(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】繊維状アミノ酸ベースの基質の処理のためのポリヒドロキシ芳香族化合物の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20220113BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529274
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2019082310
(87)【国際公開番号】W WO2020104687
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】201821044328
(32)【優先日】2018-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512135078
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials GmbH
【住所又は居所原語表記】Chempark,Gebaeude V7,51368 Leverkusen,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】デュソー,アン
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,ロランド
(72)【発明者】
【氏名】スタージャック,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ハヴェリ,シュルティサガー,ディー
(72)【発明者】
【氏名】スン,クンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ストレイヒャー,カタリナ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB271
4C083AB332
4C083AC072
4C083AC172
4C083AC392
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC581
4C083AC641
4C083AC712
4C083AC841
4C083AD011
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD161
4C083AD191
4C083AD352
4C083AD411
4C083AD441
4C083AD611
4C083BB01
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB11
4C083BB21
4C083BB44
4C083BB46
4C083BB47
4C083BB49
4C083BB51
4C083BB53
4C083CC33
4C083CC36
4C083CC38
4C083CC39
4C083DD06
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、繊維状アミノ酸ベースの基質、好ましくは毛髪の処理のためのポリヒドロキシ芳香族化合物の使用、新規ポリヒドロキシ芳香族化合物、ポリヒドロキシ芳香族化合物を含む水性組成物、ポリヒドロキシ芳香族化合物を含む化粧品組成物、特にヘアケア組成物、および前記化粧品組成物の使用を含む毛髪の処理のための方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の化合物の使用であって、
R
2(-F)
2-18
ここで
R
2は、二価から十八価の、任意にて置換された、好ましくは脂肪族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、そして任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基、
【化1】
および4級アンモニウム基
【化2】
から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、そして
Fは、
-O-C(O)-R
3-R
4、および
-NR
1-C(O)-R
3-R
4から選択され、
基FはR
2の炭素原子に結合し、
ここで
R
1は、水素、または任意に置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基、
【化3】
および4級アンモニウム基
【化4】
から選択される1つまたは複数の基を含むものから選択され、
R
3は、単結合、または任意に置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基、
【化5】
および4級アンモニウム基
【化6】
から選択された1つまたは複数の基を含むものから選択され、好ましくは、R
3は単結合またはエテニレン基であり、そして
R
4は、ジおよびトリヒドロキシ置換芳香族基からなる群から選択され、
ここで化合物はタンニンを除外する、
繊維状アミノ酸ベースの基質、好ましくは毛髪の処理のための化合物の使用。
【請求項2】
R
4は、下記式の基であり、
【化7】
ここでR
10、R
11、R
12、R
13、R
14は独立してR
1から選択され、好ましくは、R
1は水素またはヒドロキシルであり、但しR
10からR
14の2から3基がヒドロキシルであるという条件であり、そしてここで点線はR
3への結合を表し、またはR
3が単結合の場合はR
3であり、あるいはR
4はジヒドロキシ置換ナフチル基およびトリヒドロキシ置換ナフチル基からなる基から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
R
4は、2,3-ジヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、2,5-ジヒドロキシフェニル、2,6-ジヒドロキシフェニル、3,4-ジヒドロキシフェニル、および3,5-ジヒドロキシフェニルなどのジヒドロキシフェニル基、2,3,4-トリヒドロキシフェニル、2,3,5-トリヒドロキシフェニル、2,3,6-トリヒドロキシフェニル、2,4,5-トリヒドロキシフェニル、2,4,6-トリヒドロキシフェニル、および3,4,5-トリヒドロキシフェニルなどのトリヒドロキシフェニル基、6,7-ジヒドロキシナフチル、5,6-ジヒドロキシナフチル、1,7-ジヒドロキシナフチル、3,7-ジヒドロキシナフチル、1,3-ジヒドロキシナフチル、および1,4-ジヒドロキシナフチルなどのジヒドロキシナフチル基、および、4,6,7-トリヒドロキシナフチル、および1,5,6-トリヒドロキシナフチルなどのトリヒドロキシナフチル基からなる群から選択される、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
R
4は、ジヒドロキシ安息香酸、例えば2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、および3,5-ジヒドロキシ安息香酸、またはトリヒドロキシ安息香酸、例えば2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,6-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸、および3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸などのポリヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ桂皮酸、例えば3,4-ジヒドロキシ桂皮酸、またはトリヒドロキシ桂皮酸、例えば3,4,5-ジヒドロキシ桂皮酸などのポリヒドロキシ桂皮酸、ジヒドロキシナフタレンカルボン酸、例えば6,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、1,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、3,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、1,3-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、および1,4-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、またはトリヒドロキシナフタレンカルボン酸、例えば4,6,7-トリヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、および1,5,6-トリヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸などのポリヒドロキシナフタレンカルボン酸、などのポリヒドロキシ芳香族カルボン酸に由来する、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
基R
1、R
2およびR
3の任意の置換基は、ヒドロキシル、アミノおよびハロゲン、好ましくはヒドロキシルおよびアミノからなる群から選択され、そして置換基の数は最大5、好ましくは1から4であり得る、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
R
1は、水素、n-、イソ-、またはtert.-C
1-C
22-アルキル、C
2-C
22-アルコキシアルキル、C
5-C
30-シクロアルキル、C
6-C
30-アリール、C
6-C
30-アリール(C
1-C
6)アルキル、C
6-C
30-アルキルアリール、C
2-C
22-アルケニル、C
2-C
22-アルケニルオキシアルキルであって、任意にてそれぞれヒドロキシルおよびハロゲンで置換され得、そして任意にて1つまたは複数のエーテル基(-O-)を含み得るもの、好ましくは、水素またはn-、イソ-、またはtert.-C
1-C
22-アルキルからなる群から選択される、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
R
2は、二価から十価、より好ましくは二価から六価、さらにより好ましくは二価の、好ましくは脂肪族の炭化水素ラジカルであって、2から30個の炭素原子、より好ましくは2から20個の炭素原子、さらにより好ましくは2から15個の炭素原子を有し、そして任意にて、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、そしてここでR
2は、任意にて1つまたは複数のヒドロキシル基によって置換され得る、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
R
2は、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、アルカンジ、トリ、およびテトラオール、例えば、1,6ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールなどの3つより多い炭素原子を有する脂肪族ポリオールに由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシドベースのポリエーテルなどのポリアルキレンオキシドに由来する、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、およびペンタエチレングリコールなどのポリエチレングリコールに由来する、または、ジプロピレングリコール(例えば、2,2’-オキシジ-1-プロパノール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール、および2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-1-プロパノールに由来する)、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコールなどのようなポリプロピレングリコールに由来する、混合エチレンオキシドおよびブチレンオキシドベースのコポリエーテルに由来する、混合プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドベースのコポリエーテルに由来する、および混合エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよびブチレンオキシドベースのコポリエーテルに由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、任意にて少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ペンタグリセロール、ヘキサグリセロール、およびグリセロールの統計的に分布したオリゴマー縮合生成物などのオリゴグリセロールに由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、ジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、およびグリセロールトリグリシジルエーテルなどの少なくとも1つのグリシドキシ基を含む化合物に由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、ポリオールアルキレンオキシド付加生成物、例えば、エチレングリコール、1,2プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびスクロースなどのポリオールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物に由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシルおよび/またはアミノ置換基を有し、ポリアミンアルキレンオキシド付加生成物、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物に由来する、またはエタノールアミンのアルキレンオキシド付加生成物に由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエステル基を含み、そして1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、例えば、ポリエステルに由来する、好ましくは二価から六価のカルボン酸、例えばマレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、酒石酸、トリメリット酸のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびグリシドール、ジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテルなどの少なくとも1つのグリシドキシ基を含む化合物などのアルキレンオキシドとの縮合、特に、コハク酸、マレイン酸および酒石酸のグリセロールジグリシジルエーテルとの縮合生成物に由来するもの、
- さらに、R
2’は、好ましくは下記一般式のポリアルキレンオキシ基を表し、
-[CH
2CH
2O]
q1-[CH
2CH(CH
3)O]
r1-[CH
2CH(C
2H
5)O]
s1-{[CH
2CH
2]
q2-[CH
2CH(CH
3)]
r2-[CH
2CH(C
2H
5)]
s2}-
ここで
q1=0から49、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、
r1=0から32、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、
s1=0から24、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、
q2=0または1、
r2=0または1、
s2=0または1、そして
Σ(q2+r2+s2)=1、
但しそのようなポリアルキレンオキシド基の炭素原子の合計は、2から100、好ましくは2から50、より好ましくは2から30、さらにより好ましくは2から20、具体的には2から15という条件である、
- 下記一般式のオリゴグリセロールに由来する二価のヒドロカルビル基、
-[CH
2CH(R
7)CH
2O]
t1-[CH
2CH(R
7)CH
2)]
t2-
ここで
t1=0から32、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、具体的には1および2、
t2=1、
R
7=OHまたはF、ここでFは前記定義通りであり、好ましくは-O-C(O)-R
3-C(O)OHであり、
但し炭素原子の合計が2から100、好ましくは2から50、より好ましくは2から30、さらにより好ましくは2から20、具体的には2から15であるという条件であり、および
- 下記一般式の少なくとも1つのエステル基を含む二価のヒドロカルビル基、
-[CH
2CH
2O]
q1-R
8-[CH
2CH
2O]
q1-[CH
2CH
2]
q2-
ここでq1は同じでも異なっていてもよく、前記定義通りであり、そしてq2=1、
および
-[CH
2CH(R
7)CH
2O]
t1-R
8-[CH
2CH(R
7)CH
2O]
t1-[CH
2CH(R
7)CH
2)]
t2-
ここでt1、t2、およびR
7は前記定義通りであり、
R
8は、-C(O)C(O)O-、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸に由来するような-C(O)(CH
2)
1-8C(O)O-、または即ちフタル酸およびテレフタル酸に由来する-C(O)(C
6H
4)C(O)O-、-C(O)CH=CHC(O)O-、-C(O)C(=CH
2)-CH
2C(O)O-、-C(O)CH(OH)CH(OH)C(O)O-から選択され、
但し炭素原子の合計は2から100、好ましくは2から50、より好ましくは2から30、さらにより好ましくは2から20、具体的には2から15であるという条件である、
からなる群から選択されるR
2’から選択される、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
R
2は1つまたは複数の基-O-を含み、そして1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されている、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
化合物は下記式を有し、
【化8】
ここでR
5はヒドロキシまたはFからなる群から選択され、ここでFは前記定義通りであり、但しR
5の少なくとも2つはFであるという条件である、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
化合物は下記式を有し、
【化9】
ここでR
6の1つはヒドロキシであり、そしてR
6の1つは下記式の基であり、
【化10】
ここでFは前記定義通りであり、そして点線は炭素原子への結合である、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
化合物は、以下の2つの異性体の混合物であり、
【化11】
および
【化12】
ここでFは前記定義通りである、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
化合物は下記式を有し、
【化13】
ここでxは1から10、好ましくは1から5であり、そしてFは前記定義通りである、請求項1から7のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
R
3は、単結合、および直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大18個、好ましくは最大12個、より好ましくは最大10個の炭素原子を有し、そして任意にて-O-、-NH-、-C(O)-から選択される1つまたは複数の基を含むものから選択され、そしてここでR
3は、任意にてヒドロキシル基、アミノ基、およびカルボキシ基から選択される1つまたは複数の基によって置換され、好ましくはR
3は、単結合またはエテニレンである、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
R
2は、ヘキソースに由来しない脂肪族ヒドロカルビル基である、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
R
2は、炭水化物または糖アルコールに由来しない、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
化合物は、没食子酸の炭水化物または糖アルコールエステルを除外する、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
下記式の化合物、
R
2’’(-F)
2-18
ここでR
2’’は、二価から十八価の、任意にて置換された脂肪族炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、そして任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化14】
および4級アンモニウム基
【化15】
から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、そして
Fは
-O-C(O)-R
3-R
4、および
-NR
1-C(O)-R
3-R
4
から選択され、
基FはR
2’’の炭素原子に結合し、ここでR
2’’は、炭水化物(糖類)、またはエチレングリコールまたはグリセロールなどの糖アルコールに由来せず、そして
ここで
R
1は、水素、または任意に置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化16】
および4級アンモニウム基
【化17】
からなる群から選択される1つまたは複数の基を含むものから選択され、
R
3は、単結合、または任意に置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化18】
および4級アンモニウム基
【化19】
から選択される1つまたは複数の基を含むものから選択され、好ましくはR
3は、単結合、またはエテニレン基であり、そして
R
4は、ジおよびトリヒドロキシ置換芳香族基からなる群から選択される、化合物。
【請求項19】
化合物がタンニンを除外する、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
下記式
R
2’(-F)
2-18
ここで
R
2’およびFは前記定義通りである、
を有する、請求項18または19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
下記式
【化20】
ここでR
5は、ヒドロキシまたはFからなる群から選択され、ここでFは前記定義通りであり、但しR
5の少なくとも2つがFであるという条件である、を有する請求項18から20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
化合物は下記式を有し、
【化21】
ここでR
6の1つはヒドロキシであり、そしてR
6の1つは下記式の基であり、
【化22】
ここでFは前記定義通りであり、そして点線は炭素原子への結合である、請求項18から21のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
化合物は、以下の2つの異性体の混合物であり、
【化23】
および
【化24】
ここでFは前記定義通りである、請求項18から22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
化合物は、下記式を有し、
【化25】
ここでxは1から10、好ましくは1から5であり、そしてFは前記定義通りである、請求項18から20のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
請求項18から24のいずれかに記載の化合物を含む水性組成物。
【請求項26】
請求項1から24のいずれか一項に定義された化合物、ならびに界面活性剤、および金属塩、好ましくはZn
2+、Fe
2+および/またはFe
3+塩からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含む水性組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの界面活性剤を含む、請求項26に記載の水性組成物。
【請求項28】
前記界面活性剤および/または金属塩の前記本発明の化合物に対する重量比は、少なくとも0.06、より好ましくは0.06から5、より好ましくは0.06から3、さらにより好ましくは0.1から3、具体的には0.1から1である、請求項26または27に記載の水性組成物。
【請求項29】
0.05から30%、好ましくは0.5から30%、より好ましくは1から30%、さらにより好ましくは1から20%、具体的には1から10%の前記化合物を含み、ここで各パーセンテージは、水性組成物の総重量に基づく重量あたりである、請求項25から28のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項30】
界面活性剤は、カチオン性、非イオン性、ベタインおよびアニオン性界面活性剤から選択され、好ましくは1から20、好ましくは7から20、より好ましくは8から20の範囲のHLB値を有する、請求項25から29のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項31】
界面活性剤が炭化水素ベースまたはシリコーンベースの乳化剤から選択される、請求項26から30のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項32】
界面活性剤は、水性組成物の約0.05重量%から約15重量%、好ましくは約0.05重量%から約5重量%、さらにより好ましくは約0.1重量%から約5重量%、具体的には0.1から3重量%の量で存在する、請求項26から31のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項33】
a)有機希釈剤または溶剤、
b)タンパク質、好ましくはケラチン、
c)皮膚軟化剤または脂肪性物質、
d)防腐剤、
e)皮膚保護成分、
f)コンディショニング剤、
g)酸化剤、
h)還元剤、
i)タンニン、
j)金属塩、
k)pH調整剤、増粘剤、脂質、アミノ酸、糖、香料、日焼け止め剤、ビタミン、真珠光沢剤、ゲル化剤、微量元素、封鎖剤、抗酸化剤、保湿剤、脱毛防止剤、フケ防止剤、噴射剤、セラミド、ポリマー、特にフィルム形成ポリマー、充填剤、真珠層、着色剤、特に顔料および染料、ならびにそれらの混合物から選択されるさらなる助剤、からなる群から選択される、少なくとも1つの追加の添加剤を含み、
但し酸化剤および還元剤が所与の組成物に同時に存在しないことを条件とする、請求項25から32のいずれかに記載の水性組成物。
【請求項34】
重量パーセントが水性組成物の全重量に関する下記組成物を有する、請求項25から33のいずれかに記載の水性組成物。
【表1】
【請求項35】
請求項19から24のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、または請求項25から34のいずれかに記載の少なくとも1つの水性組成物を含む化粧品組成物。
【請求項36】
ヘアトリートメントで使用するための、好ましくはヘアカラーリングトリートメントで使用するための、請求項35に記載の化粧品組成物。
【請求項37】
ヘアシャンプー組成物、ヘアケア組成物、ヘアコンディショニング組成物、毛髪強化組成物、毛髪着色または染色組成物、毛髪櫛通り性改善組成物、縮れ防止組成物、ヘアリンスオフおよびリーブオン組成物からなる群から選択される、請求項36に記載の化粧品組成物。
【請求項38】
請求項35に記載の化粧品組成物を提供するステップ、および前記化粧品組成物を毛髪に適用するステップを含む、毛髪のトリートメントのための方法。
【請求項39】
毛髪を染色するステップをさらに含む、請求項38に記載の毛髪のトリートメントのための方法。
【請求項40】
- 請求項35に記載の化粧品組成物と毛髪を接触させるステップ、
- 任意にて、Feおよび/またはZnの金属塩を含む組成物と毛髪を接触させるステップ、および
- 毛髪を乾燥するステップを含む、請求項38または39に記載の毛髪のトリートメントのための方法。
【請求項41】
繊維状アミノ酸ベースの基質、好ましくは毛髪の処理のための、請求項25から34のいずれかに記載の水性組成物の使用。
【請求項42】
毛髪の強化用、毛髪の色の保持用、毛髪の色の増大用、毛髪の色の保護用、毛髪の成形用、すなわち、毛髪のカールおよび矯正用、ヘアコンディショニング用、毛髪の滑らかまたは柔らかにするため、毛髪の扱いやすさ改善用、特に特に毛髪の櫛通り性改善用の、請求項41に記載の水性組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概要
本発明は、繊維状アミノ酸ベースの基質、好ましくは毛髪の処理のためのポリヒドロキシ芳香族化合物の使用、新規ポリヒドロキシ芳香族化合物、ポリヒドロキシ芳香族化合物を含む水性組成物、ポリヒドロキシ芳香族化合物を含む化粧品組成物、特にヘアケア組成物、および前記化粧品組成物の使用を含む毛髪の処理のための方法に関する。
【0002】
本発明は、繊維状アミノ酸ベースの基質、好ましい毛髪、特にヒトおよび動物の毛髪、より具体的にはヒトの毛髪の処置のためのポリヒドロキシ芳香族化合物およびそれを含む水性組成物の使用に関する。さらなる対象は、永続的な成形および着色の目的で、ポリヒドロキシ芳香族化合物をヒトの毛髪に提供および付着させる、長期保存安定性水性組成物でもある。
【背景技術】
【0003】
毛髪は一般的にまっすぐ、ウェーブ、カール、ねじれ、またはよじれていることがあり得る。ヒトの毛髪には、キューティクル(いくつかの同心円状の層の薄い最も外側のシェル)、皮質(髪の本体)、およびより大きな直径の髪の場合は髄質(薄い、中心核)の3つの主要な形態学的構成要素が含まれる。キューティクルおよび皮質は、髪の毛の機械的特性、つまり、ウェーブ、カール、またはねじれを有する傾向をもたらす。まっすぐな髪の毛は円形の断面を持つロッドに似ていることがあり、ウェーブした髪の毛は楕円形の断面に圧縮されているように見え、カールした髪の毛はさらに細長い楕円形の断面に圧縮されているように見え、ねじれた髪の毛の断面はさらに平坦でありえる。毛髪の主成分は、架橋されたαヘリックスタンパク質ケラチンである。ケラチンは、上皮細胞、例えば、ヒトの皮膚と毛髪、羊毛、羽毛、および爪に特に見られる中間径フィラメントタンパク質である。分子量が約45-60kDaのαヘリカルタイプIおよびIIケラチン中間径フィラメントタンパク質(KIF)は、分子量が20-30kDaのケラチン関連タンパク質(KAP)のアモルファスマトリックスに埋め込まれており(M.A. Rogers, L.Langbein, S. Praetzel-Wunder, H. Winter, J. Schweizer, J. Int Rev Cytol. 2006;251:209-6)、シスチンによって提供される分子内および分子間ジスルフィド結合の両方が、細胞骨格を維持する細胞骨格タンパク質ネットワークに寄与する。ジスルフィド架橋に加えて、毛髪タンパク質に見られるさまざまなアミノ酸を対にするイオン結合または塩橋が、髪の毛の外向きの形状に寄与する。
【0004】
毛髪は、コンディショニング、色の保持、輝き、およびUV保護などの1つまたは複数の美容上の利点を提供する官能化シリコーンで処理できることが当技術分野でよく知られている。通常、これらのシリコーンは繊維表面(キューティクル)に物理的に付着しており、したがって毛髪の外観の原因となる。それらは、繰り返しの洗浄プロセスによって部分的または完全に除去され得る。付着したシリコーンは、毛髪の表面特性、すなわち滑らかさと摩擦を大幅に改善するが、それらは繊維の機械的特性と形状に大きく影響を与えることはない。
【0005】
自然にウェーブした、カールした、またはねじれた毛髪の人は、縮れを減らし、そして毛髪をより制御し、より滑らかな外観を得ることを望むことがある。矯正法を含むいくつかの毛髪処理が利用可能であるが、これらはしばしば不快で規制された物質の使用を伴う。
【0006】
頻繁に使用される縮毛矯正製剤は、頭皮を非常に刺激するデンプンと配合された水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムに基づいている。刺激の少ない製剤は、グアニジン水酸化物または特定の亜硫酸塩に基づいている。最近の製剤は、チオグリコール酸塩に基づいている。その根本原理は、アルカリ性条件下で、毛髪タンパク質内のジスルフィド結合が還元的切断を受けるということである。ジスルフィド結合はスルフヒドリルに還元され、所望の毛髪構成を形成した後、酸化によって再確立される。
【0007】
縮毛矯正のさまざまな方法は、毛髪の強さを弱める傾向がある。したがって、縮毛矯正を可能にし、毛髪の強度と弾力性を回復する組成物を見出すことが望ましい。伝統的には、永久的な毛髪の成形のためのアルデヒドに基づく製剤が開発されていた。このいわゆるブラジリアンケラチン成形法には、最も頻繁にホルムアルデヒドが使用される(US2012-0031420)。その根本原理は、成形後のホルムアルデヒドとケラチンベースのアミノ基とアミド基の間の架橋反応(H. Puchtler,Histochemistry, 82(1985), pp. 201-204))、またはホルムアルデヒドと-SH基の間の架橋反応(US2009-0211593)である。ホルムアルデヒドの代わりとなるジアルデヒド、つまりグリオキサールが提案されている(US2009-0165812)。本発明者らは、重要なホルムアルデヒド処理に代わり得る代替の非刺激性化合物を探索していた。
【0008】
グリセロール誘導体を含むポリヒドロキシ芳香族化合物が知られている。モノ、ジ、およびトリガロイルグリセロールの合成は、US1927339に記載されている。出発点は、対応するグリセロールのモノクロロ誘導体、ジクロロ誘導体、およびトリクロロ誘導体である。モノガロイルグリセロールは抗酸化剤として知られている(Z. Song, Z. Xiao,Linchan Huaxue Yu Gongye (1988), 8(3), 9-18)。モノガロイルジオレイルグリセロールはラットの体重減少を引き起こす(T. Nagao, T. Sayuri,T. Tatsuya, M. Yukari, S. Hideaki Journal of Oleo Science (2011), 60(9), 457-62)。ポリガロイル誘導体、すなわちヘキサガロイルソルビトール、ペンタガロイルグルコースおよびトリガロイルグリセロールが、タンニング組成物で提案された(WO9218457)。ガロイルジグルコシドは、ヘアケア配合物の成分であり、髪の損傷を軽減する(JP2004210724)。天然由来のタンニン、すなわちグルコースの複合ポリガロイルエステルとしてのタンニンは、染毛配合物に使用されている(US4981485)。
【0009】
WO2016046178は、毛髪の処置のためのポリヒドロキシ芳香族シリコーンを開示している。
【0010】
上記の先行技術の開示のいずれも、主鎖が広範囲内で柔軟に調整され得る、炭化水素の明確に定義されたガロイル誘導体に向けた直接的な方法論を記載していない。さらに、これらの明確に定義されたガロイル炭化水素誘導体を含み、さらに他の性能成分の存在に対して強固であり、そして、強い刺激性助剤を使用せずに毛髪強化の利点および毛髪着色の利点を提供する、長期安定で、調製が容易で、使用が容易な組成物をもたらす方法論を記載している先行技術はない。
【発明の概要】
【0011】
本発明によれば、以下の式の化合物の使用であって、
R
2(-F)
2-18
ここで
R
2は、二価から十八価の、任意にて置換された、好ましくは脂肪族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、そして任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化1】
および4級アンモニウム基
【化2】
から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、そして
Fは、
-O-C(O)-R
3-R
4、および
-NR
1-C(O)-R
3-R
4から選択され、
(好ましくはFは-O-C(O)-R
3-R
4から選択され)
基FはR
2の炭素原子に結合し、
ここで
R
1は、水素、または任意にて置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大100個までの炭素原子を有し、任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化3】
および4級アンモニウム基
【化4】
から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、
R
2は、単結合、または任意にて置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化5】
および4級アンモニウム基
【化6】
から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、好ましくはR
3は、単結合またはエテニレン基であり、そして
R
4は、ジおよびトリヒドロキシ置換芳香族基からなる群から選択され、
ここで化合物はタンニンを除外する、
繊維状アミノ酸ベースの基質、好ましくはの処置のための使用が提供される。前記使用はまた、前記化合物を前記毛髪に適用することを含む、毛髪の処理のための方法、特に毛髪の美容処理のための方法を含む。
【0012】
主張される使用または方法は、化合物としてのタンニンの使用を含まないが、タンニンと一緒の前記化合物の併用の使用は、本発明の範囲によってカバーされる。Karamali Khanbabaee and Teunis vanRee, Nat. Prod. Rep., 2001, 18, 641-649 “Tannins: Classificationand Definition”によれば、タンニンは「高等植物のポリフェノール二次代謝産物であり、ガロイルエステルとそれらの誘導体のいずれかであり、そのガロイル部分またはそれらの誘導体がさまざまなポリオール、カテキン、およびトリテルペノイドコア(ガロタンニン、エラギタンニン、および複合タンニン)に結合しており、またはそれらは、異なるインターフラバニルカップリングおよび置換パターン(縮合型タンニン)を持つことができるオリゴマーおよびポリマーのプロアントシアニジンである」。そのようなタンニンは、式R2(-F)2-18の化合物の範囲から除外される。
【0013】
基Fは、
*-O-C(O)-R3-R4、および
*-NR1-C(O)-R3-R4であり、
ここでアスタリスクで記された結合は、次のように概略的にR2の炭素原子に結合する、
C*-O-C(O)-R3-R4、および
C*-NR1-C(O)-R3-R4。
【0014】
好ましい基Fは、-O-C(O)-R3-R4である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、ジおよびトリヒドロキシ置換芳香族基であるR
4は、下記式の基であり、
【化7】
ここでR
10、R
11、R
12、R
13、R
14はR
1から独立して選択され、好ましくはR
1は水素、またはヒドロキシルであり、但しR
10からR
14の2から3基がヒドロキシルであるという条件であり、そしてここで点線はR
3への結合を表し、またはR
3が単結合の場合はR
3であり、またはR
4は、ジおよびトリヒドロキシ置換ナフチル基からなる群から選択される。
【0016】
特に好ましい基R4は、2,3-ジヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、2,5-ジヒドロキシフェニル、2,6-ジヒドロキシフェニル、3,4-ジヒドロキシフェニル、および3,5-ジヒドロキシフェニルなどのジヒドロキシフェニル基、2,3,4-トリヒドロキシフェニル、2,3,5-トリヒドロキシフェニル、2,3,6-トリヒドロキシフェニル、2,4,5-トリヒドロキシフェニル、2,4,6-トリヒドロキシフェニル、および3,4,5-トリヒドロキシフェニルなどのトリヒドロキシフェニル基、6,7-ジヒドロキシナフチル、5,6-ジヒドロキシナフチル、1,7-ジヒドロキシナフチル、3,7-ジヒドロキシナフチル、1,3-ジヒドロキシナフチル、および1,4-ジヒドロキシナフチルなどのジヒドロキシナフチル基、ならびに、4,6,7-トリヒドロキシナフチル、および1,5,6-トリヒドロキシナフチルなどのトリヒドロキシナフチル基からなる群から選択される。最も好ましいのは、3,4,5-トリヒドロキシフェニルである。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、R4は、ジヒドロキシ安息香酸、例えば2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、および3,5-ジヒドロキシ安息香酸、またはトリヒドロキシ安息香酸、例えば2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,6-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸、および3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸などのポリ(すなわち、ジおよびトリヒドロキシ)ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ桂皮酸、例えば3,4-ジヒドロキシ桂皮酸、またはトリヒドロキシ桂皮酸、例えば3,4,5-ジヒドロキシ桂皮酸などのポリヒドロキシ桂皮酸、ジヒドロキシナフタレンカルボン酸、例えば6,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、1,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、3,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、1,3-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、および1,4-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、またはトリヒドロキシナフタレンカルボン酸、例えば4,6,7-トリヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、および1,5,6-トリヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸などのポリヒドロキシナフタレンカルボン酸、などのポリヒドロキシ芳香族カルボン酸に由来する。最も好ましいのは、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸(没食子酸)である。
【0018】
ここで、そして本発明の文脈において、「に由来する」は、特に、それらの化合物を反応させて本発明の化合物に到達することによって、化合物から正式に形成される残基を意味するものとする。例えば、上記のように、R
4がポリヒドロキシ芳香族カルボン酸に由来する実施形態を考慮すると、このような場合、ポリヒドロキシ芳香族カルボン酸に由来するR
4は、例えば、下記式のポリオールまたはポリエポキシドの反応から生じ、
R
2(-A)
c
ここでAは、OHおよび/またはエポキシ基、好ましくはエポキシ基であり、
【化8】
そしてここでc=2-18、好ましくはc=2-10、より好ましくはc=2から8、より好ましくはc=2から4であり、
ここでポリヒドロキシ芳香族カルボン酸H-O-C(O)-R
3-R
4は、例えば以下を形成し、
R
2(-OH)
a(-O-C(O)-R
3-R
4)
b
ここでb≧2および、a+b=2から18、好ましくはb=2から6、より好ましくはb=2から4、より好ましくはb=2、そしてa+b=好ましくは2から8、より好ましくはa+b=2から6、
そしてしたがってポリヒドロキシ芳香族カルボン酸に由来するR
4は、ジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基であり、そしてR
3は単結合である。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、基R1、R2およびR3の任意の置換基は、ヒドロキシル、アミノおよびハロゲン、好ましくはヒドロキシルおよびアミノからなる群から選択され、そして置換基の数は最大5、好ましくは1から4であり得る。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、R1は、水素、n-、イソ-、またはtert.-C1-C22-アルキル、C2-C22-アルコキシアルキル、C5-C30-シクロアルキル、C6-C30-アリール、C6-C30-アリール(C1-C6)アルキル、C6-C30-アルキルアリール、C2-C22-アルケニル、C2-C22-アルケニルオキシアルキルであって、任意にてそれぞれヒドロキシルおよびハロゲンで置換することができ、そして任意にて1つまたは複数のエーテル基(-O-)を含み得るもの、好ましくは水素またはn-、イソ-、またはtert.-C1-C22-アルキルからなる群から選択される。最も好ましいR1は水素である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、R2は、二価から十価、より好ましくは二価から六価、さらにより好ましくは二価の、好ましくは脂肪族の炭化水素ラジカルであって、2から30個の炭素原子、より好ましくは2から20個の炭素原子、さらにより好ましくは2から15個の炭素原子を有し、そして任意にて、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、ここでR2は、任意にて1つまたは複数のヒドロキシル基で置換され得る。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、R2は、2から18、好ましくは2から12、より好ましくは2から10、さらにより好ましくは2から8、例えば2から6、具体的には2または3または4の原子価を有する。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、R2は、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、アルカンジ-、トリ-およびテトラオール、例えば、1,6ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールなどの3つ以上の炭素原子を有する脂肪族ポリオールに由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシドベースのポリエーテルなどのポリアルキレンオキシドに由来する、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、およびペンタエチレングリコールなどのポリエチレングリコールに由来する、またはジプロピレングリコール(例えば、2,2’-オキシジ-1-プロパノール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール、および2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-1-プロパノールに由来する)、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコールなどのようなポリプロピレングリコールに由来する、混合エチレンオキシドおよびブチレンオキシドベースのコポリエーテルに由来する、混合プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドベースのコポリエーテルに由来する、および混合エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよびブチレンオキシドベースのコポリエーテルに由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、任意にて少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ペンタグリセロール、ヘキサグリセロール、およびグリセロールの統計的に分布したオリゴマー縮合生成物などのオリゴグリセロールに由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、ジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、およびグリセロールトリグリシジルエーテルなどの少なくとも1つのグリシドキシ基を含む化合物に由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、ポリオールアルキレンオキシド付加生成物、例えば、エチレングリコール、1,2プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびスクロースなどのポリオールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物に由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエーテル基を含み、そして任意にて1つまたは複数のヒドロキシルおよび/またはアミノ置換基を有し、ポリアミンアルキレンオキシド付加生成物、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物に由来する、またはエタノールアミンのアルキレンオキシド付加生成物に由来するもの、
- 二価から十八価、好ましくは二価から六価のヒドロカルビル基、より好ましくは二価のヒドロカルビル基であって、少なくとも1つのエステル基を含み、そして1つまたは複数のヒドロキシル置換基を有し、例えば、ポリエステルに由来する、好ましくは二価から六価のカルボン酸、例えばマレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、酒石酸、トリメリット酸の、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびグリシドール、ジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテルなどの少なくとも1つのグリシドキシ基を含む化合物などのアルキレンオキシドへの縮合、特に、コハク酸、マレイン酸および酒石酸のグリセロールジグリシジルエーテルへの縮合生成物に由来するもの、
- さらに、R2’は、好ましくはポリアルキレンオキシ基、好ましくは下記一般式のものを表し、
-[CH2CH2O]q1-[CH2CH(CH3)O]r1-[CH2CH(C2H5)O]s1-{[CH2CH2]q2-[CH2CH(CH3)]r2-[CH2CH(C2H5)]s2}-
ここで
q1=0から49、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、
r1=0から32、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、
s1=0から24、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、
q2=0または1、
r2=0または1、
s2=0または1、そして
Σ(q2+r2+s2)=1、
但しそのようなポリアルキレンオキシド基の炭素原子の合計は2から100、好ましくは2から50、より好ましくは2から30、さらにより好ましくは2から20、具体的には2から15である、
- 下記一般式のオリゴグリセロールに由来する二価ヒドロカルビル基、
-[CH2CH(R7)CH2O]t1-[CH2CH(R7)CH2)]t2-
ここで
t1=0から32、好ましくは0から10、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から5、具体的には1および2、
t2=1、
R7=OHまたはF、ここでFは上記で定義されたとおりであり、好ましくは-O-C(O)-R3-C(O)OHであり、
但し炭素原子の合計は2から100、好ましくは2から50、より好ましくは2から30、さらにより好ましくは2から20、具体的には2から15である、および
- 下記一般式の少なくとも1つのエステル基を含む二価のヒドロカルビル基、
-[CH2CH2O]q1-R8-[CH2CH2O]q1-[CH2CH2]q2-
ここでq1は同じでも異なっていてもよく、そして上記で定義されたとおりであり、そしてq2=1、
および
-[CH2CH(R7)CH2O]t1-R8-[CH2CH(R7)CH2O]t1-[CH2CH(R7)CH2)]t2-
ここでt1、t2、およびR7は上記で定義されたとおりであり、そして
R8は、-C(O)C(O)O-、-C(O)(CH2)1-8C(O)O-、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸に由来するもの、または-C(O)C(O)O-、-C(O)(CH2)1-8C(O)O-、即ち、フタルおよびテレフタル酸に由来するもの、-C(O)CH=CHC(O)O-、-C(O)C(=CH2)-CH2C(O)O-、-C(O)CH(OH)CH(OH)C(O)O-から選択され、
但しR2’の炭素原子の合計は2から100、好ましくは2から50、より好ましくは2から30、さらにより好ましくは2から20、具体的には2から15であるという条件である、
からなる群から選択されるR2’から選択される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、R2(または上記または下記のR2’またはR2’’)は、1から5などの1つまたは複数の基-O-を含む。これらの基-O-は好ましくはエーテル基であるが、カルボニル基と一緒にエステル基を形成することもできる。好ましくは、これらの基R2(または上記または下記のR2’またはR2’’)は、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されている。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、本発明に従って使用される化合物は下記式を有し、
【化9】
ここでR
5は、ヒドロキシまたはFからなる群から選択され、ここでFは上記で定義されたとおりであり、但しR
5の少なくとも2つがFであるという条件である。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、本発明に従って使用される化合物は、下記式を有し、
【化10】
ここでR
6の1つはヒドロキシであり、そしてR
6の1つは下記式の基であり、
【化11】
ここでFは上で定義したとおりであり、そして点線は炭素原子への結合である。前記化合物は、好ましくは、以下の2つの異性体の混合物であり、
【化12】
および
【化13】
ここでFは上記で定義されたとおりである。
【0027】
好ましい実施形態では、本発明に従って使用される化合物は、以下の式を有し、
【化14】
ここでxは1から10、好ましくは1から5であり、そしてFは上記で定義されたとおりである。
【0028】
好ましい実施形態では、R3は、単結合および直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大18個、好ましくは最大12個、より好ましくは最大10個の炭素原子を有し、そして任意にて、-O-、-NH-、-C(O)-から選択される1つまたは複数の基を含むものから選択され、ここでR3は、任意にて、ヒドロキシル基、アミノ基、およびカルボキシ基から選択される1つまたは複数の基によって置換され、好ましくは、R3は単結合またはエテニレンである。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、R2は、ヘキソースに由来しない脂肪族ヒドロカルビル基である。ヘキソースは、化学式C6H12O6の6個の炭素原子を有する単糖であり、そしてアルドヘキソースとその環状ヘミアセタール、およびケトヘキソースを含む。特に、それらはグルコースを含み、したがって、それは好ましくは除外される。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施形態において、R2は、単糖、二糖、オリゴ糖、および多糖などの炭水化物(糖)、または糖アルコールに由来しない。炭水化物または糖類は、炭素(C)、水素(H)、および酸素(O)原子で構成される生体分子であり、通常、水素-酸素の原子比は2:1(水のように)であり、したがって実験式Cm(H2O)n(mはnとは異なり得る)を有する。それらはまた、デオキシリボースを含み、そして構造的に、特にアルドースおよびケトースを含み、これらに由来する残基は、したがって、好ましくはR2から除外される。糖アルコール(多価アルコール、ポリアルコール、アルジトールまたはグリシトールとも呼ばれる)は、典型的にはポリオールのクラスを含む糖に由来する有機化合物であり、一般に、例えば、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトールなどを含む。(例えば以下を参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Sugar_alcohol)。特に、エチレングリコールおよびグリセロールに由来するR2は、好ましくは除外される。
【0031】
本発明のさらに好ましい実施形態において、R2は、没食子酸の炭水化物または糖アルコールエステルに由来しない。
【0032】
本発明はまた、以下の式の化合物に関し、
R
2’’(-F)
2-18
ここでR
2’’は、二価から十八価の、任意にて置換された脂肪族炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、そして任意にて、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基
【化15】
および4級アンモニウム基
【化16】
からなる群から選択される1つまたは複数の基を含み得るものから選択され、そして
Fは、
-O-C(O)-R
3-R
4、および
-NR
1-C(O)-R
3-R
4から選択され、
基FはR
2’’の炭素原子に結合し、ここでR
2’’は、炭水化物(糖)または糖アルコールに由来するものではなく(炭水化物(糖)または糖アルコールの定義に関しては、上記の説明を参照)、そして
ここで
R
1は、水素、または任意にて置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基、
【化17】
および4級アンモニウム基
【化18】
から選択される1つまたは複数の基を含むものからなる群から選択され、
R
3は、単結合、または任意にて置換された直鎖状、環状または分岐状の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素ラジカルであって、最大100個の炭素原子を有し、任意にて、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(S)-、3級アミノ基、
【化19】
および4級アンモニウム基
【化20】
から選択される1つまたは複数の基を含むものから選択され、好ましくは、R
3は単結合またはエテニレン基であり、そして
R
4は、ジおよびトリヒドロキシ置換芳香族基からなる群から選択される。
【0033】
本発明によるこれらの化合物は、好ましくは、上記で定義されたタンニンを除外する。
【0034】
本発明はさらに、以下の式の化合物に関し、
R2’(-F)2-18
ここでR2’およびFはそれぞれ上記で定義されたとおりである。
【0035】
本発明はさらに、以下の式の化合物に関し、
【化21】
ここでR
5は、ヒドロキシまたはFからなる群から選択され、ここでFは上記で定義されたとおりであり、但しR
5の少なくとも2つがFであるという条件である。
【0036】
本発明はさらに、以下の式の化合物に関し、
【化22】
ここでR
6の1つはヒドロキシであり、そしてR
6の1つは下記式の基であり、
【化23】
ここでFは上記で定義されたとおりであり、そして点線は炭素原子への結合である。
【0037】
本発明はさらに、以下の2つの化合物の混合物に関し、
【化24】
および
【化25】
ここでFは上記で定義されたとおりである。
【0038】
本発明によるグリセロール部分含有化合物の前駆体の例は、グリシジル官能性DenacolタイプEX-313、EX-314、EX-421、EX 512、EX 521(Nagase)である。
【0039】
本発明によるトリメチロールプロパン、ペンタエリスロールおよびネオペンチルグリコール部分含有化合物の前駆体の例は、グリシジル官能性DenacolタイプEX-321、EX-411およびEX-211(Nagase)である。
【0040】
本発明の別の好ましい実施形態では、以下の式の化合物にさらに関し、
【化26】
ここでxは1から10、好ましくは1から5であり、そしてFは上記で定義されたとおりである。
【0041】
本発明によるプロピレングリコール部分含有化合物の前駆体の例は、グリシジル官能性DenacolタイプEX-920、EX-921(Nagase)である。
【0042】
本発明によるエチレングリコール部分含有化合物の前駆体の例は、グリシジル官能性DenacolタイプEX-821、EX-830、EX-832、EX-841、EX-850、EX-851、EX-861(Nagase)である。
【0043】
本発明の別の実施形態は、上記の本発明による少なくとも1つの化合物を含む水性組成物に関する。本発明による水性組成物の好ましい実施形態において、それは、界面活性剤、および金属塩、好ましくはZn2+、Fe2+および/またはFe3+塩からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意にて含む。
【0044】
本発明による水性組成物の好ましい実施形態において、任意の界面活性剤および/または金属塩の本発明による前記化合物に対する重量比は、少なくとも0.06、より好ましくは0.06から5、より好ましくは0.06から3、さらにより好ましくは0.1から3、具体的には0.1から1である。
【0045】
本発明による水性組成物は、好ましくは0.05から30%、より好ましくは0.5から30%、より好ましくは1から30%、さらにより好ましくは1から20%、具体的には1から10%の前記本発明の化合物を含み、ここで各パーセンテージは、水性組成物の総重量に基づく重量あたりである。
【0046】
水性組成物中に存在する界面活性剤の量は、水性組成物の重量による、好ましくは約0.05%から約15%、より好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から3%である。
【0047】
好ましくは、界面活性剤は、カチオン性、非イオン性、ベタインおよびアニオン性界面活性剤から選択され、好ましくは1から20、好ましくは7から20、より好ましくは8から20の範囲のHLB値を有する。好ましくは、界面活性剤は、炭化水素ベースまたはシリコーンベースの乳化剤から選択される。
【0048】
カチオン性界面活性剤は、好ましくは、最大50個の炭素原子を有する1級、2級、または3級アミン化合物およびそれらの塩、最大50個の炭素原子を有するアミドアミン化合物およびその塩、例えば、ベヘナミドプロピルジメチルアミンおよび4級アンモニウム化合物であって、そのアルキル基に最大50個の炭素原子、好ましくは最大20個の炭素原子を有するもの、例えば、テトラアルキルアンモニウム化合物、例えば、ヘキサデシル-トリメチルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、セトリモニウム塩、セチルピリジニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、例えば、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、少なくとも1つの4級アンモニウム基および少なくとも1つのエステル基を有するエステルクアットから選択される。
【0049】
さらに好ましくは、カチオン性乳化剤の例は、4級アンモニウム基またはアミノ基含有の直鎖状または分岐状のC8からC50、好ましくはC8から40、より好ましくはC8からC30のアルキル、脂肪アルコールおよび脂肪酸ベースの乳化剤、すなわち、1つまたは2つの脂肪酸部分、脂肪アミン、およびエトキシル化/プロポキシル化脂肪アミンを含む脂肪酸ベースのエステルクアットである。
【0050】
好ましくは、カチオン性界面活性剤は、モノロングアルキル-トリショートアルキル4級化アンモニウム塩またはジロングアルキル-ジショートアルキル4級化アンモニウム塩であり、ここで1つまたは2つのアルキル置換基は、約8から約30個の炭素原子の脂肪族基、または最大約30個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選択され;他のアルキル基は、約1から約8個の炭素原子の脂肪族基、または最大約8個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から独立して選択され;そして対イオンは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコレート、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、グルタミン酸塩、およびアルキルスルホン酸塩ラジカルから選択されるものなどの塩形成陰イオンである。脂肪族基は、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合、およびアミノ基などの他の基を含み得る。より長い鎖の脂肪族基、例えば、約8個以上の炭素のものは、飽和または不飽和であり得る。
【0051】
好ましくは、1つのアルキル基は、約8から約30個の炭素原子、より好ましくは約14から約26個の炭素原子、さらにより好ましくは約14から22個の炭素原子のアルキル基から選択され;他のアルキル基は、-CH3、-C2H5、-C2H4OH、-CH2C6H5、およびそれらの混合物からなる基から独立して選択され;そして対イオンは、Cl-、Br-、CH3OSO3
-、およびそれらの混合物からなる群から選択される。そのようなモノロングアルキル4級化アンモニウム塩は、それらの乳化能力に加えて、マルチロングアルキル4級化アンモニウム塩と比較して、濡れた毛髪の滑りやすさおよび滑る感触を改善することができると考えられている。また、モノロングアルキル4級化アンモニウム塩は、アミンまたはアミン塩カチオン性界面活性剤と比較して、改善された疎水性および乾燥した毛髪の滑らかな感触を提供できると考えられている。
【0052】
そのようなモノロングアルキル4級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例には、例えば、Clariantから商品名Genamine KDMP、Croda製の商品名INCROQUAT TMC-80、およびSanyo Kaseiから商品名ECONOL TM22で入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;例えば、Nikko Chemicalsから商品名CA-2450で入手可能なステアリルトリメチルアンモニウムクロリド;例えば、Nikko Chemicalsから商品名CA-2350で入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド;FeiXiangから入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート;水素化獣脂アルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;およびステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0053】
好ましくは、カチオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのモノエステルおよびジエステルクアット(クアット=4級アンモニウムカチオン含有化合物)である。市販されている例は、Arquad PC SV-60 PGおよびArmocare VGH70(Akzo Nobel)である。
【0054】
カチオン性界面活性剤の詳細は、US2013/259820に開示されている。
【0055】
本発明の水性組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から約3%の重量での量、あるいは0重量%のカチオン性界面活性剤を含む。
【0056】
非イオン性乳化剤の好ましい例は、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)およびブチレンオキシド(BO)含有の直鎖状または分岐状のC8からC50、好ましくはC8から40、より好ましくはC8からC24の脂肪アルコールおよび脂肪酸ベースの乳化剤、ならびに糖類ベースの乳化剤、すなわちアルキルグリコシド、アルコキシル化脂肪酸ソルビタンエステルおよび脂肪酸グルカミドである。別の種類の好ましい非イオン性界面活性剤は、半極性アミンオキシド、ホスフィンオキシド、およびスルホキシドである。
【0057】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子および5から80個のEO単位を有する飽和または不飽和の天然アルコールベースのエトキシレートである。市販の例は、Genapol C、LA、V、O、およびTタイプ(Clariant)である。
【0058】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に11から17個の炭素原子および5から100個のEO単位を有する直鎖状または分岐状のオキソアルコールベースのエトキシレートである。市販の例は、Genapol UD、OA、OX、X、LCNタイプ(Clariant)である。
【0059】
好ましい非イオン性界面活性剤は、飽和または不飽和アルコールベースのブロックエトキシレート-プロポキシレートであってアルキル鎖に10から18個の炭素原子および2から20個のEO単位を有するものである。市販の例は、Genapol EPタイプ(Clariant)である。
【0060】
好ましい非イオン性界面活性剤は、5から70重量%のEO単位を含むエトキシレート-プロポキシレートブロックコポリマーである。市販の例は、Genapol PFおよびPHタイプ(Clariant)である。
【0061】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子および5から100個のEO単位を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのエトキシレートである。市販の例は、Genagen OおよびSタイプ(Clariant)である。
【0062】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子および5から80個のEO単位を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのヒマシ油エトキシレートである。市販の例は、Emulsogen HCOおよびELタイプ(Clariant)である。
【0063】
好ましい非イオン性界面活性剤は、飽和または不飽和の脂肪酸誘導体化オリゴグリセリンである。好ましい例は、脂肪酸誘導体化ジグリセリン、トリグリセリン、またはテトラグリセリン、すなわち、アルキル鎖に10から18個の炭素原子を有し、任意にて5から100EO単位を有するジグリセリンのモノエステルまたはジエステルである。市販の例は、Hostacerineタイプ(Clariant)である。
【0064】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子およびソルビタン環に結合した5から50個のEO単位を有する飽和または不飽和の脂肪酸ソルビタンエステルベースのエトキシレートである。市販の例は、Emulsogen 4156(Clariant)である。
【0065】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に8から18個の炭素原子および1から10個のグリコシル単位を有する飽和または不飽和アルコールベースのグリコシドである。市販の例は、Plantacare 818upおよび1200up(BASF)である。
【0066】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に8から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのグルカミド、好ましくは脂肪酸N-メチルグルカミドである。市販の例は、MEGA-10タイプ(Avanti)である。
【0067】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に8から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのアルカノールアミド、好ましくは脂肪酸ベースのエタノールアミドである。市販の例は、Aminon Cタイプ(Kao)である。
【0068】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に8から30個の炭素原子を有する脂肪アミンまたは脂肪酸アミドベースのアミンオキシドである。市販の例は、Tomamine AOタイプ(Air products)とおよびGenamineoxタイプ(Clariant)である。
【0069】
本発明の水性組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から約3%の重量の量、あるいは0重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0070】
ベタイン乳化剤の好ましい例は、カルボベタイン、スルホベタイン、ホスファトベタインおよびホスホナトベタイン基含有の、直鎖状または分岐状のC8からC50、好ましくはC8から40、より好ましくはC8からC30のアルキル、脂肪アルコールおよび脂肪酸ベースの乳化剤、すなわちココアミドプロピルカルボベタインである。
【0071】
好ましくは、本発明による組成物で使用するのに適したベタイン界面活性剤には、シャンプーまたは他のパーソナルケア洗浄で使用することが知られているものが含まれる。それらは、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族2級および3級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤を含み、そしてここで脂肪族置換基の1つは、約8から約30個の炭素原子を含み、そして1つは、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、またはホスホネートなどのアニオン性基を含む。本発明の配合物で使用するための例示的な両性界面活性剤には、ココアンフォアセテート、ココアンフォジアセテート、ラウロアンフォアセテート、ラウロアンフォジアセテート、およびそれらの混合物が含まれる。それらはまた、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐鎖であり得る、脂肪族4級アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤を含み、そしてここで脂肪族置換基の1つは、約8から約30個の炭素原子を含み、そして1つは、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェートまたはホスホネートなどのアニオン性基を含む。
【0072】
好ましいカルボベタイン界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのサルコシドである。市販の例は、Medialan LD(Clariant)である。
【0073】
好ましいカルボベタイン界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのアミドプロピルベタインである。市販の例は、Genagen CAB(Clariant)である。
【0074】
好ましいスルホベタイン界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸ベースのタウリドである。市販の例は、Hostapon CT(Clariant)である。
【0075】
ベタイン界面活性剤の詳細は、US2015/011449に開示されている。
【0076】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から3%の重量の量、あるいは0重量%のベタイン界面活性剤を含む。
【0077】
陰イオン乳化剤の好ましい例は、カルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェートおよびホスホネート基を含む、直鎖状または分岐状のC8からC50、好ましくはC8から40、より好ましくはC8からC24アルキル、脂肪アルコールおよび脂肪酸ベースの乳化剤、すなわち、1または2つの脂肪酸部分を含むC8からC24脂肪酸カルボキシレート、C8からC24脂肪酸ポリエーテルカルボキシレート、C8からC24脂肪酸ポリエーテルサルフェート、C8からC24マレイン酸付加生成物、C8からC24脂肪アルコールサルフェート、C8からC24スルホネート、C8からC40ホスフェートである。
【0078】
好ましくは、組成物での使用に適した陰イオン性界面活性剤は、アルキルおよびアルキルエーテルサルフェートである。他の適切な陰イオン性界面活性剤は、有機硫酸反応生成物の水溶性塩である。さらに他の適切な陰イオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され、水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。シャンプー組成物に使用するための例示的な陰イオン性界面活性剤には、アンモニウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウレスサルフェート、トリエチルアミンラウリルサルフェート、トリエチルアミンラウレスサルフェート、トリエタノールアミンラウリルサルフェート、トリエタノールアミンラウレスサルフェート、モノエタノールアミンラウリルサルフェート、モノエタノールアミンラウレスサルフェート、ジエタノールアミンラウリルサルフェート、ジエタノールアミンラウレスサルフェート、ラウリックモノグリセリドソディウムサルフェート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、トリエタノールアミンラウリルサルフェート、トリエタノールアミンラウリルサルフェート、モノエタノールアミンココイルサルフェート、モノエタノールアミンラウリルサルフェート、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせが含まれる。本発明のさらなる実施形態において、陰イオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)である。
【0079】
好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子および2から30個のEO単位を有する飽和または不飽和脂肪アルコールベースのポリエーテル硫酸塩である。市販の例は、Emulsogen EPMタイプ(Clariant)である。
【0080】
好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に10から18個の炭素原子および2から30個のEO単位を有する飽和または不飽和脂肪アルコールベースのポリエーテルカルボキシレートである。市販の例は、Empicolタイプ(Huntsman)である。
【0081】
陰イオン界面活性剤の詳細は、US2015/011449に開示されている。
【0082】
石鹸には、特に脂肪酸の塩、トリグリセリドの鹸化から得られるものなどのC6からC22脂肪酸のナトリウム塩またはカリウム塩またはカルシウム塩などのアルカリまたはアルカリ土類金属塩、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩が含まれる。
【0083】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から3%の重量の量、あるいは0重量%の陰イオン性界面活性剤を含む。
【0084】
界面活性剤の詳細は、US2009-0165812に開示されている。
【0085】
シリコーンベースの乳化剤の好ましい例は、カチオン性、非イオン性、ベタインおよびアニオン性乳化剤である。
【0086】
カチオン性乳化剤の好ましい例は、シリコーン鎖の末端クアット(4級アンモニウムカチオンを含む)末端に結合したEO/PO部分を有する4級アンモニウム基含有ABAタイプの乳化剤(WO2009/042083)または櫛状の配置でシリコーン鎖に結合したポリエーテル部分を有する4級化乳化剤(US2008/213208)である。
【0087】
本発明の別の好ましい実施形態では、親水性ポリヒドロキシ部分ならびに親油性脂肪アルキルまたは脂肪アルキルエステル部分がシリコーン鎖に結合している(US2012/289649)。このタイプのW/O乳化剤の市販の例は、Silform(登録商標)EOF(Momentive Performance Materialsから入手可能)である。
【0088】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から3%の重量の量のシリコーンベースのカチオン性界面活性剤を含む。
【0089】
シロキサンベースの非イオン性乳化剤の好ましい例は、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)およびブチレンオキシド(BO)含有ABAタイプの乳化剤であってシリコーン鎖の末端に結合したEO/PO/BO部分を有するもの、または櫛状の配置でシリコーン鎖に結合したポリエーテル部分を有する乳化剤である。市販の例は、SF 1540(Momentive Performance Materialsから入手可能)である。本発明の別の好ましい実施形態では、親水性ポリエーテル部分ならびに親油性アルキル鎖がシリコーン鎖に結合している(US4698178)。本発明の別の好ましい実施形態では、親水性ポリグリセロール部分、ならびにアルキルまたは脂肪アルコールエーテル/脂肪酸エステル部分が、シリコーン鎖に結合している(US2010/0266651、US2009/0062459)。本発明の別の好ましい実施形態では、アモジメチコングリセロカルバメートが使用される(Dr. Frederic Pilz, COSSMA (2010) vol.7-8 p18およびWO2013017260A1)。本発明の別の好ましい実施形態では、セチルジグリセリルトリス(トリスメチルシロキシ)シリルエチルジメチコーンが使用される(http://ec.europa.eu/consumers/cosmetics/cosing/index.cfm?fuseaction=search.details_v2&id=92003)。
【0090】
後者の4種類の乳化剤は、特にW/Oエマルションに適している。
【0091】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から3%の重量の量、あるいは0重量%のシリコーンベースの非イオン性界面活性剤を含む。
【0092】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には約0.1から3%の重量の量、あるいは0重量%のシリコーンベースのベタインおよびアニオン性界面活性剤を含む。
【0093】
配合物の安定性を最適化するために複数の界面活性剤を使用することは、本発明の範囲内である。本発明の組成物中の界面活性剤の総量は、好ましくは、組成物の、約0.05%から約15%、好ましくは約0.05%から約5%、さらにより好ましくは約0.1%から約5%、具体的には0.1から3%の重量、あるいは0重量%の範囲である。
【0094】
本発明のさらなる実施形態において、水性組成物は、任意にて、以下のような追加の添加剤、
a)有機希釈剤または溶剤、
b)タンパク質、好ましくはケラチン、
c)皮膚軟化剤または脂肪性物質、
d)防腐剤、
e)皮膚保護成分、
f)コンディショニング剤、
g)酸化剤、
h)還元剤、
i)タンニン、
j)金属塩、
k)pH調整剤、増粘剤、脂質、アミノ酸、糖、香料、日焼け止め剤、ビタミン、真珠光沢剤、ゲル化剤、微量元素、封鎖剤、抗酸化剤、保湿剤、脱毛防止剤、フケ防止剤、噴射剤、セラミド、ポリマー、特にフィルム形成ポリマー、充填剤、真珠層、着色剤、特に顔料および染料、ならびにそれらの混合物から選択されるさらなる助剤を含み、
但し酸化剤と還元剤が所与の組成物に同時に存在しないことを条件とする。
【0095】
好ましくは、本発明の水性組成物および化粧品組成物は、以下の成分を含む。
【表1】
ここで重量パーセントは、水性組成物の全重量に関連し、そして個々の重量範囲は、前記クラスの構成要素の単一の構成要素に関係し得るが、好ましくは、前記クラスの構成要素の各構成要素の総重量に関係する。
【0096】
希釈剤/溶剤
「希釈剤/溶剤」という用語は、本発明による少なくとも1つのポリオルガノシロキサンA)および/または少なくとも1つの有機化合物B)および水を加えた前述の他の任意の他の成分を希釈/溶媒和するために使用できる物質を指す。適切な有機溶剤は、すなわち、2-メチル-1,3-プロパンジオール、モノおよびジアルコール、またはそれらのエーテルおよびエステル、特に、モノ-C1-C3-アルキルエーテル、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、tert.ブタノール、1-メトキシプロパノール、1-エトキシプロパノールおよびエトキシジグリコール、ジオールおよびそれらのエーテルおよびエステル、1,3プロパンジオール、1,3-および1,4-ブタンジオール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、およびそれらのモノメチルおよびモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールおよびそのモノメチルおよびモノエチルエーテル、グリセロール、ジグリセロール、ヘキサントリオール、ソルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、プロピレンカーボネート、N-アルキルピロリドンである。好ましい実施形態では、水/エタノール、水/イソプロピルアルコール、水/ジプロピレングリコール、および水プロピレングリコールモノメチルエーテル混合物が使用される。一般に、一定量の短鎖アルコールの添加は、配合物の均一性および配合物の毛髪への浸透を改善する。ポリマー構造のタイプと適用目的に応じて、透明な配合物を得るために、一定量の酸、塩基、および/または短鎖アルコールが必要とされる。適切な酸には、例えば酢酸などのカルボン酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸または有機酸が含まれる。適切な塩基には、アンモニア水、アルカリ性水酸化物、アルカリ性炭酸塩などが含まれる。
【0097】
タンパク質/ケラチン
使用される任意選択のタンパク質、好ましくはケラチンタンパク質画分は、当技術分野で知られている方法を使用してアルカリおよび/または酵素加水分解によって生成された加水分解ケラチンを含む。ケラチン加水分解物は、約1,000-3,000の分子量である。ケラチンは、ヤギの毛(US2007-0048235)、蹄または角粉(US6,555,505)などのヒトまたは他の哺乳動物の供給源に由来し得る。あるいは、「ケラチンタンパク質画分」は、US7,148,327に記載されているように、完全ではないが1つの別個のタンパク質群を主に含む、精製された形態のケラチンである。ケラチンおよびケラチン画分の詳細は、US2009-0165812に開示されている。
【0098】
皮膚軟化剤、脂肪性物質
ヘアトリートメント配合物のさらなる任意の成分は、1つまたは複数の皮膚軟化剤である。「皮膚軟化剤」は、皮膚を湿気や刺激から保護し、柔らかくし、滑らかにし、しなやかにし、コーティングし、潤滑し、潤いを与え、保護し、および/または清める材料である。使用される皮膚軟化剤は、シリコーン化合物、すなわち、ジメチコン、シクロメチコン、好ましくは、D5およびD6シクロシロキサン、ジメチコンコポリオールまたはシクロメチコンとジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーの混合物)、ポリオール、例えば、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、カプリリルグリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、キシリトール、パルミチン酸エチルヘキシル、トリリセリド、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、および脂肪酸エステル、例えば、セテアリルイソノナノエートまたはセチルパルミテートの1つまたは複数を含む。皮膚軟化剤の詳細は、US2009/0165812に開示されている。
【0099】
本発明で使用することができる、周囲温度で液体であり、しばしば油と呼ばれる脂肪性物質としては、動物由来の炭化水素ベースのオイル、例えばペルヒドロスクアレン、炭化水素ベースの植物油、例えば4から10個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド、例として、ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、またはひまわり油、トウモロコシ油、大豆油、グレープシードオイル、ゴマ油、アプリコットオイル、マカダミアオイル、ヒマシ油、アボカドオイル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバオイル、シアバター;鉱物または合成由来の直鎖状または分岐状炭化水素、例えば、流動パラフィンおよびその誘導体、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えば、Parleam(登録商標);合成エステルおよびエーテル、特に脂肪酸、例として、プルセリンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、2-オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート、ヒドロキシル化エステル、例として、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、脂肪アルコールヘプタノエート、オクタノエートおよびデカノエート;ポリオールエステル、例として、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、ペンタエリスリトールエステル、12から26個の炭素原子を有する脂肪アルコール、例として、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール、部分的炭化水素ベースおよび/またはシリコーンベースのフルオロオイル、シリコーンオイル、例として、周囲温度(25℃)で液体またはペースト状の、揮発性または不揮発性の、直鎖状または環状のポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、シクロメチコン、ジメチコンであって、任意選択でフェニル基を含むもの、例として、フェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチル-ジメチルトリシロキサン、ジフェニルジメチコーン、フェニルジメチコーン、ポリメチルフェニルシロキサン;それらの混合物について言及することができる。適切な脂肪性物質の詳細は、WO2012-038334に開示されている。
【0100】
防腐剤
任意にて、1つまたは複数の防腐剤をヘアトリートメント配合物に含めることができる。そのような防腐剤の例には、1つまたは複数のグリセリン含有化合物(例えば、グリセリンまたはエチルヘキシルグリセリンまたはフェノキシエタノール)、乳酸、ベンジルアルコール、EDTA、ソルビン酸カリウムおよび/またはグレープフルーツ種子抽出物を含まれる。好ましい実施形態では、縮毛矯正配合物はパラベンを含まない。防腐剤の詳細は、US2009/0165812に開示されている。
【0101】
皮膚保護剤
任意にて、ヘアトリートメント配合物は、1つまたは複数の皮膚保護剤を含む。皮膚保護剤は、微生物または有機/無機化学物質の望ましくない伝達を防ぐ1つまたは複数の薬剤を含む。皮膚保護剤の詳細は、例えば、US2009/0165812に開示されている。
【0102】
コンディショニング剤
任意にて、1つまたは複数のコンディショニング剤をヘアトリートメント配合物に含めることができる。1つの好ましい実施形態では、シリコーンベースのコンディショニング剤が組み込まれている。好ましくは、材料は、10から1,000,000mPa.sの範囲のPDMSグレード、C2からC18-アルキル誘導体化シリコーン、ジメチコノール、ポリエーテル修飾シリコーン、アミノ基、または4級化アンモニウム基含有シリコーンである。それらはまた、上記で定義されたような官能基FAを有するポリオルガノシロキサンから選択され得る。これらのシリコーンは、そのままの材料、有機溶液、エマルジョン、またはマイクロエマルジョンとして組み込むことができる。
【0103】
コンディショニング剤を含む4級アンモニウム基(クアット)の好ましい例は、α,ω-クアット基末端シリコーン(US4891166)、クアット基末端T型シリコーン(US2008027202)、α,ω-シリコーンブロック末端クアット(WO02/10256)および櫛状の配置でクアット基を含み、任意選択で追加の部分、すなわち、ポリエーテルまたは芳香族構造を含むシリコーン(US2008213208、US5098979、US5153294、US5166297、US2006188456)である。他の好ましい例は、クアット基/シリコーンブロックベースのコポリマー(EP282720、US6240929、US6730766、DE102004002208)である。別の好ましい実施形態では、クアット基/シリコーンブロック/親水性ブロックベースのコポリマーが使用される(WO02/10257およびWO02/10259、US7563856、US7563857、US20110039948、US2007106045、US2005255073、WO2004069137)。他の好ましい例は、クアット基/シリコーンブロックベースのコポリマーおよびクアット基/シリコーンブロック/親水性ブロックベースのコポリマーであって末端単官能性シリコーン部分を有するものである(WO2013148629、WO2013148635、WO2013148935)。本発明の別の好ましい実施形態では、ペンディングアミノ基を有するクアット基末端シリコーンが使用される(DE10253152)。他の好ましい例は、シリコーンベタイン(DE10036522、DE10036532)である。4級アンモニウム基含有シロキサンの市販の例は、Silsoft SilkおよびSilsoft Q(Momentive Performance Materialsから入手可能)である。
【0104】
上記のシリコーンベースのコンディショニング剤は、特に、毛髪に滑らかで絹のような感触を与える。
【0105】
あるいは、炭化水素ベースのコンディショニング剤を含めることができる。アミノおよび/または4級アンモニウム基を含むこれらのカチオンタイプの材料の詳細は、例えば、米US2009/0000638およびWO2012/027369に開示されている。
【0106】
酸化剤
任意にて、1つまたは複数の酸化剤をヘアトリートメント配合物に含めることができる。好ましくは、酸化剤には、有機酸化剤、すなわちベンゾキノン、ヒドロキノンおよびアミノキノンを含む他のキノン誘導体、ならびに適切な有機過酸化物が含まれる。有機酸化剤の詳細は、US2012/0031420およびWO2012/027369に開示されている。
【0107】
過酸化水素は、好ましい無機酸化剤である。ペルサルフェートは、それらのナトリウムカリウムおよびアンモニウム塩の形態で、単独で、または使用直前に過酸化水素と組み合わせて使用することもできる。他の可能な酸化剤には、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸マグネシウム、二酸化マグネシウムおよび二酸化バリウムが含まれる。これらの酸化剤の詳細は、US6544499に開示されている。
【0108】
還元剤
酸化剤および還元剤が所与の配合物中に同時に存在しないという条件で、任意にて1つまたは複数の還元剤をヘアトリートメント配合物に含めることができる。好ましくは、還元剤は、チオグリコール酸およびチオ乳酸、ならびにそれらの塩、特にアンモニウムおよびエタノールアミン塩である。さらに有用なチオ化合物は、特にシステインまたはその塩酸塩、ホモシステイン、システアミン、N-アセチルシステイン、チオグリセロール、エタンジオールモノチオグリコレート、1,2-プロピレングリコールモノチオグリコレート(WO93/1791も参照)、1-3-プロパンジオールモノチオグリコレートまたはそれから生じる異性体混合物、1,3-ブタンジオールおよび1,4-ブタンジオールモノチオグリコレートおよびそれらからの異性体混合物、ジ、トリ、テトラエチレングリコールなどのポリエチレングリコール、モノチオグリコレート、グリセロールモノチオラクテートおよびさらなるチオ酸およびそれらのエステル、ならびにそれらの混合物である。これらの有機還元剤の詳細は、US2009/0000638に開示されている。
【0109】
基本的に無機還元硫黄化合物の使用も可能である。還元組成物で使用するための代表的な例には、美容上許容される塩(例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)およびアンモニウム塩)、エステル(例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、次亜硫酸塩、次亜硫酸塩およびピロ亜硫酸塩の低級アルキルアミン(例えば、トリエタノールアミン(TEA)、モノエタノールアミン(MEA)およびアミノメチルプロパノール(AMP))が含まれる。したがって、適切な還元剤の特定の例には、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、MEA亜硫酸塩、MEAメタ重亜硫酸塩、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、ハイドロサルファイトナトリウム、ハイドロサルファイトカリウム、ハイドロサルファイトアンモニウム、無水亜硫酸ナトリウム、亜硫酸二アンモニウム、二硫酸二カリウム、ピロ亜硫酸二カリウム、AMP亜硫酸、AMPメタ重亜硫酸、TEA亜硫酸、TEAメタ重亜硫酸、酸性亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、およびチオ硫酸ナトリウム五水和物が含まれる。これらの無機還元剤の詳細は、WO2012/027369に開示されている。
【0110】
あるいは、ケラチンが約100℃以上に加熱される、高温およびアルカリ処理されたケラチン、ジチオナイトおよび特定の水素化物を使用することができる。これらの還元剤の詳細は、US6544499に開示されている。
【0111】
K)タンニン
任意にて、1つまたは複数のタンニン、具体的にはガロタンニン、エラギタンニン、複合タンニン、縮合型タンニン、すなわちタンニン酸および他の形態のケルシタンニン酸およびガロタンニン酸を使用することができる。タンニンはポリフェノール誘導体のクラスを表し、その構造の多様性で知られている。分類は、参照により本明細書に含まれる、K. Khanbabaee, T. van Ree, Nat.Prod. Rep., 2001, 18, 641-649に基づいて行われ、そして本発明の文脈においてタンニンという用語を定義するために使用される。最も好ましいタンニンはガロタンニン酸(=タンニン酸)である。好ましいタンニンには、以下が含まれる。
【化27】
【0112】
【0113】
【0114】
複合タンニンの例はアクチシミンAである。
【化30】
【0115】
縮合型タンニンの例は、プロシアニジンB2(77)、プロアントシアニジンA1(78)、プロアントシアニジンA2(79)、およびプロアントシアニジンC1(80)である。
【化31】
【0116】
最も好ましいタンニンはタンニン酸である。
【化32】
【0117】
金属塩
特に下記一般式のものを含み、
MexAy
ここで本式中のMeは金属陽イオンであり、陽イオンMeの数はxであり、陰イオンAの数はyであり、そして数字xおよびyは、塩が中性になるようなものである。特に、xは例えば1または2であり得、yは例えば1から3であり得る。Aは、好ましくは、(i)式-O-C(O)-Rの酸化された炭水化物の陰イオン、または無機酸または有機酸に由来する陰イオンである。Meは、好ましくは、鉄または亜鉛カチオンである。
【0118】
特に好ましい塩は、好ましくは水溶性であるFeまたはZn塩、例えば、Fe2+ラクトビオネート、Fe2+マルトビオネート、Fe2+イソマルトビオネート、Fe3+ラクトビオネート、Fe3+マルトビオネート、Fe3+イソマルトビオネート、Fe2+グルコネート、Fe3+グルコネート、Fe2+グルコヘプトネート、Fe3+グルコヘプトネート、Fe2+グリセロホスフェート、Fe3+グリセロホスフェート、Zn2+ラクトビオネート、Zn2+マルトビオネート、Zn2+イソマルトビオネート、Zn2+グルコネート、およびZn2+グリセロホスフェート、Fe2+タートレート、Fe2+グルカレート、Fe3+タートレート、Fe3+グルカレート、Zn2+タートレート、Zn2+グルカレートである。
【0119】
ジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基を含む本発明による化合物に対するFeまたはZn塩の重量比は、少なくとも0.01、好ましくは0.01から3、より好ましくは0.02から3、さらにより好ましくは0.05から3、具体的には0.1から3、さらに具体的には0.1から1である。任意選択のタンニンが追加で使用される場合、本発明によるジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基を含む化合物+タンニンに対する水溶性のFeまたはZn塩の重量比は、少なくとも0.01、好ましくは0.01から3、より好ましくは0.02から3、さらにより好ましくは、0.05から3、具体的には、0.1から3、さらにより具体的には、0.1から1である。任意選択のタンニンが使用される場合、本発明によるジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基を含む有機化合物に対するタンニンの重量比は、0.01から5、好ましくは0.01から3、より好ましくは0.02から3、さらにより好ましくは0.05から3、具体的には0.1から3、さらにより具体的には0.1から1である。
【0120】
水溶性FeまたはZn塩の特定の量は、水溶性FeまたはZn塩の分子量および構造、ならびに本発明の化合物中のジヒドロキシまたはトリヒドロキシ置換芳香族基および任意に使用されるタンニンのモル比に依存する。典型的には、水溶性FeまたはZn塩の分子量が高いほど、および/または本発明の化合物中のジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基および任意選択のタンニンのモル比が高いほど、水溶性FeまたはZn塩の特定の量が高くなる。
【0121】
さらなる助剤
ヘアトリートメント配合物はまた、1つまたは複数のさらなる助剤、すなわち、pH値を調整するための酸、塩基および緩衝剤などのpH調整剤、増粘剤(多糖類増粘剤、デンプン、変性デンプン、キサンタン、ジェラン、カラギーナン、プルラン、セルロース、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、ペクチン、粘土、ヒュームドシリカなど)、脂質、アミノ酸、糖、香料、日焼け止め剤、ビタミン、真珠光沢剤、ゲル化剤、微量元素、封鎖剤、抗酸化剤、保湿剤、脱毛防止剤、フケ防止剤、噴射剤、セラミド、ポリマー、特にフィルム形成ポリマー;充填剤、真珠層、以下に記載する染毛剤を含む、着色剤および特に顔料および染料、あらゆる種類の生物活性植物化学物質、およびそれらの混合物を含み得る。
【0122】
染毛剤
染毛剤には、一般的に使用される酸化性または非酸化性、一時的、半永久的、部分永久的および永久的な染毛剤が含まれる。一時的な非酸化性染料には、例えば、 一般的に混合物として使用される、Acid Yellow、Acid Orange 7、Acid Yellow 1、Acid Red 33、Acid Red 92、Acid Violet 43、Acid Blue 9、Acid Black 1が含まれる。半永久的な非酸化性染毛剤には、低モル質量の塩基性染料またはカチオン染料が含まれ、そして特に、HC Yellow No.2、HC Red No.3、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、N,N’-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロフェニレンジアミン、HC Blue No.2、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Blue 99、Basic Yellow 57が含まれる。他の半永久的な染料には、金属および野菜の誘導体(ヘナなど)が含まれる。金属染料は、銀塩、鉛、ビスマスに由来する。永久的な酸化染毛剤には、酸化剤の存在下で一般的に使用される前駆体の複合システムが含まれる。
【0123】
ポリマー構造のタイプと適用目的に応じて、透明な配合物を得るために、酸、塩基、および/または短鎖アルコールに一定量が必要とされる。適切な酸には、例えば、酢酸などのカルボン酸、塩酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸または有機酸が含まれる。適切な塩基には、アンモニア水、アルカリ性水酸化物、アルカリ性炭酸塩などが含まれる。
【0124】
例えば、そのような酸または塩基を添加することにより、水性組成物の適切なpH範囲は、9未満、好ましくは8.5未満、好ましくは7.5未満、より好ましくは7.0未満などに調整することができる。
【0125】
本発明のさらに好ましい実施形態は、それぞれ本明細書で定義される、本発明による少なくとも1つの化合物、または本発明による少なくとも1つの水性組成物を含む化粧品組成物またはパーソナルケア配合物に関する。
【0126】
化合物または本発明を利用することができるパーソナルケア組成物または化粧品組成物の例には、例えば、スプレーを含む、デオドラント、制汗剤、デオドラント/制汗剤、スティックおよびロールオン製品、シェービング製品、スキンローション、保湿剤、化粧液、バス製品、クレンジング製品、シャンプー、コンディショナー、シャンプー/コンディショナーの組み合わせ、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、染毛剤、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ウェーブ製品、ヘアストレートナー、マニキュア、ネイルポリッシュリムーバー、ネイルクリームおよびローション、キューティクルソフトナー、日焼け止め、虫除け、アンチエイジング製品、リップスティック、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドウ、チーク、メイクアップ、マスカラ、保湿製剤、ファンデーション、ボディおよびハンド用製剤、スキンケア用製剤、フェイスおよびネック用製剤、トニック、ドレッシング、育毛補助剤、エアロゾル固定剤、芳香剤、アフターシェーブ、メイクアップ製剤、ソフトフォーカスアプリケーション、昼および夜用スキンケア製剤、非着色ヘア製剤、日焼け用製剤、合成および非合成の石鹸バー、ハンドリキッド、ノーズストリップ、パーソナルケア用不織布アプリケーション、ベビーローション、ベビーバスおよびシャンプー、ベビーコンディショナー、シェービング製剤、キュウリスライス、スキンパッド、メイク落とし、フェイシャルクレンジング製品、コールドクリーム、日焼け止め製品、ムース、スプリッツ、ペーストマスクおよびマッド、フェイスマスク、コロンおよび化粧水、ヘアキューティクルコート、シャワージェル、フェイスおよびボディウォッシュ、パーソナルケアリンスオフ製品、ジェル、フォームバス、スクラブクレンザー、収斂剤、ネイルコンディショナー、アイシャドウスティック、ファイスまたはアイ用パウダー、リップクリーム、リップグロス、ヘアケアポンプスプレーおよびその他の非エアゾールスプレー、ヘアフリズコントロールジェル、ヘアリーブインコンディショナー、ヘアポマード、ヘアデタングリング製品、ヘア固定剤、ヘアブリーチ製品、スキンローション、プレシェーブおよびプレエレクトリックシェーブ、無水クリームおよびローション、オイル/水、水/オイル、多重およびマクロおよびマイクロエマルジョン、耐水性クリームおよびローション、にきび防止剤、マウスウォッシュ、マッサージオイル、歯磨き粉、透明ジェルおよびスティック、軟膏ベース、局所創傷治癒製品、エアゾールタルク、バリアスプレー、ビタミンおよび老化防止剤、ハーブエキス製剤、バスソルト、バスおよびボディミルク、ヘアスタイリング補助剤、ヘア、アイ、ネイル、スキン用ソフト固形アプリケーション、徐放性パーソナルケア製品、ヘアコンディショニングミスト、スキンケア保湿ミスト、スキンワイプ、毛穴スキンワイプ、毛穴クリーナー、傷軽減剤、皮膚剥離剤、皮膚落屑促進剤、スキンタオルおよび布、除毛剤、パーソナルケア潤滑剤、ネイルカラー剤、日焼け止め、化粧品、ヘアケア製品、スキンケア製品、練り歯磨き、皮膚に適用される薬用組成物の局所適用用のドラッグデリバリーシステム、それらの2つ以上の組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されない。本発明のそのような化粧品またはパーソナルケア組成物は、特定の目的または意図された使用のために望まれる他の成分および成分を含み得る。例えば、パーソナルケア組成物は、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、保湿剤、顔料、コーティングされた雲母、着色剤、芳香剤、殺生物剤、防腐剤、抗酸化剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、剥離剤、ホルモン、酵素、薬用化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、界面活性剤、シリコーンオイル、有機油、ワックス、フィルム形成剤、増粘剤、粒子状充填剤、粘土、界面活性剤、乳化剤、溶剤、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、保湿剤、顔料、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、キレート剤、抗酸化剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、剥離剤、ホルモン、酵素、薬用化合物、ビタミン、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、レチノール、ナイアシンアミド、美白剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、有機油、ワックス、フィルム形成剤、増粘剤、粒子状充填剤、シリコーン、粘土、可塑剤、保湿剤、閉塞、感覚増強剤、エステル、樹脂、フィルム形成剤、フィルム形成乳化剤、高屈折率材料、それらの2つ以上の組み合わせなどから選択される成分を含み得る。
【0127】
スキンケアクリーム、リップスティック、目および顔のメイク、タオル、カラーコンタクトレンズなど、顔に適用し得る化粧製品。デオドラント、ローション、パウダー、香水、ベビー用品、バスオイル、バブルバス、バスソルト、ボディバターなど、体に適用することができる化粧品;手/爪に適用できる化粧品:指の爪と足指爪のマニキュア、および手の消毒剤;髪に適用できる化粧品:パーマネントケミカル、ヘアカラー、ヘアスプレー、ジェル;カラー顔料を含むメイクアップ組成物、プライマー、ファンデーションまたはアイシャドウ、リップスティック、リップグロス、リップライナー、リッププランパー、リップクリーム、リップステイン、リップコンディショナー、リッププライマー、リップブースター、リップバターであって日焼け止めを含み得るもの、コンシーラー、フェイスパウダー、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉ペンシル、クリーム、ワックス、ジェル、および眉を着色、塗りつぶし、および明確にするために使用されるパウダーなど、特に顔や目の領域に適用できる化粧品;ローション、クレンジング配合物;化粧液;フェイシャルマスク;ピールマスク、シートマスク、角質除去製品、エッセンシャルオイル、ハーブ抽出物、または他の化学物質を含み得るクリームやローションなどの保湿剤;ナイトクリーム、デイクリーム、日焼け止め組成物、マニキュアなど。
【0128】
本発明の化合物を含み得るパーソナルケア物品には、例えば、化粧品および医療用品、固形石鹸、液体石鹸(例:ハンドソープ)、ハンド消毒剤(リンスオフおよびリーブオンのアルコールベースおよび水性ベースのハンド消毒剤を含む)、術前皮膚消毒剤、クレンジングワイプ、消毒ワイプ、ボディウォッシュ、にきび治療製品、スキンクリーム、シャンプー、コンディショナー、化粧品(液体または粉末ファンデーション、液体または固体アイライナー、マスカラ、クリームアイシャドウ、着色粉末、乾燥または湿らせて使用する「パンケーキ」タイプの粉末などを含むがこれらに限定されない)デオドラント、抗菌クリーム、ボディローション、ハンドクリーム、局所クリーム、アフターシェーブローション、スキン化粧液、マウスウォッシュ、歯磨き粉、日焼け止めローション、およびベビー用品、例えば、限定されるものではないが、クレンジングワイプ、ベビーシャンプー、ベビーソープ、およびおむつクリーム、創傷ケ製品、例えば、限定されるものではないが、創傷治癒軟膏、クリーム、およびローション、創傷被覆、火傷創傷クリーム、包帯、テープ、およびステリストリップ、および医療物品、例えば医療用ガウン、キャップ、フェイスマスク、靴カバー、外科用ドレープなどが含まれる。さらなる製品には、マウスリンス、歯磨き粉、デンタルフロスコーティングなどの経口製品、獣医およびペットケア製品、防腐剤組成物、および溶液、スプレーまたはワイプなどを含む表面消毒剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
本発明による水性または化粧品組成物は、特に、ヘアトリートメント組成物に典型的な形態に(使用または)配合され得る。好ましくは、局所ヘアケアまたは治療組成物、例えば、ヘアトニック、コンディショナー、ヘアケア製剤、例えば前処理剤、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中的ヘアトリートメント、例えばリーブオンおよびリンスオフディープコンディショナー、毛髪構造化製剤、例えばパーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)用の毛髪ウェービング製剤、縮毛矯正剤、液体ヘアセット剤、ヘアフォーム、ヘアセラム、ヘアスプレー、漂白剤、例えば、過酸化水素水溶液、ライトニングシャンプー、ブリーチクリーム、ブリーチパウダー、ブリーチペーストまたはオイル、一時的、半永久的または永久的な染毛剤、自己酸化染料、または天然の染毛剤を含む製剤、ヘナやカモミールなどである。用途に基づいて、ヘアケア製剤は、特に、(エアゾール)スプレー、(エアゾール)フォーム、ゲル、ゲルスプレー、クリーム、ローション、液体、セラムまたはワックス、ムース、パールシャンプー、アンチフリズシャンプーなどのシャンプーなどの形態であり得る。本発明による水性組成物は、リーブオンまたはリンスオフヘアトリートメント組成物として使用することができる。
【0130】
本発明による特定の好ましい化粧品組成物は、ヘアトリートメントで使用するためのものであり、好ましくはヘアカラートリートメントで使用するためのものである。本発明による上記の水性化粧品組成物は、毛髪の人工着色料の改善された耐久性に関して特に利益を提供することができる。さらに、本発明による水性ヘアトリートメント配合物は、特に、ヘアブリーチ処理などの毛染処理の前、最中、および後に、毛髪の強化および成形効果ならびにコンディショニング効果を提供する。本発明によるヘアトリートメント組成物は、毛髪の強化、毛髪の着色、色の保持および毛髪の成形、すなわち、毛髪のカールおよび矯正に関して利益を提供することができる。
【0131】
本発明による毛髪のトリートメントのための好ましい化粧品組成物は、ヘアシャンプー組成物、ヘアケア組成物、ヘアコンディショニング組成物、毛髪強化組成物、毛髪着色または染色組成物、毛髪櫛通り性改善組成物、縮れ防止組成物、ヘアリンスオフおよびリーブオン組成物からなる群から選択される。
【0132】
さらなる実施形態において、本発明は、本発明による化粧品組成物を提供するステップ、および前記化粧品組成物を毛髪に適用するステップを含む、毛髪のトリートメントのための方法に関する。
【0133】
毛髪のトリートメントのための特定の好ましい方法は、
1)毛髪を本発明の水性化粧品組成物と接触させること、
2)任意にて、水性組成物と毛髪を接触させること、該水性組成物は、Feおよび/またはZnの金属塩を含み、水相を含み、pH>2から10の範囲を有し、そして好ましくは、
クロリド、サルフェート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、
C2からC12、好ましくはC2からC9の飽和または不飽和ヒドロキシアルキルカルボン酸、すなわち、グリコール酸、乳酸、β-ヒドロキシ酪酸、γ-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシコハク酸、クエン酸、マンデル酸、
C2からC12、好ましくはC2からC9、また好ましくはC7からC12、より好ましくはC7からC9の飽和または不飽和ポリヒドロキシアルキルカルボン酸、すなわち、グリセリン酸、2,2-ジメチロールプロパンカルボン酸、アラビノン酸、グルコン酸、グルコロン酸、グルコヘプトン酸、グルコピラノシルアラビノン酸、ラクトビオン酸、マルトビオン酸、酒石酸、グルカル酸、
C7からC12、好ましくはC7からC9のヒドロキシ芳香族カルボン酸、すなわち、2-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ桂皮酸、3-ヒドロキシ桂皮酸、4-ヒドロキシ桂皮酸、
C7からC12、好ましくはC7からC9のポリヒドロキシ芳香族カルボン酸、すなわち、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ桂皮酸またはそれらの部分エステル、すなわち3,4-ジヒドロキシ桂皮酸、トリヒドロキシ安息香酸またはそれらの部分エステル、すなわち2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,6-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ桂皮酸またはそれらの部分エステル、すなわち3,4,5-ジヒドロキシ桂皮酸、およびそれらの混合物、
から特に選択されるヒドロキシ官能化カルボン酸、
から選択される対イオンを有する水溶性Zn2+、Fe2+および/またはFe3+塩を含み、および
3)好ましくは>150℃の温度で、例えば、ステップ1)および2)で使用される本発明のヘアトリートメント組成物またはヘアトリートメント組成物の一部を永久的に毛髪に結合する、または毛髪に組み込むホットアイロンステップ中に、毛髪を乾燥すること、
のステップを含む。
【0134】
毛髪のトリートメントのための別の特定の好ましい方法は、
1)毛髪を本発明の水性化粧品組成物と接触させること、該水性化粧品組成物は、本発明の化合物、任意選択で上記に説明した1つまたは複数の界面活性剤、および
クロリド、サルフェート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、
C2からC12、好ましくはC2からC9の飽和または不飽和ヒドロキシアルキルカルボン酸、すなわち、グリコール酸、乳酸、 -ヒドロキシ酪酸、 -ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシコハク酸、クエン酸、マンデル酸、
C2からC12、好ましくはC2からC9、また好ましくはC7からC12、より好ましくはC7からC9の飽和または不飽和ポリヒドロキシアルキルカルボン酸、すなわちグリセリン酸、2,2-ジメチロールプロパンカルボン酸、アラビノン酸、グルコン酸、グルコロン酸、グルコヘプトン酸、グルコピラノシルアラビノン酸、ラクトビオン酸、マルトビオン酸、酒石酸、グルタル酸、
C7からC12、好ましくはC7からC9ヒドロキシ芳香族カルボン酸、すなわち、2-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ桂皮酸、3-ヒドロキシ桂皮酸、4-ヒドロキシ桂皮酸、
C7からC12、好ましくはC7からC9のポリヒドロキシ芳香族カルボン酸、すなわち、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ桂皮酸またはそれらの部分エステル、すなわち3,4-ジヒドロキシ桂皮酸、トリヒドロキシ安息香酸またはそれらの部分エステル、すなわち2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,3,6-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ桂皮酸またはそれらの部分エステル、すなわち3,4,5-ジヒドロキシ桂皮酸、およびそれらの混合物、
から特に選択されるヒドロキシ官能化カルボン酸、
から好ましくは選択される対イオンを有するFeおよび/またはZnの金属塩、好ましくは水溶性Zn2+、Fe2+および/またはFe3+塩を含み、そして
2)例えば、ステップ1)で使用される本発明のヘアトリートメント組成物またはヘアトリートメント組成物の一部を永久的に毛髪に結合する、または毛髪に組み込むホットアイロンステップの間、150℃を超えて毛髪を乾燥させること、
のステップを含む。
【0135】
上記の方法において、本発明によるジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基を含む化合物に対する任意選択の水溶性Feおよび/またはZn塩の重量比は、少なくとも0.01、好ましくは0.01から3、より好ましくは0.02から3、さらにより好ましくは0.05から3、具体的には0.1から3、さらにより具体的には0.1から1である。任意選択のタンニンを使用する場合、ジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基を含む有機化合物+タンニンに対する水溶性Feおよび/またはZn塩の重量比は、少なくとも0.01、好ましくは0.01から3、より好ましくは0.02から3、さらにより好ましくは0.05から3、具体的には0.1から3、さらにより具体的には、0.1から1である。水溶性Feおよび/またはZn塩の特定の量は、水溶性FeまたはZn塩の分子量および構造、ならびに本発明の化合物中のジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基および任意にて使用されるタンニンのモル比に依存する。典型的には、水溶性のFeまたはZn塩の分子量が高いほど、および/または本発明の有機化合物中のジまたはトリヒドロキシ置換芳香族基および任意選択のタンニンのモル比が高いほど、使用される水溶性FeまたはZn塩の特定の量が高くなる。
【0136】
好ましくは、トリートメントされた毛髪を形成するために、ジ-、トリヒドロキシ置換芳香族基を含む化合物および任意選択の界面活性剤に基づく毛髪処理組成物と毛髪を接触させるプロセスステップ1)は、繊維に浸透するのに十分な温度と時間で行われる。典型的には、方法ステップ1)は、10から50℃、好ましくは20から50℃、さらにより好ましくは室温で、5から120分、好ましくは5から60分、さらにより好ましくは10から40分で実施される。
【0137】
好ましくは、方法ステップ2)の、さらにトリートメントされた毛髪を形成するために、水溶性Zn2+、Fe2+および/またはFe3+塩に基づく本発明の毛髪処理組成物と毛髪を接触させることは、繊維を浸透するのに十分な温度および時間の長さで行われる。典型的には、方法ステップ2)は、10から50℃、好ましくは20から50℃、さらにより好ましくは室温で、5から120分、好ましくは5から60分、さらにより好ましくは10から40分で実施される。
【0138】
好ましくは、方法ステップ3)の好ましくは150℃を超える温度で熱を加えることによってトリートメントされた毛髪を乾燥することは、ステップ1)および2)で使用される本発明のヘアトリートメント組成物またはヘアトリートメント組成物の一部を永久的に毛髪に結合する、または毛髪に組み込むホットアイロンステップである。高温は、ステップ1)および2)で使用される組成物の成分とケラチン繊維の反応性部分との化学反応、またはステップ1)および2)で使用される組成物の成分の複合体の形成をもたらし得る。好ましくは、温度は、150℃から約235℃、より好ましくは180℃から約225℃、さらにより好ましくは190℃から約215℃の範囲である。通常、毛髪を乾燥させる場合は、2から10回のホットアイロンが適用される。
【0139】
本発明の文脈において、ステップ2)で使用される水溶性Znおよび/またはFe塩は、好ましくは、25℃で少なくとも0.5g/lの水溶性を有する。
【0140】
本発明による上記の毛髪トリートメント方法は、毛髪の強化、毛髪の成形、すなわち、毛髪のカールおよび矯正、毛髪の着色、毛髪のブリーチ、毛髪の色の保持、ヘアコンディショニングに関して利益を提供することができる。
【0141】
本発明はさらに、毛髪のトリートメント、特に毛髪の強化、毛髪の色の保持、毛髪の色の増大、毛髪の色の保護、毛髪の成形、すなわち、毛髪のカールと矯正、ヘアコンディショニング、毛髪の滑らかさまたは柔らかさ、毛髪の矯正、毛髪の扱いやすさの改善、特に毛髪の櫛通りの改善のための本発明による水性組成物の使用に関する。
【0142】
本発明の態様は、以下の非限定的な例を参照してさらに理解することができる。
【実施例】
【0143】
例1
グリセロールジグリシジルエーテルベースの没食子酸誘導体の合成
54.1gの1,3-ブタンデジオール、15g(0.088mol-COOH)の没食子酸、および0.46gのトリメチルアミンを室温で混合し、70℃に加熱した。8.18g(0.080molエポキシ基)グリセロールジグリシジルエーテルを
【化33】
30分間滴下した。混合物を90℃に12時間加熱した。エポキシ基の変換率は100%(1H-NMR)であった。
【0144】
本質的に以下の構造からなる生成物を含むわずかに黄色がかった透明な液体が得られ、
【化34】
ここで
R
1=
【化35】
そしてR
2は1:1の比の-OHまたは
【化36】
である。
【0145】
例2
プロピレングリコールベースの没食子酸誘導体の合成
56,86gの1,3-ブタンデジオール、8,95g(0.0526mol-COOH)の没食子酸、および0.28gのトリメチルアミンを室温で混合し、70℃に加熱した。下記構造のグリシジル修飾オリゴプロピレングリコール誘導体10g(0.0526molエポキシ基)を
【化37】
1時間で滴下した。混合物を90℃に14時間加熱した。エポキシ基の変換率は100%(1H-NMR)であった。
【0146】
本質的に下記構造からなる生成物を含む黄色がかった透明な液体が得られ、
【化38】
ここで
R
1=
【化39】
【0147】
適用
測定方法:
染毛剤の色および色の保持を測定するための試験方法
色保持を評価するための試験方法は、US2011/0219552A1に詳細に記載されている。この方法は、毛髪を洗う前後の毛髪の色の変化(デルタE)を決定する。色の変化は、色処理された髪の房を洗う前後に、HunterLab比色計でHunter L、a、およびbの値を測定することによって決定された。
【0148】
L、a、bの意味は、“Practical Modern Hair Science”Trefor Evans and R. Randall Wichett, Alluredbooks, Carol Stream, Illinois, 2012で詳しく説明されている。L値は、L=0(黒)からL=100(白)までの明度を測定する。色は、aが負の値(緑)から正の値(赤)に、bが負の値(青)から正の値(黄色)に測定される。例えば、ミディアムブロンドのL、a、b値はL=49、a=12、b=26で、ミディアムオーバーンのL、a、b値はL=26、a=13、b=12である。
【0149】
デルタEは、洗浄前後の色の変化を評価するために、次の式を使用して計算された。
デルタEw=((Lt-L0)2+(at-a0)2+(bt-b0)2)1/2
ここでL0、a0、b0、(初期色パラメーター)およびLt、at、bt(洗浄後の色パラメーター)は、HunterL、a、b色パラメーターで測定される。デルタEの値が大きいほど色の変化が大きくなるため、洗浄後の色の損失が少ないことを示すため、小さなデルタEが望まれる。
【0150】
同様に、以下式を使用して色増大を計算し、処理による初期の色深度の増加を評価した。
デルタEe=((L2-L1)2+(a2-a1)2+(b2-b1)2)1/2
ここでL2、a2、b2、(処理された染色髪の色パラメーター)およびL1、a1、b1(未処理の染色髪の色パラメータ)は、洗浄せずに測定される。ここでは、より大きな初期色増大を意味するため、より大きなデルタEが望まれる。
【0151】
【0152】
手順:
1.主容器で相Aを調製:EDTA二ナトリウムを脱イオン水に溶解し、Carbopol Aqua SF-1ポリマーを加えて穏やかに混合し、Galaxy LESを加えて穏やかに混合
2.相Aを相BでpH6.6から7.2まで中和
3.相Cを相ABに加えてよく混合
4.バッチを80℃まで加熱
5.相Dの成分を加えて、均一に分散するまで80℃でよく混合
6.攪拌しながらバッチを45℃まで冷却
7.別の容器で相Eを予混合(分散のため温水を使用)
8.相Eを相ABCDに加えてよく混合
9.所与の順序に従って相Fの成分を加えて、各添加後によく混合
10.最後に相Gを加え、良く混合して容器に保管。
【0153】
染髪にクリーミーシャンプーを適用
International Hair Importersからの単一の漂白されたプラチナの髪の房は、Garnier Red 6.6を使用して染色された。その後、洗髪および乾燥した毛髪の房を半分に分けた。例2による材料を含むクリーミーシャンプーで半分を洗浄し、一方で残りの半分は、対照シャンプー(本発明の添加剤なし)で洗浄された。乾燥後、髪の房ΔE値を記録した。
【0154】
【0155】
例4:クリーミーシャンプー
例3の下で概説された実験プロトコルは、例1の本発明の化合物を使用して繰り返された。
【0156】
【0157】
6回の洗浄サイクル後の例1および2による本発明の化合物を含むシャンプーのより低いΔE値は、洗浄操作中に失われる色がより少ないことを意味する。本発明の成分は、人工毛髪の色の保持を改善する。
【0158】
さらに、本発明の材料で処理された半分の毛髪房の赤色の色調は、対照シャンプーで処理された残りの半分と比較して、より深く、色がより均一に分布していることが観察された。
【国際調査報告】