(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】上部開放型樋
(51)【国際特許分類】
A01G 31/02 20060101AFI20220113BHJP
A01G 9/02 20180101ALI20220113BHJP
【FI】
A01G31/02
A01G9/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547952
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(85)【翻訳文提出日】2021-04-23
(86)【国際出願番号】 FI2019050763
(87)【国際公開番号】W WO2020089520
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521176754
【氏名又は名称】グリーン・オートメーション・グループ・オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】フットゥネン,ユッカ
【テーマコード(参考)】
2B314
2B327
【Fターム(参考)】
2B314MA33
2B314NA23
2B314NC08
2B314NC43
2B314ND03
2B314ND16
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2B314PB02
2B314PC04
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2B314PC22
2B327NB01
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2B327NC27
2B327NC36
2B327NC40
2B327ND15
2B327UA13
(57)【要約】
植物の栽培のための上部開放型樋である。一実施例では、上部開放型樋は、二重縁(1)によって形成され頂部を閉じられた又はほぼ閉じられた少なくとも1つの用水空間(2)を備える。前記用水空間(2)は樋の底部にて開いている。一実施例では、上部開放型樋は、部分二重底によって形成され底部間隙(3)を介して樋の底部へ接続された少なくとも1つの分離した用水空間(2)を備える。一実施例では、上部開放型樋は、2つの側壁(12)と底壁(10)とによって境界を定められ少なくとも1つの仕切壁(18)によって飼い葉桶様の区画へ仕切られた空間を備える。仕切壁(18)は、樋の底部にて開いている二重壁によって形成された少なくとも1つ用水空間(2)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重縁(1)によって形成され頂部を閉じられた又はほぼ閉じられた少なくとも1つの用水空間(2)、を備えている植物を栽培するための上部開放型樋において、
前記用水空間(2)は当該樋の底部にて開いている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項2】
植物を栽培するための上部開放型樋であって、
当該上部開放型樋は、部分二重底によって形成され当該樋の底部へ底部間隙(3)を介して接続された少なくとも1つの分離した用水空間(2)を備えている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項3】
2つの側壁(12)と底壁(10)とによって境界を定められ少なくとも1つの仕切壁(18)によって飼い葉桶様の区画へ仕切られた空間、を備えている植物を栽培するための上部開放型樋において、
前記仕切壁(18)は、二重壁によって形成され当該樋の底部にて開いた少なくとも1つ用水空間(2)を備えている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記用水空間(2)は前記上部開放型樋の前記底部から0.1mm~2mm開いている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項5】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋であって、
前記上部開放型樋は金属又は複合材料で曲げ加工によって作られている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項6】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋であって、
前記上部開放型樋はプラスチック、アルミニウム、又は他の混合物で押出成形によって作られている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項7】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋であって、
前記上部開放型樋は底部リブ(4)を備えている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項8】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋であって、
前記上部開放型樋は植物の栽培のために使用される、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項9】
請求項1に記載の上部開放型樋において、
前記二重縁(1)は用水を運ぶために使用され、前記二重縁(1)の内側の縁は前記上部開放型樋の前記底部に向かって開き、前記用水空間(2)と前記植物のための培地の間に用水を運ぶための底部間隙(3)を形成している、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項10】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記上部開放型樋の中で前記植物のために使用される前記培地は、園芸用ピート、ミネラルウール、グラスウール、ミズゴケ、木繊維、ココナッツ繊維、麻繊維、又は前記培地構成物質の少なくとも1つを含む混合物である、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項11】
請求項1又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記上部開放型樋の中で植物の灌水のために使用される栄養溶液が、少なくとも部分的には、肥料、魚養殖水、バイオリアクター、又はこれらの組合せ、の栄養塩類から誘導される、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項12】
請求項1に記載の上部開放型樋において、
前記二重縁(1)は前記上部開放型樋の両方の縁に又は片側の縁のみに設けられている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項13】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記上部開放型樋の前記底部は、前記用水空間(2)から前記培地へ用水を運ぶことを目的とする湾曲した形状を有している、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項14】
請求項1に記載の上部開放型樋において、
前記二重縁(1)は、用水の自由な流れのための、前記培地と平行に前記底部から前記頂部までずっと延びるトンネル形状の用水通路を構成するように設定されている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項15】
請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記底部間隙(3)の幅は2mm~5mmである、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項16】
請求項1又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記用水空間(2)は、前記上部開放型樋が培地(5)を充填されたときに、用水が前記用水空間(2)を流れ、前記底部間隙(3)を介し前記上部開放型樋の全長に亘って前記培地(5)を灌水することを許容するように配置されている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項17】
請求項2に記載の上部開放型樋において、
前記二重底は用水を運ぶために使用され、前記二重底は前記用水空間(2)と前記樋の他の部分の間に用水を運ぶための前記底部間隙(3)によって形成された接続を備えている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項18】
請求項2又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記上部開放型樋の中で灌水のために使用される前記栄養溶液は、少なくとも部分的には、肥料、魚養殖水、バイオリアクター、ジャガイモ果実水、又はこれらの組合せ、の栄養塩類から誘導される、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項19】
請求項2に記載の上部開放型樋において、
二重底が前記上部開放型樋の両側に又は片側のみに設けられている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項20】
請求項2に記載の上部開放型樋において、
前記二重底は、用水の流れのための、前記培地と平行なトンネル形状の用水空間(2)を構成するように設定されている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項21】
請求項2又は請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記用水空間(2)は、前記上部開放型樋が培地を充填されたときに、前記用水が前記底部間隙(3)と接触し、更に前記上部開放型樋の全長に亘って前記培地と接触するようなやり方で設定されている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項22】
請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記二重壁は、用水の流れのための、前記培地と平行に延びるトンネル形状の用水空間(2)を構成するように設定されている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項23】
請求項3に記載の上部開放型樋において、
前記二重壁は用水を運ぶために使用され、前記二重壁は前記用水空間(2)と前記樋の他の部分の間に用水を運ぶための前記底部間隙(3)によって形成された接続を備えている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項24】
請求項3に記載の上部開放型樋において、
二重壁が前記上部開放型樋の仕切壁(18)の両側に又は片側のみに設けられている、ことを特徴とする上部開放型樋。
【請求項25】
植物の栽培での上部開放型樋の使用において、
請求項1及び/又は請求項2及び/又は請求項3に記載の上部開放型樋を使用している、ことを特徴とする上部開放型樋の使用。
【請求項26】
植物の栽培での方法において、
請求項1及び/又は請求項2及び/又は請求項3に記載の上部開放型樋の中で植物を栽培している、ことを特徴する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の栽培のための導水式上部開放型樋(gutter)に関する。提示されている解決策は、更に、植物の栽培のための上部開放型樋であって、用水が樋に沿って導かれ、更には樋の用水空間から培地(substrate)へと導かれる樋に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の栽培、特に水耕用途(NFT、栄養膜技法)での栽培を意図した樋の特性をここで説明しておきたい。
【0003】
レタスやハーブは30年以上に亘って水耕栽培技術によって育てられてきた。最も効率的な方法は樋での栽培であり、つまり一体の樋の植物用の孔に設置された小型鉢の中で植物が育てられるいわゆる可動樋技法である。樋は軌道上を動き、成長段階に従って樋間の距離が自動的に増加される。灌水用水へ添加される栄養溶液が、樋の一端にて投与され、そこから溶液は傾斜した樋に沿って流れ、行く手に沿って鉢内の植物を灌水し、他端から外へ流れ出たら、予定の処理を経て再循環されることになる。栄養溶液のこの様な再循環は常時オンにされることもあれば、例えば2時間おきに10分間のサイクルでオンにされることもある。サイクル設定は、例えば、システム内の他の要素の寸法、季節、樋の長さ、傾斜、及び培地に依存する。典型的には、樋は75mmの幅と6m~12mの長さを有している。特にこれはレタスの栽培に適用される。キュウリやトマトの栽培では、樋は100mにも及ぶ長さと20cm~30cmの幅を有していることもある。
【0004】
上述の樋での栽培は、少なくとも2つの基本的改善をもたらした。そのうちの1つ目として、生育空間そして特に照明の最大活用を確保するために、成長にしたがって生育密度(1平方メートル当たりの植物)が調節できる。2つ目として、栄養溶液が必要量の何倍もの量でしかも継続的に樋へ投与されることができるので、栄養素組成が最適から大きく外れていても循環する溶液が新たな栄養素を絶え間なく根系へ供給するため成長に影響が出ない。循環溶液を用いる栽培は、数種の異なる植物が同じ循環溶液中に育てられる場合又は栄養溶液が全体的には最適とは限らない場合に栄養素含量のひずみを濯ぎによって是正する必要に迫られることのない最も機能的な技法である。この種の状況は、例えば、諸栄養素は入手可能であるが必要に対して正しい割合で入手可能とはいかない有機肥料の施肥では往々にして直面される。
【0005】
樋での栽培では、ハニカム状に配置される小型鉢に種をまくことによって苗は別々に育てられる。最も一般的には、灌水はスプリンクラーによる上方からの灌水として配置される。苗は栽培樋の植物用孔へ移される。樋の孔は、植物による必要にしたがって作られており、必然的に後で変更することはできない。
【0006】
多数の異なる植物、特に小型植物(ベビーリーフ、マイクログリーン)を栽培することに対して、最良の解決策は、いわゆる上部開放型樋を使用することである。上部開放型樋は上部が全体的に開いており、樋は別体の鉢を使用せずにピートやミネラルウールの様な培地を充填される。種は必要に応じ所望の密度で播種される。栽培のために、樋は、樋の生産ラインシステムに乗せられ、動かされ、上述の様に樋の一端にて灌水される。上部開放型樋の利点には、別体の鉢が必要でないこと、播種密度を必要に応じて変えることができること、苗を育てるための別の段取りが必要ないこと、及び樋は掃除がしやすいことが挙げられる。
【0007】
上部開放型樋に係る問題には、樋を充填している培地を通る灌水用水の通過が貧弱であること、樋が溢流し培地の一部が循環溶液と共に流れ去ってしまいかねないこと、及び樋の始点端と終点端で成長が不均一であることが挙げられる。これらすべてが技法と栽培に関わる問題を生じさせる。先行技術の問題を解決するために、上部開放型樋を通って用水を導く様々な方法が開発されてきた。一例として、上部開放型樋が孔あきインサートトレイを提供され、培地及び植物が上部に設置され、栄養溶液がトレイの下を流れて植物の根によって探し求められるようにしている。別の解は、樋にインサートトレイではなく幅狭区分を提供し、培地と植物を上部に設置し、用水流れのための通路を下部に残しておくというものである。前記の実施例では、他にもあるが中でも特に以下の問題、即ち、
・実践での培地の品質のばらつきによって生じる不均一な成長、
・樋の充填及び培地の取り扱いの複雑な技法、
・樋の傾斜に対する性能の影響の受けやすさ、
・栽培中の構造の変化、
・用水と培地の間の接触の問題、
・詰りの原因となる、用水溝の中への培地の漏れ、
が、観察されている。
【0008】
上部開放型樋に係る問題には、施肥の特別な事例、例えば魚養殖と植物の栽培を組み合わせたものであるアクアポニックスも含まれる。循環される灌水用水の量が灌水にとっての必要量の何倍もの量である限りは、魚養殖によって生み出され植物によって必要とされる栄養素の循環を組み合わせることは実施可能である。魚によって食べられた魚餌に含まれるミネラルの一部が、魚養殖に使用される用水の中へ水溶性栄養素の形態で排泄される。これらの栄養素は植物にとって非常に有用である。問題は、植物のための灌水用水の最適栄養素濃度(導電率に関して与えられる濃度で約2mS/cm)と比べて、魚養殖のために使用される用水が希薄(大凡0.6mS/cm)であることだ。これは、なぜ用水の必要量と比べて何倍もの量の灌水溶液が供給されなくてはならないのかに対する1つの理由であり、適量の用水が培地を通過することができず溢流を引き起こすかさもなければ栄養素の欠如を引き起こすという上部開放型樋での栽培における導水の問題につながるものである。
【0009】
文献の米国特許第4075785A号は、樋の中で植物を栽培するための手法を提示している。用水は常に所望通りに樋内の培地を通って流れるとは限らず、培地の水分含有量は不均一なままであり、それにより灌水過多かさもなければ乾燥が作物収量の減少を引き起こすだろう。
【0010】
文献の国際公開第2012/172187A1号は、ミネラルウールのシートの様な固形培地に適した及び固形培地向けを意図した特別な上部開放型樋を備える栽培システムを記載している。
【0011】
国際公開第2016/151186A1号による解決策では、栽培樋は隔壁構造によって2つの部分へ仕切られており、用水は主に培地の下方に延びるトンネル内及び隔壁構造によって形成された中央空間内を流れることが意図されている。
【0012】
植物の栽培を意図した上部開放型樋であって、樋の縁部又は底部によって形成された用水空間を有する樋が、米国特許第2005/0246956A1号及び米国特許第4255898A号に提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4075785A号
【特許文献2】国際公開第2012/172187A1号
【特許文献3】国際公開第2016/151186A1号
【特許文献4】米国特許第2005/0246956A1号
【特許文献5】米国特許第4255898A号
【発明の概要】
【0014】
提示されている解決策による導水式上部開放型樋が付随の特許請求の範囲の請求項1に提示されている。
【0015】
代替的に、提示されている解決策による導水式上部開放型樋が更に付随の特許請求の範囲の請求項2に提示されている。
【0016】
代替的に、提示されている解決策による導水式上部開放型樋が更に付随の特許請求の範囲の請求項3に提示されている。
【0017】
上部開放型樋が植物の栽培のために使用される。
【0018】
先行技術の上部開放型樋では、培地は用水の十分な流れに対する障害物を構成する。通常、水耕栽培では、灌水の均一性か又は栄養素の十分な供給のどちらかを確保するために、供給される用水の量は必要量より何倍も多い。例えば、アクアポニックスシステム、即ち魚養殖と植物の栽培の組合せでは、魚養殖からの希薄な用水は、栄養素に対する必要を満たすために植物の用水需要より何倍も多い量で供給されなくてはならない。
【0019】
本解決策による導水式上部開放型樋は上記問題を解消する。
【0020】
例えば、アクアポニックスシステムでは、魚養殖からの希薄な用水を、栄養素に対する必要を満たすために植物の用水需要より何倍も多い量で供給するのに導水式上部開放型樋が培地に関係なく使用できる。
【0021】
栄養溶液が用水需要より何倍も多い投与量で容易に供給されることができ、用水は樋の全長に沿って培地に素早く吸収されてゆくだろう。
【0022】
或る実施例では、植物の灌水に使用される栄養溶液は、少なくとも部分的には、肥料、魚養殖水、バイオリアクター、他のプロセスの主要又は副次的ストリーム、又はこれらの組合せ、の栄養塩類から誘導される。
【0023】
或る実施例では、樋内で植物を育てるために使用される培地は、園芸用ピート、ミネラルウール、グラスウール、ピートモス(ミズゴケ)、木繊維、ココナッツ繊維、麻繊維、又は前記培地構成物質の少なくとも1つを含む混合物である。
【0024】
或る実施例では、樋は、金属か又は複合材料で曲げ加工によって作られている。別の実施例では、樋は、プラスチック、アルミニウム、又は他の混合物の押出成形によって作られている。
【0025】
樋は、植物の栽培のための上部開放型樋であって、二重縁によって形成され頂部を閉じられた又はほぼ閉じられた少なくとも1つの用水空間を備えている樋である。前記用水空間は上部開放型樋の底部にて開いている。
【0026】
或る実施例では、用水空間は、上部開放型樋の底部に0.1mm~2mmの開放間隙を有している。或る実施例では、導水式上部開放型樋は、典型的には、縁部構造によって形成され培地用の空間へ狭い間隙を介して接続された用水流れのための空間を備えている。用水は間隙の中へ毛管現象と重力の両方によって運び込まれ、間隙を介して培地へ毛管現象と重力の両方によって更に運ばれる。用水供給端にて、用水は逆方向に流れるようになっていてもよい。
【0027】
二重縁のおかげで、樋は頑丈であり、しかも製造するのが簡単である。
【0028】
同じ二重縁構造は異なる大きさの樋に再現されることができる。樋の幅は、所望される植物の大きさに従って選択されればよい。
【0029】
より狭い導水式上部開放型樋の場合、初期栽培は50%増加した密度で容易に遂行されることができ、初期栽培は生育サイクル全体のほぼ半分を占めるので、栽培効率が25%より多く増加するだろう。
【0030】
例えば、中央ヨーロッパでは、集中的な日差しが狭い樋の縁と根を熱くしすぎるので、100mm~140mmという特別な幅の樋が一般的に使用されている。導水式上部開放型樋の二重縁は、熱が培地へ伝わるのを防ぎ、それにより前記問題を軽減し、樋のより狭い寸法設定とより高い生育密度を可能にさせる。
【0031】
代替的に、上部開放型樋は、部分二重底でよって形成され底部間隙を介して樋の底部へ接続された少なくとも1つの分離した用水空間を有するものであって、植物の栽培のために使用される。
【0032】
或る実施例では、導水式上部開放型樋は、典型的には、縁部構造によって形成され間隙を介して樋の底部へ接続された用水空間を備えている。植物栽培用途では、用水は樋の方向に主に用水空間に沿って流れ、毛管現象と重力の両方によってほぼ同時に樋の全長に亘って培地へ運ばれる。用水供給端にて、用水は逆方向に流れるようになっていてもよい。
【0033】
部分二重底のおかげで、樋は機械的に頑丈であり、しかも製造するのが簡単である。
【0034】
部分二重底を有する同様の構造が異なる大きさの樋に再現されることができる。樋の幅は、所望される植物の大きさに従って選択されればよい。
【0035】
部分二重底を有する同様の構造が異なる大きさの樋に再現されることができる。上記と同じやり方で、栽培効率は25%より多く増加するだろう。
【0036】
樋は植物の栽培のための上部開放型樋であって、2つの側壁と底壁とによって境界を定められ少なくとも1つの隔壁によって樋様の区分へ仕切られた空間を備える樋である。隔壁は、二重壁によって形成され樋の底部に開いた少なくとも1つの用水空間を備えている。或る実施例では、用水空間は頂部を閉じられるか又はほぼ閉じられている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図6】本解決策による樋の或る代替的な追加の実施例を示す。
【
図7】本解決策による樋の或る実施例の構造を示す。
【
図8】本解決策による樋の或る代替実施例の構造を示す。
【
図9】本解決策による樋の更に発展させた或る実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、
図1及び
図2を参照しながら幾つかの導水式上部開放型樋を論じてゆく。
【0039】
図1は、必要に従って選択された長さ、好都合には1m~20mの長さを有する導水式上部開放型樋の或る典型的な形状を示す。
【0040】
図2は、代替形(a)~(e)の導水式成就開放型樋の好都合な断面及び寸法を示す。
【0041】
導水区分は二重縁1によって形成されており、それの内側の縁は底部に向かって僅かに開き、用水空間2と培地の間に用水を運ぶための底部間隙3を残している。
【0042】
二重縁1は両側に設けられていてもよいし、又は片側のみに設けられていてもよい。長い樋、例えば6mより長い樋では、また同じく幅広の樋、例えば60mmより幅広の樋では、灌水を確保すると共に構造を支持するために両側に二重縁1を設けるのが好都合である。
【0043】
樋は、更に、下側のリブ4、及び、例えば樋を動かすのを容易にするため及び樋の構造を支持するための他の構造細部、補強材などを備えていてもよい。或る実施例では、樋は、下側のリブ4又は樋の移動、強度、又は機能性に関連する他の追加要素を備えている。
【0044】
図2の代替例(e)は、同じ樋に2列に種をまくことを可能にする好都合な設計及び寸法設定を示しており、寸法設定はまた殆どの既存の間引き式システムにそのまま適応できる。底部の湾曲した形状が用水空間から培地への導水をいっそう円滑にする。
【0045】
幾つかの実施例では、樋は二重縁を両側に設けられているか又は片側のみに設けられているかのどちらかである。樋が培地を充填された後、用水は二重縁1によって囲まれた用水空間2を流れ、底部間隙3を介し樋の全長に亘って素早く培地を灌水してゆき、培地を流れに引きずり込むことはない。
【0046】
レタス及びアイスバーグレタスは導水式上部開放型樋内で良好に育ち、生育密度が必要にしたがって調節されていれば十分な収量をもたらす。
【0047】
栽培を始めるときは、導水式上部開放型樋(
図1参照)が例えば園芸用ピートを充填され、緩く突き固められたら、種が所望の密度でまかれる。充填と播種というこの初期工程については、自動充填及び播種機械が一般的に利用可能であり、その様な機械は軽微な修正を加えた後に導水式上部開放型樋との使用に適応する。充填及び播種装置の商標の例には、V-モサ(V-Mosa)、ホルティマット(Hortimat)、メイヤー(Mayer)、ウルビナティ(Urbinati)、ヴィッサー(Visser)、ジャヴォ(Javo)、ダロス(DaRos)、及びパンネット(Punnet)が挙げられる。
【0048】
播種工程の後、樋は栽培現場へ移され、通常の樋灌水ノズル(例えば.ネタフィムマキシCNL(Netafim Maxi CNL)、12リットル毎時)によって樋の一端へ灌水される。この供給端は樋の端を閉じるためのプラグを提供されているのが望ましい。供給端から、用水は、部分的には培地の中へ吸収され、主には二重縁1によって囲まれた用水空間2を流れ、樋を下って更に流れ、ほぼ同時に樋の全長に亘って培地を灌水してゆく。例えば10分の期間に亘る最初の灌水後、必要に応じて樋は再び灌水される。用水は樋の他端から流れ出ようとし、それにより例えば底部を下向きに曲げることによって吐出口が好都合に提供される。栽培の始めの頃は樋が互いに隣接して設置されることもあり、樋間の距離は成長に従って増加される。導水式上部開放型樋は従来の閉鎖型樋よりも効率的であり得、特に小型植物の生産においてはそうである。
【0049】
先行技術の樋と比較して、違いは、例えば、用水の自由な流れのために二重縁1が培地に平行に底部から頂部までずっと延びるトンネル形状の用水通路を構成していることである。この空間から用水は底部間隙3を介して培地への直接的な接続を有する。培地が貧弱な用水吸収能力を有している場合、水位が二重縁1内で上昇し、それにより用水は重力によって押されて培地の中へ浸透し、更には根の届く範囲内に浸透してゆくだろう。
【0050】
用水は、樋の方向に、縁によって囲まれたトンネル様の用水空間2を主に流れ、培地にはそれほど流れず、それにより培地が循環する用水に引きずり込まれることはないだろう。用水空間2は狭い間隙を介して培地へ接続されている。用水空間2の幅と底部間隙3の幅はどちらも樋の機能性にとって必須の因子である。用水空間2の幅は好都合には5mm~10mmであり、間隙の寸法は好都合には1mm~2mmであり、それにより、培地は用水空間2に進入することはなく、根系は培地中に留まろうとし、用水だけが間隙を通されることになるのである。
【0051】
二重縁1の同じ構造は異なる大きさの樋に再現されることができる。樋の幅は、所望される植物の大きさに従って選択されればよい。最も小さい植物いわゆるマイクログリーンについては、初期栽培での最大播種密度を条件とするなら30mm程度の幅狭樋で足りるだろう。生育密度は栽培の収益性にとって重要な因子であり、特に栽培が部分的に又は全体的に人工照明の下で行われる場合はそうである。北欧諸国では、最も一般的に使用されている樋モデルは約75mmの幅を有しており、例えば中央ヨーロッパでは100mm~140mmの特別な幅を有する樋が一般的に使用されている。
【0052】
75mmの標準幅を有する上部開放型樋の生産性は、樋を通って用水を運びほぼ同時に樋の全長に亘って培地の中への用水の吸収を可能にさせる二重縁構造を樋が有している場合に、樋に数列の隣接した列状に播種することによって改善されることができる。二重縁がなければ、樋の全長に亘って培地しか通らない用水の通過は極めて低速になる。
【0053】
これより
図3、
図4、
図5、及び
図6を参照して、幾つかの代替的な導水式上部開放型樋を論じてゆく。
【0054】
図3及び
図4は、必要に従って選択された長さ、好都合には1m~20mの長さを有する導水式上部開放型樋の単純な設計を示している。
【0055】
図5は、導水式上部開放型樋の好都合な断面、即ち代替形(a)~(h)を示している。
【0056】
導水区部、即ち用水空間2は、二重縁1か又は部分二重底のどちらかである二重構造によって形成されている。
【0057】
二重構造は、片側に設けられてもよいし又は例えば
図5の代替形(f)~(h)に示されている様に両側に設けられてもよい。二重構造は、用水空間2と樋の他の部分との間に水を導くための接続、即ち底部間隙3を設けられている。
【0058】
長い樋、例えば6mより長い樋では、また同じく幅広の樋、例えば60mmより幅広の樋では、灌水を確保すると共に構造を支持するために、両側に二重縁1を設けるのが好都合である。樋は、更に、下側のリブ4、又は、例えば樋を動かすのを容易にするため及び樋の構造を支持するための他の構造的細部、補強材などを備えていてもよい。或る実施例では、樋は、下側のリブ4及び樋の移動、強度、又は機能性に関連する他の追加の要素を備えている。
【0059】
約75mmの幅を有する場合、
図5の断面の形状は殆どの既存の間引き式システム向けとしては適切である。
図5の代替形(f)~(h)では、底部の湾曲形状は用水空間2から培地へ用水を運ぶのをいっそう円滑にする。
【0060】
図5の代替形(f)~(h)は両側に二重縁1を有する樋の実施例を示している。樋が培地を充填された後、用水が二重縁部1で囲まれた用水空間2を流れ、底部間隙3を介して樋の全長に亘って培地を素早く灌水してゆき、培地を流れに引きずり込むことはない。
【0061】
これらの樋を使用して、
図1を参照して既に以上に説明されている様に、栽培は開始され、播種後に樋は移され、初期灌水を含む灌水は実施される。
【0062】
先行技術の樋との違いは、他にもあるが中でも特に、二重構造が培地と平行に用水の流れのためのトンネル形状の用水空間2を構成するという特徴である。この空間から、用水は底部間隙3を介して培地への直接的な接続を有する。用水は培地の中へ吸収され、更に根系の届く範囲内に至る。用水は樋の方向に主に用水空間2を流れるが、培地にはそれほど流れず、それにより培地は循環する用水に引きずり込まれることはない。用水空間2の大きさと底部間隙3の幅はどちらも樋の機能性における必須の重要事項である。用水空間2は、用水が底部間隙3と接触し更には樋の全長に亘って培地と接触するように狭小であるのが望ましい。例えば、レタスを育てるための樋では、用水空間2の幅は5mm~10mmであるのが好都合である。間隙の幅は必要に従って選択されればよい。栽培樋では掃除をしやすくするためには間隙は2mm~5mmであるのが好都合である。根が間隙を通って成長することのないほどに間隙を狭小にすること、つまり0.1mmより狭小にすることさえも実施可能であり、それにより根系は培地内に留まり、用水だけが間隙を通過することになるだろう。これは特に長期栽培では必要になることもある。
【0063】
同じ二重構造は異なる大きさの樋に再現されることができる。樋の幅は、所望される植物の大きさに従って選択されればよい。最も小さい植物いわゆるマイクログリーンについては、初期栽培での最大播種密度を条件とするなら30mm程度の幅狭樋で足りるだろう。トマトやキュウリの栽培では、樋の幅は大凡200mmである。生育密度は栽培の収益性にとって重要な因子であり、特に栽培が部分的に又は全体的に人工照明の下で行われる場合はそうである。この場合、初期播種密度は高くなくてはならず、成長に従って樋の間隔を空けてゆくことにより播種密度は下げられる。北欧諸国でレタスを育てるのに使用される最も一般的な樋の型式は約75mmの幅を有する孔あき樋である。
【0064】
図6の実施例では、上部開放型樋は培地5又は培地シートを充填されていて、キュウリやトマトの様な植物の灌水6は用水空間2の中へ直接的に行なわれ、栄養溶液は必要な長さに亘って運ばれるようになっている。従来の栽培での灌水は滴下式灌水の様な植物特異的であったのに対し、導水式上部開放型樋での灌水は、所望の間隔で、樋の一端へ又は必要なら直接的に用水空間2へ供給されるだけでよい。その様な適用では、培地は、コケと園芸用ピートの混合物の様な高吸水性であるものとする。
【0065】
次に、上部開放型樋の断面を示す
図7、
図8、及び
図9を参照しながら、幾つかの代替的な導水式上部開放型樋の構造を論じてゆく。
【0066】
以下の
図7の説明は、特に、本記載の中で以上に論じられている二重構造及び二重縁を有する上部開放型樋及びそれの動作に関する。
【0067】
図7、
図8、及び
図9に示されている様に、上部開放型樋は、開放型樋内の培地のための飼い葉桶様の空間を囲む底壁10と底壁10へ底壁10を横断して接続された2つの側壁12を備えている。前記空間の底部は底壁10であり、その上へ培地が設置される。各側壁12はそれの下端を底壁10へ、例えば底壁10の縁へ締結されている。底壁10と側壁12は互いへ継目なく接合され一体構造を形成していてもよい。使用時、底壁10は、例えば実質的に水平であり、側壁12は実質的に垂直か又は僅かに傾斜している。少なくとも1つのリブ4が底壁10へ締結され及び/又は側壁12の下端の延長部を形成していてもよい。
【0068】
図7に示されている様に、底壁10に向かって延びる隔壁14を側壁12の延長部として設けることによって二重縁1が上部開放型樋に形成されている。別の実施例では、隔壁14は他方の側壁12に向かって延びている。隔壁14の端、例えばそれの最も外側の端は、他方の側壁12から離間されている。隔壁14の端、例えば下端は、例えば使用時垂直方向に見て隔壁14の端と底壁10の間に底部間隙3が形成されるように、底壁10から離間されている。例えば使用時水平方向に見て隔壁14と側壁12の間には用水空間2が形成される。底壁10は用水空間2のための底部として、また底部間隙3の底部として機能する。
【0069】
側壁12と隔壁14は互いへ継ぎ目なく接合され一体構造を形成している。上部開放型樋の使用時、隔壁14は例えば実質的に垂直であるか又は僅かに傾斜している。
【0070】
例えば、底壁10は用水空間2から底部間隙3及びその先へ真っ直ぐに且つ均一に延びている。
【0071】
或る実施例では、底壁10に対する用水空間2の垂直高さは、側壁12の高さの少なくとも5分の3又は少なくとも3分の2である。
【0072】
隔壁14は側壁12へ、例えば側壁12の頂部又はその近くへ締結され、隔壁14は側壁12の分岐を構成していてもよい。代替的には、隔壁14は、側壁12の頂部に対し、底壁10からの距離が側壁12の頂部からの距離よりも大きい点に又は底壁10からの垂直距離が側壁12の高さの少なくとも5分の3又は少なくとも3分の2である点に接続されていてもよい。
【0073】
隔壁14は、例えばそれの側壁12の側の端及び/又はそれの下端に、隔壁14の主要部分から逸れる方向に延びる区分を設けられていてもよい。例えば、底部間隙3にて、隔壁14の下端の前記区分が底壁10に対して傾斜していてもよいし又は底壁10と平行であってもよい。
【0074】
上述の側壁12と底壁14は組み合わせて前記二重構造及び二重縁を構成している。
【0075】
以下の
図8の説明は、特に、本記載の中で以上に論じられている二重構造及び部分二重底を有する上部開放型樋及びその動作に関する。
【0076】
図8に示されている様に、中間底16を側壁12の延長部として他方の側壁12に向かって設けることによって、部分二重底が上部開放型樋に形成されている。或る実施例では、中間底16は底壁10に向かって延びている。中間底16の端、例えばそれの外側の端は、他方の側壁12から離間されていて、底壁10を一部のみ覆っている。中間底16の端は、例えば使用時垂直方向に見て中間底16の端と底壁10の間に底部間隙3が形成されるように、底壁10から離間されている。例えば使用時垂直方向に見て中間底16と底壁10の間には用水空間2が形成される。底壁10は用水空間2のための底部として、また底部間隙3の底部として機能する。
【0077】
側壁12と中間底16は互いへ継ぎ目なく接合され一体構造を構成している。上部開放型樋の使用時、中間底16は例えば実質的に水平であるか又は僅かに傾斜している。
【0078】
例えば、底壁10は用水空間2から底部間隙3及びその先へ真っ直ぐに且つ均一に延びている。
【0079】
或る実施例では、底壁10に対する用水空間2の垂直高さは、側壁12の高さの5分の2以下又は3分の1以下である。
【0080】
中間底16は底壁10へ又は側壁12へ接続され、それにより中間底16が、例えば底壁10又は側壁12の分岐を構成していてもよい。代替的には、中間底16は、側壁12に対し、底壁10からの距離が側壁12の頂部からの距離よりも小さい点に又は底壁10からの垂直距離が側壁12の高さの5分の2以下又は3分の1以下である点に接続されていてもよい。
【0081】
中間底16は、例えばそれの側壁12の側の端又はそれの最も外側の端に、中間底16の主要部分とは異なる方向に延びる区分を設けられていてもよい。例えば、側壁12の側の端の前記区分が側壁12に対して傾斜していてもよいし又は側壁12と平行であってもよい。前記区分は側壁12に当接して延びていてもよい。
【0082】
前記底壁10と中間底16は共同で前記二重構造及び部分二重底を構成している。
【0083】
上述の、二重構造、二重縁、及び/又は部分二重底を具備した上部開放型樋及びそれの動作に関わるものは何れも、
図9に関して以下の説明の中で論じられる上部開放型樋へ関連づけられることができる。
【0084】
図9に示されている様に、上述の、底壁10及び側壁12を有する上部開放型樋は、更に、底壁10へ底壁10を横断して接続された少なくとも1つの仕切壁18を設けられていて、仕切壁18が上部開放型樋の飼い葉桶様の空間を隣接する飼い葉桶様の区画、例えば少なくとも2つの隣接区画へ仕切っている。仕切壁18はそれの底が底壁10の例えば中央区分へ締結されている。底壁10と仕切壁18は互いへ継ぎ目なく接合され一体型構造を構成している。使用時、仕切壁18は例えば実質的に垂直である。
【0085】
底壁10か又は側壁12のどちらかに向かって延びる隔壁20を仕切壁18の延長部として設けることによって、用水空間2が上部開放型樋に形成されている。隔壁20の端、例えばそれの外側の端は、側壁12から離間されていて底壁10を一部のみ覆っている。隔壁20の端、例えばそれの外側の端は、例えば使用時垂直方向に見て隔壁20の端と底壁10の間に底部間隙3が形成されるように、底壁10から離間されている。用水空間2は、例えば使用時水平方向に見て隔壁20と仕切壁18の間に形成される。追加的又は代替的に、用水空間2は、例えば使用時垂直方向に見て隔壁20と底壁10の間に形成される。底壁10は用水空間2のための底部として、また底部間隙3の底部として機能する。
【0086】
仕切壁18と隔壁20は互いへ継ぎ目なく接合され一体構造を形成していてもよい。上部開放型樋の使用時、隔壁20は、例えば、実質的に垂直であるか、実質的に水平であるか、又は僅かに傾斜している。
【0087】
例えば、底壁10は用水空間2から底部間隙3及びその先へ真っ直ぐに且つ均一に延びている。
【0088】
隔壁20は、仕切壁18の例えばそれの頂部又はその近くの箇所へ接続され、及び/又は隔壁20が仕切壁18の分岐を構成するようなやり方で接続されている。
【0089】
隔壁20は、例えばそれの仕切壁18の側の端か又は底部間隙3の側の端、例えば外側の端に、隔壁20の主要部分とは異なる方向に延びる区分を設けられていてもよい。例えば、隔壁20の端又は底部間隙3にて前記区分が底壁10又は仕切壁18に対して傾斜しているか又は平行であってもよい。
【0090】
上述の型式の用水空間2は、仕切壁18の両側にそれぞれの底部空隙3及び隔壁20と共に設けられていてもよい。
【0091】
仕切壁18の高さは、1つ又はそれ以上の側壁12の高さに対応していてもよいし又はそれらより低くてもよい。或る実施例では、仕切壁18の垂直高さは、側壁12の高さの2分の1以下、5分の2以下、又は3分の1以下である。
【0092】
上述の隔壁20は底壁10と共に前記二重構造及び部分二重底を構成することができ、及び/又は前記隔壁20は仕切壁18と共に前記二重構造及び部分二重底を構成することができる。隔壁20と仕切壁18は組み合わせて用水空間2を形成する二重壁を構成している。
【0093】
例えば、二重壁は、培地に近接して用水の流れのためのトンネル形状の用水空間2を構成するように適合される。例えば、二重壁は用水を運ぶために使用されていて、それは用水空間2と樋の他の部分の間に用水を運ぶための、底部間隙3によって形成された接続を備える。例えば、二重壁は仕切壁18の両側又は片側のみに設けられる。
【0094】
以上に説明されている実施例は提示されている解決策を拘束しない。問題になっている解決策は付随の特許請求の範囲に提示されている。
【符号の説明】
【0095】
1 二重縁
2 用水空間
3 底部間隙
4 下側のリブ
10 底壁
12 側壁
14 隔壁
16 中間底
18 仕切壁
20 隔壁
【国際調査報告】