空間または限定空間を照らすことができる。
【0004】
既存の照明装置は、例えば医療装置およびスクリュードライバなどの手工具を含む各種工具が使用される領域を照らすように、当該装置または工具に接続可能である。そのような照明装置および光源は、アタッチメントを含む。アタッチメントからは電気コードが延在し、電源に接続可能である。アタッチメントはバッテリ駆動式であり、光源は特定の視野に光を向けるために工具内に一体的に形成される。
【0005】
医療行為において、照明装置は、処置または検査中の特定の領域に光を向けるために使用される。例えば、照明装置は、組織を切開するために使用されるBOVIE(登録商標)ペンシルのような電気外科用ペンシル、および開創器および鉗子などの様々な他の処置用器具などの電気外科用ハンドヘルド装置と共に使用することができる。照光式開創器は、一般に、手術中に使用され、手術野を照らすのに有用である。
【0006】
本発明者は、従来知られている照明装置のいくつかの欠点を認識した。例えば、光源が一体的に形成された公知の照明装置は、一般的に高価であり、嵩張り、怪我の原因となり得る。公知のコードレスおよびコード付きの照明装置は、工具の嵩を大きく増し、ユーザが多くの状況で必要とされる精度で工具を操作することを防げ、工具を狭い空間へと延長可能とすることを妨げる。
【0007】
さらに、多くの照明装置、特にコード付きの照明装置および頭上照明は、常に再配置が必要となり、扱いにくく、またこの保持または再配置は助手に依存し、手術野に問題を生じ得る。さらに、コード付きの照明装置および工具内に一体的に形成された光源は、高熱となり得る。したがって、ユーザおよび/または患者を火傷させ、場合によっては火災を引き起こす可能性さえある。
【0008】
外科手術中に照明装置の代わりにヘッドライトを使用することができる。しかしながら、照明装置と同様に、ヘッドライトは嵩張り、一般に電源に接続するためのケーブルを必要とし、常に再調整が必要となり、安全面で問題を生じ得る。加えて、ヘッドランプは無菌ではない。さらに、外科医の頭部に装着された状態では、手術野から離れているため、有効性が低く、またユーザにとって扱いにくくなり得、さらに長期装着は疲労を伴う。
【0009】
外科手術中にハンドヘルド照明装置、照光式開創器、頭上照明、および/またはヘッドランプが使用される場合、外科医の手/工具が光を遮り、手術部位に影を落とすという望ましくない状態を生じ得ることが知られている。さらに手術腔の解剖学的構造も、光を遮り、影をつくる可能性がある。これらの影によって、ユーザは定期的に光源を再配置することが必要となることが多い。外科医が頭を動かして、手術部位に向けたヘッドランプの角度を変える必要まであり得る。
【0010】
ハンドヘルド電気外科用装置に取り付けるように、特にBOVIE(登録商標)ペンシルと共に使用するように設計された特に有用な照明装置は、同一出願人による米国特許第9,851,060号に開示されており、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明は、そこに開示されている照明装置に対する改善を提供する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、ハンドヘルド外科用器具に設置するための、好ましくは、ハンドヘルド電気外科用器具に取り外し可能に取り付けるための、新規かつ有用な照明装置に関する。
【0012】
以下の本発明の概要および詳細な説明を通して、発光源について言及する。これらの構成要素は、青色LED、白色LED、黄色LEDなどの発光ダイオードから構成されてもよい。LEDは、他の種類のライトよりも、エネルギー消費量が少なく、寿命が長く、利用可能なサイズが小さく、速いスイッチングを提供することから有利である。ただし、他の種類のライトが使用される場合もある。例えば、発光源は、感染性生物を処理または予防するためのUV-C光を含むUV光を生成するように適合および構成することができる。
【0013】
本発明の一実施形態では、照明装置は、外科用器具の遠位端部を収容するための第1の凹部を画定する第1の内側本体部を有する第1の外側本体部を備える。前記第1の外側本体部は、その遠位端に円弧状に離して設けられた第1の組の発光源を有する。前記照明装置は、前記外科用器具の前記遠位端部を収容するための第2の凹部を画定する第2の内側本体部を有する第2の外側本体部をさらに備える。前記第2の外側本体部は、その遠位端に円弧状に離して設けられた第2の組の発光源を有する。
【0014】
前記照明装置の前記第1および第2の本体部は、互いにヒンジ接続され、前記外科用器具の前記遠位端部を受け入れるための開位置と、前記外科用器具の前記遠位端部を係合させるための閉位置との間で移動するように構成される。好ましくは、前記第1および第2の外側本体部はそれぞれ、略半円筒形の構成を有し、前記第1および第2の凹部はそれぞれ、略半円錐台形の構成を有する。前記照明装置が異なるサイズおよび/または幾何学的形状の様々な外科用器具を収容することができるように、前記第1および第2の凹部の内壁を可撓性または弾性材料から形成することができることが想定される。
【0015】
前記第1および第2の外側本体部はそれぞれ、対応付けられた前記光源に電力を供給するためのバッテリを収容するそれぞれの内部空洞を画定する。各外側本体部の前記発光源は、それぞれのPCBに動作可能に対応付けられている。各本体部の遠位端において、半環状レンズが前記円弧状に離して設けられた発光源に対応付けられている。
【0016】
前記第1および第2の本体部が閉位置へと移動したときに、前記第2の外側本体部上のタブを係合させるために、可撓性ラッチが前記第1の外側本体部に動作可能に対応付けられている。あるいは、前記装置を前記閉位置に維持するために、磁気または接着ストリップが前記第1および第2の外側本体部に動作可能に対応付けられている。前記第1および前記第2の本体部が閉位置へと移動したときに、対応付けられた前記光源を作動させるために、スイッチが各外側本体部の前記凹部に動作可能に対応付けられている。照明装置は、器具がこの装置に挿入されて、ラッチがその周りに閉じられると自動的に作動し、ラッチおよび/または器具を取り外すことによって停止することが想定される。
【0017】
あるいは、スイッチを、照明装置の2つの外側本体部のうちの一方のみに動作可能に対応付けることができ、他方の外側本体部は、ワイヤまたはセンサによってそれに接続することができる。また、2つの外側本体部のうちの1つに、スイッチの代わりにボタンを設けることができることも想定され、これによって、照明装置が器具を中心に閉じられると発光源が作動される。これはまた、可撓性ラッチに対応付けられた内部スイッチを用いて実現することができ、この場合、照明装置は、本体部がラッチされて閉じられ、次いで自動的にオンになったことを検出することができる。
【0018】
本発明の別の実施形態では、照明装置は、内部空洞を画定する略半円筒形の外側本体と、前記外側本体の前記内部空洞を囲み、前記外科用器具の遠位端部を収容するための略半円錐台形凹部を画定する内側本体と、前記外側本体の前記内部空洞の遠位端に配置された円弧状に離して設けられた一組の発光源と、を備える。前記本体部の遠位端において、半環状レンズが前記円弧状に離して設けられた発光源に対応付けられている。
【0019】
本発明のこの実施形態にはいくつかの利点がある。第1に、電気外科用器具は、外科医が電気外科用器具の面を見下ろすとき(通常、外科医は当該器具を持ち、ボタンの設けられた面を見下ろす)、照明装置の本体の大部分を外科医の視線から除くことができる。この実施形態の第2の利点は、異なる幾何学的形状の器具を容易に収容することができるその開放面である。例えば、一体型煙排出ラインと共に販売されている器具もあり、照明装置のこの構成によって、そのような特徴に容易に対応することができる。
【0020】
好ましくは、摩擦的に、弾性的に、またはばね荷重式に、外科用器具の遠位端部を係合させるために、前記半円錐台形凹部内には、半径方向外側に突出する弾性くさび形部が載置されている。前記装置が作動すると、対応付けられた前記光源に電力を供給するために、前記内部空洞内にバッテリが収容される。前記発光源は、PCBに動作可能に対応付けられている。対応付けられた前記発光源を作動させるために、スイッチが前記凹部に動作可能に対応付けられている。弾性くさび形部は、ばね荷重を受け、器具を照明装置内の所定の位置にロックし続ける方法、およびくさび形部の下にスイッチまたはボタンがある場合に光を発する方法の両方として機能するように設計され得ることが想定される。照明装置はまた、器具がこの装置に挿入されると自動的に作動し、器具をそこから取り外すことによって停止することが想定される。
【0021】
本発明の別の実施形態では、前記照明装置は、前記外科用器具の遠位端部を収容するための略円錐台形凹部を画定する内側本体部を含む略円筒形の外側本体部を備える。前記外側本体部は、その遠位端に円周方向に離して設けられた一組の発光源を有する。
【0022】
前記照明装置は、前記略円錐台形凹部内に受け入れられると、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外し可能に係合させるための手動作動係合アセンブリをさらに備える。前記手動作動係合アセンブリは、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外し可能に係合させるための複数の係合歯をそれぞれ有する、一対のばね荷重式の、半径方向内側に付勢された直径方向に対向する環状係合バンドを含む。前記対向する環状係合バンドのそれぞれは、半径方向内側に圧縮されると、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外すために、対応付けられた圧縮性タブを有する。
【0023】
あるいは、前記直径方向に対向する環状係合バンドはそれぞれ、前記外科用器具の前記遠位端部を取り外し可能に係合させるための係合部材を有する。前記係合部材は、弾性、プラスチック、または金属材料から作製することができる。当業者は、この実施形態の係合アセンブリの適合可能な性質が、様々なサイズおよび/または幾何学的形状の器具と共に照明装置を使用することを容易にすることを容易に理解するであろう。照明装置は、器具が係合アセンブリ内に受け入れられると自動的に作動され、および/または器具をそこから取り外すことによって停止することが想定される。
【0024】
光源および/または外科用器具は、光源を器具に接着するための1つ以上の接着ステッカを備えることも想定される。
【0025】
本発明はまた、ハンドヘルド外科用器具と、前記ハンドヘルド外科用器具に取り付けるためのバッテリ駆動式照明装置と、前記外科用器具および前記照明装置を収容するパッケージング容器とを含むキットに関する。好ましくは、前記ハンドヘルド外科用器具は電気外科用ペンシルである。
【0026】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の図面の簡単な説明と併せて解釈される好ましい実施形態の詳細な説明から、本発明が属する技術分野の当業者により容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】互いにヒンジ接続された2つの略U字形サブアセンブリを含む照明装置の第1の実施形態の斜視図であり、サブアセンブリは、外科用器具の遠位端部を受け入れるために開位置に示されている。
図2】外科用器具の遠位端部に係合された閉位置にある照明装置の斜視図である。
図3】外科用器具の遠位端部に係合された照明装置の第1の側面立面図である。
図4】外科用器具の遠位端部に係合された照明装置の第2の側面立面図である。
図5図3のB-B線断面図である。
図6】外科用器具の遠位端部に係合された照明装置の前端図である。
図7】照明装置のサブアセンブリを閉位置に固定するためのラッチの部分拡大図である。
図8】閉位置にある照明装置の第1の側面立面図である。
図9】閉位置にある照明装置の斜視図の第2の側面立面図である。
図10】閉位置における照明装置の後端図である。
図11】閉位置における照明装置の斜視図である。
図12図11に示す照明装置の分解斜視図である。
図13】PC基板アセンブリおよびバッテリの第1の斜視図である。
図14】PC基板アセンブリおよびバッテリの第2の斜視図である。
図15】レンズの斜視図である。
図16図10のヒンジの部分拡大図である。
図17】磁気ストリップまたは接着ストリップを含む、開位置にある図11の照明装置の別のバージョンの斜視図である。
図18図17の照明装置の斜視図であり、説明を簡易化するために磁気ストリップまたは接着ストリップが分離されている。
図19】閉位置にある図17の照明装置の斜視図である。
図20】閉位置にある図17の照明装置の側面立面図である。
図21】閉位置にある図17の照明装置の後端図である。
図22】外科用器具の遠位端部を係合させるために、半径方向内側に突出するゴム製のくさび形構造を含む略U字形本体を含む照明装置の第2の実施形態の斜視図である。
図23】外科用器具の遠位端部に係合された、図22に示す照明装置の斜視図である。
図24図23に示す照明装置および外科用器具の平面図である。
図25図23に示す照明装置および外科用器具の側面立面図であり、照明装置が視線を遮ることなく外科医が器具の面を見下ろすことを可能にする利点を示す。
図26図23に示す照明装置および外科用器具の前端図である。
図27図24の部分拡大図である。
図28図24のE-E線断面図である。
図29図22に示す照明装置の分解斜視図である。
図30図22に示す照明装置の平面図である。
図31図22に示す照明装置の側面立面図である。
図32図22に示す照明装置の後端図である。
図33図22に示す照明装置の前端図である。
図34図29に示す照明装置のPC基板アセンブリおよびバッテリの第1の斜視図である。
図35図29に示す照明装置のPC基板アセンブリおよびバッテリの第2の斜視図である。
図36図29に示す照明装置のレンズの斜視図である。
図37図29に示す照明装置の外側本体部の斜視図である。
図38図29に示す照明装置の弾性くさび部材の拡大斜視図である。
図39図29に示す照明装置の内側本体部の斜視図である。
図40】別の照明装置および外科用器具の斜視図であり、照明装置は、照明装置を外科用器具の遠位端部に係合させるための手動作動ラッチアセンブリを含む。
図41】外科用器具の遠位端部に設置された、図40に示す照明装置の斜視図である。
図42図41に示す照明装置および外科用器具の平面図である。
図43図41に示す照明装置および外科用器具の側面立面図である。
図44図43のF-F線断面図である。
図45図41に示す照明装置および外科用器具の前端図である。
図46図44の部分拡大図である。
図47図40の照明装置の第1の側面立面図である。
図48図40の照明装置の第2の側面立面図である。
図49図40に示す照明装置の分解斜視図である。
図50】ラッチタブが圧縮されていないときの係合歯の位置を示すために端キャップが分離された、図40に示す照明装置の斜視図である。
図51】ラッチタブが圧縮されているときの係合歯の位置を示すために端キャップが分離された、図40に示す照明装置の斜視図である。
図52図50の部分拡大図である。
図53図51の部分拡大図である。
図54】係合歯を有するラッチタブの側面立面図である。
図55】係合歯を有するラッチタブの正面平面図である。
図56】係合歯を有するラッチタブの平面図である。
図57】係合歯を有するラッチタブの斜視図である。
図58】オーバーモールドされた弾性係合構造を有するラッチタブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
当業者が過度の実験をすることなく本発明を作製および使用する方法を容易に理解するように、その好ましい実施形態を、図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0029】
同様の参照番号が本発明の各種実施形態の同様の構造要素を識別する図面を参照すると、図1図21には、Bovie Medical Corporationによって製造、販売されているBOVIE(登録商標)ペンシルなどの細長いハンドヘルド電気外科用器具10の遠位端部に取り外し可能に設置された、全体的に参照符号20で示すコードレスのバッテリ駆動式照明装置が示されている。使用時には、照明装置20が電気外科用器具10の遠位端部に設置されると、器具10の長手方向軸を中心とした照射軸を有する環状光が自動的かつ同時に、照明装置20の遠位端から発せられる。
【0030】
図3図5に最もよく示されるように、中間に位置するフランジ6を有する細長い電極ブレード4は、器具10の遠位端部2の軸方向開口部に動作可能に対応付けられている。電極ブレード4は、照明装置20を器具10の遠位端部に設置する前に、または照明装置20を器具10の遠位端部に設置した後に、器具10に取り付けることができる。設置されると、電極ブレード4は、照明装置20の焦点軸上に配置される。
【0031】
図3図16を参照すると、本発明の第1の実施形態では、照明装置20は、ヒンジ接続された2つの外側本体部8’および8’’を有する。第1の外側本体部8’は、外科用器具10の遠位端部を収容するための第1の凹部を画定する第1の内側本体部32’を有する。さらに、第1の外側本体部8’は、その遠位端に動作可能に対応付けられた、円弧状に離して設けられた第1の組のLED光源36を有する。第2の外側本体部8’’は、外科用器具10の遠位端部を収容するための第2の凹部を画定する第2の内側本体部32’’を有する。さらに、第2の外側本体部8’’は、その遠位端に動作可能に対応付けられた、円弧状に離して設けられた第2の組のLED光源36を有する。LED光源36は、図14に最もよく示されるように、PCB16に表面実装されるか、または他の方法で動作可能に対応付けられている。これらの構成要素は、青色LED、白色LED、黄色LEDなどであってもよい。
【0032】
照明装置20の第1および第2の本体部8’および8’’は、互いにヒンジ接続され、外科用器具10の遠位端部2を受け入れるための図1に示す開位置と、外科用器具10の遠位端部2を係合させるための図2に示す閉位置との間で移動するように構成される。より具体的には、図12および図16に最もよく示されるように、第1および第2の外側本体部8’および8’’は、一対のヒンジピン24を収容するためのそれぞれの軸方向に離して設けられたヒンジ構造26’および26’’を有する。好ましくは、第1および第2の外側本体部8’および8’’はそれぞれ、略半円筒形の構成を有し、第1および第2の内側本体部32’および32’’はそれぞれ、略半円錐台形の構成を有するそれぞれの凹部を有する。
【0033】
第1および第2の外側本体部8’および8’’はそれぞれ、図12図14に最もよく示されるように、対応付けられたLED光源36に電力を供給するためのバッテリ12’および12’’を収容するそれぞれの内部空洞を画定する。バッテリ12’および12’’は、再充電可能または交換可能であることが想定される。上述したように、各外側本体部8’および8’’のLED光源36は、それぞれのPCB16’および16’’に動作可能に対応付けられている。PCB16’および16’’は、剛性または可撓性であり得る。図12および図15に最もよく示されるように、半環状レンズ14’および14’’が、各本体部8’および8’’の遠位端において、円弧状に離して設けられたLED光源36に対応付けられている。
【0034】
LED光源36は、可視光、またはUV-C光を含むUV光を生成するように適合および構成され得ることが想定される。UV-C光源を使用することによって、外科医が作業を一時中断して、組織を特定の方法で処理することを必要とせずに、感染性生物を処置または予防することが意図されている。むしろ、外科医は、コードレスで取り外し可能に取り付けられたUV-C照明装置が同じ組織を能動的に照射している間、電気焼灼装置10などの装置を利用し続けることができる。UV-C放射線は、曝露量が増加するにつれて影響を受ける生物に対してより致死的であることが示されているが、部位からの距離が離れると有効性が低下する。この装置内の光の固定された距離、および外科医が作業している間の同時処理の利点により、UV-C照明装置は新規な治療方法となることが判明している。さらに、装置は、同時に可視光を送達して、同じ装置内でUV-C光と共に照明を改善するように構成され得ることが想定される。
【0035】
PCB16’および16’’のうちの一方にカメラが動作可能に対応付けられ得、そのカメラは、造影剤を照射するための、または組織のコントラストを検出するためのNIRカメラであり得ることも想定される。対応付けられた制御回路が、PCBまたは照明装置内の他の場所に設けられる。
【0036】
例えば図12に示すように、第1および第2の本体部8’および8’’が器具10の遠位端部を中心に閉位置へと移動したときに、対応付けられた光源36を作動させるために、機械的スイッチ28’および28’’が各外側本体部8’および8’’の凹部に動作可能に対応付けられている。照明装置の本体部の一方または両方に、他の種類の機械的切替機構および/またはセンサを使用することができる。
【0037】
図6図11に最もよく示されるように、第1および第2の外側本体部8’および8’’が図2の閉位置へと移動したときに、第2の外側本体部8’’上の剛性タブまたは歯22を係合させるために、可撓性ラッチ18が第1の外側本体部8’に動作可能に対応付けられている。これにより、2つの本体部が閉位置で一緒にロックされる。あるいは、図17図21の実施形態では、照明装置20を閉位置に維持するために、細長い磁気ストリップ34’および34’’がそれぞれ第1および第2の外側本体部8’および8’’に動作可能に対応付けられている。
【0038】
図22図39を参照すると、全体的に参照番号40で示す本発明のコードレスのバッテリ駆動式照明装置の別の実施形態が示されている。照明装置40は、図24図28に示すように、内部空洞(図28および図32参照)を画定する略半円筒形またはU字形外側本体42と、外側本体42の内部空洞を囲み、外科用器具10の遠位端部を収容するための略半円錐台形凹部を画定する内側本体44とを含む。
【0039】
図35に最もよく示されるように、円弧状に離して設けられた一組のLED光源62が、外側本体42の内部空洞の遠位端に配置されている。図33および図36に最もよく示されるように、半環状レンズ58が、本体部の遠位端において、円弧状に離して設けられたLED光源62に対応付けられている。好ましくは、図28図32に最もよく示されるように、摩擦的に、弾性的に、または他の様態でばね荷重式に、外科用器具10の遠位端部を係合させるために、内側本体部44の半円錐台形凹部内には、半径方向外側に突出する一対の弾性くさび形部48(図38および図39参照)が載置されている。
【0040】
図29および図34図35を参照すると、バッテリ54が、対応付けられたLED光源62に電力を供給するために外側本体42の内部空洞内に収容され、LED光源62はPCB52に動作可能に対応付けられている。器具10の遠位端部がその中に係合されたときに、対応付けられた光源62を作動させるために、機械的スイッチ56が内側本体部44の凹部に動作可能に対応付けられている。
【0041】
図40図58を参照すると、全体的に参照番号50で示す本発明のコードレスのバッテリ駆動式照明装置の別の実施形態が示されている。照明装置50は、図44に最もよく示されるように、外科用器具10の遠位端部2を収容するための略円錐台形凹部を画定する内側本体部78を含む略円筒形の外側本体部(72’および72’’)を備える。外側本体部(72’および72’’)は、その遠位端においてPCB基板86に載置された円周方向に離して設けられた一組のLED光源を有する。環状レンズ92は、図26および図36に最もよく示されるように、本体部72の遠位端において、円周方向に離して設けられたLED光源に対応付けられている。PCB86上の光源とレンズ92との間にスペーサ88が配置される。
【0042】
複数のバッテリ82が、対応付けられたLED光源に電力を供給するために外側本体部72の内部空洞内に収容され、LED光源はPCB86に動作可能に対応付けられている。スイッチ84が、PCB86に載置され、対応付けられた光源を作動させるために、内側本体部78の凹部に動作可能に対応付けられている。
【0043】
照明装置50は、内側本体部78の略円錐台形凹部内に受け入れられると、外科用器具2の遠位端部を取り外し可能に係合させるための手動作動係合アセンブリをさらに備える。手動作動係合アセンブリは、一対の直径方向に対向する圧縮性金属タブ74’および74’’を含み、これらは、それぞれの下部タブばね構造102’および102’’と、外科用器具10の遠位端部を取り外し可能に係合させるための離して設けられた係合歯98の半環状の組とを有する。各金属タブ74’、74’’は、ヒンジピン94’および94’’を介して外側本体部(72’および72’’)のヒンジ構造96’および96’’と相互作用するためのそれぞれの一体型ヒンジ構造104を含む。近位端キャップ76は、外側本体部72’、72’’内で金属タブ74’および74’’の係合歯98を囲む。
【0044】
使用中、直径方向に対向する金属タブ74’および74’’は、タブ74’および74’’に内向きの力を加えることによって、図50および図52に示す係合された半径方向内側に配置された位置から、図51および図53に示す係合解除された半径方向外側に配置された位置まで移動する。
【0045】
図58に示す本発明の代替実施形態では、手動作動係合アセンブリは、一対の直径方向に対向する金属またはプラスチックタブ112を含み、このそれぞれが、下部タブ構造102と、タブヒンジ構造104と、それぞれが外科用器具10の遠位端部を取り外し可能に係合させるためのオーバーモールドされた弾性係合部材118を有する半環状の上部タブ構造116とを有する。この特徴によって、照明装置が異なるサイズおよび/または幾何学的形状の外科用器具と共に使用されることが可能となる。
【0046】
照明装置に、照明装置が外科用器具の遠位端部に適切に係合していることを示す可聴信号または可視信号を生成する機構を設けることができることも想定され、十分に本開示の範囲内である。照明装置はまた、外科用器具が水平の向きから垂直の向きに動くとLED光源をオンにし、外科用器具が垂直の向きから水平の向きに動くとLED光源をオフにする、加速度計または同様のセンサを含むことができることが想定される。
【0047】
また、照明装置は、外科用器具が作動されて電流が電源コードを通って流れるときは照明装置内のLED光源が作動され、電流が電源コードを通って流れていないときは光源を点灯しないように、外科用器具の電源コードに取り付けられる誘導結合部に動作可能に対応付けられ得ることも想定される。
【0048】
本発明はまた、ハンドヘルド外科用器具と、前記ハンドヘルド外科用器具に取り付けるためのバッテリ駆動式照明装置と、前記外科用器具および前記照明装置を収容するパッケージング容器とを含むキットに関する。好ましくは、前記ハンドヘルド外科用器具は電気外科用ペンシルである。パッキング容器に収容された照明装置は、本明細書に開示された照明装置のいずれかであってもよく、またはその開示内容が参照によりすでに組み込まれている同一出願人による米国特許第9,851,060号に開示された照明装置であってもよい。
【0049】
本開示は、好ましい実施形態を参照して示され説明されてきたが、当業者であれば、本開示の精神または範囲から逸脱することなく変更または変形を行うことができることを容易に理解するであろう。
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【国際調査報告】