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特表2022-5090213D冷間成形湾曲積層体のための均一な接着剤ボンドライン制御のための方法
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  • 特表-3D冷間成形湾曲積層体のための均一な接着剤ボンドライン制御のための方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】3D冷間成形湾曲積層体のための均一な接着剤ボンドライン制御のための方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20220113BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G02B7/00 F
F16B5/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523811
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(85)【翻訳文提出日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 US2019057395
(87)【国際公開番号】W WO2020092060
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/754,581
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ノウルズ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ミトラ,アーピータ
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ-へファー,リンダ フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ワイケル,アーリン リー
【テーマコード(参考)】
2H043
3J001
【Fターム(参考)】
2H043AE02
2H043AE24
3J001FA02
3J001GA08
3J001GB01
3J001JB02
3J001JB16
3J001JC02
3J001JC06
3J001KA13
3J001KB06
(57)【要約】
本開示の実施形態は、ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法に関する。上記方法は:フレームを形成して、上記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域を画定するステップ;少なくとも1つの湾曲を含むように上記フレームを成形するステップ;スペーサを上記フレームに近接して位置決めするステップであって、上記スペーサは、境界領域と、上記境界領域から延在する突出部とを備える、ステップ;上記スペーサの上記境界領域を上記フレームに係合させて、上記突出部を上記視聴領域に挿入するステップであって、上記突出部は上記フレームを第1の距離だけ超えて延在する、ステップ;上記ボンドラインを制御するために、接着剤を、上記突出部と並ぶように、上記フレームと上記ガラス基板との間に位置決めするステップ;ガラス基板を上記接着剤及び上記突出部に係合させて、上記ガラス基板を上記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに上記ボンドラインを維持するように上記フレームを上記接着剤に対して保持するために、上記ガラス基板を上記スペーサに対して固定するステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲した加飾又は非加飾ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法であって、前記方法は:
スペーサをフレームに近接して位置決めするステップであって、前記フレームは、前記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域及び少なくとも1つの湾曲を備え、前記スペーサは、
境界領域と、
前記境界領域から延在する突出部と
を備える、ステップ;
前記スペーサの前記境界領域を前記フレームに係合させて、前記突出部を前記視聴領域に挿入するステップであって、前記突出部は前記フレームを第1の距離だけ超えて延在する、ステップ;
前記ボンドラインを制御するために、接着剤を、前記突出部と並ぶように、前記フレームと前記加飾又は非加飾ガラス基板との間に位置決めするステップ;
加飾又は非加飾ガラス基板を前記接着剤及び前記突出部に係合させて、前記ガラス基板を前記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに
前記加飾又は非加飾ガラス基板を真空成形するステップ、及び前記ボンドラインを維持するように前記フレームを前記接着剤に対して保持するために、前記加飾又は非加飾ガラス基板を前記スペーサに機械的に固定するステップのうちの一方又は両方
を含む、方法。
【請求項2】
前記突出部を用いて、前記少なくとも1つの湾曲及び前記境界領域にわたって、前記第1の距離を一定に維持するステップ;並びに
前記フレームを前記視聴領域に沿って前記突出部に係合させることによって、前記接着剤の幅を前記境界領域に沿って一定に維持するステップ
のうちの一方又は両方を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スペーサを前記フレームに着脱可能に連結するステップを更に含み、
前記スペーサを前記フレームに着脱可能に連結する前記ステップは、前記スペーサを前記フレームに取り外し可能な留め具によって連結するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガラス基板を前記スペーサに機械的に固定する前記ステップは、真空成形及び機械的クランピングのうちの一方又は両方によって、前記ガラス基板を前記スペーサに機械的に固定するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記加飾又は非加飾ガラス基板を前記スペーサに機械的に固定する前記ステップは、前記スペーサ及び前記バッキング層を一体としてクランピングするステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記加飾又は非加飾ガラス基板を前記スペーサに機械的に固定する前記ステップは、前記バッキング層を用いずに前記フレーム及び前記ガラス基板を一体としてクランピングするステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記スペーサは非付着性材料で形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記接着剤を硬化させるステップ;及び
前記スペーサを前記フレームから取り外すステップ
を更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
湾曲した加飾又は非加飾ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法であって、前記方法は:
ガラス基板をフレームに近接して位置決めするステップであって、前記フレームは、前記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域及び少なくとも1つの湾曲を備える、ステップ;
スペーサ又はギャップ制御材料を前記ガラス基板の周囲又は前記フレームの周囲に沿って適用するステップであって、前記スペーサ又はギャップ制御材料は第1の高さを有する、ステップ;
前記スペーサ又はギャップ制御材料が前記ボンドラインを制御するように、前記フレームと前記ガラス基板との間に構造用接着剤を位置決めするステップ;
前記ガラス基板、前記フレーム、及び前記スペーサ又はギャップ制御材料を係合させて、前記ガラス基板を前記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに
前記ガラス基板を真空成形するステップ、及び前記ボンドラインを維持するように前記フレームを前記構造用接着剤に対して保持するために、前記ガラス基板を前記フレームに機械的に固定するステップのうちの一方又は両方
を含む、方法。
【請求項10】
前記スペーサ又はギャップ制御材料は硬化性接着剤ビードである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2018年11月1日出願の米国仮特許出願第62/754581号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、その全体が参照により本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施形態は、均一な接着剤ボンドライン制御のための方法、特に冷間成形カバーガラス‐カバーガラス‐フレーム積層体を形成するための、均一な接着剤ボンドライン制御のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は一般に、自動車内装の分野に関し、より詳細には、車両における3D非ディスプレイ領域に関する。本発明は、構造用接着剤を用いて形状が保持される冷間曲げガラスの使用によって、可能となる。最終製品は、消費者にとって魅力的で、信頼性が高く、安全性が改善され、自動車の内装設計者にとっては設計空間を広げるものである。
【0004】
世界的な自動車内装産業において、技術革新へのニーズはますます増大しており、消費者はこれを渇望している。車両製造業は、今日の運転者及び同乗者をより良好に結び付け、今日の運転者及び同乗者に魅力を提供し、今日の運転者及び同乗者を保護し、今日の運転者及び同乗者に安全に通知を行う、内装を作製している。複数のOEMによる新しいモデルでは、タッチ機能を含むディスプレイの大型化の傾向が既に存在している。しかしながら、これらのディスプレイの大半は、平坦な、即ち2次元(2D)のプラスチックカバーレンズからなる。最近では、ガラス材料が提供する優れた機能性及びユーザ体験により、プラスチックはガラスに置き換えられている。
【0005】
顧客の関心の高まりにより、そして市場地位を維持するために、自動車産業は、ガラス製の3次元(3D)表面への移行を期待されている。このような3D表面は、車両内装にディスプレイ領域及び非ディスプレイ領域の両方を含むことを期待されている。
【0006】
3次元ガラス表面は従来、熱間成形プロセスにより形成される。上記プロセスは、湾曲3D自動車内装ディスプレイも形成できる。しかしながら、上記プロセスは、高温を伴うためエネルギ集約的であり、このような製品に多くのコストを追加する。更に、自動車内装ディスプレイ表面上に反射防止コーティングを設ける必要がある。公知の技法を用いてこのようなコーティングを3D表面上に均一に設けることは極めて困難であり、これもまた上記プロセスのコストを増大させる。
【0007】
これらの問題に対処するために、冷間曲げ技法を用いて曲げられた、自動車内装用途のためのカバーガラスが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
冷間曲げガラスに伴う課題の1つは、上記ガラスを安全に曲げて車両内に設置できる程度である。内装設計者がきつい湾曲を要求する場合、ガラスを自動車内装に安全に実装するための解決策の開発が必要となる。冷間曲げプロセスは、ガラスに曲げ応力を付与して中央張力を変化させる。更に、一部のカバーガラス(例えばアルミノシリケートガラス)の熱膨張係数(CTE)は約7.88×10-6/℃であり、これはガラスの冷間曲げ加工された形状を維持するために一般に使用されるフレーム材料のCTEより小さい。このようなフレーム材料としては、ポリカーボネート/アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(PC/ABS)(約70~約90×10-6/℃のCTEを有する)、マグネシウム合金(約25.2×10-6/℃~約27.1×10-6/℃のCTEを有する)、アルミニウム合金(約20.4×10-6/℃~約24.7×10-6/℃のCTEを有する)、ステンレス鋼(約12×10-6/℃~約19.4×10-6/℃のCTEを有する)が挙げられる。これにより、CTEミスマッチによって誘発される応力が発生し、これは、接着剤の粘弾性又は超弾性特性、及びフレーム材料の選択に応じて、ガラスの冷間曲げ応力の5倍~約100倍となり得る。接着剤が良好な引張荷重及びせん断荷重支持能力を有し、‐45℃~100℃の使用温度範囲にわたる被着体間のCTEミスマッチに適応できるようにするために、最小接着剤幅が3mm、最小接着剤高さが0.3mmである、2成分型接着剤系が必要である。構造用接着剤は典型的には、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン又はシラン変性ポリマーであろう。これらの構造用接着剤は、20,000~600,000cPの範囲の高い粘度を有し、均一なボンドライン中では、少なくとも接着剤のハンドリング強度に達するまで、液体又はペーストの粘稠度である状態を保持しなければならない。典型的には、当該産業では、中空若しくは充填ガラスマイクロビーズ/マイクロスペーサ又は金属/プラスチックシムを用いて、均一なボンドライン制御を維持する。しかしながら、(カバーガラス及びフレームを含む)3D冷間曲げ積層体では、ガラスが被着体のうちの1つであるため、接着剤ボンドラインにおけるガラスマイクロビーズ又は他の硬質材料の使用はマイクロレベルの擦傷をもたらし、これはガラス積層体の破砕性に影響を及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態は、(ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルカリ土類ボロアルミノシリケートガラス等のガラス、又はポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等といったポリマー材料を含むことができる)カバー材料を冷間曲げ加工して、これを、(金属、又はPC/ABS、ポリプロピレン(PP)/エチレン・プロピレン・ジエン(EPDM)(PP‐EPDM)、炭素繊維強化プラスチック、ガラス強化プラスチック等といったプラスチックを含むことができる)湾曲フレームに結合することによって形成される3D湾曲積層体内での、接着剤ボンドライン(接着剤の幅及び高さ)の制御のための方法に関する。この均一な接着剤ボンドライン制御を達成するための1つの方法は、スペーサの使用である。別の方法は、均一な硬化済み接着剤ビードの適用を利用する。
【0010】
1つ以上の実施形態では、上記スペーサとしては、Teflon(登録商標)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、又は他の非付着性コーティング済み金属等が挙げられる。1つ以上の実施形態では、上記スペーサは、上記フレームの車両取付側から(ディスプレイを含んでよい)上記フレームの開口へと挿入され、留め具(例えばねじ)を用いて上記フレームに仮着される。上記スペーサの高さは上記フレームより大きいため、上記スペーサはフレーム表面の上方に突出して物理的停止部材として作用し、上記カバー材料を上記フレーム表面から特定の距離に維持することによって均一なボンドライン高さの制御を助ける。1つ以上の実施形態では、本方法は、上記ボンドラインを制御するために、上記接着剤を、隆起した上記スペーサと並ぶように、上記フレームと上記カバー材料との間に位置決めするステップを含む。1つ以上の実施形態では、接着剤経路が上記積層体中で上記スペーサの外側縁部と上記カバー材料の縁部との間に留まるため、上記接着剤ボンドラインの幅が制御される。本方法は、上記カバー材料を上記接着剤及び上記スペーサに係合させて、上記カバー材料を上記湾曲フレームの形状へと冷間曲げ加工することにより、カバー材料‐フレーム積層体を形成するステップを含む。上記接着剤が硬化した後、本方法は、上記スペーサを上記カバー材料‐フレーム積層体から取り外すステップを含む。1つ以上の実施形態では、本方法は、上記スペーサを上記フレームの上記開口に挿入した後に、又は上記スペーサを上記積層体から取り外した後に、ディスプレイを上記カバー材料に積層するステップを含む。
【0011】
本方法の第2の態様は、平坦なカバーガラス上での平坦な構成の積層において、カバー材料にディスプレイを積層し、その後上記カバー材料を上記湾曲フレームに対して冷間曲げ加工するステップを含む。1つ以上の実施形態では、冷間曲げの前の上記積層は、スペーサのために利用できる開口が存在しないことを意味する。従って、1つ以上の実施形態では、接着剤は、接着剤ビードの形態で、(所望の高さを達成するために1回又は複数回の作業によって形成される)線、又はドット、又は他のパターンとして、分注される。上記接着剤ビードは、ディスプレイ領域の周囲に沿って、冷間曲げ加工によって曲げられることになる領域に形成される。その後、UV又は熱手段を用いて上記接着剤ビードを硬化させて、硬化済み接着剤ビードを形成する。上記硬化済み接着剤ビードは、高さ制御部材として作用し、上記湾曲カバーガラス‐フレーム積層体中の上記構造用接着剤の高さを決定する。エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、及びシリコーンといった異なる接着剤材料を用いて、上記接着剤ビードを形成できる。上記接着剤ビードの高さは、上記3D湾曲積層体中の最終的な接着剤ボンドライン高さを決定する。上記接着剤ボンドラインの均一な幅は、所与の接着剤ベゼル幅に対して正しい体積量の構造用接着剤を分注することにより、達成される。
【0012】
更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、その一部は「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実践することによって認識されるであろう。
【0013】
以上の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも、例示的なものにすぎず、請求項の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を図示しており、本記述と併せて、様々な実施形態の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】1つ以上の実施形態による、フレームの開口に挿入されるスペーサの正面図
図1B】1つ以上の実施形態による、フレームの開口に挿入されるスペーサの背面図
図1C】1つ以上の実施形態による、フレームの開口に挿入されるスペーサの側面図
図2】1つ以上の実施形態による、クランピング前の、Teflonスペーサ、ガイド、及びフレームに結合されるガラスを有する部品
図3】クランピング後の図2の部品
図4】1つ以上の実施形態による、ロボット式接着剤ディスペンサによって分注される接着剤ビード
図5】1つ以上の実施形態による、上記部品の外周に沿って、及び接着剤のための中央領域に、1mmの接着剤ビードが分注された状態のカバー材料
【発明を実施するための形態】
【0015】
これより、様々な実施形態について言及する。
【0016】
ここで提案される開示では、3D冷間成形湾曲積層体における均一な接着剤ボンドライン制御を達成するための2つのアプローチが識別されている。第1のアプローチは、1つ以上のスペーサを使用することを含み、より具体的には、スペーサを、フレームの車両取付側からフレームのディスプレイウィンドウ開口へと挿入し、取り外しが容易なねじを用いてフレームに仮着する。接着剤ディスペンサ(手動若しくは空気圧式分注アプリケータ又はロボット式分注装置)を用いて、接着剤を湾曲フレーム又は平坦なカバーガラス(CG)の上に塗布する。CGを真空チャック上に配置し、フレーム‐Teflonスペーサ組立体をCGに対して位置合わせする。フレーム表面の上方のTeflonインサートの高さは、CGをフレーム表面から指定された距離に保つため、物理的停止部材として作用する。上部にボルトで固定された平坦なプレートを有するメス型の(即ち反転形状の)チャックは、積層体全体をまとめて保持する。この組立体は、接着剤のハンドリング強度(接着剤に応じて数分~数時間の期間)に達するまで、真空下で所定の位置に保持される。接着剤経路が積層体内のCGの縁部とTeflonインサートスペーサの外側縁部との間に留まるため、接着剤ボンドラインの幅が制御される。よって、Teflonインサートは、均一なボンドライン(幅及び高さ)の制御を助け、Teflonスペーサは、接着剤が硬化した後に取り外される。接着剤の完全な硬化に達するまで(接着剤に応じて数時間~数日の期間)、湾曲積層体をクランピングしたままとすることが望ましい。
【0017】
スループットの増大のために、別のプロセスを考えることができる:Teflonスペーサを、フレームの車両取付側からフレームのディスプレイウィンドウ開口へと挿入し、取り外しが容易なねじを用いてフレームに仮着する。フレーム表面の上方のTeflonインサートの高さは、CGをフレーム表面から指定された距離に保つため、物理的停止部材として作用する。Teflonガイドをフレームの角に取り付けることにより、積層体内でのフレームに対するCGの位置合わせを支援する。CGをフレーム‐Teflonスペーサ組立体に対して位置合わせした後、(Teflon、プラスチック、又は非付着性コーティング済み金属製の)反転形状フレームをCGの上部に配置し、組立体を一体としてクランピングする。
【0018】
別の変形例では:反転形状フレームの代わりに、区分けされたフレームのアプローチを用いる。ここでは、(Teflon、プラスチック、又は非付着性コーティング済み金属製の)平坦な端部を有する湾曲クランププレートを、CG表面の1つ以上の湾曲領域を覆うように配置する。接着剤高さ及び湾曲部の曲げ半径を考慮して設計されたこの湾曲クランププレートは、均一に分布する下向きの圧力を印加し、積層体の1つ以上の湾曲領域におけるいずれの接着剤のムラを防ぐのに役立つ。クランプを用いて、湾曲クランププレートを縁部に沿ってフレームに固定できる。更に、CGの平坦なディスプレイ領域上のいずれの接着剤の歪みを最小限に抑えるために、平坦な1~7mmの(Teflon、プラスチック、又は非付着性コーティング済み金属製の)シート/薄いプレートを配置でき、これはその後、クランプを用いて縁部に沿ってフレームに固定される。更に別の変形例では、平坦なシート又は薄いプレートの代わりに、(Teflon、プラスチック、又は非付着性コーティング済み金属製の)チャネルを、ディスプレイウィンドウの側部/縁部に沿って配置でき、これにより平坦なディスプレイ表面をフレームに対してクランピングできる。
【0019】
上述のプロセスは、比較的高いスループットをもたらす。というのは、これは真空チャックを用いて作製される部品の個数を制限しないためである。クランプは、接着剤の完全な硬化に達するまで(接着剤に応じて数時間~数日の期間)続けられる。
【0020】
図1A、B及びCは、フレームの開口に挿入されるスペーサの正面図、背面図、及び側面図である。図1Cでは、カバーガラスCGをフレームの上部に位置合わせするための位置合わせガイドが示されている。
【0021】
図2は、クランピング前の、スペーサ、ガイド、及びフレームに結合されるガラスを示す。
【0022】
図3は、クランピング後の、スペーサ、ガイド、及びフレームに結合されるガラスを示す。
【0023】
均一なボンドラインによる第1のアプローチでは、ディスプレイ積層プロセスが冷間曲げプロセス後に行われる必要がある。というのは、スペーサがフレームのディスプレイウィンドウ開口に挿入されるためである。
【0024】
ディスプレイをカバー材料に積層すると、アクセス可能な開口が存在しなくなる。従ってこのような実施形態では、均一なボンドライン制御を達成するために異なるアプローチが必要である。1つ以上の実施形態では、第2のアプローチにおいて、ロボット式ディスペンサを用いて、正確な接着剤の量を、接着剤ビードの形態で((所望の高さを達成するために1回又は複数回の作業によって形成される)線、又はドット、又は他のパターンとして)、ディスプレイウィンドウ領域の周囲に沿って、及び1つ以上の湾曲領域に配置する。その後、UV又は熱手段を用いて接着剤ビードを硬化させて、硬化済み接着剤ビードを形成する。硬化済み接着剤ビードは、高さ制御部材として作用し、3D冷間成形湾曲積層体内の構造用接着剤の高さを決定する。接着剤ビードに使用される接着剤は、構造用接着剤に化学的に適合しなければならない。接着剤ビードは、平坦なCG又は湾曲フレーム上に配置できる。構造用接着剤を平坦なCG又は湾曲フレームの上に分注し、その後平坦なCGを湾曲フレームに対して冷間曲げ加工する。接着剤ビードの高さは、3D湾曲積層体内での最終的な接着剤ボンドライン高さを決定する。接着剤ボンドラインの均一な幅は、所与の接着剤ベゼル幅に対して正しい体積量の構造用接着剤を分注することにより、達成される。エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、シラン変性ポリマー、又はシリコーンといった異なる接着材料を用いて、接着剤ビードを形成できる。この接着剤ビードによる方法は、ディスプレイ積層方法において既に用いられているが、上記3D冷間曲げプロセスが独特なものとなっているのは、3D冷間成形積層体内の構造用接着剤ベゼル幅が極めて狭く、典型的には5~10mmであるためである。従って、接着剤ビードの極めて正確な制御が必要となり、ここで最小ビード幅は1mmである。
【0025】
図4は、ロボット式接着剤ディスペンサを示す。図5は、上記部品の外周に沿って、及び接着剤のための中央領域に、1mmの接着剤ビードが分注された状態の、カバー材料を示す。
【0026】
本開示の態様(1)は、湾曲した加飾又は非加飾ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法に関し、上記方法は:フレームを形成して、上記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域を画定するステップ;少なくとも1つの湾曲を含むように上記フレームを成形するステップ;スペーサを上記フレームに近接して位置決めするステップであって、上記スペーサは、境界領域と、上記境界領域から延在する突出部とを備える、ステップ;上記スペーサの上記境界領域を上記フレームに係合させて、上記突出部を上記視聴領域に挿入するステップであって、上記突出部は上記フレームを第1の距離だけ超えて延在する、ステップ;上記ボンドラインを制御するために、接着剤を、上記突出部と並ぶように、上記フレームと上記加飾又は非加飾ガラス基板との間に位置決めするステップ;加飾又は非加飾ガラス基板を上記接着剤及び上記突出部に係合させて、上記ガラス基板を上記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに上記加飾又は非加飾ガラス基板を真空成形するステップ、及び上記ボンドラインを維持するように上記フレームを上記接着剤に対して保持するために、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定するステップのうちの一方又は両方を含む。
【0027】
本開示の態様(2)は、上記突出部を用いて、上記少なくとも1つの湾曲及び上記境界領域にわたって、上記第1の距離を一定に維持するステップを更に含む、態様(1)の方法に関する。
【0028】
本開示の態様(3)は、上記フレームを上記視聴領域に沿って上記突出部に係合させることによって、上記接着剤の幅を上記境界領域に沿って一定に維持するステップを更に含む、態様(1)又は態様(2)の方法に関する。
【0029】
本開示の態様(4)は、スペーサを上記フレームに着脱可能に連結するステップを更に含む、態様(1)~(3)のいずれか1つの方法に関する。
【0030】
本開示の態様(5)は、上記スペーサを上記フレームに着脱可能に連結する上記ステップが、上記スペーサを上記フレームに取り外し可能な留め具によって連結するステップを含む、態様(4)の方法に関する。
【0031】
本開示の態様(6)は、上記ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定する上記ステップが、真空成形及び機械的クランピングのうちの一方又は両方によって、上記ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定するステップを含み、ここである例として、バッキング層を上記加飾又は非加飾ガラス基板に対して上記スペーサの反対側に位置決めするステップを更に含む、態様(1)~(5)のいずれか1つの方法に関する。
【0032】
本開示の態様(7)は、上記バッキング層が、上記フレームを反転させた形状を有する反転形状フレームを備える、態様(6)の方法に関する。
【0033】
本開示の態様(8)は、上記反転形状フレームが複数の部分を含む、態様(7)の方法に関する。
【0034】
本開示の態様(9)は、上記複数の部分のうちの少なくとも1つが、上記少なくとも1つの湾曲を反転させた形状を含む形状を有する、態様(8)の方法に関する。
【0035】
本開示の態様(10)は、上記複数の部分のうちの少なくとも1つが、上記視聴領域を覆う、態様(8)又は態様(9)の方法に関する。
【0036】
本開示の態様(11)は、上記バッキング層が非付着性材料を含む、態様(6)~(10)のいずれか1つの方法に関する。
【0037】
本開示の態様(12)は、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定する上記ステップが、上記スペーサ及び上記バッキング層を一体としてクランピングするステップを含む、態様(6)~(11)のいずれか1つの方法に関する。
【0038】
本開示の態様(13)は、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定する上記ステップが、上記バッキング層を用いずに上記フレーム及び上記ガラス基板を一体としてクランピングするステップを含む、態様(6)~(12)のいずれか1つの方法に関する。
【0039】
本開示の態様(14)は、ガイドを上記フレームの角に取り付けて、上記加飾又は非加飾ガラスを上記フレームに位置合わせするステップを更に含む、態様(6)~(13)のいずれか1つの方法に関する。
【0040】
本開示の態様(15)は、上記スペーサは非付着性材料で形成される、態様(1)~(14)のいずれか1つの方法に関する。
【0041】
本開示の態様(16)は、上記フレームが金属で形成され、上記ガラス基板がソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、アルカリ含有ボロアルミノシリケートガラス、ポリカーボネート、ポリイミド、又はアクリルで形成される、態様(1)~(15)のいずれか1つの方法に関する。
【0042】
本開示の態様(17)は、上記接着剤が、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサの上記突出部に係合させる上記ステップの前に、上記加飾又は非加飾ガラス基板に塗布される、態様(1)~(16)のいずれか1つの方法に関する。
【0043】
本開示の態様(18)は、上記接着剤が、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサの上記突出部に係合させる上記ステップの前に、上記フレームに塗布される、態様(1)~(17)のいずれか1つの方法に関する。
【0044】
本開示の態様(19)は、上記係合させるステップの前のある時点において、上記加飾又は非加飾ガラスを下処理するステップを更に含む、態様(1)~(18)のいずれか1つの方法に関する。
【0045】
本開示の態様(20)は、上記接着剤を手動で、又はロボットを用いて塗布するステップを更に含む、態様(1)~(19)のいずれか1つの方法に関する。
【0046】
本開示の態様(21)は:上記接着剤を硬化させて、任意に上記湾曲ガラス積層体を冷間成形するステップ;及び上記スペーサを上記フレームから取り外すステップを更に含む、態様(1)~(20)のいずれか1つの方法に関する。
【0047】
本開示の態様(22)は、上記接着剤をRTで、化学線照射を用いて、又は熱手段によって硬化させるステップを更に含む、態様(21)の方法に関する。
【0048】
本開示の態様(23)は、湾曲した加飾又は非加飾ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法に関し、上記方法は:フレームを形成して、上記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域を画定するステップ;少なくとも1つの湾曲を含むように上記フレームを成形するステップ;ガラス基板を上記フレームに近接して位置決めするステップ;スペーサ又はギャップ制御材料を上記ガラス基板の周囲又は上記フレームの周囲に沿って適用するステップであって、上記スペーサ又はギャップ制御材料は第1の高さを有する、ステップ;上記スペーサ又はギャップ制御材料が上記ボンドラインを制御するように、上記フレームと上記ガラス基板との間に構造用接着剤を位置決めするステップ;上記ガラス基板、上記フレーム、及び上記スペーサ又はギャップ制御材料を係合させて、上記ガラス基板を上記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに上記ガラス基板を真空成形するステップ、及び上記ボンドラインを維持するように上記フレームを上記構造用接着剤に対して保持するために、上記ガラス基板を上記フレームに機械的に固定するステップのうちの一方又は両方を含む。
【0049】
本開示の態様(24)は、一実施形態では、上記スペーサ又はギャップ制御材料が硬化性接着剤ビードである、態様(23)の方法に関する。
【0050】
本開示の態様(25)は、上記接着剤ビードを用いて、上記少なくとも1つの湾曲及び上記視聴領域にわたって、上記第1の距離を一定に維持するステップを更に含む、態様(23)又は(24)の方法に関する。
【0051】
本開示の態様(26)は、上記ガラス基板を上記フレームに機械的に固定する上記ステップが、真空成形及び機械的クランピングのうちの一方又は両方によって、上記ガラス基板を上記フレームに機械的に固定するステップを含む、態様(23)~(25)のいずれか1つの方法に関する。
【0052】
本開示の態様(27)は、上記バッキング層が、上記フレームを反転させた形状を有する反転形状フレームを備える、態様(23)~(26)のいずれか1つの方法に関する。
【0053】
本開示の態様(28)は、上記バッキング層が非付着性材料を含む、態様(23)~(27)のいずれか1つの方法に関する。
【0054】
本開示の態様(29)は、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記フレームに機械的に固定する上記ステップが、上記フレーム及び上記バッキング層を一体としてクランピングするステップを含む、態様(23)~(28)のいずれか1つの方法に関する。
【0055】
本開示の態様(30)は、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記フレームに機械的に固定する上記ステップが、上記バッキング層を用いずに上記フレーム及び上記ガラス基板を共一体としてクランピングするステップを含む、態様(23)~(29)のいずれか1つの方法に関する。
【0056】
本開示の態様(31)は、上記フレームが金属で形成され、上記ガラス基板がソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、アルカリ含有ボロアルミノシリケートガラス、ポリカーボネート、ポリイミド、又はアクリルで形成される、態様(23)~(30)のいずれか1つの方法に関する。
【0057】
本開示の態様(32)は、硬化性スペーサ材料が上記フレームに塗布される、態様(23)~(31)のいずれか1つの方法に関する。
【0058】
本開示の態様(33)は、上記硬化性スペーサ材料が上記加飾又は非加飾ガラス基板に塗布される、態様(23)~(32)のいずれか1つの方法に関する。
【0059】
本開示の態様(34)は、上記構造用接着剤が上記フレームに塗布される、態様(23)~(33)のいずれか1つの方法に関する。
【0060】
本開示の態様(35)は、上記構造用接着剤が上記加飾又は非加飾ガラス基板に塗布される、態様(23)~(34)のいずれか1つの方法に関する。
【0061】
本開示の態様(36)は、上記係合させるステップの前のある時点において、上記加飾又は非加飾ガラスを下処理するステップを更に含む、態様(23)~(35)のいずれか1つの方法に関する。
【0062】
本開示の態様(37)は、上記接着剤ビードをロボットを用いて塗布するステップを更に含む、態様(23)~(36)のいずれか1つの方法に関する。
【0063】
本開示の態様(38)は、上記接着剤の体積流量を制御することによって、上記接着剤ビードの高さを制御するステップを更に含む、態様(23)~(37)のいずれか1つの方法に関する。
【0064】
本開示の態様(39)は、上記構造用接着剤が、上記スペーサ又はギャップ制御材料に化学的に適合する、態様(23)~(38)のいずれか1つの方法に関する。
【0065】
本開示の態様(40)は、上記硬化性スペーサ材料が、エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、シラン変性ポリマー、又はシリコーンを含み、上記構造用接着剤が、エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、シラン変性ポリマー、又はシリコーンを含む、態様(23)~(39)のいずれか1つの方法に関する。
【0066】
本開示の態様(41)は、上記スペーサ又はギャップ制御材料が分割される、態様(23)~(40)のいずれか1つの方法に関する。
【0067】
本開示の態様(42)は、上記スペーサ又はギャップ制御材料が連続的である、態様(23)~(41)のいずれか1つの方法に関する。
【0068】
本開示の態様(43)は、上記スペーサ又はギャップ制御材料が多層である、態様(23)~(42)のいずれか1つの方法に関する。
【0069】
本開示の態様(44)は、上記構造用接着剤を硬化させるステップを更に含む、態様(23)~(42)のいずれか1つの方法に関する。
【0070】
本開示の態様(45)は、上記構造用接着剤を硬化させて上記湾曲ガラス積層体を冷間成形するステップを更に含む、態様(44)の方法に関する。
【0071】
本開示の態様(46)は、上記構造用接着剤が、室温において、化学線照射を用いて、又は熱手段によって硬化される、態様(45)の方法に関する。
【0072】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正例及び変形例を作製できることは、当業者には明らかであろう。
【0073】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0074】
実施形態1
湾曲した加飾又は非加飾ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法であって、上記方法は:
フレームを形成して、上記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域を画定するステップ;
少なくとも1つの湾曲を含むように上記フレームを成形するステップ;
スペーサを上記フレームに近接して位置決めするステップであって、上記スペーサは、
境界領域と、
上記境界領域から延在する突出部と
を備える、ステップ;
上記スペーサの上記境界領域を上記フレームに係合させて、上記突出部を上記視聴領域に挿入するステップであって、上記突出部は上記フレームを第1の距離だけ超えて延在する、ステップ;
上記ボンドラインを制御するために、接着剤を、上記突出部と並ぶように、上記フレームと上記加飾又は非加飾ガラス基板との間に位置決めするステップ;
加飾又は非加飾ガラス基板を上記接着剤及び上記突出部に係合させて、上記ガラス基板を上記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに
上記加飾又は非加飾ガラス基板を真空成形するステップ、及び上記ボンドラインを維持するように上記フレームを上記接着剤に対して保持するために、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定するステップのうちの一方又は両方
を含む、方法。
【0075】
実施形態2
上記突出部を用いて、上記少なくとも1つの湾曲及び上記境界領域にわたって、上記第1の距離を一定に維持するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0076】
実施形態3
上記フレームを上記視聴領域に沿って上記突出部に係合させることによって、上記接着剤の幅を上記境界領域に沿って一定に維持するステップを更に含む、実施形態1又は実施形態2に記載の方法。
【0077】
実施形態4
スペーサを上記フレームに着脱可能に連結するステップを更に含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
実施形態5
上記スペーサを上記フレームに着脱可能に連結する上記ステップは、上記スペーサを上記フレームに取り外し可能な留め具によって連結するステップを含む、実施形態4に記載の方法。
【0079】
実施形態6
上記ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定する上記ステップは、真空成形及び機械的クランピングのうちの一方又は両方によって、上記ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定するステップを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
実施形態7
上記バッキング層は、上記フレームを反転させた形状を有する反転形状フレームを備える、実施形態6に記載の方法。
【0081】
実施形態8
上記反転形状フレームは複数の部分を含む、実施形態7に記載の方法。
【0082】
実施形態9
上記複数の部分のうちの少なくとも1つは、上記少なくとも1つの湾曲を反転させた形状を含む形状を有する、実施形態8に記載の方法。
【0083】
実施形態10
上記複数の部分のうちの少なくとも1つは、上記視聴領域を覆う、実施形態8又は実施形態9に記載の方法。
【0084】
実施形態11
上記バッキング層は非付着性材料を含む、実施形態6~10のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
実施形態12
上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定する上記ステップは、上記スペーサ及び上記バッキング層を一体としてクランピングするステップを含む、実施形態6~11のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
実施形態13
上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサに機械的に固定する上記ステップは、上記バッキング層を用いずに上記フレーム及び上記ガラス基板を一体としてクランピングするステップを含む、実施形態6~12のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
実施形態14
ガイドを上記フレームの角に取り付けて、上記加飾又は非加飾ガラスを上記フレームに位置合わせするステップを更に含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
実施形態15
上記スペーサは非付着性材料で形成される、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
実施形態16
上記フレームは金属で形成され、上記ガラス基板はソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、アルカリ含有ボロアルミノシリケートガラス、ポリカーボネート、ポリイミド、又はアクリルで形成される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
実施形態17
上記接着剤は、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサの上記突出部に係合させる上記ステップの前に、上記加飾又は非加飾ガラス基板に塗布される、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
実施形態18
上記接着剤は、上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記スペーサの上記突出部に係合させる上記ステップの前に、上記フレームに塗布される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
実施形態19
上記係合させるステップの前のある時点において、上記加飾又は非加飾ガラスを下処理するステップを更に含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
実施形態20
上記接着剤を手動で、又はロボットを用いて塗布するステップを更に含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
実施形態21
上記接着剤を硬化させるステップ;及び
上記スペーサを上記フレームから取り外すステップ
を更に含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施形態22
上記接着剤をRTで、化学線照射を用いて、又は熱手段によって硬化させるステップを更に含む、実施形態21に記載の方法。
【0096】
実施形態23
湾曲した加飾又は非加飾ガラス基板を冷間成形しながら接着剤ボンドラインを制御するための方法であって、上記方法は:
フレームを形成して、上記フレームに少なくとも部分的に囲まれた視聴領域を画定するステップ;
少なくとも1つの湾曲を含むように上記フレームを成形するステップ;
ガラス基板を上記フレームに近接して位置決めするステップ;
スペーサ又はギャップ制御材料を上記ガラス基板の周囲又は上記フレームの周囲に沿って適用するステップであって、上記スペーサ又はギャップ制御材料は第1の高さを有する、ステップ;
上記スペーサ又はギャップ制御材料が上記ボンドラインを制御するように、上記フレームと上記ガラス基板との間に構造用接着剤を位置決めするステップ;
上記ガラス基板、上記フレーム、及び上記スペーサ又はギャップ制御材料を係合させて、上記ガラス基板を上記フレームの形状へと冷間成形するステップ;並びに
上記ガラス基板を真空成形するステップ、及び上記ボンドラインを維持するように上記フレームを上記構造用接着剤に対して保持するために、上記ガラス基板を上記フレームに機械的に固定するステップのうちの一方又は両方
を含む、方法。
【0097】
実施形態24
一実施形態では、上記スペーサ又はギャップ制御材料は硬化性接着剤ビードである、実施形態23に記載の方法。
【0098】
実施形態25
上記接着剤ビードを用いて、上記少なくとも1つの湾曲及び上記視聴領域にわたって、上記第1の距離を一定に維持するステップを更に含む、実施形態23又は24に記載の方法。
【0099】
実施形態26
上記ガラス基板を上記フレームに機械的に固定する上記ステップは、真空成形及び機械的クランピングのうちの一方又は両方によって、上記ガラス基板を上記フレームに機械的に固定するステップを含む、実施形態23~25のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
実施形態27
上記バッキング層は、上記フレームを反転させた形状を有する反転形状フレームを備える、実施形態23~26のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態28
上記バッキング層は非付着性材料を含む、実施形態23~27のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態29
上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記フレームに機械的に固定する上記ステップは、上記フレーム及び上記バッキング層を一体としてクランピングするステップを含む、実施形態23~28のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
実施形態30
上記加飾又は非加飾ガラス基板を上記フレームに機械的に固定する上記ステップは、上記バッキング層を用いずに上記フレーム及び上記ガラス基板を共一体としてクランピングするステップを含む、実施形態23~29のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
実施形態31
上記フレームは金属で形成され、上記ガラス基板はソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、アルカリ含有ボロアルミノシリケートガラス、ポリカーボネート、ポリイミド、又はアクリルで形成される、実施形態23~30のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
実施形態32
硬化性スペーサ材料は上記フレームに塗布される、実施形態23~31のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
実施形態33
上記硬化性スペーサ材料は上記加飾又は非加飾ガラス基板に塗布される、実施形態23~32のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
実施形態34
上記構造用接着剤は上記フレームに塗布される、実施形態23~33のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
実施形態35
上記構造用接着剤は上記加飾又は非加飾ガラス基板に塗布される、実施形態23~34のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
実施形態36
上記係合させるステップの前のある時点において、上記加飾又は非加飾ガラスを下処理するステップを更に含む、実施形態23~35のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
実施形態37
上記接着剤ビードをロボットを用いて塗布するステップを更に含む、実施形態23~36のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
実施形態38
上記接着剤の体積流量を制御することによって、上記接着剤ビードの高さを制御するステップを更に含む、実施形態23~37のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態39
上記構造用接着剤は、上記スペーサ又はギャップ制御材料に化学的に適合する、実施形態23~38のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態40
上記硬化性スペーサ材料は、エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、シラン変性ポリマー、又はシリコーンを含み、上記構造用接着剤は、エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、シラン変性ポリマー、又はシリコーンを含む、実施形態23~39のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
実施形態41
上記スペーサ又はギャップ制御材料は分割される、実施形態23~40のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
実施形態42
上記スペーサ又はギャップ制御材料は連続的である、実施形態23~41のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
実施形態43
上記スペーサ又はギャップ制御材料は多層である、実施形態23~42のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
実施形態44
上記構造用接着剤を硬化させるステップを更に含む、実施形態23~42のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
実施形態45
上記構造用接着剤を硬化させて上記湾曲ガラス積層体を冷間成形するステップを更に含む、実施形態44に記載の方法。
【0119】
実施形態46
上記構造用接着剤は、室温において、化学線照射を用いて、又は熱手段によって硬化される、実施形態45に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】