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▶ トゥルボアルゴール ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】冷凍装置及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/10 20060101AFI20220113BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20220113BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20220113BHJP
   F04B 39/06 20060101ALI20220113BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
F25B1/10 Q
F25B1/00 101E
F25B1/00 396D
F04B39/12 101Z
F04B39/06 R
F04B39/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547968
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-06-19
(86)【国際出願番号】 IB2019059100
(87)【国際公開番号】W WO2020084545
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】102018000009843
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521176695
【氏名又は名称】トゥルボアルゴール ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】TURBOALGOR S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】マウリツィオ アスカーニ
【テーマコード(参考)】
3H003
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB06
3H003AB07
3H003AC03
3H003BE10
3H003CB00
3H003CD05
(57)【要約】
流量(P)の冷媒が循環する閉回路(C)を有する冷凍装置(1)であって、前記閉回路は、主圧縮機(2)を備えた主枝(M)と、前記冷媒を冷却するための冷却装置(3)と、前記冷媒を膨張させるための膨張手段(4)と、蒸発器(5)とを備え、前記閉回路は、さらに前記冷媒の流量の一部分(X1)が流れる二次エコノマイザー分岐(100)を含み、前記二次エコノマイザー分岐(100)の流入領域(100a)は、前記閉回路(C)の前記冷却装置(3)と前記膨張手段(4)との間の区間内に配置され、前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)は、前記主圧縮機(2)の吸込口の近くに配置されたものにおいて、前記主枝(M)は、前記蒸発器と前記主圧縮機の間に配置された往復動型圧縮機(6)を備えており、前記往復動型圧縮機は、シリンダ(7)、ロッド(8)及びピストン(9)を備え、前記ピストンは、前記ロッド(8)に一体的に拘束され、前記シリンダ内で移動可能であり、前記二次エコノマイザー分岐は、前記ロッド作動体を制御するための制御装置(50)を備えており、前記二次エコノマイザー分岐(100)を流れる前記冷媒の流量の一部分(X1)の一部(X2)を迂回させて前記ピストン(9)を駆動することにより前記蒸発器から前記シリンダに吸入された前記冷媒を圧縮し、記蒸発器から来た前記冷媒の吸入行程で、前記ピストン(9)の移動中に、前記冷媒の流量の一部分の一部(X2)を前記二次エコノマイザー分岐(100)に再導入し、前記冷媒の流量の一部分の一部(X2)を前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)を経て流出させるように構成され、前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域は、前記往復動型圧縮機(6)の下流に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の流量(P)の冷媒が循環する閉回路(C)を備えた冷凍装置(1)であって、
前記閉回路は、少なくとも1つの主圧縮機(2)を有する少なくとも1つの主枝(M)と、前記冷媒を冷却するための少なくとも1つの冷却装置(3)と、前記冷媒を膨張させる膨張手段(4)と、少なくとも1つの蒸発器(5)とを備えており、
前記閉回路は、さらに、少なくとも前記冷媒の流量の一部分(X1)が流れる少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐(100)を備え、
前記少なくとも1つの第1の二次エコノマイザー分岐(100)の流入領域(100a)は、前記閉回路(C)の前記冷却装置(3)と前記膨張手段(4)との間の区間内に配置されており、前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐(100)の出口領域(100b)は、前記主圧縮機(2)の吸入口の近くに配置され、
前記冷凍装置は、前記主枝(M)がさらに、前記蒸発器と前記主圧縮機の間に配置された少なくとも1つの往復動型圧縮機(6)を備えており、前記往復動型圧縮機は、少なくとも1つのシリンダ(7)と、少なくとも1つのロッド(8)と少なくとも1つのピストン(9)を有し、前記ピストンは、前記少なくとも1つのロッド(8)に一体的に拘束され、かつ前記シリンダ内で移動可能であり、
前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐は、前記少なくとも1つのロッドの作動を制御するための少なくとも1つの制御装置(50)を備えており、
前記制御装置は、
前記二次エコノマイザー分岐(100)を流れる前記冷媒の流量の一部分(X1)の一部(X2)を迂回させて、前記少なくとも1つのピストン(9)を駆動させ、これにより、前記蒸発器から前記シリンダに吸入された前記冷媒を圧縮すると共に、
前記蒸発器から前記シリンダへの前記冷媒の吸入行程において、前記少なくとも1つのピストン(9)の移動中に、前記冷媒の流量の一部分の一部(X2)を前記二次エコノマイザー分岐(100)に再導入し、前記冷媒の流量の一部分の一部(X2)を前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)を経て流出させるように構成され、
前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域は、前記往復動型圧縮機(6)の下流に配置されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷凍装置(1)において、
前記シリンダ(7)は、第1のチャンバー(10)を備えており、
前記第1のチャンバーは、
前記蒸発器(5)から前記第1のチャンバーへ前記冷媒が流入するための第1のポート(11)と、前記第1のチャンバー(10)内から圧縮された前記冷媒を流出させ前記主圧縮機(2)に到達させるための第2のポート(12)とを備えており、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記ピストン(9)によって前記第1のチャンバーから流体的に分離され、前記ピストンを移動させ、前記第1のチャンバー(10)内の前記冷媒を圧縮するために、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記一部(X2)を流入させるための少なくとも1つの第3のポート(21)を備えた、第2のチャンバー(20)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冷凍装置(1)において、
前記少なくとも1つの第3のポート(21)は、前記第1のチャンバー(10)内の前記冷媒の圧縮の終わりに、前記冷媒の流量の一部分の前記一部(X2)が流出して前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)に到達するように、構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項4】
請求項3に記載の冷凍装置(1)において、
前記ロッドの作動体を制御するための前記制御装置(50)は、前記二次エコノマイザー分岐(100)と流体的に接続された少なくとも1つの流入領域(51)と、
前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)に流体的に接続された少なくとも1つの流出領域(52)と、
第1の構成C1と第2の構成C2を切替える遮断手段(30)とを備えており、
前記第1の構成C1では、前記冷媒の流量の一部分の前記一部(X2)を前記第2のチャンバー(20)に流入させるために、前記流入領域(51)と前記第3のポート(21)との間の流体接続が可能であり、
前記第2の構成C2では、前記第2のチャンバー(20)から前記冷媒の流量の一部分の前記一部(X2)を流出させるために前記流出領域(52)と前記第3のポート(21)との間の流体接続が許容され、前記流入領域(51)と前記第3のポート(21)との間の流体接続は許容されていないことを特徴とする冷凍装置。
【請求項5】
請求項4に記載の冷凍装置において、
前記作動体を制御するための前記制御装置(50)は、シリンダ(55)の本体を備え、
前記遮断手段(30)は、前記シリンダ(55)内で、前記第1の構成C1の第1の位置(P1)と前記第2の構成C2における第2の位置(P2)との間で、平行移動できる少なくとも1つの移動可能なシャフト(31)を備え、
前記移動可能なシャフト(31)には、第1の遮断部(32)と第2の遮断部(33)とが設けられており、前記第1の遮断部(32)と前記第2の遮断部(33)は前記1つの移動可能なシャフト(31)に沿って離間して配置されており、
前記第1の位置(P1)で、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記一部(X2)の前記第2のチャンバー(20)への流入のために、前記流入領域と前記第3のポート(21)との間の流体接続が可能となり、
前記第2の位置(P2)で、前記第2のチャンバー(20)からの前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記一部(X2)の流出のために、前記流出領域(52)と前記第3のポート(21)との間の流体接続が許容され、前記流入領域(51)と前記第3のポート(21)との間の流体接続は許容されないように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの往復動型圧縮機(6)は、前記少なくとも1つのロッド(8)に一体的に拘束され、前記シリンダ(7)内で移動可能な少なくとも1つの追加のピストン(9’)を備え、
前記シリンダ(7)は、追加の第1のチャンバー(10’)を備えており、前記追加の第1のチャンバーは、前記蒸発器(5)からの前記冷媒の流入のための追加の第1のポート(11’)、及び圧縮された冷媒を前記主圧縮機(1)へ流出させるための追加の第2のポート(12’)を含んでおり、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記追加のピストン(9’)によって前記追加の第1のチャンバー(10’)から流体的に分離された、追加の第2のチャンバー(20’)を備えており、前記追加の第2のチャンバーは、前記追加のピストン(9’)を移動させるために、前記冷媒の流量の一部分(X1)の追加の一部(X2’)を流入させる追加の第3のポート(21’)を含んでおり、
前記追加の第2のチャンバー(20’)は、前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒を圧縮すると同時に、前記蒸発器から前記第1のチャンバー(10)への前記冷媒の吸入を可能とし、そして、
前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒を圧縮すると同時に、前記ピストン(9)による前記第1のチャンバー(10)内の前記冷媒の圧縮に続き、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部(X2’)の流出を可能にするように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項7】
請求項6に記載の冷凍装置であって、
前記ロッド(8)の作動体を制御するための制御装置(50)は、さらに、前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)に流体的に接続された少なくとも1つの追加の流出領域(52’)を含み、
前記遮断手段(30)は、少なくとも前記第1の位置(P1)にあるときは、前記追加の第2のチャンバー(20’)から冷媒の流量の一部分(X1)の追加の一部(X2’)を流出させるために、前記追加の流出領域(52’)と前記追加の第3のポート(21’)の間の流体接続を可能とし、
少なくとも前記第2の位置(P2)にあるときは、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)の前記追加の第2のチャンバー(20’)への流入のために、前記流入領域(51)と前記追加の第3のポート(21’)の間の流体接続を許容するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項8】
請求項7に記載の冷凍装置であって、
前記遮断手段(30)は、前記平行移動可能なシャフト(31)に拘束された少なくとも1つの第3の遮断部(34)を含み、
前記第3の遮断部(34)は、前記シャフト(31)に沿って前記第1の遮断部(32)及び前記第2の遮断部(33)から離間しており、
これにより、少なくとも1つの前記移動可能なシャフト(31)が前記第1の位置(P1)にあるとき、前記追加の第2のチャンバー(20’)から前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)を流出させるために、前記追加の流出領域(52’)と前記追加の第3のポート(21’)の間の流体接続が許容され、
少なくとも1つの前記移動可能なシャフト(31)が前記第2の位置(P1)にあるとき、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)を前記追加の第2のチャンバー(20’)に流入させるために、前記流入領域(51)と前記追加の第3のポート(21’)の間の流体接続が許容されるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記ロッド(8)の作動体を制御するための前記制御装置(50)は、前記シリンダ(7)内の前記ロッド(8)の位置に応じて、前記第1の構成C1と前記第2の構成C2との間の前記遮断手段(30)の切替え、又はその逆に駆動する駆動手段(80)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項10】
請求項9に記載の冷凍装置であって、
前記駆動手段(80)は、前記第1のチャンバー(10)内に配置された少なくとも1つの切替えボタン(81)と、前記追加の第1のチャンバー(10’)内に配置された1つの第2の切替えボタン(82)とを備え、
前記少なくとも1つの第1の切替えボタン(81)は、前記第1のチャンバー(10)内の前記冷媒の圧縮行程の終わりに、前記ピストン(9)によって作動され、前記遮断手段(30)を、前記第1の構成C1から前記第2の構成C2へ切替えるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項11】
請求項10に記載の冷凍装置であって、
前記作動体を制御するための前記制御装置(50)の前記シリンダ本体(55)は、主圧縮機(2)と往復動型圧縮機(6)との間の主枝の部分に流体的に接続された第1の端子容積(V1)と、前記主圧縮機(2)と前記往復動型圧縮機(6)の間の主枝に、制御され運動する方法で流体的に接続された第2の端子容積(V2)とを備え、
前記第1の端子容積(V1)は、前記遮断手段(30)を前記第2の構成C2に留まらせるための弾性要素(88)を有しており、
前記第2の端子容積(V2)は、前記少なくとも1つの第1の切替えボタン(81)が前記ピストン(9)によって作動し、前記遮断手段(30)を前記第1の構成C1から前記第2の構成C2への切替え、前記二次エコノマイザー分岐(100)を用いて、前記少なくとも1つの第2の切替えボタン(82)が前記追加のピストン(9’)によって作動されるとき、前記遮断手段(30)を前記第2の構成C2から前記第1の構成C1への切替えるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項12】
請求項2に記載の冷凍装置(1)であって、
前記第2のチャンバー(20)は、前記第1のチャンバー(10)内の前記冷媒の圧縮の終わりに、前記冷媒の流量の一部分の前記一部(X2)を前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)へ流出させるための、少なくとも1つの第4のポート(22)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項13】
請求項12に記載の冷凍装置(1)であって、
前記ロッド(8)の作動体を制御するための前記制御装置(50)は、前記二次エコノマイザー分岐(100)と流体的に接続された少なくとも1つの流入領域(51)と、前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)に流体的に接続された少なくとも1つの流出領域(52)と、第1の構成C1から第2の構成C2へ切替える遮断手段(30)を備え、
前記第1の構成C1は、前記第2のチャンバー(20)への前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記一部(X2)の流入のために、前記流入領域(51)と少なくとも1つの前記第3のポート(21)との間の流体接続が許容され、
前記第2の構成C2は、前記第2のチャンバー(20)から前記冷媒の流量の一部分の一部を流出させるために、前記流出領域(52)と前記少なくとも1つの第4のポート(22)との間の流体接続が可能であり、前記流入領域(51)と少なくとも1つの前記第3のポート(21)との間の流体接続は許容されないように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項14】
請求項13に記載の冷凍装置であって、
前記流入領域(51)及び前記流出領域(52)は、前記往復動型圧縮機(6)の前記シリンダ(7)に設けられ、
少なくとも1つの第1の小ピストン(36)及び少なくとも1つの第2の小ピストン(37)を含む遮断手段(30)は、両方とも前記シリンダ内に配置され、前記シリンダ(7)内の夫々の第1のシリンダキャビティ内で、前記第1の構成C1にするために前記第1の位置(P1、P1’)、前記第2の構成C2にするために前記第2の位置(P2、P2’)に、夫々移動可能であり、
前記第1の小ピストンには第1の遮断部(38)が設けられ、前記第2の小ピストンには第2の遮断部(39)が設けられ、
前記第1の遮断部(38)は、少なくとも前記第1の小ピストンが前記第1の位置(P1)にあるときに、前記少なくとも1つの第3のポート(21)を露出させ、前記第1の小ピストンが少なくとも前記第2の位置(P2)にあるとき、前記少なくとも1つの第3のポート(21)を覆うように構成され、
前記第2の遮断部(39)は、前記少なくとも第2の小ピストンが前記第1の位置(P1’)にあるときに前記少なくとも1つの第4のポート(22)を覆い、前記第2の小ピストンが少なくとも前記第2の位置(P2’)にあるとき前記少なくとも1つの前記第4のポート(22)を露出させるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記とも1つの往復動型圧縮機(6)は、前記少なくとも1つのロッド(8)に一体的に拘束され、前記シリンダ(7)内で移動可能な少なくとも1つの追加のピストン(9’)を備えており、
前記シリンダは、前記蒸発器(5)から来る冷媒の流入のための追加の第1のポート(11’)、及び追加の第1のチャンバー(10’)内の圧縮された冷媒を主圧縮機(1)に到達させるように流出させる追加の第2のポート(12’)を含む追加の第1のチャンバー(10’)を備えており、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記追加のピストン(9’)によって前記追加の第1のチャンバー(10’)から流体的に分離され、前記追加のピストン(9’)を移動させ前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒を圧縮し、同時に、前記蒸発器(5)から前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)を前記第1のチャンバー(10)へ流入させる追加の第3のポート(21’)を有する追加の第2のチャンバー(20’)を備え、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒の圧縮の終了時に、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)を流出させ、同時に、前記ピストン(9)による前記第1のチャンバー(10)内の冷媒の圧縮のための追加の第4のポート(22’)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項16】
請求項15に記載の冷凍装置であって、
前記ロッド(8)の作動体を制御するための前記制御装置(50)は、前記シリンダ内に設けられ、前記二次エコノマイザー分岐(100)と流体的に接続された、少なくとも1つの追加の流入領域(51’)を備えており、
前記遮断手段(30)は、
少なくとも前記第1の構成C1の場合、
前記追加の流入領域(51’)と前記少なくとも1つの追加の第3のポート(21’)との間の流体接続を不可とし、前記追加の第2のチャンバー(20)から前記冷媒の流量の一部分の前記追加の一部(X2’)を流出させるために、前記流出領域(52)と前記少なくとも1つの追加の第4のポート(22’)との間の流体接続を可能にし、そして
少なくとも前記第2の構成C2にあるとき、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)が追前記加の第2のチャンバー(20’)に流入するための、前記追加の流入領域(51’)と前記少なくとも1つの追加の第3のポート(21’)との間の流体接続を可能とし、前記流出領域(52)と前記少なくとも1つの追加の第4のポート(22’)との間の流体接続は許容しないように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項17】
請求項14~16のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
少なくとも1つの第1の小ピストン(36)は、追加の第1の遮断部(38’)を備え、第2の小ピストンは、追加の第2の遮断部(39’)を備えており、
追加の第1の遮断部(38’)は、少なくとも前記第1の小ピストン(36)が前記第1の位置(P1)にあるときに前記少なくとも1つの追加の第3のポート(21’)を覆い、少なくとも前記第1の小ピストン(36)が前記第2の位置(P2)にあるとき、前記追加の第3のポート(21’)を露出させており、
前記追加の第2の遮断部(39’)は、少なくとも前記第2の小ピストン(37)が前記第1の位置(P1’)にあるとき、前記少なくとも1つの追加の第4のポート(22’)を露出させ、前記少なくとも第2の小ピストン(37)が前記第2の位置(P2)にあるとき、前記少なくとも1つの追加の第4のポート(22’)を覆うように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項18】
請求項17に記載の冷凍装置であって、
第1の小ピストン(36)は、第1の突出端(36b)及び第2の突出端(36c)を備えており、前記両突出端は、夫々、前記ピストン(9)及び前記追加のピストン(9’)の作用下で、前記第1のチャンバー(10)及び前記追加のチャンバー(10)において、前記蒸発器(5)から来た前記冷媒を吸入する夫々の行程の終わりに、前記第1の小ピストン(36)が前記第1の位置(P1)から前記第2の位置(P2)、及びその逆の方向に移動できるように、寸法が定められていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項19】
請求項16又は17に記載の冷凍装置であって、
前記第2の小ピストン(37)の前記第2の遮断部(39)及び前記追加の第2の遮断部(39’)は、少なくとも、前記蒸発器(5)から来た前記冷媒を前記追加の第1のチャンバー(10’)及び前記第1のチャンバー(10)に吸入する夫々の行程の終わりに、前記追加のピストン(9’)と前記ピストン(9)の作用下で、前記第2の小ピストン(37)が前記第1の位置(P1’)から前記第2の位置(P2’)、及びその逆に移動できるように、構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記冷媒が、二酸化炭素、又は同様の化学的及び/又は物理的特性を有する他のガス又はガス混合物を含むことを特徴とする冷凍装置。
【請求項21】
少なくとも請求項1に記載の前記装置を操作するための方法であって、この操作方法は、
a)前記閉回路(C)の前記主枝(M)に沿って前記冷媒を循環させ、
b)前記閉回路の前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐(100)に沿って前記冷媒の流量の一部分(X1)を循環させ、
c)前記往復動型圧縮機(6)を駆動する、各行程を含むものにおいて、
前記行程c)は、
c1)前記往復動型圧縮機(6)の前記少なくとも1つのピストン(9)を駆動し、前記蒸発器(5)から前記シリンダ(7)に流入した前記冷媒を圧縮するために、前記二次エコノマイザー分岐を流れる前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記少なくとも一部(X2)を迂回させる行程と、
c2)前記蒸発器から前記冷媒を吸入する前記行程における前記少なくとも1つのピストン(9)の移動中に、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記少なくとも一部(X2)を前記二次エコノマイザー分岐(100)に再導入しさらに前記少なくとも1つの前記二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域(100b)から流出させる行程とを含み、
前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐(100)の前記出口領域は、前記往復動型圧縮機(6)の下流に配置されていることを特徴とする冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置に関する。特に、本発明の冷凍装置は、二酸化炭素を冷媒(クーラント)として使用する冷凍装置に適している。
【背景技術】
【0002】
従来知られているように、上記のタイプの冷媒を使用する冷凍装置は、冷媒が流れる閉回路を含み、この閉回路に沿って、圧縮機、冷媒を冷却する冷却器、膨張弁、及び蒸発器が配置されている。
冷媒が、二酸化炭素又は同様の特性を有する他の流体である場合、この冷媒は、冷凍装置内で実行される熱力学的プロセスの全体を通して常に気体状態のままであるため、以下で言及するのは、流体の冷却器であり、凝縮器ではないことに留意されたい。
【0003】
二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍装置の効率を高めるために、閉回路内を循環する冷媒用に、1つ又は複数の二次エコノマイザー分岐を使用することも知られている。
既知の技術によれば、この二次エコノマイザー分岐は、一方の側が閉回路の主枝の冷却装置と膨張弁との間の領域に流体的に接続され、他方の側が主圧縮機に接続されている。
このような二次エコノマイザー分岐は、膨張弁と、主回路と熱を交換するための熱交換器とを備えており、二次エコノマイザー分岐を流れる冷媒の流れは、最大圧力と最小圧力の中間の圧力を有し、冷媒は冷却装置内を循環する、すなわち、冷却装置の流体の圧力と蒸発器の流体の圧力の間で循環する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれにせよ、1つ又は複数の二次エコノマイザー分岐を使用する場合であっても、二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍装置は、エネルギーの点で有利ではない。実際、それらの効率はまだかなり低い。
【0005】
従って、本発明の1つの目的は、例えば二酸化炭素(CO)タイプの、冷却ガスを使用することができ、既知の技術の装置よりも効率の高い、冷凍装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、構造的に複雑ではなく、効率が向上した冷凍装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主たる目的及び他の目的は、所定の流量の冷媒が循環する閉回路を有する冷凍装置であって、前記閉回路が以下の構成を備えた冷凍装置によって達成される。
少なくとも1つの主圧縮機を備えた少なくとも1つの主枝と、
前記冷媒を冷却するための少なくとも1つの冷却装置と、前記冷媒を膨張させる膨張手段、及び少なくとも1つの蒸発器とを有し、
前記閉回路はさらに、前記冷媒の流量の一部分が流れる少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐を備え、
前記少なくとも1つの第1の二次エコノマイザー分岐の流入領域は、前記閉回路の前記冷却装置と前記膨張手段との間の区間内に配置され、前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐の出口領域は、前記主圧縮機の吸入口の近くに配置されたものにおいて、
前記主枝は、さらに、前記蒸発器と前記主圧縮機との間に配置された少なくとも1つの往復動型圧縮機を備えており、前記往復動型圧縮機は、少なくとも1つのシリンダ、少なくとも1つのロッド、及び少なくとも1つのピストンを有し、
前記ピストンは、前記少なくとも1つのロッドに一体的に拘束され、かつ前記シリンダ内で移動可能であり、
前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐は、前記少なくとも1つのロッドの作動を制御するための少なくとも1つの制御装置を備えており、
前記制御装置は、
前記二次エコノマイザー分岐を流れる前記冷媒の流量の一部分の一部を迂回させて、前記少なくとも1つのピストンを駆動させ、これにより、前記蒸発器から前記シリンダに吸入された前記冷媒を圧縮すると共に、
前記蒸発器から前記シリンダへの前記冷媒の吸入行程において、前記少なくとも1つのピストンの移動中に、前記冷媒の流量の一部分の一部を前記二次エコノマイザー分岐に再導入し、前記冷媒の流量の一部分の一部を前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐の前記出口領域を経て流出させるように構成され、
前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐の前記出口領域は、前記往復動型圧縮機の下流に配置されていることを特徴とする。
【0007】
従って、前記二次エコノマイザー分岐に流入した、前記蒸発器の冷媒よりも高い圧力の前記冷媒の流量の一部分は、実質的に、前記主枝に沿って配置された前記往復動型圧縮機のピストンに推力を提供するのに使用され、これにより前記蒸発器から来た前記冷媒を圧縮する。
前記二次エコノマイザー分岐に流入し、前記往復動型圧縮機の前の圧縮行程で使用された前記冷媒は、前記主枝の前記主圧縮機と前記往復動型圧縮機との間の区間に戻される。
従って、前記二次エコノマイザー分岐に流入した前記冷媒の流量の一部分は、前記往復動型圧縮機内で圧縮され前記蒸発器から来た前記冷媒と混合することはなく、往復動型圧縮機の前記吸入行程において、前記往復動型圧縮機のピストンに推力を加えた後に、前記二次エコノマイザー分岐の出口領域の方向へ導かれる。
前記二次エコノマイザー分岐の前記出口領域では、前記冷媒の流量の一部分が前記往復動型圧縮機から出てくる前記冷媒と混合する。
【0008】
本発明の第1の実施形態によれば、前記往復動型圧縮機のシリンダは、第1のチャンバーを備えており、この第1のチャンバーは、前記蒸発器から来た前記冷媒が流入するための第1のポートと、前記第1のチャンバー内の圧縮された冷媒を流出させ前記主圧縮機に到達させるための、第2のポートとを有している。
前記シリンダは、さらに、前記ピストンによって前記第1のチャンバーから流体的に分離され、前記ピストンを移動させ前記第1のチャンバー内の前記冷媒を圧縮するための、前記冷媒の流量の一部分の一部を流入させるための少なくとも1つの第3のポートを有する、第2のチャンバーを備えている。
前記冷媒の流量の一部分の一部は、前記主圧縮機の吸入行程で、前記ピストンを変位させ、前記第1のチャンバー内の前記冷媒の圧縮行程の終わりに、前記第1のチャンバー内の前記冷媒を圧縮し、前記冷媒の流量の一部分の一部は、前記第3のポートを経て前記二次エコノマイザー分岐の前記出口領域に流出する、すなわち、前記主圧縮機の吸入側に到達する。
【0009】
従って、上記のように、前記二次エコノマイザー分岐を流れる前記冷媒の流量の一部分の一部は、前記第1のチャンバー内に流入する前記冷媒と混合することはなく、前記往復動型圧縮機で圧縮されてから、前記主圧縮機に到達するように第2のチャンバーから出てくる。
前記圧縮行程中に前記ストンを押すために使用される前記冷媒は、前記二次エコノマイザー分岐の前記出口領域に到達し、前記主圧縮機に入る前に、前記往復動型圧縮機によって圧縮された前記冷媒と混合するように、前記往復動型圧縮機の前記シリンダの前記第2のチャンバーから出てくる。
【0010】
また、前記ロッド作動体を制御するための前記制御装置は、前記二次エコノマイザー分岐に流体的に接続された少なくとも1つの流入領域と、前記二次エコノマイザー分岐の前記出口領域に流体的に接続された少なくとも1つの流出領域と、第1の構成及び第2の構成間の切替えを行う遮断手段とを含み、
前記第1の構成では、前記冷媒の流量の一部分の一部を前記第2のチャンバーへの流入させるために、前記流入領と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続が可能であり、
前記第2の構成では、前記第2のチャンバーから前記冷媒の流量の一部分の一部を流出させるために、前記流出領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続が許容され、前記流入領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続は許容されない。
【0011】
特に、前記制御装置は、シリンダ本体を備える。さらに、前記遮断手段は、前記第1の構成の第1の位置と前記第2の構成の第2の位置との間で前記シリンダ内を移動可能な少なくとも1つのシャフトを含んでいる。
前記移動可能なシャフトには、第1の遮断部及び第2の遮断部が設けられている。前記第1の遮断部及び前記第2の遮断部は、少なくとも1つの移動可能なシャフトに沿って互いに間隔を置いて配置され、以下のように構成されている。
すなわち、前記第1の位置では、前記第2のチャンバーへの前記冷媒の流量の一部分の一部の流入のために、前記流入領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続が可能であり、
前記第2の位置では、前記第2のチャンバーから前記冷媒の流量の一部分の一部を流出させるために、前記流出領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続が可能であり、前記流入領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続は許容されていない。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、
少なくとも1つの往復動型圧縮機は、少なくとも1つのロッドに一体的に拘束され、シリンダ内で移動可能な少なくとも1つの追加のピストンを含んでおり、
前記シリンダは、追加の第1のチャンバーを備えており、前記追加の第1のチャンバーは、前記蒸発器から来た前記冷媒の流入のための追加の第1のポートと、前記追加の第1のチャンバー内で圧縮された前記冷媒の流出のための追加の第2のポートとを含んでいる。
また、前記シリンダは、前記追加のピストンによって前記追加の第1のチャンバーから流体的に分離された、追加の第2のチャンバーを備えており、前記追加の第2のチャンバーは、前記冷媒の流量の一部分の一部を流入させるための追加の第3のポートを備えており、前記追加の第3のポートは、前記追加のピストンを移動させて、前記追加の第1のチャンバー内の前記冷媒を圧縮し、前記蒸発器から前記第1のチャンバーへの前記冷媒の同時吸入を可能にする。前記追加の第3のポートは、さらに、前記追加の第1のチャンバー内の前記冷媒の圧縮と、前記第1のチャンバー内の前記ピストンによる前記冷媒の同時圧縮に続く、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部の流出を可能にしている。
実際には、往復動型圧縮機は複動式であるため、ピストンが吸入行程にあるとき、追加のピストンは圧縮行程にあり、その逆も同様である。
従って、これにより、前記閉回路内を循環できる前記冷媒の流量を大幅に増やすことができる。
【0013】
本発明の特定の態様によれば、前記ロッド作動体を制御するための前記制御装置は、さらに、前記主枝の前記主圧縮機と前記往復動型圧縮機との間の区間に流体接続された、少なくとも1つの追加の流出領域を備えている。前記遮断手段が、少なくとも前記第1の位置にあるとき、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部の流出のために、前記追加の流出領域と前記追加の第3のポートとの間の流体接続を可能にする。
そして、前記遮断手段が、少なくとも前記第2の位置にある場合、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部を前記追加の第2のチャンバーに流入させるために、前記流入領域と前記追加の第3のポートとの間の流体接続が可能になる。
前記遮断手段は、前記移動可能なシャフトに拘束された少なくとも第3の遮断部を含んでいる。
前記第3の遮断部は、前記移動可能なシャフトに沿って、前記第1の遮断部と前記第2の遮断部から離間して配置される。これにより、前記少なくとも1つの移動可能なシャフトが前記第1の位置にあるとき、前記追加の第2のチャンバーから前記冷媒の流量の一部分の追加の一部を流出させるために、前記追加の流出領域と前記追加の第3のポートとの間の流体接続が可能となる。そして、少なくとも前記第2の位置にあるときは、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部を、前記追加の第2のチャンバーに流入させるために、前記流入領域と前記追加の第3のポートとの間の流体接続が可能となる。
【0014】
本発明の第3の実施形態によれば、前記シリンダは、第1のチャンバーを備えており、この第1のチャンバーは、前記蒸発器から前記冷媒を流入させるための第1のポートと、前記第1のチャンバー内の圧縮された冷媒を流出させ前記主圧縮機に到達させるための第2のポートとを備えている。
前記シリンダは、さらに、前記ピストンによって前記第1のチャンバーから流体的に分離された第2のチャンバーを備え、前記第2のチャンバーは、前記ピストンを変位させ、前記第1のチャンバー内の前記冷媒を圧縮するために、前記冷媒の流量の一部分の一部を流入させるための少なくとも1つの第3のポートと、前記第1のチャンバー内の前記冷媒の圧縮の終わりに、前記冷媒の流量の一部分の一部を流出させ、前記二次エコノマイザー分岐の出口領域、すなわち前記圧縮機の吸入側に到達させるための少なくとも1つの第4のポートとを備えている。
【0015】
この実施形態によれば、常に、前記ロッド作動体を制御するための前記制御装置は、前記二次エコノマイザー分岐に流体的に接続された少なくとも1つの流入領域と、前記二次エコノマイザー分岐の出口領域に流体的に接続された少なくとも1つの流出領域と、前記第1の構成と前記第2の構成を切替える遮断手段とを備えており、
前記第1の構成では、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部を前記第2のチャンバーへの流入させるために、前記流入領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続が可能であり、前記第2の構成では、前記第2のチャンバーから前記冷媒の流量の一部分の一部を流出させるために、前記流出領域と前記少なくとも1つの第4のポートとの間の流体接続が許容され、前記流入領域と前記少なくとも1つの第3のポートとの間の流体接続は許容されない。
【0016】
前記第3の実施形態の特徴の一部を含む本発明の第4の実施形態によれば、前記流入領域及び前記流出領域は、前記往復動型圧縮機の前記シリンダ内に設けられ、前記遮断手段は前記シリンダ内に配置され、前記シリンダ内の夫々のシリンダハウジング内で、夫々の前記第1の位置と夫々の前記第2の位置で移動可能な、前記第1の構成とするための少なくとも1つの第1の小ピストン、及び、前記第2の構成にするための少なくとも1つの第2の小ピストンを含んでいる。
前記第1の小ピストンには第1の遮断部が設けられ、前記第2の小ピストンには第2の遮断部が設けられ、前記第1の遮断部は、少なくとも前記第1の小ピストンが前記第1の位置にあるときに、前記少なくとも1つの第3のポートを露出させており、少なくとも前記第1の小ピストンが前記第2の位置にあるときに、前記少なくとも1つの第3のポートを覆っているように構成されている。
前記第2の遮断部は、少なくとも前記第2の小ピストンが前記第1の位置にあるときに前記少なくとも1つの第4のポートを覆い、少なくとも前記第2の小ピストンが前記第2の位置にあるときに前記少なくとも1つの第4のポートを露出させるように構成されている。
【0017】
この第4の実施形態のより効率的な変形例では、少なくとも1つの往復動型圧縮機は、少なくとも1つのロッドに一体的に拘束され、前記シリンダ内で移動可能な少なくとも1つの追加のピストンを含んでおり、前記シリンダは、追加の第1のチャンバーを備えている。前記追加の第1のチャンバーは、前記蒸発器から前記冷媒を流入させるための追加の第1のポートと、前記追加の第1のチャンバー内の圧縮された冷媒を流出させて主圧縮機に到達させるための追加の第2のポートを備えている。
前記シリンダは、さらに、前記追加のピストンによって前記追加の第1のチャンバーから流体的に分離された、追加の第2のチャンバーを備えている。前記追加の第2のチャンバーは、前記追加のピストンを移動させ、前記追加の第1のチャンバー内の前記冷媒を圧縮し、前記蒸発器から前記のチャンバーへの前記冷媒の同時吸入を可能にするために前記冷媒の流量の一部分の追加の一部の流入のための、追加の第3のポートと、前記追加の第1のチャンバー内の前記冷媒の圧縮及び前記ピストンによる前記第1のチャンバー内の前記冷媒の同時圧縮の終わりに、全冷媒の流量の一部分の追加の一部を流出させるための追加の第4のポートとを有している。
【0018】
本発明の第4の実施形態によれば、前記ロッド作動体を制御するための前記制御装置は、前記二次エコノマイザー分岐と流体接続された、前記シリンダで得られる少なくとも1つの追加の流入領域をさらに含んでいる。
少なくとも前記第1の構成では、前記追加の第2のチャンバーから前記冷媒の流量の一部分の追加の一部を流出させるために、前記遮断手段は、前記追加の流入領域と前記少なくとも1つの追加の第3のポートとの間の流体接続を阻止し、前記流出領域と前記少なくとも1つの追加の第4のポートとの間の流体接続を可能にしている。
そして、前記少なくとも第2の構成では、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部を前記追加の第2のチャンバーに流入させるために、前記追加の流入領域と前記少なくとも1つの追加の第3のポートの間の流体接続を許容し、前記流出領域と前記少なくとも1つの追加の第4のポートとの間の流体接続は許容しないように構成されている。
【0019】
さらに、前記少なくとも1つの第1の小ピストンは、追加の第1の遮断部を備えており、前記第2の小ピストンは、追加の第2の遮断部を備えている。
前記追加の第1の遮断部は、前記少なくとも第1の小ピストンが前記第1の位置にあるときに前記少なくとも1つの追加の第3のポートを覆い、前記少なくとも第1の小ピストンが前記第2の位置にあるときに前記少なくとも1つの追加の第3のポートを露出させるように構成されている。
さらに、前記第2の追加の遮断部は、前記少なくとも第2の小ピストンが前記第1の位置にあるときに前記少なくとも1つの追加の第4のポートを覆い、前記少なくとも第2の小ピストンが前記第2の位置にあるときに前記少なくとも1つの追加の第4のポートを覆うように構成されている。
【0020】
本発明によれば、前記冷媒は、二酸化炭素、又は同様の化学的及び/又は物理的特性を有する他のガス又はガス混合物を含むものである。
本発明のこれらの目的はまた、少なくとも請求項1に記載の冷凍装置を操作するための方法によって達成され、この方法は、
行程a)前記閉回路の前記主枝に沿って前記冷媒を循環させ、
行程b)前記閉回路の前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐に沿って前記冷媒の流量の一部分を循環させ、
行程c)前記往復動型圧縮機を駆動するものにおいて、
前記行程c)は、以下の特徴を有する。
行程c1)前記往復動型圧縮機の前記少なくとも1つのピストンを駆動し、前記蒸発器から前記シリンダ内に流入した前記冷媒を圧縮するために、前記二次エコノマイザー分岐から流入した前記冷媒の流量の一部分の少なくとも一部を迂回させ、
行程c2)前記蒸発器から来た前記冷媒の吸入行程にある前記少なくとも1つのピストンの移動中に、前記二次エコノマイザー分岐から流入した前記冷媒の一部を、前記二次エコノマイザー分岐に再導入しさらに前記少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐の出口領域に流出させる。
前記二次エコノマイザー分岐の前記出口領域は、前記往復動型圧縮機の下流に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の冷凍装置の概略図である。
図1A】本発明の第1の実施形態による往復動型圧縮機の縦断面図であり、冷媒の圧縮行程の状態を示している。
図1B】第1の実施形態による往復動型圧縮機の縦断面図であり、冷媒の吸入行程の状態を示している。
図2A】本発明の第1の実施形態の変形例による冷凍装置の概略を示す、往復動型圧縮機の縦断面図であり、冷媒の圧縮行程の状態を示している。
図2B】第1の実施形態の変形例による冷凍装置の概略を示す、往復動型圧縮機の縦断面図であり、冷媒の吸入行程の状態を示している。
図3】本発明の第2の実施形態による、往復動型圧縮機の不等角投影断面縦断図である。
図3A図3の実施形態による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の概略の縦断面図である。
図3B図3の実施形態による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の概略の縦断面図である。
図3C図3の実施形態による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の概略の縦断面図である。
図3D図3の実施形態による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の概略の縦断面図である。
図4A】本発明の第3の実施形態による、圧縮行程にある圧縮機の断面縦断図である。
図4B】本発明の第3の実施形態による、吸入行程にある圧縮機の断面縦断図である。
図5A】本発明の第4の実施形態による、圧縮機の不等角投影断面縦断図である。
図5B図5Aの圧縮機の長手方向断面の特定の部分の拡大図である。
図6A図5Aの実施形態の圧縮機による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮の縦断図である。
図6B図5Aの実施形態の圧縮機による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の縦断図である。
図6C図5Aの実施形態の圧縮機による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の縦断図である。
図6D図5Aの実施形態の圧縮機による、冷媒の圧縮、吸入行程における、往復動型圧縮機の縦断図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の幾つかの特定の実施形態について、添付の図を参照して、限定なしの例としてのみ説明する。
【0023】
各図面において、1は、本発明による一般的な冷凍装置の全体を示している。
図1に簡略化して示したように、本発明による冷凍装置1は、流量Pの冷媒が循環する閉回路Cを有している。
本明細書に記載の実施形態では、冷媒は二酸化炭素である。しかし、本発明の保護範囲から逸脱することなく、同様の化学的/物理的特性を有する、他の異なる実施形態の冷媒を採用しても良い。
実際には、この冷媒は、二酸化炭素、又はこれと同様の化学的及び/又は物理的特性を有する他のガス又はガス混合物を含んでいる。
【0024】
本実施例の閉回路Cは、往復動型の主圧縮機2、冷媒用の少なくとも1つの冷却装置3、冷媒を膨張させる膨張手段4、及び1つの蒸発器5が設けられた、主枝Mを備えている。この特定の実施例において、冷却装置3は凝縮器と同じ機能を実行することに注意すべきである。すなわち、使用される冷媒が二酸化炭素であるので、冷媒の気相を液体に変えることなく冷媒を冷却する。冷媒が二酸化炭素とは異なる他の実施形態では、冷却装置は、古典的な凝縮器と同じように動作する。すなわち、冷却装置は、冷媒の状態を気体から液体に変換する。
【0025】
冷媒が二酸化炭素でないか、又はこのガスと同様の特性を有する場合、主圧縮機2は、本発明の保護範囲から逸脱することなく、往復運動タイプとは異なるタイプ、例えば遠心力タイプ又は他のタイプの圧縮機でもよい。
【0026】
さらに、冷媒が二酸化炭素であるこの特定のケースでは、膨張手段4は、サーモスタットタイプの膨張弁を含み、他の実施形態では、それらは、本発明の保護範囲から逸脱することなく、毛細管ライン又は他の機構を含むことができる。
【0027】
閉回路Cは、さらに、冷媒の流量の一部分X1が流れる、二次エコノマイザー分岐100を含んでいる。第1の二次エコノマイザー分岐100の流入領域100aは、閉回路Cの、冷却装置3と膨張手段4との間の区間内に設けられ、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bは、主圧縮機2の吸入口の近くに設けられている。二次エコノマイザー分岐100は、既知の方法による、追加の膨張弁105と、主枝と熱交換するための熱交換器106とを備えている。冷却装置3から出てくる冷媒の圧力と蒸発器5から出てくる冷媒の圧力との間の中間の圧力の冷媒が、膨張行程の後、エコノマイザー分岐100に沿って流れる。
【0028】
本発明によれば、主枝Mは、さらに、蒸発器5と主圧縮機2との間に配置された往復動型圧縮機6を備えており、この往復動型圧縮機6は、シリンダ7、ロッド8及びピストン9を有し、このピストンはロッド8に一体的に拘束されており、シリンダ7内で移動可能である。また、二次エコノマイザー分岐100は、熱交換器106の下流において、ロッド作動体8を制御するための制御装置50を含んでいる。
この制御装置は、二次エコノマイザー分岐100を流れる冷媒の流量の一部分X1の一部X2を迂回させてピストン9を駆動することにより、蒸発器5から往復動型圧縮機6のシリンダ7に流入した冷媒を圧縮し、
さらに、往復動型圧縮機において蒸発器5から来た冷媒の吸入行程にあるピストン9の移動中に、冷媒の流量の一部分の一部X2を、二次エコノマイザー分岐100に再導入し、この冷媒の流量の一部分の一部X2を、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bから流出させるように構成されている。
そのため、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bは、往復動型圧縮機6の下流に配置されている。
【0029】
従って、実際には、二次エコノマイザー分岐を通過する冷媒の流量の一部分X1の一部X2は、その圧力が常に蒸発器5の出口の冷媒の圧力よりも高いために、往復動型圧縮機6のピストン9をシリンダ7に押し込むために使用される。
従って、主圧縮機2は、蒸発器から来る冷媒の圧力よりも高い圧力の流体を受け取ることになる。しかし、往復動型圧縮機6に流体を供給するのに、例えば電気モータなどによる外部作業は使用しない。
数値例を示すと、蒸発器5の出口における冷媒の圧力は約20バールであり、主圧縮機2の吸入口における冷媒の圧力は約24バールである。一方、エコノマイザー分岐100に沿って流れ、ピストン9を移動させるために利用される冷媒の流量の一部分X1の一部X2の圧力は、約45バールである。
【0030】
図1A及び図1Bに示した本発明の装置1の第1の実施形態によれば、
往復動型圧縮機6のシリンダ7には、往復動型圧縮機6の吸入行程中に、蒸発器5から来た冷媒が第1のチャンバー10へ流入する第1のポート11と、圧縮行程の終わりに圧縮された冷媒を第1のチャンバー10から流出させ次に主圧縮機2に導くための第2のポート12とが設けられている。
シリンダ7はさらに、ピストン9によって第1のチャンバー10から流体的に分離された、第2のチャンバー20を備えている。この第2のチャンバーは、冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流入させるための第3のポート21を有しており、ピストン9、従ってロッド8を移動させ、従って第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮する。
これにより、第1のチャンバー10内の冷媒の圧縮行程の終わりに、この圧縮された第1のチャンバー内の冷媒を流出させエコノマイザー分岐100の出口領域100bを経て主圧縮機2の入口に到達させる。
【0031】
図1Aに、蒸発器5から第1のチャンバー10に流入した冷媒を、約20バールの圧力で圧縮する、第1の行程が示されている。
冷媒の流量の一部分X1の一部X2は、約45バールの圧力を有し、第3のポート21を通ってシリンダの第2のチャンバー20に入り、ピストン9を、第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮する方向に押す。
この圧縮行程に続いて、すなわち、第1のチャンバー10が完全に空になり、圧縮された冷媒が第2のポート12を通ってシリンダ7から排出された後、ピストン9には、第1のポート11を通って第1のチャンバー10に流入を開始する流体の圧力が作用し、一方、冷媒の流量の一部分の一部X2は、第3のポート21を経て第2のチャンバー20から排出される。
以下の説明でより明らかになるように、この流体の圧力は、第2のチャンバー20が大気室である往復動型圧縮機6の吸入中にピストン9に作用する唯一の圧力であるため、冷媒の流量の一部分の一部X2の流出は、確実になされる。
【0032】
特に、ロッド8を制御するための制御装置50は、
二次エコノマイザー分岐100の流入領域100aの側で、二次エコノマイザー分岐100と流体的に接続された流入領域51と、
二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bに流体的に接続された流出領域52と、
第1の構成C1と第2の構成C2を切替える、遮断手段30とを備えている。
第1の構成C1では、冷媒の流量の一部分X1の一部X2を第2のチャンバー20への流入させるための、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続が可能である(図1Aを参照)。
第2の構成C2では、第2のチャンバー20から冷媒の流量の一部分X1の一部X2の流出を可能にする、流出領域52と第3のポート21との間の流体接続は許容されるが、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続は、同時には、許容されないように構成されている(図1Bを参照)。
また、第1の構成C1では、流出領域52と第3のポート21との間の流体接続もまた、同時には許容されないように構成されている。
【0033】
流入領域51での冷媒の熱力学的条件は、二次エコノマイザー分岐100に沿って存在する追加の膨張弁105及び熱交換器106の下流で得られるものであることに留意すべきである。
従って、すでに記載し、これからも記載するように、流入領域51が、流入領域100aの側で二次エコノマイザー分岐100と流体的に接続されていることを記載するとき、我々は単に、流入領域51を通って入る冷媒が、二次エコノマイザー分岐に沿って存在する追加の膨張弁105及び熱交換器106を通過した流体の熱力学的条件にあるという事実に言及するだけである。
【0034】
図1A及び図1Bに記載の実施形態では、制御装置50は、遮断手段30を備えている。この遮断手段は、2つの弁30a、30bを含んでおり、これらは、その一方がエコノマイザー分岐100の流入領域100a及びエコノマイザー分岐の出口領域100bに夫々流体接続され、他方は第3のポート21に夫々流体接続されている。
これら2つの弁30a、30bは、適切に同期された方法で開閉して、制御装置50の構成を、第1の構成C1と第2の構成C2との間で、交互に切替えるように構成されている。逆もまた同様である。
【0035】
図2A及び図2Bに示される本発明の実施形態の変形例によれば、
作動体を制御するための制御装置50は、シリンダ55の本体を含み、遮断手段30は、移動可能なシャフト31を備えている。このシャフトは、遮断手段が第1の構成C1のときの第1の位置P1と、第2の構成C2のときの第2の位置P2との間で、シリンダ55の内部を移動する。
移動可能なシャフト31は、第1の遮断部32及び第2の遮断部33を備えている。第1の遮断部32及び第2の遮断部32は、シャフト31の第1の位置P1において、流入領域51と第3のポート21との間が流体接続となるように、移動可能なシャフト31に沿って互いに間隔を置いて配置され、冷媒の流量の一部分X1の一部X2を第2のチャンバー20に流入させ、これにより第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮することを可能にする。
この行程の間、同時に、第3のポート21と流出領域52との間の流体接続が許容されることはない。
移動可能なシャフト31の第2の位置P2において、流出領域52と第3のポート21との間が流体接続され、第2のチャンバー20から冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流出させることを可能とする。この間、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続は許容されない。この行程では、蒸発器5から第1のチャンバー10への冷媒の吸入が行われる。
実際には、シャフト31の第1の位置P1において、第1の遮断部32は流出領域52を覆い、第2の遮断部33は流入領域51を露出させている。シャフト31の第2の位置では、第1の遮断部32が流出領域52を露出させ、第2の遮断部33が流入領域51を覆っている。
【0036】
図3に、本発明の第2の実施形態による往復動型圧縮機6の不等角投影断面縦断図を示す。図3A図3Dに、本発明の第2の実施形態による往復動型圧縮機6の異なる動作の行程を示す。
【0037】
特に、前の各図面に示されるように、往復動型圧縮機6は、第1の実施形態に存在する要素に加えて、ロッド8に一体的に拘束されシリンダ7内で移動可能な、追加のピストン9’を備えている。この追加のピストン9’は、ロッド8に沿って、ピストン9の位置と反対の側に位置している。
この実施形態では、往復動型圧縮機6のシリンダ7は、追加の第1のチャンバー10’を備えている。この追加の第1のチャンバー10’は、蒸発器5から来る冷媒の流入のための追加の第1のポート11’と、追加の第1のチャンバー10’内で圧縮された冷媒を主圧縮機1に排出するための追加の第2のポート12’を有している。
実際には、このような往復動型圧縮機6は複動式である。
この往復動型圧縮機6のシリンダ7はさらに、追加のピストン9’によって追加の第1のチャンバー10’から流体的に分離され追加の第3のポート21’を備えた、追加の第2のチャンバー20’を備えている。この追加の第2のチャンバーは、追加のピストン9’を移動させ、追加の第1のチャンバー10’内の冷媒を圧縮する。さらに、同時に、蒸発器5から、この例では、第1のチャンバー10の内部への冷媒の流量の一部分の一部X2の同時吸入を可能にする。
このような追加の第3のポート21’はまた、追加の第1のチャンバー10’内における冷媒の圧縮及びそれに続く冷媒の流量の一部分X1の追加の一部のX2’の流出を可能にすると同時に、ピストン9による第1のチャンバー10内の冷媒の圧縮を可能にする。
第2のチャンバー20と加の第2のチャンバー20’とは、互いに流体的に接続されていないことに留意されたい。
【0038】
このような実施形態では、ロッド作動体8を制御するための制御装置50は、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bに流体接続された少なくとも1つの流出領域52’をさらに備えている。これは、主枝Mの区間の主圧縮機2と往復動型圧縮機6の間にある。
また、遮断手段30は、少なくとも第1の位置P1にあるとき(図3A及び図3Bを参照)、追加の第2のチャンバー20’から冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’を流出させるために、追加の流出領域52’と追加の第3のポート21’との間の流体接続を可能にし、
そして、少なくとも第2の位置P2にあるとき、追加の第2のチャンバー20’への冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’を流入させるために、流入領域51と追加の第3のポート21’との間の流体接続を可能にする。
【0039】
その結果、遮断手段30が第1の位置P1にあるとき、流入領域51と第3のポート21との間が流体接続され、第2のチャンバー20への冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流入させ、第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮することを可能にする。
そして同時に、追加の流出領域52’と追加の第3のポート21’との間の流体接続が可能になり、追加の第2のチャンバー20’から冷媒流量の一部分X1の追加の一部X2’を流出させる(図3A及び図3Bを参照)。
また、遮断手段30は、第1の位置P1にあるとき、流出領域52と第3のポート21との間の流体接続も、流入領域51と追加の第3のポート21’との間の流体接続も許容しない。
一方、遮断手段30が第2の位置P2にあるとき、流出領域52と第3のポート21との間の流体接続が可能となり、第2のチャンバー20から冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流出させる。これと、同時に、流入領域51と追加の第3のポート21’との間の流体接続も可能になり、冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’を追加の第2のチャンバー20’に流入させる。
また、遮断手段30は、第2の位置P2にあるとき、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続も、追加の流出領域52’と追加の第3のポート21’との間の流体接続も許容しない。
【0040】
特に、本明細書に記載の実施形態では、遮断手段30は、移動可能なシャフト31に拘束された第3の遮断部34を含んでいる。この第3の遮断部34は、シャフト31に沿って、第1の遮断部32及び第2の遮断部33から離間されている。
そのため、少なくとも移動可能なシャフト31がその第1の位置P1にあるとき、追加の流出領域52’と追加の第3のポート21’との間の流体接続が可能となり、追加の第2のチャンバー20’から冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’が流出する。そして、移動可能なシャフトが第2の位置P2にあるとき、流入領域51と追加の第3のポート21’との間の流体接続が可能となり、冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’が追加の第2のチャンバー20’に流入する。
【0041】
実際には、シャフト31の第1の位置P1において、第1の遮断部32は流出領域52を覆い、第3の遮断部34は追加の流出領域52’を露出させている。
シャフト31の第2の位置P2では、第1の遮断部32が流出領域52を露出させ、第3の遮断部34が追加の流出領域52’を覆っている。
第2の遮断部33は、第1の位置P1と第2の位置P2の両方において、常に流入領域51を露出させているが、冷媒の流量の一部分X1の一部X2、又は冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’を、第3のポート21又は追加の第3のポート21’の方向に迂回させせるような位置にある。
【0042】
本明細書に記載の特定の実施形態によれば、ロッド作動体8を制御するための制御装置50は、駆動手段80を備えている。この駆動手段は、シリンダ7内のロッド8の位置に応じて、遮断手段30を、第1の構成C1と第2の構成C2との間、又はその逆に切替える。
【0043】
本明細書に記載の実施形態では、遮断手段30の構成の切替えを行うためのこのような駆動手段80は、移動可能シャフト31を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させるように作用する。この駆動手段80はまた、図2A及び図2Bに記載された実施形態においても同様に使用することができる。
【0044】
特に、図3A図3Dに記載の実施形態では、駆動手段80は、第1のチャンバー10内に配置された切替えボタン81と、追加の第1のチャンバー20’内に配置された第2の切替えボタン82とを備えている。
第1の切替えボタン81は、ピストン9によって駆動され、第1のチャンバー20内の冷媒を圧縮する行程の最後に、遮断手段30を第1の構成C1から第2の構成C2(図3B及び図3C参照)へ切替える、すなわち、移動可能シャフト31をその第1の位置P1からその第2の位置P2に移動させる。
第2の切替えボタン82は、ピストン9’によって駆動され、追加の第1のチャンバー20’内の冷媒を圧縮する行程の終わりに、遮断手段30を第2の構成C2から第1の構成C1(図3D及び図3A参照)へ切替える、すなわち、移動可能シャフト31をその第2の構成C2から第1の構成C1に移動させる。
【0045】
この移動可能シャフト31の移動は、冷媒によって移動可能シャフト31の端部31a及び31bに加えられる圧力によってもたらされる。
この場合、実際には、冷媒は、区別可能な第1の切替えボタン81及び第2の切替えボタン82によるコマンドで、区別可能な圧力が存在する閉回路Cの2つの別個の点から排出される。
従って、移動可能シャフト31の端部31a、31bは、移動可能シャフト31自体の位置だけをその第1の位置P1からその第2の位置P2に、又はその逆に変更するように特別に設定された異なる圧力にさらされる。
【0046】
具体的には、作動体を制御するための制御装置50のシリンダ55の本体は、
主枝Mの主圧縮機2と往復動型圧縮機6との間の区間に流体接続された第1の端子容積V1と、主枝Mの主圧縮機2と往復動型圧縮機6との間の区間に、往復運動する方法で流体的に接続された第2の端子容積V2とを備えている。
これは、第1の切替ボタン81がピストン9によって作動されたとき、二次エコノマイザー分岐100と共に、移動可能なシャフト31をその第1の位置P1からその第2の位置P2に移動させ、少なくとも第2の切替えボタン82が追加のピストン9’によって起動されたときに、平行移動可能なシャフト31をその第2の位置P2からその第1の位置P1に変位させるためである。
主圧縮機2と往復動型圧縮機6との間の主枝Mの部分において、冷媒の圧力は、二次エコノマイザー分岐100内の冷媒の圧力より常に低くなることに留意されたい。
従って、このような流体接続は、外部機構を使用せずに、冷媒が異なる圧力にある閉回路C内の複数のポイントでの制御装置50の単純な流体接続のみによって、移動可能シャフト31を第1の位置P1及び第2の位置P2から、又はその逆に直接移動させることを可能にする。
さらに、第1の容積V1は、遮断手段30、特にその第1の端部31aの移動可能なシャフト31をその第2の構成C2にとどまらせるための弾性要素88を含んでいる。
このような弾性要素88は、第1の容積V1と第2の容積V2の圧力が同じである場合に不可欠である。なぜなら、この場合、弾性要素88によって移動可能なシャフト31の第1の端部31aに加えられる弾性力により、移動可能なシャフト31は、その第1の位置P1からその第2の位置P2に移動する。
一方、第2の容積V2がエコノマイザー分岐100と流体接続される場合、その後、平行移動可能なシャフト31の第2の端部31bに冷媒によって加えられる力は、移動可能なシャフト31自体の第2の位置P2からその第1の位置P1への移動を伴い、従って、移動可能なシャフト31は、第1の容積V1に作用する圧力と、第1の端部31aの弾性要素88で発生する力との両方に打ち勝つ。
【0047】
図2A及び図2Bに示される実施形態では、遮断手段30の起動を駆動するための駆動手段80は、上記のものと同様である。
ただし、この場合、第2の切替えボタン82(図2A及び図2Bには示されていない)は、第2のチャンバー20内に配置され、追加のピストン9’ではなく、往復動型圧縮機6の吸入中の復帰行程において、シリンダ8の第2のチャンバー20と接触する側がピストン9によって押される。
制御装置50の端子容積V1とV2との間の流体接続は、図3A及び図3Dに記載された実施形態のものと同じである。
【0048】
本発明の第3の実施形態が、図4A及び図4Bに示されている。
上記の第1の実施形態と同様に、この実施形態においても、往復動型圧縮機6のシリンダ7は、第1のチャンバー10と、蒸発器5から第1のチャンバー10への冷媒の流入のための第1のポート11と、第1のチャンバー10で圧縮された冷媒を流出させ主圧縮機2に到達させるための、第2のポート12とを備えている。
シリンダ7は、ピストン9によって第1のチャンバー10から流体的に分離され、冷媒の流量の一部分X1の一部X2の流入のための第3のポート21を備えており、ピストン9を移動させ、さらに、第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮する第2のチャンバー20を備えている。
第1の実施形態とは異なり、第2のチャンバー20は、さらに、第4のポート22を備えている。このポートは、第1のチャンバー10内の冷媒の圧縮の終わりに、冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流出させ、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bに到達させるものである。
ロッド作動体8を制御するための制御装置50は、その流入領域100aの側に、二次エコノマイザー分岐100と流体的に接続された流入領域51と、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bと流体的に接続された流出領域52とを備えている。
遮断手段30は、第1の構成C1と第2の構成C2の間で切り替わる。
この第1の構成C1では、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続は、冷媒の流量の一部分X1の一部X2を第2のチャンバー20へ流入させるのが可能となっている。
第2の構成C2では、流出領域52と第4のポート22との間の流体接続により、第2のチャンバー20から冷媒の流量の一部分X1の一部X2の流出が許容され、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続は、許容されていない。
第1の構成C1では、流出領域52と第4のポート22との間の流体接続も許容されていない。
【0049】
従って、最終的に、図1A及び図1Bに示される実施形態とは異なり、往復動型圧縮機6のシリンダ7は、二次エコノマイザー分岐100を流れる冷媒の流量の一部分X1の一部X2の流出を可能にすることができる第4のポート22を有している。
【0050】
第1の実施形態のように、制御装置50は、夫々、流入領域100a側で、二次エコノマイザー分岐100に流体的に接続された2つの弁30a、30bを含む遮断手段30を備えている。この遮断手段は、一方側がエコノマイザー分岐100の出口領域100bに、他方が第3のポート21及び第4のポート22に接続されている。
これらの弁30a、30bは、適切に同期された方法で開閉され、制御装置50の構成を第1の構成C1と第2の構成C2との間で交互に切替える。逆もまた同様である。
【0051】
本発明の第4の実施形態の冷凍装置1が、図5A図5B及び図6A図6Dに示されている。
この実施形態では、シリンダ7は、ピストン9によって第1のチャンバー10から流体的に分離され、冷媒の流量の一部分X1の一部X2が流入するための第3のポート21を有する第2のチャンバー20を備えている。これにより、ピストン9を移動させ、第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮する。さらに、第1のチャンバー内の冷媒の圧縮の終わりに、この冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流出させ、二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bに到達させるための第4のポート22を有している。
【0052】
ロッド作動体8を制御するための制御装置50は、流入領域100aの側で、二次エコノマイザー分岐100と流体的に接続された流入領域51と、エコノマイザー分岐100の二次の出口領域100bと流体的に接続された流出領域52とを備えている。
しかしながら、この実施形態では、以下の説明で明らかなように、往復動型圧縮機6の流入領域51及び流出領域52は、第3のポート21及び第4のポート22が往復動型圧縮機6のシリンダ7の第2のチャンバー20内に配置されるように、往復動型圧縮機6自体のシリンダ7内に設けられている。
【0053】
遮断手段30は、第1の小ピストン36及び第2の小ピストン37を含み、これらは、適切な夫々の円筒形ハウジング36a、37a内のシリンダ7に配置され、その中でスライドし、夫々の第1の位置P1及びP1’から移動して、第1の構成C1(図6A及び図6B)、及び夫々の第2の構成C2になることができる。
特に、第1の小ピストン36には第1の遮断部38が設けられ、第2の小ピストン37には第2の遮断部39が設けられている。
第1の遮断部38は、第1の小ピストン36が第1の位置P1にあるとき、第2のチャンバー20への冷媒の流量の一部分X1の一部X2が流入するように第3のポート21を露出させるように構成され、第1の小ピストン36が第2の位置P2にあるとき、第3のポート21を露出させるように構成されている。
第2の遮断部39は、第2の小ピストン37が第1の位置P1’にあるときに第4のポート22を覆い、第2の小ピストン37が第2の位置P2’にあるときに第4のポート22を露出させるように構成されている。
【0054】
従って、第1の小ピストン36がその第1の位置P1にあるとき、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続が可能になり(構成C1)、そして、第2の小ピストン37がその第1の位置P1’にあるので、第4のポート22からの冷媒の流量の一部分の一部X2の流出は許容されない。
第1の小ピストン36がその第2の位置P2にあるとき、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続が許可されず(構成C2)、同時に、第2の小ピストン37がその第2の位置P2’にあるので、第4のポート22を介した第2のチャンバー20から冷媒の流量の一部分の一部X2の流出が可能となる。
【0055】
往復動型圧縮機6は、さらに、ロッド8に一体的に拘束され、シリンダ7内で移動可能な追加のピストン9’を備えている。
このシリンダ7は、蒸発器5から来る冷媒の流入のための追加の第1のポート11’と、追加の第1のチャンバー10’内の圧縮された冷媒が流出して主圧縮機1に到達するための追加の第2のポート12’とを含む、追加の第1のチャンバー10’を備えている。
このシリンダ7は、さらに、追加のピストン9’によって追加の第1のチャンバー10’から流体的に分離され、冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’が流入するための追加の第3のポート21’を備えた、追加の第2のチャンバー20’を備えている。このシリンダ7は、追加のピストン9’を移動させ、追加の第1のチャンバー10’内の冷媒を圧縮し、同時に、第1のチャンバー10内の蒸発器5から来た冷媒の吸入を可能にする。
シリンダ7には、さらに、追加の第4のポート22’が設けられている。これは、追加の第1のチャンバー10’内の冷媒の圧縮の終了時に冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’を流出させ、同時に、蒸発器5から第1のチャンバー10内へ流入した冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2をピストン9により圧縮するためのものである。
【0056】
本明細書に記載の実施形態によれば、ロッド作動体8を制御するための制御装置50は、流入領域51に加えて、さらに、追加の流入領域51’を含んでいる。この追加の流入領域は、往復動型圧縮機6のシリンダ7内に設けられ、流入領域100aを含む二次エコノマイザー分岐100の側面と流体接続されている。
遮断手段30は、少なくとも第1の構成C1にあるとき、追加の流入領域51’と追加の第3のポート21’との間の流体接続を許容せず、追加の第2のチャンバー20’(図6A及び図6B)から冷媒の流量の一部分の追加の一部X2’を流出させるために、流出領域52と追加の第4のポート22’間の流体接続を可能にする。
そして、第2の構成C2にあるとき、追加の第2のチャンバー20’への冷媒の流量の一部分X1の追加の一部X2’を流入させるために、追加の流入領域51’と追加の第3のポート21’との間の流体接続を可能にし、流出領域52と追加の第4のポート22’との間の流体接続を許容しない(図6C及び図6D)。
【0057】
さらに、第1の小ピストン36は、追加の第1の遮断部38’を備えており、第2の小ピストン37は、追加の第2の遮断部39’を備えている。
追加の第1の遮断部38’は、第1の小ピストン36が第1の位置P1にあるときに追加の第3のポート21’を覆い、第1の小ピストン36が第2の位置P2にあるときに追加の第3のポート21’を露出するように構成されている。
追加の第2の遮断部39’は、第2の小ピストン37がその第1の位置P1’にあるときに追加の第4のポート22’を露出させ、第2の小ピストン37がその第2の位置P2’にあるときに追加の第4のポート22’を覆うように構成されている。
【0058】
本発明の特定の態様によれば、第1の小ピストン36は、ピストン9及び追加のピストン9’の作用下で、少なくとも、蒸発器5から来た冷媒を第1のチャンバー10及び追加の第1のチャンバー10’に吸入する夫々の行程の終わりに、第1の小ピストン36が夫々第1の位置P1から第2の位置P2に、及びその逆に夫々移動できるように寸法決定された第1の突出端36b及び第2の突出端36cを備えている。
【0059】
さらに、第2の小ピストン37の第2の遮断部39及び追加の第2の遮断部39’は、以下のような形状となっている。すなわち、少なくとも、蒸発器5から来た冷媒を追加の第1のチャンバー10’及び第1のチャンバー10に吸入する夫々の行程の終わりに、第2の小ピストン37は、追加のピストン9’及びピストン9の作用下で、第1の位置P1’から第2の位置P2’に、又はその逆に移動することができる。
【0060】
第1の突出端36b、第2の突出端36c、ならびに第2の遮断部39及び追加の第2の遮断部39’の特定の形状は、外部メカニズムの介入や電力の消費なしに、単にピストン9又は追加のピストン9’の行程を利用することによって、第1の小ピストン36及び第2の小ピストン37を第1の位置P1、P1’から第2の位置P2、P2’に、又はその逆に移動させることを可能にする。
【0061】
上記の各実施形態はすべて、以下の行程を含む同じ操作方法を共有する。
a)閉回路の主枝に沿って冷媒を循環させ、
b)閉回路の少なくとも1つの二次エコノマイザー分岐に沿って、少なくとも1つの冷媒の流量の一部分を循環させ、
c)往復動型圧縮機を駆動する方法において、
前記行程c)は、
行程c1) 二次エコノマイザー分岐100を流れる冷媒の流量の一部分X1の一部X2を迂回させて、往復動型圧縮機6のピストン9を駆動し、蒸発器5から流入したシリンダ7内の冷媒を圧縮し、そして
行程c2) 蒸発器5から来た冷媒の吸入行程にあるピストン9の移動中に、二次エコノマイザー分岐から流入した冷媒の一部X2を二次エコノマイザー分岐100に再度戻し、この流量の一部X2の冷媒を二次エコノマイザー分岐100の出口領域100bを経て流出させる。
二次エコノマイザー分岐100の出口領域は、二次エコノマイザー分岐100から出てくる冷媒の前述の一部X2が、主圧縮機2に入る前に、往復動型圧縮機6から出てくる冷媒と混合されるように、往復動型圧縮機6の下流に配置されている。
【符号の説明】
【0062】
1 冷凍装置
2 主圧縮機
3 冷却装置
4 膨張手段
5 蒸発器
6 往復動型圧縮機
7 シリンダ
8 ロッド
9 ピストン
9’ 追加のピストン
10 第1のチャンバー
10’ 追加の第1のチャンバー
11 第1のポート
12 第2のポート
20 第2のチャンバー
20’ 追加の第2のチャンバー
21 第3のポート
21’ 追加の第3のポート
30 遮断手段
30a 弁
30b 弁
31a 第1の端部
37 第2の小ピストン
39 第2の遮断部
50 制御装置
51 流入領域
52 流出領
55 シリンダ本体55
80 駆動手段
81 第1切替ボタン
82 第2の切替えボタン
88 弾性要素
100 二次エコノマイザー分岐
100a 二次エコノマイザー分岐の流入領域
100b 二次エコノマイザー分岐の出口領域
105 追加の膨張弁
106 熱交換器
C 閉回路
C1 第1の構成
C2 第2の構成
M 主枝
P1 第1の位置
P2 第2の位置
X1 冷媒の流量の一部分
X2 X1の一部
図1
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
【手続補正書】
【提出日】2021-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図2A及び図2Bに示される本発明の実施形態の変形例によれば、
作動体を制御するための制御装置50は、シリンダ55の本体を含み、遮断手段30は、移動可能なシャフト31を備えている。このシャフトは、遮断手段が第1の構成C1のときの第1の位置P1と、第2の構成C2のときの第2の位置P2との間で、シリンダ55の内部を移動する。
移動可能なシャフト31は、第1の遮断部32及び第2の遮断部33を備えている。第1の遮断部32及び第2の遮断部33は、シャフト31の第1の位置P1において、流入領域51と第3のポート21との間が流体接続となるように、移動可能なシャフト31に沿って互いに間隔を置いて配置され、冷媒の流量の一部分X1の一部X2を第2のチャンバー20に流入させ、これにより第1のチャンバー10内の冷媒を圧縮することを可能にする。
この行程の間、同時に、第3のポート21と流出領域52との間の流体接続が許容されることはない。
移動可能なシャフト31の第2の位置P2において、流出領域52と第3のポート21との間が流体接続され、第2のチャンバー20から冷媒の流量の一部分X1の一部X2を流出させることを可能とする。この間、流入領域51と第3のポート21との間の流体接続は許容されない。この行程では、蒸発器5から第1のチャンバー10への冷媒の吸入が行われる。
実際には、シャフト31の第1の位置P1において、第1の遮断部32は流出領域52を覆い、第2の遮断部33は流入領域51を露出させている。シャフト31の第2の位置では、第1の遮断部32が流出領域52を露出させ、第2の遮断部33が流入領域51を覆っている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの往復動型圧縮機(6)は、前記少なくとも1つのロッド(8)に一体的に拘束され、前記シリンダ(7)内で移動可能な少なくとも1つの追加のピストン(9’)を備え、
前記シリンダ(7)は、追加の第1のチャンバー(10’)を備えており、前記追加の第1のチャンバーは、前記蒸発器(5)からの前記冷媒の流入のための追加の第1のポート(11’)、及び圧縮された冷媒を前記主圧縮機()へ流出させるための追加の第2のポート(12’)を含んでおり、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記追加のピストン(9’)によって前記追加の第1のチャンバー(10’)から流体的に分離された、追加の第2のチャンバー(20’)を備えており、前記追加の第2のチャンバーは、前記追加のピストン(9’)を移動させるために、前記冷媒の流量の一部分(X1)の追加の一部(X2’)を流入させる追加の第3のポート(21’)を含んでおり、
前記追加の第2のチャンバー(20’)は、前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒を圧縮すると同時に、前記蒸発器から前記第1のチャンバー(10)への前記冷媒の吸入を可能とし、そして、
前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒を圧縮すると同時に、前記ピストン(9)による前記第1のチャンバー(10)内の前記冷媒の圧縮に続き、前記冷媒の流量の一部分の追加の一部(X2’)の流出を可能にするように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記とも1つの往復動型圧縮機(6)は、前記少なくとも1つのロッド(8)に一体的に拘束され、前記シリンダ(7)内で移動可能な少なくとも1つの追加のピストン(9’)を備えており、
前記シリンダは、前記蒸発器(5)から来る冷媒の流入のための追加の第1のポート(11’)、及び追加の第1のチャンバー(10’)内の圧縮された冷媒を主圧縮機()に到達させるように流出させる追加の第2のポート(12’)を含む追加の第1のチャンバー(10‘)を備えており、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記追加のピストン(9’)によって前記追加の第1のチャンバー(10’)から流体的に分離され、前記追加のピストン(9’)を移動させ前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒を圧縮し、同時に、前記蒸発器(5)から前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)を前記第1のチャンバー(10)へ流入させる追加の第3のポート(21’)を有する追加の第2のチャンバー(20’)を備え、
前記シリンダ(7)は、さらに、前記追加の第1のチャンバー(10’)内の前記冷媒の圧縮の終了時に、前記冷媒の流量の一部分(X1)の前記追加の一部(X2’)を流出させ、同時に、前記ピストン(9)による前記第1のチャンバー(10)内の冷媒の圧縮のための追加の第4のポート(22’)を備えていることを特徴とする冷凍装置。

【国際調査報告】