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特表2022-508976化学吸着剤を利用した吸着ガス分離プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】化学吸着剤を利用した吸着ガス分離プロセス
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/02 20060101AFI20220112BHJP
   B01J 20/22 20060101ALI20220112BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20220112BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20220112BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20220112BHJP
   B01D 53/83 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B01D53/02 ZAB
B01J20/22 A
B01J20/34 F
B01D53/14 100
B01D53/62
B01D53/83
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547608
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 CA2019051536
(87)【国際公開番号】W WO2020087167
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/752,836
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521176673
【氏名又は名称】スヴァンテ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キアヴィ,ソエイル
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
4D020
4G066
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002AA09
4D002AA12
4D002AA28
4D002BA03
4D002CA05
4D002DA31
4D002EA08
4D002HA08
4D012BA01
4D012CA01
4D012CA03
4D012CA11
4D012CA15
4D012CA16
4D012CA20
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4D012CD01
4D012CD07
4D012CD10
4D012CG01
4D012CG03
4D012CK01
4D012CK02
4D020AA03
4D020AA05
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4D020BB07
4D020BC01
4D020BC02
4D020BC10
4D020CA05
4D020CC09
4G066AA22C
4G066AB13B
4G066AB24C
4G066AC11C
4G066BA22
4G066CA23
4G066CA28
4G066CA35
4G066CA45
4G066DA01
4G066DA02
4G066DA03
4G066GA06
(57)【要約】
化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤を利用した吸着ガス分離プロセスが、第1の成分を多成分流体混合物から分離するため、または具体的には二酸化炭素を燃焼ガスストリームから分離するために提供される。吸着ガス分離プロセスは吸着ステップを含む。吸着ステップの第1のピリオド中に、第1の生成ストリームにおける第1の部分は回収され、窒素成分などの第2の成分を備える。吸着ステップの第2のピリオド中に、第1の生成ストリームにおける第2の部分は回収され、水成分などの第3の成分を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有した供給ストリームの成分を分離するための、吸着ガス分離プロセスであって、
前記供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させることと、
前記供給ストリームの前記第1の成分を、前記吸着剤に吸着することと、
第1の生成ストリームの第1の部分を生成することと、
前記第1の生成ストリームの第2の部分を生成することと、
前記第1の成分を前記吸着剤から脱着するために、第1の再生ストリームを前記吸着剤に沿って通過させることと、
少なくとも前記第1の成分を含有した第2の生成ストリームを生成することと、
を含み、
前記第1の生成ストリームの、前記第1の部分の一部、前記第2の成分、前記第2の部分の一部、前記第2の成分、または前記第3の成分、のうち少なくとも1つを回収することのうち少なくとも1つをさらに含む、吸着ガス分離プロセス。
【請求項2】
前記第1の生成ストリームの、前記第1の部分及び/または前記第2の成分を、前記供給ストリームの少なくとも一部及び/または前記第1の再生ストリームとして利用することと、前記第1の生成ストリームの、前記第2の部分、前記第2の成分、及び/または前記第3の成分を、前記第1の再生ストリームの少なくとも一部として利用することと、のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項3】
前記第1の成分及び/または前記第3の成分を、前記吸着剤から脱着するために、第2の再生ストリームを、前記吸着剤に沿って通過させることと、
前記第1の生成ストリームの、前記第1の部分の少なくとも一部及び/または前記第2の成分を回収して、前記第1の生成ストリームの、前記第1の部分及び/または前記第2の成分を、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として利用すること、ならびに前記第1の生成ストリームの、前記第2の部分の少なくとも一部、前記第2の成分、及び/または前記第3の成分を回収して、前記第1の生成ストリームの、前記第2の部分、前記第2の成分、及び/または前記第3の成分を、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として利用すること、のうち少なくとも1つと、
をさらに含む、請求項1に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項4】
前記第1の生成ストリームの、第3の部分を生成することと、前記第1の生成ストリームの、前記第3の部分の少なくとも一部及び/または前記第1の成分を回収することと、前記第1の生成ストリームの、前記第3の部分の少なくとも一部及び/または前記第1の成分を、前記第1の再生ストリームの少なくとも一部、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部、及び/または前記供給ストリームの一部として利用することと、をさらに含む、請求項1、2、または3に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項5】
少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有した供給ストリームの成分を分離するための、吸着ガス分離プロセスであって、
前記供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させることと、
前記供給ストリームの前記第1の成分を、前記吸着剤に吸着することと、
少なくとも前記第2の成分及び前記第3の成分を含有した、第1の生成ストリームを生成することと、
前記第1の成分を前記吸着剤から脱着するために、第1の再生ストリームを前記吸着剤に沿って通過させることと、
少なくとも前記第1の成分を含有した、第2の生成ストリームを生成することと、
を含み、
前記第1の生成ストリームにおける前記第3の成分は、前記第1の生成ストリームから回収される、吸着ガス分離プロセス。
【請求項6】
前記第1の成分が、少なくとも1つの前記吸着剤に沿って通過させられたとき、前記第1の成分は、前記吸着剤に吸着されて、前記吸着剤に吸着された任意の第3の成分を脱着するのを補助し、前記吸着された第3の成分は、前記第1の生成ストリームの一部を形成する、請求項5に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項7】
前記第3の成分が、少なくとも1つの前記吸着剤に沿って通過させられたとき、前記第3の成分は、前記吸着剤に吸着されて、前記吸着剤に吸着された任意の第1の成分を脱着するのを補助し、前記吸着された第1の成分は、前記第2の生成ストリームの一部を形成する、請求項5に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項8】
前記第1の再生ストリームを通過させることは、前記第3の成分を備えた前記第1の再生ストリームを通過させることをさらに含む、請求項5に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項9】
前記第1の再生ストリームを通過させることは、前記第1の再生ストリームにおける凝縮温度以上の温度で、前記第1の再生ストリームを通過させることをさらに含む、請求項8に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項10】
前記第1の再生ストリームを通過させることは、前記第1の成分を追加的に備えた前記第1の再生ストリームを通過させることをさらに含む、請求項8または9に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項11】
前記第1の生成ストリームにおける第1の成分を回収することと、前記第1の生成ストリームにおける前記第1の成分を、前記第1の再生ストリームの少なくとも一部として再循環させることと、をさらに含む、請求項10に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項12】
前記第1の生成ストリームにおける前記第3の成分を、前記第1の再生ストリームの少なくとも一部として再循環させることをさらに含む、請求項5、8、または9に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項13】
前記吸着剤から、前記第1の成分及び前記第3の成分のうち少なくとも一方を脱着して、第3の生成ストリームを生成するために、第2の再生ストリームを前記吸着剤に沿って通過させることをさらに含む、請求項5に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項14】
前記第1の生成ストリームにおける第1の部分を回収することと、前記第1の生成ストリームにおける前記第1の部分を、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として再循環させることと、をさらに含む、請求項13に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項15】
前記第1の生成ストリームにおける第2の部分を回収することと、前記第1の生成ストリームにおける前記第2の部分を、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として再循環させることと、をさらに含む、請求項13または14に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項16】
前記第1の生成ストリームから第2の成分を回収することと、前記第1の生成ストリームから前記第2の成分を、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として再循環させることと、をさらに含む、請求項13に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項17】
前記第1の生成ストリームにおける前記第3の成分を、前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として再循環させることをさらに含む、請求項13または14に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項18】
第1のピリオド中に、前記第1の生成ストリームから前記第2の成分を回収することをさらに含む、請求項5または16に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項19】
第2のピリオド中に、前記第1の生成ストリームにおける前記第3の成分を回収することをさらに含む、請求項5、12、または17に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項20】
第3のピリオド中に、前記第1の生成ストリームにおける前記第第1の成分を回収することをさらに含む、請求項11に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項21】
少なくとも1つの前記吸着剤は、化学吸着剤、アミンを添加した吸着剤、アミングラフトシリカ、アミン含浸メソポーラスシリカ、アルキルアミン含浸多孔質吸着剤、アミン官能化多孔質ナノポリマー、アミン官能化有機骨格、アミン官能化金属有機骨格、アミンテザー多孔質ポリマー、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項5、6、7、または13のうちいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項22】
前記第1の成分は、酸性ガスまたは二酸化炭素である、請求項5、6、7、10、11、13、または20のうちいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項23】
前記第2の成分は、不活性成分または窒素である、請求項5、16、または18のうちいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項24】
前記第3の成分は、水、溶剤、または凝縮性流体である、請求項5、6、7、8、12、13、17、または19のうちいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項25】
少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有した供給ストリームの成分を分離するための、吸着ガス分離プロセスであって、
前記供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させることと、
前記第1の成分を少なくとも1つの前記吸着剤に吸着することと、
少なくとも前記第2の成分及び前記第3の成分を含有した、第1の生成ストリームを生成することと、
第1の再生ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させることと、
前記第1の成分を少なくとも1つの前記吸着剤から脱着することと、
脱着された前記第1の成分を回収することと、
を含み、
前記供給ストリームにおける前記第3の成分の流量に対する、前記第1の生成ストリームにおける前記第3の成分の流量の比率は、第1のピリオド中よりも第2のピリオド中の方が相対的に大きい、吸着ガス分離プロセス。
【請求項26】
第2のピリオド中に、前記第1の生成ストリームにおける前記第3の成分を回収することをさらに含む、請求項25に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項27】
回収した前記第3の成分の少なくとも一部を、前記第1の再生ストリームの少なくとも一部として利用するために、再循環させることをさらに含む、請求項26に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項28】
前記第1のピリオド中に、前記第2の成分を前記第1の生成ストリームから回収することをさらに含み、前記供給ストリームにおける前記第2の成分の流量に対する、前記第1の生成ストリームにおける前記第2の成分の流量の比率は、前記第2のピリオド中よりも前記第1のピリオド中の方が相対的に大きい、請求項25に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項29】
少なくとも1つの前記吸着剤から、前記第1の成分及び前記第3の成分のうち少なくとも一方を脱着するために、第2の再生ストリームを通過させることをさらに含む、請求項25に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項30】
前記第2の再生ストリームの少なくとも一部として利用するために、回収した前記第2の成分の少なくとも一部を再循環させることをさらに含む、請求項29に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項31】
少なくとも1つの前記吸着剤は、化学吸着剤、アミンを添加した吸着剤、アミングラフトシリカ、アミン含浸メソポーラスシリカ、アルキルアミン含浸多孔質吸着剤、アミン官能化多孔質ナノポリマー、アミン官能化有機骨格、アミン官能化金属有機骨格、アミンテザー多孔質ポリマー、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項25~30のうちいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、固体の化学吸着剤を利用して供給ストリームから成分を吸着ガス分離するためのプロセスに関する。より詳細には、本発明は、アミン含有の固体吸着剤を利用して、供給ストリームから、二酸化炭素などの酸性ガスを吸着ガス分離するための、プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、温度スウィング吸着、圧力スウィング吸着、及び分圧スウィング吸着などの、吸着ガス分離プロセス及びシステムが当技術分野で公知であり、多成分流体混合物の吸着ガス分離に使用される。ガス分離が望ましい場合がある、産業プロセスの1つのタイプとして、燃焼プロセスが挙げられ、例えば、酸化体及び炭素含有燃料は、燃焼して少なくとも熱及び燃焼ガスストリーム(燃焼煙道ストリームとしても知られている)を発生させる。例えば燃焼後に二酸化炭素(CO)を分離することを含む、燃焼ガスストリームから少なくとも1つの成分を分離することは、有利である場合がある。
【0003】
1つの態様において、第1の再生ステップ、第2の再生ステップ、及びこれらを組み込んだシステムを含んだ例示的な吸着プロセスが、「ADSORPTIVE GAS SERARATION PROCESS AND SYSTEM」と題する国際公開第2017/165974号で開示されている。国際公開第2017/165974号は、第1の再生ステップ、及び第2の再生ステップを利用し、同様に第1の生成ストリームを、第2の再生ステップのための第2の再生ストリームとして利用する、吸着ガス分離プロセスを開示している。
【0004】
例えばアミンを添加した吸着剤などの化学吸着剤は、例えば高いCOの吸着能力、及びHOの存在におけるCO/Nの選択性など、吸着ガス分離プロセス及びシステムにとって望ましい特性を実証している。しかし、例えば化学吸着剤の吸着能力など、熱及び化学的耐久性は、多くの吸着脱着サイクルによって大幅に低下する。一般的に吸着能力の損失は、例えば化学吸着剤と酸性ガスまたはCOなどの吸着物質との、劣化機構を誘発する望ましくない反応、及び/または(例えば脱着または再生流体ストリームに存在する酸化体を含む)流体ストリームに存在する酸化体による酸化によるものである。酸化は、化学吸着剤が、例えば約100℃よりも高い温度に露出されたときに、より高い比率で発生及び/または増加する場合がある。酸化は、例えば酸素のおおよその環境濃度などの強くない濃度によって、及び/または低湿度もしくは乾燥条件によっても、発生及び/または増加する場合がある。吸着物質またはCOで誘発された劣化機構は、化学吸着剤が例えばCOなどの酸化ガスに比較的高温かつ乾燥条件に露出されるとき、発生する場合がある。流体ストリームにおける酸化ガスまたはCOは、吸着剤のアミン部位と相互作用して、比較的強く接合されたアミド官能基または尿素基を形成する場合があり、それらは通常の再生条件及びエネルギーを利用する通常の再生プロセス中に、COの解放を妨げ、かつアミン部位を非活性化する場合がある。
【0005】
米国特許第9,314,730号明細書は、湿潤供給ガス及び/または湿潤パージガスを使用するアミン含有CO吸着剤の性能を、安定化させるための方法及びシステム、ならびに非活性化中に形成された尿素基の加水分解を介して、非活性化されたアミン含有CO吸着剤の再生のための方法、を開示している。
【0006】
吸着ガス分離プロセスのために、向上した耐久性または設計寿命を有する一方で、吸着分離器及び吸着システムの外部に源がある水の量を減少させ、それによって吸着ガス分離プロセス及び/またはシステムの複雑性、資本コスト、ならびに作動コストを減少させる、化学吸着剤が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2017/165974号
【特許文献2】米国特許第9314730号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示による様々な実施形態において、少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有する供給ストリームの成分を、供給ストリームから分離するための、吸着ガス分離プロセスが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の広義の態様において、少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有する供給ストリームの成分を分離するための、吸着ガス分離プロセスは、供給ストリームの第1の成分を吸着剤に吸着するために、少なくとも1つの吸着剤に沿って供給ストリームを通過させることと、第1の生成ストリームにおける第1の部分を生成することと、第1の生成ストリームの第2の部分を生成することと、第1の成分を吸着剤から脱着するために、第1の再生ストリームを吸着剤に沿って通過させることと、少なくとも第1の成分を含有する第2の生成ストリームを生成することと、第1の生成ストリームにおける第1の部分の少なくとも一部及び/または第2の成分を回収することと、第1の生成ストリームにおける第2の部分の少なくとも一部、第2の成分、及び/または第3の成分を回収することと、を含む。
【0010】
本発明の別の広義の態様において、少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有する供給ストリームの成分を分離するための、吸着ガス分離プロセスは、供給ストリームの第1の成分を吸着剤に吸着するために、少なくとも1つの吸着剤に沿って供給ストリームを通過させることと、少なくとも第2の成分及び第3の成分を含有する第1の生成ストリームを生成することと、第1の成分を吸着剤から脱着するために、第1の再生ストリームを吸着剤に沿って通過させることと、少なくとも第1の成分を含有する第2の生成ストリームを生成することと、を含む。第1の生成ストリームにおける第3の成分は、第1の生成ストリームから回収される。
【0011】
本発明の別の広義の態様において、少なくとも第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を含有する供給ストリームの成分を分離するための、吸着ガス分離プロセスは、供給ストリームの第1の成分を吸着剤に吸着するために、供給ストリームを吸着剤に沿って通過させることと、少なくとも第2の成分及び第3の成分を含有する第1の生成ストリームを生成することと、第1の成分を吸着剤から脱着するために、第1の再生ストリームを吸着剤に沿って通過させることと、脱着した第1の成分を回収することと、含む。第1の生成ストリームにおける、供給ストリームにおける第3の成分の濃度または流量に対する、第3の成分の濃度または流量の比率は、第1の時間ピリオドよりも第2の時間ピリオドの方が相対的に大きい。
【0012】
本開示の様々な実施形態による多成分流体混合物から、少なくとも第1の成分を吸着ガス分離するためのプロセスを、次に添付の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】少なくとも第1、第2、及び第3の成分を供給ストリームから分離し、第1の再生ストリームの一部として再循環させるために、第3の成分の少なくとも一部を回収するプロセスの、準備サイクル及び定常サイクルを示す、本発明の実施形態のフロー図である。
図1b】少なくとも第1、第2、及び第3の成分を供給ストリームから分離し、第1の再生ストリームの一部として再循環させるために、第3の成分の少なくとも一部を回収するプロセスの、準備サイクルステップを示す、本発明の実施形態のフロー図である。
図2】物理吸着剤を利用した、吸着ガス分離プロセスの吸着ステップ中に、接触器から回収した第1の生成ストリームにおける、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、及び水(HO)の(体積)濃度を示すグラフである。
図3】アミンを添加した吸着剤など、化学吸着剤を利用した、吸着ガス分離プロセスの吸着ステップ中に、接触器から回収した第1の生成ストリームにおける、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、及び水(HO)の(体積)濃度を示すグラフである。
図4】少なくとも第1、第2、及び第3の成分を供給ストリームから分離し、第1の再生ストリームの一部として再循環させるために、第3の成分の少なくとも一部を回収するプロセスの、定常サイクルステップを示す、本発明の実施形態のフロー図である。
図5図4に従ったフローチャートである。
図6】化学吸着剤、またはアミンを添加した吸着剤を有する、吸着分離器を備えた、吸着ガス分離システムまたは吸着分離システムを示す、簡略化した概略図である。吸着ガス分離器は、第2の再生ストリームとして、第1の生成ストリームの一部を受け入れるために、流体的に接続される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で使用される用語「化学吸着剤」は、(限定ではないが)アミンを添加した吸着剤を含むよう意図される。
【0015】
本明細書で使用される用語「アミンを添加した吸着剤」は、(限定ではないが)アミングラフトシリカ、アミン含浸メソポーラスシリカ、アルキルアミン含浸多孔質吸着剤、アミン官能化多孔質ナノポリマー、アミン官能化有機骨格、アミン官能化金属有機骨格、アミンテザー多孔質ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせを含むよう意図され、かつ交換可能に使用され得る。
【0016】
本明細書で使用される用語「供給ストリーム」は、燃焼ガスストリーム、煙道ガスストリーム、プロセス供給ストリーム、プロセスストリーム、プロセス廃棄ストリーム、環境空気ストリーム、及び/またはこれらの組み合わせを含むよう意図され、交換可能に使用され得る。
【0017】
本明細書で使用される用語「第1の成分」は、酸化ガス成分、二酸化炭素成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、または重金属化合物を含むよう意図され、交換可能に使用され得る。
【0018】
本明細書で使用される用語「第2の成分」は、不活性成分、窒素成分、または酸素成分を含むよう意図され、交換可能に使用され得る。
【0019】
本明細書で使用される用語「第3の成分」は、水成分、溶剤、または凝縮性流体を含むよう意図され、交換可能に使用され得る。
【0020】
本明細書で使用される用語「流量」は、特定のストリームに関連付けられた、単位時間当たりのモルまたはグラムとしての物質の量が意図される。
【0021】
本明細書で使用される用語「準備サイクル」は、少なくとも吸着ステップと、定常サイクルの準備において、少なくとも1つの成分で吸着剤を飽和状態にするか、または満たすための後続の再生ステップと、を含む開始サイクルを表わすよう意図される。
【0022】
本明細書で使用される用語「定常サイクル」は、少なくとも吸着ステップと、後続の再生ステップとを含む、プロセスサイクルを表わすよう意図される。プルセスサイクルは繰り返され、吸着分離器から回収された、第1の生成ストリーム及び/または第2の生成ストリームは、サイクルの任意の所与の経過時間におけるフロー及び組成が、実質的に類似している。代替として、第1及び第2の生成ストリームに含有された、第1の成分、第2の成分、及び第3の成分の積算量は、実質的に各サイクルにおいて繰り返される。
【0023】
本明細書で使用される用語「吸着分離器」は、少なくとも1つの成分を供給ストリームから分離するための、少なくとも1つの吸着剤を含有したデバイスを表わすよう意図される。吸着分離器は、1つまたは複数の接触器を備えることができる。各接触器は少なくとも1つの吸着剤を備えることができ、各サブユニットは、実質的に類似の吸着剤、または異なる吸着剤で構成することができる。本明細書で使用される用語「接触器」は、用語「吸着分離器」と交換可能に使用され得る。吸着プロセスは、少なくとも1つの吸着分離器を利用することができる。複数の吸着分離器が利用される用途において、各吸着分離器は、実質的に類似の吸着剤または異なる吸着剤で構成することができ、各吸着分離器は、実質的に類似のプロセスサイクルまたは異なるプロセスサイクルで動作することができる。
【0024】
例えば高温における低湿度または乾燥動作条件、ならびに/または高い酸素レベルを伴う流体ストリームへの露出など、吸着または吸着プロセスにおける特定の動作条件の間、アミンを添加した吸着剤などの化学吸着剤は、吸着能力の低下もしくは損失、または多くの吸着及び脱着サイクルによる耐久性の低下を受ける場合があり、それは、例えば吸着部位の非活性化及び/または酸化をもたらす場合がある。吸着部位の非活性化を軽減させるため、かつ耐久性を向上させるために、吸着プロセス中に、湿気を含有し及び/または低下した酸化レベル(例えば環境空気で確認されるおおよその酸素濃度未満)の流体ストリームを利用することは、有利である。
【0025】
いくつかの地理的位置及び/または用途において、水の好適な供給は制限され、及び/またはコストがかかる場合があり、それは、湿気を含有する流体ストリームを利用することによって向上した耐久性を有する吸着プロセスの、実行の障害として作用する。吸着ガス分離プロセスの外部に源を有する水の量を減少させるか、もしくは実質的に排除する吸着プロセス、ならびに/または、吸着ガス分離プロセス及び/もしくは吸着ガス分離器の複雑性、資本コスト、及び作動コストを有益に減少させる吸着ガス分離器を有すること、は有利である場合がある。
【0026】
吸着ガス分離プロセス(本明細書では「吸着プロセス」と称する)は、少なくとも第1の成分(例えば酸性ガス成分、二酸化炭素成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、または重金属化合物)、第2の成分(例えば不活性成分、窒素成分、または酸素成分)、及び第3の成分(例えば水成分、溶剤、または凝縮性流体)を備えた多成分流体混合物または供給ストリームを吸着ガス分離するための、本開示の実施形態に従って提供される。実施形態において、吸着プロセスは、第1の成分の少なくとも一部を、多成分流体混合物または供給ストリームから望ましく分離することができる。供給ストリームは、本開示の実施形態による、添付された少なくとも1つの吸着剤を有する少なくとも1つの接触器を備えた吸着ガス分離器(本明細書では「吸着分離器」と称する)を利用することなどによって、例えば、燃料燃焼で生成された燃焼ガスストリームまたは煙道ガスストリーム(本明細書では「燃焼ガスストリーム」と称する)、プロセス供給ストリーム、プロセスストリーム、プロセス廃棄ストリーム、環境空気ストリーム、及び/またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。1つの態様において、吸着プロセスを、ガス分離用途のために特に好適にすることができる。ここで、吸着分離器及び/または少なくとも1つの接触器は;限定ではないが、例えば、アミングラフトシリカ、アミン含浸メソポーラスシリカ、アルキルアミン含浸多孔質吸着剤、アミン官能化多孔質ナノポリマー、アミン官能化有機骨格、アミン官能化金属有機骨格、アミンテザー多孔質ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせを含む、アミンを添加した吸着剤の化学吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を利用し;吸着プロセスのために湿気を含有する少なくとも1つの流体ストリームを利用し;ならびに、吸着プロセス及び/もしくは吸着分離器の外部に源がある水の量を実質的に減少させるか、または実質的に除去する。実施形態において、吸着プロセスは、温度スウィングプロセス、分圧スウィングプロセス、湿度スウィングプロセス、圧力スウィングプロセス、真空スウィングプロセス、及び/またはこれらの任意の組み合わせのために、特に好適である。別の実施形態において、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤は、固体吸着剤とすることができる。1つの実施形態において、吸着プロセスは複数のステップを含むことができ、これらのプロセスステップは、周期的に多くのサイクルを繰り返される。別の実施形態において、吸着プロセスは、定常サイクルに先行して少なくとも1つの準備サイクルを含むことができ、この少なくとも1つの準備サイクルは、任意で必要に応じて実質的に連続的に循環させることができる定常サイクルを可能にするため、及び/または実現するために利用することができる。
【0027】
実施形態において、吸着プロセスは少なくとも1つの準備サイクルを含み、この少なくとも1つの準備サイクルは、例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤などの吸着剤を、例えば酸性ガス成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、二酸化炭素(以降では「CO」と称する)成分、または重金属化合物などの第1の成分、及び/または水、溶剤、または凝縮性ガスなどの第3の成分を含む、1つまたは複数の成分で、実質的に飽和状態にするかまたは満たし、定常サイクルを可能に、及び/または実現し、次にそれを循環させて実質的に連続して動作させることができる。1つの実施形態において、吸着プロセスは、第1の生成ストリームの一部を形成及び/または生成する、第1の生成ストリームにおける第3の成分が、ブレークスルーするまで;第1の生成ストリームが第3の成分を備え、及び/または第1の生成ストリームが、第3の成分の、所定の閾値以上の値に到達もしくは実現するまで、少なくとも1つの準備サイクルを繰り返すことを含む。1つの実施形態において、吸着プロセスは、第2の生成ストリームの一部を形成及び/または生成する、第2の生成ストリームにおける第1の成分が、ブレークスルーするまで;第2の生成ストリームが第1の成分を備え、及び/または第2の生成ストリームが、第1の成分の所定の閾値以上の値に到達もしくは実現するまで、少なくとも1つの準備サイクルを繰り返すことを含む。
【0028】
図1aは、吸着プロセス200のための、準備サイクル202及び定常サイクル210を示す、本発明の実施形態のフロー図である。少なくとも1つの準備サイクル202は、吸着剤を、1つまたは複数の成分を用いて実質的に飽和状態にするか、または満たすために利用することができる。1つまたは複数のサイクル202の後、生成ストリームの計測を行ない、吸着剤が満たされたか満たされていないかを判断することができる。吸着剤が満たされていない場合、準備サイクルを繰り返すこと206で、準備サイクル202の開始及び繰り返しをもたらすことができる。吸着剤が満たされた場合、準備サイクルの終了208は、準備サイクル202の終了、及び/または定常サイクル210をもたらすことができる。定常サイクル210は、定常サイクルの繰り返し212によって必要に応じて繰り返すか、または定常サイクルの終了294ならびに停止296によって終了させることができる。
【0029】
図1bは、吸着プロセスのための準備サイクルのステップを示す、本発明の実施形態のフロー図である。実施形態において、準備サイクル202は、吸着ステップ222、及び少なくとも1つの再生ステップ224を含む。1つの実施形態において、吸着ステップ222は:供給ストリームを接触器の中に収容及び/または通過させるために、任意に収容するステップ230;供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤(例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤)に沿って通過させるために、通過させるステップ232;少なくとも1つの吸着剤上及び/または中に、供給ストリームの第1の成分(例えば酸性ガス成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、CO成分、または重金属化合物)と、第3の成分(例えば水、溶剤、または凝縮性流体)とを吸着するため、及び、例えば不活性成分、窒素(以降「N」と称する)成分、または酸素成分などの第2の成分を備え、任意で供給ストリームに関連した第3の成分において減損された、第1の生成ストリームを生成するために、吸着及び生成するステップ234;ならびに第1の生成ストリームを任意で接触器から回収、及び/または排出するために、回収するステップ236、をさらに含む。1つの実施形態において、再生ステップ224は:第3の成分を備えた流体ストリームなどの再生ストリーム(例えば第1の再生ストリーム)を接触器の中に収容するために、任意で収容するステップ240;再生ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させるために、通過させるステップ242;再生ストリームにおける第3の成分の少なくとも一部を、少なくとの1つの吸着剤に吸着するために、吸着するステップ244;吸着剤に吸着された第1の成分の少なくとも一部を脱着するために、脱着するステップ246;少なくとも第1の成分を備えた第2の生成ストリームを生成するために、生成するステップ248;ならびに第1の成分及び/または第2の生成ストリームを任意で接触器から回収するために、回収するステップ250、をさらに備える。回収ステップ250及び/または再生ステップ224の後、例えば吸着剤が満たされたか吸着剤が満たされなかったかの、判定をするステップ204ができる。判定204が、吸着剤が満たされずに、準備サイクルの繰り返し206を判定した場合、準備サイクル202を繰り返すことができる。判定204が、吸着剤が飽和状態または満たされ、かつ準備サイクルの終了208をもたらした場合、準備サイクル202は、任意で停止258をもたらすことができ、その後、吸着または吸着プロセスの(図1bには示されない)定常サイクルが続く。別の実施形態において、準備サイクル202は、(再生ステップ224の後、かつ判定204の前に)任意の第2の再生ステップ(図1bに示さず)及び/または任意で冷却ステップ(図1bに示さず)を含む。
【0030】
1つの実施形態において、吸着ステップ中及び少なくとも1つの再生ステップ中に、吸着剤が第3の成分で満たされるまで、(供給ストリーム及び/または再生ストリームに含有された)第3の成分が、少なくとも1つの吸着剤に吸着されるように、準備サイクルの吸着ステップ及び後続の少なくとも1つの再生ステップを、繰り返すことができる。化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤などの、吸着剤を利用する吸着プロセスの1つの態様において、準備サイクル中及び/または定常サイクル中に、第3の成分は吸着剤に吸着され、例えば吸着ステップから再生ステップに、及び/または再生ステップから吸着ステップに搬送され得る。
【0031】
1つの実施形態において、添付された少なくとも1つの吸着剤を有する接触器、及び/または少なくとも1つの吸着剤は、例えば吸着ステップ中に生成された第1の生成ストリームが、供給ストリームに関連した第3の成分において減損されたとき、及び/またはこの第1の生成ストリームが、供給ストリームにおける第3の成分の流量未満の、第3の成分の濃度または流量を備えたとき、満たされていないものとすることができる。
【0032】
別の実施形態において、接触器及び/または少なくとも1つの吸着剤は、吸着ステップ中に生成された第1の生成ストリームが、供給ストリームに関連した第3の成分において濃縮されたとき、及び/または供給ストリームにおける第3の成分の流量よりも多い第3の成分の流量を備えたとき、満たされたものとすることができる。これは、吸着ステップ中に、供給ストリームの第1の成分が、少なくとも1つの吸着剤に吸着するとき、及び(少なくとも1つの吸着剤に吸着された)任意の第3の成分の脱着を補助するときに、実現することができ、それによって、第1の生成ストリームの少なくとも一部を形成することができる、
【0033】
別の実施形態において、接触器及び/または少なくとも1つの吸着剤は、再生ステップ(または第1の再生ステップ)中に生成された第2の生成ストリームが、供給ストリームに関連した第1の成分において濃縮されたとき、及び/または供給ストリームにおける第1の成分の濃度または流量よりも大きい第1の成分の濃度または流量を備えたとき、満たされたものとすることができる。これは、再生ステップ中に、第1の再生ストリームにおける第3の成分が少なくとも1つの吸着剤に吸着したとき、及び(少なくとも1つの吸着剤に吸着された)任意の第1の成分の脱着を補助するときに、実現することができ、それによって、第2の生成ストリームの少なくとも一部を形成することができる。別の実施形態において、第1の生成ストリームにおける第3の成分及び/もしくは第2の生成ストリームにおける第1の成分の、接触器もしくは接触器の端部からのブレークスルーが生じたとき、もしくは検出されたとき、第1の生成ストリームが第3の成分を備えたとき、ならびに/または第2の生成ストリームが第1の成分を備えたときに、準備サイクルは完了かつ終了され、及び/または後続の定常サイクルが開始され得る。
【0034】
一般的に、吸着または吸着プロセスのための供給ストリームは、各個々の成分が、接触器に利用された吸着剤に対して異なる親和性を有することができる複数の成分を含む、多成分流体混合物とすることができる。実施形態において、吸着プロセスは、第1の成分、第2の成分または不活性成分、及び第3の成分のガス分離を含むことができる。実施形態において、第1の成分は、酸性ガス成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、CO成分、または重金属化合物を備えることができ、第2の成分は窒素(以降では「N」と称する)成分を備えることができ、及び第3の成分は水(以降では「HO」と称する)成分を含むことができる。
【0035】
当技術分野で公知の、一般的な吸着または吸着ガス分離プロセスにおいて、例えばゼオライト及び活性炭など従来の物理吸着剤を利用することができる。第1の成分またはCOは、吸着剤に対して、(供給ストリームまたは燃焼ガスストリームにおける他の成分と比較して)比較的中間の、または平均的な親和性を有することができ、第2の成分またはN成分は、吸着剤に対して比較的弱い親和性を有し、その一方で第3の成分またはHO成分は、吸着剤に対して比較的強い親和性を有することができる。
【0036】
図2は、物理吸着剤を利用し、(準備サイクルの動作後に)実質的に定常サイクルで動作する、一般的で公知の吸着ガス分離プロセスの試験から、本出願者によって得られたデータ結果のグラフである。y軸は体積濃度をパーセンテージで表わし、x軸は時間を秒で表わしている。一般的な燃焼ガスストリームをシミュレートした流体ストリームを、接触器のための供給ストリームとして利用し、一方で質量分析計を、接触器から生成及び回収された第1の生成ストリームを計測するために利用した。質量分析計のためのセンサは、接触器の出口近くに位置された。燃焼ガスストリームを供給ストリームとして利用した、追加の試験を実施して、類似の結果を示した。図2は、吸着プロセスの吸着ステップ中に、添付された少なくとも1つの物理吸着剤を有する接触器から回収した、第1の生成ストリームにおける、第1の成分またはCOの体積濃度(プロット10)、第2の成分またはNの体積濃度(プロット12)、及び第3の成分またはHOの体積濃度(プロット14)を示す。第1のピリオド16は、第2の成分またはNが接触器を通過する際、及び/または第1の成分またはCOが接触器の出口端部からブレークスルーする前の、吸着ステップを表わし、一方で第2のピリオド18は、COのブレークスルー後の吸着ステップを表わすことができる。第1の生成ストリームにおける第1の部分は、第1のピリオド16中に生成された。第1の生成ストリームの、第1の部分における第1の成分またはCOの濃度(プロット10)は、供給ストリームにおける第1の成分またはCOの濃度未満である。第1の生成ストリームの、第1の部分における第2の成分またはNの濃度(プロット12)は、供給ストリームにおける第2の成分またはNの濃度よりも大きく、その一方で、第1の生成ストリームの、第1の部分における第3の成分またはHOの濃度(プロット14)は、供給ストリームにおける第3の成分またはHOの濃度と、実質的に類似する。第1の生成ストリームにおける第2の部分は、第2のピリオド18中に生成された。第1の生成ストリームの、第2の部分における第1の成分またはCOの濃度(プロット10)は、供給ストリームにおける第1の成分またはCOと実質的に類似の濃度に接近する。第1の生成ストリームの、第2の部分における第2の成分またはNの濃度(プロット12)は、供給ストリームにおける第2の成分またはNと実質的に類似の濃度に実質的に接近し、その一方で、第1の生成ストリームの、第2の部分における第3の成分またはHOの濃度(プロット14)は、供給ストリームにおける第3の成分またはHOの濃度と、実質的に類似する。第1の生成ストリームにおける第3の成分またはHOの濃度(プロット14)は、第1のピリオド16中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分、及び第2のピリオド18中に生成された第1の生成ストリームの第2の部分において、実質的に不変のままである。供給ストリームにおける第2の成分の濃度に対する、第1の生成ストリームにおける第2の成分の濃度の比率は、第2のピリオド18中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分よりも、第1のピリオド16中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分の方が、相対的に大きい。供給ストリームにおける第3の成分の濃度に対する、第1の生成ストリームにおける第3の成分の濃度の比率は、第1のピリオド16中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分、及び第2のピリオド18中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分において、相対的に実質的に同じ、または実質的に類似する。この、差異がないことは、現存の吸着プロセスの不利点を強調する。
【0037】
物理吸着剤とは反対に、本発明の実施形態において、アミンを添加した吸着剤などの化学吸着剤を、第1の成分(例えばCO成分)が吸着剤に対して比較的強い親和性を有するよう、第3の成分(例えばHO成分)が吸着剤に対して比較的強い親和性を有するよう、かつ第1及び第3の成分が吸着剤に対して(供給または燃焼ガスストリームにおける他の成分に対して)比較的強められた相互吸着親和性を有することができるよう、その一方で、第2の成分(例えばN成分)は、吸着剤に対して比較的弱い親和性を有することができ、それによって、第1及び第3の成分が、吸着剤に対して同じ程度の大きさの親和性を有するように、利用することができる。
【0038】
図3は、アミンを添加した吸着剤などの化学吸着剤を使用した、本発明の実施形態のグラフである。y軸は体積濃度をパーセンテージで表わし、x軸は時間を秒で表わしている。図3は、本出願者による、吸着または吸着プロセスの実施形態、詳細には(準備サイクルの動作後の)実質的に周期的な定常サイクルにおいて動作する、吸着ガス分離プロセスの吸着ステップの試験から生じた、データ結果を示す。一般的な燃焼ガスストリームをシミュレートした流体ストリームを、接触器のための供給ストリームとして利用し、一方で質量分析計を、接触器から生成及び回収された第1の生成ストリームを計測するために利用した。質量分析計のためのセンサは、接触器の出口近くに位置された。燃焼ガスストリームを供給ストリームとして利用した、追加の試験を実施して、類似の結果を示した。図3は、接触器から回収された第1の生成ストリームにおける、第1の成分またはCOの体積濃度(プロット20)、第2の成分またはNの体積濃度(プロット22)、及び第3の成分またはHOの体積濃度(プロット24)を示す。示されるように、第1のピリオド26は、第2の成分が接触器を通過する際、ならびに/または第3の成分(HOなど)及び第1の成分(CO等)の、ブレークスルー前の吸着ステップを表わす。第2のピリオド28は、第3の成分のブレークスルー中(かつ第1の成分のブレークスルー前)における吸着ステップを表わす。第3のピリオド30は、第1の成分のブレークスルー中における吸着ステップを表わす。第1の生成ストリームにおける第1の部分は、第1のピリオド26中に生成された。第1の生成ストリームの、第1の部分における第1の成分またはCOの濃度(プロット20)は、供給ストリームにおける第1の成分またはCOの濃度未満である。第1の生成ストリームの、第1の部分における第2の成分またはNの濃度(プロット22)は、供給ストリームにおける第2の成分またはNの濃度よりも大きく、その一方で、第1の生成ストリームの、第1の部分における第3の成分またはHOの濃度(プロット24)は、供給ストリームにおける第3の成分またはHOと実質的に類似の濃度に接近する。第1のピリオド26中も、第1の生成ストリームの、第1の部分における第3の成分またはHO(プロット24)のポイント27は、供給ストリームにおける第3の成分の濃度よりも大きい濃度を示す。これは、第3の成分が吸着剤に吸着され、前の再生ステップから搬送されたことによるものである。第1の生成ストリームにおける第2の部分は、第2のピリオド28中に生成された。第1の生成ストリームの、第2の部分における第1の成分またはCOの濃度(プロット20)は、供給ストリームにおける第1の成分またはCOの濃度未満である。第1の生成ストリームの、第2の部分における第2の成分またはNの濃度(プロット22)は、供給ストリームにおける第2の成分またはNと実質的に類似の濃度に接近し、その一方で、第1の生成ストリームの、第2の部分における第3の成分またはHOの濃度(プロット24)は、供給ストリームにおける第3の成分またはHOの濃度よりも大きい。第1の生成ストリームにおける第3の部分は、第3のピリオド30中に生成された。第1の生成ストリームの、第3の部分における第1の成分またはCOの濃度(プロット20)は、供給ストリームにおける第1の成分またはCOと実質的に類似の濃度に接近する。第1の生成ストリームの、第3の部分における第2の成分またはNの濃度(プロット22)は、供給ストリームにおける第2の成分またはNと実質的に類似の濃度に接近し、その一方で、第1の生成ストリームの、第3の部分における第3の成分またはHOの濃度(プロット24)は、供給ストリームにおける第3の成分またはHOと実質的に類似の濃度に接近する。供給ストリームにおける第2の成分の濃度に対する、第1の生成ストリームにおける第2の成分の濃度の比率は、第2のピリオド28中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分よりも、第1のピリオド26中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分の方が、相対的に大きい。供給ストリームにおける第3の成分の濃度に対する、第1の生成ストリームにおける第3の成分の濃度の比率は、第1のピリオド26中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分よりも、第2のピリオド28中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分の方が、相対的に大きい。第1の生成ストリームにおける第3の成分またはHOの濃度プロファイル(プロット24)、詳細には第2のピリオド28中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分の濃度プロファイルは、吸着プロセスのための第3の成分またはHOの回収及び利用を、有利に可能にする。
【0039】
本開示による特定の実施形態において、吸着分離器及び/または接触器は、限定ではないが、例えば、アミングラフトシリカ、アミン含浸メソポーラスシリカ、アルキルアミン含浸多孔質吸着剤、アミン官能化多孔質ナノポリマー、アミン官能化有機骨格、アミン官能化金属有機骨格、アミンテザー多孔質ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせを含む、アミンを添加した吸着剤の化学吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備え、任意で、(少なくとも1つの接触器を収容する)エンクロージャを備える。化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤は、固体とすることができる。
【0040】
図4は、吸着プロセスの定常サイクルのステップを示す、本発明の実施形態のフロー図である。プロセス実施形態において、吸着プロセスは、少なくとも吸着ステップ260及び少なくとも1つの再生ステップ262をさらに有する、少なくとも1つの定常サイクル210を含む。1つの実施形態において、吸着ステップ260は:供給ストリーム(例えば燃料燃焼によって生成される燃焼ガスストリーム、プロセス供給ストリーム、プロセスストリーム、プロセス廃棄ストリーム、環境空気ストリーム、またはこれらの任意の組み合わせ)を接触器の中に収容するために、収容するステップ270;供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤(例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤)に沿って通過させるために、通過させるステップ272;供給ストリームの第1の成分(例えば酸性ガス、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、CO成分、または重金属化合物)を、少なくとも1つの吸着剤に吸着し、第2の成分(例えば不活性成分、N成分、または酸素成分)及び第3の成分(例えば水、溶剤、または凝縮性流体)を備えた第1の生成ストリームを生成する、吸着及び生成するステップ274;ならびに第1の生成ストリームを任意で接触器から回収及び排出するために、回収するステップ276、を含む。1つの実施形態において、少なくとも1つの再生ステップ262は:第3の成分及び任意で第1の成分を備えた流体ストリームなどの再生ストリーム(例えば第1の再生ストリーム)を接触器の中に収容するために、収容するステップ280;再生ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させるために、通過させるステップ282;再生ストリームにおける第3の成分の少なくとも一部を、少なくとの1つの吸着剤に吸着するために、吸着するステップ284;吸着剤に吸着された第1の成分の少なくとも一部を脱着するために、脱着するステップ286;少なくとも第1の成分を備えた第2の生成ストリームを生成するために、生成するステップ288;ならびに、第1の成分及び/または第2の生成ストリームを任意で接触器から回収するために、回収するステップ290、を備える。回収するステップ290及び/または再生ステップ262の後、例えば定常サイクルを繰り返す212か、または定常サイクルを終了する294か、判定すること292ができる。任意の第2の再生ステップ(図4では示されず)及び/または任意の冷却ステップ(図4では示されず)を、定常サイクル210を繰り返す前、及び吸着ステップ260を開始する前に、利用することができる。定常サイクルの終了294は、停止296をもたらすことができる。別の実施形態において、定常サイクル210は、(再生ステップ262の後、かつ判定294の前に)任意の第2の再生ステップ(図4では示されず)、任意の調整ステップ(図4では示されず)、及び/または任意の冷却ステップ(図4では示されず)を含む。代替の実施形態において、定常サイクル210は、判定292、定常サイクルの繰り返し212、及び定常サイクルの終了294を含む。
【0041】
別の実施形態において、吸着プロセスは、供給ストリームにおける第3の成分の流量に対する第1の生成ストリームにおける第3の成分の流量の比率が、吸着ステップの第1のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分よりも、吸着ステップの第2のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分の方が、相対的に大きいこと;第3の成分を第1の生成ストリームから回収すること;第3の成分を、吸着ステップの第2のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分から回収すること;接触器が生成ストリームを生成する際に、同じまたは異なる定常サイクル下で動作する同じまたは異なる接触器を用いて接触された、再生ストリーム(第1の再生ストリーム、及び/または第2の再生ストリームなど)の少なくとも一部のため、第1の生成ストリームから回収された第3の成分の少なくとも一部を、再循環及び/または利用すること、のうち少なくとも1つを含む。
【0042】
本開示によるプロセス実施形態において、吸着プロセスの定常サイクル中の、開始または吸着ステップは:第1の成分(例えば酸性ガス成分、CO成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、または重金属化合物など)、第2の成分(例えば不活性成分、N成分、または酸素成分など)、及び第3の成分(HO成分、溶剤、または凝縮性流体など)を有する供給ストリーム(例えば燃焼ガスストリーム、プロセス供給ストリーム、プロセスストリーム、プロセス廃棄ストリーム、環境空気ストリーム、及び/または任意のこれらの組み合わせ)を、少なくとも1つの接触器の中に任意で収容して通過させること;供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させること;ならびに供給ストリームにおける第1の成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの吸着剤に吸着すること、を含む。供給ストリームが、少なくとも1つの接触器における、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤に接触する際に、第1の成分(CO成分など)の少なくとも一部、及び任意で供給ストリームの第3の成分(HOなど)は、少なくとも1つの吸着剤に吸着(例えば吸収及び/または吸着)することができ、少なくとも第1の成分、任意で第3の成分を、供給ストリームにおける残りの非吸着成分から分離する。
【0043】
特定のプロセス実施形態において、吸着ステップは、吸着ステップの第1のピリオド(実質的に吸着ステップと同時)をさらに含む。例えば約80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%以上の体積流量を備えた第2の成分(N成分など)を有し、任意で(供給ストリームに関連した)第1の成分(CO成分)において減損された、第1の生成ストリームにおける第1の部分は、任意で少なくとも1つの接触器から回収することができる。プロセス実施形態において、吸着ステップの第1のピリオドは:供給ストリームを、例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備えた少なくとも1つの接触器の中に、任意で収容すること;供給ストリームを、少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させること;供給ストリームにおける第1の成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの吸着剤に吸着すること;第1の生成ストリームにおいて第1の部分を生成すること;第1の生成ストリームの第1の部分を、任意で少なくとも1つの接触器から回収すること;第2の成分(N成分など)を、第1の生成ストリームにおける第1の部分から、任意でさらに分離して回収すること;第1の生成ストリームにおける第1の部分を回収または排出すること、を含む。実施形態において、吸着プロセスは、第1の生成ストリームにおける第1の部分の少なくとも一部、及び/または、第1の生成ストリームにおける第1の部分から回収した第2の成分(N成分など)を、吸着ステップ中の供給ストリームの一部;再生ステップ中の再生ストリームの少なくとも一部;第1の再生ステップ中における第1の再生ストリームの少なくとも一部;及び/または任意の第2の再生ステップ中における任意の第2の再生ストリームの少なくとも一部、のうち少なくとも1つとして、利用すること(及び少なくとも1つの接触器の中に収容するステップ)を含むことができる。1つの実施形態において、少なくとも1つの接触器から任意で回収された第1の生成ストリームにおける第1の部分の少なくとも一部は、大気に放出する前に、下流のガス処理デバイスの中に収容することができる。1つの態様において、第1の生成ストリームにおける第1の部分を生成し、及び/または第1の生成ストリームにおける第1の部分を回収する、吸着ステップの第1のピリオドは、所定の吸着時間が経過したとき、及び/または第2の成分もしくは第3の成分のうち少なくとも一方における所定の流量が、第1の生成ストリームにおける第1の部分で実現したときなど、所定の値が実現したときに、完了及び終了することができる。吸着ステップにおける第1のピリオドの完了及び/または第1の生成ストリームにおける第1の部分を回収する際に、1つの態様において、吸着ステップにおける後続の第2のピリオド、及び第1の生成ストリームにおける第2の部分の回収を、吸着ステップにおける第1のピリオドの後に行なうことができる。
【0044】
プロセス実施形態において、吸着ステップは、吸着ステップの第2のピリオド(実質的に吸着ステップと同時)をさらに含むことができる。例えば第1の成分のおおよその濃度または流量よりも大きい濃度または流量を備えた、第3の成分(HO成分など)を有し、任意で(供給ストリームに関連した)第1の成分(CO成分など)において減損された、第1の生成ストリームにおける第2の部分を、任意で少なくとも1つの接触器から回収することができる。例えば湿気または燃焼ガスストリームを有する供給ストリームを備えた、実施形態において、吸着ステップは、吸着ステップの第2のピリオド(実質的に吸着ステップと同時)をさらに含むことができる。例えば約2%以上、約4%以上、約6%以上、約8%以上、または約10%以上の体積濃度を備えた第3の成分(HO成分など)を有し、任意で(供給ストリームと関連した)第1の成分(CO成分など)において減損された、第1の生成ストリームにおける第2の部分は、少なくとも1つの接触器から回収、及び/または任意で排出することができる。実施形態において、吸着ステップの第2のピリオドは:供給ストリームを、例えば化学吸着剤及び/またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備えた、少なくとも1つの接触器の中に、任意で収容すること;供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させること;供給ストリームにおける第1の成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの吸着剤に吸着すること;第1の生成ストリームにおける第2の部分を生成すること;第1の生成ストリームにおける第2の部分を、任意で少なくとも1つの接触器から回収すること;第2の成分(N成分など)、及び/または第3の成分(HO成分)のうち少なくとも一方を、第1の生成ストリームにおける第2の部分から任意でさらに分離して回収すること;ならびに、第1の生成ストリームを任意で回収または排出すること、を含む。1つの実施形態において、供給ストリームにおける第2の成分の濃度または流量に対する、第1の生成ストリームにおける第2の成分の濃度または流量の比率は、吸着ステップの第2のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分よりも、吸着ステップの第1のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分の方が、相対的に大きい。及び/または、供給ストリームにおける第3の成分の流量に対する、第1の生成ストリームにおける第3の成分の流量の比率は、吸着ステップの第1のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第1の部分よりも、吸着ステップの第2のピリオド中に生成された第1の生成ストリームにおける第2の部分の方が、相対的に大きい。実施形態において、吸着プロセスは:第1の生成ストリームにおける第2の部分の少なくとも一部;第1の生成ストリームにおける第2の部分から回収された第2の成分(N成分など);及び/または第1の生成ストリームにおける第2の部分から回収された第3の成分(HO成分など)、のうち少なくとも1つを、再生ステップ中の再生ストリーム、第1の再生ステップ中における第1の再生ストリーム、及び/または第2の再生ステップ中における第2の再生ストリーム、の少なくとも一部として、利用(及び少なくとも1つの接触器の中に収容)することを含むことができる。第3の成分(HO成分など)及び/または吸着プロセスのために第1の生成ストリームにおける第2の部分から回収された第3の成分の少なくとも一部を備えた、第1の生成ストリームにおける第2の部分を回収して利用することは、吸着プロセス及び/または吸着分離器に対して外部の供給を源とする水の量を有利に減少させることができる。これは、器具、複雑性、資本コスト、及び作動コストを軽減させ、及び/または、水の乏しい地理的領域における吸着プロセスの動作を可能にすることができる。1つの実施形態において、吸着ステップ、吸着ステップの第2のピリオド、第1の生成ストリームにおける第2の部分を生成すること、及び/または第1の生成ストリームにおける第2の部分を回収することは、少なくとも1つの所定の閾値または値が、(例えば所定の吸着時間が経過したとき、所定の吸着温度に達したとき、第3の成分または第1の成分のうち少なくとも一方の所定の濃度または流量が、第1の生成ストリームにおける第2の部分で実現されたとき、及び/またはCO成分などの、第1の成分の接触器からのブレークスルー前に)例えば少なくとも1つの接触器の中に供給ストリームの収容を終了させることによって、及び/または接触器もしくは接触器の一部を吸着ゾーンもしくは供給ストリームから離すことによって、実現されるときに、完了及び終了できる。吸着ステップ、吸着ステップの第2のピリオド、及び/もしくは第1の生成ストリームにおける第2の部分の回収が、完了ならびに/または終了する際、1つの態様において、吸着ステップの後続の任意の第3のピリオド、及び/もしくは再生ステップ(第1の再生ステップなど)を、吸着ステップまたは吸着ステップにおける第2のピリオドの後に行なうことができる。
【0045】
代替のプロセス実施形態において、吸着ステップは、吸着ステップの第3のピリオド(実質的に吸着ステップと同時)をさらに含むことができる。例えば、環境空気における第1の成分よりも大きい体積濃度または流量を備えた第1の成分(CO成分など)を有し、任意で供給ストリームに関連した第3の成分(HO成分など)において減損した、第1の生成ストリームにおける第3の部分は、任意で少なくとも1つの接触器から回収することができる。プロセス実施形態において、吸着ステップの第3のピリオドは:供給ストリームを、例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備えた少なくとも1つの接触器の中に、任意で収容すること;供給ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させること;供給ストリームにおける第1の成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの吸着剤に任意で吸着すること;第1の生成ストリームにおける第3の部分を生成すること;第1の生成ストリームにおける第3の部分を、少なくとも1つの接触器から回収すること;第1の成分(CO成分など)のうち少なくとも1つを、第1の生成ストリームにおける第3の部分から任意でさらに分離して回収すること;ならびに、第1の生成ストリームを任意で回収または排出すること、を含む。代替の実施形態において、吸着プロセスは、第1の生成ストリームにおける第3の部分の少なくとも一部、及び/または第1の生成ストリームにおける第3の部分から回収された第1の成分(CO成分など)のうち少なくとも一方を、再生ステップ中の再生ストリームの少なくとも一部、第1の再生ステップ中における第1の再生ストリームの少なくとも一部、第2の再生ステップ中における第2の再生ストリームの少なくとも一部、及び/または供給ストリームの一部として、利用すること(及び少なくとも1つの接触器の中に収容すること)を含む。1つの実施形態において、吸着ステップ、第1の生成ストリームにおける第3の部分を生成する吸着ステップの第3のピリオド、及び/または第1の生成ストリームにおける第3の部分の回収は、少なくとも1つの閾値または値が、(例えば所定の吸着時間が経過したとき、吸着または吸着剤の所定の温度が実現したとき、第1の成分の所定の濃度または流量が、第1の生成ストリームの第3の部分で実現したとき)例えば供給ストリームを少なくとも1つの接触器の中へ収容することを終了することによって、及び/または接触器または接触器の一部を、吸着ゾーンまたは供給ストリームから離すことによって実現されたときに、完了及び終了することができる。吸着ステップ、吸着ステップの第3のピリオド、第1の生成ストリームにおける第3の部分の回収、の完了ならびに/または終了の際、1つの態様において、少なくとも1つの後続の再生ステップ(第1の再生ステップなど)を、吸着ステップまたは吸着ステップにおける第3のピリオドの後に行なうことができる。
【0046】
プロセス実施形態において、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤に吸着された、第1の成分(酸性ガス成分、CO成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、または重金属化合物など)の少なくとも一部を、少なくとも部分的に再生するため、または脱着するため、ならびに供給ストリームに関連した第1の成分で凝縮された第2の生成ストリームを少なくとも1つの接触器から回収するために、例えば第1の再生ステップなど、少なくとも1つの再生ステップを利用することができる。1つの実施形態において、第1の再生ステップなど、少なくとも1つの再生ステップは、例えば温度スウィング、分圧スウィング、湿度スウィング、圧力スウィング、真空スウィング、パージ、置換パージ、及びこれらの任意の組み合わせを含む、少なくとも1つの脱着機構を利用することができる。このような1つの態様において、第1の再生ステップなど、少なくとも1つの再生ステップを、例えば吸着ステップの第2のピリオド、吸着ステップの第3のピリオド、または吸着ステップの完了及び終了の際に、開始することができる。プロセス実施形態において、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの吸着剤に吸着された、第1の成分の少なくとも一部を脱着するために、例えば第1の再生ステップなどの再生ステップは、例えば第1の再生ストリームなどの再生ストリームを、少なくとも1つの吸着剤を有する少なくとも1つの接触器の中に利用かつ収容することを含むことができる。
【0047】
プロセス実施形態において、例えば第1の再生ステップなど少なくとも1つの再生ステップは:例えば少なくとも第3の成分(HOまたはストリーム成分など)、または第1の成分(例えば酸性ガス成分またはCO成分)と第3の成分との混合物を有する第1の再生ストリームを任意で収容し、再生のために十分なエネルギー(例えばストリーム温度が、吸着剤における第1の成分の脱着温度よりも高い)を、例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備えた少なくとも1つの接触器の中に、移動または生成すること;第1の再生ストリームを少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させること;少なくとも1つの吸着剤に吸着された第1の成分の少なくとも一部を脱着すること;供給ストリームに関連した第1の成分において濃縮された第2の生成ストリームを生成すること;及び任意で少なくとも1つの接触器から、供給ストリームに関連した第1の成分において濃縮された第2の生成ストリームを回収すること、を含む。第1の再生ストリームは、例えば0.01以上の、第3の成分の飽和圧力に対する分圧の比率をさらに備えることができ、それは、アミン酸化生成物の形成を減少させることによって、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤の耐久性を有利に向上させる。減少した酸素濃度を有する第1の再生ストリーム、例えば、実質的に蒸気ストリーム、実質的に第2の成分と第3の成分との混合物、または実質的に第1の成分と第3の成分との混合物は、吸着剤の酸化を減少させることによって、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤の耐久性を有利に向上させる。実施形態は:吸着ステップの第2のピリオド中に生成及び回収された第1の生成ストリームにおける第2の部分の少なくとも一部;吸着ステップの第2のピリオド中に生成及び回収された第1の生成ストリームにおける第2の部分から回収された、第2の成分及び/もしくは第3の成分の少なくとも一部;吸着ステップの第3のピリオド中に生成及び回収された、第1の生成ストリームにおける第3の部分の少なくとも一部;ならびに/または吸着ステップの第3のピリオド中に生成及び回収された、第1の生成ストリームの第3の部分から回収された第1の成分の少なくとも一部、のうち少なくとも1つを、再生ステップ中の再生ストリームの少なくとも一部として、または第1の再生ステップ中における第1の再生ストリームの少なくとも一部として、利用すること(及び少なくとも1つの接触器の中に収容すること)を含むことができる。1つの態様において、第1の再生ステップ、及び第2の生成ストリームの回収は、例えば経過時間または期間に対する閾値、温度の閾値、及び/または選択された成分の濃度または流量の閾値など、少なくとも1つの所定の閾値が実現されたとき、完了または終了することができる。第1の再生ステップなどの再生ステップ、及び/または第2の生成ストリームの回収が、完了及び/または終了した際に、1つの態様において、第2の再生ステップ、冷却ステップ、または吸着ステップを、再生ステップまたは第1の再生ステップの後に行なうことができる。
【0048】
単一の再生ステップを利用する吸着ガス分離プロセスに対して、複数の再生ステップ(例えば第1の再生ステップ、及び第2の再生ステップ)を利用する吸着ガス分離プロセスは、蒸気消費量、エネルギー消費量、ならびに/または、吸着した成分の脱着及び吸着剤の再生のための作動コストを、単一の再生ステップを利用するプロセスに対して減少させるのを有利に可能にする。第1の再生ステップ及び第2の再生ステップを利用する、吸着ガス分離プロセスは公知であり、国際公開第2017/165974号で開示されている。本発明は、国際公開第2017/165974号の改善を教示し、例えば吸着プロセス(回収したHO成分を、第1及び/または第2の再生ステップ中に第1及び/または第2の再生ストリームの中に収容すること、または第1及び/または第2の再生ストリームを、回収したHOで補足すること)の、第1の生成ストリームの第2の部分から回収した第3の成分(HO成分など)を分離して利用すること;ならびに、より大きい濃度のHOを有する第2の再生ストリームを提供できる第2の再生ステップ中に、第1の生成ストリームの第2の部分を、第2の再生ストリームとして利用かつ収容すること、を含む。
【0049】
プロセス実施形態において、第1の再生ステップに続く任意の第2の再生ステップを、少なくとも1つの接触器の少なくとも1つの化学吸着剤もしくはアミンを添加した吸着剤に吸着された、第1の成分(例えば酸性ガス成分またはCO成分)、及び/または第3の成分(例えばHO成分)のうち少なくとも一方の少なくとも一部を、少なくとも部分的に再生または脱着するため、ならびに、第1の成分及び/または供給ストリームに関連した第3の成分のうち少なくとも一方で凝縮された、第3の生成ストリームを任意で少なくとも1つの接触器から回収するために、任意で利用することができる。1つの実施形態において、第2の再生ステップは、例えば温度スウィング、分圧スウィング、湿度スウィング、圧力スウィング、真空スウィング、パージ、置換パージ、及びこれらの任意の組み合わせを含む、少なくとも1つの脱着機構を利用することができる。このような1つの態様において、任意の第2の再生ステップを、例えば第1の再生ステップの完了及び終了の際に、開始することができる。
【0050】
実施形態において、第2の再生ステップは:例えば実質的に第3の成分、第2の成分及び第3の成分、第1の成分及び第3の成分、またはこれらの組み合わせを有する第2の再生ストリームを、例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備えた少なくとも1つの接触器の中に、任意で収容すること;第2の再生ストリームを、少なくとも1つの吸着剤に沿って通過させること;少なくとも1つの吸着剤に吸着された第1の成分及び/または第3の成分のうち少なくとも一方の、少なくとも一部を脱着すること;供給ストリームに関連した第1の成分及び/または第3の成分のうち少なくとも一方において濃縮された、第3の生成ストリームを生成すること;ならびに供給ストリームに関連した第1の成分、及び/または任意で第3の成分のうち少なくとも一方で凝縮された、第3の生成ストリームを少なくとも1つの接触器から回収すること、を含む。第1の成分は、例えば酸性ガス成分、CO成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、または重金属化合物;第2の成分は、例えばN成分などの不活性成分;及び第3の成分は、HO成分、溶剤、または凝縮性流体、である。第2の再生ストリームは、接触器において少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤に吸着された、少なくとも1つの成分の平衡分圧未満の分圧を有する、少なくとも1つの成分を備える。第2の再生ストリームは、例えば0.01以上の、第3の成分の飽和圧力に対する分圧の比率をさらに備えることができ、それは、アミン酸化生成物の形成を減少させることによって、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤の耐久性を有利に向上させる。酸素の減少した体積濃度を備えた第2の再生ストリームを利用することで、酸化を減少させることによって、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤の耐久性を有利に向上させることができる。さらに、第3の成分の、例えば約0.01以上の、飽和圧力に対する分圧の比率、及び酸素の減少した体積濃度の両方を備えた、第2の再生ストリームを利用することで、尿素基の形成及び酸化を減少させることによって、化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤の耐久性を有利に向上させることができる。
【0051】
実施形態において、第2の再生ステップは:吸着ステップの第1のピリオド中に回収された第1の生成ストリームにおける第1の部分の、少なくとも一部;吸着ステップの第1のピリオド中及び/もしくは第2のピリオド中における第1の生成ストリームの第1の部分及び/もしくは第2の部分のうち少なくとも一方から回収された第2の成分(例えばN成分などの不活性成分)の、少なくとも一部;吸着ステップの第2のピリオド中に回収された第1の生成ストリームにおける第2の部分の、少なくとも一部;吸着ステップの第2のピリオド中の第1の生成ストリームの第2の部分から回収された第3の成分(HO成分など)の、少なくとも一部;吸着ステップの第3のピリオド中に回収された第1の生成ストリームにおける第3の部分の、少なくとも一部;ならびに/または吸着ステップの第3のピリオド中に第1の生成ストリームの第3の部分から回収された第1の成分(例えばCO成分などの酸性ガス成分)の、少なくとも一部、のうち少なくとも1つを、第2の再生ステップ中の第2の再生ストリームの少なくとも一部として利用すること(及び、例えば化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤など、少なくとも1つの吸着剤を備えた少なくとも1つの接触器の中に収容すること)を備える。第2の再生ステップは:少なくとも1つの吸着剤に吸着された、第1の成分及び/または第3の成分のうち、少なくとも一方の少なくとも一部を脱着すること;第3の生成ストリームを生成すること;及び任意で少なくとも1つの接触器から、供給ストリームに関連した第1の成分及び/または第3の成分のうち少なくとも1つで濃縮された、第3の生成ストリームを回収すること、をさらに含む。第1の生成ストリームにおける第2の部分、及び/または吸着ステップの第2のピリオド中に、第1の生成ストリームにおける第2の部分から回収された第3の成分を、第2の再生ステップ及び/または吸着プロセス中に、第2の再生ストリームの少なくとも一部として利用するために、回収及び利用することにより、吸着プロセス及び/または吸着分離器への外部供給源からの水の量を有利に減少させ、それは、器具、複雑性、資本コスト、及び作動コストの減少を有利にもたらす。第2の再生ストリームが接触器内に流れ、少なくとも1つの吸着剤に接触する際に、第2の再生ストリームは、吸着された成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの吸着剤から脱着させる。実施形態において、温度のスウィング、及び/または第2の再生ストリームと、吸着した成分(例えば第3の成分及び第1の成分)の同等の分圧との間の、分圧、濃度、または流量の差異は、吸着した成分の脱着を生じさせることができる。このような1つの態様において、第2の再生ストリームの一部及び/または脱着された成分は、第3の生成ストリームを形成及び/または生成することができる。第3の生成ストリームは、例えば供給ストリームに関連した第1の成分及び/または第3の成分において濃縮することができる。第3の生成ストリームは、少なくとも1つの接触器から任意で回収することができる。1つの態様において、第2の再生ステップ、及び第3の生成ストリームの回収は、例えば経過時間または期間に対する閾値、温度の閾値、及び/または選択された成分の濃度または流量の閾値など、少なくとも1つの所定の閾値に到達したとき、完了または終了することができる。第2の再生ステップ及び/または第3の生成ストリームの回収が、完了及び/または終了した際に、1つの態様において、冷却ステップまたは吸着ステップを、第2の再生ステップの後に行なうことができる。
【0052】
代替の実施形態において、複数の吸着分離器を利用する吸着プロセスは:第1の生成ストリームの第1の部分、第1の生成ストリームの第2の部分、及び/または第1の生成ストリームの第3の部分のうち、少なくとも1つの少なくとも一部を、第1の吸着分離器から回収すること;第1の生成ストリームの第1の部分、第1の生成ストリームの第2の部分、及び/または第1の生成ストリームの第3の部分のうち、少なくとも1つを、第2の吸着分離器の中に、再生ストリーム、複数の再生ストリーム、及び/または供給ストリームのうち、少なくとも1つの少なくとも一部として、収容して利用すること、を含む。複数の吸着分離器を利用する吸着プロセスは、少なくとも1つの化学吸着剤をさらに備えた、少なくとも1つの吸着分離器を備え得る。複数の吸着分離器を利用する吸着プロセスは、少なくとも1つの化学吸着剤をさらに備えた少なくとも1つの吸着分離器、及び化学吸着剤以外の吸着剤をさらに備えた少なくとも1つの吸着分離器を、備え得る。
【0053】
図5を参照すると、実施形態において、第1の成分、第2の成分、及び第3の成分を有する供給ストリームにおいて、成分を分離するための吸着プロセス500は:供給ストリームを吸着剤に沿って通過させることをさらに含む、通過ステップ510;第1の成分を吸着剤の中及び/または上に吸着することをさらに含む、吸着ステップ512;第2の成分及び第3の成分を含有する第1の生成ストリームを生成することをさらに含む、生成ステップ514;第1の時間ピリオド中に、第2の成分を第1の生成ストリームから回収することをさらに含む、回収ステップ516;第2の時間ピリオドにおいて、第3の成分を第1の生成ストリームから回収することをさらに含む、回収ステップ518;第1の生成ストリームから回収した第3の成分の少なくとも一部を、再生ストリーム(例えば第1の再生ストリーム)の少なくとも一部として、再循環させるか、または利用することをさらに含む、再循環ステップ520;第1の再生ストリームを吸着剤に沿って通過させることをさらに含む、通過ステップ522;第1の成分を吸着剤から脱着することをさらに含む、脱着ステップ524;吸着剤から脱着した第1の成分を有する第2の生成ストリームを生成することをさらに含む、生成ステップ526;ならびに、第1の成分を第2の生成ストリームから回収することをさらに含む、回収ステップ528、を含む。実施形態において、第2の時間ピリオド中に、第1の生成ストリームから回収された第3の成分、または第1の生成ストリームから回収された第3の成分は、第1の再生ストリームとして、再循環及び利用することができる。
【0054】
プロセス実施形態において、吸着プロセスは、少なくとも吸着ステップ(例えば吸着ステップの第1のピリオド、吸着ステップの第2のピリオド、及び任意で吸着ステップの第3のピリオドを含む)、第1の再生ステップなどの再生ステップ、ならびに任意で第2の再生ステップ、を含むことができる。これらのステップは、例えば約3サイクル、約5サイクル、約10サイクル、または約50サイクルなど、連続的に任意で多くのサイクルを繰り返すことができる。
【0055】
図6は、例示的な吸着ガス分離システムまたは吸着システム100の示す、簡略化した概略図であり、任意で熱交換器または直接接触冷却器108と、移動接触器102を備えた吸着ガス分離器または吸着分離器101と、凝縮器または具体的に凝縮熱交換器123と、を備える。例示的な吸着ガス分離器100は、例えば吸着ゾーン110、第1の再生ゾーン120、任意で第2の再生ゾーン130、及び調整ゾーン140の4つの固定ゾーンを通して軸の周りを循環または回転する、単一の接触器102を有するよう構成され、上述の吸着プロセスの例示的な実施形態に従った用途に好適である。吸着ガス分離器101は、供給ストリームとして、吸着分離システムのための供給ストリームの少なくとも一部を受け入れるよう、流体的に接続される。例示的な用途において、実施形態の吸着ガス分離システムは、少なくとも第1の成分(例えば酸性ガス成分、二酸化炭素成分、硫黄酸化物成分、窒素酸化物成分、または重金属化合物)を供給ストリーム(例えば燃料燃焼から生成された煙道ガスストリームまたは燃焼ガスストリーム、プロセスストリームもしくは空気ストリーム、及び/またはこれらの任意の組み合わせ)から、吸着ガス分離のために利用され得る。燃焼ガスストリームは、第2の成分(例えばN成分などの不活性成分)及び第3の成分(例えばHO、溶剤、または凝縮性流体)も備える。
【0056】
例示的な吸着ガス分離システムまたは吸着システム100は、例えば直接接触冷却器またはDCC108など任意の熱伝達デバイスと、凝縮熱交換器123と、エンクロージャ(図6には示されず)及び接触器102を含む例示的な吸着ガス分離器または吸着分離器101と、を備える。エンクロージャ(図6には示されず)は、例えば吸着ゾーン110、第1の再生ゾーン120、第2の再生ゾーン130、及び調整ゾーン140など、複数の固定ゾーン(図6で破線間に示される)を画定する補助をし得る。これらのゾーンは、エンクロージャ(図6には示されず)及び接触器102内で互いに流体的に分離している。接触器102は:軸方向の反対側にある、第1の端部104と第2の端部105との間で、長手方向軸または第1の軸103に平行な軸方向に向けられた、複数の実質的に平行な流体フロー通路(図6には示されず)を画定し得る、複数の実質的に平行な壁;限定ではないが、接触器102の壁の中及び/または上において、アミングラフトシリカ、アミン含浸メソポーラスシリカ、アルキルアミン含浸多孔質吸着剤、アミン官能化多孔質ナノポリマー、アミン官能化有機骨格、アミン官能化金属有機骨格、アミンテザー多孔質ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせ、を含む、少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず);第1の軸103に実質的に平行(及び任意で実質的に垂直)に向けられ、壁(図6には示されず)の中または上で少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤と任意で直接接触した、連続的な導電性及び/または伝熱性である任意で複数のフィラメント(図6には示されず)、を備え得る。接触器102は、例えば電気モータ(図6には示されず)など、任意の好適なデバイス(図6には示されず)によって電力を供給され得る。この電気モータは接触器102を、矢印106で示される方向に、第1の軸103の周りに実質的に連続的または間欠的に、例えば吸着ゾーン110、第1の再生ゾーン120、第2の再生ゾーン130、及び調整ゾーン140など、固定ゾーンを通して循環または回転させる。
【0057】
多成分流体ストリーム源または供給源、例えば燃焼器、プロセスストリーム源、及び/または環境空気源(図6には示されず)は、例えば燃焼ガスストリーム、プロセスストリーム、環境空気ストリーム、及び/またはこれらの任意の組み合わせなどの、多成分流体混合物を供給ストリーム107として、吸着システム100、例えば直接接触冷却器またはDCC108などの任意の伝熱デバイス、ならびに吸着分離器101の中に収容するよう、流体的に接続され得る。冷却剤源(図6には示されず)は、冷却材ストリーム109aをDCC108の中に収容するため、及び任意で冷却材ストリーム109bをDCC108から回収するために、流体的に接続され得る。供給ストリーム107の少なくとも一部は、供給ストリーム111を生成するために、供給ストリーム107の温度を、例えば約50℃、または特に約40℃、さらに特に約30℃など、第1の温度閾値以下となるよう低下させるためにDCC108に収容され得る。代替として、DCC108は、例えばガス対ガスの熱交換器、またはガス対液体の熱交換器を含んだ、任意で好適な熱交換デバイスを備え得る。
【0058】
DCC108は、供給ストリーム111を、吸着分離器101、吸着ゾーン110、及び吸着ゾーン110内の接触器102の中に収容するために流体的に接続され、実質的に接触器102の第1の端部104から第2の端部105の方向に流し得る。供給ストリーム111が、吸着ゾーン110内の少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)に接触する際に、例えばCOなど、第1の成分の少なくとも一部は、少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)に吸着され、第1の成分を供給ストリーム111から分離し得る。例えば第2の成分またはNなど、非吸着成分は、第1の生成ストリーム112を生成し得る。第1の生成ストリーム112は、望ましくは、供給ストリーム111に関連した第1の成分において減損され、吸着ゾーン110内における接触器102の一部の第2の端部105、吸着ゾーン110、吸着分離器101、及び吸着システム100から、回収され得る。吸着ゾーン110、吸着分離器101、及び吸着システム100は、第1の生成ストリーム112の少なくとも一部を、例えば分散のためのスタックに導くため、ならびに大気に解放するために、別のガス分離プロセスへ、または産業プロセス(図6には示されず)へ流体的に接続され得る。
【0059】
例えば低圧段階もしくは微圧段階の多段階スチームタービン、微圧スチームタービン、低圧ボイラーもしくは微圧ボイラー(図6には示されず)などの、第1の再生ストリーム源または低エネルギー源は、例えば低エネルギーで第1の再生ストリーム121の凝集温度以上の温度のスチームストリームを備えた第1の再生ストリーム121を、吸着システム100、吸着分離器101、第1の再生ゾーン120、及び第1の再生ゾーン120内の接触器102の一部の中に収容するために流体的に接続され、実質的に接触器102の第2の端部105から第1の端部104の方向か、または実質的に供給ストリーム111のフロー方向に対して逆流するフロー方向に流し得る。第1の再生121が、吸着分離器101の第1の再生ゾーン120内における少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)に接触する際に、成分(例えば第3の成分またはHO)は、少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)に吸着し、少なくとも1つの吸着剤上及び/または中に吸着した成分を移動させて吸着熱を生成し得る。この吸着熱は、第1の再生ストリーム121における熱エネルギーと共に、第1の再生ゾーン120内の接触器102及び吸着分離器101における、少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)で吸着された、少なくとも第1の成分の少なくとも一部を脱着するのを補助し得る。第1の再生ストリーム121の一部、及び/または例えば第1の成分などの脱着された成分は、第2の生成ストリーム122を生成し得る。第2の生成ストリーム122は、供給ストリーム111に関連した第1の成分において濃縮され、第1の再生ゾーン120内における接触器102の第1の端部104と、第1の再生ゾーン120と、吸着分離器101とから回収され得る。任意で、第1の再生ゾーン120内における接触器102の一部の第1の端部104、及び第1の再生ゾーン120から回収された、第2の生成ストリーム122における第1の部分は、供給ストリーム111に関連した第1の成分と共に濃縮され、低分圧の第3の成分または低い相対湿度を有し得る。その一方で、第1の再生ゾーン120内における接触器102の一部の第1の端部104、及び第1の再生ゾーン120から回収された第2の生成ストリーム121における第2の部分または後続の部分は、例えば供給ストリーム111に関連した第3の成分など、第1の再生ストリームの少なくとも1つの成分において濃縮され得る。任意で、吸着分離器101は、第2の生成ストリーム122における第1の部分を、例えば第1の再生ゾーン120内の、接触器102の一部の第1の端部104から、及び任意で吸着分離器101など、第1の再生ゾーン120から、任意で少なくとも周期的に回収するため、ならびに、第2の生成ストリーム122における第1の部分を、任意で吸着分離器101及び第2の再生ゾーン130の中、例えば第2の再生ゾーン130内の、接触器102の一部の第2の端部105の中に、第2の再生ステップにおける第2の再生ストリーム(図6には示されず)として収容するために、流体的に接続され得る。第2の生成ストリーム122における第2の部分は、凝縮熱交換器123の生成回路(図6には示されず)の中に収容する前に、例えば第1の再生ゾーン120内における接触器102の一部の第1の端部104及び吸着分離器101など、第1の再生ゾーン120から回収され得る。
【0060】
凝縮冷却剤源(図6には示されず)は、凝縮熱交換器123の生成回路または熱回路(両方とも図6には示されず)から熱を伝達及び除去するために、冷却剤ストリーム126aを、凝縮熱交換器123の冷却回路または冷凍回路(両方とも図6には示されず)の中に収容するよう、及び任意で、冷却材ストリーム126bを凝縮熱交換器123の冷却回路(図6には示されず)から回収するよう、流体的に接続され得る。凝縮熱交換器123の生成回路(図6には示されず)は、吸着分離器101、第1の再生ゾーン120、第1の再生ゾーン120内の接触器102の一部、任意で第2の再生ゾーン130及び第2の再生ゾーン130内の接触器102の一部、任意で圧縮器(図6には示されず)、純化または圧縮された第2の生成ストリーム(図6には示されず)のエンドユーザ、ならびに、任意で凝縮物タンク、凝縮物源、またはエンドユース(全て図6には示されず)に、流体的に接続され得る。第2の生成ストリーム122からの熱温度を低下させるため、及び/または除去するために、第2の生成ストリーム122の少なくとも一部は、例えば第1の再生ゾーン120内における接触器102の一部の第1の端部104など、第1の再生ゾーン120から、及び吸着分離器101から回収され、凝縮熱交換器123の生成回路(図6には示されず)に収容され得る。それによって、例えば第3の成分またはHOなど凝縮可能な成分を、少なくとも部分的に凝縮し、第2の生成ストリーム122から分離して、凝縮ストリーム124、及び純化された第2の生成ストリーム125を生成する。凝縮可能な成分が凝縮する際に、圧力低下または減圧が、凝縮熱交換器123の生成回路(図6には示されず)と、例えば吸着分離器101の第1の再生ゾーン120、任意で吸着分離器101の第2の再生ゾーン130、ならびに、第1の再生ゾーン120内、及び任意で第2の再生ゾーン130内における接触器102の少なくとも一部などの、流体的に接続された通路及び/または構成要素と、に誘導され得る。圧力低下または減圧は、例えば第1の再生ゾーン120内及び/または任意で第2の再生ゾーン130内の接触器102の一部において、少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)で吸着された、第1の成分及び/または第3の成分など、真空補助された成分の脱着を有利に可能にし得る。凝縮熱交換器123の生成回路(図6には示されず)は、凝縮ストリーム124を、例えば任意のポンプ及び凝縮タンク、凝縮源、またはエンドユース(全て図6には示されず)の中に導いて収容するため、ならびに、純化した第2の生成ストリーム125を、純化または圧縮された第2の生成ストリームのエンドユースもしくはユーザ(全て図6には示されず)の中に、任意で1つまたは複数のポンプ(例えば放出器、真空ポンプ、または任意で副周囲入口圧で動作する単段階もしくは多段階圧縮器など)、任意で1つまたは複数のバルブ(例えばチャックバルブまたはスロットリングバルブ)、任意で少なくとも1つの追加の凝縮熱交換器及び/もしくは凝縮器段階、ならびに純化された第2の生成ストリームの圧力を上昇させるための、任意の圧縮器を介して、導いて収容するために流体的に接続され得る。任意で、凝縮熱交換器123は、純化された第2の生成ストリーム125の少なくとも一部を、任意の第1のヒータまたは任意の補助熱交換器(両方とも図6には示されず)の中に、ならびに吸着分離器101、第2の再生ゾーン130、及び第2の再生ゾーン130内における接触器102の一部の中に、第2の再生ストリーム(図6には示されず)の少なくとも一部として、導いて収容するために流体的に接続され得る。
【0061】
実施形態において、吸着ゾーン110(及び吸着分離器101の一部)内における接触器102の一部の第2の端部105は、(例えば吸着ステップの第2のピリオド中に、第3の成分において濃縮され、供給ストリーム111に関連した第1の成分において減損された、第1の生成ストリーム112の一部、及び/または、例えば約0.010以上の、第3の成分の飽和圧力に対する分圧を有しながら、第1の成分が接触器102の第2の端部105からブレークスルーする前の、第1の生成ストリーム112の一部など)第1の生成ストリーム112の少なくとも一部を、第2の再生ストリーム131の少なくとも一部として、吸着分離器101、第2の再生ゾーン130、及び第2の再生ゾーン130内における接触器102の一部の中に、任意で接触器102の実質的に第1の端部104から第2の端部105への方向、または供給ストリーム111のフロー方向に対して実質的に並流するフロー方向に、少なくとも周期的に回収して収容するために、流体的に接続され、かつ制御され得る。
【0062】
第2の再生ストリーム131は、吸着分離器101、第2の再生ゾーン130及び第2の再生ゾーン130内における接触器102の一部の中に収容され、実質的に接触器102の第1の端部104から第2の端部105への方向、または供給ストリーム111のフロー方向に対して実質的に並流するフロー方向に、流れる。第2の再生ストリーム131は、例えば第1の成分、第2の成分、及び/または第3の成分を備え得る。例えば第3の成分など、少なくとも1つの成分は、第2の再生ゾーン130内の接触器102の一部における、少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤に吸着された、例えば第3の成分など、少なくとも1つの成分の平衡分圧未満の分圧または濃度を備え、その一方で、例えば第3の成分の飽和圧力に対して約0.010以上の分圧を有する。第2の再生ストリーム131は、例えば約80℃、約70℃、または約60℃の、第2の再生ストリーム131のおおよその凝縮温度である、第3の温度閾値よりも高い温度も有し得る。第2の再生ストリーム131が、第2の再生ゾーン130内の接触器102の一部に流れる際に、分圧スウィング及び/または湿度スウィングは、第2の再生ゾーン130内の少なくとも1つの化学吸着剤またはアミンを添加した吸着剤(図6には示されず)に吸着された、例えば第3の成分などの少なくとも1つの成分の少なくとも一部を、少なくとも部分的に脱着し得る。第2の再生ストリーム131の一部、ならびに/または、例えば第3の成分及び第1の成分などの脱着された成分は、第3の生成ストリーム132を生成し得る。第3の生成ストリーム132は、例えば供給ストリーム111に関連した、第3の成分及び任意で第1の成分など、少なくとも1つの成分において濃縮され得る。第3の生成ストリーム132は、第2の再生ゾーン130内における接触器102の一部の第2の端部105、第2の再生ゾーン130、吸着分離器101、及び吸着システム100から、回収され得る。任意で、第2の再生ゾーン130及び吸着分離器101は、第3の生成ストリーム132の少なくとも一部を、吸着分離器101の吸着ゾーン110の中に、供給ストリーム107もしくは供給ストリーム111の一部として、または、例えば燃焼器(図6には示されず)などの、多成分流体ストリーム源または供給源(図5には示されず)の中に、燃焼ガスストリームの燃焼及び生成のために利用された、酸性体ストリームの一部として、導いて収容するために、流体的に接続され得る。
【0063】
接触器102の少なくとも一部、第2の再生ゾーン130、及び吸着分離器101は、例えば多段階圧縮器(図6には示されず)の段階間または任意の圧縮器(図6には示されず)の下流など、純化された第2の生成ストリーム125の圧力を上げるために利用される、任意の圧縮器(図6には示されず)に流体的に接続され、第2の再生ストリーム(図6には示されず)の少なくとも一部として利用するために、供給ストリーム111(例えば圧縮された第2の生成ストリームの少なくとも一部)に関連した第1の成分において濃縮された流体ストリームを回収して収容する。
【0064】
例えば環境空気などの冷却剤源は、第1の温度閾値(例えば約50℃、または特に約40℃、または特に約30℃など)以下の温度において、例えば空気ストリームなどの調整ストリーム141を、吸着システム100、吸着分離器101、調整ゾーン140、及び調整ゾーン140内の接触器102の一部の中に収容し、実質的に接触器102の第1の端部104から第2の端部105への方向、または供給ストリームもしくは燃焼ガスストリーム111のフロー方向に対して実質的に並流するフロー方向に流すために、ファンまたはブローア(図6には示されず)に、流体的に接続され得る。調整ストリーム141が、調整ゾーン140内の接触器102の一部に流れる際に、調整ストリーム141は、調整ゾーン140における少なくとも1つの化学吸着剤もしくはアミンを添加した吸着剤の温度、ならびに/または、少なくとも1つの化学吸着剤もしくはアミンを添加した吸着剤から、調整ゾーン140における接触器102の一部から、及び調整ゾーン140からのパージ成分の温度を、上昇もしくは低下させ得る。調整ストリーム141及び/または脱着もしくは残留した成分は、第4の生成ストリーム142を生成し得る。第4の生成ストリーム142は、調整ゾーン140内における接触器102の一部の第2の端部105、調整ゾーン140、吸着分離器101、及び吸着システム100から、回収され得る。調整ゾーン140、吸着分離器101、及び吸着システム100は、第4の生成ストリーム142を、例えば燃焼器(図6には示されず)などの供給源(図6には示されず)の中に、燃焼器のための酸性体ストリームの一部、またはスタック(図6には示されず)として導いて収容するために、流体的に接続され、大気に分散及び解放し得る。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】