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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】入れ物(コンテナ)接続システム
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/06 20060101AFI20220112BHJP
   A45C 13/10 20060101ALI20220112BHJP
   A45C 7/00 20060101ALI20220112BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20220112BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F16B21/06 Z
A45C13/10 Z
A45C7/00 R
F16B5/06 B
F16B5/07 B
A45C13/10 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546201
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 US2019056701
(87)【国際公開番号】W WO2020092014
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】16/163,364
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/654,864
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521165356
【氏名又は名称】タキット,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】TAKIT,LLC
【住所又は居所原語表記】30 Bellevue Avenue,Rye,New York 10580 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シシツキー,アビバ
(72)【発明者】
【氏名】モート,グレッグ
【テーマコード(参考)】
3B045
3J001
3J037
【Fターム(参考)】
3B045AA01
3B045AA52
3B045BA01
3B045BA24
3B045LA10
3J001FA01
3J001GB01
3J001JB02
3J001JD26
3J037AA02
3J037DA03
3J037DA13
3J037DB03
3J037DC06
(57)【要約】
第1の入れ物を第2入れ物に解放可能に接続するためのコネクタアセンブリであって、それぞれの入れ物に取り付けられるオス型コネクタ(単数又は複数)と、対応するメス型コネクタ(単数又は複数)を使用し、各メス型コネクタはオス型コネクタの一部を受容するための凹部を有する。ロック部材に対するロック部材リトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、ロック部材リトラクタを動かし、それにより、ロック部材エクステンダの付勢する力が前記ロック部材を係合表面に対して拡張位置へ動かすことが可能になり、解放可能にコネクタをロックすることによって、コネクタは解放可能にロックされた状態に移行する。ロック部材リトラクタを動かして、少なくとも1つのロック部材を係合表面から離れた後退位置へ動かし、コネクタを外すことによって、コネクタはロック解除状態に移行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアイテムを第2のアイテムに解放可能に接続するためのコネクタアセンブリであって:
前記第1のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのオス型コネクタと、前記第2のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのメス型コネクタとを備え、各オス型コネクタは、対応するメス型コネクタに解放可能に接続され、各メス型コネクタは、オス型コネクタの少なくとも一部を受容するための凹部を有し;
後退位置と拡張位置との間を可動する少なくとも1つのロック部材と、
第1の方向へ動作可能な少なくとも1つのロック部材リトラクタであって、前記第1の方向への動作によって、前記少なくとも1つのロック部材が前記後退位置に向けて動く、前記ロック部材リトラクタと、
前記少なくとも1つのロック部材を前記拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのロック部材エクステンダとを含み;
各ロック部材に対する各ロック部材リトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、各ロック部材リトラクタを動かし、それにより、各ロック部材エクステンダの付勢する力が各ロック部材を係合表面に対して前記拡張位置へ動かすことが可能になり、それにより、前記少なくとも1つのオス型コネクタを前記少なくとも1つのメス型コネクタに解放可能にロックすることによって、前記少なくとも1つのオス型コネクタと前記少なくとも1つのメス型コネクタは共に解放可能にロックされ;
各ロック部材リトラクタを動かして、各ロック部材を、前記係合表面から離れた前記後退位置へ動かすことによって、前記少なくとも1つのオス型コネクタと前記少なくとも1つのメス型コネクタはロック解除される、
コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記ロック部材は、1つ又は複数の傾斜の付いた開口部を備え、前記開口部に沿ってタブが動いて、前記ロック部材に力を加え、前記後退位置又は前記拡張位置へ動かす、
請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記タブは、前記少なくとも1つのメス型コネクタのうちの1つの中心軸に沿って動くパネルにそれぞれ接続される、
請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記パネルは、前記第1の方向とは反対の第2の方向へ前記ロック部材エクステンダによって付勢される、
請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記ロック部材リトラクタは、前記パネルを押し下げそれにより前記ロック部材を前記後退位置に強制する、プランジャを備える、
請求項4に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記1つ又は複数の傾斜の付いた開口部との前記タブの係合によって、前記少なくとも1つのメス型コネクタの中心軸に対して垂直に、前記ロック部材が動く、
請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
各ロック部材及び各ロック部材エクステンダは、前記少なくとも1つのメス型コネクタに備えられる、
請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
各ロック部材リトラクタは、前記少なくとも1つのオス型コネクタに備えられる、
請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロック部材は、対応するオス型コネクタを把持するために、前記少なくとも1つのメス型コネクタのそれぞれにC-スプリングを備える、
請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのオス型コネクタは、溝を有し、前記溝へ前記少なくとも1つのメス型コネクタのそれぞれの前記C-スプリングがしっかりと留められて、前記少なくとも1つのオス型コネクタが前記溝に対して垂直に動くのを防止することができる、
請求項9に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記ロック部材リトラクタによる前記ロック部材の後退によって、前記C-スプリングが前記オス型コネクタとの接触から引き離されて、前記オス型コネクタをロック解除する、
請求項9に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項12】
機械的コネクタであって:
後退位置と拡張位置との間を可動する少なくとも1つのロック部材と、
第1の方向へ動作可能なロック部材リトラクタであって、前記第1の方向への動作によって、前記少なくとも1つのロック部材が前記後退位置に向けて動く、前記ロック部材リトラクタと、
少なくとも1つのロック部材を前記拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのロック部材エクステンダとを備え;
前記少なくとも1つのロック部材に対する前記ロック部材リトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、前記ロック部材リトラクタを動かし、それにより、前記少なくとも1つのロック部材エクステンダの付勢する力が前記少なくとも1つのロック部材を相手側コネクタの係合表面に対して前記拡張位置へ動かすことが可能になり、前記機械的コネクタを前記相手側コネクタに解放可能にロックすることによって、前記機械的コネクタは解放可能にロックされた状態に移行し;
前記ロック部材リトラクタを動かし、前記少なくとも1つのロック部材を前記係合表面から離れた前記後退位置へ動かして、前記機械的コネクタを前記相手側コネクタから外すことによって、前記機械的コネクタはロック解除状態に移行する、
機械的コネクタ。
【請求項13】
前記ロック部材は、1つ又は複数の傾斜の付いた開口部を備え、前記開口部に沿ってタブが動いて、前記ロック部材に力を加え、前記後退位置又は前記拡張位置へ動かす、
請求項12に記載の機械的コネクタ。
【請求項14】
前記タブは、前記機械的コネクタの中心軸に沿って動くパネルにそれぞれ接続される、
請求項13に記載の機械的コネクタ。
【請求項15】
前記パネルは、前記第1の方向とは反対の第2の方向へ前記ロック部材エクステンダによって付勢される、
請求項14に記載の機械的コネクタ。
【請求項16】
前記ロック部材リトラクタは、前記パネルを押し下げそれにより前記ロック部材を前記後退位置に強制する、プランジャを備える、
請求項15に記載の機械的コネクタ。
【請求項17】
前記1つ又は複数の傾斜の付いた開口部との前記タブの係合によって、前記機械的コネクタの中心軸に対して垂直に、前記ロック部材が動く、
請求項13に記載の機械的コネクタ。
【請求項18】
前記少なくとも1つのロック部材は、前記係合表面を把持するために、C-スプリングを備える、
請求項12に記載の機械的コネクタ。
【請求項19】
前記係合表面は、溝を有し、前記溝へ前記C-スプリングがしっかりと留められて、前記係合表面が前記溝に対して垂直に動くのを防止することができる、
請求項18に記載の機械的コネクタ。
【請求項20】
前記ロック部材リトラクタによる前記ロック部材の後退によって、前記C-スプリングが前記係合表面との接触から引き離されて、前記機械的コネクタをロック解除する、
請求項18に記載の機械的コネクタ。
【請求項21】
第1の入れ物を第2の入れ物に解放可能に接続するためのシステムであって:
前記第1の入れ物の1つ又は複数のオス型コネクタであって、
各オス型コネクタは、
後退位置と拡張位置との間を回転可能な少なくとも1つのつめと、
可撓性タブと、
前記少なくとも1つのつめと係合し、前記少なくとも1つのつめを付勢して前記拡張位置に向けて回転させるつめエクステンダと、
中心軸に沿って第1の方向へ動くように付勢されて前記少なくとも1つのつめに係合する、及び、前記可撓性タブに動作可能に接続される、つめリトラクタとを有する、前記オス型コネクタと;
前記第2の入れ物の1つ又は複数のメス型コネクタであって、
各メス型コネクタは、前記1つ又は複数のオス型コネクタのうちの1つに対応し、
各メス型コネクタは、
受容するオス型コネクタの前記少なくとも1つのつめが前記後退位置にあるときに、前記1つ又は複数のオス型コネクタのうちの対応する1つの少なくとも一部を受容するための凹部と、
前記凹部内に配置され、前記中心軸に沿って延びる自由端を有する、中央ピンと、
前記少なくとも1つのつめが前記拡張位置へ回転するときに、前記少なくとも1つのつめと係合するための表面とを有する、前記メス型コネクタと;を備え、
各オス型コネクタと、対応するメス型コネクタでは、
前記メス型コネクタの前記凹部への前記オス型コネクタの挿入によって、前記中央ピンの前記自由端が前記可撓性タブに係合し、前記可撓性タブと前記つめリトラクタを前記中心軸に沿って、前記第1の方向とは反対の第2の方向へ動かし、それにより、前記つめリトラクタを前記少なくとも1つのつめから外し、前記つめエクステンダの前記付勢の下、前記少なくとも1つのつめを前記拡張位置へ回転させ、前記オス型コネクタを前記メス型コネクタに解放可能に接続するように係合するために、前記表面に係合させ;
前記第1の方向又は前記第2の方向以外の方向へ、前記オス型コネクタの前記可撓性タブに力を加えることによって、前記可撓性タブを前記中央ピンの前記自由端から外し、その結果、前記つめリトラクタが前記第1の方向へ動いて、前記少なくとも1つのつめに係合し、それにより、前記少なくとも1つのつめを前記後退位置へ回転させ、前記オス型コネクタを前記メス型コネクタから解放するように、前記少なくとも1つのつめを前記表面から外す、
システム。
【請求項22】
第1のアイテムを第2のアイテムに解放可能に接続するためのコネクタアセンブリであって:
前記第1にアイテムに取り付けられる少なくとも1つのオス型コネクタと、前記第2のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのメス型コネクタとを備え、各オス型コネクタは、対応するメス型コネクタに解放可能に接続し、各メス型コネクタは、オス型コネクタの少なくとも一部を受容するための凹部を有し;
後退位置と拡張位置との間を回転可能な少なくとも1つのつめと、
第1の方向へ動作可能なつめリトラクタであって、前記第1の方向への動作によって、前記少なくとも1つのつめが前記後退位置に向けて回転する、前記つめリトラクタと、
前記拡張位置に向けて前記少なくとも1つのつめを付勢する少なくとも1つのつめエクステンダと、を備え;
前記少なくとも1つのつめに対する前記つめリトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、前記つめリトラクタを動かし、それにより、前記少なくとも1つのつめエクステンダの付勢する力が前記少なくとも1つのつめを係合表面に対して前記拡張位置へ回転させることが可能になり、前記少なくとも1つのオス型コネクタを前記少なくとも1つのメス型コネクタに解放可能にロックすることによって、前記少なくとも1つのオス型コネクタと前記少なくとも1つのメス型コネクタは共に解放可能にロックされ;
前記つめリトラクタを動かして、前記少なくとも1つのつめを前記係合表面から離れた前記後退位置へ回転させることによって、前記少なくとも1つのオス型コネクタと前記少なくとも1つのメス型コネクタはロック解除される、
コネクタアセンブリ。
【請求項23】
タブと、
前記凹部内に配置され、オス型コネクタと、対応するメス型コネクタとの中心軸に沿って延びる自由端を有する、中央ピンとを更に備え;
前記つめリトラクタは、前記タブに動作可能に接続され、前記中心軸に沿って第1の方向へ動くように付勢され、前記少なくとも1つのつめに係合し;
対応するメス型コネクタの前記凹部へのオス型コネクタの挿入によって、前記中央ピンの前記自由端が前記タブに係合し、前記タブとつめリトラクタを前記中心軸に沿って、前記第1の方向とは反対の第2の方向へ動かし、それにより、前記つめリトラクタを前記少なくとも1つのつめから外し、前記少なくとも1つのつめエクステンダの前記付勢の下、前記少なくとも1つのつめを前記拡張位置へ回転させ、前記表面に係合させて、前記オス型コネクタを前記メス型コネクタに解放可能に接続し;
前記第1の方向又は前記第2の方向以外の方向へ、前記タブに力を加えることによって、前記タブを前記中央ピンの前記自由端から外し、その結果、前記つめリトラクタが、前記第1の方向へ動いて、前記少なくとも1つのつめに係合し、それにより、前記少なくとも1つのつめを前記後退位置へ回転させ、前記少なくとも1つのつめを前記表面から外して、前記オス型コネクタを前記メス型コネクタから解放する、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項24】
前記少なくとも1つのオス型コネクタのそれぞれのキャップは、対応する中央ピンを受容するために、円錐形の穴を備える、
請求項23に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項25】
前記少なくとも1つのメス型コネクタのそれぞれは、前記少なくとも1つのオス型コネクタのうちの対応する1つの挿入によってパネルが前記凹部内へ動くまで、前記凹部を覆うように付勢される可動パネルを備える、
請求項23に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項26】
前記タブは、前記中央ピンの前記自由端から外れて、前記対応するメス型コネクタからの前記オス型コネクタの解放の後は、前記中心軸に位置合わせされる位置へ戻る、
請求項23に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項27】
前記少なくとも1つのつめエクステンダは、前記少なくとも1つのつめに形成されたゆびであって、可撓性材料から作製されたゆびを備え、
前記つめリトラクタは、前記第1の方向とは反対の方向へ回転させられて、機械的コネクタを前記解放可能にロックされた状態に移行させ、
前記つめリトラクタは、前記第1の方向へ回転させられて、前記機械的コネクタを前記ロック解除状態に移行させる、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項28】
前記第1のアイテム又は前記第2のアイテムに、又は、そのアイテム内に配置される可動係合部材であって、中心軸に沿う以外の方向へ動くように操作されたとき、前記係合部材が前記少なくとも1つのオス型コネクタ又は前記少なくとも1つのメス型コネクタのそれぞれのタブに係合して、前記少なくとも1つのオス型コネクタのそれぞれを前記少なくとも1つのメス型コネクタのうちの対応する1つから同時に解放するように、前記可動係合部材を備える、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項29】
前記第1のアイテム又は前記第2のアイテムの、又は、そのアイテム内のケーブルを更に備え、前記ケーブルのユーザ操作によって、前記係合部材の動きが前記少なくとも1つのオス型コネクタのそれぞれを前記少なくとも1つのメス型コネクタのうちの対応する1つから解放するように、前記ケーブルは、前記係合部材に取り付けられる、
請求項28に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項30】
4つのオス型コネクタが前記第1のアイテムに長方形の構成で配列され、4つのメス型コネクタが前記第2のアイテムに配置され、前記4つのメス型コネクタのそれぞれは、前記第2のアイテムに、前記4つのオス型コネクタのうちの対応する1つの位置に対応する位置に配置される、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項31】
前記少なくとも1つのつめは、中心軸の周りに等間隔に離された3つのつめを備える、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項32】
前記係合表面は、隆起した縁を備え、前記少なくとも1つのつめは、前記少なくとも1つのつめが前記拡張位置へ回転したときに、前記隆起した縁に係合するための1つ又は複数の歯を備える、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項33】
前記少なくとも1つのオス型コネクタのそれぞれのキャップは、円錐形状に先細りになっている、
請求項22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項34】
機械的コネクタであって:
後退位置と拡張位置との間で回転可能な少なくとも1つのつめと、
第1の方向へ動作可能なつめリトラクタであって、前記第1の方向への動作によって、前記少なくとも1つのつめが前記後退位置に向けて回転する、前記つめリトラクタと、
少なくとも1つのつめを前記拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのつめエクステンダとを備え;
前記少なくとも1つのつめに対する前記つめリトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、前記つめリトラクタを動かし、それにより、前記少なくとも1つのつめエクステンダの付勢する力が前記少なくとも1つのつめを相手側コネクタの係合表面に対して前記拡張位置へ回転させることが可能になり、前記機械的コネクタを前記相手側コネクタにロックすることによって、前記機械的コネクタは解放可能にロックされた状態に移行し;
前記つめリトラクタを動かして、前記少なくとも1つのつめを前記係合表面から離れた前記後退位置へ回転させ、前記機械的コネクタを前記相手側コネクタから外すことによって、前記機械的コネクタはロック解除状態に移行する、
機械的コネクタ。
【請求項35】
タブを更に備え、前記機械的コネクタは、前記機械的コネクタの中心軸に沿った、覆い(カバー)の穴へのピンの挿入を介して前記解放可能にロックされた状態に移行し、前記タブとの係合により:
前記タブは、前記つめリトラクタと係合している間、前記中心軸に沿って動き、
前記つめリトラクタは、前記少なくとも1つのつめと係合することを止め、
前記少なくとも1つのつめエクステンダは、前記少なくとも1つのつめを回転させ、拡張させて前記係合表面に対して圧迫することが可能になり;
前記中心軸に沿う以外の、前記タブに対して圧迫する力を介して、前記タブを前記ピンから外し、それにより、前記つめリトラクタが前記少なくとも1つのつめと係合して前記少なくとも1つのつめを回転させて前記係合表面から離すことが可能になり、前記機械的コネクタは前記ロック解除状態に移行する、
請求項34に記載の機械的コネクタ。
【請求項36】
リモートソース(遠隔源)から前記力を伝達するために、ケーブルが直接的に又は間接的に前記タブに取り付けられる、
請求項35に記載の機械的コネクタ。
【請求項37】
前記係合表面は、隆起し、前記少なくとも1つのつめは、前記係合表面に係合するための1つ又は複数の歯を備える、
請求項35に記載の機械的コネクタ。
【請求項38】
前記少なくとも1つのつめエクステンダは、可撓性材料から作製された前記少なくとも1つのつめのそれぞれのゆびを備え、
前記つめリトラクタは、前記第1の方向とは反対の方向へ回転させられて、前記機械的コネクタを前記解放可能にロックされた状態に移行させ、
前記つめリトラクタは、前記第1の方向へ回転させられて、前記機械的コネクタを前記ロック解除状態に移行させる、
請求項34に記載の機械的コネクタ。
【請求項39】
前記係合表面は、溝であり、前記溝へ前記少なくとも1つのつめが前記機械的コネクタの1つ又は複数のつめ開口部を通過した後に適合する、
請求項38に記載の機械的コネクタ。
【請求項40】
前記少なくとも1つのつめは、前記機械的コネクタの中心軸の周りに等間隔に離された3つのつめを備える、
請求項34に記載の機械的コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本国際出願は、2018年10月17日に出願され「CONTAINER CONNECTION SYSTEM」と題された米国特許出願第16/163,364号、及び、その一部継続出願であり2019年10月16日に出願され「CONTAINER CONNECTION SYSTEM」と題された米国特許出願第16/654,864号の優先権を請求し、それぞれの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、2つのアイテムを共に機械的にカップリングするための一対のサブアセンブリ(部分組立部品)に関し、より具体的には、第1のアイテムの1つ又は複数のオス型コネクタの設計のための一対のサブアセンブリに関し、1つ又は複数のオス型コネクタは、最小限の労力で2つのアイテムを装着し及び分離することを容易にするためのクイックリリース機能で、対応するメス型コネクタにしっかりと受容される。
【背景技術】
【0003】
多くの既存のキャリーオールバッグ(又は、例えば、財布、化粧用バッグ、バックパック、旅行鞄セット、ツールボックス(道具箱)、ランチボックス、食品保存容器などの、他のポータブルな入れ物)は、複数の入れ物の接続を考慮して設計されてはいない。複数の入れ物を片手だけで操作する又は運搬する必要がある場合(入れ物とは別のアイテムを運搬する旅行中など)、入れ物は、積み重ねられ、外乱に反応して倒れやすくなる可能性があり;又は、ベルトを入れ物に完全に巻き付けることによって共に結び付けられる可能性があり、これは締めたり緩めたりするのに時間がかかり、また大抵どちらの入れ物にも統合されていないベルトが必要になる。磁石は2つのアイテムを共に留めるのに役立つが、大抵、弱すぎて、落下の恐れがある入れ物の重量を相殺することができない、又は、強すぎて、一旦接続された入れ物を外すにはかなりの強さが必要になる、という難しさを抱えている。
【0004】
したがって、2つの入れ物を共に迅速に解放可能に装着し、入れ物が重い場合や経時的に空間での方向を変化させる可能性のある場合でもその接続をしっかりと維持し、一方だけの入れ物が必要な場合それらを簡単に素早く分離する、といった能力が必要である。
【発明の概要】
【0005】
第1のアイテムを第2のアイテムに解放可能に接続するためのコネクタアセンブリ(組立部品)が開示され、第1のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのオス型コネクタと、第2のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのメス型コネクタとを備える。各オス型コネクタは、対応するメス型コネクタに解放可能に接続し、各メス型コネクタは、オス型コネクタの少なくとも一部を受容するための凹部を有する。アセンブリは、後退(引っ込む)位置と拡張(張り出す)位置との間で可動する少なくとも1つのロック部材と、第1の方向へ動作可能な少なくとも1つのロック部材リトラクタ(後退させるもの)であって、第1の方向への動作によって少なくとも1つのロック部材が後退位置に向けて動く、ロック部材リトラクタと、少なくとも1つのロック部材を拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのロック部材エクステンダ(拡張させるもの)とを備える。各ロック部材に対する各ロック部材リトラクタの付勢する力を減少させる位置へ各ロック部材リトラクタを動かし、それにより、各ロック部材エクステンダの付勢する力が各ロック部材を係合表面に対して拡張位置へ動かすことが可能になり、それによって、少なくとも1つのオス型コネクタを少なくとも1つのメス型コネクタに解放可能にロックすることによって、少なくとも1つのオス型コネクタと少なくとも1つのメス型コネクタは共に解放可能にロックされる。各ロック部材リトラクタを動かして、各ロック部材を係合表面から離れた後退位置に動かすことによって、少なくとも1つのオス型コネクタと少なくとも1つのメス型コネクタはロック解除される。
【0006】
機械的コネクタもまた開示され、後退位置と拡張位置との間を可動する少なくとも1つのロック部材と、第1の方向へ動作可能なロック部材リトラクタであって、第1の方向への動作によって少なくとも1つのロック部材が後退位置に向けて動く、ロック部材リトラクタと、少なくとも1つのロック部材を拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのロック部材エクステンダとを備える。機械的コネクタが解放可能にロックされた状態に移行するのは、少なくとも1つのロック部材に対するロック部材リトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、ロック部材リトラクタを動かし、それにより、少なくとも1つのロック部材エクステンダの付勢する力が少なくとも1つのロック部材を相手側コネクタの係合表面に対して拡張位置に動かすことが可能になり、機械的コネクタを相手側コネクタに解放可能にロックすることによる。機械的コネクタがロック解除状態に移行するのは、ロック部材リトラクタを動かして、少なくとも1つのロック部材を係合表面から離れた後退位置へ動かし、機械的コネクタを相手側コネクタから外すことによる。
【0007】
第1の入れ物を第2の入れ物に解放可能に接続するためのシステムもまた開示され、第1の入れ物の1つ又は複数のオス型コネクタと、第2の入れ物の1つ又は複数のメス型コネクタとを備え、各メス型コネクタは、1つ又は複数のオス型コネクタのうちの1つに対応する。各オス型コネクタは、後退位置と拡張位置との間で回転可能な少なくとも1つのつめと、可撓性タブと、少なくとも1つのつめに係合して少なくとも1つのつめを付勢して拡張位置に向けて回転させるつめエクステンダと、中心軸に沿って第1の方向へ動くように付勢され少なくとも1つのつめと係合し及び可撓性タブに動作可能に接続されるつめリトラクタとを備える。各メス型コネクタは、受容するオス型コネクタの少なくとも1つのつめが後退位置のときに、1つ又は複数のオス型コネクタのうちの対応する1つの少なくとも一部を受容するための凹部と、凹部内に配置され、中心軸に沿って延びる自由端を有する中央ピンと、少なくとも1つのつめが拡張位置へ回転するときに、少なくとも1つのつめと係合するための表面とを備える。各オス型コネクタと、対応するメス型コネクタでは、メス型コネクタの凹部へのオス型コネクタの挿入によって、中央ピンの自由端が可撓性タブに係合し、可撓性タブとつめリトラクタを中心軸に沿って第1の方向とは反対の第2の方向へ動かし、それにより、少なくとも1つのつめからつめリトラクタを外し、つめエクステンダの付勢の下、少なくとも1つのつめを拡張位置へ回転させ、係合のために表面に係合して、オス型コネクタをメス型コネクタに解放可能に接続する。一旦接続されると、第1の方向又は第2の方向以外の方向へ、オス型コネクタの可撓性タブに力を加えることによって、可撓性タブを中央ピンの自由端から外し、その結果、つめリトラクタが第1の方向へ動き、少なくとも1つのつめに係合し、それにより、少なくとも1つのつめを後退位置まで回転させ、少なくとも1つのつめを表面から外して、オス型コネクタをメス型コネクタから解放する。
【0008】
第1のアイテムを第2のアイテムに解放可能に接続するためのコネクタアセンブリもまた開示され、第1のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのオス型コネクタと、第2のアイテムに取り付けられる少なくとも1つのメス型コネクタと(各オス型コネクタは対応するメス型コネクタに解放可能に接続し、各メス型コネクタはオス型コネクタの少なくとも1部を受容するための凹部を有する)を備え、後退位置と拡張位置との間で回転可能な少なくとも1つのつめと、第1の方向へ動作可能なつめリトラクタであって、第1の方向への動作によって少なくとも1つのつめが後退位置に向けて回転する、つめリトラクタと、少なくとも1つのつめを拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのつめエクステンダとを備える。少なくとも1つのオス型コネクタと少なくとも1つのメス型コネクタが解放可能に共にロックされるのは、少なくとも1つのつめに対するつめリトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、つめリトラクタを動かして、それにより、少なくとも1つのつめエクステンダの付勢する力が少なくとも1つのつめを係合表面に対して拡張位置へ回転させることが可能になり、少なくとも1つのオス型コネクタを少なくとも1つのメス型コネクタに解放可能にロックすることによる。少なくとも1つのオス型コネクタと少なくとも1つのメス型コネクタがロック解除されるのは、つめリトラクタを動かして、少なくとも1つのつめを係合表面から離れた後退位置へ回転させることによる。
【0009】
機械的コネクタもまた開示され、後退位置と拡張位置との間で回転可能な少なくとも1つのつめと、第1の方向へ動作可能なつめリトラクタであって、第1の方向への動作によって少なくとも1つのつめが後退位置に向けて回転する、つめリトラクタと、少なくとも1つのつめを拡張位置に向けて付勢する少なくとも1つのつめエクステンダとを備える。機械的コネクタが解放可能にロックされた状態に移行するのは、少なくとも1つのつめに対するつめリトラクタの付勢する力を低減させる位置へ、つめリトラクタを動かし、それにより、少なくとも1つのつめエクステンダの付勢する力が少なくとも1つのつめを相手側コネクタの係合表面に対して拡張位置へ回転させることが可能になり、機械的コネクタを相手側コネクタに解放可能にロックすることによる。機械的コネクタがロック解除状態に移行するのは、つめリトラクタを動かして、少なくとも1つのつめを係合表面から離れた後退位置へ回転させ、機械的コネクタを相手側コネクタから外すことによる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、単一のユニットを形成するために共に装着されている状態の代表的な一対の入れ物(コンテナ)を示す。
【0011】
図1B図1Bは、簡略化された形態での、図1Aからの一対の入れ物を示し、トップの入れ物のベースにオス型コネクタを、及び、ボトムの入れ物の上表面にメス型コネクタを含み、これらは本開示に記載されるメカニズムに従って、解放可能に互いに接続する。
【0012】
図2図2は、本開示に係るメス型コネクタの分解組立図を示す。
【0013】
図3図3は、本開示に係るオス型コネクタの分解組立図を示す。
【0014】
図4A図4Aは、組み立てられたメス型コネクタであって、オス型コネクタと接触前のメス型コネクタを示す。
図4B図4Bは、組み立てられたメス型コネクタであって、オス型コネクタと、ロックされて接触中のメス型コネクタを示す。
【0015】
図5A図5Aは、組み立てられたオス型コネクタであって、メス型コネクタと接触前のオス型コネクタを示す。
図5B図5Bは、組み立てられたオス型コネクタであって、メス型コネクタと、ロックされて接触中のオス型コネクタを示す。
【0016】
図6図6は、係合前の、側面からのオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0017】
図7図7は、係合後ロックしている、側面からのオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0018】
図8図8は、まだ物理的に接触しているが解放された状態での、側面からのオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0019】
図9図9は、本開示に係る代替の実施の形態におけるメス型コネクタの分解組立図を示す。
【0020】
図10A図10Aは、図9のメス型コネクタと接触する前の、代替の実施の形態における組み立てられたオス型コネクタを示す。
【0021】
図10B図10Bは、オス型コネクタと接触してロックする前の、図9の組み立てられたメス型コネクタを示す。
【0022】
図11図11は、複数のコネクタの解放を同時に生じさせるための、ボタン、ケーブル、及びプレートアセンブリを示す。
【0023】
図12図12は、第3の代替の実施の形態におけるメス型コネクタの分解組立図を示す。
【0024】
図13図13は、第3の代替の実施の形態におけるメス型コネクタと共に使用されるオス型コネクタの分解組立図を示す。
【0025】
図14A図14Aは、係合前のオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
図14B図14Bは、係合前のオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0026】
図15A図15Aは、係合後ロックされている、オス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
図15B図15Bは、係合後ロックされている、オス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0027】
図16A図16Aは、まだ物理的に接触しているがロック解除されている過程にある、オス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
図16B図16Bは、まだ物理的に接触しているがロック解除されている過程にある、オス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1Aは、本開示の一態様に係る、1つ又は複数のコネクタを介して単一のユニットを形成するために解放可能に共に装着されている状態の、代表的な一対の入れ物(コンテナ)4、6を示す。
【0029】
図1Aには入れ物4、6が示され、本明細書にはハンドバッグ又はキャリーオールバッグとして、及び、取り外し可能な第2のバッグとして記載されているが、本開示は、ハンドバッグ又はキャリーオールバッグに限定されず、入れ物4、6は互いに解放可能に接続されることが求められる任意のタイプの入れ物であってもよいことが理解されよう。包括的ではなく、ほんの一例として、入れ物4、6は、ハンドバッグ、小銭入れ(purse)、キャリーオールバッグ、旅行鞄、ツールボックス、保存容器、ボックスなどであってもよく、又は、全く入れ物ではないアイテムであってもよい。
【0030】
一例として及び本開示を説明するためだけに、入れ物4の外観は、例えばキャリングストラップ又はハンドル(持ち手)10を含む、当該技術分野で知られている入れ物の設計(デザイン)に対応している。入れ物4、6は、入れ物を開けるために及び内部にアイテムを保管するために、多数の外部又は内部のジッパー、ポケット、又は他の構造(メカニズム)(不図示)を備えてもよい。
【0031】
図1Bは、簡略化された形態での、図1Aからの一対の入れ物4、6を示し、1つ又は複数のコネクタ1を組み込んでおり、そのそれぞれが第1の入れ物4のベースに配置されたオス型コネクタ3と、第2の入れ物6の上表面に配置された対応するメス型コネクタ2とを有し、これらは下記の記載に従って互いに解放可能に接続する。
【0032】
少なくとも1つのメス型コネクタ2は、第2の入れ物6の上表面50に装着されてもよく、ハンドバッグ4の底表面12に取り付けられた少なくとも1つのオス型コネクタ3に対応する。メス型コネクタ2とオス型コネクタ3の配列と数は、入れ物の設計又はそれらの取り付けに強制されることが求められる制約に応じて変えてもよい。例えば、単一のメス型コネクタ2及びオス型コネクタ3は、底表面12及び上表面50の中心に配置されてもよく、2つの入れ物は互いに対して任意の回転で取り付けられることが可能になる。同様に、4つのコネクタ1は長方形の配列で使用されてもよく、入れ物間での第1の相対的位置と、第1の位置から180度回転した第2の位置のみを可能にすることができる。4つのコネクタ1は正方形の配列で使用されてもよく、それぞれが互いに90度回転した4つの異なる相対的位置を可能にすることができる。図1Bに示される入れ物は、4つのオス型コネクタ3及び4つの対応するメス型コネクタ2と共に示されているが、入れ物は、より少ない数又はより多い数のオス型及びメス型コネクタを含んでもよいことが理解されよう。より一般的には、任意の正多角形の配列を使用して、多角形の辺の数に対応する位置のセットを作成してもよく(正三角形の場合は3つの潜在的な相対的位置、八角形の場合は8つなど)、又は、回転対称性のない多角形の配列を使用して、単一の相対的配置を強制してもよく(二等辺三角形や台形など)、その結果2つの入れ物の唯一可能な位置合わせにより、それぞれのオス型コネクタをそれぞれのメス型コネクタに連結させることができる。
【0033】
本開示全体を通して、「上」、「下」、「垂直」、及び、方向の他の表示に言及しているが、オス型コネクタ3をメス型コネクタ2に連結させるメカニズムは、基本的に方向から独立しており、重力や、任意の他の上り/下りに関連する動作や作用には依存しない。したがって、代わりに、オス型コネクタ3は第2の入れ物6のトップに配置でき、一方で、メス型コネクタ2は第1の入れ物4のベースに組み込むことができる。
【0034】
図2は、本開示に係るメス型コネクタ2の分解組立図を示す。
【0035】
好ましい実施の形態では、メス型コネクタ2は、ベース200、中央ピン201、スプリング202、パネル203、及び上面204を備え、組み立てられたとき、それらの中心は全て中心軸210に沿って一直線に並ぶ。1つ又は複数の留具205を使用して、ベース200を上面204に固定してもよく、その結果、それらの間にスプリング202又はパネル203を保持する。
【0036】
スプリング202は、物体又は力がパネル203を下向きに十分に押していないときは、常にパネル203を、上面204に対して上向きに押すように及び上面204と同一平面になるように(図4A及び下記に記載されるように)付勢してもよい。圧力が加えられると、パネル203はベース200に形成された空洞(キャビティ)内に後退し、メス型コネクタ内に形成された空洞内の中央ピン201を(図4B及び下記に記載されるように)ピンホール207を通して露出させる。
【0037】
上面204は、上面204の内側端の周りを通る隆起した縁(畝)206を含んでもよい。実施の形態によっては、隆起した縁206は、メス型コネクタ2がオス型コネクタ3と適切に位置合わせされる場合に、歯付つめ(以下で更に説明する)の存在が予期される内側端の一部に沿ってのみ存在してもよい。
【0038】
好ましい実施の形態では、パネル203、及び上面204の内側縁は、メス型コネクタ2とオス型コネクタ3とが互いに対してどのように回転させられるかに関わらず、対応するオス型コネクタ3との係合を可能にするために(以下で更に説明する)、円形である。他の実施の形態では、特に複数のメス型コネクタとの複数のオス型コネクタ3の位置合わせがすでにオス型コネクタ3とメス型コネクタの配置を制約する場合に、特に目的が美学的に又はコネクタの使用に関する他の考えられる設計上の制約に関して果たされるのであれば、パネル203及び上面204の他の任意の形状が可能である。
【0039】
図3は、本開示に係るオス型コネクタ3の分解組立図を示す。示された各部品は、基本的に形が円形であり、単一の部品に組み立てられると中心軸310に沿って一直線に並べられる中心を有するが、つめ301は例外であり、つめ301は好ましくは中心軸310から一定の距離を置いてその軸の周りに均等に離される。
【0040】
好ましい実施の形態では、オス型コネクタ3は、下面300、つめ301、リーフスプリング302、つめリトラクタ(引っ込ませるもの)303、タブ304、スプリング305、及び内面306を含む。下面300、リーフスプリング302、つめリトラクタ303、スプリング305、及び内面306の中心はすべて、中心軸310に沿って一直線に並べることができ、これは、オス型コネクタ3とメス型コネクタ2を係合させるとき、中心軸210との位置合わせ/同等性を目的としている。1つ又は複数の留具307は、下面300と内面306との間のつめ301、リーフスプリング302、つめリトラクタ303、タブ304、及びスプリング305を閉じ込めながら下面300を内面306に固定するために使用されてもよい。
【0041】
好ましい実施の形態では、各つめ301は、オス型コネクタ3がメス型コネクタ2に挿入されて軸方向の動きにしっかりと抵抗するときに、上面204の隆起した縁206の突起部に解放可能に係合する、1つ又は複数の歯308を含む。他の実施の形態では、メス型コネクタ2の表面と係合する別の手段が、示された剛性の歯308に替えて又はそれに追加して使用されてもよい、例えば(但し、これに限定されない)、メス型コネクタ2のそれぞれの磁石に引き付けられるように配向された磁石、接着表面、対応する開口部に適合するピン、ゴム状の把持表面、又は、軸方向に相互に動かしたときに別の表面又は特徴に対して十分な抵抗を生成する任意の他の表面又は特徴などである。
【0042】
下面300はまた、1つ又は複数のつめ歯開口部又は凹部309を含み、それを介して、対応するつめ301の歯付表面308は、つめが拡張位置にあるときに通過することが可能になり、歯付表面308は、つめが後退位置にあるときにそれを介して拡張することはない。
【0043】
各つめ301は、回転軸ポイント312を中心に回転することによって、拡張位置と後退位置との間を移行し、回転軸ポイント312は、下面300内にロックされ静止する。後退位置は、つめ301の後部レバー313を係合させるために、スプリング305がつめリトラクタ303を中心軸310に沿って下向きに付勢し、回転軸ポイント312を中心に、中心軸に向かう、つめの内向きの回転を生じさせるときに生じる。拡張位置は、各つめ301と係合するリーフスプリング302が、つめリトラクタ303によって弱められておらず、つめ301及びそのそれぞれの歯308を付勢して、中心軸310から離れる方向へ回転軸ポイント312を中心に回転させるときに生じる。スプリング305及びつめリトラクタ303の作用が、拡張に有利に働く力に打ち勝つのに十分に強い限り、例えば磁石又はノンスプリング機械部品などによる、つめ301の拡張を生じさせる任意の他の手段が使用されてもよい。
【0044】
下面300はまた、穴(アパーチャ)311(不図示、しかし図5A及び図5Bに存在する)を含み、そこを中心軸310が通過するように、及び、そこをメス型コネクタ2の中央ピン201が通過するように意図されている。
【0045】
好ましい実施の形態では、図示されているように、各オス型コネクタ3は、オス型コネクタの中心軸310の周りに等距離のスペースで3つのつめ301を含む。他の実施の形態では、少なくとも1つのつめ301がメス型コネクタ2の隆起した縁206と係合することができる限り、任意の他の数のつめ301を使用してもよく、例えば(但し、これに限定されない)、中心軸の周りに等距離又は任意の間隔で、1つ、2つ、4つ、又はそれ以上などを使用してもよい。
【0046】
タブ304は、可撓性材料を含み、2つの肩315を有し、肩315は、つめリトラクタ303の側面にロックされて、接続及びつめリトラクタ303を下向きに押す能力を維持しながら、タブ304がつめリトラクタ303に対して肩315を通る軸に沿って回転することを可能にする。タブ304はまたノッチ(切欠き)314を含み、ノッチ314は、メス型コネクタ2の中央ピン201に対応し、ピンが下からノッチ314に入ることを可能にするが、タブが中心軸310に沿って位置合わせされたままである限り、ピンの更なる上向きの動きを防止する。好ましい実施の形態では、タブ304は、別の部品に対してタブの他の部分を固定しながら、タブの一部をそのデフォルト位置に垂直に安定させるために、フックを有するか、又は一般に「V」字型であってもよい。タブの可撓性の結果として、垂直部分は、中心軸に垂直又は少なくとも中心軸に沿っていない力によって、中心軸310からずれることが可能である。他の実施の形態では、タブ304のフック形状の効果は、スプリング又は他の部品の横方向へ付勢する力によって定位置に保たれる、垂直部分のみを有することによって置き換えることができる。
【0047】
好ましい実施の形態では、オス型及びメス型コネクタ2、3の各部品は、プラスチックから作られる。他の材料を使用して、必要に応じて剛性又は構造的支持を提供してもよく(例えば、ベース200、上面204、下面300、内面306、中央ピン201、又はつめ301などの非変形部品を、金属、木材、ガラス、ホーロー(enamel)、象牙(bone)、石材、又は他の外来の(exotic)動物性物質/植物性物質/鉱物質から作製する)、又は、必要に応じて可撓性及び弾性を提供してもよい(例えば、スプリング202、リーフスプリング302、タブ304、又はスプリング305を、金属、ゴム、段ボール、発泡体(foam)、又は一旦力が加えられなくなると元の状態に戻りながら可撓性であり得る他の材料の、コイル又は薄いシートから作製する)。
【0048】
図4A及び図4Bは、組み立てられたメス型コネクタ2であって、それぞれ、オス型コネクタ3との接触前、及び、オス型コネクタ3とのロックされた係合中を示す。図4Aでは、スプリング202が(図2及び図6に示されている)、パネル203を上面204に対して上向きに付勢して、上面204と同一平面にすることにより、より美的で、より安全で(中央ピン201による刺す可能性を防ぐ)、及び、よりクリーンな(デトリタスがメス型コネクタ内の空洞に入るのを防ぐ)、デフォルト又は休止状態の外観になる。図4Bでは、パネル203に加えられた圧力が(例えば、オス型コネクタ3がメス型コネクタ2に挿入されることによって)、スプリング202を(図2及び図6に示されている)圧縮して、中央ピン201を露出させる。後退位置は、オス型コネクタ3がメス型コネクタ2内に挿入されている限り、維持される。
【0049】
図5A及び図5Bは、組み立てられ受容されたオス型コネクタ3であって、それぞれ、メス型コネクタ2と係合する前、及び、解放可能にメス型コネクタにロックされている場合を示す。
【0050】
図5Aでは、オス型コネクタ3は、後退したつめ301を有し、その歯308は、下面300のつめ歯開口部309(図3に示す)を超えて拡張していない。図5Bでは、オス型コネクタ3は、拡張したつめ301を有し、その歯308は、つめ歯開口部309を通って拡張している。後退したロック解除位置から拡張したロック位置に移行するプロセスは、下記図6図7及び図8により詳細に記載されている。
【0051】
下面300は、好ましい実施の形態において、オス型コネクタ3の不的確な位置に対してより寛容に下面300をメス型コネクタ2の空洞に導くことを容易にするために、つめ歯開口部309を含む表面が、円筒形又は別の形状ではなく、円錐形(具体的には、円錐台)であるように成形される。下面300はまた、中央ピン201を受容するための穴311を有する。好ましい実施の形態では、穴311は、メス型コネクタ2の中央ピン201を穴311及びオス型コネクタ3内に導くために、同様に円錐形である。
【0052】
図6図7及び図8は、ロック及びロック解除プロセスの3つの段階における、メス型コネクタ2及びオス型コネクタ3の側面からの断面を示す。図6は、係合前のメス型コネクタ2及びオス型コネクタ3を示し(図4A及び図5Aに対応)、図7は、係合後に解放可能にロックされた状態を示し(図4B及び図5Bに対応)、図8は、まだ物理的に接触しているが解放されロック解除された状態を示す。
【0053】
図6では、オス型コネクタ3のタブ304は、内面306を超えてわずかな量だけ延びている。スプリング305は、つめリトラクタ303を下へ付勢し、つめリトラクタ303を各つめ301の後部レバー313に係合させる。結果として、各つめ301は、歯308が歯開口部309を超えて拡張しないように、回転軸ポイント312を中心に内側に回転したままとなる。リーフスプリング302は、各つめ301に外向きに付勢する力を及ぼすことができるが、スプリング305の付勢する力は、より強力であり、及び/又は、つめに対してより大きな影響力を有し、つめをその後退位置に留まらせることができる。
【0054】
図7では、オス型コネクタ3がメス型コネクタ2に挿入されると、メス型コネクタ2のパネル203は、オス型コネクタ3の下面300との接触によって押し下げられ、スプリング202を圧縮する。中央ピン201が現れ、オス型コネクタ3の下面300にある穴311内に延びる。ピン201は、タブ304のノッチ314(不図示)と係合し、タブを通過することができず、タブ304を上向きに押し始める。タブ304が上向きに動くと、その肩315はつめリトラクタ303とのロックされた係合のままであり、つめリトラクタ303が同様に上向きに動き、スプリング305を圧縮する。つめの後部レバー313へのつめリトラクタ303によって供給される力が減少すると、リーフスプリング302の付勢する力により、各つめ301の歯308が外側に回転し、隆起した縁206と係合し、解放可能に所定の位置にロックして、オス型コネクタ3のメス型コネクタ2に対する軸方向の動きを防止する。
【0055】
このロック位置に入ると、オス型コネクタ3が取り付けられた第1の入れ物4又は他のアイテムは、空間内で持ち上げたり回転させたりしてもよく、メス型コネクタ2が取り付けられた第2の入れ物6又は他のアイテムは、接続の強度、及び歯付つめ301がメス型コネクタ2の隆起した縁206から滑り出せないことによって、同様に、持ち上げられ又は回転させられる。
【0056】
図8では、力が、タブ304の一方の末端に、内面306にほぼ平行であって中心軸にほぼ垂直な方向に(図8の状況では左方向へ)加えられるとき、他方の末端は、内面306の内部に押し付けられたままであり、タブ304は曲がり始める。タブ304が折りたたまれるか、又はそれ自体で閉じると、タブ304のノッチ314は、もはやメス型コネクタ2の中央ピン201と完璧に位置合わせされたままではなくなり、最終的に、タブ304は、中央ピン201の側面に滑り込むことが可能になる。タブ304への中央ピン201によって加えられる上向きの力がないと、スプリング305の付勢する力は、各つめ301の後部レバー313に対して、つめリトラクタ303を再び下向きに押し、リーフスプリング302の外向きに付勢する力に打ち勝ち、つめ301が、受容側2の隆起した縁206と係合しなくなる後退位置へ逆回転することが可能になる。
【0057】
結果として、オス型コネクタ3はメス型コネクタ2から自由に離れることができるので、オス型コネクタ3が取り付けられた入れ物又は他のアイテムは、オス型コネクタのタブに力が加えられた後は、メス型コネクタを有する入れ物又はアイテムを後に残し、持ち上げることが可能になる。中央ピン201がオス型コネクタに挿入されなくなると、タブ304はその垂直位置に戻り、すべての部品を図6の元の構成に戻すことができる。
【0058】
オス型及びメス型コネクタ間の部品の、特定の好ましい分割が、本明細書に記載されているが、パーツ間でのこれらの部品の異なる分割が可能である。例えば、オス型コネクタ3を受容するメス型コネクタ2の表面に係合するために外側に拡張するつめ301を含むオス型コネクタの代わりに、代替の実施の形態では、(図9図10A、及び図10Bに示され、以下に説明されるように)メス型コネクタ2においてつめを含むことができ、つめはオス型コネクタ3の表面を把持するように内側に拡張する。実施の形態は、本明細書に記載の部品及び相互関係を使用して、内側コネクタから外向きに押すつめ又は外側コネクタから内向きに押すつめのいずれかを可能にし、それに応じて他の部品の動く方向を逆にすることができる;例えば、つめ301を外向きに押すリーフスプリング302を、外側コネクタのつめを内向きに引っ張るように付勢して内側コネクタにロックする、ゴムバンド又は他の弾性材料と交換してもよい。
【0059】
図9は、本開示に係る代替の実施の形態におけるメス型コネクタの分解組立図を示す。
【0060】
図2に示す好ましい実施の形態におけるメス型コネクタ2と同様に、メス型コネクタは、1つ又は複数の留具205によって共に保持される、中心軸210を有する、ベース200及び上面204を含んでもよい。しかし、図2及び図3に示されているパーツの分割とは対照的に、メス型コネクタ2は、つめ301、つめリトラクタ303、及びつめ歯開口部309を含んでもよい。
【0061】
各つめ301は、ベース200及びつめリトラクタ303のピン370及び372にそれぞれ対応する、2つのピンホール371及び373を有してもよい。組み立てられると、ピン370はピンホール371に入り、ピン372はピンホール373に入り、つめ301及びつめリトラクタ303をベース200に係合させる。各つめ301はまた、可撓性材料で作製され、後向きのゆび350を有してもよく、後向きのゆび350は、ベース200の内部を押し、つめ301を内部側へ回転させるためにつめリトラクタ303を回転させることによる反対に付勢する力が加えられていないときは、つめ301を中心軸210に向けて外部側へ回転するように付勢する。
【0062】
つめリトラクタ303は、外付けのタブ375を有してもよく、外付けのタブ375は、つめリトラクタ303を回転させて、その結果、1つ又は複数のつめ301を動かすために、外力又は部品によって押されたり引っ張られたりしてもよい。
【0063】
図10Aは、図9のメス型コネクタと接触する前の、代替の実施の形態における組み立てられたオス型コネクタを示す。
【0064】
好ましい実施の形態のオス型コネクタとは対照的に、オス型コネクタ3は、下面300及びメス型コネクタ2のつめ301が解放可能にロックし得る溝又は他の係合表面206のみを有し、可動するパーツを完全に欠いてもよい。
【0065】
図10Bは、オス型コネクタとの接触及びロックする前の、図9の組み立てられたメス型コネクタを示す。
【0066】
好ましい実施の形態のオス型コネクタと同様に、つめ301は、各つめ301に対応する、上面204におけるつめ歯開口部309を通って、中心軸に向けて外部側へ回転してもよい。つめ301の拡張位置又は後退位置への回転は、つめリトラクタ303をベース200及び上面204に対して回転させることによって達成される。つめリトラクタ303を回転させることによって、ピン372はピン370に対して移動し、各つめ301をピン370/ピンホール371でのポイントを中心に回転させる。(図9に示されるつめリトラクタ303の反時計回りの回転に応答して)外部側へ回転することによって、つめは、オス型コネクタ3の溝又は他の係合表面206にロックし、メス型コネクタ2及びオス型コネクタ3の軸方向における互いに対する動きを防止してもよい。(図9に示されるつめリトラクタ303の時計回りの回転に応答して)内部側へ回転することによって、つめ301は、溝又は他の係合表面206からつめ歯開口部309内に後退し、オス型コネクタ3がメス型コネクタ2から取り除かれることを可能にしてもよい。
【0067】
図11は、1つ又は複数のコネクタの解放を同時に引き起こすために、キャリーオールバッグ又は他の入れ物に組み込まれてもよい、ボタン、ケーブル、及びプレートアセンブリを示す。
【0068】
プレート900又は類似の解放係合部材は、(最初に図1に示されたように)キャリーオールバッグ又は他の入れ物4に埋め込まれてもよく又はそうでなければ組み込まれてもよい。好ましい実施の形態では、プレート900は、キャリーオールバッグ4のベースに配置されてもよく、ベースに平行であり、1つ又は複数の突起901を有し、それぞれがオス型コネクタ3の対応するタブ304と静止して接触している。図11の状況で示すように、プレート900を矢印Aの方向へわずかにシフトさせると、オス型コネクタ3が、ロックされている場合に前述の方法に従ってタブ304を押すことによって、ロック解除状態にシフトする。好ましい実施の形態では、図に示されているように、プレート900は、それが占める平面内で実質的に中実(堅固)である。他の実施の形態では、プレートの代わりに、ほんの数本のロッド又はダボで構成される又ははるかに小さい面積を有する、骨組み、フレーム、又は他のアセンブリ(組立部品)を使用することができる。
【0069】
プレート900はまた、ケーブル903(又はダボ、又は、隔たり(距離)を超えて押す又は引く動きを伝達することができる他の部品又は部品のセット)が取り付けられてもよい、複数の「みみ」902又は他の取り付けポイントを備えてもよい。
【0070】
好ましい実施の形態では、ケーブル903は、キャリーオールバッグ4のキャリングストラップ/ハンドル(持ち手)10内に埋め込まれ、ハンドルを通ってボタンアセンブリ904又は同等のユーザインタフェース(すなわち、スイッチ、ノブなど)に至ってもよい。他の実施の形態では、ケーブル903は、ハンドル又はストラップ10内に埋め込まれる代わりに、キャリーオールバッグ又は他の入れ物4の側面、ベース、又は他の内部部分に統合されるか、そうでなければキャリーオールバッグ又は他の入れ物4内に隠されてもよい。
【0071】
ユーザがボタン904を押下すると(又は、スイッチを押す、又はノブを回すなど)、力がケーブル903に沿って伝送され、プレート900が矢印Aの方向へ動き、突起(単数又は複数)901がオス型コネクタ3のタブ(単数又は複数)304に係合して、図8に記載されているように、キャリーオールバッグ又は他の入れ物4をそれが取り付けられ得る第2の入れ物6から解放する。あるいは、オス型コネクタ3に同時に係合するために単一のケーブル903及びプレート900を使用する代わりに、複数のケーブルを、ボタンアセンブリ904から直接に各オス型コネクタに取り付けることができ、ボタンアセンブリがユーザによって押下された場合に、各ケーブルが動かされる。
【0072】
更に、ボタンアセンブリ904、ケーブル903、及び/又はプレート900が、第2の入れ物6(図1A及び図1Bを参照)とは対照的に、キャリーオールバッグ又は他の入れ物4内になければならないという本質的な理由はない。もはや接続を維持する必要がなくなった後は、ベースの入れ物にあるボタンアセンブリ904を使用して、トップの入れ物を外してもよい。例えば、図9図10A、及び図10Bの代替の実施の形態のコネクタが使用される場合、第2の入れ物6のボタンにより、プレート又は他の解放部材900を動かして、第2の入れ物6のトップにある1つ又は複数のメス型コネクタ2のつめリトラクタ303にあるタブ375と係合させることができ、同時に、それらのメス型コネクタにあるつめ301を解放して、それらの対応するオス型コネクタ3を解放することができ、それにより、入れ物4を第2の入れ物6から取り外すことを可能にする。
【0073】
また、入れ物4及び/又は第2の入れ物6に組み込まれたコネクタは、押下されるボタンとの物理的係合以外の方法によって解放されてもよい。例えば、オス型コネクタ3のタブ304は、閉回路又は無線で送信された信号からの電気的接続に応答して、タブを押してオス型コネクタ3の取り外しをもたらし得るサーボモータに接続されてもよい。
【0074】
図2図8及び図9図10にそれぞれに記載されている実施の形態とは異なる、図12図16に記載されている第3の実施の形態では、オス型コネクタ3は、スライド式ロック部材を用いることによって、メス型コネクタ2に解放可能にロックされてもよい。
【0075】
図12は、この第3の代替の実施の形態におけるメス型コネクタの分解組立図を示す。
【0076】
前述の他のメス型コネクタ2と同様に、種々のパーツが、中心軸210に沿って一直線に並べられている。
【0077】
上面204及びベース200は、それぞれの拡張された縁1505と1530との間のスライド式ハウジング1515と共に、相互に装着される。スライド式ハウジング1515は、楕円形の(より正確には、「丸みを帯びた長方形」又はレーストラック(競争路)のような)断面を有する。この断面は、上面204自体の丸い断面が楕円形の開口部内に保持されたまま、上面204とベース200との間の中心軸210に対して垂直に(例えば、矢印Aの方向又は反対方向へ)動くことを可能にする。代替の実施の形態では、これらの断面がそれぞれ円形及び楕円形である必要はない;他の実施の形態は、正方形の及び長方形の断面、又は、1つの寸法が別の寸法よりも長い任意の他の形状のペアを使用して、他方の軸に沿って同じ幅を有する小さいほうの形状を含みそれによって導かれ(チャネリングされ)ながら、一方の軸に沿って大きいほうの形状が前後に動くことを可能にする。
【0078】
スライド式ハウジング1515は、1つ又は複数の開口部1520を有し、パネル203の側面にあるタブ1525を受容するように構成され、パネル203は、スプリング202によって上向きに付勢される。スプリング202がパネル203を上向きに押す場合に、タブ1525が開口部1520の上端と係合してハウジング1515を矢印Aの方向へ押すように、タブ1525の傾斜の付いた位置合わせ及び開口部1520の傾斜の付いた端が配列される。対照的に、パネル203が下向きに押されてスプリング202を圧縮する場合、タブ1525は、開口部1520の下端と係合してハウジング1515を矢印Aとは反対の方向へ押す。
【0079】
「C」字形スプリング1510は、オス型コネクタ3がスプリング1510の2つの先端部の間にあるときは、オス型コネクタと係合する、内向きに付勢された力を提供するが、オス型コネクタ3がスプリング1510の中心に近く、スプリング1510と接触しないときは、力を加えない。
【0080】
リング1500又は他のリベット状のコネクタが、メス型コネクタ2の残りの部分に装着され、それらの間に下側の入れ物6の上表面50(ここには示されていないが、図1に示されている)があり、上表面50に対してメス型コネクタ2を所定の位置に固定する。その結果、リング1500及びパネル203のみが上表面の上側に見え、上面204の拡張された縁1505は上表面50の下側になる。
【0081】
図13は、第3の代替の実施の形態における、メス型コネクタと組み合わせて使用されるオス型コネクタの分解組立図を示す。
【0082】
前述した他のオス型コネクタ3のように、様々なパーツが、中心軸310に沿って一直線に並べられている。
【0083】
内面306及び下面300は、上側の入れ物4の下表面12(ここには示されていないが、図1に示されている)の両側に又はいずれかの側に共に装着され、プランジャ1615及びプランジャベース1600が、それらの間のチャネル内で上向きに及び下向きに自由に動くことを可能にする。タブ304がプランジャベース1600に取り付けられ、タブ304は横向の動きを下向きの動きに変換し、力がタブ304に加えられたとき、プランジャベース1600を(及びプランジャ1615との係合を介して、プランジャを)下向きに動かす。
【0084】
スプリング1610は、プランジャベース1600と係合し、内面306に対して上向きにプランジャベース1600を付勢する。上向きの状態では、プランジャ1615は下面300の底部と同一平面上にある。
【0085】
下面300は、メス型コネクタ2への挿入時の位置ずれをより許容しやすいようにテーパー面を有することが好ましく、また、「C」字形スプリング1510と同様の幅のチャネル1620を有し、その中にスプリング1510が横方向へスライドしてもよい。
【0086】
図14Aは、係合前のオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0087】
係合前、パネル203は、スプリング202の付勢する作用によって完全に上向きに延ばされて、リング1500と同一平面である。ハウジング1515及び「C」字型スプリング1510は完全に左側にあり、ベース200の外側左端と位置合わせされている。スプリング1610は、プランジャ1615が下面300を超えないように、プランジャベース1600及びプランジャ1615を完全に後退させている。
【0088】
図14Bは、中心軸210に垂直であり、「C」字形のスプリング1510及びハウジング1515を通過する断面での、同一の時点を示す。
【0089】
係合前、スプリング1510及びハウジング1515は完全に左に位置合わせされており、その結果スプリング1510の先端部はパネル203を中心に置かれ、パネル203を押しのけるものなら何でも把持する準備ができている。
【0090】
図15Aは、係合及びロック後のオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0091】
係合後、パネル203は、下面300の力によって部分的に押し下げられる。ハウジング1515及び「C」字形スプリング1510は、依然として完全に左にあり、ベース200の外側左端と位置合わせされているが、今では、スプリング1510は、チャネル1620と位置合わせされ、チャネル1620内に先端部を有し、オス型コネクタを所定の位置にロックし、引き抜きを防止する。プランジャベース1600及びプランジャ1615は、下面300内に完全に後退したままである。
【0092】
図15Bは、中心軸210に垂直であり、「C」字形スプリング1510及びハウジング1515を通過する断面での、同一の時点を示す。
【0093】
上述のとおり、スプリング1510の先端部は、今では、下面300のチャネル1620内に適合することができ、オス型コネクタを所定の位置にロックする。
【0094】
図16Aは、まだ物理的に接触しているがロック解除される過程にあるオス型及びメス型コネクタの断面図を示す。
【0095】
力がタブ304に加えられると(例えば、図11にも示されている、係合する突起901によって)、タブ304は、スプリング1610の付勢する力に打ち勝ち、プランジャベース1600及びプランジャ1615をパネル203に対して下向きに押す。パネル203が完全に押し下げられると、そのタブ1525(不図示)は、スライド式ハウジング1515の開口部1520と係合する。結果として、スライド式ハウジング1515は、完全に右にスライドし、示されているように、ベース200の外側右端と位置合わせされる。ハウジング1515をスライドさせることによって、「C」字型スプリング1510も完全に右に動き、下面300が所定の位置にロックされなくなるように、スプリングの先端部をチャネル1620からスライドさせる。
【0096】
図16Bは、中心軸210に垂直であり、「C」字形スプリング1510及びハウジング1515を通過する断面での、同一の時点を示す。
【0097】
上述のとおり、スプリング1510の先端部は、もはや下面300の外表面と係合しておらず、オス型コネクタ3の後退を可能にする。
【0098】
一旦ロックが解除されると、オス型コネクタ3が引き抜かれる前と後の両方で、タブ304を通して力が加えられなくなった場合でも、メス型コネクタ2がロック解除状態に留まることが好ましい。
【0099】
多くの構成要素は、本明細書に記載された好ましい実施の形態を有するが、代替の実施の形態が実質的に同様の結果を達成するために他の原理を使用してもよい。例えば、スプリング又は可撓性のつめが表面に対して付勢する力を加えると記載されている場合、付勢する力は、代わりに、ある磁性部品が別の磁性部品を押しのける磁力によって、又は、静止状態に戻るスプリング以外の手段を介した物理的構成要素の拡張によって、供給されてもよい、例えば、流体の入れ物の拡張を引き起こす油圧(水圧)の又はガス状の構成要素などである。同様に、つめ又は他のロック部材が記載されている場合、物理的構成要素が表面と係合してメカニズムのロック解除を防止するように動く限り、ギア(歯車)、カム、又は他の物理的構成要素が使用されてもよい。
【0100】
現在説明されている接続システムの様々な実施の形態は、2つのポータブルな入れ物を接続するのに有用であるが、コネクタは様々な用途に使用されてもよい。例えば、他の実施の形態では、メス型コネクタを犬の首輪に埋め込み、オス型コネクタをリードの端に配置し、ケーブルをリードの長さに沿って埋め込んでもよく、犬を散歩させる人が持つハンドル(持ち手)により、人が、かがんで犬に直接接する必要なく、1メートル又はそれ以上離れて、リードから首輪を解放させることが可能になる。同様に、本開示による接続は、車にチャイルドシートを取り付けたり、又は、ロッククライミング活動でカラビナを交換したりなどの、安全上の理由で、アイテムをしっかりとかつ迅速に所定の位置に装着するために使用することができる。
【0101】
上記で図示され記載された形態のコネクタは、アイテムを壁、天井、又は床に取り付けるために一般的に使用されてもよい。例えば、ワークショップの電動工具がそれぞれオス型コネクタを有し、それらを使用しないときには(壁に組み込まれたメス型コネクタを介して)壁に保管することを可能にする。コネクタは、解放可能に、壁にテレビを取り付けたり、天井から固定具を吊るしたり、又は、家具を地面に取り付けたりするために、アイテムを一時的に動かす必要があれば外すことができる半永久的な方法で、使用することができる。更に、構成要素は、厳密にプラスチック又は他の材料を必要とするのではなく、ほとんど金属でできているため、コネクタを介して電気接続が形成でき、例えば、オス型コネクタを意図的に外して解放する以外には、ライトを抜くことができないソケットを作製して、オス型コネクタを有するポータブルな照明設備を、電流が供給される多数の天井又は壁のメス型コネクタのいずれかに取り付けることを可能にする。
【0102】
本発明の様々な実施の形態の記載は、実例の目的のために提示されてきたが、包括的であること又は開示された実施の形態に限定されることを意図するものではない。記載された実施の形態の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施の形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の適用又は技術的改良を最もよく説明するために、又は当業者が本明細書に開示された実施の形態を理解できるように選択されたものである。

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
【国際調査報告】