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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】スマート充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220113BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220113BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220113BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
H02J50/80
H02J50/10
H02J7/00 303C
H02J13/00 301A
H02J13/00 311A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525068
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2019073779
(87)【国際公開番号】W WO2020094274
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】1818165.1
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1818162.8
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521194965
【氏名又は名称】アロー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ARROE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン コーニー
(72)【発明者】
【氏名】ナイル マク ギネス
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AC05
5G064AC09
5G064BA02
5G064CB08
5G064CB12
5G064DA05
5G503AA01
5G503AA04
5G503CA01
5G503CA10
5G503CA11
5G503CB06
5G503CB11
5G503CB16
5G503EA05
5G503GB08
5G503GC04
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
本明細書では、電源装置と、ユーザに関連付けられた第1のデバイスと、ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、サーバコンピュータと、を備える、システムを開示する。第2のデバイスは、電源装置に結合するように構成される。電源は、第1のデバイスにステータス情報を提供するように構成される。第1のデバイスは、第1のデバイス上で動作するアプリケーションを介して電源装置に通信を送信するように構成され、通信は電源デバイスに充電命令を提供し、命令は電源から受信したステータス情報に基づく。電源装置は、第1のデバイスから電源装置で受信された充電命令に基づいて第2のデバイスを充電するように構成される。サーバは、第1のデバイスと通信して、電源装置及び第2のデバイスのうちの少なくとも1つに関連し、ステータス情報を含むデータベースを維持するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置と、
ユーザに関連付けられた第1のデバイスと、
前記ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、
サーバコンピュータと、
を備え、
前記第2のデバイスは、前記電源装置に結合するように構成され、
前記電源は、前記第1のデバイスにステータス情報を提供するように構成され、
前記第1のデバイスは、前記第1のデバイスで動作するアプリケーションを介して前記電源装置に通信を送信するように構成され、前記通信は前記電源装置に充電命令を提供し、前記命令は前記電源装置から受信した前記ステータス情報に基づき、
前記電源装置は、前記第1のデバイスから前記電源で受信された前記充電命令に基づいて前記第2のデバイスを充電するように構成され、
前記サーバは、前記第1のデバイスと通信して、前記電源及び前記第2のデバイスのうちの少なくとも1つに関連し、ステータス情報を含むデータベースを維持するように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1のデバイスは、前記電源装置及び前記第2のデバイスのうちの少なくとも1つの前記ステータス情報を前記サーバに提供するように構成され、
前記サーバは、前記ステータス情報を処理し、前記処理に基づいて前記第1のデバイスの前記アプリケーションの前記動作を修正するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のデバイスは、前記第2のデバイスに前記ステータス情報を要求し、そのような情報を前記サーバコンピュータに転送するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のデバイスは、前記電源装置に前記ステータス情報を要求し、そのような情報を前記サーバコンピュータに転送するように構成される、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アプリケーションは、前記第1のデバイスで実行されている他のアプリケーションへのアクセスを要求するように構成され、
前記第1のデバイスから前記電源装置に送信される前記通信は、前記他のアプリケーションから得られた情報に基づく、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記アプリケーションは、前記他のアプリケーションから得られた前記情報を前記サーバコンピュータに送信するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のユーザデバイスは、前記アプリケーションを介して、複数のユーザデバイスを充電するための優先順位を前記電源装置に提供するように構成され、
前記電源装置は、前記優先順位に基づいて複数のユーザデバイスを充電するように構成され、前記優先順位は、前記アプリケーションを使用して設定可能である、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
電源と、
通信インターフェースと、
通信回路と、
充電回路と、
前記充電回路に結合された複数の充電ポイントと、
を備える電源装置であって、
前記複数の充電ポイントの各々は、それぞれのユーザデバイスに結合して、前記デバイスを充電するように構成され、
前記電源は、ユーザデバイスに結合された前記充電ポイントのうちの少なくとも1つに電力を供給するように構成され、
前記通信インターフェースは、アプリケーションを動作させる第1のユーザデバイスに、前記電源装置のステータス情報を含む第1の通信を送信し、前記第1のユーザデバイスから、前記ユーザデバイスを充電するための充電命令を含む第2の通信を受信するように構成され、前記充電命令は、前記電源から受信された前記ステータス情報に基づき、
前記通信回路は、前記充電命令を前記充電回路に転送するように構成され、
前記充電回路は、前記充電命令に基づいて、前記電源による前記それぞれの充電ポイントへの電力の前記供給を制御するように構成される、前記電源装置。
【請求項9】
前記複数の充電ポイントのうちの少なくとも1つは、DC充電ポートである、請求項8に記載の電源装置。
【請求項10】
前記電源は、第1の電力出力レベルを含む第1の電源であり、
前記第1の電源は、前記第1の電力出力レベルとは異なる第2の電力出力レベルを含む第2の電源と交換可能である、請求項8または9に記載の電源装置。
【請求項11】
前記充電回路は、
充電ポイントに結合された第1のユーザデバイスと、他の充電ポイントに結合された第2のユーザデバイスとの間の優先順位を、前記第1及び前記第2のユーザデバイスのうちの少なくとも1つから前記電源装置で受信された通信に基づいて決定し、
前記決定された優先順位に基づいて、前記第1及び前記第2のユーザデバイスを充電する、
ように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項12】
前記電源は、第1の電力レベルに関連付けられた第1の電源であり、第2の異なる電力レベルに関連付けられた第2の電源と交換可能であり、
前記充電回路は、前記第1及び前記第2の電源のどちらが前記電源装置に挿入されるかに基づいて電力の供給を制御するように構成される、請求項8から11のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項13】
電源装置と、ユーザに関連付けられ、アプリケーションを実行する第1のデバイスと、前記ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、サーバコンピュータと、を備える充電システムを管理する方法であって、
前記第1のデバイスによって前記アプリケーションを介して、充電命令を前記電源装置に送信することであって、前記充電命令は、前記第2のデバイスのステータスに基づく、前記送信することと、
前記電源装置が前記第2のデバイスに結合し、続いて前記充電命令に従って前記第2のデバイスを充電することに応答して、アプリケーションによって、前記第2のデバイスに関連する情報を前記サーバに送信することと、
前記サーバによって、前記情報に基づいて前記第2のデバイスに関連するデータベースを更新することと、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する実施形態は、複数の電子デバイスを充電することに関し、より詳細には、複数の電子デバイスの充電を管理するシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信及び接続技術が進歩し、一般的な人のライフスタイルがより柔軟になるにつれて、人が所有する携帯型電子デバイスの数だけでなく、その人がそのようなデバイスを使用するのに費やす時間の量も増加している。一般的な人は、個人用の携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレット、電子書籍、ウェアラブルデバイス(たとえば、アクティビティトラッカーまたはヘッドホン)などの複数の携帯型電子デバイスを所有し得、一日の中でこれらのデバイスのそれぞれを使用し、依存し得る。その結果、デバイスのうちの1つまたは複数の利用可能なバッテリー電力が日中に減少する可能性があり、それぞれのデバイスは充電を必要とし得る。通常、各デバイスは、そのデバイスを充電できる専用のパワーパックに関連付けられており、すなわち、ユーザはデバイスと同数のパワーパックを携帯しなければならない。デバイスのそれぞれの充電を容易にすることは有益であろう。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、電源装置と、ユーザに関連付けられた第1のデバイスと、ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、サーバコンピュータと、を備え、第2のデバイスは、電源装置に結合するように構成され、電源は、第1のデバイスにステータス情報を提供するように構成され、第1のデバイスは、第1のデバイス上で動作するアプリケーションを介して電源装置に通信を送信するように構成され、通信は電源デバイスに充電命令を提供し、命令は電源から受信したステータス情報に基づき、電源装置は、第1のデバイスから電源装置で受信された充電命令に基づいて第2のデバイスを充電するように構成され、サーバは、第1のデバイスと通信して、電源装置及び第2のデバイスのうちの少なくとも1つに関連し、ステータス情報を含むデータベースを維持するように構成される、システムが提供される。
【0004】
第1のユーザデバイス上で動作するアプリケーション、電源装置、第2のユーザデバイス、及びサーバの間の相互作用によって、電源装置の動作を効率的かつ柔軟に管理して、第2のユーザデバイスの調整された充電を提供し、第1のユーザデバイス、第2のユーザデバイス、及び電源装置のうちの少なくとも1つのダウンタイムが低減される、スマート充電システムが提供される。
【0005】
「スマート充電システム」という用語は、柔軟で効率的な充電システムを提供するために、スマート電源によるユーザデバイスの充電を監視及び管理する際のシステムの機能を例示するために、本開示の実施形態に関連して使用している。
【0006】
本開示の第2の態様によれば、電源と、通信インターフェースと、通信回路と、充電回路と、充電回路に結合された複数の充電ポイントと、を備える電源装置であって、複数の充電ポイントの各々は、それぞれのユーザデバイスに結合して、そのデバイスを充電するように構成され、電源は、ユーザデバイスに結合された充電ポイントのうちの少なくとも1つに電力を供給するように構成され、通信インターフェースは、アプリケーションを動作させる第1のユーザデバイスに、電源装置のステータス情報を含む第1の通信を送信し、第1のユーザデバイスから、ユーザデバイスを充電するための充電命令を含む第2の通信を受信するように構成され、充電命令は、電源から受信されたステータス情報に基づき、通信回路は、充電命令を充電回路に転送するように構成され、充電回路は、充電命令に基づいて、電源によるそれぞれの充電ポイントへの電力の供給を制御するように構成される、電源装置が提供される。
【0007】
「スマート電源」という用語は、(i)ユーザデバイス及びサーバなどの他のデバイスと通信して、情報を共有及び受信することによって、電源がユーザデバイスのカスタマイズ可能な充電を提供できるようにすることと、(ii)電源の状況を監視及び分析することであって、そのような分析が電源によってカスタマイズ可能な充電において使用される、監視及び分析することと、を行う際の電源装置の機能を例示するために、本開示の実施形態に関連して使用している。
【0008】
電源装置と、ユーザに関連付けられ、アプリケーションを実行する第1のデバイスと、ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、サーバコンピュータと、を備える充電システムを管理する方法であって、第1のデバイスによってアプリケーションを介して、充電命令を電源装置に送信することであって、充電命令は、第2のデバイスのステータスに基づく、送信することと、電源装置が第2のデバイスに結合し、続いて充電命令に従って第2のデバイスを充電することに応答して、アプリケーションによって、第2のデバイスに関連する情報をサーバに送信することと、サーバによって、情報に基づいて第2のデバイスに関連するデータベースを更新することと、を含む、方法。
【0009】
第1のユーザデバイス上のアプリケーション、電源装置、サーバ、及び第2のユーザデバイスの間の相互作用によって、電源装置の動作を効率的かつ柔軟に管理して、第2のユーザデバイスの調整された充電を提供し、第1のユーザデバイス、第2のユーザデバイス、及び電源装置のうちの少なくとも1つのダウンタイムが低減される、スマート充電システムが提供される。
【0010】
本開示の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになり、添付の図面は全体として本開示の特徴を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一例による充電システムの概略図である。
図2】一例による図1の充電システムの概略図である。
図3】一例による電源装置の概略図である。
図4】一例による図3の電源装置の分解斜視図である。
図5A】一例によるデータベースの論理表現である。
図5B】一例による他のデータベースの論理表現である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
充電システム
図1は、本明細書に記載の実施形態が特定の用途を有する充電システム500を示している。
【0013】
充電システム500は、スマート電源200と、図1の例では携帯電話101である第1のユーザデバイスと、図1の例ではラップトップ102である第2のユーザデバイスと、サーバ400と、を含む。一例では、サーバ400は仮想サーバであり得る。スマート電源200、第1のユーザデバイス101、第2のユーザデバイス102、及びサーバ400は、有線もしくは無線通信、及び/または両方の組み合わせを使用して互いに通信し得る。一例として、スマート電源200、第1のユーザデバイス101、及び第2のユーザデバイス102は、内蔵のBluetooth(登録商標)機能を有し得、たとえば、スマート電源200は、Bluetoothトランシーバを含み得る。さらなる例では、スマート電源200、第1のユーザデバイス101、第2のユーザデバイス102、及びサーバ400はそれぞれ、たとえば、LTE、3G、4G、または5G通信規格の使用を通じて、各エンティティ間のセルラー接続を可能にする無線モデムを有し得る。他の例では、スマート電源200、第1のユーザデバイス101、及び第2のユーザデバイス102は、Wi-Fiネットワークを介して互いに通信し、サーバ400と通信し得る。
【0014】
充電システム500は、スマート電源200に結合された各デバイスの充電を管理し、スマート電源200は、それぞれのデバイスのバッテリーを完全にまたは部分的に再充電するように構成される。スマート電源200は、1つまたは2つ以上のデバイスを同時に充電することができる。スマート電源200に接続された各デバイスは、関連付けられた充電基準またはパラメータを有し得、これらは特性と呼ばれることもあり、たとえば、最小及び最大の電力、電圧、及び電流パラメータなどである。図1の例では、第2のユーザデバイス102は、スマート電源200に結合されており、スマート電源200によって完全にまたは部分的に充電される。このため、第2のユーザデバイス102を「充電対象デバイス」と呼ぶことがある。
【0015】
さらに、充電システム500は、スマート電源200によって充電されている、または以前に充電されたユーザのデバイスのそれぞれのステータスを監視及び記録する。たとえば、各デバイスには、スマート電源200に関連付けられた、そのデバイスのステータスを監視するソフトウェアアプリケーション300がインストールされ得る。すなわち、充電システム500は、ユーザのデバイスのそれぞれを互いに独立して監視する。
【0016】
一例では、スマート電源200のステータス及びユーザデバイス102のステータスとは、充電残量(たとえば、バッテリーレベルのパーセンテージ(%))、充電レベルが所定の閾値に達するまでの時間、デバイスの現在の使用状況(たとえば、開いている他のソフトウェアアプリケーションまたは接続されている充電対象デバイスの数、使用されている処理リソースの量、現在の電力状態)、及び予定または予測された将来の状態(たとえば、使用中のソフトウェアアプリケーションの数または接続されている充電対象デバイスの数の増減、ユーザデバイスの処理または電源状態の変化)のうちの少なくとも1つであり得る。
【0017】
スマート充電システム500により、特に、ソフトウェアアプリケーション300、サーバ400、及びスマート電源200の間の相互作用により、スマート電源200及びユーザデバイス102に関連する情報を交換して、スマート電源200及びユーザデバイス102の両方の現在のステータスに従ってそれらの間の充電動作を決定することが可能になる。これにより、単純で直接的なデバイス対電源の関係と比較して、適応性があり、正確でより安全なデバイスの充電方法が提供される。
【0018】
第1のユーザデバイス101は、スマート電源200、及びユーザデバイスのうちの1つまたは複数、たとえば、第2のユーザデバイス102と通信するように構成されるソフトウェアアプリケーション300を備える。ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源200によって実行される充電動作の制御を容易にし、スマート電源200及びユーザデバイス102に関連する情報をサーバ400と交換する。ソフトウェアアプリケーション300は、本明細書では代替的にインターフェースとも呼ぶグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を有する。
【0019】
一例では、サーバ400は、ユーザデバイスプロファイルのデータベース及びスマート電源プロファイルのデータベース(それぞれ、図5Aの410、図5Bの420)を記憶する。各デバイスプロファイルは、デバイスに応じた充電パラメータを含み得る。各スマート電源プロファイルは、ステータス情報と、場合によっては過去の使用情報とを含み得る。アプリケーション300及びスマート電源200の両方は、アプリケーション300を介して、ユーザデバイスに関連する情報についてサーバ400に照会し得る。たとえば、アプリケーション300は、スマート電源200に結合された特定のユーザデバイスのデバイス関連情報についてサーバ400に照会し、デバイス関連情報に基づいて、スマート電源200に充電命令を送信し得る。一例では、ソフトウェアアプリケーション300は、ユーザの各デバイスに対応する複数のデバイスプロファイルまたはそれらの情報を取得し得る。場合によっては、ソフトウェアアプリケーション300は、1つまたは複数のデバイスプロファイルをローカルに記憶し得る。ソフトウェアアプリケーション300は、異なるデバイスプロファイル間を移動してそれらを表示及び/または修正する機能をユーザに提供する。
【0020】
デバイス関連情報は、デバイス名、デバイスメーカー、デバイスモデル、デバイス識別子、及び1つまたは複数の充電パラメータのうちの1つまたは複数を含み得る。充電パラメータは、公称入力電圧、最小入力電圧、最大入力電圧、最大充電電流、最小充電電流、及びデバイスバッテリー容量のうちの1つまたは複数を含み得る。一例では、少なくとも最大及び最小充電電流と、デバイスバッテリー容量とが、ソフトウェアアプリケーション300によって使用されて、スマート電源200によってユーザデバイスに供給される電力の充電電流が決定され、決定された充電電流に基づいてスマート電源200への充電命令が生成される。
【0021】
充電システム500は、充電管理、監視及び記録機能を実装するように構成される。図2は、一例による、図1のシステム500と、充電プロセスの一部としてシステム500の構成部分間で交換される通信の流れとを示している。
【0022】
ステップS501において、スマート電源200は、スマート電源200のステータス情報を含む第1のメッセージM1を、第1のユーザデバイス101上のソフトウェアアプリケーション300に提供する。いくつかの例では、第1のメッセージM1は、第1のユーザデバイス101に定期的に送信される。
【0023】
ステップS502において、第2のユーザデバイス102は、第2のユーザデバイス102のステータス情報を含む第2のメッセージM2を第1のユーザデバイス101に提供する。他の例では、第2のメッセージM2は、スマート電源200から発信されるか、またはこれを介して送信され得る。他の例では、メッセージM1及びM2の受信順序は、逆にされ得、または同時に発生し得る。いくつかの例では、第2のメッセージM2は、第1のユーザデバイス101に定期的に送信される。
【0024】
いくつかの例では、第1のユーザデバイス101は、メッセージM1及びM2に含まれるそのような情報の要求を生成し、他の例では、第2のデバイス102及びスマート電源200は、ステータス情報を自動的に提供する。
【0025】
ステップS503において、第1のユーザデバイス101は、第1のユーザデバイス101上で動作するソフトウェアアプリケーション300を介して、第3のメッセージM3をスマート電源200に送信する。第3のメッセージM3は、第2のユーザデバイス102を充電するための、スマート電源200への充電命令を含む。充電命令は、スマート電源200及び第2のユーザデバイス102から第1のユーザデバイス101によって受信されたそれぞれのステータス情報に基づく。充電命令は、スマート電源200が第2のユーザデバイス102をどのように充電すべきかに関する情報を含む。たとえば、充電命令は、時間、充電電圧、充電電流、及びスマート電源200に接続された他のデバイスに対する第2のユーザデバイス102の優先順位を含み得る。
【0026】
第3のメッセージM3に応答して、スマート電源200は、充電命令に従って第2のユーザデバイス102を充電する。サーバ400は、ソフトウェアアプリケーション300を介して第1のユーザデバイス101と通信して、スマート電源200及び第2のユーザデバイス102のうちの少なくとも1つに関連するデータベースを維持する。一例では、ステップS504において、第1のユーザデバイス101は、第4のメッセージM4において、スマート電源200及び第2のユーザデバイス102のうちの少なくとも1つのステータス情報を提供する。第4のメッセージM4は、サーバ400からの要求に応答してサーバ400に送信され得る。あるいは、第4のメッセージM4は、サーバ400に定期的に送信され得る。いずれにせよ、第4のメッセージM4は、最新のステータス情報を提供するステータス報告をサーバ400に提供し、これにより、サーバ400がリアルタイムに充電プロセスを適応させることが可能になる。サーバ400は、受信したステータス情報を処理及び記憶する。たとえば、サーバは、受信したステータス情報を、スマート電源200またはユーザデバイス102に関する以前に記憶されたステータス情報、及び他のスマート電源または他のユーザデバイスに関する以前に記憶された情報のうちの1つまたは複数と比較し得る。そのような比較によって、サーバは、問題のデバイスの使用傾向またはパターンを特定し、続いてそのデバイスの将来の状態を予測することが可能になり、これは、ソフトウェアアプリケーション300を介してスマート電源200の動作を変えるための基礎として使用することができる。サーバ400については、本明細書後半の「充電管理‐サーバ側」のセクションでさらに説明する。いくつかの例では、サーバ400は、上記処理に基づいて第1のユーザデバイス101上のソフトウェアアプリケーション300を制御するための第5のメッセージM5を第1のユーザデバイス101に送信する。たとえば、充電命令は、スマート電源200を制御するために、ソフトウェアアプリケーション300によって生成され得る(たとえば、第2のデバイス102をどのくらいの時間充電するかなど)。
【0027】
図3は、例示的なスマート電源200の概略ブロック図を示している。スマート電源200は、たとえば、UPD3000などのUSBCチップなど、所定の機能を実行するように構成されるマイクロコントローラチップである、コントローラ210などのオンボードコンピュータを有する。スマート電源200はまた、バッテリー220と、通信インターフェース270と、メモリ275と、4つの充電ポイント231、232、233、及び234とを有する。充電ポイントのそれぞれは、バッテリー220に結合される。他の例では、スマート電源200は、異なる数の充電ポイントを有し得る。
【0028】
通信インターフェース270は、スマート電源200に有線及び/または無線通信機能を提供し、それによって、スマート電源200は、他のデバイスと通信して、充電命令などの情報を受信することが可能になり、これはスマート電源200によって、カスタマイズされた充電を提供するために使用される。一例では、コントローラ210及び通信インターフェース270は統合され得る。さらに、通信インターフェース270には、無線モデム、Bluetoothトランシーバ、及びWi-Fiトランシーバのうちの1つまたは複数が装備され得る。一例では、通信インターフェース270は、Bluetoothローエナジーコントローラ、たとえば、nRF51822コントローラなどである。
【0029】
図3の例の変形例では、コントローラ210、メモリ275、及び通信インターフェース270は、単一の回路基板上に組み合わせられ得る。
【0030】
コントローラ210は、スマート電源200の状況(たとえば、ステータス)を監視及び分析するように構成され、そのような分析は、第1のユーザデバイス101上のソフトウェアアプリケーション300にフィードバックされ、スマート電源200に結合されたデバイスのカスタマイズされた充電に使用される。
【0031】
一例として、充電ポイント231~234は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、及びタブレットコンピュータを充電するのに適した1つまたは複数のDC充電ポート、USB Aポート及びUSB-Type C Power Deliveryポートなどの1つまたは複数のUSB充電ポート、1つまたは複数のUSB Quick Charge3.0充電ポート、ならびに1つまたは複数のQiワイヤレス充電ポイントを含み得る。
【0032】
各充電ポイントは、電力、電圧、及び電流などの、最小及び最大充電パラメータを有し得る。一例では、充電ポイント231はDC充電ポートであり、充電ポイント232は第1のUSB Type C充電ポートであり、充電ポイント233は第2のUSB Type C充電ポートであり、充電ポイント234はUSB A充電ポートであり、充電ポイント235はQi充電ポイントである。それに応じて、バッテリー220が74Whの充電容量を有する場合、一例において、各タイプの充電ポイントの充電パラメータを表1に示す。
【表1】
【0033】
あるいは、バッテリー220が37Whの充電容量を有する場合、一例において、各タイプの充電ポイントの充電パラメータを表2に示す。
【表2】
【0034】
異なる充電ポイント間の可能な電力値及び電圧値の範囲は、問題のバッテリー220によって供給される電力に柔軟性を提供し、スマート電源200が複数のデバイスを異なる電力及び/または電圧で充電することを可能にする。
【0035】
各充電ポイント231~235は、電力レギュレータ251~255に関連付けられる。各電力レギュレータ251~255は、バッテリー220によってそれぞれの充電ポイントに提供される電力を修正するように構成される。修正は、各電力レギュレータ251~255に結合されたそれぞれのコントローラ241~245によって制御される。電力レギュレータの例には、BL8062などのリニアレギュレータ、ME6203などの低ドロップアウトレギュレータ、MP2451などの降圧スイッチングレギュレータ、SC8815などの双方向昇降圧コントローラ、SP3100などの無線電力送信機用のデジタルコントローラが含まれる。
【0036】
さらに、スマート電源200は、ユーザデバイスメーカーによって実装された最新の充電プロトコル、たとえば、Quick Charge3.0、4.0、及びUSB-C PDなどを提供する機能を有する。
【0037】
いくつかの例では、コントローラ210は、充電ポイントに供給される電力を増加させる前に、接続された各デバイスが最初にその最大または最適充電電力を下回るレベルの電力を受け取る、遅延開始プロセスを実装し得る。このようにして、ユーザが、充電ポイントに誤って接続されたデバイス、または誤った充電パラメータが設定されたもしくは割り当てられたデバイスを取り外して、そのデバイスの損傷を回避するための猶予時間が利用可能になる。DC充電ポイントに接続されたDCデバイスの場合、遅延開始充電速度は、入力された電流をデバイスのバッテリー容量で割った値に基づいて決定され得る。たとえば、デバイスが10AH(アンペア時)のバッテリーを有し、充電電流が5A(アンペア)の場合、安全開始充電速度は0.5Cになる。
【0038】
図4は、一例によるスマート電源200の概略分解図である。充電ポイント231及び233をバッテリー220に図示している。バッテリー220は、第1のハウジング部分201の開口部205内に収まり、第1のハウジング部分201は、第2の相補的なハウジング部分202に接続して、デバイス200を形成する。コントローラ210ならびに充電ポイント232及び234は、図4には図示していない。
【0039】
電源200は、ユーザデバイス101~103及びサーバ400などの他のデバイスと通信して情報を共有及び受信することによって、電源200が複数のユーザデバイスのカスタマイズ可能な充電を提供可能にすることができるので、スマートデバイスとして特徴付けられる。そのような通信によって、スマート電源200は、接続されたデバイスを識別することが可能になる。ソフトウェアアプリケーション300を用いた情報の転送によって、ソフトウェアアプリケーション300及び/またはサーバ400は、各ユーザデバイス101~103に関連するデータを照合して、ユーザデバイス101~103のうちの1つまたは複数が充電を必要とし得る時刻を予測し、それによって、スマート電源200のパフォーマンスが低下し得る時刻、ひいてはスマート電源200自体が充電を必要とし得るときを特定することが可能になる。ソフトウェアアプリケーション300及び/またはサーバ400によって照合されるデータは、ユーザの充電行動を表し得る。
【0040】
スマート電源による充電管理
スマート電源200によって実行される充電動作は、スマート電源200に接続されたデバイスの1つまたは複数の充電特性(たとえば、最小充電電圧または電流)に基づいて各充電ポイント231~235に電力を割り当てる充電アルゴリズムに従って、コントローラ210によって制御される。充電アルゴリズムは、ソフトウェアアプリケーション300を介して第1のユーザデバイス101から受信した充電命令に基づいて調整することができる。いくつかの例では、このセクションで説明するスマート電源200における特定の内部イベントに応答して、コントローラ210は、充電アルゴリズムをさらに修正するように構成され、またはソフトウェアアプリケーション300は、充電命令をさらに修正することによって、スマート電源200によって実行される充電動作を修正するように構成される。
【0041】
コントローラ210は、コントローラ241~245のそれぞれに命令を提供して、それぞれの電力レギュレータ251~255に、対応する電力割り当てに従って各充電ポイント231~235に提供される、充電アルゴリズムによって決定された電力のレベルを修正させる。修正は、充電ポイントごとに異なり得る。
【0042】
スマート電源200のバッテリー220は、スマート電源200から取り外して、たとえば、充電し、1つまたは複数の他のバッテリー(図示せず)と交換して、スマート電源200のダウンタイムを最小限にすることができる。したがって、各バッテリー220は、交換可能なバッテリーカートリッジであると理解することができる。
【0043】
いくつかの例では、各バッテリーカートリッジは、異なるバッテリー容量または電力レベル(Ah)で構成され得る。たとえば、第1のバッテリーカートリッジは10アンペア時(Ah)のバッテリーであり得、第2のバッテリーカートリッジは20Ahのバッテリーであり得る。この場合、第1のバッテリーカートリッジは、より低いバッテリーエネルギー容量を有する。他の例では、第1のバッテリーカートリッジは、50~80ワット時(Wh)、60~70Wh、及び70~75Whの範囲のうちのいずれかの充電容量を有し得、第2のバッテリーカートリッジは、20~45Wh、30~40Wh、及び35~40Whの範囲のうちのいずれかの範囲で、より低い充電容量を有し得る。
【0044】
あるバッテリーを他のバッテリーと交換することは、コントローラ210が依存する充電アルゴリズムの1つまたは複数のパラメータを評価し、場合によっては修正するようにソフトウェアアプリケーション300をトリガする内部イベントである。たとえば、ソフトウェアアプリケーション300は、現在挿入されているバッテリー220のエネルギー容量に基づいて充電アルゴリズムのパラメータを修正するようにコントローラ210に指示することができる。たとえば、スマート電源200が、より低いエネルギー容量を有するバッテリーカートリッジと比較して、より高いエネルギー容量を有するバッテリーカートリッジを含む場合、スマート電源200に接続されたユーザデバイスは、より短い時間で充電され得る。充電アルゴリズムの修正は、ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源200における1つまたは複数の内部イベント、たとえば、バッテリーの交換について最初に通知されている場合、ソフトウェアアプリケーション300からの充電命令の結果であり得る。
【0045】
異なる充電容量だけでなく、異なるバッテリーカートリッジは異なる最大電力出力を有し得、これは分配可能な電力量に影響する。たとえば、スマート電源200のバッテリー220は、最大電力出力がより低い他のバッテリーと交換され得る。そのようなシナリオでは、ソフトウェアアプリケーション300は、充電アルゴリズムを評価して、スマート電源200のコントローラ210及びその動作への新しい最大電力出力の影響を特定する。たとえば、充電アルゴリズムがバッテリーの古い最大電力出力に依存するいくつかの事例が特定され得る。次いで、コントローラ210は、ソフトウェアアプリケーション300によって、電力出力に関連する充電アルゴリズムの1つまたは複数のパラメータを、新しい最大電力出力を組み入れるように修正して、各充電ポイントへの電力の割り当てを変更するように指示され得る。あるいは、ソフトウェアアプリケーション300は、充電アルゴリズムを修正し、更新されたバージョンを充電命令内でスマート電源200に送信し得る。
【0046】
いくつかの例では、スマート電源200は、コントローラ210及び充電ポイント231~234を介して、バッテリー220が所定の閾値レベルまで放電され、ならびに/あるいは1つまたは複数の接続されたユーザデバイスが所定の閾値レベルまで充電されたことを検出する。そのような検出に応答して、コントローラ210は、充電アルゴリズムを修正することによって、1つまたは複数のユーザデバイスに接続された少なくとも1つの充電ポイント231~234をオフにさせる。充電ポイントをオフにすることは、充電ポイントへの電力の供給を停止すること、または電力の供給を無視できるレベルまで低減させることに対応する。バッテリー220が閾値レベルまで放電された場合、スマート電源200は、通信インターフェース270を介して、ユーザデバイス101上で実行されているソフトウェアアプリケーション300に通知を送信する。放電レベル及び充電レベルを監視することによって、問題のデバイスの過放電または過充電のリスクが軽減され、損傷が防止される。
【0047】
さらに、一例では、スマート電源200は、外部のユーザデバイスが取り外されたときを検出する。具体的には、コントローラ210は、それぞれのコントローラ241~244から、対応する充電ポイント231~234(外部デバイスが元々接続されていたもの)において充電挙動の変化があったという通知を受信する。たとえば、それぞれのコントローラ241~244は、充電ポイント231~234における抵抗レベルの低下を識別し得る。他の例では、コントローラ210は、特定の充電ポイント231~234における電力出力がゼロまで減少したことを識別し得る。このシナリオでは、コントローラ210は、外部のユーザデバイスが充電ポイントから取り外されたことを判定するように構成される。コントローラ210はまた、特定の充電ポイントへの電力出力が低レベルまたはほぼゼロレベルまで減少したことに基づいて、外部のユーザデバイスが完全に充電されたと判定するように構成され、それによって、接続されたデバイスを100%の充電に維持するために、減少した電力出力は依然として充電ポイントに供給される。電力出力の低下を検出したことに応答して、スマート電源200は、この情報をソフトウェアアプリケーション300に中継することができ、それによって、ソフトウェアアプリケーションは、デバイスが完全に充電されたことを示すように、関連するデバイスプロファイルを更新することができる。
【0048】
一例では、スマート電源200は、その回路の一部として温度センサ(図示せず)を備え得る。温度センサは、バッテリー200の近位に配置され、バッテリー200の温度を定期的または継続的に監視するように構成される。各温度読取値は、コントローラ210に送信され、通信インターフェース270を介して、第1のユーザデバイス101上のソフトウェアアプリケーション300に転送される。検出された温度が最大または最小閾値レベルに達した場合、ソフトウェアアプリケーション300は、第1のユーザデバイス101のユーザに、代替の充電方法を使用してスマート電源200に接続されたデバイスを充電して、たとえば、スマート電源200の使用を一定時間止めるように指示する通知を生成する。いくつかの例では、連続して受信した温度読取値の間の時間が所定の閾値を超える場合、ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源がその電力を部分的に減少させたまたは完全に減少させた(オフにした)と判定し、対応する通知を生成する。
【0049】
ソフトウェアアプリケーションによる充電管理
いくつかの例では、スマート電源200によって実行される充電動作は、スマート電源200のコントローラ210とソフトウェアアプリケーション300との両方によって制御される。前のセクションで説明したように、コントローラ210は、ソフトウェアアプリケーション300を介して第1のユーザデバイス101から受信した充電命令に基づいて調整できる充電アルゴリズムに従って、スマート電源200の動作を制御する。このセクションでは、スマート電源200から離れた、またはスマート電源200の外部のイベント、すなわち、前のセクションで「内部イベント」として説明したものとは異なるイベントに基づいて、充電命令がどのように変化し得るかについて説明する。たとえば、どのデバイスがスマート電源200に結合されているか、及びそれに対応する充電特性、ユーザの充電設定、ならびにソフトウェアアプリケーション300によってアプリケーションの外部のソース(たとえば、ユーザデバイス101上で実行されている他のアプリケーションまたはサーバ400)から得られる情報などである。
【0050】
ユーザは、ソフトウェアアプリケーション300とやりとりして、ラップトップ102またはスマート電源200に結合された他の任意のデバイスの充電をカスタマイズまたは調整することができる。具体的には、スマート電源200によるそれぞれのデバイスの充電の前に、ユーザはソフトウェアアプリケーション300を使用してデバイス関連情報をスマート電源200に送信し得、それによって、スマート電源200は、1つまたは複数の適切な充電パラメータを識別し得る。一例では、デバイス関連情報は、充電されるユーザデバイスを識別し、ユーザは、アプリケーション300によって提供されるメニューまたはリストから適切なデバイス関連情報を選択し得る。そのような識別によって、スマート電源200は、それぞれのデバイスを充電するのに使用する複数の充電ポイント231~234のうちの特定の充電ポイントを選択することが可能になり得る。さらに、ユーザは、ソフトウェアアプリケーション300を介して、バッテリー220による電力出力の電流レベルを小数点以下1桁または2桁に設定することができる。デバイス関連情報は、充電命令の一部としてスマート電源200に提供され得る。
【0051】
その結果、対応するデバイスは、接続された全てのデバイスに適用される柔軟性のない電流レベルを受けるのではなく、その個々の要件に従ってスマート電源200により充電することができ、すなわち、スマート電源200は、デバイスの充電に対する正確で調整された制御を可能にする。
【0052】
上記の機能に加えて、ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源200の追跡、スマート電源のバッテリーの充電容量及び完了した充電サイクル数に関する情報、アプリケーション300を実行しているデバイス(この場合は第1のユーザデバイス101)に対するスマート電源200の近接性に関するアラート、アプリケーション300を実行しているデバイスまたはデバイスプロファイルが生成されてサーバに記憶されている他のユーザデバイスのうちのいずれかを充電するためのアラートを提供及び表示し得、たとえば、ソフトウェアアプリケーション300は、それぞれのデバイスのバッテリーの利用可能な電力が閾値レベルを下回った場合に、ユーザのデバイスのそれぞれのバッテリーレベルを監視するように構成され得、閾値レベルは、ユーザによってアプリケーション300を介してカスタマイズ可能である。
【0053】
いくつかの例では、ユーザデバイスからそれらの「ステータス情報」の一部として受信したリアルタイムのバッテリーレベル情報に基づいて、ソフトウェアアプリケーション300は、たとえば、充電命令をスマート電源200に送信することによって、スマート電源200と通信して、スマート電源200に接続されたユーザデバイスのうちの1つまたは複数のバッテリーレベルを所定のバッテリーレベル範囲内に維持する。たとえば、ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源200に、問題のデバイスのバッテリーの寿命を延ばすために、デバイスのバッテリーレベルを全容量の20~80%の間に維持するように指示し得る。たとえば、ユーザデバイスのバッテリーレベルが全容量の80%に達したことに応答して、ソフトウェアアプリケーションは、デバイスの充電を停止するようにスマート電源200に自動的に指示し得る。
【0054】
いくつかの構成では、ユーザデバイス101以外のデバイス、またはユーザデバイス101に加えたデバイスもまた、ソフトウェアアプリケーション300のインスタンスを実行し得る。
【0055】
さらに、ソフトウェアアプリケーション300は、そのインターフェースを介して、あるデバイスの充電を他のデバイスよりも優先するための入力を受け取ることができる。いくつかの例では、アプリケーション300は、ユーザがユーザのデバイスの階層を設定することを可能にする機能を提供する。いくつかの例では、ユーザがソフトウェアアプリケーション300内で1つまたは複数のユーザデバイスの階層を設定したことに応答して、ソフトウェアアプリケーション300は、対応する充電命令を生成してスマート電源200に送信する。このようにして、スマート電源200の充電動作がリアルタイムに適応される。ユーザ定義の階層は、スマート電源200が以前に受信した充電命令よりも優先されるさらなる充電命令を受信するまで、異なるデバイスを充電するための基礎として、コントローラ210によって使用されるメモリ275に記憶され得る。そのような例では、スマート電源200に接続された任意のデバイスは、ユーザによって設定された階層に基づいてソフトウェアアプリケーション300によってランク付けされ、それに従って充電され得る。ユーザデバイスの階層を定義する充電命令に基づいて、スマート電源200のコントローラ210は、階層の最上位にある第1のデバイスに全電力を割り当て、このデバイスが所定のレベル(たとえば、フル充電の100%、80%、50%)まで充電されると、リスト内の次のデバイスに全電力を割り当て得る。外部デバイスのバッテリーがトリクル充電モードに入ると、たとえば、バッテリーが所定のレベルまで充電された場合、スマート電源200のコントローラ210は、ソフトウェアアプリケーション300に通知し、その外部デバイスの優先度を階層内の最低レベルまで下げる。これは、後続のユーザデバイスに対して繰り返される。いくつかの例では、ユーザ定義の階層内のデバイスのそれぞれが順番に充電されるにつれて、スマート電源200は、ソフトウェアアプリケーション300にリアルタイムの更新を提供し得る。
【0056】
ソフトウェアアプリケーション300はまた、スマート電源200の状態を制御することを可能にする。たとえば、ユーザは、スマート電源200をスリープモードに移行させることができ、それによって、ソフトウェアアプリケーション300は、通信インターフェース270を介してコントローラ210と通信して、全ての充電ポイントをオフにし、通信インターフェース270及び他のコンポーネントを低エネルギーモードにする。この通信は、スマート電源に充電を完全に停止するように指示する充電命令の一形態であると理解され得る。スリープモードに入る前に、コントローラ210は、全てのアクティブな充電ポイントを記録し、いくつかの例では、それらをソフトウェアアプリケーション300に報告し、それによって、スマート電源200が、ソフトウェアアプリケーション300を介して充電を再開するように指示された場合に、その回路及び以前にアクティブであった充電ポイントがアクティブ化される。
【0057】
スマート電源200による充電を制御する一部として、ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源200に接続されたユーザデバイスに対して異なる充電シナリオを計画し得る。たとえば、特定の充電シナリオは、接続されたデバイスを充電する時間及び電力レベルを定義し得る。一例では、ソフトウェアアプリケーション300は、スマート電源200のバッテリー220に残っている利用可能な電力、任意の定義された優先順位または階層、及びデバイスに必要な、場合によっては最低限の電力レベルに基づいて、異なる充電シナリオを決定する。残りの電力レベルは、スマート電源200からソフトウェアアプリケーション300に伝達されるか、またはスマート電源200のパフォーマンスに関連する以前に受信した情報、たとえば、バッテリー220が最後に充電または交換されてからスマート電源200によって充電されたデバイスの数及び充電特性に基づいて、ソフトウェアアプリケーション300によって決定することができる。たとえば、ラップトップ102及び電話101が両方ともスマート電源200に接続されている場合、両方のデバイスは、バッテリー残量またはバッテリーのパーセンテージレベルと呼ばれることもある充電状態SOC(state of charge)が50%になり得るが、1つのデバイスしか接続されていない場合、そのデバイスは100%のSoCを達成することになる。
【0058】
さらに、ソフトウェアアプリケーション300は、バッテリー220の電力容量、バッテリー220の電力出力、バッテリーカートリッジ識別子、バッテリーの放電/充電曲線、バッテリー220の経過時間(サイクル数)、バッテリー220の実際の容量、外部デバイス102のバッテリーパーセンテージ、バッテリー220の使用履歴、及び外部デバイス102の負荷需要、のうちの少なくとも1つを含むいくつかの変数を考慮するアルゴリズムを使用して、スマート電源200の残りの充電/放電時間を予測し得る。ソフトウェアアプリケーション300は、これらの値全てをリアルタイムに更新して、アルゴリズムが最新のデータを使用し、スマート電源200の正確な残りの充電時間を決定するようにする。予測された残りの充電時間は、スマート電源200に送信される充電命令の基礎として使用され得る。
【0059】
放電/充電曲線は、経時的なバッテリー220のパフォーマンスを表し、各バッテリーに固有のものである。いくつかの例では、曲線は、バッテリー220の将来のパフォーマンスを予測するために、スマート電源200の記録された使用状況に基づいて、ソフトウェアアプリケーション300によって外挿され得る。
【0060】
未知のデバイス、すなわち、以前にスマート電源200によって充電されたことがないデバイスが、スマート電源200によって充電される例では、デバイスをスマート電源200に接続する前に、ソフトウェアアプリケーション300によって登録プロセスが実行される。一例では、登録プロセスの第1のステップは、ソフトウェアクライアントを未知のデバイスにダウンロードすることであり、ソフトウェアクライアントによって、未知のデバイスは、サーバ400と通信し、場合によっては、1つまたは複数のデバイス特性をサーバ400に提供することが可能になる。次に、ソフトウェアアプリケーション300は、第1のユーザデバイス101の通信機能、たとえば、Bluetoothインターフェースを使用して、未知のデバイスと通信することによって、デバイス特性及び/または充電パラメータをそのデバイスに要求する。あるいは、ソフトウェアアプリケーションは、未知のデバイスに関する情報についてサーバ400に照会する。ソフトウェアクライアントをデバイスにダウンロードすることによって、そのデバイスは、サーバ400を介してソフトウェアアプリケーション300と通信することが可能になるので、他の通信手段を使用して、たとえば、Bluetoothを介して、ソフトウェアアプリケーション300と通信することが不可能であり得るデバイスにとって特に有用である。
【0061】
サーバ400が未知のデバイスのデバイスプロファイルを既に記憶している場合(たとえば、未知のデバイスによってサーバ400に提供されたデバイス特性が、記憶されたデバイスプロファイルと一致するため)、一致するデバイスプロファイルが、サーバ400内及びソフトウェアアプリケーション300上のユーザのプロファイルに追加される。
【0062】
あるいは、サーバ400が一致するデバイスプロファイルを含まない場合、ユーザは、ソフトウェアアプリケーション300を介して、未知のデバイスの充電器をスキャンし(たとえば、その写真を撮り)、光学式文字認識(OCR)の一形態を使用してさらなる特性を引き出すように促される。次いで、スキャンされた特性は、ソフトウェアアプリケーション300によって、未知のデバイスから以前に受信された充電パラメータまたはデバイス特性に関連付けられる。その後、スキャンされた情報及び充電パラメータまたはデバイス特性は、サーバ400に送信されて、デバイスプロファイルの基礎を形成し、これはサーバ400及びソフトウェアアプリケーション300に記憶されたユーザプロファイルに追加される。
【0063】
一例では、アプリケーション300は、第1のデバイス101で実行される他のアプリケーション、または第2のユーザデバイス102で実行されるアプリケーションへのアクセスを要求するように構成され、それによって、ソフトウェアアプリケーション300は、他のアプリケーションへのアクセスから生じた情報に基づいて、スマート電源200による第2のデバイス102の充電を制御する。いくつかの例では、アプリケーション300は、他のアプリケーションから得られた情報をサーバコンピュータ400に送信するように構成される。第1のユーザデバイス101は、アプリケーション300を介して、複数のユーザデバイスを充電するためのスケジュールをスマート電源200に提供するように構成され、スケジュールは、得られた情報に基づいて、サーバコンピュータ400またはアプリケーション300のいずれかによって決定される。その結果、スマート電源200は、スケジュールに基づいて、第2のユーザデバイス102及び他のデバイスなどの複数のユーザデバイスを充電する。
【0064】
一例では、他のアプリケーションは、ユーザデバイス101上のカレンダーアプリケーションであり得、得られる情報は、ユーザが計画している今度の旅の時間、日付、期間、及び目的地のうちの少なくとも1つであり得る。アプリケーション300またはサーバ400は、旅の前に特定のユーザデバイスの充電を開始するために、通知を生成し、及び/または通信をスマート電源に送信し得る。一例では、アプリケーション300は、特定のユーザデバイスまたはスマート電源200が充電を必要とすることをユーザに通知し得る。他の例では、アプリケーション300は、ユーザのカレンダー内の今後のイベントに基づいてユーザのデバイスの充電の階層を指定する通信をスマート電源200に送信し得る。たとえば、ユーザが出張に行く場合、ユーザのラップトップ102は最高の優先順位を有し得る。他の例では、ソフトウェアアプリケーションは、旅の目的地及び外出全体の期間に応じて、特定の充電ケーブル(外国用のアダプタなど)、特定のバッテリーカートリッジ、及び複数のバッテリーカートリッジ、のうちの1つまたは複数を荷造りするようにユーザに促し得る。
【0065】
一例では、ソフトウェアアプリケーション300は、たとえば、ユーザの位置履歴、カレンダー履歴などの履歴情報に基づいて、ユーザが出張するか否かなど、旅のタイプを特定し得る。さらに、ソフトウェアアプリケーション300は、サーバ400によって記憶され得る過去の通知情報に基づいて、予定された旅の前にユーザに送信する通知の数及びタイプ、ならびにそのタイミングを決定し得る。
【0066】
ソフトウェアアプリケーション300及び他のアプリケーションがそれらの間にアクセスを確立すると、ソフトウェアアプリケーション300は、ユーザの今後の外出またはイベントに関連するあらゆる情報について他のアプリケーションを定期的にスキャンし得る。たとえば、ソフトウェアアプリケーション300は、航空便、飛行時刻、飛行時間、出発地、目的地をスキャンし得る。
【0067】
他の例では、ソフトウェアアプリケーション300はまた、ユーザデバイス101の位置特定サービスへのアクセスを要求し得る。これに基づいて、ソフトウェアアプリケーション300は、ユーザのカレンダーとユーザの位置との両方を監視し、それらから得られた情報を、ユーザのデバイスのうちの1つまたは複数のバッテリー充電レベル及びその予測される使用法と組み合わせて、ソフトウェアアプリケーション300を介して生成され、ユーザに提供される通知を改良することができる。
【0068】
他の例では、ソフトウェアアプリケーション300は、デバイスの仮想アシスタント、たとえば、Siri、Google Assistant、またはAlexaと対話して、音声コマンドを介して、アプリケーション300のアプリケーション設定または動作を変更及び制御することを可能にし得る。
【0069】
このようにして、充電システム500は、柔軟で効率的な充電を提供するために、異なるソースから得られた情報に基づいて適応する。
【0070】
いくつかの例では、ユーザは、自身の個人用デバイスのうちの2つ以上でアプリケーション300を使用し得る。たとえば、ユーザは、アプリケーション300を所望の各デバイスにダウンロードすることができる。いくつかの例では、デバイス上でアプリケーション300を動作させることによって、対応するデバイスプロファイルが生成され、続いて、将来の使用のために、たとえば、ユーザがそのデバイスをスマート電源200に結合して充電するときのために、そのプロファイルがサーバ400に記憶される。このようにして、ユーザは、第1のデバイス上でアプリケーションを開き、ユーザが前もってアプリケーションをダウンロードした第2のデバイスのデバイスプロファイルが提示され得る。さらに、ソフトウェアクライアントは、ユーザのデバイスのうちの1つまたは複数にダウンロードされて、それぞれのデバイスのバッテリーレベルをリアルタイムに監視し、ユーザのデバイスのうちの他のデバイスで動作するソフトウェアアプリケーション300にバッテリーレベルの更新を送信し得る。たとえば、DCラップトップは、ソフトウェアクライアントをダウンロードして、ラップトップが直接、またはサーバ400を介してソフトウェアアプリケーションにバッテリー情報を伝えることを可能にし得る。このようにして、ラップトップを含む他のユーザデバイスのバッテリーレベルの監視は先を見越して実行され、他のデバイス上のソフトウェアアプリケーション300から要求が受信されることを必要とするのではない。一例では、更新は、定期的に、またはバッテリーレベルが所定の閾値レベルに達した場合に、ソフトウェアアプリケーション300に(いくつかの例では、サーバ400を介して)送信され得る。
【0071】
充電管理‐サーバ側
いくつかの例では、サーバ400は、スマート電源200の動作に影響を及ぼし得る。そのようなシナリオでは、サーバ400は、スマート電源に送信される充電命令の基礎となる情報をソフトウェアアプリケーション300に提供し得る。このセクションでは、サーバ400によって記憶されるデータベース(複数可)と、充電システム500内でのサーバ400の役割とについて説明する。
【0072】
前述のように、サーバ400は、スマート電源200、及び/または第2のユーザデバイス102、ならびにスマート電源200に接続された、またはソフトウェアアプリケーションによって記憶されたデバイスプロファイルに対応する他の任意の1つまたは複数のユーザデバイス、のうちの1つまたは複数に関連するステータス情報をソフトウェアアプリケーション300から受信する。ソフトウェアアプリケーション300のインスタンスが実行されているユーザデバイスは、サーバ400と直接やりとりすることができる。これは、サーバ400が、ソフトウェアアプリケーション300を有する各デバイスからステータス情報を受信し、その情報を第1のユーザデバイス101上のソフトウェアアプリケーションに中継できることを意味する。サーバ400はまた、対応するスマート電源200を制御し、それについて報告するそれぞれのソフトウェアアプリケーション300(図示せず)を介して、他のユーザの複数の、場合によっては全てのスマート電源200のステータス情報を受信及び記憶する。
【0073】
さらに、サーバ400は、ユーザデバイス101上で実行されている他のアプリケーションからアプリケーション300によって得られた他の情報、たとえば、過去の位置特定サービス、過去のカレンダー情報、将来のカレンダー情報、ユーザのデバイスのそれぞれの過去のバッテリー情報、関連付けられたスマート電源200からの過去のバッテリー情報などを、各ソフトウェアアプリケーション300から受信し得る。
【0074】
一例では、ステータス情報は、バッテリー220に関するものであり、バッテリーのバッテリー識別子、バッテリー容量、及び最終サイクル番号のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの例では、この情報は、サーバ400によって維持されるデータベース内のユーザプロファイルに追加される。このようにして、第1のユーザデバイス101は、サーバ400にリアルタイムの情報を提供し、その情報は次いで、サーバ400が維持するデータベースに組み込まれて、正確な情報を含む最新のデータベースを提供する。後続の充電プロセスの一部として、サーバ400は、(いくつかの例では、ソフトウェアアプリケーション300からの要求に応答して)ソフトウェアアプリケーション300に関連情報を提供して、アプリケーション300の動作、及びスマート電源200に対するその制御が、正確な情報に基づいて行われるようにし、それによって充電プロセス全体が改善され得る。
【0075】
ソフトウェアアプリケーション300は、データベースを照会して、スマート電源200と、スマート電源200に接続されたユーザデバイス、またはソフトウェアアプリケーション300によって記憶されたデバイスプロファイルに対応するユーザデバイスのいずれか、したがって、クエリが送信されたときにスマート電源200に必ずしも接続されていないデバイスと、に関する情報を取得することができる。ユーザは、選んだデバイスにソフトウェアアプリケーション300をダウンロードし、選んだデバイス上のダウンロードしたアプリケーション300を使用してサーバ400上のデータベースにアクセスすることができる。
【0076】
それに従って、サーバ400は、複数のスマート電源200に関する情報を記憶し、そのような情報を使用して、複数のスマート電源200のうちの1つまたは複数によって実行される充電を制御することができる。一例では、サーバ400は、特定のユーザに関して記憶された情報、たとえば、そのユーザのスマート電源200に接続されたデバイスのそれぞれのバッテリーレベル、またはスマート電源200に接続されている場合もされていない場合もある、ソフトウェアアプリケーション300及びサーバ400によってデバイスプロファイルが記憶された任意のユーザデバイスのバッテリーレベルを使用して、そのユーザに対してカスタマイズされた通知及びアラートを生成し得る。サーバ400は、そのユーザに関連付けられたソフトウェアアプリケーション300に通知及びアラートを送信する。サーバ400は、各ユーザまたは各スマート電源200について、サーバのデータベースによって記憶されたデータ内のクラスタ及びパターンの識別に基づいて調整可能なアルゴリズムに従って動作する。
【0077】
他の例では、サーバ400は、ソフトウェアアプリケーション300から以前に受信した使用情報、たとえば、スマート電源あるいはユーザのデバイスのうちの1つまたは複数の識別された使用パターンに基づいて、スマート電源200の予測される使用状況、たとえば、充電日時などを決定し得る。
【0078】
他の例では、ユーザのデバイスから収集された情報に基づいて、サーバ400は、場合によりソフトウェアアプリケーション300と共同して、たとえば、(スマート電源を含む)ユーザデバイスごと及び/または日ごとのユーザの充電習慣を予測し得る。この予測は、いつ特定のデバイスを充電すべきか、いつユーザがスマート電源200を持参すべきか(たとえば、自身のデバイスの1つのバッテリーレベルが低い場合)、いつユーザデバイスのうちの1つまたは複数ならびに/あるいはスマート電源200がバッテリー電力を使い果たすかに関して、ソフトウェアアプリケーション300内でユーザに通知を生成するための基礎として使用することができる。予測ベースの通知は、本質的に予防的なものであり、充電システム500に対して、ユーザデバイス及びスマート電源200の全体のダウンタイムを短縮することによって、システム500を全体としてより効率的にする。
【0079】
予測される使用状況に基づいて、サーバ400は、ソフトウェアアプリケーション300に、充電命令をスマート電源200へ送信させて、たとえば、スマート電源200による充電の予測される時期の前に、特定の時刻及び/または曜日に、スマート電源200による電流出力を増減させ得る。他の例では、ソフトウェアアプリケーション300は、予測される使用状況を用いて、たとえば、識別された使用期間の前など、スマート電源200のバッテリー220が交換または充電を必要とするときをユーザに通知し得る。他の例では、ソフトウェアアプリケーション300は、予測された使用期間の前の期間にスリープモードに入るための充電命令をスマート電源300に送信し得る。このように、充電システム500は、柔軟性があり、効率的で、効果的である。すなわち、スマート電源200の予測される使用状況を用いて、スマート電源200が制御される方法を改良することによって、充電プロセスでのユーザの必要な入力を最小限にする予防的な充電システム500を提供し得る。
【0080】
上述のように、サーバ400は、ユーザデバイスプロファイルのデータベースを記憶し、各プロファイルは、デバイスに応じた充電パラメータを含み得る。ソフトウェアアプリケーション300によって、ユーザは、特定のデバイスのデバイスプロファイルを修正し、更新されたデバイスプロファイルをサーバ400に送信することが可能になる。さらに、サーバ400は、スマート電源プロファイルのデータベースを維持し得る。
【0081】
スマート電源200は、DCデバイス及び他のデバイスタイプを充電できる装置であり、ソフトウェアアプリケーション300は、DCデバイス用の対応するプロファイルを記憶する。上述の例では、充電システム500は、デバイス対デバイスの構成ではなく、クライアント‐サーバ構成として具現化されている。したがって、ソフトウェアアプリケーション300及びサーバ400、ならびにそれらの間の通信によって、自身の特定の充電要件をスマート電源200に伝達する機能を有さないデバイスを、本明細書に記載の実施形態に従って充電することが可能になる。そのようなDCデバイスの一例は、ラップトップである。この場合、対応するデバイスプロファイルは、たとえば、サーバ400が要求するか、またはサーバ400に要求することができ、関連するデバイスプロファイルで指定されるデバイス充電特性を使用してデバイスが充電され、たとえば、12Vまたは16Vなどの事前に設定された制限された値に従って充電されるのではない。特定のデバイス要件に従って充電することは、デバイスに有害なレベルの電力を供給するリスクが低減されるので、より安全な充電方法である。
【0082】
図5Aは、サーバ400によって維持される第1のデータベース410の一例を示している。データベース410は、複数のスマート電源のデバイスプロファイルを含む。図5Aの例では、第1のデータベース410は5つの列、すなわち、ユーザID、スマート電源ID、最後に報告されたステータス‐バッテリーレベル、最後に報告されたステータス以降の時間(分)、及び次のステータス報告までの時間を含む。他の例では、データベース410は、複数のスマート電源に関する異なる情報を含む列を含み得る。
【0083】
第1のデータベース410は、ユーザ識別子1014、2005、及び2789を有する複数のユーザと、デバイス識別子211、254、及び298を有するそれぞれのスマート電源とに関するレコードを含む。「最後に報告されたステータス‐バッテリーレベル」の列は、たとえば、ユーザデバイス101及びソフトウェアデバイス300など、対応する第1のユーザデバイスによって、それぞれのソフトウェアアプリケーションを介して、サーバ400に報告された、スマート電源211、254、298のそれぞれのステータス情報を含む。図5Aの例では、ステータス情報は定期的に更新され、「次のステータス報告までの時間」の列は、各スマート電源について次のステータス報告がいつ期待できるかを示す。たとえば、ユーザID「2005」を含む2行目は、サーバが28分後にスマート電源「254」の別のステータス報告を受信することを示している。
【0084】
図5Aの例では、サーバ400は、スマート電源ごとに60分ごとにデータベース410の更新を受信する。すなわち、「最後に報告されたステータスからの時間(分)」の列と、「次のステータス報告までの時間」の列とにわたる時間は、合計で60分になる。データベース410及びその更新に基づいて、スマート電源211、254、298のそれぞれが互いに対して時間の経過と共にどのように使用されたかに関連する使用情報を導出することができる。たとえば、ステータス報告ごとのバッテリーレベルの変化は、前回のステータス報告以降の期間内にスマート電源がどれだけ使用されたかを示す。たとえば、スマート電源211のバッテリーレベルが(50%から)次の報告で15%になったと報告され、スマート電源254のバッテリーレベルが(75%から)次の報告で60%になったと報告された場合、たとえば、スマート電源211が、スマート電源254よりも多くのデバイスを充電するために使用されていると推定することができる。
【0085】
図5Bは、サーバ400によって維持される第2のデータベース420の一例を示している。データベース420は、識別子564、301、及び872を有する複数の第2のユーザデバイス(充電対象デバイス)のデバイスプロファイルを含む。図5Bの例では、第2のデータベース420は5つの列、すなわち、ユーザID、第2のデバイスのID、最後に報告されたステータス‐バッテリーレベル、充電パラメータ(電圧、V)、及びデバイスの充電に利用可能な時間(分)を含む。「充電パラメータ」内のデータは、ソフトウェアアプリケーション300によってそれぞれのスマート電源に送信される充電命令に含められ得る。「デバイスの充電に利用可能な時間(分)」の列のデータは、それぞれの第1のユーザデバイス上のソフトウェアアプリケーション300と通信するカレンダーアプリケーションから導出され得、それによって、カレンダーは、一例として、それぞれのユーザが次にいつ旅行するか、または会議に出席するかを示す。いくつかの例では、「充電に利用可能な時間」は、たとえば、利用可能な時間が所定の閾値より短い場合に、対応する第2のデバイスの充電を優先するために、ソフトウェアアプリケーション300によってスマート電源200に送信される充電命令の基礎として使用され得る。
【0086】
ユーザ2005を見ると、データベース420は、現在90%のバッテリーレベルを有する第2のデバイス302を充電するために利用可能なのは15分であることを示している。これに基づいて、ソフトウェアアプリケーション300は、デバイス301の充電を優先する充電命令をスマート電源200に送信して、デバイス301のバッテリーレベルが残りの時間で可能な限り100%に近づくように増加され得る。
【0087】
前述の例のいずれかに従って充電動作を開始する前に、スマート電源は、デバイスの誤った充電を回避するために、充電命令の一部として受信した情報を、充電ごとのチェックの一部として検証し得る。一例として、ソフトウェアアプリケーション300を実行しているユーザデバイスと充電される他のユーザデバイスとの間、またはアプリケーションを実行しているユーザデバイスとサーバ400との間のBluetoothまたはWi-Fi接続を使用して、それぞれのユーザデバイスを充電する前に、2段階認証プロセスを提供することができる。まず、ユーザは、アプリケーション300とやりとりして、デバイス充電パラメータを設定し得る。これに続いて、ソフトウェアアプリケーション300は、問題のユーザデバイスと直接、またはサーバ400と通信して、ユーザが設定したデバイスパラメータの確認を要求することによって、上記デバイス充電パラメータを検証し得る。そのようなシナリオでは、デバイスパラメータは、デバイスモデル及び最適な充電入力(たとえば、電圧、電流、電力)であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2021-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置と、
ユーザに関連付けられた第1のデバイスと、
前記ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、
サーバコンピュータと、
を備え、
前記第2のデバイスは、前記電源装置に結合するように構成され、
前記電源装置は、前記第1のデバイスにステータス情報を提供するように構成され、
前記第1のデバイスは、前記第1のデバイスで動作するアプリケーションを介して前記電源装置に通信を送信するように構成され、前記通信は前記電源装置に充電命令を提供し、前記命令は前記電源装置から受信した前記ステータス情報に基づき、
前記電源装置は、前記第1のデバイスから前記電源装置で受信された前記充電命令に基づいて前記第2のデバイスを充電するように構成され、
前記サーバコンピュータは、前記第1のデバイスと通信して、前記電源装置及び前記第2のデバイスのうちの少なくとも1つに関連し、ステータス情報を含むデータベースを維持するように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1のデバイスは、前記電源装置及び前記第2のデバイスのうちの少なくとも1つの前記ステータス情報を前記サーバコンピュータに提供するように構成され、
前記サーバコンピュータは、前記ステータス情報を処理し、前記処理に基づいて前記第1のデバイスの前記アプリケーションの前記動作を修正するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のデバイスは、前記第2のデバイスに前記ステータス情報を要求し、そのような情報を前記サーバコンピュータに転送するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のデバイスは、前記電源装置に前記ステータス情報を要求し、そのような情報を前記サーバコンピュータに転送するように構成される、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アプリケーションは、前記第1のデバイスで実行されている他のアプリケーションへのアクセスを要求するように構成され、
前記第1のデバイスから前記電源装置に送信される前記通信は、前記他のアプリケーションから得られた情報に基づく、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記アプリケーションは、前記他のアプリケーションから得られた前記情報を前記サーバコンピュータに送信するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のデバイスは、前記アプリケーションを介して、複数のデバイスを充電するための優先順位を前記電源装置に提供するように構成され、
前記電源装置は、前記優先順位に基づいて前記複数のデバイスを充電するように構成され、前記優先順位は、前記アプリケーションを使用して設定可能である、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
電源と、
通信インターフェースと、
通信回路と、
充電回路と、
前記充電回路に結合された複数の充電ポイントと、
を備える電源装置であって、
前記複数の充電ポイントの各々は、それぞれのユーザデバイスに結合して、前記デバイスを充電するように構成され、
前記電源は、ユーザデバイスに結合された前記充電ポイントのうちの少なくとも1つに電力を供給するように構成され、
前記通信インターフェースは、アプリケーションを動作させる第1のユーザデバイスに、前記電源装置のステータス情報を含む第1の通信を送信し、前記第1のユーザデバイスから、それぞれの充電ポイントに結合された前記ユーザデバイスのうちの少なくとも1つを充電するための充電命令を含む第2の通信を受信するように構成され、前記充電命令は、前記電源から受信された前記ステータス情報に基づき、前記第1のユーザデバイスは、前記ステータス情報をサーバコンピュータに送信して、前記サーバコンピュータによって維持されるデータベースに組み込み、
前記通信回路は、前記充電命令を前記充電回路に転送するように構成され、
前記充電回路は、前記充電命令に基づいて、前記電源による前記それぞれの充電ポイントへの電力の前記供給を制御するように構成される、前記電源装置。
【請求項9】
前記複数の充電ポイントのうちの少なくとも1つは、DC充電ポートである、請求項8に記載の電源装置。
【請求項10】
前記電源は、第1の電力出力レベルを含む第1の電源であり、
前記第1の電源は、前記第1の電力出力レベルとは異なる第2の電力出力レベルを含む第2の電源と交換可能である、請求項8または9に記載の電源装置。
【請求項11】
前記充電回路は、
充電ポイントに結合された前記第1のユーザデバイスと、他の充電ポイントに結合された第2のユーザデバイスとの間の優先順位を、前記第1及び前記第2のユーザデバイスのうちの少なくとも1つから前記電源装置で受信された通信に基づいて決定し、
前記決定された優先順位に基づいて、前記第1及び前記第2のユーザデバイスを充電する、
ように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項12】
前記電源は、第1の電力レベルに関連付けられた第1の電源であり、第2の異なる電力レベルに関連付けられた第2の電源と交換可能であり、
前記充電回路は、前記第1及び前記第2の電源のどちらが前記電源装置に挿入されるかに基づいて電力の供給を制御するように構成される、請求項8から11のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項13】
電源装置と、ユーザに関連付けられ、アプリケーションを実行する第1のデバイスと、前記ユーザに関連付けられた第2のデバイスと、サーバコンピュータと、を備える充電システムを管理する方法であって、
前記第1のデバイスによって前記アプリケーションを介して、充電命令を前記電源装置に送信することであって、前記充電命令は、前記第2のデバイスのステータスに基づく、前記送信することと、
前記電源装置が前記第2のデバイスに結合し、続いて前記充電命令に従って前記第2のデバイスを充電することに応答して、アプリケーションによって、前記第2のデバイスに関連する情報を前記サーバコンピュータに送信することと、
前記サーバコンピュータによって、前記情報に基づいて前記第2のデバイスに関連するデータベースを更新することと、
を含む、前記方法。
【国際調査報告】