(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ページ押さえ及び無障害ページめくりを実現する機器
(51)【国際特許分類】
B42D 9/04 20060101AFI20220112BHJP
B42D 9/02 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B42D9/04 Z
B42D9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546415
(86)(22)【出願日】2019-09-15
(85)【翻訳文提出日】2021-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2019105860
(87)【国際公開番号】W WO2020098363
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/115596
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521172424
【氏名又は名称】段滄桑
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】段滄桑
(57)【要約】
ページ押さえ及び無障害ページめくりを実現する機器であって、当該機器は四つ
の単一の動力機械により昇降回転動作を実現して且つ総合的にセルフロックする機械装置
を基に構成されており、当該機械装置は基台(1、2、3、4)、スクリュー(10)、
ナット(11)、ナット案内台(12)、押さえ点(21)、押さえ点接続ロッド(21
)、動力機械(22)、駆動輪(23)、伝動機構(24)及び従動輪(25)とを含み
、動力機械(22)は基台に固定され、駆動輪(23)は動力機械(22)に固定的に取
り付けられ、従動輪(25)はスクリュー10に固定的に取り付けられ、駆動輪(23)
は伝動機構(24)を通して従動輪(25)と接続されている。この機器は、ページをめ
くる手に追従して対応の昇降回転動作を行うことで、めくられるページを回避して、且つ
開かれた左右両側のページのうちのいずれか一方側のページがページめくり過程における
いずれの時点でも少なくとも一つの機械装置の押さえ点により背面板上に押さえつけられ
るようにして、ページをめくる時にページめくりに障害がなく、ページをめくる時もペー
ジをめくっていない時も本及びそのページが安定を保つことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械装置を応用してページ押さえ及び無障害ページめくりを実現する機器であって、前記
機器に応用された機械装置は「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇
-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の
押さえ状態を維持する」機能又は「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転
上昇-回転降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する
」機能を有し、前記機器に応用された機械装置は本が置かれる機械構造に固定的に取り付
けられ、半自動モードにおいて、前記機器に応用された機械装置は、センサー又は画像識
別器、駆動器、コントローラーによって構成された制御装置に制御されており、閲読状態
において、前記機器に応用された機械装置はページを本が置かれた機械構造上に押さえつ
け、ページめくり状態において、前記機器に応用された機械装置は、センサーで検知した
人の身振り信号又は画像識別器で識別した人の身振りとページ信号に基づいて、めくられ
るページを回避するか、或いはページを押下して押さえつけ、前記機器に応用された機械
装置の中にブレーキ装置がなく且つ手動モードが必要であれば、前記機器に応用された機
械装置に手動輪を追加して且つ手動輪を正、逆方向回転させることでページを回避するか
或いはページを押さえつける必要がある
ことを特徴とする機械装置を応用してページ押さえ及び無障害ページめくりを実現する機
器。
【請求項2】
前記機器に応用された機械装置は基台一、スクリュー、ナット、ナット案内台、押さえ点
、押さえ点接続ロッド、動力機械、駆動輪、伝動機構及び従動輪とによって構成されてお
り、動力機械は基台一に固定され、駆動輪は動力機械に固定的に取り付けられ、従動輪は
スクリューに固定的に取り付けられ、駆動輪は伝動機構を通して従動輪と接続されており
、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下であって且つ手動モード
が必要であれば、スクリューの一端にスクリューと同軸に手動輪を固定的に取り付ける必
要があり、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、基
台一に固定されて、ブレーキ状態においてスクリュー又はナットを制動するブレーキ装置
を追加する必要があり、
スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下である時、押さえ点がスク
リューに対して軸方向でセルフロックし、基台一には一組の案内面、つまり直線案内面一
、直線案内面二、回転案内面一、回転案内面二があり、それぞれの案内面は、すべて基台
一と固定的に接続された同じ又は異なる部品に形成されているか、或いはすべて基台一に
形成されているか、或いは、一部が基台一と固定的に接続された同じ又は異なる部品に、
もう一部が基台一に形成されており、直線案内面一はスクリュー軸線と平行しているか、
或いは直線案内面一が延長されるとスクリュー軸線を含み、直線案内面二はスクリュー軸
線と平行しているか、或いは直線案内面二が延長されるとスクリュー軸線を含み、ナット
には一つのナット案内台があり、ナット案内台はナットと固定的に接続されている独立の
部品であるか、或いはナット自身に形成されたナットの特徴であり、基台一、案内面、ス
クリュー、ナットとナット案内台の間では三つの動作対偶により動作関係が形成され、一
つ目は基台一とスクリューとの間で接続されている回り対偶、二つ目はスクリューとナッ
トとの間で接続されているねじ対偶、三つ目は案内面とナット案内台との間で接続されて
いる摩擦対偶であり、スクリューは回り対偶により基台一に取付けられ、スクリューとナ
ットとはねじにより嵌合されて取り付けられ、ナット案内台は摩擦対偶により案内面と接
触し、押さえ点接続ロッドはナットに固定的に取り付けられ、押さえ点は押さえ点接続ロ
ッドに固定的に取り付けられた独立の部品又は押さえ点接続ロッドと一体として加工され
た全体としての部品の一部分である
ことを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記機器に応用された機械装置は基台二、スクリュー、ナットロックリング、ナット、ナ
ット案内台、押さえ点、押さえ点接続ロッド、動力機械、駆動輪、伝動機構及び従動輪と
によって構成されており、動力機械は基台二に固定され、駆動輪は動力機械に固定的に取
り付けられ、従動輪はスクリューに固定的に取り付けられ、駆動輪は伝動機構を通して従
動輪と接続されており、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下で
あって且つ手動モードが必要であれば、スクリューの一端にスクリューと同軸に手動輪を
固定的に取り付ける必要があり、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック
角より大きければ、基台二に固定されて、ブレーキ状態においてスクリュー又はナットを
制動するブレーキ装置を追加する必要があり、
スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下である時、押さえ点がスク
リューに対して軸方向でセルフロックし、基台二には一組の案内面、つまり直線案内面一
、直線案内面二、回転案内面二があり、それぞれの案内面は、すべて基台二と固定的に接
続された同じ又は異なる部品に形成されているか、或いはすべて基台二に形成されている
か、或いは、一部が基台二と固定的に接続された同じ又は異なる部品に、もう一部が基台
二に形成されており、直線案内面一はスクリュー軸線と平行しているか、或いは直線案内
面一が延長されるとスクリュー軸線を含み、直線案内面二はスクリュー軸線と平行してい
るか、或いは直線案内面二が延長されるとスクリュー軸線を含み、ナットには一つのナッ
ト案内台があり、ナット案内台はナットと固定的に接続されている独立の部品であるか、
或いはナット自身に形成されたナットの特徴であり、基台二、案内面、スクリュー、ナッ
トとナット案内台の間では三つの動作対偶により動作関係が形成され、一つ目は基台二と
スクリューとの間で接続されている回り対偶、二つ目はスクリューとナットとの間で接続
されているねじ対偶、三つ目は案内面とナット案内台との間で接続されている摩擦対偶で
あり、スクリューは回り対偶により基台二に取付けられ、スクリューとナットとはねじに
より嵌合されて取り付けられ、ナット案内台は摩擦対偶により案内面と接触し、ナットロ
ックリングはスクリューに固定され、押さえ点接続ロッドはナットに固定的に取り付けら
れ、押さえ点は押さえ点接続ロッドに固定的に取り付けられた独立の部品又は押さえ点接
続ロッドと一体として加工された全体としての部品の一部分である
ことを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記機器に応用された機械装置は基台三、スクリュー、ナットロックリング、ナット回転
フレーム、ナット、ねじりばね、スプリングプランジャー、押さえ点、押さえ点接続ロッ
ド、動力機械、駆動輪、伝動機構及び従動輪とによって構成されており、動力機械は基台
三に固定され、駆動輪は動力機械に固定的に取り付けられ、従動輪はスクリューに固定的
に取り付けられ、駆動輪は伝動機構を通して従動輪と接続されており、スクリュー、ナッ
トのねじリード角が総合セルフロック角以下であって且つ手動モードが必要であれば、ス
クリューの一端にスクリューと同軸に手動輪を固定的に取り付ける必要があり、スクリュ
ー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、基台三に固定されて、
ブレーキ状態においてスクリュー又はナットを制動するブレーキ装置を追加する必要があ
り、
スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下である時、押さえ点がスク
リューに対して軸方向でセルフロックし、基台三、スクリュー、ナット、ナット回転フレ
ームの間では四つの動作対偶により動作関係が形成され、一つ目は基台三とスクリューと
の間で接続されている回り対偶、二つ目はスクリューとナットとの間で接続されているね
じ対偶、三つ目はナットとナット回転フレームとの間で接続されている移動対偶、四つ目
はスクリューとナット回転フレームとの間で接続されている回り対偶であり、スクリュー
は回り対偶により基台三に取付けられ、スクリューとナットとはねじにより嵌合されて取
り付けられ、ナットロックリングはスクリューに固定され、ナット回転フレームは回り対
偶によりスクリューに取り付けられ、ナット回転フレームはさらに移動対偶によりナット
と接続され、ねじりばねはスクリューと同軸に嵌合されて取り付けられ、一端が基台三に
固定され、他端がナット回転フレームと固定され、スプリングプランジャーは基台三に固
定的に取り付けられ、押さえ点接続ロッドはナットに固定的に取り付けられ、押さえ点は
押さえ点接続ロッドに固定的に取り付けられた独立の部品又は押さえ点接続ロッドと一体
として加工された全体としての部品の一部分である
ことを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項5】
前記機器に応用された機械装置は基台四、ウォーム、ウォームホイール、ウォームホイー
ル軸、押さえ点、押さえ点接続ロッド及び動力機械によって構成されており、動力機械は
基台四と固定的に取り付けられ、ウォームは動力機械に駆動され、手動モードが必要であ
れば、ウォームの非動力機械端部にウォームと同軸に手動輪を固定的に取り付ける必要が
あり、
ウォーム、ウォームホイールのねじリード角が等価摩擦角以下であり、基台四、ウォーム
、ウォームホイールとウォームホイール軸の間では二つの動作対偶により動作関係が形成
され、一つ目は基台四とウォームホイール軸との間で接続されている回り対偶、二つ目は
ウォームとウォームホイールとの間で接続されているウォームホイール対偶であり、ウォ
ームホイール軸は回り対偶により基台四に取付けられ、ウォームとウォームホイールとは
ウォームホイール対偶により嵌合されて取り付けられ、ウォームホイールと押さえ点接続
ロッドはいずれもウォームホイール軸に固定的に取り付けられており、押さえ点は押さえ
点接続ロッドに固定的に取り付けられた独立の部品又は押さえ点接続ロッドと一体として
加工された全体としての部品の一部分である
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伝動機器の設計と製造の分野に属し、具体的に、一つの単一の動力機械により「
押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直
線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」ハイ
メカニカルカップリング機械装置、及びもう一つの「押さえ点の押さえ状態での機械的ロ
ックを解除-回転上昇-回転降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押
さえ状態を維持する」ハイメカニカルカップリング機械装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の日々の進歩に伴い、電子書籍による読書はますます大衆化している。電子書籍
は、携帯しやすい、書籍の保存容量が大きい、ページめくりが便利などの利点を備えてい
る。しかし、紙の本にも長く存在する必要性がある。著作権上の理由により、多くの書籍
は紙版のみとなり、人々は長く使用し、じっくり読む必要のある書籍については、依然と
して紙の書籍を好んでいる。電子書籍は画面サイズが比較的小さく、フォントサイズも小
さく、読むと目が疲れやすい。特に楽器の演奏者は、楽譜に向かって演奏する際、目が楽
譜に対して動的で且つ距離が比較的遠く、目がより疲れやすく、紙の楽譜をより必要とし
ている。調査により、現在、紙の本は学校、楽器演奏などの場面で、古典の読書や研究読
書などの場合では、まだ主流であることがわかった。総じて言えば、これからの長い期間
、紙の本での読書は依然として基本的な読書方法であろう。
【0003】
しかし、紙の本での読書時に、時々手で本を安定させる必要があり、長時間読書すると、
手が疲れてしまう。楽器の演奏時に、楽譜は譜面台に直立し、ページに重力の作用がなく
なり、固定する必要がある。しかし既存のさまざまな固定方法は、またページをめくりに
くくして、両手のいくつかの動作でないとページをめくることができない。よって、市場
では、ページ固定機能を備えて、ページめくりがより便利な機器が求められている。
【0004】
市場調査により、現在の市場には普通の紙の本を対象としたこの種の機器がないことが明
らかになったとともに、手動でページをめくることが必要だとしても、ページへの押さえ
つけ、押さえ状態の解除、めくられるページの回避などの機械的な動作を機器が自動的に
達成して、ページのページめくりに何の妨害もないような自然な手動ページめくり過程を
実現できれば、市場ニーズを獲得することができることが分かった。
【0005】
手動のページめくりにおいて、ページ押さえ及び無障害ページめくり機器の押さえ点が手
及びページに干渉してはならないことを考えると、技術案における押さえ点への動作要求
は:押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向に90°回転して
から停止(このとき手とめくられるシートは、ページ押さえ及び無障害ページめくり機器
のある押さえ点の動作範囲を超えている)-逆方向に90°回転-直線降下-押下して且
つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持すること、或いは、押さえ点の
押さえ状態での機械的ロックを解除-90°回転して上昇(このとき手とめくられるシー
トは、ページ押さえ及び無障害ページめくり機器のある押さえ点の動作範囲を超えている
)-回転して降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持
することになっている。押さえ点の機械的応答は、ページをめくる手に追随して適時に動
作できるように早いことが求められている。
【0006】
「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-
直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機
械装置については、発明者の発明特許「昇降回転動作を実現する機械構造」(ZL 20
13 1 0490632.6)の請求項1の機械構造によれば、「直線上昇-正方向回
転-逆方向回転-直線降下-押下」の部分の機能要求を満足できる。
【0007】
また、研究調査により、現在既存の機械設備は、「直線上昇-正方向回転-逆方向回転-
直線降下-押下」の動作を実現して、且つ動力を遮断した後に位置のロック及び押さえる
対象への圧力の維持を実現するには、いずれもガイドレール+セルフロックスクリュー+
ターンテーブル+動力機械、ガイドレール+ノンセルフロックスクリュー+ターンテーブ
ル+動力機械+ブレーキ、ノンスクリュー直線伝動機構+ターンテーブル+ブレーキの案
を使用している。これらの案には以下の利点がある:第一に、リニアガイドレールでガイ
ドを行い、ボールねじで伝動させ、駆動モータがエンコーダディスクを有し、位置決め精
度が高く、機械効率が高い;第二に、ガイドレールでガイド及び積載するため、負荷能力
が高い;第三に、独立したターンテーブルで回転機能を実現するため、精度と負荷能力が
高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の機械設備の場合、昇降と回転との二つの次元の機械的運動を実現するのに、基本的
に平行移動においてガイドレールを使用して、回転運動においてターンテーブルを使用し
ているので、機器の動的応答能力を低下させ、機器の体積、複雑度及びコストを増やし、
機器の信頼性を低下させてしまう。
【0009】
従来の機器によれば、無動力状態において押さえる対象への圧力を維持しようとすると、
また他のいくつかの問題を起こしてしまう。
【0010】
ノンセルフロックスクリューで伝動すれば、以下の欠点がある:第一に、ブレーキ装置と
その制御機能を追加する必要があり、追加の取付スペースが必要になる;第二に、ブレー
キ装置のブレーキ状態とブレーキ解除状態との間の相互転換過程は、数十ミリ秒又はそれ
以上の時間を要し、比較的高い時間応答要求を満たすことができない上に、運転電力消費
量を増やしてしまう;第三に、安定性と信頼性を保証するために、定期的なメンテナンス
が必要である;第四に、ブレーキ装置により、機器の複雑度とコストを増やしてしまう。
【0011】
セルフロックスクリューで伝動すれば、ねじリード角は当量摩擦角以下でなければならな
い(スクリュー、ナットのねじリード角が当量摩擦角以下の場合、ナットはスクリュー上
で軸方向のセルフロック性能を有する)が、この場合、ねじリード角が比較的小さくて、
スクリューの伝動効率が比較的低いため、動力機械のパワーに対する要求を高くして、機
器の体積、運転電力消費及びコストの増加を招いてしまう。
【0012】
よって、ミリ秒レベルの時間応答が必要で、伝動効率が比較的高く、押さえる対象に圧力
を加えて且つ無動力状態でセルフロックできる応用場面、例えば、ページ押さえ及び無障
害ページめくり機器の場合では、これらのニーズを満たすために、新しい機械装置を研究
開発することが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
同一の動力機械の駆動の下でより速い平行移動運動時間応答と回転運動時間応答を実現し
て、機構の信頼性と機械効率をさらに向上させるために、発明者は、発明特許「昇降回転
動作を実現する機械構造」(ZL 2013 1 0490632.6)の請求項1の機
械機構を完成させた後に、「オールレール融合体(基台一+対応のスクリュー機構)」、
「レール+ナットロックリング(基台二+対応のスクリュー機構)」との二つの単一動力
機械により昇降回転動作を実現する機械機構を研究発明した。
【0014】
本発明によれば、発明者の発明特許「昇降回転動作を実現する機械構造」(ZL 201
3 1 0490632.6)の請求項1、「オールレール融合体(基台一+対応のスク
リュー機構)」、「レール+ナットロックリング(基台二+対応のスクリュー機構)」の
機械機構に基づいて、押さえ点接続ロッド、押さえ点、動力機械を追加することで、異な
る機械装置を形成した。実際のエンジニアリングデザインにおいて、ナットの長さと等価
摩擦角より大きいスクリュー、ナットのねじリード角を確定したら、押さえ点接続ロッド
ビームの長さ(押さえ点接続ロッドビーム長さは、押さえ点で押さえる対象に対して圧力
を加える中心点からスクリュー軸線までの距離として定義する)を少しずつ変える方法で
、押さえ点がスクリューの軸方向セルフロックを実現する臨界押さえ点接続ロッドビーム
長さを得ることができる。この場合のスクリュー、ナットのねじリード角は、特定のナッ
ト長さと押さえ点接続ロッドビーム長さなどのパラメーターについて、押さえ点スクリュ
ー軸方向セルフロックの臨界ねじリード角、すなわち総合セルフロック角でもあり、総合
セルフロック角は常にスクリュー、ナット自身の等価摩擦角より大きい。押さえ点で押さ
える対象に圧力を加えており、且つスクリューにトルクを加えるのを停止した場合、スク
リュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下であれば、押さえ点の押さえる
対象に対する圧力が維持され、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角
より大きければ、ブレーキ装置を加えて押さえ点の押さえる対象に対する圧力を維持する
。これにより、単一の動力機械で「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線
上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さ
え点の押さえ状態を維持する」機械的機能を実現するタイプの機械装置を構成する。
【0015】
「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下-押下して且つ機
械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機械的機能要求に対して、発
明者は基台、ウォーム、ウォームホイール、ウォームホイール軸、押さえ点、押さえ点接
続ロッドと動力機械によって構成される機械装置を研究開発した。
【0016】
上記「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回
転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する
」機械的機能と、「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下
-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機械的機能
を実現する具体的な機械装置は、いずれも本願のページ押さえ及び無障害ページめくり機
器に独立して応用でき、それらのそれぞれの技術的特徴は、それぞれ本願の請求項2から
請求項5に具体的にあらわされている。これらの具体的な機械装置に基づいて、センサー
又は画像識別器、駆動器により構成された制御装置を追加すれば、ページ押さえ及び無障
害ページめくりの機器を構成できる。
【0017】
本発明の、「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆
方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維
持する」ことを実現する機械装置一は、基台一、スクリュー、ナット、ナット案内台、押
さえ点、押さえ点接続ロッド、動力機械、駆動輪、伝動機構及び従動輪によって構成され
ており、動力機械は基台一に固定され、駆動輪は動力機械に固定的に取り付けられ、従動
輪はスクリューに固定的に取り付けられ、駆動輪は伝動機構を通して従動輪と接続されて
おり、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下であって且つ手動モ
ードが必要であれば、スクリューの一端にスクリューと同軸に手動輪を固定的に取り付け
る必要があり、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ
、基台一に固定されて、ブレーキ状態においてスクリュー又はナットを制動するブレーキ
装置を追加する必要がある。スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以
下である時、押さえ点がスクリューに対して軸方向でセルフロックする。基台一には一組
の案内面、つまり直線案内面一、直線案内面二、回転案内面一、回転案内面二があり、そ
れぞれの案内面は、すべて基台一と固定的に接続された同じ又は異なる部品に形成されて
いるか、或いはすべて基台一に形成されているか、或いは、一部が基台一と固定的に接続
された同じ又は異なる部品に、もう一部が基台一に形成されている。直線案内面一はスク
リュー軸線と平行しているか、或いは直線案内面一が延長されるとスクリュー軸線を含み
、直線案内面二はスクリュー軸線と平行しているか、或いは直線案内面二が延長されると
スクリュー軸線を含む。ナットには一つのナット案内台があり、ナット案内台はナットと
固定的に接続されている独立の部品であるか、或いはナット自身に形成されたナットの特
徴である。基台一、案内面、スクリュー、ナットとナット案内台の間では三つの動作対偶
により動作関係が形成され、一つ目は基台一とスクリューとの間で接続されている回り対
偶、二つ目はスクリューとナットとの間で接続されているねじ対偶、三つ目は案内面とナ
ット案内台との間で接続されている摩擦対偶であり、スクリューは回り対偶により基台一
に取付けられ、スクリューとナットとはねじにより嵌合されて取り付けられ、ナット案内
台は摩擦対偶により案内面と接触し、押さえ点接続ロッドはナットに固定的に取り付けら
れ、押さえ点は押さえ点接続ロッドに固定的に取り付けられた独立の部品又は押さえ点接
続ロッドと一体として加工された全体としての部品の一部分である。
【0018】
スクリューに正方向のトルクが掛けられた時(正方向のトルクが押さえ点のスクリューに
対する軸方向セルフロック状態を解除するのに必要なトルクより大きく、或いはブレーキ
状態が既に解除された)、スクリューがナットを直線案内面一に沿って上昇するように押
して、直線案内面一の最上端に上昇した時、ナット案内台が回転案内面一と接触し、スク
リューがナットに対して発生させる、スクリュー軸線周りの回転分力と回転案内面一がナ
ットに対して発生させる、スクリュー軸線周りの回転分力とは同じ方向であり、ナットの
回転力を形成し、スクリューがナットに対して発生させる、スクリューの軸方向分力が回
転案内面一がナットに対して発生させる、スクリュー軸方向分力を克服して、ナットの軸
方向力を形成して、回転力と軸方向力の総合的な作用により、ナットは回転案内面一に沿
って、ナット案内台が回転案内面二の上端に到達して止まるまで、正方向に回転上昇する
。スクリューに逆方向のトルクが掛けられた時、その動作原理は正方向のトルクが掛けら
れた時の動作原理と同じであり、スクリューがナットを回転案内面二に沿って逆方向に回
転して降下するように押して、回転案内面二から離れて且つ直線案内面二に接触してから
、押さえ点が押さえる対象と接触して、押さえる対象に圧力を加えるまで、直線案内面二
に沿って降下する。スクリューにトルクを加えるのを止めた後に、スクリュー、ナットの
ねじリード角が総合セルフロック角以下であれば、押さえ点の押さえる対象に対する圧力
が維持され、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、
ブレーキ装置を利用して押さえ点の押さえる対象に対する圧力を保つ。
【0019】
本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方
向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持
する」機械装置二は、基台二、スクリュー、ナットロックリング、ナット、ナット案内台
、押さえ点、押さえ点接続ロッド、動力機械、駆動輪、伝動機構及び従動輪によって構成
され、動力機械は基台二に固定され、駆動輪は動力機械に固定的に取り付けられ、従動輪
はスクリューに固定的に取り付けられ、駆動輪は伝動機構を通して従動輪と接続されてお
り、スクリュー、ナットのネジリード角が総合セルフロック角以下であって且つ手動モー
ドが必要であれば、スクリューの一端にスクリューと同軸に手動輪を固定的に取り付ける
必要があり、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、
基台二に固定されて、ブレーキ状態においてスクリュー又はナットを制動するブレーキ装
置を追加する必要がある。スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下
である時、押さえ点がスクリューに対して軸方向でセルフロックする。基台二には一組の
案内面、つまり直線案内面一、直線案内面二、回転案内面二があり、それぞれの案内面は
、すべて基台二と固定的に接続された同じ又は異なる部品に形成されているか、或いはす
べて基台二に形成されているか、或いは、一部が基台二と固定的に接続された同じ又は異
なる部品に、もう一部が基台二に形成されている。直線案内面一はスクリュー軸線と平行
しているか、或いは直線案内面一が延長されるとスクリュー軸線を含み、直線案内面二は
スクリュー軸線と平行しているか、或いは直線案内面二が延長されるとスクリュー軸線を
含む。ナットには一つのナット案内台があり、ナット案内台はナットと固定的に接続され
ている独立の部品であるか、或いはナット自身に形成されたナットの特徴である。基台二
、案内面、スクリュー、ナットとナット案内台の間では三つの動作対偶により動作関係が
形成され、一つ目は基台二とスクリューとの間で接続されている回り対偶、二つ目はスク
リューとナットとの間で接続されているねじ対偶、三つ目は案内面とナット案内台との間
で接続されている摩擦対偶であり、スクリューは回り対偶により基台二に取付けられ、ス
クリューとナットとはねじにより嵌合されて取り付けられ、ナット案内台は摩擦対偶によ
り案内面と接触し、ナットロックリングはスクリューに固定され、押さえ点接続ロッドは
ナットに固定的に取り付けられ、押さえ点は押さえ点接続ロッドに固定的に取り付けられ
た独立の部品又は押さえ点接続ロッドと一体として加工された全体としての部品の一部分
である。
【0020】
スクリューに正方向のトルクが掛けられた時(正方向のトルクが押さえ点のスクリューに
対する軸方向セルフロック状態を解除するのに必要なトルクより大きく、或いはブレーキ
状態が既に解除された)、スクリューがナットを直線案内面一に沿って上昇するように押
して、直線案内面一の最上端に上昇した時拘束が解除されて、ナットが同時に正方向回転
及び上昇して、回転案内面二のスクリュー軸方向に関する長さはねじリード角、ナット及
びナットと固定的に接続されている関連部品の総質量及び総合慣性モーメントなどのパラ
メーターによって、回転案内面二がナットの逆方向回転降下中の回転スピードを上げるよ
うに、決めるので、ナットが正方向回転して且つその回転スピードを上げる回転案内面が
ない状況では、ナット案内台が回転案内面二に到達する前に、ナットは必ず先にナットロ
ックリングに接触して且つスクリューと一体に結合され、ナットとスクリューは、スクリ
ューに伝達されたトルク及びスクリューにおける等価された総合回転運動エネルギーの作
用により、ナット案内台が回転案内面二の上端に到達して止まるまで、一緒に正方向回転
する。スクリューに逆方向のトルクが掛けられた時、スクリューがナットに対して発生さ
せる、スクリュー軸線周りの回転分力と回転案内面二がナットに対して発生させる、スク
リュー軸線周りの回転分力とは同じ方向であり、ナットの回転力を形成し、スクリューが
ナットに対して発生させる、スクリューの軸方向分力が回転案内面二がナットに対して発
生させる、スクリュー軸方向分力を克服して、ナットの軸方向力を形成して、回転力と軸
方向力の総合的な作用により、ナットが回転案内面二に沿って逆方向に回転降下して、回
転案内面二から離れて且つ直線案内面二に接触してから、押さえ点が押さえる対象に接触
する際に押さえる対象に圧力を掛けるまで、直線案内面二に沿って降下する。スクリュー
にトルクを加えるのを止めた後に、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロッ
ク角以下であれば、押さえ点の押さえる対象に対する圧力が維持され、スクリュー、ナッ
トのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、ブレーキ装置を利用して押さえ
点の押さえる対象に対する圧力を保つ。
【0021】
本発明の、「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆
方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維
持する」ことを実現する機械装置三は、基台三、スクリュー、ナットロックリング、ナッ
ト回転フレーム、ナット、ねじりばね、スプリングプランジャー、押さえ点、押さえ点接
続ロッド、動力機械、駆動輪、伝動機構及び従動輪によって構成されている。動力機械は
基台三に固定され、駆動輪は動力機械に固定的に取り付けられ、従動輪はスクリューに固
定的に取り付けられ、駆動輪は伝動機構を通して従動輪と接続されている。スクリュー、
ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下であって且つ手動モードが必要であれば
、スクリューの一端にスクリューと同軸に手動輪を固定的に取り付ける必要があり、スク
リュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、基台三に固定され
て、ブレーキ状態においてスクリュー又はナットを制動するブレーキ装置を追加する必要
がある。スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロック角以下である時、押さえ
点がスクリュー軸に対して方向でセルフロックする。基台三、スクリュー、ナット、ナッ
ト回転フレームの間では四つの動作対偶により動作関係が形成され、一つ目は基台三とス
クリューとの間で接続されている回り対偶、二つ目はスクリューとナットとの間で接続さ
れているねじ対偶、三つ目はナットとナット回転フレームとの間で接続されている移動対
偶、四つ目はスクリューとナット回転フレームとの間で接続されている回り対偶である。
スクリューは回り対偶により基台三に取付けられ、スクリューとナットとはねじにより嵌
合されて取り付けられ、ナットロックリングはスクリューに固定され、ナット回転フレー
ムは回り対偶によりスクリューに取り付けられ、ナット回転フレームはさらに移動対偶に
よりナットと接続され、ねじりばねはスクリューと同軸に嵌合されて取り付けられ、一端
が基台三に固定され、他端がナット回転フレームと固定され、スプリングプランジャーは
基台三に固定的に取り付けられ、押さえ点接続ロッドはナットに固定的に取り付けられ、
押さえ点は押さえ点接続ロッドに固定的に取り付けられた独立の部品又は押さえ点接続ロ
ッドと一体として加工された全体としての部品の一部分である。
【0022】
スクリューにねじりばねのトルクと逆方向のトルクが掛けられて(このトルクが押さえ点
のスクリューに対する軸方向セルフロック状態を解除するのに必要なトルクより大きく、
或いはブレーキ状態が既に解除された)、ナットは釣合位置にあるナット回転フレームに
案内されて上昇し、ナットロックリングに接触すると、ナットとスクリューが一体として
結合され、スクリュー上の駆動トルクがねじりばねのトルクを克服して、ナットを定位置
に正方向回転させて且つスクリューに駆動トルクを加えるのを止めてから、スプリングプ
ランジャーでナットの回転を制限することでねじりばねのトルクを克服して且つ位置を保
つ。スクリューに逆方向のトルクが掛けられた時、ナットはスクリューに沿ってわずかな
距離軸方向に降下し、するとナットはスプリングプランジャーによる回転拘束から抜けて
、スクリューとねじりばねの同方向トルクの共同作用の下で、ナット回転フレーム及びナ
ットは釣合位置まで逆方向回転して、ナットは、押さえ点が押さえる対象に接触する際に
押さえる対象に圧力を掛けるまで、ナット回転フレームに案内されて降下する。スクリュ
ーにトルクを加えるのを止めた後に、スクリュー、ナットのねじリード角が総合セルフロ
ック角以下であれば、押さえ点の押さえる対象に対する圧力が維持され、スクリュー、ナ
ットのねじリード角が総合セルフロック角より大きければ、ブレーキ装置を利用して押さ
え点の押さえる対象に対する圧力を保つ。
【0023】
本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下-押下し
て且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機械装置は、基台四
、ウォーム、ウォームホイール、ウォームホイール軸、押さえ点、押さえ点接続ロッドと
動力機械とを含み、動力機械は基台四と固定的に取り付けられ、ウォームは動力機械に駆
動され、手動モードが必要であれば、ウォームの非動力機械端部にウォームと同軸に手動
輪を固定的に取り付ける必要があり、ウォーム、ウォームホイールのねじリード角が等価
摩擦角以下であり、基台四、ウォーム、ウォームホイールとウォームホイール軸の間では
二つの動作対偶により動作関係が形成され、一つ目は基台四とウォームホイール軸との間
で接続されている回り対偶、二つ目はウォームとウォームホイールとの間で接続されてい
るウォームホイール対偶である。ウォームホイール軸は回り対偶により基台四に取付けら
れ、ウォームとウォームホイールとはウォームホイール対偶により嵌合されて取り付けら
れ、ウォームホイールと押さえ点接続ロッドはいずれもウォームホイール軸に固定的に取
り付けられており、押さえ点は押さえ点接続ロッドに固定的に取り付けられた独立の部品
又は押さえ点接続ロッドと一体として加工された全体としての部品の一部分である。
【0024】
ウォームにウォームとウォームホイールのセルフロック状態を解除するのに必要なトルク
より大きい正方向トルクを掛けて、ウォームによりウォームホイルを正方向回転するよう
に駆動してかつ押さえ点接続ロッドと押さえ点を回転上昇動作するように駆動し、逆方向
のトルクを掛ける時、押さえ点が押さえる対象に接触した時に押さえる対象に圧力を掛け
るまで、ウォームがウォームホイールを逆方向回転するように駆動して且つ押さえ点接続
ロッドと押さえ点を回転降下するように駆動する。ウォーム、ウォームホイールのねじリ
ード角が等価摩擦角以下であるので、ウォームホイールにトルクを掛けるのを止めた後も
、押さえ点の押さえる対象に対する圧力が保たれる。
【有益な効果】
【0025】
ターンテーブルとブレーキ装置を使用することなく機器に応用された機械装置の特定の機
能を実現できるので、機械装置と機器を簡素化して、押さえ点に圧力の解除、回避、押下
及び圧力の維持を完成させる過程がより迅速になり、押さえ点の動的応答性能を向上させ
て、ターンテーブルとブレーキ装置による故障事故を解消でき、機器の信頼性を向上させ
て、機器のコストを下げて、機器をより軽便にする。機器の中の機械装置は、センサー又
は画像識別器の信号に基づいて対応の機械装置機能を実現することで、めくられるページ
を避けることができ、機械装置の押さえ点は無動力状況においてもページを本が置かれた
機械構造上に押さえつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック一の模式図である。
【0027】
【
図2】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック二の模式図である。
【0028】
【
図3】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック三の模式図である。
【0029】
【
図4】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック四の模式図である。
【0030】
【
図5】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック五の模式図である。
【0031】
【
図6】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック六の模式図である。
【0032】
【
図7】本発明のページ押さえ及び無障害ページめくり機器を実現するロジック七の模式図である。
【0033】
【
図8】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置一の構造模式図である。
【0034】
【
図9】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置一の構造模式図である。
【0035】
【
図10】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置二の構造模式図である。
【0036】
【
図11】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置二の構造模式図である。
【0037】
【
図12】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置三の構造模式図である。
【0038】
【
図13】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置三の構造模式図である。
【0039】
【
図14】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置四の構造模式図である。
【0040】
【
図15】本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する機械装置四の構造模式図である。
【0041】
図面において、1-基台一、2-基台二、3-基台三、4-基台四、5-直線案内面一、
6-直線案内面二、7-移行面、8-回転案内面一、9-回転案内面二、10-スクリュ
ー、11-ナット、12-ナット案内台、13-ナットロックリング、14-ナット回転
フレーム、15-ねじりばね、16-スプリングプランジャー、17-ウォーム、18-
ウォームホイール、19-ウォームホイール軸、20-押さえ点接続ロッド、21-押さ
え点、22-動力機械、23-駆動輪、24-伝動機構、25-従動輪、26-一番セン
サー、27-二番センサー、28-三番センサー、29-四番センサー、30-一番装置
、31-二番装置、32-三番装置、33-四番装置、34-底板、35-背面板、36
-本である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
まず、本願で使われる言葉、符号、図面、及び実施例におけるいくつかの用語について簡
単に説明する。
【0043】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、「...によって構
成される」といった言葉は、排他的な意味又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味とし
て解釈すべきであり、つまり、「含むが、それらに限らない」意味である。
【0044】
「上」とは軸方向に沿って上向きの方位であり、「下」とは軸方向に沿って下向きの方位
である。
【0045】
本願の各図面において、同一の素子には同一又は類似の符号を付して示している。明確に
するために、図面における各部分は正確な縮尺で描かれていない。
【0046】
レール溝一は基台一1上にあり、直線案内面一5、直線案内面二6、回転案内面一8及び
回転案内面二9により構成されて、直線案内面一5と回転案内面二9、直線案内面二6と
回転案内面一8とはいずれも交差移行となっており、レール溝二は基台二2上にあり、直
線案内面一5、直線案内面二6、移行面7及び回転案内面二9により構成されて、直線案
内面一5と回転案内面二9とは交差移行となっており、レール溝一とレール溝2における
直線案内面一5、直線案内面二6はそれぞれ、スクリュー10軸線と平行しているか、或
いは延長されるとスクリュー10軸線を含み、ナット11には一つのナット案内台12が
あり、ナット案内台12はナット11と固定的に接続されている独立の部品であるか、或
いはナット11自身に形成されたナット11の特徴であり、ナット案内台12とレール溝
一又はレール溝二との間は滑り又は転がり摩擦対偶を利用することができる。
【0047】
押さえ点21は押さえ点接続ロッド20に固定的に取り付けられた独立の部品である。
【0048】
実施例1から実施例4におけるスクリュー10、ナット11のねじリード角が総合セルフ
ロック角以下であって、等価摩擦角より大きい。
【0049】
手動モードにおいて、当該機器に応用された機械装置の作動原理が半自動モードの場合と
完全に一致しており、且つ特定の機器装置トリガーロジックと押さえ点の動作順序を必要
としないため、実施例1から実施例5において手動モードについて改めて説明しない。
【0050】
以下では、図面の
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9、
図10、図
11、
図12、
図13、
図14、
図15及び対応の実施例を組み合わせて、本発明が提案
する「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向回
転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する
」又は「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下-押下して
且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持する」機能を有する四種類の
機械装置、及びページ押さえ及び無障害ページめくりを実現するトリガーロジック及び機
械装置押さえ点の動作順序について詳しく説明する。
【0051】
実施例1
【0052】
図2に示すように、本発明のページ押さえ及び無障害ページめくりを実現した機器には、
四つの「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線上昇-正方向回転-逆方向
回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維持す
る」機能を有する機械装置が応用されており、一番装置30、二番装置31、三番装置3
2と四番装置33とはいずれも底板34に固定的に取り付け、本36は底板34と背面板
35上に置かれており、一番センサー26、二番センサー27、三番センサー28と四番
センサー29とはいずれもページをめくる手が有効にトリガーできる位置に取り付けられ
ており、駆動器、コントローラー(図示しない)はそれぞれ四つの装置上の動力機械及び
センサーと接続されており、通常状態において、四つの装置は全て本36を押下している
状態を保つ。
【0053】
図1に示すように、一番装置30と二番装置31とが同じで、三番装置32と四番装置3
3とが同じであり、一番装置30と二番装置31は、三番装置32と四番装置33と回転
方向が逆であり、一番装置30の押さえ点を一番押さえ点、二番装置31の押さえ点21
を二番押さえ点、三番装置32の押さえ点21を三番押さえ点、四番装置33の押さえ点
21を四番押さえ点と呼んで、合わせて四つの押さえ点があり、以下では、ページ押さえ
及び無障害ページめくり機器の一つのトリガーロジックと押さえ点動作順序を詳しく説明
する。
【0054】
図1に示されているのは、本発明の四つの押さえ点がすべて最高部に上昇して、且つ設定
された回転方向に90°回転した状態であり、読みたいページに開けられた本36を置く
のに便利になっている。
【0055】
図2に示されているのは、本36を背面板35の上面に正しく置いてから、四つの押さえ
点すべてを本36のページに押下させて、ページを背面板35に押さえつけているところ
で、この時、四つの装置は全て手のページめくり動作に合わせる準備が整っている。
【0056】
図3に示すように、人が本に面し、手で右から左へページをめくると、ページをめくる手
が一番センサー26の第一信号状態をトリガーし、一番装置30上の一番押さえ点が動作
して、最高部まで上昇して且つ90°回転し、ページを押さえなくなって、ページめくり
動作を続けて行うことにする。
【0057】
続いたページめくり過程において、ページをめくる手が続いて一番センサー26の第二信
号状態をトリガーして、一番装置30上の一番押さえ点が動作して、90°回転して且つ
本36上に降下してページに圧力をかけて、
図2に示す状態になる。
図4に示すように、
一番押さえ点の動作が完了してから、二番装置31上の二番押さえ点が動作し、最高部ま
で上昇して且つ90°回転し、
図5に示すように、二番押さえ点の動作が完了してから、
三番装置32上の三番押さえ点が動作し、最高部まで上昇して且つ90°回転し、二番押
さえ点、三番押さえ点がページを押さえなくなって、ページをめくる手及びページを障害
なくめくれるようにする。
【0058】
図6に示すように、続いたページめくり過程において、ページをめくる手が続いて三番セ
ンサー28の第一信号状態をトリガーして、二番装置31上の二番押さえ点が動作して、
90°回転して且つ本36上に降下してページに圧力をかけて、この時、ページをめくる
手が本36ののど位置にある。
【0059】
続いたページめくり過程において、ページをめくる手が既に四番装置33の右側に到達し
て、ページをめくる手が四番センサー29の第一信号状態をトリガーして、三番装置32
上の三番押さえ点が動作して、90°回転して且つ本36上に降下してページに圧力をか
けて、
図2に示す状態になる。
図7に示すように、三番押さえ点の動作が完了してから、
四番装置33上の四番押さえ点が動作し、最高部まで上昇して且つ90°回転し、ページ
を押さえなくなって、ページめくり動作を続けて行うことにする。
【0060】
続いたページめくり過程において、ページをめくる手が既に四番装置33の左側に到達し
て、ページをめくる手が四番センサー29の第二信号状態をトリガーして、四番装置33
上の四番押さえ点が動作して、90°回転して且つ本36上に降下してページに圧力をか
けて、
図2に示す状態になり、ページめくり過程が完了する。
【0061】
右から左へページをめくる過程において、一番センサー26、三番センサー28と四番セ
ンサー29とが利用される。
【0062】
左から右へページをめくる時、四つの機械装置の動作ロジックは右から左へページをめく
る場合と似ており、このページめくり過程において、四番センサー29、二番センサー2
7と一番センサー26とが利用される。
【0063】
このページ押さえ及び無障害ページめくり機器の各機械装置がページをめくる手の動作に
追従して対応の昇降回転動作を行うことで、本36のめくられるページを回避して、ペー
ジめくり動作をスムーズで中断されないようにするとともに、開かれた左右両側のページ
のうちのいずれか一方側のページがページめくり過程におけるいずれの時点でも少なくと
も一つの機械装置の押さえ点21により背面板35上に押さえつけられるようにして、ペ
ージをめくる時もページをめくっていない時も本36及びそのページが安定を保つことが
できる。
【0064】
実施例2
【0065】
図8、
図9に示すのは、本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線
上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さ
え点の押さえ状態を維持する」ことを実現する機械装置一であり、基台一1、スクリュー
10、ナット11、ナット案内台12、押さえ点接続ロッド20、押さえ点21、動力機
械22、駆動輪23、伝動機構24及び従動輪25とを含み、動力機械22は基台一1に
固定的に取り付けられ、駆動輪23は動力機械22に固定的に取り付けられ、従動輪25
はスクリュー10に固定的に取り付けられ、駆動輪23は伝動機構24を通して従動輪2
5と接続されており、スクリュー10、ナット11のねじリード角が総合セルフロック角
以下である時、押さえ点21がスクリュー10に対して軸方向にセルフロックし、基台一
1、スクリュー10、ナット11とナット案内台12の間では三つの動作対偶により動作
関係が形成され、一つ目は基台一1とスクリュー10との間で接続されている回り対偶、
二つ目はスクリュー10とナット11との間で接続されているねじ対偶、三つ目は基台一
1とナット案内台12との間で接続されている摩擦対偶である。スクリュー10は回り対
偶により基台一1に取り付けられ、スクリュー10とナット11とはねじにより嵌合され
て取り付けられ、ナット案内台12は摩擦対偶により基台一1のレール溝一の一方側と接
触し、押さえ点接続ロッド20はナット11に固定的に取り付けられている。
【0066】
スクリュー10に押さえ点21のスクリュー10に対する軸方向セルフロック状態を解除
するのに必要なトルクより大きい正方向トルクを加えて、スクリュー10がナット11を
レール溝一の直線案内面一5に沿って上昇するように押して、直線案内面一5の最上端に
上昇した時、ナット案内台12が回転案内面一8と接触し、スクリュー10がナット11
に対して発生させる、スクリュー軸線10周りの回転分力と回転案内面一8がナット11
に対して発生させる、スクリュー軸線10周りの回転分力とは同じ方向であり、ナット1
1の回転力を形成し、スクリュー10がナット11に対して発生させる、スクリュー10
の軸方向分力が回転案内面一8がナット11に対して発生させる、スクリュー10軸方向
分力を克服して、ナット11の軸方向力を形成して、回転力と軸方向力の総合的な作用に
より、ナット11は回転案内面一8に沿って、ナット案内台12が回転案内面二9の上端
に到達して止まるまで、正方向に回転上昇する。
【0067】
スクリュー10に逆方向のトルクが掛けられた時、その動作原理は正方向のトルクが掛け
られた時の動作原理と同じであり、スクリュー10がナット11を回転案内面二9に沿っ
て逆方向に回転して降下するように押して、回転案内面二9から離れて且つ直線案内面二
6に接触してから、押さえ点21が本36と接触して、本36に圧力を加えるまで、直線
案内面二6に沿って降下し、スクリュー10、ナット11のねじリード角が総合セルフロ
ック角以下であるので、スクリュー10にトルクを掛けるのを止めた後も、押さえ点21
の本36に対する圧力が保たれる。
【0068】
実施例3
【0069】
図10、
図11に示すのは、本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-
直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで
押さえ点の押さえ状態を維持する」ことを実現する機械装置二であり、基台二2、スクリ
ュー10、ナット11、ナット案内台12、ナットロックリング13、押さえ点接続ロッ
ド20、押さえ点21、動力機械22、駆動輪23、伝動機構24及び従動輪25とを含
み、動力機械22は基台二2に固定的に取り付けられ、駆動輪23は動力機械22に固定
的に取り付けられ、従動輪25はスクリュー10に固定的に取り付けられ、駆動輪23は
伝動機構24を通して従動輪25と接続されており、スクリュー10、ナット11のねじ
リード角が総合セルフロック角以下である時、押さえ点21がスクリュー10に対して軸
方向にセルフロックし、基台二2、スクリュー10、ナット11とナット案内台12の間
では三つの動作対偶により動作関係が形成され、一つ目は基台二2とスクリュー10との
間で接続されている回り対偶、二つ目はスクリュー10とナット11との間で接続されて
いるねじ対偶、三つ目は基台二2とナット案内台12との間で接続されている摩擦対偶で
ある。スクリュー10は回り対偶により基台二2に取り付けられ、スクリュー10とナッ
ト11とはねじにより嵌合されて取り付けられ、ナット案内台12は摩擦対偶により基台
二2のレール溝二の一方側と接触し、ナットロックリング13はスクリュー10に固定さ
れ、押さえ点接続ロッド20はナット11に固定的に取り付けられている。
【0070】
スクリュー10に押さえ点21のスクリュー10に対する軸方向セルフロック状態を解除
するのに必要なトルクより大きい正方向のトルクを加えて、スクリュー10がナット11
をレール溝二の直線案内面一5に沿って上昇するように押して、直線案内面一5の最上端
に上昇した時制限が解除されて、ナット11が同時に正方向回転及び上昇して、回転案内
面二9のスクリュー10軸方向に関する長さはねじリード角、ナット11及びナット11
と固定的に接続されている関連部品の総質量及び総合慣性モーメントなどのパラメーター
によって、回転案内面二9がナット11の逆方向回転降下中の回転スピードを上げるよう
に、決めるので、ナット11が正方向回転して且つその回転スピードを上げる回転案内面
がない状況では、ナット案内台12が回転案内面二9に到達する前に、ナット11は必ず
先にナットロックリング13に接触して且つスクリュー10と一体に結合され、ナット1
1とスクリュー10は、スクリュー10に伝達されたトルク及びスクリュー10における
等価された総合回転運動エネルギーの作用により、ナット案内台12が回転案内面二9の
上端に到達して止まるまで、一緒に正方向回転する。
【0071】
スクリュー10に逆方向のトルクが掛けられた時、スクリュー10がナット11に対して
発生させる、スクリュー10軸線周りの回転分力と回転案内面二9がナット11に対して
発生させる、スクリュー10軸線周りの回転分力とは同じ方向であり、ナット11の回転
力を形成し、スクリュー10がナット11に対して発生させる、スクリュー10の軸方向
分力が回転案内面二9がナット11に対して発生させる、スクリュー10の軸方向分力を
克服して、ナット11の軸方向力を形成して、回転力と軸方向力の総合的な作用により、
ナット11が回転案内面二9に沿って逆方向に回転降下して、回転案内面二9から離れて
且つ直線案内面二6に接触してから、押さえ点21が本36に接触する際に本36に圧力
を掛けるまで、直線案内面二6に沿って降下する。スクリュー10、ナット11のねじリ
ード角が総合セルフロック角以下であるので、スクリュー10にトルクを掛けるのを止め
た後も、押さえ点21の本36に対する圧力が保たれる。
【0072】
実施例4
【0073】
図12、
図13に示すのは、本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-
直線上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで
押さえ点の押さえ状態を維持する」ことを実現する機械装置三であり、基台三3、スクリ
ュー10、ナット11、ナットロックリング13、ナット回転フレーム14、ねじりばね
15、スプリングプランジャー16、押さえ点接続ロッド20、押さえ点21、動力機械
22、駆動輪23、伝動機構24及び従動輪25とを含み、動力機械22は基台三3に固
定的に取り付けられ、駆動輪23は動力機械22に固定的に取り付けられ、従動輪25は
スクリュー10に固定的に取り付けられ、駆動輪23は伝動機構24を通して従動輪25
と接続されており、スクリュー10、ナット11のねじリード角が総合セルフロック角以
下である時、押さえ点21がスクリュー10に対して軸方向でセルフロックする。基台三
3、スクリュー10、ナット11、ナット回転フレーム14の間では四つの動作対偶によ
り動作関係が形成され、一つ目は基台三3とスクリュー10との間で接続されている回り
対偶、二つ目はスクリュー10とナット11との間で接続されているねじ対偶、三つ目は
ナット11とナット回転フレーム14との間で接続されている移動対偶、四つ目はスクリ
ュー10とナット回転フレーム14との間で接続されている回り対偶である。スクリュー
10は回り対偶により基台三3に取付けられ、スクリュー10とナット11とはねじによ
り嵌合されて取り付けられ、ナットロックリング13はスクリュー10に固定され、ナッ
ト回転フレーム14は回り対偶によりスクリュー10に取り付けられ、ナット回転フレー
ム14はさらに移動対偶によりナット11と接続され、ねじりばね15は、ナット回転フ
レーム14とナット11が通常状態において釣合位置にあるように、スクリュー10と同
軸に嵌合されて取り付けられ、一端が基台三3に固定され、他端がナット回転フレーム1
4と固定され、スプリングプランジャー16は基台三3に固定的に取り付けられ、押さえ
点接続ロッド20はナット11に固定的に取り付けられている。
【0074】
スクリュー10に押さえ点21のスクリュー10に対する軸方向セルフロック状態を解除
するのに必要なトルクより大きく且つねじりばね15のトルクと逆方向のトルクを加えて
、ナット11は釣合位置にあるナット回転フレーム14に案内されて上昇し、ナットロッ
クリング13に接触すると、ナット11とスクリュー10が一体として結合され、スクリ
ュー10上の駆動トルクがねじりばね15が発生させるトルクを克服して、ナット11を
定位置に正方向回転させ、この時、スプリングプランジャー16がナット11の回転を制
限し、スクリュー10に駆動トルクを加えるのを止めて、且つねじりばね15がナット1
1に対して逆方向のトルクを発生させる場合、ナット11の位置を変わらないようにする
。
【0075】
スクリュー10に逆方向のトルクが掛けられた時、ナット11の回転がスプリングプラン
ジャー16に制限されているので、ナット11はスクリュー10に沿ってわずかな距離軸
方向に降下し、するとナット11はスプリングプランジャー16による回転動作制限から
抜けて、スクリュー10とねじりばね15の同方向トルクの共同作用の下で、ナット回転
フレーム14及びナット11は釣合位置まで逆方向回転して、ナット11は、押さえ点2
1が本36に接触する際に本36に圧力を掛けるまで、ナット回転フレーム14に案内さ
れて降下する。スクリュー10、ナット11のねじリード角が総合セルフロック角以下で
あるので、スクリュー10にトルクを掛けるのを止めた後も、押さえ点21の本36に対
する圧力が保たれる。
【0076】
実施例5
【0077】
図14、
図15に示すのは、本発明の「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-
回転上昇-回転降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さえ点の押さえ状態を維
持する」ことを実現する機械装置であり、基台四4、ウォーム17、ウォームホイール1
8、ウォームホイール軸19、押さえ点接続ロッド20、押さえ点21と動力機械22と
を含み、動力機械22は基台四4と固定的に取り付けられ、ウォーム17は動力機械22
に駆動され、ウォーム17及びウォームホイール18のねじリード角が等価摩擦角以下で
あり、基台四4、ウォーム17、ウォームホイール18とウォームホイール軸19の間で
は二つの動作対偶により動作関係が形成され、一つ目は基台四4とウォームホイール軸1
9との間で接続されている回り対偶、二つ目はウォーム17とウォームホイール18との
間で接続されているウォームホイール対偶である。ウォームホイール軸19は回り対偶に
より基台四4に取付けられ、ウォーム17とウォームホイール18とはウォームホイール
対偶により嵌合されて取り付けられ、ウォームホイール18と押さえ点接続ロッド20は
いずれもウォームホイール軸19に固定的に取り付けられている。
【0078】
ウォーム17にウォーム17とウォームホイール18のセルフロック状態を解除するのに
必要なトルクより大きい正方向トルクを掛ける時、ウォーム17によりウォームホイル1
8を正方向回転するように駆動してかつ押さえ点接続ロッド20と押さえ点21を回転上
昇するように駆動し、ウォーム17に逆方向のトルクを掛ける時、押さえ点21が本36
に接触した時に本36に圧力を掛けるまで、ウォーム17がウォームホイール18を逆方
向回転するように駆動して且つ押さえ点接続ロッド20と押さえ点21を回転降下するよ
うに駆動する。ウォーム17、ウォームホイール18のねじリード角が等価摩擦角以下で
あるので、ウォームホイール17にトルクを掛けるのを止めた後も、押さえ点21の本3
6に対する圧力が保たれる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の、単一の動力機械により「押さえ点の押さえ状態での機械的ロックを解除-直線
上昇-正方向回転-逆方向回転-直線降下-押下して且つ機械的にロックすることで押さ
え点の押さえ状態を維持する」機械装置、単一の動力機械により「押さえ点の押さえ状態
での機械的ロックを解除-回転上昇-回転降下-押下して且つ機械的にロックすることで
押さえ点の押さえ状態を維持する」機械装置、及びこの二種類の機械装置に応用される具
体的な機械装置のページ押さえ及び無障害ページめくり機器は、以下のような特徴を有す
る:(1)構造が簡単かつコンパクトで、部品の数が少なく、製造と試運転が容易で、モ
ジュール化が容易である。(2)一つの装置に一つの動力機械だけが必要で、駆動、制御
の対象が少なく、駆動器、制御器に対する要求が低い。(3)機械の機能を実現するため
に必要な付帯装置が少なく、機械効率が高く、時間応答が速い。(4)低速及び高速のい
ずれの場合にも適用でき、伝動効率の高い大リードスクリューを採用でき、衝撃荷重に耐
えることができ、剛性がよく、安定性が高い。(5)高低温、強電磁などの室内外環境に
適応し、潤滑措置を必要としない。(6)信頼性が高く、製造と運転コストが低い。(7
)ページ押さえ及び無障害ページめくり機器により、人々が紙の本を読む時、ページをめ
くる過程において片手で一つのページめくり動作を完了させる必要がある以外、その他の
時間では、両手が完全に解放されている。
【国際調査報告】