(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ガラス成形装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C03B 17/06 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
C03B17/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548513
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 US2019056058
(87)【国際公開番号】W WO2020091979
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】油田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】アグラワル,アンモル
(72)【発明者】
【氏名】ボラタヴ,オルス ネイリ
(72)【発明者】
【氏名】コカテュラム,ビュレント
(72)【発明者】
【氏名】オズターク,アルパー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ルイ
(57)【要約】
ガラス成形装置は:閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを含む、第1の冷却管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを含む、第2の管を含む、冷却管を含む。上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めされる。上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを含む。上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通す。更に、ガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス成形装置であって、
閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の冷却管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を含む、冷却管であって、前記第2の管は、前記第1の管内に位置決めされ、前記冷却管は、前記閉鎖された第1の側壁と前記第2の側壁との間に、チャネルを備え、前記冷却管は、前記第2の管及び前記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また前記冷却用流体を前記オリフィスに通すように、構成される、冷却管
を備える、ガラス成形装置。
【請求項2】
前記第1の管及び前記第2の管のうちの1つ以上は、円筒形状を有する、請求項1に記載のガラス成形装置。
【請求項3】
前記第2の管は前記第1の管と同軸である、請求項1又は2に記載のガラス成形装置。
【請求項4】
前記オリフィスは、前記第2の管の長さの約50%以上に沿って延在する、請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス成形装置。
【請求項5】
ガラス成形装置であって、
上側ハウジング部分であって、前記ガラス成形装置によって画定される移動経路が前記上側ハウジング部分内に延在し、前記上側ハウジング部分は冷却管を備え、第1の自由経路は、前記冷却管と前記移動経路との間に、前記移動経路と直交する第1の自由経路方向に延在する、上側ハウジング部分
を備える、ガラス成形装置。
【請求項6】
前記冷却管は:閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を備え、前記第2の管は、前記第1の管内に位置決めされ、前記冷却管は、前記閉鎖された第1の側壁と前記第2の側壁との間に、チャネルを備え、前記冷却管は、前記第2の管及び前記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また前記冷却用流体を前記オリフィスに通すように、構成される、請求項5に記載のガラス成形装置。
【請求項7】
前記移動経路は、前記上側ハウジング部分の下方に位置決めされた下側ハウジング部分内に延在し、前記下側ハウジング部分は更に、下側冷却管と、前記下側冷却管と前記移動経路との間に第2の自由経路方向に延在する第2の自由経路とを備える、請求項5又は6に記載のガラス成形装置。
【請求項8】
前記第1の自由経路方向は、前記第2の自由経路方向に対して略平行である、請求項7に記載のガラス成形装置。
【請求項9】
請求項1に記載のガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法であって:
前記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、前記冷却管のそばを通して移動させるステップ;
前記冷却用流体を前記第2の管内に受け入れるステップ;並びに
前記オリフィス及び前記チャネルを通るように前記冷却用流体を配向して、前記閉鎖された第1の側壁を冷却するステップ
を含む、方法。
【請求項10】
前記冷却用流体を前記チャネルから第1の方向に沿って除去するステップを更に含み、前記第1の方向は、前記冷却用流体が前記第2の管内を流れることができる第2の方向とは反対方向である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年10月31日出願の米国仮特許出願第62/753,272号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が以下に完全に記載されているかのように本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般にガラスリボンを成形するための方法に関し、より詳細には、冷却管を備えるガラス成形装置を用いてガラスリボンを成形するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
成形用ウェッジの下方に配置された冷却管を用いてガラスリボンを冷却することが公知である。上記冷却管は、上記ガラスリボンが上記冷却管のそばを通って移動する際に上記ガラスリボンを冷却できる低温に維持される。しかしながら、上記冷却管をあまりに低い温度に維持すると、望ましくない対流セル及びガラスリボンの一貫しない冷却につながる場合がある。その結果、ガラスリボンの厚さのばらつきが、ドロー方向を横断する方向、及びダウンドロー方向の両方において発生し得る。
【発明の概要】
【0004】
これより、本開示の簡潔な概要を提示することにより、「発明を実施するための形態」に記載されているいくつかの実施形態の基礎的な理解を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態によると、ガラス成形装置は冷却管を備えることができ、上記冷却管は:閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の冷却管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を含む。上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めできる。上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを備えることができる。上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れることができ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通すことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、上記第1の管及び上記第2の管のうちの1つ以上は、円筒形状を有することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記第2の管は上記第1の管と同軸である。
【0008】
いくつかの実施形態では、上記オリフィスは、複数のオリフィスを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記オリフィスは、上記第2の管の長さの約50%以上に沿って延在できる。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記オリフィスは、上記第2の管の長さの約50%以下に沿って延在できる。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記冷却用流体はガスを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置は上側ハウジング部分を備えることができ、上記ガラス成形装置によって画定される移動経路が上記上側ハウジング部分内に延在できる。上記上側ハウジング部分は、冷却管を備えることができる。第1の自由経路は、上記冷却管と上記移動経路との間に、上記移動経路と直交できる第1の自由経路方向に延在できる。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記冷却管は、閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備えることができる、第1の管を備えることができる。上記冷却管は、閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備えることができる、第2の管を備えることができる。上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めできる。上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを備えることができる。上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通すように、構成できる。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記移動経路は、上記上側ハウジング部分の下方に位置決めされた下側ハウジング部分内に延在できる。上記下側ハウジング部分は更に、下側冷却管と、上記下側冷却管と上記移動経路との間に第2の自由経路方向に延在する第2の自由経路とを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記第1の自由経路方向は、上記第2の自由経路方向に対して略平行とすることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の外面との間の温度差は、約649℃未満とすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記ガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法は、上記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、上記冷却管のそばを通して移動させるステップを含むことができる。方法は、上記冷却用流体を上記第2の管内に受け入れるステップを含むことができる。方法は、上記オリフィス及び上記チャネルを通るように上記冷却用流体を配向して、上記閉鎖された第1の側壁を冷却するステップを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記オリフィスを通るように上記冷却用流体を配向する上記ステップは、上記冷却管の外面の温度を約400℃~約600℃に維持するステップを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、上記冷却用流体を上記チャネルから第1の方向に沿って除去するステップを含むことができ、上記第1の方向は、上記冷却用流体が上記第2の管内を流れることができる第2の方向とは反対方向とすることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、上記冷却用流体を除去する上記ステップは、上記冷却用流体を、管軸に対して略平行な除去経路に沿って配向するステップを含むことができ、ここで上記管軸に沿って上記第2の管が延在する。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記ガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法は、上記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、冷却管のそばを通して移動させるステップを含むことができる。方法は、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の外面との間の温度差が、約649℃未満となるように、上記冷却管を通して冷却用流体を流すステップを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、上記冷却用流体が上記冷却管の上記外面を通過するのを防止するステップを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記冷却管を通して上記冷却用流体を流す上記ステップは、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の上記外面との間の温度差が、約553℃未満となるように実施される。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記冷却管を通して上記冷却用流体を流す上記ステップは、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の上記外面との間の温度差が、約459℃未満となるように実施される。
【0025】
本明細書で開示される実施形態の更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、その一部は「発明を実施するための形態」から当業者に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実践することによって認識されるであろう。以上の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも、本明細書で開示される実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図した実施形態を提示するものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施形態を図示しており、本記述と併せて、これらの実施形態の原理及び動作を説明する。
【0026】
これらの及びその他の特徴、実施形態、及び利点は、添付の図面を参照して以下の「発明を実施するための形態」を読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の実施形態によるガラス成形装置の例示的実施形態の概略図
【
図2】本開示の実施形態による、
図1の線2‐2に沿ったガラス成形装置の断面斜視図
【
図3】本開示の実施形態による、
図2の線3‐3に沿ったガラス冷却装置の例示的実施形態の断面図
【
図4】本開示の実施形態による、
図3の線4‐4に沿った冷却管の例示的実施形態の断面図
【
図5】本開示の実施形態による、
図4の線5‐5に沿った
図4の冷却管の断面図
【
図6】本開示の実施形態による、
図3の線4‐4に沿った冷却管の更なる実施形態の断面図
【
図7】時間及びガラスリボンの温度変動のいくつかの実施形態のプロット
【発明を実施するための形態】
【0028】
これより、例示的実施形態を示す添付の図面を参照して、実施形態をより詳細に説明する。可能な場合は常に、図面全体を通して、同一又は同様の部品を指すために同一の参照番号を使用する。しかしながら、本開示は多数の異なる形態で実現してよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈してはならない。
【0029】
本開示は、ガラスを成形するためのガラス成形装置及び方法に関する。これより、ガラスを成形するための方法及び装置について、ある量の溶融材料からガラスリボンを成形するための例示的実施形態によって説明する。
図1に概略図で示されているように、いくつかの実施形態では、例示的なガラス製造装置100は、ガラス溶融・送達装置102と、ある量の溶融材料121からリボン103を製造するために設計された成形用容器140を備えるガラス成形装置101とを備えることができる。いくつかの実施形態では、リボン103は、リボン103の第1の外縁部153及び第2の外縁部155に沿って形成された対向する厚い縁部部分(例えば縁部ビード)の間に位置決めされた、中央部分152を備えることができ、上記縁部ビードの厚さは上記中央部分の厚さより大きくすることができる。更にいくつかの実施形態では、分割済みガラスリボン104をリボン103から、ガラス分割器149(例えばスクライブ、スコアホイール、ダイヤモンドチップ、レーザ等)によって、分割経路151に沿って分割できる。いくつかの実施形態では、リボン103から分割済みガラスリボン104を分割する前又は分割した後に、第1の外縁部153及び第2の外縁部155に沿って形成された縁部ビードを除去して、均一な厚さを有する高品質の分割済みガラスリボン104として中央部分152を提供できる。
【0030】
いくつかの実施形態では、ガラス溶融・送達装置102は、貯蔵用蓋付き容器109からバッチ材料107を受承するよう配向された溶融用容器105を備えることができる。バッチ材料107は、モータ113によって動力供給されるバッチ送達デバイス111によって導入できる。いくつかの実施形態では、任意のコントローラ115を用いてモータ113を起動し、矢印117で示すように、所望量のバッチ材料107を溶融用容器105に導入できる。溶融用容器105はバッチ材料107を加熱して、溶融材料121を提供できる。いくつかの実施形態では、溶融プローブ119を用いて、スタンドパイプ123内の溶融材料121の液位を測定し、測定した情報を、通信ライン125によってコントローラ115に通信できる。
【0031】
更にいくつかの実施形態では、ガラス溶融・送達装置102は第1の調質ステーションを備えることができ、上記第1の調質ステーションは、溶融用容器105の下流に配置され、第1の接続導管129によって溶融用容器105に連結された、清澄用容器127を備える。いくつかの実施形態では、溶融材料121は、第1の接続導管129によって、溶融用容器105から清澄用容器127へと重力によって供給できる。例えばいくつかの実施形態では、重力は溶融材料121を、溶融用容器105から清澄用容器127へと第1の接続導管129の内部通路を通して推進できる。更にいくつかの実施形態では、様々な技法によって、清澄用容器127内の溶融材料121から気泡を除去できる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ガラス溶融・送達装置102は更に第2の調質ステーションを備えることができ、上記第2の調質ステーションは、清澄用容器127から下流に配置できる混合用チャンバ131を備える。混合用チャンバ131を用いて、溶融材料121の均質な組成物を提供でき、これによって、清澄用容器127を出る溶融材料121内に存在することになり得る不均質性を低減又は排除する。図示されているように、清澄用容器127は、第2の接続導管135によって混合用チャンバ131に連結できる。いくつかの実施形態では、溶融材料121は、第2の接続導管135によって、清澄用容器127から混合用チャンバ131へと重力によって供給できる。例えばいくつかの実施形態では、重力は溶融材料121を、清澄用容器127から混合用チャンバ131へと第2の接続導管135の内部通路を通して推進できる。
【0033】
更にいくつかの実施形態では、ガラス溶融・送達装置102は第3の調質ステーションを備えることができ、上記第3の調質ステーションは、混合用チャンバ131から下流に配置できる送達用容器133を備える。いくつかの実施形態では、送達用容器133は溶融材料121を、流入導管141内へと供給するために調質できる。例えば送達用容器133は、溶融材料121の一貫した流れを調整して流入導管141へと提供するための、アキュムレータ及び/又は流れコントローラとして機能できる。図示されているように、混合用チャンバ131は、第3の接続導管137によって送達用容器133に連結できる。いくつかの実施形態では、溶融材料121は、第3の接続導管137によって、混合用チャンバ131から送達用容器133へと重力によって供給できる。例えばいくつかの実施形態では、重力は溶融材料121を、混合用チャンバ131から送達用容器133へと第3の接続導管137の内部通路を通して推進できる。更に図示されているように、いくつかの実施形態では、送達用パイプ139を、成形装置101へと、例えば成形用容器140の流入導管141へと、溶融材料121を送達するように位置決めできる。
【0034】
成形装置101は、ガラスリボンをフュージョンドロー加工するためのウェッジを備える成形用容器、ガラスリボンをスロットドローするためのスロットを備える成形用容器、又はガラスリボンを成形用容器から圧延成形するためのプレスロールを備える成形用容器を含む、本開示の特徴に従った様々な実施形態を含むことができる。例として、以下で図示及び開示されている成形用容器140は、成形用ウェッジ209の、基部145として画定された下縁部から、溶融材料121をフュージョンドロー加工して溶融材料121のリボンを製造するために提供でき、上記リボンをリボン103へとドロー加工できる。例えばいくつかの実施形態では、溶融材料121を流入導管141から成形用容器140へと送達できる。次に、成形用容器140の構造を部分的にベースとして、溶融材料121をリボン103へと成形できる。例えば図示されているように、溶融材料121を、ガラス製造装置100のドロー方向154に沿って延在するドロー経路に沿って、成形用容器140の下縁部(例えば基部145)からドロー加工できる。いくつかの実施形態では、縁部方向決定器163、164は、溶融材料121を、成形用容器140から離れるように配向して、リボン103の幅「W」を部分的に画定できる。いくつかの実施形態では、リボン103の幅「W」は、リボン103の第1の外縁部153と、リボン103の第2の外縁部155との間に延在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、リボン103の第1の外縁部153とリボン103の第2の外縁部155との間に延在する、リボン103の幅「W」は、約20ミリメートル(mm)以上、例えば約50mm以上、例えば約100mm以上、例えば約500mm以上、例えば約1000mm以上、例えば約2000mm以上、例えば約3000mm以上、例えば約4000mm以上とすることができるが、更なる実施形態では、上述の幅未満の、又は上述の幅より大きな他の幅を提供することもできる。例えばいくつかの実施形態では、リボン103の幅「W」は、約20mm~約4000mm、例えば約50mm~約4000mm、例えば約100mm~約4000mm、例えば約500mm~約4000mm、例えば約1000mm~約4000mm、例えば約2000mm~約4000mm、例えば約3000mm~約4000mm、例えば約20mm~約3000mm、例えば約50mm~約3000mm、例えば約100mm~約3000mm、例えば約500mm~約3000mm、例えば約1000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約2500mm、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内とすることができる。
【0036】
図2は、
図1の線2‐2に沿った成形装置101(例えば成形用容器140)の断面斜視図を示す。いくつかの実施形態では、成形用容器140は、流入導管141から溶融材料121を受承するように配向された、トラフ201を備えることができる。例示を目的として、溶融材料121の網掛け部分は、分かりやすくするために
図2から削除されている。成形用容器140は更に成形用ウェッジ209を備えることができ、これは、成形用ウェッジ209の対向する端部210、211の間に延在する、下向きに傾斜して集束する表面部分207、208のペア(
図1を参照)を備える。成形用ウェッジ209の、下向きに傾斜して集束する表面部分207、208のペアは、ドロー方向154に沿って集束して、成形用容器140の基部145に沿って交差できる。ガラス製造装置100のドロー平面213は、基部145を通って、ドロー方向154に沿って延在できる。いくつかの実施形態では、リボン103を、ドロー平面213に沿ってドロー方向154にドロー加工できる。図示されているように、ドロー平面213は、基部145を通って成形用ウェッジ209を二等分できるが、いくつかの実施形態では、ドロー平面213は、基部145に対して他の配向で延在することもできる。
【0037】
更にいくつかの実施形態では、溶融材料121は、成形用容器140のトラフ201内へ、及びトラフ201に沿って、方向156に流れることができる。続いて溶融材料121は、対応する堰203、204を同時に越えて、対応する堰203、204の外面205、206上を下向きに流れることによって、トラフ201からあふれることができる。次に、溶融材料121の流れはそれぞれ、成形用ウェッジ209の、下向きに傾斜して集束する表面部分207、208に沿って流れることができ、これにより、上記流れが集束してリボン103へと融合する成形用容器140の基部145から、ドロー加工できる。その後、溶融材料のリボン103を基部145から、ドロー方向154に沿ってドロー平面213内でドロー加工できる。いくつかの実施形態では、リボン103は、リボン103の垂直位置に基づいて1つ以上の材料状態を有する。例えばある位置では、リボン103は粘性溶融材料121を含むことができ、また別の位置では、リボン103はガラス状態の非晶質固体(例えばガラスリボン)を含むことができる。
【0038】
リボン103は第1の大面215及び第2の大面216を備え、これらは対向する方向を向いており、リボン103の厚さ「T」(例えば平均厚さ)を画定する。いくつかの実施形態では、リボン103の厚さ「T」は、約2ミリメートル(mm)以下、約1ミリメートル以下、約0.5ミリメートル以下、例えば約300マイクロメートル(μm)以下、約200マイクロメートル以下、又は約100マイクロメートル以下とすることができるが、更なる実施形態では他の厚さを提供することもできる。例えばいくつかの実施形態では、ガラスリボン103の厚さ「T」は、約50μm~約750μm、約100μm~約700μm、約200μm~約600μm、約300μm~約500μm、約50μm~約500μm、約50μm~約700μm、約50μm~約600μm、約50μm~約500μm、約50μm~約400μm、約50μm~約300μm、約50μm~約200μm、約50μm~約100μm(これらの間の全ての厚さの範囲及び部分範囲を含む)とすることができる。更にリボン103は、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、アルカリ含有ガラス、又はアルカリ非含有ガラスを含むがこれらに限定されない、多様な組成物を含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ガラス分割器149(
図1を参照)は続いて、リボン103が成形用容器140によって成形されるに従って、ガラスシート104をリボン103から分割経路151に沿って分割できる。図示されているように、いくつかの実施形態では、分割経路151は、第1の外縁部153と第2の外縁部155との間のリボン103の幅「W」に沿って延在できる。更にいくつかの実施形態では、分割経路151は、リボン103のドロー方向154に対して垂直に延在できる。更にいくつかの実施形態では、ドロー方向154は、リボン103を成形用容器140からドロー加工できる方向を画定できる。
【0040】
いくつかの実施形態では、複数の分割済みガラスリボン104を積層して、分割済みガラスリボン104の積層体を形成できる。いくつかの実施形態では、分割済みガラスリボン104の隣接するペアの間に介在材料を配置することにより、分割済みガラスリボン104の上記ペアの無傷の表面が接触するのを防止して、これらを維持するのを補助できる。
【0041】
更なる実施形態では、図示されていないが、ガラス製造装置からのリボン103を保管用ロールに巻きつけてよい。所望の長さの巻かれたリボンを保管用ロール上で保管すると、分割済みガラスリボンが保管用ロール上で保管されるように、リボン103をガラス分割器149で分割できる。更なる実施形態では、分割済みガラスリボンを、別の分割済みガラスリボンへと分割できる。例えば、(例えばガラスリボンの積層体からの)分割済みガラスリボン104を、別の分割済みガラスリボンへと更に分割できる。更なる実施形態では、保管用ロール上で保管された分割済みガラスリボンを、ロールから引き出して、別の分割済みガラスリボンへと更に分割できる。
【0042】
次に、分割済みガラスリボンを、例えばディスプレイ用途である所望の用途に加工できる。例えば分割済みガラスリボンは、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディス(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、及び他の電子ディスプレイを含む、広範なディスプレイ用途に使用できる。
【0043】
図3を参照すると、
図2の線3‐3に沿った、ガラス成形装置101のガラス冷却装置301の一例の断面図が示されている。いくつかの実施形態では、ガラス冷却装置301は1つ以上の冷却扉303を備えることができる。冷却扉303は、成形用ウェッジ209の基部145に隣接して位置決めでき、ある冷却扉303がリボン103の第1の大面215に面して位置決めされ、別の冷却扉303がリボン103の第2の大面216に面して位置決めされる。いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101によって画定される、(例えばリボン103がそれに沿って移動する)移動経路305は、冷却扉303の間に延在できる。冷却扉303は、冷却管307及びサーマルプレート309を備えることができる。冷却管307は冷却用流体を受け取って、この冷却用流体をサーマルプレート309に向けて配向できる。いくつかの実施形態では、サーマルプレート309に衝突する冷却用流体は、サーマルプレート309を所望の温度まで冷却できる。従って、このサーマルプレート309の冷却によって、リボン103を成形用ウェッジ209の下方で冷却できる。
【0044】
ガラス冷却装置301は、成形用ウェッジ209の下流かつ冷却扉303の下方に位置決めされていてよいハウジング311を備えることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング311は、上側ハウジング部分313及び下側ハウジング部分315を備えることができる。上側ハウジング部分313は、冷却扉303の下方かつすぐ下流に位置決めされていてよい。上側ハウジング部分313は中空の上側ハウジングチャンバ317を画定でき、リボン103はこれを通って移動できる。例えば、ガラス成形装置101によって画定される移動経路305は、上側ハウジング部分313の中(例えば上側ハウジングチャンバ317の中)に延在できる。リボン103は、移動経路305に沿って移動方向319に、上側ハウジング部分313を通って移動できる。
【0045】
上側ハウジング部分313は、1つ以上の上側ハウジング壁321を備えることができる。いくつかの実施形態では、上側ハウジング壁321は、移動経路305の対向する側部に位置決めでき、上側ハウジング壁321のうちの1つは、(例えばリボン103が移動経路305に沿って移動する際に)リボン103の第1の大面215に面して位置決めされ、別の上側ハウジング壁321は、リボン103の第2の大面216に面して位置決めされる。上側ハウジング壁321を互いから離間させて、これらの間に上側ハウジングチャンバ317を画定できる。いくつかの実施形態では、上側ハウジング壁321は、上側ハウジング壁321を通した熱伝達を低減するための耐火性絶縁材料を含むことができる。上側ハウジング壁321の耐火性絶縁材料は例えば、約500℃以上、約700℃以上、又は約800℃以上の環境に曝露される構造に上側ハウジング壁321を適用できるようにする化学的及び物理的特性を備えた、非金属材料を含むことができる。
【0046】
上側ハウジング部分313は、1つ以上の冷却管325を備えることができる。1つ以上の冷却管325は、移動経路305と上側ハウジング壁321との間の上側ハウジングチャンバ317内に位置決めできる。例えば、ガラス成形装置101によって画定される移動経路305がその中に延在する上側ハウジング部分313は、冷却管325を備える。いくつかの実施形態では、上側ハウジング部分313は、移動経路305の片側に位置決めされた1つ以上の冷却管325と、移動経路305の反対側に位置決めされた1つ以上の冷却管325とを備えることができる。例えば、1つ以上の冷却管325を、(リボン103が移動経路305に沿って移動する際に)リボン103の第1の大面215に面して位置決めでき、また1つ以上の冷却管325を、リボン103の第2の大面216に面して位置決めできる。第1の大面215に面する1つ以上の冷却管325を、第2の大面216に面する1つ以上の冷却管325から離間させて、これらの間に空隙を画定でき、移動経路305はこの空隙を通って、第1の大面215に面する1つ以上の冷却管325と、第2の大面216に面する1つ以上の冷却管325との間に延在する。このようにして、リボン103は、移動経路305に沿って移動する際に、1つ以上の冷却管325の間を移動できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325は、移動経路305の片側に位置決めされた3つの冷却管と、移動経路305の反対側に位置決めされた3つの冷却管とを含むことができる。しかしながら、このような構成は限定を意図したものではなく、いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325は、移動経路305の各側に位置決めされた4つ以上の冷却管325を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325は、1つの垂直軸に沿って配設でき(例えばある冷却管が別の冷却管の上に位置決めされる)、ここで上記垂直軸は、移動経路305に対して略平行に、又は移動経路305に対して非平行に、延在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325は、例えば互い違いにする(例えばいくつかの冷却管325を、他の冷却管325に比べて、移動経路305に近接させて位置決めする)ことによって、非垂直軸に沿って配設できる。いくつかの実施形態では、冷却管325が互いに接触し得ないように、1つ以上の冷却管325を、垂直方向に沿って、隣接する冷却管325から離間させることができる。いくつかの実施形態では、上記垂直方向に沿った、隣接する冷却管325を隔てる距離は、一定であってよい。例えば、隣接する冷却管325を隔てる(例えばある冷却管から、最も近い冷却管までの)距離は、上記垂直方向に沿った、別の隣接する冷却管325のペアを隔てる別の距離と同一であってよい。いくつかの実施形態では、上記垂直方向に沿った、隣接する冷却管325を隔てる距離は、一定でなくてよい。例えば隣接する冷却管325を隔てる(例えばある冷却管から、最も近い冷却管までの)距離は、別の隣接する冷却管325のペアを隔てる別の距離と異なっていてよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325は、移動経路305に沿って移動するリボン103に対して幅方向に延在するように位置決めできる。例えば1つ以上の冷却管325は、移動方向319と直交しかつ移動経路305に対して平行であってよい、管軸326(例えば
図3の紙面に向かって及び紙面から出るように延在する管軸326)に沿って延在できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325は、上側ハウジング壁321に取り付けることによって、上側ハウジング部分313内に取り付けることができ、これにより、1つ以上の冷却管325を移動経路305に対して固定できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管325を、弁、ガスケット、及び流体供給源のうちの1つ以上と連結してよく、これにより、冷却流体を冷却管325に送達でき、また冷却管325から排出できる。
【0049】
いくつかの実施形態では、自由経路は、1つ以上の冷却管325と移動経路305との間に、自由経路方向に延在してよい。例えば1つ以上の冷却管325は、1つの冷却管327を含むことができる。第1の自由経路329は、冷却管327と移動経路305との間に、移動経路305と直交してよい第1の自由経路方向331に延在してよい。いくつかの実施形態では、自由経路は遮断されず、冷却管325、345と移動経路305との間に介在する構造物が存在しないものとすることができる。例えば自由経路は、第1の自由経路329及び第2の自由経路349を含んでよい。第1の自由経路329は遮断されず、また冷却管327と移動経路305との間にいずれの介在構造物が存在しない。これにより、冷却管327及びリボン103はこれらの間に、占有されていない空間を画定できる。第1の自由経路329は、冷却管327と移動経路305との間に延在するものに限定されないことが理解されるだろう。これとは異なり、いくつかの実施形態では、自由経路は、他の冷却管325と移動経路305との間に、移動経路305と直交しかつ第1の自由経路329に対して平行な自由経路方向に延在してよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、ガラス冷却装置301は、上側ハウジング部分313と下側ハウジング部分315とを隔てる1つ以上の仕切り部材335を備えてよい。例えば、仕切り部材335は、上側ハウジング壁321から移動経路305に向かって延在できる。仕切り部材335は互いから離間して、移動経路305が延在する空隙を画定できる。仕切り部材335は、基部145付近の溶融ガラスの、ガラス冷却装置301の比較的低温の領域、例えば下側ハウジング部分315内の領域への直接の「視野(view)」を、増大又は減少させることができる。例えばいくつかの実施形態では、仕切り部材335は、上側ハウジング部分313又は下側ハウジング部分315内へと延在するフラッパーで構成でき、ヒンジで係留された端部の周りで回転することによって、基部145と下側ハウジング部分315内の構造との間の視野を増大又は減少させることができるものであってよい。即ち、基部145と下側ハウジング部分315の構造要素との間の視線を変化させることができる。
図3は上側ハウジング部分313内に位置決めされた仕切り部材335を図示しているが、仕切り部材335は他の位置、例えば下側ハウジング部分315内、又は上側ハウジング部分313と下側ハウジング部分315との間に位置決めされていてもよい。
【0051】
下側ハウジング部分315は、上側ハウジング部分313のすぐ下に位置決めできる。これにより、下側ハウジング部分315を、移動経路305に沿ったリボン103の移動方向319に関して、上側ハウジング部分313の下流に位置決めできる。下側ハウジング部分315は、それを通ってリボン103が移動できる中空の下側ハウジングチャンバ341を画定できる。例えば、ガラス成形装置101の移動経路305は、上側ハウジング部分313の下方に位置決めされた下側ハウジング部分315内(例えば下側ハウジングチャンバ341内)に延在できる。リボン103は、移動経路305に沿って移動方向319に、下側ハウジング部分315を通って移動できる。いくつかの実施形態では、リボン103は移動経路305に沿って移動方向に移動し、まず上側ハウジング部分313を通過し、その後下側ハウジング部分315を通過する。
【0052】
下側ハウジング部分315は、1つ以上の下側ハウジング壁343を備えることができる。いくつかの実施形態では、下側ハウジング壁343は、移動経路305の対向する側部に位置決めでき、下側ハウジング壁343のうちの1つは、(例えばリボン103が移動経路305に沿って移動する際に)リボン103の第1の大面215に面して位置決めされ、別の下側ハウジング壁343は、リボン103の第2の大面216に面して位置決めされる。下側ハウジング壁343を互いから離間させて、これらの間に下側ハウジングチャンバ341を画定できる。いくつかの実施形態では、下側ハウジング壁343は、下側ハウジング壁343を通した熱伝達を低減するための耐火性絶縁材料を含むことができる。下側ハウジング壁343の耐火性絶縁材料は例えば、約500℃以上、約700℃以上、又は約800℃以上の環境に曝露される構造に下側ハウジング壁343を適用できるようにする化学的及び物理的特性を備えた、非金属材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、下側ハウジング壁343の耐火性絶縁材料は、上側ハウジング壁321の耐火性絶縁材料と同一であってよい。
【0053】
下側ハウジング部分315は、1つ以上の下側冷却管345を備えることができる。1つ以上の下側冷却管345は、移動経路305と下側ハウジング壁343との間の下側ハウジングチャンバ341内に位置決めできる。いくつかの実施形態では、下側ハウジング部分315は、移動経路305の片側に位置決めされた1つ以上の下側冷却管345と、移動経路305の反対側に位置決めされた1つ以上の下側冷却管345とを備えることができる。例えば、1つ以上の下側冷却管345を、(リボン103が移動経路305に沿って移動する際に)リボン103の第1の大面215に面して位置決めでき、また1つ以上の下側冷却管345を、リボン103の第2の大面216に面して位置決めできる。第1の大面215に面する1つ以上の下側冷却管345を、第2の大面216に面する1つ以上の下側冷却管345から離間させて、これらの間に空隙を画定でき、移動経路305はこの空隙を通って、第1の大面215に面する1つ以上の下側冷却管345と、第2の大面216に面する1つ以上の下側冷却管345との間に延在する。このようにして、リボン103は、移動経路305に沿って移動する際に、1つ以上の下側冷却管345の間を移動できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の下側冷却管345は、移動経路305の片側に位置決めされた4つの下側冷却管と、移動経路305の反対側に位置決めされた4つの下側冷却管とを含むことができる。しかしながら、このような構成は限定を意図したものではなく、いくつかの実施形態では、1つ以上の下側冷却管345を移動経路305の片側に位置決めしながら、1つ以上の下側冷却管345を移動経路305の反対側に位置決めできる。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ以上の下側冷却管345は、移動経路305に沿って移動するリボン103に対して幅方向に延在するように位置決めできる。例えば1つ以上の下側冷却管345は、移動方向319と直交しかつ移動経路305に対して平行であってよい、下側管軸348(例えば
図3の紙面に向かって及び紙面から出るように延在する下側管軸348)に沿って延在できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の冷却管345は、下側ハウジング壁343に取り付けることによって、下側ハウジング部分315内に取り付けることができ、これにより、1つ以上の下側冷却管345を移動経路305に対して固定できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の下側冷却管345を、弁、ガスケット、及び流体供給源のうちの1つ以上と連結してよく、これにより、冷却流体を下側冷却管345に送達でき、また下側冷却管345から排出できる。
【0055】
いくつかの実施形態では、自由経路は、1つ以上の下側冷却管345と移動経路305との間に、自由経路方向に延在してよい。例えば1つ以上の下側冷却管345は、1つの下側冷却管347を含むことができる。第2の自由経路349は、下側冷却管347と移動経路との間に、移動経路305と直交してよい第2の自由経路方向351に延在してよい。いくつかの実施形態では、第2の自由経路349は遮断されず、また下側冷却管347と移動経路305との間にいずれの介在構造物が存在しない。これにより、下側冷却管347及びリボン103はこれらの間に、占有されていない空間を画定できる。いくつかの実施形態では、第1の自由経路方向331は、第2の自由経路方向351に対して略平行であってよい。自由経路は、下側冷却管347と移動経路305との間に延在するものに限定されないことが理解されるだろう。これとは異なり、いくつかの実施形態では、自由経路は、他の下側冷却管345と移動経路305との間に、移動経路305と直交しかつ第2の自由経路349に対して平行な自由経路方向に延在してよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、リボン103に、移動経路305に沿って移動方向319に、1つ以上の冷却管325のうちの冷却管327のそばを通して移動させるステップを含むことができる。例えば移動経路305は、リボン103の移動方向319を下向き方向とすることができるように、略垂直に配向できる。リボン103は、移動経路305に沿って、上側ハウジング部分313及び下側ハウジング部分315を通って移動できる。いくつかの実施形態では、移動経路305は平面状であり、上側ハウジング部分313及び下側ハウジング部分315を通って延在する。いくつかの実施形態では、リボン103が上側ハウジング部分313を通って移動する際、リボン103は、冷却管327及び1つ以上の冷却管325のそばを通って移動できる。リボン103が下側ハウジング部分315を通って移動する際、リボン103は下側冷却管347及び1つ以上の下側冷却管345のそばを通って移動できる。いくつかの実施形態では、リボン103を移動させる上記ステップは、リボン103が冷却管327のそばを通って移動する際に、リボン103を冷却するステップを含むことができる。例えば、リボン103が冷却管327のそばを通過する際に、冷却管327をリボン103の温度に比べて低温に維持できる。従って冷却管327は、移動経路305及びリボン103を取り囲む空気の温度を低下させることができる。従って冷却管327は、リボン103が冷却管327のそばを通って移動する際に、リボン103を冷却できる。
【0057】
図4~5を参照すると、
図4は、
図3の線4‐4に沿った冷却管327の断面図を示し、
図5は、
図4の線5‐5に沿った冷却管327の断面図を示す。1つ以上の冷却管325及び/又は1つ以上の下側冷却管345のうちの冷却管327のいくつかの実施形態が図示されている。冷却管327は、リボン103の移動経路305に沿って位置決めでき、リボン103が移動方向319に、冷却管327のそばを通って移動する際に、リボン103の温度を低下させることができる。いくつかの実施形態では、冷却管327は、冷却用流体を冷却管327に供給する、及び/又は冷却用流体を冷却管327から除去するように設計できる器具を通して以外には冷却用流体が冷却管327から排出されない場合に、放射型冷却管を含むことができる。例えば、冷却管327は、冷却用流体を冷却管327から上側ハウジングチャンバ317へと排出するための外側面内のオリフィスを備えない場合がある。代わりに冷却用流体は冷却管327内に、冷却管327から上側ハウジングチャンバ317及び/又は下側ハウジングチャンバ341内へと逃げるのを防止できるように格納されていてよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、冷却管327は第1の管401及び第2の管403を含むことができ、第1の管401及び/又は第2の管403は管軸326に沿って延在する。例えば、第1の管401は、近位端405と遠位端407との間に、管軸326に沿って長手方向に延在できる。管軸326は、第1の管401及び/又は第2の管403の中央管軸を含むことができる。第1の管401は、閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411を備えることができる。冷却用流体が閉鎖された第1の側壁409又は閉鎖された第1の端部411を通過することによって第1の管401を出るのを防止できるよう、閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411は、開口、オリフィス、孔、通気孔等を備えなくてよい。閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411は、中空の第1の管内部413を画定できる。いくつかの実施形態では、第1の管401は、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金、モリブデン合金、タングステン合金、及びコバルト合金のうちの1つ以上といった、熱伝導性材料で構成できる。
【0059】
第1の管401に閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411を設けることによって、いくつかの利点を達成できる。例えば、冷却管327を通って流れる冷却用流体を冷却管327内に格納し、閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411を通過することによって第1の管401から出るのを防止できる。いくつかの実施形態では、冷却用流体が冷却管327を出て上側ハウジングチャンバ317内を流れると、上側ハウジングチャンバ317内に空気流が生成される可能性がある。これらの空気流は、上側ハウジングチャンバ317内に温度変動を発生させる可能性があり、上側ハウジングチャンバ317内の複数の異なる領域が、比較的大きな温度差を有することになる。これらの温度差の結果として、厚さ及び粘度の変動がリボン103内で発生し得る。従って、第1の管401が(例えば閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411を備えることによって)閉鎖されている場合、これらの温度の変動、従ってリボン103の厚さ及び粘度の変動を低減できる。
【0060】
第2の管403は第1の管401内に位置決めできる。例えば第2の管403は、第1の管401の第1の管内部413内に受承でき、第2の管403は第1の管401と同軸である。いくつかの実施形態では、第2の管403は、近位端415と遠位端417との間に、管軸326に沿って長手方向に延在できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の器具を第1の管401の近位端405及び/又は第2の管403の近位端415に連結できる。上記1つ以上の器具は、第2の管403の近位端415を通して冷却用流体を送達する、及び第1の管401の近位端405から冷却用流体を受け入れるよう、構成されていてよい。これにより、第1の管401の近位端405及び第2の管403の近位端415は開口を画定でき、その一方で第1の管401の遠位端407及び第2の管403の遠位端417を閉鎖できる。
【0061】
第2の管403は、閉鎖された第2の端部421と、オリフィスを画定する第2の側壁419とを備えることができる。冷却用流体が閉鎖された第2の端部421を通過することによって第2の管403を出るのを防止できるよう、閉鎖された第2の端部421は、開口、オリフィス、孔、通気孔等を備えなくてよい。第2の側壁419及び閉鎖された第2の端部421は、中空の第2の管内部422を画定できる。いくつかの実施形態では、第2の管403は、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金、モリブデン合金、タングステン合金、及びコバルト合金のうちの1つ以上といった、熱伝導性材料で構成できる。他の実施形態では、第2の管403は、非金属材料(例えばセラミック等)といった非熱伝導性材料で構成できる。いくつかの実施形態では、第2の側壁419は、閉鎖された第1の側壁409と同心であってよい。例えば、第1の管401の閉鎖された第1の側壁409及び第2の管403の第2の側壁419のうちの1つ以上は、円筒形状(例えば管軸326と直交する平面において円形の断面形状)を備えることができ、第2の側壁419は、第2の管403の長さに沿って、閉鎖された第1の側壁409から一定の距離で離間している。第1の管401の閉鎖された第1の側壁409、及び第2の管403の第2の側壁419は、円筒形状(例えば管軸326と直交する平面において円形の断面形状)を備えるものに限定されず、いくつかの実施形態では、第1の管401の閉鎖された第1の側壁409及び第2の管403の第2の側壁419のうちの1つ以上は、楕円形の断面形状、四辺形の断面形状(例えば正方形、長方形等)、三角形の断面形状、又は他の形状を備えてよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、第2の側壁419は1つ以上のオリフィス423を画定できる。例えば1つ以上のオリフィス423は、第2の管403の第2の側壁419を通って延在でき、また第2の管403の長さに沿って配設できる。
図4では複数のオリフィスが図示されているが、第2の側壁419はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、第2の側壁419は1つのオリフィス(例えば425)を備えてよく、又はオリフィスは複数のオリフィス423で構成されていてよい。1つ以上のオリフィス423は流体経路を画定でき、冷却用流体はこれを通って第2の管403を出ることができる。例えば冷却用流体は、1つ以上のオリフィス423を通過することによって、第2の管403の第2の管内部422を出ることができる。いくつかの実施形態では、オリフィス425は、第2の管403の長さの約50%以下、又は第2の管403の長さの40%以下、又は第2の管403の長さの30%以下、又は第2の管403の長さの20%以下、又は第2の管403の長さの10%以下に沿って延在してよい。いくつかの実施形態では、オリフィス425は、第2の管403のエリアの約50%以下、又は第2の管403のエリアの約40%以下、又は第2の管403のエリアの約30%以下、又は第2の管403のエリアの約20%以下、又は第2の管403のエリアの約10%以下のエリアを含んでよい。1つ以上のオリフィス423は、複数の形状、例えば円形の断面形状、四辺形の断面形状(例えば正方形、長方形等)、丸みを帯びた非円形の断面形状等を備えてよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のオリフィス423は、直線的に整列されて(例えば管軸326と平行に)配設できるが、他の実施形態では他の配設パターンも考えられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のオリフィス423のうちのオリフィス425は、閉鎖された第1の側壁409と交差する(例えば第2の側壁419の内面と外面との間の)軸429に沿って延在でき、軸429は管軸326と直交して延在する。いくつかの実施形態では、軸429は移動経路305に対して平行に延在する。
【0063】
いくつかの実施形態では、冷却管327は、閉鎖された第1の側壁409と第2の側壁419との間にチャネル431を備えることができる。例えば第2の管403は、第1の管401の第1の断面サイズより小さくてよい第2の断面サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の管401及び第2の管403が円形の断面形状を有する場合、第2の管403は、第1の管401の第1の直径より小さくてよい第2の直径を有することができる。第2の側壁419は、閉鎖された第1の側壁409からある距離だけ離間して、これらの間にチャネル431を画定できる。これにより、チャネル431は、1つ以上のオリフィス423及び第2の管内部422と流体連通していてよい。いくつかの実施形態では、冷却管327は、冷却用流体433を第2の管403内に受け入れ、冷却用流体433を、1つ以上のオリフィス423を通してチャネル431へと移動させるように、位置決めできる。例えば、第2の管403はまず、冷却用流体433を第2の管内部422に受け入れることができる。冷却用流体は第2の管内部422からオリフィス423へと移動できる。いくつかの実施形態では、冷却用流体433がオリフィス423を通過する際、冷却用流体433は、閉鎖された第1の側壁409と直交してよい軸429に対して略平行に移動できる。従って、冷却用流体433がオリフィス423を通過した後、冷却用流体433は、閉鎖された第1の側壁409の内面に衝突してよい。閉鎖された第1の側壁409の内面上での冷却用流体433のこのような衝突を原因の一部として、冷却用流体433は閉鎖された第1の側壁409を冷却できる。いくつかの実施形態では、オリフィス425及び1つ以上のオリフィス423の断面サイズは比較的小さくてよく、これにより、オリフィス425及び1つ以上のオリフィス423を通って移動する冷却用流体433の速度を速くすることで、冷却用流体433が軸429に沿って、閉鎖された第1の側壁409に衝突することを保証できる。これと比較して、オリフィス425及び1つ以上のオリフィス423が比較的大きな断面サイズを有する場合、オリフィス425及び1つ以上のオリフィス423を通って移動する冷却用流体433の速度は比較的遅くなり得、従って、冷却用流体433が軸429に沿って、閉鎖された第1の側壁409に衝突する可能性が低くなり得る。いくつかの実施形態では、冷却管327は、第2の管内部422及びチャネル431のうちの一方の中に冷却用流体433を受け入れ、冷却用流体433を、1つ以上のオリフィス423のうちのオリフィス425に通すことができる。例えば冷却管327は、第2の管内部422に冷却用流体433を受け入れ、冷却用流体433を、オリフィス425を通してチャネル431へと移動させることができ、又は冷却管327は、チャネル431内に冷却用流体433を受け入れ、冷却用流体433を、オリフィス425を通して第2の管内部422へと移動させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、より多くのオリフィス423を、管軸326に対して平行な軸に沿って配設できる。例えば、オリフィス423の第1のセットは、管軸326に対して平行な軸に沿って、第2の管403の上部に配設できる。オリフィス423の第2のセットは、管軸326に対して平行な別の軸に沿って、第2の管403の底部に配設できる。第2の管403はこのような構成に限定されない。いくつかの実施形態では、オリフィス423は、近位端415と遠位端417との間で、第2の管403に沿って互い違いにすることができ、従って、1つの軸が第2の管403の上部の全てのオリフィス423と交差できず、又は別の1つの軸が第2の管403の底部の全てのオリフィス423と交差できない。更に、又はあるいは、いくつかの実施形態では、管軸326と直交する軸(例えば軸429)が、オリフィス423のうちの1つと交差するものの、2つのオリフィス423とは交差しないようにすることができる。例えば
図4に示されているように、第2の管403の対向する側部にあるオリフィス423は、管軸326と直交する軸(例えば軸429)が、2つのオリフィス、即ち第2の管403の上部の1つのオリフィス423及び第2の管403の底部の1つのオリフィス423と交差するように、互いに対して配設される。しかしながら、オリフィスのこのような整列は限定を意図したものではなく、いくつかの実施形態では、第2の管403の一方の側部の(例えば上部側の)オリフィス423を、第2の管403の反対側の(例えば底部側の)オリフィス423に対して、互い違いにすることができる。これらの実施形態では、管軸326と直交する軸(例えば軸429)は、(例えば上部側の)1つのオリフィスと交差できるが、反対側の(例えば底部側の)オリフィスとは交差できない。更に、又はあるいは、いくつかの実施形態では、オリフィス423は(例えば図示されているように)同一のサイズを有するものに限定されず、オリフィス423のうちのいくつかがあるサイズを有する一方で、他のオリフィスが他のサイズを有する等とすることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、冷却用流体433を第2の管403内に受け入れるステップを含むことができる。例えば第2の管403を冷却用流体源に連結でき、上記冷却用流体源は、冷却用流体433を第2の管403へと、第2の方向439に送達する。第2の管403は第2の管内部422を備えることができ、冷却用流体433は、第2の管403の近位端415を通って第2の管内部422内へと送達される。いくつかの実施形態では、冷却用流体433は、ガス、例えば空気、ヘリウム等を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、1つ以上のオリフィス423及びチャネル431を通るように冷却用流体433を配向して、閉鎖された第1の側壁409を冷却するステップを含むことができる。例えば、冷却用流体433が第2の管内部422内に受け入れられている状態において、冷却用流体433は1つ以上のオリフィス423を通過できる。1つ以上のオリフィス423を通過することにより、冷却用流体433は第2の管内部422から、閉鎖された第1の側壁409と第2の側壁419との間であってよいチャネル431へと流れることができる。冷却用流体433がオリフィス423を通過する際、冷却用流体433は軸429に沿って移動でき、そうすると、冷却用流体433は閉鎖された第1の側壁409の内面に衝突できる。いくつかの実施形態では、1つ以上のオリフィス423を通るように冷却用流体433を配向する上記ステップは、冷却管327の外面437の温度を約400℃~約600℃に維持するステップを含むことができる。例えば、冷却用流体源によって送達できる冷却用流体433は、初めは室温とすることができる。冷却用流体433が閉鎖された第1の側壁409の内面に衝突し、閉鎖された第1の側壁409に沿って、チャネル431を通って流れる際、冷却用流体433は冷却管327の外面437を冷却できる。ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、冷却用流体433が冷却管327の外面437を通過するのを防止するステップを含むことができる。例えば、閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411が開口、オリフィス、孔、通気孔等を有しないことにより、冷却用流体433が冷却管327の外面437を通過するのを防止できる。
【0067】
リボン103に対する冷却管327の温度効果(単位:℃)を以下の表1に示す。列1は、上側ハウジング部分313に入る(例えば上側ハウジング部分313の上部における)リボン103の温度を示し、列2は、上側ハウジング部分313を出る(例えば上側ハウジング部分313の底部における)リボン103の温度を示す。列3は、上側ハウジング部分313に入るリボン103及び上側ハウジング部分313を出るリボンの温度の平均によって決定される、上側ハウジング部分313内のリボン103の平均温度を示す。上記平均温度は、リボン103が冷却管327のそばを通る位置における、リボン103の温度の指標である(例えば第1の自由経路329は、リボン103が冷却管327のそばを通る上記位置と交差する)。列4は、冷却管327の外面437の温度を示す。列5は、列3と列4との間の差、即ちリボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の温度と、冷却管327の外面437の温度との温度差を示す。列5は、リボン103の望ましくない変動が生じたかどうかを示す。行1は、冷却管327の外面437の温度が200℃である場合の効果を示す。行2は、冷却管327の外面437の温度が300℃である場合の効果を示す。行3は、冷却管327の外面437の温度が400℃である場合の効果を示す。行4は、冷却管327の外面437の温度が500℃である場合の効果を示す。行5は、冷却管327の外面437の温度が600℃である場合の効果を示す。
【0068】
【0069】
表1に示されているように、冷却管327の外面437が比較的低温(例えば200℃又は300℃)に維持されている場合、リボン103の変動が存在し得る。いくつかの実施形態では、これらの変動は、リボン103の厚さ及び/又は粘度のばらつきを含む。例えば冷却管327の外面437が200℃に維持されている場合、冷却管327の外面437の温度と、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の平均温度との間の温度差は、745℃であり、リボン103の変動が存在する。冷却管327の外面437が300℃に維持されている場合、冷却管327の外面437の温度と、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の平均温度との間の温度差は、649℃であり、リボン103の変動が存在する。表1は更に、冷却管327の外面437が比較的高温(例えば400℃、500℃、又は600℃)に維持されている場合、リボン103の変動が存在しない場合があることを示している。例えば、冷却管327の外面437が400℃に維持されている場合、冷却管327の外面437の温度と、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の平均温度との間の温度差は、553℃であり、リボン103の変動は時々存在する。冷却管327の外面437が500℃に維持されている場合、冷却管327の外面437の温度と、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の平均温度との間の温度差は、459℃であり、リボン103の変動は存在しない。冷却管327の外面437が600℃に維持されている場合、冷却管327の外面437の温度と、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の平均温度との間の温度差は、367℃であり、リボン103の変動は存在しない。従っていくつかの実施形態では、冷却管327の外面437の温度と、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の平均温度との間の温度差が減少するに従って、リボン103は、上側ハウジング部分313内で依然として冷却されている間に変動を発生させにくくなる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103と、冷却管327の外面437との間の温度差が、約649℃未満となるように、冷却管327を通して冷却用流体433を流すステップを含むことができる。例えば
図3に示されているように、第1の自由経路329は、リボン103が冷却管327のそばを通る位置において、移動経路305と交差できる。いくつかの実施形態では、冷却管327の外面437は、冷却用流体433が第2の管403、1つ以上のオリフィス423、及び第1の管401のチャネル431を通って流れる結果として、約400℃~約600℃の温度に維持できる。例えば、冷却管327を通して冷却用流体433を流す上記ステップは、冷却管327内にガスを受け入れるステップを含むことができる。その結果、冷却管327の温度を、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103の温度よりも低くすることができ、温度差は約649℃未満となる。いくつかの実施形態では、冷却管327を通して冷却用流体433を流す上記ステップは、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103と、冷却管327の外面437との間の温度差が、約553℃未満となるようなものである。いくつかの実施形態では、冷却管327を通して冷却用流体433を流す上記ステップは、リボン103が冷却管327のそばを通る位置におけるリボン103と、冷却管327の外面437との間の温度差が、約459℃未満となるようなものである。
【0071】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、冷却用流体433が第2の管403内を流れる第2の方向439の反対方向である第1の方向435に沿って、冷却用流体433をチャネル431から除去するステップを含むことができる。例えば、チャネル431を通るように冷却用流体433を配向するステップは、それに沿って第2の管403が延在する管軸326に対してほぼ平行であってよい除去経路441に沿って、冷却用流体433を配向するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、除去された冷却用流体433を回収して、例えばろ過及び/又は冷却した後、第2の管403を通して再循環させることができる。いくつかの実施形態では、冷却用流体433は、第2の管内部422内を流れた後に、第1の管内部413に向かってオリフィス423を通過するものに限定されない。これとは異なり、いくつかの実施形態では、冷却用流体433は上述の方向とは反対の方向に流れることができる。例えば冷却用流体433は、まず第2の方向439に第1の管内部413内に向かって流れることによって冷却管327に入ることができる。次に冷却用流体433は、1つ以上のオリフィス423を通って、中空の第1の管内部413から、中空の第2の管内部422へと流れることができる。続いて冷却用流体433は、中空の第2の管内部422から除去される間、第1の方向435に沿って流れることができる。
【0072】
図6を参照すると、
図3の線4‐4に沿った、1つ以上の冷却管325のうちのある冷却管601の更なる実施形態の断面図が示されている。冷却管601は、冷却管327と構造及び機能が同様のものであってよい。例えば冷却管601は第1の管401及び第2の管403を含んでよく、第2の管403はオリフィス425を備える。いくつかの実施形態では、オリフィス425は、近位端415と遠位端417との間の第2の管403の長さの約50%以上に沿って延在してよい。例えば、オリフィス425は、第2の管403の長さの一部分、例えば上記長さの50%以上、上記長さの60%以上、上記長さの70%以上、上記長さの80%以上、又は上記長さの90%以上に沿って延在する、単一の高アスペクト比のスロットを含んでよい。いくつかの実施形態では、オリフィス425の幅は比較的小さくてよく(例えばオリフィス425の長さは、第2の管403の長さの50%以上であってよいが、幅は比較的小さい、及び/又は薄い)、これにより、オリフィス425を通って移動する冷却用流体433の速度を速くすることができる。これと比較して、オリフィス425が比較的大きな幅を有する場合、オリフィス425を通る冷却用流体433の速度は比較的遅くなり得る。
【0073】
図7は、時間とリボン103の温度変動との間の関係を示す。X軸(例えば水平軸)は時間(例えば秒)を表し、Y軸(例えば垂直軸)は温度変動(例えば℃)を表す。第1の線701は、上側ハウジング部分313内の冷却管(例えば325、327)が約200℃に維持されている場合の、リボン103の幅にわたるリボン103の温度変動を表す。第2の線703は、上側ハウジング部分313内の冷却管(例えば325、327)が約500℃に維持されている場合の、リボン103の幅にわたるリボン103の温度変動を表す。これらの実施形態では、冷却管(例えば325、327)が、第1の線701が表すような比較的低い温度に維持される場合に、リボン103はより高い程度の温度変動を示す。即ち冷却管(例えば325、327)が約200℃に維持されている場合、リボン103は、経時的に比較的高い程度の温度変動を示すことになる。これと比較して、冷却管(例えば325、327)が、第2の線703が表すような比較的高い温度に維持される場合に、リボン103はより低い程度の温度変動を示す。即ち冷却管(例えば325、327)が約500℃に維持されている場合、リボン103は、経時的に比較的低い程度の温度変動を示すことになる。
【0074】
いくつかの実施形態では、ガラス冷却装置301は、1つ以上の冷却管325を用いた、改善されたリボン103の冷却を提供できる。例えば、1つ以上の冷却管325を約400℃~約600℃の温度に維持することによって、及び1つ以上の冷却管325とリボン103との間に自由経路を設けることによって、特定の悪影響を低減できる。例えばこれらの影響としては、上側ハウジングチャンバ317内の温度変動、リボン103の周りの空気流、対流ロール等が挙げられる。これらの影響を低減した結果として、厚さ及び粘度の変動がリボン103内で発生する可能性も同様に低減できる。更に、又はあるいは、1つ以上の冷却管325の構造も同様に、上側ハウジングチャンバ317内の温度の維持に関する改善をもたらすことができる。例えば、1つ以上の冷却管325は閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411を備えることができ、これにより、冷却用流体433が1つ以上の冷却管325から逃げて上側ハウジングチャンバ317内へと流れるのを制限できる。このようにして、冷却用流体433を1つ以上の冷却管325内に格納することにより、上側ハウジングチャンバ317内の空気流を更に削減できる。1つ以上の冷却管325内で使用される冷却用流体433のタイプもまた、多数の点で有益となり得る。例えば冷却用流体433はガスを含んでよく、これは、比較的高温に曝露された場合に水のように蒸気を発生させない。同様に、冷却用流体433がガスを含むことにより、液体又は水を冷却用流体433として使用した場合に悪化する可能性がある、第1の管401(例えば閉鎖された第1の側壁409及び閉鎖された第1の端部411)並びに第2の管403(例えば第2の側壁419及び閉鎖された第2の端部421)の摩耗及び引き裂きを低減できる。例えば、液体又は水を冷却用流体433として使用すると、ガスを冷却用流体433として使用する場合に比べて、第1の管401及び/又は第2の管403の更なる腐食が引き起こされる場合がある。
【0075】
従って、以下の非限定的な実施形態は本開示の例示である。
【0076】
実施形態1.ガラス成形装置は冷却管を備えることができ、上記冷却管は:閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の冷却管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を含み、上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めされ、上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを備え、上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通すように、構成される。
【0077】
実施形態2.上記第1の管及び上記第2の管のうちの1つ以上は、円筒形状を有する、実施形態1に記載のガラス成形装置。
【0078】
実施形態3.上記第2の管は上記第1の管と同軸である、実施形態1又は2に記載のガラス成形装置。
【0079】
実施形態4.上記オリフィスは、複数のオリフィスを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0080】
実施形態5.上記オリフィスは、上記第2の管の長さの約50%以上に沿って延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0081】
実施形態6.上記オリフィスは、上記第2の管の長さの約50%以下に沿って延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0082】
実施形態7.上記冷却用流体はガスを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0083】
実施形態8.ガラス成形装置は上側ハウジング部分を備えることができ、上記ガラス成形装置によって画定される移動経路が上記上側ハウジング部分内に延在し、上記上側ハウジング部分は冷却管を備え、第1の自由経路は、上記冷却管と上記移動経路との間に、上記移動経路と直交する第1の自由経路方向に延在する。
【0084】
実施形態9.上記冷却管は:閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を備え、上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めされ、上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを備え、上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通すように、構成される、実施形態8に記載のガラス成形装置。
【0085】
実施形態10.上記移動経路は、上記上側ハウジング部分の下方に位置決めされた下側ハウジング部分内に延在し、上記下側ハウジング部分は更に、下側冷却管と、上記下側冷却管と上記移動経路との間に第2の自由経路方向に延在する第2の自由経路とを備える、実施形態8又は9に記載のガラス成形装置。
【0086】
実施形態11.上記第1の自由経路方向は、上記第2の自由経路方向に対して略平行である、実施形態10に記載のガラス成形装置。
【0087】
実施形態12.リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の外面との間の温度差は、約649℃未満である、実施形態9~11のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0088】
実施形態13.実施形態1に記載のガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法は、上記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、上記冷却管のそばを通して移動させるステップを含むことができる。方法は、上記冷却用流体を上記第2の管内に受け入れるステップを含むことができる。方法は、上記オリフィス及び上記チャネルを通るように上記冷却用流体を配向して、上記閉鎖された第1の側壁を冷却するステップを含むことができる。
【0089】
実施形態14.上記オリフィスを通るように上記冷却用流体を配向する上記ステップは、上記冷却管の外面の温度を約400℃~約600℃に維持するステップを含む、実施形態13に記載の方法。
【0090】
実施形態15.上記冷却用流体を上記チャネルから第1の方向に沿って除去するステップを更に含み、上記第1の方向は、上記冷却用流体が上記第2の管内を流れることができる第2の方向とは反対方向である、実施形態13又は14に記載の方法。
【0091】
実施形態16.上記冷却用流体を除去する上記ステップは、上記冷却用流体を、管軸に対して略平行な除去経路に沿って配向するステップを更に含み、ここで上記管軸に沿って上記第2の管が延在する、実施形態15に記載の方法。
【0092】
実施形態17.ガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法は、上記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、冷却管のそばを通して移動させるステップを含むことができる。方法は、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の外面との間の温度差が、約649℃未満となるように、上記冷却管を通して冷却用流体を流すステップを含むことができる。
【0093】
実施形態18.上記冷却用流体が上記冷却管の上記外面を通過するのを防止するステップを更に含む、実施形態17に記載の方法。
【0094】
実施形態19.上記冷却管を通して上記冷却用流体を流す上記ステップは、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の上記外面との間の温度差が、約553℃未満となるように実施される、実施形態17又は18に記載の方法。
【0095】
実施形態20.上記冷却管を通して上記冷却用流体を流す上記ステップは、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の上記外面との間の温度差が、約459℃未満となるように実施される、実施形態17~19のいずれか1項に記載の方法。
【0096】
本明細書で使用される場合、用語「上記(the)」、「ある(a又はan)」は、「1つ以上(one or more)」を意味しており、文脈によってそうでないことが明示されていない限り、「唯一の(only one)」に限定されないものとする。よって例えば「ある構成部品(a component)」に関する言及は、文脈によってそうでないことが明示されていない限り、2つ以上のこのような構成部品を有する実施形態を含む。
【0097】
本明細書中で使用される場合、用語「約(about)」は、量、サイズ、処方、パラメータ、並びに他の量及び特徴が、正確ではなくかつ正確である必要がないものの、必要に応じて許容誤差、換算係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に公知のその他の因子を反映した、おおよそのもの、及び/又は大きい若しくは小さいものであってよいことを意味している。一般に、量、サイズ、処方、パラメータ、又は他の量若しくは特徴は、そのように明記されているかいないかにかかわらず、「約」又は「おおよそ(approximate)」のものである。用語「約」がある値又はある範囲のある端点を記述する際に使用される場合、本開示は、言及された具体的な値又は端点を含むことを理解されたい。本明細書中の数値又は範囲の端点が「約」として記載されているかどうかにかかわらず、上記数値又は範囲の端点は、2つの実施形態、即ち:「約」で修飾された実施形態、及び「約」で修飾されていない実施形態を含むことを目的としている。更に、各範囲の端点は、他の端点との関連においても、他の端点とは独立したものとしても、重要であることが理解されるだろう。
【0098】
本明細書中で使用される場合、用語「実質的な(substantial)」、「実質的に(substantially)」、及びその変化形は、記載されている特徴が、ある値又は記述に等しい又はおおよそ等しいことを述べることを意図したものである。例えば、「実質的に平面状の(substantially planar)」表面は、平面状又はおおよそ平面状の表面を示すことを意図したものである。更に、「実質的に(substantially)」は、2つの値が等しい又はおおよそ等しいことを示すことを意図したものである。いくつかの実施形態では、「実質的に」は、互いの約10%以内、例えば互いの約5%以内、又は互いの約2%以内の値を示してよい。
【0099】
本明細書中で使用される場合、用語「…を備える(comprising)」及び「…を含む(including)」、並びにこれらの変化形は、特段の記載がない限り、同義、かつ非制限的なものとして解釈されるものとする。
【0100】
様々な実施形態を、その特定の例示的かつ具体的な実施形態を参照して詳細に説明したが、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、本開示の特徴の多数の修正及び組み合わせが考えられるため、本開示はこのように限定されるものとみなしてはならないことを理解されたい。
【0101】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0102】
実施形態1
ガラス成形装置であって、
閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の冷却管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を含む、冷却管であって、上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めされ、上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを備え、上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通すように、構成される、冷却管
を備える、ガラス成形装置。
【0103】
実施形態2
上記第1の管及び上記第2の管のうちの1つ以上は、円筒形状を有する、実施形態1に記載のガラス成形装置。
【0104】
実施形態3
上記第2の管は上記第1の管と同軸である、実施形態1又は2に記載のガラス成形装置。
【0105】
実施形態4
上記オリフィスは、複数のオリフィスを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0106】
実施形態5
上記オリフィスは、上記第2の管の長さの約50%以上に沿って延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0107】
実施形態6
上記オリフィスは、上記第2の管の長さの約50%以下に沿って延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0108】
実施形態7
上記冷却用流体はガスを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0109】
実施形態8
ガラス成形装置であって、
上側ハウジング部分であって、上記ガラス成形装置によって画定される移動経路が上記上側ハウジング部分内に延在し、上記上側ハウジング部分は冷却管を備え、第1の自由経路は、上記冷却管と上記移動経路との間に、上記移動経路と直交する第1の自由経路方向に延在する、上側ハウジング部分
を備える、ガラス成形装置。
【0110】
実施形態9
上記冷却管は:閉鎖された第1の側壁と、閉鎖された第1の端部とを備える、第1の管;及び閉鎖された第2の端部と、オリフィスを画定する第2の側壁とを備える、第2の管を備え、上記第2の管は、上記第1の管内に位置決めされ、上記冷却管は、上記閉鎖された第1の側壁と上記第2の側壁との間に、チャネルを備え、上記冷却管は、上記第2の管及び上記チャネルのうちの一方の中に冷却用流体を受け入れ、また上記冷却用流体を上記オリフィスに通すように、構成される、実施形態8に記載のガラス成形装置。
【0111】
実施形態10
上記移動経路は、上記上側ハウジング部分の下方に位置決めされた下側ハウジング部分内に延在し、上記下側ハウジング部分は更に、下側冷却管と、上記下側冷却管と上記移動経路との間に第2の自由経路方向に延在する第2の自由経路とを備える、実施形態8又は9に記載のガラス成形装置。
【0112】
実施形態11
上記第1の自由経路方向は、上記第2の自由経路方向に対して略平行である、実施形態10に記載のガラス成形装置。
【0113】
実施形態12
リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の外面との間の温度差は、約649℃未満である、実施形態9~11のいずれか1つに記載のガラス成形装置。
【0114】
実施形態13
実施形態1に記載のガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法であって:
上記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、上記冷却管のそばを通して移動させるステップ;
上記冷却用流体を上記第2の管内に受け入れるステップ;並びに
上記オリフィス及び上記チャネルを通るように上記冷却用流体を配向して、上記閉鎖された第1の側壁を冷却するステップ
を含む、方法。
【0115】
実施形態14
上記オリフィスを通るように上記冷却用流体を配向する上記ステップは、上記冷却管の外面の温度を約400℃~約600℃に維持するステップを含む、実施形態13に記載の方法。
【0116】
実施形態15
上記冷却用流体を上記チャネルから第1の方向に沿って除去するステップを更に含み、上記第1の方向は、上記冷却用流体が上記第2の管内を流れることができる第2の方向とは反対方向である、実施形態13又は14に記載の方法。
【0117】
実施形態16
上記冷却用流体を除去する上記ステップは、上記冷却用流体を、管軸に対して略平行な除去経路に沿って配向するステップを更に含み、ここで上記管軸に沿って上記第2の管が延在する、実施形態15に記載の方法。
【0118】
実施形態17
ガラス成形装置を用いてリボンを成形する方法であって:
上記リボンを、移動経路に沿って移動方向に、冷却管のそばを通して移動させるステップ;及び
上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の外面との間の温度差が、約649℃未満となるように、上記冷却管を通して冷却用流体を流すステップ
を含む、方法。
【0119】
実施形態18
上記冷却用流体が上記冷却管の上記外面を通過するのを防止するステップを更に含む、実施形態17に記載の方法。
【0120】
実施形態19
上記冷却管を通して上記冷却用流体を流す上記ステップは、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の上記外面との間の温度差が、約553℃未満となるように実施される、実施形態17又は18に記載の方法。
【0121】
実施形態20
上記冷却管を通して上記冷却用流体を流す上記ステップは、上記リボンが上記冷却管のそばを通過する位置における上記リボンと、上記冷却管の上記外面との間の温度差が、約459℃未満となるように実施される、実施形態17~19のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0122】
100 ガラス製造装置
101 ガラス成形装置
102 ガラス溶融・送達装置
103 リボン
104 分割済みガラスリボン
105 溶融用容器
107 バッチ材料
109 貯蔵用蓋付き容器
111 バッチ送達デバイス
113 モータ
115 コントローラ
117 矢印
119 溶融プローブ
121 溶融材料
123 スタンドパイプ
125 通信ライン
127 清澄用容器
129 第1の接続導管
131 混合用チャンバ
133 送達用容器
135 第2の接続導管
137 第3の接続導管
139 送達用パイプ
140 成形用容器
141 流入導管
145 基部
149 ガラス分割器
151 分割経路
152 中央部分
153 第1の外縁部
154 ドロー方向
155 第2の外縁部
156 方向
163、164 縁部方向決定器
201 トラフ
203、204 堰
205 堰203の外面
206 堰206の外面
207、208 下向きに傾斜して集束する表面部分
209 成形用ウェッジ
210、211 成形用ウェッジ209の端部
213 ドロー平面
215 第1の大面
216 第2の大面
301 ガラス冷却装置
303 冷却扉
305 移動経路
307、325、327、601 冷却管
309 サーマルプレート
311 ハウジング
313 上側ハウジング部分
315 下側ハウジング部分
317 上側ハウジングチャンバ
319 移動方向
321 上側ハウジング壁
326 管軸
329 第1の自由経路
331 第1の自由経路方向
335 仕切り部材
341 下側ハウジングチャンバ
343 下側ハウジング壁
345、347 下側冷却管
348 下側管軸
349 第2の自由経路
351 第2の自由経路方向
401 第1の管
403 第2の管
405 第1の管401の近位端
407 第1の管401の遠位端
409 第1の側壁
411 第1の端部
413 第1の管内部
415 第2の管403の近位端
417 第2の管403の遠位端
419 第2の側壁
421 第2の端部
422 第2の管内部
423、425 オリフィス
429 軸
431 チャネル
433 冷却用流体
435 第1の方向
437 冷却管327の外面
439 第2の方向
441 除去経路
【手続補正書】
【提出日】2021-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
いくつかの実施形態では、ガラス成形装置101を用いてリボン103を成形する方法は、冷却用流体433が第2の管403内を流れる第2の方向439の反対方向である第1の方向435に沿って、冷却用流体433をチャネル431から除去するステップを含むことができる。例えば、冷却用流体433をチャネル431から除去するステップは、それに沿って第2の管403が延在する管軸326に対してほぼ平行であってよい除去経路441に沿って、冷却用流体433を配向するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、除去された冷却用流体433を回収して、例えばろ過及び/又は冷却した後、第2の管403を通して再循環させることができる。いくつかの実施形態では、冷却用流体433は、第2の管内部422内を流れた後に、第1の管内部413に向かってオリフィス423を通過するものに限定されない。これとは異なり、いくつかの実施形態では、冷却用流体433は上述の方向とは反対の方向に流れることができる。例えば冷却用流体433は、まず第2の方向439に第1の管内部413内に向かって流れることによって冷却管327に入ることができる。次に冷却用流体433は、1つ以上のオリフィス423を通って、中空の第1の管内部413から、中空の第2の管内部422へと流れることができる。続いて冷却用流体433は、中空の第2の管内部422から除去される間、第1の方向435に沿って流れることができる。
【国際調査報告】