(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(54)【発明の名称】シャックルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16G 15/04 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
F16G15/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529318
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 NL2019050763
(87)【国際公開番号】W WO2020111938
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507009331
【氏名又は名称】アイエイチシー・ホランド・アイイー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト・ホヴェル・ギュンター
(57)【要約】
シャックルアセンブリは、シャックル本体、シャックルピン、およびシャックルピンをシャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間でその中心軸線に沿って移動させるピン変位機構を備える。ピン変位機構は、シャックル本体に取り付けられ、シャックルピンの中心軸線に対して垂直に延びる回転軸の周りでシャックル本体に対して回転可能な回転要素と、該回転要素と前記シャックルピンとの間の伝達構成体と、を備え、伝達構成体は、回転要素の回転を、シャックルピンの、その中心線に沿う変位に伝達する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャックル本体(2)、シャックルピン(4)、および、シャックルピン(4)をその中心軸線(5)に沿ってシャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間で移動させるためのピン変位機構(6)、を備えるシャックルアセンブリ(1)であって、
前記ピン変位機構(6)は、前記シャックル本体(2)に取り付けられかつ前記シャックル本体(2)に対して、前記シャックルピン(4)の前記中心軸線(5)に対し垂直に延びる回転軸(13)の周りに回転可能である回転要素(7)と、該回転要素(7)の回転を、前記シャックルピン(4)の自身の中心軸線(5)に沿った変位に伝達するための、前記回転要素と前記シャックルピン(4)との間の伝動構成体(8,9,11,12,14,15)と、を備えるシャックルアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記シャックル本体(2)が主平面内に延在し、かつ、前記回転軸(13)が前記主平面と直交して延在する、請求項1に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記シャックル本体(2)が底部と該底部から延びた脚部とからなるU字形を呈し、前記脚部のそれぞれの端部には前記シャックルピン(4)を受け入れるための開口が設けられ、前記回転軸(13)が、前記底部と前記シャックルピン(4)との間のレベルにおいて延在している、請求項2に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記回転要素と前記伝動構成体(6)が四節リンク機構の一部を形成し、前記回転要素は、第1のジャーナル(11)を介して第2のバー(8)に回動可能に連結された第1のバー(7)を含み、前記第2のバー(8)は、第1のジャーナル(11)から離れた第2のジャーナル(12)を介して第3のバー(9)に回動可能に連結されており、前記第3のバー(9)は、前記第2のジャーナル(12)から離れたシャックル本体(2)に回転可能に結合されており、シャックル本体(2)が第4のバーを形成し、前記第2のバー(8)は、ピンピボット(15)を介して前記シャックルピン(4)に回転可能に結合され、前記ピンピボット(15)は、前記第1および第2のジャーナル(11,12)から距離を置いてあり、かつ、前記バー(7~10)および前記ジャーナル(11~14)は、前記ピンピボット(15)が前記シャックルピン(4)の中心軸線(5)の方向と同じ方向に移動できる寸法および配置とされている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記四節リンク機構がホーキンスリンク機構を形成し、前記第1のジャーナル(11)、前記第2のジャーナル(12)、および前記ピンピボット(15)は整列している、請求項4に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記ピンピボット(15)が、前記シャックル閉鎖位置において前記シャックル本体(2)の外周の外側に位置する、請求項4または5に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項7】
線形アクチュエータ(16)が、前記シャックル本体(2)および前記第3のバー(9)の双方に回転可能に取り付けられている、請求項4から6のいずれか一項に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記回転要素が、第1のジャーナル(11)を介して第2のバー(8)に回動可能に連結された第1のバー(7)を備え、前記第2のバー(8)は、前記第1のジャーナル(11)から距離を置いてピンピボット(15)を介してシャックルピン(4)に回転可能に結合されており、かつ、前記シャックルピン(4)が、シャックル本体(2)によって自身の中心軸線(5)に沿って案内される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項9】
線形アクチュエータ(16)が、前記回転軸(13)、前記第1のジャーナル(11)、および前記ピンピボット(15)から距離を置いて、前記第1のバー(7)および前記第2のバー(8)の双方に回転可能に取り付けられている、請求項8に記載のシャックルアセンブリ(1)。
【請求項10】
シャックル本体(21)、シャックルピン(22)、および、前記シャックルピン(22)を自身の中心軸線に沿ってシャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間で変位させるためのピン変位機構(23)、を備えるシャックルアセンブリ(20)であって、前記シャックルピン(22)には、前記シャックル閉鎖位置において前記シャックル本体(21)から距離を置いて位置する側方突起(24)が設けられ、該シャックルアセンブリ(20)には、前記側方突起(24)と前記シャックル本体(22)との間に位置する流体ベロー(26)が設けられ、該流体ベロー(26)に流体が導入されることで前記側方突起(24)が、前記シャックルピン(22)とともに、前記シャックル本体(21)から離れるように押され、これにより前記シャックルピン(22)が前記シャックル閉鎖位置から前記シャックル開放位置に移動する、シャックルアセンブリ(20)。
【請求項11】
前記側方突起はフランジ(24)によって形成され、かつ、前記流体ベロー(26)はシャックル開放位置において前記シャックルピン(22)の少なくとも一部を取り囲む、請求項10に記載のシャックルアセンブリ(20)。
【請求項12】
前記流体ベローがコイル状の可撓性チューブ(26)を含む、請求項11に記載のシャックルアセンブリ(20)。
【請求項13】
前記流体ベロー (26)から流体が放出されたときに、前記シャックルピン(22)が前記シャックル開放位置から前記シャックル閉鎖位置に動くように、前記シャックルピン(22)は、該シャックルピン(22)と前記シャックル本体(21)との間に位置するばねと係合する、請求項10から12のいずれか一項に記載のシャックルアセンブリ(20)。
【請求項14】
前記側方突起は、前記シャックル本体(21)に固定されたシリンダ(27)内で往復摺動可能なプレート(24)によって形成され、前記シリンダ(27)内の、シャックル本体(20)とは反対側の前記プレート(24)の側にある空間が、加圧流体を受け入れるための圧力室を形成して、シャックルピン(22)が前記シャックル開放位置から前記シャックル閉鎖位置に移動可能とされている、請求項10から12のいずれか一項に記載のシャックルアセンブリ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャックル本体、シャックルピン、および、前記シャックルピンをその中心軸線に沿ってシャックル閉鎖位置およびシャックル開放位置との間で動かすピン移動機構、を備えるシャックルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
シャックルアセンブリは特許文献1から知られている。既知のシャックルアセンブリは、シャックルピンを駆動するためにシャックル本体に結合されかつシャックルピンをシャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間で往復運動するように構成された駆動装置を備える。この駆動装置は、シャックル本体の外側に取り付けられ、シャックルピンの中心軸線に平行に延びる油圧シリンダを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知のシャックル組立体の欠点は、シャックル本体の隣、特に油圧シリンダが伸ばされるシャックル開放位置において、多くのスペースを必要とすることである。さらに、既知のシャックルアセンブリは、その重心がシャックル本体から離れた位置にある。
【0005】
本発明の目的はコンパクトなシャックルアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は本発明によるシャックルアセンブリ、すなわち、ピン変位機構が、シャックル本体に取り付けられかつ前記シャックル本体に対して、シャックルピンの前記中心軸線に対し垂直に延びる回転軸の周りに回転可能である回転要素と、該回転要素の回転を、前記シャックルピンの自身の中心軸線に沿った変位に伝達するための、前記回転要素と前記シャックルピンとの間の伝動構成体と、を備えるシャックルアセンブリ、によって達成される。
【0007】
本発明によるシャックルアセンブリにおける回転要素および伝動構成体の存在は、てこによる効果を生み出す機会を提供し、それ故にコンパクトなユニットを実現する。
【0008】
特定の実施形態では、シャックル本体は主平面に延在し、回転軸は主平面に垂直に延在する。これは、回転要素がシャックル本体の主平面内で移動できることを意味し、シャックルアセンブリが主平面に垂直な方向にもコンパクトとなる機会を提供する。
【0009】
シャックル本体は、底部および底部から延びる脚部を有するU字形状を有することができ、各脚部の端部には、シャックルピンを受けるための開口 (eye) が設けられ、回転軸は、底部とシャックルピンとの間のレベルで延在する。これにより、底部から開口の方向に測定したシャックルアセンブリの高さを最小限に抑えることができる。
【0010】
好ましい実施形態においては、回転要素と伝動構成体が四節リンク機構の一部を形成し、回転要素は、第1のジャーナルを介して第2のバーに回動可能に連結された第1のバーを含み、第2のバーは、第1のジャーナルから離れた第2のジャーナルを介して第3のバーに回動可能に連結されており、第3のバーは、第2のジャーナルから離れたシャックル本体に回転可能に結合されており、シャックル本体が第4のバーを形成し、第2のバーは、ピンピボットを介して前記シャックルピンに回転可能に結合され、ピンピボットは、前記第1および第2のジャーナルから距離を置いてあり、かつ、前記バーおよび前記ジャーナルは、ピンピボットがシャックルピンの中心軸線の方向と同じ方向に移動できる寸法および配置とされている。
【0011】
より具体的には、四節リンク機構は、第1のジャーナル、第2のジャーナル、およびピンピボットが整列した、いわゆるホーキンスリンク機構を形成してもよい。ホーキンスリンク機構によって、回転要素がシャックル本体に対し所定角度回転したときに、ピンピボットが直線経路をたどることができる。シャックルアセンブリは、ピンピボットがシャックルの開いた位置と閉じた位置の間の直線経路をたどる寸法とされる。
【0012】
ピンピボットは、シャックル閉鎖位置においてシャックル本体の円周の外側に位置することができる。
【0013】
リンクを作動させるために、シャックル本体と第3のバーの双方に線形アクチュエータを回転可能に取り付けることができる。線形アクチュエータは油圧シリンダとすることができる。
【0014】
代替実施形態では、回転要素は、第1のジャーナルを介して第2のバーに回動可能に結合される第1のバーを備え、第2のバーは、第1のジャーナルから距離を置いて、ピンピボットを介してシャックルピンに回転可能に結合され、シャックルピンはシャックル本体に沿ってその中心軸線に沿ってガイドされる。この場合、回転要素はクランク機構のクランクを形成し、第2のバーはコネクティングロッドを形成し、シャックルピンは、シャックル本体によって案内されるピストンを形成する。例えば、シャックル本体が、底部と底部から延びる脚部とを有するU字形状であり、各脚部の端部にシャックルピンを受けるための開口がそれぞれ設けられている場合、シャックルピンは、一方の開口によって案内され得る。
【0015】
線形アクチュエータが、回転軸、第1ジャーナル、およびピンピボットから離れた位置で、第1バーおよび第2バーの双方に回転可能に取り付けられてもよい。第1のバーと第2のバーは、線形アクチュエータを介して互いに回転する一種の鋏を形成する。これは、線形アクチュエータのストロークがシャックルピンのストロークよりも小さいことを意味し、シャックルアセンブリのコンパクト化に寄与する。
【0016】
本発明はまた、シャックル本体、シャックルピン、および、このシャックルピンを自身の中心軸線に沿ってシャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間で変位させるためのピン変位機構、を備えるシャックルアセンブリであって、前記シャックルピンには、前記シャックル閉鎖位置において前記シャックル本体から距離を置いて位置する側方突起が設けられ、該シャックルアセンブリには、側方突起とシャックル本体との間に位置する流体ベローが設けられ、流体ベローに流体が導入されることで側方突起が、シャックルピンとともに、シャックル本体から離れるように押され、これにより、シャックルピンがシャックル閉鎖位置から前記シャックル開放位置に移動する、シャックルアセンブリに関する。このアセンブリは、回転要素および協働する伝動構成体を持たないという点で、前述のアセンブリとは異なる。しかし、流体ベローの存在により、シャックルアセンブリは、シャックルピンの中心軸線に沿った方向においてコンパクトになるという利点もある。流体ベローは、例えば、水を導入することにより作動することができる。
【0017】
実際の実施形態では、側面突起はフランジによって形成され、流体ベローはシャックル開放位置でシャックルピンの少なくとも一部を取り囲む。
【0018】
より具体的には、流体ベローはコイル状の可撓性チューブを含む。チューブに流体を導入すると管状のコイルが作成されるが、チューブを空にすると折り畳まれたコンパクトなコイルとなる。
【0019】
シャックルピンは、シャックルピンとシャックル本体との間に配置されたばねと係合し、流体が流体ベローから放出されたときにシャックルピンをシャックル開放位置からシャックル閉鎖位置に移動させることができる。
【0020】
あるいは、前記側方突起は、シャックル本体に固定されたシリンダ内で往復摺動可能なプレートによって形成され、シリンダ内の、シャックル本体とは反対側のプレートの側にある空間が、加圧流体を受け入れるための圧力室を形成して、シャックルピンがシャックル開放位置からシャックル閉鎖位置に移動可能とされる。圧力室および流体ベローは、従来の方法で制御される油圧回路の一部であってもよい。
【0021】
以下、本発明の実施形態を例として示す極めて概略的な図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるシャックルアセンブリの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のシャックルアセンブリを異なる角度から示す斜視図である。
【
図3】
図1および
図2に示したシャックルアセンブリの異なる部分の動きを示すための3つの異なる状態を示した側面図である。
【
図4】ホーキンスリンクを構成する各バーの寸法関係を示した図である。
【
図5】他の実施形態によるシャックルアセンブリの異なる部分の動きを示すための3つの異なる状態を示した側面図である。
【
図6】本発明によるシャックルアッセンブリの別の実施形態を示す断面図である。
【
図7】
図7に示したシャックルアセンブリの他の状態を示す断面図である。
【
図8】
図6にVIIIで示した部位の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~
図3は本発明によるシャックルアセンブリ1の一実施形態を示す。シャックルアセンブリ1は、底部と底部から延びる脚部とを有するU字形シャックル本体2を備える。シャックル本体2は主平面内に延在している。各脚部の端部には、シャックルピン4が嵌まる開口3が設けられている。シャックルピン4は中心軸線5を有し、シャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間でその中心軸線5に沿ってシャックル本体2に対して移動可能である。
図3の左端のものがシャックルの閉鎖位置を示し、他の2つのものはシャックルの開放位置を示している。右端の図は、シャックルピン4が最終位置にあることを示している。
【0024】
シャックルピン4は、ピン変位機構6を介してシャックル本体2に対して移動できる。ピン変位機構6はいわゆるホーキンスリンク機構の形式の四節リンク機構を備える、
図3の右端の図において追加の線で示されている。また、
図4は、ホーキンスリンク機構のより詳細な寸法関係を示している。
【0025】
変位機構6は、第1のバー7、第2のバー8、および第3のバー9を備える。第4のバーは、シャックル本体2に固定されたサポート10によって形成される。第1のバー7は、第1のジャーナル11を介して第2のバー8に回動可能に結合され、第2のバー8は、第1のジャーナル11から距離を置いて配置された第2のジャーナル12を介して第3のバー9に回動可能に結合されている。第1のバー7は、第1のジャーナル11から離れた位置にある第3のジャーナル13を介してサポート10に回転可能に結合され、第3のバー9は、第2のジャーナル12および第3のジャーナル13から離れた位置にある第4のジャーナル14を介して、サポート10に回転可能に結合されている。ジャーナル11~14の回転軸は、シャックル本体2の主平面に対して垂直に延在する。
【0026】
第2のバー8は、ピンピボット15においてシャックルピン4の端部に回転可能に結合され、第2のジャーナル12は、第1のジャーナル11とピンピボット15との間の第2のバー8の中間にある。
図3の左端の図は、シャックル閉鎖位置において、ピンピボット15がシャックル本体2の外側に位置することを示している。第3および第4のジャーナル13,14の回転軸を通る平面は、中心軸線5およびピンピボット15の回転軸が位置する平面に平行に延在している。ピンピボット15および第1~第4ジャーナル11~14は、
図3に示すように、ピンピボット15の回転軸がシャックルピン4の中心軸線5に沿って移動できるように配置されている。第1~第4のジャーナル11~14とピンピボット15との間の距離が
図4に無次元で示されている。
図1~4に示すようなホーキンスリンク機構の配置により、第1のバー7をシャックル本体2に対して所定の角度だけ回転させたとき、ピンピボット15が真っ直ぐな経路をたどることができる。
【0027】
また、変位機構6には、一方がサポート10に回転可能に連結され、他方が第3のバー9に回転可能に連結された油圧アクチュエータ16が設けられている。
図3の右端の図は、シャックルピン4の最終位置においてさえ、変位機構6がシャックル本体2から見てピンピボット15を越えて延在しないことを示しており、これがコンパクトなシャックルアセンブリ1を構成している。
図3は、油圧アクチュエータ16のストロークが、ホーキンスリンク機構を適用することによって生じるピンピボット15のストロークよりも小さいことを示している。油圧アクチュエータは、代替の任意のアクチュエータに置き換えることができ、あるいは、アクチュエータを省略して、変位機構6を手動で、遠隔で、および/または、水中作業時にはROVによって操作できるようにすることができることに留意されたい。図示されていないが、当業者は、そのような作動機構が、該変位機構6に実装されるあらゆる種類の作動および制御システムを意味するものであることを理解するであろう。
【0028】
サポート10は、シャックル本体2の一方の脚の周りにクランプされたブラケット17によってシャックル本体2に固定されている。サポート10はまた、シャックル本体2の一方の開口3の外側でシャックルピン4の中心軸線5に平行に延びる2つの平行な足18を含む。これにより、
図1~
図3に示すように、シャックルアセンブリ1を地面に直立に載置することができる。
【0029】
図1~3に示す実施形態では、第1のバー7は、シャックル本体2に取り付けられ、シャックルピン4の中心軸線5から離れて垂直に延びる回転軸の周りでシャックル本体2に対して回転可能な回転要素として見ることができる。この回転要素とシャックルピン4は、第2のバー8、第3のバー9、および、協働ジャーナル11,12,14の形式の伝動構成体を介して互いに接続されており、これによりピンピボット15は、シャックルピン4のシャックル開放位置とシャックル閉鎖位置との間で直線的に移動する。これは、シャックルピン4がシャックル開放位置とシャックル閉鎖位置との間で移動する間、シャックルピン4とシャックル本体2との間の横方向の力が無視できることを意味する。上述の回転要素とピンピボット15との間の伝達が異なる代替実施形態も考えられる。
【0030】
図5は、本発明によるシャックル組立体1の代替実施形態を示す。
図5に示す実施形態の構成要素において、
図1~
図3に示した実施形態の構成要素と類似のものには同じ参照符号を付す。
図5に示す実施形態のピン変位機構6は、クランク機構の一種であり、第1のバー7がクランクを形成し、第2のバー8がコネクティングロッドを形成し、シャックルピン4が、シャックル本体2の開口3に案内されるピストンを形成する。第1のバー7は、第3のジャーナル13を介してサポート10に回転可能に結合され、かつ、第3のジャーナル13から距離を置いて、第1のジャーナル11を介して第2のバー8に回可能に結合されている。第2のバー8は、第1のジャーナル11から離れたピンピボット15において、シャックルピン4の端部に回転可能に結合されている。
図5に示すように、開口3による案内により、シャックルピン4は中心軸線5に沿って移動可能である。
【0031】
油圧アクチュエータ16は、第1のバー7および第2のバー8に回転可能に連結されている。
図5は、油圧アクチュエータ16のストロークがピンピボット15のストロークよりも小さいことを示している。これは、クランク機構の適用および油圧アクチュエータ16の取り付け位置によるものである。
【0032】
図6~
図8は、本発明によるシャックルアセンブリ20の別の代替実施形態を示す。この実施形態のまた、シャックル本体21、シャックルピン22、および、シャックルピン22をシャックル閉鎖位置とシャックル開放位置との間でその中心線に沿って移動させるためのピン変位機構23、を備える。ただし、ピン変位機構23は、前述の実施形態のような回転要素を備えていない。
【0033】
図8は、シャックルピン22にコネクタピン25を介して円形プレート24が固定されていることを示している。円板24は、
図6および
図8に示すシャックル閉鎖位置において、シャックル本体21から距離を置いて配置されている。シャックルアセンブリ20には、コイル状の可撓性チューブ26の形態の流体ベローが設けられており、これは、シャックル本体21とプレート24との間に位置している。プレート24は、流体が
図7に示す如く膨張するようにチューブ26に導入されたとき、チューブ26をコイル形状に保持するシリンダ27内で移動可能である。チューブ26の拡張により、シャックルピン22を含むプレート24は、シャックル本体21から離れる方向に移動し、したがって、シャックルピン22をシャックル閉鎖位置からシャックル開放位置に移動させる。シャックル開放位置では、拡張されたコイル状のチューブ26は、後退したシャックルピン22を取り囲んでいる。
図7を参照されたい。コネクタピン25によるシャックルピン22への円形プレート24の取り付けは、標準的な従来のシャックルアセンブリのシャックルピンに適用できることに留意されたい。
【0034】
シャックルピン22をシャックル開放位置からシャックル閉鎖位置に移動させるために、チューブ26が配置されている側とは反対側のプレート24の側で、シリンダ27内に流体が導入される。シャックルピン22がシャックル開放位置からシャックル閉鎖位置に移動する方向にプレート24に力を加えると、チューブ26内の流体が排出され、チューブ26を収縮させることができる。この状態は
図6および
図8に示されている。
【0035】
別の実施形態では、シャックルアセンブリ20は、プレート24の、チューブ26が配置されている側とは反対側に配置されたばねを備えていてもよい。流体をチューブ26に導入し、プレート24をシャックル本体21から離れる方向に動かす間、スプリングに負荷が掛かるが、流体をチューブ26から排出すると、ばねがシャックルピン22を動かし戻す。
【0036】
チューブ26およびシリンダ27への充填および排出は、例えば油圧制御装置によって制御することができる。
【0037】
本発明は、図面に示され、これまでに説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびそれらの技術的に同等な範囲内において異なる方法で変更することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 シャックルアセンブリ
2 シャックル本体
4 シャックルピン
5 中心軸線
6 ピン変位機構
7 回転要素(第1のバー)
8 第2のバー
9 第3のバー
11 第1のジャーナル
12 第2のジャーナル
13 回転軸
15 ピンピボット
(8,9,11,12,14,15)伝動構成体
16 線形アクチュエータ
20 シャックルアセンブリ
21 シャックル本体
22 シャックルピン
23 ピン変位機構
24 側方突起
26 流体ベロー
27 シリンダ
【国際調査報告】