(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】車両制御システム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20220112BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B60W30/10
G08G1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546477
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2019080188
(87)【国際公開番号】W WO2020094616
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518238850
【氏名又は名称】ヴィオニア スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】アデラム、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】テシア、ギル
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA12
3D241BA15
3D241BB27
3D241BB31
3D241CD03
3D241CE02
3D241CE05
3D241DC33Z
3D241DC35Z
3D241DC45Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC14
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
本開示は、主制御ユニット(2)と、少なくとも1つの環境パラメータを検出するように適合された少なくとも1つの環境検出センサ(3a、3b)と、通信ユニット(4)と、を備える、車両制御システム(1)に関する。車両制御システム(1)は、車線(12)を備える道路(6)上を走行する自車両(5)に適合されている。通信ユニット(4)は、結果として得られる以前の車両軌道(7)が判定されるように、道路上の以前の車両軌道の外部データを主制御ユニット(2)に供給するように適合されている。主制御ユニット(2)は、結果として得られる以前の車両軌道(7)及び少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて、安全軌道(8)を判定するように適合され、安全軌道(8)は、好ましい自車両軌道を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主制御ユニット(2)と、車線(12)の延長に関連する少なくとも1つの環境パラメータを検出するように適合された少なくとも1つの環境検出センサ(3a、3b)と、通信ユニット(4)と、を備える、車両制御システム(1)であって、前記車両制御システム(1)が、前記車線(12)を備える道路(6)上を走行する自車両(5)に適合され、前記通信ユニット(4)が、前記主制御ユニット(2)に、前記道路上の以前の車両軌道の外部データを供給するように適合され、そのため、結果として得られる以前の車両軌道(7)が判定され、前記主制御ユニット(2)が、前記結果として得られる以前の車両軌道(7)及び前記少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて、安全軌道(8)を判定するように適合され、前記安全軌道(8)が、好ましい自車両軌道を構成することを特徴とする、車両制御システム(1)。
【請求項2】
環境パラメータが、前記車線を取り囲む地形、道路境界、及び路面のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の車両制御システム(1)。
【請求項3】
環境検出センサ(3a)が、車線(12)の道路境界標示(10、11)を検出するように適合され、前記道路境界標示(10、11)が、検出された環境パラメータを構成し、前記主制御ユニット(2)が、前記道路境界標示(10、11)から前記車線(12)の理論中心線(13)を判定するように、かつ前記結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも前記理論中心線(13)に基づいて前記安全軌道(8)を判定するように適合されている、請求項1又は2に記載の車両制御システム(1)。
【請求項4】
前記主制御ユニット(2)が、前記理論中心線(13)よりも短い距離をカーブ(14)を通って走るように、前記安全軌道(8)を判定するように適合されている、請求項3に記載の車両制御システム(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの環境検出センサ(3a、3b)が、前記道路(6)上の、又は前記道路(6)脇の物体を検出するように適合され、主制御ユニット(2)が、
検出された対向車両(9、15、22)、
交差点(16)における検出された、閉塞された視界、
前記道路(6)における検出された障害物(17)、
前記道路(6)の側で検出された傾斜(18)、
外側道路境界標示(11)と道路境界線(19)との間の距離(B)、のうちのいずれか1つに応じて、前記安全軌道(8)を判定するように適合されている、請求項3又は4に記載の車両制御システム(1)。
【請求項6】
前記主制御ユニット(2)が、車両中心から最も近い道路境界標示(11)までの特定の距離(D)が存在するように、前記安全軌道を判定するように適合されている、請求項3~5のいずれか一項に記載の車両制御システム(1)。
【請求項7】
前記主制御ユニット(2)が、前記結果として得られる以前の車両軌道(7)を判定するときに、特定の以前の車両軌道が破棄されるように、以前の車両軌道の前記外部データについて統計解析を実行するように適合されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の車両制御システム(1)。
【請求項8】
前記主制御ユニット(2)が、前記安全軌道(8)の前記判定のためにマップユニット(20)からマップデータを取得するように適合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の車両制御システム(1)。
【請求項9】
前記車両制御システム(1)が、前記安全軌道(8)に沿って移動するように前記自車両(5)を制御するように適合された運転者支援ユニット(21)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の車両制御システム(1)。
【請求項10】
車線(12)を備える道路(6)上を走行する自車両(5)において使用される車両制御システム(1)のための方法であって、前記方法が、
前記道路上の以前の車両軌道に関連する外部データを取得し、結果として得られる以前の車両軌道(7)を判定すること(S10)と、
車線(12)の延長に関連する少なくとも1つの環境パラメータを検出すること(S20)と、
前記結果として得られる以前の車両軌道(7)及び前記少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて、安全軌道(8)を判定することであって、前記安全軌道(8)が、好ましい自車両軌道を構成する、判定すること(S30)と、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
環境パラメータが、前記車線を取り囲む地形、道路境界、路面のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、
道路境界標示(10、11)が検出された環境パラメータを構成する、車線(12)の道路境界標示(10、11)を検出すること(S201)と、
前記道路境界標示(10、11)から、前記車線(12)の理論中心線(13)を判定すること(S301)と、
前記結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも前記理論中心線(13)に基づいて、前記安全軌道(8)を判定すること(S302)と、を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、前記理論中心線(13)よりも短い距離をカーブ(14)を通って走るように、前記安全軌道(8)を判定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの環境検出センサ(3a、3b)が、前記道路(6)上の、又は前記道路(6)脇の物体を検出するために使用され、前記方法が、
検出された対向車両(9、15、22)、
交差点(16)における検出された、閉塞された視界、
前記道路(6)における検出された障害物(17)、
前記道路(6)の側で検出された傾斜(18)、
外側道路境界標示(11)と道路境界(19)との間の距離(B)、のうちのいずれか1つに応じて、前記安全軌道(8)を判定すること、を含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記安全軌道(8)に沿って移動するように前記自車両(5)を制御することを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、主制御ユニットと、少なくとも1つの環境パラメータを検出するように適合された少なくとも1つの環境検出センサと、通信ユニットと、を備える、車両制御システムに関する。車両制御システムは、道路上を走行する自車両に適合されている。
【背景技術】
【0002】
多くの車両環境検出システムは、例えば、レーダセンサ、LIDARセンサ、カメラデバイス、及び超音波センサなどの1つ以上のセンサを備える。これらは、安全構成のために、並びに運転者支援システムのために使用されるデータを収集するために使用される。
【0003】
車線は、伝統的に、標準的な道路形状及び安全要件に従って道路上に塗装され、それ自体の解釈を有する人間の運転者によって使用されるように作製された道路標示によって、画定される。多くの場合、これらの車線は、車両によって必要とされるよりも大きな空間を提供し、したがって、例えば交差点で、又はカーブにおいて、異なる可能な軌道を提供することができ、運転者によって知覚される道路側環境を必ずしも考慮する必要はない。
【0004】
この理由により、実際の車両軌道は、運転者によって行われる決定であり、典型的には、道路標示によって制限されるように車線内の純粋な中心に追従することはない。自動車両又は自動車線追従機能の場合、車両は、ロボットのようにではなく、人間のように挙動することが望ましい場合がある。これは、車両が、その車線に追従するために、理論中心車線よりも多くを理解し、考慮する必要があることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、以前に知られているよりも人間らしい方法で本状況に適応する任意のタイプの支援運転を可能にするように適合されている車両制御システムを有することが望ましい。
【0006】
本開示の目的は、このような車両制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、主制御ユニットと、車線の延長に関連する少なくとも1つの環境パラメータを検出するように適合された少なくとも1つの環境検出センサと、通信ユニットと、を備える車両制御システムによって取得される。車両制御システムは、車線を備える道路上を走行する自車両に適合されている。通信ユニットは、結果として得られる以前の車両軌道が判定されるように、道路上の以前の車両軌道の外部データを主制御ユニットに供給するように適合されている。主制御ユニットは、結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて、安全軌道を判定するように適合され、安全軌道は、好ましい自車両軌道を構成する。
【0008】
これにより、安全リスクを最小限に抑えるために、最良の可能な安全限界を施行しながら、魅力的な「人間のような」体験を可能にする。
【0009】
いくつかの態様によれば、環境パラメータは、車線を取り囲む地形、道路境界、及び路面のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
このようにして、安全軌道を判定するために、多くのパラメータのうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0011】
いくつかの態様によれば、環境検出センサは、道路境界標示が検出された環境パラメータを構成する、車線の道路境界標示を検出するように適合されている。主制御ユニットは、道路境界標示から車線の理論中心線を判定し、結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも理論中心線に基づいて、安全軌道を判定するように適合されている。
【0012】
このようにして、安全軌道を判定するために、理論中心線を使用することができ、安全性を向上させることができる。
【0013】
いくつかの態様によれば、主制御ユニットは、理論中心線よりも短い距離をカーブを通って走るように、安全軌道を判定するように適合されている。
【0014】
このようにして、安全軌道をカーブに適合させることができる。
【0015】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つの環境検出センサは、道路上の、又は道路脇の物体を検出するように適合されている。主制御ユニットは、検出された対向車両、交差点において検出された、閉塞された視界、道路において検出された障害物、道路の側で検出された傾斜、外側道路境界標示と道路境界との間の距離、のうちのいずれか1つに応じて、安全軌道を判定するように適合されている。
【0016】
このようにして、安全軌道を判定するために、多くのパラメータのうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0017】
いくつかの態様によれば、主制御ユニットは、車両中心から最も近い道路境界標示まで特定の距離が存在するように、安全軌道を判定するように適合されている。
【0018】
これは、安全軌道を判定するための更に別のパラメータを提供する。
【0019】
いくつかの態様によれば、主制御ユニットは、結果として得られる以前の車両軌道を判定するときに特定の以前の車両軌道が破棄されるように、以前の車両軌道の外部データについて統計解析を実行するように適合されている。
【0020】
このようにして、例えば、誤運転、及び/又は速度違反、及び/又は事故に関わる車両並びに高速運転緊急車両は、安全軌道を判定するときに破棄され得る。
【0021】
いくつかの態様によれば、主制御ユニットは、安全軌道を判定するためにマップユニットからマップデータを取得するように適合されている。
【0022】
これは、安全軌道を判定するための補助データを提供する。
【0023】
いくつかの態様によれば、車両制御システムは、安全軌道に沿って移動するように自車両を制御するように適合された運転者支援ユニットを備える。
【0024】
このようにして、自動運転のために安全軌道を使用することができる。
【0025】
本開示はまた、上記の利点に関連する方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図4】車両制御システムの簡略化された概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、車両5が車両制御システム1を備える、道路6上の車線12において走るように構成された自車両5の上面図を概略的に示す。車両制御システム1は、主制御ユニット2と、2つの環境検出センサ3a、3bと、通信ユニット4と、を備える。環境検出センサ3a、3bは、車線12の延長に関連する少なくとも1つの環境パラメータを検出するように適合されている。
【0028】
本開示によれば、通信ユニット4は、以前の車両のクラウドソース軌道の統計解析を使用することによって計算されて、結果として得られる以前の車両軌道7が判定されるように、道路6上の以前の車両軌道の外部データを主制御ユニット2に供給するように適合されている。
【0029】
主制御ユニット2は、結果として得られる以前の車両軌道7及び少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて、安全軌道8を判定するように適合され、安全軌道8は、好ましい自車両軌道を構成する。
【0030】
この例では、カメラビジョンシステムから構成されている第1の環境検知センサ3aと、レーダシステムで構成されている第2の環境検出センサ3bと、が存在する。
【0031】
いくつかの態様によれば、第1の環境検知センサ3aは、道路境界標示10、11が検出された環境パラメータを構成する、車線12の道路境界標示10、11を検出するように適合されている。
【0032】
いくつかの態様によれば、第1の環境検出センサ3aは、道路の横方向延長が終端し、道路境界が外側道路境界標示11の外側にある、物理的道路境界13を検出するように適合されている。いくつかの態様によれば、外側道路境界標示11と道路境界線19との間の距離Bが判定される。この距離Bは、道路境界線19の特性に起因して変化し得る。いくつかの態様による外側道路境界標示11が存在しない場合、道路境界線19のみが判定される。
【0033】
このようにして、道路境界標示10、11及び/又は道路境界形状12が特定され、計算される。主制御ユニット2は、結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも道路境界標示10、11並びに/又は道路境界形状12に基づいて、安全軌道8を判定するように適合されている。
【0034】
主制御ユニット2は、いくつかの更なる態様によれば、道路境界標示10、11から車線12の理論中心線13を判定するように、かつ結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも理論中心線13に基づいて、安全軌道8を判定するように適合されている。いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、車両中心から最も近い道路境界標示11まで特定の距離Dが存在するように、安全軌道を判定するように適合されている。
【0035】
本開示により、車線12を使用する最良の方法を理解するために、同時に以前の運転を考慮しながら、グラウンドトゥルース要素に基づいて最も安全な軌道を提供することが意図されている安全軌道8が判定される。
【0036】
このようにして、安全リスクを最小限に抑えるために最良の可能な安全限界を施行しながら、「人間のような」体験が達成される。使用されるマージアルゴリズムは、横加速度の特定の範囲に基づいて、快適性の変動を提供するためにパラメータ化される。データに基づいて、乗員によって知覚される安全な運転の感覚に影響を与えることが可能である。例えば、
-車両に利用可能な距離が、固定された障害物と移動する障害物との間の距離が特定の閾値よりも低いときに、車両速度を低下させること。
-道路側障害物に接近しすぎることを回避するために軌道を変更すること、このような障壁を回避すること。
-幅広の運転可能な路側領域が存在するときに、道路のより右側に運転すること。
【0037】
いくつかの態様によれば、本開示は、独立して、車線16のグラウンドトゥルース情報、道路形状及び環境、並びにその車線16上の以前の人間の挙動を独立して記録することに関する。グラウンドトゥルースデータから導出された理論中心車線情報は、実際の以前の車両軌道7のクラウドソーシングから導出された人間の挙動情報とマージされ、交通情報から導出された動的環境情報に基づいてその結果を調整する。
【0038】
環境検出センサ3a、3bは、道路6上の、又は道路6脇の物体を検出するように適合され、主制御ユニット2は、いくつかの態様によれば、更に、検出された対向車両9、道路6において検出された障害物17、及び/又は道路6の側で検出された傾斜18のうちのいずれか1つによって構成された、検出された環境パラメータに応じて、安全軌道8を判定するように適合されている。道路内の障害物17は、警告コーン、警告三角形、警告灯若しくは同様の物体、又は道路への損傷のいずれかであり得る。
【0039】
図2に示すように、
図1と同様の図があるが、ここでは、自車両5は、カーブ14において走る道路6上を走行する。またここで、理論中心線13は上述のように判定され、いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、理論中心線13よりも短い距離をカーブ14を通って走るように、安全軌道8を判定するように適合されている。結果として得られる以前の車両軌道7は、
図2に示すように、更に短い距離を走ることができるが、安全軌道8は、例えば、対向車両15などの他の要因に適合されている。
【0040】
図3に示すように、自車両5は、接続道路部分24を含む道路交差点16を通過する道路6上を走行し、物体23は、交差点16において視界を閉塞する。ここで、結果として得られる以前の車両軌道7は、恐らく、車両が接続道路部分24に接近しているかどうかを運転者が見ることを防げる物体23に起因して、道路交差点16で接続道路部分24から離れて走ることが分かる。
【0041】
前述したように、環境検出センサ3a、3bは、道路6上の、又は道路6脇の物体を検出するように適合され、このような検出された物体を考慮すると、主制御ユニット2は、いくつかの態様によれば、交差点16において検出された、閉塞された視界を考慮して、かつ、例えば、対向車両22などの他の要因を考慮して、安全軌道8を判定するように適合されている。これは、
図3において、安全軌道8が、判定された理論中心線13と、結果として得られる以前の車両軌道7との間を走ることを示す。
【0042】
安全軌道8を判定するために、任意の種類の検出された環境パラメータを、結果として得られる以前の車両軌道7と共に使用することができる。他の環境パラメータは、いくつかの態様によれば、車線を取り囲む地形、道路境界、及び路面のうちの少なくとも1つを含むことができる。このような環境パラメータは、環境検出センサ3a、3bによって検出することができる。
【0043】
いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、以前の車両軌道の外部データについて統計解析を行うように適合されている。このようにして、結果として得られる以前の車両軌道7を判定するときに、特定の以前の車両軌道が破棄される。このような特定の以前の車両軌道は、事故又は制御されていない運転に関与する車両を含む可能性があり、車両は、遮る警察車両及びアルコールなどの影響を受けている運転者などの異常な方法において制御される。
【0044】
図4では、車両制御システム1の例が示されており、主制御ユニット2と、少なくとも1つの環境検出センサ3a、3bと、通信ユニット4と、を備える。いくつかの態様によれば、車両制御システム1は、例えば、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)ユニットなどのマップユニット20を備え、主制御ユニット2は、安全軌道8を判定するためにマップユニット20からマップデータを取得するように適合されている。
【0045】
いくつかの態様によれば、車両制御システム1は、安全軌道8に沿って移動するように自車両5を制御するように適合された運転者支援ユニット21を備える。
【0046】
図5を参照すると、本開示は、車線12を備える道路6上を走行する自車両5において使用される車両制御システム1のための方法に関する。この方法は、道路上の以前の車両軌道に関連する外部データを取得し、結果として得られる以前の車両軌道7を判定すること(S10)を含む。この方法は、車線12の延長に関連する少なくとも1つの環境パラメータを検出すること(S20)と、結果として得られる以前の車両軌道7及び少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて、安全軌道8を判定すること(S30)と、を更に含む。安全軌道8は、好ましい自車両軌道を構成する。
【0047】
いくつかの態様によれば、環境パラメータは、車線を取り囲む地形、道路境界、及び路面のうちの少なくとも1つを含む。
【0048】
いくつかの態様によれば、この方法は、道路境界標示10、11が検出された環境パラメータを構成する車線12の道路境界標示10、11を検出すること(S201)を含む。この方法は、道路境界標示10、11から車線12の理論中心線13を判定すること(S301)と、結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも理論中心線13に基づいて、安全軌道8を判定すること(S302)と、を更に含む。
【0049】
いくつかの態様によれば、この方法は、理論中心線13よりも短い距離をカーブ14を通って走るように、安全軌道8を判定することを含む。
【0050】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つの環境検出センサ3a、3bは、道路6上の、又は道路6脇の物体を検出するために使用され、この方法は、
検出された対向車両9、15、22、
交差点16において検出された、閉塞された視界、
道路6において検出された障害物17、
道路6の側で検出された傾斜18、
外側道路境界標示11と道路境界19との間の距離B、
のうちのいずれか1つに応じて、安全軌道8を判定することを含む。
【0051】
いくつかの態様によれば、この方法は、安全軌道8に沿って移動するように、自車両5を制御することを含む。
【0052】
図6は、本開示の態様による主制御ユニット2を概略的に示す。上記の方法及び技術は、ハードウェアで実現され得ることが理解される。次に、このハードウェアは、上述したように、同じ利点及び効果が得られる方法を実行するように構成される。
【0053】
処理回路610は、コンピュータプログラム製品に記憶されたソフトウェア命令を、例えば、記憶媒体630の形態で実行することができる好適な中央処理装置(central processing unit、CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)などのうちの1つ以上の任意の組み合わせを使用して提供される。処理回路610は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として更に提供されてもよい。
【0054】
特に、処理回路610は、分類ユニットに、一連の動作又はステップを実行させるように構成される。例えば、記憶媒体630は一連の動作を記憶することができ、処理回路610は、記憶媒体630から一連の動作を検索して分類ユニットに一連の動作を実行させるように構成することができる。動作のセットは、実行可能命令のセットとして提供されてもよい。したがって、処理回路610は、本明細書に開示される方法を実行するように構成される。
【0055】
記憶媒体630はまた、例えば、磁気メモリ、光学メモリ、固体メモリ、又は遠隔搭載メモリの任意の単一のもの又はその組み合わせであり得る永続的ストレージを備え得る。
【0056】
主制御ユニット2は、環境検出センサ3a、3b及び通信ユニット4などの少なくとも1つの外部デバイスとの通信のための通信インターフェース620を更に備えてもよい。したがって、通信インターフェース620は、アナログ及びデジタル構成要素、並びに有線又は無線通信のための好適な数のポートを備える、1つ以上の送信機及び受信機を備えてもよい。
【0057】
処理回路610は、例えばデータ及び制御信号を通信インターフェース620及び記憶媒体630に送信することにより、通信インターフェース620からデータとレポートを受信することにより、及び記憶媒体630からデータ及び命令を取得することにより、ユニットの一般的な動作を制御する。本明細書で提示される概念を不明瞭にしないために、ユニットの他の構成要素、及び関連する機能は省略されている。
【0058】
本開示は、上記の例に限定されず、添付の特許請求の範囲内で自由に変化し得る。例えば、少なくとも1つの環境検出センサが存在し、環境検出センサ3a、3bは、カメラ、レーダ、Lidar(光検出及び測距)、V2X通信、超音波などの任意の好適な技術に基づくことができる。
【0059】
いくつかの態様によれば、本開示は、仮想車線逸脱警告(Virtual Lane Departure Warning、VLDW)に使用される。これは、取得された安全軌道が、車両が車線の外側にドリフトする場合に、運転者に警告するようにヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface、HMI)システムをトリガすることができる手動運転車両によって使用することができることを意味する。誤警告を低減するために、システムは、交差路で、又は運転者が方向指示器を使用する場合には、起動されるべきではない。これにより、車線逸脱警告(Lane Departure Warning、LDW)のようなシステムの利益を増加させ、そうでなければ、システムが可視車線標示を検出できるときにのみ機能する。
【0060】
いくつかの態様によれば、安全軌道8は、例えば、車種及び目標とする顧客に関して求められる、より安全な又はよりスポーツ的な経験を提供するようにカスタマイズすることができる。
【0061】
一般に、本開示はまた、主制御ユニット2と、車線12の延長に関連する少なくとも1つの環境パラメータを検出するように適合された少なくとも1つの環境検出センサ3a、3bと、通信ユニット4と、を備える車両制御システム1に関する。車両制御システム1は、車線12を備える道路6上を走行する自車両5に適合されている。通信ユニット4は、結果として得られる以前の車両軌道7が判定されるように、道路上の以前の車両軌道の外部データを主制御ユニット2に供給するように適合されている。主制御ユニット2は、結果として得られる以前の車両軌道7及び少なくとも1つの検出された環境パラメータに基づいて安全軌道8を判定するように適合され、安全軌道8は、好ましい自車両軌道を構成する。
【0062】
いくつかの態様によれば、環境パラメータは、車線を取り囲む地形、道路境界、
及び路面のうちの少なくとも1つを含む。
【0063】
いくつかの態様によれば、環境検出センサ3aは、道路境界標示10、11が検出された環境パラメータを構成する車線12の道路境界標示10、11を検出するように適合されている。主制御ユニット2は、道路境界標示10、11から車線12の理論中心線13を判定し、結果として得られる以前の車両軌道及び少なくとも理論中心線13に基づいて、安全軌道8を判定するように適合されている。
【0064】
いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、理論中心線13よりも短い距離をカーブ14を通って走るように、安全軌道8を判定するように適合されている。
【0065】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つの環境検出センサ3a、3bは、道路6上の、又は道路6脇の物体を検出するように適合され、主制御ユニット2は、
検出された対向車両9、15、22、
交差点16において検出された、閉塞された視界、
道路6において検出された障害物17、
道路6の側で検出された傾斜18、
外側道路境界標示11と道路境界線19との間の距離B、のうちのいずれか1つに応じて、安全軌道8を判定するように適合されている。
【0066】
いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、車両中心から最も近い道路境界標示11まで特定の距離Dが存在するように、安全軌道を判定するように適合されている。
【0067】
いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、結果として得られる以前の車両軌道7を判定するときに特定の以前の車両軌道が破棄されるように、以前の車両軌道の外部データについて統計解析を実行するように適合されている。
【0068】
いくつかの態様によれば、主制御ユニット2は、安全軌道8を判定するためにマップユニット20からマップデータを取得するように適合されている。
【0069】
いくつかの態様によれば、車両制御システム1は、安全軌道8に沿って移動するように自車両5を制御するように適合された運転者支援ユニット21を備える。
【国際調査報告】