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特表2022-508881超音波デバイスを備えた粒子フィルタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】超音波デバイスを備えた粒子フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/02 20060101AFI20220112BHJP
   B01D 51/00 20060101ALI20220112BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B01D46/02 Z
B01D51/00 A
B01D46/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546451
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(85)【翻訳文提出日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2019000293
(87)【国際公開番号】W WO2020078577
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】102018008259.9
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521164429
【氏名又は名称】スマート マテリアル プリンティング ビー.ヴィー.
【氏名又は名称原語表記】SMART MATERIAL PRINTING B.V.
【住所又は居所原語表記】Bultsweg 90, 7532 XJ Enschede Kingdom of the Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ルース, グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】シェフェルス, シルケ
(72)【発明者】
【氏名】テン ティジェ, ニールズ
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA12
4D058JA19
4D058JB02
4D058JB03
4D058JB05
4D058JB06
4D058JB13
4D058JB14
4D058JB26
4D058JB28
4D058QA21
4D058QA25
4D058SA01
4D058SA04
4D058SA08
4D058SA11
4D058SA13
4D058SA15
4D058TA02
4D058TA06
(57)【要約】
10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量を有する流動流体(2.2)中の400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質(2.3)用の図1に係るフィルタ設備(1)であって、前記フィルタ設備は、1kHz~800MHzの周波数であり、40dB~250dBの電力レベルを有する、電子フィードバックループによって安定化された超音波およびその高調波(2.4.2)による0.25W~1kWのエネルギー入力によって、流動流体(2.2)中、またはそれに取り付けられた物体(2.6)中の、1nm~50nmの粒径を有する浮遊物質(2.3.1)および≧200nm~≦400nmのMPPS粒径を有する浮遊物質(2.3.2)の特定の粒子数(N/Vt)を>99%減少させるためのデバイス(2)を備え、これによって、浮遊物質(2.3.1)および/または≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.2)、および≧50nm~≦200nmの粒径を有する浮遊物質(2.3.3)および/または≧400nm~>1000nmの粒径を有する浮遊物質(2.3.4)を有し、いずれの場合も特定の粒子数(N/Vt)が≧80%となる流体(2.2.1)が取得でき、前記デバイス(2)は、壁(2.1.1)を有する流管(2.1)を備え、前記壁(2.1.1)は、その外側(2.1.1.1)、その内側(2.1.1.2)および/または前記壁(2.1.1)の中に、縦波およびその高調波(2.4.2)の対をなす互いに対向するエキサイタ(2.4.1)および/またはエキサイタ(2.4.1)に対向するリフレクタ(2.4.3)を有し、この管を通って前記流体(2.2)および(2.2.1)が流れることができ、前記流体(2.2)および(2.2.1)のための搬送デバイス(2.5)と、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有するフィルタ(3)への前記流管(2.1)の接続部(2.7)が設けられ、前記フィルタによって、濾過された流体(2.2.2)中の前記浮遊物質(2.3.1)、(2.3.2)、(2.3.3)および(2.3.4)の特定の粒子数(N/Vt)が、検出限界未満または0.1%までに維持され、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、示されているパーセンテージは前記各浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)を100%としたものに関し、さらにフィルタ方法、使用、フィルタ設備(1)を有する機器およびプラント。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量を有する流動流体(2.2)中の400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質(2.3)用のフィルタシステム(1)であって、前記フィルタシステム(1)は各々、定在、変調および非変調の縦超音波(2.4.2)およびそれらの高調波、および/または1kHz~800MHzの周波数である横超音波(2.4.2T)およびそれらの高調波であり、40dBまたは250dBの電力レベルを有する少なくとも1つの定在音響超音波場(2.4.2)による0.25W~1kWのエネルギー入力によって、流体透過性振動膜、発泡体、ネット、糸および生地からなる群から選択される物体(2.6)中の流動流体(2.2)中の、400pm~50nmの粒径を有する浮遊物質(2.3.1)の特定の粒子数(N/Vt)を≧80%減少させるための、および/または粒径が≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)を有する浮遊物質(2.3.2)の特定の粒子数(N/Vt)を≧80%減少させるための少なくとも1つのデバイス(2)を備え、これによって、検出限界未満から<0.1%までの特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.1)、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および>99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.3)、および/または≧400nm~500μmの粒径および>99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.4)を有する流体(2.2.1)が取得でき、前記デバイス(2)は、少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)および/または閉鎖壁(2.1.1)を有する少なくとも1つの流管(2.1)を備え、前記閉鎖壁(2.1.1)は少なくとも1つの流路(2.4)を取り囲み、前記流路(2.4)をまずは前記流体(2.2)が、さらに前記流体(2.2.1)が流れ、
- 前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)は、(i)超音波(2.4.2)の少なくとも2対の互いに関連付けられ、対向するエキサイタ(2.4.1)またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)、および/または超音波(2.4.2)の1つのエキサイタおよび/またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)および関連付けられた対向するリフレクタからそれぞれなる少なくとも2対を有し、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)前記少なくとも1つの定在音響超音波場(2.4.2)を生成するための少なくとも2つの中央に配置された超音波(2.4.2)のエキサイタ(2.4.1)を有し、
- 前記少なくとも1つの流管(2.1)は、(i)超音波(2.4.2)の少なくとも2対の互いに関連付けられ、対向するエキサイタ(2.4.1)またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)、および/または超音波(2.4.2)の1つのエキサイタおよび/またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)および関連付けられ、対向するリフレクタからそれぞれなる少なくとも2対を有し、これらは前記各閉鎖壁(2.1.1)の外側(2.1.1.1)および/または内側(2.1.1.2)および/または各閉鎖壁(2.1.1)自体の中に配置され、これによって、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)前記少なくとも1つの定在音響超音波場(2.4.2)を生成するための少なくとも2つの中央に配置された超音波(2.4.2)のエキサイタ(2.4.1)を有し、
- 前記少なくとも1つの定在音響超音波場(2.4.2)を少なくとも1つのフィードバックループによって生成、監視、および安定化する少なくとも1つの電子デバイスがさらに設けられ、
- 前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)へと、これらを通って、前記流体(2.2)および(2.2.1)を10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送する少なくとも1つの搬送デバイス(2.5)がさらに設けられ、
- 50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有する少なくとも1つのフィルタ(3)を有する、前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の少なくとも1つの流体接続(2.7)が設けられ、前記少なくとも1つのフィルタ(3)は、流体(2.2.1)を透過し、その後、フィルタシステム(1)から出た濾過済み流体(2.2.2)中の前記浮遊物質(2.3.1)、(2.3.2)、(2.3.3)および(2.3.4)の特定の粒子数(N/Vt)が、それぞれ前記検出限界未満または0.1%までとなり、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、上述のパーセンテージは前記各浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)を100%としたものにそれぞれ基づいている、フィルタシステム(1)。
【請求項2】
前記流体(2.2)、(2.2.1)および(2.2.2)は、気体、液体、ゲル状および/または混合相である、請求項1に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの流管(2.1)は、>400nm~500mの粒径の粒子(2.3.5)を前記少なくとも1つの流路(2.4)内に計量供給するための少なくとも1つの装置(2.8)を有し、および/または、前記少なくとも1つの装置(2.8)が、前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)に割り当てられ、および/または、
前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)は、定在縦超音波およびその高調波の重ね合わせ(2.4.2U)により、および/または超音波衝撃波(2.4.2S)により、前記浮遊物質(2.3.3)、(2.3.4)および/または(2.3.5)を前記少なくとも1つの流路(2.4)から排出するために、前記少なくとも1つのフィルタ(3)の前および/または後に、少なくとも1つの分岐部(2.1.8)を有する、請求項1または2に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項4】
50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有する前記少なくとも1つのフィルタ(3)は、高性能EPA粒子フィルタ、HEPAフィルタ、ULPA高性能フィルタ、媒体フィルタ、圧力損失のないチューブフィルタ、前置フィルタ、自動車内装フィルタ、ケーキフィルタ、クロスフローフィルタ、可撓性フィルタ、硬質フィルタ、工業用(Siebec)フィルタ、フリース、逆洗フィルタ、水フィルタ、プレコートフィルタ、ルームフィルタ、ベッドフィルタ、磁気フィルタ、グラフェンフィルタ、ベンチュリ洗浄器、ガスセパレータ、ガススクラバ、SCR触媒およびOCR触媒からなる群から選択され、前記材料は、エッチングされた金属、焼結金属、金属発泡体、金属糸、金属ウール、プラスチック生地、プラスチック発泡体、紙、厚紙、セルロース糸、セルロース繊維、セルロースウール、リグニン糸、リグニンウール、リグニン生地、天然繊維、天然ウール、天然繊維布地、天然繊維、編生地、天然材料発泡体、スポンジ、ガラス繊維、ガラスウール、ガラスフリット、セラミック繊維、セラミック生地、セラミックウール、セラミック発泡体、ホウ素繊維および石繊維、ならびに上記材料の少なくとも2つの複合材料からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項5】
前記フィルタシステム(1)は、振動なし、耐空性が備わっている状態、可動式、および/または浮遊式に取り付けられ、吸気装置および送風機(16.4)を有するか、または吸気装置および送風機(16.4)を有しないように装備される、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの流体接続(2.7)は、流体透過性壁(2.7.2)を有する少なくとも1つのベンチュリ管部分(2.7.1)によって形成され、前記部分(2.7.5)は、前記流管(2.1)に隣接し、前記壁(2.7.2)は、前記流れ方向(2.5.1)に対して傾斜し、ベンチュリ原理に従って作用する少なくとも2つの環状調整プレート(2.7.3)を内側に有し、前記流れ方向(2.5.1)に見て、少なくとも4つの開口部(2.7.4)が各環状調整プレート(2.7.3)の後に位置し、前記開口部(2.4.7)を通して前記流体(2.2.1)を少なくとも1つのフィルタ(3)に排出可能であり、あるいは、(a)50nm~1000nmの最小濾過可能粒径の前記少なくとも1つのフィルタ(3)が、カフ(3.3)の形態で前記少なくとも1つのベンチュリ管部分(2.7.2)を取り囲み、前記カフは、少なくとも1つのスリーブ形状の閉鎖壁(3.4)から一定の距離をおいて取り囲まれ、それにより、濾過された流体(2.2.2)用の少なくとも1つの収集間隙(2.7.6)が形成され、前記少なくとも1つの壁(3.4)は、前記濾過された流体(2.2.2)の排出用の出口デバイス(3.2)を有する少なくとも1つの流体接続(3.1)を有し、あるいは、(b)前記少なくとも1つのベンチュリ管部分(2.7.1)は、前記流体(2.2.1)を収集し、少なくとも1つの収集管(2.7.8)を通って少なくとも1つのフィルタ(3)へと供給するために、外部に対して閉鎖した少なくとも1つのカフ状収集間隙(2.7.7)によって取り囲まれる、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項7】
(a)前記少なくとも1つのフィルタ(3.3)から出る前記流体(2.2.2)は、前記少なくとも1つの収集間隙(2.7.6)内で収集可能であり、少なくとも1つの出口デバイス(3.2)を通って直接排出可能であり、および/または少なくとも1つの再循環管(2.7.5)を通り、さらに少なくとも1つの出口開口部(2.7.5.1)を通って、前記少なくとも1つの流管(2.1)の少なくとも1つの延長部(2.1.2)を通って流れる前記流体(2.2.2)へと追跡可能であり、あるいは、(b)前記少なくとも1つのフィルタ(3)から出てくる前記濾過された流体(2.2.2)は、少なくとも1つの流体接続(3.1)を通って少なくとも1つの出口デバイス(3.2)に直接供給することができ、および/または少なくとも1つの再循環管(2.7.5)を通り、さらに少なくとも1つの出口開口部(2.7.5.1)を通って、前記少なくとも1つの流管(2.1)の前記少なくとも1つの延長部(2.1.2)を通って流れる前記流体(2.2.2)へと追跡可能である、請求項6に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の純径間(2.1.4)が、着実にまたは突然に狭くなっており、その結果、浮遊物質(2.3)を含まない前記流体(2.2)の死容積(2.3.5)が減少している、請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項9】
前記浮遊物質および粒子(2.3.3)、(2.3.4)および/または(2.3.5)は、衝撃波(2.4.2S)によって、および/または定在縦波(2.4.2)およびそれらの定在高調波によって、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有する前記少なくとも1つのフィルタ(3)の前および/または後に、前記少なくとも1つの流路(2.4)から前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の少なくとも1つの分岐部(2.1.8)に導くことができる、請求項1から8のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)を使用するフィルタ方法であって、
(I)400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質(2.3)を含む流体(2.2)は、少なくとも1つの搬送デバイス(2.5)によって、少なくとも1つの流路(2.4)を通って、少なくとも1つのデバイス(2)の少なくとも1つの流管(2.1)および/または少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)へと、これらを通って、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送され、
(II)40dB~250dBの電力レベルおよび少なくとも0.25W~1kWの前記少なくとも1つの流路(2.4)へのエネルギー入力を有する定在音響超音波場(2.4.2)が、前記流動流体(2.2)および/または前記物体(2.6)を通って流れる前記流体(2.2)内に固定された前記物体(2.6)内で1kHz~800MHzの周波数の超音波(2.4.2)によって生成され、前記定在音響超音波場(2.4.2)は、定在、変調および非変調の縦超音波(2.4.2)およびそれらの高調波、および/または横超音波(2.4.2T)およびそれらの高調波からなり、これによって、
- 前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の場合、前記少なくとも1つの超音波場(2.4.2)は、(i)超音波(2.4.2)の少なくとも2対の互いに関連付けられ、互いに対向するエキサイタ(2.4.1)またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)によって、および/または超音波(2.4.2)の1つのエキサイタおよび/またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)および1つの関連付けられ、対向するリフレクタからなる少なくとも2対によって生成され、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)少なくとも2つの中央に配置された超音波(2.4.2)のエキサイタ(2.4.1)によって生成され、
- 前記少なくとも1つの流管(2.1)の場合、前記少なくとも1つの超音波場は、(i)超音波(2.4.2)の少なくとも2対の互いに関連付けられ、互いに対向するエキサイタ(2.4.1)またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)によって、および/または超音波(2.4.2)の1つのエキサイタ(2.4.1)および/またはエキサイタ/レシーバ(2.4.1)および1つの関連付けられ、対向するリフレクタからなる少なくとも2対によって生成され、これらは前記各閉鎖壁(2.1.1)の外側(2.1.1.1)および/または内側(2.1.1.2)および/または各閉鎖壁(2.1.1)自体の中に配置され、これによって、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)少なくとも2つの中央に配置された超音波(2.4.2)のエキサイタ(2.4.1)によって生成され、
- 前記少なくとも1つの定在音響超音波場(2.4.2)は、フィードバックループを生成する電子デバイスによって生成、監視、変調、および安定化され、
- 前記流体(2.2)、および前記流路(2.4)のさらなる行程では前記流体(2.2.1)は、少なくとも1つの搬送デバイス(2.5)によって、搬送方向(2.5.1)に、前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)へと、これらを通って、さらに前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の少なくとも1つの流体接続(2.7)を通って、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有し、前記流体(2.2.1)が透過する少なくとも1つのフィルタ(3)へと、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送され、
- 前記流動流体(2.2.1)であって、1nm~≦50nmの粒径および≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.1)および/または粒径が≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)および≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.2)、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および≧80%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.3)、および/または≧400nm~500μmの粒径および≧80%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.4)を有する前記流体(2.2.1)が形成され、
(III)前記流体(2.2)、および前記流路(2.4)のさらなる行程では処理された前記流体(2.2.1)は、少なくとも1つの搬送デバイス(2.5)によって、搬送方向(2.5.1)に、前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)へと、これらを通って、さらに前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の少なくとも1つの流体接続(2.7)を通って、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有し、前記流体(2.2.1)が透過する少なくとも1つのフィルタ(3)へと搬送され、これによって、
- 前記流動流体(2.1)であって、400pm~≦50nmの粒径および≦20%、好ましくは≦10%、さらに好ましくは≦5%、特に好ましくは≦1%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.1)、および/または≧200nm~≦400nmのMPPS粒径および≦20%、好ましくは≦10%、さらに好ましくは≦5%、特に好ましくは≦1%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.2)、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および≧80%、好ましくは≧90%、さらに好ましくは≧95%、特に好ましくは≧99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.3)、および/または≧400nm~500μmの粒径および≧80%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質(2.3.4)を有する前記流体(2.1)が、>≦400nm~≦500μmの粒径を有する粒子(2.3.5)の濃縮、集合、凝集、圧縮、分離、沈殿、衝撃、衝突、付着および剥離、追加および/または前記浮遊物質(2.3)の構成要素の濃度変更によって形成され、
(IV)浮遊物質は、前記少なくとも1つのフィルタ(3)によって、前記流動流体(2.2.1)から分離され、その後、少なくとも1つの出口デバイス(3.3、3.4)を有する前記少なくとも1つのフィルタ(3)から出た濾過済み流体(2.2.2)は、それぞれの前記検出限界未満および/または0.1%までの特定の粒子数(N/Vt)を有する前記浮遊物質(2.3.1)、(2.3.2)、(2.3.3)、(2.3.4)および(2.3.5)を含み、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、上述のパーセンテージは前記各浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)を100%としたものにそれぞれ基づき、および/または
(V)前記浮遊物質(2.3.1)、(2.3.2)、(2.3.3)、(2.3.4)および(2.3.5)は、衝撃波(2.4.2S)によって、および/または定在縦波(2.4.2)およびそれらの定在高調波によって、前記少なくとも1つのフィルタ(3)の前および/または後に、前記少なくとも1つの流路(2.4)から前記少なくとも1つの流管(2.1)および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域(2.1)の少なくとも1つの分岐部(2.1.8)に導かれ、少なくとも1つのさらなるフィルタ(3)に搬送されて濾過される、フィルタ方法。
【請求項11】
400pm~≦500μmの粒径を有する有機、無機および/または生物、気体、ゲル状、液体および/または固体の浮遊物質(2.3)および/または液体、ゲル状および/または気体の流体(2.2)からの他の分子的に分散した病毒の除去のための、および/または上記流体(2.2)中でのそれらの化学変換のための、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)および/または請求項10に記載のフィルタ方法の使用であって、前記流体(2.2)は空気、工業用ガス、原料ガス、医療用ガス、排気ガス、水、廃水、有機溶媒、溶液、食用油、潤滑油、ギアオイル、原油、食品、冷却剤、分散液、浮遊液および/またはエマルジョンからなる群から選択され、前記浮遊物質(2.3)は、細かく分割された混濁物質、液体廃棄物、発酵残渣、動物廃棄物、スラリー、屠畜施設廃棄物、液体肥料、排泄物、台所廃棄物、バイオ廃棄物、放射性および非放射性、有機、無機、有機無機および生物粒子、タバコの煙、葉巻きの煙、電気タバコの煙、繊維材料、バイオガスプラント廃棄物、表面コーティング剤、ワニス残渣、下水汚泥、排水、塗料、ワニス、シーリング材料、ポリマー廃棄物、高分子、酸性エアロゾル、水銀蒸気、流体(2.2)内でキャビテーションによって形成された気泡、細胞、オルガネラ、血液細胞、ウイルスおよび微生物、プリオン、胞子、花粉、種子、昆虫の卵、昆虫の一部、粉塵、道路交通、海運および航空交通、溶接、はんだ付け、機械的摩耗、系内の漏れ、改修工事、建物の解体、木材加工、石材加工、塑性法および金属加工、レーザ切断、石炭、鉱物、金属の地表面および地下採掘、ならびに建物火災、森林火災、泥炭火災、パイプライン火災、原油生産システム、天然ガス生産システム、鉱山、炭層および化学システム、機械的および化学的分解、爆発、火山噴火、原子炉事故、砂嵐により発生する微細な塵からなる群から選択され、前記分子的に分散した病毒は、部分的にハロゲン化および過ハロゲン化有機化合物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸、塩酸、シアン化水素酸、六フッ化硫黄およびその他の気体フッ化物、NOX、亜窒素ガス、亜酸化窒素、アンモニア、アミン、ホスフィン、ホスゲン、疑似ハロゲン、ハロゲン、ハロゲン酸化物、過酸化物、過酸化物ラジカル、放射性化合物および核種、酸素ラジカルおよびオゾンからなる群から選択される、使用。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)および/または請求項10に記載のフィルタ方法は、タンパク質の凝固、血漿の産生、ゲルの抑制、化学反応の反応速度の増加、微生物の破壊、室内空気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、空調システム、換気戸棚、クリーンルーム、ウルトラクリーンルーム、パーソナルロックおよび過圧および真空チャンバ内の空気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、人間および獣医用の空気、気体および液体のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、細胞培養物の洗浄、有人宇宙船内の雰囲気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、自動車、トラック、バス、列車、船舶、航空機、畜舎、およびトイレ施設内の空気のリサイクル、ならびに浄化、乾燥および/または冷却、内燃エンジンからの排気ガスのリサイクルおよび洗浄、大気の洗浄、地上の気体、固体、液体サンプルの収集、成層圏までおよび成層圏内の大気サンプルの収集、大気のある惑星の気体、固体、液体サンプルおよび大気サンプルの収集、放射性除染、陸域大気からの液体水の抽出、浮遊物質(2.3)からのフィルタ膜、水フィルタ、ガスフィルタの保護、フィルタおよび膜からのフィルタケーキの溶解と分離、ならびに電気ダストセパレータ、ベンチュリ洗浄機、光学セパレータ、ガスセパレータ、ガス洗浄機、SCR触媒、OCR触媒およびエレクトロスタットからの排気ガスの後洗浄用のためである、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタシステム(1)および/または請求項10に記載のフィルタ方法は、化学反応の速度を増加させるためのデバイスの中および上、防塵カーテンの中および上、臨床および臨床外の集中的および呼吸ケアのためのデバイスの中および上、下部麻酔デバイスの中、アンモニアおよびNOXを窒素に変換するためのデバイスの中および上、クリーンルーム、ウルトラクリーンルーム、パーソナルロック、換気戸棚、負圧および正圧室の換気のためのデバイスの中および上、ガスマスクおよび呼吸マスクの中および上、ウイルス、微生物、昆虫の卵および昆虫の一部から保護するためのデバイスの中および上、スモッグ、VOG、車の排気、粉塵、エアロゾルおよび燃焼ガスから保護するためのデバイスの中および上、タバコ、葉巻および電気タバコの中および上、真空洗浄機の中および上、溶接トーチ、レーザカッタおよび研削デバイスの吸引システムの中および上、燃焼モータの排気システムの中および上、溶接スパッタ、溶接ミスト、スプレーペイントのオーバースプレーおよび粉塵爆発から保護するためのデバイスの中および上、動物の納屋およびトイレ施設の換気システムの中および上、機械的摩耗の発生時、改修工事系内の漏れの発生時、木材加工、石材加工、ならびにごみ焼却、建物火災、森林火災、泥炭火災、パイプライン火災、原油製造プラント、天然ガス製造プラント、鉱山、炭層および化学プラント、機械的および化学的分解、爆発、火山噴火、原子炉事故および砂嵐における微細な粉塵および病毒性物質を除去するためのデバイス、装置およびシステムの中、航空機の中および上、地球上および大気のある他の天体上のダストサンプルの収集、放射性除染のための遠隔制御ロボット車両の中および上、大気から水を抽出するためのプラントの中および上、電気式ダストコレクタおよびエレクトロスタットを備えたシステムの中および上、電化製品、洗濯機、回転式乾燥機、冷蔵庫、縦型冷凍庫および箱型冷凍庫、PC、ラップトップ、ノートブック、iPad(登録商標)、サーバーの中および上、植物由来の空気清浄機の中および上、ならびに海水、湖、川でマイクロプラスチックを収集するための受動的に漂流する、または電源供給された水上および潜水デバイスの中および上に設けられる、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
道路、橋、建物、広場、スタジアム、空調システム、診療所、医療デバイス、電子デバイス、実験室、ラボオンチップ、クリーンルーム実験室、発電所、焼却プラント、化学プラント、ガス分離プラント、原子力プラント、陸上、水上、空中、地下、水中および宇宙ステーションの内部空間の移動手段からなる群から選択される機器およびシステムであって、請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのフィルタシステム(1)を含むことを特徴とする機器およびシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質用および病毒用のフィルタシステムに関する。
【0002】
本発明はまた、気体、液体およびゲル状流体から400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質および病毒を除去するためのフィルタ方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、多種多様な技術分野において流体から400pm~≦500μmの粒径を有する環境に有害な、不健康な、および/または有毒な浮遊物質を除去するための前記フィルタシステムおよびフィルタ方法の使用に関する。
【0004】
最後に、本発明は、前記フィルタシステムを含む機器およびシステムに関する。
【背景技術】
【0005】
浮遊物質用フィルタは、空気から粒子状物質を分離するためのフィルタである。それらはデプスフィルタに属し、空気力学径が1μm未満の浮遊物質粒子を分離する。それらは、細菌およびウイルス、ダニの卵およびダニの排泄物、粉塵、エアロゾル、煙粒子、微細粉塵または超微細粉塵を除去するために使用される。
【0006】
それらは、分離効率に応じて以下のように分類することができる。
- 高性能粒子フィルタ(EPA=Efficient Particulate Air Filter)、最小濾過可能粒径:100nm、
- 浮遊物質フィルタ(HEPA=高効率粒子エアフィルタ)、最小濾過可能粒径:100nm、
- 高性能浮遊粒子状物質フィルタ(ULPA=超低透過エアフィルタ)、最小濾過可能粒径:50nm、
- 媒体フィルタ、最小濾過可能粒径:300nm:
- 前置フィルタ、最小濾過可能粒径:1000、nm、および
- 自動車車室フィルタ、最小濾過可能粒径:500nm。
【0007】
したがって、1nm~50nmの範囲に利用可能なフィルタは存在しない。
【0008】
粒径に応じて、フィルタ効果は以下の効果に基づく。
- 拡散効果:非常に小さな粒子(粒径50nm~100nm)はガス流に追従するよりも、ガス分子との衝突により、ブラウン運動と同様の軌道を辿る。したがってそれらが付着するフィルタ繊維と衝突する。この効果は、拡散方式とも呼ばれる。
- ブロッキング効果:繊維の周りのガス流に追従する、より小さな粒子(粒径100nm~500nm)は、フィルタ相に近づきすぎると繊維に付着する。この効果は、捕捉方式としても知られている。
- 慣性効果:より大きな粒子(粒径500nm~>1μm)は、繊維の周りのガス流に追従しないが、慣性によって繊維に衝突し、付着する。この効果は、慣性衝撃方式としても知られている。
【0009】
100nm~500nmの粒径範囲では、拡散効果とブロッキング効果とが共に生じる。500nm~>1μmの粒径範囲では、慣性効果とブロッキング効果も共に生じる。
【0010】
上述の各フィルタ効果によれば、200nm~400nmの粒径を有する粒子が、最も分離困難である。これらは、MMPS=最大透過粒径とも呼ばれる。このサイズ範囲では、フィルタ効率は50%に低下する。より大きい粒子およびより小さい粒子は、それらの物理的特性のためにより良好に分離される。EPA、HEPAおよびUPLAは、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHS)から作製された試験エアロゾルを使用して、これらの粒径に対するそれらの有効性に従って分類される。K.W.LeeおよびB.Y.H.Liuは、journal of the Air Pollution Control Association、第30巻、第4号、1980年4月9日、377頁~381頁の論文「On the Minimum Efficiency and the Most Penetrating Particle Size for Fibrous Filters」において、拡散効果および慣性効果による繊維フィルタの最小効率およびMMPSを計算することを可能にする式を提供している。結果は、MMPSが濾過速度の増加および繊維体積分率の増加と共に減少し、繊維サイズの増加と共に増加することを示した。
【0011】
しかしながら、1nm~<50nm未満の平均粒径d50を有するナノ粒子用のフィルタが利用できないという事実も極めて重要である。正確には、気管支および肺胞に沈着しやすく、一般に最も高い死亡率および毒性を有するのはこれらの粒子である。したがって、それらは、喘息、気管支炎、動脈硬化、不整脈、皮膚炎、自己免疫疾患、癌、クローン病または有機不全などの疾患を引き起こす可能性がある。
【0012】
このことは極めて重要である。デプスフィルタまたは浮遊粒子フィルタは、手術室、集中治療室および研究所などの医療分野、ならびにクリーンルーム、原子力技術およびエアワッシャで使用されるためである。
【0013】
これに関して問題の生じる別の技術としては、静電原理を使用したガスからの粒子の分離に基づく、電気ガス洗浄用の静電集塵器、電気防塵フィルタまたは静電デバイスが挙げられる。静電集塵器での分離は、以下の5つの個別の行程で行うことができる。
1.電荷、主に電子の放出
2.電場またはイオン化装置内でのダスト粒子の帯電
3.帯電ダスト粒子の集塵極への輸送
4.集塵極へのダスト粒子の付着
5.集塵極からのダスト層の除去
【0014】
しかしながら、ナノメートル範囲の粒子を完全に分離することは不可能である。そのため、このようなシステムの近傍において呼吸域粒子による汚染のリスクがある。
【0015】
これらの電気防塵フィルタは、排気ガス処理に用いられることが多い。これにより、アミン、二酸化炭素、アンモニア、HCl、硫化水素、および他の有毒ガスが、膜により排気ガス流から除去される。電気防塵フィルタは、超微細粒子を完全に除去することができないため、膜が損傷し、分離効率が低下する。
【0016】
毒物学に関する詳細については、Gunter Oberdorster、Eva Oberdorsterおよびjan Oberdorsterによる総説、「ナノ毒性学、超微粒子の研究から進化する新たな分野」、Environmental Health Perspectives、第113巻(7)、第2005巻、第823~839号およびGunter Oberdorster、Vicki StoneおよびKen donaldsonによる「ナノ粒子の毒性学:歴史的観点」、Nanotoxicology、2007年3月1日(1):2~25を参照されたい。
【0017】
音響泳動によって気体からエアロゾルおよび固形物粒子および繊維を分離および/または清浄化し、液体材料から固形物粒子および繊維を分離および/または清浄化するための凝集デバイスが、国際特許出願WO2017/153038A2により公知である。同機器は以下を含む。
(I)コンベヤベルト、液体材料の液体圧、液柱および液体波動、搬送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、BerwianまたはBerlin風力プラント、受動および強制対流、噴散および拡散からなる群から選択される輸送手段であって、エアロゾルおよび/または液体材料を搬送方向において凝集機器内に受け入れかつ/または搬送するための搬送手段
(II)エアロゾルおよび/または液状材料に衝突する音響波を生成するための少なくとも1つのエキサイタ
(III)凝結された液体および/または凝集された固形物を含有する第1の物質部分をエアロゾルおよび/または液体材料から分離するための手段
さらに音響泳動方法を実施するためのその使用エアフィルタ、特にHEPAは、凝集機器の上流および/または下流に接続される。
【0018】
公知の凝集機器は高い分離速度を誇るが、MMPSを有する浮遊物質または浮遊粒子が極めて多数ガス中に存在すると、分離速度または濾過効率が著しく低下するリスクが依然として存在する。これらのMMPS粒子をどのようにして効率的に、すなわち99%超まで濾過することができるかについての対策は開示されていない。さらに、ULPAまたはEPAおよびHEPAによって捕捉されない1nm~50nmの範囲の粒径を有する粒子に対する濾過についての対策は開示されていない。
【0019】
分子および汚れ粒子を除去するための方法およびデバイスが、米国特許第5,769,913号明細書により公知である。この方法および装置では、汚染ガス流が水分を含む衝撃波を通過し、それによって汚れ粒子および分子が変化または成長し、したがってガス流から分離できる。この特許もまた、静電集塵器が2μm未満~3μmの粒径の粒子を分離するのにほとんど効果がないことを指摘している。
【0020】
0.5×0.5mの断面積および2mの長さを有する音響チャンバが米国特許第5,769,913号明細書により公知である。1000から2000m/時間のエアロゾル流が、300W/エキサイタのエネルギーの放射を伝達する48cmの直径を有する4つの板状エキサイタを通って流れる。エキサイタは、チャンバ壁に沿った、または交互の群として配置される。リフレクタを割り当てない場合、有効音響エネルギーは、放出エネルギーの約半分であり、150W/エキサイタ程度の大きさである。これは、エアロゾル流に作用する総エネルギーが600Wであることを意味する。チャンバ内の電力レベルは160dBより大きい。このようにして、0.2から2μmの粒子および0.1から4g/mの濃度を有するエアロゾルを用いて、20kHzの周波数で1から10μmまでの1桁の拡大が実現される。静電フィルタは5μmを超える粒径に対してのみ有効であるため、この拡大は、静電フィルタによる濾過性にとって重要である。
【0021】
ガス流中の粒子を吸収するためのデバイスは、独国特許出願公開第198,46,115号明細書により公知である。定圧波を生成するための音源を有するガス流の流れ場に配置された共鳴管を備える。定圧波は、通過するガス流から粒子を捕捉する。粒子はその後、粒子を除去するためのデバイスを通して排出される。
排気ガスを処理するための音響チャンバは、国際特許出願WO92/09354により公知である。排気ガスは、チャンバを通って直線的にチャンバ軸に沿って流れ、チャンバ内で音響場に曝される。チャンバは、k個の音源が存在する、2k辺を有する正多角形断面を有する。音源の軸は、180°/kの角度で断面領域に投影される。音源は、それぞれの側壁に割り当てられる。したがって、発せられる音波は、チャンバの端の傾斜したリフレクタに当たる前に、チャンバの壁で数回反射される。これにより、排気ガス流中の微粒子を捕捉する異なる周波数の定在波が生成される。変数kは2または3である。25kHz未満の周波数が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】国際特許出願WO2017/153038A2
【特許文献2】米国特許第5,769,913号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第198,46,115号明細書
【特許文献4】国際特許出願WO92/09354
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】K.W.LeeおよびB.Y.H.Liu、journal of the Air Pollution Control Association、第30巻、第4号、1980年4月9日、377頁~381頁の論文「On the Minimum Efficiency and the Most Penetrating Particle Size for Fibrous Filters」
【非特許文献2】Gunter Oberdorster、Eva Oberdorsterおよびjan Oberdorster、「ナノ毒性学、超微粒子の研究から進化する新たな分野」、Environmental Health Perspectives、第113巻(7)、第2005巻、第823~839号
【非特許文献3】Gunter Oberdorster、Vicki StoneおよびKen donaldson、「ナノ粒子の毒性学:歴史的観点」、Nanotoxicology、2007年3月1日(1):2~25
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明は、400pm~500μmの平均粒径d50を有する浮遊物質を流体、特に気体、特に空気から80%超の有効性で除去することができるフィルタシステムを提案する目的を基礎としている。さらに、フィルタシステムおよびそれを用いて実施されフィルタ方法は、多くの科学、技術および医療分野で使用可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
したがって、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量を有する流動流体中の400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質用のフィルタシステムが見出だされ、前記フィルタシステムは各々、定在、変調および非変調の縦超音波およびそれらの高調波、および/または1kHz~800MHzの周波数である横超音波およびそれらの高調波であり、40dB~250dBの電力レベルを有する少なくとも1つの定在音響超音波場による0.25W~1kWのエネルギー入力によって、流体透過性振動膜、発泡体、ネット、糸および生地からなる群から選択される、流動流体中および/または流体が流れ、流体中に固定される物体中の、400pm~50nmの粒径を有する浮遊固体の特定の粒子数(N/Vt)を≧80%減少させるための、および/または粒径が≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)を有する浮遊粒子の特定の粒子数(N/Vt)を≧80%減少させるための少なくとも1つのデバイスを備え、これによって、検出限界未満から<0.1%までの特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および>99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊固体、および/または≧400nm~500μmの粒径および>99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質を有する流動流体が取得でき、前記デバイスは、少なくとも1つの壁のない流れ領域および/または閉鎖壁(2.1.1)を有する少なくとも1つの流管を備え、前記閉鎖壁は少なくとも1つの流路を取り囲み、前記流路をまずは全流体が、さらに処理された全流体が流れる。
- 前記少なくとも1つの壁のない流れ領域は、(i)超音波の少なくとも2対の互いに関連付けられ、互いに対向するエキサイタまたはエキサイタ/レシーバ、および/または超音波のエキサイタまたはエキサイタ/レシーバおよび関連付けられた対向するリフレクタからなる少なくとも2対を有し、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)前記少なくとも1つの定在音響超音波場を生成するための少なくとも2つの中央に配置された超音波のエキサイタを有する。
- 前記少なくとも1つの流管は、(i)超音波の少なくとも2対の互いに関連付けられ、互いに対向するエキサイタまたはエキサイタ/レシーバ、および/または超音波の1つのエキサイタまたはエキサイタ/レシーバおよびエキサイタまたはエキサイタ/レシーバに割り当てられた、対向するリフレクタからなる少なくとも2対を有し、これらは前記各閉鎖壁の外側および/または内側および/または各閉鎖壁自体の中に配置され、これによって、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)前記少なくとも1つの定在音響超音波場を生成するための少なくとも2つの中央に配置された超音波のエキサイタを有し、前記少なくとも1つの定在音響超音波場を少なくとも1つのフィードバックループによって安定化する。
- 前記少なくとも1つの超音波場を少なくとも1つのフィードバックによって生成、監視、および安定化する少なくとも1つの電気デバイスがさらに設けられる。
- 前記少なくとも1つの流管および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域内およびこれらを通って、前記流体を10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送する少なくとも1つの搬送デバイスがさらに設けられる。
- さらに、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有する少なくとも1つのフィルタを有する、前記少なくとも1つの流管および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つの流体接続を設けられ、前記少なくとも1つのフィルタは、流体を透過可能であり、その後、前記浮遊固体およびフィルタシステムから出た濾過された流体の特定の粒子数(N/Vt)が、それぞれ前記検出限界未満または0.1%までとなり、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、上述のパーセンテージはいずれの場合も前記各浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)を100%としたものにそれぞれ基づいている。
【0026】
以下では、このフィルタシステムを「本発明に係るフィルタシステム」と称する。
【0027】
さらに、ステップI~Vを含むフィルタ方法が見出された。
(I)400pm~≦500μmの粒径を有する浮遊固体を含む流体は、少なくとも1つの、特に1つの搬送デバイスによって、少なくとも1つ、特に1つのデバイスの、少なくとも1つの流管および/または少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域を通って、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で輸送および搬送され、少なくとも1つ、特に1つの流管は閉鎖壁によって囲まれている。
(II)流動流体中および/または流体が流れ、流体中に固定される物体中に、40~250dBの電力レベルを有し、少なくとも1つ、特に1つの流路へのエネルギー入力が0.25W~1kWである少なくとも1つ、特に1つの定在音響超音波場が、定在変調および/または非変調縦超音波およびそれらの高調波および/または横超音波およびそれらの高調波によって、生成される。
- 前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の場合、少なくとも1つ、特に1つの超音波場が、(i)超音波の少なくとも2対、特に少なくとも3対の、互いに関連付けられ、互いに対向するエキサイタまたはエキサイタ/レシーバによって、および/または超音波のエキサイタまたはエキサイタ/レシーバおよび関連付けられた対向するリフレクタからなる少なくとも2対、特に少なくとも3対によって生成され、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)少なくとも2つ、特に少なくとも3つの中央に配置された超音波のエキサイタによって生成される。
- 前記少なくとも1つ、特に1つの流管の場合、少なくとも1つ、特に1つの超音波場が、(i)超音波の少なくとも2対、特に少なくとも3対の、互いに関連付けられ対向するエキサイタまたはエキサイタ/レシーバ、および/または超音波の1つのエキサイタまたはエキサイタ/レシーバおよび/またはエキサイタまたはエキサイタ/レシーバに割り当てられた、1つの対向するリフレクタからなる少なくとも2対、特に少なくとも3対によって生成され、これらのエキサイタ、エキサイタ/レシーバ、および/またはリフレクタは、前記各閉鎖壁の外側および/または内側および/または各閉鎖壁自体の中に配置され、これによって、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差するように配置され、および/または(ii)少なくとも2つ、特に少なくとも3つの中央に配置された超音波のエキサイタによって生成される。
- 前記少なくとも1つ、特に1つの定在音響超音波場は、フィードバックループを生成するための少なくとも1つの電子デバイスによって生成、監視、変調および安定化される。
- 前記流体、および前記流管のさらなる行程では処理された前記流体は、少なくとも1つの、特に1つの搬送デバイスによって、搬送方向に、前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域を通って、さらに前記少なくとも1つ、特に1つの流れおよび/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つ、特に1つの流体接続を通って、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有し、前記流体が透過する少なくとも1つ、特に1つのフィルタへと、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送される。
- 前記流動流体であって、1nm~≦50nmの粒径および≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質および/または粒径が≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)および≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および≧80%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、および/または≧400nm~≦500μmの粒径を有する浮遊物質を有する前記流体が、≧400nm~≦500μmの粒径を有する粒子の濃縮、集合、凝集、圧縮、分離、沈殿、衝撃、衝突、付着および剥離、追加および/または前記浮遊物質の構成要素の濃度変更によって形成される。
(III)前記流体、および前記流管のさらなる行程では処理された前記流体は、少なくとも1つ、特に1つの搬送デバイスによって、搬送方向に、前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域へと、これらを通って、さらに前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域から少なくとも1つ、特に1つの流体接続を通って、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有し、前記流体がかん流される少なくとも1つ、特に1つのフィルタへと搬送され、これによって、処理された前記流動流体であって、400pm~≦50nmの粒径および≦20%、好ましくは≦10%、さらに好ましくは≦5%、特に好ましくは≦1%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、および/または≧200nm~≦400nmのMPPS粒径および≦20%、好ましくは≦10%、さらに好ましくは≦5%、特に好ましくは≦1%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊粒子、および/または≧400nm~500μmの粒径および≧80%、好ましくは≧90%、さらに好ましくは≧95%、特に好ましくは≧99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質を有する前記流体が形成される。
(IV)前記浮遊物質は、前記少なくとも1つ、特に1つのフィルタによって、前記流動流体から分離され、その後、少なくとも1つ、特に1つの排出デバイスを有する前記フィルタを有する少なくとも1つ、特に1つの流体接続から出た濾過された流体は、各種粒径および前記検出限界未満および/または0.1%までの特定の粒子数(N/Vt)を有する前記浮遊物質を含み、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、上述のパーセンテージは前記浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)に基づいている。
(V)代替的または追加的に、前記浮遊物質は、少なくとも1つ、特に1つの流路の中の少なくとも1つのフィルタの前および/または後に、超音波衝撃波および/または少なくとも1つのフィルタ、特に2つのフィルタにさらに搬送されて濾過された高調波を伴う定在縦超音波の重畳により、少なくとも1つ、特に1つの流管および/または少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つ、特に1つの分岐部へと搬送される。
【0028】
以下、上述したフィルタ方法を「本発明のフィルタ方法」という。
【0029】
さらに、液体、ゲル状および/または気体の流体から、400pm~≦500μmの粒径の有機、無機および/または生物、液体、ゲル状および/または固体浮遊物質を除去するための本発明のフィルタシステムの使用および本発明のフィルタ方法の使用が見出され、この使用を「本発明に係る使用」と命名した。
【0030】
最後に、本発明の少なくとも1つのフィルタシステムを備え、以下で「本発明の機器およびデバイス」と呼ばれる機器および装置が見出された。
【発明の効果】
【0031】
従来技術を考慮すると、本発明の基礎となった目的が、本発明のフィルタシステム、本発明のフィルタ方法、本発明に係る使用、ならびに本発明の機器およびデバイスにより実現され得ることは、当業者にとって予期、予想不能であった。
【0032】
本発明のフィルタシステムおよび本発明のフィルタ方法が、極めて多くの異なる科学、技術および医療分野で使用できることは、特に予期せぬことであった。さらに、本発明のフィルタシステムおよび本発明のフィルタ方法は、工業的または臨床的規模で使用することができるだけでなく、家庭または病院、歯科、分析研究所または化学研究所でも使用することができる。それらは非常に効率的であることが証明され、従来技術の方法によって濾過することができないか、出来ても極めて不十分であった浮遊物質を、それぞれの浮遊物質のそれぞれの特定の初期数(N/Vt)に基づいて、99%を超える効率範囲で気体および/または液体流体から濾過することができた。したがって、それらは、健康リスクの回避が極めて重要である用途に理想的に適していた。
【0033】
特に、400pm~50nmの粒径を有する浮遊物質およびMPPS粒子は、99%を超える効率で液体、気体およびゲル状流体から問題なく除去することができた。
【0034】
本発明のフィルタシステムのさらなる本質的な利点は、例えばラボオンチップでマイクロメートル範囲で使用することもできることである。
【0035】
さらなる利点は、以下の説明から明らかになる。
【0036】
発明の詳細な説明
本発明のフィルタシステムは、1kHz~800Mhzの周波数および40~250dBの電力レベルを有する超音波による0.25W~1kWのエネルギー入力による10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量の流動流体からの、400pm~500μm、好ましくは1nm~100μm、より好ましくは1nm~10μm、特に1nm~5μmの粒径を有する浮遊物質の略完全または完全な除去のために使用される。
【0037】
特に、流体は、空気、工業用ガス、原料ガス、医療用ガス、排気ガス、水、廃水、有機溶媒、溶液、食用油、潤滑油、ギア油、原油、食品、冷却剤、分散液、浮遊物およびエマルジョンである。
【0038】
浮遊物質は、エアロゾル、浮遊物および/またはエマルジョン中に、および/または固体、ゲル、エアロゾル、浮遊部および/またはエマルジョンとして存在する。
【0039】
特に、浮遊物質は、細分化された濁った物質、液体廃棄物、消化物、動物廃棄物、液体肥料、食肉処理場廃棄物、排泄物、台所廃棄物、バイオ廃棄物、放射性および非放射性、有機、無機、有機-無機および/または生物起源の粒子、タバコの煙、葉巻の煙、電気タバコの煙、繊維材料、バイオガスプラント廃棄物、コーティング剤、コーティング残留物、スラッジ、排水、色、ワニス、シーラント、ポリマー廃棄物、高分子、酸性エアロゾル、流体内のキャビテーションによって生成された気泡、ウイルスおよび微生物、昆虫の卵、昆虫の一部、交通、海運交通および航空交通、火災、溶接、生体力学的摩耗、システムの漏れ、再構築措置、木材加工、石材加工、建物の火災、森林の火災、泥炭の火災、パイプラインの火災、原油生産プラント、鉱山、炭層、化学プラント、機械的および化学的分解、爆発、火山の噴火、原子炉の事故、砂嵐により生成された細かいほこりであり得る。
【0040】
本発明のフィルタシステムは、10-mL/秒~10mL/秒の体積流量を有する流動流体中の粒径が400pm~500μmの浮遊物質の濾過を目的とする。本発明のフィルタシステムは、定在、変調および非変調の縦超音波およびそれらの高調波、および/または1kHz~800MHzの周波数である横超音波およびそれらの高調波であり、40~250dBの電力レベルを有する少なくとも1つの定在音響超音波場からの0.25W~1kWのエネルギー入力によって、流体透過性振動膜、発泡体、ネット、糸および生地からなる群から選択される、流動流体中および/または流体が流れることができ、流体中に固定される物体中の、粒径が≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)を有する浮遊粒子の特定の粒子数(N/Vt)を≧80%減少させるための少なくとも1つ、特に1つのデバイスを備え、これによって、検出限界未満から<0.1%までの特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、および/または≧50nm~≦200nmの粒径および>99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊固体、および/または≧400nm~500μmの粒径および>99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質を有する流動流体が得られる。
【0041】
本発明に従って使用されるデバイスは、最初に流体を通過させ、次いで処理された流体を通過させるための少なくとも1つ、特に1つの流路を囲むかまたは取り囲む閉鎖壁を有する少なくとも1つ、特に1つの流管をさらに備える。
【0042】
前記少なくとも1つ、特に1つの流管は、(i)超音波の少なくとも2対、特に少なくとも3対の、互いに関連付けられ対向するエキサイタおよび/またはエキサイタ/レシーバ、および/または超音波のエキサイタまたはエキサイタ/レシーバおよびエキサイタまたはエキサイタ/レシーバに割り当てられた、対向するリフレクタからなる少なくとも2対、特に少なくとも3対を含み、これらのエキサイタ、エキサイタ/レシーバ、および/またはリフレクタは、前記各閉鎖壁の外側および/または内側および/または各閉鎖壁自体の中に配置され、これによって、前記各対間の仮想接続線は90°の角度となるように配置され、および/または(ii)少なくとも1つの定在音響超音波場を生成するための少なくとも2つの中央に配置された超音波のエキサイタを含む。
【0043】
前記少なくとも1つ、特に1つの定在音響超音波場を少なくとも1つのフィードバックループによって生成、監視、および安定化する少なくとも1つ、特に1つの電子デバイスがさらに設けられる。
【0044】
さらに前記少なくとも1つの流管および/または前記少なくとも1つの壁のない流れ領域内およびこれらを通って、前記流体を10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送する少なくとも1つ、特に1つの搬送デバイスがさらに設けられる。
【0045】
最後に、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有する少なくとも1つのフィルタまたは少なくとも2つのフィルタを有する、前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つ、特に1つの流体接続が設けられ、前記少なくとも1つのフィルタは、流体を透過可能であり、その後、フィルタシステムから出た濾過された流体中の前記浮遊物質の特定の粒子数(N/Vt)が、いずれの場合も前記検出限界未満または<0.1%までとなり、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、上述のパーセンテージはいずれの場合も前記各浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)を100%としたものにそれぞれ基づいている。
【0046】
定在変調および非変調超音波は、超音波衝撃波と組み合わせることができる。
【0047】
好ましくは、縦波およびそれらの高調波、好ましくは圧縮波およびそれらの高調波、特に超音波およびそれらの高調波のエキサイタは、MEMS(微小電気機械システム)、スピーカ、振動膜、圧電スピーカ、音声変換器、仮想音源、移動コイル、磁気または静的スピーカ、リボン、フォイルおよびジェットツイータまたはホーンドライバ、曲げ波変換器、プラズマスピーカ、電磁スピーカ、エキサイタ、超音波変換器およびファントム音源である。
【0048】
好ましくは、音源は、それらの取り付け部から音が分離され、振動が分離される。
【0049】
少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域が使用される場合、それは音源によって取り囲まれ、これらの音源は好ましくはそのホルダから音が分離され、振動が分離される。
【0050】
好ましくは、反射器は、平坦、凹状および凸状の音反射器からなる群から選択される。
【0051】
本発明によれば、流路内に固定された物体は、流体透過性振動膜、フォーム、ネット、糸および布地からなる群から選択される。固定された物体は、プラスチック膜、プラスチック布、織物布、ガーゼ、ガラス繊維フリース、ニードルフェルト、紙フィルタ、セラミックフィルタ、ガラスフィルタ、焼結金属フィルタおよび開気孔フォームであり得る。これらの材料はまた、流路を充填する、粒子、特に500μm~2mmの範囲の粒径を有する球状粒子の形態とすることができる。
【0052】
好ましくは、最小濾過可能粒径が50nm~1000nmの少なくとも1つ、特に1つのフィルタは、高性能EPA粒子フィルタ、HEPAフィルタ、ULPA高性能フィルタ、媒体フィルタ、圧力損失のないチューブフィルタ、前置フィルタ、自動車内装フィルタ、ケーキフィルタ、クロスフローフィルタ、可撓性フィルタ、硬質フィルタ、工業用(Siebec)フィルタ、フリース、逆洗フィルタ、水フィルタ、プレコートフィルタ、ルームフィルタ、ベッドフィルタ、磁気フィルタ、グラフェンフィルタ、ベンチュリ洗浄器、ガスセパレータ、ガススクラバ、SCR触媒およびOCR触媒からなる群から選択され、前記材料は、エッチングされた金属、焼結金属、金属発泡体、金属糸、金属ウール、プラスチック生地、プラスチック発泡体、紙、厚紙、セルロース糸、セルロース繊維、セルロースウール、リグニン糸、リグニンウール、リグニン生地、天然繊維、天然ウール、天然繊維布地、天然繊維、編生地、天然材料発泡体、スポンジ、ガラス繊維、ガラスウール、ガラスフリット、セラミック繊維、セラミック生地、セラミックウール、セラミック発泡体、ホウ素繊維および石繊維、ならびに上記材料の少なくとも2つの複合材料からなる群から選択される。
【0053】
好ましくは、前記少なくとも1つ、特に1つの搬送デバイスは、液体流体の液体圧、液柱および液体波動、風、搬送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ファン、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、BerwianまたはBerlin風力タービン、受動および強制対流、噴散および拡散からなる群から選択される。特に、ガスマルチプライヤ、ダイソン、通気装置、液体マルチプライヤおよびリングベンチュリが使用される。
【0054】
特に、本発明に係るフィルタシステムの好ましい実施形態では、少なくとも1つ、特に1つのデバイスが、少なくとも1つ、特に1つの流管および/または少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域に接続され、これにより、400pm~500μmの粒径を有する粒子を流路に計量供給することができる。このようにして、これは、浮遊固体の粒径分布を、粒子を特に効果的に濾過することができるサイズ範囲にシフトさせる。
【0055】
本発明に係るフィルタシステムのさらなる実施形態では、少なくとも1つ、特に1つの流体接続が、流体透過性壁を有する少なくとも1つ、特に1つのベンチュリ管部分の少なくとも1つ、特に1つの流管の間に形成される。
【0056】
少なくとも1つ、特に1つのベンチュリ管部分の壁は、壁の周りに円形に配置された少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、より好ましくは少なくとも10、特に少なくとも20個の開口、特に円形開口により、流体透過性である。少なくとも1つ、特に1つのベンチュリ管部分は、好ましくはこれらの円形構成のうちの少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、特に少なくとも5つを含む。さらに、流れ方向に対して傾斜し、好ましくは30°~70°の角度、特に60°の角度で傾斜した環状調整プレートが、流体透過性壁の内側の各円形構成の前に取り付けられる。環状接触プレートは、ベンチュリ原理に従って機能し、浮遊物質および流体の一部を流体透過性壁の開口部内に、カフの形態の少なくとも1つ、特に1つのベンチュリ管部分を取り囲む少なくとも1つ、特に1つのフィルタに導く。これは少なくとも1つ、特に1つの閉鎖壁から一定の距離をおいて取り囲まれる。これにより、濾過された流体のための少なくとも1つ、特に1つの収集間隙が形成される。少なくとも1つ、特に1つの閉鎖壁は、濾過された流体を排出するための少なくとも1つ、特に1つの出口デバイスまたは少なくとも1つ、特に1つの煙突との少なくとも1つ、特に1つの流体接続を有する。
【0057】
この実施形態では、少なくとも1つ、特に1つのフィルタから出る流体は、少なくとも1つ、特に1つの収集間隙に収集され、少なくとも1つ、特に1つの出口デバイスを介して直接排出され、および/または少なくとも1つ、特に1つの再循環および少なくとも1つ、特に1つの出口開口部を介して、少なくとも1つ、特に1つの流管の少なくとも1つ、特に1つの延長部を流れる流体に戻される。または、少なくとも1つ、特に1つのフィルタから放出される濾過された流体は、少なくとも1つ、特に1つの流体接続を介して、少なくとも1つ、特に1つの出口開口部に、および/または少なくとも1つ、特に1つの再循環および少なくとも1つ、特に1つの出口開口部を介して、少なくとも1つ、特に少なくとも1つの流管の少なくとも1つ、特に1つの延長部を流れる流体に直接供給される。
【0058】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの部分、特に少なくとも1つの部分の1つの部分、特に少なくとも1つの部分を有する収集間隙の1つの部分、特に再循環の1つの部分からなる構造は、本発明のフィルタシステムから除去することができる。この目的のために、接合部は、エラストマシールおよび包囲クランプを有する周方向フランジ接続部で締結することができる。部品の分離および除去の後、少なくとも1つの、特に1つのスリーブ形状の使用済みフィルタを、少なくとも1つの、特に1つの新しいフィルタと交換することができる。
【0059】
あるいは、少なくとも1つ、特に1つのベンチュリ管部分は、少なくとも1つ、特に1つの収集管を介して流体を収集し、少なくとも1つ、特に1つのフィルタに供給するための少なくとも1つ、特に1つの外向きに閉じたカフ形状の収集間隙によって囲まれ得る。好ましくは、少なくとも1つ、特に1つのフィルタは、好ましくは、少なくとも1つ、特に上述のフランジ接続部のうちの1つを有する流体密フィルタハウジング内に配置される。フィルタは、少なくとも1つ、特に1つの多孔板の上に載置され得、および/または少なくとも1つ、特に1つの多孔板によって覆われ得る。少なくとも1つ、特に1つの粗フィルタをフィルタ上に配置することもでき、粗フィルタは、取り外された濾材が、流出する濾過された流体を汚染しないように、あらゆる同材料を捕捉する。
【0060】
この実施形態では、濾過された流体を、上述のように少なくとも1つ、特に1つの再循環を介して少なくとも1つ、特に1つの延長部に戻すことができる。または、濾過された流体は、何らかの他の方法で迂回される。
【0061】
さらなる実施形態では、少なくとも1つ、特に1つの流管の純径間は、浮遊物質を含まない、または実質的に含まない流体の死容積が減少するように、流れ方向に徐々におよび/または急激に狭くなる。
【0062】
さらに別の実施形態では、浮遊物質および粒子は、少なくとも1つ、特に1つの流路の中の少なくとも1つ、特に1つのフィルタの前および/または後に、超音波衝撃波および/または定在高調波を伴う定在縦波の重畳により、少なくとも1つ、特に1つの流管および/または少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つ、特に1つの分岐部へと送られ、その後、少なくとも1つのフィルタによって濾過される。
【0063】
さらに、上述した本発明に係るフィルタシステムは、振動のない状態で保管することができ、耐空性が備わっている状態、可動および/または浮遊可能であるように装備することができる。そのために、吸引およびブロワを有するか、または吸引およびブロワを有しない。
【0064】
本発明に係るフィルタシステムは、好ましくは、以下の方法ステップI~Vを含む本発明に係るフィルタ方法に使用される。
(I)400pm~500μmの粒径を有する浮遊固体を含む流体は、少なくとも1つの、特に1つの搬送デバイスによって、少なくとも1つ、特に1つのデバイスの、少なくとも1つの流管および/または少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域へと、これらを通って、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送され、少なくとも1つ、特に1つの流管は閉鎖壁によって囲まれている。
(II)流動流体中および/または流体が流れ、流体中に固定される物体中に、40dBまたは250dBの電力レベルを有し、少なくとも1つ、特に1つの流路へのエネルギー入力が0.25W~1kWである少なくとも1つ、特に1つの定在音響超音波場が生成され、この定在音響超音波場は、定在変調および非変調縦超音波およびそれらの高調波および/または横超音波およびそれらの高調波からなる。
- 前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の場合、少なくとも1つ、特に1つの超音波場が、(i)超音波の少なくとも2対、特に少なくとも3対の、互いに関連付けられ、互いに対向するエキサイタまたはエキサイタ/レシーバによって、および/または超音波のエキサイタまたはエキサイタ/レシーバおよび関連付けられた対向するリフレクタからなる少なくとも2対、特に少なくとも3対によって生成され、これらは各閉鎖壁の外側および/または内側および/または各閉鎖壁自体の中に配置され、これによって、前記各対間の仮想接続線は90°の角度で交差し、および/または(ii)少なくとも2つ、特に少なくとも3つの中央に配置された超音波のエキサイタによって生成される。
- 前記少なくとも1つ、特に1つの定在音響超音波場は、フィードバックループを生成するための少なくとも1つの電子デバイスによって生成、監視、変調および安定化される。
- 前記流体、および前記流路のさらなる行程では処理された前記流体は、少なくとも1つの、特に1つの搬送デバイスによって、搬送方向に、前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域へと、これらを通って、さらに前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つ、特に1つの流体接続を通って、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有する少なくとも1つ、特に1つのフィルタへと、10-2mL/秒~10mL/秒の体積流量で搬送され、流体によってかん流される。
- 前記流動流体であって、1nm~≦50nmの粒径および≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質および/または粒径が≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)および≦20%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および≧80%の特定の粒径(N/Vt)を有する浮遊物質、および/または≧400nm~≦500μmの粒径および≧80%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質を有する前記流体が、>400nm~≦500μmの粒径を有する粒子の濃縮、集合、凝集、圧縮、分離、沈殿、衝撃、衝突、付着および剥離、追加および/または前記浮遊物質の構成要素の濃度変更によって形成される。
(III)前記流体、および前記流路のさらなる行程では処理された前記流体は、少なくとも1つ、特に1つの搬送デバイスによって、搬送方向に、前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域へと、これらを通って、さらに前記少なくとも1つ、特に1つの流管および/または前記少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域から少なくとも1つ、特に1つの流体接続を通って、50nm~1000nmの最小濾過可能粒径を有し、前記流体がかん流される少なくとも1つ、特に1つのフィルタへと送られ、これによって、処理された前記流動流体であって、1nm~≦50nmの粒径および≦20%、好ましくは≦10%、さらに好ましくは≦5%、特に好ましくは≦1%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、および/または≧200nm~≦400nmのMPPS(最大透過粒径)粒径および≦20%、好ましくは≦10%、さらに好ましくは≦5%、特に好ましくは≦1%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質、ならびに≧50nm~≦200nmの粒径および≧80%、好ましくは≧90%、さらに好ましくは≧95%、特に好ましくは≧99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質および/または≧400nm~≦500μmの粒径および≧80%、好ましくは≧90%、さらに好ましくは≧95%、特に好ましくは≧99%の特定の粒子数(N/Vt)を有する浮遊物質を有する前記流体が、>400nm~≦500μmの粒径を有する粒子の濃縮、集合、凝集、圧縮、分離、沈殿、衝撃、衝突、付着および剥離、追加および/または前記浮遊物質の構成要素の濃度変更によって形成される。
(IV)この浮遊物質は、前記少なくとも1つ、特に1つのフィルタによって、前記流動流体から分離され、その後、少なくとも1つ、特に1つの流体接続を介して少なくとも1つ、特に1つの出口デバイスを有する少なくとも1つ、特に1つのフィルタから出た流体は、異なる粒径、各検出限界未満および/または0.1%までの特定の粒子数(N/Vt)を有する前記浮遊物質を含み、Nは粒子数、Vは体積[m]、tは時間[時]であり、上述のパーセンテージは前記浮遊物質の各特定の初期数(N/Vt)を100%としたものに基づいている。
(V)代替的または追加的に、前記浮遊物質は、少なくとも1つ、特に1つの流路の中の少なくとも1つのフィルタの前および/または後に、超音波衝撃波および/または少なくとも1つ、特に1つの追加のフィルタに供給されて濾過された定在高調波を伴う定在縦超音波の重畳により、少なくとも1つ、特に1つの流管および/または少なくとも1つ、特に1つの壁のない流れ領域の少なくとも1つ、特に1つの分岐部へと回される。
【0065】
さらなる実施形態では、濾過された流体は、少なくとも1つ、特に1つのフィルタシステムに少なくとも1回戻され、フィルタ方法は少なくとも1回繰り返される。
【0066】
本発明に係るフィルタシステムおよび本発明に係るフィルタ方法は、あらゆる技術、科学および医療分野において有利に使用することができる。
【0067】
したがって、本発明に係るフィルタシステムおよび本発明に係るフィルタ方法は、基本的に、400pm~≦500μmの粒径を有する有機、無機および/または生体、気体、液体および/または固体の浮遊物質の除去、および/または液体および/または気体の流体からの他の分子的に分散した病毒の除去に使用することができ、および/またはこれらの流体中での化学変換に使用することができる。
【0068】
流体は、空気、工業用ガス、原料ガス、医療用ガス、排気ガス、水、廃水、有機溶媒、溶液、食用油、潤滑油、ギア油、原油、食品、冷却剤、ジェル、分散液、浮遊物および/またはエマルジョンであり得る。
【0069】
浮遊物質は、細分化された濁った物質、液体廃棄物、消化物、動物廃棄物、液体肥料、食肉処理場廃棄物、残飯、排泄物、台所廃棄物、バイオ廃棄物、放射性および非放射性、有機、無機、有機-無機および/または生物起源の粒子、タバコの煙、葉巻の煙、電気タバコの煙、繊維材料、バイオガスプラント廃棄物、表面コーティング剤、塗料残留物、下水スラッジ、排水、塗料、ワニス、シーリング材料、ポリマー廃棄物、高分子、酸性エアロゾル、水銀蒸気、流体キャビテーションによって生成された気泡、ウイルスおよび微生物、プリオン、種子、昆虫の卵、昆虫の一部、交通、溶接、はんだ付け、機械的摩耗、システムの漏れ、改築工事、木材加工、石材加工、建物の火災、森林の火災、泥炭の火災、パイプラインの火災、原油生産プラント、天然ガス生産プラント、鉱山、炭層、化学プラント、爆発、火山の噴火、原子炉の事故、砂嵐により生成された細かいほこりであり得る。
【0070】
一部の例を挙げると、本発明に係るフィルタシステムおよび本発明に係るフィルタ方法は、タンパク質の凝固、ゲルの抑制、化学反応の反応速度の増加、微生物の破壊、室内空気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、空調システム、換気戸棚、クリーンルーム、および正圧または負圧チャンバ内の空気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、医療および獣医用の空気、気体および液体のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、細胞培養物の洗浄、有人宇宙船内の雰囲気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、自動車、トラック、バス、列車、船舶、航空機、畜舎、およびトイレ施設内の空気のリサイクル、ならびに洗浄、乾燥および/または冷却、内燃エンジンからの排気ガスのリサイクルおよび洗浄、大気の洗浄、地上の気体、固体、液体サンプルの収集、成層圏までおよび成層圏内の大気サンプルの収集、大気のある惑星の気体、固体、液体サンプルおよび大気サンプルの収集、放射性除染、陸域大気からの液体水の抽出、浮遊物質からのフィルタ膜、水フィルタ、ガスフィルタの保護、フィルタおよび膜からのフィルタケーキの溶解と分離、ならびに電気ダスト収集器、ベンチュリスクラバ、光学セパレータ、ガスセパレータ、ガススクラバ、SCR触媒、OCR触媒およびエレクトロスタットからの排気ガスの後洗浄用に使用することができる。
【0071】
一部の例を挙げると、本発明に係るフィルタシステムは、化学反応の速度を増加させるためのデバイスの中および上、防塵カーテンの中および上、臨床および臨床外の集中的ケアおよび呼吸ケアのためのデバイスの中および上、下部麻酔デバイスの中、アンモニアおよびNOXを窒素に変換するためのデバイスの中および上、クリーンルーム、エアロック、換気戸棚、負圧および過圧室の換気のためのデバイスの中および上、ガスマスクおよび呼吸マスクの中および上、ウイルス、微生物、昆虫の卵および昆虫の一部から保護するためのデバイスの中および上、スモッグ、VOC、車の排気、粉塵、エアロゾルおよび燃焼ガスから保護するためのデバイスの中および上、タバコ、葉巻および電気タバコの中および上、真空洗浄機の中および上、溶接トーチ、レーザカッタおよび研削デバイスの吸引システムの中および上、燃焼エンジンの排気システムの中および上、溶接スパッタ、溶接ミスト、スプレーペイントのオーバースプレーおよび粉塵爆発から保護するためのデバイスの中および上、遠隔の納屋およびトイレ施設の換気システムの中および上、化学的摩耗、改修工事系内の漏れの発生時、木材加工、石材加工、ならびにごみ焼却、建物火災、森林火災、泥炭火災、パイプライン火災、原油製造システム、天然ガス製造システム、鉱山、炭層および化学プラント、機械的および化学的分解、爆発、火山噴火、原子炉事故および砂嵐における微細な粉塵および病毒性物質を除去するためのデバイス、装置およびシステムの中、航空機の中および上、地球上および大気のある他の天体物体上のダストサンプルの収集、放射性除染のための遠隔制御ロボット車両の中および上、大気から水を抽出するためのプラントの中および上、電気式ダストコレクタおよびエレクトロスタットを備えたシステムの中および上、電化製品、洗濯機、回転式乾燥機、冷蔵庫、縦型冷凍庫および箱型冷凍庫、PC、ラップトップ、ノートブック、iPad(登録商標)、サーバーの中および上、植物由来の空気清浄機の中および上、ならびに海水、湖、川でマイクロプラスチックを収集するための受動的に漂流する、または電源供給された水上および潜水デバイスの中および上に使用することができる。
【0072】
本発明に係るフィルタシステムおよび本発明に係るフィルタ方法により、部分的にハロゲン化および過ハロゲン化された有機化合物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸、塩酸、シアン化水素、六フッ化硫黄および他のガス状フッ化物、NOX、亜窒素ガス、亜酸化窒素、アンモニア、アミン、ホスフィン、ホスゲン、擬似ハロゲン、ハロゲン、ハロゲン酸化物、過酸化物、過酸化物ラジカル、放射性化合物および核種、酸素ラジカルおよびオゾンなどの分子的に分散した病毒を除去することができる。
【0073】
全体として、本発明に係るフィルタシステムを含む本発明に係る機器およびシステムは、上述の利点を提供する。例として、道路、橋、建物、空調システム、診療所、医療デバイス、実験室、クリーンルーム実験室、発電所、原子力プラント、焼却プラント、化学プラント、ガス分離プラント、核工学プラント、陸上、水上、空中、地下、水中および宇宙船、衛星、宇宙ステーションの内部空間の移動手段が挙げられる。
【0074】
上記の使用、機器、およびシステムのリストは例示的なものであり、限定的なものではない。本発明に係る教示に基づいて、当業者は、さらなる用途、機器およびシステムを容易に提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
以下では、図1図35を参照して、本発明に係るフィルタシステム1、本発明に係るフィルタ方法および本発明に係るそれらの使用を例としてより詳細に説明する。図1図35は、本発明に係るフィルタシステム、本発明に係るフィルタ方法およびそれらの使用の主要特徴を示すことを意図した概略図であり、したがって縮尺通りに描かれている必要はない。以下の図示は縮尺通りではない。
【0076】
図1】特定の粒子数N/Vt[粒子数/m.h]を減少させるためのデバイス2およびフィルタ3を有する本発明に係るフィルタシステム1を通る長手方向の切断面の平面図である。
図1a】デバイス2の切断線A-Bに沿った横切断面面の平面図である。
図2】圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1と、カフ形状フィルタ3.6の流体2.2.1のための出口開口部とを有する、本発明に係るフィルタシステム1を通る長手方向の切断面の平面図である。
図3図2による、本発明に係るフィルタシステム1の横切断面の平面図である。
図4】圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1および流体2.2.1をフィルタ3に供給するための収集管2.7.7を有するフィルタシステム1を通る長手方向の切断面の平面図である。
図5】クリップオン接続を有するフィルタシステム1および圧力損失のないチューブフィルタ3.3を通る長手方向の切断面の平面図である。
図6】フィルタシステム1の設置位置1a~1jを有するガソリンまたはディーゼルエンジン用の排気システムのブロック図の平面図。
図7】フィルタシステム1の設置位置1k~1nを有する医療用呼吸器、人工呼吸器、または麻酔器5のブロック図の平面図。
図8】逆止弁6.4.1を有する、吸気装置と呼気装置としての、フィルタシステム1を有する呼吸マスク6の斜視図である。
図9】フィルタシステム1の設置位置1о~1sを有する納屋用換気煙突7を通る長手方向の切断面の平面図である。
図10】フィルタシステム1の設置位置1о~1sを有する納屋用換気煙突8のさらなる実施形態を通る長手方向の切断面の平面図である。
図11】フィルタシステム1の設置位置1t~1vを有する畜舎の水平に取り付けられたエアクリーナ9を通る長手方向の切断面の平面図である。
図12】フィルタシステム1のホルダとしてのラックフレーム10を通る横切断面の平面図である。
図13図12のラックフレーム10を通る切断線C-Dに沿った長手方向の切断面の平面図である。
図14】納屋用換気煙突8内のラックフレーム10のための箱形収容デバイス11を通る長手方向の断面の平面図である。
図15図14による箱形収容デバイス11の斜視図である。
図16】フィルタシステム1の設置位置1w~1zを有する納屋屋根12を通る横切断面の平面図。
図17】各場合における、1つのエキサイタ/レシーバ2.4.1の流体密両側構成13を通る長手方向の断面の平面図である。
図18】吊り下げワイヤ13.4、ベンチュリ支持板13.5、およびフィルタ3を備えた、図17によるキープ形状構成13aを通る長手方向の切断面の平面図である。
図19図18によるベンチュリ支持板13.5上の上方からの平面図。
図20】垂直フィルタシステム1を備えた乾燥地域用の自立型垂直抽水システム14を通る長手方向の切断面の平面図である。
図21図20による自立型垂直抽水システム14を通る切断線EFに沿った横切断面の平面図である。
図22図21による横切断面EーFの拡大詳細図Vの平面図である。
図23】水平フィルタシステム1を備えた乾燥地域用の自立型水平傾斜抽水システム15を通る長手方向の切断面の平面図である。
図24】垂直フィルタシステム1を備えた自立型水平傾斜抽水システム15を通る切断線GHに沿った横切断面の平面図。
図25】耐空性が備わっているフィルタシステム1の側面図である。
図26】耐空性が備わっているフィルタシステム1のさらなる実施形態の側面図である。
図27】フィルタシステム1を有するロボット車両17の側面図である。
図28】下流フィルタシステム1を有する電気塵埃分離器または静電デバイス18を通る長手方向の切断面の平面図である。
図29】流管2.1の分岐部2.1.8および流管2.1に平行なフィルタ管2.9.1を有するフィルタシステム1を通る長手方向の切断面の平面図である。
図29a図29によるフィルタシステム1の流管2.1を通る横切断面の平面図である。
図30】流管2.1の分岐部2.1.10を有するフィルタシステム1を通る長手方向の切断面の平面図である。
図30a】フィルタシステム1の流管2.1を通る横切断面の平面図である。
図31】横超音波2.4.2Tを放出するエキサイタ2.4.1を有するフィルタシステム1の流管2.1を通る長手方向切断の平面図である。
図31a】切断線KLに沿った図31の流管2.1の横切断面の平面図。
図32】エキサイタ2.4.1がその中心線に沿って配置され、横超音波2.4.2Tを放射する、流管2.1を通る長手方向の切断面の平面図である。
図33】「フレッシュエアツリー」19を通る長手方向の切断面の平面図。
図34】エアクリーナとしての植木鉢20を通じた長手断面の平面図。
図35】エアクリーナとしての植木鉢20を通じた長手断面の平面図。
【0077】
図1から図35において、参照符号は以下の意味を有する。
1 フィルタシステム
1a-1j ディーゼルエンジンおよびガソリンエンジン用の排気システム4におけるフィルタシステム1の設置位置。
1k-1n 人工呼吸器および麻酔器5におけるフィルタシステムの設置位置
1t-1v 畜舎内の循環エアクリーナ9におけるフィルタシステム1の設置位置。
1w-1z 納屋屋根12におけるフィルタシステム1の設置位置
2 特定の粒子数N/Vt[粒子数/m.h]を減少させるためのデバイス
2.1 壁無し流れ領域
2.1.1 流管2.1の閉鎖壁
2.1.1.1 閉鎖壁2.1.1の外側
2.1.1.2 閉鎖壁2.1.1の内側
2.1.2 延長部
2.1.2.1 延長部2.1.2の入口開口部2.1.2.2を通る雄ねじ
2.1.2.2 延長部2.1.2の入口開口部
2.1.2.3 流体密当接縁「延長部の2.1.2//圧力損失なしのベンチュリ管部分2.7.1の壁2.1.2.4の縁」
2.1.2.4 延長部2.1.2の壁
2.1.3 環状間隙
2.1.3.1 2.1.3の純径間
2.1.3.2 プラスチックホース
2.1.4 2.1の純径間
2.1.5 クリップオン接続
2.1.6 前置フィルタ、出力フィルタ
2.1.7 流管2.1の端部の雄ねじ
2.1.8 流管2.1の分岐部
2.1.9 流管2.1に平行な貫流フィルタ管
2.1.10 衝撃波2.4.2Sに対して補強され、流管2.1から分岐するフィルタ管
2.2 流動流体
2.2.1 MPPS粒子2.3.2と浮遊物質2.3.1の特定の粒子数N/Vtが非常に低い流動流体
2.2.2 濾過された流体
2.2.3 超音波およびその高調波によって精製された排出流体
2.2.4 衝撃波2.4.2Sによって精製された排出流体
2.3 400pm~500μm以下の粒径の浮遊物質
2.3.1 400pm~50nm以下の粒径の浮遊物質
2.3.2 200nm以上400nm以下の粒径のMPPS粒子
2.3.3 50nm以上200nm以下の粒径の浮遊物質
2.3.4 400nm以上500μm以下の粒径の浮遊物質
2.3.5 流体2.2および2.2.1の粒子を含まないまたは粒子が枯渇した死容積
2.4 流管または流れ領域2.1内の流路
2.4.1 定在および/または変調縦超音波および/または横超音波および/またはそれらの高調波のエキサイタまたはエキサイタ/レシーバ2.4.2
2.4.1S 超音波衝撃波発生器
2.4.2 定在変調および非変調縦超音波および横超音波、ならびにそれらの定在および非定在高調波、定在音響超音波場
2.4.2S 超音波衝撃波
2.4.2T 横超音波
2.4.2U 定在縦超音波とその非定在高調波の重畳
2.4.3 リフレクタ
2.4.4 ウェーブノット
2.4.5 波腹
2.5 流体2.2、2.2.1および2.2.2用の搬送デバイス
2.5.1 流れ方向、搬送方向
2.5.2 入口管
2.6 流体2.2によって灌流可能で、その中に固定される物体
2.7 流管2.1とフィルタ3との流体接続
2.7.1 圧力損失のないベンチュリ管部分
2.7.2 ベンチュリ管部分2.7.1の流体透過性壁
2.7.3 流れ方向2.5.1に対して傾斜した環状調整プレート
2.7.4 流体用2.2.1の円形出口開口部
2.7.5 延長部2.1.2への流体2.2.2の再循環管
2.7.5.1 再循環管屈曲部
2.7.5.2 再循環管垂直部分
2.7.5.3 水平線への屈曲
2.7.5.4 延長部2.1.2内の再循環管2.7.5の水平部分
2.7.6 濾過された流体2.2.2を収集して流体接続3.9または煙突3.9に供給するための周方向収集間隙
2.7.7 流体2.2.1 2Aを収集して供給するための周方向収集間隙収集管2.7.8
2.7.8 フィルタ3に流体2.2.1を供給するための収集管
2.8 400nm超~500μmの粒径を有する粒子2.3.4を流路2.4に計量するためのデバイス、投与デバイス、計量デバイス
2.8.1 貯蔵容器
3 フィルタ
3a-3e 分離効率の異なるフィルタ
3.1 フィルタハウジング3.2への流体2.2.1の入口開口部
3.1.1 雄ねじ2.1.7に対応する雌ねじ
3.2 フィルタハウジング
3.2.1 多孔板
3.2.2 多孔板
3.2.3 粗フィルタ
3.3 出口開口部、濾過された流体2.2.2がベンチュリノズル3.4に入るための出口開口部
3.3.1 出口開口部3.3の周りの雌ねじ
3.4 流体2.2.2用出口、ベンチュリノズル
3.4.1 雌ねじ3.3.1にねじ込まれる、ベンチュリノズル3.4上の雄ねじ
3.5 ベンチュリノズル3.4出口
3.6 スリーブフィルタ
3.6.1 さねはぎ接合部
3.7 フィルタ3.6の周りのカフ形状閉鎖壁
3.7.1 円筒形ハウジング
3.7.1.1 壁3.7の垂直部分
3.7.1.2 壁3.7の水平部分
3.7.2 空気流2.2.1を圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1に流入させるための開口部3.7.3の周りの雌ねじ
3.7.3 雄ねじ2.1.7を収容するための雌ねじ3.7.2担持部としての入口開口部3.7.4の周りの突出環状補強部
3.7.4 入口開口部
3.7.4.1 流体密当接縁「圧力損失のないベンチュリ管部分//流管2.1の壁2.1.1の端縁」
3.7.5 出口開口部
3.7.5.1 雄ねじ2.1.7を収容するための雌ねじ3.7.2担持部としての出口開口部3.7.5の周りの突出環状補強部
3.8 カフ形状フィルタ部分を除去するための装置の除去部分
3.8.1 周方向フランジ接続部
3.8.1.1 エラストマシール
3.8.1.2 フランジ接続部3.8.1囲繞クランプ
3.9 濾過された空気2.2.2を延長部2.1.2に再循環2.7.5させるための流体接続(煙突)
3.9.1 再循環管2.7.5における周方向フランジ接続部
3.9.1.1 エラストマシール
3.9.1.2 フランジ接続部を囲繞する周方向クランプリング3.9.1
3.10 出口管
3.10.1 圧力損失のないチューブフィルタ
4 ガソリンおよびディーゼルエンジンの排気システム
4.1 排気システム4の、ガソリンエンジンへの接続部
4.2 スートフィルタおよび排気システム4の、ディーゼルエンジンへの接続部
4.3 ダウン管
4.4 触媒
4.5 フロントサイレンサ
4.6 マフラ
4.7 管
4.8 排気出口
5 人工呼吸器または麻酔デバイス
5.1 空気投入
5.2 吸気装置
5.2.1 呼吸チューブ
5.2.1.1 グースガーグル
5.2.1.2a バイパス1
5.2.1.2b バイパス2
5.2.1.2c バイパス3
5.3 呼気装置
5.4a 換気フィルタ
5.4b 換気フィルタ
5.4a.1 投与接続
5.4b.2 投与接続
5.5 呼吸マスク
5.5.1 5.2、5.3用接続片
6 呼吸マスク
6.1 口および鼻カバー
6.2 可撓性ホルダ
6.3 可撓性縁
6.4 逆止弁6.4.1付きの呼気装置
6.4.1 逆止弁
6.5 硬質ゴム製のクリップオンホルダ
6.5.1 硬質ゴム製の補強リング
6.6 電源函
7 納屋用換気煙突
7.1 ディフューザ
7.1.1 環状入口スリット
7.2 通気管
7.2a 通気管7.2の上部
7.2b 通気管7.2の下部
7.2.1 非断熱管壁
7.2.2 圧入接続部7.2aー7.2b
7.3 管クランプ
7.4 ファン
7.4.1 締結支柱
7.5 通気フラップ
7.5.1 フラップ翼
7.5.2 通気口
7.6 吸気口開口部
7.7 横方向入口ノズル
7.8 集水トレイ
7.8.1 着脱可能な保持チェーン
7.9 屋根
8 断熱納屋用換気煙突
8.1 隔離通気管
8.1.1 断熱部
8.1.2 管壁
8.2 屋根空間からの空気供給
8.2.1 屋根空間空気
9 畜舎内の循環エアクリーナ
9.1 台座
9.1a 長台座
9.1b 短台座
9.2 排水路
9.3 排水管
9.4 ドリップネット
9.4.1 ドリップネット9.4用の半円形の締結クランプリング
9.5 管壁
9.6 多孔板
9.7 桶状支持体
10 ラック、ラックフレーム
10.1 外壁
10.2 ウェブ、ウェブ板
10.3 円形開口部
10.4 突出ブラケット
11 ラックフレーム10用の箱形レセプタクル
11.1 レセプタクル11の垂直壁
11.2 ロック可能な垂直通用口
11.2.1 扉
11.2.2 ヒンジ
11.3 輪状床部
11.4 輪状天井部
11.5 多孔板
12 納屋屋根かさ
12.1 透明ドーム
12.1.1 排気間隙
12.2 アルミニウム支柱
12.3 アルミニウムZ形母屋
12.4 アルミ製風よけ
12.5 アルミ製耐暴風ブラケット
13 定在波および/または変調された縦波および/またはそれらの高調波の1つのエキサイタ/レシーバ2.4.1の流体密両側構成2.4.2
13.1 回路基板
13.2 流動プロファイルを有する流体密プラスチックカプセル
13.3 シリコーン接着剤
13.4 吊り下げワイヤ
13.4.1 アイ接続部
13.5 ベンチュリ支持板
13.5.1 ベンチュリ流路
13.5.2 ベンチュリ漏斗壁
13.6 電源函
14 乾燥地域用の自立型垂直抽水システム
14.1 2つの垂直管半体14.1.1からなる垂直管
14.1.1 垂直管半体
14.2 当接縁
14.3 管の2つの半体で作られた円周煙突壁
14.3.1 周方向煙突壁14.3と垂直木製管14.1との間の集合支柱
14.3.2 管の2つの垂直半体の垂直当接縁
14.3.3 煙突壁14.3の垂直半体
14.4 光起電力
14.4.1 光起電力デバイス14.4の垂直当接縁
14.5 煙突、スタック
14.5.1 周方向入口漏斗
14.6 着脱可能な天蓋
14.7 周方向前置フィルタ
14.8 周方向水平突起
14.9 落下保護
14.10 集水容器14.14のための周方向保持リング
14.11 水平ファン
14.12 水切り糸
14.13 水
14.14 集水容器
14.15 周方向保持リング14.10上の集水容器14.14の支持リング
14.16 排水管
14.17 排出タップ、排水蛇口
14.17.1 水道管
14.18 電源函
14.19 さねはぎ圧入クロージャ
14.20 乾燥空気2.2.2用出口
14.21 多孔板
14.22 センサおよびアクチュエータ
14.23 フロート
14.24 断熱部
15 傾斜位置に設置された自立型水平抽水システム
15.1 フィルタシステム1用の箱形横切断面を有する容器
15.1.1 15.1の頂部、底部、および一方の垂直側面の平坦な壁
15.2 エアマルチプライア(ダイソン)
15.3 ダイソン15.2の箱形横切断面から丸形横切断面への遷移
15.3.1 多孔板
15.3.2 乾燥排気
15.4 漏斗状の拡大吸引開口、回収漏斗
15.5 石片保護グリル
15.6 前置フィルタ
15.7 フィルタシステム1を保持するための正方形の多孔板
15.7.1 上部、底部、および一方の垂直側面の壁15.1.1上に正方形の多孔板15.7の縁を保持するための凹部
15.8 台座
15.9 凝縮水15.12の排水糸
15.9.1 排水糸15.9の接着締結
15.10 凝縮水の排水管
15.11 二重壁を有する断熱キャニスタ
15.11.1 フロートガイド
15.11.2 真空二重壁
15.11.3 逆止弁による均圧化
15.12 回収凝縮水
15.13 水平可動垂直側壁
15.13.1 ハンドル
15.13.2 下側摺動プロファイル
15.13.3 上側摺動プロファイル
15.14 支持板
16 飛行体
16.1 自己駆動部を有しない飛行体
16.2 自走式飛行体
16.2.1 プロペラ
16.2.2 角度調整可能駆動部
16.2.3 剛性リンク機構、接続体
16.3 回収漏斗
16.4 吸引およびブロワ、エアマルチプライア、ダイソン
16.5 フィルタシステム1用の吊り下げ具
16.5.1 接続支柱
16.6 飛行体16.1のブラケット
16.7 アクチュエータ、回転モータ
16.8 回転バー
16.9 サイドラダー
16.10 安定板
16.11 エレベータ
16.12 サーボモータ
16.12.1 回転軸him
17 フィルタシステム1を有する遠隔制御ロボット車両
17.1 個別制御可能バルーンホイール
17.2 個別制御可能な電動機
17.3 独立したサスペンションを有するプラットフォーム
17.4 電動機、電源、コンピュータおよびアクチュエータ
17.4.1 前方ヘッドライト、ウェブカメラおよびレーザ
17.4.2 サイドライト、レーザ、および収納式ウェブカム
17.4.3 サイドライト
17.4.4 後方ライト、レーザ、および収納式ウェブカメラ
17.4.5 前方下方ヘッドライトおよび前方収納式ウェブカメラ
17.4.6 後方下方ヘッドライトおよび収納式ウェブカメラ
17.5 可撓性延長把持部
17.6 アクチュエータ
17.7 延伸可能伸縮ポール
17.8 関節
17.9 可撓性データ線
17.9.1 端子台
17.10 分析ユニット
17.11 すべてX-Y-Z方向に移動可能な6面ヘッドライト、暗視、ならびにウェブカメラおよびレーザ装置
17.12 送信機および受信機
17.12.1 X-Y-Z方向に移動可能なパラボラアンテナ
17.12.2 デコーダおよびメモリ
18 静電、ワイヤ電極18.1付き静電フィルタ板
18.1 ワイヤ電極
18.2 スプレー電極
18.3 帯電したダスト粒子の分離
18.4 ダスト層
18.4.1 剥離ダスト層
18.5 セパレータ電極
18.6 ノッカー、叩き機構
18.7 電気絶縁壁
18.8 電気絶縁性の多孔板
19 フレッシュエアツリー
19.1 円盤状の葉緑色のカバー
19.2 傾斜した周方向の葉緑色のドリップエッジ
19.3 フライスクリーンによって保護された吸引開口部としての垂直スロット
19.4 浮遊物質2.3を含む空気2.2の吸入領域
19.5 精製空気出口領域2.2.2
19.5.1 地面19.8に対してわずかに傾斜した周方向円板
19.6 精密嵌合圧入締結部
19.7「幹」としての中空支持管
19.8 地面
20 空気清浄機としての植木鉢
20.1 植物
20.1.1 塊茎
20.1.2 根系
20.2 鉢
20.2.1 根透過床
20.3 鉢用土
20.4 支持ピン
20.4.1 装飾植木鉢20.5の内側の半円形の横切断面を有する支持ピン
20.4.2 鉢20.2の外側に取り付けられた円形横切断面を有する対応する支持ピン
20.5 植木鉢、装飾植木鉢
20.5.1 超音波エキサイタ2.4.1用ホルダ
20.5.2 開口部
20.6 周方向エアダクト
20.7 活性炭フィルタ、VOCフィルタ
A-B 切断線ABに沿った、図1のフィルタシステム1を切断面
C-D 切断線CDに沿った、図2のフィルタシステム1の切断面
E-F 切断線EFに沿った、図12のラックフレーム10の切断面
G-H 切断線GHに沿った、図20の抽水システム14の切断面
G バイオマス加熱プラントからの排気ガスの流入
I-J 切断線IJに沿った、図23の抽水システム15の切断面
K-L 切断線KLに沿った、図31のフィルタシステム1を切断面
M-N 切断線MNに沿った、図32のフィルタシステム1の切断面
U 下の地面または下の構造
図20および図21によるフィルタシステム14の接続領域の拡大切断面
VK スピーカ2.4.1のオフセット構成
W 風の主方向
← → 流体の流れ方向
【発明を実施するための形態】
【0078】
図面の詳細な説明
前置き
明確さのために、本発明に必須の構成要素のみを以下の図1図35に示す。本発明を実施するために必要な周辺機器には、コンピュータ、コンピュータチップ、電源、電力線、電動機、ランプ、カメラ、ウェブカム、レーザ、エキサイタおよびレシーバ、電源函、電池、アキュムレータ、測定および制御デバイス、アクチュエータ、センサ、粉末投入または計量デバイス、マノメータ、分光器、ガスクロマトグラフ、質量分析計、顕微鏡、粒子計数器、供給ポンプ、真空ポンプ、機械式グリッパおよび遠隔監視用のエキサイタなどの慣用的かつ既知の電子式、電気式、機械式、空気圧式および油圧式デバイスが含まれていた。
【0079】
図1
概念の試行
ここで、特定粒子数N/Vtの表記において、Nは粒子数、Vは体積(立方メートル)、tは時間(時間)を表す。
【0080】
特定の粒子数N/Vtに関するパーセンテージは、100%に対応するそれぞれの特定の初期数N/Vtに関する。
【0081】
フィルタシステム1は、1nm~50nmの粒径を有する微細ダスト粒子2.3.1の特定の粒子数N/Vtを99%超まで減少させ、MPPS(最大透過粒径)≧200nm~≦400nmを有する微細ダスト粒子2.3.2の特定の粒子数N/Vtを空気中2.2で99%超減少させるためのデバイス2を備えた。これにより、結果としての空気2.2.1は、それぞれ<0.1%の特定の粒子数N/Vtを有する微細ダスト粒子2.3.1および2.3.2と、特定の粒子数N/Vt>99.8を有する800nm~300μmの粒径を有するダスト粒子2.3.4および2.3.5とを含む。
【0082】
デバイス2は、20cmの長さを有する耐衝撃性ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)製の流管2.1と、厚さ5mmの閉鎖壁2.1.4を有する4cmの純径間2.1.1を有する流路とを備えていた。マルチコンプ(中心周波数:40kHz;電力レベル:90dB)からの、タイプMCUSD14A40S0RSの8対の対向する圧電超音波エキサイタ2.4.1を、ポリジメチルシロキサン接着剤を用いて閉鎖壁2.1.1に流体密に接着した。結果、各対の間の仮想接続線は、純径間2.1.4の仮想平均線に対応した。圧電超音波エキサイタ2.4.1は、直径1.4mmの円形輪郭を有していた。これらを15mm間隔で一列に並べた。圧電超音波エキサイタ2.4.1の最初の対は、流動流体2.2の搬送方向2.5で見て、流管の開始部から5mmの距離にあり、圧電超音波エキサイタの最後の対は、流動流体2.2の搬送方向2.5で見て、流管2.1の端部までの距離が5mmであった。同様に、対向する圧電超音波エキサイタ2.4.1のさらなる8対を、それらの仮想接続線が他の8対2.4.1の仮想対応接続線と90°の角度で交差するように、閉鎖壁2.1.1に埋め込んだ。これにより、対向配置された8対によって放射された定在超音波2.4.2の交差部2.4.4は、流管2.1の中心にあった。全ての圧電超音波エミッタ2.4.1は、粒子を実質的に含まない死容積2.4.6の領域に望ましくない乱流が形成されないように、可能な限り内側2.1.1.2と平坦になるように閉鎖壁2.1.1に埋め込まれた。
【0083】
定在超音波は、電子デバイスを使用したフィードバックループによって生成、監視、および調整された。
【0084】
流管2.1の始点から25mmのところから開始して、消光粒子計数器用の4つのサンプリングデバイス(不図示)を互いに50mmの間隔で一列に配置した。RR Reinraum ELEKTRONIK GmbH(Wiernsheim)製のデバイスを使用した。さらに、フランスのMCPI製の重量測定高精度マイクロドサー2.8を接続するためのいわゆるルアースロックシステムを、流管の端部から75mmの距離に配置した。この計量デバイスにより、>400nm~500μmの粒径を有する粒子2.3.5を、浮遊物質2.3を含む流動流体2.2に供給することができた。ガスおよび液体ならびに他のナノ粒子およびマイクロ粒子に特に容易に吸収および/または吸着および/または付着する表面を有するナノ粒子および/またはマイクロ粒子が使用された。したがって粒子の凝集が促進された。この凝集は、非常に低い特定の粒子数N/Vtを有するMPPS粒子2.3.2および微細ダスト粒子を含む、容易に濾過可能な流動流体2.2が実現された。このようにして、微細ダスト粒子2.3.1、2.3.2、2.3.3および2.3.4の集合体の粒径分布を、全体としてより高い粒度にすることができた。
【0085】
活性炭、活性炭、単層および多層ナノチューブ、ナノコーン、フラーレン、ゼオライト、フィロケイ酸塩、特にベントナイトおよびエアロゲルのナノ粒子およびマイクロ粒子を試験した。これらの材料のうち、活性炭のナノ粒子およびマイクロ粒子は、微細ダスト粒子の接着および凝集における毒性物質の取り込みに関して最も効果的であることが証明された。
【0086】
清浄化される流動空気2.2中の微細ダスト粒子2.3の粒径は、電子顕微鏡記録および動的光散乱QELS(準弾性レーザ散乱法)を用いて決定された。粒径は、全体として3nm~800nmの範囲である。粒径は、350nmで2×10/m.hの特定の粒子数N/Vtの最大値を有する非対称単峰性分布を示した。しかしながら、この粒径は、正確には200nm以上400nm以下のMPPS範囲内であった。集合体はまた、50nmの粒径で2×10/m.hの特定の粒子数N/Vtおよび3nmの粒径で2×10/m.hの特定の粒径N/Vtを有していた。これは、特に困難な濾過問題に帰結した。
【0087】
微細ダスト粒子2.3は、アスファルト上の自動車タイヤの摩耗から生じた。このため、組成の均一性は非常に高く、エラストマ粒子、カーボンブラック粒子、金属粒子、充填剤粒子、染料粒子、顔料粒子、煙粒子およびアスファルト粒子を含んでいた。さらに、空気2.2は、ガスクロマトグラフィー/質量分析の組み合わせによって決定されるように、NOx、二酸化硫黄、酸素ラジカル、オゾンおよびアンモニアなどの自動車排気ガスに典型的な特定の分子的に分散した病毒を含んでいた。
【0088】
このようにして汚染された、人通りの多い街路からの空気は、ラッシュアワー中に粗フィルタで保護された遮音された高性能ファンによって吸い込まれ、前置フィルタ2.1.6を介して流管2.1に吹き込まれた。コースフィルタが、葉、紙屑、たばこのフィルタ、プラスチック部品および/または砂の粒などのより大きな部品が入るのを防止した。前置フィルタ2.6.1は、ミリメートル範囲のより大きな粒子を捕捉した。流管2.1内において、空気の流れ方向2.5.1の流速は、約7m/sであった。
【0089】
圧電超音波エキサイタ2.4.1によって生成された定在超音波2.4.2により、波節2.4.4に微細ダスト粒子2.3の大部分を収集された。音圧により、それらが凝集および集合し、その粒径が増加した。粒径1nm~50nm以下の微細ダスト粒子2.3.1の大部分は、閉鎖壁2.1の内側2.1.1.2の方向の腹に移動し、圧電超音波エキサイタ2.4.1の表面に蓄積した。粒径≧50nm(微細ダスト粒子2.3.2、2.3.3、2.3.4)に達すると、粒子は空気流2.2によって再び分離され、波節2.4.4に再び収集された。これらの動的方法の結果として、空気流2.2における、微細ダスト粒子2.3.2、2.3.3および2.3.4が流れ方向2.5.1に輸送される円錐形領域は狭まり、その結果、死容積2.3.5が形成される。死容積においては微細ダスト粒子2.3.2、2.3.3および2.3.4が存在しないか、枯渇している。
【0090】
フランスのMCPIからの重量測定高精度マイクロドサー2.8により、2.5×10/m.hの特定の粒子数N/Vtを有する800nm~100μmの粒径を有する活性炭粒子2.3.4を流路2.4の中心に向けて連続的に計量した。それらはアンカー粒子として作用し、病毒性物質の吸収および吸着、ならびにダスト粒子2.3.1、2.3.2、2.3.3および2.3.4の凝集および集合を増加させた。これにより、800nm~300μmの粒径2.3.4を有する粒子の集合体が得られた。粒子集合体2.3.4は、1.2μmおよび150μmに2つの最大値を有する二峰性分布を有し、99.99%の効率で媒体フィルタ3を用いて空気流2.2.1から既に除去することができた。
【0091】
濾過を目的として、流管2.1の端部には、フィルタ3のための管状フィルタハウジング3.2の開口部3.1で流管2.1間の流体接続2.7を確定するために使用される二回転の雄ねじ2.1.7が設けられた。管状フィルタハウジング3.2は、その開口部3.1に対応する雌ねじ3.1.1を有し、これは雄ねじ2.1.7を囲繞する。フィルタハウジング3.2の壁はまた、厚さ5mmの耐衝撃性、耐擦傷性ABSから構成された。これにより、50mmの純径間3.1.2が得られた。流れ方向2.5.1で見ると、管状フィルタハウジング3.2は、厚さ90mmおよび直径50mmのフィルタディスク3を挿入できるように長さ100mmであった。この目的のために、管状フィルタハウジング3.2をフィルタシステム1から取り外した。
【0092】
濾過された流体2.2.2のための出口開口部3.3の周りに、二回転の雌ねじ3.3.1を配置した。ベンチュリノズル3.4の一致する雄ねじ3.4.1をこれらの雌ねじ3.3.1にねじ込んだ。ベンチュリノズル3.4の狭窄部の前の空間では、ガス検出ポンプおよびドレーゲル管を使用して、濾過された空気2.2.2中に依然として病毒性物質が存在するかどうかを調べた。さらに、RR Reinraum ELEKTROTECHNIK GmbH(Wiernsheim)製の粒子計数器を使用して、粒子が依然として存在するかどうかを判定した。これらの測定は、ベンチュリノズル3.4の出口ノズル3.5で行うこともできる。
【0093】
ベンチュリノズル3.4の吸引効果で高性能ファンを補助することで、汚染空気2.2がフィルタシステムに吸引された。
【0094】
以下の濾材を試験した。
- 高性能粒子フィルタ(EPA=Efficient Particulate Air filter)、最小濾過可能粒径:100nm、
- 高性能粒子フィルタ(ULPA=超低透過エアフィルタ)、最小濾過可能粒径:50nm、
- 媒体フィルタ、最小濾過可能粒径:300nm
- 前置フィルタ、最小濾過可能粒径:1000nm
- 車内フィルタ、最小濾過可能粒径:500nm。
【0095】
試験結果は、全ての場合において、濾過された空気2.2.2中の粒子の濃度が検出限界未満であることを示した。したがって、濾過された空気2.2.2は粒子を含まなかった。
【0096】
フィルタシステム1には、コンピュータ制御された電気を供給することができる。
【0097】
予期しなかったことに、NOx、二酸化硫黄、オゾンおよびアンモニアなどの病毒性物質はもはや検出されず、これはガスクロマトグラフおよび質量分析測定によって再確認された。
【0098】
このようにして浄化された空気2.2.2は、クリーンルームにも使用可能である。
【0099】
図1によるフィルタシステム1のさらなる実施形態
図1によるフィルタシステム1は、空気2.2、2.2.1が流れることができる物体2.6が流路2.4内に固定され、その結果、定在超音波2.4.2がこれらの物体2.6を貫通したという点で、様々な方法で修正された。別の実施形態では、透過性物体2.6は、定在超音波2.4.2の間に固定された。第3の実施形態では、前述の2つの実施形態を互いに組み合わせた。これらの変更の結果、超音波振動によってさらなる分離効果がもたらされ、その結果、例えば、変更されたフィルタシステム1の特定の粒径について、凝集、集合、凝縮、分離および沈殿、圧縮、衝突および衝撃、ならびに成長および分離の効率を大幅かつ明確に高めることができた。
【0100】
透過性物体2.6として、以下の材料を使用した。
- プラスチック膜、
- プラスチック布、
- 織物、ガーゼ、
- ガラス繊維フリース、
- ニードルフェルト、
- 紙フィルタ、
- セラミックフィルタ、
- ガラスフィルタ、
- 焼結金属フィルタおよび
- 連続気泡発泡体
【0101】
これらの材料はまた、流路2.4を充填する、粒子2.6、特に500μm~2mmの範囲の粒径を有する球状粒子2.6の形態で使用された。
【0102】
流通反応器としての使用
図1によるフィルタシステム1の流路2.4は、三酸化タングステンおよび二酸化ケイ素からなる触媒粒子の床で充填されていた。触媒粒子は、超音波源2.4.1によって放射される定在超音波2.4.2によって激しく運動した。プロピンが流体2.2.2として振動触媒床に吹き込みまれ、ここでブタ-2-エンおよびエチレン(流体2.2.1)に変換された。オレフィン混合物2.2.1は、フィルタ3を通過して出口開口部3.3さらに出口3.4に入り、そこから凝縮のために冷却システムに入った。
【0103】
粒径500nm~900nmの触媒粒子の激しい移動による摩耗や粉塵は、フィルタ3に引っ掛かり、再処理することができた。結果として、オレフィン混合物2.2.1は、いかなる浮遊固体2.3も含有しなかった。
【0104】
図2および図3
低圧力損失のフィルタシステム1
図2によるフィルタシステム1の実施形態では、図1によるABSで作られた流管2.1を、流れの方向2.5.1で見てその端部で、雄ねじ2.1.6が、入口開口部3.7.3の周りの一致する雌ねじ3.7.2にねじ込むことができることが不可欠であった。これにより、空気流2.2.1を圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1に流入させる。入口開口部3.7.4は、フィルタ3.3の周りのスリーブ形状の閉鎖壁3.7の垂直部分3.7.1.1の中心に位置していた。これにより。壁厚2mmのスリーブ形状の壁3.7は、長さ160mmおよび直径160mmの円筒形のハウジング3.7.1を形成した。スリーブ形状の壁3.7、2mmの壁厚を有する圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1、2mmの壁厚を有する延長部2.1.2、および同じく2mmの壁厚を有する空気流2.2.2の再循環管2.7.5は、ステンレス鋼製であった。
【0105】
流れ方向2.5.1で見て、流管2.1の端部の雌ねじ3.7.2のための担持部として、水平長さ15mm、厚さ5mmの突出した環状の補強材3.7.3を入口開口部3.7.4の周りに配置して、流体タイプの当接縁3.7.4.1「ベンチュリ管部分2.7.1//流管2.1の壁の端縁2.1.1」を形成した。これにより、圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1も40mmの純径間を有していた。
【0106】
流れ方向2.5.1で見て、圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1の端部には、その出口開口部3.7.5の周りに、水平長さ15mm、厚さ5mmの突出した環状補強材3.7.5.1も配置されていた。これは、雄ねじ3.7.5.2が延長部2.1.2の入口開口部2.1.2.2の周りにねじ込まれる雌ねじ2.1.2.1を収容するために使用された。その結果、別の流体式当接縁2.1.2.3「延長部2.1.2の壁の縁2.1.2.4//圧力損失のないベンチュリ管部2.7.1の縁」が形成された。したがって、延長部2.1.2も40mmの純径間を有していた。長さは120mmであり、濾過された空気2.2.2をクリーンルーム内に吹き込んだ。
【0107】
カフ形状フィルタ3.6を取り外すためのデバイスの着脱可能部分3.8は、煙突3.9の再循環管2.7.5への流体接続を含んでいた。煙突3.9は、30mmの純径間を有し、水平部分3.7.1.2上に垂直に中央配置された。その長手方向軸は、圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1の長手方向軸との間に90°の角度を形成した。煙突3.9の長さは40mmであり、濾過された空気2.2.2の再循環管2.7.5の一部としての30mmの純径間を有する管屈曲部2.7.5.1に入った。再循環管2.7.5の管屈曲部2.7.5.1は、壁3.7の垂直部分3.7.1.1(垂直部分2.7.5.2)から40mmの距離で垂直下方に屈曲し、延長部2.1.2の壁2.1.2.4を流体密に貫通し、さらなる屈曲部2.7.5.3を水平に形成し、その結果、再循環管2.7.5の水平部分2.7.5.4の中心軸は、延長部2.1.2の長手方向軸と一致した。水平部分2.7.5.4の長さは30mmであり、出口開口部としてのベンチュリノズル2.7.5.1に合流した。
【0108】
デバイスの着脱可能部分3.8は、20cmの深さであり、長方形のフ平面形状を有していた。これを、ポリブタジエンで作られたエラストマシール3.8.1.1を有する周方向フランジ接続部3.8.1で円筒形ハウジング3.7.1の残りの部分に接続した。周方向フランジ接続部3.8.1は、フランジ接続部3.8.1を取り囲むクランプ3.8.1.2で流体密に固定された。デバイスの着脱可能部分3.8を取り外すと、使用済みのカフ形状フィルタ3.6を新しいものと交換することができた。
【0109】
カフ形状フィルタ3.6の材料は、圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1の周りに実質的に継ぎ目なく巻き付けられている。これは、濾材3.6の当接縁部がピン/溝接続部3.6.1として設計されているという点で実現された。カフ形状フィルタ3.6の垂直側面は垂直部分3.7.1.1に対してしっかりと載置していた。その結果、空気流2.2.1はフィルタ3.6を通過しなければならなかった。フィルタ3.6の厚さは50mmであった。その結果、濾材3.6の表面と壁の水平部分3.7.1.2との間に、約10mmの純径間を有する周方向収集間隙2.7.6が形成された。収集間隙2.7.6を使用して、濾過された空気2.2.2を収集し、煙突3.9に供給した。
【0110】
圧力損失のないベンチュリ管部分2.7.1は、流体透過性壁を有していた。2.7.2.流れ方向2.5.1で見て、流体透過性壁を取り囲む出口開口部2.7.4の第1のリングは、3mmの直径を有し、当接縁3.7.4.1の20mm後方に配置されていた。出口開口部2.7.4は、周方向リング31で出口開口部2.7.4が前後に配置されるように、約1mm離間していた。出口開口部2.7.4の後続の9つのリングは、流れ方向2.5.1で見て、互いに10mmの距離に配置された。流れ方向2.5.1で見て、出口開口部2.7.4の第1の周方向リングの前に、20mmの幅を有する第1の環状の周方向調整プレート2.7.3を、流れ方向2.5.1に対して60°の角度で配置した。追加の9つの調整プレートは、出口開口部2.7.4の隣のリングの5mm前方でそれらのベースに取り付けられた。この構成により、直径10mmの流路2.4を得た。
【0111】
調整プレート2.7.3によって、約60m/秒の速度で流れ、800nm~300μmの粒径および特定の粒子数N/Vt>99.8%を有する空気2.2.1中の粒子2.3.4は、出口開口部に導かれ、カフ形状フィルタ3.6によって捕捉された。粒子2.3.4が除去された空気流2.2.2は、延長部2.1.2を通過してクリーンルームに直接流入した。
【0112】
以下の濾材を試験した。
- 媒体フィルタ、最小濾過可能粒径:300nm
- 車内フィルタ、最小濾過可能粒径:500nm。
【0113】
フィルタ3.6を通って流れた濾過された空気2.2.2は、周方向収集間隙2.7.6に入り、再循環管2.7.5の一部である煙突3.9に導かれた。収集および再循環された濾過された空気2.2.2を、上記のように延長部2.1.2に導入した。
【0114】
このように精製された空気2.2.2は、0.04/m.h未満の特定の粒子数を有していた。
【0115】
図2によるフィルタシステム1の実施形態の構造は、断面に沿ったフィルタシステムを通るAB横切断面の平面図を用いて再び示されている。
【0116】
フィルタシステム1には、コンピュータ制御された電気を供給することができる。
【0117】
図4図2および図3(一部)
低圧力損失のフィルタシステム1
図4によるフィルタシステム1の構造は、円形出口開口部2.4.7からの粒子2.2.1を伴う空気流2.3.4の一部が周方向の収集間隙2.7.7に入ることを除いて、本質的に図2および図3によるフィルタシステム1の構造に対応している。即ち、フィルタハウジング3.2内で100mmの厚さおよび150mmの直径を有する円盤状フィルタ3に収集管2.7.8を介して空気流2.2.1を導いた。フィルタ3は多孔板3.2.1に取り付けた。
【0118】
濾過された空気2.2.2は、出口開口部3.3、3.4を介して空調システムに吹き込まれた。
【0119】
さらなる実施形態では、粗フィルタ3.2.3をフィルタ3の上に配置し、必要に応じてフィルタ3から出てくる残留物を捕捉した。
【0120】
粗フィルタ3.2.3を多孔板3.2.2によって固定した。
【0121】
図5および図6
医療デバイス用滅菌フィルタシステム1
図5によるフィルタシステム1の長さは250mmであった。その閉鎖壁2.1.1は6mmであり、滅菌可能なポリエーテルスルホン(Ultrason(商標)E、BASF製)からなっていた。浮遊物質2.3を含む空気流2.2は、長さ14mm、15mmの純径間の入口管を通って流路2.4に送られた。入口管2.5.2は、プラスチックホース2.1.3.2のクリップオン接続2.1.5として、3mmの純径間2.1.3.1を有する中心を取り囲む環状間隙2.1.3を有していた。入口管2.5.2の端部で、流路2.4の純径間2.1.4は、15mm~40mmの距離にわたって円錐状に広がり、70mmの距離の後、20mmの距離にわたって再び先細になって15mmの純径間になり、圧力損失のないチューブフィルタ3.10を備えた長さ110mmの出口管3.10.1に合流する。圧力損失のないチューブフィルタ3.10.1は、出口管3.10.1の内壁に密接に嵌合し、600nm~100μmの粒径の粒子2.3.4を捕捉する、粒径600nm~100μmの高純度セルロース糸で作られた緩い織物からなり、その結果、検出限界未満の特定の数の粒子N/Vtを有する濾過された空気流2.2.2が放出された。出口管3.10も、プラスチックホースまたは金属管のクリップオン接続2.1.3として、3mmの純径間2.1.3.1を有する周方向環状間隙2.1.5を有していた。
【0122】
流路2.4の断面形状は正方形であった。その2つの水平な閉鎖壁2.1.1およびその2つの垂直な閉鎖壁2.1.1内に、マルチコンプのMCUSD14A40S0RSタイプの2対の対応する圧電超音波エキサイタ2.4を、それらが流管2.1の閉鎖壁2.1.1の内側2.1.1.2と正確に平面になるように、ポリジメチルシロキサン接着剤で流体密に接着した。
【0123】
図5によるフィルタシステム1は、医療機器、特に人工呼吸器または麻酔デバイス5に非常に適していた。図6は、そのような人工呼吸器5の図を示す。
【0124】
図5のフィルタシステム1は、吸気装置5.2の設置位置1k~1nに挿入することができる。例えば、フィルタシステム1kは、流れ方向2.5.1で見て、空気計量デバイス5.1の後ろおよび換気フィルタ5.4aの前に挿入することができる。別のフィルタシステム1を、換気フィルタ5.4aの後ろ、グースガーグル5.2.1を備えた通気ホース5.2.1.1の前に挿入することができる。必要に応じて、フィルタシステム1lは、バイパス1 5.2.1.2aによって迂回させることができる。これは特に、麻酔薬および薬が投与接続部5.4a.1を介して換気フィルタ5.4aに供給され噴霧された場合に適用される。追加のフィルタシステム1mを、グースガーグル5.2.1.1の後ろで換気フィルタ5.4bの前に設置することができる。フィルタシステム1mも、投与接続部の5.4b1によって、麻酔薬および薬の供給時にバイパス2 5.2.1.2bを通じて換気フィルタ5.4b内に迂回させられる。第3のフィルタシステム1nは、呼気装置5.3内で、換気フィルタ5.4bの背後で、呼吸マスク5.5用の接続管5.5.1の前に設置することができる。フィルタシステム1nも、バイパス3 5.2.1.2cによって迂回することができる。
【0125】
フィルタシステム1k~1nは、内蔵チップおよび電源函を使用して制御および電力供給することができる。
【0126】
人工呼吸器または麻酔デバイス5によると、特に重篤な症例の患者に対して、高純度の耳で換気することができるため、微生物およびアレルゲンによる汚染のリスクが効果的に排除される。図5によるフィルタシステム1の別の利点としては、患者が体温と同じ温度の加湿空気で換気されるように、従来の既知のインライン加湿ユニット(熱および水分交換ユニット、HME)および/または能動加湿器と組み合わせることが挙げられる。
【0127】
図7
フィルタシステム1を備えた排気システム4の機器
排気ガスの問題を解決するために、例えば図1または図2および図3に示す構造を有する、ステンレス鋼製の高温安定性フィルタシステム1を使用することができる。フィルタ3の濾材としては、セラミック糸または金属糸からなる布を用いた。これらのフィルタシステムは、排気システム4の設置位置1a~1jに設置することができる。詳細には、フィルタシステム1aは、ガスラインエンジン上の排気システム4の接続部4.1の後方、またはディーゼルエンジン上のスートフィルタおよび接続部4.2および排気システム4の後方に設置された。さらに、フィルタシステム1bおよび1cは、Y管4.3の2つの管および触媒コンバータ4.4に設置することができる。さらに、フィルタシステム1eおよび1fは、触媒コンバータ4.4とフロントサイレンサ4.5との間の管4.7に設置することができる。前部サイレンサ4.5も、フィルタシステム1gを含むことができる。さらに、フィルタシステム1hおよび1iを、排気出口4.8の前に挿入することができる。
【0128】
フィルタシステム1a~1jには、個別に電力を供給することができ、車両、電気および電子機器からコンピュータ制御することができる。
【0129】
このような排気システム4により、エンジン排気ガス2.2は、浮遊物質2.3およびNOXおよびアンモニアを実質的に含まない程度まで浄化することができる。
【0130】
図8
フィルタシステム1を備えた呼吸器保護マスク6
図8による呼吸器保護マスク6は、熱可塑性プラスチック、エラストマ、または含浸布などの材料で作られた通気性の口および鼻カバーを備えた。呼吸マスク6は、可撓性ホルダ6.2を用いて加熱されたものに取り付けることができる。個々の顔によりよく適合させるために、口および鼻カバー6.1は、軟質エラストマで作られた可撓性縁6.3を含んだ。補強リング6.5.1に取り付けられた硬質ゴム製のクリップオンホルダ6.5を有するフィルタシステム1を口および鼻の高さで固定した。フィルタシステム1は、図1に主に示すように、前置フィルタ2.1.6と、濾過困難な浮遊物質2.3の特定の粒子数N/Vtを減少させるための流管2.1を有するデバイス2と、濾過された空気2.2.2の出口開口部3.3を有するフィルタハウジング3.2内の交換可能なフィルタ3との流管の流体接続2.7とを有した。また、軽量充電式電源函6.6をさらに、超音波エキサイタおよびレシーバ2.4.1のエネルギー源としてフィルタシステムに取り付けた。呼気は、逆止弁6.4.1を備えた呼気装置6.4を介して行われた。
【0131】
特に、呼吸器保護マスク6は、細菌および真菌などの微生物による感染およびウイルスによる感染に対する有効な保護を提供した。
【0132】
図12および図13と併せた、図9
フィルタシステム1を備えた納屋用換気煙突7
図9による納屋用換気煙突7は、上から下に向かって、すなわち流れ方向2.5.1とは反対で見て、浮遊物質およびアンモニアを含まない濾過された空気2.2.2のための出口開口部3.3を有するディフューザ7.1を有した。さらに、ディフューザ7.1はまた、ディフューザ7.1の吸引効果を高めるために、大気のための環状入口7.1.1を有していた。ディフューザ7.1の下には、非断熱管壁7.2.1を有する、上部7.2aおよび下部7.2bを有する、通気管7.2が配置されていた。下部7.2bは、屋根7.9の下に位置し、管クランプ7.3で固定されたプラグイン接続部7.2.2の上部7.2aに接続された。モータ駆動水平ファン7.4を、プラグイン接続部7.2.2の下の締結支柱7.4.1で締結した。フラップブレード7.5.1および空気開口部7.5.2を有する通気フラップ7.5をファン7.4の下に配置した。浮遊物質2.3およびアンモニアで汚染された納屋空気2.2は、空気入口ノズル7.6で納屋用換気煙突7に入った。空気流2.2、2.3は、側方流ノズル7.7によって時々補助された。入口ノズル7.6の下方に、集水パン7.8を、凝縮水を収集するため、着脱可能な保持チェーン7.8.14上に配置した。
【0133】
本発明によれば、図12図13と同様のフレームまたはラック10が、設置箇所1o~1rの納屋用換気煙突7内に配置されたが、円形断面および垂直外壁10.1を有する円筒形状であった。ラックフレーム10はまた、図1によるフィルタシステム1を収容して保持するための円形開口部10.3を有する上下水平ウェブ10.2を有した。したがって、フィルタシステム11は、流れ方向2.5.1に対して垂直に納屋用換気煙突7に配置され、すなわち、流れ方向2.5.1で見て、出口開口部3.3は、ディフューザ7.1の方向の上部にあった。ここで、および以下に説明するデバイス10および11では、ラックフレーム10をデバイス10および11(不図示)に押し込むことができる壁のそれぞれの設置位置に閉鎖可能なフラップが配置されていた。
【0134】
フレーム10内の個々のフィルタシステム1は、個別に電気的および電子的に制御することができる。例えば、低濃度アンモニア含有空気2.2、2.3の場合、すなわち畜舎が同空気に部分的にしか占有されていない場合、1つまたは2つのラックフレーム10、例えば設置位置1oのラックフレーム10および/または設置位置1qのラックフレーム10内のフィルタシステム1のみを制御し、電気を供給することができる。
【0135】
追加の利点として、納屋用換気煙突7により、畜舎内の湿度を動物にとって快適なレベルに保つことができることが挙げられる。
【0136】
図10
断熱納屋用換気煙突8
その構造において、図10による断熱納屋用換気煙突8は図9による非断熱バーン換気煙突7と同様であるが、断熱通気管8.1の管壁8.1.2にドイツ特許出願DE10 2016 012 746.5による不燃性発泡セメント製の断熱部8.1.1が設けられている点、および設置位置1sの納屋用換気煙突8が屋根空間空気8.2.1を供給するための空気供給ライン8.2を備えていた点で異なっていた。この結果、断熱された納屋用換気煙突8における結露の発生を効果的に防止することができた。別の利点としては、納屋用換気煙突8により、畜舎内の湿度を動物にとって快適なレベルに保つことができることが挙げられる。
【0137】
図11
畜舎内の循環エアクリーナ9
図11の1mの純径間を有する長さ5mの循環エアクリーナ9は、2つの長台座9.1aおよび4つの短台座9.1bならびに対応する水平な凹形状の支持体9.7上に、わずかな傾斜で略水平に取り付けられた。台座9.1aおよび9.1bならびに支持体9.7は、動物が異音で困惑しないように、振動減衰された(不図示)。循環エアクリーナ9の耐荷重構成要素、特に厚さ5mmの壁9.5は、畜舎内の腐食性雰囲気を考慮し、ステンレス鋼製であった。壁9.5は、音響発泡材(不図示)からなる吸音性コーティングを有した。循環エアクリーナ9は、流れ方向2.5で見て、吸気口開口部7.6を備え、空気入口開口部は、多孔板9.6および前置フィルタ2.1.6によって、飼料、わらまたは殻などのコース材料の侵入が防止された。図1の水平に取り付けられたフィルタシステム1を有する図9に記載されたラックフレーム10は、設置位置1t~1vに設置された。浮遊粒子2.3を含む空気流2.2は、空気流2.2、2.2.1および2.2.2のための搬送デバイスとして垂直締結支柱7.4.1に取り付けられた電気駆動垂直取り付けファン7.4により、循環エアクリーナ9を通って搬送された。空気流は、フラップブレード7.5.1が空気開口部7.5.2にある通気フラップ7.5を介して規制された。ここでも、フィルタシステム1に個別に電気を供給することができる。最後の設置位置1vの後ろには、いくつかの横方向垂直排水ネット9.4が、ポリエチレン糸で作られ、丸い円周を有し、半円形の締結クランプリング9.4.1を使用して締結された。それらは、空気流2.2.2と共に運ばれる凝縮水の滴下を増加させた。凝縮水は、通気管7.2内を排水路ライン9.2を通って排水管9.3内に流れ、さらなる使用または廃棄のために回収することができる。通気管7.2の出口3.3は、出口フィルタ2.1.6および別の多孔板9.6によって粗粒子の望ましくない進入から保護された。
【0138】
循環エアクリーナ9により、納屋内の浮遊物質2.3および病毒性物質、特にアンモニアの濃度を恒久的に低く保つことができた。これは、動物を感染から保護し、その結果、動物は健康なままであり、より速く成長した。さらに、湿度を動物にとって快適なレベルに保つことができた。
【0139】
図12および図13
ラックフレーム10
円筒形ラックフレーム10は、図9に関連して既に上述されている。次に、図12および図13は、箱形または直方体のラックフレーム10を示す。図12の上からの平面図が示すように、ラックフレーム10は、垂直外壁10.1と、図1によるフィルタシステム1を収容して保持するための丸い開口部を有する水平ウェブまたはウェブ板10.2とを備えた。図13の切断線CDに沿った長手方向の切断面は、上下のウェブ板10.2と、フィルタシステム1の外側に取り付けられた突出ブラケット10.4とを有するラックフレーム10の構造を明確に示す。
【0140】
ラックフレーム10は、ABSなどの耐衝撃性プラスチック製であることが好ましい。
【0141】
図14、15
ラックフレーム10用の箱形収容デバイス11
図13および図14の箱形ラックフレーム10を通気管7.2、または円形、楕円形、楕円形、もしくは他の形状の管壁を有する別の管7.2.1に設置することができるように、図14(縦断面)および図15(斜視図)による箱形収容デバイスを通気管7.2に設置した。箱形収容デバイス11は、3つの垂直壁11.1を有した。扉11.2.1およびドアヒンジ11.2.2を有するロック可能な垂直通用口11.2を残りの垂直辺に配置した。上面は輪状天井11.4によって形成され、下面は輪状床11.3によって形成された。フレーム10では、図1のフィルタシステム1は流れ方向2.5.1に配置され、その結果、空気2.2.2はそれらの出口開口部3.3から流出した。
【0142】
箱状の収容デバイス11により、必要に応じてラックフレーム10を容易に交換することができた。
【0143】
図13および14と合わせた図16
納屋屋根かさ
畜舎および農場または動物園のための納屋屋根かさ12は、中央に配置された排気間隙12.1.1を有する透過性かさ12.1と、アルミニウム製Z形母屋12.3の下に配置されたアルミニウム支柱12.2と、アルミニウム耐暴風角部12.5を有するアルミ製風よけ12.4とを備えた。矢印12.6は、流れ方向2.5.1の空気流を示す。これを屋根材12.7に接続した。設置位置1w~1zでは、図1によるフィルタシステム1を備えた適切な寸法のラックフレーム10が組み込まれており、それを通じて空気流12.6が導かれた。結果として、浮遊物質2.3およびアンモニアなどの病毒性物質を含まない空気2.2.2のみが安定した屋根かさ12を通過した。
【0144】
これは、特に、例えば都市部にある動物園の畜舎にとって重要な利点であった。
【0145】
図17図18および図19
流体密アセンブリ13およびその使用
定在および/または変調された超音波および/またはそれらの高調波2.4.2を有するフィルタシステム1の特に空間的に可変な配置13を有するために、超音波用のエキサイタ/レシーバ2.4.1(図1参照)がそれぞれ設けられた流体密両側構成13が開発された。構成13は、例えば長さ40mmおよび直径20mmのポリプロピレンなどのプラスチック製の流れプロファイルを有する流体型カプセル13.2から構成された。カプセル3.2内には、回路基板13.1が配置され、その上に超音波源2.4.1がずれて配置された。超音波源2.4.1をシリコーン接着剤13.3で壁3.7に流体密に接着した。電気エネルギーが、カプセル式小型誘導充電式電源函13.6によって印加された。さらに、装置13は、その下端および上端に、上下吊り下げワイヤ13.4用の鳩目接続部を備えた。
【0146】
いくつかの構成13は、ベンチュリ支持板13.5.1で流路2.4内で互いに隣接して吊り下げられ、その結果、構成13の動作時、流れ方向2.5.1で見て下側の超音波源2.4.1は、互いの間で定在超音波2.4.2を放出し、流れ方向2.5.1で見て上側の超音波源2.4.1もまた、互いの間で定在超音波2.4.2を放出した。ベンチュリ支持板13.5から直接吊り下げられたこの構成13の下に、構成13の任意のさらなる列を吊り下げることができ、その結果、いわばキープ形状が得られた。下列の構成13は、下吊り下げワイヤ13.4を有する流体密格子に取り付けることができ、その結果、構成13の流路2.4内の空間位置は動作中に変化しなかった。
【0147】
ベンチュリ支持板13.5.1は、中央流体通路13.5.11を有するベンチュリ漏斗壁13.5.2を有した。フィルタ3をベンチュリ支持板13.5.1の上方に配置した。
【0148】
このようにして、2m以上の幅および3m以上の高さの流路2.4を有するフィルタシステム1を構築することができる。
【0149】
図20図21および図22
乾燥地域用の自立型型垂直抽水システム14
自立型垂直抽水システム14は、2mの長さおよび15mmの壁厚を有する垂直木製管14.1で構成され、同管14.1は、周方向さねはぎ圧入締結具14.19で互いに締結された2つの垂直管半体14.1.1から構成された。木製管14.1の2つの垂直管半体14.1.1の各々に、例えばセメント発泡体(不図示)で作られた断熱部を設けることができる。垂直管14.1は、木製周方向垂直煙突壁14.3によって、100mmの距離で囲まれていた。煙突壁14.3は、2つの垂直当接縁14.3.2に当接し、同様にさねはぎ圧入締結具14.19によって互いに結合された2つの垂直管半体14.3.3からなっていた。周方向煙突壁14.3は、接続支柱14.3.1によって木製管14.1に接続された。接続支柱14.3.1は、円形の輪郭を有しており、垂直の木製管14.1の壁および周囲の煙突壁14.3の対応する凹部にそれらを挿入することによって着脱可能であった。煙突壁14.3の外側に、縁部に当接しなければならない光起電力デバイス14.4を取り付けることもできる。この構成では、抽水システム14は、メンテナンスのために容易に分解することができる。周方向煙突壁14.3および木製管14.1の配置により、空気2.2が上方に流れる周方向煙突14.5が形成された。煙突壁14.3の下端を広げて続く周方向入口14.5.1を形成し、空気2.2の流れを促進した。煙突14.5は、煙突壁14.3を越えて突出し、したがって塵埃の進入を抑制する着脱可能な保護屋根14.6まで延びた。垂直木製管14.1は、着脱可能な保護屋根14.6の下300mmまで達した。このようにして形成された開口部は、周方向前置フィルタ14.7によって保護された。
【0150】
着脱可能な保護屋根14.6は、その外面に光起電力デバイス14.4を担持し、このデバイスは電源函14.18によって充電された。
【0151】
矢印2によって示される空気流2.2は、流路2.4内に吸引され、電源函14.18によって電気供給される電動機によって動作する水平配置ファン14.11によって下方に移動した。流路2.4には、図1によるフィルタシステム1を有する2つのラックフレーム10(この場合、円形の円周を有する。図13および図14を参照)が配置され、空気2.2.2の出口開口部3.3は下方を向いた。ラックフレーム10は、水平な周方向突出部14.8に載置された。この構成により、フィルタシステム1を有するラックフレーム10は、抽水システム14のメンテナンス中に問題なく取り外すことができる。図21の切断線EFに沿った横切断面により、および図22によるフィルタシステム14の接続領域の拡大図Vにより、構成が再度示されている。
【0152】
空気2.2中の水は、フィルタシステム1によって凝縮されて水滴14.13を形成し、これがポリプロピレン製のドリップ糸14.12に沿って集水容器14.14内に滴下され、そこで収集された。集水容器14.14は、円形孔を有するその支持リング14.15を用いて周方向保持リング14.10上に支持された。集水容器14.14の最下点には、アクチュエータ(不図示)によって制御される排水蛇口14.17を有する排水管14.16があった。水14.13を集水容器14.14内の水14.13の最大レベルに達するまで水道管14.17.1内に排出ように、適切な電子および機械アクチュエータを用いてドレイン水栓14.17を自動的に開くことができ、その後、ドレイン水栓14.17を再び自動的に閉じることができる。排水蛇口14.17のアクチュエータを制御するために、フロート14.23が水14.13の表面に載置されている。水14.13が十分に高く上昇したとき、フロート14.23は、出口14.17を開いたセンサおよびアクチュエータ14.22に接触した。
【0153】
集水容器14.14は、多孔板14.21上に保持され、その開口部は、乾燥空気2.2.2が多孔板14.21から流出することができるように支持リング14.15の開口部に流体接続された。集水容器14.14の配置は、グラスウール製の断熱部14.24によって囲まれていた。
【0154】
自立型垂直抽水システム14.14は、適切な保持デバイスにより、地面から離れた位置でロッドに吊り下げることができる。保持デバイスおよびロッド(不図示)は、砂嵐に耐えるように設計された。
【0155】
自立型垂直抽水システム14はまた、隣接する冷海流のために夜間に霧が形成されるアタカマ砂漠およびナミブ砂漠などの砂漠地域において連続的に清浄な飲料水を供給した。
【0156】
図23および図24 24
傾斜位置に設置された自立型水平抽水システム15
時に風(矢印W、風の主方向)のみによって作動される抽水システム15は、2mの長さを有し、図1によるフィルタシステム1の1m×1m×1mの箱形断面を有する容器15.1を備えた。これは、漏斗状の広がった収集開口15.4を有していた。本質的に水平に取り付けられたフィルタシステム1およびそれらの流路2.4は、石保護グリル15.5および前置フィルタ15.6によって保護されていた。抽水システム15全体は、支持板15.14上の持ち上げられた台座15.8により、下の地面Uからわずかに傾斜して取り付けられた。フィルタシステム1は、木製の5つの正方形の多孔板15.7内に滑り止めで保持された。多孔板14.17の縁を保持するために、凹部15.7.1が、頂部、底部、および一方の垂直側面(図24を参照)の壁15.1.1に設けられた。流路2.4内の風によって生成された流れは、電源函14.18によって供給される電動機によって動作される垂直に配置されたエアマルチプライア(ダイソン)15.2によって、増幅または無風状態から生成された。電源函14.18は、容器15.1の上部水平側の光起電デバイス14.4によって電気供給された。垂直ダイソン15.2の前で、テフロン(登録商標)製の排水糸15.9を接着取り付け具15.9.1に取り付けた。排水糸15.9は、排水管15.10、およびアクチュエータまたはセンサ14.22によって制御されるトレーニング蛇口14.17によってフィルタシステム1から出る凝縮水15.12を、二重壁(真空二重壁15.11.2)を有する断熱キャニスタ15.11に導いた。アクチュエータ14.22は、フロートガイド15.11.1により適切な位置に保持されたフロート14.23とセンサ14.22との接触によって起動された。また、二重壁キャニスタ15.11は、逆止弁(不図示)により均圧化された。
【0157】
容器15.1を通る切断線IJに沿った横切断面を示す図24を用いて、構成が再度示されている。各多孔板15.17は、5つのフィルタシステム1の4列を保持し、対応する凹部15.7.1に2つの水平側縁部および1つの垂直側縁部を設けて配置された。垂直な一側面において、容器15.1は、ハンドル15.13.1を有する水平方向に変位可能な垂直側壁15.13を有した。下側摺動縁15.13.3は、下側摺動プロファイル15.13.4内を移動した。結果として、水平方向に変位可能な垂直側壁15.13は、メンテナンス目的のために開くことができ、フィルタシステム1を有する多孔板15.7は、例えば交換することができる。
【0158】
自立型水平抽水システム15はまた、隣接する冷海流のために夜間に霧が形成されるアタカマ砂漠およびナミブ砂漠などの砂漠地域において連続的に清浄な飲料水を提供した。
【0159】
図25
耐空性が備わっているフィルタシステム1
図25の、駆動部を内蔵しない飛行体16は、飛行物体16.1として、駆動部を備えていない遠隔制御可能な長さ15mのヘリウム充填飛行船16.1を含んだ。流れ方向2.5.1で見て、それぞれ直径40cm、長さ1.5mの5つのフィルタシステム1と、直径1mの円形開口部を有する収集漏斗16.3と、吸引/ブロワとしてのエアマルチプライア(ダイソン)16.4と、前置フィルタ15.6と、デバイス2と、フィルタ3と、ベンチュリノズル3.4とを、吊下部16.5により飛行船16.1の下に吊り下げた。吊下部16.5は、飛行船16.1上のホルダ16.16に取り付けられたアクチュエータおよび回転モータ16.7を有する回転ロッド16.8に回転可能に接続された。
【0160】
飛行船16.1は、ラダー16.9と、電気サーボモータ16.12によって回転軸16.12.1を中心に回転可能な2つのエレベータ16.11とを有していた。さらに、飛行船16.1は、その下側に安定板16.10を有していた。
【0161】
フィルタシステム1を駆動装置として使用することもできる。
【0162】
フィルタシステム1のための電気エネルギー源として、放射性エネルギー源(不図示)を有する光起電力および熱電素子(TEE)によって再充電することができるバッテリ充電式バッテリおよび電源函を使用することができる。さらに、耐空性が備わっているフィルタシステム1は、旋回カメラおよびウェブカム(不図示)を装備することができる。
【0163】
耐空性が備わっているフィルタシステム1を使用して、浮遊物質2.3および毒性物質を含む大気2.2.を浄化した。これらは建物火災、山火事、泥炭火災、爆発、火山性爆発、原子炉事故および砂嵐で発生した。また、これらを使用して、成層圏までおよびその中の大気サンプルを収集することもできる。最後に、これらは放射性除染に使用することができる。
【0164】
フィルタ3は着陸後に交換することができ、その後、フィルタ3は規則に従って廃棄された。または、それは機械的に叩解および/または洗浄および乾燥させた後に再使用することができた。叩解および/または洗浄から生じた材料も規制に従って処分した。
【0165】
図26
耐空性が備わっているフィルタシステム1
各々が角度調整可能な電動機を駆動装置16.2.2として駆動される4つのプロペラを有する遠隔制御ドローン16.2が、駆動装置16.2を装備した飛行体として使用された。図25で述べたエネルギー源は、電動機16.2.2に使用することができる。電動機は、接続体としての剛性リンク機構16.2.3によって互いに接続された。フィルタシステム1は、接続支柱16.2.3で剛性リンク機構16.2.3に接続された剛性サスペンション16.5を用いて、図25に記載されているように剛性リンケージ16.5.1に取り付けられた。この場合、フィルタシステム1は、流路2.4を通る空気流2.2がドローン16.2の飛行速度によるものであるため、エアマルチプライア(ダイソン)16.4を有していなかった。中央制御装置およびウェブカメラ16.2.4を剛性リンク機構16.2.3の中央に配置した。
【0166】
図26の耐空性が備わっているフィルタシステム1の大きな利点は、ドローン16.2の意図される用途および耐荷重能力に応じて、異なるサイズのフィルタシステム1を使用できることであった。例えば、フィルタシステム1付きのドローン16.2は、崩壊のリスクが高い建物内に飛行し得る。
【0167】
図27
移動体に装着されたフィルタシステム1
例えば、図25と併せて図1によるフィルタシステム1を備えた遠隔制御ロボット車両17は、特に、崩壊の危険がある建物、焼損した建物および区域、爆発によって危険にさらされる区域、病毒性物質によって汚染された区域または放射性汚染区域または建物において、特に暗闇でのサンプル採取および除染に使用することができる。
【0168】
ロボット車両17は、個々に制御可能な電動機17.2によって駆動される個々のホイールサスペンション上に、個々に制御可能なバルーンホイール17.1を有した。独立した車輪サスペンションは、プラットフォーム17.3と共に移動可能であり、油圧ショックアブソーバにより振動なしで接続された。プラットフォーム17.3上には、コンピュータを有する制御デバイス17.4、フィルタシステム1のジョイント17.8を用いてX-Y-Z方向に移動可能な伸縮ロッド17.7用のエネルギー源およびアクチュエータ17.6と、同様にX-Y-Z方向に移動可能な6面ヘッドライトと、暗視ウェブカメラと、レーザ装置17.11とが設けられた。
【0169】
フィルタシステム1は、流れ方向2.5.1で見て、回収漏斗16.3と、多孔板9.6と、前置フィルタ15.6と、ダイソン16.4と、対応する貯蔵容器2.8.1を有するデバイス2.8を有するデバイス2とを有する。デバイス2.8により、400nm~500μmを超える粒径を有する粒子2.8 2.3.4を流路2.4に計量供給した。フィルタシステム1はまた、フィルタハウジング3.2内に、流れ方向2.5.1に前後に配置されたμm範囲からナノメートル範囲までの異なる分離効果を有するフィルタ3a~3eを有した。これに続いて、バージョンに応じて、分光器、ガスクロマトグラフ、ガイガーカウンタ、粒子測定デバイスおよび質量分析計を備えた分析ユニット17.10が設けられた。得られたデータは、可撓性データ線17.9を介してユニット17.4上の接続ストリップ17.9.1に伝送され、そこでコンピュータによって評価された。
【0170】
ユニット17.4は、2つの構成17.4.1を、それぞれ前方ヘッドライト、モバイルウェブカメラ、およびレーザ用の角に有していた。さらに、側面ヘッドライト、レーザ、および伸縮性ウェブカメラ、ならびに2つの対向するサイドライト17.4.3をそれぞれ有する2つの対向する構成17.4.2も有していた。進行方向に対して、逆方向ヘッドライト、レーザおよび伸縮性ウェブカメラを備えた2つの構成17.4.4も角に設置した。最後に、ユニット17.4は、前方下方ヘッドライトおよび前方伸縮ウェブカメラ17.4.5、ならびに対応する後方下方ヘッドライトおよび後方伸縮ウェブカメラ17.4.6を有した。
【0171】
可撓性伸長可能な把持部17.5と、X-Y-Z方向に移動可能なパラボラアンテナ17.12.1を有する送受信機17.12、およびデコーダおよびメモリ17.12.2もユニット17.4上に配置された。
【0172】
図28
振動なく取り付けられた図1のフィルタシステム1を備えた静電またはプレート静電集塵器
ワイヤ電極18.1、スプレー電極18.2および分離電極18.5、電気絶縁壁18.7、電気絶縁前置フィルタおよび電気絶縁多孔板18.8を備えた通常の既知の設計の静電デバイス18上に、図1によるフィルタシステム1が、油圧ショックアブソーバにより電気絶縁され、振動のない状態で設置された。静電デバイス18において、バイオマス加熱プラントの排気ガスG(黒矢印)の流れに乗って持ち込まれたダスト粒子が帯電し、ダスト層18.4(18.3参照)としての分離電極8.5上に堆積する。ダスト層18.4に十分な塵埃が蓄積された後、叩き機構18.6によって叩き落され、回収容器(不図示)内に落下した。
【0173】
しかしながら、ナノメートル範囲の塵埃、特に呼吸され得るナノ粒子は、静電デバイス18から逃げることが分かった。しかしながら、それらは、99.9%の有効性でフィルタシステム1内で捕捉することができ、その結果、浮遊物質2.3および病毒性物質を含まない空気2.2.2がシステムから離脱した。
【0174】
図29図29および図29図29A
低圧力降下のフィルタシステム1
浮遊物質2.3で汚染された空気2.2は、図1を参照して説明したように、5cmの純径間を有する50cmの長さの流管2.1に吸い込まれた。流管2.1は、閉鎖壁2.1.1内に対向配置された10対の圧電超音波エキサイタ2.4.1を有した。構成を図29aに示す。したがって、定在超音波2.4.2は、互いに対向する2つの超音波エキサイタ2.4.1の間に形成され、その共通波節2.4.4は、流管2.1の中心線上にある。このようにして、浮遊物質2.3が流れ方向2.5.1に輸送される流路2.4が形成された。このようにして、浮遊物質2.3の粒子が互いに押し付けられ、その結果、それらの粒径が増大し、流体2.2.1が形成された。横方向に配置された定在超音波2.4.2の最後の対向配置された二対の後の流れ方向2.5.1で見て、粒子2.3.4は、計量デバイス2.8によって貯蔵容器2.8.1から流路2.4に計量供給された。これにより、浮遊物質2.3の粒径が800nm~200μmに増加した。さらなる過程では、流れ方向2.5.1で見て、さらなる超音波エキサイタ2.4.1を、最後の二対の後方で、長さ10cmの管状の4cmの純径間を有する垂直分岐部2.1.8の入口開口部の上方中央に配置した。垂直接合部2.1.8を、流管2.1に平行な流管2.1.9の長さの半分の部分でフィルタ管2.1.9に流体接続した。フィルタ管2.1.9は、2つの出口チューブ3.10を有する2つの対向するHEPAフィルタと、その上に垂直に配置された超音波エキサイタ2.4.1に対応するさらなる超音波源2.4.2とを有した。これらの2つの超音波エキサイタ2.4.1の間に、いくつかの波節2.4.4を持つ定在超音波2.4.2およびそれらの定在高調波の重畳2.4.2Uが形成された。これにより、流体2.2.1に含まれる粒子2.3.4の99.9%が、流管2.1からフィルタ管2.1.9内に90°の角度で逸らされ、流体流2.2.1が分割され、フィルタ3を通って流れた。これらによりまた、粒子2.3.4が効率的に濾過され、流れ方向2.5.1で出口管3.10から出る空気流2.2.2中の特定の粒子数N/Vtは検出限界未満であった。
【0175】
流管2.1では、重畳2.4.2Uを通過した空気2.2.3は、出口管3.10を介して排出された。空気2.2.3における粒子2.3.4は、元の0.1%程度であった。
【0176】
図29および図29aによるフィルタシステム1は、大量の空気2.2を浄化することができるように、有利に圧力降下が低かった。
【0177】
図30および図30A
衝撃波発生器2.4.1Sを備えたフィルタシステム1
図30および図30aによるフィルタシステム1の流管2.1の構造は、図29および図29aによるフィルタシステムの流管2.1の構造に対応した。主な違いは、流れ方向2.5.1で見て、粒子2.3.4を流路2.4内に計量する計量デバイス2.8が、横方向に配置された最後の二対の定在超音波2.4.1の前に配置されたことである。これにより、流体中の粒子2.3.4が、電気油圧式衝撃波発生器2.4.2Sによって発生した衝撃波2.4.1Sに曝される前に、再び集束されることが可能になった。油圧式衝撃波発生器2.4.2Sは、閉鎖壁2.1.1内の衝撃波2.4.2Sの影響に対して強化されたフィルタ管2.1.10の入口開口部の上方の中央に締結された。衝撃波2.4.2Sにより、粒子2.3.4の99.99%は、元の流れ方向2.5.1に対して90°の角度で方向転換され、フィルタ管2.1.10内に入り、異なる分離効率を有する水平に配置された、フィルタ構成3a;3b;3c;3d上に送られる。フィルタ装置の分離効率は、最小粒径50μm(3a)、最小粒径1μm(3b)、最小粒径800nm(3c)から最小粒径400nm(3d)の範囲であった。フィルタ3を衝撃波2.4.1Sの影響から保護するために、フィルタ3は金属格子(不図示)を用いて固定された。
【0178】
濾過された空気2.2.2は出口3.10から出て、検出限界未満の特定の粒子数N/Vtの粒子2.3.4を含んでいた。衝撃波2.2.4Sによって洗浄され、第2の出口管3.10を介して出る流体2.4.2は、最初に存在する粒子2.3.4の0.01%のみが含まれていた。
【0179】
図31および図31
横方向超音波2.4.2Tを有するフィルタシステム1
長さ60cmの流管2.1内で、流れ方向2.5.1に閉鎖壁2.1.1の内側2.1.1.2で、一方側に横方向超音波2.4.2T用の6対の対向する音源2.4.1と、他方側の反射器2.4.3とが、前後に締結された。図31aは、切断線KLに沿った横切断面に基づくこの構成を示す。また、横方向超音波2.4.2T用のオフセット音源2.4.1を4組VKを前後に配置した。浮遊物質2.3を含む空気2.2は、流れ方向2.5.1に流管2.1を通って流れた。浮遊物質2.3は圧力ノード2.4.4に収集され、そこで凝集して集合した。したがって、800nm~2μmの粒径を有する粒子2.3.4は、99.99%の効率で粒子2.3.4を分離することができる媒体フィルタ3により、流体2.2.1をとなり、その結果、出口管3.10を通って出た流体2.2.2の粒子濃度は最大で0.01%であった。
【0180】
このフィルタシステム1の利点は、特に汚染された空気2.2、2.3を洗浄するのに適していることであった。
【0181】
図32および図32
横方向超音波2.4.2Tを有するフィルタシステム1
5cmの純径間を有する長さ60cmの流管2.1内に、流れ方向2.5.1で見て、横方向超音波2.4.2T用の12個の超音波エキサイタ2.4.1がそれぞれ4cmの距離で前後に配置された。図32aは、切断線MNに沿った横切断面に基づくこの構成を示す。この場合も、浮遊物質2.3は圧力ノード2.4.4に蓄積され、さらなる過程で凝集および集合し、その結果、粒子2.3.4を有する流体2.2.1が得られ、これは99.999%の効率でフィルタ構成3(最小濾過可能粒径1.5μm)、3b(最小濾過可能粒径800nm)および3c(最小濾過可能粒径400nm)によって分離された。
【0182】
このフィルタシステム1はまた、特に汚染された空気2.2、2.3の洗浄にも非常に適していた。
【0183】
図33
自立型フレッシュエアツリー19
重量を考慮して、フレッシュエアツリー19は、主に陽極酸化アルミニウムからなり、地面19.8の表面から5.5mの高さを有した。中空支持管19.7(「幹」)を取り囲む地面19.8に向かってわずかに傾斜した最大のディスク19.5.1は、葉緑に着色され、周囲の葉緑ドリップエッジ19.2および2mの直径を有していた。外周葉緑ドリップエッジ部19.2を有する追加の葉緑色のディスク19.5.1は、任意の所望のより小さい直径を有した。
【0184】
30cmの純径間の幹19.7は、樹皮構造を有する暗褐色の塗料を有し、地面19.8の領域19.7.1に2mの長さで固定された。幹高さ2.5mの後、清浄空気2.2の出口領域19.5は、密に嵌合する圧入締結具19.6で固定された。出口領域19.5は、上下に配置された6つのディスク19.5.1を有し、その間で浄化された空気2.2.2が垂直スロットから放出された。
【0185】
超音波エキサイタ2.4.1および定在超音波2.4.2ならびにフィルタ3b(最小濾過可能粒径、400nm)および3a(最小濾過可能粒径1μm)を備えたフィルタシステム1を、出口領域19.5上に交換可能に固定した(フィルタを交換するためのデバイスは不図示)。外観のために、3つのディスク19 5.1もフィルタシステム1の領域に上下に配置された。
【0186】
浮遊物質2.3を含む空気2.2のための吸気領域19.4は、フィルタシステム1の上方に配置された。空気2.2、2.3は、電動機によって作動されるファン7.4により、吸引開口部としてのモスキートネットによって保護された垂直スロットを通して吸引された。
【0187】
吸気領域19.4の上方には、電源函14.18に電気を供給する光起電力システム14.4が取り付けられた、円盤状の葉緑色カバー19.1が取り付けられている。
【0188】
フレッシュエアツリー19をより自然な印象とするために、暗褐色の枝構造をディスクに塗装またはエンボス加工することができる。
【0189】
自立型フレッシュエアツリーは、人出の多い広場および人出の多い道路に沿って設置、その領域に浄化された空気2.2.2を効率的に供給するのに理想的に適していた。
【0190】
図34
空気清浄機としての植木鉢
植木鉢20は、プラスチック製の鉢20.2を含み、そこでは、塊茎20.1.1および根20.1.2を有する植物20.1が植物土壌20.3に生えた。部位20.2は、根透過性基部を有し、これを通って根系20.1.2が流路2.4としての空洞に現れた。鉢20.2は、支持ピン20.4によりプラスチック製装飾植木鉢またはプランター20.5に保持された。これにより、プランター20.5の内部に断面半円状の支持ピン20.4.1を取り付け、鉢20.2の外部に取り付けられた断面円形状の対応する支持ピン20.4.2に係合させた。これにより、鉢20.2とプランター20.5の内部との間に、輪状のエアダクトが形成され、風路20.6が汚染された空気2.2、2.3を吸い込んだ。エアダクト20.6は、複数の超音波エキサイタ2.4.1を含み、これらは互いに対向するブラケット20.5.1によって固定され、それらの間に少なくとも2つの波節2.4.4を有する水平定在超音波2.4.2が形成された。その結果としての流体2.2.1を活性炭またはVOCフィルタ20.7を通して吸引し、揮発性有機化合物を除去した。活性炭フィルタ20.7の下方には、水平に取り付けられた入口管2.5.2が配置されており、これは搬送デバイス2.5としての電池式ファンに通じており、流体2.2.1を吸い込み、これを最小濾過可能粒径400nmのフィルタ3に搬送した。フィルタ3の背後で、浄化された空気2.2.2が出口管を通って周辺に放出された。
【0191】
植木鉢20は、そのサイズ、その色、およびその植物20.1に関して多様な変更が可能で、したがって、有利に空間的および装飾的条件に適合させることができる。さらに、大気から汚染物質を吸収し、より大量の酸素を環境に放出することができる植物20.1を使用することができる。これによって概して、部屋の空気の「緑による」浄化が実現した。
【0192】
図35
空気清浄機としての植木鉢
図35の植木鉢20は、図34の植木鉢と以下の点で異なる。即ち、水平フィルタシステム1がプランター20.5および鉢20.2によって形成された空洞内の根透過性基部20.2.1の下に取り付けられ、それによって空気2.2、2.3は、一方ではエアダクト20.6を通って、他方ではプランター20.5の開口部20.5.2を通って流れ、さらに活性炭フィルタ2.7を通って、搬送デバイス2.5としての通気装置により水平フィルタシステム1に吸い込まれた。予備洗浄された空気流2.2、2.3の粒径を600mm~1.5μmに増加させ、その後、粒子2.3.4を最小濾過可能粒径400nmのフィルタ3によって99.9%を超える効率で分離した。濾過された空気2.2.2は、出口管3.10を介して周辺に放出された。
【0193】
図35の植木鉢20は、図34の植木鉢20と同じ利点を有した。
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21-22】
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図29a
図30
図30a
図31
図31a
図32
図32a
図33
図34
図35
【国際調査報告】