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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】鉱物組成物
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/40 20060101AFI20220113BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20220113BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20220113BHJP
   B01J 20/12 20060101ALI20220113BHJP
   B01J 20/14 20060101ALI20220113BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
C01B33/40
B01J20/30
B01D15/00 J
B01J20/12 C
B01J20/14
B01J20/28 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530873
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(85)【翻訳文提出日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2019082912
(87)【国際公開番号】W WO2020109468
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】18386034.5
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319006807
【氏名又は名称】イメルテック ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】カプラロウ クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】カラリス タナシス
(72)【発明者】
【氏名】デデロウディス クリストス
【テーマコード(参考)】
4D017
4G066
4G073
【Fターム(参考)】
4D017AA03
4D017BA03
4D017CB01
4D017DA07
4G066AA22A
4G066AA22B
4G066AA64A
4G066AA64B
4G066AA70B
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA25
4G066BA26
4G066BA28
4G066BA33
4G066BA38
4G066CA10
4G066DA07
4G066EA11
4G066FA03
4G066FA11
4G066FA21
4G066FA37
4G073BA02
4G073BA11
4G073BA73
4G073BA75
4G073BA76
4G073BA81
4G073BD03
4G073BD07
4G073BD13
4G073BD15
4G073BD21
4G073CB09
4G073CC03
4G073CM05
4G073CM09
4G073CM14
4G073CM15
4G073CM16
4G073CN09
4G073FD01
4G073FD04
4G073FE01
4G073GA01
4G073GA11
4G073GA12
4G073GA14
4G073GA40
4G073UB40
4G073UB42
4G073UB60
(57)【要約】
液体に精製に好適する組成物、前記組成物を製造する方法、及び前記組成物の使用。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、
第2の鉱物、及び
合成非晶質シリカ、を含み、
前記合成非晶質シリカが、前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び前記第2の鉱物の少なくとも1種の表面上に分散されている、組成物。
【請求項2】
前記合成非晶質シリカが、前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び前記第2の鉱物の両方の表面上に分散されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記合成非晶質シリカが、シリカゲルである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、スメクタイト鉱物、例えば、ベントナイトである、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記第2の鉱物が、珪藻土、パーライト、モーラー、カオリン、タルク、又はこれらの1種又は複数の組み合わせからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記スメクタイト鉱物及び前記第2の鉱物が、モーラーである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物中の少なくとも約60質量%の粒子が、75μm以下であり、及び/又は
前記組成物が、約10μm~約60μmの範囲のd50を有し、及び/又は
前記組成物が、約40μm~約150μmの範囲のd90を有し、及び/又は
前記組成物が、約1μm~約10μmの範囲のd10を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
約60質量%~約98質量%の前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は
約1質量%~約35質量%の前記第2の鉱物、及び/又は
約1質量%~約15質量%の前記合成非晶質シリカ
を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物中の前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の前記第2の鉱物に対する比率が、約20:1~約1:1、例えば、約10:1~約2:1の範囲である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
約100m2/g以上、例えば、約200m2/g以上の比表面積(SSA)を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
約0.9cm3/g以下、例えば、約0.5cm3/g以下の細孔容積を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
約0.01ダーシー以上、例えば、約0.04ダーシー以上の濾過性を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
組成物の製造方法であって、合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物の表面上に分散されるように、前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び前記第2の鉱物の少なくとも1種上に前記合成非晶質シリカを形成することを含み、
a)前記合成非晶質シリカが、前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び前記第2の鉱物の両方の表面上に分散されるか、
b)前記合成非晶質シリカが、前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の表面上に分散され、その表面上に合成非晶質シリカを有する前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、第2の鉱物と組み合わされているか、又は
c)前記合成非晶質シリカが、前記第2の鉱物の表面上に分散され、その表面上に合成非晶質シリカを有する前記第2の鉱物が、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物と組み合わされている、方法。
【請求項14】
前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は前記第2の鉱物をシリケート及び酸と混合することにより、前記合成非晶質シリカが、前記スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は前記第2の鉱物上に形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
液体の漂白及び/又は濾過方法であって、前記液体を、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物と混合することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、液体の漂白及び/又は濾過での使用に好適する組成物、これらの組成物を製造する方法、及びこれらの組成物の種々の使用、特に、食用油などの油を含む液体の漂白及び/又は濾過での使用に関する。
【背景技術】
【0002】
食用油の製造中の重要なステップは、漂白段階であり、この段階で、着色顔料(例えば、クロロフィル及びカロテン)が、全体の外観及び油の味に影響を与える可能性のある他の混入物と一緒に除去される。
密閉反応器中の高温下で鉱酸により活性化された高品質ベントナイトである高性能漂白土(HPBE)がこの漂白段階で通常使用される。しかし、HPBEの製造工程は通常、大量の酸性残渣及び大量の液体廃棄物を生成する。
更に、HPBEは、着色剤を除去し得るが、それらはまた、同時に、セッケン、ワックス、リン脂質、遊離脂肪酸、及び重金属を吸着する。これは、それらの利用可能な活性表面を減らし、それらの漂白能力に著しい影響を与える。この問題に対処するために、生産業者は、現時点では、HPBEをより高い投入量で添加することにより、誤用する傾向がある。これは、直接的に(より多くの材料を購入することになるために)及び間接的に(使用済みの濾過ケーキ中の油損失の増大により-BE質量の約60%)油の製造コストに影響を与える。
【0003】
別の問題は、使用済みのHPBEが極めて微細であり、不良濾過特性を有することである。HPBEが高い投入量で添加されると、濾過のためにより多くの時間とエネルギーが必要となる。
従って、これに代わる、及び/又は改善された、食用油の漂白での使用に好適する組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様では、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカを含む組成物が提供され、合成非晶質シリカは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種の表面上に分散されている。
【0005】
本発明の第2の態様では、組成物の製造方法が提供され、該方法は、合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物の表面上に分散されるように、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種上にシリカを形成することを含む。組成物は、例えば、その任意の実施形態を含む本発明の第1の態様に基づき得る。
特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の両方の表面上に分散される。
特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の表面上に分散され、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有するスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、第2の鉱物と組み合わされている。第2の鉱物は、例えば、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有し得る。
特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、第2の鉱物の表面上に分散され、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有する第2の鉱物は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物と組み合わされている。スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有し得る。
【0006】
本発明の第3の態様では、その任意の実施形態を含む本発明の第2の態様の方法により得られる、及び/又は得ることが可能な組成物が提供される。
【0007】
本発明の第4の態様では、液体の精製のための、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカを含む組成物の使用が提供される。組成物は、例えば、その任意の実施形態を含む本発明の第1の態様に基づき得る。液体は、例えば、油、例えば、食用油、工業油、又はバイオディーゼル油であり得る。
【0008】
本発明の第5の態様では、液体の漂白及び/又は濾過方法が提供され、該方法は、液体を、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカを含む組成物と混合することを含む。組成物は、例えば、その任意の実施形態を含む本発明の第1の態様に基づき得る。液体は、例えば、油、例えば、食用油、工業油、又はバイオディーゼル油であり得る。
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、スメクタイト鉱物である。本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、スメクタイト鉱物は、ベントナイトである。
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、第2の鉱物は、珪藻土である。
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、スメクタイト鉱物及び/又は第2の鉱物は、モーラー(moler)である。
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、シリカゲルである。
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態は、次の利点の1つ又は複数を提供し得る:
・液体からの着色剤の除去(例えば、改善された除去)(漂白);
・液体の濾過(例えば、改善された濾過);
・漂白及び/又は濾過後の減少した液体の損失(例えば、減少した油損失);
・減少した材料の必要量;
・組成物の形成中の酸処理スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の同時中和;
・組成物の製造法で使用される水量の減少;
・例えば、中和の手段が最終生成物中に組み込まれ、その後、除去されないことによる、収率の改善。
いずれかの特定の1つ又は複数の本発明の示された態様に関連して提供される詳細、実施例及び好ましい形態は、本明細書で更に記載され、本発明の全ての態様に等しく適用される。全ての可能なその変形例における本明細書で記載の実施形態、実施例及び好ましい形態のいずれの組み合わせも、本明細書で別段の指示がない限り、又はそうでなければ、文脈上明らかに矛盾するということがない限り、本発明に包含される。
本発明は次の非限定的図面を参照して説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に記載の方法の概略図である。
図2】実施例2に記載の方法の概略図である。
図3】実施例3に記載の方法の概略図である。
図4】実施例4で作製された材料のSEM画像である。
図5】実施例4~6で作製された材料及び市販材料の細孔径分布のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
液体、例えば、液体油の漂白及び/又は濾過に好適な組成物が本明細書で提供される。組成物は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカを含み、合成非晶質シリカは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種の表面上に分散されている。特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の両方の表面上に分散される。
組成物は、例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の内の1つ、2つ、又は全てを含む。組成物は、例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカから基本的になり得る。組成物は、例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカからなり得る。
【0011】
本明細書で使われる用語の「スメクタイト鉱物」は、スメクタイト鉱物構造、すなわち、2つの四面体シートの間に挟まれた八面体シートの2:1構造を含む材料を意味する。スメクタイト鉱物は、可変の正味負電荷を有し、これは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、アルミニウム又はマグネシウムカチオンなどの1個又は複数のカチオンにより、又は層間表面上に外部から吸着された水素によりバランスされ得る。スメクタイト鉱物は、複数タイプのカチオンの組み合わせ、例えば、一価、二価及び三価のカチオンの混合物を含み得る。スメクタイト鉱物は、例えば、一価及び二価のカチオンの混合物を(例えば、これらのみを)含み得る。
例えば、スメクタイト鉱物は、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト又はこれらの1種又は複数の組み合わせから選択され得る。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物は、モンモリロナイトを含む、基本的にそれからなる、又はそれからなる。ベントナイトは、主に、スメクタイトを含む岩石である。従って、特定の実施形態では、スメクタイト鉱物は、ベントナイトに由来する。
本明細書で記載の組成物で用いられるスメクタイト鉱物は、一価のカチオンを含み得る。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物は、一価、二価及び三価のカチオンの混合物を(例えば、これらのみを)含む。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物は、一価及び二価のカチオンの混合物を(例えば、これらのみを)含む。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物は、一価のカチオンのみを含む(換言すれば、一価ではないいずれのカチオンも含まない)。特定の実施形態では、一価のカチオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン又はこれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、二価のカチオンは、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン又はこれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、三価のカチオンは、アルミニウムカチオンである。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物(例えば、ベントナイト)は、カルシウムカチオン及びナトリウムカチオンの混合物を含む。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物(例えば、ベントナイト)は、カルシウムカチオン及びナトリウムカチオンのみの混合物を含む。特定の実施形態では、スメクタイト鉱物(例えば、ベントナイト)は、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、及びカリウムカチオンを含む。一般に、スメクタイト鉱物中のカチオンへの言及は、スメクタイト鉱物中の交換可能カチオンを意味する。本明細書で使われる用語の「カルシウムベントナイト」は、交換可能カチオンの50%超、例えば、70%超がカルシウムである材料を意味する。
スメクタイト鉱物は、天然スメクタイト鉱物又は処理スメクタイト鉱物であり得る。例えば、天然スメクタイト鉱物中のカルシウム、カリウム又はマグネシウムなどのカチオンは、例えば、ソーダ灰活性化によりナトリウムカチオンで置換されている場合がある。これは、ナトリウム活性化スメクタイト粘土と呼ばれ得る。ソーダ灰活性化は、例えば、少なくとも約20質量%、例えば、少なくとも約22質量%、又は少なくとも約35質量%の含水量を有するスメクタイト鉱物へのソーダ灰粉末(炭酸ナトリウム)の添加、及び、例えば、押出又は混練による混合を含み得る。ソーダ灰活性化スメクタイト粘土はその後、所望の粒度分布を有する粉末へと乾燥及び処理(例えば、粉砕)され得る。
スメクタイト鉱物は、少なくとも約60質量%のスメクタイト鉱物構造を含み得る。例えば、スメクタイト鉱物は、約65質量%又は少なくとも約70質量%又は少なくとも約75質量%又は少なくとも約80質量%又は少なくとも約85質量%又は少なくとも約90質量%又は少なくとも約95質量%又は少なくとも約96質量%又は少なくとも約97質量%又は少なくとも約98質量%又は少なくとも約99質量%のスメクタイト鉱物構造を含み得る。例えば、スメクタイト鉱物は、最大約100質量%までのスメクタイト鉱物構造を含み得る。例えば、スメクタイト鉱物は、最大約99質量%まで又は最大約98質量%まで又は最大約97質量%まで又は最大約95質量%まで又は最大約90質量%までのスメクタイト鉱物構造を含み得る。
【0012】
スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物出発原料は、例えば、約40質量%以下の水分を含み得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物出発原料は、約35質量%以下又は約30質量%以下又は約25質量%以下又は約20質量%以下又は約15質量%以下の水分を含み得る。含水量は、例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を、それ以上質量が変化しなくなるまで加熱し、加熱前後の質量を比較することにより、測定し得る。スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物出発原料は、例えば、約0質量%以上の水分を含み得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約4質量%以上又は約5質量%以上又は約10質量%以上又は約15質量%以上の水分を含み得る。これは、例えば、ASTM D2216-10質量による土壌及び岩石の含水量の実験室測定のための標準試験法により測定し得る。
【0013】
本明細書で使われる用語の「パリゴルスカイト鉱物」は、パリゴルスカイト鉱物構造を含む材料を意味する。パリゴルスカイトは、式(Mg,Al)2Si410(OH)・4(H2O)を有するマグネシウムアルミニウムフィロケイ酸塩である。これは、アタパルジャイトとも呼ばれる。
本明細書で使われる用語の「セピオライト鉱物」は、セピオライト鉱物構造を含む材料を意味する。セピオライトは、複雑なケイ酸マグネシウムであり、通常、化学式Mg4Si615(OH)2・6H2Oを有する。これは、メヤシャムとも呼ばれる。
スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、「酸処理」又は「酸活性化」され得る。「酸処理」又は「酸活性化」は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を高濃度(5N~30N)の鉱酸と反応させたことを意味する。
スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、好ましくは、スメクタイト鉱物であり得る。スメクタイト鉱物は、例えば、ベントナイトであり得る。
【0014】
第2の鉱物は、組成物中に既に存在する、例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物とは異なる任意の鉱物であり得る。
第2の鉱物は、例えば、次の1種又は複数から選択し得る:スメクタイト鉱物(例えば、ベントナイト、パリゴルスカイト鉱物、セピオライト鉱物、アルカリ土類金属カーボネート(例えば、ドロマイト、すなわち、CaMg(CO32)、金属サルフェート(例えば、石膏)、金属ケイ酸塩、金属酸化物(例えば、酸化鉄、酸化クロム、三酸化アンチモン、シリカ)、金属水酸化物、ウォラストナイト、ボーキサイト、タルク(例えば、フレンチチョーク)、雲母、酸化亜鉛(例えば、亜鉛華又は亜鉛白)、二酸化チタン(例えば、アナターゼ又はルチル)、硫化亜鉛、炭酸カルシウム(例えば、沈降炭酸カルシウム(PCC)、粉砕炭酸カルシウム(GCC)又は表面改質炭酸カルシウム)、硫酸バリウム(例えば、重晶石、沈降硫酸バリウム又はプロセスホワイト(process white))、アルミナ水和物(例えば、アルミナ三水和物、軽質アルミナ水和物、レイクホワイト又は透明ホワイト)、粘土(例えば、カオリン、か焼カオリン、高陵土又はベントナイト)、珪藻岩(珪藻土又はDEとも呼ばれる)、モーラー、パーライト、及びこれらの組み合わせ。
特定の実施形態では、第2の鉱物は、珪藻土、パーライト、モーラー、カオリン、タルク、ベントナイト、又はこれらの1種又は複数の任意の組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態では、第2の鉱物は、珪藻土、パーライト、モーラー、カオリン、タルク、又はこれらの1種又は複数の任意の組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態では、第2の鉱物は、濾過鉱物(例えば、本明細書で記載のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を用いて漂白される液体組成物を、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物から分離できる鉱物)である。特定の実施形態では、第2の鉱物は、珪藻土、パーライト、モーラー、又はこれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、第2の鉱物は、珪藻土である。
【0015】
用語の珪藻土(diatomite)及び珪藻岩(diatomaceous earth)は、同義に使用される。珪藻土は通常、天然の珪藻岩から得られ、珪藻岩は、海水源から、又は真水源から得られ得る。珪藻土は、その粗製形態の珪藻土、又はその材料を1回又は複数の処理ステップに供した後の珪藻土であり得る。
珪藻土は通常、海洋又は淡水環境中で蓄積した珪藻類、単細胞海藻様植物の化石化骨格を含む沈降性生物起源シリカ堆積物である。ハニカムシリカ構造体は通常、珪藻土の有用な特性、例えば、吸収能力及び表面積、化学的安定性、及び低いかさ密度をもたらす。珪藻土は、他の物質と混ざり合った約90%のSiO2を含み得る。粗製珪藻土は、約90%のSiO2に加えて、種々の金属酸化物、例えば、限定されないが、Al、Fe、Ca、及びMg酸化物を含み得る。珪藻土は、現時点で当業者に既知の、又は将来明らかになる種々の適切な形態のいずれかを有し得る。
珪藻岩は、商業的に入手できる珪藻土製品であり得る。例えば、珪藻土は、セライト(登録商標)の商品名でImerys Filtration Mineralsから入手できる材料であり得る。
第2の鉱物出発原料は、例えば、40質量%以下の水分を含有し得る。例えば、第2の鉱物出発原料は、約35質量%以下又は約30質量%以下又は約25質量%以下又は約20質量%以下又は約15質量%以下の水分を含み得る。含水量は、例えば、第2の鉱物を、それ以上質量が変化しなくなるまで加熱し、加熱前後の質量を比較することにより、測定し得る。第2の鉱物出発原料は、例えば、約0質量%以上の水分を含み得る。例えば、第2の鉱物は、約4質量%以上又は約5質量%以上又は約10質量%以上又は約15質量%以上の水分を含み得る。これは、例えば、ASTM D2216-10質量による土壌及び岩石の含水量の実験室測定のための標準試験法により測定し得る。
【0016】
特定の実施形態では、スメクタイト鉱物及び/又は第2の鉱物は、モーラーである。モーラーは、主に珪藻土及びスメクタイト鉱物ベントナイトを含む天然の複合材料である。従って、モーラーは、本明細書で記載の組成物のスメクタイト鉱物及び第2の鉱物成分の両方を提供し得る。従って、用語の「スメクタイト鉱物」及び「珪藻土」の両方は、モーラーを包含する。特定の実施形態では、モーラーを含む組成物は、追加のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、例えば、ベントナイトなどの追加のスメクタイト鉱物を更に含む。
本発明の特定の実施形態で使用される鉱物が天然源から得られる場合、いくつかの鉱物不純物が粉砕材料に必然的に混入することになる。しかし、一般に、各鉱物成分は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満の他の鉱物不純物を含むのが好ましい。
【0017】
スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、それが本明細書で記載の組成物の他の成分と組み合わされる前又は後で所望粒径を得るために処理され得る。処理は、例えば、圧潰、磨砕、粉砕及び/又は篩分けを含む。
本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約30μm以上のd90を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約40μm以上又は約50μm以上又は約60μm以上又は約70μm以上又は約80μm以上のd90を有し得る。本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約150μm以下のd90を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約140μm以下又は約130μm以下又は約120μm以下のd90を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約30μm~約150μm、例えば、約50μm~約140μm、例えば、約60μm~約120μmの範囲のd90を有し得る。
本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約5μm以上のd50を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約10μm以上又は約15μm以上のd50を有し得る。本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約60μm以下のd50を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約55μm以下又は約50μm以下又は約45μm以下又は約40μm以下又は約35μm以下又は約30μm以下のd50を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約5μm~約60μm、例えば、約10μm~約50μm、例えば、約15μm~約40μmの範囲のd50を有し得る。
本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約0.1μm以上のd10を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約0.5μm以上又は約1μm以上又は約1.5μm以上又は約2μm以上のd10を有し得る。本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約10μm以下のd10を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約8μm以下又は約6μm以下又は約5μm以下のd10を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約0.1μm~約10μm、例えば、約1μm~約8μm、例えば、約2μm~約6μmの範囲のd10を有し得る。
【0018】
本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、約10μm以上のd90を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約20μm以上又は約30μm以上又は約40μm以上又は約50μm以上又は約60μm以上又は約70μm以上又は約80μm以上のd90を有し得る。本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、例えば、約150μm以下のd90を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約140μm以下又は約130μm以下又は約120μm以下のd90を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約10μm~約150μm、例えば、約50μm~約140μm、例えば、約60μm~約120μmの範囲のd90を有し得る。
本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、約6μm以上のd50を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約10μm以上又は約15μm以上又は約20μm以上のd50を有し得る。本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、例えば、約100μm以下のd50を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約90μm以下又は約80μm以下又は約70μm以下又は約60μm以下又は約50μm以下又は約40μm以下又は約30μm以下のd50を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約6μm~約100μm、例えば、約10μm~約80μm、例えば、約10μm~約60μm、例えば、約10μm~約50μm、例えば、約15μm~約40μmの範囲のd50を有し得る。
本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、約2μm以上のd10を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約5μm以上又は約10μm以上のd10を有し得る。本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、例えば、約35μm以下のd10を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約30μm以下又は約25μm以下又は約20μm以下のd10を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約2μm~約35μm、例えば、約5μm~約25μm、例えば、約5μm~約20μmの範囲のd10を有し得る。
【0019】
本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約40m2/g以上の比表面積(SSA)を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約50m2/g以上又は約60m2/g以上又は約70m2/g以上又は約80m2/g以上又は約90m2/g以上又は約100m2/g以上又は約110m2/g以上又は約120m2/g以上又は約130m2/g以上又は約140m2/g以上又は約150m2/g以上のSSAを有し得る。本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約300m2/g以下のSSAを有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約280m2/g以下又は約260m2/g以下又は約250m2/g以下又は約240m2/g以下又は約220m2/g以下又は約200m2/g以下のSSAを有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約40m2/g~約300m2/g、例えば、約50m2/g~約250m2/g、例えば、約100m2/g~約250m2/g、例えば、約120m2/g~約220m2/gの範囲のSSAを有し得る。
本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、約2m2/g以上の比表面積(SSA)を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約5m2/g以上又は約10m2/g以上又は約20m2/g以上又は約30m2/g以上又は約40m2/g以上又は約50m2/g以上又は約60m2/g以上又は約70m2/g以上又は約80m2/g以上又は約90m2/g以上又は約100m2/g以上のSSAを有し得る。本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、例えば、約300m2/g以下のSSAを有し得る。例えば、第2の鉱物は、約280m2/g以下又は約260m2/g以下又は約250m2/g以下又は約240m2/g以下又は約220m2/g以下又は約200m2/g以下のSSAを有し得る。例えば、第2の鉱物は、約2m2/g~約300m2/g、例えば、約10m2/g~約250m2/g、例えば、約50m2/g~約250m2/g、例えば、約100m2/g~約220m2/gの範囲のSSAを有し得る。
【0020】
本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約0.1cm3/g以上の細孔容積を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約0.2cm3/g以上又は約0.3cm3/g以上又は約0.4cm3/g以上の細孔容積を有し得る。本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約0.9cm3/g以下の細孔容積を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約0.8cm3/g以下又は約0.7cm3/g以下又は約0.6cm3/g以下又は約0.5cm3/g以下又は約0.4cm3/g以下の細孔容積を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約0.1cm3/g~約0.9cm3/g、例えば、約0.2cm3/g~約0.7cm3/g、例えば、約0.3cm3/g~約0.5cm3/g、例えば、約0.35cm3/g~約0.45cm3/gの範囲の細孔容積を有し得る。
本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、約0.001cm3/g以上の細孔容積を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、約0.01cm3/g以上又は約0.1cm3/g以上又は約0.2cm3/g以上又は約0.3cm3/g以上又は約0.4cm3/g以上の細孔容積を有し得る。本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、例えば、約0.9cm3/g以下の細孔容積を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、約0.8cm3/g以下又は約0.7cm3/g以下又は約0.6cm3/g以下又は約0.5cm3/g以下の細孔容積を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、約0.001cm3/g~約0.9cm3/g、例えば、約0.01cm3/g~約0.9cm3/g、例えば、約0.1cm3/g~約0.8cm3/g、例えば、約0.2cm3/g~約0.8cm3/g、例えば、約0.3cm3/g~約0.6cm3/gの範囲の細孔容積を有し得る。
【0021】
本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約2nm以上の平均細孔径を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約10nm以上又は約50nm以上又は約100nm以上又は約150nm以上の平均細孔径を有し得る。本明細書で記載の組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、約400nm以下の平均細孔径を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約380nm以下又は約360nm以下又は約350nm以下の平均細孔径を有し得る。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、約2nm~約400nm、例えば、約50nm~約380nm、例えば、約100nm~約350nmの範囲の平均細孔径を有し得る。
本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物(例えば、珪藻土)は、例えば、約2nm以上の平均細孔径を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約10nm以上又は約50nm以上又は約100nm以上又は約150nm以上の平均細孔径を有し得る。本明細書で記載の組成物中の第2の鉱物は、例えば、約25μm以下の平均細孔径を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約20μm以下又は約10μm以下又は約1μm以下又は約500nm以下又は約400nm以下の平均細孔径を有し得る。例えば、第2の鉱物は、約2nm~約25μm、例えば、約50nm~約10μm、例えば、約100nm~約1μmの範囲の平均細孔径を有し得る。
【0022】
本明細書で記載の組成物は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種の表面上に分散された合成非晶質シリカを含む。特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の両方の表面上に分散される。
用語の「合成非晶質シリカ」は、天然に存在せず、結晶質ではないシリカを意味する。合成非晶質シリカは、通常ケイ酸を伴う沈殿反応から形成され得る。特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物で使用される合成非晶質シリカ(例えば、シリカゲル)は、吸着剤である。特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物で使用される合成非晶質シリカ(例えば、シリカゲル)は、結合剤ではない。
特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、85℃より高い温度及びアルカリ性条件(例えば、約9~約11の範囲のpH)下で形成され得る。一次粒子は急速に成長し、約100nmの直径を有する。その後、これらの粒子は、綿状沈殿により凝集する。これは、沈殿シリカと呼ばれ得る。
特定の実施形態では、合成非晶質シリカは、単量体ケイ酸の重合により3Dゲル構造を形成することにより形成され得る。この材料は、「シリカゲル」と呼ばれることもある。シリカゲルは通常、シリケート溶液及び酸、例えば、鉱酸を含む湿式沈殿工程で形成される。従って、特定の実施形態では、合成非晶質シリカはシリカゲルである。シリカゲルは通常、他の合成非晶質シリカより多孔質の構造及びより高い内部表面積を有する。
特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物は、合成非晶質シリカの遊離粒子を更に含む。「遊離」は、その粒子がスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物又は第2の鉱物の表面上に分散されておらず、鉱物粒子と全く結合されていないことを意味する。遊離粒子は、例えば、鉱物の表面上に分散される合成非晶質シリカと同時に形成され得るか、又は別々に添加され得る。合成非晶質シリカの遊離粒子は、例えば、凝集して、より大きな粒子を形成し得る。遊離シリカゲル粒子及びその凝集体は、例えば、約50μm以下のd99(示した値未満の粒径を有する粒子が99体積%を占める)を有し得る。例えば、遊離シリカゲル粒子及びその凝集体は、約40μm以下、例えば、約30μm以下、例えば、約20μm以下のd99を有し得る。
【0023】
本明細書で記載の組成物の種々の成分は、任意の好適な量及び比率、例えば、合計で100質量%に達するような任意の好適な量及び比率で組み合わせ得る。
特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物は、約50質量%以上のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を含み得る。例えば、組成物は、約55質量%以上又は約60質量%以上又は約65質量%以上又は約70質量%以上又は約75質量%以上のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物は、約98質量%以下のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を含み得る。例えば、組成物は、約95質量%以下又は約90質量%以下又は約85質量%以下又は約80質量%以下のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を含み得る。例えば、組成物は、約50質量%~約98質量%、例えば、約60質量%~約97質量%、例えば、約70質量%~約95質量%、例えば、約70質量%~約90質量%のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を含み得る。
特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物は、約1質量%以上の第2の鉱物を含む。例えば、組成物は、約5質量%以上又は約10質量%以上又は約15質量%以上又は約20質量%以上の第2の鉱物を含み得る。特定の実施形態では、組成物は、約40質量%以下の第2の鉱物を含む。例えば、組成物は、約35質量%以下又は約30質量%以下又は約25質量%以下の第2の鉱物を含み得る。例えば、組成物は、約1質量%~約40質量%、例えば、約1質量%~約35質量%、例えば、約5質量%~約30質量%、例えば、約15質量%~約25質量%の第2の鉱物を含み得る。
特定の実施形態では、本明細書で記載の組成物は、約1質量%以上の合成非晶質シリカを含む。例えば、組成物は、約2質量%以上又は約3質量%以上又は約4質量%以上又は約5質量%以上の合成非晶質シリカを含み得る。特定の実施形態では、組成物は、約15質量%以下の合成非晶質シリカを含む。例えば、組成物は、約12質量%以下又は約10質量%以下又は約8質量%以下の合成非晶質シリカを含み得る。例えば、組成物は、約1質量%~約15質量%、例えば、約1質量%~約10質量%、例えば、約2質量%~約10質量%、例えば、約5質量%~約12質量%の合成非晶質シリカを含み得る。
【0024】
組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の第2の鉱物に対する質量比は、例えば、約20:1~約1:1の範囲であり得る。例えば、組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の第2の鉱物に対する質量比は、約15:1~約1:1又は約12:1~約1:1又は約20:1~約2:1又は約15:1~約2:1又は約12:1~約2:1又は約20:1~約5:1又は約15:1~約5:1又は約12:1~約5:1又は約20:1~約10:1又は約15:1~約10:1の範囲であり得る。
【0025】
本明細書で記載の組成物は、例えば、所望粒径を得るために処理され得る。処理は、例えば、圧潰、磨砕、粉砕及び/又は篩分けを含む。
特定の実施形態では、組成物中の少なくとも約60質量%の粒子が、約75μm以下である。例えば、組成物中の、少なくとも約65質量%又は少なくとも約70質量%又は少なくとも約75質量%又は少なくとも約80質量%又は少なくとも約85質量%又は少なくとも約90質量%又は少なくとも約95質量%の粒子が、約75μm以下であり得る。例えば、組成物中の最大100質量%の粒子が、約75μm以下であり得る。例えば、組成物中の最大約99質量%又は最大約98質量%又は最大約97質量%の粒子が、約75μm以下であり得る。例えば、組成物中の約60質量%~約100質量%、又は約70質量%~約100質量%、又は約80質量%~約99質量%の粒子が、約75μm以下であり得る。
特定の実施形態では、組成物は、約60μm以下のd50を有する。例えば、組成物は、約55μm以下又は約50μm以下又は約45μm以下又は約40μm以下又は約35μm以下又は約30μm以下のd50を有し得る。特定の実施形態では、組成物は、約10μm以上のd50を有する。例えば、組成物は、約15μm以上又は約20μm以上又は約25μm以上のd50を有し得る。例えば、組成物は、約10μm~約60μm、例えば、約15μm~約50μm、例えば、約20μm~約40μmの範囲のd50を有し得る。
特定の実施形態では、組成物は、約150μm以下のd90を有する。例えば、組成物は、約140μm以下又は約130μm以下又は約120μm以下のd90を有し得る。特定の実施形態では、組成物は、約40μm以上のd90を有する。例えば、組成物は、約50μm以上又は約60μm以上又は約70μm以上、又は約80μm以上のd90を有し得る。例えば、組成物は、約40μm~約150μm、例えば、約50μm~約140μm、例えば、約60μm~約130μm、例えば、約70μm~約120μmの範囲のd90を有し得る。
特定の実施形態では、組成物は、約10μm以下のd10を有する。例えば、組成物は、約9μm以下又は約8μm以下又は約7μm以下又は約6μm以下のd10を有し得る。特定の実施形態では、組成物は、約1μm以上のd10を有する。例えば、組成物は、約2μm以上又は約3μm以上又は約4μm以上のd10を有し得る。例えば、組成物は、約1μm~約10μm、例えば、約2μm~約8μm、例えば、約4μm~約6μmの範囲のd10を有し得る。
本明細書で言及される粒径特性は、500μmより小さい粒子のためのCILAS(Compagnie lndustrielle des Lasers)1090測定器を用いて、レーザー光粒径分析によるよく知られた方法で測定される。この技術では、粉末、懸濁液及び乳剤中粒径が、フラウンホーファー又はミー理論の適用に基づくレーザービーム回折を用いて測定され得る。粒子は、空気又は水又はべつの溶媒流中に分散される。レーザービームが分散した微粒子試料を通過する際の、光散乱の強度の角度変動を測定する。次に、角散乱強度データを分析して、散乱パターンの生成に関与する粒子の粒径を計算する。本明細書で使われる用語の「平均粒径」又は「d50」は、このように決定された、存在する粒子の50質量%がd50値未満の直径を有するときの粒径の値である。用語の「d90」は、存在する粒子の90質量%がd90値未満の直径を有するときの粒径の値である。CILAS1090測定器は通常、小数点以下2桁までの粒径データを与え、本発明の要求が満たされるか、又は実質的に同じ結果を与える他の方法によるかを決定する際に、端数は切り上げられるか、又は切り捨てられる。500μmより大きい粒子については、粒径は篩分けにより測定される。
【0026】
本明細書で記載の組成物は、例えば、約0質量%~約25質量%、例えば、約0質量%~約20質量%、例えば、約0質量%~約15質量%、例えば、約0質量%~約10質量%、例えば、約0質量%~約5質量%の範囲の含水量を有し得る。本明細書で記載の組成物の各成分は、乾燥ステップ(例えば、個別に又は組成物全体として)に供され、この範囲の含水量を有する最終組成物が得られ得る。
【0027】
本明細書で記載の組成物は、例えば、約100m2/g以上の比表面積(SSA)を有し得る。例えば、組成物は、約120m2/g以上又は約140m2/g以上又は約150m2/g以上又は約160m2/g以上又は約180m2/g以上又は約200m2/g以上のSSAを有し得る。本明細書で記載の組成物は、例えば、約400m2/g以下のSSAを有し得る。例えば、組成物は、約380m2/g以下又は約360m2/g以下又は約350m2/g以下又は約340m2/g以下又は約320m2/g以下又は約300m2/g以下又は約280m2/g以下又は約260m2/g以下又は約250m2/g以下のSSAを有し得る。例えば、組成物は、約100m2/g~約400m2/g、約150m2/g~約350m2/g、約200m2/g~約300m2/gの範囲のSSAを有し得る。
別に定める場合を除き、本明細書で記載の組成物及び組成物の個別の成分(すなわち、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、第2の鉱物、及び合成非晶質シリカ)の表面積は、窒素吸着(BET)法により測定される。BET表面積は、Brunauer et al.,J.Am.Chem.Soc.,60,p309,1938に記載の方法により測定し得る。この文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。細孔径が400nmより大きい場合の表面積及び細孔寸法を測定する別の方法は、水銀圧入型ポロシメーター(MIP)による方法である。MIPの原理によると、必要とされる平衡化圧力は、細孔の寸法に反比例する。大きなマクロポア中に水銀を押し込むためには低い圧力しか必要でなく、一方、小さい細孔中に水銀を押し込むためにははるかに大きな圧力が必要とされる。水銀ポロシメトリー分析は、厳密に制御された圧力下で水銀の多孔質構造中への漸進的侵入である。圧力対侵入データから、測定器は、Washburnの式を用いて、体積及び粒度分布を生成する(www.micromeritics.com)。
【0028】
本明細書で記載の組成物は、例えば、約0.05cm3/g以上の細孔容積を有し得る。例えば、組成物は、約0.1cm3/g以上又は約0.15cm3/g以上又は約0.2cm3/g以上又は約0.25cm3/g以上又は約0.3cm3/g以上の細孔容積を有し得る。本明細書で記載の組成物は、例えば、約0.9cm3/g以下の細孔容積を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物は、約0.85cm3/g以下又は約0.8cm3/g以下又は約0.75cm3/g以下又は約0.7cm3/g以下又は約0.65cm3/g以下又は約0.6cm3/g以下又は約0.55cm3/g以下又は約0.5cm3/g以下の細孔容積を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物は、約0.05cm3/g~約0.9cm3/g又は約0.1cm3/g~約0.5cm3/gの範囲の細孔容積を有し得る。
【0029】
本明細書で記載の組成物は、例えば、約20nm以上の平均細孔径を有し得る。例えば、組成物は、約30nm以上又は約40nm以上又は約50nm以上又は約60nm以上又は約70nm以上又は約80nm以上の平均細孔径を有し得る。本明細書で記載の組成物は、例えば、約200nm以下の平均細孔径を有し得る。例えば、組成物は、約190nm以下又は約180nm以下又は約170nm以下又は約160nm以下又は約150nm以下の平均細孔径を有し得る。例えば、組成物は、約20nm~約200nm又は約50nm~約150nmの範囲の平均細孔径を有し得る。
細孔径特性(例えば、細孔容積及び平均細孔径)は、円筒形状の仮定(4V/A)を用いて測定され、これは、BJH(Barrett-Joyner-Halenda)モデルの一部である。BJHモデルは、BET表面積計算(BET法、AFNOR標準X11-621及び622又はISO9277)に使用したのと同じN2吸収等温線から誘導される。BJHモデルは、Barrett et al.,Am.Chem.Soc.,73(1951年),373-380、に記載されている。この文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、Micromeritics TRISTAR 3000,Micromeritics VACPREP 061、又はSorptomatic 1990 Fisons測定器を使用し得る。試料は、例えば、オーブン中105℃で一晩脱気し、続けて、窒素流下で180℃で30分間加熱し、窒素流下で30分間冷却、又は窒素流下、120℃で5時間加熱し得る。等温線は、例えば、0.05~0.98の範囲の相対的圧力P/P0に対し測定し得る。平均細孔径は細孔径を意味する。細孔容積は累積性であり、1.7~50nmの細孔寸法に対する脱着枝のBJHにより得られる。
【0030】
本明細書で記載の組成物は、例えば、約0.01ダーシー以上の濾過性を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物は、約0.02ダーシー以上又は約0.03ダーシー以上又は約0.04ダーシー以上又は約0.05ダーシー以上の濾過性を有し得る。本明細書で記載の組成物は、例えば、約4ダーシー以下の濾過性を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物は、約3ダーシー以下又は約2ダーシー以下又は約1ダーシー以下の濾過性を有し得る。例えば、本明細書で記載の組成物は、約0.01ダーシー~約4ダーシー、例えば、約0.02ダーシー~約2ダーシー、例えば、約0.03ダーシー~約1ダーシーの範囲の濾過性を有し得る。
濾過性は透過性に関連し、この透過性は、組成物材料の水中懸濁液からセプタム上に濾過ケーキを形成し、次に、測定された厚さの既知の断面積の濾過ケーキを指定体積の水が通過するのに要した時間を測定するように設計された装置を用いて測定される。例えば、透過性は、1cm高さ及び1cm2の断面の多孔性の組成物材料を通して、1気圧の印加圧力差下で1mPa・sの粘度の流体を1cm3/秒の流速で流して測定され得る。濾過性測定の原理は、多孔質媒体に対し、ダーシーの法則(例えば、J.Bear,“The Equation of Motion of a Homogeneous Fluid:Derivations of Darcy’s Law”,in Dynamics of Fluids in Porous Media 161-177(2nd ed.1988年)を参照されたい)から以前に誘導されている。
【0031】
鉱物組成物の製造方法
組成物の製造方法も本明細書で提供され、該方法は、合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物の表面上に分散されるように、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種上に合成非晶質シリカを形成することを含む。
特定の実施形態では、方法は、合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物の表面上に分散されるように、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種上に合成非晶質シリカを沈殿させることを含む。
組成物及びその成分に関連して上記で特定した詳細は、本明細書記載の方法に適用可能であり得る。特に、本明細書記載の方法で製造された組成物は、本明細書で記載のいずれかの態様又は実施形態に基づく組成物である。
特定の実施形態では、方法は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の両方の表面上に合成非晶質シリカを形成することを含む。
特定の実施形態では、方法は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の表面上に合成非晶質シリカを形成することを含む。方法は、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有するスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を第2の鉱物と組み合わせることを更に含み得る。第2の鉱物は、例えば、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有し得る。
特定の実施形態では、方法は、第2の鉱物の表面上に合成非晶質シリカを形成することを含む。方法は、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有する第2の鉱物を、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物と組み合わせることを更に含み得る。スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物は、例えば、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有し得る。
【0032】
特定の実施形態では、方法は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物を、酸と混合することを含む。これは、例えば、酸処理鉱物を生じ得る。鉱物は、例えば、鉱物がシリケートと混合される前に、酸と混合され得る。例えば、鉱物が酸と混合され、その後、十分な一定期間、例えば、約30分~約7日間にわたり、例えば、約3時間~約6時間にわたり鉱物粒子を酸と反応させ得る。鉱物及び酸混合物は、例えば、周囲温度で放置され得るか、あるいは約100℃まで、例えば、約70℃まで加熱され得る。
酸は、例えば、有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、クエン酸)又は鉱酸(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸)であり得る。酸は、例えば、硫酸又は塩酸であり得る。酸は、例えば、強酸(水溶液中で完全に解離する酸)であり得る。酸は、例えば、約5N以上の濃度を有し得る。例えば、酸は、約6N以上又は約7N以上又は約8N以上又は約9N以上又は約10N以上の濃度を有し得る。酸は、例えば、約30N以下の濃度を有し得る。例えば、酸は、約28N以下又は約26N以下又は約25N以下又は約24N以下又は約22N以下又は約20N以下の濃度を有し得る。例えば、酸は、約5N~約30N又は約6N~約25N又は約7N~約20N又は約8N~約15Nの範囲の濃度を有し得る。
特定の実施形態では、方法は、酸とシリケートを混合することを含む。
【0033】
特定の実施形態では、方法は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物を、シリケート、例えば、シリケート溶液と混合することを含む。シリケートは、例えば、メタシリケート、オルトシリケート、又はパイロシリケートであり得る。シリケートは、例えば、アルカリ金属シリケート(例えば、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ルビジウム、ケイ酸セシウム、又はケイ酸フランシウム)であり得る。シリケートは、例えば、式(xM2ySiO2)・(nH2O)を有し得、式中、Mはナトリウム、カリウム、又はリチウムであり、xは1~3、yは1~3、及びnは0~10である。例えば、シリケートは、ケイ酸ナトリウムであり、水ガラス(Na2ySiO2)・(nH2O)とも呼ばれる。
代わりに又は追加して、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物は、非晶質シリカを含み、鉱物中の非晶質シリカは、アルカリと反応してシリケートを形成する。アルカリは、例えば、水酸化物であり得る。アルカリは、例えば、水酸化ナトリウムであり得る。シリケートは、1種又は複数の鉱物中の非晶質シリカをアルカリと反応させることにより形成させる場合、方法は、酸及び/又はスメクタイト、パリゴルスカイト、セピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物を追加のシリケートと混合することを更に含んでも含まなくてもよい。
特定の実施形態では、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物は、約2質量%以上の非晶質シリカ相を含む。追加のシリケートが添加されない場合、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物は、約5質量%以上の非晶質シリカ相、例えば、約10質量%以上又は約15質量%以上の非晶質シリカ相を含み得る。特定の実施形態では、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物は、約30質量%以下の非晶質シリカ相、例えば、約25質量%以下の非晶質シリカ相を含む。例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物は、約5質量%~約30質量%又は約10質量%~約25質量%の非晶質シリカ相を含み得る。
【0034】
理論に束縛されることを意図するものではないが、酸及びシリケートの反応は、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物の表面上に分散された合成非晶質シリカを形成すると考えられている。酸及びシリケートの反応は、酸性条件下で起こり得る。換言すれば、シリケートは、鉱物及び酸と、得られる組成物のpHが酸性であるような量で混合され得る。例えば、酸及びシリケートの反応は、約1.5以上、例えば、約2以上、例えば、約2.5以上、例えば、約3以上又は約3.5以上又は約4以上のpHで起こり得る。例えば、酸及びシリケートの反応は、約2.5~約7、又は約3~約6.5、又は約3.5~約6の範囲のpHで起こり得る。
酸及びシリケートの反応は、例えば、約85℃以下の温度で起こり得る。例えば、酸及びシリケートの反応は、約80℃以下又は約70℃以下又は約60℃以下又は約50℃以下又は40℃以下又は約35℃以下又は約30℃以下又は約25℃以下の温度で起こり得る。酸及びシリケートの反応は、例えば、約10℃以上の温度で起こり得る。例えば、酸及びシリケートの反応は、約10℃~約85℃、例えば、約10℃~約60℃、例えば、約10℃~約40℃、例えば、約10℃~約30℃、例えば、約10℃~約25℃の範囲の温度で起こり得る。
酸は、例えば、シリケートの前又は後で、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物と混合され得る。あるいは、酸及びシリケートは、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物と同時に混合され得る。シリケートが鉱物中の非晶質シリカ相のアルカリとの反応により形成される場合、酸は、シリケートの後で、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物と混合され得る。追加の酸及びシリケートは、酸及びシリケートとスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物との初期の混合の後で、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物と混合され得る。
【0035】
鉱物の総量(g単位の質量)の酸(mL単位の体積)に対する比率は、例えば、5:1以下であり得る。例えば、鉱物(g)の酸(mL)に対する比率は、約4:1以下又は約3:1以下又は約2:1以下又は約1:1以下であり得る。鉱物の酸に対する比率は、例えば、約0.1:1以上、例えば、約0.5:1以上であり得る。鉱物の酸に対する比率は、例えば、約0.5:1~約2:1、例えば、約0.5:1~約1.5:1の範囲であり得る。
鉱物の総量(g単位の質量)のシリケート(g単位の質量)に対する比率は、例えば、20:1以下であり得る。例えば、鉱物のシリケートに対する比率は、約15:1以下又は約10:1以下又は約5:1以下であり得る。鉱物のシリケートに対する比率は、例えば、約1:1以上、例えば、約2:1以上であり得る。鉱物のシリケートに対する比率は、例えば、約1:1~約20:1、例えば、約2:1~約5:1の範囲であり得る。
【0036】
鉱物は、例えば、酸及び/又はシリケート及び/又は他の鉱物を含む任意のその他の成分と、例えば、押し出し及び/又は混練又は乳鉢混合機などの任意の他の種類の混合法を用いて混合することにより組み合わせられ得る。鉱物は、例えば、酸及び/又はシリケートの溶液を噴霧することにより酸及び/又はシリケート及び/又は他の任意の成分と組み合わせられ得る。
方法は、例えば、1回又は複数の洗浄ステップを含み得る。例えば、鉱物は、酸との反応後で、シリケートとの反応の前に、水で洗浄され得る。代わりに又は追加して、鉱物は、酸及びシリケートとの反応の後に、水で洗浄され得る。洗浄ステップは、例えば、酸性廃棄物を生じ、これは、例えば、工程中で再度使用できるように、リサイクルされ得る。例えば、洗浄ステップは、例えば、反応混合物のpHが、約2以上又は2.5以上又は3以上又は3.5以上又は4以上となるように、反応混合物のpHを高めるのを支援し得る。
【0037】
合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物の表面上に分散されるように形成された後で、生成物は、1種又は複数のさらなる成分(例えば、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物又は任意のさらなる鉱物もしくは追加の合成非晶質シリカ)と組み合わせられ得、例えば、混合することにより混ぜ合わされ得る。
生成物は次に、乾燥され、含水量が約25質量%以下になり得る。例えば、生成物は乾燥され、含水量が約20質量%以下又は約15質量%以下又は約10質量%以下又は約8質量%以下又は約6質量%以下又は約5質量%以下又は約4質量%以下又は約2質量%以下又は約1質量%以下になり得る。生成物は、例えば、乾燥され、含水量が約0質量%以上になり得る。生成物は、例えば、か焼され得る。
生成物は、例えば、所望粒径を得るために粉砕され得る。
【0038】
鉱物組成物の使用
本明細書で記載され、本明細書記載の方法により製造された鉱物組成物は、例えば、液体の精製に使用され得る。例えば、鉱物組成物は、液体の漂白及び/又は濾過に使用され得る。
液体は、例えば、油などの非水性液体であり得る。油は、例えば、食用油、工業油、又はバイオディーゼル油であり得る。食用油は、例えば、キャノーラ油、大豆油、ひまわり油、トウモロコシ油、オリーブ油、魚油、又はこれらの1種又は複数の組み合わせであり得る。
【実施例
【0039】
実施例1
出発原料は、カルシウムベントナイト(カルシウムモンモリロナイト又はCa-M)である。顆粒状カルシウムベントナイト(天然の含水量:約27%~約35%)に、固体/液体比率参考値1:0.85又は更に低い比率(例えば、1:1又は1:1.2)で、H2SO4又はHClなどの鉱酸の高度濃縮溶液(約7N~約12N)が振りかけられる。次に、プラスチックペーストを押し出して、周囲温度で十分な時間にわたり放置して、酸を粘度粒子と反応させる。あるいは、100℃までの加熱を適用し得る。その後、以降では、(xM2ySiO2)・(nH2O)(M=Na、K、又はLi)と呼ぶ、水ガラス液体を酸成熟ベントナイトに加え、(xM2ySiO2)・(nH2O)が可能な限り多くの粘土粒子に到達するように、混合物を再度押し出すか、又はパンローラーミル又は類似装置中で十分に混合及び混練する。多量の液体(xM2ySiO2)・(nH2O)が添加され、それにより、ペーストが極めて濃い粘稠なスラリーになる。最終段階では、中和された生成物(ペースト又は濃いスラリー)が十分な時間にわたる成熟のために貯蔵される。添加するアルカリ性化合物の量は、最終材料のpHが2.5以上になるように調節される。この生成物は(A)と命名される。次に、(A)を、既にシリカゲルでコートされている珪藻岩(DE)と混合する。これを(B)と命名する。(A)と(B)の混合物を乾燥して、約5~約20%の含水量にし、粒子の80%(質量/質量)が75ミクロン未満になるように、粉砕する。これを、「半乾燥」工程と呼び得る。
【0040】
上記工程の変形例では、生成物(A)を水で洗い流してpHを2.5超に高め、スラリーを濃縮タンク中で沈殿させる。沈殿物をその後濾過し、2.5を超えるpHの生成物(A)を得る一方で、酸性廃棄物(新しい鉱酸に富む)は、初期噴霧によるCa-Mの新しい流入バッチの予備活性化に使用される。
上記工程の別の変形例では、ベントナイトペースト剤の酸成熟後、及び(xM2ySiO2)・(nH2O)の添加前に、洗浄を行う。この場合、(xM2ySiO2)・(nH2O)の添加前のpHは3未満で、約0.5~約2.5の範囲にある。酸性廃棄物は、初期噴霧によるCa-Mの新しい流入バッチの予備活性化に再度使用される。
この方法の別の変形例では、ベントナイトが、例えば、80%の粒子が75μmより小さい粒径の粉砕形態で、又は顆粒状と粉砕形態の組み合わせで、添加される。
実施例1で使用した方法の概略図を図1に示す。本発明による生成物は、この方法で製造され得る。
【0041】
実施例2
出発原料は、一定量の非晶質シリカ相を含むカルシウムベントナイトである(例えば、実施例1で使用された出発原料に比べて、より多量の非晶質シリカ相及びより少ない結晶相を含む)。約27%~約35%の天然含水量の顆粒状カルシウムベントナイトを、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液と数時間混合し、非晶質シリカ相を(xM2ySiO2)・(nH2O)(MはNa、K、又はLi)及びコロイド状Al(OH)3に変換する。商業的に入手できる(xM2ySiO2)・(nH2O)は外部から添加されないか、又は必要に応じ、実施例1に記載の方法より少ない量で添加される。従って、生成物(A)は、シリカゲルに加えて、幾分かのシリカ-アルミナゲルを含み得る。この合成経路の次のステップは、実施例1で記載の合成経路に類似であり、酸の添加、及び任意選択で、生成物(A)を形成するためのさらなるシリケートの添加を含む。実施例1に記載の任意の洗浄ステップもまた、実施例2で採用し得る。
実施例2で使用した方法の概略図を図2に示す。本発明による生成物は、この方法で製造され得る。
【0042】
実施例3
出発原料は、珪藻岩(DE)又はモーラー(珪藻類を含むインターカレートモンモリロナイトの天然複合材料)である。DE又はモーラーに、固体/液体比率参考値1:1.3の液体(xM2ySiO2)・(nH2O)(Mは、Na、K、又はLi)を振りかける、又はこれと混合し、液体(xM2ySiO2)・(nH2O)が可能な限り多くの粘土粒子及び珪藻類に到達させるように、ペーストを押し出すか、又はローラーパンミル又は類似装置中で混練する。多量の液体(xM2ySiO2)・(nH2O)が添加され、それにより、ペーストが極めて濃い粘稠なスラリーになる。最終段階では、生成物(ペースト又は濃いスラリー)が任意選択で、十分な時間にわたる成熟のために貯蔵される。次の段階では、約27%~約35%の天然の含水量のCa-M顆粒が、H2SO4又はHClなどの鉱酸の高度濃縮溶液(約7N~約12N)と同時に、DE又はモーラー及び(xM2ySiO2)・(nH2O)複合材料に添加され得る。Ca-Mの鉱酸に対する固体/液体比率は、1:1以下であり得る。1)DE又はモーラー、2)(xM2ySiO2)・(nH2O)、3)任意選択で、カルシウムベントナイト及び4)鉱酸(ペースト又は濃いスラリー)を含む新規複合材料が押し出し、又は混練された後、周囲温度で十分な時間にわたり成熟される。あるいは、複合材料はまた、約40℃~約70℃で少し加熱し得る。この最終段階は、「内因的に形成されたシリカゲルと組み合わせた半乾燥活性化」と呼ばれ得る。成熟後、ペースト剤を約5%~約20%の最終水分に乾燥し、粒子の80%(質量/質量)が75ミクロン未満になるように、粉砕される。
【0043】
この工程の変形例では、追加のシリカゲルが液体(xM2ySiO2)・(nH2O)と一緒に、又は押し出し、又はローラーパンミル中で混合の直後に添加され得る。
この方法の別の変形例では、ベントナイトが、例えば、80%の粒子が75μmより小さい粒径の粉砕形態で、又は顆粒状と粉砕形態の組み合わせで、添加される。
この方法の別の変形例では、酸による成熟後に、ベントナイトが粉砕形態又は顆粒状形態で添加される。例えば、酸がベントナイトと混合され、押し出し又は混練及び最大100℃の温度まで十分な時間加熱される。
この工程の別の変形例では、最終半乾燥/シリカゲル段階から出てくる最終複合材料は、水で洗浄されて、pHが2.5超に上昇し、任意選択で、スラリーは濃縮タンク中で沈殿させられる。沈殿物を濾過し、最終生成物を得ると同時に、酸性廃棄物は、新しい鉱酸で富化され、Ca-Mの新しいバッチの酸性化(予備活性化)に使用される。
上記工程の別の変形例では、最終複合材料は、水分が約0%になるまで乾燥されるか、直ぐにか焼される。
この工程の別の変形例では、出発原料は、DE又はモーラーのみでなく、一定量のCa-Mも同様に含む。
実施例3で使用した方法の概略図を図3に示す。本発明による生成物は、この方法で製造され得る。
【0044】
実施例4~9
評価方法
全ての得られた材料は、4%の材料を100gの油に加え、80℃で30分間撹拌下で加熱し、その後、濾過することにより、物理的に精製されたキャノーラ油の油漂白試験により評価される。吸着剤により保持された油を重量測定法で評価し、油損失(質量%)として表す。
漂白試験後の油の色を、赤及び黄色値として、Tintometer Lovibond Model PFXi 880/F FFAを用いて評価する。材料はまた、Brunaeur-Emmett-Teller(BET)に従って比表面積(SSA)により、及び窒素多孔度測定を使って細孔径分布により特徴付けられた。初期原材料及び得られた吸着剤では、X線蛍光(XRF)による化学的分析を実施し、吸着剤の成分を測定し、ならびに走査電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散分光法(EDS)により吸着剤成分の形態を観察し、吸着剤成分の分析を実施した。
【0045】
実施例4
100gの約10%の含水量の粉砕カルシウムベントナイトを84mLの10Nの濃度の硫酸と共に、混合しながら噴霧した。酸噴霧したベントナイトを水分レベル0%まで乾燥した。22gの約30μmのd90の珪藻土を、28gの液体ナトリウム水ガラス(46%固体、3.6を超える弾性率)と共に噴霧し、完全に混合した。酸噴霧ベントナイト及び200mLの水を加え、一緒に混合して、緩いペーストを生成した。
ペーストを3Lの脱イオン水を複数回に分けて徐々に加えることにより洗浄し、pHが2.9より大きくなるまで遠心処理した。洗浄した固体を10~12%の含水量まで乾燥し、170メッシュに粉砕後評価した。
吸着剤の合成は、73の%酸活性化ベントナイト、6%のシリカゲル及び21%の珪藻土になるように計算した。赤及び黄色値で示される吸収剤の漂白性は、市販品の値と同等であり、特に赤は同等である。油損失は、吸着剤に対し7%低く、これは、市販の材料に比較して、細孔容積(0.39cm3/g)の低下により説明される。SSAは、約220m2/gであり、これは、市販品の範囲内である。
SEM画像(図4)は、数nm~20ミクロンの大きさの濁った粒子として、シリカゲルの存在を示し、特徴的なシェル形態を有する珪藻土粒子及び規則的な形状の酸処理ベントナイト粒子を示す。
【0046】
実施例5
異なるタイプの珪藻土(か焼、約100μmのd90)を用いたこと以外、実施例4と同一手順及び量を使用した。SSAは、許容可能な範囲の220m2/gであり、漂白性は、市販の材料とほぼ同じである。油損失は、細孔容積の減少から予測されるように、16%減少する。この試料の濾過性が測定され、0.05ダーシーであると実測され、これは、商業的に入手できるHPBEに相当する。
【0047】
実施例6
粉砕カルシウムベントナイト(約100μmのd90)を珪藻土の代わりに用いたこと以外、実施例4と同一手順及び量を使用した。漂白性は市販品と類似であるが、同時に油損失が約15%減少した。
【0048】
実施例7
実施例4と同じ手順であるが、23%の固形分を含む、弾性率3.6超の水ガラス溶液を56gの量で使用した。
【0049】
実施例8
実施例4と同じ手順であるが、14gの液体ナトリウム水ガラスを加えた。この場合、漂白性は、市販品と同等である。油損失は、大きくは低減されず、これは、水ガラス溶液のより低い濃度による、シリカゲル沈殿の異なる条件が原因である。
【0050】
比較例9
この実施例では、ベントナイト及び従来の製造方法のみを使用して、市販のタイプの吸着剤を作製した。240gの量の粉砕カルシウムベントナイトを、960gの4Nの濃度の硫酸を含む常圧反応器に加えた。スラリーを90℃加熱下で4時間攪拌した(325rpm)。実験の終わりに、スラリーを濾過し、8Lの脱イオン水を何回かに分けて徐々に加えることにより洗浄し、pHが2.9より大きくなるまで遠心処理した。洗浄した固体を10~12%の含水量まで乾燥し、粉砕(170メッシュ)後評価した。おそらく、異なる原材料の使用が原因と思われる、より高いSSAであることを除き、得られた生成物は、市販の材料にほぼ同一の生成物であった。
【0051】
結果
実施例4~8及び比較例9に記載のようにして作製された材料に関する結果を、下表1に示す。実施例材料を市販の高性能漂白土(Tonsil,Clariant)と比較した。
【表1】
【0052】
実施例4~6の細孔径分布
実施例4~6で作製した吸着剤細孔径分布を、市販のHPBEの細孔径分布と共に、図5に示す。分布曲線下の面積により示される総細孔容積は、市販品に比較して、本出願の吸着剤の場合により低い。これは、吸着剤のより小さい細孔容積は、漂白工程中でその体積中の吸着剤により保持される油の量がより少なくなり、結果的により少ない油損失%になるので、油損失値と一致する。
【0053】
液体廃棄物
液体廃棄物の量を実施例の方法及び比較例について計算した。実施例4~8では、約3.2Lの液体廃棄物が生成されるが、比較例9(すなわち、従来の方法によるもの)では、約8.8Lの量の液体廃棄物が生成された。これは、実施例4~8では、液体酸性廃棄物が47%少ない利点があることを意味する。
【0054】
次の番号を付した項目は、本発明の特定の実施形態を定める。
1.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、
第2の鉱物、及び
合成非晶質シリカ、
を含む組成物であって、
合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種の表面上に分散されている、組成物。
2.合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の両方の表面上に分散される、項目1に記載の組成物。
3.合成非晶質シリカが、シリカゲルである、項目1又は2に記載の組成物。
4.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、スメクタイト鉱物、例えば、ベントナイトである、項目1~3のいずれかに記載の組成物。
5.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、酸処理されたスメクタイト鉱物、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物である、項目1~4のいずれかに記載の組成物。
6.第2の鉱物が、珪藻土、パーライト、モーラー、カオリン、タルク、又はこれらの1種又は複数の任意の組み合わせからなる群より選択される、項目1~5のいずれかに記載の組成物。
7.第2の鉱物が珪藻土である、項目1~6のいずれかに記載の組成物。
8.スメクタイト鉱物及び第2の鉱物がモーラーである、項目1~7のいずれかに記載の組成物。
9.組成物中の少なくとも約60質量%の粒子が75μm以下であり、及び/又は
組成物が約10μm~約60μmの範囲のd50を有し、及び/又は
組成物が約40μm~約150μmの範囲のd90を有し、及び/又は
組成物が約1μm~約10μmの範囲のd10を有する、
項目1~8のいずれかに記載の組成物。
10.約0質量%~約25質量%の範囲の含水量を有する、項目1~9のいずれかに記載の組成物。
11.約60質量%~約98質量%のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は
約1質量%~約35質量%の第2の鉱物、及び/又は
約1質量%~約15質量%の合成非晶質シリカ
を含む、項目1~10のいずれかに記載の組成物。
12.組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の第2の鉱物に対する比率が、約20:1~約1:1、例えば、約10:1~約2:1の範囲である、項目1~11のいずれかに記載の組成物。
13.約100m2/g以上、例えば、約200m2/g以上の比表面積(SSA)を有する、項目1~12のいずれかに記載の組成物。
14.約400m2/g以下、例えば、約300m2/g以下の比表面積(SSA)を有する、項目1~13のいずれかに記載の組成物。
15.約0.9m3/g以下、例えば、約0.5m3/g以下の細孔容積を有する、項目1~14のいずれかに記載の組成物。
16.約0.05m3/g以上、例えば、約0.1m3/g以上の細孔容積を有する、項目1~15のいずれかに記載の組成物。
17.約30nm~約200nmの範囲の平均細孔径を有する、項目1~16のいずれかに記載の組成物。
18.約0.01ダーシー以上、例えば、約0.04ダーシー以上の濾過性を有する、項目1~17のいずれかに記載の組成物。
19.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、
約30μm~約150μmの範囲のd90を有する、及び/又は
約5μm~約60μmの範囲のd50を有する、及び/又は
約0.1μm~約10μmの範囲のd10を有する、
項目1~18のいずれかに記載の組成物。
20.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、
約50m2/g~約300m2/gの範囲の比表面積(SSA)を有する、及び/又は
約0.2cm3/g~約0.9cm3/gの範囲の細孔容積を有する、及び/又は
約3nm~約400nmの範囲の平均細孔径を有する、
項目1~19のいずれかに記載の組成物。
21.第2の鉱物が、
約10μm~約150μmの範囲のd90を有する、及び/又は
約6μm~約100μmの範囲のd50を有する、及び/又は
約2μm~約35μmの範囲のd10を有する、
項目1~20のいずれかに記載の組成物。
22.第2の鉱物が、
約2m2/g~約300m2/gの範囲の比表面積(SSA)を有する、及び/又は
約0.001cm3/g~約0.9cm3/gの範囲の細孔容積を有する、及び/又は
約2nm~約25μmの範囲の平均細孔径を有する、項目1~21のいずれかに記載の組成物。
23.合成非晶質シリカの遊離粒子を更に含む、項目1~22のいずれかに記載の組成物。
24.合成非晶質シリカの遊離粒子及び合成非晶質シリカの遊離粒子の凝集体が、約50μm未満の寸法を有する、項目23に記載の組成物。
25.組成物の製造方法であって、合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は第2の鉱物の表面上に分散されるように、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の少なくとも1種上に合成非晶質シリカを形成することを含み、
a)合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び第2の鉱物の両方の表面上に分散されているか、
b)合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の表面上に分散され、その表面上に合成非晶質シリカを有するスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、第2の鉱物と組み合わせられているか、又は
c)合成非晶質シリカが、第2の鉱物の表面上に分散され、その表面上に合成非晶質シリカを有する第2の鉱物が、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物と組み合わせられている、方法。
26.スメクタイト鉱物及び第2の鉱物がモーラーである、項目25のa)に記載の方法。
27.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び第2の鉱物が、追加のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物を更に含む、項目26に記載の方法。
28.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び第2の鉱物を、追加のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は追加の珪藻土鉱物と混合することを更に含み、例えば、追加のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は追加の珪藻土が、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有する、項目25のa)、26又は27に記載の方法。
29.第2の鉱物が、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有する、項目25のb)に記載の方法。
30.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、その表面上に分散された合成非晶質シリカを有する、項目25のc)に記載の方法。
31.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、少なくとも約2質量%の非晶質シリカ相を有する、項目25のa)又は25のb)に記載の方法。
32.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が酸と混合される前に、水酸化物溶液と混合される、項目31に記載の方法。
33.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物をシリケートと混合することを含まない、項目31又は32に記載の方法。
34.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物をシリケート及び酸と混合することにより、合成非晶質シリカが、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物上に形成される、項目25~31のいずれかに記載の方法。
35.シリケートがアルカリ金属ケイ酸塩溶液である、請求項34に記載の方法。
36.酸が、硫酸又は塩酸などの鉱酸である、項目32~35のいずれか1項に記載の方法。
37.酸が、約5N~約30N、例えば、約7N~約15Nの範囲の濃度を有する、項目32~36のいずれかに記載の方法。
38.シリケートが、得られる組成物のpHが約2.5以上となるような量で混合される、項目34~37のいずれか1項に記載の方法。
39.酸が、シリケートの前に、スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物及び/又は第2の鉱物と混合される、項目34~38のいずれか1項に記載の方法。
40.合成非晶質シリカが、シリカゲルである、項目1~39のいずれかに記載の方法。
41.約0質量%~約25質量%の範囲の含水量まで組成物を乾燥させること又は組成物をか焼することを更に含む、項目1~40のいずれかに記載の方法。
42.例えば、組成物中の少なくとも約60質量%の粒子が、75μm以下となるように、及び/又は
組成物が、約10μm~約60μmの範囲のd50を有するように、及び/又は
組成物が、約40μm~約150μmの範囲のd90を有するように、及び/又は
組成物が、約1μm~約10μmの範囲のd10を有するように、
組成物を粉砕することを更に含む、項目1~41のいずれかに記載の方法。
43.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物がベントナイトである、項目1~42のいずれかに記載の方法。
44.第2の鉱物が、珪藻土、パーライト、モーラー、カオリン、タルク、又はこれらの1種又は複数の任意の組み合わせからなる群より選択される、項目1~43のいずれかに記載の方法。
45.第2の鉱物が珪藻土である、項目1~44のいずれかに記載の方法。
46.組成物が、
約60質量%~約99質量%のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物、及び/又は
約1質量%~約35質量%の珪藻土、及び/又は
約1質量%~約15質量%のシリカゲル、
を含む、項目1~45のいずれかに記載の方法。
47.組成物中のスメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物の第2の鉱物に対する比率が、約20:1~約1:1、例えば、約10:1~約2:1の範囲である、項目1~46のいずれかに記載の方法。
48.組成物が、約100m2/g以上、例えば、約200m2/g以上の比表面積(SSA)を有する、項目1~47のいずれかに記載の方法。
49.組成物が、約400m2/g以下、例えば、約300m2/g以下の比表面積(SSA)を有する、項目1~48のいずれかに記載の方法。
50.組成物が、約0.9cm3/g以下、例えば、約0.5cm3/g以下の細孔容積を有する、項目1~49のいずれかに記載の方法。
51.組成物が、約0.05cm3/g以上、例えば、約0.1cm3/g以上の細孔容積を有する、項目1~50のいずれかに記載の方法。
52.組成物が、約30nm~約200nmの範囲の平均細孔径を有する、項目1~51のいずれかに記載の方法。
53.組成物が、約0.01ダーシー以上、例えば、約0.04ダーシー以上の濾過性を有する、項目1~52のいずれかに記載の方法。
54.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、
約30μm~約150μmの範囲のd90を有する、及び/又は
約5μm~約50μmの範囲のd50を有する、及び/又は
約0.1μm~約10μmの範囲のd10を有する、
項目1~53のいずれかに記載の方法。
55.スメクタイト、パリゴルスカイト、又はセピオライト鉱物が、
約50m2/g~約300m2/gの範囲の比表面積(SSA)を有する、及び/又は
約0.2cm3/g~約0.9cm3/gの範囲の細孔容積を有する、及び/又は
約3nm~約400nmの範囲の平均細孔径を有する、
項目1~54のいずれかに記載の方法。
56.第2の鉱物が、
約10μm~約150μmの範囲のd90を有する、及び/又は
約6μm~約100μmの範囲のd50を有する、及び/又は
約2μm~約35μmの範囲のd10を有する、
項目1~55のいずれかに記載の方法。
57.第2の鉱物が、
約2m2/g~約300m2/gの範囲の比表面積(SSA)を有する、及び/又は
約0.001cm3/g~約0.9cm3/gの範囲の細孔容積を有する、及び/又は
約2nm~約25μmの範囲の平均細孔径を有する、
項目1~56のいずれかに記載の方法。
58.シリカゲルの遊離粒子を形成することを更に含む、項目1~57に記載の方法。
59.シリカゲルの遊離粒子又はシリカゲルの遊離粒子の凝集体が、約50μm未満の粒径を有する、項目58に記載の方法。
60.項目1~24のいずれか1項に記載の組成物を液体と混合することを含む、液体の精製のための項目1~24のいずれか1項に記載の組成物の使用。
61.液体の漂白及び/又は濾過方法であって、液体を、項目1~24のいずれか1項に記載の組成物と混合することを含む、方法。
62.液体が非水性液体である、項目59に記載の使用又は項目60に記載の使用。
63.非水性液体が、油、例えば、食用油、工業油、又はバイオディーゼル油である、項目62に記載の使用又は方法。
64.油が、キャノーラ油、大豆油、ひまわり油、トウモロコシ油、オリーブ油、魚油、又はこれらの1種又は複数の組み合わせから選択される、項目63に記載の使用又は方法。
65.項目25~58のいずれか1項の方法により得られる及び/又は得ることが可能な組成物。
【0055】
これまでの記述は、本発明の特定の実施形態に限定することなく広範に記載している。当業者に自明の変形及び修正は、添付の特許請求の範囲において、それにより定められる本発明の範囲内に入ることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】