(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】配達認証システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220113BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G61/00 550
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020542252
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(85)【翻訳文提出日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 MY2020050024
(87)【国際公開番号】W WO2021066640
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】PI2019005801
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520284595
【氏名又は名称】デゴ マレーシア エスディーエヌ ビーエイチディー
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】バマダージ、ナビル フェイサル
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
配達サービスの認証システムは、配達人の認証用に配達場所に配置され、クライアントに関連付けられた生体認証装置(10)と、配達サービス提供業者のデータベースを収めたサーバー(20)に接続され、サーバー(20)を用いて配達人の照合分析を行う照合モジュール(30)とを備える。照合モジュール(30)は、生体認証装置(10)から配達人に関する納入者データを読み出し、納入者データをその配達人によって行われる配達サービスに関係するクライアントに関するクライアントデータとともに分析する。生体認証装置(10)は、ネットワーク(40)を介してサーバー(20)に納入者データを遠隔送信するとともに、ネットワーク(40)を介してサーバー(20)からクライアントデータと納入者データの照合分析についての結果を読み出し、配達サービス提供業者、クライアントまたは要求された配達サービスからの人員に配達サービスの結果を通知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達サービスの認証システムであって、
前記認証システムに関連するプログラムを処理する処理モジュールと、
配達サービスを行う少なくとも1人の個人の認証のために配達場所に配置された生体認証装置(10)と、
サーバー(20)を用いて前記配達サービスを行う個人に関する照合分析を行う照合モジュール(30)と、を備え、
前記サーバー(20)は、前記照合モジュール(30)に接続された、複数の配達サービス提供業者に関するデータベースを収容しており、
前記照合モジュール(30)は、前記生体認証装置(10)から前記個人についての少なくとも1つの納入者データを読み出して、前記納入者データを前記個人によって実行される配達サービスに関係する少なくとも1つのクライアントについて保存されている、または割り当てられている少なくとも1つのクライアントデータとともに分析し、前記生体認証装置(10)は、前記配達サービスを受ける少なくとも1つのクライアントに関連付けられており、ネットワーク(40)を介して前記サーバー(20)に前記納入者データを遠隔送信可能であるとともに、前記配達サービス提供業者、前記クライアント、もしくは、受取人又は要求された前記配達サービスからの少なくとも一人の人員、のいずれかに、配達サービスの結果を通知するために、前記ネットワーク(40)を介して前記サーバー(20)から前記クライアントデータと前記納入者データの照合分析についての少なくとも1つの結果を読出し可能であるように、前記ネットワーク(40)への接続を確立するネットワークカードを備えていることを特徴とする、配達サービスの認証システム。
【請求項2】
前記配達サービスを行う個人を前記認証システムに登録する際に配達人が使用する配達装置をさらに備えた、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項3】
前記サーバー(20)に送信される暗号化されたデータを保存する、ユーザーが許可した配達人モバイル機器(50)をさらに備えた、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項4】
前記生体認証装置(10)が、正式に認定された配達場所としての敷地内に設置されている、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項5】
前記生体認証装置(10)が指紋センサーを備えている、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項6】
前記生体認証装置(10)が、カメラと、表示パネルと、全地球測位システム(GPS)と、無線接続と、電源接続と、バッテリーと、記憶装置とを備えている、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項7】
前記生体認証装置(10)が、一端部に平面仕上げ面を有しており、対向する端部においては、前記生体認証装置のコンピューター部品を当該端部に取り付けられたケーシング内に収納している、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項8】
前記生体認証装置(10)が、ログデータベース上で生体署名データの作成および対照を含む生体署名データの管理を行うように前記認証システムによって生成された、生体署名に対する本人確認ポリシーを実行する、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項9】
前記生体認証装置(10)に接続され、前記クライアントまたは受取人に前記配達サービスを知らせる受取人モバイル機器(60)をさらに備えた、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【請求項10】
前記サーバー(20)に接続され、前記生体認証装置(10)において配達の証明を行う際に前記配達を行う個人またはクライアントが使用する配達人モバイル機器(50)をさらに備えた、請求項1に記載の配達サービスの認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の生体認証識別子を用いて宅配配達人による配達を証明する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、オンライン小売業者の活発な成長とともに、私達の日常生活におけるモバイル機器技術への適応が広がっている。消費者は、自宅からオンラインで便利に買い物をすることができ、クリックだけで選択できる贅沢を味わえる。荷物の種類も、様々な送り主からの書類、債券、薬品、生物剤など様々である。したがって、配達プロセスは、荷物が妥当な期間内に、安全で、無事に、対象とする受取人の玄関先に到着することを確保する上で最も重要である。
【0003】
宅配サービスは、特にこの消費者習慣から恩恵を受け続けている。多くの場合、配達物の受け取りを証明する方法として「ペンと紙」の方法が宅配サービスによって未だに実施されている。また、宅配サービスは、配達プロセスにおける時間節約、並びに配達人と荷物受取人の両者に対する配達証明の作成のために、両者による受け取りのデジタル証明にもますます依存しつつある。しかしながら、これらの方法は、正式な受取人またはその代理人による署名を必要としている。このことで、正式でない受取人が真の受取人に属する署名やその他の機密情報にアクセスすれば、これらが偽造されて商品配達の達成を証明されてしまう恐れがあるので、配達プロセスが詐欺の被害に遭いやすいものになっている。
【0004】
本発明は、配達証明のために正式な受取人やその代理人の署名を不要にしようとするものである。その代わりに、本発明は、送り先への荷物到着時に受取人が荷物の損傷の有無を点検した後、送り主から指定された場所への荷物の配達の達成を確認するために、配達人の生体認証識別子(すなわち、指紋)を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、配達サービスの認証システムに関し、該配達サービスの認証システムは、認証システムに関連するプログラムを処理する処理モジュールと、配達サービスを行う少なくとも1人の個人の認証のために配達場所に配置された生体認証装置と、サーバーを用いて配達サービスを行う個人に関する照合分析を行う照合モジュールとを備え、サーバーは、照合モジュールに接続された、複数の配達サービス提供業者に関するデータベースを収容しており、照合モジュールは、生体認証装置から個人についての少なくとも1つの納入者データを読み出して、納入者データを、その個人によって実行される配達サービスに関係する少なくとも1つのクライアントについて保存されている、または割り当てられている少なくとも1つのクライアントデータとともに分析し、生体認証装置は、配達サービスを受ける少なくとも1つのクライアントに関連付けられており、ネットワークを介してサーバーに納入者データを遠隔送信可能であるとともに、配達サービス提供業者、クライアント、もしくは、受取人又は要求された配達サービスからの少なくとも一人の人員、のいずれかに配達サービスの結果を通知するために、ネットワークを介してサーバーからクライアントデータと納入者データの照合分析についての少なくとも1つの結果を読出し可能であるように、ネットワークへの接続を確立するネットワークカードを備えていることを特徴とする。
【0006】
配達サービスの認証システムの別の実施形態は、配達サービスを行う個人を認証システムに登録する際に配達人が使用する配達装置を備えている。
【0007】
配達サービスの認証システムの別の実施形態は、サーバーに送信される暗号化されたデータを保存する、ユーザーが許可したモバイル電子機器を備えている。
【0008】
生体認証装置は、正式に認定された配達場所としての敷地内に設置されていることが好ましい。
【0009】
生体認証装置は、指紋センサーを備えていることが好ましい。
【0010】
生体認証装置は、カメラと、表示パネルと、全地球測位システム(GPS)と、無線接続と、電源接続と、バッテリーと、記憶装置とを備えていることが好ましい。
【0011】
生体認証装置は、一端部に平面仕上げ面を有しており、対向する端部においては、生体認証装置のコンピューター部品を当該端部に取り付けられたケーシング内に収納していることが好ましい。
【0012】
生体認証装置は、ログデータベース上で生体署名データの作成及び対照を含む生体署名データの管理を行うように認証システムによって生成された、生体署名に対する本人確認ポリシーを実行することが好ましい。
【0013】
配達サービスの認証システムの別の実施形態は、生体認証装置または指紋センサーに接続された、クライアントまたは受取人に配達サービスを知らせるモバイル機器を備えている。
【0014】
本発明は、以下に完全に記載され、添付の図面に例示された、特徴と、部分の組み合わせからなっており、本発明が発明の範囲から逸脱しない範囲で、または本発明の利点のいずれをも犠牲にしない範囲で、細部について変更可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の一部の実施形態の様々な局面をさらに明確にするため、添付の図面に例示された特定の実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。これらの図面は、発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、したがって発明の範囲を限定するとみなされるべきではないことは理解される。本発明を、以下の添付の図面を介したさらなる特定性と詳細を伴って記述および説明する。
【
図1】
図1は、配達の証明時の配達サービスシステム内での生体認証装置からのデータ転送を示す。
【
図2】
図2は、生体認証装置の平面図および側面図を示す。
【
図3】
図3は、配達証明用のモバイル電子機器の初回1回限りの設定と登録のプロセスフローを示す。
【
図4】
図4は、生体認証装置による生体入力処理のプロセスフローを示す。
【
図5】
図5は、検証支払い式配達システムのプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、その基本的な特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態で実施されてもよい。記載の実施形態は、あらゆる点で例示に過ぎず、非限定的であるとみなされるべきである。したがって、発明の範囲は、以下の説明ではなく、請求の範囲によって示される。請求の範囲の等価物の意味および範囲内に入るあらゆる変更も発明の範囲内に包含されるべきである。
【0017】
配達認証システムに関連する上記の問題に鑑み、本発明は、生体認証装置または指紋センサーを使用して、配達人の指紋である生体認証識別子を用いて配達人による荷物の配達の達成を証明する方法を開示するものである。生体データの転送は、信頼できる実行環境において暗号化されたセッションに基づく要求を介して行なわれる。
【0018】
指定された場所での配達人による荷物の配達の達成を認証または証明する方法の実施形態は、4つの構成要素、すなわち、指紋認証装置と、信頼できるモバイル電子機器と、暗号化された機器ネットワークと、クラウドサーバーとを備えている。
【0019】
さらに、本発明で使用されるモバイル電子機器は、指紋センサー、プロセッサー、ディスプレイ、マイクロコントローラー、通信インターフェイス、ネットワークインターフェイス、オペレーティングシステム、カメラ、全地球測位システム(GPS)、バッテリー、導電体、およびメモリを有する実施形態である。
【0020】
指紋センサーは、外観が、以下に限定されないが、一般的な電気スイッチに似ていることが好ましい。
【0021】
指紋センサーは、無線ローカルエリアネットワーク機器及びセルラーネットワーク機器に接続可能であることが好ましい。
【0022】
電子機器のネットワークインターフェイスは、無線ローカルエリアネットワーク機器及びセルラーネットワーク機器に接続可能であることが好ましい。
【0023】
クラウドサーバーは、認証アプリケーションと、データベースと、サーバーと、第三者配達サービス提供業者からのアプリケーションとを有して構成されることが好ましい。
【0024】
本発明は、正式に認定された場所での配達人による配達の達成を証明する複数の装置およびプロセスの実施形態を含む。本発明の第1の必要物は、プロセッサー、ディスプレイ、マイクロコントローラー、通信インターフェイス、オペレーティングシステム、カメラ、全地球測位システム(GPS)、バッテリー、導電体、およびメモリを備えたモバイル電子機器である。第2の必要物は、最適のテルコ・ネットワーク・プロバイダーによって提供される、暗号化された機器ネットワークである。第3の必要物は、サービスアプリケーションと、データベースと、サーバーと、第三者アプリケーションとを備えたクラウドシステムである。
【0025】
図1は、配達の証明時の配達サービスシステム内での生体認証装置からのデータ転送を示す。このプロセスは、ネットワーク(40)に接続された、指紋センサーを備えた生体認証装置(10)と、複数の配達サービス提供業者に関する情報を記憶するデータベースを備えたサーバー(20)と、配達人モバイル機器(50)を用いて、配達を行う個人によって入力される情報、または配達システムの要求により受取人モバイル機器(60)を用いて、配達品を受け取るエンティティによって入力される情報を検証する照合モジュール(30)との間のデータ伝送を伴う。配達を行う個人は、使用前に配達サービスシステムに登録される。
【0026】
指紋センサーを備えた生体認証装置(10)は、正式に認定された配達場所としての敷地の近辺に配置されている。生体認証装置(10)は、ネットワーク(40)、好ましくは広域ネットワーク(WAN)との接続を可能にするネットワークカードを備えている。生体認証装置(10)は、複数の配達サービス提供業者に関する情報に連続的にアクセスおよび同期するサーバー(20)に接続されている。
【0027】
正式に認定されている配達人モバイル機器(50)が、配達を行う個人によって携帯される。配達を行う個人が配達を完了すると、その指紋を生体認証装置(10)に提示することが要求される。配達システムのサーバー(20)は、配達の達成を証明するために、配達データを生体認証装置(10)および配達人モバイル機器(50)に同期させる。配達が完了すれば、サーバーは、配達品を受け取るエンティティに電子メールで送信される配達品受領証を作成するか、または受取人モバイル機器(60)上での通知によって配達の達成を通知する。
【0028】
照合モジュール(30)は、「アクセスポイント」としての役割とともに、サーバー(20)への保存のために配達サービスシステムに入力される、正式に認定されたモバイル機器の携帯電話番号や敷地の場所に関する情報など、全ての情報の検証ツールとしての役割を行う。
【0029】
図2は、配達人による配達の達成を証明するための生体認証装置(100)または指紋センサーの平面図および側面図を示す。センサーは、一般的な電気スイッチに似た外観を有し、正式に認定された場所の敷地内に配置されている。
【0030】
図3は、ユーザーによるモバイル電子機器の初回1回限りの設定と登録のプロセスフロー(200)を示す。ユーザーは、認証サービスのアプリケーションおよび/またはウェブサイトを開いて(201)、名前、電子メールアドレス、会社住所、連絡先などの必要な情報をフォームフィールドに提供することで登録(202)を進める。登録完了後、ユーザーは、その登録された電子メールアドレスに確認の電子メールの送信を受け、アプリケーションおよび/またはウェブサイトに初回ログインすることで(203)、先の登録を確認することになる。確認が完了すると、アプリケーションおよび/またはウェブサイトが電話番号と自動的に同期する(204)。次に、ユーザーが、生体認証装置(100)または指紋センサーを使ってサービスアプリケーションを介して生体認証識別子の入力および確認を行った後(205)、ユーザーの現在の場所データのタグ付け、確認、および同期(206)に進む。一度完了すると、ユーザーは、必要な際にいつでも、アプリケーションに組み込まれた様々な設定を行うことになる(207)。このプロセスは照合モジュールを用いて実行され、照合モジュールは、配達サービスを行う個人に関する照合分析を、サーバーを使って行い、サーバーは、コンピューティングモジュールに接続された、複数の配達サービス提供業者に関するデータベースを収容している。照合モジュールは、配達サービスシステムまたは生体認証装置からその個人についての納入者データを読み出し、納入者データを、その個人によって実行される配達サービスに関係する複数のクライアントについて保存されている、または割り当てられているクライアントデータのデータベースとともに分析する。その後、少なくとも1つのクライアントにリンクする生体認証装置(100)または指紋センサーが、配達サービスを受けると、ネットワークへの接続を確立するネットワークカードを備えた生体認証装置が、ネットワークを介してサーバーに遠隔的に納入者データを送信し、ネットワークを介してサーバーからクライアントデータと納入者データの照合分析の結果を読み出して、配達サービス提供業者、クライアント、もしくは、受取人または要求された配達サービスからの少なくとも一人の人員、のいずれかに配達サービスの結果を通知する。
【0031】
図4は、指紋センサーを備えた生体認証装置(100)による生体入力処理のフローを示す。サービスアプリケーションがフォアグラウンドで動作している間に、ユーザーは、モバイル電子機器においてセンサーの役割を果たしている画面上で生体入力、すなわち、指紋の提示を開始する(301)。生体入力はデジタル生体署名になり(302)、その情報はログデータベースに回収される(303)。生体署名がログデータベースに入力されると、予め定められたタイミングでログデータベースに保存されている署名と比較される(304)。これは、その個人が現在の試みよりも以前に既にログデータベースに含まれているか否かを判定する(305)ために実行される。その工程が終了すると、ログチェックインが完了する(306)。その後、プロセスは、本人確認ポリシーの実行に移行し、未認識の(それゆえ新規の)生体署名のログエントリー(307)は、クラウドサーバーのログデータベースに追加される(308および314)。新規のユーザーは、サービス検証ポリシーを介してこのエントリーが通知される(308)。ユーザーは、その生体署名のログデータベースへの保存に一度成功すれば、配達証明のプロセスを繰り返すことになる。配達サービスシステムがリピートユーザーからの生体署名であると分かれば、認識済みの本人確認ポリシーが実行される(309)。リピートユーザーは、サービス検証ポリシーを介して現在の試みが通知される(310および311)。配達を証明する試みに成功すると、荷物の配達証明が作成され(312)、データベースに記録される(314)。何らかの理由で試みに失敗すれば(313)、その情報もデータベースに記録される(314)。配達を証明する試みが行われるたびに、その試みは成功するまで繰り返され、その情報がデータベースに記録される(314)。ログデータベースが収容されているクラウドサーバーには、各配達サービス提供業者の正式に許可された全ての人員がアクセス可能にされている(315)。
【0032】
図5は、本発明の検証支払い式配達システムのプロセスフローを示す。プロセスは、配達サービス提供業者に提起されている配達リクエストから始まる。サービス提供業者は、配達リクエストの料金を発行して徴収したのち、配達人に自動的または手作業で配達要求を割り当てる(401、402、403)。すべての配達リクエストとそれに対応する発行済み料金はデータベースに記録される。次に、配達リクエストが、配達人のモバイル電子機器を介して配達人に割り当てられる(404)。割り当て後、配達人は、配達を試み(405)、目的地の敷地に設置されている生体認証装置または指紋センサーに配達人の指紋を提示することで配達の達成を証明する(406)。これが実行されると、配達リクエストが完了し(407)、配達サービス提供業者が、要求に対して最初に発行された料金を確認する(408)。
【0033】
好ましい実施形態についての上記の説明から、本発明の目的が本発明によって達成されることは明らかである。本発明を詳細に記述、図解、例示したが、それらは実例に過ぎず、限定と解釈されるべきではないことは明確に理解されるはずである。したがって、本発明の思想および範囲は、請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2020-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の生体認証識別子を用いて宅配配達人による配達を証明する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、オンライン小売業者の活発な成長とともに、私達の日常生活におけるモバイル機器技術への適応が広がっている。消費者は、自宅からオンラインで便利に買い物をすることができ、クリックだけで選択できる贅沢を味わえる。荷物の種類も、様々な送り主からの書類、債券、薬品、生物剤など様々である。したがって、配達プロセスは、荷物が妥当な期間内に、安全で、無事に、対象とする受取人の玄関先に到着することを確保する上で最も重要である。
【0003】
宅配サービスは、特にこの消費者習慣から恩恵を受け続けている。多くの場合、配達物の受け取りを証明する方法として「ペンと紙」の方法が宅配サービスによって未だに実施されている。また、宅配サービスは、配達プロセスにおける時間節約、並びに配達人と荷物受取人の両者に対する配達証明の作成のために、両者による受け取りのデジタル証明にもますます依存しつつある。しかしながら、これらの方法は、正式な受取人またはその代理人による署名を必要としている。このことで、正式でない受取人が真の受取人に属する署名やその他の機密情報にアクセスすれば、これらが偽造されて商品配達の達成を証明されてしまう恐れがあるので、配達プロセスが詐欺の被害に遭いやすいものになっている。
【0004】
本発明は、配達証明のために正式な受取人やその代理人の署名を不要にしようとするものである。その代わりに、本発明は、送り先への荷物到着時に受取人が荷物の損傷の有無を点検した後、送り主から指定された場所への荷物の配達の達成を確認するために、配達人の生体認証識別子(すなわち、指紋)を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、配達サービスの認証システムに関し、該配達サービスの認証システムは、認証システムに関連するプログラムを処理する処理モジュールと、配達サービスを行う少なくとも1人の個人の認証のために配達場所に配置された生体認証装置と、サーバーを用いて配達サービスを行う個人に関する照合分析を行う照合モジュールとを備え、サーバーは、照合モジュールに接続された、複数の配達サービス提供業者に関するデータベースを収容しており、照合モジュールは、生体認証装置から個人についての少なくとも1つの納入者データを読み出して、納入者データを、その個人によって実行される配達サービスに関係する少なくとも1つのクライアントについて保存されている、または割り当てられている少なくとも1つのクライアントデータとともに分析し、生体認証装置は、配達サービスを受ける少なくとも1つのクライアントに関連付けられており、ネットワークを介してサーバーに納入者データを遠隔送信可能であるとともに、配達サービス提供業者、クライアント、もしくは、受取人又は要求された配達サービスからの少なくとも一人の人員、のいずれかに配達サービスの結果を通知するために、ネットワークを介してサーバーからクライアントデータと納入者データの照合分析についての少なくとも1つの結果を読出し可能であるように、ネットワークへの接続を確立するネットワークカードを備えていることを特徴とする。
【0006】
配達サービスの認証システムの別の実施形態は、配達サービスを行う個人を認証システムに登録する際に配達人が使用する配達装置を備えている。
【0007】
配達サービスの認証システムの別の実施形態は、サーバーに送信される暗号化されたデータを保存する、ユーザーが許可したモバイル電子機器を備えている。
【0008】
生体認証装置は、正式に認定された配達場所としての敷地内に設置されていることが好ましい。
【0009】
生体認証装置は、指紋センサーを備えていることが好ましい。
【0010】
生体認証装置は、カメラと、表示パネルと、全地球測位システム(GPS)と、無線接続と、電源接続と、バッテリーと、記憶装置とを備えていることが好ましい。
【0011】
生体認証装置は、一端部に平面仕上げ面を有しており、対向する端部においては、生体認証装置のコンピューター部品を当該端部に取り付けられたケーシング内に収納していることが好ましい。
【0012】
生体認証装置は、ログデータベース上で生体署名データの作成及び対照を含む生体署名データの管理を行うように認証システムによって生成された、生体署名に対する本人確認ポリシーを実行することが好ましい。
【0013】
配達サービスの認証システムの別の実施形態は、生体認証装置または指紋センサーに接続された、クライアントまたは受取人に配達サービスを知らせるモバイル機器を備えている。
【0014】
本発明は、以下に完全に記載され、添付の図面に例示された、特徴と、部分の組み合わせからなっており、本発明が発明の範囲から逸脱しない範囲で、または本発明の利点のいずれをも犠牲にしない範囲で、細部について変更可能であることが理解される。本発明の一部の実施形態の様々な局面をさらに明確にするため、添付の図面に例示された特定の実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。これらの図面は、発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、したがって発明の範囲を限定するとみなされるべきではないことは理解される。本発明を、以下の添付の図面を介したさらなる特定性と詳細を伴って記述および説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、配達の証明時の配達サービスシステム内での生体認証装置からのデータ転送を示す。
【
図2】
図2は、生体認証装置の平面図および側面図を示す。
【
図3】
図3は、配達証明用のモバイル電子機器の初回1回限りの設定と登録のプロセスフローを示す。
【
図4】
図4は、生体認証装置による生体入力処理のプロセスフローを示す。
【
図5】
図5は、検証支払い式配達システムのプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、その基本的な特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態で実施されてもよい。記載の実施形態は、あらゆる点で例示に過ぎず、非限定的であるとみなされるべきである。したがって、発明の範囲は、以下の説明ではなく、請求の範囲によって示される。請求の範囲の等価物の意味および範囲内に入るあらゆる変更も発明の範囲内に包含されるべきである。
【0017】
配達認証システムに関連する上記の問題に鑑み、本発明は、生体認証装置または指紋センサーを使用して、配達人の指紋である生体認証識別子を用いて配達人による荷物の配達の達成を証明する方法を開示するものである。生体データの転送は、信頼できる実行環境において暗号化されたセッションに基づく要求を介して行なわれる。
【0018】
指定された場所での配達人による荷物の配達の達成を認証または証明する方法の実施形態は、4つの構成要素、すなわち、指紋認証装置と、信頼できるモバイル電子機器と、暗号化された機器ネットワークと、クラウドサーバーとを備えている。
【0019】
さらに、本発明で使用されるモバイル電子機器は、指紋センサー、プロセッサー、ディスプレイ、マイクロコントローラー、通信インターフェイス、ネットワークインターフェイス、オペレーティングシステム、カメラ、全地球測位システム(GPS)、バッテリー、導電体、およびメモリを有する実施形態である。
【0020】
指紋センサーは、外観が、以下に限定されないが、一般的な電気スイッチに似ていることが好ましい。
【0021】
指紋センサーは、無線ローカルエリアネットワーク機器及びセルラーネットワーク機器に接続可能であることが好ましい。
【0022】
電子機器のネットワークインターフェイスは、無線ローカルエリアネットワーク機器及びセルラーネットワーク機器に接続可能であることが好ましい。
【0023】
クラウドサーバーは、認証アプリケーションと、データベースと、サーバーと、第三者配達サービス提供業者からのアプリケーションとを有して構成されることが好ましい。
【0024】
本発明は、正式に認定された場所での配達人による配達の達成を証明する複数の装置およびプロセスの実施形態を含む。本発明の第1の必要物は、プロセッサー、ディスプレイ、マイクロコントローラー、通信インターフェイス、オペレーティングシステム、カメラ、全地球測位システム(GPS)、バッテリー、導電体、およびメモリを備えたモバイル電子機器である。第2の必要物は、最適のテルコ・ネットワーク・プロバイダーによって提供される、暗号化された機器ネットワークである。第3の必要物は、サービスアプリケーションと、データベースと、サーバーと、第三者アプリケーションとを備えたクラウドシステムである。
【0025】
図1は、配達の証明時の配達サービスシステム内での生体認証装置からのデータ転送を示す。このプロセスは、ネットワーク(40)に接続された、指紋センサーを備えた生体認証装置(10)と、複数の配達サービス提供業者に関する情報を記憶するデータベースを備えたサーバー(20)と、配達人モバイル機器(50)を用いて、配達を行う個人によって入力される情報、または配達システムの要求により受取人モバイル機器(60)を用いて、配達品を受け取るエンティティによって入力される情報を検証する照合モジュール(30)との間のデータ伝送を伴う。配達を行う個人は、使用前に配達サービスシステムに登録される。
【0026】
指紋センサーを備えた生体認証装置(10)は、正式に認定された配達場所としての敷地の近辺に配置されている。生体認証装置(10)は、ネットワーク(40)、好ましくは広域ネットワーク(WAN)との接続を可能にするネットワークカードを備えている。生体認証装置(10)は、複数の配達サービス提供業者に関する情報に連続的にアクセスおよび同期するサーバー(20)に接続されている。
【0027】
正式に認定されている配達人モバイル機器(50)が、配達を行う個人によって携帯される。配達を行う個人が配達を完了すると、その指紋を生体認証装置(10)に提示することが要求される。配達システムのサーバー(20)は、配達の達成を証明するために、配達データを生体認証装置(10)および配達人モバイル機器(50)に同期させる。配達が完了すれば、サーバーは、配達品を受け取るエンティティに電子メールで送信される配達品受領証を作成するか、または受取人モバイル機器(60)上での通知によって配達の達成を通知する。
【0028】
照合モジュール(30)は、「アクセスポイント」としての役割とともに、サーバー(20)への保存のために配達サービスシステムに入力される、正式に認定されたモバイル機器の携帯電話番号や敷地の場所に関する情報など、全ての情報の検証ツールとしての役割を行う。
【0029】
図2は、配達人による配達の達成を証明するための生体認証装置(
10)または指紋センサーの平面図および側面図を示す。センサーは、一般的な電気スイッチに似た外観を有し、正式に認定された場所の敷地内に配置されている。
【0030】
図3は、ユーザーによるモバイル電子機器の初回1回限りの設定と登録のプロセスフロー(200)を示す。ユーザーは、認証サービスのアプリケーションおよび/またはウェブサイトを開いて(201)、名前、電子メールアドレス、会社住所、連絡先などの必要な情報をフォームフィールドに提供することで登録(202)を進める。登録完了後、ユーザーは、その登録された電子メールアドレスに確認の電子メールの送信を受け、アプリケーションおよび/またはウェブサイトに初回ログインすることで(203)、先の登録を確認することになる。確認が完了すると、アプリケーションおよび/またはウェブサイトが電話番号と自動的に同期する(204)。次に、ユーザーが、生体認証装置(
10)または指紋センサーを使ってサービスアプリケーションを介して生体認証識別子の入力および確認を行った後(205)、ユーザーの現在の場所データのタグ付け、確認、および同期(206)に進む。一度完了すると、ユーザーは、必要な際にいつでも、アプリケーションに組み込まれた様々な設定を行うことになる(207)。このプロセスは照合モジュールを用いて実行され、照合モジュールは、配達サービスを行う個人に関する照合分析を、サーバーを使って行い、サーバーは、
照合モジュールに接続された、複数の配達サービス提供業者に関するデータベースを収容している。照合モジュールは、配達サービスシステムまたは生体認証装置からその個人についての納入者データを読み出し、納入者データを、その個人によって実行される配達サービスに関係する複数のクライアントについて保存されている、または割り当てられているクライアントデータのデータベースとともに分析する。その後、少なくとも1つのクライアントにリンクする生体認証装置(
10)または指紋センサーが、配達サービスを受けると、ネットワークへの接続を確立するネットワークカードを備えた生体認証装置が、ネットワークを介してサーバーに遠隔的に納入者データを送信し、ネットワークを介してサーバーからクライアントデータと納入者データの照合分析の結果を読み出して、配達サービス提供業者、クライアント、もしくは、受取人または要求された配達サービスからの少なくとも一人の人員、のいずれかに配達サービスの結果を通知する。
【0031】
図4は、指紋センサーを備えた生体認証装置(
10)による生体入力処理のフローを示す。サービスアプリケーションがフォアグラウンドで動作している間に、ユーザーは、モバイル電子機器においてセンサーの役割を果たしている画面上で生体入力、すなわち、指紋の提示を開始する(301)。生体入力はデジタル生体署名になり(302)、その情報はログデータベースに回収される(303)。生体署名がログデータベースに入力されると、予め定められたタイミングでログデータベースに保存されている署名と比較される(304)。これは、その個人が現在の試みよりも以前に既にログデータベースに含まれているか否かを判定する(305)ために実行される。その工程が終了すると、ログチェックインが完了する(306)。その後、プロセスは、本人確認ポリシーの実行に移行し、未認識の(それゆえ新規の)生体署名のログエントリー(307)は、クラウドサーバーのログデータベースに追加される(308および314)。新規のユーザーは、サービス検証ポリシーを介してこのエントリーが通知される(308)。ユーザーは、その生体署名のログデータベースへの保存に一度成功すれば、配達証明のプロセスを繰り返すことになる。配達サービスシステムがリピートユーザーからの生体署名であると分かれば、認識済みの本人確認ポリシーが実行される(309)。リピートユーザーは、サービス検証ポリシーを介して現在の試みが通知される(310および311)。配達を証明する試みに成功すると、荷物の配達証明が作成され(312)、データベースに記録される(314)。何らかの理由で試みに失敗すれば(313)、その情報もデータベースに記録される(314)。配達を証明する試みが行われるたびに、その試みは成功するまで繰り返され、その情報がデータベースに記録される(314)。ログデータベースが収容されているクラウドサーバーには、各配達サービス提供業者の正式に許可された全ての人員がアクセス可能にされている(315)。
【0032】
図5は、本発明の検証支払い式配達システムのプロセスフローを示す。プロセスは、配達サービス提供業者に提起されている配達リクエストから始まる。サービス提供業者は、配達リクエストの料金を発行して徴収したのち、配達人に自動的または手作業で配達要求を割り当てる(401、402、403)。すべての配達リクエストとそれに対応する発行済み料金はデータベースに記録される。次に、配達リクエストが、配達人のモバイル電子機器を介して配達人に割り当てられる(404)。割り当て後、配達人は、配達を試み(405)、目的地の敷地に設置されている生体認証装置または指紋センサーに配達人の指紋を提示することで配達の達成を証明する(406)。これが実行されると、配達リクエストが完了し(
409)、配達サービス提供業者が、要求に対して最初に発行された料金を確認する(
410)。
【0033】
好ましい実施形態についての上記の説明から、本発明の目的が本発明によって達成されることは明らかである。本発明を詳細に記述、図解、例示したが、それらは実例に過ぎず、限定と解釈されるべきではないことは明確に理解されるはずである。したがって、本発明の思想および範囲は、請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】