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特表2022-509352ソフトグッズへのデジタル印刷された熱転写画像
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ソフトグッズへのデジタル印刷された熱転写画像
(51)【国際特許分類】
   B44C 1/17 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
B44C1/17 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547646
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 US2019057423
(87)【国際公開番号】W WO2020086569
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】16/166,457
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521176879
【氏名又は名称】ライオン ブラザーズ カンパニー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マクガヴァーン,オーエン
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ジリアン
(72)【発明者】
【氏名】マイノット,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ウィードルン,ポール
【テーマコード(参考)】
3B005
【Fターム(参考)】
3B005EB01
3B005EB09
3B005FA06
3B005FB13
3B005FB23
3B005FB37
3B005FC02Z
3B005FC20Y
3B005FE01
3B005FF06
(57)【要約】
異なるグラフィック間のプロセス切り替えがほとんどまたはまったくない、完全にデジタル化された印刷された熱転写物およびその製造方法であり、具体的には、この方法は、処理された接着性基材上にデジタル画像を印刷し、画像側をキャリア基材に適用し、次に、キスアンドスルー切断の組み合わせによってグラフィック要素を含まない基材をデジタル切断および除去して、アパレルおよびソフトグッズ業界向けの高伸縮・マルチカラー写真品質の印刷転写物を製造する方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトグッズに適用するための印刷された熱活性化転写物を製造する方法であって、
ホットメルト接着フィルムの片面に印刷して、印刷領域と非印刷領域とを規定し、
印刷された前記ホットメルト接着フィルムを印刷面とは反対側のキャリア層に転写し、
前記非印刷領域の周りの前記ホットメルト接着フィルムをレーザー切断し、
前記非印刷領域から、レーザーカットされた前記ホットメルト接着フィルムを除去することを含む方法。
【請求項2】
前記ホットメルト接着フィルムがキャリア層上にある請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホットメルト接着フィルムが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミドまたはポリオレフィンフィルムなどの熱可塑性フィルムである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ホットメルト接着フィルムが、不透明性を付与する1または複数の添加成分を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1または複数の添加成分がTiOを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1または複数の添加成分がカーボンブラックを含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ホットメルト接着フィルムが、印刷品質を改善するための接着促進剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ホットメルト接着フィルムが、印刷性を改善するためにプライマーでコーティングされる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
印刷された前記ホットメルト接着フィルムが、洗浄性を改善するために保護コーティング層でコーティングされる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記キャリアペーパーが、転写層でコーティングされた紙基材である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記キャリアペーパーが、ポリマー基材である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマー基材が、転写層でコーティングされている請求項11に記載の方法。
【請求項13】
衣服にヒートシールし、ホットウォッシュ(60℃)および中程度の乾燥条件で少なくとも50回洗浄した後、製品の品質を保持することができる請求項1に記載の方法によって製造された熱転写製品。
【請求項14】
接着剤が2つの層からなる請求項1に記載の方法によって製造された熱転写製品。
【請求項15】
前記第1の接着剤層がインク受容性であり、110℃を超える軟化点を有する請求項14に記載の熱転写製品。
【請求項16】
前記第2の接着剤層が110℃未満の軟化点を有し、より低い温度で繊細なソフトグッズにヒートシーリングすることを可能にする請求項14に記載の熱転写製品。
【請求項17】
印刷された画像が少なくとも約2%まで弾性的に伸びる請求項1に記載の方法によって製造された熱転写製品。
【請求項18】
グラフィックが、衣料品またはソフトグッズに適用されたときに、実質的に割れ、斑点または他の実質的な欠陥を形成することなく、少なくとも一方向に約2%から約75%まで伸長することができる請求項1に記載の方法によって製造された熱転写製品。
【請求項19】
熱転写物を製造する方法であって、
熱可塑性接着シートのロールの片面をインク受容性プライマーでコーティングし、
前記熱可塑性接着シートのコーティングされた側にグラフィック画像をデジタル印刷し、前記グラフィック画像は、複数の別個の印を含み、
デジタル印刷されたグラフィック画像上にポリマー保護層を適用して、中間転写物を形成し、
ポリマー保護層の上にキャリア層を接着して、切断されていない最終転写物を形成し、
キスカットパターンに従って、ノーカットの最終転写物を部分的にキスカットし、
スルーカットパターンに従って、カットされていない最終転写物を完全にスルーカットして、カットされた最終転写物を形成し、
カットされた最終転写物の除去部を取り除くことを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連するアプリケーションへの相互参照
本出願は、2018年10月22日に提出された米国出願番号16/166,457の優先権を享有する。
本発明は、熱活性化転写物に関し、特に、数字、文字、ロゴ、グラフィックスおよび他の印からなる完全にデジタルのインクジェットまたはレーザー印刷された熱転写物に関する。
【背景技術】
【0002】
インク印刷された熱転写物はよく知られており、テキストや図などのグラフィックスをアパレルや商品などのアイテムに転写するために一般的に使用される。転写シートまたは剥離シートは、通常、画像が事前に印刷され、次いで、加熱されたプラテン、鉄などを使用して、画像が転写シートまたは剥離シートからアイテムに転写される。
画像を印刷する前に転写シートに剥離層を適用し、次いで剥離層の上にインク画像を印刷してから、画像の上面に接着剤をコーティングすることが一般的である。そして、ユーザーが、画像をアイテムに適用する場合、画像転写物が接着剤側を下にしてアイテムに向けられ、熱が剥離シートに加えられて、画像が剥離シートの剥離層からアイテムに転写される。
インク及びトナーは、静電気放電やインクジェット印刷など、さまざまな方法でデジタル印刷できる。従って、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、デジタル印刷などの全ての印刷技術を使用して、熱転写物を作成することができる。接着剤は、ユーザーが画像を転写基材からアイテムに転写するために、熱的に活性化され、ヒートシール可能でなければならない。接着剤の塗布は、通常、連続層ではなく、むしろ、製品の多様な選択を作成する場合、接着剤層の形状及び分布は、通常、各製品タイプに固有である。その結果、接着剤は、通常、別個のスクリーニングプロセス、例えば、接着剤がインク領域にのみ転写されるように空白領域を「スクリーニング」するステンシル塗布方法を使用して、印刷後のインクに塗布される。
従って、各製品に固有の領域を露出するためのテンプレートが必要である。これには、接着剤を選択的に塗布するためのスクリーンを作成するためのオフライン製造プロセスが必要となる。2002年7月23日に発行されたBilodeauetalの米国特許6,423,406参照。さらに、接着剤の塗布は、印刷工程とは別に、時間がかかる非デジタル工程が追加される。デジタルプロセスの中断は、ダウンタイムやデザイン間の形状変更などの固定費に大きく寄与し、チェンジオーバー時間の増加によりオペレーションの生産性を低下させる。しかし、アパレル業界は、在庫を最小限に抑えながら、短納期にて小ロットで迅速に変更できる低在庫生産のカスタム商品をますます要求している。さらに、オフライン画面の製造プロセスは、環境に有害な化学物質に大きく依存している。顧客やブランドは、製品の環境への影響を減らすことにますます価値を見出している。
必要なことは、スクリーン塗布する接着剤よりも効率的な方法である。これまで、熱転写メーカーは完全なデジタル熱転写物を提供できなかったため、大量の最小注文要件を課したり、少量の注文に対してセットアップ料金を要求したりするが、どちらも顧客にとって望ましくない。
プロセスを改善するためのこれまでの取り組みは、部分的な解決策しか提供されていない。例えば、すでに接着剤コーティングが塗布されている白色または透明のビニールフィルムにインクジェットまたはレーザー印刷によってデジタル印刷された熱転写物を生成する1つの代替方法の適用である。そして、フィルムをナイフでカットして、ビニールメディアの不要な部分を取り除く。一般に、この方法で製造される製品は、高速レーザーまたはインクジェット印刷と比較すると、堅くて厚く、製造速度が比較的遅い。また、このような製品は、PVCや溶剤などの製造プロセスで環境に有害な材料を使用している。
デジタル印刷された熱転写物を生成するさらに別の方法は、トナー印刷可能なシートへのレーザー印刷、接着剤がデジタル印刷された領域にのみ付着するように接着剤でコーティングされた紙を印刷物に押し付け、次いでそれらの層を最終的な転写装飾として不透明な層と組み合わせて使用することを必要とする。このアプローチは、2012年8月7日に発行されたKronzerの米国特許第8,236,122号に記載されている。しかし、このプロセスで使用されるラミネート条件の許容誤差は非常に小さく、定常的に達成することは困難である。さらに、接着剤をプリントに接着するための処理時間は、1枚あたり30秒程度とかなり長く、高速レーザーまたはインクジェット印刷の生産速度と比較することができない。必要なのは、フルデジタル印刷プロセスで接着剤を塗布する方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の目的は、完全にデジタル印刷された熱転写グラフィックおよびその製造方法を提供し、より少ない注文量、さらにはより環境に優しい方法で製造されたカスタマイズされた熱転写物に対する市場のニーズを満たすことである。
本発明によれば、上記および他の目的は、異なるグラフィックス間のプロセス切り替えがほとんどまたは全くない、完全にデジタル印刷された熱転写物を製造するためのより効率的なプロセスを提供することによって達成される。
具体的には、この方法は、デジタル画像を接着性基材に印刷し、画像側をキャリア基材に適用し、次いで、グラフィック要素を含まない基材をデジタルで切断および除去して、アパレル用及びソフトグッズ業界のために、高ストレッチ、マルチカラー品質の印刷転写物を製造することを含む。より具体的には、この方法は、接着剤へレーザー印刷またはインクジェット印刷し、印刷に合わせて接着剤/基材をレーザー切断し、印刷されていない接着剤領域を「ウィーディング」するおよび/または内側の印刷されていない領域を切断することを伴う。ウィーディングには、印刷されていない領域から接着剤を取り除くことが含まれる。
この方法のバリエーションは、レーザープリンタを使用して転写紙に印刷し、画像を紙から接着フィルムに直接転写し、印刷に合わせて接着剤をレーザー切断し、印刷されていない接着領域をウェーディングするか、内側の印刷されていない部分を切断することである。これらの方法のいずれかによって製造された熱転写物のいくつかの形態も請求される。
この方法は、シートまたはロールフィードプロセスを使用して、従来のマルチステッププロセスを置き換える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】完成したデジタル印刷された熱転写物100を示す断面図である。
図2図1のデジタル印刷された熱転写物を製造する順次方法のブロック図である。
図3】中間転写物を与えるデジタル印刷されたグラフィック画像130の断面図である。
図4】デジタル印刷されたグラフィック画像130上に適用されて、カットされていない転写物を与えるキャリアペーパー150を示す断面図である。
図5】ステップ250のカット差分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の他の目的、特徴および利点は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明およびその特定の修正からより明らかになるであろう。
概して、より効率的なフルデジタル印刷された熱転写画像およびその製造方法が開示されており、異なる画像間のプロセス切り替えがほとんどまたはまったくない、画像の精巧および解像をもたらす。本明細書に開示される方法は、従来の多段階プロセスに取って代わる。具体的には、本方法は、デジタル画像をシートまたはロールフィード処理された接着性のある基材に印刷することを含む。印刷後、このプロセスでは、グラフィック要素を含まない基材をデジタル切断して除去することで、アパレルおよびソフトグッズ業界向けのストレッチ性のある、マルチカラー写真品質の印刷転写物を実現する。
まず、図面を参照すると、図1は、デジタル印刷された熱転写物100を示す。熱転写物100は、一般に、熱可塑性接着剤層110上に形成され、接着剤層110は、インク受容層120でコーティングされ、1つまたは複数のグラフィックスおよび/またはテキストを規定するように構成された1つまたは複数のデジタル印刷画像130でインプリントされる。さらに、ポリマーコーティングを含む保護層140で、印刷された画像130を覆い、キャリアペーパー150で、取り扱いおよび輸送の目的で保護層140に接着される。あるいは、キャリアペーパー150および保護層140は、例えば、CovemeのKTR Digital MatteまたはAq owiggins D 110およびDigipeel製品のように、インク層130に同時に熱的に加えられてもよい。
【0006】
接着剤層110は、適切な高分子熱可塑性フィルムであり、その上に熱転写物100の残りの層が支持され、ソフトグッズに転写・接着される。当業者であれば、布地に適用できるさまざまな種類の接着フィルムがあり、適切なポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンのフィルムが当技術分野で知られていることを理解できるだろう。しかし、業界で一般的に使用されているほとんどの接着剤は、接着剤層110が、デジタル印刷に典型的な90℃を超える温度で固体のままである必要があるため、本明細書に記載の方法には適していない。従って、本発明の接着剤層110は、好ましくは110℃よりも高く、より好ましくは120℃よりも高い融点を有する。接着剤には、転写物の不透明度を高めるためのフィラーを含んでいてもよい。これは、パターン化された衣服に適用する場合に特に重要である。接着剤の不透明度は、白色度を改善するためのTiO、または衣服パターンのブロッキング性を改善するためのカーボンブラックなどのフィラーを組み込むことによって改善することができる。別の実施形態では、接着剤層110は多層であり、その結果、印刷される接着剤層が接着剤の二次層よりも高い温度で溶融する。この実施形態では、両方の層が接着に寄与することができるが、より低いヒートシール温度で接着を成功させることができる。また、熱可塑性接着剤層110は、印刷プロセスを良好にナビゲートするために、剥離層を備えた支持体を必要としてもよい。剥離層を備えたこの支持体は、キャリア層150が適用された後、除去されるであろう。
【0007】
使用において、熱転写物100は、製造業者または使用者の要望および/またはニーズに応じて、衣料品の表側または裏側、あるいは衣料品のタグにも適用され、接着剤層110は、これとの永久的な結合を実現する。インク受容処理120は、適切な接着促進剤である。例えば、塩素化ポリオレフィン(CPO)は、ポリオレフィンプラスチックのコーティングやインクの接着促進剤として広く使用されており、EastmanKodak(登録商標)は一連の適切な製品を製造している。さらに、Michelman Inc.は、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とのコポリマーと、脂肪族ポリウレタン分散液、水素化炭化水素ロジンまたはロジンエステル分散液を含む互換性のある接着促進剤と、アモルファスアクリルポリマー分散液(米国特許出願20050245651に詳述)とを含む組み合わせからなるプライマーコーティングを製造している。液体トナー印刷に関して、インク受容処理120が、基材とインクとの間の耐久性のある接着を可能にすることが特に重要である。さらに、基材は、追加のコーティングなしでインク受容性になるように設計することができる。インク層130は、任意の適切なデジタルプリントヘッドによって堆積された任意の適切なインクとすることができる。グラフィック画像130をデジタル印刷するためには、インクが視覚的に認識可能な情報および悪条件に対する耐久性を備える限り、当技術分野で知られているように、様々な適切なインクを使用することができる。一実施形態では、インク層は、Xeikon(商標)レーザープリンタなどのデジタルレーザープリンタ、またはカリフォルニア州パロアルトのHP社から入手可能なインディゴ(登録商標)などのデジタルオフセット印刷機で印刷される。また、デジタル画像は、従来のフレキソ印刷またはグラビア印刷装置を使用して作成することができる。
【0008】
保護層140は、印刷された画像130を損傷から保護するのに役立つ、衣料品または衣料品上の熱転写物100のための最も外側のポリマー層である。組み合わされた保護層140および/または印刷された画像130は、特定の装飾(すなわち、ラベリング)用途のために所望の程度の柔軟性および伸展性を達成することが望ましい。より具体的には、保護層140および/または印刷画像130の少なくとも一部は、グラフィックが衣料品またはソフトグッズに適用されたときに、熱転写グラフィック100に実質的に割れ、斑点、歪みまたは他の実質的な欠陥を形成することなく、一方向に少なくとも約5%、より好ましくは約5%から約75%弾性的に伸長する(すなわち、伸びるまたは伸長する)ことが理想的である。
【0009】
必要に応じて、保護層140および/または印刷画像130は、任意に光学的に読み取り可能な情報を含み、風、雨、光に対する優れた耐久性を備え、より簡単かつ低コストで製造することができる転写グラフィック100を提供するために、例えば、トナーベースのインクで画像を印刷するような、エネルギー硬化性組成物またはシステムから形成することができる。
キャリアペーパー150は、対象製品に適用する前に転写物100の接着性を保護および維持するための任意の適切な離型コーティングされた紙またはフィルムであってもよい。キャリアペーパー150は、対象製品への転写物の適用後、単に剥がされて廃棄される。
【0010】
図2は、デジタル印刷された熱転写ラベル100を製造する方法を示すブロック図である。
ステップ200において、熱可塑性接着剤層110がロール形態で得られる。
ステップ210において、接着剤層110は、インク受容性前処理120で処理される。例えば、自己架橋アクリルエマルジョンを有するポリウレタンベースである(WO2016196267A1を参照)。
ステップ220において、インク受容処理120は、1つまたは複数のグラフィックスおよび/またはテキストを規定するように構成された1つまたは複数のデジタル印刷された画像130がデジタル印刷される。
ステップ230において、ポリマー保護層140が、デジタル印刷されたグラフィック画像130上に適用され、図3に見られるように、中間転写物を得る。
次に、ステップ240において、キャリアペーパーまたはフィルム150を、ポリマー保護層140およびデジタル印刷されたグラフィック画像130上に適用されて、図4に示されるように、カットされていない転写物を得る。あるいは、キャリアペーパー150および保護層140は、インク層130に同時に熱適用してもよい。
【0011】
次に、ステップ250において、ステップ240のノーカット転写物が2つのレベルのうちの1つにカットされ、レベル1はキスカット2(a)であり、レベル2はスルーカット2(b)である。キスカット2(a)とスルーカット2(b)との組み合わせにより分離可能な複合体の不要な要素が除去される。ステップ250のカット差分を、図5に示す。不要な内側の未印刷部分はスルーカット2(b)であるため、それらは連結されておらず、単に脱落する。一方、複雑な周囲の形状はキスカット2(a)され、除去される。最後に、ステップ260において、輸送中または保管中の製品を保護するために保護剥離ライナーを追加することができる(このステップは、転写物100の機能的側面に寄与しない)。
上記の完成した熱転写製品を考えると、その後の適用は、別の工程で行われてもよく、記述された方法によって製造された記述製品は、保護剥離シートが除去され、デジタル印刷された熱転写グラフィックは、布または他の柔軟または曲げ可能な材料から作られた製品などのソフトグッズのカテゴリーに属する衣類または衣料品に適用される。例としては、シャツ、ジャージ、スウェットシャツなどのあらゆる種類の衣類のほか、バナー、旗、カバー、寝具、スロー、その他のソフトグッズが挙げられる。転写は、カットシングルまたはロールツーロール形式に従って行うことができる。この工程または段階に適したアプリケーション機器には、StahlHotronix(登録商標)STX16ヒートプレスやGeoKnightSwingAway(登録商標)プレスなどの伝熱プレス機が挙げられる。
【0012】
従って、本発明は、改善された美観を達成し、グラフィック画像のグラフィカルな画像の洗練および解像度を可能にすることができる完全にデジタルのプロセスを作成することによって従来技術の複雑なプロセスを単純化する、デジタル印刷された熱転写グラフィックおよびデジタル印刷された熱転写グラフィックを製造する方法を開示する。この方法は、シートまたはロールフィードプロセスを使用して、従来のマルチステッププロセスに置き換わるものである。
具体的には、接着剤上にレーザー印刷またはインクジェット印刷を行い、印刷に合わせて接着剤をレーザー切断し、印刷されていない接着剤領域を取り除くか、または内側の印刷されていない領域を取り除くことで製造されたソフトグッス用の熱転写式装飾品の製造方法である。
ここで、本発明の基礎となる概念の好ましい実施形態およびある種の変更を十分に説明したため、様々な他の実施形態、ならびに本明細書に示され説明される実施形態の特定の変形および修正は、前記基礎となる概念に精通した当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている以外の方法で実施することができることを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
少量の注文、さらにはより環境に優しい方法で製造されたカスタマイズされた熱転写に対する市場のニーズを満たすために、完全にデジタル印刷された熱転写グラフィックと製造方法を提供するという重要な商業的ニーズがある。本発明は、異なるグラフィックス間のプロセス切り替えがほとんどないまたは全くないことが可能な、完全にデジタル化された印刷された熱転写物およびその製造方法を提供する。本発明は、アパレルおよびソフトグッズ産業に特に適している。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】