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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】病害に対する植物又は真菌の治療
(51)【国際特許分類】
   A01N 37/02 20060101AFI20220113BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220113BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20220113BHJP
   A01N 37/06 20060101ALI20220113BHJP
   A01N 59/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A01N37/02
A01P3/00
A01N25/02
A01N37/06
A01N59/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021524286
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(85)【翻訳文提出日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 NZ2019050123
(87)【国際公開番号】W WO2020096466
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】748004
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(31)【優先権主張番号】753590
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521189020
【氏名又は名称】ヘンリー マニュファクチャリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー、クリストファー
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BA01
4H011BB06
4H011BB18
4H011DA13
(57)【要約】
シュードモナス(Pseudomonas)細菌又はモニリニア(Monilinia)真菌から生じる病害に対して植物を治療する方法であって、脂肪酸及びケイ酸塩を植物に適用することを含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュードモナス(Pseudomonas)細菌又はモニリニア(Monilinia)真菌から生じる病害に対して植物を治療する方法であって、
・脂肪酸;及び
・ケイ酸塩;
を前記植物に適用することを含む、方法。
【請求項2】
前記脂肪酸及びケイ酸塩が配合物又は他の混合物として適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脂肪酸が石鹸の形態をとる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記脂肪酸が、
・ナトリウム塩;及び
・カリウム塩;
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記脂肪酸が、水中の溶液又は懸濁液中にある、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪酸が、動物由来の脂肪から誘導される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記脂肪酸が、植物由来のオイルから誘導される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記脂肪酸が、植物若しくは動物由来の脂肪又はオイルから誘導される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記脂肪酸が、以下の:
・カプロン酸
・カプリル酸
・カプリン酸
・ラウリン酸
・ミリスチン酸
・パルミチン酸
・パルミトレイン酸
・ステアリン酸
・オレイン酸
・リノール酸
・リノレン酸
・アラキジン酸
・ベヘン酸
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記脂肪酸が、以下の:
・C6:0:カプロン酸
・C8:0:カプリル酸
・C10:0:カプリン酸
・C12:0:ラウリン酸
・C14:0:ミリスチン酸
・C16:0:パルミチン酸
・C16:1:パルミトレイン酸
・C18:0:ステアリン酸
・C18:1:オレイン酸
・C18:2:リノール酸
・C18:3:リノレン酸
・C20:0:アラキジン酸
・C22:0:ベヘン酸
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ケイ酸塩が水溶性である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ケイ酸塩が金属塩の形態をとる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ケイ酸塩が;
・ケイ酸カリウム;
・ケイ酸ナトリウム;及び
・ケイ酸リチウム;
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ケイ酸塩のモル比が2.0~3.3の範囲である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記植物が、果実、野菜、花、穀物、マッシュルーム又は樹木のうちの1つ又は複数である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記果実が、リンゴ、ナシ、モモ、ネクタリン、アンズ、プラム、サクランボ、コダチトマト、ブドウ及びベリー類のうちの1つ又は複数である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記野菜が、レタス、アブラナ属(brassicas)、カボチャ属(cucurbits)、トマト、トウガラシ属(capsicum)、トウガラシ(chilli)、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、テンサイ、新タマネギ、ニラ、マメ及びエンドウマメのうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記穀物が、コムギ、トウモロコシ、モロコシ、オートムギ、コメ及びオオムギのうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記樹木が、モクレン属(magnolia)、ポプラ、ハナミズキ、カエデ、ライラック及びバラのうちの1つ又は複数から選択される装飾品種を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の好ましい形態は、シュードモナス(Pseudomonadaceae)科(例えばシュードモナス(Pseudomonas)細菌)の病原体、又はキンカクキン(Sclerotiniaceae)科(例えばモニリア(Monilinia)真菌)の真菌病原体により生じる病害に対する植物の治療に関する。
【0002】
本発明の特に好ましい形態は、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)により生じる細菌性イモチ病及び潰瘍による感染を予防若しくは低減するための、又はモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)により生じる褐色腐敗病を予防若しくは低減するための、石果の樹木及びその果実の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
植物病害の予防は、農業及び園芸産業において現在進行中の闘いである。一部の病害はマイナーであが、他の病害は深刻な問題を引き起こし、著しく不利な経済的影響が生じる。シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)及びモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)により生じる病害は、限定されないが、キウイフルーツ、石果、トマト、ジャガイモ及びリンゴなどの広範囲の作物の栽培者にとって特別な関心事である。
【0004】
石果の場合において、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に関連する2タイプの病害は細菌性イモチ病及び細菌性潰瘍である。細菌性イモチ病は一般に、花に感染するが、緑色の茎及び葉も感染し得る。それは、例えば花及び小果実を発育不全にし、植物組織を茶色又は黒色に変色させ、感染した葉は、感染した緑色組織の結果として斑点を現し、未感染組織の傍らに点々と現れる。細菌性潰瘍は一般に、木の枝(例えば、小さい分枝)上の死んだ組織の小領域として現れる。それは時間が経つにつれて広がる傾向があり、樹木の維管束系に感染し、樹木の健康の著しい低下、さらには死さえ引き起こし得る。感染した木の部分は、新たな感染の接種材料源としての役割も果たす。潰瘍の治療は難しく、多大な時間を要し、唯一の実行可能な選択肢は、感染部分を完全に剪定することか、又は病害の広がりを止めるためにその植物を除去することである。
【0005】
石果については同様に、真菌モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に関連する病害は褐色腐敗病である。それは、モモ、ネクタリン、アンズ、サクランボ及びプラムなどの石果にとって最も破壊的な病害の1つであり得る。モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)はしばしば、石果の樹木の花の小枝にコロニーを形成する。それは、ナシ状果の樹木及びその果実、例えば西洋ナシにも影響を及ぼす。噴霧の農業的治療は、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)又はモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)による感染を管理する、より有効な方法の1つである。既知の噴霧剤としては銅ベースの殺真菌剤が挙げられる。しかしながら、周囲の土壌に望ましくないレベルの銅が蓄積し得ることから、それらは一般に使用することができない。さらに、シュードモナス(Pseudomonas)細菌は、特定の作物において銅に対して耐性となり、そのため、病害のコントロールを維持するのに、より高いレート(rate)が必要である。銅はまた、特定の重要な土壌生物に対して非常に毒性があり得る。
【0006】
細菌性イモチ病又は潰瘍の現在の治療としては、ストレプトマイシン及びカスガマイシンなどの抗生物質が挙げられる。植物病害の治療に利用可能な抗生物質は比較的範囲が制限され、長期間の使用は、植物がそれらに対して耐性となるリスクを高める。さらに、抗生物質に対する耐性をヒトが獲得する、つまり、抗生物質を使用して生産された食材を摂取することによって耐性を獲得するという不安に基づいて、これらの治療に対する異論がある場合が多い。
【0007】
著しい残留毒性がないために、差し控える期間を必要としない、いわゆる「ソフトな」農薬代替物がいくつかある。多くは「生物学的製剤(biologicals)」のカテゴリーにあり、病害を予防する、又は病害に影響する生物である。多くの場合には、それらが「最良の化学的性質」に関して試験された場合には、生物学的製剤は有効性の点から不十分である。場合によっては、その作用機序には、間近にその環境に存在し得る、又は存在し得ない特定の気候条件が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的
本発明の好ましい実施形態の目的は、シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)又はモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)によって生じる植物病害の回避に対して少なくともいくらかの助けとなることである。この目的は好ましい実施形態に当てはまるが、より広く表される特許請求の範囲に対して制限としてみなされるべきではない。
【0009】
定義
特徴の組み合わせに関して本文書で使用されるならば、且つ使用される場合に「含む」という用語は、未指定の更なる特徴又は工程の選択肢を除外するものとしてみなされるべきではない。すなわち、この用語は、制限的に解釈すべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に従って、シュードモナス(Pseudomonas)細菌又はモニリニア(Monilinia)真菌から生じる病害に対する植物の治療方法であって:
・脂肪酸;及び
・ケイ酸塩;
を植物に適用することを含む方法を提供する。
【0011】
任意選択的に、脂肪酸及びケイ酸塩は、例えば配合物又は他の混合物として、同時に植物に適用される。
【0012】
脂肪酸は異なる脂肪酸の組み合わせを含み得て、ケイ酸塩は異なるケイ酸塩の組み合わせを含み得る。したがって、この文脈における単数は複数を除外するものではない。
【0013】
モニリニア(Monilinia)真菌は例えば、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)を含み得る。
【0014】
任意選択的に、脂肪酸及びケイ酸塩は、脂肪酸3部:ケイ酸塩1部の重量比で、又は任意選択的にこの比の±25%で存在する。
【0015】
任意選択的に、脂肪酸は石鹸の形態をとる。
【0016】
任意選択的に、脂肪酸は:
・ナトリウム塩;及び
・カリウム塩;
のうちの1つ又は複数を含む。
【0017】
任意選択的に、脂肪酸は水中の溶液又は懸濁液中にある。
【0018】
任意選択的に、脂肪酸は動物由来の脂肪から誘導される。
【0019】
任意選択的に、脂肪酸は植物由来のオイルから誘導される。
【0020】
任意選択的に、脂肪酸は、植物又は動物由来の脂肪又はオイルから誘導される。
【0021】
任意選択的に、脂肪酸は以下の:
・カプロン酸
・カプリル酸
・カプリン酸
・ラウリン酸
・ミリスチン酸
・パルミチン酸
・パルミトレイン酸
・ステアリン酸
・オレイン酸
・リノール酸
・リノレン酸
・アラキジン酸
・ベヘン酸
のうちの1つ又は複数を含む。
【0022】
任意選択的に、脂肪酸は以下の:
・C6:0:カプロン酸
・C8:0:カプリル酸
・C10:0:カプリン酸
・C12:0:ラウリン酸
・C14:0:ミリスチン酸
・C16:0:パルミチン酸
・C16:1:パルミトレイン酸
・C18:0:ステアリン酸
・C18:1:オレイン酸
・C18:2:リノール酸
・C18:3:リノレン酸
・C20:0:アラキジン酸
・C22:0:ベヘン酸
のうちの1つ又は複数を含む。
「C」の直後の数字は、分子における炭素原子の数を示し、その直後の数字は、炭素鎖における二重結合の数を意味する。したがって、例えば「C6:0カプロン酸」は、その分子が炭素原子「6個」及び二重結合「0個」を有することを意味する。
【0023】
任意選択的に、ケイ酸塩は水溶性である。
【0024】
任意選択的に、ケイ酸塩は金属塩の形をとる。
【0025】
任意選択的に、ケイ酸塩は:
・ケイ酸カリウム;
・ケイ酸ナトリウム;及び
・ケイ酸リチウム;
のうちの1つ又は複数を含む。
【0026】
任意選択的に、ケイ酸塩のモル比は2.0~3.3の範囲である。一例として、ケイ酸塩がケイ酸カリウムであり、且つモル比が2.0である場合、これは、KO 1モル毎にSiO 2.0モルを含有することを意味する。ケイ酸塩がモル比3.3のケイ酸カリウムである場合、KO 1モル毎にSiO 3.3モルを含有する。
【0027】
任意選択的に、植物は、果実、野菜、花、穀物、マッシュルーム(この文書の目的では、マッシュルームは、植物という用語によって任意選択的に包含されると解釈すべきである)又は樹木のうちの1つ又は複数である。
【0028】
任意選択的に、果実は、必ずしも制限されないが、リンゴ、ナシ、モモ、ネクタリン、アンズ、プラム、サクランボ、コダチトマト、ブドウ及びベリー類のうちの1つ又は複数である。
【0029】
任意選択的に、野菜は、必ずしも制限されないが、レタス、アブラナ属(brassicas)、カボチャ属(cucurbits)、トマト、トウガラシ属(capsicum)、トウガラシ、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、テンサイ、新タマネギ、ニラ、マメ及びエンドウマメのうちの1つ又は複数である。
【0030】
任意選択的に、穀物は、必ずしも制限されないが、コムギ、トウモロコシ、モロコシ、オートムギ、コメ及びオオムギのうちの1つ又は複数である。
【0031】
任意選択的に、樹木は、必ずしも制限されないが、モクレン属(magnolia)、ポプラ、ハナミズキ、カエデ、ライラック及びバラのうちの1つ又は複数から選択される装飾品種である。
【0032】
任意選択的に、組成物は、脂肪酸(例えば、カリウム石鹸)45~360g/100Lを含む。
【0033】
任意選択的に、組成物は、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸カリウム)350~2,000ppmを含む。
【0034】
本発明の一部の好ましい実施形態が一例として、且つ添付の図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図2】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図3】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図4】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図5】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図6】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図7】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図8】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図9】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図10】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図11】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図12】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図13】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの溶液の存在下での細菌数を対数的に示し、個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの濃度の数値、並びにシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図14】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図15】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図16】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図17】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図18】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図19】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図20】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図21】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図22】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図23】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図24】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図25】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図26】カリウム石鹸のみ、ケイ酸カリウムのみの胞子数、及び個々のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムの様々な濃度、並びにモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用した場合の、カリウム石鹸の様々な濃度に対してケイ酸カリウムの様々な濃度によって達成される有効性の効果を示すグラフ。
図27】モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する様々な配合物の有効性を評価するための試験の結果を示すグラフ。
図28】モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する様々な配合物の有効性を評価するための試験の結果を示すグラフ。
図29】モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する様々な配合物の有効性を評価するための試験の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、上記の病害に対して上記の植物を治療するための組成物が提供される。この組成物は、以下の実施例に記載の成分からなる噴霧混合溶液の形状をとる。
【実施例
【0037】
実施例1
【0038】
【表1】
【0039】
上記の組成物を生成するために、水全体の約4分の3にケイ酸塩溶液を攪拌しながら添加する。次いで、脂肪酸カリウム塩(塩形態)を攪拌しながら添加する。次いで、水の残りを攪拌しながら添加する。
【0040】
この組成物は、手作業で、又は機械噴霧器によって植物に即時に適用できるスプレー混合物の状態である。噴霧は好ましくは、病害が起こる前に重要な植物成長段階にて実質的にすべての植物表面を過剰量の組成物が流出するように大量である。
【0041】
実施例2
以下の表に、本発明の好ましい実施形態に従って生成された、数種類の特定の試作品石鹸配合物を示す。
【0042】
【表2】
【0043】
配合物NS1、NS2、NS3及びNS4はけん化によって製造された。これに関して、それぞれの場合に、オイル成分1.63kgを水2.5L中の水酸化カリウム420gと反応させた。次いで、水約5Lを添加し、各配合物を最終体積10Lまでにした。次いで、クエン酸ベースの緩衝液を使用して、得られた濃厚溶液をpH約10に緩衝した。「NS」石鹸配合物それぞれにおける脂肪酸のカリウム塩の量は、約18%(w/v)となり、又は水1リットル当たり石鹸180g/Lとなった。
【0044】
NS1~NS4に関する脂肪酸プロファイルは一般に以下の通りである:
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
これらのNS1-4試作品石鹸配合物は、いくつかの生体外(in-vitro)研究で使用され、以下に記載のようにどちらも個々に、且つケイ酸カリウムと併せて使用された。
【0050】
シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)の生体外(In Vitro)治療
実験室トライアルを実施し、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)に対する本発明の特定の実施形態の有効性を比較した。トライアルでは、以下の試験組成物:
・NS1、NS2、NS3又はNS4のみ(それぞれ脂肪酸のカリウム塩約18%(w/v));
・ケイ酸カリウムのみ(濃度44%(w/v),モル比2.2);
・各「NS..」成分とケイ酸塩のコンビネーション;
・カスガマイシン(業界標準抗生物質);及び
・水のみ;
の存在下にて確認された細菌数が測定された。
【0051】
試験組成物を以下の表に示す。
【0052】
【表7】
【0053】
それぞれの場合に、試験組成物のアリコート0.5mLをシュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv syringae)細菌性懸濁液0.5mLと合わせ、総体積1mLにした。そのコンビネーションを20℃で1時間インキュベートし、次いでそれぞれを滅菌蒸留水中で10-8に希釈した。希釈溶液をカジトン(Casitone)酵母抽出物寒天(CYE寒天)(Araujoら,2012)上にプレーティングし、個々の細菌コロニーを数え上げることができるまで、20℃にてインキュベートした。それぞれの溶液は、2つの真の反復試験試料(replicate)として製造した。各試料の細菌コロニー数の結果、及びケイ酸カリウムの添加により生じる低減パーセンテージを図1~13に示す。
【0054】
モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)の生体外(In Vitro)治療
実験室トライアルを実施し、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対する本発明の有効性も試験した。トライアルでは、以下の試験組成物:
・NS1、NS2、NS3又はNS4のみ(それぞれ脂肪酸のカリウム塩約18%(w/v));
・ケイ酸カリウムのみ(濃度44%(w/v)、モル比2.2);
・各「NS..」成分とケイ酸塩とのコンビネーション;
・カプタン600Flo(業界標準真菌剤);及び
・水のみ;
の存在下にて胞子を確認した。
【0055】
試験組成物を以下の表に詳細に示す。
【0056】
【表8】
【0057】
各試験組成物のアリコート0.5mL、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)胞子懸濁液0.25ml、及び脱イオン水0.25mlを1.5mLチューブに添加し、ボルテックスミキサーを使用して混合した。チューブを実験室温度(約20℃)で3時間インキュベートした。この時間の最後に、チューブを再びボルテックスし、2%麦芽エキスブロス(MEB)4.95mLを含有するチューブに50μlを移した。製品12個/プレートで、各製品の8個の200μlアリコートを96ウェルプレートに移した。96ウェルプレートを自動プレートリーダーに即座に置き、各ウェルの光学濃度を波長660nmにて測定した(T=0)。カバーされたプレートを実験室温度(約20℃)にて48時間インキュベートし、24時間後(T=24)及び48時間後(T=48)に光学濃度を測定した。チェックとして双眼顕微鏡を使用して、胞子の成長(もしあれば)も視覚的に観察した。
【0058】
各試料の測定値を平均し、48時間にわたる光学濃度の変化を計算した。異なるアッセイに関する結果を比較するために、水のコントロールに対する生成物の光学濃度の変化%として有効性を計算した。このように、胞子発芽及び成長を可能にした成分及び成分の組み合わせは、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を与えたが、胞子発芽及び成長を阻止した成分及び成分混合物によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。異なるアッセイで試験された、同一の成分及び成分のコンビネーションの結果を平均し、結果の提示を簡略化した。ケイ酸カリウムの添加により生じる有効性の変化を含む、各試料の有効性の結果を図14~26に示す。
【0059】
シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)バイオアッセイ
図1を参照し、3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS1のみで処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。レートは対数的に誘導される。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。
【0060】
図2を参照し、3通りの異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)と併せて3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS1で処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。レートは対数的に誘導される。X軸の表示は、NS1レート及びケイ酸カリウムのレートを表す。例えば、最初の棒は「0.16:20.8」と記される。これは、治療組成物が、水100L当たりにNS1 0.16Lであり、水100L当たりにケイ酸カリウム20.8mLであることを意味する。
【0061】
図3を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS1及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)それぞれに関する、NS1にケイ酸カリウムを添加した結果としての、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)の減少%を示す。3つの棒の最初のロットは、カリウム石鹸NS1とレート0.16L/100Lにて合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。3つの棒の第2ロットは、カリウム石鹸NS1とレート0.8L/100Lで合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。図1及び2の結果から、減少%を以下の通りに計算した:(細菌数NS1-細菌数NS1:PS)/細菌数NS1×100。一例としてNS1 0.16及びPS520を挙げると、(1.26×10-1.00×10)/1.26×10×100=99.99%である。NB:4L/100LでのNS1(NS1 4)に関する棒が無いのは、そのレートのNS1のみによって、細菌数0(つまり、100%殺滅)が得られたためである。
【0062】
図4を参照し、3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS2のみで処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。レートは対数的に誘導される。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。
【0063】
図5を参照し、3通りの異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)と併せて3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS2で処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。レートは対数的に誘導される。X軸の表記は、NS2レート及びケイ酸カリウムのレートを表す。例えば、最初の棒は「0.08:20.8」と記される。これは、治療組成物が、水100L当たりにNS2 0.08Lであり、水100L当たりにケイ酸カリウム20.8mLであることを意味する。
【0064】
図6を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS2及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)それぞれに関する、NS2にケイ酸カリウムを添加した結果としての、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)の減少%を示す。3つの棒の最初のロットは、カリウム石鹸NS2とレート0.08L/100Lにて合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。3つの棒の第2ロットは、カリウム石鹸NS2とレート0.08L/100Lで合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。図4及び5の結果から、減少%を以下の通りに計算した:(細菌数NS2-細菌数NS2:PS)/細菌数NS2×100。一例としてNS2 0.08及びPS520を挙げると、(5.45×10-0)/5.45×10×100=100%である。NB:2L/100L(NS2 2.0)でのNS2に関する棒が無いのは、そのレートのNS2のみによって、細菌数0(つまり、100%殺滅)が得られたためである。
【0065】
図7を参照し、3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS3のみで処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。レートは対数的に誘導される。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。
【0066】
図8を参照し、3通りの異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)と併せて3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS3で処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。レートは対数的に誘導される。X軸の表記は、NS3レート及びケイ酸カリウムのレートを表す。例えば、最初の棒は「0.16:20.8」と記される。これは、治療組成物が、水100L当たりにNS3 0.16Lであり、水100L当たりにケイ酸カリウム20.8mLであることを意味する
【0067】
図9を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS3及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)それぞれに関する、NS3にケイ酸カリウムを添加した結果としての、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)の減少%を示す。3つの棒の最初のロットは、カリウム石鹸NS3とレート0.16L/100Lにて合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。3つの棒の第2ロットは、カリウム石鹸NS3とレート0.8L/100Lで合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。図7及び8の結果から、減少%を以下の通りに計算した:(細菌数NS3-細菌数NS3:PS)/細菌数NS3×100。一例としてNS3 0.16及びPS520を挙げると、(1.25×10-1.0×10)/1.25×10×100=92%である。NB:4L/100L(NS3 4)でのNS3に関する棒が無いのは、そのレートのNS3のみによって、細菌数0(つまり、100%殺滅)が得られたためである。
【0068】
図10を参照し、3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS4のみで処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。レートは対数的に誘導される。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。
【0069】
図11を参照し、3通りの異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)と併せて3通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS4で処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。レートは対数的に誘導される。X軸の表記は、NS4レート及びケイ酸カリウムのレートを表す。例えば、最初の棒は「0.16:20.8」と記される。これは、治療組成物が、水100L当たりにNS4 0.16Lであり、水100L当たりにケイ酸カリウム20.8mLであることを意味する。
【0070】
図12を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS4及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)それぞれに関する、NS4にケイ酸カリウムを添加した結果としての、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)の減少%を示す。3つの棒の最初のロットは、カリウム石鹸NS4とレート0.16L/100Lにて合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。3つの棒の第2ロットは、カリウム石鹸NS4とレート0.8L/100Lで合わせた場合に、3つのレート(PS20.8、PS104及びPS520)のケイ酸カリウム(PS)によって生じる減少%に関する。図10及び11の結果から、減少%を以下の通りに計算した:(細菌数NS4-細菌数NS4:PS)/細菌数NS4×100。一例としてNS4 0.16及びPS520を挙げると、(1.1×10-0)/1.1×10×100=100%である。NB:4L/100L(NS4 4)でのNS4に関する棒が無いのは、そのレートのNS4のみによって、細菌数0(つまり、100%殺滅)が得られたためである。
【0071】
図13を参照し、3通りの異なるレート(L/100L)のケイ酸カリウムのみで処置した後の、シュードモナス・シリンゲ・パソバール・シリンゲ(Pseudomonas syringae pv.syringae)の細菌数(CFU/mL)を示す。レートは対数的に誘導される。水及びカスガマイシン(Kas)はそれぞれ、ネガティブ及びポジティブコントロールである。
【0072】
モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)バイオアッセイ
図14を参照し、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対する、4通りの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS1のみの有効性%を示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にした処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止した処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0073】
図15を参照し、2つの異なるレートのケイ酸カリウム(270ml/100L及び540ml/100L)と併せた2つの異なるレート(1L/100L及び2L/100L)のカリウム石鹸NS1の有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0074】
図16を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS1及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)のそれぞれについて、NS1にケイ酸カリウム(PS)を添加した結果としてのモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する有効性%の変化を示す。同じNS1レートに関してNS1有効性%とNS1/PS有効性%との間に違いがある、図14及び15の結果から、その変化が計算された。一例として1L/100L及びPS540でのNS1を挙げると、1L/100LでのNS1の有効性%は78.9であり、PS540併せた同じレートのNS1の有効性%は101.8である。その差は22.9であり、ケイ酸カリウムの添加が、有効性の22.9%の向上に寄与したことが示されている。
【0075】
図17を参照し、4つの異なるレート(L/100L)でカリウム石鹸NS2のみの有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0076】
図18を参照し、2つの異なるレートのケイ酸カリウム(270ml/100L及び540ml/100L)と併せた4つの異なるレート(0.5L/100L、1L/100L、2L/100L及び4L/100L)のカリウム石鹸NS2の有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0077】
図19を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS2及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)のそれぞれについて、NS2にケイ酸カリウム(PS)を添加した結果としてのモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する有効性%の変化を示す。同じNS2レートに関してNS2有効性%とNS2/PS有効性%との間に違いがある、図17及び18の結果から、その変化が計算された。一例として1L/100L及びPS540でのNS2を挙げると、1L/100LでのNS2の有効性%は41.7であり、PS540と併せた同じレートのNS2の有効性%は67.4である。その差は25.7であり、ケイ酸カリウムの添加が、有効性の25.7%の向上に寄与したことが示されている。
【0078】
図20を参照し、4つの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS3のみの有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0079】
図21を参照し、2つの異なるレートのケイ酸カリウム(270ml/100L及び540ml/100L)と併せた2つの異なるレート(1L/100L及び2L/100L)のカリウム石鹸NS3の有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0080】
図22を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS2及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)のそれぞれについて、NS3にケイ酸カリウム(PS)を添加した結果としてのモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する有効性%の変化を示す。同じNS3レートに関してNS3有効性%とNS3/PS有効性%との間に違いがある、図20及び21の結果から、その変化が計算された。一例として1L/100LでのNS3及びPS540を挙げると、1L/100LでのNS3の有効性%は7.8であり、PS540を併せた同じレートのNS3の有効性%は74.4である。その差は66.6であり、ケイ酸カリウムの添加が、有効性の66.6%の向上に寄与したことが示されている。
【0081】
図23を参照し、4つの異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS4のみの有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0082】
図24を参照し、2つの異なるレートのケイ酸カリウム(270ml/100L及び540ml/100L)と併せた2つの異なるレート(1L/100L及び2L/100L)のカリウム石鹸NS4の有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性が得られた。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0083】
図25を参照し、異なるレート(L/100L)のカリウム石鹸NS2及び異なるレートのケイ酸カリウム(mL/100L)のそれぞれについて、NS4にケイ酸カリウム(PS)を添加した結果としてのモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対する有効性%の変化を示す。同じNS4レートに関してNS4有効性%とNS4/PS有効性%との間に違いがある、図23及び24の結果から、その変化が計算された。一例として1L/100LでのNS4及びPS540を挙げると、1L/100LでのNS4の有効性%は-26.1であり、PS540と併せた同じレートのNS4の有効性%は97.5である。その差は123.6であり、ケイ酸カリウムの添加が、有効性の123.6%の向上に寄与したことが示されている。
【0084】
図26を参照し、4つの異なるレート(L/100L)のケイ酸カリウムのみの有効性%をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)芽胞に対して示す。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれず)。水のコントロールに対する光学濃度の変化%として、有効性%を計算した。胞子発芽及び成長を可能にする処置によって、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を得た。胞子発芽及び成長を阻止する処置によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。
【0085】
モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)の生体外(In Vitro)治療を含む更なる研究
NS2+ケイ酸カリウム
モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して使用された場合に、上記の同じNS2配合物を評価するため、更なるラウンドのトライアルを実施した。さらに具体的には、異なる量の(より少量の)ケイ酸カリウムと合わせた場合の、2つの異なる用量のNS2配合物をモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して試験した。ケイ酸カリウムは係数2.2であり、それがKO 1モル毎にSiO 2.2モルを含有し、上述のバイオアッセイで使用された同じケイ酸カリウムであることを意味する。
【0086】
試験配合物の組み合わせは、以下の濃度のケイ酸カリウム:
・25ml/100L水(PS25);
・50ml/100L水(PS50);
・100ml/100L水(PS100);
・200ml/100L水(PS200);
・270ml/100L水(PS270);
・540ml/100L水(PS540);
のうちの1つ又は他と併せて、各場合において1%又は2%[vol/vol]のN2からなった。
【0087】
モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola),The New Zealand Institute for Plant and Food Research Limited(PFR),Ruakura collectionからMfGQ3とコード化された、石果における褐色腐敗病の病原をV8 Juice寒天平板上で成長させた。真菌の成長が寒天表面を覆った場合に、0.05%Tween(登録商標)80を含有するリン酸緩衝液3mLでプレートを浸し、穏やかに掻き取って、真菌成長を分離し、合わせた懸濁液を100μmセルストレーナーに通した。ヘモサイトメーターを使用して胞子濃度を測定し、次いで胞子懸濁液を1mLアリコートに移し、-20℃で保管した。芽胞の必要な量を各アッセイのために解凍した。
【0088】
それぞれの試験濃度(比重を用いて体積から変換される(重量による))に対する所望の最終濃度で2回、NS2生成物及びケイ酸カリウムを50mLチューブ内に測定し、脱イオン水に溶解した。ネガティブコントロール、脱イオン水(二重反復)及びポジティブコントロール、最終濃度160mL/100LのカプタンFloを先のアッセイから採取した。
【0089】
各試験組成物0.5mLのアリコート、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)胞子懸濁液0.25ml及び脱イオン水0.25mlを1.5mLチューブに添加し、ボルテックスミキサーを使用して混合した。チューブを実験室温度(約20℃)で3時間インキュベートした。この時間の最後に、チューブを再び、ボルテックスし、2%麦芽エキスブロス(MEB)4.95mLを含有するチューブに50μlを移した。製品12個/プレートで、各生成物の200μlアリコート8個を96ウェルプレートに移した。96ウェルプレートを自動プレートリーダーに即座に置き、各ウェルの光学濃度を波長660nmにて測定した(T=0)。カバーされたプレートを実験室温度(約20℃)にて48時間インキュベートし、24時間後(T=24)及び48時間後(T=48)に光学濃度を測定した。チェックとして双眼顕微鏡を使用して、胞子の成長(もしあれば)も視覚的に観察した。
【0090】
各試料の測定値を平均し、48時間にわたる光学濃度の変化を計算した。異なるアッセイに関する結果を比較するために、水のコントロールに対する生成物の光学濃度の変化%として有効性を計算した。このように、胞子発芽及び成長を可能にする成分及び成分の組み合わせは、水のコントロールと類似の光学濃度、及びゼロに近い有効性を与えたが、胞子発芽及び成長を阻止した成分及び成分混合物によって、光学濃度の変化は非常に小さく、100%近い有効性が得られた。更なるNS2及びケイ酸カリウム(PS)の組み合わせの各試料に関する有効性の結果を図27に示し、y軸は有効性パーセントである。
【0091】
濃度1%で単独で使用した場合、NS2の有効性は乏しい。この結果から、濃度1%のNS2は、50ml/100L水と低い濃度でケイ酸カリウムと合わせた場合にモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)の非常に優れたコントロールを達成することができることが分かる。この結果から、濃度2%のNS2は、単独でモニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)の非常に優れたコントロールを達成することができることが分かる。カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれない)。
【0092】
単独で高濃度よりも、低濃度で共にケイ酸塩と石鹸両方を使用することによって、栽培者にとって利益がある。主な利益は、低いレートの脂肪酸製品に対する向上した有効性、その物質を噴霧することからの、作物に対する植物毒性リスクの低下、いくらかの費用の利点、及び処置に対して生物が耐性を獲得する低い若しくは最小限の確率である。
【0093】
NS2+ケイ酸ナトリウム係数3.2(コード化NaSi)及びNS2+ケイ酸カリウム係数3.2(コード化KSi)
・係数3.2ケイ酸ナトリウム(コード化NaSi);又は
・係数3.2ケイ酸カリウム(コード化KSi);
と合わせた場合に、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対して同じ1%及び2%(vol/vol)NS2配合物を評価するために、他の試験を実施した。
【0094】
係数3.2のケイ酸ナトリウム(NaSi)は、NaO 1モル毎にSiO 3.2モルを含有することを意味する。この場合、それは濃度37.6%(w/v)の水溶液中にある。
【0095】
係数3.2のケイ酸カリウム(KSi)は、KO 1モル毎にSiO 3.2モルを含有することを意味する。この場合、それは純度90.4%(w/w)の水溶性粉末の状態であり、残りは水である。
【0096】
モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)は、上述と同じ方法で調製した。
【0097】
NS2-NaSiコンビネーション配合物、及びNS2-KSiコンビネーション試験配合物を上述と同じ方法で調製し、適用した。
【0098】
コンビネーション試験配合物は、NaSi又はKSiの以下の濃度:
・NaSi 254ml/100L水(NaSi 254);
・NaSi 508ml/100L水(NaSi 508);
・KSi 165g/100L水(KSi 165);
・KSi 331g/100L水(KSi 331);
の1つ又は他と併せて、各場合において1%又は2%(vol/vol)のNS2からなった。
【0099】
トライアルの結果を図28に示し、「y」軸は有効性パーセントであり、上述されている同じ方法で決定される。
【0100】
カプタン600Floのコントロールは100%有効であった(含まれない)。
【0101】
先に示すように、この結果から、2%のNS2が単独で非常に優れた有効性を達成し、そのため追加の2種類のケイ酸塩配合物は有効性を著しく変化させないことが分かる。
【0102】
図28の結果からも、ケイ酸ナトリウム(係数3.2)及びケイ酸カリウム(係数3.2)を添加した場合の相乗効果が確認される:
・NS2(単独)の有効性1%=23%
・NaSi(単独)254ml/100lの有効性=11%
・NS2(1%)NaSi(254ml/100l)の有効性=96%(相乗効果)
・NS2 1%の有効性=23%
・KSi 165g/100lの有効性=11%
・NS2(1%)及びKSi(254g/100l)の有効性=97%(相乗効果)
【0103】
どちらかの作用を高める、又は同時に植物病原体に対する他の作用機序を単に付与する、互いに物理的に適合性である材料の組み合わせを使用することで、栽培者にとって利益がある。そのシナリオは、それに対して拮抗的である1つの材料に植物病原体が耐えることができ、共に適用される2種類のアンタゴニスト材料が生き残る確率が著しく減らされることである。
【0104】
単独で高濃度よりも、低濃度で共にケイ酸塩と石鹸両方を使用することによって、栽培者にとって利益がある。主な利益は、低いレートの脂肪酸対する向上した有効性、その材料を噴霧することからの、作物に対する植物毒性リスクの低下、いくらかの費用の利点、及び処置に対して生物が耐性を獲得するリスクの低減である。
【0105】
ナトリウム石鹸(コード化NaS)+ケイ酸カリウム(PS)
更なる試験を実施して、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinea fructicola)に対する脂肪酸の塩+ケイ酸の塩のコンビネーションの有効性を評価した。この試験はナトリウム石鹸(コード化NaS)及びケイ酸カリウム(PS係数2.2)のコンビネーションを適用し、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinea fructicola)に対してそれらが有効であるかどうか、そうであれば、どの程度かを確認することを含んだ。
【0106】
試作品ナトリウム石鹸配合物(コード化NaS)は、完全に精製され、漂白及び脱臭されたヤシ油(Oilseed Products NZ Ltdから市販のRBDヤシ油)から誘導された。
【0107】
カリウム石鹸NS1と同じく、植物油ベースとしてヤシ油を使用したけん化によって、配合物NaSを生成した。これに関して、オイル成分1.63kgを水2.5L中の水酸化ナトリウム270gと反応させた。次いで、水約5Lを添加して、配合物を最終体積10Lまでにした。次いで、クエン酸ベースの緩衝液を使用して、得られた濃厚溶液をpH約10に緩衝した。NaS石鹸配合物における脂肪酸のナトリウム塩の量は、水1リットル当たりナトリウム塩の脂肪酸182g又は約18.2%(w/v)が達成されるように配合された。
【0108】
等しい濃度のNS1(カリウム石鹸)を製造するためにNaSで使用される水酸化ナトリウムの重量はかなり少ない。説明として、これは、NS1において使用される水酸化カリウムが、純度99.9%の水酸化ナトリウムと比較して純度90%を有するからであった。水酸化カリウム(56.1g/モル)と水酸化ナトリウム(40g/モル)の分子量に違いがあることからも、重量の減少が起こった。NaSの脂肪酸プロファイルはNS1と同じであった。
【0109】
先の試験(図10)において、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinia fructicola)に対してNS1は単独で濃度1%にて十分に機能し、その濃度でNaSが十分に機能するであろうと仮定された。ケイ酸カリウム(2.2係数)との相乗効果について試験するために、NaSの濃度レートは、0.25~1%の範囲であった。先のバイオアッセイ試験で上述の同じ方法で、モニリニア・フルクティコーラ(Monilinea fructicola)試料を調製した。
【0110】
他の試験コンビネーションと同じ方法で、ケイ酸カリウム-NaSコンビネーション配合物を調製し、適用した。コンビネーション試験配合物は、
・PS 270ml/100L水+0.25%(vol/vol)NaS;
・PS 270ml/100L水+0.5%(vol/vol)NaS;
・PS 270ml/100L水+0.75%(vol/vol)NaS;
・PS 270ml/100L水+1%(vol/vol)NaS;
・PS 540ml/100L水+0.25%(vol/vol)NaS;
・PS 540ml/100L水+0.5%(vol/vol)NaS;
・PS 540ml/100L水+0.75%(vol/vol)NaS;
・PS 540ml/100L水+1%(vol/vol)NaS;
からなった。
【0111】
トライアルの結果を図29に示し、「y」軸は有効性パーセントであり、上述されている同じ方法で決定される。
【0112】
この結果から、NaSが単独で、非常に優れたレベルの有効性を単独で達成するレート1%に対して、最も低い(0.25%)レートは、最低限有効であるレート作用を有することが分かる。PS270を添加した場合に、NaS 0.5%及びNaS 0.75%は、NaS 1%単独と同様な非常に優れたレベルの有効性を達成する。PS540を添加した場合、すべてのレートのNaSが非常に優れたレベルの有効性を達成した。
【0113】
低いレートでの上記のコンビネーションは、環境内へのインプットを最小限に抑え、且つ芽胞が単一製品に対して耐性を獲得するリスクを最小限に抑えるという点から利点を有する。
【0114】
相乗効果はカリウム石鹸及びケイ酸カリウムに限定されないが、他の金属石鹸(この場合にはナトリウム)のケイ酸塩に及ぶことが、この結果から示されている。
【0115】
この結果から、相乗効果は特定の係数のカリウム石鹸及びケイ酸カリウムに限定されないが、入手可能なモル比の範囲を通してカリウム石鹸及びケイ酸カリウム(この場合には、係数2.2ではなく係数3.2)に及ぶことも示されている。
【0116】
開示内容の点から、この文書は、本明細書における他の特徴といずれかの1つ又は複数と組み合わせた、本明細書に記載のいずれかの特徴のコンビネーションを考え、これによって開示する。かかるコンビネーションが特許請求の範囲のいずれかの対象とならない場合でさえ、これは「開示」に当てはまる。
【0117】
本発明の一部の好ましい実施形態が一例として記述されているが、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、修正及び改善がなされ得ることは理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
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【国際調査報告】