(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】生体内での最適な真皮白色脂肪組織形成を促進するための局所組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20220113BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20220113BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220113BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220113BHJP
A61Q 19/06 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/9794
A61K8/34
A61Q19/00
A61Q19/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547655
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019057822
(87)【国際公開番号】W WO2020086820
(87)【国際公開日】2020-04-30
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521176569
【氏名又は名称】ガラニン、アイバン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガラニン、アイバン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA071
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4C083AC011
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4C083AC271
4C083AC301
4C083AC332
4C083AC351
4C083AC392
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4C083AC491
4C083AC531
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4C083AC581
4C083AC641
4C083AC661
4C083AC681
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4C083AC761
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4C083AC861
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4C083AD092
4C083AD201
4C083AD262
4C083AD282
4C083AD311
4C083AD321
4C083AD332
4C083AD391
4C083AD491
4C083AD531
4C083AD571
4C083AD631
4C083AD641
4C083AD651
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB51
4C083CC04
4C083DD31
4C083EE11
(57)【要約】
脂肪生成促進剤、脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤を含む、生体内での最適な真皮白色脂肪組織形成を促進するための局所組成物および方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の外観改善に有効な局所組成物であって、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含み、前記改善が、体積欠損の外観の改善を含む、上記組成物。
【請求項2】
皮膚の外観改善に有効な局所組成物であって、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含み、前記改善が、たるみの外観の改善を含む、上記組成物。
【請求項3】
日焼け、体重増加、体重減少または身体運動によって引き起こされる皮膚の損傷を防止するのに有効な局所組成物であって、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含み、前記防止されるべき損傷が皮膚脂肪細胞数の減少およびそれらの肥大に関連する、上記組成物。
【請求項4】
前記体積欠損の外観の改善が、体積過剰の外観の増加を引き起こすことなく発生する、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項5】
前記体積欠損の外観の改善が、たるみの外観の改善とともに発生する、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項6】
前記外観改善が、顔に発生する、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項7】
前記体積欠損の改善が、眼窩周囲部の体積の増加を含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項8】
前記体積欠損の改善が、頬骨に沿った体積の増加を含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項9】
前記体積欠損の改善が、頬上部の体積の増加を含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項10】
前記たるみの外観の改善が、頬下部の鼻唇溝に近接した部分の体積の減少を含む、請求項2に記載の局所組成物。
【請求項11】
前記たるみの外観の改善が、頬骨下の頬上部の体積の増加を含む、請求項2に記載の局所組成物。
【請求項12】
前記たるみの外観の改善が、頬中部の窪みの体積の増加を含む、請求項2に記載の局所組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの脂肪生成成分が、炭素鎖長が18以上の天然由来の不飽和脂肪酸からなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの脂肪生成成分が、アクレアチン、アスコルビン酸、黒大豆エキス、クロロゲン酸、シナニッケイエキス、セイロンニッケイエキス、シンナムタンニンB1、ダイダイエキス、ロマティウム・スクスドルフ(Lomatium suksdorfii)エキス、メラトニン、フィトール、シネンセチン、スクスドルフィン、ミズレンブ葉エキスおよびサルカケミカンエキスからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの脂肪生成成分が、(2S)-7,4’-ジヒドロキシ-8-プレニルフラバン、モスル・ユンナネンシス(Morus yunnanensis)エキス、3-ブチルヒドロキシアニソール、4-メトキシカルコン、ハナスゲエキス、アルテミシア・サントリニフォリア(Artemisia santolinifolia)エキス、ハマヨモギ、ババキン、ハウチワノキエキス、オオバノボタン属エキス、パイパー・チャバ果実エキス、フロレチン、オランダビユ果実エキス、セージエキス、サクラネチン、サルサポゲニン(Sarsapogenin)、テンヨウケンコウシエキスおよびバナジウムからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つの脂肪生成成分が、10-oxo-l2(Z)-オクタデセン酸、13-Oxo-9(Z),ll(E),l5(Z)-オクタデカトリエン酸、l5-(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸、アクリルアミド、センダングサ属エキス、ブラジル産レッドプロポリスエキス、ブチルヒドロキシアニソール、ケブラジン酸、クロレラ・ブルガリスエキス、ノアザミエキス、シアニジン-3-グルコシド、ダイゼイン、ジアリルジスルフィド、エキナセア・プルプレア根エキス、エモジン、フラバノン、フラン脂肪酸9M5、ゲラニルゲラニオール、ジンセノサイド20S-プロトパナキサトリオール、ジンセノサイドRbl、ジンセノサイドRe、ジンセノサイドRh2、グラブリジン、へラクレウム・ディセクタム(Heracleum dissectum Lebb)エキス、硫化水素、シキミエキス、カバノアナタケエキス、イソインペラトリン、乳酸、レシチン、甘草エキス、ネズミムギエキス、モリンガ・コンカネンシス(Moringa concanensis nimmo)エキス、N-オレイルグリシン、ホシザキスイレン(N. nouchali)種子エキス、ノルウォゴニン、キョウカツ(Notopterygium incisum)根エキス、パルミトイル乳酸、ペンタメチルケルセチン、フェニル乳酸、キニーネ、レトロフラクタミドA、ショウヨウダイオウ(Rheum palmatum L)根茎、S-アデノシルメチオニン、サンゲンノール(Sangennol)F、エゾノネジモクエキス、大豆ピニトール、スペルミジン、テクトクリシン、ミロバラン果実エキス、テトラセラ・インディカ(Tetracera indica merr.)エキス、テトラメチルケンペロール、ウンベリフェロン、ワカメエキス、ビタミンB3およびビタミンB6からなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つの脂肪分解成分が、アスコルビン酸、ブチレート、クリサンセマムエキス、クロロゲン酸、ダイダイエキス、エイコサペンタエン酸、没食子酸、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、INDUS810、黒ショウガエキス、リコピン、マグノロール、コウボクエキス、ヤマグワエキス、クズ根エキス、レスベラトロール、チョウセンゴミシエキス、酪酸ナトリウム、ソレノステムマ・アーゲル(Solenostemma argel)エキス、ミズレンブエキス、フェヌグリーク(T. foenum graecum)種子エキス、リン酸トリフェニルおよびチラミンからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つの脂肪分解剤が、黒ショウガエキスである、請求項17に記載の局所組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つの脂肪分解成分が、3-ヨードチロナミン、ベルノキ葉エキス、アネクトキルス・フォルモサヌス(Anoectochilus formosanus)エキス、アルギニン、ニガキモドキエキス、ブルセインA、ブルセインB、ブルセインC、3′-ヒドロキシブルセインA、ブルサトール、ブルセアンチノール、エビスグサ種子エキス、ツボクサ葉エキス、カンランエキス、サイロピア・マクラータ(Cyclopia maculata)エキス、発酵したクリ(castanea crenata)内殻エキス、フォルスコリン、サンシンエキス、ゲニピン、ヘメロカリスフルバエキス、マンシュウグルミエキス、リカリンA、ライチ果実エキス、マグネシウム、リンゴ酸、オカダ酸、ペシロマイセスヘピアリ菌糸体エキス、パルミトレイン酸、インゲンマメエキス、ポシドニア・オセアニカ(Posidonia oceanica (L.) delile)エキス、コタラヒムブツ(Salacia (S.) reticulata)エキス、ナマコサポニンエキノシドA、サルトリイバラ葉エキス、大豆加水分解物、ソヤサポゲノールA、ソヤサポゲノールB、オクトパミン、N-メチルチラミン、ムラサキフトモモ、TAT-グリシン-リジン-ヒスチジン複合体、テルミナリアセリセアエキス、チャンチンエキスおよびイヌザンショウ種油からなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1つの脂肪分解成分が、アセチル-ケト-β-ボスウェル酸、熟成黒ニンニクエキス、アーモンド皮エキス、アンディローバエキス、アピゲニン、リンゴエキス、イワヨモギエキス、アスチルベ・シネンシス(Astilbe chinensis Franch. et Savet.)エキス、シラカンバ樹皮、B.プラチフィロシド、ベルベリン、ベルガモチン、ベツリン酸、ビロバライド、黒あずきエキス、紅茶エキス、ブラッシカ・カンペストリス(Brassica campestris spp. rapa)根エキス、カフェイン、カプサンチン、トウガラシ種油、カプサイシン、カルニチン,キトサン、クリソファノール、シンナムアルデヒド、シルシマリン、コウライアザミ(Cirsium setidens nakai)エキス、ベルガモットエキス、ウンシュウミカンエキス、クローブエキス、コーヒーエキス、コミフォーラ・ムーカル(Commiphora mukul)、クロシン、ニホンカボチャエキス、ウコンエキス、ハニーブッシュ(Cyclopia intermedia)、エピガロカテキンガラート、ユーグレナ、ユーリコマノン(Eurycomanone)、ナガエカサエキス、フコイダン、フコキサンチン、ブラダーラック(Fucus vesiculosus)エキス、ガルシニア(Garcinia gummi-gutta)エキス、テングサエキス、ゲニステイン、発芽大豆タンパク質加水分解産物、イチョウエキス、ジンセノシドRgl、ゴミシン、ブドウ種子エキス、ブドウ果皮エキス、緑茶エキス、カナムグラ、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシサフロールイエローA、イソプロピルノルシネフィリン、ケンペロール、韓国Chungtaejeon茶エキス、リポ酸、ハス葉エキス、ハス種子エキス、ルテオリン、霊香草(Lysimachia foenum-graecum)エキス モリンガ種子エキス、モルシン、バナナパルプエキス、ミリカノール、ナリンゲニン-7-O-グルコシド、ニュージーランドブラックカラントエキス、オレアノール酸、オレオレジンカプシカム,
オレウロペイン、P-シネフリン、梨の搾りかすエキス、梅エキス、ソバ、プテロスチルベン、ピクノジェノール、クェルセチン、キナ酸、ラズベリーケトン、セイヨウヤブイチゴエキス、紫芋エキス、ルチン、カラコトジソウエキス、セリコシド、シネンセチン、スピラントール、ステムブロメラインエキス、チョウセンニンジンエキス、シネフリン、シリング酸、タンシノンIIA、セイヨウタンポポエキス、トリアムシノロンアセトニド、ウルソール酸、ビタミンD、ウィドロール、ザンシゲンおよびキサントフモールから選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの浸透剤が、尿素、イミド尿素、パルミテート、イソプロピルパルミテート、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、および非イオン性洗剤からなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項22】
前記炭素鎖長が18以上の天然由来の不飽和脂肪酸が、組成物中に約5%(w/w)から約40%(w/w)存在する、請求項13に記載の局所組成物。
【請求項23】
前記浸透剤が約5%(w/w)から約25%(w/w)の割合で組成物中に存在する、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項24】
組成物中に存在する脂肪生成成分の重量%が、組成物中に存在する脂肪分解剤の重量%よりも大きい、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項25】
間接的な脂肪生成活性を有する薬剤をさらに含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項26】
間接的な脂肪分解活性を有する薬剤をさらに含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項27】
必要に応じて、皮下脂肪体積を増加もしくは減少させるのに有効な局所組成物であって、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透性薬剤を含む、上記組成物。
【請求項28】
個人の皮膚の外観を改善する方法であって、脂肪分解活性を有する少なくとも1つの脂肪分解剤と、脂肪生成活性を有する少なくとも1つの脂肪生成成分と、少なくとも1つの浸透剤とを含む組成物を皮膚に局所的に適用することを含む、上記方法。
【請求項29】
前記組成物が、ケラチンベースの皮膚表面の重なり合った領域に適用される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、太陽にさらされた体の部分に適用される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記組成物が、顔に適用される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記脂肪分解活性を有する脂肪分解剤が、脂肪生成活性を有する脂肪生成成分を含む組成物とは別に、組成物に含まれる、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記2つの別々の組成物の局所的な適用が、時間的に近接して、または調整されたレジメンの一部として行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
顔の目窩周囲部、頬骨部および頬上部に組成物を適用した後に、窪みの外観に目に見える減少がある、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
たるみの外観の目に見える減少または頬骨部、眼窩周囲部、頬上部、頬下部、または顎の輪郭の鮮明度の目に見える改善がある、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
皮膚の外観の改善が、日光暴露、体重増加、体重減少、または身体的な運動によって部分的に必要とされる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
脂肪分解活性および脂肪生成活性を有する薬剤の組み合わせが、単一の組成物に含まれる、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
脂肪生成成分と脂肪分解剤の組み合わせを用いて、皮膚の外観の欠陥を治療または予防する方法。
【請求項39】
そのような治療または予防が、脂肪分解剤および脂肪生成成分を別々に含む2つ以上の組成物の使用を伴い、脂肪分解剤および脂肪生成成分を含む組成物が皮膚の同じ領域に適用されてもよい、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
個人がそれを必要とする皮膚の領域において体積の外観を増加させるため、および同じ個人がそれを必要とする皮膚の領域において体積の外観を減少させるための方法であって、個人の皮膚領域に、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に適用することを含む、上記方法。
【請求項41】
個人がそれを必要としない皮膚の領域において体積の外観を増加させることなく、同じ個人がそれを必要とする皮膚の領域において体積の外観を増加させるための方法であって、個人の皮膚領域に、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に適用することを含む、上記方法。
【請求項42】
個人がそれを必要としない皮膚の領域において体積の外観を減少させることなく、同じ個人がそれを必要とする皮膚の領域において体積の外観を減少させるための方法であって、個人の皮膚領域に、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に適用することを含む、上記方法。
【請求項43】
個人がそれを必要とする皮膚の領域において脂肪組織の体積を増加させるため、および同じ個人がそれを必要とする皮膚の領域において脂肪組織の体積を減少させるための方法であって、個人の皮膚領域に、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に適用することを含む、上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/751,222号に対する優先権およびその利益を主張する。
本発明の分野
【0002】
本発明は、一般に、脂肪生成促進剤、脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤を含む、生体内における、真皮白色脂肪組織形成を促進するのに有効な局所組成物および方法に関する。
【0003】
日光暴露および高脂肪または高炭水化物食は、皮膚脂肪細胞の損失を引き起こし、皮膚の特定の領域に体積減少またはくぼみの出現をもたらす。日光暴露と高脂肪または高炭水化物食は、皮膚脂肪細胞の肥大化を引き起こし、皮膚を弱らせ、皮膚のたるみを生じさせる。皮膚脂肪細胞の損失と肥大は、同じ部位または隣接する部位で発生することがある。
【0004】
真皮脂肪生成を促進するための既存の薬剤および化粧品のアプローチは、脂肪細胞の損失と肥大という二重の懸念に十分に対応していない。これらのアプローチは、脂肪細胞の体積を増加させることに焦点を当てており、肥大の可能性を考慮していない。また、脂肪前駆細胞から脂肪細胞への変換を促進する薬剤は、一般に、新たに変換された細胞による脂質蓄積を促進する。また、脂肪生成刺激による脂肪細胞数の増加は、脂肪細胞体積の増加よりも困難であり、ゆっくりと発生する。脂肪前駆細胞の変換を促進し、脂肪細胞の体積を増加させる薬剤の持続的な使用は、脂肪細胞肥大を誘発したり、悪化させたりする可能性がある。
【0005】
脂肪前駆細胞から脂肪細胞への変換および新たに変換された脂肪細胞による脂質蓄積の両方を促進する組成物を使用すると想定される者は、2つの重要な課題に直面している。第一に、使用者は、体積の増加を必要とする皮膚の領域にのみ薬剤を慎重に投与し、そうでない皮膚の領域には投与しないようにしなくてはならない。第二に、使用者は、皮膚脂肪細胞の数が不十分である場合に限り脂肪生成成分を使用しなければならず、そうでない場合、脂肪細胞の肥大が発生し、皮膚を弱め、たるみを引き起こすほどの過度な脂肪細胞増大の危険性がある。
【0006】
第一の要件は、脂肪細胞の損失による体積不足を含む領域と肥大性脂肪細胞を含む領域とが重なっている顔に関しては、特に満たすことが困難である。これは、涙トラフ内の体積の減少が、目袋として顕在化する肥大性脂肪細胞を含む皮膚のたるみを伴う眼窩周囲部に関して特に当てはまるが、顔の他の領域に関しても当てはまる。
【0007】
脂肪生成成分を真皮白色脂肪組織に届けることで皮膚の外観を改善しようとする既存の薬剤および化粧品のアプローチは、脂肪細胞の損失と脂肪細胞肥大の領域の重複という問題に直面してこなかった。これらは人間の顔面では研究されていない。
【0008】
第二の要件もまた、使用者が遵守することが困難である。脂肪細胞の損失の程度に関しては個人差がある。真皮白色脂肪組織が脂肪生成成分による治療への反応速度に関しても異なる。さらに、脂肪生成成分の使用量にも個人差があると思われる。これらの違いにより、製造業者がいつ投与を中止すべきかについてユーザーに助言することが困難である。
【0009】
脂肪生成成分を真皮白色脂肪組織に送達することによって皮膚の外観を改善しようとする既存の薬剤および化粧品のアプローチは、脂肪細胞肥大を誘発または悪化させるという問題には直面していない。これらのアプローチは十分な期間にわたって評価されていないため、肥大とその結果として生じるたるみの可能性は評価できていない。
【0010】
我々は以前に、生体内で脂肪生成を増強することにより、紫外線損傷にさらされた真皮白色脂肪組織の構造、機能および健康を改善する発明を報告した(例えば、2017年9月8日に出願された米国仮出願第62/555,919号、および2018年7月6日に出願された米国仮出願第62/694,723号を参照のこと)。その発明では、例えば、PPARyのシグナル伝達を増幅するためにPPARy発現を相乗的に増加させることによって、脂肪生成をさらに増大させることができると考えられる任意成分を同定した。
【0011】
本発明において、驚くべきことに、PPARyの発現を増加させて脂質シグナリングをするであろうと我々が予想していた成分が、実は脂肪分解を誘導するという逆効果をもたらすことを発見した。さらに驚くべきことに、この成分と脂肪形成を特異的に促進することが示されていた薬剤とを組み合わせた局所組成物は、脂肪分解が有益な領域では脂肪分解を増加させながら、選択的に脂肪生成を増加させることができることを見出した。さらに、この局所組成物は、脂肪生成や脂肪分解を必要とする部位を選択的に標的とすることなく、皮膚に広く塗布できる可能性がある。
【0012】
ここでは、脂肪細胞数の不足と脂肪細胞の体積過剰の両方の懸念に対処する皮膚の体積欠損治療方法を実証した。今回初めて、脂肪生成と脂肪分解が可能な薬剤の組み合わせを含む組成物が、それを必要とする皮膚の領域において効果的に体積を回復させることを示した。さらに、この治療はたるみの外観を改善するが、脂肪細胞の体積に対して無影響または正の影響を示した。
【0013】
我々の結果は、最も関連性が高く困難な角質表面、すなわち日光暴露された最も困難な眼窩周囲部を含む人間の顔の皮膚、に関する試験において得られた。体積変化を評価するための最も有意な機器である3Dデジタルスペクトロメトリーを用いて、我々の方法と組成物の有効性を評価した。さらに、我々の試験は、結果として生じる脂肪生成が、たるみとして顕在化する皮膚脂肪細胞の体積の望ましくない増加につながるかどうかを検出可能な時間として、被験者は9ヶ月を超えて追跡されている。
【0014】
単一の局所組成物が、脂肪生成を必要とする皮膚の領域において選択的に生体内の皮膚脂肪の体積を増加させると同時に、過剰な脂肪生成を防止し、脂肪生成を減少させることが望ましい領域において皮膚脂肪体積を減少させることができることが初めて示された。さらに、単一の局所組成物が、脂質脂肪体積を減少させることが望ましい領域において選択的に皮膚脂肪体積を減少させると同時に、過剰な脂肪分解を防止し、皮膚脂肪体積を増加させることが望ましい領域において皮膚脂肪体積を増加させることができることが初めて示された。局所組成物に脂肪分解活性効果をもたらす成分は、インビトロおよびインビボの両方で脂肪分解活性を有し、インビトロ活性はリパーゼ機能の促進に起因していることが他者により示されている。
発明の要約
【0015】
本発明の一実施形態では、皮膚の外観改善に有効な局所組成物が提供され、この局所組成物は、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤を含み、ここでの改善は、体積欠損の外観の改善を指す。いくつかの実施形態では、体積欠損の外観の改善は、体積過剰の外観の増加を引き起こすことなく発生する。いくつかの実施形態では、体積欠損の外観の改善は、たるみの外観の改善とともに発生する。いくつかの実施形態では、顔面に外観の改善が発生する。いくつかの実施形態では、体積欠損の外観の改善は、眼窩周囲における体積の増加を含む。いくつかの実施形態では、体積欠損の外観の改善は、頬骨沿いの体積の増加を含む。いくつかの実施形態では、体積欠損の外観の改善は、頬上部の体積の増加を含む。いくつかの実施形態では、たるみの外観の改善は、鼻唇溝に近い頬下部の体積の減少を含む。いくつかの実施形態では、たるみの外観の改善は、頬骨下の頬上部の体積の増加を含む。いくつかの実施形態では、たるみの外観の改善は、頬中部の体積の増加を含む。
【0016】
本発明の一実施形態では、皮膚の外観改善に有効な局所組成物が提供され、この局所組成物は、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤を含み、ここでの改善は、たるみの外観の改善を含む。
【0017】
本発明の一実施形態では、日光暴露、体重増加、体重減少または身体的運動による皮膚の損傷を防止するのに有効な局所組成物が提供され、この局所組成物は、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤を含み、ここで防止すべき損傷は、皮膚脂肪細胞数の減少およびその肥大に関連する。
【0018】
本発明の一実施形態では、必要に応じて皮下脂肪体積の増加または減少を選択的に促進するのに有効な局所組成物が提供され、この局所組成物は、少なくとも1つの脂肪生成成分、少なくとも1つの脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤を含む。
【0019】
本発明の一実施形態は、必要に応じて皮膚脂肪体積の増減を選択的に促進するのに有効な局所組成物であって、脂肪生成成分、脂肪分解剤、および少なくとも一つの浸透剤の混合物を含む。
【0020】
本発明の他の実施形態では、それを必要とする個人における最適な真皮白色脂肪組織形成を促進する方法が提供され、その方法は、脂肪生成促進剤、脂肪分解剤、および少なくとも1つの浸透剤の混合物からなる組成物を、個人の標的皮膚領域に局所的に塗布することを含む。
【0021】
本発明の一実施形態では、個人の皮膚の外観を改善する方法が提供され、その方法は、脂肪分解活性を有する少なくとも1つの薬剤と、脂肪生成活性を有する少なくとも1つの薬剤と、少なくとも1つの浸透剤を含有する組成物を皮膚に局所的に塗布することを含む。いくかつかの実施形態では、脂肪分解活性および脂肪生成活性を有する薬剤の組み合わせが、単一の組成物中に含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、脂肪分解活性を有する脂肪分解剤は、脂肪生成活性を有する脂肪生成成分を含む組成物とは別に、組成物に含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、2つの別個の組成物の局所適用は、時間的に近接して、または併用治療形態の一部として発生する。本発明の他の実施形態では、組成物は、ケラチンベースの皮膚表面の重なり合う領域に適用される。本発明の他の実施形態では、組成物は、日光暴露された部分に適用される。好ましい実施形態では、組成物は、顔面に適用される。本発明のいくつかの実施形態では、組成物を塗布した後、空洞化の外観の目に見える減少が見られる。
本発明の他の実施形態では、組成物を塗布した後、体積欠損の外観の目に見える減少がある。本発明の他の実施形態では、組成物を塗布した後に、たるみの外観または体積過剰の外観の目に見える減少、またはその両方が見られる。本発明の他の実施形態では、皮膚外観の改善は、日光暴露、体重減少、体重増加または身体運動によって部分的に必然的に生じる。本発明のいくつかの実施形態では、眼窩周囲部、頬骨領域、顔面の頬上部領域に組成物を塗布した後、顔面の空洞の外観の目に見える減少がある。本発明のいくつかの実施形態では、頬骨領域の端部、眼窩周囲部、頬上部、頬下部、または下顎の輪郭に、たるみの外観の目に見える減少または改善がある。
【0022】
本発明の一実施形態では、脂肪生成成分と脂肪分解剤の組み合わせを採用することによって、欠陥のある皮膚の外観を治療または予防する方法が提供され、このような治療または予防は、脂肪分解剤および脂肪生成成分を別々に含む2つ以上の組成物の使用を伴い、ここで、脂肪分解剤および脂肪生成成分を含む組成物は、皮膚の同じ領域に塗布することができる。
【0023】
本発明の一実施形態では、個人がそれを必要とする皮膚の領域における体積の外観を増加させ、同じ個人がそれを必要とする皮膚の領域における体積の外観を減少させるための方法が提供され、この方法は、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を個人の皮膚領域に局所的に塗布することを含む。
【0024】
本発明の一実施形態では、同じ個人がそれを必要としない皮膚の領域における体積の外観を増加させることなく、個人がそれを必要とする皮膚の領域における体積の外観を増加させるための方法が提供され、この方法は、個人の皮膚領域に、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に塗布することを含む。
【0025】
本発明のその他の実施形態では、同じ個人がそれを必要としない皮膚の領域における体積の外観を減少させることなく、個人がそれを必要とする皮膚の領域における体積の外観を減少させるための方法が提供され、この方法は、個人の皮膚領域に、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に塗布することを含む。
【0026】
本発明の一実施形態では、個人がそれを必要とする皮膚の領域における脂肪組織の体積を増加させ、同じ個人がそれを必要とする皮膚の領域における脂肪組織の体積を減少させるための方法であって、この方法は、脂肪生成成分、脂肪分解剤および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を個人の皮膚領域に局所的に塗布することを含む。
【0027】
本発明の他の目的、利点、および新規の特徴は、当業者であれば容易に理解できるであろう。本発明の他の目的および特徴は、提示された図面と併せて考慮した場合、1つまたは複数の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から確認できるであろう。本開示における1つまたは複数の例は非限定的な例であり、本発明はこれらの例の変形および等価物を包含することが意図されていることを認識すべきである。本開示は、当業者のために書かれたものである。本開示では、素人には馴染みのない用語や頭字語が使用されているが、当業者であれば、本明細書で使用されている用語及び頭字語を熟知しているであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書の説明は、以下の図面を見て、より完全に理解されるであろう。
【0029】
【
図1】
図1は、ヒトにおける表皮、真皮および脂肪の異なる皮膚層と、真皮白色脂肪組織の最適な組成を促進するためのプロセスとを示す。
【0030】
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図2A)および後(
図2B、2Cおよび2D)の写真画像を示す。
【0031】
【
図3】
図3は、それぞれ
図2A、2B、2Cおよび2Dと同じ前(
図3A)および後(
図3B、3Cおよび3D)の写真画像を示す。唯一の違いは、異なる視点が選択されていることである。
【0032】
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図4Aおよび4B)および後(
図4Cおよび4D)の写真画像を示す。
図4Eは、皮溝の面積の減少を示す棒グラフである。
【0033】
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図5A)および後(
図5B)の写真画像を示す図である。
【0034】
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図6A、6B、および6C)および後(
図6D、6E、および6F)の写真画像を示す。前後の画像間の差異の定量化は、
図6G(
図6B対6E)および
図6H(
図6C対6F)に示されている。
【0035】
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図7A、7B、7C、7D、および7E)および後(
図7F、7G、7H、7I、および7J)の写真画像を示す。前後の画像間の差異の定量化は、
図7K(
図7B対7G)、
図7L(
図7C対7H)、
図7M(
図7D対7I)、および
図7N(
図7E対7J)に示されている。
【0036】
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図8A、8B、および8C)および後(
図8D、8E、および8F)の写真画像を示す。前後の画像間の差異の定量化は、
図8G(
図8B対8D)および
図8H(
図8C対8E)に示されている。
【0037】
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図9A、9B、および9C)および後(
図9D、9E、および9F)の写真画像を示す。前後の画像間の差異の定量化は、
図9G(
図9B対9D)および
図9H(
図9C対9E)に示されている。
【0038】
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図10A、10B、10C、および10D)および後(
図10E、10F、10G、および10H)の写真画像を示す。前後の画像間の差異の定量化は、
図10I(
図10B対10F)、
図10J(
図10C対10G)および
図10K(
図l0D対10H)に示されている。
【0039】
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による局所組成物を用いて治療を受けている個人の、Anteraデジタルカメラを用いて撮影された前(
図11A、11B、および11C)および後(
図11D、11E、および11F)の写真画像を示す。前後の画像間の差異の定量化は、
図11G(
図11B対11D)および
図11H(
図11C対11E)に示されている。
【0040】
詳細説明
【0041】
本明細書で使用されているすべての技術的および科学的な用語は、他に定義されていない限り、本発明が属する技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されているものと同じ意味を持つ。
【0042】
本明細書で使用される「発明」または「本発明」という用語は、非限定的な用語であり、特定の発明の単一の側面を指すことを意図したものではなく、本明細書および特許請求の範囲に記載されているすべての可能な側面を包含するものである。本明細書では、「脂肪生成」という用語に関連して使用される「最適」または「必要」という用語は、脂肪細胞数の減少を引き起こす紫外線にさらされた真皮白色脂肪組織において、脂肪細胞数を補充または回復する必要性を意味する。本明細書では、脂肪生成という用語に関連して使用される「過剰」という用語は、前記の真皮白色脂肪組織に含まれる脂肪細胞の体積を減少させることができる真皮白色脂肪組織の状態を意味する。
【0043】
特許文献には、インビトロで脂肪生成を促進すること、または逆に脂肪分解を促進することが示されている多くの組成物が記載されている。
【0044】
本発明は、驚くべきことに、真皮白色脂肪組織において、組成物の脂肪生成効果および脂肪分解効果が互いに相殺されない、脂肪生成および脂肪分解の両方を促進する単一の組成物を特定する。本明細書で使用する場合、「脂肪生成」という用語は、細胞の脂肪細胞系譜への変換および脂肪由来幹細胞の分化の増加に起因する脂肪細胞数の増加、ならびにこれらの細胞によるその後の脂肪の蓄積を意味する。本明細書では、「脂肪分解」という表現は、成熟した脂肪細胞における脂肪の蓄積量の減少を意味する。今回初めて、単一の組成物で、状況に応じた脂肪生成および脂肪分解を促進できることが示された。長時間にわたる3D写真を用いて、脂肪生成および脂肪分解が真皮白色脂肪組織の隣接領域で個別に効果を発揮することが示された。
【0045】
組成物
【0046】
本発明の一形態では、本開示は、脂肪生成活性を有する有効成分と、脂肪分解活性を有する有効成分と、少なくとも1つの浸透剤とを含む、真皮白色脂肪組織においてインビボでの脂肪生成を促進し、脂肪分解を誘導するのに有効な局所組成物に関するものである。
【0047】
本発明の別の形態では、本発明は、脂肪生成活性および脂肪分解活性を有する成分を表皮を通して皮膚に、安全かつ有効な用量を達成するのに有効な方法で送達するために浸透剤を用いる。本明細書では、「安全かつ有効な用量」とは、以下のいずれかに十分な即席性の組成物の量を意味することを意図する。i)疾患の1つ以上の症状を改善する、または(ii)1つ以上の好ましい美容効果をもたらす。さらに、即席性の組成物を局所的に塗布した場合、痛みはなく、刺激、皮膚反応、炎症、アレルギー反応を引き起こすこともない。ここでいう「浸透剤」とは、皮膚への浸透を促進する薬剤のことを指す。組成物が真皮に到達すると、脂肪生成成分が常在する脂肪前駆細胞に入り込み、細胞核に伝達されてペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARy)を介して信号を送り、細胞を脂肪細胞系譜に転換させ、真皮に入ると、脂肪分解成分が常在する成熟脂肪細胞に入り込んで脂肪を放出させる。PPARyは、脂肪酸の貯蔵やグルコースの代謝を調節することが知られている。また、PPARyは脂肪細胞の分化を制御することも知られている。脂肪分解成分は脂肪細胞に入り、細胞内のリパーゼを刺激して貯蔵されているトリアシルグリセロールを分解し、脂肪酸を放出させる。細胞内リパーゼには、脂肪組織トリグリセリドリパーゼとホルモン感受性リパーゼの2種類がある。これらのリパーゼは、ホルモンや化学物質によって調節される。
【0048】
図1は、人間の表皮、真皮、皮下の異なる皮膚層を示している。また、
図1に示されているように、真皮白色脂肪組織(dWAT)の構造と機能を促進するためのプロセスは、真皮を通してPPARy受容体リガンドに本発明の組成物を送達することから始まる。真皮は、繊維芽細胞、マクロファージ、脂肪細胞の3種類の主要な細胞で構成されている。PPARy受容体リガンドは、脂肪前駆細胞に信号を送り、脂肪細胞に変換させる。新たに変換された脂肪細胞は、日光暴露や体重増加のために失われた真皮下白色脂肪組織を回復させる。
【0049】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪生成成分は、C18:1、C18:2、C18:3、C18:4、C20:1、C20:3 、C20:4、C20:5、C22:1、C22:4、C22:6、C24:1、およびそれらの不飽和誘導体と混合物からなる群から選択された不飽和脂肪酸を含むものである。本明細書で定義されているように、脂肪酸は、炭素原子の総数(下付き文字)の後に二重結合の総数を続けて記述される。例えば、「C18:1脂肪酸」は、オレイン酸などの二重結合を1つ有するC18脂肪酸を意味することを意図している。「C18:2脂肪酸」は、リノール酸などの二重結合を2つ有するC18脂肪酸を意味することを意図している。「不飽和脂肪酸」は、脂肪酸鎖に1つ以上の二重結合がある脂肪酸を意味し、一価不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸を含む。例えば、「不飽和C18脂肪酸」は、オレイン酸、リノール酸、a-リノレン酸、g-リノレン酸、共役リノール酸およびそれらの異性体からなる群から選択される1つ以上のC18脂肪酸を意味し得る。本発明の他の好ましい実施形態では、不飽和C18およびC24脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、a-リノレン酸、g-リノレン酸、ジホモ-y-リノレン酸、アラキドン酸からなる群から選択され得る。ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ジホモ-Y-リノレン酸、ドコサテトラエン酸、バクセン酸、パウリン酸、エライジン酸、ゴンド酸、エルシン酸、ネルボン酸、およびそれらの誘導体と混合物である。他の好ましい実施形態では、本発明の局所組成物は、天然に存在する不飽和脂肪酸、例えば、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ククイ油、カノーラ油、月見草油、チア油、麻油、小麦胚芽油、大豆油、ゴマ油、ボラージ油、ブラックカラント油、綿実油、サフラワー油、トウモロコシ油、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものを含むことができる。他の好ましい実施形態では、脂肪生成成分は、例えばクラチャイダムのエキスなどの薬用植物を含むことができる。
【0050】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪生成成分は、以下からなる群から選択される。アクレアチン、アスコルビン酸、黒大豆エキス、クロロゲン酸、シナニッケイエキス、セイロンニッケイエキス、シンナムタンニンB1、ダイダイエキス、ロマティウム・スクスドルフ(Lomatium suksdorfii)エキス、メラトニン、フィトール、シネンセチン、スクスドルフィン、ミズレンブ葉エキス、サルカケミカンエキス。
【0051】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪生成成分は、以下からなる群から選択される。(2S)-7,4’-ジヒドロキシ-8-プレニルフラバン、モスル・ユンナネンシス(Morus yunnanensis)エキス、3-ブチルヒドロキシアニソール、4-メトキシカルコン、ハナスゲエキス、アルテミシア・サントリニフォリア(Artemisia santolinifolia)エキス、ハマヨモギ、ババキン、ハウチワノキエキス、オオバノボタン属エキス,パイパー・チャバ果実エキス、フロレチン、オランダビユ果実エキス、セージエキス、サクラネチン、サルサポゲニン(Sarsapogenin)、テンヨウケンコウシエキス、バナジウムなどが挙げられる。
【0052】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪生成成分は、以下からなる群から選択される。lO-oxo-l2(Z)-オクタデセン酸、13-Oco-9(Z),ll(E),l5(Z)-オクタデカトリエン酸、l5-(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸、アクリルアミド、センダングサ属エキス、ブラジル産レッドプロポリスエキス、ブチルヒドロキシアニソール、ケブラジン酸、クロレラ・ブルガリスエキス、ノアザミエキス、シアニジン-3-グルコシド、ダイゼイン、ジアリルジスルフィド、エキナセア・プルプレア根エキス、エモジン、フラバノン、フラン脂肪酸9M5、ゲラニルゲラニオール、ジンセノサイド20S-プロトパナキサトリオール、ジンセノサイドRbl、ジンセノサイドRe、ジンセノサイドRh2、グラブリジン、へラクレウム・ディセクタム(Heracleum dissectum Lebb)エキス、硫化水素、シキミエキス、カバノアナタケエキス、イソインペラトリン、乳酸、レシチン、甘草エキス、ネズミムギエキス、モリンガ・コンカネンシス(Moringa concanensis nimmo)エキス、N-オレイルグリシン、ホシザキスイレン(N. nouchali)種子エキス、ノルウォゴニン、キョウカツ(Notopterygium incisum)根エキス、パルミトイル乳酸、ペンタメチルケルセチン、フェニル乳酸 、キニーネ、レトロフラクタミドA、ショウヨウダイオウ(Rheum palmatum L)根茎、S-アデノシルメチオニン、サンゲンノール(Sangennol)F、エゾノネジモクエキス、大豆ピニトール、スペルミジン、テクトクリシン、ミロバラン果実エキス、テトラセラ・インディカ(Tetracera indica merr.)エキス、テトラメチルケンペロール、ウンベリフェロン、ワカメエキス、ビタミンB3とビタミンB6。
【0053】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪分解成分は、黒ショウガエキスなどの薬用植物からなる。
【0054】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪分解剤は、以下からなる群から選択される。アスコルビン酸、ブチレート、クリサンセマムエキス、クロロゲン酸、ダイダイエキス、エイコサペンタエン酸、没食子酸、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、INDUS810、黒ショウガエキス、リコピン、マグノロール、コウボクエキス、ヤマグワエキス、クズ根エキス、レスベラトロール、チョウセンゴミシエキス、酪酸ナトリウム、レノステムマ・アーゲル(Solenostemma argel)エキス、ミズレンブエキス、フェヌグリーク(T. foenum graecum)種子エキス、リン酸トリフェニルおよびチラミン。
【0055】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪分解剤は、以下からなる群から選択される。3-ヨードチロナミン、ベルノキ葉エキス、アネクトキルス・フォルモサヌス(Anoectochilus formosanus)エキス、アルギニン、ニガキモドキエキス、ブルセインA、ブルセインB、ブルセインC、3′-ヒドロキシブルセインA、ブルサトール、ブルセアンチノール、エビスグサ種子エキス、ツボクサ葉エキス、カンランエキス、サイロピア・マクラータ(Cyclopia maculata)エキス、発酵したクリ(castanea crenata)内殻エキス、フォルスコリン、サンシンエキス、ゲニピン、ヘメロカリスフルバエキス、マンシュウグルミエキス、リカリンA、ライチ果実エキス、マグネシウム、リンゴ酸、オカダ酸、ペシロマイセスヘピアリ菌糸体エキス、パルミトレイン酸、インゲンマメエキス、ポシドニア・オセアニカ(Posidonia oceanica (L.) delile)エキス、コタラヒムブツ(Salacia (S.) reticulata)エキス、ナマコサポニンエキノシドA、サルトリイバラ葉エキス、大豆加水分解物、ソヤサポゲノールA、ソヤサポゲノールB、オクトパミン、N-メチルチラミン、ムラサキフトモモ、TAT-グリシン-リジン-ヒスチジン複合体、テルミナリアセリセアエキス、チャンチンエキス、イヌザンショウ種油。
【0056】
本発明の好適な実施形態においては、脂肪分解剤は、以下からなる群から選択される。アセチル-ケト-P-ボスウェル酸、熟成黒ニンニクエキス、アーモンド皮エキス、アンディローバエキス、アピゲニン、リンゴエキス、イワヨモギエキス、アスチルベ・シネンシス(Astilbe chinensis Franch. et Savet.)エキス、シラカンバ樹皮、プラチフィロシド 、ベルベリン、ベルガモチン、ベツリン酸、ビロバライド、黒あずきエキス、紅茶エキス、ブラッシカ・カンペストリス(Brassica campestris spp. rapa)根エキス、カフェイン、カプサンチン、トウガラシ種油、カプサイシン、カルニチン、キトサン、クリソファノール、シンナムアルデヒド、シルシマリン、コウライアザミ(Cirsium setidens nakai)エキス、ベルガモットエキス、ウンシュウミカンエキス、クローブエキス、コーヒーエキス、コミフォーラ・ムーカル(Commiphora mukul)、クロシン、ニホンカボチャエキス、ウコンエキス、ハニーブッシュ(Cyclopia intermedia)、エピガロカテキンガラート、ユーグレナ、ユーリコマノン(Eurycomanone)、ナガエカサエキス、フコイダン、フコキサンチン、ブラダーラック(Fucus vesiculosus)エキス、ガルシニア(Garcinia gummi-gutta)エキス、テングサエキス、ゲニステイン、発芽大豆タンパク質加水分解産物、イチョウエキス、ジンセノシドRgl、ゴミシン、ブドウ種子エキス、ブドウ果皮エキス、緑茶エキス、カナムグラ、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシサフロールイエローA、イソプロピルノルシネフィリン、ケンペロール、韓国Chungtaejeon茶エキス、リポ酸、ハス葉エキス、ハス種子エキス、ルテオリン、霊香草(Lysimachia foenum-graecum)エキス モリンガ種子エキス、モルシン、バナナパルプエキス、ミリカノール、ナリンゲニン-7-O-グルコシド、ニュージーランドブラックカラントエキス、オレアノール酸、オレオレジンカプシカム、オレウロペイン、P-シネフリン、梨の搾りかすエキス、梅エキス、ソバ、プテロスチルベン、ピクノジェノール、クェルセチン、キナ酸、ラズベリーケトン、セイヨウヤブイチゴエキス、紫芋エキス、ルチン、カラコトジソウエキス、セリコシド、シネンセチン、スピラントール、ステムブロメラインエキス、チョウセンニンジンエキス、シネフリン、シリング酸、タンシノンIIA、セイヨウタンポポエキス、トリアムシノロンアセトニド、ウルソール酸、ビタミンD、ウィドロール、ザンシゲン、キサントフモール。
【0057】
本発明の好適な実施形態においては、本発明の局所組成物は、炭素鎖が主として(例えば、全体の30%以上)炭素鎖長18以上である不飽和脂肪酸の供給源を、約5%(w/w)から約40%(w/w)、好ましくは約10%(w/w)から約30%(w/w)含むものである。本明細書で使用される「(w/w)」という略語は、真の重量割合を意味する。すなわち、成分の重量を組成物の総重量で割ってパーセンテージに換算したものである。
【0058】
いつかの実施形態では、本発明の局所組成物は、炭素鎖が主として(例えば、全体の30%以上)炭素鎖長18以上である不飽和脂肪酸の供給源を、約5%(w/w)から約40%(w/w)、好ましくは約10%(w/w)から約30%(w/w)含むものである。本明細書で使用される「(w/w)」という略語は、真の重量%を意味する。すなわち、成分の重量を組成物の総重量で割ってパーセンテージに換算したものである。
【0059】
本発明の好適な実施形態においては、浸透剤は、尿素、イミド尿素、パルミテート、イソプロピルパルミテート、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、および非イオン性洗剤からなる群から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明の局所組成物は、約5%(w/w)から25%(w/w)、好ましくは約7%(w/w)から15%(w/w)の浸透剤を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本発明の局所組成物は、任意に、約0.1%(w/w)から約25%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)から約5%(w/w)のヒアルロン酸を含んでもよい。より好ましくは、約0.1%(w/w)から約1.0%(w/w)までである。ヒアルロン酸は、人の結合組織、上皮組織、神経組織などに広く分布する天然のグリコサミノグリカンである。ヒアルロン酸は、真皮において、結合繊維であるコラーゲンとエラスチンの間を埋める水結合性と水吸引性を持つことで知られている。分子量は50,000ダルトン以上で、高粘度の溶液を形成する。本発明の一実施形態では、ヒアルロン酸の形態は、その塩、類似体、修飾体、および誘導体を含むヒアルロン酸からなる群から選択される。一実施形態では、ヒアルロン酸の形態は、ヒアルロン酸ナトリウムまたはヒアルロン酸カリウムである。ヒアルロン酸カリウムおよびヒアルロン酸ナトリウムは、ヒアルロン酸の水溶性塩である。
【0062】
本発明の一実施形態では、局所組成物中に存在する脂肪生成成分の重量%は、局所組成物中に存在する脂肪分解剤の重量%よりも大きい。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態では、局所組成物は、間接的な脂肪生成活性を有する薬剤をさらに含む。本発明のいくつかの実施形態では、局所組成物は、間接的な脂肪分解活性を有する薬剤をさらに含む。
【0064】
本明細書に記載の局所組成物は、パーソナルケア製剤において有用であることが知られている追加成分および他の任意成分をさらに含むことができる。
【0065】
一般に、局所組成物は担体を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、局所組成物は、望ましくは担体として水を含む液体組成物である。水の適切な量は、組成物の約0.1重量%から約99.9重量%であり得る。より典型的には、水の量は、組成物の約40重量%から約99.9重量%であり得る。好ましくは、水の量は、組成物の約60重量%から約99.9重量%であり得る。
【0067】
他の実施形態では、局所組成物は、少なくとも1つの活性成分および疎水性担体を含む。適切な疎水性担体は、例えば、天然油、合成油、およびそれらの組み合わせであり得る。他の疎水性担体は、当業者に知られているであろう。
【0068】
局所組成物は、皮膚鎮静剤をさらに含むことができる。本明細書で使用される「皮膚鎮静剤」は、皮膚の刺激を軽減または防止する化合物を指す。適切な皮膚鎮静剤は、例えば、キンセンカ、カモミール、アロエ、コンフリー、コーンフラワーなどの植物エキス、アラントイン、ビサボロール、パンテノール、βグルカン、コロイド状オートミールなどの活性物質、およびSymCalmin(登録商標)(例えば、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸を含む)、Symrise社から市販されているもの、SEPICALMTM(パルミトイルプロリンナトリウム、ニンファエアアルバ花エキス(Seppic社から市販されているもの)を含む))などの成分ブレンドであり得る。
【0069】
局所組成物は、湿潤剤をさらに含むことができる。湿潤剤は、皮膚、特に表皮および真皮の水和を促進させることができる。適切な湿潤剤は、例えば、グリセロール、グリセリン、乳酸、尿素、アロエベラ、ベタイン、プロパンジオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、およびそれらの組み合わせであり得る。
【0070】
局部組成物は、乳化剤をさらに含むことができ、特に、液晶ネットワークまたはリポソームネットワークを形成する乳化剤を含むことができる。適切な非限定的な例示的乳化剤としては、例えば、OLIVEM(登録商標)l000(例えば、セテアリルオリベートおよびソルビタンオリベート(HallStar Companyから市販されている)を含む)、ArlacelTM LC(例えば、ソルビタンステアレートおよびソルビタンラウレート(Crodaから市販されている)を含む)、CRYSTALCAST(登録商標)MM(例えば、ベータシトステロール、ステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、セチルアルコール、ステアリルアルコール(MMP Inc.から市販))、UNIOX CRISTAL(セテアリルアルコール、ポリソルベート60、セテアリルグルコシド(Chemyunionから市販)などを含む)。他の適切な乳化剤には、レシチン、水素化レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、リン脂質、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましい実施形態では、局所組成物は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物などのセルロースから誘導される乳化剤を含む。乳化剤の適切な量は、組成物の重量に対して約0.4%から約1.75%とすることができる。
【0071】
さらに、局所組成物は、乳剤の形成を助けるために一般的に使用されるトリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)、およびエタノールアミンを含むこともできる。トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)またはエタノールアミンの適切な添加量は、組成物の重量に対して約0.4%から約1.75%とすることができる。
【0072】
局所組成物は、Carbomer(登録商標)934、Carbomer(登録商標)940、Carbomer(登録商標)980、Carbomer(登録商標)990、およびCarbomer(登録商標)996などの架橋ポリアクリレートポリマーをさらに含むことができ、これらは乳化安定剤として、または粘度増加剤として機能する。架橋ポリアクリレートポリマーの適切な量は、組成物の重量に対して約0.5%から約5%であり得る。
【0073】
局所組成物は、安定性を維持するために防腐剤をさらに含むことができる。防腐剤はまた、組成物中の微生物生物の成長を防止することができる。適切な保存剤は当技術分野で知られており、例えば、メチルパラベン、フェノキシエタノール、カプリルグリコール、カプリル酸グリセリル、安息香酸、ソルビン酸、没食子酸、プロピルパラベン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、Oxyprotect、euxyl(登録商標)製品およびこれらの組み合わせを含む。その他の適切な防腐剤は、当業者に知られているであろう。防腐剤の適切な量は、組成物の重量に対して約0%から約7%であり得る。
【0074】
局所組成物は、組成物のpHを皮膚pHの範囲内に制御/維持するために、pH調整剤をさらに含むことができる。
【0075】
局所組成物は、香料、香り、染料、界面活性剤、エモリエント剤、酸化防止剤、レオロジー調整剤、フィルム形成剤、およびパーソナルケア製剤において有用であることが知られている他の成分をさらに含むことができる。適切な界面活性剤は、例えば、Brij(登録商標)20、Brij(登録商標)28、Brij(登録商標)98、Brij(登録商標)99であり得る。界面活性剤の適切な量は、組成物の重量の約0.25%から約1%であり得る。適切なエモリエント剤は、例えば、パルミチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸イソプロピルなどのアルコールベースのエモリエント剤であり得る。エモリエント剤の適切な量は、組成物の重量の約1%から約7%であり得る。
【0076】
使用方法
【0077】
本発明の別の形態では、本開示は、それを必要とする個体における真皮白色脂肪組織の構造、機能、および健康を調節する方法に向けられ、この方法は、以下の段階を含む。脂肪生成成分、脂肪分解成分、および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を、個体の標的皮膚領域に局所的に塗布する。対象となる皮膚領域は、脂肪生成を必要とする個別の領域や、逆に脂肪分解を必要とする領域に限定されるものではなく、むしろ、脂肪生成を必要とする領域と脂肪分解を必要とする領域の両方を組み込んだ皮膚の広い領域に組成物を投与することができる。
【0078】
本発明の別の形態では、本開示は、脂肪生成の全体的な増加をもたらすことなく、それを必要とする個人の皮膚の個別の領域に脂肪生成の増加をもたらす方法であって、脂肪生成成分、脂肪分解成分および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に塗布することを含む方法に向けられる。
【0079】
本発明の別の形態では、本開示は、脂肪分解の全体的な増加をもたらすことなく、それを必要とする個人の皮膚の個別の領域に脂肪分解の増加をもたらす方法であって、脂肪生成成分、脂肪分解成分および少なくとも1つの浸透剤を含む組成物を局所的に塗布することを含む方法に向けられる。
【0080】
局所組成物は、任意の適切な送達媒体によって標的皮膚領域に塗布することができる。例えば、組成物は、ローションとして、ウォッシュとして、ゲルとして、軟膏として、クリームとして、固形スティックとして、またはフォームとして塗布することができる。さらに、組成物は、ワイプを使って、ミットや手袋を使って、エアゾールディスペンサーを使って、ポンプスプレーを使って、トリガースプレーを使って、スクイズボトルを使って、またはマスクを使って塗布することができる。
【0081】
組成物は、所望に応じて、毎日、1日おき、2-3日おき、1週間おき、1ヶ月おき、および1年おきに塗布することができる。組成物は、1日に複数回、1週間に複数回、または1ヶ月に複数回塗布することができる。一実施形態では、組成物は少なくとも6週間定期的に塗布される。別の実施形態では、組成物は1日に少なくとも2回塗布される。
【0082】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、スキンケアレジメンの一部として、追加のスキンケア組成物と共に使用することができる。例えば、顔のトリートメント及びケアにおいてである。本開示では、レジメンの製品の少なくとも1つが本開示の局所組成物を含み、それによって真皮白色脂肪組織の構造および機能を促進するという利点を提供することを理解すべきである。
【0083】
本明細書ではスキンケアシステムについて説明するが、本開示の組成物を使用するレジメンは、皮膚を洗浄し、治療し、保湿し、保護するステップからなる様々な他の日常的なレジメンに使用できることを、当業者は理解すべきである。スキンケアレジメンは、肌に所望の効果をもたらすように、これらのステップのすべて、またはこれらのステップの一部を組み合わせたり、同じステップの複数の反復を行ったりし得ることが理解される。
【0084】
本発明の他の目的、利点、および新規の特徴は、1つまたは複数の好ましい実施形態、例、および側面の前述の詳細な説明から明らかである。本開示における1つまたは複数の実施例は非限定的な例であり、本発明はこれらの実施例の変形および等価物を包含することが意図されていることを認識すべきである。
【実施例】
【0085】
実施例1
【0086】
本発明の一実施形態による局所組成物の調製。
【0087】
表1に示す量に従った様々な成分を均一に分散・溶解させて、組成物を得、次いで撹拌して化粧水を得た。
【0088】
【0089】
実施例2
【0090】
図2A、2B、2Cおよび2Dは、本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示す。本発明による局所組成物は,右目の下から頬を下って口の右端までの広い領域に塗布された。治療期間は74日間で、塗布回数は1日2回以上とした。写真は、自然光に頼らず自分で光源を作り出すAnteraデジタルカメラシステムで撮影された。画像の加工は一切行っていない。脂肪生成の増加は、右頬の左上にある個別の窪みの解消に反映されている。この窪みは、使用29日目で外観が減少する(
図2Aと比較して
図2B)。使用の40日後には、この窪みの外観のさらなる減少がある(
図2Bと比較して
図2C)。窪みの外観の改善は、使用の74日目に維持されている(
図2Bと比較して
図2D)。
【0091】
実施例3
【0092】
図3A、3B、3C、3Dは、
図2A、2B、2C、2Dと全く同じ写真画像であるが、異なる視点から見たもので、具体的には、側頭部から、鼻に向かって内側を見た時の横顔の輪郭を描いている。Antera 3Dデジタルカメラシステムでは、画像を回転させたり傾けたりすることで、撮影した画像の任意の視点を選択することができる。
図3Bは、
図3Aと比較して、
図2Bに描かれた個別の窪みにおける体積の増加と、頬の輪郭の全体的な膨らみを示している。
図3Cは、
図3Bと比較して、より滑らかな頬の輪郭を示している。
図3Dは、
図3Cと比較して、頬の明らかに異なる輪郭を示している。
【0093】
実施例4
【0094】
図4A、4B、4Cおよび4Dは、
図2A、2B、2Cおよび2Dに描かれた個人の前と後の写真画像を示す。前の写真(
図4Aはナチュラルモード、
図4Bは非常に大きな窪みモード)は、本発明による局所組成物を用いた治療を開始する前の右目の眼窩周囲を示している。局所組成物は85日間塗布された。写真は、(独自の一貫した光源を生成し、複数の画像間で同じ選択を自動的に比較する)Antera社の3Dカメラで撮影された。窪みの深さは数値化され、白(窪みなし)から黄、緑、青、紫(最大の窪み)までの色でトポグラフで表現されている。画像の加工は一切行っていない。Antera 3Dカメラで撮影した画像(
図4Bと比較して
図4D)では、
図4Eに描かれた棒グラフで報告されているように、横方向のサイズが7mm以下の皮溝の体積(mm3)が46%減少している。Antera 3Dカメラシステムでは、横方向のサイズが7mm以下の窪みを「非常に大きい」と分類している。
図4A、4B、4C、および4Dは、右目の眼窩周囲部の体積が増加し(窪みの面積の減少など)、一方で、
図3A、3B、3C、および3Dに描かれた頬の輪郭に沿った体積が選択的に減少したことがわかる。
【0095】
実施例5
【0096】
図5Aおよび
図5Bは、本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示す。本発明による局所組成物を左頬部に塗布した。治療期間は約4ヶ月間で、塗布回数は1日2回以上とした。左頬の輪郭は、頭の左側に向かって顎から上を見ている視点から示されている。写真はAntera 3Dデジタルカメラシステムで撮影された。画像の加工は一切行っていない。
図5Bでは、
図5Aと比較して左頬の体積が大幅に減少しているように見え、その結果、輪郭がはるかに滑らかになっている。
【0097】
実施例6
【0098】
図6A-6Cおよび6D-6Fは、それぞれ本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示す。本発明による局所組成物は顔の右側に塗布した。治療期間は199日間で,塗布回数は1日1回以上とした。
図6Aおよび
図6Dは、治療前および治療後の写真画像を示す。
図6Bおよび6Eは、頬下部の治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された部分はハイライトされている。
図6Gは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図6Bおよび6Eに示される頬下部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、頬下部の体積が14%減少し、たるみの外観が大幅に改善されたことがわかる。
図6Cおよび
図6Fは、頬骨部の治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された部分はハイライトされている。
図6Hは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図6Cおよび6Fに示される頬下部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、ハイライトされた部分の体積が14%増加し、頬骨の隆起と輪郭の外観が大きく改善されたことがわかる。
【0099】
実施例7
【0100】
図7A-7Eおよび7F-Jは、それぞれ本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示す。本発明による局所組成物は顔の左側に塗布した。治療期間は199日間で,塗布回数は1日1回以上とした。
図7Aおよび
図7Fは、治療前および治療後の写真画像を示す。
図7Bおよび7Gは、頬骨部の治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された部分はハイライトされている。
図7Kは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図7Bおよび7Gに示される頬骨部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、頬骨のハイライトされた部分の体積が10%増加し、頬骨の隆起と輪郭が大幅に改善されたことがわかる。
図7Cおよび
図7Hは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分がより暗く表示されており、定量化のために頬の下の部分が強調されている。
図7Lは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図7Cおよび7Hの下頬のハイライト部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。治療により、ハイライト部分の体積が11%減少し、下頬のたるみの外観が大きく改善されたことがわかる。
図7Dおよび71は、頬骨部の治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、陥没した部分はより暗く表示され、定量化のために選択された部分はハイライトされている。
図7Mは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図7Dおよび7Iに示される涙トラフのハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、ハイライトされた部分の体積が30%増加し、体積欠損の外観または眼窩周囲部の窪みが大幅に改善されたことがわかる。
図7Eおよび7Jは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、窪んでいる部分がより暗く表示され、定量化のために頬中部の窪みの部分がハイライトされている。
図7Nは、Anteraシステムによって自動的に計算された、頬中部の窪みのハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、ハイライトされた部分の体積には変化がなく、充填を必要としない部分には充填が行われなかったことがわかる。
【0101】
実施例8
【0102】
図8A-8Cおよび8D-8Fは、それぞれ、本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示している。本発明による局所組成物は顔の左側に塗布した。治療期間は105日間で、塗布回数は1日1回以上とした。
図8Aおよび
図8Fは、治療前および治療後の写真画像を示す。
図8Bおよび8Eは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された頬下部がハイライトされている。
図8Gは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図8Bおよび8Eに示される下頬部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、頬下部の体積が18%減少し、たるみの外観が大幅に改善されたことがわかる。
図8Cおよび
図8Fは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、窪んでいる部分がより暗く表示され、定量化のために頬中部の窪みの部分がハイライトされている。
図8Hは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図8Cおよび8Fに示される頬中部の窪みのハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、ハイライトされた部分の体積が14%減少し、顎の輪郭の外観が大幅に改善されたことがわかる。
【0103】
実施例9
【0104】
図9A-9Cおよび
図9D-8Fは、それぞれ本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示している。本発明による局所組成物は顔の左側に塗布した。治療期間は125日で、塗布回数は1日1回以上とした。
図9Aおよび
図9Fは、治療前および治療後の写真画像を示す。
図9Bおよび
図9Eは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された頬下部がハイライトされている。
図9Gは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図9Bおよび
図9Eに示される頬上部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、頬上部の選択された部分の体積が18%増加し、たるみの外観と頬上部の輪郭が大幅に改善されたことがわかる。
図9Cおよび
図9Fは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、窪んでいる部分がより暗く表示され、定量化のために頬中部の窪みの部分がハイライトされている。
図9Hは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図9Cと
図9Fに示される頬中部の窪みのハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、ハイライトされた部分の体積が64%減少し、顎の輪郭の外観が大幅に改善されたことがわかる。
【0105】
実施例10
【0106】
図10A-Dおよび10E-10Hは、それぞれ本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示している。本発明による局所組成物は顔の右側に塗布した。治療期間は256日間で、1日1回以上の頻度で塗布した。
図10Aおよび
図10Eは、治療前および治療後の写真画像を示す。
図10Bおよび10Fは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された頬骨部がハイライトされている。
図10Iは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図10Bおよび10Fに示される頬骨部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、選択された頬骨の体積が12%増加し、頬骨部の隆起および輪郭が大幅に改善されたことがわかる。
図10Cおよび
図10Gは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分はより暗く表示され、定量化のために選択された頬上部がハイライトされている。
図10Jは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図10Cおよび10Gに示される頬上部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、頬上部のハイライトされた部分の体積が19%増加し、頬上部のリフティングの外観が大幅に改善され、たるみの外観が減少したことを表している。
図10Dおよび10Hは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、窪んでいる部分がより暗く表示され、定量化のために頬中部の窪みの部分がハイライトされている。
図10Kは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図10Dおよび10Hに示される頬中部の窪みのハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、選択された部分の頬中部のくぼみが7%増加し、顎の輪郭の見た目が大幅に改善されたことがわかる。
【0107】
実施例11
【0108】
図11A-11Cおよび11D-11Fは、それぞれ、本発明による局所組成物を使用して治療された個人の治療前および治療後の写真画像を示している。本発明による局所組成物は顔の左側,目の下に塗布した。治療期間は127日で、塗布回数は2日に1回以上とした。
図11Aおよび
図11Dは、治療前および治療後の写真画像を示す。
図11Bおよび11Eは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、陥没した部分はより暗く表示され、定量化のために選択された涙トラフの部分がハイライトされている。
図11Gは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図11Bおよび11Eにおいてハイライトされた涙トラフの部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、選択された涙トラフ部分の体積が11%増加し、眼窩周囲部の窪みが大幅に改善されたことがわかる。
図11Cおよび
図11Fは、治療前と治療後の画像をトポグラフで示したもので、隆起している部分がより暗く表示され、定量化のために頬骨領域がハイライトされている。
図11Hは、Anteraシステムによって自動的に計算された、
図11Cおよび11Hの頬骨部のハイライトされた部分の体積を立方ミリメートルで比較したグラフである。この治療により、選択された頬骨部の体積が41%増加し、頬骨部の外観が大幅に改善されたことがわかる。
【国際調査報告】