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▶ ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】プログレッシブキャビティポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/107 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
F04C2/107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548547
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 US2019058800
(87)【国際公開番号】W WO2020092521
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/752,623
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】スタンカ、 ニコラス イー.
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、 ベン
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、 ジェス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】アレン、 ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】ステファンズ、 ポール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ペハル、 デイヴィッド エム.
【テーマコード(参考)】
3H041
【Fターム(参考)】
3H041AA00
3H041BB06
3H041CC13
3H041CC15
3H041DD10
(57)【要約】
本開示は、ポンプ、より詳細には、プログレッシブキャビティポンプに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログレッシブキャビティポンプ(10)であって、
縦方向(20)および横方向(22)に延び、肩部(60)を形成するポンプハウジング(50)を備え、
前記ポンプが縦向き位置および横向き位置を有し、前記ポンプが、前記縦向き位置で小型ボトル(12)に取り付けられ、横向き位置で大型ボトル(14)に取り付けられるように構成されている、プログレッシブキャビティポンプ(10)。
【請求項2】
前記ポンプハウジング(50)の前記肩部(60)が、前記ポンプハウジング(50)から下方へ延びてボトル肩面(34)と協働する成形フランジ(136)を形成し、前記縦向き位置で、前記ポンプ(10)の前記縦方向(20)の長さが前記ボトル(12)の幅(26)に略対応するように、前記ポンプ(10)が前記ボトル(12)に嵌まり、前記横向き位置で、前記ポンプ(10)の前記縦方向(20)の長さが前記ボトル(14)の奥行き(28)に対応するように前記ポンプ(10)が前記ボトル(14)に嵌まり、同じサイズの前記ポンプ(10)が、少なくとも2つのサイズのボトルに適合し、前記ボトルと共に使用することができるようになっている、請求項1に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項3】
前記ポンプがロックアセンブリ(120)をさらに備え、ボトル(12、14)にねじを使用する必要なく、前記ポンプ(10)を前記ボトル(12、14)に取り付け、前記ボトル(12、14)から取り外すことができる、請求項1に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項4】
前記ロックアセンブリ(120)がロック位置およびロック解除位置を有し、前記ロック解除位置で、前記ポンプ(10)が前記ボトル(12、14)の首部(36)に嵌まり、前記ロック位置で、ロックアセンブリ(120)が前記ボトルの前記首部(36)に係合して、前記ポンプ(10)を前記ボトル(12、14)に固定する、請求項3に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項5】
前記ポンプハウジングが、操作者がポンププライミングプロセス中に液体製品(16)が進む様子を監視できるようにする透明な上部を備える、請求項1に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項6】
プログレッシブキャビティポンプ(10)であって、
ポンプハウジング(50)と、
前記ポンプハウジング(50)に旋回可能に取り付けられ、ノズル本体(92)から外方へ延びる少なくとも1つのフィンガフィン(102)を備える前記ノズル本体(92)を有するポンプノズル(52)と、を備え、
前記少なくとも1つのフィンガフィン(102)により、前記ポンプノズル(52)を片手で操作可能にする、プログレッシブキャビティポンプ(10)。
【請求項7】
前記ノズル(52)が複数の全流量位置および閉位置を有する、請求項6に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項8】
前記複数の全流量位置が、前記ノズル(52)が略45°、90°、および135°で配置されることを含み、前記閉位置において前記ノズル(52)が略0°で下方を向く、請求項7に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項9】
前記ノズル(52)が前記ノズル位置の間で動くことができるように、液体流を可能にする上部チューブが可撓性である、請求項8に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項10】
プログレッシブキャビティポンプ(10)であって、
縦方向(20)および横方向(22)に延び、肩部(60)を形成するポンプハウジング(50)と、
前記ポンプハウジング(50)から延びるポンプノズル(52)と、
駆動機構(70)によって駆動されるプログレッシブキャビティポンプアセンブリ(66)と、
前記駆動機構(70)を作動させて、液体製品(16)を送り出すための流路(74)を介して前記液体製品(16)を前記ポンプ(10)に通すように、前記ポンプ(10)の操作者によって外部から係合されるトリガアセンブリ(72)と、を備え、
前記流路が、ボトル内部(46)から前記ポンプ(10)内へ延びる下部チューブ(76)により、前記ポンプアセンブリ(66)および上部チューブ(78)を通って前記ノズル(52)内まで形成され、前記下部チューブ(76)が、前記液体製品(16)を取り入れるように開口した下部チューブ入口(82)と、前記液体製品を前記ポンプアセンブリ(66)に送り出すための下部チューブ出口(84)とを備え、前記上部チューブ(78)が、前記ポンプアセンブリ(66)に接続された上部チューブ取入口(86)と、前記ノズル(52)内に配置された、前記液体製品(16)を前記ポンプ(10)から分散させるための上部チューブ出口(88)と、を備え、
前記プログレッシブキャビティポンプアセンブリ(66)がロータ(212)をさらに備え、前記ロータ(212)が、ステータ(168)と協働して、前記流体製品(16)を前記ボトル(12、14)から前記ポンプ(10)を通して分注し、前記ポンプにより、トリガを引くごとに特定量の前記液体製品を計量供給することができるようになっている、プログレッシブキャビティポンプ(10)。
【請求項11】
前記ステータ(168)がステータインサート(180)を備え、前記ステータインサート(180)が、ロータ(212)と協働して、前記流体製品(16)を前記ボトル(12、14)から前記ポンプ(10)を通して分注する、請求項10に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項12】
前記ロータ(212)は、ギア部(214)と、前記ギア部(214)から延びるシャフト(216)とを備える、請求項11に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項13】
前記シャフト(216)が、前記ギア部(214)から延びる直線シャフト部(218)と、前記直線シャフト部(218)から延びるローブシャフト部(220)とを備える、請求項12に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項14】
前記ギア部と前記直線シャフト部とが略同心であり、ギア中心軸(224)を中心とし、前記ローブシャフト部(220)が、前記ロータの回転軸であり、かつ前記ギア中心軸(224)から距離eだけずれているローブ中心軸(226)を中心とし、前記ギア部(214)が、半径方向外方へ延びる複数の歯(228)を備え、各歯(228)が歯形状を有し、内歯面(230)および外歯面(232)を有する、請求項13に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項15】
前記ステータが、ディスク本体(246)を有するステータハウジングキャップ(198)を備え、前記ディスク本体(246)が、下方へ延びるキャップフランジ(248)と、前記ディスク本体(246)内に形成されたキャップスロット(250)とを含む、請求項14に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項16】
前記キャップ(198)が、前記キャップスロット(250)内における前記ロータ(212)の一方向への動きを可能にし、前記ロータシャフトの他方向への動きを制限する、請求項15に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項17】
前記駆動機構(70)が前方駆動ヨーク(260)と後方ヨーク(274)とを備える、請求項10に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項18】
前記前方駆動ヨーク(260)が、前記トリガアセンブリ(72)に可動に取り付けられた旋回端部(262)と、前記ロータ(212)の前記ギア部(214)に係合する前方駆動アーム(264)とを備え、各前方駆動アーム(264)が、前記ギア部(214)の歯(228)に係合する駆動爪(266)を備え、前記駆動爪(266)が、前記ギア部の前記歯(228)に係合および嵌合する駆動爪形状を含んで、前記ロータ(212)を駆動軸(270)の周りで駆動方向(268)に駆動し、前記旋回端部(262)が、トリガ(130)を引くと作動する前記トリガアセンブリ(72)に連結される、請求項17に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項19】
前記駆動後方ヨーク(274)が、前記ギア部(214)の他側に配置され、前記前方駆動ヨーク(260)と互い違い関係にあり、前記後方ヨーク(274)が、前記ポンプハウジング(50)に取り付けられた後方ヨーク旋回端部(276)と、外方へ延びて前記ロータ(212)の前記ギア部(214)に係合する後方ヨークアーム(278)とを備え、各後方ヨークアーム(278)が、前記ギア部(214)の前記歯(228)に係合および嵌合する形状を有する後方爪(280)を備えて、前記ロータ(212)の前記ギア部(214)の逆回転を防ぐ、請求項18に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【請求項20】
前記前方駆動ヨーク(260)および前記後方ヨーク(274)が、互い違い構成に配置され、前記前方駆動ヨークアーム(264)および前記後方ヨークアーム(278)が前記ロータ(212)の前記ギア部(214)に係合するように寸法決めされる、請求項19に記載のプログレッシブキャビティポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプ、より詳細には、プログレッシブキャビティポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
プログレッシブキャビティポンプは一般に、かなり大型であり、フレキシブルシャフトまたはユニバーサルジョイントを備えているため、故障しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】正規向き位置でボトルに配置されたプログレッシブキャビティポンプの斜視図である。
図2】横向き位置で異なるサイズのボトルに配置された、図1のプログレッシブキャビティポンプの斜視図である。
図3図1のプログレッシブキャビティポンプおよびボトルの断面図である。
図4図3のプログレッシブキャビティポンプおよびボトルの部分拡大図である。
図5図4のプログレッシブキャビティポンプおよびボトルの部分拡大斜視図である。
図6図1のプログレッシブキャビティポンプの分解斜視図である。
図7A-7B】図6のプログレッシブキャビティポンプのポンプノズルの部分拡大斜視図である。
図8A-8D】様々なノズル位置における、図7Aおよび図7Bのプログレッシブキャビティポンプのポンプノズルを示す図である。
図9】上部を示す、図1のプログレッシブキャビティポンプの上面斜視図である。
図10図1のプログレッシブキャビティポンプのトリガアセンブリの分解斜視図である。
図11図1のプログレッシブキャビティポンプのロックアセンブリの部分拡大上面斜視図である。
図12図11のプログレッシブキャビティポンプのロックアセンブリの底面斜視図である。
図13】ロック位置におけるロックリングを示す、図11のプログレッシブキャビティポンプのロックアセンブリの断面図である。
図14】ロック位置におけるロックボルトを示す、図11のプログレッシブキャビティポンプのロックアセンブリの断面図である。
図15】ロック解除位置におけるロックリングを示す、図11のプログレッシブキャビティポンプのロックアセンブリの断面図である。
図16】ロック解除位置におけるロックボルトを示す、図11のプログレッシブキャビティポンプのロックアセンブリの断面図である。
図17図1のプログレッシブキャビティポンプのプログレッシブキャビティポンプアセンブリの分解斜視図である。
図18図1のプログレッシブキャビティポンプのプログレッシブキャビティポンプアセンブリの断面図である。
図19図18のプログレッシブキャビティポンプのプログレッシブキャビティポンプアセンブリのステータのインサートの正面図である。
図20図19のインサートのA-Aに沿って取った横断面図である。
図21図19のインサートの上面図である。
図22図18のプログレッシブキャビティポンプのプログレッシブキャビティポンプアセンブリのロータの正面図である。
図23図22のロータの側面図である。
図24図22のロータの底面図である。
図25図24のロータのギア部の部分拡大図である。
図26】様々な断面を示す、図19のステータの概略横断面図である。
図27】様々な断面を示す、図22のロータの概略部分横断面図である。
図28図19のステータおよび図22のロータの概略横断面図である。
図29図1のプログレッシブキャビティポンプの駆動機構の部分切欠き拡大上面斜視図である。
図30図29のプログレッシブキャビティポンプの駆動機構の部分切欠き断面上面斜視図である。
図31図29のプログレッシブキャビティポンプの駆動機構の部分切欠き断面上面斜視図である。
図32図4のプログレッシブキャビティポンプの駆動機構の断面上面図である。
図33図4のプログレッシブキャビティポンプの駆動機構の断面上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1および図2を参照すると、ボトルから液体製品16を分注するプログレッシブキャビティポンプ10が小型ボトル12および大型ボトル14にそれぞれ取り付けられている。ポンプ10は縦方向20および横方向22に延び、小型ボトル12には縦向き位置で、大型ボトル14には横向き位置でそれぞれ取り付けられる。
【0005】
図3図5を参照すると、各ボトル12、14は、ボトル幅26、ボトル奥行き28、およびボトル高さ30を有するボトル本体24を備える。ボトル本体24はボトル肩面34を備え、そこからボトル首部36が延びている。ボトル首部36はボトル開口部38で終端し、ボトル開口部38は、首部36の外面42に配置された外ねじ40と、ねじ40に隣接して配置されたビード44とを有する。ボトル12は、液体製品16を収容するボトル内部46を形成する。
【0006】
図4および図6を参照すると、ポンプ10はポンプハウジング50を備え、そこからポンプノズル52が延びている。ポンプハウジング50は、ハウジング内面54およびハウジング外面56を備え、肩部60、上部62、およびこれらの間に延びるハウジング中央部64を形成する。内面54は、ポンプハウジング50内で様々なアセンブリを固着させるための複数のポンプハウジング機能65を備える。ポンプハウジング構成65は、リブ、溝、チャネル、および同様の機能を備えて、様々なアセンブリ、サブアセンブリ、およびチューブを内部に固定する。ポンプハウジング50は、駆動機構70によって駆動されるプログレッシブキャビティポンプアセンブリ66を支持する。ポンプ10の操作者によって外部から係合されるトリガアセンブリ72により、駆動機構70を作動させて液体製品16をポンプ10に通す。液体製品16を送り出すための流路74が、ボトル内部46からポンプ10内へ延びる下部チューブ76により、ポンプアセンブリ66および上部チューブ78を通ってノズル52内まで形成される。下部チューブ76は、液体製品16を取り入れるように開口した下部チューブ入口82と、液体製品をポンプアセンブリ66に送り出すための下部チューブ出口84とを備える。上部チューブ78は、ポンプアセンブリ66に接続された上部チューブ取入口86と、ノズル52内に配置された、液体製品16をポンプ10から分散させるための上部チューブ出口88とを備える。
【0007】
図6図8を参照すると、ノズルアセンブリ52は、ポンプハウジング50に旋回可能に取り付けられ、ノズル取付端94から延びるノズル本体92を備える。ノズル取付端94は、液体製品16を分注するノズル分注端96にポンプハウジング50を取り付ける。ノズル本体92はノズルキャビティ98を内部に形成し、上部チューブ78がノズルキャビティ98を通って延びることができる。ノズル本体92はまた、ノズル本体92から外方へ延びる少なくとも1つのフィンガフィン102を備える。図示した実施形態では、2つのフィン102が外方へ延びている。図6図7A、および図7Bに示すように、ノズル取付端94は、ノズル92をポンプハウジング50に旋回可能に取り付けるためのノズル取付機構104を備える。取付機構104は、ノズル旋回機能106と、ポンプハウジング50に配置された対応するポンプ旋回機能108とを備えて、ノズル92がノズル旋回点110の周りを旋回できるようにする。取付機構104はまた、ポンプハウジング50に形成された突起114に嵌合する複数の溝112を備える。溝112は、ノズル92をいくつかの位置の間で旋回させることができるように位置決めされ、離間している。例えば、一実施形態において、ノズル92は4つのノズル位置を有し、各溝112が各位置に対応する。図8A図8B、および図8Cに示すように、ノズル92は3つの全流量位置を有し、略45°、90°、および135°で配置される。図8Dに示すように、ノズル92はまた、ノズルが略0°で下方を向く閉位置を有する。
【0008】
操作時に、ノズル92をノズル旋回点110の周りでノズル位置のうちの1つへ動かすことにより、ノズル92はノズル位置の間で動く。ノズルが所望の位置へ動くと、溝112が突起114に嵌まり、ノズルは所望のノズル位置で固定される。ノズル92を片手で動かしやすくするために、フィンガフィン102を使用することができる。全流量位置において、上部チューブ78が曲がってノズル位置に対応するため、ポンプ10は完全に操作可能であり、液体製品流が影響を受けることはない。45°位置および135°位置は、より届きにくい場所に有利である。
【0009】
図5および図6を参照すると、ポンプハウジング50はまた、ポンプ10をボトル12、14に取り付けるためのロックアセンブリ120を支持し、ポンプハウジング50の内部にロック開口部122(図6に最もよく見られる)が形成されて、ポンプ操作者が、ポンプ10をボトル12、14に取り付け、ボトル12、14から取り外すために、ロックアセンブリ120を作動および解除できるようになっている。ポンプハウジング50はまた、空気がボトルを通過できるようにしながら液体製品16をボトル内に密閉するためのボトルシール124を支持する。
【0010】
図9を参照すると、ポンプハウジング50はまた、ポンプ50の上部に配置された上部126を備え、この上部126は、操作者が上部チューブ78を観察できるように透明材料から作製されている。上部126によって形成された透明なのぞき窓により、操作者は、ポンププライミングプロセス中に液体製品16が進む様子を監視することができる。
【0011】
図4図6、および図10を参照すると、トリガアセンブリ72は、操作者によって作動されるように外部から接触可能なトリガ130と、ばね機構134を有するトリガ旋回柱132とを備える。ばね機構134により、トリガアセンブリ72は、ポンプハウジング50に対して縦方向20に動いて、ポンプ10を作動させることができる。当業者により理解されるように、ばね機構134およびトリガ旋回柱132は、トリガアセンブリ72内の機能65によって支持されて、トリガアセンブリ72の適切な操作を確実にする。
【0012】
図4および図5に戻ると、ポンプハウジング50の肩部60は、ポンプハウジング50から下方へ延びてボトル肩面34と協働する成形フランジ136を形成する。成形フランジ136は、縦方向20に延び、ボトル肩面34に嵌まって嵌合するフランジ伸長部138を備える。図1に戻ると、正規向き位置で、ポンプ10の縦方向20の長さがボトル12の幅26に略対応し、フランジ伸長部138がボトル肩面34の側部に載るように、ポンプ10がボトル12に嵌まる。図2に戻ると、横向き位置で、ポンプ10の縦方向20の長さがボトル14の奥行き28に対応し、フランジ伸長部138がボトル肩面34の前部および後部に載るように、ポンプ10がボトル14に嵌まる。したがって、同じサイズのポンプ10が、少なくとも2つのサイズのボトルに適合し、これらのボトルと共に使用可能である。
【0013】
図5図6、および図11図16を参照すると、ロックアセンブリ120により、ポンプ10をボトル12、14に取り付け、ボトル12、14から取り外すことができ、ロックアセンブリ120は、ロックリング140と、ロックリング140と協働する少なくとも1つのロックボルト142とを備える。各ロックボルト142は、成形カム開口部146が形成されたロックボルト本体144と、ロックボルト本体144から延びるロックタブ148とを備える。各成形カム開口部146は、遠端150および近端152を有する。各ロックボルト142はポンプハウジング50によって可動に支持されて、各ロックボルト142がポンプ10内で縦方向20に動くことができるようになっている。ロックリング140は、ポンプハウジング50内で回転可能に動くことができるリング本体156を備える。ロックリング本体156は、ポンプハウジング50内に形成されたロック開口部122を貫通するスイッチ部160を備え、操作者がスイッチ部160を一側または他側に動かすことによって、ポンプ10をボトル12、14に取り付け、ボトル12、14から取り外すことができる。ロックリング140はまた、ロックボルト142の成形カム開口部146に嵌入してこれと協働する少なくとも1つのロックピン166を備える。ロックピン166は、成形カム開口部146内で遠端150から近端152へ動くことができる。図13図16に最もよく見られるように、ロックアセンブリ120は、ロック位置およびロック解除位置を有する。ロック解除位置で、ロックリング140のロックピン166は、ロックボルト142の成形カム開口部146の遠端150に配置される。ロック解除位置で、ロックボルト142同士が離れ、ポンプ10がボトル12、14の首部36に嵌まることができる。ロック位置で、ロックリング140のロックピン166は、ロックボルト142の成形カム開口部146の近端152に配置され、ロックボルト142同士が押し寄せられて、ボトルの首部36に係合し、ポンプ10をボトル12、14に固定する。
【0014】
動作時に、ロックアセンブリ120がロック解除位置にあるポンプ10が、ボトル12、14の首部36に置かれる。ポンプ10が縦位置または横位置でボトルの首部に置かれると、操作者は、ポンプハウジング50の外部から接触可能なロックアセンブリ120のスイッチ部160を、ロック解除位置からロック位置へ動かすことができる。スイッチ部160が動くと、ロックリング140は回転し、ロックピン166はロックボルト142の成形カム開口部146内で遠端150から近端152へ摺動し、これにより、ロックボルト142をロック解除位置からロック位置へ動かす。したがって、少なくとも1つのロックボルト142のロックタブ148がボトル首部36のビード44の下に嵌まってビード44に係合することにより、ポンプ10をボトル12、14上に固定する。
【0015】
図4図6図17、および図18を参照すると、プログレッシブキャビティポンプアセンブリ66は、ポンプハウジング50によって支持され、ステータハウジング170を有するステータ168を備える。ステータハウジング170は、第1のステータハウジング側部172と第2のステータハウジング側部174とを有し得る。ステータハウジング170は、ステータインサート180を内部に収容するための下部ステータハウジング部178と、ステータチャンバ184を形成し、可撓性コーンシール186を内部に収容するための上部ステータハウジング182とを形成する。下部ステータハウジング172は、ステータインサート180に対応してこれを支持する内側ローブ形状を有し、ステータインサート180は、ステータ中心線191を有する成形ステータキャビティ190を内部に形成する。上部ステータハウジング182はまた、ステータ開口部192を有し、ステータ開口部192からステータ出口管194が延びている。プログレッシブキャビティポンプアセンブリ66はまた、下部ステータハウジング172を密閉するステータハウジング入口196と、上部ステータハウジング182を密閉するステータハウジングキャップ198とを備える。ステータハウジング170およびステータインサート180は、インサート機能202、204をそれぞれ備え、インサート機能202、204は、ステータハウジング170内で嵌合し、ステータインサート180を固定する。ステータハウジング170はまた、ステータハウジングをポンプハウジング内で位置決めするための、ポンプハウジング50の内部機能65に対応する外部機能206を備える。上部ステータハウジング182は、キャップ突起210をさらに備える。
【0016】
図19図21を参照すると、内部キャビティ190も内部形状211を画定する。
【0017】
図17および図22図25を参照すると、プログレッシブキャビティポンプアセンブリ66はロータ212をさらに備え、ロータ212は、ステータインサート180と協働して、流体製品16をボトル12、14からポンプ10を通して分注する。ロータ212は、ギア部214と、ギア部214から延びるシャフト216とを備える。シャフト216は、ギア部214から延びる直線シャフト部218と、直線シャフト部218から延びるローブシャフト部220とを備える。ギア部および直線シャフト部は、略同心であり、ギア中心軸224を中心とし、ローブシャフト部220はローブ中心軸226を中心とする。ローブ中心軸226は、ロータの回転軸であり、ギア中心軸224から距離eだけずれている。ギア部214は、半径方向外方へ延びる複数の歯228を備え、各歯228が歯形状を有し、内歯面230および外歯面232を有する。直線シャフト部218はシャフト直径を有し、ローブシャフト部は、ステータインサート180と協働するように形成された複数のローブを備え、断面直径dを有する。
【0018】
図26図28を参照すると、成形ステータキャビティ190の内部形状211は、ローブシャフト部220の断面である直径dに略等しい幅を有するように寸法決めされる。成形ステータキャビティ190の内部形状211の長さは、中心点234間の4eに等しく、ここで、eはロータ中心224とロータ軸226との間のずれとして定義される。
【0019】
図17に戻ると、ステータハウジング入口196はハウジング入口本体238を備え、ハウジング入口本体238は、ディスク形状を有し、上方へ延びる入口本体フランジ240と下方へ延びる入口コネクタ242とを含む。入口本体フランジ240は下部ステータハウジング172に嵌合して密閉をもたらし、入口コネクタ242は下部チューブ76に接続されて流路を形成し、流体製品16がボトルからポンプに流入できるようにする。
【0020】
ステータハウジングキャップ198はディスク本体246を備え、ディスク本体246は、下方へ延びるキャップフランジ248と、ディスク本体246内に形成されたキャップスロット250とを含む。キャップスロット250は、幅および長さを有し、幅はロータシャフトの直径dに略等しく、キャップスロットの長さはロータシャフトの直径よりも大きい。例えば、一実施形態に示すようにダブルピッチロータの場合、キャップスロットの長さは、ロータ中心とロータ軸との間の距離eの4倍に等しく、または4e+dである。スロットの幅は、遊び嵌めまたは滑り嵌めを形成するように、ロータ直径dに合わせて決められる。したがって、キャップ198は、キャップスロット246内におけるロータ212の一方向への動きを可能にし、ロータシャフトの他方向への動きを制限する。図示した実施形態において、キャップスロット246は、ロータシャフトの横方向22への動きを可能にする。ディスクフランジ248は、上部ステータハウジング182に形成されたキャップ突起210と協働する切欠き254を備え、キャップ198をステータ168に対して適切な向きにする。
【0021】
上部ステータハウジング182のステータチャンバ184内に配置された可撓性コーンシール186は、略円錐形状を有し、その内部でロータシャフト216の横への動きを可能にするシール機構を提供する。
【0022】
図4および図29図33を参照すると、駆動機構70は前方駆動ヨーク260を備え、前方駆動ヨーク260は、トリガアセンブリ72に可動に取り付けられた旋回端部262と、ロータ212のギア部214に係合する前方駆動アーム264とを有する。各前方駆動アーム264は、ギア部214の歯228に係合する駆動爪266を備える。図30に最もよく見られるように、駆動爪266は、ギア部の歯228に係合および嵌合する駆動爪形状を含んで、ロータ212を駆動軸270の周りで駆動方向268に駆動する。旋回端部262は、トリガ130を引くと作動するトリガアセンブリ72のトリガ旋回柱132に連結される。
【0023】
駆動機構70はまた、後方ヨーク274を備え、後方ヨーク274はギア部214の他側に配置され、前方駆動ヨーク260と互い違い関係にある。後方ヨーク274は、ポンプハウジング50に取り付けられた後方ヨーク旋回端部276と、外方へ延びてロータ212のギア部214に係合する後方ヨークアーム278とを備える。各後方ヨークアーム278は、ギア部214の歯228に係合および嵌合する形状を有する後方爪280を備えて、ロータ212のギア部214の逆回転を防ぐ。
【0024】
前方駆動ヨーク260および後方ヨーク274は、互い違い構成に配置され、前方駆動ヨークアーム264および後方ヨークアーム278がロータ212のギア部214に係合するように寸法決めされる。
【0025】
動作時に、ポンプの操作者によってトリガ130が外部から引かれると、トリガは、ばね機構134を介して縦方向20に動き、前方駆動ヨーク260の旋回端部262がトリガアセンブリ72のトリガ旋回柱132に連結されているため、前方駆動ヨーク260を作動させる。前方駆動ヨーク260は、作動されると、ロータ212のギア部214を駆動方向268に回転させる。一実施形態において、ギア部214は、回転軸の周りで駆動方向268に約90°回転する。後方ヨーク274はギア部214に係合して、ロータのギア部に係合することにより、ロータの逆回転を防ぐ。ギア部214が回転軸の周りを回転すると、ロータシャフトも回転軸の周りを回転する。ローブシャフト部が回転すると、空気(プライミング中)および次に液体製品がステータチャンバ内に吸引される。ギア部が回転し、ローブシャフト部がステータチャンバ内で回転可能に動くと、ギア部および直線シャフトも横方向に並進運動する。直線シャフト部は、ステータハウジングキャップのキャップスロット内で横方向22に動く。最初に、空気および液体製品が下部チューブに入り、次に、プログレッシブキャビティポンプアセンブリに入り、ステータハウジング入口を通ってステータキャビティに入る。ロータのギア部が駆動機構によって駆動されると、空気および/または液体製品がローブを進む。
【0026】
トリガを引くごとに、前方駆動ヨークは、ギア部を所定の回転量だけ回転させることによってギア部を駆動する。前述したように、一実施形態において、トリガを引くごとに、ギア部が90°回転する。前方駆動ヨーク260がロータを駆動すると、後方ヨーク274は逆への動きを防ぐ。このように、所定の回転量およびステータ/ロータローブ部の形状によって、トリガを引くごとの計量供給量および滴径が決まる。ギア部214が駆動機構70によって回転すると、ローブシャフト部がステータチャンバ内に沿って動くため、ギア部および直線シャフト部も横方向22に並進運動する。その後、空気/液体製品はステータチャンバに入り、ステータ開口部を通ってステータチャンバから出て、ステータ出口管および上部チューブに入る。ステータハウジング入口、可撓性コーンシール、およびステータハウジングキャップは、密閉をもたらし、液体製品が流路から漏出することを防ぐ。液体製品は、上部チューブに入ると、その流路をたどり、ノズルを通って出る。
【0027】
プログレッシブキャビティポンプ10は、接着剤および粘着剤などの製品を含む様々な種類の液体製品と共に動作することができる。例えば、プログレッシブキャビティポンプ10は、1~3500cPの粘性を有する製品と共に動作することができる。プログレッシブキャビティポンプ10の内部は、接着剤および粘着剤を含む様々な製品16に適合し、これらに対応可能な材料から作製される。
【0028】
さらに、下部チューブは剛性チューブであるが、上部チューブは可撓性であって、ノズル52がノズル位置の間で動くことができる。また、可撓性コーンシールをシリコーンなどの可撓性エラストマーから作製することができ、細長いスロットを有するキャップを剛性プラスチック材料から作製することができる。
【0029】
ポンプ10の主な利点は、簡略化された設計および小型のサイズである。ポンプが剛性シャフトを備えるため、故障しやすいユニバーサルジョインまたはフレキシブルシャフトがポンプには不要であり、したがって、誤動作のおそれがない。また、ポンプ構成により、ポンプステータが部分的にボトル内に存在することができるため、ポンプをさらに小型の寸法にすることができる。
【0030】
ポンプ10の別の利点は、少なくとも2つの異なるサイズのボトルと共に使用できることである。ポンプを、図1に見られるように小型のボトルには縦向き位置で、図2に見られるように大型ボトルには横向き位置で固定することができる。
【0031】
さらに、ノズル位置によって、より届きにくい場所に液体製品を塗布することが可能になる。さらに、ノズルを片手で動かすことができ、両手で操作する必要がない。上部チューブ78は、ノズル92を異なるノズル位置に動かしたときに曲がることのできる材料から作製されるため、液体製品の全流量を通すことができる。
【0032】
加えて、透明な上部により、ポンプの操作者は、ポンププライミングプロセス中に液体製品16が進む様子を監視することができる。
【0033】
さらに、ねじによりボトルにねじ留めする必要なく、ポンプをボトルに取り付けることができる。
【0034】
加えて、ポンプにより、トリガを引くごとに特定量の液体製品を計量供給することができるため、連続操作ポンプと比較して多くの適用に有利である。
【0035】
加えて、本開示の原理について本明細書で説明したが、本説明は例示に過ぎず、開示の範囲を限定するものではないことを当業者には理解されたい。本明細書で図示し説明した例示的な実施形態に加えて、本開示の範囲内で他の実施形態が考察される。当業者による変更および置換は、本開示の範囲内に含まれるものと考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
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【手続補正書】
【提出日】2021-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
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【国際調査報告】