(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ピペットチップトレイおよびラックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B01L 9/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
B01L9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529299
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 US2019060880
(87)【国際公開番号】W WO2020112344
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】レイシー,ウィリアム ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】シート,ポール ケヴィン
【テーマコード(参考)】
4G057
【Fターム(参考)】
4G057AE08
4G057AE23
(57)【要約】
複数の革新的特徴を有するピペットチップシステムの様々な実現形態が開示されている。1つの実現形態では、ピペットチップトレイは、支持プレートと、支持プレートの底部から下方へ延びる1つ以上のスリーブとを含む。スリーブは、トレイに保管されたピペットチップの安定性を増大させるように構成することができる。別の実現形態では、ピペットチップラックは、下方へ延びるスリーブを有するピペットチップトレイの下方に延びる1つ以上の支持壁を有するラックベースを含む。支持壁が支持プレートの底部に到達することができるように、スリーブの側壁の厚さを支持壁の領域において減じることができる。別の実現形態では、ピペットチップラックは、カバーの底部にクッション層を有するカバーを含み、このカバーは、ピペットチップの上部に接触し、取扱いおよび輸送中にピペットチップを安定させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペットチップトレイであって、
支持プレートと、
前記支持プレートの底面から下方へ延びるスリーブと、
前記ピペットチップトレイを通って延びる、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された前記スリーブにおける穴を含む、穴と、
を含み、
前記穴はテーパ形状を有し、
前記支持プレートの前記底面における前記穴の幅に対する、前記ピペットチップトレイを貫く前記穴の長さの比は、少なくとも2である、ピペットチップトレイ。
【請求項2】
前記スリーブは、前記穴を形成する1つ以上の内面を含み、前記1つ以上の内面の総表面積の少なくとも50%が、前記ピペットチップと接触するように構成されている、請求項1記載のピペットチップトレイ。
【請求項3】
前記穴はスリーブ穴であり、前記ピペットトレイは、前記トレイを通って延びる、前記スリーブ穴を含む、トレイ穴を有し、前記トレイ穴はテーパ形状を有する、請求項1記載のピペットチップトレイ。
【請求項4】
前記ピペットチップトレイは、前記スリーブのうちの少なくとも2つを含み、前記各スリーブは、前記穴の中心を通って延びる中心軸線を有し、前記穴の前記中心軸線は、互いに平行である、請求項1記載のピペットチップトレイ。
【請求項5】
前記ピペットチップトレイは、前記穴に配置された前記ピペットチップを含み、前記穴の形状と前記ピペットチップの形状とは、互いに対応している、請求項1記載のピペットチップトレイ。
【請求項6】
ピペットチップラックアセンブリであって、
ラックベースと、
前記ラックベース上に配置されかつ前記ラックベースによって支持されており、穴を含む、ピペットチップトレイと、
前記ピペットチップトレイにおける前記穴に配置されたピペットチップと、
前記ラックベースに結合されており、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である、カバーと、
を含み、
前記カバーの底部は、クッション層を含み、
前記カバーの前記底部における前記クッション層は、前記ピペットチップの上部と接触する、ピペットチップラックアセンブリ。
【請求項7】
前記クッション層は、非導電性である、請求項6記載のピペットチップラックアセンブリ。
【請求項8】
前記クッション層は、ポリエステルを含む、請求項6記載のピペットチップラックアセンブリ。
【請求項9】
前記クッション層は、約5ミル(127μm)~約50ミル(1270μm)の厚さである、請求項6記載のピペットチップラックアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国特許法第120条のもと、2018年11月28日に出願された米国仮特許出願第62/772269号の優先権の利益を主張し、その内容は本明細書の依拠するところであって、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本出願は、液体取扱いおよび分配システムに関連して使用されるピペットチップトレイおよび/またはピペットチップラックアセンブリに関連する。
【背景技術】
【0003】
液体取扱いおよび分配システムは、ある範囲の液体体積を正確かつ再現可能に取り扱うためにピペットチップを使用する。ピペットチップは、サンプルの処理、サンプルへの試薬の添加などの様々な目的に使用することができる。液体取扱いおよび分配システムは、例えば、医療研究所、研究施設などを含む様々な産業および施設において使用されている。
【0004】
ピペットチップは、分配装置に連結されるように構成された一方の端部における開口と、他方の端部におけるより小さな穴とを有し、このより小さな穴を通じて液体を引き出して分配することができる。ピペットチップは、輸送、保管および使用のためにピペットチップラックアセンブリに配置されることが多い。ラックアセンブリのサイズは様々であり、一部のラックは、数ダース、数百またはさらには数千以上のピペットチップを保持するように構成されている。
【0005】
従来のトレイおよびラックの組合せに関する1つの問題は、輸送中の、ピペットチップとトレイまたはラックアセンブリとの間での移動、湿度の変化、滅菌プロセスなどにより、ピペットチップが静電気を帯びる可能性があることである。静電荷は多くの問題を引き起こす可能性がある。1つの問題は、静電荷が液体のピックアップおよび分配操作、特に小さな液体体積を伴う操作を妨げる可能性があるということである。静電荷は、荷電分子との相互作用により、溶液の化学的特性にも影響を与える可能性がある。このことは、これらの要因が重要である実験の結果に影響を与える可能性がある。
【0006】
静電荷により、ピペットチップがラックアセンブリ上で不整列になる可能性がある。望ましい整列は、通常、真直ぐおよび/またはラック面に対して垂直である。ピペットチップがラックアセンブリに正しく配置されていないと、ピペットチップが分配装置上で不整列になったり、分配装置から脱落したり、分配装置によって押し潰されたりする可能性がある。これは、分配装置が液体を正確に吸引して分配することができない状況につながる可能性がある。幾つかの状況では、ピペットチップシステムおよび/または対応するウェルプレートサンプルの汚染につながる可能性さえある。最終的には、著しい、コストのかかるダウンタイムが生じる。
【0007】
これらの問題は、高密度ラックアセンブリでは特に深刻である。このようなアセンブリにおけるピペットチップは一般により小さく、静電荷による不整列の影響をより受けやすい。ピペットチップはまた、静電荷の影響をより受けやすい小さな液体体積を含んでいる。
【発明の概要】
【0008】
ピペットチップトレイおよびピペットチップラックアセンブリは、液体取扱いおよび分配システムにおける輸送、取扱いおよび/または使用中に1つ以上のピペットチップを保持および支持するために使用することができる。トレイは、支持プレートと、支持プレートの表面から外方へ延びる1つ以上のスリーブとを含むことができる。スリーブはそれぞれ、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成している。スリーブは、ピペットチップを支持し、ピペットチップが不整列になることを防止する。
【0009】
ラックアセンブリは、ラックベースおよびカバーを含むことができる。ベースは、トレイを受容しかつ支持するように構成されている。カバーは、ピペットチップがトレイにおいて移動し、不整列になることを防止するように構成することができる。これは、カバーを閉じたときにピペットチップの上部の近くにまたはピペットチップの上部と接触するようにカバーを配置することによって達成することができる。
【0010】
トレイおよびラックアセンブリは、以下の潜在的な利点の1つ以上を実現するために様々な形式で実行することができる。1つの利点は、ピペットチップトレイおよびラックアセンブリは、ピペットチップの不整合を生じかつ液体取扱い操作を妨害する静電気の発生を低減するということである。アセンブリは、ラックアセンブリにおけるピペットチップの移動を減じるまたは防止するように構造化されることによってこのことを行うことができる。
【0011】
別の利点は、スリーブが、トレイおよびラックアセンブリを強化して、ピペットチップを自動分配装置に結合するプロセス中、トレイおよびラックアセンブリに加えられる荷重にトレイおよびラックアセンブリがより耐えることができるようにすることである。さらに別の利点は、ピペットチップは、従来のチップシステムのように、トレイおよびラックアセンブリ内で同じ高さであるため、新しいチップシステムを使用するために自動化システムを再プログラムする必要がないということである。
【0012】
これらの利点は、いずれのピペットチップトレイおよびラックにも該当するが、少なくとも96個のピペットチップを保持するように構成されたもののような、高密度ピペットチップトレイおよびラックに特に該当する。
【0013】
トレイの革新的な態様の1つは、ピペットチップとトレイとの間の接触または係合の量を増大させることによって実行することができる。接触量の増大は、ピペットチップとトレイとの間の移動を減じるまたは防止することができる。ピペットチップの相対的な移動を減じるおよび/または防止するのに十分な接触量は、ピペットチップならびにトレイおよびラックアセンブリの特定の設計に基づいて変化することができる。
【0014】
一実現形態では、トレイは、支持プレートの底面から下方へ延びる1つ以上のスリーブを含むことができる。スリーブの穴は、ピペットチップとの接触量を増大させるように成形することができる。例えば、穴を形成する総表面積の少なくとも50%は、ピペットチップと接触するように構成することができる。幾つかの場合、穴は、ピペットチップのテーパ形状に対応するテーパ形状を有することができる。
【0015】
トレイの別の革新的な態様は、ベースにおいて上方へ延びる支持壁に隣接する領域におけるスリーブの厚さを減じることによって実行することができる。これにより、スリーブは、下にある支持壁を収容しながらも、ピペットチップに接触し、ピペットチップの移動を防止することができる。
【0016】
ラックアセンブリの1つの革新的な態様は、カバーの底とピペットチップとの間の間隙を減じるまたは排除することによって実行することができる。これは、輸送、取扱いおよび使用中のピペットチップの移動をさらに減じるのに役立つ。一実現形態では、カバーの底は、ピペットチップの上部に接触しかつそれらを所定の位置に保持するクッション材料の層でコーティングすることができるまたは当該クッション材料の層を含むことができる。
【0017】
本開示のシステム、方法および装置はそれぞれ幾つかの革新的な態様を有しており、それらのうちの1つのみに記載された望ましい属性が帰せられるものではない。発明の概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される簡略化された形式で概念の選択を紹介するために提供されている。発明の概要および背景技術は、開示された対象の主要な概念または重要な態様を特定することを意図するものではなく、また、特許請求の範囲を制約または制限するために用いられるべきではない。例えば、特許請求の範囲は、列挙された対象が、発明の概要に記載された態様のいずれかまたは全てを含むかどうかおよび/または背景技術に記載された課題のいずれかを解決するかどうかに基づいて制限されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
好ましい実施形態および他の実施形態は、添付の図面に関連して開示される。
【
図1】本開示の実施形態による、ピペットチップを保持するピペットチップトレイを含むピペットチップラックアセンブリの斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1のトレイの上面斜視図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図1のトレイの底面斜視図である。
【
図4】本開示の実施形態による、ラックベースから上方へ延びる支持壁によって支持されたトレイを示す、
図1のラックアセンブリの断面斜視図である。
【
図5】本開示の実施形態による、トレイにおけるピペットチップを示す、
図1のラックアセンブリの断面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、ピペットチップを保持する
図2のピペットチップトレイの底面斜視図である。
【
図7】本開示の実施形態による、カバーの底とピペットチップの上部との間に間隙を有する、
図1のラックアセンブリの一実現形態の正面図である。
【
図8】本開示の実施形態による、ピペットチップの上部と接触するカバーの底部にクッション層を有する、
図1のラックアセンブリの別の実現形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ピペットチップラックアセンブリ
図1は、ラックベース12(代替的に支持ベースまたはラック支持ベースとも称される)と、カバー14(代替的にラックカバー、蓋またはラック蓋とも称される)と、ピペットチップ18を支持するピペットチップトレイ16(代替的にピペットチップインサート、ピペットチップラックインサート、ピペットチッププレート、ピペットチップデッキとも称される)とを含む、ピペットチップラックアセンブリ10(代替的にピペットチップラック、ピペットチップボックス、ピペットチップアセンブリとも称される)の一実現形態の斜視図である。ベース12はトレイ16を支持しており、カバー14は、ベース12上に嵌合してベースに結合され、ピペットチップ18を保護しかつ包囲している。
【0020】
ラックアセンブリ10は、手動または自動ピペッティングシステムなどのあらゆる適切な液体取扱いおよび分配システムと共に使用することができる。一般に、ラックアセンブリ10は、ピペットチップ18を保持しかつピペットチップ18を分配装置に提供するために使用され、分配装置は、液体をマイクロウェルプレート(マイクロプレート)へかつそこから移送するためにピペットチップ18を使用する。ラックアセンブリ10および分配装置の組合せは、ピペットチップシステムと称することができる。
【0021】
液体取扱いおよび分配システムは、以下のように液体を移送するためにピペットチップ18を使用する。ピペットチップ18は、分配装置の下側部分または遠位部分(一般にバレルまたはノズルと称される)をピペットチップ18の上部と接触させて配置し、圧縮力を加えることによって、分配装置に結合される。
【0022】
ピペットチップ18が取り付けられた分配装置が液体と接触するように移動させられ、負圧がピペットチップ18に加えられ、液体を吸い込む。分配装置は分配位置へ移動させられ、液体を分配するためにピペットチップ18に正圧が加えられる。
【0023】
この基本的な手順は、液体を1つの位置から別の位置へ移送するために使用することができる。例えば、この手順は、液体を供給源からマイクロプレートへ移送する、1つのマイクロプレートから別のマイクロプレートへ移送するなどのために、使用することができる。
【0024】
幾つかの実現形態では、ラックアセンブリ10は、手動または自動のピペッティングシステムの一部であるピペッティングヘッドに関連して使用することができる。ピペッティングヘッドは、ピペットチップ18に負圧および正圧を提供するように構成された蠕動ポンプシステムまたはその他の適切なシステムを使用して操作することができる。ピペッティングヘッドは、マルチチャネルまたはシングルチャネルのピペッティングヘッドとすることができる。ピペッティングヘッドの位置および操作は、サーボモータまたはステッピングモータを使用して制御することもできる。ラックアセンブリ10は、あらゆる液体取扱いおよび分配システムおよび/またはあらゆるピペッティングヘッドと共に使用することができることを認識すべきである。
【0025】
カバー14は、ラックアセンブリ10が開放され、トレイ16が覆われない開放位置と、ラックアセンブリ10が閉鎖され、トレイ16が覆われる閉鎖位置との間を移動する。カバー14は、様々な方法でベース12に結合することができ、カバー14を開放位置と閉鎖位置との間で移動させることができる。一実現形態では、カバー14は、ベース12の一方の側に枢動可能に結合されている。カバー14は、カバーが直立してほぼ垂直である開放位置と、カバーが倒れほぼ水平である閉鎖位置との間で回転する。
【0026】
ラックアセンブリ10は、所与の実現形態に応じて様々な特徴を有することができる。例えば、幾つかの実現形態では、ラックアセンブリ10は、使い捨て可能または再利用可能であるように構成することができる。幾つかの実現形態では、ラックアセンブリ10は、オートクレーブ可能であるように構成することができる。幾つかの実現形態では、ラックアセンブリ10は、モジュール式および/または積み重ね可能であるように構成することができる。
【0027】
ラックアセンブリ10の構成要素は、あらゆる適切な材料から形成することができることを認識すべきである。幾つかの実現形態では、これらの構成要素は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックから形成することができる。幾つかのその他の実現形態では、これらの構成要素は、金属、複合材料、セラミック、ガラス、木材などから形成することができる。構成要素は、同じ材料または異なる材料の組合せから形成することができる。
【0028】
図1に示したラックアセンブリ10に多くの変更を加えることができることを認識すべきである。例えば、幾つかの実現形態では、ラックアセンブリ10は、カバー14なしで提供することができる。トレイ16は、永続的に覆われないままとすることができる。その他の実現形態では、ラックアセンブリ10は異なるサイズとすることができる。例えば、ラックアセンブリ10は、より多くのまたはより少ないピペットチップ18を保持するように構成すること、より低くまたはより高く構成すること、などができる。
【0029】
ピペットチップトレイ
図2および
図3は、
図1のピペットチップトレイ16の上面および底面の斜視図である。トレイ16は、上面22と、底面24と、底面24から下方へ延びるスリーブ26(代替的にシリンダとも称される)を有する支持プレート20(代替的にトレイ面とも称される)を含む。
【0030】
図2および
図3に示したトレイ16は、384個のピペットチップ18を保持するように構成されている。しかしながら、トレイ16は、より多いまたはより少ないピペットチップ18を保持するように構成することができることを認識すべきである。トレイ16が保持するように構成されたピペットチップ18の数は、1~数千の範囲であってよい。幾つかの実現形態では、トレイ16は、高密度ピペットチップトレイと見なすことができ、これは、少なくとも96個のピペットチップ18を有するトレイを指すために使用される用語である。
【0031】
以下は、トレイ16の適切な構成の幾つかの例である。幾つかの実現形態では、トレイ16は、少なくとも48個のピペットチップ、少なくとも96個のピペットチップ、少なくとも192個のピペットチップ、少なくとも384個のピペットチップ、少なくとも768個のピペットチップまたは少なくとも1536個のピペットチップを保持するように構成されている。幾つかの実現形態では、トレイ16は、48個~1536個のピペットチップまたは96個から384個のピペットチップを保持するように構成されている。
【0032】
トレイ16は、ピペットチップ18を受容しかつ支持または保持するように構成された穴28(代替的にボアまたはトレイ穴とも称される)を含む。概念的に、各穴28は、支持プレート20およびスリーブ26をそれぞれ貫いた別個の同心状の穴30,32の組合せ(
図5)と見なすことができる。
【0033】
支持プレート20を通る穴30は、プレート穴30と称されることもあり、スリーブ26を通る穴32は、スリーブ穴32と称されることもある。トレイ16における穴28のいずれの説明も、支持プレート20およびスリーブ26それぞれにおける各穴30,32に等しくかつ別個に該当することができる。これは、例えば、穴28についての、テーパ状となっているという説明が、支持プレート20における穴30およびスリーブ26における穴32に等しくかつ別個に該当することを意味する。
【0034】
ピペットチップ18は、ラックアセンブリ10の断面図である
図4および
図5に示された形式で穴28に嵌合する。各ピペットチップ18は、細長いテーパ形状を有し、上部34(代替的に上部部分または上端とも称される)、下部36(代替的に下部部分または下端とも称される)およびフランジ部分38(代替的にフランジまたは拡開部分も称される)を含む。
【0035】
トレイ16における穴28は、ピペットチップ18の底部36を受容するようにサイズ決めされている。フランジ部分38が支持プレート20の上面22に到達するまで、ピペットチップ18を穴28に挿入することができる。フランジ部分38は、穴28よりも大きく、穴28を通るピペットチップ18のさらなる移動を防止する。ピペットチップ18は、フランジ部分38によって支持プレート20の上面22上で支持されている。
【0036】
再び
図2および
図3を参照すると、穴28は、支持プレート20上で互いに均等に離隔させられている。同様に、ピペットチップ18も、
図4および
図5に示したように、トレイ16上で互いに均等に離隔させられている。このようにピペットチップ18を離隔させることにより、不均等に離隔させられたピペットチップ18と比較して、ピペットチップ18を分配装置に結合することがより容易になる。しかしながら、ピペットチップ18は、均等または不均等なあらゆる適切な形式で離隔させることができることを認識すべきである。
【0037】
トレイ16における穴28は、
図5に示した円錐台形状のようなテーパ環状形状を有する。ピペットチップ18も、穴28の内側に適合する対応するテーパ環状形状を有することができる。穴28およびピペットチップ18は、
図5に示した形式において穴28の内面全体がピペットチップ18の外面に接触するように構成されている。穴28を形成する1つまたは複数の面と、ピペットチップ18の外面との接触量は、ピペットチップ18が移動して静電荷を生成するのを防止することおよび/またはピペットチップ18をトレイ16に対して完全な垂直位置に保持することに役立つ。
【0038】
穴28およびピペットチップ18は、ピペットチップ18の過度の移動およびその結果として生じる望ましくない静電荷を防止するのに十分である限り、あらゆる適切な形状および/または互いとの接触量を有することができることを認識すべきである。以下は、穴28およびピペットチップ18の代替的な構成の幾つかの例である。穴28とピペットチップ18との間に大きな接触量を生じる構成、例えば、穴28の長さが直径の1.5~2.0倍であることが通常は好ましいことを認識すべきである。
【0039】
幾つかの実現形態では、穴28およびピペットチップ18の少なくとも一部は、対応する断面形状、言い換えれば、一致するまたは少なくとも実質的に一致する断面形状を有する。例えば、穴28(または穴28を形成する1つ以上の面)およびピペットチップ18の両方は、円筒形、多角形(三角形、長方形、正方形、五角形、六角形、八角形など)、楕円形、不規則な形状などであってよい。穴28およびピペットチップ18は、異なる断面形状を有することもできる。
【0040】
穴28およびピペットチップ18の形状は、穴28の長さにわたって同じであってよく、または変化していてもよい。例えば、幾つかの実現形態では、穴28およびピペットチップ18は、穴28の上部の近くでより大きく、穴28の底部に向かって下向きにテーパ状となっていてもよい。その他の実現形態では、穴28およびピペットチップ18は、上部および底部において同じサイズであってよい。その他の実現形態では、穴28およびピペットチップ18は、穴28の長さの少なくとも50%、穴28の長さの少なくとも75%、穴28の長さの少なくとも90%または穴28の長さの少なくとも95%にわたって同じ形状を有することができる。
【0041】
幾つかの実現形態では、各穴28を形成する総表面積(穴28の境界を形成する1つ以上の内面の表面積)の少なくとも50%が、各ピペットチップ18の外面に接触するように構成されている。ピペットチップ18の外面に接触するように構成された各穴28を形成する総表面積の量は、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%であってもよい。
【0042】
幾つかの実現形態では、穴28の長さは、少なくとも穴28の幅と同じ大きさであってよく、幅は、支持プレート20の上面または下面22,24のいずれかにおいて測定される。穴28の幅は、上面または下面22,24における穴28の最大の断面寸法を指すことに留意すべきである。穴28が円形である場合、幅は穴28の直径である。
【0043】
図5における支持プレート20の上面22において測定された穴28の幅に対する穴28の長さの比は、約2(2:1)である。しかしながら、穴28の幅に対する穴28の長さの比(いずれかの面22,24において測定される)は、実質的に変化させることができることを認識すべきである。一般に、より大きな比率は、ピペットチップ18をより安定させ、望ましくない移動を生じにくくさせる。幾つかの実現形態では、各穴28の長さ/幅の比は、少なくとも1(1:1)、少なくとも1.25、少なくとも1.5、少なくとも1.75または少なくとも1.9である。その他の実現形態では、各穴28の長さ/幅の比は、1~3、1.25~2.75、1.5~2.5、1.75~2.25、1.9~2.1または2である。
【0044】
ピペットチップ18は、あらゆる適切な体積の液体を保持するように構成することができる。一般に、ピペットチップ18の容積は、トレイ16の密度が増加するにつれて減少する。幾つかの実現形態では、ピペットチップ18の容積は、200μl以下、100μl以下、50μl以下または30μl以下でありうる。トレイ16の密度が増加するにつれて、ピペットヘッドのピックアップのためにピペットチップ18を完全に垂直な位置に維持する必要性が高まる。
【0045】
支持プレート
図2および
図3を参照して、支持プレート20およびスリーブ26をより詳細に説明する。支持プレート20は、ベース12によって支持された平らなまたは平坦な長方形の構成要素として
図2および
図3に示されている。しかしながら、支持プレート20はあらゆる適切な形状を有することができることを認識すべきである。支持プレート20は、ラックアセンブリ10に関連して上で説明されたもののいずれかを含むあらゆる適切な材料から形成することもできる。
【0046】
穴28を除いて、支持プレート20は完全に中実であるかまたはほぼ完全に中実である。支持プレート20は、支持プレート20の下方のオープンスペースまで延びるいかなるその他の穴も含まない。支持プレート20は、縁部において穴40およびその他の種々の穴を含むが、これらの穴は、支持プレート20の下方のオープンスペースまで貫通していない。穴40は、支持プレート20を所定の位置に保持するために、ベース12から上方に延びる対応する突起42を受容する。
【0047】
支持プレート20は、多くのその他の構成を有することができることを認識すべきである。幾つかの実現形態では、ピペットチップ18のための穴28を除く、中実である支持プレート20の割合は、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%である。
【0048】
スリーブ
スリーブ26は、支持プレート20の底面24から下方へ延びる1つまたは複数の側壁48を含む。スリーブ26は、鉛直方向にかつ少なくとも互いにほぼ平行に延びる中心軸線を規定している。中心軸線は、スリーブ26における穴32およびトレイ16における穴28の中心を通過している。
【0049】
スリーブ26は、
図3~
図5に示したように、円筒形の外部と、テーパ環状の内部(例えば、円錐台形)とを有する。スリーブ26はまた、支持プレート20の底面24において互いに離隔させられた分離した別個の構成要素である。
【0050】
スリーブ26は、多くのその他の構成を有することができることを認識すべきである。例えば、幾つかの実現形態では、スリーブ26は、穴28およびピペットチップ18に関連して上述した形式のいずれかにおいて成形された内面または外面を有することができる。同様に、分離した構成要素である代わりに、スリーブ26は、隣接するスリーブ26と一体的に形成することができるかまたはリブまたはその他の接続構造によって隣接するスリーブと相互接続させることができる。
【0051】
穴32は、スリーブ26を通って延び、トレイ16を通って延びる穴28の下部を形成している。穴32は、上記の穴28の性質、特性または寸法のいずれも有することができる。例えば、穴32は、円錐台形状などのテーパ環状形状を有することができる。穴32は、ピペットチップ18の形状に対応することもできる。穴32を形成する1つ以上の面の間の接触量は、穴28について上で説明したものと同じであってよい。
【0052】
穴32およびピペットチップ18の形状は、穴32の長さにわたって同じであってよく、または変化していてもよい。例えば、幾つかの実現形態では、穴32およびピペットチップ18は、穴32の上部の近くでより大きく、穴32の底部に向かって下方へテーパ状となっていてもよい。その他の実現形態では、穴32およびピペットチップ18は、上部および下部において同じサイズであってよい。その他の実現形態では、穴32およびピペットチップ18は、穴32の長さの少なくとも50%、穴32の長さの少なくとも75%、穴32の長さの少なくとも90%または穴32の長さの少なくとも95%にわたって同じ形状を有することができる。
【0053】
幾つかの実現形態では、各穴32を形成する総表面積の少なくとも50%が、各ピペットチップ18の外面に接触するように構成されている。ピペットチップ18の外面に接触するように構成された、各穴32を形成する総表面積の量は、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%であってよい。
【0054】
幾つかの実現形態では、穴32の長さは、少なくとも穴32の幅と同じ大きさであってよく、幅は、支持プレート20の底面24、または言い換えれば穴32の上部において測定される。穴32の幅は、底面24における穴32の最大断面寸法を指すことに留意すべきである。穴32が円形である場合、幅は穴32の直径である。
【0055】
図5の支持プレート20の底面24において測定された穴32の幅に対する穴32の長さの比は、約1(1:1)である。しかしながら、穴32の幅(底面24において測定される)に対する穴32の長さの比は、実質的に変化することができることを認識すべきである。一般に、より大きな比率は、ピペットチップ18をより安定させ、望ましくない移動を生じにくくする。幾つかの実現形態では、各穴32の長さ/幅の比は、少なくとも0.5(1:2)、少なくとも0.75または少なくとも0.9である。その他の実現形態では、各穴32の長さ/幅の比は、0.5~2.5、0.75~2.25、1~2.1または1.5~2である。
【0056】
支持プレート20を貫く穴30は、穴32について説明された性質、特性または寸法のいずれも有することができることに留意すべきである。これは、例えば、穴30の形状、ピペットチップ18と接触する、穴30を形成する総表面積の量および穴32の幅に対する穴32の長さの比を含むが、穴32の幅は、支持プレート20の上面または底面22,24のいずれかにおいて測定することができる。
【0057】
スリーブ26を支持プレート20の底面24に配置することは、幾つかの利点を提供する。1つの利点は、ピペットチップ18が分配装置によってピックアップされるときに生じる荷重に耐えるようにトレイ16を強化することである。ピペットチップ18を分配装置に取り付けるプロセスは、結果的にトレイ16に著しい大きさの力が加わる可能性がある。スリーブ26は、トレイ16に追加的な構造的支持を追加し、トレイ16をより弾性にし、力を処理することができるようにする。
【0058】
スリーブ26を底面24に配置することの別の利点は、分配装置に対するピペットチップ18の高さ(高さはZ軸である)を変化させないことである。これは、トレイ16を従来のトレイの代わりに使用することができ、ピペットチップ18が同じ高さになることを意味する。ピペットチップ18の高さの違いを考慮するために、分配装置を再プログラムまたは再構成する必要はない。
【0059】
トレイ16の幾つかの実現形態は、支持プレート20の上面22から上方に延びるスリーブを含むことができることを認識すべきである。上方に延びるスリーブは、スリーブ26に関連して上述した性質、特性または寸法のいずれも有することができる。このような実現形態では、底面24は、スリーブ26を含むことができるかまたは平らであってよい。上向きのスリーブも可能であるが、少なくとも以下の理由から一般的にはあまり望ましくない。
【0060】
第1に、上方に延びるスリーブは、自動化ヘッドがピペットチップ18をピックアップするときに自動化ヘッドによって加えられる荷重の多くを吸収する必要があり、この荷重がスリーブを変形させる可能性がある。第2に、ラックアセンブリ10のその他の構成要素が同じままであると仮定すると、ピペットチップ18の上部34がより高くなり、これは、その変化を打ち消すために液体取扱いおよび分配システムを再プログラムするかまたはさもなければ再構成する必要があることを意味する。
【0061】
ラックベース
図4および
図5を参照すると、ラックベース12は、ベース12の周囲または側面に配置された側壁44と、トレイ16の下方に側壁44の間に延びる支持壁46(代替的にリブまたは支持リブとも称される)とを含むことができる。支持壁46は、トレイ16の下方にグリッドパターンを形成しており、支持壁46の1つのグループは、支持壁46の別のグループに対して垂直に配置されている。
【0062】
支持壁46は、ベース12の底部から上方へ延びており、支持プレート20の底面24に接触している。支持壁46は、トレイ16に追加的な支持を提供するので、トレイ16は、ピペットチップ18をピックアップすることに関連する力に耐えることができる。
【0063】
図3~
図5に示したベース12は、ラックアセンブリ10の縦方向に延びる3つの支持壁46と、横方向に延びる5つの支持壁46とを含む。ベース12は、より多くのまたはより少ない支持壁46を含むことができ、支持壁46は、異なる空間構成を有することができることを認識すべきである。例えば、支持壁46は、トレイ16の下方で対角線上に延びるように構成することができる。また、支持壁46は、垂直に延びる支持壁46なしに、互いに平行に構成することができる。多数のバリエーションが可能である。
【0064】
スリーブ26は、支持壁46を支持プレート20の底面24に接触させるように変更される。これは、支持壁46に隣接する領域においてスリーブ26の側壁48の1つまたは複数の側を切り取ることによって行われる。
図3に示したように、スリーブ26の幾つかは1つの側が切り取られているが、スリーブ26の幾つかは2つの側が切り取られている。2つの側が切り取られたスリーブ26は、2つの垂直な支持壁46が交差する位置に隣接している。切り取られた側壁48を有するスリーブ26は、切り取られたスリーブと称することができる。
【0065】
切り取られたスリーブ26の側壁48はより薄いが、側壁48は依然としてスリーブ26において穴32を取り囲み、形成している。このように側壁48を薄くすることにより、支持壁46を受容するようにサイズ決めおよび成形されたスリーブ26の間にチャネル50が形成される。チャネル50は、
図3に示されている。
【0066】
図3に示したように、チャネル50は、支持プレート20の底面24上に、それぞれが16個のスリーブ26を含んだ正方形を形成する。その他の実現形態では、チャネル50は、底部24に、あらゆる数のスリーブ26を含んだあらゆる多角形を形成することができることを認識すべきである。例えば、チャネル50は、8~32個のスリーブ26を含んだ多角形を形成することができる。
【0067】
支持壁46がトレイ16を支持する形式に対して多くの修正を行うことができることも認識すべきである。例えば、幾つかの実現形態では、スリーブ26の側壁48を、支持壁46に隣接する領域において完全に除去することができる。これらの実現形態では、穴32はこれらの領域において開放したままにすることができ、または支持壁46は、穴32の欠落部分を形成するように構成することができる。
【0068】
カバー
図1、
図4および
図5を参照すると、カバー14は、上部52および下部54を含む。上部52は、ベース12の底部の対応する凹所58によって受容されるように構成された、上方へ延びる突起56を含む。突起56および凹所58は、複数のラックアセンブリ10を安定した形式で互いの上に積み重ねることを可能にする。
【0069】
図7は、カバー14の底部54とピペットチップ18の上部34との間に間隙を有するラックアセンブリ10の一実現形態の正面図である。輸送、取扱いおよび使用中のピペットチップ18の移動をさらに減じるために、間隙のサイズを減少させることができる。例えば、幾つかの実現形態では、底部54とピペットチップ18の上部34との間の距離は、50ミル(約1.25mm)以下、40ミル(約1mm)、35ミル(約0.9mm)以下または30ミル(約0.75mm)以下とすることができる。その他の実現形態では、底部54と、ピペットチップ18の上部34との間の距離は、5~45ミル(0.127~1.143mm)、10~40ミル(0.254~1.016mm)、15~35ミル(0.381~0.889mm)または20~30ミル(0.508~0.762mm)とすることができる。
【0070】
図8は、ピペットチップ18の上部34と接触するカバー14の底部54上にクッション層60(代替的にクッションフィルムとも称される)を有するラックアセンブリ10の別の実現形態の正面図である。クッション層60は、ピペットチップ18をトレイ16の上部に対して押し付ける。これは、輸送、取扱いおよび使用中のピペットチップ18の移動をさらに低減および/または防止するのに役立つ。
【0071】
クッション層60は、通常はカバー14の他の部分を形成するために使用される材料である、クッション層が取り付けられる材料よりも柔軟である。幾つかの実現形態では、クッション層60は、クッション層60が取り付けられる基板(代替的に支持層または構造層とも称される)よりも、少なくとも50%、少なくとも100%または少なくとも150%柔軟であってよい。クッション層60および基板の柔軟性は、ロックウェル硬度計またはショア硬度計などの適切な硬度計を使用して測定することができる。
【0072】
クッション層60は、あらゆる適切な厚さであってよく、かつあらゆる適切な材料から形成することができる。幾つかの実現形態では、クッション層60は、5~50ミル(127~1270μm)の厚さ、7~30ミル(178~762μm)の厚さまたは10~20ミル(254~508μm)の厚さである。幾つかの実現形態では、クッション層60は、ポリエステル材料などのポリマー材料であってよい。幾つかの実現形態では、クッション層60は、非導電性または電気絶縁性の材料から形成することができる。幾つかの実現形態では、クッション層60は、ピペットチップ18を輸送することによって生じる静電荷を減じるのを助けるために負電荷を保持することができる。
【0073】
例示的な実現形態
以下は、開示された対象の様々な実現形態の説明である。各実現形態は、開示された対象の様々な特徴、特性または利点のうちの1つまたは複数を含んでもよい。実現形態は、開示された対象の幾つかの態様を説明することが意図されており、全ての可能な実現形態の包括的または網羅的な説明と見なされるべきではない。
【0074】
P1.ピペットチップトレイであって、支持プレートと、支持プレートの底面から下方へ延びるスリーブと、を含み、スリーブは、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成しており、穴はテーパ形状を有する、ピペットチップトレイ。
【0075】
P2.穴は円錐形である、段落P1記載のピペットチップトレイ。
【0076】
P3.スリーブは環状である、段落P1またはP2のいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0077】
P4.穴はテーパ環状である、段落P1からP3までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0078】
P5.スリーブは、穴を形成する1つまたは複数の内面を含み、1つまたは複数の内面の総表面積の少なくとも50%が、ピペットチップに接触するように構成されている、段落P1からP4までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0079】
P6.ピペットチップトレイは、ピペットチップトレイを通って延びる、スリーブにおける穴を含む穴を有し、支持プレートの底面における穴の幅(例えば、直径)に対する、ピペットチップトレイを貫く穴の長さの比は、少なくとも1である、段落P1からP5までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0080】
P7.支持プレートの底面における穴の幅(例えば、直径)に対する、ピペットチップトレイを貫く穴の長さの比は、少なくとも1.5である、段落P1からP6までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0081】
P8.穴はスリーブ穴であり、ピペットトレイは、トレイを通って延びる、スリーブ穴を含むトレイ穴を有し、トレイ穴はテーパ形状を有する、段落P1からP7までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0082】
P9.トレイ穴は円錐形である、段落P8記載のピペットチップトレイ。
【0083】
P10.支持プレートの底面におけるトレイ穴の幅(例えば、直径)に対するトレイ穴の長さの比は、少なくとも1である、段落P8またはP9のいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0084】
P11.支持プレートの底面におけるトレイ穴の幅(例えば、直径)に対するトレイ穴の長さの比は、少なくとも1.5である、段落P8からP10までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0085】
P12.ピペットチップトレイは、少なくとも48個のスリーブを含む、段落P1からP11までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0086】
P13.ピペットチップトレイは、スリーブのうちの少なくとも2つを含み、スリーブのそれぞれは、穴の中心を通って延びる中心軸線を含み、穴の中心軸線は、互いに平行である、段落P1からP12までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0087】
P14.ピペットチップトレイは、穴に配置されたピペットチップを含み、穴の形状とピペットチップの形状とは、互いに対応している、段落P1からP13までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0088】
P15.ピペットチップトレイは、穴に配置されたピペットチップを含み、スリーブは、穴を形成する1つまたは複数の内面を含み、1つまたは複数の内面の総表面積の少なくとも50%がピペットチップに接触する、段落P1からP14までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0089】
P16.ピペットチップトレイは、穴に配置されたピペットチップを含み、穴およびピペットチップは、対応する円錐形を有する、段落P1からP15までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0090】
P17.ピペットチップトレイであって、支持プレートと、支持プレートの底面から下方へ延びるスリーブと、を含み、スリーブは、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成する1つ以上の面を含み、1つ以上内面の総表面積の少なくとも50%が、ピペットチップに接触するように構成されている、ピペットチップトレイ。
【0091】
P18.穴は円錐形である、段落P17記載のピペットチップトレイ。
【0092】
P19.スリーブは環状である、段落P17またはP18のいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0093】
P20.穴はテーパ環状である、段落17からP19までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0094】
P21.ピペットチップトレイは、ピペットチップトレイを通って延びる、スリーブにおける穴を含む穴を有し、支持プレートの底面における穴の幅(例えば、直径)に対する、ピペットチップトレイを貫く穴の長さの比は、少なくとも1である、段落P17からP20までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0095】
P22.支持プレートの底面における穴の幅(例えば、直径)に対する、ピペットチップトレイを貫く穴の長さの比は、少なくとも1.5である、段落P17からP21までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0096】
P23.穴はスリーブ穴であり、ピペットトレイは、トレイを通って延びる、スリーブ穴を含むトレイ穴を有し、トレイ穴はテーパ形状を有する、段落P17からP22までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0097】
P24.トレイ穴は、円錐形である、段落P23記載のピペットチップトレイ。
【0098】
P25.支持プレートの底面におけるトレイ穴の幅(例えば、直径)に対するトレイ穴の長さの比は、少なくとも1である、段落P23またはP24のいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0099】
P26.支持プレートの底面におけるトレイ穴の幅(例えば、直径)に対するトレイ穴の長さの比は、少なくとも1.5である、段落P23からP25までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0100】
P27.ピペットチップトレイは、少なくとも48個のスリーブを含む、段落P17からP26までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0101】
P28.ピペットチップトレイは、スリーブのうちの少なくとも2つを含み、スリーブのそれぞれは、穴の中心を通って延びる中心軸線を含み、穴の中心軸線は互いに平行である、段落P17からP27までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0102】
P29.ピペットチップトレイは、穴に配置されたピペットチップを含み、穴の形状と、ピペットチップの形状とが互いに対応している、段落P17からP28までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0103】
P30.ピペットチップトレイは、穴に配置されたピペットチップを含み、スリーブは、穴を規定する1つ以上の内面を含み、1つ以上の内面の総表面積の少なくとも50%がピペットチップに接触する、段落P17からP29までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0104】
P31.ピペットチップトレイは、穴に配置されたピペットチップを含み、穴およびピペットチップは、対応する円錐形を有する、段落P17からP30までのいずれか1つ記載のピペットチップトレイ。
【0105】
P32.ピペットチップラックアセンブリであって、支持壁を含むラックベースと、ラックベース上に配置されかつラックベースによって支持されたピペットチップトレイと、を含み、ピペットチップトレイは、下方へ延びかつピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成するスリーブを含み、支持壁は、ピペットチップトレイの下側に接触し、支持壁に隣接するスリーブの厚さは、支持壁に隣接しないスリーブの厚さに比べて減少している、ピペットチップラックアセンブリ。
【0106】
P33.スリーブは、切り取られたスリーブであり、ピペットチップトレイは、切り取られたスリーブを含む少なくとも48個のスリーブを含み、48個のスリーブによって形成された穴は、ピペットチップトレイ上で互いに均等に離隔させられている、段落P32記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0107】
P34.ラックベースは、対向する側壁を含み、支持壁は、対向する側壁の一方から対向する側壁の他方まで延びている、段落P32またはP33のいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0108】
P35.ラックベースは、ピペットチップトレイの下側に接触する少なくとも2つの支持壁を含む、段落P32からP34までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0109】
P36.少なくとも2つの支持壁は、互いに垂直に配置されている、段落P35記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0110】
P37.ピペットチップトレイは、段落P1からP31までに記載されているピペットチップトレイのいずれか1つである、段落P32からP36までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0111】
P38.ピペットチップラックアセンブリであって、ラックベースと、ラックベース上に配置されかつラックベースによって支持されており、穴を含む、ピペットチップトレイと、ピペットチップトレイにおける穴に配置されたピペットチップと、ラックベースに結合されており、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である、カバーと、を含み、カバーの底部はクッション層を含み、ピペットチップの上部は、カバーの底部におけるクッション層に接触している、ピペットチップラックアセンブリ。
【0112】
P39.クッション層は構造層に結合されており、クッション層は構造層よりも柔軟である、段落P38記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0113】
P40.クッション層は非導電性である、段落P38またはP39のいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0114】
P41.クッション層はポリエステルを含む、段落P38からP40までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0115】
P42.クッション層は、約5ミル(127μm)~約50ミル(1270μm)の厚さである、段落P38からP41までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0116】
P43.クッション層は、約7ミル(178μm)~約30ミル(762μm)の厚さである、段落P38からP42までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0117】
P44.クッション層は、約10ミル(254μm)~約20ミル(508μm)の厚さである、段落P38からP43までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0118】
P45.ピペットチップトレイが、段落P1~P31に記載のピペットチップトレイのいずれか1つである、段落P38からP44までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0119】
P46.ラックベースが、段落P32~P37に記載のラックベースのいずれか1つである、段落P38~P45までのいずれか1つ記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0120】
一般的な用語と解釈の規定
請求項または明細書に記載されているいずれの方法も、明示的に別段の定めがない限り、ステップが特定の順序で行われることを要求すると解釈されるべきではない。また、これらの方法は、明示的に別段の定めがない限り、列挙されたステップをあらゆる順序で行うための支持を提供していると解釈されるべきである。
【0121】
別個の実現形態の文脈において説明されているある特徴は、1つの実現形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、1つの実現形態の文脈において説明された様々な特徴は、複数の実現形態において別々にまたはあらゆる適切なサブコンビネーションにおいて実施することもできる。さらに、特徴は、ある組合せにおいて作用するものとして上記に記載されかつ最初はそのように請求されていることもあるが、請求された組合せの1つまたは複数の特徴は、幾つかの場合、その組合せから削除することができ、請求された組合せは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象としてもよい。
【0122】
“the”、“a”、“an”などの冠詞は、単数形または複数形を暗示することができる。また、先行する“either「どちらか」”(または「または」が排他的であることを明確に意味するその他の同様の言語、例えばxまたはyのうちの一方のみ、など)なしで使用される場合の「または」という単語は、包括的であると解釈される(例えば、「xまたはy」は、xまたはyの一方または両方を意味する)。
【0123】
「および/または」なる用語も、包括的であると解釈される(例えば、「xおよび/またはy」は、xまたはyの一方または両方を意味する)。「および/または」または「または」が3つ以上のアイテムのグループの接続詞として使用される状況では、グループは1つのアイテムのみ、全てのアイテム、またはアイテムのあらゆる組合せまたは数を含むと解釈すべきである。
【0124】
「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」なる用語は、「含む」および「含んでいる」なる用語と同義であると解釈すべきである。これらの用語の使用は、これらの用語が「からなる」または「実質的にからなる」に置き換えられた、より狭い代替的実現形態の開示および支持の提供としても理解すべきである。
【0125】
別段の定めがない限り、(特許請求の範囲以外の)本明細書において使用される寸法、物理的特性などを表すものなどの全ての数字または表現は、全ての例において「ほぼ」なる用語によって修飾されると理解される。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、「ほぼ」なる用語で修飾された、明細書または請求の範囲に記載されている各数値パラメータは、列挙された有効数字の数に照らして、通常の丸め技術を適用することによって解釈すべきである。
【0126】
開示された全ての範囲は、各範囲によって包含されたあらゆる部分範囲および全ての個々の値を列挙する請求項を包含しかつその支持を提供すると理解すべきである。例えば、1~10の言及された範囲は、最小値1と最大値10との間のかつ/またはそれらを包含するあらゆるおよび全ての部分範囲または個々の値を列挙する請求項を含みかつその支持を提供すると考えられるべきである。すなわち、最小値1以上で始まり、最大値10以下で終わる全ての部分範囲(例えば、5.5~10、2.34~3.56など)または1~10のあらゆる値(例えば、3、5.8、9.9994など)であり、これらの値は、単独でまたは最小値として(例えば、少なくとも5.8)または最大値として(例えば、9.9994以下)表すことができる。
【0127】
開示された全ての数値は、いずれかの方向で0~100%の範囲で可変であるものと理解すべきであり、したがって、このような値(単独で、または最小または最大として、例えば少なくとも<値>であるかまたは<値>以下である)またはこのような値によって形成することができるあらゆる範囲または部分範囲を列挙する請求項のための支持を提供する。例えば、記載されている数値8は、0~16(いずれかの方向で100%)まで変化し、範囲自体(例えば、0~16)、範囲内のあらゆる部分範囲(例えば、2~12.5)、あるいは最小値(例えば、少なくとも4.3)または最大値(例えば、12.4以下)として個々に表現されたその範囲内のあらゆる個々の値(例えば、15.2)を列挙する請求項のための支持を提供する。
【0128】
特許請求の範囲に記載されている用語は、広く使用されている一般辞書および/または関連技術辞書における関連する項目、当業者によって一般的に理解されている意味などを参照することによって決定される通常の慣習的な意味を与えられるべきである。これらの情報源のいずれか1つまたは組合せによって与えられる最も広い意味は、以下の例外のみを条件として、クレーム用語に与えられるべきであると理解される(例えば、2つ以上の関連する辞書項目は、項目の組合せの最も広い意味を提供するために組み合わされるべきである)が、以下の例外を有する:(a)用語が通常の慣習的な意味よりも拡張的な方法で使用されている場合、その用語には通常の慣習的な意味に加えて追加的な拡張的な意味が与えられるべきであり、または(b)ある用語がその用語の後に続く語句「この文書において使用されるように、~を意味する」または類似の語(例えば、「この用語は~を意味する」、「この用語は~として定義される」「本開示の目的のために、この用語は~を意味する」など)を引用することによって、異なる意味を有するように明示的に定義されている場合である。特定の例への言及、「すなわち」の使用、「発明」という言葉の使用などは、例外(b)を導き出すことまたは記載されたクレーム用語の範囲を制限することを意図するものではない。例外(b)が適用される状況を除いて、この文書に含まれるものは、請求範囲の放棄または否認と見なされるべきではない。
【0129】
特許請求の範囲に記載されている対象は、本明細書に記載または図示されているあらゆる実現形態、特徴または特徴の組合せと同一範囲ではなくかつ同一範囲であると解釈されるべきではない。これは、特徴の1つの実現形態または特徴の組合せのみが図示および記載されているとしても該当する。
【0130】
接合および締結についての用語および解釈の規定
「結合された」なる用語は、2つの部材が互いに直接的または間接的に接合することを意味する。このような接合は、実質的に静止していても、実質的に可動であってもよい。このような接合は、2つの部材または2つの部材およびあらゆる追加の中間部材が互いに単一の単一体として一体的に形成されるか、または2つの部材または2つの部材およびあらゆる追加の中間部材が互いに取り付けられることによって達成されてもよい。このような接合は、実質的に永続的であってよく、または代替的に、実質的に除去可能または解放可能であってもよい。
【0131】
「結合された」なる用語は、実質的に永続的であるかまたは実質的に解放可能および/または除去可能である接合を含む。永続的な接合とは、元の状態に復元させるまたは戻すことができない形式で構成要素を接合することを指す。解放可能な接合とは、元の状態に復元させるまたは戻すことができる形式で構成要素を接合することを指す。
【0132】
解放可能な接合は、構成要素の解放の難しさに基づきかつ/または構成要素が通常の操作および/または使用の一部として解放されるかどうかに基づいて、さらに分類することができる。容易にまたは簡単に解放可能な接合とは、困難または労力をほとんどまたは全く伴わずに、容易に、簡単にかつ/または迅速に解放させることができる接合を指す。解放が難しいまたは困難な接合とは、解放が困難、難しいまたは厄介であるかつ/または解放するためにかなりの労力を必要とする接合を指す。接合は、構成要素の通常の操作および/または使用の一部としてまたは異常な状態および/または状況でのみ解放することができるまたは解放されることが意図されている。後者の場合、接合は、異常な状況が発生するまで、長期間、無期限に接合されたままであることを意図することができる。
【0133】
構成要素は、あらゆるタイプの固定方法および/または留め具を使用して接合できることを認識すべきである。締結方法とは、構成要素が接合される形式を指す。ファスナーは、一般に、構成要素を機械的に接合するための機械的締結方法において使用される別個の構成要素である。締結方法および/または留め具の例のリストを以下に示す。リストは、締結方法および/または留め具が一般的に恒久的であるか、容易に解放されるかまたは解放が困難であるかによって分類される。
【0134】
恒久的な締結方法の例は、溶接、はんだ付け、ろう付け、圧着、リベット留め、ステープル留め、ステッチング、幾つかのタイプの釘付け、幾つかのタイプの接着および幾つかのタイプのセメントを含む。恒久的な留め具の例は、幾つかのタイプのくぎ、幾つかのタイプの合わせピン、ほとんどのタイプのリベット、ほとんどのタイプのステープル、ステッチ、ほとんどのタイプの構造用タイおよびトグルボルトを含む。
【0135】
容易に解放可能な締結方法の例は、クランプ、ピン留め、クリッピング、ラッチング、クラスピング、ボタン留め、ジップ留め、バックル留めおよび結束を含む。容易に解放可能な留め具の例は、スナップファスナ、リテーナリング、サークリップ、スプリットピン、リンチピン、R-ピン、クレビスファスナ、コッターピン、ラッチ、フックアンドループファスナ(VELCRO(登録商標))、フックアンドアイファスナ、プッシュピン、クリップ、クラスプ、クランプ、ジップタイ、ジッパー、ボタン、バックル、スプリットピンファスナおよび/またはコンフォーマルファスナを含む。
【0136】
解放が困難な固定方法の例は、ボルト締め、ねじ留め、ほとんどのタイプの螺合締結および幾つかのタイプのくぎ打ちを含む。開放が困難な留め具の例は、ボルト、ねじ、ほとんどのタイプの螺合留め具、幾つかのタイプのくぎ、幾つかのタイプの合わせピン、幾つかのタイプのリベット、幾つかのタイプの構造タイを含む。
【0137】
締結方法および留め具は、それらの最も一般的な構成および/または用途に基づいて上記に分類されることを認識すべきである。締結方法および留め具は、特定の構成および/または用途に応じて、その他のカテゴリまたは複数のカテゴリに含むことができる。例えば、ロープ、ストリング、ワイヤ、ケーブル、チェーンなどは、用途に応じて、永続的であるか、容易に解放可能であるか、または解放が困難でありうる。
【0138】
図面に関連する用語および解釈上の規定
図面は、一定の縮尺で描かれているおよび/または一定の縮尺で描かれていない実現形態を図示することが意図されている。これは、図面が、例えば、(a)全てが一定の縮尺で描かれている、(b)全てが一定の縮尺で描かれていない、または(c)1つ以上の特徴が一定の縮尺で描かれ、1つ以上の特徴が一定の縮尺で描かれていないことを示すものと解釈することができることを意味する。したがって、図面は、単独でまたは互いに対して、図示された特徴のいずれかのサイズ、比率および/またはその他の寸法を列挙するための支持を提供するのに役立ちうる。さらに、全てのこのようなサイズ、比率および/またはその他の寸法は、いずれかの方向に0~100%で可変であると理解すべきであり、したがって、このような値またはこのような値によって形成することができるあらゆるおよび全ての範囲および部分範囲を列挙する請求項のための支持を提供する。
【0139】
「左」、「右」、「前」、「後」などの空間的または方向に関する用語は、図面に示されたときの対象および/または対象が製造中、使用中などに一般的にどのように向けられるかに関する。しかしながら、記載された対象は、様々な代替的な向きをとってもよく、したがって、このような用語は限定的であると見なすべきではないことを理解されたい。
【0140】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0141】
実施形態1
ピペットチップトレイであって、
支持プレートと、
前記支持プレートの底面から下方へ延びるスリーブと、
を含み、
前記スリーブは、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成しており、
前記穴は、テーパ形状を有する、ピペットチップトレイ。
【0142】
実施形態2
前記穴は、円錐形である、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0143】
実施形態3
前記穴は、テーパ環状である、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0144】
実施形態4
前記スリーブは、前記穴を形成する1つ以上の内面を含み、前記1つ以上の内面の総表面積の少なくとも50%が、前記ピペットチップと接触するように構成されている、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0145】
実施形態5
前記ピペットチップトレイは、前記ピペットチップトレイを通って延びる、前記スリーブにおける前記穴を含む穴を有し、前記支持プレートの前記底面における前記穴の幅に対する、前記ピペットチップトレイを貫く前記穴の長さの比は、少なくとも1である、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0146】
実施形態6
前記穴はスリーブ穴であり、前記ピペットトレイは、前記トレイを通って延びる、前記スリーブ穴を含むトレイ穴を有し、前記トレイ穴はテーパ形状を有する、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0147】
実施形態7
前記ピペットチップトレイは、少なくとも48個のスリーブを含む、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0148】
実施形態8
前記ピペットチップトレイは、前記スリーブのうちの少なくとも2つを含み、前記各スリーブは、前記穴の中心を通って延びる中心軸線を有し、前記穴の中心軸線は、互いに平行である、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0149】
実施形態9
前記ピペットチップトレイは、前記穴に配置された前記ピペットチップを含み、前記穴の形状と前記ピペットチップの形状とは、互いに対応している、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0150】
実施形態10
前記ピペットチップトレイは、前記穴に配置された前記ピペットチップを含み、前記穴および前記ピペットチップは、対応する円錐形を有する、実施形態1記載のピペットチップトレイ。
【0151】
実施形態11
ピペットチップトレイであって、
支持プレートと、
前記支持プレートの底面から下方へ延びるスリーブと、
を含み、
前記スリーブは、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成する1つ以上の面を含み、
前記1つ以上の内面の総表面積の少なくとも50%が、前記ピペットチップに接触するように構成されている、ピペットチップトレイ。
【0152】
実施形態12
前記ピペットチップトレイは、前記ピペットチップトレイを通って延びる、前記スリーブにおける前記穴を含む穴を有し、前記支持プレートの前記底面における前記穴の幅に対する、前記ピペットチップトレイを貫く前記穴の長さの比は、少なくとも1である、実施形態11記載のピペットチップトレイ。
【0153】
実施形態13
前記ピペットチップトレイは、前記穴に配置された前記ピペットチップを含み、前記穴の形状と前記ピペットチップの形状とは、互いに対応している、実施形態11記載のピペットチップトレイ。
【0154】
実施形態14
前記ピペットチップトレイは、前記穴に配置された前記ピペットチップを含み、前記スリーブは、前記穴を形成する1つ以上の内面を含み、前記1つ以上の内面の総表面積の少なくとも50%が、前記ピペットチップに接触する、実施形態11記載のピペットチップトレイ。
【0155】
実施形態15
前記ピペットチップトレイは、前記穴に配置された前記ピペットチップを含み、前記穴および前記ピペットチップは、対応する円錐形を有する、実施形態11記載のピペットチップトレイ。
【0156】
実施形態16
ピペットチップラックアセンブリであって、
支持壁を含むラックベースと、
前記ラックベース上に配置されかつ前記ラックベースによって支持されたピペットチップトレイであって、前記ピペットチップトレイは、下方へ延び、ピペットチップを受容しかつ支持するように構成された穴を形成するスリーブを含む、ピペットチップトレイと、
を含み、
前記支持壁は、前記ピペットチップトレイの下側に接触し、
前記支持壁に隣接した前記スリーブの厚さは、前記支持壁に隣接していない前記スリーブの厚さと比較して減じられている、ピペットチップラックアセンブリ。
【0157】
実施形態17
前記スリーブは、切り取られたスリーブであり、前記ピペットチップトレイは、前記切り取られたスリーブを含む少なくとも48個のスリーブを有し、前記48個のスリーブによって形成された穴は、前記ピペットチップトレイ上で互いに均等に離隔させられている、実施形態16記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0158】
実施形態18
前記ラックベースは、対向する側壁を含み、前記支持壁は、前記対向する側壁のうちの一方から前記対向する側壁のうちの他方まで延びている、実施形態16記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0159】
実施形態19
前記ラックベースは、前記ピペットチップトレイの下側に接触する少なくとも2つの支持壁を含み、前記少なくとも2つの支持壁は、互いに垂直に配置されている、実施形態16記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0160】
実施形態20
ピペットチップラックアセンブリであって、
ラックベースと、
前記ラックベース上に配置されかつ前記ラックベースによって支持されており、穴を含む、ピペットチップトレイと、
前記ピペットチップトレイにおける前記穴に配置されたピペットチップと、
前記ラックベースに結合されており、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である、カバーと、
を含み、
前記カバーの底部は、クッション層を含み、
前記カバーの前記底部における前記クッション層が、前記ピペットチップの上部と接触する、ピペットチップラックアセンブリ。
【0161】
実施形態21
前記クッション層は、非導電性である、実施形態20記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0162】
実施形態22
前記クッション層は、ポリエステルを含む、実施形態20記載のピペットチップラックアセンブリ。
【0163】
実施形態23
前記クッション層は、約5ミル(127μm)~約50ミル(1270μm)の厚さである、実施形態20記載のピペットチップラックアセンブリ。
【国際調査報告】