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特表2022-509664一方向に整列されたヤーンを含むカーボンナノチューブシートを製造する方法およびこれによって製造されたカーボンナノチューブシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(54)【発明の名称】一方向に整列されたヤーンを含むカーボンナノチューブシートを製造する方法およびこれによって製造されたカーボンナノチューブシート
(51)【国際特許分類】
   D01F 9/127 20060101AFI20220114BHJP
   C01B 32/168 20170101ALI20220114BHJP
   C01B 32/16 20170101ALI20220114BHJP
   D01F 9/133 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
D01F9/127
C01B32/168
C01B32/16
D01F9/133
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530884
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 KR2019014068
(87)【国際公開番号】W WO2020111520
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0152222
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521141394
【氏名又は名称】オーエックスオーム レイ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ギム, セ フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, クアン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, ヨン ス
【テーマコード(参考)】
4G146
4L037
【Fターム(参考)】
4G146AA11
4G146AB06
4G146AD19
4G146AD21
4G146BA12
4G146BC03
4G146BC44
4G146CB02
4G146CB07
4G146DA27
4L037CS03
4L037FA01
4L037FA04
4L037FA14
4L037PA01
4L037PA11
4L037PA19
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、カーボンナノチューブを形成する段階、前記カーボンナノチューブを凝集してヤーンを形成する段階、前記ヤーンを溶媒で処理して凝集力を強化する段階、前記溶媒処理したヤーンをワインディングして、一つのヤーンが連続して巻かれた構造のシート予備体を製造する段階および前記シート予備体を切断および/または圧着して、一つまたは複数のヤーンが一方向に整列された配列構造を含むカーボンナノチューブシートを製造する段階を含むカーボンナノチューブシートの製造方法とこれによって製造されたカーボンナノチューブシートを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブを形成する段階;
前記カーボンナノチューブを凝集してヤーン(yarn)を形成する段階;
前記ヤーンを溶媒で処理して凝集力を強化する段階;
前記溶媒処理したヤーンをワインディングして、一つのヤーンが連続して巻かれた構造のシート予備体を製造する段階;および
前記シート予備体を切断および/または圧着して、一つまたは複数のヤーンが一方向に整列された配列構造を含むカーボンナノチューブシートを製造する段階を含む、カーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブを形成する段階は、
加熱手段を具備した反応チャンバー内に炭素源(carbon source)と触媒を含む原料物質を投入する段階;および
前記加熱手段による熱エネルギーで前記反応チャンバーの加熱部内で前記炭素源を複数のカーボンナノチューブに変換させる段階を含み、
前記ヤーンを形成する段階は、
成長するカーボンナノチューブがπ-π相互作用によって凝集してヤーンを形成する段階を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項3】
前記シート予備体を製造する段階は、軸を中心に回転するワインディング手段を利用して前記ヤーンをワインディングし、巻かれているヤーンを前記ワインディング手段から分離してシート予備体を収得する段階を含み、
前記シート予備体は、前記軸と平行な第2方向に前記ヤーンの側部が連続して隣接するように巻かれており、内部空間を有するパイプ形態である、請求項1に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項4】
パイプ形態をなすヤーンが存在しないように、前記シート予備体の少なくとも一部を前記第2方向に切断してカーボンナノチューブシートを製作し;
前記カーボンナノチューブシートは、
前記シート予備体の切断から由来し、両側の末端部の間が第2方向に垂直な第1方向に延びている複数の単位ヤーンを含み、
前記複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が第2方向に反復される配列構造を含む、請求項3に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項5】
前記内部空間を挟んで対面しているシート予備体の内面が重なるように、前記シート予備体を圧着してカーボンナノチューブシートを製作し;
前記カーボンナノチューブシートは、
平面上で両側の末端部の間が第1方向に延びている複数の単位ヤーンを含み、
前記複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が第2方向に反復される配列構造を含む、請求項3に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項6】
前記シート予備体は、前記ヤーンの側部が連続して隣接した構造が1個である単層パイプ形態または前記構造が2個以上重なっている多層パイプ形態である、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブシートは前記配列構造が一つの第1形態または前記配列構造が二つ以上重なっている第2形態からなる、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項8】
前記シート予備体およびカーボンナノチューブシートで、前記ヤーンおよび単位ヤーンそれぞれは互いに隣接する側部がπ-π相互作用によって結合されており、
前記シート予備体が下記の数式(1)を満足する時、前記π-π相互作用による結合強度が0.7N/tex~2.1N/texで発現され、前記シート予備体およびカーボンナノチューブシートの形態が維持される、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法:
10<D*T*C<7*10 (1)
ここで、
Dはシート予備体でヤーンの直径を示し、10μm~700μmの範囲で選択され、
Tはシート予備体で隣接するように巻かれているヤーンの間の間隔を示し、0.0001μm~0.005μmの範囲で選択され、
Cはシート予備体であるときヤーンの単位面積(μm)当たりのカーボンナノチューブの個数を示し、10~10個である。
【請求項9】
切断、接着、積層およびフォールディングの中から選択される少なくとも一つのカーボンナノチューブシート加工段階をさらに含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項10】
前記切断は、前記カーボンナノチューブシートの平面上形態をなす外周辺および角の中少なくとも一つを切断して、前記平面上形態を多角形またはいずれか一つの外周辺または角がラウンド形態を有する複合形に加工する段階である、請求項9に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項11】
前記接着は、カーボンナノチューブシートをなす単位ヤーン間の相互作用が強化されるように、カーボンナノチューブと相互作用可能溶媒を前記カーボンナノチューブシートに含浸させた後に乾燥する段階である、請求項9に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項12】
前記積層は、二つ以上のカーボンナノチューブシートをシートの厚さ方向に積層する段階である、請求項9に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項13】
前記フォールディングは、カーボンナノチューブシートをロール形態で巻いたり、またはカーボンナノチューブシートの外面が互いに重なるように1回以上折り畳む段階である、請求項9に記載のカーボンナノチューブシートの製造方法。
【請求項14】
カーボンナノチューブを含み、横方向に延びた構造の複数の単位ヤーンを含み、
前記複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が縦方向に反復される配列構造を含む、カーボンナノチューブシート。
【請求項15】
前記単位ヤーンは互いに隣接する側部がπ-π相互作用によって結合されており、
下記の数式(1)を満足する時、前記π-π相互作用による結合強度が0.7N/tex~2.1N/texで発現され、その形態が維持される、請求項14に記載のカーボンナノチューブシート:
10<D*T*C<7*10 (1)
ここで、
Dは単位ヤーンの直径を示し、10μm~700μmの範囲で選択され、
Tは互いに隣接するように位置する単位ヤーンの側部の間の距離を示し、0.0001μm~0.005μmの範囲で選択され、
Cは単位ヤーンの単位面積(μm)当たりのカーボンナノチューブの個数を示し、10~10個である。
【請求項16】
前記カーボンナノチューブシートは前記配列構造が一つの第1形態または前記配列構造が2個以上重なっている第2形態からなる、請求項14に記載のカーボンナノチューブシート。
【請求項17】
上部から地面を見る時を基準として、前記カーボンナノチューブシートの平面形態は、外周辺が直線で構成された多角形、または外周辺が直線および曲線を含む複合形からなる、請求項14に記載のカーボンナノチューブシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は35U.S.C.§119(a)により2018年11月30日大韓民国特許庁に出願された第10-2018-0152222号出願に基づいて優先権を主張し、その開示内容はその全文が本願に参照として含まれる。
【0002】
本発明は一方向に整列されたヤーンを含むカーボンナノチューブシートを製造する方法およびこれから製造されたカーボンナノチューブシートに関する。
【背景技術】
【0003】
炭素同素体の一種であるカーボンナノチューブ(CarbonNanotube、CNT)は直径が数~数十nmであり、長さが数百μm~数mmである物質であって、1991年Iijima博士によってNatureジャーナルに報告された以来、優秀な熱的、電気的、物理的性質と高いアスペクト比のため多様な分野で研究が進行されてきた。
【0004】
このようなカーボンナノチューブの固有な特性は炭素のsp結合に起因し、鉄より強く、アルミニウムより軽く、金属に準ずる電気伝導性を示す。カーボンナノチューブの種類は、ナノチューブの壁数により、単一壁カーボンナノチューブ(single-wall carbon nanotube、SWNT)、二重壁カーボンナノチューブ(double-wall carbon nanotube、DWNT)、多重壁カーボンナノチューブ(multi-wall carbon nanotube、MWNT)に区分することができ、非対称性/巻かれた角度(chirality)によってジグザグ(zigzag)、アームチェア(armchair)、キラル(chiral)構造に分かれる。
【0005】
カーボンナノチューブ自らの機械的強度、特に引張強度は100GPaを越える程度に非常に優れているが、合成されたカーボンナノチューブは長さが短い単繊維であるため応用に制約を受けている。このため、複数のカーボンナノチューブを含むシート形態として、カーボンナノチューブを活用する案が台頭している。
【0006】
一般的にカーボンナノチューブシートを製造する方法は、カーボンナノチューブペーストを製造し、溶媒の存在下で、前記ペーストを基板の上面に塗布またはスキャッタリング(scattering)し、これを乾燥および/または圧着してシートの形態に加工する方法が知られている。
【0007】
しかし、このような製造方法はカーボンナノチューブシートの構造上および製造工程上、次のような技術的問題を有する。
【0008】
まず、カーボンナノチューブペーストを基板の上面に塗布またはスキャッタリングすると、カーボンナノチューブがそれぞれ異なる方向に向かって無秩序に配列され得、例えば、一部のカーボンナノチューブは基板上で基板の表面に垂直な方向に直立されるが、他の一部のカーボンナノチューブは基板の表面に垂直でない斜線方向に配列される。その結果、複数のカーボンナノチューブの先端がそれぞれ異なる方向を向くようになる。
【0009】
したがって、このようなカーボンナノチューブから製造されたカーボンナノチューブシートは、カーボンナノチューブが無指向的(nondirectinal)に互いに絡んでいたり、またはそれぞれの先端がそれぞれ異なる方向を向くように配列された、カーボンナノチューブ-非整列形態からなり得る。
【0010】
一般的にカーボンナノチューブの先端が一定の方向を向きつつ、側部が並んで整列された状態で凝集あれている時、カーボンナノチューブ間のπ-π相互作用が最大化され得、これはカーボンナノチューブヤーンおよびこれから加工されたカーボンナノチューブシートが優秀な強度を有するのに有利に作用し得る。
【0011】
反面、前記カーボンナノチューブ-非整列形態はカーボンナノチューブ間のπ-π相互作用が相対的に低下し得、これにより、カーボンナノチューブシートの強度が所望の強度に達しない場合がある。したがって、前記方法で製造されるカーボンナノチューブシートはそれ自体だけではシートの形態を維持し難く、基板や粘着層などの別途の支持層によって支持されてこそシートの形態を維持することができる。
【0012】
他の側面で、前記カーボンナノチューブ-非整列形態はカーボンナノチューブシートの表面から微細なカーボンナノチューブ先端の突出を惹き起こし得、これはカーボンナノチューブシートの表面欠陥に帰結され得る。
【0013】
非制限的な例として、カーボンナノチューブシートを電子放出物質として使うと仮定する時、カーボンナノチューブシートを構成するカーボンナノチューブの先端でのみ電子が放出されることが理想的であるが、前記表面欠陥があるカーボンナノチューブシートの場合、表面から突出した微細な先端を通じても電子が放出されて電子放出効率が減少し得る。
【0014】
一方、前述した従来のカーボンナノチューブシート製造方法は連続工程が不可能であるため生産性が低く、高度に熟練した作業者による工程の制御が要求され生産ラインの自動化が困難であるため、製造工程上にも不利な点がある。
【0015】
したがって、前述した技術的問題を改善できる新規のカーボンナノチューブシートの製造方法とカーボンナノチューブシートが必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は一方向に整列されたヤーンを含むカーボンナノチューブシートを製造する方法およびこれから製造されたカーボンナノチューブシートを提供することにその目的がある。
【0017】
本発明の一側面によると、カーボンナノチューブが凝集されたヤーンを連続して巻いてヤーンの側部が連続して隣接するように巻かれた構造のシート予備体を製造し、このシート予備体を切断および/または圧着して一つまたは複数のヤーンが一方向に整列された配列構造のカーボンナノチューブシートを製造することができる。
【0018】
このような製造方法は、よく整列されたヤーンの配列構造に基づいて、ヤーンとヤーンの間に優秀なπ-π相互作用が発現され、それによって向上した強度を内在するカーボンナノチューブシートを具現することができる。特に、このように具現されたカーボンナノチューブシートは基板のような支持層なくてもその形態を維持することができ、なめらかな表面を有するという利点もある。
【0019】
本発明の製造方法はまた、連続的な工程でヤーンを製造できるため、自動化された工程を具現できるという工程上の利点も有する。
【0020】
したがって、本発明はこの具現のための具体的な実施例を提供することに実質的な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の具体的な説明に先立ち、本明細書および特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則って本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0022】
したがって、本明細書に記載された実施例の構成は本発明の最も望ましい一つの実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例が存在し得ることが理解されるべきである。
【0023】
本明細書で単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」、「具備する」または「有する」等の用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0024】
本明細書に使われた用語「投入」は本明細書内に「流入、注入」と共に混用して記載され得、液体、気体または熱等を必要なところに流したり入れることを意味するものと理解され得る。
【0025】
本明細書に使われた用語「凝集」は本明細書内に「集合、糾合、結合」と共に混用して記載され得、複数のカーボンナノチューブがπ-π相互作用することによって互いに対し付着する形態を意味するものと理解され得る。
【0026】
本明細書で「ヤーン(yarn)」という用語はカーボンナノチューブが繊維の形態で成長して形成されたり複数個のカーボンナノチューブが繊維の形態で凝集、凝集および/または融合して形成されたものをすべて指称する。
【0027】
一つの実施形態において、本発明は、カーボンナノチューブを形成する段階;
【0028】
前記カーボンナノチューブを凝集してヤーンを形成する段階;
【0029】
前記ヤーンを溶媒で処理して凝集力を強化する段階;
【0030】
前記溶媒処理したヤーンをワインディングして、一つのヤーンが連続して巻かれた構造のシート予備体を製造する段階;
【0031】
前記シート予備体を切断および/または圧着して、一つまたは複数のヤーンが一方向に整列された配列構造を含むカーボンナノチューブシートを製造する段階を含むカーボンナノチューブシートの製造方法を提供する。
【0032】
一つの実施形態において、本発明はカーボンナノチューブを含み、横方向に延びた構造の複数の単位ヤーンを含み、複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が縦方向に反復される配列構造を含むカーボンナノチューブシートを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一つの実施例に係る反応チャンバーとこれからヤーンを製造する過程を模式的に示した模式図である。
【0034】
図2】本発明の一つの実施例により製造されたシート予備体の模式図である。
【0035】
図3図2で仮想の線A-A’を基準としたシート予備体の垂直断面図である。
【0036】
図4】本発明のさらに他の実施例に係るシート予備体の垂直断面図である。
【0037】
図5】本発明の一つの実施例に係るカーボンナノチューブシートの模式図である。
【0038】
図6】本発明の他の実施例に係るカーボンナノチューブシートの模式図である。
【0039】
図7】本発明のさらに他の実施例に係るカーボンナノチューブシートの模式図である。
【0040】
図8】切断加工処理されたカーボンナノチューブシートの平面模式図である。
【0041】
図9】ロール形態にフォールディング加工処理されたカーボンナノチューブシートの模式図である。
【0042】
図10】外面が重なるようにフォールディング加工処理されたカーボンナノチューブシートの模式図である。
【0043】
図11】本発明の製造方法により製造されたカーボンナノチューブシートを撮影した写真である。
【0044】
図12】切断加工処理されたカーボンナノチューブシートを撮影した写真である。
【0045】
図13】圧着を通じて製造されたカーボンナノチューブシートを撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、本発明に係る「カーボンナノチューブシートの製造方法」および「カーボンナノチューブシート」の順序で発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0047】
カーボンナノチューブの製造方法
【0048】
本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法は、
【0049】
カーボンナノチューブを形成する段階;
【0050】
前記カーボンナノチューブを凝集してヤーンを形成する段階;
【0051】
前記ヤーンを溶媒で処理して凝集力を強化する段階;
【0052】
前記溶媒処理したヤーンをワインディングして、一つのヤーンが連続して巻かれた構造のシート予備体を製造する段階;および
【0053】
前記シート予備体を切断および/または圧着して、一つまたは複数のヤーンが一方向に整列された配列構造を含むカーボンナノチューブシートを製造する段階を含むことができる。
【0054】
本発明の製造方法は、前記カーボンナノチューブを形成する段階から前記シート予備体を製造する段階まで連続的に遂行してシート予備体を製造することができる。これについて、下記の非制限的な例を通じて詳細に説明する。
【0055】
一つの具体的な例において、前記カーボンナノチューブを形成する段階は、
【0056】
加熱手段を具備した反応チャンバー内に炭素源(carbon source)と触媒を含む原料物質を投入する段階;および
【0057】
前記加熱手段による熱エネルギーで、前記反応チャンバーの加熱部内で前記炭素源を複数のカーボンナノチューブに変換させる段階を含むことができる。
【0058】
前記カーボンナノチューブに変換させる段階に連続して、前記カーボンナノチューブを凝集してヤーンを形成する段階が遂行され得、前記ヤーンの形成段階は、成長するカーボンナノチューブがπ-π相互作用によって凝集してヤーンを形成する段階を含むことができる。
【0059】
ここで、前記成長するカーボンナノチューブとは、成長過程にあるカーボンナノチューブおよび/または成長が実質的に完了したカーボンナノチューブを意味し得る。
【0060】
これと関連して、図1には一つの実施例に係る反応チャンバーが図示されており、これを参照してヤーンを収得する過程を説明する。
【0061】
反応チャンバー100は原料物質が投入されるようにその上端に形成されている流入部110、
【0062】
前記流入部110から下向きに延びており、その内面および/または外面に加熱手段122が備えられており、所定の温度、詳細には500℃以上の温度が造成されて前記炭素源が複数のカーボンナノチューブに変換される加熱部120、
【0063】
前記加熱部120から下向きに延びており、複数のカーボンナノチューブ(CNT)が凝集してπ-π相互作用によってヤーンを形成する凝集部130および
【0064】
前記凝集部130から下向きに延びており、前記カーボンナノチューブが凝集したヤーンが排出される排出部140を含むことができる。
【0065】
前記炭素源は液相または気相の炭素化合物であり得、その非制限的な例は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、セチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ボレミトール、アリルアルコール、ゼラニオール、プロパルギルアルコール、イノシトール、メントール、メタン、ヘキサン、エチレン、アセチレン、メチルアセチレンおよびビニルアセチレンからなるグループから選択された少なくとも一つであり得る。前記炭素源は詳細にはアセチレンおよび/またはメタンであり得る。
【0066】
前記触媒は触媒反応の系内で、それ自体は触媒サイクルの中に含まれないが、活性的な二次触媒に変化する(あるいは活性的な触媒を生成する)物質であり得、前記触媒が二次触媒を形成した後にカーボンナノチューブを合成することができる。このような触媒は1種以上のメタロセンを含むことができ、前記メタロセンは例えば、鉄、ニッケル、コバルト、白金、ルテニウム、モリブデンまたはバナジウムの化合物、またはこれらの酸化物であり得る。前記触媒の一つの例において、前記メタロセンはフェロセン(ferrocene)であり得る。前記触媒の含量は例えば、前記炭素源100重量部に対して0.01重量部~0.2重量部であり得る。
【0067】
前記原料物質は前記炭素源100重量部に対して0.01重量部~5重量部の触媒活性剤をさらに含むことができる。
【0068】
通常的にカーボンナノチューブの変換は、触媒が溶融された状態で炭素源が触媒に拡散した後に析出されながら進行されるが、前記触媒活性剤はカーボンナノチューブ変換時にプロモータとして作用して炭素拡散率(diffusion rate)を増加させることによって、短時間内にカーボンナノチューブが合成されるようにすることができる。
【0069】
前記触媒活性剤の例としては、チオフェン(thiophene、CS)を利用することができる。チオフェンは触媒の融点を減少させ、異物である非晶質炭素を除去して比較的低い温度においても高純度のカーボンナノチューブを合成できるようにする。触媒活性剤の含量はカーボンナノチューブの構造にも影響を及ぼし得るが、例えば、前記炭素化合物であるアセチレン100重量部に対してチオフェンを1~10重量部、詳細には1~5重量部で混合する場合、多重壁カーボンナノチューブ繊維を収得することができ、アセチレンに対してチオフェンを0.5重量部以下で混合する場合、単一壁カーボンナノチューブ繊維を収得することができる。前記触媒および触媒活性剤は液相炭素源では液相であり得、気相炭素源では気相であり得る。
【0070】
前記原料物質は反応チャンバー100への、または反応チャンバー100内での炭素源および触媒の流動を助ける運搬ガスをさらに含むことができる。このような運搬ガスは反応チャンバー100の流入部110から排出部140の方向に流動することができる。
【0071】
このような運搬ガスは反応チャンバー100の流入部110から排出部140の方向に流動しながら、反応チャンバー100への、または反応チャンバー100内での炭素源および触媒の流動が円滑となるように助け、反応チャンバー100内に残留する多様な不純物を反応チャンバー内から外部に排出させるのに助けとなり得る。このような利点の発現のために、運搬ガスは1mg/sec~200mg/secの供給速度で投入され得る。その反面、前記範囲を上回るまたは下回る場合、炭素源および触媒の流動を過度に遅くまたは早くしてカーボンナノチューブの成長に否定的な影響を及ぼし得、ヤーンに含まれる不純物の濃度を高め得るため望ましくない。
【0072】
前記運搬ガスは不活性ガスおよび/または還元ガスを含むことができ、前記不活性ガスは例えば、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N)またはこれらの混合物であり得、還元ガスは例えば、水素ガス(H)、アンモニアガス(NH)またはこれらの混合物であり得る。
【0073】
一つの具体的な例において、前記運搬ガスは窒素ガスおよびアルゴンガスの中少なくとも一つおよび水素ガスを含み、
【0074】
前記水素ガスは前記運搬ガスの総体積を基準として、0体積%超過~90体積%以下、詳細には1体積%~10体積%で含まれ得る。
【0075】
炭素源が炭化するためには還元過程を経なければならず、前記水素ガスは、還元反応を通じて炭素源を炭化させ、炭素以外の物質を除去してカーボンナノチューブの歩留まりおよび生産速度を向上させるために使われ得る。
【0076】
しかし、前記運搬ガスの中前記水素ガスの量が前記範囲を上回ると、炭素源の中の炭素も水素によって還元され得、これにより、カーボンナノチューブの歩留まりが不良となり得る。また、過量の水素ガスは炭素源の中の水素原子が水素分子の形態に還元されることを妨害して、炭素源からカーボンナノチューブへの変換を阻害し得る。
【0077】
他の側面で、前記水素ガスと反応して還元された不純物は運搬ガスとともに流動して反応チャンバー100から除去されるのが一般的であるが、前記水素ガスの量が前記範囲を下回る場合、炭素以外の物質を還元させる反応が不充分となり得る。これにより、その他副反応の発生と不純物の濃度の増加によって黒鉛化および/または炭化反応が円滑に進行されないことはもちろん、カーボンナノチューブの品質が低下する恐れがある。
【0078】
前記反応チャンバー100に形成されている流入部110には、必要に応じて、炭素源および触媒を注入するための噴射ノズルおよび運搬ガスや触媒活性剤などを注入するための分散板が設置され得る。また、前記流入部110には、必要に応じて、前記反応チャンバー100に原料物質を供給する原料物質供給ユニットと、運搬ガスなどを供給するガスタンクがさらに備えられ得る。
【0079】
前記流入部110から流入する運搬ガスは、加熱部120内で層流を形成できるように、線速度で前記反応チャンバー100に供給され得、これが容易であるように分散板を利用することができる。前記運搬ガスはガスタンクと流量調節手段を具備した運搬ガス供給ユニットから流入部110を通じて反応チャンバー100内に流入し得る。
【0080】
加熱部120は加熱手段122を具備しており、前記原料物質が前記流入部110を通じて加熱部120に流入すると、これに含まれていた触媒が加熱部120から排出部140の方向に流動し、加熱手段122により加熱部120の内側が高温に加熱される。この時、熱エネルギーによって炭素源は触媒上で還元反応によってカーボンナノチューブに変換され得る。
【0081】
また、原料物質は連続して加熱部120に供給されるため、カーボンナノチューブは触媒上で成長が始まる部位から長さが延びる形態に成長することができる。ここで、成長はカーボンナノチューブとカーボンナノチューブ間の融合や、カーボンナノチューブ末端でカーボンナノチューブが生成される現象を総称し得る。
【0082】
前記カーボンナノチューブの成長は長さが延びる方向が特に制限されるものではなく、前記原料物質が流動する方向に沿って成長することができる。一つの例において、前記原料物質の流動方向は、流入した原料物質が加熱部120から排出部140に流動する大きな流れを意味し得る。さらに他の例において、前記原料物質の流動方向は、加熱部120内で原料物質が触媒およびカーボンナノチューブに接触し、これらを経由することによって加熱部120から排出部140への大きな流れとは異なる無作為の方向に形成される小さな流れを意味し得る。すなわち、前記カーボンナノチューブが成長する方向は前記大きな流れと小さな流れの方向によって変われ得、実質的に無作為に決定され得る。
【0083】
このように成長したカーボンナノチューブは運搬ガスおよび/または重力の影響を受けて移動することができ、他のカーボンナノチューブと隣接するように位置することができ、互いに隣接したカーボンナノチューブはπ-π相互作用によって並んで凝集および配列されてヤーンをなすことができる。
【0084】
一方、加熱部120の作動時、加熱手段122の作動温度や原料物質の投入速度などを所望の水準に制御することができ、このような制御によってカーボンナノチューブの整列の程度、ヤーンの直径およびヤーンの密度などが所望通りに具現され得る。
【0085】
これに対する一つの例において、前記加熱手段122の作動温度は500℃以上~1,500℃以下であり得、前記原料物質の供給速度は5.5*10-4g/sec以上~1.0*10-3g/sec以下であり得る。
【0086】
前記加熱手段122の作動温度が前記範囲を下回る場合、カーボンナノチューブへの変換が遅く進行されてカーボンナノチューブの結晶化度および強度の低下を誘発し得る。前記加熱手段122の作動温度が前記範囲を上回ると、任意のカーボンナノチューブ上で無作為の方向に紡糸される形態で成長された、相対的に小さな直径を有する分岐型カーボンナノチューブを過度に発生させ得、これは以降に収得されるヤーンの密度低下を誘発し得る。成長するカーボンナノチューブは、加熱部120と比較して造成される温度が低い凝集部130で一つのヤーンとして凝集され得る。
【0087】
このような凝集は前述した通り、互いに隣接するように並んで位置したカーボンナノチューブの間にπ-π相互作用が主に作用して進行され、場合によっては下向きに内径が狭くなる凝集用ノズルを凝集部130に設置して前記カーボンナノチューブの糾合を誘導して凝集を容易にすることもできる。
【0088】
前記凝集部130の下端に位置した排出部140を通じてヤーンが反応チャンバー100の外側に排出されて、本発明のシート予備体(図2の200)を形成するヤーンが収得され得る。
【0089】
前記のように収得されたヤーンを溶媒で処理した後、前記ヤーンを巻くシート予備体200を製造する段階に進めることができる。
【0090】
この時、ヤーンを巻くことができるワインディング手段160等を利用して、ワインディング手段160の外面に沿ってヤーンを均一な間隔で巻くことができ、前記ヤーンが巻かれて排出部からワインディング手段160に移動する時、その移動経路に溶媒を収容している水槽150を設置してヤーンと溶媒の接触およびヤーンが溶媒から離脱する工程が自動で遂行されるようにすることができる。前記ワインディング手段160はヤーンを巻くことができる構造であれば特に限定されるものではなく、非制限的にボビン(bobbin)、ドラム、円筒形ローラ、スピンドル、リールおよびコンベヤーなどを例に挙げるごとができ、この中でも前記ボビンがワインディング手段として望ましく利用され得る。
【0091】
場合によっては、ヤーンを巻く前に、前記溶媒の揮発を促進するためにIRランプ、風力乾燥機などを使って溶媒の揮発を誘導することができる。
【0092】
前記溶媒は特に限定されるものではないが、ヤーンをなすカーボンナノチューブ間のπ-π相互作用を増大させることができ、容易に揮発する有機溶媒であり得、例えば、エタン、エチレン、エタノール、メタン、メタノール、プロパン、プロペン、プロパノール、アセトン、キシレン、一酸化炭素、クロロホルム、アセチレン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ポリエチレングリコール、エチルホーメート、メシチレン(1,3,5-トリメチルベンゼン)、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、カーボンテトラクロライド、ナフタレン、アントラセン、ジクロロメタン、ケトン、エーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン、ペンテン、ヘキセン、ベンゼン、四塩化炭素およびトルエンからなる群から選択される1種以上の有機溶媒であり得る。
【0093】
一つの具体的な例において、前記シート予備体200を製造する段階は、軸を中心に回転するワインディング手段160を利用して前記ヤーンをワインディングし、巻かれているヤーンを前記ワインディング手段160から分離してシート予備体200を収得する段階を含むことができる。
【0094】
これと関連して、図2にはワインディング手段に巻かれているヤーンおよびワインディング手段160から分離されて形成されたシート予備体200の模式図が図示されており、図3には図2のシート予備体200で、仮想の軸A-A’に対するシート予備体200の垂直断面図が図示されている。
【0095】
これらの図面を参照すると、前記シート予備体200は、前記軸と平行な第2方向に前記ヤーンの側部が連続して隣接するように巻かれており、内部空間201を有するパイプの形態であり得る。
【0096】
前記ヤーンをワインディングするとき、ワインディング手段160の外周に沿ってヤーンが2周202以上巻かれ得、ワインディング開始部から終了部に至るまで、各周202に巻かれるのに要されるヤーンとヤーンの間の間隔は実質的に均一であり得る。前記パイプ形態のシート予備体200においても連続して隣接するように巻かれているヤーンとヤーンの間の間隔は実質的に均一であり得る。
【0097】
それぞれの周202をシート予備体200に対する一つの単位として見る時、すべての周202は連続して第2方向に整列されており、その結果、それぞれの周202を形成するヤーンは連続して第2方向に整列された配列構造を有する。このような配列構造は後述されるカーボンナノチューブシートの配列構造を形成することができる。
【0098】
前記シート予備体200はまた、それ自体で自己支持性を有するものであり得、これは細かく巻かれているヤーンが、隣接する他のものとπ-π相互作用することによるものであり得る。
【0099】
以上で説明したシート予備体200は、前記ヤーンの側部が連続して隣接した構造が1個である単層パイプ形態200a(図3)または前記構造が2個以上重なっている多層パイプ形態200bからなり得る。多層パイプ形態200bは図4に模式的に図示されている。
【0100】
前記単層パイプ形態200aはワインディング手段160上で第2方向に前記ヤーンの側部が連続して隣接するように1回巻いて具現することができる。
【0101】
前記多層パイプ形態200bは前記単層パイプ形態200aを形成した後、再び連続して単層パイプ形態200a上で第2方向に前記ヤーンの側部が連続して隣接するように1回以上さらに巻いて具現することができる。
【0102】
前記のように製造されたシート予備体200を切断および/または圧着すると、板状のカーボンナノチューブを製作することができる。
【0103】
例えば、図2のシート予備体200を仮想の軸A-A’に沿って切断する場合、シート予備体200をなしていた一つのヤーンが分離されながら複数のヤーンを形成する。また、シート予備体200で整列されていたヤーンの配列構造はカーボンナノチューブシートでそのまま維持され得る。
【0104】
これと関連して、図5には切断によって製造されたカーボンナノチューブシートが模式的に図示されている。
【0105】
図2図3および図5を共に参照すると、パイプ形態をなすヤーンが存在しないように、前記シート予備体200の少なくとも一部を前記第2方向(図2のA-A’)に切断してカーボンナノチューブシート300を製作することができる。
【0106】
このように製造されたカーボンナノチューブシート300は、前記シート予備体200の切断から由来し、両側の末端部の間が第2方向に垂直な第1方向に延びている複数の単位ヤーン310を含むことができる。前記カーボンナノチューブシート300はまた、複数の単位ヤーン310の中一つの単位ヤーン310と隣接する他の単位ヤーン310の側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーン310が並んで位置した配列が第2方向に反復される配列構造を含むことができる。参考として、前記のように製造したカーボンナノチューブシートを撮影した写真が図11に図示されている。図11を参照すると、本発明のカーボンナノチューブシートが非常になめらかな表面形態を有することが分かる。
【0107】
一方、圧着はこれによってシート予備体200の一部が折り曲げられながら、パイプ形態が平たく変形されてカーボンナノチューブシート400を形成する方式である。圧着は二つの板状部材の間にシート予備体200を配置した後、二つの板状部材をシート予備体200側に加圧する方式または隣接した二つのローラの間にシート予備体200を通過させて圧延する方式により得るが、これに限定されるものではない。
【0108】
これと関連して、図6には圧着によって製造されたカーボンナノチューブシート400が模式的に図示されている。
【0109】
図2図3および図6を共に参照すると、折り曲げられた部位は、上部からカーボンナノチューブシートの上面を見る時を基準として、シートの外周辺の中互いに平行な二つの辺401をなし得る。
【0110】
折り曲げられた部位でヤーンは、それが破断することなく、実質的に180度の角度で折り曲げられた状態で一体をなしながらカーボンナノチューブシートを構成することができる。これに対する一つの例において、前記内部空間201を挟んで対面しているシート予備体200の内面が重なるように、前記シート予備体200を圧着してカーボンナノチューブシート400を製作することができる。
【0111】
前記カーボンナノチューブシート400は、圧着によって切断されずに平面上で両側の末端部の間が第1方向に延びている複数の単位ヤーンを含むことができる。
【0112】
前記カーボンナノチューブシート400はまた、複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が第2方向に反復される配列構造を含むことができ、前記単位ヤーンと配列構造は図5のそれと同一であり得る。参考として、前記のように製造したカーボンナノチューブシートを撮影した写真が図13に図示されている。
【0113】
場合によっては、シート予備体200の少なくとも一部を切断した後、前記切断部位と最長距離をなすシート予備体200の他の部位が実質的に180度の角度で折り曲げられて重なるように圧着することによって、カーボンナノチューブシートを製造してもよい。
【0114】
前記により製造されたカーボンナノチューブシートは、前記配列構造、すなわち、複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が第2方向に反復される配列構造が一つの第1形態(図5の300)または前記配列構造が二つ以上重なっている第2形態(図7の500)からなり得る。
【0115】
本発明の一側面において、前記第1形態300はワインディング手段160上で第2方向に前記ヤーンの側部が連続して隣接するように1回巻いて製造した単層パイプ形態200aのシート予備体200を切断して具現することができる。
【0116】
本発明の他の一側面において、単層パイプ形態200aまたは多層パイプ形態200bのシート予備体200の圧着時、例えば上部に位置する配列構造の単位ヤーンが下部に位置する配列構造の単位ヤーンの間に挿入され得、この時、二つの配列構造が圧着によって糾合されて一つの配列構造を有する第1形態300が具現されてもよい。
【0117】
本発明の一側面において、前記第2形態500は単層パイプ形態200aまたは多層パイプ形態200bのシート予備体200を圧着して具現することができる。
【0118】
本発明の他の一側面において、前記第2形態500は多層パイプ形態200bのシート予備体200を切断して第1形態を形成し、前記第1形態が折り曲げられるように圧着して具現することができる。
【0119】
このように製造されたカーボンナノチューブシートは、前述したシート予備体と同様に、それ自体が自己支持性を有することによって、基材のような別途の支持体がなくてもシートの形態を維持することができる。
【0120】
これはシート予備体での規則的に整列された状態のヤーンが、本発明に係る配列構造、すなわち、単位ヤーンが並んで位置した配列が第2方向に反復される配列構造を形成するためであり、前記配列構造を有するカーボンナノチューブシートは単位ヤーン間のπ-π相互作用が優秀であることによるものであり得る。
【0121】
ただし、前記ヤーンが規則的な配列構造を有するという理由だけで、シート予備体とカーボンナノチューブシートが自己支持性を有し、別途の支持体がなくてもその形態を維持できるものではない。そこで、本発明は特定条件が満足される時に本発明のシート予備体とカーボンナノチューブシートの具現が可能であることに注目した。
【0122】
これに対する一つの例において、前記シート予備体およびカーボンナノチューブシートで、前記ヤーンおよび単位ヤーンそれぞれは互いに隣接する側部がπ-π相互作用によって結合されており、
前記シート予備体200が下記の数式(1)を満足する時、前記π-π相互作用による結合強度が0.05N/tex~3.0N/tex、詳細には0.7N/tex~2.1N/tex、特に詳細には1.8N/tex~2.1N/texで発現して、前記シート予備体200およびカーボンナノチューブシートの形態が維持され得る。
【0123】
10<D*T*C<7*10 (1)
【0124】
ここで、
【0125】
Dはシート予備体200でヤーンの直径を示し、10μm~700μmの範囲で選択され、
【0126】
Tはシート予備体200で隣接するように巻かれているヤーンの間の間隔を示し、0.0001μm~0.005μmの範囲で選択され、
【0127】
Cはシート予備体200であるときのヤーンの単位面積(μm)当たりのカーボンナノチューブの個数を示し、10~10個である。
【0128】
前記ヤーンの直径Dはπ-π相互作用の程度と比例し得る。前記ヤーンの間の間隔Tはπ-π相互作用の程度と反比例し得る。前記カーボンナノチューブの個数Cはπ-π相互作用の程度と比例し得る。
【0129】
そうすると、前記ヤーンの間の間隔Tを狭くし、残りの因子を増大するように設計することができるが、前記数式(1)による範囲を上回るとシート予備体が捩れながら本発明で意図されたヤーンの配列構造が具現されない可能性がある。その反対に前記数式(1)による範囲を下回る場合、結合強度が不充分であるためシート予備体とカーボンナノチューブシートがいずれもその形態を維持し難い。
【0130】
一方、一つの具体的な例において、本発明の製造方法は、切断、接着、積層およびフォールディングの中から選択される少なくとも一つのカーボンナノチューブシート加工段階をさらに含むことができる。
【0131】
前記切断は前記カーボンナノチューブシートの平面上形態をなす外周辺および角の中少なくとも一つを切断して、前記平面上形態を多角形またはいずれか一つの外周辺または角がラウンド状を有する複合形に加工する段階であり得る。
【0132】
前記切断と関連した模式図が図8に図示されている。また、図12には切断加工処理されたカーボンナノチューブシートの写真が図示されている。図8および図12を参照すると、平面上で四角形のカーボンナノチューブシート600aで、二つの角を切取線Hに沿って切断して、平面上で3個の内角を有する三角形のカーボンナノチューブシート600bに加工することができる。
【0133】
ただし、第1方向に延びた単位ヤーン610の中いずれか一つの一側末端が前記多角形の角の中少なくとも一つをなすか、または前記角から延びるように、カーボンナノチューブシートの切断が遂行され得る。
【0134】
一つの例において、カーボンナノチューブの垂直断面に対して平行な方向または斜線方向への切断が遂行され得、斜線方向への切断時、切断角度は10度~70度であり得る。
【0135】
一つの例において、前記多角形はカーボンナノチューブシートの平面上で三角形、三角形一対の少なくとも一部が重なったくさび状、または少なくとも4個の内角を有する多角形であり得る。
【0136】
一つの例において、前記複合形は、三角形を基準としていずれか一つの頂点から延びる少なくとも一つの外周辺がラウンド処理された形態であり得る。
【0137】
前記接着は、カーボンナノチューブシートをなす単位ヤーン間のπ-π相互作用が強化されるように、カーボンナノチューブと相互作用可能溶媒を前記カーボンナノチューブシートに含浸させた後に乾燥する段階であり得る。
【0138】
前記相互作用可能溶媒は、エタン、エチレン、エタノール、メタン、メタノール、プロパン、プロペン、プロパノール、アセトン、キシレン、一酸化炭素、クロロホルム、アセチレン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ポリエチレングリコール、エチルホーメート、メシチレン(1,3,5-トリメチルベンゼン)、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、カーボンテトラクロライド、ナフタレン、アントラセン、ジクロロメタン、ケトン、エーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン、ペンテン、ヘキセン、ベンゼン、四塩化炭素およびトルエンからなる群から選択される1種以上の有機溶媒であり得る。
【0139】
前記積層は二つ以上のカーボンナノチューブシートを地面に対し上向きに積層する段階であり得る。この時、互いに同一または異なる平面上の形態を有する二つ以上のカーボンナノチューブシートを積層することができる。
【0140】
場合によっては、カーボンナノチューブシート間の接触界面に接着剤を付加することができ、熱によるラミネーション(lamination)がさらに遂行されてもよい。
【0141】
前記フォールディングはカーボンナノチューブシートをロール形態で巻いたり、またはカーボンナノチューブシートの外面が互いに重なるように1回以上折り畳む段階であり得る。
【0142】
これに対し、図9にはカーボンナノチューブシートをロール形態で巻いた構造が模式的に図示されており、図10にはカーボンナノチューブシートを折り畳んだ構造が模式的に図示されている。
【0143】
まず図9を参照すると、カーボンナノチューブシートの一側端部から他側端部までカーボンナノチューブシートを巻いてロール形態700に加工することができる。
【0144】
ただし、カーボンナノチューブを巻く方向、すなわち、一側端部から他側端部への方向に対する垂直方向が、単位ヤーンの末端と末端の間が延びている方向である第1方向と対応する形態で巻くことが望ましい。
【0145】
図10を参照すると、カーボンナノチューブシートを半分に折り畳んで外面が互いに重なる形態800に加工することができる。ここで、折り畳む方向は、カーボンナノチューブシートの任意の地点で、単位ヤーンの末端と末端の間が延びている方向である第1方向を軸にして折り畳むことができる。
【0146】
カーボンナノチューブシート
【0147】
本発明に係るカーボンナノチューブシートは、
【0148】
カーボンナノチューブを含み、横方向に延びた構造の複数の単位ヤーンを含み、複数の単位ヤーンの中一つの単位ヤーンと隣接する他の単位ヤーンの側部が互いに隣接した状態で、前記単位ヤーンが並んで位置した配列が縦方向に反復される配列構造を含むことができる。
【0149】
一つの例において、前記単位ヤーンはヤーンの切断から由来した一つの独立的な部材であり得る。
【0150】
一つの例において、前記単位ヤーンはヤーンの折り曲げから由来し、折り曲げ部位を基準として180度に折り曲げられた形態であり得る。この時、カーボンナノチューブシートは前記折り曲げられた形態が、それにおいて互いに平行な一対の外周辺で交互に形成され得、単位ヤーンは互いに対して延びた一体でもってカーボンナノチューブシートを形成することができる。
【0151】
一つの具体的な例において、前記単位ヤーンは互いに隣接する側部がπ-π相互作用によって結合されており、下記の数式(1)を満足する時、前記π-π相互作用による結合強度が0.05N/tex~3.0N/tex、詳細には0.7N/tex~2.1N/tex、特に詳細には1.8N/tex~2.1N/texで発現して、その形態が維持され得る。
【0152】
10<D*T*C<7*10 (1)
【0153】
ここで、
【0154】
Dは単位ヤーンの直径を示し、10μm~700μmの範囲で選択され、
【0155】
Tは互いに隣接するように位置する単位ヤーンの間の距離を示し、0.0001μm~0.005μmの範囲で選択され、
【0156】
Cは単位ヤーンの単位面積(μm)当たりのカーボンナノチューブの個数を示し、10~10個である。
【0157】
前記単位ヤーンの直径Dはπ-π相互作用の程度と比例し得る。前記単位ヤーンの間の間隔Tはπ-π相互作用の程度と反比例し得る。前記カーボンナノチューブの個数Cはπ-π相互作用の程度と比例し得る。
【0158】
それなら、前記単位ヤーンの間の間隔Tを狭くし、残りの因子を増大するように設計することができるが、前記数式(1)による範囲を上回るとカーボンナノチューブシートが捩れながら本発明で意図された単位ヤーンの配列構造が具現されない可能性がある。その反対に前記数式(1)による範囲を下回る場合、結合強度が不充分であるためカーボンナノチューブシートはその形態を維持することができない。
【0159】
一つの具体的な例において、前記カーボンナノチューブシートは前記配列構造が一つの第1形態または前記配列構造が2個以上重なっている第2形態からなり得る。
【0160】
一つの具体的な例において、上部から地面を見る時を基準として、前記カーボンナノチューブシートの平面形態は、外周辺が直線で構成された多角形、または外周辺が直線および曲線を含む複合形からなり得る。
【0161】
一方、以下では、発明の具体的な実施例を通じて発明の作用および効果をより詳細に説明することにする。ただし、このような実施例は発明の例示として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるものではない。
【0162】
<実施例>
【0163】
フェロセン、メタン、硫黄含有触媒活性剤および運搬ガス(水素)を含む原料物質を利用して反応チャンバーでカーボンナノチューブを合成し、このカーボンナノチューブが凝集するようにしてヤーンを製造した。
【0164】
ただし、ヤーンの製造時、ヤーンの単位面積(μm)当たりのカーボンナノチューブの個数が略10個であり、厚さが150μmを有するようにヤーンの製造工程を制御した。
【0165】
その後、製造されるヤーンを溶媒処理した後、軸を基準として回転するワインディング手段としてボビン上に図2と同一の形態でヤーンを巻いた。
【0166】
この時、隣接したヤーンとヤーンの間の間隔が略0.004μmをなすように均一にワインディングし、ワインディング終了後にボビンからヤーンを分離して内部空間を有するパイプ形態のシート予備体を製造した。
【0167】
<参照例>
【0168】
フェロセン、メタン、硫黄含有触媒活性剤および運搬ガス(水素)を含む原料物質を利用して反応チャンバーでカーボンナノチューブを合成し、このカーボンナノチューブが凝集するようにしてヤーンを製造した。
【0169】
ただし、ヤーンの製造時、ヤーンの単位面積(μm)当たりのカーボンナノチューブの個数が略10個であり、厚さが8μmを有するようにヤーンの製造工程を制御した。
【0170】
その後、製造されるヤーンを溶媒処理した後、軸を基準として回転するボビン上に図2と同一の形態でヤーンを巻いた。
【0171】
この時、隣接したヤーンとヤーンの間の間隔が略0.0001μmをなすように均一にワインディングし、ワインディング終了後にボビンからヤーンを分離して内部空間を有するパイプ形態のシート予備体を製造した。
【0172】
<実験例:シート予備体の結合強度評価>
【0173】
まず、実施例と参照例で収得したシート予備体に対して、本発明に係る下記の数式(1)を利用して値を算出し、その値が本発明の範囲に属するかを判別した。
【0174】
10<D*T*C<7*10 (1)
【0175】
また、それぞれから収得されたシート予備体に対して結合強度を測定した。
【0176】
【表1】
【0177】
前記結果から確認できるように、本発明に係る数式(1)の値が本発明の範囲に属する実施例は相対的に高い結合強度を発現した。その反面、前記範囲から外れる参照例は低い結合強度を示した。
【0178】
一つの例において、実施例により製造されたシート予備体を圧着すると第2形態を有するカーボンナノチューブシートを製造することができ、この場合、単位ヤーンの間の距離がさらに近くなり得るため、製造されたカーボンナノチューブシートは向上した結合強度を有することができる。参考として、このように製造されたカーボンナノチューブシートは図13に図示されている。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明の製造方法は、前記カーボンナノチューブを形成する段階から前記シート予備体を製造する段階まで連続的に遂行してシート予備体を製造できる利点がある。
【0180】
本発明の製造方法はまた、カーボンナノチューブが凝集して形成されたヤーンを利用してシート予備体を製造し、前記シート予備体を加工してカーボンナノチューブシートを製造する。特に、ヤーンはカーボンナノチューブがよく整列されて形成された繊維の形態であるため、本発明の製造方法は従来のカーボンナノチューブペーストを利用した製造方法と比較して、カーボンナノチューブがさらによく整列されているカーボンナノチューブシートを具現することができる。
【0181】
また、前記ヤーンの末端から他の末端まで連続して巻かれているものの、ヤーンが均一な間隔で整列されている構造のシート予備体を製造し、これを切断および/または圧着する過程上の特徴に注目すべきである。このようなシート予備体を加工すると、前記ヤーンから由来する単位ヤーンは規則的な配列構造を形成する。
【0182】
その結果、前記単位ヤーンを含むカーボンナノチューブシートは、それぞれの単位ヤーンでカーボンナノチューブがよく整列されており、ひいては前記単位ヤーンが前記配列構造に基づいて規則的に整列された形態である。
【0183】
前記カーボンナノチューブシートはまた、本発明の数式(1)を満足することができ、この時、基材のような別途の支持体がなくても単位ヤーンの間に所定の結合強度が形成されてその形態をよく維持することができる。
【0184】
以上、本発明の実施例を参照して説明したが、本発明が属した分野で通常の知識を有する者であれば、前記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことが可能であろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】