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特表2022-509069RFIDラベルの形成及び配置のための方法、システム並びに装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】RFIDラベルの形成及び配置のための方法、システム並びに装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220113BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20220113BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
G06K19/077 292
G09F3/00 M
G09F3/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526667
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 US2019061953
(87)【国際公開番号】W WO2020102798
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】62/768,336
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】ロス,マーク
(57)【要約】
本明細書にRFIDラベルを形成し、適用するための方法、システム及び装置が示され、説明される。例示的な実施形態は、多重素子アンテナ設計を有する新たなタイプのRFIDインレイを含むことで、RFIDラベルが、例えば、縁又は角の周囲でカートンに結合されるように装着することを可能にする。従って、RFIDラベルの一部が、例えば、隣接したカートンにより遮断又は遮蔽される場合でも、所望に応じてラベルを読み取ることができる。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び底面を含む基材であって、前記基材は、1つ以上の折り目で共に結合された複数の部分を規定する基材と、
前記基材の底面の下に配置されたRFIDインレイであって、前記RFIDインレイは、多重素子アンテナと、前記多重素子アンテナのそれぞれの素子の間に位置して電気的に接続されたRFIDチップを含むRFIDインレイと、を含む、ラベル。
【請求項2】
前記複数の部分は、第1部分及び第2部分を含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記第1部分及び前記第2部分は、第1折り目で共に結合される、請求項2に記載のラベル。
【請求項4】
前記複数の部分は、第3部分をさらに含む、請求項3に記載のラベル。
【請求項5】
前記第1部分及び前記第3部分は、第2折り目で共に結合される、請求項4に記載のラベル。
【請求項6】
前記多重素子アンテナは、第1アンテナ素子が第1部分で基材の底面に隣接して配置され、第2アンテナ素子が第2部分で基材の底面に隣接して配置されるように二重素子アンテナを含む、請求項2に記載のラベル。
【請求項7】
前記RFIDチップは、前記第1アンテナ素子及び前記第2アンテナ素子の一方又は両方により活性化されるように構成され、前記第1アンテナ素子及び前記第2アンテナ素子は、それぞれRFIDリーターにRF信号を送信し、RFIDリーターからRF信号を受信する、請求項6に記載のラベル。
【請求項8】
前記多重素子アンテナは、第1アンテナ素子が第1部分で基材の底面に隣して配置され、第2アンテナ素子が第2部分で基材の底面に隣接して配置され、且つ第3アンテナ素子が第3部分で基材の底面に隣接して配置されるように、三重素子アンテナを含む、請求項4に記載のラベル。
【請求項9】
前記RFIDチップは、前記第1アンテナ素子、前記第2アンテナ素子、及び前記第3アンテナ素子のうち1つ以上により活性化されるように構成され、前記第1アンテナ素子、前記第2アンテナ素子、及び前記第3アンテナ素子は、それぞれRFIDリーターにRF信号を送信し、RFIDリーターからRF信号を受信する、請求項8に記載のラベル。
【請求項10】
前記1つ以上の折り目は、ミシン目、スコア線、又は部分的なダイカットのうち1つ以上を含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項11】
1つ以上の折り目の位置を示すために基材の上面上に印刷された標識をさらに含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項12】
接着剤及び除去可能なバッキングをさらに含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項13】
RFIDラベルをアイテムに適用する方法であって、
前記アイテムの第1領域に、第1アンテナ素子を有するRFIDラベルの第1部分を固定するステップと、
前記アイテムの第2領域に、第2アンテナ素子を有するRFIDラベルの第2部分を固定するステップとを含み、
前記RFIDラベルの第1部分及び第2部分が第1折り目で共に結合される、方法。
【請求項14】
前記アイテムの第1領域はカートンの第1面であり、前記アイテムの第2領域はカートンの第2面であり、前記第1折り目は、第1アンテナ素子がカートンの第1面に固定され、第2アンテナ素子がカートンの第2面に固定されるように、カートンの第1面と第2面とを結合する縁に沿って配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記RFIDラベルの上面に印刷された標識を、前記第1折り目に沿って前記カートンの第1面及び第2面を結合する縁と整列するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第3アンテナ素子を有するRFIDラベルの第3部分を前記アイテムの第3領域に固定するステップをさらに含み、前記RFIDラベルの第3部分は、第2折り目でRFIDラベルの第1部分又は第2部分の一方に結合される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記アイテムの第1領域はカートンの第1面であり、前記アイテムの第2領域はカートンの第2面であり、前記アイテムの第3領域はカートンの第3面であり、前記第1折り目及び前記第2折り目は、前記第1アンテナ素子、前記第2アンテナ素子、及び前記第3アンテナ素子がそれぞれカートンの異なる面に固定されるように、前記カートンの第1面、第2面、及び第3面により規定された異なる縁に沿って配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記RFIDラベルは、カートンの角でカートンに固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
RFIDラベルから除去可能なバッキングを除去して、前記RFIDラベルの底面の少なくとも一部に沿って配置された接着剤を露出させ、前記接着剤により前記RFIDラベルの第1部分及び第2部分をアイテムに固定するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
RFIDラベルから除去可能なバッキングを除去して、前記RFIDラベルの底面の少なくとも一部に沿って配置された接着剤を露出させ、前記接着剤により前記RFIDラベルの第1部分、第2部分、及び第3部分をアイテムに固定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年11月16日に出願された米国仮出願番号62/768,336号から優先権を主張し、その全体が本明細書に参照として援用される。
【0002】
本発明は、一般に、製品パッケージング、カートン及びその他製品コンテナ等であるものの、これに制限されないあらゆる種類のパッケージングに使用するための無線周波数識別(RFID)ラベルに関するものである。より具体的に、本発明は、多重素子アンテナを備えたRFIDインレイを有する多重―部分ラベルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
無線周波数識別(RFID)ラベルは、その存在を感知及び/又はモニタリングしなければならないアイテムに取り付けられる電子装置である。RFIDラベルの存在、従って、RFIDラベルが取り付けられた1つ又は複数のアイテムの存在は、「リーター」又は「リーターパネル」として知られる装置により確認及びモニタリングされ得る。リーターは、通常、RFIDラベルが応答する無線周波数信号を送信する。それぞれのRFIDラベルは、固有の識別番号を格納できる。RFIDラベルは、リーターがアイテムの識別及び特性を決定できるようにするリーター命令に基づいてRFIDラベルに格納された識別番号及び追加情報を提供することで、リーターが送信した信号に応答する。
【0004】
現在、RFIDラベルは、アンテナに接続されたRFIDチップを含むインレイを基材に適用させた構造によって製造される。次いで、インレイが単一ラベルに挿入される。これらラベルは、フレキソ印刷工程等の従来の印刷工程により印刷され、その後、可変情報が静的情報と共に又は単一で印刷され得る。次いで、RFIDチップは、リーター/符号化装置を有するプリンタで符号化されるか、又はリーター/符号化装置によって別々に符号化される。
【0005】
RFIDラベルを製造する他の方法は、基材に直接RFID装置を製造するステップを含む。例えば、基材が前進して接着剤でコーティングされ、アンテナを基材に取り付けることに関して、必要ではない接着剤領域は「消滅」する。代案として、接着剤は、アンテナの形状及び構成で基材上にパターンコーティングされ得る。次いで、アルミニウム等の金属ホイルが接着剤上に塗布されるが、露出して粘着性のある接着剤が残存する部分にのみ接着される。金属ホイルは、アンテナの形状をさらに規定するために、回転式ダイカッター及び/又はレーザカッティング装置等によりさらに切り取ることができる。次いで、金属ホイルの残りのマトリックスを除去して、最終のアンテナ形状のみ基材に取り付けられるようにし、その後、導電性接着剤を使用することで、双極子型アンテナ等のアンテナ構造の接触端上にチップ又はストラップを塗布する。カバー層は、チップ又はストラップの上端、又は代案として、アンテナで覆われた領域全体に提供され得る。
【0006】
RFID技術の使用が拡大するにつれて、RFID技術が適用され活用される製品包装材及び製品内容物の幅や多様性も増加している。しかし、タグ、ラベル、及びメディアを含むRFID技術の拡張及び採択の増加は、RFID技術の適切な機能性が保障されなければならないので、このような用途に対する新たな課題が存在する。
【0007】
例えば、衣類産業において、製品材料、即ち織物は、無線周波数(RF)信号を通過させるのに非常に役立つ傾向がある。従って、RF信号はRFトランシーバーと比較的自由に通信できるので、RFIDタグの配置は重要ではない。
【0008】
しかし、同じRFID技術を食品産業等の異なる製品部門に適用する場合、カートンやその他製品コンテナ内に保管された製品の内容物により、技術の効率性に関して新たな問題及び課題が見られる。例えば、水、ジュース、牛乳、クリーム、アイスクリームベース、コーヒー香料等の流体は、全て液状で見かける傾向がある。しかし、このような液体は、RFIDトランスポンダへの/からのRF信号の成功的な伝播を軽減させるか、又は妨害する傾向がある。同様に、水分飽和度が高いと知られた牛肉、家禽類及び海産物等のタンパク質及び液体含量が高いその他製品は、RF信号の成功的な伝播を妨げたり阻止し得る。
【0009】
このような製品及び一般的なRFIDタグに関して、RFID技術の機能性を改善する従来の方法は、製品のカートン及び関連パレットの厳格な積載、配向及び構成を含む。図1に示すように、全てのカートンは、他のカートン又はパレットにより遮られたり遮断されたりすることなく、RFIDタグが見えるようにパレット上に配列しなければならない。そうすると、RF信号が自由に伝播し、RFIDタグをスキャンできる。しかし、図2に示しているように、2つのカートンパレットが結合すると、後方カートンのRFIDタグはカートンの内容物により影響を受け、関連ラベルのRF信号機能に相当の影響を及ぼしたり作動不可能になり得る。言い換えると、RFIDラベルがパレット積載の中心内部に達していれば、RFIDタグ又はラベルのRFIDインレイがトランシーバーへの/からの信号送受信を遮断できる。従って、RFIDラベルが取り付けられたカートン又はその他コンテナの配向にかかわらず、トランシーバーへ/から送受信できるRFIDラベルが求められる。
【発明の概要】
【0010】
以下に説明される本発明の実施形態は、包括的であったり、本発明を次の詳細な説明に開示された精密な形態に制限しようとするものではない。むしろ、上記実施形態は、当業者が本発明の原理及び実行を認識し、理解できるように選択され、説明されている。
【0011】
上記問題を解決するために、RFIDラベルに使用するためのRFIDインレイを形成し、適用する方法、システム及び装置が本明細書に示され、説明される。例示的な実施形態は、多重素子アンテナ設計を有する新たなタイプのRFIDインレイを含むことで、RFIDラベルが、例えば、縁の周囲でカートンに結合されるように装着することを可能にする。従って、RFIDラベルの一部が遮断又は遮蔽される場合でも、所望に応じてラベルを読み取ることができる。
【0012】
一部実施形態によると、RFIDラベルは、基材及びRFIDインレイを含む。一部実施形態において、基材は上面及び底面を含み、1つ以上の折り目で共に結合された複数の部分を規定する。基材は、紙、カード用紙、PET等のプラスチック、又はその他適切な材料であり得る。一部実施形態において、基材は、熱転写、インクジェット、又はレーザ印刷等の方法を用いて印刷され得る。一部実施形態において、RFIDインレイは、基材の底面の下に配置され、多重素子アンテナとRFIDチップとを含む。一部実施形態において、RFIDチップは、多重素子アンテナのそれぞれの素子の間に位置して電気的に接続される。
【0013】
一部実施形態において、RFIDラベルの複数の部分は、第1部分及び第2部分を含む。第1部分及び第2部分は、第1折り目で共に結合され得る。一部実施形態において、RFIDラベルの複数の部分は、第3部分をさらに含む。第1部分及び第3部分は、第2折り目で共に結合され得る。代案として、第2部分及び第3部分は、第2折り目で共に結合され得る。
【0014】
一部実施形態において、多重素子アンテナは、第1アンテナ素子及び第2アンテナ素子を含む二重素子アンテナを含む。第1アンテナ素子は、第1部分で基材の底面に隣接して配置され得、第2アンテナ素子は、第2部分で基材の底面に隣接して配置され得る。一部実施形態において、RFIDチップは、第1アンテナ素子及び第2アンテナ素子の一方又は両方により活性化するように構成される。第1アンテナ素子及び第2アンテナ素子は、それぞれRFIDリーターにRF信号を送信し、RFIDリーターからRF信号を受信するように構成され得る。
【0015】
他の実施形態によると、多重素子アンテナは、第1アンテナ素子、第2アンテナ素子、及び第3アンテナ素子を含む三重素子アンテナを含む。第1アンテナ素子は、第1部分で基材の底面に隣接して配置され得、第2アンテナ素子は、第2部分で基材の底面に隣接して配置され得、また、第3アンテナ素子は、第3部分で基材の底面に隣接して配置され得る。一部実施形態において、RFIDチップは、第1アンテナ素子、第2アンテナ素子、及び第3アンテナ素子のうち任意の1つ以上により活性化するように構成される。上記第1アンテナ素子、第2アンテナ素子、及び第3アンテナ素子は、それぞれRFIDリーターにRF信号を送信し、RFIDリーターからRF信号を受信するように構成され得る。
【0016】
一部実施形態において、1つ以上の折り目は、ミシン目、スコア線、又は部分的なダイカットのうち1つ以上を含む。一部実施形態において、RFIDラベルは、1つ以上の折り目の位置を示すために、基材の上面に印刷された標識を含む。一部実施形態において、RFIDラベルは、接着剤と、上記接着剤に隣接して配置された除去可能なバッキングを含む。
【0017】
一部実施形態によると、RFIDラベルをアイテムに適用する方法は、上記アイテムの第1領域に第1アンテナ素子を有するRFIDラベルの第1部分を固定するステップと、上記アイテムの第2領域に第2アンテナ素子を有するRFIDラベルの第2部分を固定するステップとを含む。一部実施形態において、上記RFIDラベルの第1部分及び第2部分は、第1折り目で共に結合される。
【0018】
上記アイテムの第1領域はカートンの第1面であり得、上記アイテムの第2領域はカートンの第2面であり得る。一部実施形態において、上記第1折り目は、第1アンテナ素子がカートンの第1面に固定され、第2アンテナ素子がカートンの第2面に固定されるように、上記カートンの第1面及び第2面を結合する縁に沿って配置される。一部実施形態において、上記方法は、カートンの第1面及び第2面を結合する縁と、第1折り目に沿ってRFIDラベルの上面に印刷された標識を整列するステップを含む。
【0019】
一部実施形態において、上記方法は、上記アイテムの第3領域に第3アンテナ素子を有するRFIDラベルの第3部分を固定するステップを含む。上記RFIDラベルの第3部分は、第2折り目でRFIDラベルの第1部分又は第2部分の一方に結合し得る。一部実施形態において、上記アイテムの第1領域はカートンの第1面であり、上記アイテムの第2領域はカートンの第2面であり、また、上記アイテムの第3領域はカートンの第3面である。第1折り目及び第2折り目は、上記第1アンテナ素子、第2アンテナ素子、及び第3アンテナ素子がそれぞれカートンの異なる面に固定されるように、上記カートンの第1面、第2面、及び第3面により規定された異なる縁に沿って配置され得る。例えば、上記第1折り目は、カートンの第1面及び第2面を結合する縁に沿って配置され得る反面、上記第2折り目は、カートンの第1面及び第3面を結合する縁に沿って配置され得る。一部実施形態において、RFIDラベルは、カートンの角又はその近傍でカートンに固定される。
【0020】
一部実施形態において、上記方法は、RFIDラベルから除去可能なバッキングを除去し、RFIDラベルの底面の少なくとも一部に沿って配置された接着剤を露出させるステップを含む。RFIDラベルの第1部分及び第2部分は、接着剤によってアイテムに固定され得る。RFIDラベルが第3部分をさらに含む実施形態において、上記第3部分は、接着剤によってアイテムに固定され得る。
【0021】
本発明の実施形態の利点は、その例示的な実施形態に関する以下の詳細説明から明らかになるはずであり、このような説明は、同様の番号が同様の要素を示す添付の図面と共に考慮すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のRFIDタグの配置を有する、公知のカートン積載及びパレット配向の図である。
図2】従来のRFIDタグの配置を有する、公知のカートン積載及びパレット配向の図である。
図3A】カートン及びパレットに配置された二重素子RFID装置を示す例示的な図である。
図3B】二重素子アンテナ設計のRFIDラベルを示す例示的な図である。
図4A】カートン及びパレットに配置された三重素子RFID装置を示す例示的な図である。
図4B】三重素子アンテナ設計のRFIDラベルを示す例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の態様は、本発明の特定の実施形態に関する以下の説明及び関連図面に開示される。本発明の思想又は範囲を外れることなく他の実施形態が考案され得る。さらに、本発明の例示的な実施形態のよく知られている要素は、本発明の関連の細部事項を曖昧にしないよう、詳細に説明されなかったり省略され得る。また、説明の理解を助けるために、本明細書に使用されたいくつかの用語に関する説明が後に続く。
【0024】
本明細書で使用される、「例示的な」という単語は、「例、事例又は例示として提供される」を意味する。本明細書に説明される実施形態は、制限的なものではなく、単に例示であるだけである。説明される実施形態が必ずしも他の実施形態より好ましかったり有利であると解釈される必要はないことを理解しなければならない。さらに、「本発明の実施形態」、「実施形態」又は「発明」という用語は、本発明のあらゆる実施形態が説明された特徴、利点又は作動モードを含むことを求めていない。
【0025】
また、本明細書に使用される、無線信号、無線周波数識別(RFID)等に関する多様な要素が説明され、示される。このような技術は、しばしば、一般に、RFIDラベル、RFIDタグ、RFIDメディア等と呼ばれるメディア内に内臓することができ、このような用語は、全て多様なメディアに内蔵されたRFIDの用途を統合するので、相互交換的に使用され得ることを理解すべきである。
【0026】
次いで、図3Aを参照すると、RFIDラベルを形成して用いるいくつかの実施形態が示され、説明され得る。上述のように、パレット上に積層されて整列したカートン等のコンテナに少なくとも1つのRFIDラベルを適用すると、RFIDラベルの配置によりRF信号を遮断するカートンの内容物による問題が発生し得る。これは、図1及び図2に反映される。しかし、図3A及び図4Aに示すように、少なくとも1つの新たなRFIDラベル304,404は、パレット構成300,400で配列され、積層されるカートン302,402の縁又は角等の周辺部に配置され得る。
【0027】
図3Aにおいて、複数のRFIDラベル304がカートン302の縁又は周囲に配置されていることが示されている。RFIDラベル304は、図3Bに示しているように、二重素子アンテナ312a,312bを有し得るRFIDインレイ310を有する。例えば、RFIDラベル304は、例えば、接着剤等によりRFIDインレイ310を基材に固定することで形成され得る。接着剤は、当業界に公知の任意の手段でカーテン塗工、パターン塗工、又は塗布され得ることが考えられる。基材は、1つ以上の折り目で共に結合されたRFIDラベル304の多数の部分を規定でき、例えば、基材は折り目316で共に結合された第1部分306及び第2部分308を規定できる。有利には、一実施形態において、RFIDインレイ310は、上記第1アンテナ素子312aが第1部分306内に配置され、第2アンテナ素子312bが第2部分308内に配置されるように上記基材に固定される。
【0028】
従って、二重素子アンテナの設計は、RFIDラベル304の一部が遮断された場合でも(例えば、第1部分306又は第2部分308)、RFIDラベル304上のRF信号キャプチャを許容し得る。RFIDインレイ310は、例えば、実質的に又は一部実質的に二重アンテナ素子312a,312bの間で折り目316に近接してRFIDチップ314のみがインレイ310上で用いられるようにすることができ、二重素子アンテナ312a,312bのいずれか1つのローブからの信号の最適化利用を提供することができる。RFIDラベル304のためのRFIDインレイ310のこのような形成により、RFIDラベル304の改善した配置をさらに可能にし、RFIDラベルを製造するのにかかる費用を安価に維持しつつ、従来のRFIDラベルよりさらに良好な信号キャプチャを提供できるようにする。
【0029】
また、図3Aを参照すると、カートン又はコンテナ302が向かい合あって又は背合わせに配置される際に、RFIDラベル304の少なくとも一部が露出し得る。これは、以下の構成、例えば、カートン302の縁の周囲に配置された完全に露出したRFIDラベル304、カートン302の縁の周囲にさらに配置されたRFIDラベルの露出した第1部分306、及びカートン302の縁の周囲にさらに配置されたRFIDラベルの露出した第2部分308で表され得る。従って、RFIDラベル304がカートン302の周辺部又は縁部の周囲に配置されることが理解できる。RFIDラベル304のこのような固有の配置は、特にRFIDラベル304の二重素子アンテナ設計312a,312bと共にカートンの一方面に第1部分306を配置し、カートンの第2面に第2部分308を配置することで、カートン302の内容物又はその内容物の属性(例えば、液体、織物等)にかかわらず、RFIDラベル304に対するRFリーター又はトランスポンダへの/からの明確な信号経路を許容する。
【0030】
二重素子アンテナ設計のRFIDインレイ310の一図面が、図3Bに示される。ここで、RFIDインレイ310は、第1アンテナ素子312aと、第2アンテナ素子312bと、及びRFIDチップ314とを含む。また、上記インレイ310は、任意の数のアンテナ素子を含むことができ、第1アンテナ素子及び第2アンテナ素子に制限されないものと見なされる。RFIDチップ314は、第1アンテナ素子312aと第2アンテナ素子312bとの間に実質的に、又は一部実質的に配置され得、RFIDラベル304の第1アンテナ素子及び第2アンテナ素子312a,312bの両方に折り目316に近接して電気的に又は通信可能に接続され得る。折り目316は、図3Aに示すラベルの配置と同様に、カートンの縁の周囲にRFIDラベル304を配置するための少なくとも視覚的標識を提供できる。例えば、折り目316は、ミシン目、スコア線、又は部分的なダイカットのうち1つ以上を含むことができる。さらに、又は代案として、折り目316の存在を示すために折り目316に沿ってRFIDラベル304の上面に印刷された標識が含まれ得る。上記印刷された標識は、デジタル方式、インクジェット及び/又はレーザ等であるがこれに制限されない、当業界で考慮される任意の手段によって印刷され得る。
【0031】
本発明の他の実施形態は、図4A及び4Bに示されている。図4Aに示しているように、RFIDラベル404は、カートン402の角に配置されていることが示されている。RFIDラベル404は、図4Bに示しているように、三重素子アンテナ414a,414b,414cを備えたRFIDインレイ412を有する。三重素子アンテナの設計は、RFIDラベル404の一部が遮断された場合でも(例えば、第1部分406、第2部分408、又は第3部分410のうち1つ以上)、RFIDラベル404上でRF信号のキャプチャを可能にする。RFIDインレイ412は、例えば、実質的に3つのアンテナ素子414a,414b,414cの間で1つ以上の折り目418a,418bに近接してRFIDチップ416のみがインレイ412上で利用されるようなものであり得、これは、三重素子アンテナ414a,414b,414cの任意のローブからの信号の最適化された利用を提供できる。RFIDラベル404のためのRFIDインレイ412のこのような形成は、RFIDラベルの製造にかかる費用を安価に保ちつつ、RFIDラベル404の配置を改善して、従来のRFIDラベルよりさらに良好な信号キャプチャを提供できるようにする。
【0032】
また、例示的な図4Aを参照すると、カートン402が向かい合あって又は背合わせに配置される際に、RFIDラベル404の少なくとも一部が露出し得る。これは、以下の構成、例えば、カートン402の縁の周囲に配置された完全に露出したRFIDラベル404、カートン402の角の周囲にさらに配置されたRFIDラベルの露出した第1部分406、カートン402の角の周囲にさらに配置されたRFIDラベルの露出した第2部分408、カートン402の角の周囲にさらに配置されたRFIDラベルの露出した第3部分410、及びRFIDラベル404がカートン402の角の周囲に配置される場合の2つ以上の露出した部分406,408,410の任意の組み合わせで表され得る。従って、RFIDラベル404がカートン402の角の周囲に配置されることが理解される。RFIDラベル404のこのような固有の配置は、特にRFIDラベル404の三重素子アンテナ設計414a,414b,414cと共にカートンの一方面に第1部分406を配置し、カートンの第2面に第2部分408を配置し、且つカートンの第3面に第3部分410を配置することで、カートン402の内容物又はその内容物の特性(例えば、液体、織物等)にかかわらず、RFIDラベル404に対するRFリーター又はトランスポンダへの/からの明確な信号経路を許容する。
【0033】
三重素子アンテナ設計のRFIDインレイ412の例示的な図面が、例示的な図4Bに示されている。ここで、RFIDインレイ412は、第1アンテナ素子414aと、第2アンテナ素子414bと、第3アンテナ素子414cと、RFIDチップ416とを含む。RFIDチップ416は、3つのアンテナ素子414a,414b,414cの間に実質的に配置され得、3つのアンテナ素子414a,414b,414cのそれぞれに電気的に接続され、1つ以上の折り目418a,418bに近接し得る。折り目418a,418bは、図4Aに示すラベルの配置と同様に、カートンの角の周囲にRFIDラベル404を配置するための少なくとも視覚的標識を提供できる。例えば、折り目418a,418bは、ミシン目、スコア線、又は部分的なダイカットのうち1つ以上を含むことができる。さらに、又は代案として、印刷された表示は、折り目318a,318bの一方又は両方に沿ってRFIDラベル404の上面に含まれ、それぞれの折り目318a,318bの存在を表示することができる。
【0034】
例示的な図3A~4Bで理解できるように、カートン302,402が向かい合うように積層された構成で配置された場合でも、RFIDラベル304,404の少なくとも一部(例えば、第1部分306,406、第2部分308,408、又は第3部分410)は、パレット構成300,400の外側周辺部に露出する。従って、リーター又はトランスポンダ(図示されず)からのRF信号は、データの送信が妨害されることなく行われるように、それぞれの全てのRFIDラベル304,404に自由に到達できる。図2に示しているように、従来のRFIDタグの以前の配向では、このようなデータ送信が不可能であったり、少なくとも深刻に低下し得る。
【0035】
その結果、RFID技術は、以前には不可能であったり好ましくなかった多様な環境で利用可能であるが理解できる。例えば、上述の例示的な実施形態は、カートンの内容物が、通常、従来のRFIDラベルへの/からの適切且つ効果的な信号通信を妨害する、非常に難しい環境で利用できる。従って、本明細書に説明されている例示的な実施形態を利用することにより、RFIDラベルは非常に難しい環境でカートンの積載に利用でき、また、このような積載は、RFIDラベルと1つ以上のRFIDトランスポンダとの間のRF信号の送信のいかなる低下又は失敗もなく、互いに近接して提供され得る。
【0036】
上述の説明及び添付の図面は、本発明の原理、好ましい実施形態及び動作モードを例示している。しかし、本発明は、上述の特定の実施形態に制限されると解釈されるべきではない。上述の実施形態のさらなる変形は、当業者によって理解されるはずである(例えば、本発明の特定の構成に関する特徴は、その代わりに所望に応じて本発明の任意の他の構成に関連し得る)。
【0037】
従って、上述の実施形態は、制限的なものではなく、例示的なものと見なされるべきである。よって、このような実施形態の変形は、以下の請求範囲によって規定されるように、本発明の範囲を外れることなく当業者によって行われ得ることを理解すべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
【国際調査報告】