(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】マルチチェックバルブコンパクト設計のブーム装着散布ノズルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A01M 7/00 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
A01M7/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548560
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 US2019059023
(87)【国際公開番号】W WO2020092686
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595170502
【氏名又は名称】スプレイング システムズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】プライス, トレバー
(72)【発明者】
【氏名】ウィンター, ティージェイ
(72)【発明者】
【氏名】アレンソン, マーク
(72)【発明者】
【氏名】グールド, リッチ
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121CB03
2B121CB31
2B121CB42
2B121CB47
2B121CB51
2B121CB56
2B121CB61
(57)【要約】
細長い液体供給ブームおよび複数の散布ノズルアセンブリを有する液体散布システム。散布ノズルアセンブリは、液体入口を有するノズル本体と、対向する上下側部に液体出口部位を担持する第1散布ノズルと、供給ブームに対して横方向に配置された液体出口部位を担持する第2及び第3散布ノズルと、液体供給ブームに対して平行に配置された第1及び第2チェックバルブ支持部位と、を備えたコンパクトな設計を有する。第1チェックバルブは、供給ブームから第2及び第3散布ノズルの一方または両方への液体の流れを制御するように作動可能であり、第2チェックバルブは、前記液体入口から前記第1散布ノズルへの液体の流れを制御するように動作可能である。例示のチェックバルブは、供給液体の圧力に応答して動作可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体散布システムにおいて、
細長い液体供給ブーム(14)と、
前記ブーム(14)の長さに沿って横方向に離間されて装着された複数の散布ノズルアセンブリ(11)と、
を備え、
前記散布ノズルアセンブリ(11)は、各々が、
ノズル本体(16)と、第1散布ノズル(20)と、第2散布ノズル(24)と、第1チェックバルブ(65)と、第2チェックバルブ(65)と、を含み、
前記ノズル本体(16)は、上部および下部の両側に液体入口部位(18)と、第1液体出口部位(19)とを有し、
前記液体入口部位(18)は、前記液体供給ブーム(14)から液体を受ける液体入口通路(33)を有し、前記第1液体出口部位(19)は、液体出口通路(84)を有し、
前記ノズル本体(16)は、前記ノズル本体(16)の両側に第2液体出口部位(21)及び第3液体出口部位(22)を有し、前記第2液体出口部位(21)および第3液体出口部位(22)は、それぞれ液体出口通路(81a、81b)を有し、
前記ノズル本体(16)は、前記ノズル本体(16)の前記第2液体出口部位(18)及び第2液体出口部位(19)の横側を横切る両側に第1チェックバルブ支持部位および第2チェックバルブ支持部位(66)を有し、
前記第1散布ノズル(20)は、前記ノズル本体(16)の前記第1液体出口部位(19)に着脱可能に装着され、前記液体出口通路(84)が前記第1散布ノズル(20)に連通し、
前記第2散布ノズル(24)は、前記ノズル本体(46)の前記第2液体出口部位(21)に着脱可能に装着され、その出口通路(81a)が前記第2散布ノズル(24)に連通し、
前記第1チェックバルブ(65)は、前記ノズル本体(16)の前記第1チェックバルブ支持部位(66)に装着され、
前記第2チェックバルブ(65)は、前記ノズル本体(16)の前記第2チェックバルブ支持部位(66)に装着され、
前記第1チェックバルブ(65)は、前記液体入口通路(33)から前記第2液体出口部位(21)の前記液体出口通路(81a)への前記第2散布ノズル(24)への液体の流れを阻止する閉位置と、前記液体入口通路(33)から前記第2液体出口部位(21)の液体出口通路(81a)への液体の流れを許容して前記第2散布ノズル(24)から吐出する開位置との間で動作可能であり、
前記第2チェックバルブ(65)は、前記液体入口通路(33)から前記第1液体出口部位(19)及び第1散布ノズル(20)の出口通路(84)への液体の流れを阻止する閉位置と、前記第1液体入口通路(33)から前記第1液体出口部位(19)の出口通路(84)への液体の流れを許容して前記第1散布ノズル(20)から吐出する開位置との間で動作可能であり、
前記ノズル本体(16)は、前記第2液体出口部位(21)及び第3液出口部位(22)が前記細長い液体供給ブーム(14)に対して整列した状態で前記細長い液体供給ブーム(14)に対して横断して配置されたチェックバルブ支持部位(66)に対して、前記細長い液体供給ブーム(14)に対して相対的に支持される、液体散布システム。
【請求項2】
前記第2散布ノズル(24)は、タレット散布ノズルアセンブリの一部であり、前記タレット散布ノズルアセンブリは、前記第1チェックバルブ(65)が開位置にあるときに、前記複数のタレットノズルのうちの1つを前記第2液体出口部位(21)の液体出口通路(81a)から液体を受ける位置に位置決めするように選択された回転のために、前記ノズル本体(16)の前記第2液体出口部位(21))に装着された複数のタレットノズルを有する、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項3】
第2タレット散布ノズルアセンブリを含み、前記第2タレット散布ノズルアセンブリは、複数のタレットノズルを有し、前記第1チェックバルブ(65)が開位置にあるときに、前記第3液体出口部位(22)の前記液体出口通路(81b)から液体を受けるための位置に前記第2タレット散布ノズルアセンブリの前記複数のタレットノズルの一つを置くために選択された回転のために、前記第3液体出口部位(22)に装着される、請求項2に記載の液体散布システム。
【請求項4】
前記第3液体出口部位(22)は、前記第1液体出口部位(21)から横にオフセットされる、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項5】
前記チェックバルブ支持部位(66)の一方は、前記チェックバルブ部位(66)の他方よりも高く配置されている、請求項4に記載の液体噴射システム。
【請求項6】
前記チェックバルブ(65)は、前記液体供給ブーム(14)から前記ノズル本体入口通路(33)に液体を加圧することに応答して開位置に動作可能である、請求項1に記載の液体噴射システム。
【請求項7】
液体散布システムにおいて、
細長い液体供給ブーム(14)と、
前記液体供給ブーム(14)の長さに沿って横方向に離間して装着された複数の散布ノズルアセンブリ(11)と、
を備え、
前記散布ノズルアセンブリ(11)は、各々が、
ノズル本体(16)と、第1散布ノズル(20)と、第2散布ノズル(24)と、第1チェックバルブ(65)と、第2チェックバルブ(65)と、を含み、
前記ノズル本体(16)は、対向する上下側部に液体入口部位(18)および第1液体出口部位(19)を有し、前記液体入口部位(18)は、前記液体供給ブーム(14)から液体を受ける液体入口通路(33)を有し、前記第1液体出口部位(19)は、液体出口通路(84)を有し、
前記ノズル本体(16)は、前記ノズル本体(16)の対向する横側部に第2液体出口部位(21)及び第3液体出口部位(22)を有し、前記第2液体出口部位(21)および第3液体出口部位(22)は、各々が、それぞれの液体出口通路81a、81bを有し、
前記ノズル本体(16)は、前記第2液体出口部位(18)および第3液体出口部位(19)の前記横側部に対して横断方向の対向する横側部に第1チェックバルブ支持部位および第2チェックバルブ支持部位(66)を有し、
前記第1散布ノズル(20)は、前記ノズル本体(16)の前記第1液体出口部位(19)に着脱可能に装着され、前記第1液体出口部位(19)の液体出口通路(84)が前記第1散布ノズル(20)に連通し、
前記第2散布ノズル(24)は、前記ノズル本体(46)の前記第2液体出口部位(21)に着脱可能に装着され、前記第2液体出口部位(21)の前記出口通路(81a)が前記第2散布ノズル(24)に連通し、
前記第1チェックバルブ(65)は、ノズル本外(16)の前記第1チェックバルブ支持部位(66)に装着され、
前記第2チェックバルブ(65)は、前記ノズル本体(16)の前記第2チェックバルブ支持部位(66)に装着され、
前記ノズル本体(16)は、前記液体入口通路(33)と前記第1チェックバルブ(65)との間に連通する第1横液体通路(75)と、前記液体入口通路(33)と前記第2チェックバルブ(65)との間に連通する第2横液体通路(78)とを有し、
前記第1チェックバルブ(65)は、前記第1横通路(75)を介して前記第2散布ノズル(24)への前記ノズル本体液体入口通路(33)からの液体の流れを阻止する閉位置と、前記第2散布ノズル(24)からの液体の放出のために、前記ノズル本体入口通路(33)及び第1横通路(75)から前記第2液体出口部位(21)の前記出口通路(81a)への液体の流れを許容する開位置との間で動作可能であり、
前記第2チェックバルブ(65)は、前記液体入口通路(33)から前記第2横通路(78)を介して前記第1散布ノズル(20)への液体の流れを阻止する閉位置と、前記液体入口通路(33)及び第2横通路(78)から前記第1散布ノズル(20)からの液体の流出を許容する開位置との間で動作可能である、液体散布システム。
【請求項8】
前記第2横通路(78)は、前記第1横通路(75)を介して前記入口通路(33)に連通する、請求項7に記載の液体散布システム。
【請求項9】
前記第1チェックバルブ支持部位(65)は、前記第1チェックバルブ(65)が開位置にあるときに前記第2散布ノズル(24)から液体を放出するために、前記第1横通路(75)と前記第2液体出口部位(21)の液体出口通路(81a)との間で流体連通する第1横通路(75)と平行な戻り液体通路(80)を有する、請求項7に記載の液体散布システム。
【請求項10】
前記第2チェックバルブ支持部位(66)は、前記第2チェックバルブ(65)が開位置にあるときに、前記第1散布ノズル(24)の一方から液体を放出するために、前記第2横通路(78)と前記第1液体出口部位(19)の前記液体出口通路(84)とが連通する前記第2横通路(78)と平行な戻り通路(82)を有する、請求項9に記載の液体散布システム。
【請求項11】
前記第1横断通路(78)および第2横断通路(78)は、環状通路である、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項12】
前記第1横通路(75)及び第2横通路(78)は、環状の前記第1横断通路(75)が環状の前記第2横断通路(78)の一部分のみと連通するように、互いにオフセットした平行な長手方向軸を有する、請求項11に記載の液体散布システム。
【請求項13】
前記第1チェックバルブ支持部位(65)は、前記第1チェックバルブ(65)が開位置にあるときに、前記第2散布ノズル(24)から液体を放出するために、前記第1横通路(75)と前記第2液体出口部位(21)の前記液体出口通路(81a)とが連通する環状の前記第1横通路(75)内に平行に配置された戻り液体通路(80)を有し、
前記第2チェックバルブ支持部位(66)は、前記第2チェックバルブ(24)が開位置にあるときに、前記第2横通路(78)と前記第1液体出口部位(19)の液体出口通路(84)とが連通する環状の前記第2横通路(78)内に平行に配置された戻り流体通路(80)を有する、請求項11に記載の液体散布システム。
【請求項14】
液体散布ノズルアセンブリにおいて、
ノズル本体(16)と、第1散布ノズル(20)と、第2散布ノズル(24)と、第1チェックバルブ(65)と、第2チェックバルブ(65)とを備え、
前記ノズル本体(16)は、散布される液体を受ける液体入口部位(18)と、対向する上下側部に第1液体出口部位(19)とを有し、前記液体入口部位(18)は、液体入口通路(33)を有し、前記第1液体出口部位(19)は、液体出口通路(84)を有し、
前記ノズル本体(16)は、前記ノズル本体(16)の対向する横側部に第2液体出口部位(21)および第3液体出口部位(22)を有し、前記第2液体出口部位(21)および第3液体出口部位(22)は、各々が、液体出口通路(81a、81b)を有し、
前記ノズル本体(16)は、前記ノズル本体(16)の前記第2液体出口部位(18)および第3液体出口部位(19)の横側部を横断する前記ノズル本体(16)の対向する横側部に第1チェックバルブ支持部位(66)および第2チェックバルブ支持部位(66)を有し、
前記第1散布ノズル(20)は、前記ノズル本体(16)の前記第1液体出口部位(19)に着脱可能に装着され、前記液体出口通路(84)が前記第1散布ノズル(20)に連通し、
前記第2散布ノズル(24)は、前記ノズル本体(46)の前記第2液体出口部位(21)に着脱可能に装着され、その出口通路(81a)が前記第2散布ノズル(24)に連通し、
前記第1チェックバルブ(65)は、前記ノズル本体(16)の前記第1チェックバルブ支持部位(66)に装着され、
前記第2チェックバルブ(65)は、前記ノズル本体(16)の前記第2チェックバルブ支持部位(66)に装着され、
前記ノズル本体(16)は、前記液体入口通路(33)と前記第1チェックバルブ(65)との間に連通する第1横液体通路(75)と、前記液体入口通路(33)と前記第2チェックバルブ(65)との間に連通する第2横液体通路(78)とを有し、
前記第1チェックバルブ(65)は、前記液体入口通路(33)から前記第1横通路(75)を通って前記2の散布ノズル(24)への液体の流れを阻止する閉位置と、前記ノズル本体入口通路(33)及び第1横通路(75)から前記第2散布ノズル(24)から放出する為に前記第2液体出口部位(21)の前記出口通路(81a)への液体の流れを許容する開位置との間で動作可能であり、
前記第2チェックバルブ(65)は、前記液体入口通路(33)から前記第2横通路(78)を通って第1散布ノズル(20)への液体の流れを阻止する閉位置と、前記第1入口通路(33)及び第2横通路(78)から前記第1散布ノズル(20)からの放出の為に前記第1出口部位の前記出口通路(84)への液体の流れを許容する開位置との間で動作可能である、液体散布ノズルアセンブリ。
【請求項15】
前記第2横通路(78)は、前記第1横通路(75)を介して前記入口通路(33)と連通する、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項16】
前記第1チェックバルブ支持部位(65)は、前記第1チェックバルブ(65)が開位置にあるときに、前記第2散布ノズル(24)から液体を放出するために、前記第1横通路(75)と前記第2液体出口部位(21)の前記液体出口通路(81a)とが連通する第1横通路(75)と平行な戻り液体通路(80)を有する、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項17】
前記第2チェックバルブ支持部位(66)は、前記第2チェックバルブ(65)が開位置にあるときに、前記第1散布ノズル(24)の一方から液体を放出するために、前記第2横通路(78)と前記第1液体出口部位(19)の前記液体出口通路(84)とが連通する前記第2横通路(78)と平行な戻り通路(82)を有する、請求項16に記載の液体散布システム。
【請求項18】
前記第1横断通路(75)および第2横断通路(78)は、環状通路である、請求項14に記載の液体散布システム。
【請求項19】
前記第1横断通路(75)および第2横断通路(78)は、環状の前記第1横断通路(75)が環状の前記第2横断通路(78)の一部のみと連通するように、互いにオフセットした平行な長手方向軸を有する、請求項18に記載の液体散布システム。
【請求項20】
前記第1チェックバルブ支持部位(65)は、前記第1チェックバルブ(65)が開位置にあるときに前記第2散布ノズル(24)から液体を放出するために、前記第1横通路(75)と前記第2液体出口部位(21)の液体出口通路(81a)とが連通する環状の前記第1横通路(75)内に平行に配置された戻り液体通路(80)を有し、
前記第2チェックバルブ支持部位(66)は、前記第2チェックバルブ(65)が開位置にあるときに前記第1散布ノズル(24)の一方から液体を放出するために、前記第2横通路(78)と前記第1液体出口部位(19)の前記液体出口通路(84)とが連通する環状の前記第2横通路(78)と平行に配置された戻り通路(82)を有する、請求項18に記載の液体散布システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2018年10月31日に出願された米国特許出願第62/753,768号の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
【発明の分野】
【0003】
[0002]本発明は、一般に、農業用散布のためにトラクタ等の後方の畑で引っ張られるような液体散布ブームに関し、より詳細には、このようなブームに使用するための改良された散布ノズルアセンブリに関する。
【0004】
【発明の背景】
【0005】
[0003]農業用散布ブームは、通常、ブームの長さに沿って横方向に離間された多数の散布ノズルアセンブリを担持する。散布ノズルアセンブリの各々は、一般に、複数の散布ノズルを備え、これらの散布ノズルは、動作位置に対して選択された割り出しのための多数の異なる散布先端を担持する回転可能なタレットを含む1つ又は複数のタレット装着散布ノズルを含む。更に、このような散布ノズルアセンブリは、一般に、液体供給の遮断時に散布ノズルからの液体の放出を瞬時に遮断して、廃棄物を防止し、液体化学物質を過剰に適用するための1つ又は複数のチェックバルブを含み、これは、各アセンブリの容積および大きさを更に増大させる。
【0006】
[0004]このような液体散布ブームは、各移動経路の間の散布を最大にするために、80フィート以上のような比較的長い長さとすることができる。使用されていないときに散布ブームの運搬および貯蔵を容易にするために、散布ブームは、ブームの対向する側部またはセグメントを互いに対して横に折り畳むことができる滑車関節(ピボットジョイント)を有する。散布ノズルアセンブリの容積および大きさ、ならびにブームから前方および後方への、それらの突出部のために、散布ブーム部位を互いに重なるように位置決めると、散布ノズルアセンブリは、互いに係合して損傷を与える接触状態になり、散布器の修理または交換および停止が必要になる。
【0007】
【発明の目的および概要】
【0008】
[0005]本発明の目的は、散布ノズルアセンブリの接触係合に干渉することなく、ブームの部位を横並びの関係に折り畳む又は旋回させることをより確実に可能にするように設計された多数の散布ノズルアセンブリを、その長さに沿って有する液体散布ブームを提供することである。
【0009】
[0006]別の目的は、液体散布ブームに使用するための散布ノズルアセンブリを提供することであり、この散布ノズルアセンブリは、ブームの部位の側方位置によって旋回可能な側部で散布ノズル間の干渉接触を防止するための、よりコンパクトな設計を有する。
【0010】
[0007]更なる目的は、アセンブリからの望ましくない突出部を有することなく、多数のノズルへの液体の末端流を遮断するためのマルチチェックバルブコンパクト設計を有する、上記に特徴付けられた散布ノズルアセンブリを提供することである。
【0011】
[0008]別の目的は、構造が比較的単純であり、経済的な製造に適した上記のタイプの散布ノズルアセンブリを提供することである。
【0012】
[0009]本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明による例示された散布ブームが電動トラクタによって引っ張られる様子を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、例示された散布ブームによって担持された液体供給導管によって支持された散布ノズルアセンブリの1つの拡大斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す散布ノズルアセンブリの平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の4-4線の面で採られた、例示の散布ノズルアセンブリの垂直断面である。
【
図5】
図5は、散布ブームの液体供給導管の中心を通る面で取られた、例示の散布ノズルアセンブリの垂直断面である。
【
図6】
図6は、チェックバルブが開位置にあるときに支持本体を通る液体の流れを示す例示の散布ノズルアセンブリのノズル支持本体の垂直断面である。
【
図7】
図7は、
図6と同様に散布ノズル支持本体の垂直断面であるが、散布ノズルアセンブリのチェックバルブが閉位置にあるときの支持本体における液体の流れを示す。[0017]本発明は、様々な修正および代替構成の影響を受けやすいが、その特定の例示的実施形態が図面に示されており、以下に詳細に説明する。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本発明の精神および範囲内にある全ての修正、代替構成、および均等物をカバーする意図であることを理解されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0014】
[0018]次に図面をより詳細に参照すると、トラクタ12などによって引っ張られるときに散布ブーム10の幅に対応するストリップに沿って畑上に化学物質または他の液体を散布するための複数の液体散布ノズルアセンブリ11(
図2-
図5)を有する例示的な散布ブーム10(
図1)が示されている。この場合の散布ブーム10は、その長手方向に沿って液体供給導管14(
図2-
図5)を支持する横方向に延びる支持部材13を含み、この支持部材は、トラクタ12によって運ばれる液体供給タンク15に結合可能である。当技術分野で知られているように、散布ブーム10の支持部材12は、互いに結合されて、運搬または保管のために散布ブーム部位を隣接する横並び関係に旋回可能な複数の細長いセグメントまたは部位を備えることができる。
【0015】
[0019]この場合の散布ノズルアセンブリ11は、それぞれ、液体供給導管14から適宜の様式で支持される。この目的のために、例示された液体散布ノズルアセンブリ11は、各々が、ノズル支持本体16、前方液体出口部位21および後方液体出口部位22を含み、このノズル支持本体16は、その上側に装着部および液体入口部位18、その下側には、散布ノズル20を運ぶ底部液体出口部位19、ノズル本体16の液体供給ブーム14に対して横断するノズル本体16の適当な横側には前方液体出口部位21および後方液体出口部位22(
図4)であって、各々が、タレット散布ノズル24を支持するように設計され、そのうちの一つが前方液体出口部位21(
図1)に示されたものを含む。例示の実施形態では、
図3および
図4に見られるように、後方液体出口部位22は、前方液体出口部位21から僅かに(
図2に見られるように左側に)横方向にオフセットされている。本書で使用される用語「上部」、「底部」、「前方」、および「後方」は、それらの文字通りの意味に限定されず、図面に示される散布ノズルアセンブリ11に関する相対的な用語として意図されることが理解される。換言すれば、散布ノズルアセンブリは、支持本体16の液体入口および出口部位が例示のように支持本体の「上部」および「下部」側に置かれていない異なる向きで液体供給導管14に結合されてもよい。
【0016】
[0020]散布ノズルアセンブリ11を液体供給導管14に固定するために、クランプ装置28が設けられ、このクランプ装置は、液体供給導管14の下側に隣接して位置決めされるクレードル形の装着フランジ29と、装着フランジ29の一端に旋回可能に接続され、装着フランジ29の反対側の端部に固定するために液体供給導管14の上方に位置決め可能なクランプ要素30とを含む。装着フランジ29は、ニップル30(
図5)を有し、ニップルは、液体供給導管14内に上方に延び、導管14からの加圧された液体が、装着フランジ29の垂下したハブ部分29a内の液体通路31を通って方向に入る。この場合、ノズル支持本体16の液体入口部位18は、装着フランジハブ29aを受ける、上方に開口するレセプタクル35の形態であり、急速継手によってハブ29aに着脱可能に固定されるが(
図2および
図4)、この急速継手は、レセプタクル35内の通路を貫通し、かつハブ29aの外側環状保持溝38の対向する側に延びる対向する脚部を有するU字形ピン36を備える。液体入口部位18は、ハブ部分通路31に連通する液体入口通路33を有する。
【0017】
[0021]底部液体出口部位19上の例示された散布ノズル20は、本願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第6,749,134号に示されているような従来の急速切断形式であり、その開示は参照により本書に組み込まれる。他の形式の散布ノズルを使用することもできることを理解されたい。この場合の散布ノズル20は、キャップ40を備え、このキャップは、散布先端部41を担持しているか、またはこれと共に形成されており、液体出口部位19のカム作用およびロックラグ42(
図6)への迅速な分離結合のために動作可能である。
【0018】
[0022]この場合、タレット散布ノズル24は、U字形の保持ピン48を含む急速継手によって前方液体出口部位21に着脱可能に固定されたタレット装着ステム46(
図4)に装着された円筒状のハブ45aを有するタレット45を備え、装着ステム46の環状保持溝49の対向する側に係合する対向する脚部を有する。タレットハブ45aは、装着ステム46に回転可能に支持され、装着ステム46内の環状保持溝51の対向する側のハブ45a内の通路を通して位置決め可能な脚部を有するU字形クリップ50によって軸方向に保持される。装着ステム46は、明らかになるように、装着される液体出口部位21の液体出口と連通する中央液体通路47と、ステム46の中間端部の場所で中央液体通路47と連通する径方向液体出口ポート59とを有する。
【0019】
[0023]当業者に知られているように、タレット45は、ハブ45aの径方向外側に延びる、複数の周方向に離間されたノズル装着ステム54を有する。この場合、各ノズル装着ステム54は、ノズル22と同様の急速継手散布ノズル55を受けるための径方向に対向する径方向カム作用およびロッキングラグを有する。各ノズル装着ステム54は、散布ノズル55とハブ45a内のそれぞれの入口通路58との間に連通する中央液体流路56(
図4)を有し、次いで、選択された散布先端部55のための動作位置にハブ45aを回転割り出しすることによって、タレット装着ステム46内の径方向液体出口通路59と選択的に整列関係にすることができる。
【0020】
[0024]同様のタレット散布ノズル24が、前方液体出口部位21に装着されたタレット散布ノズル24に加えて、またはその代替として、後方液体出口部位22に装着されてもよいことが理解されよう。前方液体出口部位21または後方液体出口部位22タレット散布ノズル24を支持しない場合、出口部位21または22の出口通路の端部を閉じるために、エンドキャップ60を出口部位21または22に装着することができる。この場合、保持キャップ60は、やはり、U字形のピン61を備えた急速継手を有し、このピンの脚部は、エンドキャップの開口部と出口通路部位の環状保持溝62の対向する側を通って同様に位置決めされる。
【0021】
[0025]この実施形態の重要な態様によれば、散布ノズルアセンブリ11は、散布ノズルアセンブリ11が液体散布ブームの前方または後方に突出する設置面積(foot print)を増大させることなく、(1)底部液体出口部位19上の散布ノズル20および(2)前方および/または後方液体出口部位21,22上のタレット散布ノズル24への液体の流れをそれぞれ遮断する一対のチェックバルブ65を有する。この目的のために、ノズル支持本体16は、
図5で見て、前記液体出口部位21,22に対して対向する横側に、それぞれチェックバルブ65を受けて支持するチェックバルブ支持部位66を有する。この場合、例示されたチェックバルブ65は、それぞれバネ作動式であり、チェックバルブ支持部位66にねじ込まれたチェックバルブキャップアセンブリ68と、チェックバルブ支持部位66の端部に隣接して位置決め可能なダイヤフラムと、ダイヤフラム69を閉位置に付勢する付勢ばね70とを備えている。
【0022】
[0026]本実施形態を実施するに際して、ノズル支持本体16は、(1)前方及び後方液体排出部位21,22に、及び(2)底部液体出口部位19によって担持された散布ノズル20に、液体を供給するための、独特のチェックバルブ制御の液体通路システムを有する。例示の実施形態では、
図5および
図6に最もよく示されるように、ノズル支持本体16は、液体入口通路33から液体チェックバルブ支持部位66の1つを通って横方向に連通する第1環状横通路75と、液体入口通路33および第1環状横液体通路75の両方に対向するチェックバルブ支持部位66を通って連通する第2環状横通路78とを含む。例示の実施形態では、
図6に示すように、左側のチェックバルブ支持部位66は、右側のチェックバルブ支持部位66よりも高く配置され、第1環状通路75の下のセグメント又は部分75aが第2環状通路75の上部位78aに連通する。
【0023】
[0027]動作中、チェックバルブ65が
図6に示されるように開位置にあるとき、例えば、液体供給圧力がバネ70の付勢力を克服し、チェックバルブダイヤフラム69を開くことによって、加圧された液体は、液体入口通路33、第1環状通路部位75から、第1環状通路部位75内の中央戻り通路80を通る方向に、ノズル支持本体16内の横断通路81を通って、第2および第3液体出口部位21,22内のそれぞれの出口通路81a、81bを通って、タレット散布ノズル24から液体出口部位21,22のいずれかまたは両方に放出されるように、それぞれ連通する。同時に、液体は、入口通路33から第2環状通路78を通って移動し、底部液体出口部位19の液体出口通路84に連通する第2環状通路78内の中央チェックバルブ戻り通路82を通って、かつ、そこに支持された散布ノズル20を通って戻る。
図7に示すように、チェックバルブ65が液体供給の減圧時のように閉位置に移動されると、液体入口通路33及び第1環状横通路75からの流れが遮断され、中央戻り通路80及び横供給通路81aを通ってタレット散布ノズル24への流れが終了し、同時に、液体供給通路33及び第2環状横通路78からの液体供給が終了し、中央チェックバルブ戻り通路82及び液体出口通路84を通って散布ノズル20への流れが遮断される。
【0024】
[0028]電子式または空気圧式制御チェックバルブを含む他の形式のチェックバルブを使用することができることが理解されよう。電子式チェックバルブは、実質的に長さを長くすることができるが、液体供給導管14に対して整列した状態で横に対向する逆止め弁支持部位66によって支持されているので、ブーム部位が後退した格納位置または移動位置に旋回する際に、他の散布ノズルアセンブリ11と干渉するように、外側に突出したり、散布ノズルアセンブリ11の横断する設置面積を増大させたりすることはない。
【0025】
[0029]従って、上述のことから、液体散布ブームは、その長さに沿って多数の散布ノズルアセンブリを備え、散布ノズルアセンブリの接触係合を妨げることなく、ブームの部位を左右に折り畳む又は旋回させることをより確実に可能にするように設計されていることが分かる。さらに、散布ノズルアセンブリは、アセンブリの横断の設置面積に影響を与えることなく多数のチェックバルブの使用を可能にする独特のチェックバルブ液体制御システムを有するコンパクトな設計を有する。
【国際調査報告】