(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】管腔内超音波血管境界の選択並びに関連するデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547969
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(85)【翻訳文提出日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 IB2019059166
(87)【国際公開番号】W WO2020084583
(87)【国際公開日】2020-04-30
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】フィリップス イメージ ガイディッド セラピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ナイア アヌジャ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス レベッカ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD01
4C601DD14
4C601DD15
4C601EE09
4C601EE10
4C601FE01
4C601FE04
4C601JB34
4C601JC09
4C601JC10
4C601JC20
4C601KK24
4C601KK25
4C601KK28
4C601KK31
4C601KK42
4C601KK45
(57)【要約】
管腔内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路を含む管腔内超音波撮像システムが開示される。プロセッサ回路は、患者の管腔内で管腔内超音波撮像カテーテルが移動している間に管腔内超音波撮像カテーテルによって取得された複数の管腔内超音波画像を受け取る。プロセッサ回路はさらに、複数の管腔内超音波画像の中から画像を選択し、選択された画像内の管腔に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成し、管腔に関連する少なくとも2つの境界輪郭を表示し、ここで、境界輪郭はそれぞれ、選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされていて、ユーザ入力を受け取って境界輪郭のうちの1つを選択し、選択された境界輪郭がオーバーレイされた選択された画像を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路を備える管腔内超音波撮像システムであって、前記プロセッサ回路は、
患者の管腔内で前記管腔内超音波撮像カテーテルが移動している間に前記管腔内超音波撮像カテーテルによって取得された複数の管腔内超音波画像を受け取り、
前記複数の管腔内超音波画像の中から画像を選択し、前記選択された画像内の前記管腔に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成し、
前記管腔に関連する前記少なくとも2つの境界輪郭を含む画面表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力し、ここで、前記境界輪郭はそれぞれ、前記選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされ、
前記プロセッサ回路と通信するユーザインターフェースから第1のユーザ入力を受け取って、前記境界輪郭のうちの1つを選択し、
前記選択された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力する、管腔内超音波撮像システム。
【請求項2】
前記プロセッサ回路はさらに、前記選択された画像の前記選択された境界輪郭を、前記複数の管腔内超音波画像のうちの少なくとも1つの他の画像に伝搬することによって、前記少なくとも1つの他の画像の前記管腔に関連する導出された境界輪郭を生成する、請求項1に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項3】
前記プロセッサ回路はさらに、各境界輪郭の幾何学的測定値を生成し、各境界輪郭の前記幾何学的測定値を前記ディスプレイに出力する、請求項1に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項4】
前記幾何学的測定値は、管腔直径、血管壁外径、管腔断面積、または血管断面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路はさらに、前記ユーザインターフェースから第2のユーザ入力を受け取って、前記選択された境界輪郭を編集し、前記編集された境界輪郭に基づいて前記幾何学的測定値を再計算し、前記再計算された幾何学的測定値とともに、前記編集された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力する、請求項3に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項6】
前記プロセッサ回路は、統計的尺度の第1の値に基づいて前記少なくとも2つの境界輪郭を生成し、また、前記プロセッサ回路は、前記統計的尺度の第2の値に基づいて異なる境界輪郭を生成する、請求項1に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項7】
前記プロセッサ回路は、前記ユーザインターフェースから、前記統計的尺度を前記第1の値から前記第2の値に変更するための第2の入力を受け取る、請求項6に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項8】
前記プロセッサ回路は、機械学習アルゴリズムに基づいて前記少なくとも2つの境界輪郭を生成する、請求項1に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項9】
前記管腔内超音波撮像カテーテルをさらに備える、請求項1に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項10】
前記管腔内超音波撮像システムは、前記ディスプレイと、前記ユーザインターフェースとをさらに備え、前記ユーザインターフェースは前記ディスプレイのタッチスクリーンを含む、請求項1に記載の管腔内超音波撮像システム。
【請求項11】
管腔内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路において、患者の管腔内で前記管腔内超音波撮像カテーテルが移動している間に前記管腔内超音波撮像カテーテルによって取得された複数の管腔内超音波画像を受け取るステップと、
前記プロセッサ回路を使用して、前記複数の管腔内超音波画像の中から画像を選択するステップと、
前記プロセッサ回路を使用して、前記選択された画像内の前記管腔に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成するステップと、
前記管腔に関連する前記少なくとも2つの境界輪郭を含む画面表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力するステップであって、前記境界輪郭はそれぞれ、前記選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされる、ステップと、
前記プロセッサ回路と通信するユーザインターフェースから第1のユーザ入力を受け取って、前記境界輪郭のうちの1つを選択するステップと、
前記プロセッサ回路を使用して、前記選択された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力するステップとを含む、
管腔内超音波撮像方法。
【請求項12】
前記選択された画像の前記選択された境界輪郭を、前記複数の管腔内超音波画像のうちの少なくとも1つの他の画像に伝搬することによって、前記少なくとも1つの他の画像の前記管腔に関連する導出された境界輪郭を生成するステップをさらに含む、請求項11に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項13】
各境界輪郭の幾何学的測定結果を生成するステップと、各境界輪郭の前記幾何学的測定値を前記ディスプレイに出力するステップとをさらに含む、請求項11に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項14】
前記幾何学的測定値は、管腔直径、血管壁外径、管腔断面積、または血管断面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項15】
前記ユーザインターフェースから第2のユーザ入力を受け取って、前記選択された境界輪郭を編集するステップと、前記編集された境界輪郭に基づいて前記幾何学的測定値を再計算するステップと、前記再計算された幾何学的測定値とともに、前記編集された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力するステップとをさらに含む、請求項13に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項16】
統計的尺度の第1の値に基づいて前記少なくとも2つの境界輪郭を生成するステップと、前記統計的尺度の第2の値に基づいて異なる境界輪郭を生成するステップとをさらに含む、請求項11に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースから、前記統計的尺度を前記第1の値から前記第2の値に変更するための第2の入力を受け取るステップをさらに含む、請求項16に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項18】
前記少なくとも2つの境界輪郭は機械学習アルゴリズムに基づいて生成される、請求項11に記載の管腔内超音波撮像方法。
【請求項19】
末梢血管で使用される血管内超音波撮像システムであって、前記血管内超音波撮像システムは、
患者の末梢血管内で移動している間に複数の血管内超音波画像を取得する血管内超音波撮像カテーテルと、
前記血管内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路とを備え、
前記プロセッサ回路は、
前記血管内超音波撮像カテーテルによって取得された前記複数の血管内超音波画像を受け取り、
前記複数の血管内超音波画像の中から画像を選択し、
前記選択された画像内の前記末梢血管に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成し、
前記末梢血管に関連する前記少なくとも2つの境界輪郭を含む画面表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力し、ここで、前記境界輪郭はそれぞれ、前記選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされ、
前記プロセッサ回路と通信するユーザインターフェースから第1のユーザ入力を受け取って、前記境界輪郭のうちの1つを選択し、
前記選択された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力する、
血管内超音波撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/750,996号に基づく優先権および利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
[0002]本明細書に記載の主題は医用撮像のためのシステムに関する。特に、開示されるシステムは、自動的に検出された管腔および/または血管の境界を識別および選択するためのシステムを提供する。システムは特に、限定はされないが、血管疾患の診断および治療に有用である。
【背景技術】
【0003】
[0003]IVUS(Intravascular ultrasound)は冠状血管処置および末梢血管処置の両方で使用される(例えば、血管形成術、ステント留置術、IVCフィルタ回収、EVARおよびFEVAR(および腹部特性に関して同様)、アテローム切除術および血栓摘出術)。異なる疾患や医療処置ごとに、異なるサイズ、構造、密度、含水量、および撮像センサのアクセス性を有する様々な物理的特徴が生成される。例えば、DVT(deep-vein thrombosis)は血球の塊を生成する一方、PTS(post-thrombotic syndrome)は、瘢痕組織のような組成または血管壁自体と似た組成を有するウェビング(webbing)(癒着)またはその他の残留構造的効果を血管内に生成するため、血管壁と区別するのが難しい可能性がある。ステントは、血管または管腔を特定の直径で開いた状態に保つために血管または管腔内に配置され得る密度の高い(例えば、金属製の)物体である。血管または管腔外の解剖学的構造が血管または内腔に当たると圧迫が生じ、血管または管腔を収縮させる。
【0004】
[0004]管腔内医療撮像は、1つまたは複数の超音波トランスデューサを含むIVUSデバイスを使用して実行されることがある。IVUSデバイスは血管内に通され、撮像領域に誘導される。トランスデューサは超音波エネルギーを放出し、血管から反射された超音波エコーを受信する。超音波エコーは、関心のある血管の1つまたは複数の画像を作成するために処理される。関心のある血管の画像は血管内の1つまたは複数の病変または閉塞を含み得る。これらの閉塞を治療するためにステントが血管内に配置され、血管内のステントの配置工程を見るために管腔内撮像が実施され得る。他の種類の治療として、血栓摘出術、切除術、血管形成術、医薬品などが挙げられる。
【0005】
[0005]自動化されたアルゴリズムは、臨床画像の解釈に関連するリアルタイムの測定値(例えば、血管壁または血管内腔の直径または断面積)を血管内撮像システムのユーザに提供することができる。このようなアルゴリズムの目標は自動測定について可能な限り正確であることであるが、これらのアルゴリズムは、特に血管側枝などのあいまいな領域の周辺で、人間が識別するであろうものと同じ境界または測定結果を必ずしも識別しない。このため、識別された境界または測定値の変更が必要になることがしばしばある。アルゴリズムの結果を調整する必要がある場合、またはユーザが結果を変更または編集したい場合、それを行うための典型的な手段は、何らかの形式の手動編集を介して行うことである。これは困難であったり、または時間がかかる可能性があり、また、誤りが生じやすいおそれがある。したがって、識別された境界、および識別された境界から導出された計算結果の効率的な修正を可能にする改善されたシステムおよび方法へのニーズが存在する。
【0006】
[0006]本明細書で引用される参照文献、および参照文献の説明または議論を含め、本明細書のこの背景技術の節に含まれる情報は技術的参照の目的でのみ含められており、本開示の範囲を制限する主題と見なされるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
[0007]IVUS、または血管境界を識別することを可能にする他の任意の画像診断法の使用中に測定結果および境界を容易に編集することを好適に可能にするシステムが開示される。これは、自動アルゴリズムによって、素早い選択を可能にする、計算された確率の順にランク付けされた2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の自動的に識別された血管境界選択肢をユーザに提供することで実現される。これらの選択肢はユーザに同時に提示されてもよい。これは、例えば、視覚的に(例えば、同じIVUS画像の3つの異なるインスタンスを3つの異なる境界選択肢とともに示すことによって)および/または数値的に(例えば、3つの異なる血管境界輪郭に関連する3つの異なる数値を提示することによって)行うことができる。これにより、ユーザが測定結果の修正を手動で描く必要がなくなるため、測定結果の編集に必要な時間が短縮される。このような自動アルゴリズムは従来技術に基づいていてもよいし、または、機械学習技術や深層学習技術、その他の種類の人工知能、またはこれらの組み合わせを使用してもよい。以下、システムを血管境界選択システムと呼ぶ。
【0008】
[0008]アルゴリズムは、自動的に識別された血管境界を手動で編集しなければならない代わりに、迅速な選択を可能にする2つ、3つ、またはそれ以上の選択肢を確率に基づきユーザに提示する。この概念は、血管内イメージング(例えば、IVUS)のために実装され得るが、他の臨床画像診断法(OCT、外部、超音波、X線、血管造影または静脈造影、CT、MRIなど)にも適用可能である。システムはまた、選択された輪郭を手動で編集する機能をユーザーに提供してもよい。
【0009】
[0009]本明細書が開示する血管境界選択システムは、限定はされないが、管腔内超音波撮像処置に特に有用である。血管境界選択システムの1つの一般的な側面は、管腔内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路を備える管腔内超音波撮像システムであって、前記プロセッサ回路は、患者の管腔内で前記管腔内超音波撮像カテーテルが移動している間に前記管腔内超音波撮像カテーテルによって取得された複数の管腔内超音波画像を受け取り、前記複数の管腔内超音波画像の中から画像を選択し、前記選択された画像内の前記管腔に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成し、前記管腔に関連する前記少なくとも2つの境界輪郭を含む画面表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力し、ここで、前記境界輪郭はそれぞれ、前記選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされ、前記プロセッサ回路と通信するユーザインターフェースから第1のユーザ入力を受け取って前記境界輪郭のうちの1つを選択し、前記選択された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力する、管腔内超音波撮像システムを含む。この側面の他の実施形態は、それぞれが方法の動作を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0010】
[0010]実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。上記システムにおいて、前記プロセッサ回路はさらに、前記選択された画像の前記選択された境界輪郭を、前記複数の管腔内超音波画像のうちの少なくとも1つの他の画像に伝搬することによって、前記少なくとも1つの他の画像の前記管腔に関連する導出された境界輪郭を生成する。上記システムにおいて、前記プロセッサ回路はさらに、各境界輪郭の幾何学的測定値を生成し、各境界輪郭の前記幾何学的測定値を前記ディスプレイに出力する。上記システムにおいて、前記幾何学的測定値は、管腔直径、血管壁外径、管腔断面積、または血管断面積のうちの少なくとも1つを含む。上記システムにおいて、前記プロセッサ回路はさらに、第2のユーザ入力を前記ユーザインターフェースから受け取って前記選択された境界輪郭を編集し、前記編集された境界輪郭に基づいて前記幾何学的測定値を再計算し、前記再計算された幾何学的測定値とともに、前記編集された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力する。上記システムにおいて、前記プロセッサ回路は、統計的尺度の第1の値に基づいて前記少なくとも2つの境界輪郭を生成し、また、前記プロセッサ回路は、前記統計的尺度の第2の値に基づいて異なる境界輪郭を生成する。上記システムにおいて、前記プロセッサ回路は、前記ユーザインターフェースから、前記統計的尺度を前記第1の値から前記第2の値に変更するための第2の入力を受け取る。上記システムにおいて、前記プロセッサ回路は、機械学習アルゴリズムに基づいて前記少なくとも2つの境界輪郭を生成する。上記システムは、前記管腔内超音波撮像カテーテルをさらに含む。上記システムは、前記ディスプレイと、前記ユーザインターフェースとをさらに備え、前記ユーザインターフェースは前記ディスプレイのタッチスクリーンを含む。上記技術の実装形態はハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータによってアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0011】
[0011]1つの一般的な側面は、管腔内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路において、患者の管腔内で前記管腔内超音波撮像カテーテルが移動している間に前記管腔内超音波撮像カテーテルによって取得された複数の管腔内超音波画像を受け取るステップと、前記プロセッサ回路を使用して、前記複数の管腔内超音波画像の中から画像を選択するステップと、前記プロセッサ回路を使用して、前記選択された画像内の前記管腔に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成するステップと、前記管腔に関連する前記少なくとも2つの境界輪郭を含む画面表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力するステップであって、前記境界輪郭はそれぞれ、前記選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされる、ステップと、前記プロセッサ回路と通信するユーザインターフェースから第1のユーザ入力を受け取って前記境界輪郭のうちの1つを選択するステップと、前記プロセッサ回路を使用して、前記選択された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力するステップとを含む、管腔内超音波撮像方法を含む。この側面の他の実施形態は、それぞれが方法の動作を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0012】
[0012]実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。上記方法は、前記選択された画像の前記選択された境界輪郭を、前記複数の管腔内超音波画像のうちの少なくとも1つの他の画像に伝搬することによって、前記少なくとも1つの他の画像の前記管腔に関連する導出された境界輪郭を生成するステップをさらに含む。上記方法は、各境界輪郭の幾何学的測定値を生成するステップと、各境界輪郭の前記幾何学的測定値を前記ディスプレイに出力するステップとをさらに含む。上記方法において、前記幾何学的測定値は、管腔直径、血管壁外径、管腔断面積、または血管断面積のうちの少なくとも1つを含む。上記方法は、前記ユーザインターフェースから第2のユーザ入力を受け取って、前記選択された境界輪郭を編集するステップと、前記編集された境界輪郭に基づいて前記幾何学的測定値を再計算するステップと、前記再計算された幾何学的測定値とともに、前記編集された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力するステップとをさらに含む。上記方法は、統計的尺度の第1の値に基づいて前記少なくとも2つの境界輪郭を生成するステップと、前記統計的尺度の第2の値に基づいて異なる境界輪郭を生成するステップとをさらに含む。上記方法は、前記ユーザインターフェースから、前記統計的尺度を前記第1の値から前記第2の値に変更するための第2の入力を受け取るステップをさらに含む。上記方法において、前記少なくとも2つの境界輪郭は機械学習アルゴリズムに基づいて生成される。上記技術の実装形態はハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータによってアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0013】
[0013]1つの一般的な側面は、末梢血管で使用される血管内超音波撮像システムであって、前記システムは、患者の末梢血管内で移動している間に複数の血管内超音波画像を取得する血管内超音波撮像カテーテルと、前記血管内超音波撮像カテーテルと通信するプロセッサ回路とを備え、前記プロセッサ回路は、前記血管内超音波撮像カテーテルによって取得された前記複数の血管内超音波画像を受け取り、前記複数の血管内超音波画像の中から画像を選択し、前記選択された画像内の前記末梢血管に関連する少なくとも2つの境界輪郭を生成し、前記末梢血管に関連する前記少なくとも2つの境界輪郭を含む画面表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力し、ここで、前記境界輪郭はそれぞれ、前記選択された画像の別個のインスタンス上にオーバーレイされ、前記プロセッサ回路と通信するユーザインターフェースから第1のユーザ入力を受け取って前記境界輪郭のうちの1つを選択し、前記選択された境界輪郭がオーバーレイされた前記選択された画像を前記ディスプレイに出力する、システムを含む。この側面の他の実施形態は、それぞれが方法の動作を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0014】
[0014]この「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」でさらに説明されるいくつかの概念を簡略化した形で紹介するためのものである。「発明の概要」は、クレームされる主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、クレームされる主題の範囲を制限することも意図していない。特許請求の範囲において定められる血管境界選択システムの特徴、詳細、効用、および利点のより詳細な提示が、以下の本開示の様々な実施形態の記載において提供され、かつ添付図面において図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0015]以下、本開示の説明のための実施形態を以下の添付図面を参照しながら説明する。
【0016】
【
図1】[0016]
図1は、本開示の側面に係る管腔内撮像システムの概略図を示す。
【
図2】[0017]
図2は人体の血管(例えば、動脈および静脈)を示す。
【
図3】[0018]
図3は圧縮を有する血管を示す。
【
図4】[0019]
図4は、圧縮、および流れを回復させるために内部で拡張されたステントを有する血管を示す。
【
図5】[0020]
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な管腔内撮像表示画面を示す。
【
図6】[0021]
図6は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な輪郭選択画面表示を示す。
【
図7】[0022]
図7は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な管腔境界輪郭編集画面表示を示す。
【
図8】[0023]
図8は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、血管識別のための方法を示すフロー図である。
【
図9】[0024]
図9は、本開示の実施形態に係るプロセッサ回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0025]本開示は、一般に、管腔内撮像デバイスを用いた医療撮像、例えば患者の管腔に関連する撮像に関する。例えば、本開示は、アルゴリズム的に決定された確率に基づいてランク付けされた2つ、3つ、またはそれ以上の自動生成された境界の選択肢をユーザに提供することによって、IVUS(intravascular ultrasound)および他の画像診断法の使用中に血管または他の器官の境界を識別および測定するためのシステム、デバイス、および方法を記載する。血管または器官の境界を編集するために現在用いられている方法は、自動アルゴリズムが画像上で決定した特徴を描き直すか、または何らかの手段によってリダイレクトするためのユーザによる手動インタラクションを伴う。このような編集手法は時間がかかる可能性があり、また、一部のユーザにとっては困難であったり、または誤りが生じやすい可能性がある。本開示は、ユーザが手動で境界を描きなおす必要性を回避することにより、臨床医または他のユーザが血管または器官の境界輪郭および境界輪郭から導出された測定結果を編集するのに必要な時間を削減する。
本開示の1つの利点は、複数の輪郭候補からの容易なワンクリック選択により、プロセスがユーザにとって著しく容易になり、著しく少ない時間を要することである。一部の実施形態では、自動的に計算された境界輪郭のいずれも臨床医または他のユーザの期待または要望と一致しない場合のフォールバックオプションとして、手動編集が依然として利用可能であってもよい。この概念は、IVTJS(intravascular imaging)だけでなく、他の臨床画像診断法(例えば、血管造影または静脈造影、CTなど)についても実装可能である。画像内の1つまたは複数の特徴を見つけることに関連する自動アルゴリズムが存在する限り、発見された特徴を編集する必要性が存在し、したがって編集プロセスを合理化する必要がある。
【0018】
[0026]本開示は、自動アルゴリズムから計算された確率によってランク付けされた、複数の自動検出された選択肢の中からの容易な選択に基づく、自動検出された特徴の容易かつ迅速な編集等の多くの利点を提供する。機械学習/深層学習または従来のアルゴリズムに関して、アルゴリズムによる検出の対象である特徴の蓋然性(確率)を決定する手段が存在する。例えば、IVUS(intravascular ultrasound image)において、血液-管腔境界、および外側の動脈または静脈壁境界を検出することによって病変をセグメント化しようとする場合が考えられる。自動境界検出の蓋然性を計算することにより、算出された境界に対して蓋然性または他の1つ以上のパラメータに関して近い2つまたは3つ以上の選択肢を計算することができる。したがって、ユーザが境界を編集するためにシステムとインタラクトするとき、これらの選択肢がユーザに提示され、ユーザは、手動で描いた、または修正したであろう境界に最も近い選択肢をすばやく選択することができる。以下、このシステムは血管境界選択システムと称される。
【0019】
[0027]本明細書に記載のデバイス、システム、および方法は、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/750,983号(代理人整理番号2018PF01112-44755.2000PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/751,268号(代理人整理番号2018PF01160-44755.1997PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/751,289号(代理人整理番号2018PF01159-44755.1998PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/750,996号(代理人整理番号2018PF01145-44755.1999PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/751,167号(代理人整理番号2018PF01115-44755.2000PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/751,185号(代理人整理番号2018PF01116-44755.2001PV01)に記載されている1つまたは複数の特徴を含み得る。これらの文献は、本明細書に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0020】
[0028]本明細書に記載のデバイス、システム、および方法はまた、2018年3月14日に出願された米国仮出願第62/642,847号(代理人整理番号2017PF02103)(および2019年3月12日に当出願から出願された非仮出願US16/351175)、2018年7月30日に出願された米国仮出願第62/712,009号(代理人整理番号2017PF02296)、2018年7月30日に出願された米国仮出願第62/711,927号(代理人整理番号2017PF02101)、2018年3月15日に出願された米国仮出願第62/643,366号(代理人整理番号2017PF02365)(および2019年3月15日に当出願から出願された非仮出願US16/354970)に記載されている1つまたは複数の特徴を含み得る。これらの文献は、本明細書に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0021】
[0029]本開示は、臨床医が大量の管腔内撮像データを理解すること、並びに報告および治療計画策定を行うことを大きく支援する。本開示は、血管または他の器官の境界、および関連する測定結果の識別、選択、および編集のための迅速でシームレスなプロセスを提供することによってこれを達成する。本明細書に開示される血管境界選択システムは、医療撮像センサ(例えば、管腔内超音波センサ)と通信する医療撮像コンソール(例えば、IVUS撮像コンソール)に実装されたとき、時間の節約と、血管境界識別および測定の精度向上の両方を提供する。この改善されたイメージングワークフローは、時間のかかる手動のマーキング、編集、および修正プロセスを、より少なく、より単純な工程を含む効率的なプロセスに変える。これは、例えば、臨床医が画像上に境界線の輪郭を描いたり、境界線の輪郭を定める点を編集(例えば、ドラッグアンドドロップ)したりする、通常はルーチンである工程を要することなく生じる。この従来に無いアプローチは、臨床医または他のユーザによって通常は手動で実行される血管境界の識別および計算工程を自動化することにより、医用撮像コンソールおよびセンサの機能性を向上させる。
【0022】
[0030]血管境界選択システムは論理的分岐および数学的演算の集合として実装され、システムの出力はディスプレイ上に表示可能である。システムは、ユーザ入力を受け取り(例えば、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンインターフェースなどのユーザインターフェースから)、かつ1つまたは複数の医用撮像センサ(例えば、管腔内超音波センサ)と通信するプロセッサ上で実行される制御プロセスによって操作される。この点に関して、制御プロセスは、撮像プロセスの開始時にユーザによって提供される異なる入力または選択に応じて特定の動作を実行し、さらに、プロセス中にユーザによって提供される入力に応答してもよい。プロセッサ、ディスプレイ、センサ、およびユーザ入力システムの一部の構造、機能、および動作は当技術分野で知られているものであり、一方、そうでないものは、本開示の新規の特徴または態様を実施可能にするために本明細書に具体的に記載されている。
【0023】
[0031]様々な種類の管腔内撮像システムが疾患の診断および治療に使用される。例えば、IVTJS(intravascular ultrasound)イメージングは、患者の体内の血管を視覚化するための診断ツールとして使用される。これは、治療の必要性を判断するために、治療を最適化するために、および/または治療の有効性を評価するために(例えば、治療前後の血管の撮像を通じて)、人体の疾患を有するまたは圧迫された血管(例えば、動脈または静脈)を評価するのを支援する可能性がある。
【0024】
[0032]管腔内撮像は、1つまたは複数の超音波トランスデューサを含むIVUSデバイスを使用して実行されることがある。IVUSデバイスは血管内に通され、撮像領域に誘導される。トランスデューサは超音波エネルギーを放出し、血管から反射された超音波エコーを受信する。超音波エコーは、関心のある血管の画像を作成するために処理される。関心のある血管の画像は血管内の1つまたは複数の病変または閉塞を含み得る。これらの閉塞を治療するためにステントが血管内に配置され、血管内のステントの配置工程を見るために管腔内撮像が実施され得る。他の種類の治療として、血栓摘出術、切除術、血管形成術、医薬品などが挙げられる。
【0025】
[0033]血管境界選択システムは、臨床医の作業負荷を軽減し、また、IVUS処置中に、または処置後のレビューモードの間に、あるいはその両方の間に、血管境界の識別、編集、および関連する測定の特定の側面が自動的に行われることを可能にする。
【0026】
[0034]これらの説明は例示的な目的のためにのみ提供されており、血管境界選択システムの範囲を制限すると見なされるべきではない。クレームされる主題の趣旨から逸脱することなく、特徴/機能が追加、削除、または変更され得る。
【0027】
[0035]本開示の原理の理解を容易にするため、図示されている実施形態が参照され、また、それらを説明するために具体的な用語が使用される。しかし、本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。記載される本開示の原理の装置、システム、方法、およびさらなる用途へのあらゆる変更および改変は、本開示が関連する分野の当業者が通常考えつくであろうように、完全に考慮され、本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して説明した特徴、構成要素および/または工程は、本開示の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素、および/または工程と組み合わせられ得ることは完全に考慮される。しかしながら、簡潔さのために、このような多数の組み合わせの反復は別々に説明されない。
【0028】
[0036]
図1は、本開示の側面に係る、血管境界選択システムを含む管腔内イメージングシステムの概略図である。管腔内撮像システム100は、一部の実施形態ではIVTJS(intravascular ultrasound)撮像システムであり得る。管腔内撮像システム100は、管腔内デバイス102、患者インターフェースモジュール(PIM)104、コンソールまたは処理システム106、モニター108、および外部撮像システム132(例えば、血管造影、超音波、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、または他のイメージング技術、機器、および方法のシステムであり得る)を含み得る。管腔内デバイス102は、患者の管腔内に配置可能なサイズおよび形状を有し、かつ/または配置可能であるように他の態様で構造的に構成される。例えば、管腔内デバイス102は、様々な実施形態において、カテーテル、ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、圧力ワイヤ、および/またはフローワイヤ(flow wire)であり得る。場合によっては、システム100は、追加要素を含み、かつ/または
図1に示される要素のうちの1つまたは複数を備えずに実装され得る。例えば、システム100は外部撮像システム132を省いてもよい。
【0029】
[0037]管腔内撮像システム100(または血管内撮像システム)は、患者の管腔または血管系内での使用に適した任意の種類の撮像システムであり得る。一部の実施形態では、管腔内撮像システム100はIVUS撮像システムである。他の実施形態では、管腔内撮像システム100は、FL-IVUS(forward looking intraluminal ultrasound)イメージング、IVPA(intraluminal photoacoustic)イメージング、心腔内心エコー(ICE)、経食道心エコー(TEE)、および/または他の適切な画像診断法のために構成されたシステムを含み得る。
【0030】
[0038]システム100および/またはデバイス102は、任意の適切な管腔内撮像データを取得するように構成され得ることが理解されよう。一部の実施形態では、デバイス102は、光学イメージングやOCT(optical coherence tomography)などの任意の適切な画像診断法の撮像コンポーネントを含み得る。一部の実施形態では、デバイス102は任意の適切な非撮像コンポーネント、例えば、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、光ファイバ、リフレクタ、ミラー、プリズム、アブレーション要素、RF(radio frequency)電極、導体、またはこれらの組み合わせを含み得る。一般に、デバイス102は、管腔120に関連する管腔内撮像データを取得するための撮像要素を含み得る。デバイス102は、患者の血管または管腔120内に挿入可能なサイズおよび形状(および/または構成)を有し得る。
【0031】
[0039]システム100は、制御室を有するカテーテル検査室に配備され得る。処理システム106は制御室に配置され得る。任意選択的に、処理システム106は他の場所(例えば、カテーテル検査室)に配置されてもよい。カテーテル検査室は滅菌野を含み、一方、検査室に関連する制御室は、実行される処置および/またはその医療施設に応じて滅菌されていたり、されていなかったりする。カテーテル検査室および制御室は、任意の数の撮像処置、例えば血管造影、X線透視、CT、IVTJS、VH(virtual histology)、FL-IVTJS(forward looking IVTJS)、IVPA(intraluminal photoacoustic)イメージング、冠血流予備量比(FFR)の決定、冠血流予備能(CFR)の決定、OCT(optical coherence tomography)、コンピューター断層撮影、心腔内心エコー(ICE)、FLICE(forward-looking ICE)、管腔内パルポグラフィー(intraluminal palpography)、経食道超音波、X線透視、および他の医用画像診断法、またはこれらの組み合わせを実行するために使用され得る。一部の実施形態では、デバイス102は、オペレータが患者の近くにいる必要がないよう、制御室などの遠隔地から制御されてもよい。
【0032】
[0040]管腔内デバイス102、PIM104、モニター108、および外部撮像システム132は、直接または間接的に処理システム106に通信可能に結合され得る。これらの要素は有線接続、例えば標準的な銅線または光ファイバリンクを介して、および/または、例えばIEEE802.11Wi‐Fi規格、UWB(Ultra Wide-Band)規格、無線FireWire、無線USB、またはその他の高速無線ネットワーク規格を用いた無線接続を介して医療処理システム106に通信可能に結合され得る。処理システム106は、1つまたは複数のデータネットワーク、例えばTCP/IPベースのローカルエリアネットワーク(LAN)に通信可能に結合され得る。他の実施形態ではSONET(Synchronous Optical Networking)などの異なるプロトコルを利用することができる。場合によっては、処理システム106は、広域ネットワーク(WAN)に通信可能に結合されていてもよい。処理システム106は、ネットワーク接続を利用して様々なリソースにアクセスしてもよい。例えば、処理システム106は、ネットワーク接続を介して、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)システム、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)、および/または病院情報システム(HIS:Hospital Information System)と通信してもよい。
【0033】
[0041]高いレベルにおいて、超音波撮像管腔内デバイス102は、管腔内デバイス102の遠位端付近に取り付けられたスキャナアセンブリ110に含まれるトランスデューサアレイ124から超音波エネルギーを放射する。超音波エネルギーは、スキャナアセンブリ110を囲む媒体(例えば、管腔120)内の組織構造によって反射され、超音波エコー信号がトランスデューサアレイ124によって受信される。スキャナアセンブリ110は超音波エコーに対応する電気信号を生成する。スキャナアセンブリ110は1つまたは複数の独立した超音波トランスデューサ、および/または、任意の適切な構成(例えば、平面アレイ、曲面アレイ、円周状アレイ、環状アレイなど)のトランスデューサアレイ124を含むことができる。例えば、スキャナアセンブリ110は場合によっては1次元アレイまたは2次元アレイであり得る。場合によっては、スキャナアセンブリ110は回転式超音波デバイスであってもよい。スキャナアセンブリ110のアクティブ領域は、均一に、または独立して制御および作動可能な1つまたは複数のトランスデューサ材料および/または1つまたは複数の超音波素子セグメント(例えば、1つまたは複数の行、1つまたは複数の列、および/または1つまたは複数の向き)を含み得る。スキャナアセンブリ110のアクティブ領域は様々なベーシックまたは複雑な幾何学的形状/配置のパターンまたは構造を有し得る。スキャナアセンブリ110は、側方向き(例えば、管腔内デバイス102の長軸に対して垂直および/または直交する向きに超音波エネルギーが放射される)に配置されてもよいし、かつ/または前方向き(例えば、長軸に対して平行におよび/または長軸に沿って超音波エネルギーが放射される)に配置されてもよい。場合によっては、スキャナアセンブリ110は、長軸に対して、近位または遠位方向に斜めの角度で超音波エネルギーを放出および/または受け取るように構造的に配置される。一部の実施形態では、超音波エネルギー放射は、スキャナアセンブリ110の1つまたは複数のトランスデューサを選択的にトリガーすることによって電子的に操作され得る。
【0034】
[0042]スキャナアセンブリ110の超音波トランスデューサは、PMUT(piezoelectric micromachined ultrasound transducer )、CMUT(capacitive micromachined ultrasonic transducer)、単結晶、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、PZT複合体、他の適切なトランスデューサタイプ、および/またはこれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、超音波トランスデューサアレイ124は任意の適切な数の個々のトランスデューサ素子、または1~1000個の音響素子を含み、例えば、2個の音響素子、4個の音響素子、36個の音響素子、64個の音響素子、128個の音響素子、500個の音響素子、812個の音響素子、および/またはそれ以上または以下の数の音響素子を含み得る。
【0035】
[0043]PIM104は、受信されたエコー信号を処理システム106に転送し、そこで超音波画像(流量情報を含む)が再構成されてモニター108に表示される。コンソールまたは処理システム106はプロセッサおよびメモリを含み得る。処理システム106は、本明細書に記載の管腔内撮像システム100の特徴を容易化するように動作可能であり得る。例えば、プロセッサは、非一時的有形コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令を実行することができる。
【0036】
[0044]PIM104は、処理システム106と、管腔内デバイス102に含まれるスキャナアセンブリ110との間の信号交換を容易にする。この通信は、管腔内デバイス102内の集積回路コントローラチップにコマンドを提供すること、送受信に使用されるべきトランスデューサアレイ124上の特定の素子を選択すること、選択されたトランスデューサアレイ素子を励起する電気パルスを生成するように送信機回路を作動させるための送信トリガー信号を集積回路コントローラチップに提供すること、および/または選択されたトランスデューサアレイ素子から、集積回路コントローラチップに組み込まれた増幅器を介して受信された増幅されたエコー信号を受け取ることを含み得る。一部の実施形態では、PIM104は、データを処理システム106に転送する前にエコーデータの予備処理を実行する。そのような実施形態の例では、PIM104は、データの増幅、フィルタリング、および/または集計を実行する。一部の実施形態では、PIM104はまた、高電圧および低電圧DC電力を供給して、スキャナアセンブリ110内の回路を含む管腔内デバイス102の動作をサポートする。
【0037】
[0045]超音波システム106は、PIM104を介してスキャナアセンブリ110からエコーデータを受信し、データを処理して、スキャナアセンブリ110の周囲の媒体中の組織構造の画像を再構成する。一般に、デバイス102は、患者の任意の適切な解剖学的構造および/または管腔内で利用することができる。処理システム106は、血管または管腔120の画像、例えば管腔120の断面IVUS画像がモニター108上に表示されるように画像データを出力する。管腔120は、天然のまたは人工の、流体で満たされたまたは包囲された構造を表してもよい。管腔120は患者の体内にあってもよい。管腔120は、患者の血管系の動脈または静脈などの血管であり、例えば心臓血管系、末梢血管系、神経血管系、腎血管系、および/または他の体内の任意の適切な管腔を含む。例えば、デバイス102は任意の数の解剖学的位置および組織タイプ、例えば、限定はされないが肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺、導管、腸や、脳、硬膜嚢、脊髄、および末梢神経を含む神経系構造、尿路、血液内の弁、心腔または心臓の他の部分、および/または身体の他のシステムを検査するために使用され得る。天然の構造に加えて、デバイス102は、限定はされないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、および他の装置などの人工構造を検査するために使用されてもよい。
【0038】
[0046]コントローラまたは処理システム106は、メモリおよび/または他の適切な有形のコンピュータ可読記憶媒体と通信する1つまたは複数のプロセッサを有する処理回路を含み得る。コントローラまたは処理システム106は、本開示の1つまたは複数の側面を実行するように構成され得る。一部の実施形態では、処理システム106およびモニター108は別々の構成要素である。他の実施形態では、処理システム106およびモニター108は単一の構成要素に統合されている。例えば、システム100は、タッチスクリーンディスプレイとプロセッサとを有するハウジングを含むタッチスクリーンデバイスを含み得る。システム100は、ユーザがモニター108上に示された選択肢を選択するための任意の適切な入力デバイス、例えばタッチセンシティブパッドまたはタッチスクリーンディスプレイ、キーボード/マウス、ジョイスティック、ボタンなどを含み得る。処理システム106、モニター108、入力デバイス、および/またはそれらの組み合わせはシステム100のコントローラと言及され得る。コントローラは、デバイス102、PIM104、処理システム106、モニター108、入力デバイス、および/またはシステム100の他の構成要素と通信していてもよい。
【0039】
[0047]一部の実施形態では、管腔内デバイス102は、Volcano Corporationから入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテルや、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第第7,846,101号に開示されるカテーテルなど、従来のソリッドステートIVUSカテーテルに類似するいくつかの特徴を含む。例えば、管腔内デバイス102は、管腔内デバイス102の遠位端付近のスキャナアセンブリ110と、管腔内デバイス102の長手方向ボディに沿って延びる伝送線束112とを含む。ケーブルまたは伝送線束112は複数の導体、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上の導体を含むことができる。
【0040】
[0048]伝送線束112は、管腔内デバイス102の近位端のPIMコネクタ114で終端する。PIMコネクタ114は、伝送線束112をPIM104に電気的に結合し、管腔内デバイス102をPIM104に物理的に結合する。一部の実施形態では、管腔内デバイス102は、ガイドワイヤ出口ポート116をさらに含む。したがって、場合によっては、管腔内デバイス102はラピッドエクスチェンジカテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116は、管腔内デバイス102を管腔120中で導くために、ガイドワイヤ118を遠位端に向かって挿入することを可能にする。
【0041】
[0049]モニター108は、コンピュータモニターまたは他のタイプのスクリーンなどの表示装置であり得る。モニター108は、選択可能なプロンプト、指示、および撮像データの視覚化をユーザに表示するために使用され得る。一部の実施形態では、管腔内撮像プロセスを完了するために、プロセスに固有のワークフローがモニター108を使用してユーザに提供され得る。このワークフローは、管腔の状態、およびステントの可能性を判断するためのステント留置前計画、および管腔内に配置されたステントの状態を判断するためのステント留置後検査の実行を含み得る。ワークフローは、
図5~
図7に示される表示または視覚化のうちのいずれかとしてユーザに提示されてもよい。
【0042】
[0050]外部撮像システム132は、患者の身体(血管120を含む)のX線画像、レントゲン写真、血管造影/静脈造影(例えば、造影剤あり)画像、および/またはX線透視(例えば、造影剤なし)画像を取得するように構成され得る。外部撮像システム132はまた、患者の身体(血管120を含む)のコンピュータ断層撮影画像を取得するように構成されてもよい。外部撮像システム132は、体外の位置で患者の身体(血管120を含む)の超音波画像を取得するように構成された外部超音波プローブを含み得る。一部の実施形態では、システム100は、患者の身体(血管120を含む)の画像を取得するための他の画像診断システム(例えば、MRI)を含む。処理システム106は、管腔内デバイス102によって取得された管腔内画像と併せて患者の身体の画像を利用してもよい。
【0043】
[0051]
図2は人体の血管(例えば、動脈および静脈)を示す。例えば、人体の静脈の名称が付されている。本開示の側面は末梢血管系、例えば胴体または脚の静脈に関連付けられ得る。
【0044】
[0052]閉塞は動脈または静脈で起こり得る。閉塞は一般に、(例えば、患者の健康に有害な態様で)管腔(例えば、動脈または静脈)内の流体の流れの制限を引き起こす任意の阻害物または他の構造的構成を表し得る。例えば、閉塞は管腔を狭め、管腔の断面積、および/または管腔内を流れる流体が利用可能な空間を減少させる。解剖学的構造が血管である場合、閉塞は、(例えば、外部血管からの)圧迫や、限定はされないが、線維、線維脂質(線維脂肪)、壊死性コア、石灰化(高密度カルシウム)、血液、および/または様々なステージの血栓(急性、亜急性、慢性等)等のプラーク成分等のプラークの蓄積に起因する狭窄の結果であり得る。場合によっては、閉塞は血栓、狭窄、および/または病変と称され得る。一般に、閉塞の組成は、評価される解剖学的構造の種類に依存する。解剖学的構造の健康な部分は均一または対称的なプロファイル(例えば、円形の断面形状を有する円筒形のプロファイル)を有し得る。閉塞は均一または対称的なプロファイルを有さない可能性がある。したがって、閉塞を有する解剖学的構造の患部または圧迫されている部分は非対称な、かつ/または他の態様で不規則なプロファイルを有する。解剖学的構造は1つまたは複数の閉塞を有し得る。
【0045】
[0053]閉塞(例えば、血栓、深部静脈血栓(DVT)、慢性完全閉塞(CTO)等)の蓄積は、末梢血管系(例えば、胴体、腹部、鼠径部、脚)内の静脈の断面積を減少させる可能性の1つである。静脈に接触する他の解剖学的構造が静脈の断面積を減少させる可能性もあり、その結果、静脈を通る血流は制限される。例えば、胴体、腹部、鼠径部、または脚の動脈または靭帯が静脈を圧迫すると、静脈の形状が変化し、静脈の断面積が減少する。動脈または靭帯との接触の結果として静脈の壁が圧迫されるという点で、このような他の解剖学的構造との接触に起因する断面積の減少は圧縮と称され得る。
【0046】
[0054]人間の血管は分岐構造を有し、より近位の位置では一般により大きく(例えば、より大きな直径または断面積を有する)、より遠位の位置ではより小さく(例えば、より小さな直径または断面積を有する)、また、所与の血管の長さに沿って頻繁に分岐する。分岐または側枝の近くでは、血管が2つの隣接する血管を備え、それぞれが独自の測定結果(例えば、直径または断面積)を有しているのか、または、一組の測定結果しか有さない(場合によっては複雑な形状を有する)単一の血管を備えているのかは見解上の問題であり得る。
【0047】
[0055]
図3は、圧縮または血栓330を有する血管300を示す。圧縮または血栓330は、血管壁310外で、血管管腔120内で、または血管壁310の拡大または肥厚として生じ、管腔120内の血流320を制限し得る。圧縮は、限定はされないが、例えば腱、靭帯、または隣接する管腔等、血管300の外部の他の解剖学的構造によって引き起こされ得る。
【0048】
[0056]
図4は、圧縮330、および流れを回復させるために内部で拡張されたステント440を有する血管300を示す。ステント440は、血管壁310を外向きに押すことで圧縮330を変位させて阻止し、血管内腔の断面積を増加させ、血液320の流れの制限を低減する。閉塞を緩和するための他の治療オプションとして、限定はされないが、血栓摘出術、切除術、血管形成術、および医薬品が挙げられる。しかし、ほとんどの場合、治療前、治療中、または治療後の患部の位置、向き、長さ、体積、直径、および断面積の正確で詳細な情報とともに、正確でタイムリーな患部の血管内画像を取得することが非常に望ましい可能性がある。このような情報は血管境界、例えば、血管内腔境界および/または血管壁310の外側境界の正確な評価に依拠する。
【0049】
[0057]
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な管腔内撮像表示画面500を示す。この例では、画面ディスプレイ500は、血管の一連の連続する断層撮影画像のうちの現在の断層撮影IVUS画像510を含む。血管内腔120、および管腔120から分岐する第2の管腔を表す側枝512が表示されている。自動的に算出された血管内腔境界514が画像の上にオーバーレイされている。自動的に算出された血管内腔境界は、例えば、内腔の直径または内腔の断面積などの追加変数を計算するために使用され得る。これらの変数は、ステントのサイズの決定などの臨床判断を行う際に有用であり得る。
【0050】
[0058]自動境界検出、画像処理、画像解析、および/またはパターン認識の例として、2001年3月13日に発行された米国特許第6,200,268号、「VASCULAR PLAQUE CHARACTERIZATION」、Jon D. Klingensmith、D. Geoffrey Vince、およびRaj Shekharを発明者として2002年4月30日に発行された米国特許第6,381,350号、「INTRAVASCULAR ULTRASONIC ANALYSIS USING ACTIVE CONTOUR METHOD AND SYSTEM」、Anuja Nair、D. Geoffrey Vince、Jon D. Klingensmith、およびBarry D. Kubanを発明者として2006年7月11日に発行された米国特許第7,074,188号、「SYSTEM AND METHOD OF CHARACTERIZING VASCULAR TISSUE」、D. Geoffrey Vince、Anuja Nair、およびJon D. Klingensmithを発明者として2007年2月13日に発行された米国特許第7,175,597号、「NON-INVASIVE TISSUE CHARACTERIZATION SYSTEM AND METHOD」、Jon D. Klingensmith、Anuja Nair、Barry D. Kuban、およびD. Geoffrey Vinceを発明者として2007年5月8日に発行された米国特許第7,215,802号、「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」、Jon D. Klingensmith、D. Geoffrey Vince、Anuja Nair、およびBarry D. Kubanを発明者として2008年4月15日に発行された米国特許第7,359,554号、「SYSTEM AND METHOD FOR IDENTIFYING A VASCULAR BORDER」、Jon D. Klingensmith、Anuja Nair、Barry D. Kuban、およびD. Geoffrey Vinceを発明者として2008年12月9日に発行された米国特許第7,463,759号、「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」が挙げられる。これらの文献の教示は参照により全体として本明細書に援用される。
【0051】
[0059]さらに、
図5では、グラフィカルロードマップ530および血管の画像長手方向表示(ILD:Image Longitudinal Display)520が表示されており、後者は、血管の長手方向の断面画像を形成する一連の連続断層画像の断面のスタックを含む。また、ブックマーク540a、540b、540c、540d、540e、および540fは、グラフィカルロードマップ530およびILD520の両方に関連付けられている。この例では、ブックマーク540dはさらに現在のIVUS画像510にも関連付けられており、IVUS画像510の位置および性質に関する情報を含むラベル550も同様である。
【0052】
[0060]
図6は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な輪郭選択画面表示600を示す。この例では、輪郭選択画面表示600は、同じ断層画像(例えば、血管の長軸に対して実質的に垂直な横方向または径方向の断面画像)の3つの異なるインスタンス610a、610b、および6l0cを含む。各インスタンス610a、610b、および610cにおいて血管内腔120および側枝515が表示されている。断層画像(例えば、IVUS画像)で側枝が現れる場合、血管の内腔境界を決定することは困難になる。なぜなら、任意のフレームに関して、側枝を主血管の一部と見なすか否かは個々の臨床的な好みの問題である可能性があるからである。管腔境界における他の曖昧さの原因には、限定はされないが、複雑な(例えば、凹状または豆形の)血管形状、閉塞、圧縮、狭窄、およびステント(最適に配置されていない、または最適に拡張されていないステントを含む)が含まれ得る。
【0053】
[0061]この例では、例えば
図5に見られるような単一の自動計算された管腔境界の代わりに、輪郭選択画面表示600は、計算された管腔境界の3つの異なる選択肢614a、614b、および614cを提供する。これらはそれぞれ独自の関連する管腔測定結果または他の数値620a、620b、および620cを有する(例えば、管腔の直径(mm)または管腔の断面積(mm
2))。一例では、選択肢は、境界検出アルゴリズムの3つの最も可能性の高い管腔境界輪郭を表す。アルゴリズムは、他の管腔境界輪郭候補を特定し得るが、3つの最も可能性の高いものの1つではない場合はそれらを表示しない。他の実施形態では、選択肢の数は3以外の数であり、例えば限定はされないが、2つの選択肢、4つの選択肢、または5つの選択肢であってもよい。一例では、臨床医または他のユーザは、関連する断層画像を選択することによって、または画像に関連付けられた英数字記号(例えばA、B、C)を選択することによって、または他の同様の手段によって、ユーザインターフェース(例えば、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、またはキーボード)を用いて提案された管腔境界6l4a、6l4b、または6l4cのうちの1つを選択することができる。
【0054】
[0062]一部の実施形態では、ディスプレイおよびユーザインターフェースは同じデバイスであり得る。ある例示的な実施形態では、それぞれが対応する候補境界および測定結果を有する、同じIVUS画像の複数のインスタンスがタッチスクリーンディスプレイ上に表示される。ユーザ入力は、候補のうちの1つを選択する、タッチスクリーンディスプレイ上のタッチ入力であってもよい。他の実施形態では、ディスプレイおよびユーザインターフェースは、互いに直接/間接的に結合されているか、または互いに分離されている/離間されている異なるデバイスであり得る。
【0055】
[0063]一部の実施形態では、境界検出アルゴリズムは、人間によって特定された管腔境界を使用して、比較可能なIVUS画像データのセット上でトレーニングされた機械学習ネットワーク、例えば深層学習または深層階層学習ネットワーク(例えば、入力層と出力層との間に複数の層を有する学習人工ニューロンネットワーク(ANN))を使用する。深層学習ネットワークの例は、限定はされないが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN、例えば、完全接続ネットワーク)、深層信念ネットワーク(例えば、層間は接続されているが各層内のユニット間は接続されていないネットワーク)、または深層ボルツマンマシンを含む。境界検出アルゴリズムは複数の候補境界輪郭を生成し、それぞれに確率、信頼度、または信頼区間が関連付けられている。
【0056】
[0064]プロセッサ回路は統計的尺度(確率、信頼区間、信頼度)に基づき、複数の異なる境界候補を生成および出力する。すなわち、プロセッサ回路は、統計的尺度の所与の値に対して境界候補セットを生成および出力し、統計的尺度の異なる値に対して異なる境界候補セットを出力および生成する。様々な例において、2つの境界候補セットは同じであってもよいし(例えば、全て同じ候補)、完全に異なっていてもよいし(例えば、同じ候補がない)、または部分的に異なっていてもよい(例えば、一部の候補は同じで一部の候補は異なる)。統計的尺度の選択は、例えば、ユーザ入力を介して実行され得る。
【0057】
[0065]一部の実施形態では、候補管腔境界の最小信頼区間はユーザ編集可能パラメータである。ただし、システムによってデフォルト値が提供されてもよい。一部の実施形態では、血管境界選択システムは、管腔境界輪郭候補のうちの1つまたは複数が最小信頼区間を上回らない場合、より少ない選択肢を提示してもよく、いくつかの管腔境界輪郭候補が最小信頼区間を上回る場合、より多くの選択肢を提示し得る。したがって、血管内腔が単純な略円形の断面を有する領域については、アルゴリズムはより少ない管腔境界候補614を特定し、一方、血管内腔が複雑な、凹状(例えば、豆形)の、分岐している、または他の態様で曖昧な断面を有する領域については、アルゴリズムは、臨床医または他のユーザが選択可能な管腔境界614をより多く特定し得る。
【0058】
[0066]さらに手動調整ボタン630が表示されており、これは、一部の実施形態では、臨床医または他のユーザが、選択された管腔境界614を構成する個々の点を調整することを可能にする。一部の実施形態では、ユーザは、手動調整モードに自動的に入ることができ、血管境界輪郭を編集する/しないの選択をすることができる。他の実施形態では、境界編集は、表示された境界輪郭オプション上で直接、例えば、血管境界輪郭の一部をクリックアンドドラッグすることによって、または選択されたオプションを有するポップアップウィンドウをアクティブにしてインタラクトすることによって行うことができる。境界輪郭を手動調整する他の手段も考えられる。
【0059】
[0067]一部の実施形態では、境界輪郭は身体の天然の輪郭、例えば管腔境界、血管境界、内膜-中膜境界、中膜-外膜境界などであり得る。一部の実施形態では、境界輪郭は患者の血管内の医療機器の輪郭、例えばステントの境界であってもよい。
【0060】
[0068]本開示の一部の実施形態は、2018年3月14日に出願された米国仮出願第62/642,847号(2017P02103US/44755.1840P V01)に記載されている特徴を含み、この文献は、本明細書に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0061】
[0069]
図7は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な管腔境界輪郭編集画面表示700を示す。一部の実施形態では、臨床医または他のユーザが
図6の手動調整ボタン630または同様の制御装置を選択した場合、システムは、選択された断層画像710を選択された管腔境界714とともに示す。ただし、システムはまた、管腔境界714を定める複数の点720を示す。これらの点を選択して動かすことにより(例えば、タッチスクリーン、キーボード、マウス、またはトラックボールを使用して)、臨床医または他のユーザは管腔境界714を変更することができる。このオプションは、例えば、管腔境界検出アルゴリズムによって提供される全ての選択肢に臨床医または他のユーザが満足しない場合に使用され得る。このような場合、臨床医または他のユーザは、例えば、利用可能な選択肢から最も近いものを選択し、管腔境界714がユーザの期待と一致するまで、1つまたは複数の点を手動編集することができる。一部の実施形態では、編集された管腔境界714は、境界検出ニューラルネットワークまたは他の学習アルゴリズムのトレーニングにフィードバックされる。
【0062】
[0070]なお、血管境界輪郭の手動調整は、離散点を動かすだけでなく、任意の適切な方法で実行できることに留意されたい。例えば、ディスプレイは特定された輪郭そのものだけを表示し、ユーザは輪郭そのものをタッチアンドドラッグして形状を変更してもよい。場合によっては、ユーザはタッチ入力を介して輪郭の全部または一部を描いてもよい。1つまたは複数の入力装置を使用して、選択された境界輪郭の編集画面、編集ウィンドウ、または編集オプションが導入され得る。ユーザが同じIVUSフレームの複数のインスタンスを有する画面上で直接編集する場合、1つの入力装置しか必要ない可能性がある。ユーザが手動編集モードに入るためのボタンまたはその他の入力装置を選択した場合、実際に境界を編集するために追加の入力装置が必要になる可能性がある。
【0063】
[0071]
図8は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、血管識別のための方法800を示すフロー図である。一部の実施形態では、方法800の1つまたは複数のステップが管腔内医療撮像システムによって実行されてもよい。
【0064】
[0072]ステップ810において、管腔内医療撮像システムは血管に関連する複数の画像を取得する。一部の実施形態では、複数の画像はそれぞれ血管の異なる位置で、または異なる時間もしくは血管内の異なる向きで取得され得る。一部の実施形態では、複数の画像は血管の長さに沿って連続して取得され得る。一部の実施形態では、血管の長さに沿って得られた複数の画像を使用して、血管の2次元および/または3次元表現が作成されてもよい。
【0065】
[0073]ステップ820において、システムは血管の複数の画像のうちの1つを選択する。一部の実施形態では、選択された画像は、血管の長さに沿って連続的に得られた最初のまたは最後の画像であってもよいし、または血管の長さに沿って得られた中間画像であってもよい。画像は、例えば、関心領域内のターゲットフレーム(例えば、血管の患部または圧縮されている部分内の最大閉塞または最小管腔断面積を表すフレーム)であってもよいし、または参照フレーム(例えば、血管の患部または圧縮されている部分の近位または遠位の健康な組織)であってもよい。一部の実施形態では、画像選択は、臨床医または他のユーザがユーザインターフェースを介して手動で行うことができる。他の実施形態では、画像選択は、アルゴリズム(例えば、画像データセットからターゲットフレームおよび参照フレームを選択するためのアルゴリズム)によって自動的に行われる。
【0066】
[0074]ステップ830において、血管境界選択システムは、選択された画像を解析して、画像内の1つまたは複数の潜在的境界(例えば、画像内の血管の円周)を識別する。一部の実施形態では、識別された潜在的境界は、管腔境界、血管境界、血管の内壁、および/または血管の外壁を表し得る。解析は、処理ユニット、ユーザディスプレイ、または医療撮像デバイスなどの医療撮像システムの1つまたは複数の構成要素によって実行され得る。境界は任意の適切な解剖学的境界検出アルゴリズムを使用して識別され得る。このような自動アルゴリズムは従来技術に基づいて構築されてもよいし、または、機械学習技術や深層学習技術、その他の種類の人工知能、またはこれらの組み合わせを備えてもよい。深層学習または従来のアルゴリズムに関して、アルゴリズムによる検出の対象である特徴の蓋然性を決定する手段が存在する。よって、自動的に識別された各境界はさらに、アルゴリズムによって計算された関連する蓋然性または信頼区間を有し得る。
【0067】
[0075]ステップ840において、血管境界選択システムは、潜在的境界を互いに、および/または閾値と比較し、比較結果に応じて潜在的境界をフィルタリングする。例えば、一部の実施形態では、潜在的境界の1つまたは複数の直径または断面積の値が互いに、または閾値と比較され、比較に基づいて潜在的境界がフィルタリングされ得る。例えば、血管境界輪郭の断面積がユーザ定義可能な最小閾値より小さい、またはユーザ定義可能な最大閾値を上回る場合、それらの血管境界輪郭はアルゴリズムによって除外され得る。また、アルゴリズムは、閾値を下回る確率または信頼区間を有する識別された管腔境界を除外してもよい。不要または不適切な候補境界が除外されると、医療撮像システムは、任意選択で、潜在的境界の中から1つまたは複数の選択的候補境界を識別し得る。
【0068】
[0076]ステップ850において、医療撮像システムは、血管の選択された画像の2つ以上のインスタンスをユーザディスプレイに出力し、それぞれの上にステップ840で計算された候補境界輪郭が重ねられる。上記したように、一部の実施形態では、1つまたは複数の選択的候補境界は、同じ解剖学的特徴または境界(例えば、血管の経路に沿った特定の点での血管の内壁)の選択的表現を含み得る。一部の実施形態では、臨床医または他のユーザが選択結果を承諾するにあたり選択結果を確認するだけで済むよう、撮像システムは選択的候補境界のうちの1つを一次(主要)候補境界として事前選択し得る。候補境界は、例えば、相対的確率または信頼区間に基づいてランク付けされ、最も確率の高い選択肢が最初に表示され(例えば、最も上または左)、最も確率が低い選択肢が最後に表示され得る(例えば、最も右または下)。ただし、代わりにまたは追加で他の配置を使用することも可能である。各候補境界には血管測定値または他の数値(例えば、直径または断面積)が関連付けられており、これも表示される。このようにすることで、臨床医または他のユーザは各境界候補の測定値を利用して、どの候補境界を選択するか、および任意選択で、最終的に選択する前に候補境界の点を手動で編集するか否かを決定することができる。
【0069】
[0077]ステップ860において、システムは、ユーザから境界選択入力を受け取る。境界選択入力は、ユーザインターフェースを介してシステムに送られてもよい。一部の実施形態では、ユーザインターフェースは、タッチスクリーンデバイス、マウス、キーボード、ジョイスティック、および/または候補境界輪郭に関連するユーザ入力を受け取るように構成された任意の他の適切な構成要素を含み得る。境界選択入力は、1つまたは複数の選択的候補境界のうちの1つを選択するための命令を含み得る。一部の実施形態では、ステップ850において、システムはまず、一次、言い換えれば「最適選択」候補境界のみを表示してもよい。その場合、境界選択入力は、臨床医または他のユーザが一次候補境界に満足している場合、システムによって識別された一次境界または最適境界で続行する旨の指示を含み得る。他の実施形態では、ユーザが表示された一次候補境界に満足している場合、境界線選択入力は必要とされない。例えば、一次候補境界はデフォルトで承諾されてもよい。これに関して、システムはその後、血管の画像上に重ねて一次候補境界を表示し、他のステップ(例えば、さらなる画像処理、一次候補境界の寸法に基づく計算など)に進み得る。他の実施形態では、境界選択入力は、同時表示された複数の候補境界のうちの1つを選択するための命令を含み得る。一次候補境界がデフォルトで承諾される実施形態では、ユーザは、ユーザが一次候補境界に満足していないとき、システムに1つまたは複数の選択的候補境界を出力させるように境界選択入力を提供することができる。選択的候補境界のうちの1つを選択するために、ユーザはさらなる境界線選択入力を提供し得る。
【0070】
[0078]一部の実施形態では、境界選択入力は、1つまたは複数の選択的候補境界のうちの1つまたは複数を却下するための命令を含み得る。一部の実施形態では、境界選択入力は、1つまたは複数の選択的候補境界のうちの1つを修正するための命令を含み得る。
【0071】
[0079]ステップ870において、候補境界輪郭が境界選択入力によって選択された後、システムは、選択された候補境界が画像上に重ねられた状態で血管の画像を表示することができる。
【0072】
[0080]ステップ880において、システムは選択された境界に関連付けられた基準を特定し得る。基準は、直径または断面積の値、あるいは画像上の選択された境界の位置、向き、大きさ、または形状に関連する別の値を含み得る。一部の実施形態では、画像は、選択された画像に関連付けられた複数の基準を特定し得る。一部の実施形態では、1つまたは複数の基準は、画像内の輪郭線を識別するために使用される式の係数を含み得る。他の実施形態では、1つまたは複数の基準は、所望の境界が発見される可能性が高い画像上の領域に対応する画像上の1つまたは複数の位置を含み得る。
【0073】
[0081]ステップ890において、システムは、識別された基準および/または識別された境界を、各画像において1つまたは複数の導出される境界を識別または検出するための開始点として、複数の画像のうちの残りの画像に伝搬することができる。識別された基準または境界を開始点として使用することにより、システムは、画像全体で血管内の境界を一貫して識別または導出する可能性が高くなり得る。識別された基準または境界を複数の画像にそれぞれ伝播することにより、臨床医または他のユーザは、満足のいく境界が識別されたことを確認するために各画像を再確認せずに済む可能性がある。
【0074】
[0082]なお、管腔に関連する識別される境界は、管腔境界、血管境界、内膜/中膜境界、中膜/外膜境界、および/または任意の他の境界、輪郭、および/または血管内および/または管腔内画像内の任意の構造のセグメンテーションを含み得る。例えば、管腔境界は血液と血管組織の間の境界であってもよい。例えば、血管境界は血管組織と周囲の組織との間の境界であり得る。境界は、識別された構造(例えば、管腔、血管、チャンバ、弁、血栓、カルシウム、隣接する動脈または静脈(血管)、ステントの輪郭、またはその他の構造)の周りに自動的に描かれた輪郭であってもよい。
【0075】
[0083]一部の実施形態では、医療撮像システムによって識別された各潜在的境界がユーザディスプレイに表示される候補境界であり、そのようにすることでフィルタリング工程が不要になる。一部の実施形態では、方法は、ユーザディスプレイに表示されるべき複数の候補境界からいくつかの境界を選択することを含み得る。例えば、一部の実施形態では、方法は、血管壁の外側境界および同じ血管壁の内側境界を選択して、ユーザディスプレイ上に外側境界および内側境界の両方を表示することを含み得る。
【0076】
[0084]
図9は、本開示の実施形態に係るプロセッサ回路950の概略図である。プロセッサ回路950は、所望の方法の実装に応じて、超音波撮像システム100、または他のデバイスもしくはワークステーション(例えば、サードパーティのワークステーション、ネットワークルータなど)、またはクラウドプロセッサもしくは他のリモート処理ユニットに実装され得る。図示されるように、プロセッサ回路950はプロセッサ960、メモリ964、および通信モジュール968を含み得る。これらの要素は互いに直接または間接的に、例えば1つまたは複数のバスを介して通信し得る。
【0077】
[0085]プロセッサ960は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、コントローラ、または、汎用計算機、RISC(reduced instruction set computing)デバイス、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA( field programmable gate array)、もしくはその他の関連するロジックデバイス(機械式コンピュータおよび量子コンピュータを含む)の任意の組み合わせを含み得る。プロセッサ960はまた、本明細書に記載の動作を実行するように構成された別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。プロセッサ960はまた、複数の計算機の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のマイクロプロセッサとDSPコアの組み合わせ、または任意の他のこれらのような構成として実装されてもよい。
【0078】
[0086]メモリ964は、キャッシュメモリ(例えば、プロセッサ960のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリデバイス、ハードディスクドライブ、その他の形式の揮発性メモリおよび非揮発性メモリ、または様々なタイプのメモリの組み合わせを含み得る。一実施形態では、メモリ964は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ964は命令966を保存してもよい。命令966は、プロセッサ960によって実行されたとき、プロセッサ960に本明細書で説明される動作を実行させる命令を含み得る。命令966はコードとも呼ばれ得る。「命令」及び「コード」という用語は、あらゆる種類のコンピュータ可読ステートメントを含むよう広く解釈されるべきである。例えば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを指し得る。「命令」および「コード」は単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多数のコンピュータ可読ステートメントを含み得る。
【0079】
[0087]通信モジュール968は、プロセッサ回路950と他のプロセッサまたはデバイスとの間の直接的または間接的なデータ通信を支援する任意の電子回路および/または論理回路を含むことができる。この点で、通信モジュール968は入出力(I / O)デバイスであり得る。場合によっては、通信モジュール968は、プロセッサ回路950および/または超音波撮像システム100の様々な要素間の直接的または間接的な通信を支援する。通信モジュール968は、多数の方法またはプロトコルを介してプロセッサ回路950内で通信を行い得る。シリアル通信プロトコルの例は、限定はされないが、US SPI、I2C、RS-232、RS-485、CAN、イーサネット、ARINC 429、MODBUS、MIL-STD-1553、またはその他の適切な方法やプロトコルを含む。パラレルプロトコルの例は、限定はされないが、ISA、ATA、SCSI、PCI、IEEE-488、IEEE-1284、およびその他の適切なプロトコルを含む。必要に応じて、シリアル通信およびパラレル通信がUART、US ART、またはその他の適切なサブシステムによってブリッジされてもよい。
【0080】
[0088]外部通信(ソフトウェア更新、ファームウェア更新、または超音波デバイスからの読み取りを含むがこれらに限定されない)は、任意の適切な無線または有線通信技術、例えばUSB、マイクロUSB、ライトニング、またはFireWireインターフェースなどのケーブルインターフェース、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、Li-Fi、または2G/GSM、3G/UMTS、4G/LTE/WiMax、もしくは5Gなどのセルラーデータ接続などを使用して達成することができる。例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)無線を使用してクラウドサービスとの接続を確立したり、データを送信したり、ソフトウェアパッチを受信したりしてもよい。コントローラはリモートサーバ、またはラップトップ、タブレット、もしくはハンドヘルドデバイスなどのローカルデバイスと通信するように構成され、または状態変数および他の情報を表示可能なディスプレイを含み得る。情報はUSBフラッシュドライブやメモリスティックなどの物理的なメディアで伝送されてもよい。
【0081】
[0089]上記の実施例および実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。例えば、血管境界選択システムは、本明細書に記載されるもの以外の体内の解剖学的システムで使用され、または記載されるもの以外の種類の疾患、物体、または処置を撮像するために使用され得る。本明細書に記載の技術は、現存するか、または今後開発されるかにかかわらず、多様な種類の撮像センサに適用することができる。システムは、冠状動脈、および動脈または静脈の撮像における末梢での使用についてはIVUS(例えば、IVUSコンソールソフトウェア)とともに使用され得る。あるいは、または加えて、システムは、自動測定を可能にし、したがって自動的に識別された境界輪郭の編集を必要とする可能性があるX線法、血管造影法、および静脈造影法とともに使用され得る。システムは、自動特徴検出または測定が可能であるが、検出または測定結果の編集ができる任意の画像診断法の編集プロセスを合理化するために、任意の画像診断法に適用することができる。
【0082】
[0090]したがって、本明細書に記載の技術の実施形態を構成する論理演算は演算、ステップ、オブジェクト、要素、構成要素、またはモジュールなど様々に称される。さらに、特に記載がない限り、またはクレームの文言によって特定の順序が本質的に必要とされない限り、これらは任意の順序で発生し、または実行され得ることを理解されたい。あらゆる方向への言及、例えば上、下、内側、外側、上向き、下向き、左、右、横、前、後ろ、表、裏/底、上方、下方、垂直、水平、時計回り、反時計回り、近位、および遠位は、読者がクレームされる主題を理解するのを助けるための識別目的のために過ぎず、(特に血管境界選択システムの位置、向き、または用法に関して)制限を生じさせない。接続への言及、例えば、取り付けられている、結合されている、接続されている、および接合されている等は広義に解釈されるべきであり、特に明記しない限り、要素の集合間の中間部材の存在、および要素間の相対的動きを含む可能性がある。そのため、接続への言及は、2つの要素が直接接続され、相対的に固定されていることを必ずしも意味しない。「または」という用語は「排他的論理和」ではなく「および/または」を意味すると解釈されたい。請求項に特に明記されない限り、記載される値は例示としてのみ解釈されるべきであり、限定的であると解釈されるべきではない。
【0083】
[0091]上記の明細書、実施例、およびデータは、特許請求の範囲が定める血管境界選択システムの例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。クレームされる主題の様々な実施形態がいくらかの具体性を伴って、または1つまたは複数の個々の実施形態を参照しつつ上記で説明されているが、当業者は、クレームされる主題の趣旨または範囲から逸脱することなく開示される実施形態に多様な変更を加えることができる。さらなる他の実施形態が考えられる。上記の説明に含まれる事項、および添付図面に示される事項は全て具体的な実施形態の例示に過ぎず、限定を意味するものではないと解釈されるべきである。以下の特許請求の範囲にて定めれる主題の基本要素から逸脱することなく細部または構造の変更を行うことができる。
【国際調査報告】